説明

トノカバー

【課題】展開した使用状態での強度をより高くでき、折り畳んでコンパクトに収納できるトノカバーを提供する。
【解決手段】トノカバー16は、複数の第1のカバー部32および複数の第2のカバー部33を備える。各第1のカバー部32は、上面側への山折りによって幅方向に折り畳み可能で、互いに面一となる状態で下面側への折れ曲がりが規制されるように連結される。各第2のカバー部33は、各第1のカバー部32の後部に折り曲げ可能に連結される。各第2のカバー部33が各第1のカバー部32に対して折り曲げ状態のときに、各第1のカバー部32を面一状態に保持する。各第2のカバー部33が各第1のカバー部32に対して面一となる状態のときに、各第1のカバー部32と一緒に上面側への山折りによって幅方向に折り畳み可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のトノカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体の後部に後部ドアを有する自動車では、座席と後部ドアとの間に設けられる荷物室の上部を覆うトノカバーを備えているものがある。
【0003】
トノカバーは、荷物室の上部全体を覆う一体型の成形品、1枚のボード、巻取りあるいは折り畳み可能な布等が用いられており、背の高い荷物を荷物室に収納するときなどには車体から取り外すことができるように構成されている。
【0004】
トノカバーが一体型の成形品や1枚のボードの場合、布に比べて見栄えがよいが、背の高い荷物を荷物室に収納するために取り外すと、サイズが大きいために車内で置く場所に困り、邪魔になる。
【0005】
そこで、車体の幅方向に対応した方向に分割した一対のボードを折り畳み可能に連結し、二つ折り可能としたトノカバーがある。このトノカバーでは、展開した一対のボードが面一となる使用状態で、一対のボードが互いに突き合わされ、展開した一対のボードが面一となる使用状態が保持されるように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−19527号公報(第2−3頁、図1−8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の折り畳み可能な一対のボードを用いたトノカバーでは、展開した一対のボードが面一となる使用状態において、一対のボードが互いに突き合わされることのみでトノカバーの強度を確保しており、トノカバーの強度をより高くすることが難しい問題がある。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、展開した使用状態での強度をより高くでき、折り畳んでコンパクトに収納できるトノカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載のトノカバーは、上面側への山折りによって車両の幅方向に対応する幅方向に折り畳み可能で、互いに面一となる状態で下面側への折れ曲がりが規制されるように連結された複数の第1のカバー部と、これら各第1のカバー部に対して車両の前後方向に対応する前後方向に折り曲げ可能に連結されるとともに、前記各第1のカバー部に対して折り曲げ状態のときに前記各第1のカバー部を面一となる状態に保持し、前記各第1のカバー部に対して面一となる状態のときに前記各第1のカバー部と一緒に上面側への山折りによって幅方向に折り畳み可能に連結された複数の第2のカバー部とを具備しているものである。
【0010】
請求項2記載のトノカバーは、請求項1記載のトノカバーにおいて、前記第2のカバー部が前記第1のカバー部に対して折り曲げ状態となる方向に付勢するとともに、この付勢に抗して前記第2のカバー部が前記第1のカバー部に対して面一の状態となるのを許容する付勢手段を具備しているものである。
【0011】
請求項3記載のトノカバーは、請求項2記載のトノカバーにおいて、前記付勢手段は、前記第1のカバー部と前記第2のカバー部とに亘って取り付けられる板ばねであるものである。
【0012】
請求項4記載のトノカバーは、請求項1ないし3いずれか一記載のトノカバーにおいて、前記複数の第1のカバー部および前記複数の第2のカバー部を一体に形成するボードを具備し、前記ボードの上面側で前記各第1のカバー部間、前記各第2のカバー部間、および前記各第1のカバー部と前記各第2のカバー部との間にそれぞれ切れ目が形成され、前記ボードの下面側で前記各第1のカバー部間、前記各第2のカバー部間、および前記各第1のカバー部と前記各第2のカバー部との間にそれぞれ折り曲げ可能に連結する連結部が形成されているものである。
【0013】
請求項5記載のトノカバーは、請求項1ないし4いずれか一記載のトノカバーにおいて、前記複数の第1のカバー部および前記複数の第2のカバー部の全体を覆う表皮体を具備しているものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載のトノカバーによれば、展開した各第1のカバー部が面一となる状態で下面側への折れ曲がりを規制するのに加えて、各第2のカバー部を各第1のカバー部に対して折り曲げることにより、各第1のカバー部が面一となる状態に保持するため、各第1のカバー部が面一となる使用状態でのトノカバーの強度をより高くでき、それでいて、第2のカバー部を第1のカバー部に対して面一となる状態とすることにより、第1のカバー部および第2のカバー部を一緒に上面側へ山折りして折り畳み、コンパクトに収納できる。
【0015】
請求項2記載のトノカバーによれば、請求項1記載のトノカバーの効果に加えて、付勢手段により、第2のカバー部が第1のカバー部に対して折り曲げ状態となる方向に付勢するため、各第1のカバー部が展開した状態に保持でき、各第1のカバー部が不用意に折れ曲がることがなく、車両への装着あるいは取り外しを容易にできる。
【0016】
請求項3記載のトノカバーによれば、請求項2記載のトノカバーの効果に加えて、付勢手段として、第1のカバー部と第2のカバー部とに亘って取り付けられる板ばねを用いることにより、簡単な構成で、トノカバーを展開した状態の維持と折り畳みの容易性とを実現できる。
【0017】
請求項4記載のトノカバーによれば、請求項1ないし3いずれか一記載のトノカバーの効果に加えて、1枚のボードの上面側で各第1のカバー部間、各第2のカバー部間、および各第1のカバー部と各第2のカバー部との間にそれぞれ切れ目が形成され、ボードの下面側で各第1のカバー部間、各第2のカバー部間、および各第1のカバー部と各第2のカバー部との間にそれぞれ折り曲げ可能に連結する連結部が形成されるため、1枚のボードによって複数の第1のカバー部および複数の第2のカバー部を一体に形成でき、部品点数を削減でき、生産性を向上できる。
【0018】
請求項5記載のトノカバーによれば、請求項1ないし4いずれか一記載のトノカバーの効果に加えて、表皮体により複数の第1のカバー部および複数の第2のカバー部の全体を覆うため、折り畳み可能でありながら質感等を含む商品性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態を示すトノカバーの折り畳み手順を(a)〜(d)の順に説明する斜視図である。
【図2】同上トノカバーの第1のカバー部を示し、(a)は第1のカバー部の展開状態の断面図、(b)は第1のカバー部の折り畳み状態の断面図である。
【図3】同上トノカバーの第1のカバーおよび第2のカバー部を示し、(a)は第1のカバー部に対して第2のカバー部が折れ曲がった状態の断面図、(b)は第1のカバー部に対して第2のカバー部を面一にした状態の断面図である。
【図4】同上トノカバーの平面図である。
【図5】同上トノカバーの使用状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
図5には、車両としての自動車の後部を示し、自動車の車体11の後部に図示しない後部ドアおよびこの後部ドアによって開閉される後部開口部12が設けられ、これら後部ドアおよび後部開口部12と室内に配置されるシート13との間に荷物室14が設けられている。
【0022】
この荷物室14の上部に、荷物室14を覆うトノカバー装置15が配置されている。このトノカバー装置15は、トノカバー16、車体11の内側で幅方向両側に設置された複数のフック17を備え、トノカバー16が複数のフック17によって車体11に着脱可能に取り付けられている。
【0023】
図4および図5に示すように、トノカバー16は、車体11の幅方向に対応する幅方向に横長のボード体20、およびこのボード体20の前側に設けられたカバー体21を備えている。ボード体20の幅方向両側およびカバー体21の幅方向両側に、各フック17に着脱可能に引っ掛けて取り付ける例えば丸ゴム等の取付部22が設けられている。
【0024】
図1ないし図4に示すように、ボード体20は、芯材としての1枚のボード25、このボード25の下面側に取り付けられた複数の付勢手段としての板ばね26、およびボード25および板ばね26の全体を覆う表皮体27を備えている。
【0025】
ボード25は、幅方向に横長で、例えば、ポリプロピレンで形成されたプラスチック段ボール等の軽く、強度および耐久性が高く、折り曲げ加工を施すことで折り曲げ可能な素材が用いられている。例えば、プラスチック段ボールの場合には、プラスチック段ボール素材から所定のボード25の形状に切り出し、折り曲げ加工を施すことで容易に製造できる。
【0026】
折り曲げ加工では、ボード25の上面側において、ボード25を幅方向に複数分割する各位置であって例えば4分割する各位置に切れ目(第1の切れ目)30が前後方向の全域に沿って入れられるとともに、ボード25の後部寄り位置に切れ目(第2の切れ目)31が幅方向の全域に沿って入れられている。
【0027】
ボード25には、幅方向に並ぶ各切れ目30によって4つの第1のカバー部(第1のボード部)32が分割形成され、これら各第1のカバー部32の後部側に各切れ目30および切れ目31によって4つの第2のカバー部(第2のボード部)33が分割形成されている。
【0028】
ボード25の下面側で、各第1のカバー部32間および各第2のカバー部33間に折り曲げ可能に連結する連結部34が形成され、各第1のカバー部32と各第2のカバー部33との間に折り曲げ可能に連結する連結部35が形成されている。
【0029】
したがって、ボード25には、ボード25の上面側で各第1のカバー部32間、各第2のカバー部33間、および各第1のカバー部32と各第2のカバー部33との間にそれぞれ切れ目30,31が形成され、また、ボード25の下面側で各第1のカバー部32間、各第2のカバー部33間、および各第1のカバー部32と各第2のカバー部33との間にそれぞれ折り曲げ可能に連結する連結部34,35が形成されている。
【0030】
また、各板ばね26は、各第1のカバー部32と各第2のカバー部33とに亘ってそれらの下面側に取り付けられ、各第1のカバー部32に対して各第2のカバー部33を下方へ40°程度傾斜する折り曲げ状態に付勢して保持する。各板ばね26の弾性変形により各第2のカバー部33を各第1のカバー部32に対して面一となる状態とすることが許容され、各板ばね26の弾性変形に対する反発力により各第2のカバー部33を各第1のカバー部32に対して折り曲げ状態に戻すことが可能となっている。
【0031】
また、表皮体27は、ボード25の上面側に配置される例えばウレタン等の弾性力を有する弾性材38、ボード25および弾性材38の全体を覆う例えば繊維やレザー等の材料で形成された表面材39を備えている。この表面材39は、自動車のシート等に合わせてコーディネートすることができる。
【0032】
また、カバー体21は、例えば繊維等の任意に折り畳み可能な素材で形成されている。
【0033】
また、取付部22は、ボード体20の幅方向両側およびカバー体21の前端の幅方向両側に取り付けられている。
【0034】
次に、図5に示すように、各フック17は、車体11に設置される図示しないフック本体から略L字形に突出されており、トノカバー16の各取付部22が引っ掛けられる。
【0035】
次に、トノカバー16の使用について説明する。
【0036】
図1(a)、図2(a)および図3(a)に示すように、トノカバー16を展開した状態では、各第1のカバー部32が面一となる状態で、各第2のカバー部33が各第1のカバー部32に対して下方へ折れ曲がった状態にある。
【0037】
図5に示すように、トノカバー16の各取付部22を車体11の各フック17に引っ掛けて取り付けることにより、トノカバー16で荷物室14の上部を覆う。
【0038】
このトノカバー16を展開した状態では、図2(a)に示すように、隣り合う第1のカバー部32の端面が互いに当接し、隣り合う第1のカバー部32が互いに面一となる状態で下面側への折れ曲がりが規制されている。同様に、隣り合う第2のカバー部33の端面が互いに当接し、隣り合う第2のカバー部33が互いに面一となる状態で下面側への折れ曲がりが規制されている。
【0039】
図3(a)に示すように、各第2のカバー部33が各第1のカバー部32に対して折り曲げられているため、例えば、幅方向に隣り合う第1のカバー部32の連結部分に上方から荷重が加わると、これら幅方向に隣り合う第1のカバー部32の後部側にそれぞれ連結されている幅方向に隣り合う第2のカバー部33が互いに離れようとする方向に荷重が加わるが、これら幅方向に隣り合う第2のカバー部33は連結されているため、第1のカバー部32に加えて第2のカバー部33でも荷重を受け止めることができる。逆に、幅方向に隣り合う第1のカバー部32の連結部分に下方から荷重が加わると、これら幅方向に隣り合う第1のカバー部32の後部側にそれぞれ連結されている幅方向に隣り合う第2のカバー部33が互いに接近する方向に荷重が加わるため、第2のカバー部33で荷重を受け止めることができる。
【0040】
トノカバー16を展開した状態では、各板ばね26によって各第2のカバー部33を各第1のカバー部32に対して折り曲げ状態に保持している。
【0041】
そのため、トノカバー16を車体11に対して着脱する際には、トノカバー16のボード体20が不用意に折れ曲がることがなく、着脱操作を容易に行うことができ、また、トノカバー16の装着状態では、トノカバー16の強度が高く、耐荷重も高いため、トノカバー16上に物等が置かれて荷重が加わっても変形するのを防止できる。
【0042】
次に、荷物室14に背の高い荷物を収納するときなど、トノカバー16が邪魔になる場合には、トノカバー16の各取付部22を車体11の各フック17から外し、トノカバー16をコンパクトに折り畳んで荷物室14などに収納することができる。
【0043】
図1にトノカバー16を折り畳む手順を示す。なお、図1には、ボード体20のみ図示し、カバー体21の図示を省略している。
【0044】
図1(a)(b)の順および図3(a)(b)の順に示すように、各第2のカバー部33を各板ばね26の付勢に抗して各第1のカバー部32と面一となる状態に折り曲げる。このとき、1つの第2のカバー部33を操作することにより、この操作した第2のカバー部33に連結されている他の第2のカバー部33も連動して一緒に操作できる。
【0045】
図1(b)(c)の順および図2(a)(b)の順に示すように、最も幅方向両側に位置する2つの各第1のカバー部32および各第2のカバー部33を、幅方向中央の2つの各第1のカバー部32および各第2のカバー部33に対して上面側への山折りとなるように各切れ目30から折り曲げ、幅方向中央の2つの各第1のカバー部32および各第2のカバー部33の下側に折り畳む。
【0046】
図1(c)(d)の順に示すように、幅方向中央の2つの各第1のカバー部32および各第2のカバー部33のいずれか一方を、他方に対して上面側への山折りとなるように各切れ目30から折り曲げ、他方の下側に折り畳む。
【0047】
なお、カバー体21は、例えば繊維で形成されていて任意に折り畳み可能であるため、ボード体20の折り畳みに応じて任意に折り畳まれる。
【0048】
これにより、ボード体20は展開時の大きさの1/4程度の大きさまでコンパクト化でき、カバー体21を含めたトノカバー16の全体としてもコンパクト化したボード体20と同程度の大きさまでコンパクト化できる。そのため、トノカバー16を荷物室14などに省スペースで収納できる。
【0049】
次に、コンパクト化して収納していたトノカバー16を使用する場合には、このトノカバー16を展開し、上述のように車体11に装着する。
【0050】
トノカバー16を展開するには、図1(d)(c)(b)の順に示すように、幅方向中央の2つの各第1のカバー部32および各第2のカバー部33を切れ目30での折り畳みを解除して面一となるように展開し、さらに、幅方向両側の2つの各第1のカバー部32および各第2のカバー部33を切れ目30での折り畳みを解除して面一となるように展開していく。
【0051】
幅方向に4つの各第1のカバー部32および各第2のカバー部33が展開されると、各板ばね26の反発力によって各第2のカバー部33が各第1のカバー部32に対して自動的に折れ曲がり、トノカバー16を展開した状態に保持する。
【0052】
このように、トノカバー16によれば、展開した各第1のカバー部32が面一となる状態で下面側への折れ曲がりを規制するのに加えて、各第2のカバー部33を各第1のカバー部32に対して折り曲げることにより、各第1のカバー部32が面一となる状態に保持するため、各第1のカバー部32が面一となる使用状態でのトノカバー16の強度をより高くでき、それでいて、第2のカバー部33を第1のカバー部32に対して面一となる状態とすることにより、第1のカバー部32および第2のカバー部33を一緒に上面側へ山折りして折り畳み、コンパクトに収納できる。
【0053】
また、付勢手段としての板ばね26により、第2のカバー部33が第1のカバー部32に対して折り曲げ状態となる方向に付勢するため、各第1のカバー部32が展開した状態を保持でき、各第1のカバー部32が不用意に折れ曲がることがなく、車体11への装着あるいは取り外しを容易にできる。さらに、この付勢手段として、各第1のカバー部32と各第2のカバー部33とに亘って取り付けられる板ばね26を用いることにより、簡単な構成で、トノカバー16を展開した状態の維持と折り畳みの容易性とを実現できる。
【0054】
また、1枚のボード25の上面側で各第1のカバー部32間、各第2のカバー部33間、および各第1のカバー部32と各第2のカバー部33との間にそれぞれ切れ目30,31が形成され、ボード25の下面側で各第1のカバー部32間、各第2のカバー部33間、および各第1のカバー部32と各第2のカバー部33との間にそれぞれ折り曲げ可能に連結する連結部34,35が形成されるため、1枚のボード25によって複数の第1のカバー部32および複数の第2のカバー部33を一体に形成でき、部品点数を削減でき、生産性を向上でき、しかも、成形品等に比べて、安価にできる。
【0055】
また、表皮体27により複数の第1のカバー部32および複数の第2のカバー部33の全体を覆うため、折り畳み可能でありながら質感等を含む商品性を向上させることができる。
【0056】
なお、ボード25を幅方向に複数分割する数は、4つに限らず、少なくとも2つ以上であればよい。
【0057】
また、ボード25を幅方向に複数分割する各位置に切れ目30を2本ずつ平行に入れ、隣り合う各第1のカバー部32間および各第2のカバー部33間に襠の部分を設けることにより、ボート体20を折り畳みやすくできる。
【0058】
また、各第1のカバー部32および各第2のカバー部33を独立して形成し、隣り合う第1のカバー部32間、第2のカバー部33間、および第1のカバー部32と第2のカバー部33との間をヒンジ機構で連結してもよい。
【0059】
また、トノカバー16は、ボード体20のみで構成し、カバー体21は備えなくてもよい。
【0060】
また、付勢手段としては、板ばね26に限らず、スプリング、あるいは重力によって各第2のカバー部33が各第1のカバー部32に対して下降して折り曲げられるようにしてもよい。
【0061】
また、付勢手段を用いる場合には、各第2のカバー部33を各第1のカバー部32に対して上方へ折り曲げてもよく、この場合にも、各第1のカバー部32が面一となる使用状態でのトノカバー16の強度をより高くできる。
【符号の説明】
【0062】
16 トノカバー
25 ボード
26 付勢手段としての板ばね
27 表皮体
30,31 切れ目
32 第1のカバー部
33 第2のカバー部
34,35 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面側への山折りによって車両の幅方向に対応する幅方向に折り畳み可能で、互いに面一となる状態で下面側への折れ曲がりが規制されるように連結された複数の第1のカバー部と、
これら各第1のカバー部に対して車両の前後方向に対応する前後方向に折り曲げ可能に連結されるとともに、前記各第1のカバー部に対して折り曲げ状態のときに前記各第1のカバー部を面一となる状態に保持し、前記各第1のカバー部に対して面一となる状態のときに前記各第1のカバー部と一緒に上面側への山折りによって幅方向に折り畳み可能に連結された複数の第2のカバー部と
を具備していることを特徴とするトノカバー。
【請求項2】
前記第2のカバー部が前記第1のカバー部に対して折り曲げ状態となる方向に付勢するとともに、この付勢に抗して前記第2のカバー部が前記第1のカバー部に対して面一の状態となるのを許容する付勢手段を具備している
ことを特徴とする請求項1記載のトノカバー。
【請求項3】
前記付勢手段は、前記第1のカバー部と前記第2のカバー部とに亘って取り付けられる板ばねである
ことを特徴とする請求項2記載のトノカバー。
【請求項4】
前記複数の第1のカバー部および前記複数の第2のカバー部を一体に形成するボードを具備し、
前記ボードの上面側で前記各第1のカバー部間、前記各第2のカバー部間、および前記各第1のカバー部と前記各第2のカバー部との間にそれぞれ切れ目が形成され、前記ボードの下面側で前記各第1のカバー部間、前記各第2のカバー部間、および前記各第1のカバー部と前記各第2のカバー部との間にそれぞれ折り曲げ可能に連結する連結部が形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のトノカバー。
【請求項5】
前記複数の第1のカバー部および前記複数の第2のカバー部の全体を覆う表皮体を具備している
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のトノカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−240721(P2011−240721A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111687(P2010−111687)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(591162136)サンショウ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】