トップローラサポート・ウェイティングアーム
紡績機械ドラフト機構のためのトップローラサポート・ウェイティングアームが、トップローラを保持するために保持装置を有している。少なくとも1つの保持装置に、付属のトップローラに負荷をかけるためのばねエレメントが対応配置されている。負荷はばねエレメントに作用する負荷エレメントによって行われる。この負荷エレメントは調整エレメントにより調節可能である。調整エレメントはドラフト機構の運転位置において少なくとも十分にカバーされている。調整可能な表示手段(25)が負荷の高さを表示するために設けられている。表示手段(25)はトップローラサポート・ウェイティングアーム(1)に対して相対的に運動可能であり、表示手段(25)の位置が調整エレメントの調節位置と共に変更されるように調整エレメントに連結されている。表示手段(25)は、常にトップローラサポート・ウェイティングアーム(1)の位置に関連せずに簡単に認識可能であるように配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部記載のトップローラサポート・ウェイティングアームに関する。
【0002】
一般的に紡績機械ドラフト機構はトップローラサポート・ウェイティングアームを有している。このトップローラサポート・ウェイティングアームにおいてトップローラは個々にばねエレメントによって負荷可能である。有利な運転条件を得るために、個々のトップローラへの負荷圧を特に微細段階的に調節することができ、従って各紡績条件に適合させることができる。
【0003】
この種のトップローラサポート・ウェイティングアームは、たとえばDE−AS1087496から公知である。トップローラはガイドアームで保持されていて、これらのガイドアームはその負荷ばねおよび実質的にU字形またはアーチ形のスライダと共に、トップローラサポート・ウェイティングアームの内側で移動・位置固定可能なユニットを形成する。このようなユニットはモジュールとしてトップローラサポート・ウェイティングアームから完全に取り外され、取り外された状態で、ばねの負荷の調節が行われる。個々のユニットは、たとえばユニットの支承個所の領域といったスライダまたはガイドアームのマークまたは記号により特徴付けられている。従ってこれによって負荷ばねの個々の圧力段階および圧力部材の個々の位置のために各負荷圧力が示される。トップローラサポート・ウェイティングアームへの組付け後、および位置固定ねじによって調節されたユニットの位置固定後に、マークと記号とは可視ではない。トップローラサポート・ウェイティングアームを操作する操作レバーは、運転位置ではトップローラサポート・ウェイティングアームの上側に設けられている位置固定ねじを完全に隠してしまう。
【0004】
DE−AS1169342にはばねエレメントを備えたトップローラサポート・ウェイティングアームが示されている。ばねエレメントは1つの部材から成形された二脚式の湾曲ばねとして構成されている。トップローラサポート・ウェイティングアームの上側面に配置された六角ねじで、ねじを回動させることによりトップローラに作用するばね力を調節することができる。ばね力を調節するための別の構成では、ピンに不動に結合されたカムがばねに作用する。ばね力の調節はピンの回動により行われる。ねじの六角ヘッドの位置から、負荷の高さは読み取ることはできない。
【0005】
DE−AS1169342に記載の別の構成では、全てのトップローラを負荷するためのばね力の調節は、トップローラサポート・ウェイティングアームの上側に設けられている長手方向孔で長手方向に移動可能および規定可能である調節ねじによって一緒に行われる。長手方向孔の他に目盛りが配置されている。この目盛りに対する調節ねじの相対的な各位置により、ばね力の再現可能な調節が可能なる。ばね力の読取りはトップローラサポート・ウェイティングアームの運転位置においてはもはや可能ではない。
【0006】
DE3016814A1にはドラフトフィールド平面に対して傾斜して配置されている圧縮ばねを備えたトップローラサポート・ウェイティングアームが記載されている。圧縮ばねの効果的なばね長さは可変で規定可能である。負荷調整は調整偏心体の貫通部へと差し込まれる調節工具によって行われる。調整偏心体の貫通部は調節工具と相俟って両部分の唯一の対応のみを許容する形状を有している。従って負荷調整の間に調節工具を差し込んだ際には、調節工具の角度位置においてそれぞれ調節された負荷段階は明らかに認識可能である。負荷段階はマーキングにより調節工具において読取り可能である。調節工具は負荷調節が行われ後で再び取り去られ、トップローラサポート・ウェイティングアームの上面は操作レバーにより隠されてしまうと、どの負荷段階に調節されているかはもはや認識可能ではない。
【0007】
上位概念部に記載されたDE6609341Uは複数の加圧ローラを備えた紡績機械のためのドラフト機構を開示している。これらの加圧ローラは対応配置された負荷装置によって圧力で負荷される。負荷装置はトップローラサポート・ウェイティングアームの部分である。複数のトップローラサポート・ウェイティングアームは、目盛りと表示部材とを有するそれぞれ唯一の表示装置を有している。この表示装置によって負荷ローラに作用する調節された圧力を、トップローラサポート・ウェイティングアームのヘッド端部で読み取ることができる。この場合、ばね特性は表示された値に移行する。調整過程もしくは測定過程が表示される。手間のかかる調整過程は、種々異なる表示装置の相互の表示の比較を前提とする。表示装置は調整過程後に実際にトップローラに作用するいわゆる絶対圧力の値を連続的に示す。しかしこの絶対圧力はトップローラの負荷時にのみ、つまりトップローラサポート・ウェイティングアームの運転状態において表示されている。この運転状態ではトップローラは、ドラフト機構を通り抜ける繊維帯を挟むためにそれぞれ対応配置されたボトムローラと協働する。トップローラサポート・ウェイティングアームが上方に上げられている際にトップローラがボトムローラに圧力をかけていない場合には、表示装置の表示は調節された負荷に対する表出にも、別のトップローラの調節された負荷との比較にも適していない。1つのトップローラサポート・ウェイティングアームにおいて加圧ローラによる複数回の圧力負荷が互いに別個に調節されると、トップローラサポート・ウェイティングアームのヘッド端部に設けられている表示装置には、そのうちのそれぞれ唯一の圧力値しか読取り可能でない。
【0008】
従って、トップローラサポート・ウェイティングアームの種々異なるトップローラのそれぞれ必要な負荷が正しく調節されているかどうかの、同時で迅速な調査がこれまでに公知のトップローラサポート・ウェイティングアームでは常に可能ではない。
【0009】
本発明の課題は、トップローラの位置または数およびトップローラサポート・ウェイティングアームの状態に関係なく、トップローラサポート・ウェイティングアームのトップローラの、それぞれ調節された負荷を簡単に迅速に認識して調査することを常に可能にすることである。
【0010】
この課題は、請求項1記載のトップローラサポート・ウェイティングアームにより解決される。
【0011】
本発明によるトップローラサポート・ウェイティングアームのさらに有利な構成は、従属請求項の対象である。
【0012】
ドラフト機構の運転中に表示手段がトップローラサポート・ウェイティングアームの側面で見て可視であるように配置されている、負荷の高さを表示するための調整可能な表示手段を有するトップローラサポート・ウェイティングアームが、調節された負荷を、各トップローラ、特にトップローラサポート・ウェイティングアームの中間ローラと入口ローラにおいても常に可視で読取り可能であるようにする。従って正しい負荷が調節されているかどうかの簡単で迅速な調査が、トップローラの位置とトップローラサポート・ウェイティングアームの状態とに関係なく常に可能である。調査のために製造の中断および操作レバーを上方に上げることは必要ではない。トップローラサポート・ウェイティングアームの種々異なるトップローラのそれぞれ互いに別体に調節された負荷も一目で認識可能である。
調整エレメントが、この調整エレメントの調節位置の変更が負荷段部に応じて専ら段階的に行われるように形成されていると、調節された負荷段階を特に容易に認識することができ、別の負荷段階と区別することができる。
表示基部部分に対する表示手段の位置により少なくとも1つの表示面が形成されると、負荷段階の簡単で迅速な認識と区別が可能である。表示面はその外観に基づき、それぞれ調整エレメントの調節位置に一義的に対応配置することができる。所定の負荷段階に対する各表示面の対応配置は、ジオメトリックな形状および表示表面の位置またはこの表示表面の色に基づき行うことができる。
負荷の調節のために回動可能で、角度位置から調節状態を明らかにする調整エレメントが、コイルばねの圧力負荷の調整のために特に適していて、僅かなスペース需要しか有していない。コイルばねは個々のトップローラの圧力負荷のために使用される。
有利には、調整エレメントの回動運動は、トップローラサポート・ウェイティングアームの長手方向で表示手段を線形の運動、つまりリニア運動に変換可能である。
有利には表示手段がトップローラサポート・ウェイティングアームの両方の長手方向側面の少なくとも一方の長手方向側面に配置されていると、表示手段は特に簡単ではっきりと認識可能である。
表示フレームとして形成されている表示基部部分と、表示フレームの内側でこの表示フレームに対して相対的に調整可能である表示手段とにより、簡単な形式で、たとえば3段階に調節可能な負荷段階のうちの1つの負荷段階に対する対応配置が迅速で一義的に認識可能であることが可能である。トップローラの間隔、いわゆるフィールド幅の変更時には、表示フレームの移動がトップローラと共に行われる。この場合、表示フレームに対する表示手段の相対的な位置は負荷が変更されていない場合には、同様に変わらないままである。トップローラの移動後に、表示手段を調整する必要も、負荷を新たに調節する必要もない。
【0013】
有利な構成はカムを有している。この場合、調整エレメントは相対回動不能にカムと結合されている。このカムの回動運動が表示手段の位置を変更する。有利には、調整エレメントは少なくとも部分的に多角形ピンとして構成されているか、有利な択一的な構成ではヘッドを有している。前記多角形ピンはカムディスクと相対回動不能に結合されていて、有利には表示手段の位置が調整エレメントの角度位置に依存しているように、表示手段の一部分に係合する。前記ヘッドの下面は隆起したカム輪郭を有していて、このカム輪郭は、表示手段の位置が調整エレメントの角度位置に依存しているように表示手段の一部分に係合している。さらに有利な択一的な構成では、調整エレメントがヘッドを有していて、このヘッドの下面が偏心的に配置されたピンを有している。この場合、このピンは表示手段の可能な運動方向に対して横方向で延在している、表示手段の長手方向孔に係合する。有利なさらに別の択一的な構成では、調整エレメントの回動軸は、ばねエレメントの負荷方向に対して横方向で延在していて、偏心体エレメントが、この偏心体エレメントによって、ばねエレメントの負荷が調整可能でもあり、表示手段の位置が可変でもあるように配置されている。この構成は、調整エレメントの回動運動を表示手段のリニア運動へ簡単で確実な変換を可能にする。構成部分の数も取付け手間も僅かに維持することができる。
【0014】
表示手段が、トップローラサポート・ウェイティングアームの同様にU字形の異形材を取り囲むU字形の異形材を有していると、表示手段はトップローラサポート・ウェイティングアームにおいてスペースを節約して取り付けることができ、フレームと保持装置と共にトップローラサポート・ウェイティングアームの長手方向で簡単に移動可能で位置固定可能である。
【0015】
トップローラサポート・ウェイティングアームにより、特に簡単な構成が可能となる。つまりトップローラサポート・ウェイティングアームは、操作レバーとヘッドを備えた少なくとも1つの調整エレメントとを有していて、この場合、ヘッドは表示フレームによって十分にカバーされ、ヘッドの周面が表示面を有していて、この表示面によってそれぞれ1つの表示面が表示フレームの所定の開口を通して可視であり、この場合、運転位置の操作レバーが、トップローラサポート・ウェイティングアームのU字形の異形材に対して、操作面が認識可能である程度の間隔をおいて配置されている。調整エレメントの運動の移行のための手間はかからない。たとえば色面である表示面は、別の構成部材を必要とすることなく、調整エレメントの調整された角度位置、ひいては調整された負荷を明確に示す。表示面は種々異なる色の選択により多様な表示可能性を提供する。
【0016】
各トップローラの予め選択された負荷段階の表示は、個々の各トップローラにとっては別個に可能であり、トップローラサポート・ウェイティングアームにおけるトップローラの配置に関係なく、ドラフト機構の作業状態でも、トップローラサポート・ウェイティングアームが上方に上げられている際にも読取り可能で、簡単に調査可能である。
【0017】
本発明により、たとえば1つの紡績機械において並んで配置されたドラフト機構においてそれぞれ同位置のトップローラにおいて調節された負荷段階の簡単な比較が可能にになった。
【0018】
本発明の別の構成は、図面につき説明された実施例から見て取ることができる。
【0019】
本発明に係る紡績機械ドラフト機構のためのトップローラサポート・ウェイティングアームは、トップローラを保持するための保持装置を備えた紡績機械ドラフト機構のためのトップローラサポート・ウェイティングアームであって、少なくとも1つの保持装置に、付属のトップローラを負荷するためのばねエレメントが対応配置されており、負荷が、ばねエレメントに作用する調整エレメントにより調節可能であり、該調整エレメントが、ドラフト機構の運転状態で少なくとも十分にカバーされており、負荷の高さを表示するための調整可能な表示手段と表示基部部分とが設けられており、表示手段が、トップローラサポート・ウェイティングアームに対して相対的に運動可能であり、表示手段が、調整エレメントに連結されているので、調整エレメントの調節位置の変更と共に表示手段の位置が、表示基部部分に対して相対的に変更され、表示手段が、ドラフト機構の運転中にカバーされていない形式のものにおいて、表示手段が、ドラフト機構の運転中にトップローラサポート・ウェイティングアームを側面から見て可視であることを特徴とする。
【0020】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントの調節位置の変更が、負荷段階に応じて専ら段階的に行われるように、調整エレメントが形成されている。
【0021】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、表示基部部分に対する表示手段の位置により、少なくとも1つの表示面が形成されており、該表示面が、それぞれ該表示面の外観に基づいて、調整エレメントによって調節された負荷段階に一義的に対応配置されている。
【0022】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントが、負荷を調節するために回動可能である。
【0023】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントの回動運動が、トップローラサポート・ウェイティングアームの長手方向で表示手段をリニア運動に変換可能である。
【0024】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、表示手段が、少なくとも1つのトップローラサポート・ウェイティングアームの2つの長手方向側面の少なくとも一方の長手方向側面に配置されている。
【0025】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、表示基部部分が表示フレームとして構成されており、該表示フレームが、トップローラサポート・ウェイティングアームの長手方向でトップローラと一緒に移動可能であり、トップローラサポート・ウェイティングアームの所定の位置で位置固定可能であり、表示手段が、表示フレームの内側で該表示フレームに対して相対的に調整可能である。
【0026】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントが、カムと相対回動不能に結合されており、該カムの回動運動が、表示手段の位置を変える。
【0027】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントが、少なくとも部分的に多角形ピンとして形成されており、該多角形ピンが、カムディスクと相対回動不能に結合されており、カムディスクが、表示手段の所定の区分に作用するので、表示手段の位置が、調整エレメントの角度位置に依存している。
【0028】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントが、該調整エレメントの下面に隆起したカム輪郭を有しているヘッドを有しており、カム輪郭が、表示手段の所定の区分に係合するので、表示手段の位置が、調整エレメントの角度位置に依存している。
【0029】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントが、該調整エレメントの下面において偏心的に配置されたピンを備えたヘッドを有しており、ピンが、表示手段の可能な運動方向に対して横方向で延在している、表示手段の長手方向孔に係合する。
【0030】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、表示手段が、U字形の異形材を有しており、該U字形の異形材が、トップローラサポート・ウェイティングアームの同様にU字形の異形材を取り囲んでいる。
【0031】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントの回動軸が、ばねエレメントの負荷方向に対して横方向で延在しており、偏心体エレメントが、該偏心体エレメントによってばねエレメントの負荷が調節可能でもあり、表示手段の位置が変更可能でもあるように配置されている。
【0032】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、トップローラサポート・ウェイティングアームが、操作レバーとヘッドを備えた少なくとも1つの調整エレメントとを有しており、ヘッドが、表示フレームによって十分にカバーされ、ヘッドの周面が表示面を有しており、該表示面によってそれぞれ1つの表示面が、表示フレームの開口を通して可視であり、操作レバーが、運転位置においてトップローラサポート・ウェイティングアームのU字形の異形材に対して、表示面が認識可能である程度の間隔をもって配置されている。
【0033】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、表示面が色面である。
【0034】
図1は、調整可能なトップローラのための保持装置を備えた、運転位置にある紡績機械ドラフト機構のトップローラサポート・ウェイティングアーム1の長手方向側面を示している。図2に示されている上から見た付属の図には、操作レバー14を外したトップローラサポート・ウェイティングアーム1が示されている。これによりトップローラサポート・ウェイティングアーム1の支持異形材24は、操作レバー14を上方に旋回した際に操作員が見る眺め通りに図示される。保持装置は、出口ローラ11、中間ローラ12および入口ローラ13として配置されたトップローラのためにそれぞれホルダ2,3,4を有している。トップローラはツインローラとして形成されていて、トップローラの軸8,9,10でホルダ2,3,4の収容部5,6,7に保持されている。
【0035】
図3、図4、図5、図6および図7において図面をより見やすくするために支持異形材24を外して個別に示された保持装置15は、保持異形材16と、コイルばね17と、調整エレメント18と、協働する2つの負荷エレメント19,20と、保持異形材16に支承された旋回軸21と、この旋回軸21を中心にして旋回可能なホルダ4と、固定ねじ22とを有している。この固定ねじ22は、保持異形材16の他に表示フレーム23も支持異形材24に位置固定する。表示フレーム23に表示手段25が対応配置されている。選択された負荷段階、ひいてはコイルばね17の各プリロードを調節するために、調整エレメント18が負荷段階に対応している角度位置に動かされる。六角穴を有する調整エレメント18のヘッド26の回動は簡単に六角スパナで行われる。調整エレメント18は部分的に六角ピン27として形成されている。六角ピン27は相対回動不能に負荷エレメント19に係合し、軸線方向で位置固定されている。負荷エレメント19の下面は、それぞれ斜面により互いに結合された面状の段部を有している。これらの段部は環状に配分されている。負荷エレメント19は軸線方向で負荷エレメント20に位置している。この負荷エレメント20の、負荷エレメント19寄りの上側の面は、図8に示されているように同様に斜面28により互いに結合された段部29を有している。上方から見て反時計回りで、負荷エレメント20に対して相対的に負荷エレメント19を回動することにより、負荷エレメント20は下方に鉛直に押圧される。負荷エレメント20の面30,31は、保持異形材16の面部分32,33によって案内されているので、負荷エレメント20は回動可能ではない。負荷エレメント19が反対方向で回動する際には、コイルばね17の軸線方向で作用するばね力の作用を受け負荷エレメント20は、再び上方に運動する。負荷エレメント20の鉛直運動は、コイルばね17のプリロードの変化を引き起こす。負荷エレメント19,20は、プリロードが3段階で調節可能であるように構成されている。調整エレメント18のヘッド26の下面は、図7および図9に示された隆起したカム輪郭34を有している。このカム輪郭34に六角ピン27は接続する。
【0036】
図3〜図6に示されているように組立てられた状態では、カム輪郭34は表示手段25の窓区分35に係合する。カム輪郭34と窓区分35とは、調整エレメント18の回動領域にわたって常に相対している2つの点で接していて、これにより調整エレメント18の回動運動時にこの回動運動が、支持異形材24に対して相対的にトップローラサポート・ウェイティングアーム1の長手方向で表示手段25を、リニア運動に一義的に変換するように成形されている。この場合、表示手段25は表示フレーム23内で運動する。この表示フレーム23は固定ねじ22により支持異形材24に位置固定されている。調整エレメント18のヘッド26はノーズ36を有している。このノーズ36は表示フレーム23に配置されている目盛り37と相俟って、コイルばね17にプリロードを付与するために選択されている負荷段階の迅速で正確な調節を容易にする。調節中に手動の操作レバー4は上方旋回させられていて、調整エレメントは上方から簡単に接近可能であり、ノーズ36の位置および目盛り37は操作員にとって上方から簡単に認識可能である。図1に示されているような運転位置では、操作レバー14は図示の位置へと下方に閉じられている。この場合、操作レバー14は調整エレメント18のヘッド26および目盛り37をカバーする。これにより調整エレメント18の調節された角度位置は、操作員からは見えなくなっていて、ひいては角度位置から負荷段階を推論するという可能性も奪われている。しかし図1、図3または図7に示したように、表示フレーム23の表示手段25の位置は一目で常に認識可能のままである。この場合、表示手段25は、この図面において表示フレーム23の左側の部分に接触する位置を占めている。これは調整エレメント18の角度位置に対応する。この角度位置では、ノーズ36は図2または図4では目盛り37の上側の線に配向されている。この状態で負荷段階はコイルばね17の最も僅かなプリロードで調節されている。
【0037】
表示手段25は常に可視の三角面を有している。この三角面は実施例では負荷段階に対応する3つの異なる位置に調節可能である。調節された負荷段階に応じて、表示手段25と表示フレーム23との間に異なる表示面86,87,88がもたらされる。表示面86,87,88の外観は、適切な負荷段階を簡単に迅速に認識する、もしくは別の負荷段階とは区別することを可能にする。所定の負荷段階に対しての対応配置は、ジオメトリックな形状と表示面86,87,88の位置または表示面86,87,88の色に基づいて行うことができる。図10には表示手段25が表示フレーム23の中央位置で示されている。この位置はコイルばね17への中間のプリロードでの負荷段階の調節に相当する。図11では表示手段25が表示フレーム23の右側の縁位置で示されている。この位置はコイルばね17への最高のプリロードでの負荷段階の調節に相当する。表示手段25は運動方向で、表示手段25のU字形異形材が、トップローラサポート・ウェイティングアーム1の同様にU字形の支持異形材24を形状結合式に取り囲むことにより案内される。表示手段25は表示フレーム23の内側で運動する。表示フレーム23は表示手段25と同様のU字形異形材を有していて、表示手段25の調整経路を両方向で制限する。表示手段25、表示フレーム23、支持異形材24、保持異形材16および調整エレメント18の互いの位置は、図1、図2、図4および図12に示されている。
【0038】
図13には簡単に構成された表示手段38が示されている。図13では可視でない調整エレメント39のヘッドは、その下面においてピン40を有している。このピン40は長手方向孔41に係合する。この長手方向孔41は表示手段38の運動方向に対して横方向で延在している。調整エレメント39は、表示手段38の中央に配置された長手方向孔42を貫通している。この長手方向孔42は表示手段38の運動方向に配向されている。中央位置における表示手段38の位置は、中間のプリロードに相当する。調整エレメント39が回動されると、ピン40は表示手段38を表示フレーム23と調整エレメント39とに対して相対的に移動させる。この構成でも、負荷段階の常に簡単に認識可能な表示と簡単な認識とが可能である。
【0039】
図14には本発明の対象の択一的な別の構成が示されている。図示の調整エレメント43は回動軸80を中心にして回動可能である。回動軸80の両端部はそれぞれ保持異形材48において支承されている。保持異形材48は位置固定ねじ49で支持異形材44に位置固定されている。調整エレメント43の回動軸80は水平方向、および支持異形材44の長手方向に対して横方向、およびコイルばね45の負荷方向に対して横方向で延在している。支持異形材44はトップローラサポート・ウェイティングアーム46の部分である。内側に位置する構成部分の位置を見やすくするために、支持異形材44と操作レバー50とを図14では部分的に側方を断面して示してある。明らかにするために図14Aでは図14の細部Aを拡大して示した。調整エレメント43は実質的にディスク状の多角形の偏心体面82,83,84を備えた偏心体81として形成されている。図14もしくは図14Aの偏心体面82は、ベースプレート85に作用する。このベースプレート85はコイルばね45の一端部を支持している。偏心体81が(図14Aにおいて時計回りで)、偏心体面82の代わりに偏心体面83がベースプレート85に接触するまで回動すると、ベースプレート85は新たな位置を占める。図14Aに示された位置とは異なり、新たな位置は回動軸80からさらに離されて位置している。コイルばね45はベースプレート85の新たな位置でより強く押しつける。これにより付属のトップローラにかけられる負荷は高められている。実施例に示した偏心体面82,83,84を備えた偏心体81により、負荷の調節が3段階で可能である。調整エレメント43は表示手段47に直接作用する。調整エレメント43が回動運動させられ、これにより表示手段47の位置が変化する。表示手段47は、コイルばね45の調節されたプリロードの負荷段階に対応して、表示フレーム51においてそれぞれ1つの位置を占める。同様にもたらされた表示を、表示フレーム51Aの表示手段47Aの位置に基づき確認することができる。
【0040】
図15に示されたトップローラサポート・ウェイティングアーム73は調整エレメントを有している。この調整エレメントは、たとえば図2に示した調整エレメント18と同じように形成されている。図15に示されている運転位置では、操作レバー78は下方に閉じられている。操作レバー78と表示フレーム74,75とによって調整エレメントは十分にカバーされる。表示フレーム74,75は開口を有している。調整エレメントはそのヘッドの周面にマーキング部もしくは種々異なる色の色面を有している。これらの色面は、表示面76,77としてそれぞれ表示フレーム74,75の開口を通してトップローラサポート・ウェイティングアーム73を側面で見て可視である。従って調整エレメントは表示手段としても機能する。マーキング部もしくは種々異なる色の色面として構成された表示面76,77は、開口により制限された角度領域の内側の表示面のそれぞれ可視の色に相応して、各調整エレメントの角度位置の確認を可能にする。調整エレメントは、たとえば3つの調節位置を占めることができる。これらの調節位置に調整エレメントは回動により段階的に調節可能である。回動により調整エレメントのヘッドの周面は表示フレーム74,75に対して相対的に運動する。各調節位置は所定の負荷段階に相当する。3つの調節位置では調整エレメントのヘッドは、たとえば赤、緑、黒の三色を有している。同じ負荷段階ではそれぞれ同じ色が表示フレーム74,75の開口に表示される。図15では黒色の可視の表示面76,77である。黒色の可視の表示面76,77の縁部は、同時に表示フレーム74,75の開口の縁部を示している。操作レバー78は、マーキング部もしくは種々異なる色の色面として構成された表示面76,77はなお認識可能である位置に配置されていて、支持異形材79からは離間されている。トップローラサポート・ウェイティングアーム73の各トップローラの負荷段階は、運転位置でもトップローラサポート・ウェイティングアーム73が上方に開かれた場合でも読取り可能であり、従って簡単に調査可能である。
紡績機械に並んで配置されているトップローラサポート・ウェイティングアームにおいて、たとえば出口ローラ13として図1および図2では一番右側にあり、同じ位置を占めているトップローラは、一般的には同じ負荷段階に調節されている。従って、負荷段階を正しく調節する場合、出口ローラ13の所定の負荷段階を表示する全表示面76,77,86,87,88は同じ外観を有している。誤調整の場合には、トップローラサポート・ウェイティングアームの出口ローラ13の表示面76,77,86,87,88の異なる外観が信号作用を有していて、即座に注意を引くようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】紡績機械ドラフト機構のトップローラサポート・ウェイティングアームを側面図で示した図であり、この場合、部分的に断面図で示してある。
【図2】図1のトップローラサポート・ウェイティングアームを上方から見た図である。
【図3】図1のトップローラサポート・ウェイティングアームの保持装置の側面図である。
【図4】図3の保持装置を上方から見た図である。
【図5】図4の保持装置のトップローラサポート・ウェイティングアームの長手方向での断面B−Bを示した図である。
【図6】図3の保持装置の断面A−Aを示した図である。
【図7】図3の保持装置の分解図である。
【図8】図7の保持装置の付加エレメントの斜視図である。
【図9】カムを備えた調整エレメントの拡大図である。
【図10】中心位置にある表示手段を示した図である。
【図11】縁位置にある表示手段を示した図である。
【図12】断面C−Cの簡略図であって、この断面C−Cが表示手段と、表示フレームと、支持異形材と、保持異形材と調整エレメントとに制限されている。
【図13】簡略化された構成の表示手段を示した図である。
【図14】調整エレメントを示した図であって、調整エレメントの回動軸がばねエレメント負荷方向に対して横方向で延在している。
【図14a】偏心体を備えた図14の細部Aを示した図である。
【図15】トップローラサポート・ウェイティングアームを示した図である、このトップローラサポート・ウェイティングアームが周面にマーキング部を有する調整エレメントを有している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部記載のトップローラサポート・ウェイティングアームに関する。
【0002】
一般的に紡績機械ドラフト機構はトップローラサポート・ウェイティングアームを有している。このトップローラサポート・ウェイティングアームにおいてトップローラは個々にばねエレメントによって負荷可能である。有利な運転条件を得るために、個々のトップローラへの負荷圧を特に微細段階的に調節することができ、従って各紡績条件に適合させることができる。
【0003】
この種のトップローラサポート・ウェイティングアームは、たとえばDE−AS1087496から公知である。トップローラはガイドアームで保持されていて、これらのガイドアームはその負荷ばねおよび実質的にU字形またはアーチ形のスライダと共に、トップローラサポート・ウェイティングアームの内側で移動・位置固定可能なユニットを形成する。このようなユニットはモジュールとしてトップローラサポート・ウェイティングアームから完全に取り外され、取り外された状態で、ばねの負荷の調節が行われる。個々のユニットは、たとえばユニットの支承個所の領域といったスライダまたはガイドアームのマークまたは記号により特徴付けられている。従ってこれによって負荷ばねの個々の圧力段階および圧力部材の個々の位置のために各負荷圧力が示される。トップローラサポート・ウェイティングアームへの組付け後、および位置固定ねじによって調節されたユニットの位置固定後に、マークと記号とは可視ではない。トップローラサポート・ウェイティングアームを操作する操作レバーは、運転位置ではトップローラサポート・ウェイティングアームの上側に設けられている位置固定ねじを完全に隠してしまう。
【0004】
DE−AS1169342にはばねエレメントを備えたトップローラサポート・ウェイティングアームが示されている。ばねエレメントは1つの部材から成形された二脚式の湾曲ばねとして構成されている。トップローラサポート・ウェイティングアームの上側面に配置された六角ねじで、ねじを回動させることによりトップローラに作用するばね力を調節することができる。ばね力を調節するための別の構成では、ピンに不動に結合されたカムがばねに作用する。ばね力の調節はピンの回動により行われる。ねじの六角ヘッドの位置から、負荷の高さは読み取ることはできない。
【0005】
DE−AS1169342に記載の別の構成では、全てのトップローラを負荷するためのばね力の調節は、トップローラサポート・ウェイティングアームの上側に設けられている長手方向孔で長手方向に移動可能および規定可能である調節ねじによって一緒に行われる。長手方向孔の他に目盛りが配置されている。この目盛りに対する調節ねじの相対的な各位置により、ばね力の再現可能な調節が可能なる。ばね力の読取りはトップローラサポート・ウェイティングアームの運転位置においてはもはや可能ではない。
【0006】
DE3016814A1にはドラフトフィールド平面に対して傾斜して配置されている圧縮ばねを備えたトップローラサポート・ウェイティングアームが記載されている。圧縮ばねの効果的なばね長さは可変で規定可能である。負荷調整は調整偏心体の貫通部へと差し込まれる調節工具によって行われる。調整偏心体の貫通部は調節工具と相俟って両部分の唯一の対応のみを許容する形状を有している。従って負荷調整の間に調節工具を差し込んだ際には、調節工具の角度位置においてそれぞれ調節された負荷段階は明らかに認識可能である。負荷段階はマーキングにより調節工具において読取り可能である。調節工具は負荷調節が行われ後で再び取り去られ、トップローラサポート・ウェイティングアームの上面は操作レバーにより隠されてしまうと、どの負荷段階に調節されているかはもはや認識可能ではない。
【0007】
上位概念部に記載されたDE6609341Uは複数の加圧ローラを備えた紡績機械のためのドラフト機構を開示している。これらの加圧ローラは対応配置された負荷装置によって圧力で負荷される。負荷装置はトップローラサポート・ウェイティングアームの部分である。複数のトップローラサポート・ウェイティングアームは、目盛りと表示部材とを有するそれぞれ唯一の表示装置を有している。この表示装置によって負荷ローラに作用する調節された圧力を、トップローラサポート・ウェイティングアームのヘッド端部で読み取ることができる。この場合、ばね特性は表示された値に移行する。調整過程もしくは測定過程が表示される。手間のかかる調整過程は、種々異なる表示装置の相互の表示の比較を前提とする。表示装置は調整過程後に実際にトップローラに作用するいわゆる絶対圧力の値を連続的に示す。しかしこの絶対圧力はトップローラの負荷時にのみ、つまりトップローラサポート・ウェイティングアームの運転状態において表示されている。この運転状態ではトップローラは、ドラフト機構を通り抜ける繊維帯を挟むためにそれぞれ対応配置されたボトムローラと協働する。トップローラサポート・ウェイティングアームが上方に上げられている際にトップローラがボトムローラに圧力をかけていない場合には、表示装置の表示は調節された負荷に対する表出にも、別のトップローラの調節された負荷との比較にも適していない。1つのトップローラサポート・ウェイティングアームにおいて加圧ローラによる複数回の圧力負荷が互いに別個に調節されると、トップローラサポート・ウェイティングアームのヘッド端部に設けられている表示装置には、そのうちのそれぞれ唯一の圧力値しか読取り可能でない。
【0008】
従って、トップローラサポート・ウェイティングアームの種々異なるトップローラのそれぞれ必要な負荷が正しく調節されているかどうかの、同時で迅速な調査がこれまでに公知のトップローラサポート・ウェイティングアームでは常に可能ではない。
【0009】
本発明の課題は、トップローラの位置または数およびトップローラサポート・ウェイティングアームの状態に関係なく、トップローラサポート・ウェイティングアームのトップローラの、それぞれ調節された負荷を簡単に迅速に認識して調査することを常に可能にすることである。
【0010】
この課題は、請求項1記載のトップローラサポート・ウェイティングアームにより解決される。
【0011】
本発明によるトップローラサポート・ウェイティングアームのさらに有利な構成は、従属請求項の対象である。
【0012】
ドラフト機構の運転中に表示手段がトップローラサポート・ウェイティングアームの側面で見て可視であるように配置されている、負荷の高さを表示するための調整可能な表示手段を有するトップローラサポート・ウェイティングアームが、調節された負荷を、各トップローラ、特にトップローラサポート・ウェイティングアームの中間ローラと入口ローラにおいても常に可視で読取り可能であるようにする。従って正しい負荷が調節されているかどうかの簡単で迅速な調査が、トップローラの位置とトップローラサポート・ウェイティングアームの状態とに関係なく常に可能である。調査のために製造の中断および操作レバーを上方に上げることは必要ではない。トップローラサポート・ウェイティングアームの種々異なるトップローラのそれぞれ互いに別体に調節された負荷も一目で認識可能である。
調整エレメントが、この調整エレメントの調節位置の変更が負荷段部に応じて専ら段階的に行われるように形成されていると、調節された負荷段階を特に容易に認識することができ、別の負荷段階と区別することができる。
表示基部部分に対する表示手段の位置により少なくとも1つの表示面が形成されると、負荷段階の簡単で迅速な認識と区別が可能である。表示面はその外観に基づき、それぞれ調整エレメントの調節位置に一義的に対応配置することができる。所定の負荷段階に対する各表示面の対応配置は、ジオメトリックな形状および表示表面の位置またはこの表示表面の色に基づき行うことができる。
負荷の調節のために回動可能で、角度位置から調節状態を明らかにする調整エレメントが、コイルばねの圧力負荷の調整のために特に適していて、僅かなスペース需要しか有していない。コイルばねは個々のトップローラの圧力負荷のために使用される。
有利には、調整エレメントの回動運動は、トップローラサポート・ウェイティングアームの長手方向で表示手段を線形の運動、つまりリニア運動に変換可能である。
有利には表示手段がトップローラサポート・ウェイティングアームの両方の長手方向側面の少なくとも一方の長手方向側面に配置されていると、表示手段は特に簡単ではっきりと認識可能である。
表示フレームとして形成されている表示基部部分と、表示フレームの内側でこの表示フレームに対して相対的に調整可能である表示手段とにより、簡単な形式で、たとえば3段階に調節可能な負荷段階のうちの1つの負荷段階に対する対応配置が迅速で一義的に認識可能であることが可能である。トップローラの間隔、いわゆるフィールド幅の変更時には、表示フレームの移動がトップローラと共に行われる。この場合、表示フレームに対する表示手段の相対的な位置は負荷が変更されていない場合には、同様に変わらないままである。トップローラの移動後に、表示手段を調整する必要も、負荷を新たに調節する必要もない。
【0013】
有利な構成はカムを有している。この場合、調整エレメントは相対回動不能にカムと結合されている。このカムの回動運動が表示手段の位置を変更する。有利には、調整エレメントは少なくとも部分的に多角形ピンとして構成されているか、有利な択一的な構成ではヘッドを有している。前記多角形ピンはカムディスクと相対回動不能に結合されていて、有利には表示手段の位置が調整エレメントの角度位置に依存しているように、表示手段の一部分に係合する。前記ヘッドの下面は隆起したカム輪郭を有していて、このカム輪郭は、表示手段の位置が調整エレメントの角度位置に依存しているように表示手段の一部分に係合している。さらに有利な択一的な構成では、調整エレメントがヘッドを有していて、このヘッドの下面が偏心的に配置されたピンを有している。この場合、このピンは表示手段の可能な運動方向に対して横方向で延在している、表示手段の長手方向孔に係合する。有利なさらに別の択一的な構成では、調整エレメントの回動軸は、ばねエレメントの負荷方向に対して横方向で延在していて、偏心体エレメントが、この偏心体エレメントによって、ばねエレメントの負荷が調整可能でもあり、表示手段の位置が可変でもあるように配置されている。この構成は、調整エレメントの回動運動を表示手段のリニア運動へ簡単で確実な変換を可能にする。構成部分の数も取付け手間も僅かに維持することができる。
【0014】
表示手段が、トップローラサポート・ウェイティングアームの同様にU字形の異形材を取り囲むU字形の異形材を有していると、表示手段はトップローラサポート・ウェイティングアームにおいてスペースを節約して取り付けることができ、フレームと保持装置と共にトップローラサポート・ウェイティングアームの長手方向で簡単に移動可能で位置固定可能である。
【0015】
トップローラサポート・ウェイティングアームにより、特に簡単な構成が可能となる。つまりトップローラサポート・ウェイティングアームは、操作レバーとヘッドを備えた少なくとも1つの調整エレメントとを有していて、この場合、ヘッドは表示フレームによって十分にカバーされ、ヘッドの周面が表示面を有していて、この表示面によってそれぞれ1つの表示面が表示フレームの所定の開口を通して可視であり、この場合、運転位置の操作レバーが、トップローラサポート・ウェイティングアームのU字形の異形材に対して、操作面が認識可能である程度の間隔をおいて配置されている。調整エレメントの運動の移行のための手間はかからない。たとえば色面である表示面は、別の構成部材を必要とすることなく、調整エレメントの調整された角度位置、ひいては調整された負荷を明確に示す。表示面は種々異なる色の選択により多様な表示可能性を提供する。
【0016】
各トップローラの予め選択された負荷段階の表示は、個々の各トップローラにとっては別個に可能であり、トップローラサポート・ウェイティングアームにおけるトップローラの配置に関係なく、ドラフト機構の作業状態でも、トップローラサポート・ウェイティングアームが上方に上げられている際にも読取り可能で、簡単に調査可能である。
【0017】
本発明により、たとえば1つの紡績機械において並んで配置されたドラフト機構においてそれぞれ同位置のトップローラにおいて調節された負荷段階の簡単な比較が可能にになった。
【0018】
本発明の別の構成は、図面につき説明された実施例から見て取ることができる。
【0019】
本発明に係る紡績機械ドラフト機構のためのトップローラサポート・ウェイティングアームは、トップローラを保持するための保持装置を備えた紡績機械ドラフト機構のためのトップローラサポート・ウェイティングアームであって、少なくとも1つの保持装置に、付属のトップローラを負荷するためのばねエレメントが対応配置されており、負荷が、ばねエレメントに作用する調整エレメントにより調節可能であり、該調整エレメントが、ドラフト機構の運転状態で少なくとも十分にカバーされており、負荷の高さを表示するための調整可能な表示手段と表示基部部分とが設けられており、表示手段が、トップローラサポート・ウェイティングアームに対して相対的に運動可能であり、表示手段が、調整エレメントに連結されているので、調整エレメントの調節位置の変更と共に表示手段の位置が、表示基部部分に対して相対的に変更され、表示手段が、ドラフト機構の運転中にカバーされていない形式のものにおいて、表示手段が、ドラフト機構の運転中にトップローラサポート・ウェイティングアームを側面から見て可視であることを特徴とする。
【0020】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントの調節位置の変更が、負荷段階に応じて専ら段階的に行われるように、調整エレメントが形成されている。
【0021】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、表示基部部分に対する表示手段の位置により、少なくとも1つの表示面が形成されており、該表示面が、それぞれ該表示面の外観に基づいて、調整エレメントによって調節された負荷段階に一義的に対応配置されている。
【0022】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントが、負荷を調節するために回動可能である。
【0023】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントの回動運動が、トップローラサポート・ウェイティングアームの長手方向で表示手段をリニア運動に変換可能である。
【0024】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、表示手段が、少なくとも1つのトップローラサポート・ウェイティングアームの2つの長手方向側面の少なくとも一方の長手方向側面に配置されている。
【0025】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、表示基部部分が表示フレームとして構成されており、該表示フレームが、トップローラサポート・ウェイティングアームの長手方向でトップローラと一緒に移動可能であり、トップローラサポート・ウェイティングアームの所定の位置で位置固定可能であり、表示手段が、表示フレームの内側で該表示フレームに対して相対的に調整可能である。
【0026】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントが、カムと相対回動不能に結合されており、該カムの回動運動が、表示手段の位置を変える。
【0027】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントが、少なくとも部分的に多角形ピンとして形成されており、該多角形ピンが、カムディスクと相対回動不能に結合されており、カムディスクが、表示手段の所定の区分に作用するので、表示手段の位置が、調整エレメントの角度位置に依存している。
【0028】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントが、該調整エレメントの下面に隆起したカム輪郭を有しているヘッドを有しており、カム輪郭が、表示手段の所定の区分に係合するので、表示手段の位置が、調整エレメントの角度位置に依存している。
【0029】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントが、該調整エレメントの下面において偏心的に配置されたピンを備えたヘッドを有しており、ピンが、表示手段の可能な運動方向に対して横方向で延在している、表示手段の長手方向孔に係合する。
【0030】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、表示手段が、U字形の異形材を有しており、該U字形の異形材が、トップローラサポート・ウェイティングアームの同様にU字形の異形材を取り囲んでいる。
【0031】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、調整エレメントの回動軸が、ばねエレメントの負荷方向に対して横方向で延在しており、偏心体エレメントが、該偏心体エレメントによってばねエレメントの負荷が調節可能でもあり、表示手段の位置が変更可能でもあるように配置されている。
【0032】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、トップローラサポート・ウェイティングアームが、操作レバーとヘッドを備えた少なくとも1つの調整エレメントとを有しており、ヘッドが、表示フレームによって十分にカバーされ、ヘッドの周面が表示面を有しており、該表示面によってそれぞれ1つの表示面が、表示フレームの開口を通して可視であり、操作レバーが、運転位置においてトップローラサポート・ウェイティングアームのU字形の異形材に対して、表示面が認識可能である程度の間隔をもって配置されている。
【0033】
本発明に係るトップローラサポート・ウェイティングアームは、有利には、表示面が色面である。
【0034】
図1は、調整可能なトップローラのための保持装置を備えた、運転位置にある紡績機械ドラフト機構のトップローラサポート・ウェイティングアーム1の長手方向側面を示している。図2に示されている上から見た付属の図には、操作レバー14を外したトップローラサポート・ウェイティングアーム1が示されている。これによりトップローラサポート・ウェイティングアーム1の支持異形材24は、操作レバー14を上方に旋回した際に操作員が見る眺め通りに図示される。保持装置は、出口ローラ11、中間ローラ12および入口ローラ13として配置されたトップローラのためにそれぞれホルダ2,3,4を有している。トップローラはツインローラとして形成されていて、トップローラの軸8,9,10でホルダ2,3,4の収容部5,6,7に保持されている。
【0035】
図3、図4、図5、図6および図7において図面をより見やすくするために支持異形材24を外して個別に示された保持装置15は、保持異形材16と、コイルばね17と、調整エレメント18と、協働する2つの負荷エレメント19,20と、保持異形材16に支承された旋回軸21と、この旋回軸21を中心にして旋回可能なホルダ4と、固定ねじ22とを有している。この固定ねじ22は、保持異形材16の他に表示フレーム23も支持異形材24に位置固定する。表示フレーム23に表示手段25が対応配置されている。選択された負荷段階、ひいてはコイルばね17の各プリロードを調節するために、調整エレメント18が負荷段階に対応している角度位置に動かされる。六角穴を有する調整エレメント18のヘッド26の回動は簡単に六角スパナで行われる。調整エレメント18は部分的に六角ピン27として形成されている。六角ピン27は相対回動不能に負荷エレメント19に係合し、軸線方向で位置固定されている。負荷エレメント19の下面は、それぞれ斜面により互いに結合された面状の段部を有している。これらの段部は環状に配分されている。負荷エレメント19は軸線方向で負荷エレメント20に位置している。この負荷エレメント20の、負荷エレメント19寄りの上側の面は、図8に示されているように同様に斜面28により互いに結合された段部29を有している。上方から見て反時計回りで、負荷エレメント20に対して相対的に負荷エレメント19を回動することにより、負荷エレメント20は下方に鉛直に押圧される。負荷エレメント20の面30,31は、保持異形材16の面部分32,33によって案内されているので、負荷エレメント20は回動可能ではない。負荷エレメント19が反対方向で回動する際には、コイルばね17の軸線方向で作用するばね力の作用を受け負荷エレメント20は、再び上方に運動する。負荷エレメント20の鉛直運動は、コイルばね17のプリロードの変化を引き起こす。負荷エレメント19,20は、プリロードが3段階で調節可能であるように構成されている。調整エレメント18のヘッド26の下面は、図7および図9に示された隆起したカム輪郭34を有している。このカム輪郭34に六角ピン27は接続する。
【0036】
図3〜図6に示されているように組立てられた状態では、カム輪郭34は表示手段25の窓区分35に係合する。カム輪郭34と窓区分35とは、調整エレメント18の回動領域にわたって常に相対している2つの点で接していて、これにより調整エレメント18の回動運動時にこの回動運動が、支持異形材24に対して相対的にトップローラサポート・ウェイティングアーム1の長手方向で表示手段25を、リニア運動に一義的に変換するように成形されている。この場合、表示手段25は表示フレーム23内で運動する。この表示フレーム23は固定ねじ22により支持異形材24に位置固定されている。調整エレメント18のヘッド26はノーズ36を有している。このノーズ36は表示フレーム23に配置されている目盛り37と相俟って、コイルばね17にプリロードを付与するために選択されている負荷段階の迅速で正確な調節を容易にする。調節中に手動の操作レバー4は上方旋回させられていて、調整エレメントは上方から簡単に接近可能であり、ノーズ36の位置および目盛り37は操作員にとって上方から簡単に認識可能である。図1に示されているような運転位置では、操作レバー14は図示の位置へと下方に閉じられている。この場合、操作レバー14は調整エレメント18のヘッド26および目盛り37をカバーする。これにより調整エレメント18の調節された角度位置は、操作員からは見えなくなっていて、ひいては角度位置から負荷段階を推論するという可能性も奪われている。しかし図1、図3または図7に示したように、表示フレーム23の表示手段25の位置は一目で常に認識可能のままである。この場合、表示手段25は、この図面において表示フレーム23の左側の部分に接触する位置を占めている。これは調整エレメント18の角度位置に対応する。この角度位置では、ノーズ36は図2または図4では目盛り37の上側の線に配向されている。この状態で負荷段階はコイルばね17の最も僅かなプリロードで調節されている。
【0037】
表示手段25は常に可視の三角面を有している。この三角面は実施例では負荷段階に対応する3つの異なる位置に調節可能である。調節された負荷段階に応じて、表示手段25と表示フレーム23との間に異なる表示面86,87,88がもたらされる。表示面86,87,88の外観は、適切な負荷段階を簡単に迅速に認識する、もしくは別の負荷段階とは区別することを可能にする。所定の負荷段階に対しての対応配置は、ジオメトリックな形状と表示面86,87,88の位置または表示面86,87,88の色に基づいて行うことができる。図10には表示手段25が表示フレーム23の中央位置で示されている。この位置はコイルばね17への中間のプリロードでの負荷段階の調節に相当する。図11では表示手段25が表示フレーム23の右側の縁位置で示されている。この位置はコイルばね17への最高のプリロードでの負荷段階の調節に相当する。表示手段25は運動方向で、表示手段25のU字形異形材が、トップローラサポート・ウェイティングアーム1の同様にU字形の支持異形材24を形状結合式に取り囲むことにより案内される。表示手段25は表示フレーム23の内側で運動する。表示フレーム23は表示手段25と同様のU字形異形材を有していて、表示手段25の調整経路を両方向で制限する。表示手段25、表示フレーム23、支持異形材24、保持異形材16および調整エレメント18の互いの位置は、図1、図2、図4および図12に示されている。
【0038】
図13には簡単に構成された表示手段38が示されている。図13では可視でない調整エレメント39のヘッドは、その下面においてピン40を有している。このピン40は長手方向孔41に係合する。この長手方向孔41は表示手段38の運動方向に対して横方向で延在している。調整エレメント39は、表示手段38の中央に配置された長手方向孔42を貫通している。この長手方向孔42は表示手段38の運動方向に配向されている。中央位置における表示手段38の位置は、中間のプリロードに相当する。調整エレメント39が回動されると、ピン40は表示手段38を表示フレーム23と調整エレメント39とに対して相対的に移動させる。この構成でも、負荷段階の常に簡単に認識可能な表示と簡単な認識とが可能である。
【0039】
図14には本発明の対象の択一的な別の構成が示されている。図示の調整エレメント43は回動軸80を中心にして回動可能である。回動軸80の両端部はそれぞれ保持異形材48において支承されている。保持異形材48は位置固定ねじ49で支持異形材44に位置固定されている。調整エレメント43の回動軸80は水平方向、および支持異形材44の長手方向に対して横方向、およびコイルばね45の負荷方向に対して横方向で延在している。支持異形材44はトップローラサポート・ウェイティングアーム46の部分である。内側に位置する構成部分の位置を見やすくするために、支持異形材44と操作レバー50とを図14では部分的に側方を断面して示してある。明らかにするために図14Aでは図14の細部Aを拡大して示した。調整エレメント43は実質的にディスク状の多角形の偏心体面82,83,84を備えた偏心体81として形成されている。図14もしくは図14Aの偏心体面82は、ベースプレート85に作用する。このベースプレート85はコイルばね45の一端部を支持している。偏心体81が(図14Aにおいて時計回りで)、偏心体面82の代わりに偏心体面83がベースプレート85に接触するまで回動すると、ベースプレート85は新たな位置を占める。図14Aに示された位置とは異なり、新たな位置は回動軸80からさらに離されて位置している。コイルばね45はベースプレート85の新たな位置でより強く押しつける。これにより付属のトップローラにかけられる負荷は高められている。実施例に示した偏心体面82,83,84を備えた偏心体81により、負荷の調節が3段階で可能である。調整エレメント43は表示手段47に直接作用する。調整エレメント43が回動運動させられ、これにより表示手段47の位置が変化する。表示手段47は、コイルばね45の調節されたプリロードの負荷段階に対応して、表示フレーム51においてそれぞれ1つの位置を占める。同様にもたらされた表示を、表示フレーム51Aの表示手段47Aの位置に基づき確認することができる。
【0040】
図15に示されたトップローラサポート・ウェイティングアーム73は調整エレメントを有している。この調整エレメントは、たとえば図2に示した調整エレメント18と同じように形成されている。図15に示されている運転位置では、操作レバー78は下方に閉じられている。操作レバー78と表示フレーム74,75とによって調整エレメントは十分にカバーされる。表示フレーム74,75は開口を有している。調整エレメントはそのヘッドの周面にマーキング部もしくは種々異なる色の色面を有している。これらの色面は、表示面76,77としてそれぞれ表示フレーム74,75の開口を通してトップローラサポート・ウェイティングアーム73を側面で見て可視である。従って調整エレメントは表示手段としても機能する。マーキング部もしくは種々異なる色の色面として構成された表示面76,77は、開口により制限された角度領域の内側の表示面のそれぞれ可視の色に相応して、各調整エレメントの角度位置の確認を可能にする。調整エレメントは、たとえば3つの調節位置を占めることができる。これらの調節位置に調整エレメントは回動により段階的に調節可能である。回動により調整エレメントのヘッドの周面は表示フレーム74,75に対して相対的に運動する。各調節位置は所定の負荷段階に相当する。3つの調節位置では調整エレメントのヘッドは、たとえば赤、緑、黒の三色を有している。同じ負荷段階ではそれぞれ同じ色が表示フレーム74,75の開口に表示される。図15では黒色の可視の表示面76,77である。黒色の可視の表示面76,77の縁部は、同時に表示フレーム74,75の開口の縁部を示している。操作レバー78は、マーキング部もしくは種々異なる色の色面として構成された表示面76,77はなお認識可能である位置に配置されていて、支持異形材79からは離間されている。トップローラサポート・ウェイティングアーム73の各トップローラの負荷段階は、運転位置でもトップローラサポート・ウェイティングアーム73が上方に開かれた場合でも読取り可能であり、従って簡単に調査可能である。
紡績機械に並んで配置されているトップローラサポート・ウェイティングアームにおいて、たとえば出口ローラ13として図1および図2では一番右側にあり、同じ位置を占めているトップローラは、一般的には同じ負荷段階に調節されている。従って、負荷段階を正しく調節する場合、出口ローラ13の所定の負荷段階を表示する全表示面76,77,86,87,88は同じ外観を有している。誤調整の場合には、トップローラサポート・ウェイティングアームの出口ローラ13の表示面76,77,86,87,88の異なる外観が信号作用を有していて、即座に注意を引くようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】紡績機械ドラフト機構のトップローラサポート・ウェイティングアームを側面図で示した図であり、この場合、部分的に断面図で示してある。
【図2】図1のトップローラサポート・ウェイティングアームを上方から見た図である。
【図3】図1のトップローラサポート・ウェイティングアームの保持装置の側面図である。
【図4】図3の保持装置を上方から見た図である。
【図5】図4の保持装置のトップローラサポート・ウェイティングアームの長手方向での断面B−Bを示した図である。
【図6】図3の保持装置の断面A−Aを示した図である。
【図7】図3の保持装置の分解図である。
【図8】図7の保持装置の付加エレメントの斜視図である。
【図9】カムを備えた調整エレメントの拡大図である。
【図10】中心位置にある表示手段を示した図である。
【図11】縁位置にある表示手段を示した図である。
【図12】断面C−Cの簡略図であって、この断面C−Cが表示手段と、表示フレームと、支持異形材と、保持異形材と調整エレメントとに制限されている。
【図13】簡略化された構成の表示手段を示した図である。
【図14】調整エレメントを示した図であって、調整エレメントの回動軸がばねエレメント負荷方向に対して横方向で延在している。
【図14a】偏心体を備えた図14の細部Aを示した図である。
【図15】トップローラサポート・ウェイティングアームを示した図である、このトップローラサポート・ウェイティングアームが周面にマーキング部を有する調整エレメントを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップローラを保持するための保持装置を備えた紡績機械ドラフト機構のためのトップローラサポート・ウェイティングアームであって、少なくとも1つの保持装置に、付属のトップローラを負荷するためのばねエレメントが対応配置されており、負荷が、ばねエレメントに作用する調整エレメント(18,39,43)により調節可能であり、該調整エレメント(18,39,43)が、ドラフト機構の運転状態において少なくとも十分にカバーされており、負荷の高さを表示するための調整可能な表示手段(25,38,47,47A)と表示基部部分とが設けられており、表示手段(25,38,47,47A)が、トップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46,73)に対して相対的に運動可能であり、表示手段(25,38,47,47A)が、調整エレメント(18,39,43)に連結されているので、調整エレメント(18,39,43)の調節位置の変更と共に表示手段(25,38,47,47A)の位置が、表示基部部分に対して相対的に変更され、表示手段(25,38,47,47A)が、ドラフト機構の運転中にカバーされていない形式のものにおいて、
表示手段(25,38,47,47A)が、ドラフト機構の運転中にトップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46,73)を側面から見て可視であることを特徴とする、紡績機械ドラフト機構のためのトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項2】
調整エレメント(18,39,43)の調節位置の変更が、負荷段階に応じて専ら段階的に行われるように、調整エレメント(18,39,43)が形成されている、請求項1記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項3】
表示基部部分に対する表示手段(25,38,47,47A)の位置により、少なくとも1つの表示面(86,87,88)が形成されており、該表示面(86,87,88)が、表示面(86,87,88)の外観に基づいて調整エレメント(18,39,43)によって調節された負荷段階にそれぞれ一義的に対応配置されている、請求項1または2記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項4】
調整エレメント(18,39,43)が、負荷を調節するために回動可能である、請求項1から3までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項5】
調整エレメント(18,39,43)の回動運動が、表示手段(25,38,47,47A)をトップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46)の長手方向でリニア運動に変換可能である、請求項4記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項6】
表示手段(25,38,47,47A)が、トップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46)の2つの長手方向側面の少なくとも一方の長手方向側面に配置されている、請求項1から5までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項7】
表示基部部分が表示フレーム(23,51,51A)として構成されており、該表示フレーム(23,51,51A)が、トップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46,73)の長手方向でトップローラと一緒に移動可能であり、トップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46,73)の所定の位置で位置固定可能であり、表示手段(25,38,47,47A)が、表示フレーム(23,51,51A)の内側で該表示フレーム(23,51,51A)に対して相対的に調整可能である、請求項1から6までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項8】
調整エレメント(18,43)が、カムと相対回動不能に結合されており、カムの回動運動が、表示手段(25,38,47,47A)の位置を変更する、請求項1から6までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項9】
調整エレメント(18)が、少なくとも部分的に多角形ピンとして形成されており、該多角形ピンが、カムディスクと相対回動不能に結合されており、カムディスクが、表示手段の所定の区分に作用するので、表示手段の位置が、調整エレメントの角度位置に依存している、請求項1から8までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項10】
調整エレメント(18)が、該調整エレメント(18)の下面に隆起したカム輪郭(34)を有しているヘッド(26)を有しており、カム輪郭(34)が、表示手段(25)の所定の区分に係合するので、表示手段(25)の位置が、調整エレメント(18)の角度位置に依存している、請求項1から7までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項11】
調整エレメント(39)が、該調整エレメント(39)の下面において偏心的に配置されたピン(40)を備えたヘッドを有しており、ピン(40)が、表示手段(38)の可能な運動方向に対して横方向で延在している、表示手段(38)の長手方向孔(41)に係合する、請求項1から7までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項12】
表示手段(25)が、U字形の異形材を有しており、該U字形の異形材が、トップローラサポート・ウェイティングアーム(1)の同様にU字形の異形材を取り囲んでいる、請求項1から11までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項13】
調整エレメント(43)の回動軸が、ばねエレメントの負荷方向に対して横方向で延在しており、偏心体エレメントが、該偏心体エレメントによってばねエレメントの負荷が調節可能でもあり、表示手段(47,47A)の位置が変更可能でもあるように配置されている、請求項1から9までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項14】
トップローラサポート・ウェイティングアーム(73)が、操作レバー(78)とヘッドを備えた少なくとも1つの調整エレメントとを有しており、ヘッドが、表示フレーム(74,75)によって十分にカバーされ、ヘッドの周面が表示面を有しており、該表示面によってそれぞれ1つの表示面(76,77)が、表示フレーム(74,75)の開口を通して可視であり、操作レバー(78)が、運転位置においてトップローラサポート・ウェイティングアームのU字形の異形材に対して、表示面(76,77)が認識可能である程度の間隔をもって配置されている、請求項1から4までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項15】
表示面(76,77)が色面である、請求項14記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項1】
トップローラを保持するための保持装置を備えた紡績機械ドラフト機構のためのトップローラサポート・ウェイティングアームであって、少なくとも1つの保持装置に、付属のトップローラを負荷するためのばねエレメントが対応配置されており、負荷が、ばねエレメントに作用する調整エレメント(18,39,43)により調節可能であり、該調整エレメント(18,39,43)が、ドラフト機構の運転状態において少なくとも十分にカバーされており、負荷の高さを表示するための調整可能な表示手段(25,38,47,47A)と表示基部部分とが設けられており、表示手段(25,38,47,47A)が、トップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46,73)に対して相対的に運動可能であり、表示手段(25,38,47,47A)が、調整エレメント(18,39,43)に連結されているので、調整エレメント(18,39,43)の調節位置の変更と共に表示手段(25,38,47,47A)の位置が、表示基部部分に対して相対的に変更され、表示手段(25,38,47,47A)が、ドラフト機構の運転中にカバーされていない形式のものにおいて、
表示手段(25,38,47,47A)が、ドラフト機構の運転中にトップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46,73)を側面から見て可視であることを特徴とする、紡績機械ドラフト機構のためのトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項2】
調整エレメント(18,39,43)の調節位置の変更が、負荷段階に応じて専ら段階的に行われるように、調整エレメント(18,39,43)が形成されている、請求項1記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項3】
表示基部部分に対する表示手段(25,38,47,47A)の位置により、少なくとも1つの表示面(86,87,88)が形成されており、該表示面(86,87,88)が、表示面(86,87,88)の外観に基づいて調整エレメント(18,39,43)によって調節された負荷段階にそれぞれ一義的に対応配置されている、請求項1または2記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項4】
調整エレメント(18,39,43)が、負荷を調節するために回動可能である、請求項1から3までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項5】
調整エレメント(18,39,43)の回動運動が、表示手段(25,38,47,47A)をトップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46)の長手方向でリニア運動に変換可能である、請求項4記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項6】
表示手段(25,38,47,47A)が、トップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46)の2つの長手方向側面の少なくとも一方の長手方向側面に配置されている、請求項1から5までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項7】
表示基部部分が表示フレーム(23,51,51A)として構成されており、該表示フレーム(23,51,51A)が、トップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46,73)の長手方向でトップローラと一緒に移動可能であり、トップローラサポート・ウェイティングアーム(1,46,73)の所定の位置で位置固定可能であり、表示手段(25,38,47,47A)が、表示フレーム(23,51,51A)の内側で該表示フレーム(23,51,51A)に対して相対的に調整可能である、請求項1から6までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項8】
調整エレメント(18,43)が、カムと相対回動不能に結合されており、カムの回動運動が、表示手段(25,38,47,47A)の位置を変更する、請求項1から6までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項9】
調整エレメント(18)が、少なくとも部分的に多角形ピンとして形成されており、該多角形ピンが、カムディスクと相対回動不能に結合されており、カムディスクが、表示手段の所定の区分に作用するので、表示手段の位置が、調整エレメントの角度位置に依存している、請求項1から8までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項10】
調整エレメント(18)が、該調整エレメント(18)の下面に隆起したカム輪郭(34)を有しているヘッド(26)を有しており、カム輪郭(34)が、表示手段(25)の所定の区分に係合するので、表示手段(25)の位置が、調整エレメント(18)の角度位置に依存している、請求項1から7までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項11】
調整エレメント(39)が、該調整エレメント(39)の下面において偏心的に配置されたピン(40)を備えたヘッドを有しており、ピン(40)が、表示手段(38)の可能な運動方向に対して横方向で延在している、表示手段(38)の長手方向孔(41)に係合する、請求項1から7までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項12】
表示手段(25)が、U字形の異形材を有しており、該U字形の異形材が、トップローラサポート・ウェイティングアーム(1)の同様にU字形の異形材を取り囲んでいる、請求項1から11までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項13】
調整エレメント(43)の回動軸が、ばねエレメントの負荷方向に対して横方向で延在しており、偏心体エレメントが、該偏心体エレメントによってばねエレメントの負荷が調節可能でもあり、表示手段(47,47A)の位置が変更可能でもあるように配置されている、請求項1から9までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項14】
トップローラサポート・ウェイティングアーム(73)が、操作レバー(78)とヘッドを備えた少なくとも1つの調整エレメントとを有しており、ヘッドが、表示フレーム(74,75)によって十分にカバーされ、ヘッドの周面が表示面を有しており、該表示面によってそれぞれ1つの表示面(76,77)が、表示フレーム(74,75)の開口を通して可視であり、操作レバー(78)が、運転位置においてトップローラサポート・ウェイティングアームのU字形の異形材に対して、表示面(76,77)が認識可能である程度の間隔をもって配置されている、請求項1から4までのいずれか一項記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【請求項15】
表示面(76,77)が色面である、請求項14記載のトップローラサポート・ウェイティングアーム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図15】
【公表番号】特表2008−542572(P2008−542572A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515069(P2008−515069)
【出願日】平成18年5月3日(2006.5.3)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004107
【国際公開番号】WO2006/131176
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(507403964)エーリコン アコーテックス テクスパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (6)
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Accotex Texparts GmbH
【住所又は居所原語表記】Maria−Merian−Strasse 8, D−70736 Fellbach, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月3日(2006.5.3)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004107
【国際公開番号】WO2006/131176
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(507403964)エーリコン アコーテックス テクスパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (6)
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Accotex Texparts GmbH
【住所又は居所原語表記】Maria−Merian−Strasse 8, D−70736 Fellbach, Germany
【Fターム(参考)】
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