説明

トイレ使用表示装置

【課題】トイレの使用状況を判り易く知らせることができるトイレ使用表示装置を提供する。
【解決手段】トイレ使用表示装置1に、便器21を有したトイレ室20における便器21に対して所定の位置に位置した人体を検知し、便器21近傍に設置された人体検知スイッチ32と、人体検知スイッチ32による人体の検知に応じて、マトリックス状に配置された複数のLED7の点灯箇所によって所定の文字を表示し、トイレ室20外に設置された表示器10とを主に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ室外に設置された表示器により、トイレ室における便器の使用状況を外部に知らせることができるトイレ使用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、トイレ室の使用状況を外部に知らせるものとして、ドアの施錠と共に移動する表示板によって、トイレ室の使用を知らせるものが知られている。しかしながら、このものは、表示サイズが小さい他に、表示板がドアのノブ付近にあるので、離れていると表示が判り難い問題があった。そこで、トイレ室外に設置されたランプ(表示器)とトイレ室内の使用者を検知する検知センサとを備え、検知センサが使用者を検知するとランプが点灯し、トイレ室の使用を知らせるものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、複数の便器を有したトイレ室で、小便器や大便器が夫々全て使用中になるとランプが点灯するものも提案されている(例えば、特許文献2)。なお、従来のトイレ室の使用を知らせる表示器は、透光性を有したパネルの後側にランプを配置したものであり、表示器のパネルに「使用中」や「×」などの文字を描いたものも提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のものは、表示器に照明等の光が外部から当たると、ランプの点灯が見辛くなり、トイレ室における便器の使用状況が判り難くなる問題がある。また、パネルに描かれた文字によって知らせるようにしているので、知らせる内容を容易に変更することができず、汎用性の低いものであった。
【0005】
そこで、本発明は上記実情に鑑み、トイレの使用状況を判り易く知らせることができるトイレ使用表示装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明のトイレ使用表示装置は、
「少なくとも一つの便器を有したトイレ室における便器に対して所定の位置に位置した人体を検知し、便器近傍に設置された人体検知スイッチと、
該人体検知スイッチによる人体の検知に応じて、マトリックス状に配置された複数のLEDの点灯箇所によって所定の文字を表示し、トイレ室外に設置された表示器と
を具備する」
ことを特徴として主に構成されている。
【0007】
ここで、トイレ室は、少なくとも一つの便器を有しているものであれば良く、例えば、便器を一つだけ有するものであったり、複数の便器を有するものであっても良い。また、複数の便器を有する場合、便器の種類が異なるものでも構わない。便器の種類としては、小便器、大便器、或いは和式便器、洋式便器等がある。
【0008】
また、便器に対する所定の位置とは、使用者が用を足す位置である。すなわち、小便器での立ち位置、和式便器での立ち位置、和式便器でのしゃがみ位置、洋式便器での立ち位置、及び、洋式便器での腰掛位置の五通りが該当する。
【0009】
また、人体検知スイッチは、前述した五通りの位置において、人体を検知するものであり、人体検知スイッチを設置する便器近傍としては、例えば、便器周辺の床、便器周辺の壁、便器本体、便座等がある。また、検知の種類としては、人体を検知するものであれば良く、例えば、人体からの荷重や熱を検知して作動するものや、人体の動作に反応して作動するものが挙げられる。
【0010】
また、表示器に表示される所定の文字は、便器が使用できるかどうかを伝えるものであれば良く、例えば、「使用中」、「空室」、「occupied」、「vacant」、「○」、「×」等が挙げられる。
【0011】
また、LEDは、一定間隔で縦横の行列を形成するマトリックス状に配置されており、その点灯箇所によって、文字が表示可能なドット数で構成されている。
【0012】
更に、表示器はトイレ室外の見易い位置に設置すれば良く、例えば、トイレ室の出入り口の上部であって、壁面に取り付けるものであったり、天井から吊るすものが挙げられる。また、表示器は、トイレ室の近傍に限らず、離れた位置に設置されていても良く、例えば、階が異なったり、屋外であっても構わない。
【0013】
したがって、本発明のトイレ使用表示装置によれば、トイレ室における便器の使用状況をLEDの点灯箇所で表示する文字によって知らせるため、表示器に照明等の光が外部から当たっても、見易い文字表示が可能となり、トイレの使用状況を判り易く知らせることができる。
【0014】
更に、本発明のトイレ使用表示装置は、上記構成に加え、「前記表示器は、前記人体検知スイッチによって人体を検知していない便器の数を便器の種類に応じて表示する」ものであっても構わない。
【0015】
ここで、便器の種類は、小便器、大便器、或いは和式便器、洋式便器等の形態別の種類だけではなく、使用者による種類も含まれ、例えば、男性用、女性用、子供用、身体障害者用等が挙げられる。
【0016】
また、表示器は、種類別の便器に対し、人体検知スイッチによって人体を検知していない便器の数を表示し、夫々の便器の空数が数字で表示される。また、この空き数は検知状況に連動して変化する。なお、空きが無い場合は、「0」や「満」を表示させれば良い。
【0017】
ところで、従来は、複数の便器が全て使用中になるとランプが点灯するものであったり、使用中の便器の数に応じた数のランプが点灯するものであったりしているので、一見しただけでは、便器の空き数がわからず不便であった。
【0018】
本発明のトイレ使用表示装置によれば、便器の空き数を便器の種類に応じて数字で表示するため、表示器を見れば、便器の空き数を直感的に認識でき、使い勝手を良くすることができる。
【0019】
更に、本発明のトイレ使用表示装置は、上記構成に加え、「前記人体検知スイッチは、人体からの荷重或いは熱を検知するものである」ものであっても構わない。
【0020】
ここで、人体からの荷重を検知するものは、例えば、薄い帯状に形成された電極板が非接触状態で重ねられ、表面に荷重がかかることにより、電極板が接触して回路が接続されるテープスイッチや、重ねたシート状のゴム板の間に複数のスイッチ素子が並べられ、ゴム板表面に荷重がかかることにより、回路が接続されるマットスイッチ等が挙げられる。また、人体からの熱を検知するものは、例えば、人体からの熱線を感知すると回路が接続される熱感自動スイッチ等が挙げられる。
【0021】
また、人体検知スイッチの設置位置は、例えば、人体から荷重を検知させるものの場合、小便器、和式便器及び洋式便器の立ち位置である便器の正面側の床や、和式便器のしゃがみ位置である便器の側面側の床や、洋式便器の腰掛位置である便座の裏面と便器とで挟まれる箇所に設置することができる。なお、このスイッチは一定の荷重がかからなければ動作しない動作荷重範囲を有し、便座の荷重だけでは動作しない。また、人体から熱を検知させるものの場合、人体を検知可能な距離内で、トイレ室の壁に設置することができる。
【0022】
ところで、従来の表示装置では、人体を検知するものとして、発光部と受光部との間が人体によって遮られたか否かを検知するセンサや、人体で反射した発光部からの光を受光部で検知するセンサ等を用いており、比較的高価であり、コストが高くなる問題があった。また、トイレの使用中に使用者が長時間静止状態でいると、センサの検知が非検知となり、使用中にもかかわらず、空いている表示を出してしまう問題があった。そのため、従来では、一つの便器に対して、種類の異なるセンサを複数配置して検知するようにしており、複雑な装置となって、更にコストが高くなる問題があった。
【0023】
本発明のトイレ使用表示装置によれば、人体検知スイッチを、人体からの荷重或いは熱を検知するものとしているので、所定の位置に位置した人体を確実に検知することができ、使用者が長時間静止状態でいても、非検知となるのを回避して、表示器に使用状況を表示することができる。また、人体検知スイッチを人体からの荷重を検知するものとした場合、人体から直接荷重を受けるため、確実に検知することができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の効果として、トイレの使用状況を判り易く知らせることができるトイレ使用表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)は本発明のトイレ使用表示装置の一実施形態を概略で示す説明図であり、(b)は(a)のトイレ使用表示装置における表示器を示す正面図である。
【図2】図1におけるトイレ室を拡大して示す斜視図である。
【図3】図1におけるトイレ室を外から見た斜視図である。
【図4】(a)は図1とは異なる本発明のトイレ使用表示装置の実施形態を概略で示す説明図であり、(b)は(a)のトイレ使用表示装置における表示器を示す正面図である。
【図5】本発明のトイレ使用表示装置における図1及び図4とは異なる形態の表示器を示す正面図である。
【図6】更に異なる形態の表示器を概略で示す説明図である。
【図7】本発明のトイレ使用表示装置における図1及び図4とは異なる形態の人体検知スイッチを用いたトイレ室を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態であるトイレ使用表示装置1について、図1乃至図3に基づいて説明する。ここで、図1(a)は本発明のトイレ使用表示装置の一実施形態を概略で示す説明図であり、図1(b)は(a)のトイレ使用表示装置における表示器を示す正面図であり、図2は図1におけるトイレ室を拡大して示す斜視図であり、図3は図1におけるトイレ室を外から見た斜視図である。
【0027】
本実施形態のトイレ使用表示装置1は、例えば、コンビニエンスストア、喫茶店、居酒屋等のトイレ室20に設置するものであり、一つの洋式の便器21を備えたトイレ室20に設置した例である。このトイレ使用表示装置1は、トイレ室20における便器21に対して所定の位置に位置した人体を検知し、便器21近傍に設置された人体検知スイッチ32と、人体の検知に応じて、マトリックス状に配置された複数のLED7の点灯箇所によって所定の文字を表示し、トイレ室20外に設置された表示器10とを具備するものである。
【0028】
本例のトイレ使用表示装置1の人体検知スイッチ32は、人体からの荷重がかかると作動(ON/OFF)するものであり、図1及び図2に示すように、便器21を立って使用する時の立ち位置の床に設置されたマット状のマットスイッチ31と、マットスイッチ31と一体的な回路構成とされ便器21の便座22に設置されたテープ状のテープスイッチ30とを備えており、マットスイッチ31及びテープスイッチ30が信号線33を介して表示器10と接続されている。
【0029】
マットスイッチ31は、トイレ室20の床全面に設置しても良いし、使用者の立ち位置のみに設置しても良い。また、テープスイッチ30は、便座22の足に設置しても良いし、便座22の足とは異なる位置に設置しても良く、便座22に使用者が座ることで便座22から便器21へかかる荷重によって作動するものであれば良い。なお、便座22の足とは異なる位置に設置する場合、テープスイッチ30をより厚いテープ状のエッジスイッチとしても良く、これにより、便座22と便器21との間に隙間があってもスイッチを作動させることができる。また、マットスイッチ31及びテープスイッチ30は、公知のものであり、詳細な説明は省略する。また、テープスイッチ30は、便座22の重さでは作動(検知)しないものとされている。
【0030】
また、トイレ使用表示装置1の表示器10は、図1及び図3に示すように、トイレ室20の室外で出入り口上部の壁に設置され表面に貫通した矩形状の貫孔8を有する箱状の本体ケース11と、本体ケース11の貫孔8から臨むように本体ケース11内に配置され複数のLED7がマトリックス状に取付けられた二つのLEDパネル3と、LEDパネル3における複数のLED7を点灯させ信号線33を介して人体検知スイッチ32と接続される基板2と、本体ケース11の表面で貫孔8の上部に描かれた「TOILET↑」の文字からなる案内情報4と、を備えている。
【0031】
また、基板2には、マトリックス状に配置された複数のLED7における点灯個所を指示して「使用中」又は「空室」の文字を表示させるための記憶媒体5(ROM)を備えており、人体検知スイッチ32からの検知信号に応じて、「使用中」又は「空室」の文字を表示させることができるようになっている。なお、本例のLEDパネル3は、96mm×96mmの正方形のLED基板に対して、縦横に夫々16ずつ合計256個のLED7をマトリックス状に配置したものであり、本体ケース11の貫孔8を通して縦16横32の合計512個のマトリックス状に配置されたLED7が視認できるようになっている。
【0032】
本実施形態のトイレ使用表示装置1は、トイレ室20の便器21に対して、使用者が立って使用する場合は、便器21の前側の床上に設置されたマットスイッチ31によって使用者を検知し、使用者が便器21の便座22に座って使用する場合は、床上に設置されたマットスイッチ31と便座22に設置されたテープスイッチ30とによって使用者を検知することができるようになっている。
【0033】
また、トイレ使用表示装置1は、人体検知スイッチ32によって人体を検知していない状態、つまり、トイレ室20(便器21)を使用していない状態では、基板2によって記憶媒体5に記憶された「空室」の文字が表示器10に表示されるようになっている。また、人体検知スイッチ32によって人体を検知している状態、つまり、トイレ室20を使用している状態では、基板2によって記憶媒体5に記憶された「使用中」の文字が表示器10に表示されるようになっている。
【0034】
なお、人体検知スイッチ32で人体を検知している状態から、人体を検知していない状態となった場合、直ちに「空室」を表示させるようにしても良いし、所定時間(例えば、1〜30秒)経過後に「空室」を表示させても良い。
【0035】
このように、本実施形態のトイレ使用表示装置1によると、トイレ室20における便器21の使用状況を、複数のLED7の点灯箇所によって「使用中」や「空室」等の文字により知らせるようにしているので、文字により知らせることで使用中か否かを即座に判別させることができると共に、表示器10に照明等の光が当たっても表示内容を判別し易くすることができ、トイレ室20の使用状況を判り易く知らせることができるトイレ使用表示装置1を提供することができる。
【0036】
また、本例のトイレ使用表示装置1によると、表示器10をトイレ室20外の出入り口上部に設置するようにしているので、離れた場所からも表示器10を見ることができ、トイレ室20の使用状況を確実に知らせることができる。また、本例のトイレ使用表示装置1によると、表示器10によりトイレ室20の使用状況を知らせるようにしており、トイレ室20のドアをノックしなくても使用の有無を確認することができるので、無用にノックするのを抑制することができ、使用者間で気まずくなるのを防止することができる。
【0037】
更に、本例のトイレ使用表示装置1によると、LED7を用いているので、電球と比較して寿命が長く消費電力も少ないので、球切れ等による交換作業等を少なくしてメンテナンス性を高めることができると共に、使用電力を低減させることができる。なお、本例では、人体検知スイッチ32が人体を検知していない時に、複数のLED7の点灯により「空室」の文字を表示させるようにしているが、LED7を点灯させないようにしても良く、トイレ室20を使用していない状態での消費電力を低減させることができる。
【0038】
また、本例のトイレ使用表示装置1によると、人体検知スイッチ32として、人体からの荷重によって作動するマットスイッチ31やテープスイッチ30を用いているので、所定の位置に位置した人体を確実に検知することができ、トイレ室20の使用状況を正確に知らせることができる。また、使用者がトイレ室20内で長時間静止状態となっていても、従来のセンサを用いたもののように人体の検知が非検知となることはなく、人体を検知し続けることができるので、確実に使用状況を知らせることができる。なお、トイレ室20の床に設置するマットスイッチ31を、床の全面に設置するようにしても良く、これにより、トイレ室20に洗面台や化粧台等を備えていても、便器21の使用の有無にかかわらずトイレ室20の使用を検知して、トイレ室20外へ知らせることができる。
【0039】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0040】
すなわち、本実施形態のトイレ使用表示装置1は、一つの便器21を有したトイレ室20に適用するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、図4に示すような、複数の小便器24や大便器25を有したトイレ室20に適用するトイレ使用表装置40としても良い。ここで、図4(a)は図1とは異なる本発明のトイレ使用表示装置の実施形態を概略で示す説明図であり、図4(b)は(a)のトイレ使用表示装置における表示器を示す正面図である。なお、上記した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。
【0041】
このトイレ使用表示装置40は、図示するように、トイレ室20における複数の小便器24や大便器25に対して所定の位置に位置した人体を夫々検知し各小便器24や大便器25の近傍に設置された人体検知スイッチ32と、人体検知スイッチ32からの検知に応じて複数の小便器24や大便器25の使用していない便器24,25の数を表示しトイレ室20外に設置された表示器41と、を備えている。
【0042】
このトイレ使用表示装置40は、人体検知スイッチ32として、大便器25に対しては上記と同様に、大便器25前側の床に設置されたマットスイッチ31と便座22に設置されたテープスイッチ30により人体を検知する。一方、小便器24に対しては、小便器24前側の床に設置されたマットスイッチ31により人体を検知するようにしている。
【0043】
このトイレ使用表示装置40の表示器41は、図4(b)に示すように、表面に貫通し左右に並んだ二つの矩形状の貫孔8を有する箱状の本体ケース42と、本体ケース42における二つの貫孔8の上側に描かれた「只今のWC空き状況」、左右に並んだ貫孔8の夫々左側に描かれた「Small」、「Big」の文字からなる案内情報4と、を備えている。この表示器41は、本体ケース42の二つの貫孔8から夫々臨むように本体ケース42内にLEDパネル3が配置されている。
【0044】
また、表示器41には、本体ケース42内にLEDパネル3の各LED7を表示させる基板2とは別に、信号線33を介して各小便器24や大便器25、及び基板2と接続されトイレ室20内の小便器24や大便器25の空数を表示させるための制御基板9を更に備えている。本例では、左側の貫孔8から臨むLEDパネル3には小便器24の空数が、右側の貫孔8から臨むLEDパネル3には大便器25の空数が夫々表示されるようになっている。なお、制御基板9では、小便器24や大便器25の空数を演算により算出して表示させるようにしても良いし、リレー回路等によって表示させるようにしても良い。更に、表示器41は、上記の例と同様に、記憶媒体5を有した基板2を備えており、記憶媒体5には各LED7の点灯個所によって表示される文字としての数字が記憶されている。
【0045】
このトイレ使用表示装置40によると、複数の小便器24や大便器25を有したトイレ室20に対して、小便器24や大便器25の空数を表示器41に数字で表示させるようにしているので、表示器41を見ることで便器24,25の空数を瞬時に認識することができ、使い勝手の良いトイレ使用表示装置40とすることができる。
【0046】
また、上記の実施形態では、一つのトイレ室20の使用状況を表示するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、図5に示すように、表示器10において男女別に分けて表示させるようにしても良い。なお、図5は、本発明のトイレ使用表示装置における図1及び図4とは異なる形態の表示器を示す正面図である。また、トイレ室20の男女別の他に、例えば、和式便器、洋式便器、或いは、身体障害者用等に応じて表示する表示器10としても良く、これにより、より判り易く使用状況を知らせることができる。
【0047】
また、本実施形態のトイレ使用表示装置1,40は、「使用中」、「空室」や数字等の文字を表示するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、トイレ使用表示装置1,40に、清掃者等の特定の者が操作可能なスイッチを設け、そのスイッチを操作することで表示器10,41に、「清掃中」等の文字を表示させる(図5を参照)ようにしても良い。これにより、トイレ室20の状況をトイレ室20外部へ判り易く知らせることができる。
【0048】
また、本実施形態のトイレ使用表示装置1,40は、基板2の記憶媒体5に予め記憶された文字を表示させるものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、記憶媒体5を書換可能とした上で、基板2に対して外部からパソコン等の制御装置を接続して、記憶媒体5に記憶された文字を変更したり、記憶された文字数を増やしたりすることができるようにしても良い。これにより、より様々な文字を表示させることが可能となり、トイレ使用表示装置1,40の設置個所に応じた文字を表示させて、汎用性の高いトイレ使用表示装置1,40とすることができる。
【0049】
更に、本実施形態のトイレ使用表示装置1,40は、一つの表示器10,41を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、複数の表示器10,41を備えたものとしても良い。例えば、トイレ室20の出入り口とトイレ室20へ向かう通路上に夫々表示器10,41を設置したり、トイレ室20の外壁の各壁面に夫々表示器10,41を配置したり、トイレ室20の出入り口だけでなくトイレ室20とは異なる部屋(フロア)や階に夫々表示器10,41を設置したりしても良く、上記と同様の作用効果を奏することができると共に、広い範囲にトイレ室20の使用状況を知らせることができる。
【0050】
また、本実施形態のトイレ使用表示装置1,40は、表示器10,41を壁に取付けるものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、天井から吊るしたり、床に立設された支柱に取付けたりしても良い。また、図6に示すように、表示器50の両面からLEDパネル3が臨むようにしても良く、表示器50の前後へ使用状況を知らせることができる。なお、図6は、更に異なる形態の表示器を概略で示す説明図である。
【0051】
更に、本実施形態のトイレ使用表示装置1,40は、人体検知スイッチ32としてマットスイッチ31やテープスイッチ30等の人体からの荷重を検知するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、図7に示すような、トイレ室20の壁に設置し人体からの熱を検知する熱感自動スイッチ34を用いても良く、上記と同様の作用効果を奏する他に、トイレ室20の床や便座22にスイッチを取付ける必要がなく、設置に係る手間やメンテナンスを容易にすることができると共に、トイレ室20の清掃作業を行い易くすることができる。なお、図7は本発明のトイレ使用表示装置における図1及び図4とは異なる形態の人体検知スイッチを用いたトイレ室を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1 トイレ使用表示装置
2 基板
3 LEDパネル
7 LED
9 制御基板
10 表示器
11 本体ケース
20 トイレ室
21 便器
30 テープスイッチ
31 マットスイッチ
32 人体検知スイッチ
34 熱感自動スイッチ
40 トイレ使用表示装置
41 表示器
50 表示器
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【特許文献1】特開2005−305123号公報
【特許文献2】特開平8−185135号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの便器を有したトイレ室における便器に対して所定の位置に位置した人体を検知し、便器近傍に設置された人体検知スイッチと、
該人体検知スイッチによる人体の検知に応じて、マトリックス状に配置された複数のLEDの点灯箇所によって所定の文字を表示し、トイレ室外に設置された表示器と
を具備することを特徴とするトイレ使用表示装置。
【請求項2】
前記表示器は、
前記人体検知スイッチによって人体を検知していない便器の数を便器の種類に応じて表示することを特徴とする請求項1に記載のトイレ使用表示装置。
【請求項3】
前記人体検知スイッチは、
人体からの荷重或いは熱を検知するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトイレ使用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−125593(P2011−125593A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288797(P2009−288797)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(309041007)有限会社共立工業 (2)
【Fターム(参考)】