トピラメートに関する免疫アッセイ
一般的に、本発明は、スルファメート基、あるいは9位又は10位に置換基がある、トピラメート類似体に関する。トピラメート類似体には、抗トピラメート抗体の調製に用いることができる免疫原性部分、又はトピラメートの免疫診断アッセイに用いることができる抗原性部分が含まれてもよい。また、トピラメート類似体には、免疫診断アッセイで類似体の存在又は量を検出するトレーサー部分が含まれてもよい。さらに、トピラメート類似体を免疫診断アッセイで用いて、抗トピラメート抗体との結合に関して、トピラメートと競合させることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
[001]本米国特許出願は、Anlong Ouyang博士らを発明者とする、2004年10月25日に出願された、第60/621,770号の「トピラメートに関する免疫アッセイ」と題する米国仮出願;及び2005年10月20日に出願された、番号不明の「トピラメートに関する免疫アッセイ」と題する米国一般特許出願に優先権を請求し、どちらの出願も本明細書に援用される。
【0002】
1.発明の分野
[002]本発明は、トピラメート免疫診断試薬及びプロトコルに関する。より詳細には、本発明は、トピラメート、トピラメート類似体、トピラメート類似体から調製される免疫原及び抗原、トピラメートに基づく免疫原から調製される抗体、並びにこれらを作製し、用いる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
[003]トピラメートは、化学的には2,3:4,5−ビス−O−(1−メチル−エチリデン−β−D−フルクトピラノーススルファメート又は2,3:4,5−ジ−O−イソプロピリデン−ベータ−D−フルクトピラノーススルファメートと表され、以下に示される。トピラメートは、抗癲癇薬剤(「AED」)であり、現存する多くのAEDには化学的に無関係である。トピラメートは、二次性全般化を伴う又は伴わない部分発作を起こす成人の治療で補助療法として用いる、1996年にFDAに認可されたTOPAMAX(登録商標)中の活性成分であり、Lennox−Gastaut症候群及び乳児痙攣にも有用でありうる。
【0004】
【化1】
【0005】
[004]AED等の様々な薬剤は、異なる患者集団では、異なる薬物動態学的及び/又は薬力学的プロフィールを有する可能性があり、この結果、AEDの治療薬剤モニタリング(「TDM」)が致命的に重要であることが周知である。TDMプログラムの目的の1つは、投与後の様々な時点での薬剤濃度の決定して、投薬計画を管理及び/又は最適化して、患者の臨床的結果を最適化することである。したがって、TDMに基づき、単一の患者又は患者集団に対して、薬剤用量及び投薬計画を調節することもできる。
【0006】
[005]いくつかのトピラメートの特質により、TDMを用いる場合は、臨床的に患者の療法を個別化する必要があることが示唆される。患者の血清濃度に対する用量は、個体間変動が大きいことが示唆されている。また、最適血清濃度を達成するのに必要なトピラメート投薬量の必要条件には、薬物動態学的変動が主な役割を果たす。
【0007】
[006]トピラメートの最適血清濃度の適切な範囲は、他のAEDに加えて、125〜400mgのトピラメート用量を投与された患者で7〜24μmol/lであろうと示唆されている。何人かの患者は、最高2000mgという、極めて高用量を投与されており、全身トピラメート濃度が80μmol/lであった。有効TDMを用いて、治療指数内の適切なトピラメート濃度を獲得できる投薬計画を予測することもできる。
【0008】
[007]さらに、可能であれば単剤療法に進行することを見越して、トピラメートを用いた用量増大付加型研究が行われている。したがって、朝のトラフ血清トピラメート濃度を測定して発作制御及び関連する副作用と関連させた。その結果、15〜75μmol/lの範囲の血清トピラメート濃度で発作制御は明らかに改善されたが、75μmol/lより高い血清濃度では発作制御は低下した。また、60μmol/lより高い血清濃度では、副作用が有意に増えた。したがって、トピラメートの暫定的な標的血清濃度範囲は約15〜60μmol/lと示唆された;しかし、大部分の患者の血清濃度は、適切な投与計画で、低いか中程度の範囲である。
【0009】
[008]患者のトピラメートの全身濃度を決定する多くの方法が報告されている。Berry DJら Ther Drug Monit;22:460-4(2000)を参照されたい。キャピラリーガスクロマトグラフィー法は、水素炎イオン化検出及び窒素特異的検出を用いた、血清中のトピラメートの測定を報告している。Hollandら, J Chromatogr;433:276-281(1988)及びRiffitsら, J Pharm Biomed Anal;19:363-371(1999)、Tangら, Ther Drug Monitoring; 22: 195-201(2000)を参照されたい。さらに、トピラメート濃度を測定するため、MSとともに、GLC又はHPLCを用いる方法が示されている。Mozayani Aら J Anal Toxicol;23:556-558(1999)、Chen Sら, J Chromatogr;761:133-7(2001)、及びChristensenら, Ther Drug Monitoring;24:658-664(2002)を参照されたい。しかし、本方法は、例えば、試料調製時間が長く、アッセイ時間が長く、コストが高く、多大な労働力を伴う方法であるため商業的使用には非実用的である。したがって、有効なTDMのためには、トピラメート血漿レベルを測定するための単純で迅速な分析法が必要である。
【0010】
[009]商業的に入手可能な(Seradyn, Inc.)FPIA免疫アッセイを用いて、血漿又は血清中のトピラメートを測定することもできる。参照によって本明細書に含まれる、米国特許第5,952,187号を参照されたい。現在のFPIA免疫アッセイは、単純かつ迅速であるが、該免疫アッセイは、以前のトピラメート類似体の入手可能性が劣っており、かつ、ユーザーからみた機能性が劣っており、制限されている。
【0011】
[010]免疫アッセイ技術は、生物学的試料中の様々な薬剤を検出するために開発され、商業的分析適用に非常に適する。したがって、免疫アッセイを用いて患者の血中の薬剤及び/又は薬剤代謝産物の量を迅速に評価することもできる。免疫アッセイの例としては、均一系(homogeneous)微粒子免疫アッセイ(例えば免疫比濁法)又は定量的微小球体系(「QMS(登録商標)」)、蛍光偏光免疫アッセイ(「FPIA」)、クローニング酵素供与体免疫アッセイ(「CEDIA」)、化学発光微粒子免疫アッセイ(「CMIA」)等があげられるが、これらに限定されるわけではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
[011]したがって、患者の血液、血清、血漿及び/又は他の生物学的液体又は試料中のトピラメートを検出するために設定された免疫アッセイがあれば好適であろう。さらに、本免疫アッセイで用いるトピラメート類似体及び/又は抗トピラメート抗体を産生する際に用いるトピラメート類似体に基づく免疫原があれば好適であろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の簡単な概要
[012]一般的に、本発明は、トピラメート類似体、及びトピラメートに関する免疫診断アッセイに関する。トピラメート類似体には、抗トピラメート抗体を調製するために用いる免疫原性部分等の作用基;トピラメートに関する免疫診断アッセイで使用できる抗原性部分;又は免疫診断アッセイで使用できるトレーサー部分等の作用基を含んでもよい。さらに、トピラメート類似体を免疫診断アッセイに用いて、抗トピラメート抗体に関してトピラメートと競合させてもよい。
【0014】
[013]1の態様では、本発明に、は以下の式1又は式2の1つの化学構造を有するトピラメート類似体が含まれる。
【0015】
【化2】
【0016】
[014]式1及び式2に示すトピラメート類似体は、LがSO2 NH(CH2)2NH、NHCO、NHCH2Ph、COO、又はO基のうちの1つであることにより特定される。さらに、Xは、L及びY間の結合、1〜2の環を有する置換又は非置換の芳香族又は脂肪族基、あるいは1〜20の炭素又はヘテロ鎖原子、及び最も好ましくは1〜10の炭素又はヘテロ原子を有する、飽和又は不飽和、置換又は非置換、及び直鎖又は分枝鎖の少なくとも1つであってもよい。また、Yは、脂肪族、アルコール、アミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、活性化エステル、脂肪族エステル、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、チオラクトン、ジアゾニウム、及びマレイミド基からなる群より選択することもできる。
【0017】
[015]さらに、Yは、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、多糖、核酸、ポリヌクレオチド、テイコ酸、放射性同位体、酵素、酵素断片、酵素供与体断片、酵素受容体断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、触媒、蛍光部分、リン光部分、抗ストークス(anti−stokes)上方制御部分、化学発光部分、発光部分、色素、増感剤、粒子、微粒子、磁気粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、受容体、ハプテン放射性同位体、及びその組み合わせからなる群より選択される作用基にカップリングしたリンカー基であってもよい。より好ましくは、作用基は、アルブミン、血清タンパク質、グロブリン、眼球レンズのタンパク質、ウシ血清アルブミン、キーホールリンペット・ヘモシアニン、卵オボアルブミン、ウシ・ガンマ−グロブリン、合成ポリペプチド、デンプン、グリコーゲン、セルロース、炭水化物ゴム、アラビアゴム、寒天、ポリヌクレオチド、直径が少なくとも約0.02ミクロン〜約100ミクロンである粒子、細胞、赤血球、白血球、リンパ球、連鎖球菌属(Streptococcus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌、ウイルス、リポソーム、ラテックス、リン脂質小胞、陽イオン性リポソーム、陰イオン性リポソーム、リポタンパク質及びリポポリマーからなる群より選択される。最も好ましくは、作用基は、アルブミン、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、キーホールリンペット・ヘモシアニン、又は蛍光部分等の化学発光部分の少なくとも1つである。
【0018】
[016]1の態様では、トピラメートに関する免疫診断アッセイで用いるのに十分な力価の抗体を生成する免疫原を形成するため、類似体が免疫原性部分にカップリングしてもよい。また、類似体が免疫原性部分にカップリングして、類似体及びトピラメートと相互作用する抗体を生成する免疫原を形成することもできる。また、類似体がトレーサー部分にカップリングしてもよく、本類似体が、免疫診断アッセイで用いるのに十分な溶解度でありうる。さらに、類似体が抗原部分にカップリングすることができ、本類似体が、免疫診断アッセイで用いるのに十分な溶解度でありうる。さらに、類似体は、粒子又は微粒子上に、安定して装填されるか、又はこれらとカップリングし、あるいは酵素、酵素供与体、又は酵素受容体にカップリングすることができる。さらに、類似体は、抗トピラメート抗体との相互作用に関して、トピラメートと競合することができる。
【0019】
[017]1の態様では、トピラメート類似体を作製する方法には、ハロゲン化物又は塩化物脱離基を有する塩化物等のトピラメートハロゲン化物を、ハロゲン化物又は塩化物脱離基を置換する一級アミンを有する反応物と反応させて、スルファメート基との共有結合を形成することを含んでいてもよい。あるいは、トピラメートを、一級アミンと反応するカルボキシル基を有する反応物と反応させて、アミドを形成させて類似体を作製してもよい。他の代替法としては、9−ヒドロキシ又は10−ヒドロキシトピラメートを、イソシアネート官能基を有する反応物と反応させて類似体を作製することもできる。
【0020】
[018]本発明の1つの態様としては、試料中のラモトリジンの存在を検出する免疫診断系で用いる抗体組成物があげられる。抗体組成物には、少なくとも1つの結合ドメインを有する抗トピラメート抗体であって、トピラメートに結合でき、トピラメート類似体に結合できる、前記抗体が含まれてもよい。また、抗体は、少なくとも約1:5,000、より好ましくは少なくとも約1:10,000、さらにより好ましくは少なくとも約1:50,000、さらにより好ましくは少なくとも約1:100,000、そして最も好ましくは少なくとも約1:300,000の力価で存在してもよい。いくつかの場合、好ましくは、最低1:5,000又は最高1:300,000の抗体力価を有しうる。
【0021】
[019]さらに、抗体は、モノクローナル抗体及び/又はポリクローナル抗体である。抗体は、トピラメートに比較してトピラメート類似体に対して、均一系、不均一系(heterogeneous)、又は他の免疫診断アッセイに用いるのに十分な、親和性、特異性、又は結合活性の少なくとも1つを有してもよい。このように、抗体及びトピラメート類似体間の相互作用は、トピラメートに対する抗体の親和性、特異性又は結合活性の少なくとも1つの少なくとも50%であり、さらにより好ましくは、ラモトリジンに対する抗体の親和性、特異性又は結合活性の少なくとも1つの少なくとも70%であり、最も好ましくは、ラモトリジンに対する抗体の親和性、特異性又は結合活性の少なくとも1つの少なくとも90%でもよい。場合により、トピラメート類似体に対する抗体の親和性、特異性又は結合活性の少なくとも1つは、トピラメートに対するものと実質的に同一である。
【0022】
[020]1の態様では、本発明としては、試料中のトピラメートの存在を検出するための免疫診断アッセイで用いる系があげられる。当該系には、トピラメート類似体及び抗トピラメート抗体が含まれうる。さらに、トピラメート類似体又は抗トピラメート抗体の一方が、粒子、磁気粒子、微粒子、微小球体、支持体、酵素供与体又は酵素受容体の1つとカップリングしてもよい。
【0023】
[021]1の態様では、系には、以下の少なくとも1つが含まれてもよい:(a)トピラメートのストック組成物;(b)濃度勾配を形成する、異なる濃度のトピラメートを含有する一連の組成物;(c)トレーサー部分にカップリングしたトピラメート類似体;(d)微粒子にカップリングしたトピラメート類似体;(e)微粒子にカップリングした抗体;(f)酵素供与体にカップリングしたトピラメート類似体、並びに対応する酵素受容体;(g)酵素受容体に共役化したトピラメート類似体並びに対応する酵素供与体;又は(h)ろ過又は沈降による分離に適する粒子にカップリングした抗体。
【0024】
[022]本発明としては、試料中のトピラメートの存在を検出するための免疫診断アッセイを行う方法もあげられる。本方法には、抗トピラメート抗体及びトピラメート類似体を、以前トピラメートを投与した被験体から得た試料と合わせて、第一の組成物を形成する工程が含まれてもよい。その後、試料由来のいかなる遊離(free)トピラメート及びトピラメート類似体も、抗体との結合に関して競合できるようにする。競合的結合後にトピラメート類似体及び抗体間の結合を検出する。
【0025】
[023]1の態様では、免疫診断アッセイは、後述のように、蛍光部分を含むトピラメート類似体を用いて本類似体と抗体及び試料を合わせる。第一の偏光量の偏光で、蛍光部分を励起することもでき、第二の偏光量の蛍光部分から放出される偏光を検出する。場合によって、第一の偏光量と第二の偏光量を比較して試料にトピラメートが存在するか否かを決定し、ここで第二の偏光量が、第一の偏光量と異なる場合は、試料中にトピラメートが存在する指標とする。さらに、免疫診断アッセイには、既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて対照結合組成物を形成することによる対照が含まれてもよい。第三の偏光量を有する対照結合組成物で蛍光部分から放出される偏光を検出して第二の偏光量と比較する。その後、試料中に存在するトピラメート量を決定する。
【0026】
[024]1の態様では、免疫診断アッセイは、微粒子にカップリングしたトピラメート類似体又は抗体を用いる。類似体、抗体及び試料を合わせて第一の組成物とするが、ここで、遊離トピラメートは抗体との結合に関して、類似体と競合する。次いで、第一の組成物に入射光線を照射して第一の組成物由来の透過光の第一の強度を検出する。トピラメート類似体及び抗体を有するが遊離トピラメートを有しない、対照結合組成物由来の透過光の最低強度を同定して透過光の第一の強度と比較する。トピラメートが試料に存在するか否かを決定し、ここで最低強度が第一の強度と異なるならば、試料中にトピラメートが存在する指標とする。さらに、免疫診断アッセイには、既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて第二の対照結合組成物を形成することによる、対照が含むこともできる。次いで、第二の対照結合組成物に入射光線を照射して第二の対照結合組成物由来の透過光の第二の強度を検出する。その後、試料中に存在するトピラメートの量を決定することもできるが、ここで第一の強度と第二の強度との比較は、試料中に存在するトピラメート量の指標となる。
【0027】
[025]1の態様では、免疫診断アッセイは、酵素供与体を有するトピラメート類似体を用いる。類似体、抗体、及び試料を合わせて第一の組成物とし、ここで、遊離トピラメートは抗体との結合に関して、類似体と競合する。第一の組成物と酵素受容体及び基質を合わせるが、ここで基質は、酵素供与体及び酵素受容体との相互作用により切断できる。次いで、酵素活性を検出する。さらに、免疫診断アッセイには、既知の量のトピラメート並びにトピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成することによる、対照が含まれてもよく、その後、酵素受容体及び基質をこれと合わせる。試料中に存在するトピラメート量の指標を提供する、酵素活性と対照酵素活性との比較により、試料中に存在するトピラメートの量を決定する。
【0028】
[026]1の態様では、免疫診断アッセイは、トレーサー部分を有するトピラメート類似体及び粒子とカップリングした抗体を用いる。類似体、抗体、及び試料を合わせて第一の組成物とし、ここで、遊離トピラメートは抗体との結合に関して、類似体と競合する。第一の組成物から抗体を分離して未結合のトピラメート類似体を抗体から分離する。その後、第一の組成物から、抗体と結合しているトレーサー部分を検出する。さらに、免疫診断アッセイには、既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成することによる、対照を含んでもよい。したがって、試料中に存在するトピラメート量の指標を提供するため、第一の組成物中のトレーサー部分の量及び対照結合組成物中のトレーサー部分の量を比較することにより、試料中に存在するトピラメートの量を決定してもよい。
【0029】
[027]本発明の上記及び他の態様及び特徴は、以下の説明及び付随する請求項からより完全に明らかになるであろうし、又は以下に示す本発明の実施により確認できる。
【0030】
[028]本発明の上記及び他の利点及び特徴をより明確にするため、添付の図面に例示する、本発明の特定の態様を参照して、本発明のより詳細な説明を提供する。本図面は本発明の典型的な態様のみを示すため、その範囲を限定すると見なしてはならないことは認識されよう。添付の図面を用いて、本発明をより具体的かつ詳細に記載し、説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
[049]一般的に、本発明は、トピラメート類似体及びトピラメートの免疫診断アッセイに関する。トピラメート類似体は、抗トピラメート抗体を調製するために用いうる免疫原性部分、トピラメートの免疫診断アッセイで用いうる抗原性部分若しくはトレーサー部分が含まれていてもよい。さらに、トピラメート類似体を免疫診断アッセイに用いて、抗トピラメート抗体に関してトピラメートと競合させることもできる。このように、以下の専門用語は、本発明の態様を説明するよう意味するが、限定することを意図したものではない。
【0032】
[050]本明細書中、用語「ハプテン」は、部分的又は不完全な抗体を意味し、小分子又は薬剤でもよい。さらにハプテンは、タンパク質不含又はポリペプチド不含物質である低分子量分子でもよい。通常ハプテンは、単独で抗体形成を刺激できないが抗体と相互作用できる。そこで本発明のトピラメート及びトピラメート類似体はハプテンでもよい。
【0033】
[051]本明細書中、用語「類似体」又は「誘導体」は、1以上の化学反応により、親化合物又は分子から作製される化学的化合物又は分子を意味する。そこで、類似体は、トピラメートの構造に類似であるか又はトピラメート骨格に基づくが、特定の構成要素又は構造的性質はトピラメートと異なる構造の化合物でもよく、代謝的に類似の作用又は反対の作用でありうる。本発明のトピラメートの類似体又は誘導体を用いて類似体及びトピラメートを共に認識する抗体との結合に関して競合させることもできる。また、類似体には、リンカー基を介したトピラメートにカップリングした作用基が含まれうる。
【0034】
[052]本明細書中、用語「免疫原」及び「免疫原性」は、生物中で免疫応答を産生又は生成できる物質を意味する。免疫原はまた抗原でもよい。通常、免疫原は、非常に分子量が高く(例えば10,000より大きい)、したがって、本発明の免疫原を形成するために、タンパク質、リポタンパク質、多糖、核酸及び特定のテイコ酸等の様々な巨大分子をハプテンにカップリングしてもよい。
【0035】
[053]本明細書中、用語「免疫原性」は、分子が免疫応答を誘導する能力を意味し、これは、注入される分子の固有の化学構造及び宿主動物が化合物を認識できるか否かで決定する。抗原の構造中の僅かな変化により化合物の免疫原性が大きく改変することもあり、当該変化は、抗体、特に、極めて高く保存されている抗原に対する抗体を得る機会を高める一般的な手段として広く用いられてきた。例えば、これらの修飾技術は、免疫原の領域を改変して、T細胞結合により優れた部位を提供するか、又はB細胞結合のための新規のエピトープを暴露するかである。
【0036】
[054]本明細書中、用語「担体」、「免疫原性部分」、又は「免疫原性担体」は、ハプテンにカップリングすることができる免疫原性物質、一般的にはタンパク質である作用基を意味する。ハプテンにカップリングした免疫原性部分は、免疫応答を誘導することができ、ハプテンと特異的に結合できる抗体の産生を誘発できる。免疫原性部分は、異質(foreign)と認識されて宿主から免疫学的応答を誘発する、タンパク質、ポリペプチド、糖タンパク質、複合多糖、粒子、核酸、ポリヌクレオチド等を含む作用基である。さらに、リンカーには、修飾又は非修飾のヌクレオチド、ヌクレオシド、ポリマー、糖及び他の炭水化物、例えばポリエチレングリコール等のポリエーテル、ポリアルコール、ポリプロピレン、プロピレングリコール、エチレン及びプロピレングリコールの混合物、ポリアルキルアミン、スペルミジン等のポリアミン、ポリ(アクリル酸エチル)等のポリエステル、ポリホスホジエステル及びアルキレン含まれる。作用基及びそのリンカーの例としてはコレステロール−TEG−ホスホロアミダイトがあり、ここでコレステロールは作用基であり、そしてテトラエチレングリコール及びホスフェートがリンカーとして機能する。
【0037】
[055]一例として、作用基は免疫原性を刺激し、ハプテンに対する抗体形成を刺激するためにハプテンにカップリングさせることができる、免疫原性担体である。通常、免疫原性担体は、免疫原性が高くハプテンに対して免疫原性を供与できる、巨大分子である。例えば、異質のタンパク質は当該免疫学的応答を誘発できるため、タンパク質を免疫原性担体として用いうる。タンパク質担体は可溶性が高くてもよく、ハプテン分子との共役化を容易に促進できる官能基を含んでいてもよい。現在用いられている最も一般的な担体タンパク質のいくつかは、キーホールリンペット(keyhole limpet)・ヘモシアニン(KLH;MW 450,000〜13,000,000)及びウシ血清アルブミン(BSA、MW 67,000)である。キーホールリンペット・ヘモシアニンは、海生キーホールリンペットの酸素運搬タンパク質であり、非常に巨大で、解離させてサブユニットにすると免疫原性が高まるが、これはおそらく他のエピトープ部位が免疫系に曝露されるためである。BSAは共役化に適した多くの官能基を含有する可溶性の高いタンパク質である。
【0038】
[056]本明細書中、用語「抗体」は、体内の異質な分子の存在に応答して産生されるタンパク質を意味する。これらは、抗原及び免疫系の特異的な細胞又はタンパク質の両方に結合する能力で特徴付けできる。抗体は、5つのクラス、IgG、IgM、IgA、IgE、及びIgDに分けられる、形質細胞により産生される免疫グロブリンである。
【0039】
[057]本明細書中、用語「エピトープ」は、抗体と相互作用する抗原の領域を定義するよう意味する。したがって、抗原である分子又は他の物質としては、抗体活性がある少なくとも1のエピトープがあげられる。これにより、抗原が、同一抗体又は異なる抗体により認識される様々なエピトープがありうる。また、エピトープは任意の特定構造の固有の特性ではなく、抗体と相互作用する結合部位と定義できる。
【0040】
[058]本明細書中、用語「親和性」は、エピトープ及び抗体間の結合強度の測定値を意味する。したがって、単一の抗体は、様々なエピトープに対する親和性が異なってもよい。これにより、単一の抗体は1のエピトープに強く結合し、他のエピトープにより弱く結合することが可能となる。つまり、抗体は、トピラメート等の薬剤に対して第一の親和性があり、トピラメート類似体に対して第二の親和性があってもよい。しかし、抗体はトピラメート及びトピラメート類似体類似体の両方に対する親和性が実質的に同等又は類似であってもよく、これにより、類似体を用いて、トピラメートに対する抗体を生成して、競合的結合試験に用いることが可能となる。したがって、本発明のトピラメート類似体を用いて、トピラメートに親和性がある抗体を生成することができる。
【0041】
[059]本明細書中、用語「結合活性」は、抗体及び抗原の複合体の全体的な安定性の測定値を意味する。抗体−抗原相互作用の全体的な安定性は、以下の3つの主な要因に制御されうる:(a)エピトープに対する抗体固有の親和性;(b)抗体及び抗原の価数;及び(c)相互作用構成要素の幾何学的配置。つまり、上記パラメーター及び他のパラメーターを変化させて、抗体−抗原複合体の結合活性を調節することができる。
【0042】
[060]本明細書中、用語「特異性」は、他の利用可能なエピトープと比較した、エピトープと抗体の優先的な結合を意味する。すなわち、抗体の特異性は、トピラメート代謝産物ではなく、トピラメート及び/又は類似体に優先的に結合できる。これを用いて、不都合な抗体−代謝産物結合が混入しないようにして、トピラメートの真の濃度を評価できるように、代謝産物よりもトピラメートと優先的に結合する、抗トピラメート抗体を生成することもできる。また、トピラメートとの結合に関する抗体の特異性を用いて、トピラメートの特異性が類似又は実質的に同一な類似体を調製することもできる。
【0043】
[061]本明細書中、用語「結合速度(on rate)」、「解離速度(off rate)」、又は「結合−解離速度(on−off rate)」は、抗体−抗原相互作用の動力学を記載する方法を意味する。すなわち「結合速度」は、Ka(すなわち結合定数)を意味し、「解離速度」は、Kd(すなわち解離定数)を指すよう意味する。各抗体には、特定の抗原又はエピトープに対するKaがあり、これは、通常は結合の親和性又は強度という。ポリクローナル抗体に関しては、「結合−解離速度」は、ポリクローナル抗体を形成する特定の抗体各々に関する、多くの異なるKa又はKdの合計を意味する。
【0044】
[062]本明細書中、用語「ポリクローナル抗体」は、所定の抗原又はエピトープに対する特異性及び親和性の範囲が広い抗体の異種混合物を意味する。したがって、ポリクローナル抗体としては、各々他と区別でき、抗原と結合するか又は他の態様で相互作用する、複数の抗体があげられる。エピトープのある免疫原を動物内に注射して適切な時間の経過後、目的の抗体を含有する血液分画を収集して、場合により精製することにより、ポリクローナル抗体を含む、異なる抗体を産生するか又は生成することができる。抗体を産生する場合、ポリクローナル抗体の最終的な使用について、いくつかのパラメーターを考慮してもよい。これらのパラメーターとしては以下があげられる:(1)抗体の特異性(すなわち抗原を区別する能力);(2)抗体の結合活性(すなわちエピトープに結合する強度);及び(3)アッセイ系での抗体の最適な希釈を決定する、抗体力価。
【0045】
[063]本明細書中、用語「モノクローナル抗体」は、正常な抗体産生細胞及び1の前駆細胞の培養物から単離された抗体を意味する。モノクローナル抗体の結合定数は、均一であってもよく、当該技術分野で周知である。
【0046】
[064]本明細書中、「抗体力価」は、血清希釈の逆数を意味する。より好適に記載及び形式化するため、本態様で力価を記載する。1/50000の力価は、抗原を1:50000で希釈した場合に、抗体が、共に結合させた抗原のエピトープを有効に検出することを意味する。力価は、最大O.D.の約10%である終点力価により計算される。
【0047】
[065]本明細書中、用語「Bmax」は、力価と独立して、抗体及びリガンド(例えば類似体、抗原、標識等)間の最大結合を意味する。また、Bmaxは、結合活性と関連させてもよく、また結合活性から独立してもよく、抗体がどの程度良好にリガンドに結合して測定可能なシグナルを生じうるかを決定するための評価に用いることができる。さらに、Bmaxは、各標本の最大吸光度として決定でき、Boを計算するために用いてもよい。Bmaxの値は、3〜4ODと同程度の高さで変化してもよく、モノクローナル抗体プログラムに関しては、さらに高くてもよい。
【0048】
[066]本明細書中、用語「Bo」は、結合置換アッセイの吸光度選択を意味し、置換アッセイに関しては、Bmaxの約30%〜50%である。このように、Boを用いて、解離速度を迅速に測定してもよく、これを用いて結合活性をアッセイしてもよい。また、ODがBmaxの約半分である場合、50%Bmaxを用いてもよいが、これは一般的に、1.7〜1ODの範囲でありうる。ときに、50%Bmaxが1.7程度のODである場合もあり、この場合は、正確な測定には抗体が過剰供給されすぎている可能性もあり、しばしば結果として置換が劣る。したがって、抗体があまりに過剰供給されている場合は、30%Bmaxを用いてもよい。適切なBo値及び置換データを得るため、Bmaxは2.0〜2.5OD内でよく、Boは1.0〜1.25OD内でもよい。
【0049】
[067]本明細書中、用語「免疫アッセイ」又は「免疫診断」は、生物学的試料中の特定の抗原又は特定の抗体の少なくとも1つを同定及び/又は定量化するため、抗原及び抗体間の結合を利用する実験技術を意味する。現在、以下に記載するような3種の免疫アッセイがある:(1)抗体捕捉アッセイ;(2)抗原捕捉アッセイ;及び(3)2抗体サンドイッチアッセイ。さらに、新規免疫アッセイが開発され、本発明の類似体及び抗体を使用しうるであろうことが意図される。
【0050】
[068]本明細書中、用語「競合的免疫アッセイ」は、既知量の同定可能な抗原が、抗体との結合に関して他の抗原と競合する、実験プロトコルを意味する。すなわち、既知の抗体と結合する既知の抗原を、その既知の抗体と結合する他の抗原を含有すると推測される試料と合わせる。これにより、該抗体上の結合部位で、既知の抗原及び他の抗原が共に競合することができる。例えば、抗トピラメート抗体と結合するトピラメート類似体を、トピラメートを含有すると推測される試料と合わせてもよく、当該類似体及びトピラメートが、抗トピラメート抗体との結合に関して競合する。その後、抗体との結合に関する競合を用いて、試料中にトピラメートが存在するか否かを決定してもよく、試料中のトピラメート量を定量化することもできる。
【0051】
[069]本明細書中、用語「比濁検出」は、凝集粒子により散乱される光による、入射光線の透過における強度の減少又は吸光度の増加の測定値を意味する。透過光の強度の減少は、透過光のより高い出発バックグラウンド強度に対して測定される。通常、読取りは、光供給源と一列になった検出装置で行われ、粒子の凝集が光の透過を阻害する。したがって、トピラメート等の標的分析物の存在を評価する手段として、凝集の阻害又は促進を用いることもできる。比濁アッセイは、様々な臨床分析装置に容易に適応できる。
【0052】
[070]本明細書中、用語「微粒子凝集アッセイ」は、標的分析物による微粒子の凝集を阻害する原理を用いる免疫アッセイを意味する。すなわち、標的分析物が存在すると凝集が減少する。例えば、標的薬剤の誘導体が微粒子表面に共有結合し、及び/又は増感粒子はモノクローナル抗体により凝集する。試料が遊離薬剤を含有する場合、凝集は薬剤濃度に比例して阻害され、吸光度と関連した薬剤濃度の古典的な阻害曲線が導かれる。
【0053】
[071]本明細書中、用語「療法的濃度」は、所望の臨床効果を生じる場合の有効な薬剤の濃度を意味する。
【0054】
[072]本明細書中、用語「作用基」は、リンカー基を介してトピラメートにカップリングした分子又は巨大分子を意味する。作用基としては、免疫原性部分、抗原部分、トレーサー部分等があげられる。さらに、本明細書記載の化学的骨格のZ基が作用基である。つまり、作用基をYリンカー基にカップリングさせ、類似体に他の機能を提供しうる。
【0055】
[073]本明細書中、用語「活性エステル」又は「活性化エステル」は、例えばペプチド及びタンパク質等の化合物の遊離アミノ基と反応できるエステル基を意味する。活性エステルとしては、活性脱離基に連結されたカルボキシル基があげられる。しばしば、活性脱離基には、エステル酸素が含まれ、活性脱離基はエステル酸素を除去する。例えば活性エステルは、一級アミンによる置換に感受性であり、これにより、エステル酸素が除去され、アミド基が形成される。活性エステルを形成する活性脱離基の例としては、N−ヒドロキシスクシンイミド(「NHS」)、p−ニトロフェニル、ペンタフルオロフェニル、N−ヒドロキシベンゾトリアゾリル等があげられる。よって、用語「NHS」を用いる場合は、N−ヒドロキシスクシンイミドとして定義されることを意味する。
【0056】
[074]本明細書中、用語「標識」、「検出剤分子」又は「トレーサー」は、検出可能シグナルを生じるか又は生じるように誘導できる、いかなる作用基をも意味する。標識をトピラメート、トピラメート類似体、ハプテン、分析物、免疫原、抗体、又は受容体又は受容体に結合できる分子等の他の分子に共役化できる。トレーサーの例としては、放射性同位体、酵素、酵素断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、触媒、フルオロフォア、色素、化学発光剤、発光剤、増感剤、非磁気又は磁気粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、受容体、ハプテン放射性同位体等があげられるがこれらに限定されない。本明細書中、類似体は、当該技術分野で周知の方法で様々な標識にカップリングして、様々な免疫アッセイ系で有用な様々な試薬を提供することもできる。免疫アッセイの結果を検出するため、フルオロフォア、例えばフルオレセイン、放射標識、又は化学発光基等の検出剤分子を類似体にカップリングして、トレーサーを産生することができる。
【0057】
[075]本明細書中、用語「連結基」又は「リンカー」は、例えばトピラメート又はトピラメート類似体と作用基等の2以上の基礎構造(substructure)を連結する化学構造部分を意味する。連結基は、基礎構造間に伸長する、水素(又は他の一価の原子)以外の原子の少なくとも1の中断されていない鎖があってもよい。通常、連結基としては、置換されていても又は置換されていなくてもよい炭素原子又はヘテロ原子の鎖があげられる。連結基の原子及び連結基内の鎖の原子は、化学的結合で相互連結できる。例えば、リンカーは、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換、飽和又は不飽和鎖でもよく、鎖の原子としては、炭素及び/又はヘテロ原子があげられる。これには、鎖内又は鎖末端の1以上のヘテロ原子も含まれうる。さらに、連結基にはまた、鎖の一部として、又は鎖中の1の原子上の置換として、環状基及び/又は芳香族基もあげられる。連結されている基礎構造間の最短経路である鎖の主鎖の水素以外の原子の数を計測することにより、連結基又はリンカー中の原子の数を決定する。ハプテンをトレーサー、標識、担体、免疫原性部分等と共役化するため、連結基を用いて、利用できる部位をハプテン上に提供することができる。
【0058】
[076]本明細書中、用語「ヘテロ原子」は、酸素、窒素、硫黄、リン等の炭素原子以外の原子を意味する。通常、連結基又は他の部分で用いられる、少なくとも2つの共有結合を形成できるように、ヘテロ原子は多価である。
【0059】
[077]トピラメート類似体には、部分に共役化したトピラメート分子があげられる。部分は、トピラメートの物理化学特性を修飾できる広い範囲の化学的化合物でありうる。また、リンカーとして部分を用いるか又は部分がトピラメートに連結基を共役化できる。すなわち、部分としては、アルキル、脂肪族、直鎖脂肪族、分枝鎖脂肪族、置換脂肪族、環状脂肪族、複素環脂肪族、芳香族、複素環芳香族、多環芳香族等があげられる。
【0060】
[078]本明細書中、用語「脂肪族」は、直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和、及び/又は置換又は非置換であってもよく、主鎖中に20以下の炭素又はヘテロ原子を有する、アルキル基等のヒドロカルビル部分を意味する。さらに、脂肪族には、主鎖中に10以下の炭素又はヘテロ原子が含まれうる。脂肪族基は、直鎖、分枝鎖、環状及び/又は複素環である部分を含んでいてもよく、エーテル、ケトン、アルデヒド、カルボキシレート等の官能基を含有してもよい。典型的な脂肪族基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、より多数の炭素のアルキル基等、並びに2−メチルプロピル、2−メチル−4−エチルブチル、2,4−ジエチルプロピル、3−プロピルブチル、2,8−ジブチルデシル、6,6−ジメチルオクチル、6−プロピル−6−ブチルオクチル、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル等の置換及び/又は非置換基が含まれるが、これらに限定されない。用語、脂肪族又はアルキルはまた、ビニル等のアルケニル基、アリル、アラルキル及びアルキニル基も含む。
【0061】
[079]脂肪族基内の置換には、脂肪族部分で許容されうるいかなる原子又は基も含まれてよく、ハロゲン、硫黄、チオール、チオエステル、アミン(一級、二級、又は三級)、アミド、エーテル、エステル、アルコール、酸素等が含まれるが、これらに限定されない。脂肪族基としてはまた、例えば、アゾ基、ケト基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、ニトロ、ニトロソ又はニトリル基、イミダゾール等の複素環、ヒドラジノ又はヒドロキシルアミノ基、イソシアネート又はシアネート基、並びにスルホキシド、スルホン、スルフィド、及びジスルフィド等の硫黄含有基等の修飾も含んでよい。さらに、置換は、適切か又は可能な場合、単結合、二重結合、又は三重結合を介してもよい。
【0062】
[080]さらに、脂肪族基はまた、例えば窒素、酸素、リン、又は硫黄等のヘテロ原子により炭素原子が置換されたヘテロ置換も含有しうる。つまり、置換脂肪族で構成されるリンカーは、炭素、窒素、酸素、硫黄、リン及び/又は同様のもので構成される主鎖を有しうる。複素環置換は、ヘテロ原子が1以上あるアルキル環をいう。複素環部分の例には、モルホリノ、イミダゾール、及びピロリジノが含まれるが、これらに限定されない。
【0063】
[081]本明細書中、用語「芳香族」は、電子が原子の円形又は環状配置周囲を自由に循環し、互いに交互に単結合及び二重結合する分子をいう。より適切には、これらの結合が単結合及び二重結合のハイブリッドであり、環中の各結合が他のすべてと同一であるとみなすこともできる。ラモトリジン類似体中に存在しうる芳香族化合物の例としては、ベンゼン、ベンジル、トルエン、キシレン等があげられる。芳香族化合物には、ピリジン、フラン、テトラヒドロフラン等のヘテロ芳香族となるようなヘテロ原子を含んでいてもよい。また、芳香族は、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、多環芳香族炭化水素、インドール、キノリン、イソキノリン等の多環芳香族でもよい。
【0064】
[082]本明細書中、用語「アミン」は、1、2、又は3の水素原子を、例えばアルキル基等の他の基で置換して、アンモニアに直接又は間接的に由来しうる部分を意味する。一級アミンの一般構造はRNH2であり、そして二級アミンの一般構造はR2NHである。用語、アミンには、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、アニリン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、多環アミン、アリール及びアルキルアミンで置換されたヘテロ原子、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルシクロプロピルアミン、エチルシクロヘキシルアミン、メチルベンジルアミン、メチルシクロヘキシルメチルアミン、ブチルシクロヘキシルアミン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、ピペラジン、及びアルキル又はアリール二級アミンで置換されたヘテロ原子が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
[083]本明細書中、用語「ポリ(アミノ酸)」又は「ポリペプチド」は、アミノ酸から形成されるポリアミドである。ポリ(アミノ酸)は、一般的に、分子量約200〜2,000又は分子量の範囲が約2,000を超えるか又は、分子量上限がなく、通常、分子量が10,000,000未満であり、最高でも約600,000ダルトンであろう。通常、免疫原性担体又は酵素が関与するか否かに応じて範囲が異なるであろう。
【0066】
[084]本明細書中、用語「ペプチド」は、アミド(ペプチド)結合により2以上のアミノ酸の連結により形成されるいかなる化合物をも意味し、通常、直鎖中の各アミノ酸残基のα−アミノ基(NH2末端を除く)が、次の残基のα−カルボキシル基に連結されているα−アミノ酸のポリマーである。用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「ポリ(アミノ酸)」は、本明細書中、大きさの制限なくこの種の化合物を指すべく、同義的に用いられる。この種の最大のメンバーは、明確なポリペプチド配列があるタンパク質をいう。
【0067】
[085]本明細書中、用語「生物学的試料」は、生命体から得られる固体又は液体試料を意味する。つまり、生物学的試料としては、ヒト及び他の動物等の、生物又は以前生存していたものに由来する、いかなる量の物質もあげられるが、これらに限定されない。本物質としては、血液、血清、血漿、尿、涙、細胞、臓器、組織、骨、骨髄、リンパ、リンパ節、滑膜組織、軟骨細胞、滑膜マクロファージ、内皮細胞、皮膚等があげられるが、これらに限定されない。
【0068】
[086]本明細書中、用語「患者」は、ヒト及び他の動物被験体を意味する。より詳細には、患者は、トピラメート等の抗癲癇薬剤が必要なヒト又は他の動物被験体である。
【0069】
[087]さらに、本発明を記載するために本明細書で用いる用語は、上記定義及び/又は当該技術分野で周知の定義を用いて解釈できる。つまり、上記命名法は、本発明を説明するよう意味し、そして限定することを意図したものではない。
【0070】
I.トピラメート類似体
[088]1の態様では、本発明は、トピラメートの類似体に関する。このように、トピラメートを、トピラメートのスルファメート部分あるいは9炭素又は10炭素メチル基で、類似体部分と共役化して、類似体を形成してもよい。9炭素又は10炭素共役体は、多くの場合に実質的に区別できないように、化学反応及び/又は官能性が実質的に類似しており、ここで、9炭素又は9位はまた、10炭素又は10位も意味する。
【0071】
[089]トピラメート類似体は、さらに、類似体部分又はリンカーを介して、免疫原性部分、抗原性部分及び/又はトレーサー部分にカップリングでき、免疫原、抗原及び/又はトレーサー等の他の類似体を形成する。さらに、抗体誘導及び認識に利用できるトピラメート類似体の部分が、トピラメート代謝産物、9−ヒドロキシトピラメートでは異なる領域であるため、特定の場合は、9炭素メチル基ではなくスルファメート部分を介した共役体が好適でありうる。
【0072】
[090]1の態様では、本発明は、スルファメート・共役体を有するトピラメートの新規類似体である。すなわち、スルファメート基を、硫黄原子を介して連結部分にカップリングできる。リンカー部分は、類似体を形成するため、トピラメート骨格とカップリングしている置換基と見なしてもよい。リンカー部分は、以下により詳細に記載する、様々な化学物質でもよい。したがって、トピラメートのスルファメート置換類似体は、式1A及び/又は式1Bの一般的な構造を有する:
【0073】
【化3】
【0074】
[091]他の態様において、トピラメート骨格には、10−置換と実質的に類似する9−置換が含まれてもよい。したがって、トピラメートの9−置換類似体は、式2A及び/又は式2Bの一般的な構造を有してもよい:
【0075】
【化4】
【0076】
[092]式1A、1B、2A及び/又は2Bに示すトピラメート骨格を、広い範囲の化学物質で置換できる。したがって、L基は、O、CO、COO、SO2、CH2、NH、NH(CH2)2NH、NHCO又はNHCH2Phでもよい。このように、L基を連結基として用いて類似体部分及び/又は共役部分をトピラメート骨格に共役化できる。
【0077】
[093]さらに、式1A、1B、2A及び/又は2Dに関して用いる場合、X基は、1〜20の炭素又はヘテロ原子、あるいはより好ましくは1〜10の炭素又はヘテロ原子を有する、飽和又は不飽和、置換又は非置換及び/又は直鎖又は分枝鎖でもよい。置換基の例には、一級及び二級アミン、脂肪族基、カルボニル基、ハロゲン等が含まれる。また、X基としては、置換されているか又は置換されていない環状基、あるいは1〜2の環を有する置換又は非置換芳香族又は脂肪族基、多環芳香族、芳香族複素環等があげられる。X基はまた、環基の代わりに又は環基に加え、炭素又はヘテロ原子の1〜20又は1〜10鎖原子を含有する置換又は非置換脂肪族連結基でもよい。さらに、X基は、L及びY間のいかなる種類の結合でもよい。また、Xは、上記基のいかなる組み合わせでもよい。
【0078】
[094]Y基は、末端基又はカップリング基であってもよく、これを担体、標識、免疫原性部分等の作用基とリンカー基をカップリングするために用いてもよい。ある場合、当該技術分野で周知の化学合成を介して、末端基を、担体、トレーサー部分、又は免疫原性部分で誘導体化するか、又はこれらとカップリングでき、ここで、Y基は、Z基とカップリングするのに用いられる反応基である。このように、Yは、脂肪族、アルコール、アミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、活性化エステル、脂肪族エステル、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、アルコール、チオラクトン、ジアゾニウム基、マレイミド基等並びにそれらに由来する基等の様々な基であってもよい。また、Yは、Y1−Zであってもよく、Y1は、Z基にカップリングしているY末端基に由来できる。
【0079】
[095]さらに、Z基は、存在しないか、又はリンカー部分にカップリングできるいかなる部分でもあってもよい。このように、L−X−Y基は、類似体部分と見なすこともできるし、そしてZ基は作用基であってもよい。リンカー部分は、トピラメート骨格及び作用基間のリンカー又は連結基として機能的に作用できる。例えば、作用基は、担体、標識、トレーサー、タンパク質、酵素、蛍光化合物、リン光生成化合物、温度発色性(thermochromic)化合物、光発色性化合物、抗ストークス(anti−stokes)上方制御化合物、化学発光物質、電気化学仲介剤、粒子、レポーター基、酵素阻害剤、核酸、ポリペプチド等であってもよい。
【0080】
[096]例えば、式1A、1B、2A及び/又は2Bの各々において、X基は、結合又は1以上の原子の鎖であってもよく、存在する場合は、少なくとも1つの原子が炭素である。このように、Xは、L及びY間の共有結合であってもよい。具体例として、Xは、以下の基のいずれでもよい:CH2;(CH2)2;(CH2)3;(CH2)4;(CH2)5;(CH2)6;CH2CO;(CH2)2CO;(CH2)3CO;(CH2)4CO;(CH2)5CO;(CH2)6CO;CH2COO;(CH2)2COO;(CH2)3COO;(CH2)4COO;(CH2)5COO;(CH2)6COO;CO;COO;COCH2;CO(CH2)2;CO(CH2)3;CO(CH2)4;CO(CH2)5;CO(CH2)6;COCH2CO;CO(CH2)2CO;CO(CH2)3CO;CO(CH2)4CO;CO(CH2)5CO;CO(CH2)6CO;COCH2COO;CO(CH2)2COO;CO(CH2)3COO;CO(CH2)4COO;CO(CH2)5COO;CO(CH2)6COO;CO(CH2)2CONHCH2;CO(CH2)2CONH(CH2)2;Ph;CONHCH2Ph;CONH(CH2)3;CONH(CH2)3CO;CONH(CH2)3COO;NHCH2;NH(CH2)2;NH(CH2)3;NH(CH2)4;NH(CH2)5;NH(CH2)6;NHCH2CO;NH(CH2)2CO;NH(CH2)3CO;NH(CH2)4CO;NH(CH2)5CO;NH(CH2)6CO;NHCH2COO;NH(CH2)2COO;NH(CH2)3COO;NH(CH2)4COO;NH(CH2)5COO;NH(CH2)6COO;NHCO(CH2)2;NHCO(CH2)6;NHCO(CH2)2CO;HCO(CH2)6CO;NHCO(CH2)2COO;又はNHCO(CH2)6COO;その組み合わせ等。より好ましくは、Xは、CH2、(CH2)2、(CH2)3、CH2COO、(CH2)2CO、(CH2)2COO、(CH2)3CO、(CH2)3COO、CO(CH2)6、CO(CH2)6CO、CO(CH2)6COO、CO、COO、Ph、CONH(CH2)3、CONH(CH2)3CO、CONH(CH2)3COO、その組み合わせ等からなる群より選択される。
【0081】
[097]例えば、式1及び2の各々で、Y基は、末端基又は末端基由来のリンカーを含んでもよく、常に存在する。具体例として、Yは、以下の末端基又はそれに由来するいかなるリンカー基でもよい:COOH(カルボン酸);COO;COO−NHS(NHS活性エステル);NHS;tertブチル(t−ブチル);COO−tertブチル;OH;O−NHS(NHS活性エステルリンカー);COOCH2CH3;COOCH3;OCH2CH3;OCH3;NH;NH2;NHCO(アミド);その組み合わせ等。より好ましくは、Yが末端基である場合、Yは、NHS、COOH、COO−NHS、COO−tertブチル、tertブチル、OH、O−NHS、COOCH2CH3、COOCH3、OCH2CH3、OCH3、又はNH2からなる群より選択できる。一方、Yがリンカーである場合、Yは、Y1−Zであり、式中、Y1は、好ましくはCOO、CO、O、CONH、又はNHの少なくとも1つからなる群より選択されてもよく、Zは巨大分子である。
【0082】
[098]したがって、Z基又は作用基は、担体、トレーサー、又は標識、例えばタンパク質、酵素、蛍光化合物、化学発光物質、電気化学仲介剤、粒子、レポーター基、酵素阻害剤、及び/又は核酸であってもよい。具体例として、Zは、以下の巨大分子基のいずれでもよい:(a)BSA;(b)KLH;(c)蛍光トレーサー;及び(d)これらと同等のもの。
【0083】
[099]一般的に、類似体には、当該技術分野で周知の方法による様々な作用基が含まれ、様々な免疫アッセイ形式において有用な様々な試薬を提供することもできる。このように、フルオロフォア、放射標識、又は化学発光基等の検出剤分子を用いて、トレーサーを産生することもできる。また、ラテックス凝集及びクロマトグラフィー片試験におけるように、分光光度検出形式又は直接視覚的検出形式で用いるため、類似体を着色ラテックス等の微粒子に結合させてもよい。作用基はまた、エネルギー移動パートナー、酵素又は他の基等の、他の化学反応によって検出される間接的検出分子であってもよい。
【0084】
[0100]したがって、作用基をカップリングしうるいかなる化学反応によっても類似体と作用基のカップリングを達成できる。この連結又はカップリングには、多くの化学的機構が含まれてもよく、例えば共有結合、アフィニティー結合、インターカレーション、配位結合及び錯化が含まれうる。多くの場合、連結又はカップリングは共有結合を介して行われる。存在する側鎖の直接縮合又は外部架橋分子の取り込みのいずれかにより共有結合を達成できる。多くの二価又は多価連結剤は、担体等のタンパク質分子を類似体にカップリングする場合に有用でありうる。代表的なカップリング剤としては、チオエステル、カルボジイミド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ジイソシアネート、グルタルアルデヒド、ジアゾベンゼン、及びヘキサメチレンジアミン等の有機化合物があげられる;しかし、このリストは、当該技術分野に公知の様々な種類のカップリング剤を包括的に編集したものではなく、むしろ、より一般的なカップリング剤の代表である。
【0085】
[0101]1の態様では、ラモトリジン類似体は、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCOOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCOONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCOOCH2CH3、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)2COOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)2COONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)2COOCH2CH3、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)3COOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)3COONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)3COOCH2CH3、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)6COOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)6COONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)6COOCH2CH3、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCH2PhCOOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCH2PhCOONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCH2PhCOOCH2CH3、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCONH(CH2)3COOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCONH(CH2)3COONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCONH(CH2)3COOCH3、
NHCO(CH2)2CONHCH2PhCOOH、
NHCO(CH2)2CONHCH2PhCOOCH2CH3、
NHCO(CH2)2COOH、NHCO(CH2)2COONHS、
NHCO(CH2)2COOCH2CH3、
NHCO(CH2)3COOH、NHCO(CH2)3COONHS、
NHCO(CH2)3COOCH2CH3、
NH(CH2)2NHCO(CH2)6COOH、
NH(CH2)2NHCO(CH2)6COONHS、
NH(CH2)2NHCO(CH2)6COOCH2CH3、
NH(CH2)2NH(CH2)3COOC(CH3)3、
NH(CH2)2NH(CH2)3COOH、
NH(CH2)2NH(CH2)3COONHS、NHCH2PhCOOH、
NHCH2PhCOONHS、NHCOPhCOOH、NHCOPhCOONHS、
OOCNH(CH2)3COOCH2CH3、OOCNH(CH2)3COOCH3、
OOCNH(CH2)3COONHS、OOCNH(CH2)3COOH、
NH(CH2)3COOH、NH(CH2)3COONHS等からなる群より選択されるL−X−Yを有することもできる。
【0086】
[0102]1の態様では、ラモトリジン類似体は、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCOO−BSA、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)2COO−BSA、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)3COO−BSA、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)6COO−BSA、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCH2PhCOO−BSA、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCONH(CH2)3COO−BSA、
NHCO(CH2)2CONHCH2PhCOO−BSA、
NHCO(CH2)2COO−BSA、NHCO(CH2)3COO−BSA、
NH(CH2)2NHCO(CH2)6COO−BSA、
NH(CH2)2NH(CH2)3COO−BSA、NHCH2PhCOO−BSA、
NHCOPhCOO−BSA、OOCNH(CH2)3COO−BSA、
NH(CH2)3COO−BSA等からなる群より選択されるL−X−Y−Zを有することもできる。
【0087】
[0103]1の態様では、治療剤として、式1A、1B、2A及び/又は2Bのトピラメート類似体を用いることもできる。このように、トピラメート類似体を、トピラメートと同様に抗癲癇薬剤として用いることもできる。しかし、トピラメート類似体を治療剤として用いる場合、Zは、好ましくは、免疫原を形成しないように存在しない。したがって、ヒトを含む動物のための抗癲癇治療でトピラメートの非免疫原性類似体を用いることもできる。
【0088】
II.トピラメート免疫原
[0104]トピラメート等の小分子の検出のために免疫アッセイを実行するのは、困難な場合もある。これは、当該小分子に抗原性がない場合があるためであり、そのため、トピラメートに対する抗体を生成することが困難になり、免疫原性がないトピラメートでは特に問題があるためである。免疫原性を高めるため、ウシ血清アルブミン、オボアルブミン、キーホールリンペット・ヘモシアニン等を含むが、これらに限定されない、より大きい抗原性化合物を薬剤にカップリングしてもよい。さらに、免疫アッセイで薬剤を検出する場合は、一般的に、抗体、トピラメート、又はトピラメート類似体に共役化された検出可能トレーサーを用いることが必要となる。
【0089】
[0105]したがって、スルファメート部分又は9炭素メチル基で、トピラメートに作用基をカップリングして、免疫原によって誘導された抗体が、免疫原、トピラメート、及び他のトピラメート類似体と反応できるように、トピラメートと免疫学的に十分に類似であるトピラメート免疫原を提供することもできる。このように、トピラメートに基づく免疫原もまたトピラメート類似体と見なされる。免疫原性担体を含む、本発明記載のトピラメート類似体は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体等の抗トピラメート抗体の産生を誘導できる。したがって、固有のトピラメート免疫原を用いて生成される抗体は、トピラメート及び他のトピラメート類似体と相互作用及び/又は結合することもできる。これらの抗体、免疫原、抗原、及び類似体は、生物学的試料中のトピラメートを検出するための免疫アッセイを調製し、実行する場合に有用でありうる。
【0090】
[0106]トピラメート誘導体の官能基の1つと反応するリンカーを介して、トピラメートを抗原性担体タンパク質にカップリングさせて、免疫原を作製することもできる。トピラメート類似体に基づくトピラメート免疫原は、本明細書に援用される、米国特許第5,952,187号に記載されている。しかし、トピラメート類似体は、化学的性質反応が最適化されずに調製され、商業化レベルでトピラメート検出に適用するために用いるのに最適な類似体、免疫原、又は抗体を産生しなかった。したがって、本発明により調製される類似体及び免疫原は、化学的性質が改善され、リンカーを有する、商業的な適用に用いるのに十分な力価で、抗体を産生できる免疫原を産生する。
【0091】
[0107]1つ態様では、トピラメート類似体の免疫原性を高めるため、キーホールリンペット・ヘモシアニン等の大きい抗原性化合物をトピラメート類似体にカップリングさせることもできる。また、ある場合、長いリンカーが長いほど、生じる抗体の親和性も高まることも見出されている。1つには、リンカーがより長いと抗原に接近できるようになると考えられるが、このような思考には束縛されない。また、暴露される抗原又はエピトープの表面積が増加するため、結合活性が高まる可能性もあり、これにより当該技術分野で改善がもたらされる。
【0092】
[0108]1の態様では、本発明は、上記トピラメート類似体から調製される免疫原に関する。すなわち、式1B及び2Bの類似体には、上記リンカー部分が含まれてもよく、Zは、免疫原性部分であってもよい。つまり、Zは、免疫学的応答を誘発でき、トピラメート類似体の少なくとも一部を標的とする抗体の産生を提供できる、いかなる免疫原性部分であってもよい。
【0093】
[0109]免疫原性部分には、免疫原性担体として機能できる、様々なタンパク質又はポリペプチドが含まれうる。これらの種類のポリペプチドとしては、アルブミン、血清タンパク質、グロブリン、眼球レンズのタンパク質、リポタンパク質、及びその一部があげられる。具体例となるタンパク質としては、ウシ血清アルブミン(「BSA」)、キーホールリンペット・ヘモシアニン(「KLH」)、卵オボアルブミン、ウシ・ガンマ−グロブリン(「BGG」)等があげられる。あるいは、合成ポリペプチドを利用してもよい。さらに、免疫原性部分はまた、高分子量ポリマーである多糖でもよい。多糖の例は、デンプン、グリコーゲン、セルロース、アラビアゴム等の炭水化物ゴム、寒天等である。また、免疫原性部分は、DNA又はRNA等のポリヌクレオチドでもよい。ポリヌクレオチドは修飾されても又は修飾されなくてもよく、担体及び/又は免疫原性機能を提供する限り、いかなる数の核酸で構成されてもよい。多糖はまた、ポリペプチド残基、ポリヌクレオチド残基、及び/又は脂質残基を含有又はこれらに連結できる。さらに、免疫原性部分はまた、単独の、又は上記ポリペプチド又は多糖の1つへの共役体のポリヌクレオチドでもよい。
【0094】
[0110]免疫原性部分又は担体はまた粒子又は微粒子でもよい。免疫原性粒子は、一般的に、少なくとも直径約0.02ミクロン(μm)で、約100μm以下であり、通常、直径約0.05μm〜10μmである。粒子は、有機又は無機、膨潤性又は非膨潤性、及び/又は多孔又は無孔でもよい。場合により、免疫原性粒子は、水に近い密度、一般的に約0.5〜1.5g/mlであり、透明、部分的透明、又は不透明であってもよい物質で構成される。免疫原性粒子は、赤血球、白血球、リンパ球、連鎖球菌属(Streptococcus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌及びウイルス等を含むがこれらに限定されない、細胞及び微生物等の生物学的物質でもよい。粒子はまた、有機及び無機ポリマー、リポソーム、ラテックス、リン脂質小胞、リポソーム、陽イオン性リポソーム、陰イオン性リポソーム、リポタンパク質、リポポリマー等で構成されうる。
【0095】
[0111]1の態様では、ラモトリジン類似体は、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCOO−KLH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)2COO−KLH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)3COO−KLH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)6COO−KLH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCH2PhCOO−KLH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCONH(CH2)3COO−KLH、
NHCO(CH2)2CONHCH2PhCOO−KLH、
NHCO(CH2)2COO−KLH、NHCO(CH2)3COO−KLH、
NH(CH2)2NHCO(CH2)6COO−KLH、
NH(CH2)2NH(CH2)3COO−KLH、NHCH2PhCOO−KLH、
NHCOPhCOO−KLH、OOCNH(CH2)3COO−KLH、
NH(CH2)3COO−KLH等からなる群より選択される、L−X−Y−Zがあってもよい。
【0096】
[0112]したがって、本発明により調製された免疫原を用いて、トピラメート並びにトピラメート類似体に対する親和性がある抗体を生成することもできる。
【0097】
III.トピラメート及びトピラメート類似体に対する抗体
[0113]1の態様では、本発明のトピラメート類似体に基づく免疫原を、モノクローナル抗体及び/又はポリクローナル抗体を産生するための方法の態様において用いることができる。つまり、トピラメートに基づく免疫原から、抗体を産生でき、本抗体はトピラメートと相互作用及び/又は結合しうる。これにより、本発明の類似体が、トピラメートの存在を同定するの免疫アッセイで用いるの抗体を調製する場合に有用となることができる。また、免疫原を用いて抗体を産生する方法が当該技術分野に周知である。これにより、トピラメートと相互作用及び/又は結合するモノクローナル抗体及び/又はポリクローナル抗体に関してスクリーニングする場合に、本免疫原を用いることができる。
【0098】
[0114]図1は、抗トピラメート抗体を得る方法の1の態様10を例示する流れ図であり、トピラメート類似体に基づく免疫原を得ることができる(ブロック12)。その後、免疫原を免疫原性配合物と合わせてもよい(ブロック14)。簡潔には、約0.5mlの免疫原組成物を、約0.5mlのフロイント完全アジュバントと混合する;が、他の量の免疫原及び/又はアジュバントを用いてもよい。その後、抗体を産生する被験体に免疫原性配合物を投与してもよく(ブロック16)、被験体は、ラット、マウス、ブタ、ウサギ、鳥類、ヒツジ及び/又は他の動物でもよいが、好ましくは哺乳動物である。投与は、尾静脈注射、皮下注射、静脈内注射又は他の周知の注射部位を介してもよい。続いて、最初の投与を受けた動物に、免疫原性追加免疫を投与してもよく(ブロック18)、追加免疫は、最初の配合物と実質的に同じ成分を含んでもよく、所定の間隔で投与できる。例えば、最初の投与後、週1回、あるいは他のそれより長いか又は短い間隔で、その後追加免疫を行うことができる。少なくとも最初の投与後、そして場合によりその後の追加免疫後、動物により産生される抗トピラメート抗体を回収することができる(ブロック20)。以前免疫原を投与された動物由来の血液、血清、血漿、又は他の生物学的試料を得て、抗体を回収できる。場合により、その後、当該技術分野に周知であるように、抗体含有組成物をプロセシングしてもよく(ブロック22)、当該プロセシングには、抗体を、免疫診断アッセイを行うのに適した形式にする技術も含まれうる。あるいは、プロセシングには、周知の技術及び確立された技術による、ELISAを用いた抗体のスクリーニングが含まれうる。つまり、プロセシングを用いて、ポリクローナル抗体を得ることができ(ブロック24)、これによりポリクローナル抗体を精製することができる(ブロック26)。あるいは、当該技術分野に周知の技術を用いて、モノクローナル抗体を得ることもでき、これによりモノクローナル抗体を精製することもできる。
【0099】
IV.免疫診断アッセイ
[0115]血液、血漿、血清、組織等の試料中のトピラメートの存在を同定するため、モノクローナル又はポリクローナルの抗トピラメート抗体を、免疫アッセイで用いることもできる。これは、患者又は患者集団におけるトピラメートに関する薬物動態学的及び/又は薬力学的パラメーターを同定又は決定するのに有益でありうる。したがって、トピラメートの存在を同定し、場合によりトピラメートの量を定量化するためのアッセイを構成できるように、免疫診断アッセイにおいて、他の抗体の代わりに、抗トピラメート抗体を用いてもよい。さらに、免疫診断アッセイは、本発明記載のトピラメート類似体又は他のトピラメート類似体を用いてもよい。
【0100】
A.トピラメートに関する蛍光偏光免疫アッセイ
[0116]蛍光偏光免疫アッセイ(FPIA)技術は、試料中の抗原/薬剤と既知の濃度の標識抗原/薬剤との競合的結合に基づく。FPIA技術は、本明細書に援用される米国特許第4,593,089号、第4,492,762号、第4,668,640号、及び第4,751,190号に記載がある。したがって、援用される参考文献に記載されるFPIA試薬、系、及び装置を、抗トピラメート類似体抗体でもある抗トピラメート抗体とともに用いることができる。
【0101】
[0117]トピラメートの存在を同定するため、及び試料中のトピラメートの量を定量化するアッセイで、FPIA技術を用いることができる。一つには、溶液中の分子の回転特性により、偏光の程度が分子の大きさに正比例させることができるようになる。したがって、偏光は、分子の大きさが大きくなるにつれて高まる。すなわち、溶液中で迅速に回転する小さい蛍光標識又は他の発光標識トピラメート又はその類似体を、直線偏光を用いて励起すると、放出される光の偏光は有意に解消される。蛍光標識トピラメート又は類似体が、抗体と相互作用するか又は抗体に結合すると、回転が遅くなり、放出される光の偏光が高まる。これは、抗体が有意に測定できる程度に複合体を大きくするためである。また、試料中の非標識トピラメートの量を増やすと、その結果、抗トピラメート抗体による蛍光標識トピラメート又は類似体の結合が減少して、試料から放出される光の偏光が低下する。既知の濃度のトピラメートを用いて、較正の偏光値を測定することにより、偏光と試料中の非標識トピラメートの濃度の間の定量的関係を確立することもできる。したがって、FPIAを用いて試料中のトピラメートの存在及び濃度を同定することもできる。
【0102】
[0118]本発明の1の態様は、FPIAアッセイ系である。FPIA系の構成要素の例としては、以下があげられる:i)トピラメート及びトピラメート類似体へ特異的に結合できるモノクローナル又はポリクローナル抗トピラメート抗体;ii)トピラメートを含有すると推測される試料;及びiii)フルオレセイン等の蛍光部分で標識されたトピラメート類似体である。あるいは、試料を除いたキットとして系を提供することもできる。さらに、系には、様々な緩衝剤組成物、トピラメート濃度勾配組成物又はトピラメートのストック組成物等を含んでもよい。
【0103】
[0119]図2は、FPIAアッセイを行う方法の1の態様110を例示する流れ図である。このように、発光標識ラモトリジン又は類似体共役体を得ることができ(ブロック112)、抗トピラメート抗体を得ることもできる(ブロック114)。さらに、トピラメートを投与された患者由来の、トピラメートを含有すると推測される生物学的試料等の試料を得ることもできる(ブロック116)。競合的結合アッセイに用いるため、既知の量又は濃度の発光標識トピラメート共役体及び抗トピラメート抗体を得て、標準的緩衝剤系中等で、他の組成物中に配合することもできる(ブロック118)。その後、反応溶液中で、抗トピラメート抗体及び発光標識トピラメート共役体を生物学的試料と合わせる(ブロック120)。発光標識トピラメート共役体と生物学的試料中の未知の量のトピラメートとの間で、反応溶液中の抗トピラメート抗体との競合反応が起こる(ブロック122)。適切な期間及び/又は競合後、発光共役体に照射するが(ブロック124)、これは光照射、化学薬品照射、温度照射等によってもよい。その後、照射により放出される光の偏光を測定し(ブロック126)、そして既知量のトピラメート及び/又は発光共役体の偏光値と比較し(ブロック128)、これを用いて、試料中にトピラメートが存在するか否かを決定することができる(ブロック130)。さらに、既知の濃度の標準から得た標準化測定値と生物学的試料から得た測定値の比較を用いて、試料中トピラメートの量を定量化することができ(ブロック132)、それにより、患者におけるラモトリジン量を同定することができる(ブロック134)。
【0104】
B.トピラメートに関する均一系微粒子免疫アッセイ
[0120]免疫比濁アッセイという、均一系微粒子免疫アッセイ(「HMI」)技術は、溶液中の粒子及び化合物の凝集に基づく。粒子及び/又は化学的化合物が凝集すると、粒子の大きさが増して溶液の濁度が高まる。したがって、試料中のトピラメートの存在、及び場合により量を評価するため、微粒子及びトピラメート類似体と共に抗トピラメート抗体を用いることもできる。免疫アッセイは血液、溶血溶液、血清、血漿、組織及び/又は他の試料で行うことができるため、HMI技術は好適でありうる。微粒子上に装填されたトピラメート及び/又は類似体を用いるか、あるいは微粒子上に装填された抗トピラメート抗体を用いて行うようにHMIアッセイを設定することもできる。微粒子に効率的に装填できるため、微粒子上に装填された類似体を用いることが特に好適でありうる。いずれにしても、HMI又は免疫比濁アッセイは試料中の物質の凝集を測定するものとして、当該技術分野に周知である。
【0105】
[0121]免疫比濁アッセイ技術は、参照により本明細書に含まれる、米国特許第5,571,728号、第4,847,209号、第6,514,770号、第6,248,597号に記載される。簡潔には、均一系アッセイ法では、主に光減衰、ネフェロメトリー法、又は比濁法を用いる。試料内に導かれた入射光線の分散又は吸収で生じる変化により、トピラメート(A)及び抗トピラメート抗体微粒子結合パートナー(B)からの凝集化合物ABの形成を測定することができる。あるいは、抗トピラメート抗体(A)を、微粒子に装填されたトピラメート又は類似体と結合させることもできる。結合パートナーが固定された懸濁可能な粒子を用いると、効果が増進され、これによりかなり低濃度でもトピラメート濃度を測定することができる。これらの均一系法は、迅速かつ簡易に実行でき、そして特に、以下により詳細に記載するような試料分析自動化が可能になる。
【0106】
[0122]例えば、大量スクリーニング用途では、分析法は完全に自動化されていることが望ましい。つまり、分析物との特異的反応の結果、増感されたラテックス粒子等の粒子による光散乱の変化を検出する装置を設計することができる。本装置を利用するアッセイは、ラテックス粒子懸濁物の表面積が広く及び光散乱の物理的原理のため高感度になりうる。検出の主な原理としては、2以上の粒子が凝集中に緊密に接触した際の光散乱変化があげられる。光線が非凝集粒子を含有する反応セルを通過する際、粒子による屈折、反射、吸収、及び回折のためにある程度の光散乱がありうる。したがって、この原理は、トピラメート等の標的分析物の粒子凝集阻害能を測定するために有益でありうる。抗体/抗原結合の初期段階中、複合体が形成され始める際に、本複合体はより大きい粒子のように作用するため、散乱光強度の角度分布を実質的に改変することができる。以下により詳細に記載する比濁検出及び他の方法により、凝集により、より大きい粒子が生成した結果の光散乱変化を測定することができる。SeradynのトピラメートQMS(登録商標)試薬により完全に自動化できるようになり、多くの臨床的化学反応分析装置に適用できる。
【0107】
[0123]図3は、トピラメート等の遊離薬剤がある生物学的試料及びトピラメート類似体でもよいハプテンをコーティングした粒子試薬と、抗体緩衝液を合わせる競合アッセイの図解である。生物学的試料がほとんど又は全くトピラメートを含有しない場合は凝集は阻害されない。試料中のトピラメート量が増加しても、部分的な凝集しかおこらず、部分的にしか阻害されない。さらに、試料中に多量のトピラメートがあれば、凝集は完全に阻害される。したがって、凝集の分析を用いて、トピラメートの存在を同定することもできる。また、図4に示すトピラメート濃度の標準化曲線を用いて、凝集からの吸光度変化に基づき、試料中のトピラメート量を同定することもできる。
【0108】
i.トピラメートが装填された微粒子
[0124]図5は、HMIアッセイを行う方法の1の態様210を例示する流れ図である。これによれば、トピラメート類似体を得て(ブロック212)、微粒子上に装填してもよく(ブロック214)、微粒子は例えば、Seradyn, Inc.(インディアナ州インディアナポリス)により製造及び/又は販売された、ポリスチレン、カルボキシレートで修飾されたポリスチレン、ストレプトアビジンをコーティングした磁気粒子等を含んでもよい。トピラメートを投与した患者由来のトピラメートを含有すると推測される生物学的試料等の試料を得ることもできる(ブロック216)。本発明により、トピラメート及びトピラメート類似体に結合できるモノクローナル又はポリクローナル等の抗トピラメート抗体を得た(ブロック218)後、場合により、標準的緩衝剤系に配合する(ブロック220)。その後、抗体組成物をトピラメート微粒子及び生物学的試料と合わせるが(ブロック222)、ここで抗体及び微粒子に結合したトピラメート類似体の量は既知である。微粒子上に固定されたトピラメート類似体と生物学的試料中のトピラメートとの間で、反応溶液中の限定された量の抗トピラメート抗体への結合に関して、競合反応が起こる(ブロック224)。トピラメートが装填された微粒子の抗体での凝集は、生物学的試料中のトピラメートの存在で阻害されるが、凝集阻害は生物学的試料中のトピラメート濃度に正比例する。これにより、周知の比濁アッセイで、試料中のトピラメートの存在を測定できるようになる(ブロック226)。さらに、既知の濃度の標準から得た標準化測定値と生物学的試料から得た測定値との比較を用いて、試料中のトピラメート量を定量化して(ブロック228)、それにより患者のトピラメート量を同定することもできる(ブロック230)。
【0109】
[0125]本発明の1の態様は、トピラメート類似体が装填された微粒子のHMIアッセイ系である。HMI系の構成要素の例としては以下があげられる:i)トピラメート及びトピラメート類似体に特異的に結合できるモノクローナル又はポリクローナル抗トピラメート抗体;ii)トピラメートを含有すると推測される試料;及びiii)ポリスチレン微粒子等の微粒子にカップリングしたトピラメート類似体。あるいは、試料を含まないキットとして系を提供することもできる。さらに、系には、様々な緩衝剤組成物、トピラメート濃度勾配組成物又はトピラメートのストック組成物等を含んでもよい。
【0110】
ii.抗トピラメート抗体装填微粒子
[0126]トピラメートが装填された微粒子に関して、上記と類似の他の態様では、トピラメート及びトピラメート類似体に結合できる抗トピラメート抗体を微粒子上に装填する。トピラメート類似体には、例えばウシ血清アルブミン、オボアルブミン、デキストラン等の選択した作用基が含まれてもよい。トピラメート類似体と患者試料中のトピラメートとの間で、微粒子上に固定された抗トピラメート抗体への結合に関して、競合反応が起こる。ここでも、微粒子の凝集は、患者試料中にトピラメートがあると粒子の凝集は阻害される。
【0111】
[0127]図6は、HMIアッセイを行う方法の他の態様310を例示する流れ図である。これにより、トピラメート及びトピラメート類似体に特異的に結合できる抗トピラメート抗体を得て(ブロック312)、微粒子上に装填することができる(ブロック314)。を投与された患者由来の、トピラメートを含有すると推測される生物学的試料等の試料を得ることもできる(ブロック316)。適切な作用基を含むトピラメート類似体を得ることができる(ブロック318)。競合的結合アッセイで用いるために、既知の量又は濃度のトピラメート類似体及び抗トピラメート抗体が装填された微粒子を標準的緩衝剤系等の他の組成物中に配合する(ブロック320)。その後、抗体−微粒子組成物を、トピラメート類似体組成物及び生物学的試料と合わせる(ブロック322)。反応溶液中、トピラメート類似体と生物学的試料中のトピラメートとの間で、微粒子上に固定された抗トピラメート抗体との競合反応が起こる(ブロック324)。生物学的試料中にトピラメートがあると、抗トピラメート抗体が装填された微粒子のトピラメート類似体での凝集が阻害されるが、ここで、凝集阻害は生物学的試料中のトピラメート濃度に正比例する。これにより、周知の比濁アッセイで試料中のトピラメートの存在を測定できるようになる(ブロック326)。さらに、既知の濃度の標準から得た標準化測定値と生物学的試料から得た測定値との比較を用いて、試料中のトピラメート量を定量化することにより(ブロック328)、患者のトピラメート量を同定することもできる(ブロック330)。
【0112】
[0128]本発明の1の態様は、抗トピラメート抗体が装填された微粒子のHMIアッセイ系である。HMI系の構成要素の例としては、以下があげられる:i)トピラメート及びトピラメート類似体に結合できるモノクローナル又はポリクローナル抗トピラメート抗体が装填された微粒子;ii)トピラメートを含有すると推測される試料;及びiii)場合により作用基を含んでもよいトピラメート類似体。あるいは、試料を除いたキットとして、アッセイ系を提供してもよい。さらに、アッセイ系には、様々な緩衝剤組成物、ラモトリジン濃度勾配組成物、あるいはラモトリジン又は類似体のストック組成物等が含まれてもよい。
【0113】
C.トピラメートに関するクローニング酵素供与体免疫アッセイ
[0129]クローニング酵素供与体免疫アッセイ(「CEDIA(登録商標)」、Roche Diagnosticsの商標)は、治療薬の存在を同定し、定量的測定を行うための非常に正確で有効な方法であることが立証されている。CEDIA(登録商標)技術は、以下の特許に詳細に記載されている:(a)競合的均一系アッセイ法を開示する米国特許第4,708,929号;(b)酵素供与体断片をコードする組換えDNA配列及び当該ベクターの宿主を開示する米国特許第5,120,653号;(c)酵素供与体断片のアミノ酸配列を開示する米国特許第5,604,091号;及び(d)CEDIAアッセイ用のキットを解説する米国特許第5,643,734号、ここで上記特許はすべて本明細書に援用される。簡潔には、CEDIA(登録商標)技術は、トピラメートに結合できる抗体への結合に関する、大腸菌由来のβ−D−ガラクトシド・ガラクトヒドロラーゼ又はβ−ガラクトシダーゼ(「βgal」)由来等の、遺伝子操作された不活性酵素供与体(「ED」)断片にカップリングしている類似体と、生物学的試料中のトピラメートの競合に基づく。が試料中に存在する場合、トピラメートが抗体に結合して、ED−類似体共役体のED部分が自由になり、酵素受容体(「EA」)断片と会合できるようになるため、反応混合物中でβ−D−ガラクトシド・ガラクトヒドロラーゼ又はβgalの酵素活性が回復する。その後、適当な基質に曝露されると、活性酵素を定量化できる反応産物を生じることができるようになる。好ましい基質はクロロフェノールレッド−β−D−ガラクトピラノシド(「CPRG」)であり、ED及びEA断片を有する活性酵素に切断されて、ガラクトース及びCPRになることができ、約570nmの波長の吸光度でCPRを測定する。トピラメートが試料中に存在しない場合、抗体は、ED−類似体共役体に結合して、ED断片とEA断片の会合を阻害して酵素活性の回復を阻害する。反応産物の量及び生じる吸光度変化は、試料中のトピラメート量に比例する。
【0114】
[0130]図7は、CEDIA(登録商標)アッセイを行う方法の1の態様410を例示する流れ図である。これにより、トピラメート−ED共役体を得ることができるが(ブロック412)、これはトピラメート類似体とEDを共役化しても得ることができる。また、EDと対応するEAを得ることができる(ブロック414)。さらに、トピラメートを投与した患者由来のトピラメートを含有すると推測される生物学的試料等の試料を得ることができる(ブロック416)。本発明記載の方法により、トピラメート−ED共役体とも相互作用できる抗トピラメート抗体得ることができる(ブロック418)。競合的結合アッセイで用いるため、既知の量又は濃度のトピラメート−ED共役体、EA、及び抗トピラメート抗体を得て、標準的緩衝剤系等の他の組成物中に配合する(ブロック420)。次いで、反応溶液中で、トピラメート−ED共役体及び抗体を生物学的試料と合わせる(ブロック422)。場合により、この時点又は抗体との競合的相互作用が起こるのに十分な時間が経過した後、反応溶液中で、EAもまた合わせる。既知の量のトピラメート−ED共役体と生物学的試料中のトピラメートとの間で、反応溶液中の既知量の抗トピラメート抗体との競合反応が起こる(ブロック424)。競合反応後、EAを反応溶液中に導入後、ED−EA酵素切断可能基質を反応溶液中に導入する(ブロック426)。ED−EA酵素と酵素を切断することができる基質との間の酵素活性を測定するが(ブロック428)、これは、切断産物の吸光度を測定するか又は他の周知の測定技術で測定することもできる。酵素活性の測定を用いて、試料中にトピラメートが存在するかどうかを決定することもできる(ブロック430)。さらに、既知の濃度の標準から得た標準化測定値と生物学的試料から得た測定値の比較を用いて、試料中のトピラメート量を定量化することもでき(ブロック432)、それにより、患者のトピラメート量を同定することもできる(ブロック434)。
【0115】
[0131]本発明の1の態様は、CEDIA(登録商標)アッセイ系である。CEDIA(登録商標)系の構成要素の例としては以下があげられる:i)トピラメート、トピラメート類似体、及び/又はトピラメート−ED又はトピラメート−EAに結合できるモノクローナル又はポリクローナル抗トピラメート抗体;ii)トピラメートを含有すると推測される試料;iii)ED又はEAにカップリングしたトピラメート類似体;並びにiv)ED及びEAが系に存在するように、酵素活性を回復するためにトピラメート−ED又はトピラメート−EAと会合するような、ED又はEAの一方。また、試料を除いてキットとしてアッセイ系を提供してもよい。さらにアッセイ系は、様々な緩衝剤組成物、トピラメート濃度勾配組成物又はトピラメートのストック組成物等を含んでもよい。
【0116】
D.トピラメートに関する化学発光不均一系免疫アッセイ
[0132]また、化学発光微粒子免疫アッセイ(「CMIA」)技術を用いた競合的アッセイを用いて試料中にトピラメートが存在するか否かを評価することもできる。不均一系免疫アッセイの技術分野で、試料中の化学物質の存在及び/又は量を決定するための様々な種類のCMIA技術が周知であり、CMIA技術のいくつかは、本明細書に援用される、米国特許第6,448,091号、第5,798,083号、及び第5,834,206号に例示される。当該CMIAアッセイには、特定の磁気粒子、又はろ過、沈降、及び/又は他の手段による分離に適した粒子等の粒子にカップリングした、トピラメート及びその類似体に結合できる抗トピラメート抗体を用いることを含む。さらに、適当な化学発光部分、例えばアクリジニウムエステルに連結されたトピラメート類似体を含んでもよいトレーサーを用いて、粒子上の限定量の抗トピラメート抗体に関して、患者試料中の遊離トピラメートと競合させることもできる。試料、トレーサー、及び抗体粒子が相互作用し、ルーチンの洗浄工程により未結合トレーサーを除去した後、抗体粒子に結合したトレーサーの量を、相対光単位(RULE)で表される化学発光で測定することもできる。化学発光の量は、患者試料中の遊離薬剤の量に反比例し、既知の値の薬剤を用いた標準曲線を構築して、濃度を決定する。
【0117】
[0133]図8は、CMIAアッセイを行う方法の1の態様510を例示する流れ図である。これによれば、抗トピラメート抗体−粒子共役体を得ることができ(ブロック512)、これは、磁気粒子等の粒子と抗体をカップリングすることにより実行される。また、化学発光部分を有するトピラメート類似体を含むトレーサー化合物を得ることができる(ブロック514)。さらに、トピラメートを投与された患者由来のトピラメートを含有すると推測される生物学的試料等の試料を得ることもできる(ブロック516)。競合的結合アッセイで用いるために、既知量又は濃度のトレーサー及び抗トピラメート抗体−粒子共役体を、標準的緩衝剤系等の別個の組成物中に配合配合することもできる(ブロック518)。その後、反応溶液中で抗トピラメート抗体−粒子共役体及びトレーサーを生物学的試料と合わせる(ブロック520)。反応溶液中、トレーサーと生物学的試料中のトピラメートとの間で、抗トピラメート抗体−粒子共役体との競合反応が起こる(ブロック522)。十分な期間及び/又は結合競合の後、抗体−粒子共役体を反応溶液から分離する(ブロック524)。場合により、洗浄又は他の分離技術により、抗体−粒子共役体から未結合未結合トピラメート及び/又はトレーサーを除去することができる(ブロック526)。化学発光部分が、リン光、蛍光、又は測定できる他の発光による光を放出するようにトレーサーを励起して化学発光量を決定することができる(ブロック528)。しばしば、化学発光は、RLUで測定される蛍光である。化学発光の測定を用いて、トピラメートが試料中に存在するか否かを決定することもできる(ブロック530)。さらに、既知の濃度の標準から得た標準化測定値と生物学的試料から得た測定値との比較を用いて、試料中のトピラメート量を定量化し(ブロック532)、それから患者のトピラメート量を同定することもできる(ブロック534)。
【0118】
[0134]本発明の1の態様は、CMIAアッセイ系である。CMIA系の構成要素の例としては、以下があげられる:i)トピラメート及びトピラメート類似体に結合できるモノクローナル又はポリクローナル抗トピラメート抗体が装填された粒子又は微粒子;ii)トピラメートを含有すると推測される試料;及びiii)類似体トレーサー。または、試料を除いてキットとしてアッセイ系を提供することもできる。さらに、系には、様々な緩衝剤組成物、トピラメート濃度勾配組成物、あるいはトピラメート又は類似体のストック組成物等が含まれてもよい。
【0119】
E.トピラメートに関する他の免疫アッセイ
[0135]本明細書記載のトピラメート類似体、共役体、抗体、免疫原及び/又は他の共役体はまた、酵素又は蛍光を含むがこれらに限定されないある範囲の検出系を用いた、いくつかの他の不均一系免疫アッセイ、及び/又は迅速側方流動アッセイを含むがこれらに限定されない均一系免疫アッセイ、及び抗体アレイ、並びに未だに開発されていない形式のいずれにも適している。
【0120】
[0136]トピラメート類似体、共役体、抗体、免疫原及び/又はトレーサーを利用する、様々な免疫診断アッセイを本明細書に記載しているが、当該技術分野で周知のように、当該アッセイを修飾することもできる。つまり、本発明の範囲内で当該免疫アッセイを行うための工程又は行為に様々な修飾を施すこともできる。
【0121】
実施例
[0137]以下の実施例は、予防の態様を例示するために提供され、限定することを意図するものではない。したがって、ある例は実験を介して行われ、そしてあるものは当該技術分野に周知の技術、標準、及び結果に基づく予測である。また、本発明には、実施例に例示されない他の態様が含まれることが明らかであるべきである。さらに、本発明により調製されるトピラメート類似体、抗原、免疫原、及び抗トピラメート抗体を用いて、当該技術分野で周知の実験プロトコルを用いて多くの例が実行されている。したがって、こうした例は、すべて本明細書に援用される、以下の参考文献により補完される:(a)Caryl Griffinら, Microparticle Reagent Optimization: A Laboratory Reference Manual from the Authority on Microparticles, Seradyn(1994);及び(b)Boehringer Mannheim Corporation Technical Publications Department, Hitachi Operation Manual: Version B, Boehringer Mannheim Corporation Laboratory Diagnostic Division(1992);及び(c)NCCLS認可指針、2004年8月。
【実施例1】
【0122】
[0138]図9は、塩化トピラメート(1)をスルファメート・共役化アミノエチル−トピラメート類似体(2)に変換する化学反応の模式図である。丸底フラスコ中、約0.16mlのエチレンジアミン溶液を、約0.3mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン及び0.5mlのDMFの溶液に添加する。フラスコを氷槽中で冷却してアルゴン(「Ar」)ガス下で攪拌した後、1.0mlのDMF中の203mgの塩化トピラメートの溶液を添加して反応混合物を形成する。反応混合物をArガス下で12時間攪拌する。減圧下で溶媒を蒸発させて残渣を形成し、これを、メタノール溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製する。トピラメートのアミノエチル類似体(2)を含有する分画を合わせて濃縮し、約90mgを得る。
【実施例2】
【0123】
[0139]続いて図9を参照して、トピラメートのアミノエチル類似体(2)を、リンカーが長い活性エステルを有する他の類似体(3)に変換する化学反応の模式図を示す。氷槽中の丸底フラスコ中、約150mgのDSSを、2mlの無水DMF及び0.05mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンの溶液に添加し、次いで、Ar下で攪拌する。次いで、1mlのDMF中の約45mgのトピラメートのアミノエチル類似体(2)(氷槽中で予め冷却)をフラスコに滴下して反応混合物を形成する。反応混合物をAr下、氷槽中で3時間攪拌後、減圧下で溶媒を蒸発させて残渣を形成し、これを、酢酸エチル・ヘキサン(8:2)溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製する。トピラメートの活性エステル(3)を含有する分画を合わせて濃縮し、約20mgを得る。
【実施例3】
【0124】
[0140]図10Aは、トピラメートを、トピラメートのスルファメート・共役化スクシニル類似体(4)に変換する化学反応の模式図である。250mlの丸底フラスコ中、20mlのTHF(無水)中の約2gのトピラメートの溶液を、約2mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと合わせてAr下で攪拌する。約1.24gの無水コハク酸及び50mgのDMAPを上記溶液に添加して反応混合物を形成する。反応混合物をAr下で12時間攪拌して減圧下で溶媒を蒸発させて、残渣を形成する。溶出剤として酢酸エチルを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのスクシニル誘導体(4)を含有する分画を合わせて濃縮し、約200mgを得る。
【実施例4】
【0125】
[0141]図10Bは、トピラメートを、トピラメートのスルファメート・共役化グルタリル類似体(5)に変換する化学反応の模式図である。250mlの丸底フラスコ中、10mlのTHF(無水)中の400mgのトピラメートの溶液を、0.8mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと合わせてAr下で攪拌する。次いで、約520mgの無水グルタル酸及び20mgのDMAPを添加して反応混合物を形成する。反応混合物を60℃で60時間攪拌して減圧下で溶媒を蒸発させて、残渣を形成する。酢酸エチル溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのグルタリル誘導体(5)を含有する分画を合わせて濃縮し、約160mgを得る。
【実施例5】
【0126】
[0142]図11は、トピラメートのアミノエチル類似体(2)を、脂肪族エステル基があるトピラメートのスルファメート・共役化類似体(6)に変換する化学反応の模式図である。250mlの丸底フラスコ中、10mlのDMF(無水)中の50mgのアミノエチルトピラメート(2)の溶液を、0.8mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと合わせてAr下で攪拌する。次いで、約100mgのt−ブチル−4−ブロモブチレート及び20mgのDMAPを添加して反応混合物を形成する。反応混合物を80℃で24時間攪拌して減圧下で溶媒を蒸発させて、残渣を形成する。酢酸エチル溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのスルファメート・共役化類似体(6)を含有する分画を合わせて濃縮し、約30mgを得る。
【実施例6】
【0127】
[0143]続いて図11を参照して、トピラメートのスルファメート・共役化類似体(6)を、カルボン酸基を有するトピラメートの他のスルファメート・共役化類似体(7)に変換する化学反応の模式図を示す。250mlの丸底フラスコ中、5mlのトリフルオロ酢酸中の50mgのトピラメートのスルファメート・共役化類似体(6)の溶液を、5mlのジクロロメタンと合わせてAr下で攪拌する。反応混合物を室温で30分間攪拌して減圧下で溶媒を蒸発させて残渣を形成する。酢酸エチル溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのスルファメート・共役化類似体(7)を含有する分画を合わせ、濃縮して、約20mgを得る。
【実施例7】
【0128】
[0144]続いて図11を参照して、トピラメートのスルファメート・共役化類似体(7)を、活性NHS基を有するトピラメートの活性化エステル(8)に変換する化学反応の模式図を示す。具体的には、7mlの無水DMF中の100mgのトピラメート類似体(7)の溶液を0℃に冷却して0.1mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加して反応混合物を形成する。110mgのO−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートを添加して、反応混合物を反応させる。反応混合物を室温まで加温して一晩攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮して溶出剤として酢酸エチル/メタノールを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製し、およそ60mgのトピラメートの活性エステル(8)を得る。
【実施例8】
【0129】
[0145]図12は、トピラメートを、トピラメートのスルファメート・共役化フェニル類似体(9)に変換する化学反応の模式図である。250mlの丸底フラスコ中、10mlのジクロロメタン中の100mgのトピラメートの溶液を、60mgの4−カルボキシベンズアルデヒド及び40mgのシアノ水素化ホウ素ナトリウムと合わせてAr下で攪拌する。反応混合物を室温で1日攪拌する。水で反応停止して50mlのジクロロメタンで3回抽出する。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、回転蒸発装置上で溶媒を除去する。酢酸エチル溶出剤を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのフェニル類似体(9)を含有する分画を合わせて濃縮して、約50mgを得る。
【実施例9】
【0130】
[0146]続いて図12を参照して、トピラメートのフェニル類似体(9)を、フェニル類似体の活性化NHSエステル(10)に変換する化学反応の模式図を示す。具体的には、5mlの無水DMF中の90mgのトピラメートのフェニル類似体(9)の溶液を0℃に冷却して0.1mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加して反応混合物を形成する。95mgのO−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートを添加して反応混合物を反応させる。反応混合物を室温まで加温して一晩攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮して溶出剤として酢酸エチル/メタノールを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製して、およそ50mgのフェニル類似体の活性エステル(10)を得る。
【実施例10】
【0131】
[0147]図13は、トピラメートを、トピラメートのスルファメート・共役化酪酸類似体(11)に変換する化学反応の模式図である。250mlの丸底フラスコ中、10mlのジクロロメタン中の400mgのトピラメートの溶液を、100mgのシアノ水素化ホウ素ナトリウム及び100mgのコハク酸セミアルデヒド(水中の重量15%)と合わせて室温で一晩攪拌する。20mlの脱イオン水で反応停止して、0.1N HClで酸化して40mlのジクロロメタンで3回抽出する。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、回転蒸発装置上で溶媒を除去する。酢酸エチル溶出剤を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートの酪酸類似体(11)を含有する分画を合わせて濃縮して、約160mgを得る。
【実施例11】
【0132】
[0148]続いて図13を参照して、トピラメートの酪酸類似体(11)を、酪酸類似体の活性化NHSエステル(12)に変換する化学反応の模式図を示す。具体的には、5mlの無水DMF中の100mgのトピラメートの酪酸類似体(11)の溶液を0℃に冷却して0.1mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加して反応混合物を形成する。105mgのO−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートを添加して反応混合物を反応させる。反応混合物を室温まで加温して一晩攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮して溶出剤として酢酸エチル/メタノールを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製して、およそ500mgの酪酸類似体の活性エステル(12)を得る。
【実施例12】
【0133】
[0149]図14は、トピラメートを、トピラメートの9−ヒドロキシ類似体(13)に変換する化学反応の模式図である。100mlの丸底フラスコ中、10mlのTHF(無水)中の40mgの9−ヒドロキシトピラメートの溶液を、0.1mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン及び0.1mlのエチル−4−イソシアノブチレートと合わせてAr下で攪拌する。反応混合物を80℃で2日間攪拌する。反応を室温に冷却して回転蒸発装置上で溶媒を除去して、残渣を生じる。酢酸エチル溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのエチルエステル類似体(13)を含有する分画を合わせて濃縮して、約20mgを得る。
【実施例13】
【0134】
[0150]続いて図14を参照して、トピラメートを、トピラメートの9ヒドロキシ類似体(14)に変換する化学反応の模式図を示す。100mlの丸底フラスコ中、2mlのメタノール中の40mgの9−ヒドロキシトピラメート類似体(13)の溶液を、2mlの水性1N NaOHと合わせる。反応混合物を室温で1日攪拌した後、減圧下で濃縮して、残渣を生じる。酢酸エチル溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのカルボキシレート類似体(14)を含有する分画を合わせて濃縮して、約20mgを得る。
【実施例14】
【0135】
[0151]続いて図14を参照して、トピラメートのカルボキシレート類似体(14)を、トピラメート類似体の活性化NHSエステル(15)に変換する化学反応の模式図を示す。具体的には、5mlの無水DMF中の100mgのトピラメートのカルボキシレート類似体(11)の溶液を0℃に冷却して0.1mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加して反応混合物を形成する。105mgのO−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートを添加して反応混合物を反応させる。反応混合物を室温まで加温して一晩攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮して溶出剤として酢酸エチル/メタノールを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製して、およそ500mgのトピラメート類似体の活性エステル(15)を得る。
【実施例15】
【0136】
[0152]図15は、典型的な目的のため、トピラメート類似体をトピラメート抗原(16)に変換する化学反応の模式図である。トピラメート抗原(16)は米国特許第5,952,182号に基づく。2mlのジメチルアセトアミド及び0.2mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン中の109mgのN−カルボキシメチル−トピラメート及び40mgのN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)の溶液をドライアイス/イソプロパノール槽(−20℃〜−15℃)上で冷却して100μlの3.15Mジシクロヘキシルカルボジイミド(ジメチルアセトアミド中の240mgのDCC)で処理して反応混合物を形成する。反応混合物をドライアイス槽中で冷却しながら15分間攪拌した後、他の100μlのDCC溶液を添加する。反応混合物をAr下で一晩攪拌して室温まで加温する。磁気スターラーを入れた丸底フラスコ中で、約70mgのBSAタンパク質を有する約4mlのpH7.2の0.1M PBS緩衝液を氷槽中で冷却しながら攪拌する。タンパク質溶液を30分間攪拌して1mlのDMSOを滴下する。上記冷却タンパク質溶液を、トピラメート反応混合物に滴下して低温室(4℃)中で一晩攪拌させる。生じた共役体を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて1lのpH7.2のPBS中の20%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO中、室温で連続透析した後、4℃でpH7.2のPBSと4回交換する(各1リットル、少なくとも各々6時間)。クーマシーブルータンパク質アッセイ(Bio−Rad)を用いて、抗原(16)のタンパク質濃度を、およそ5.0mg/mlと決定する。
【実施例16】
【0137】
[0153]図15は、典型的な目的のため、トピラメート類似体をトピラメート免疫原(17)に変換する化学反応の模式図である。トピラメート免疫原(17)は、米国特許第5,952,182号に基づく。2mlのジメチルアセトアミド及び0.2mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン中の109mgのN−カルボキシメチル−トピラメート及び40mgのN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)の溶液をドライアイス/イソプロパノール槽(−20℃〜−15℃)上で冷却して100μlの3.15Mジシクロヘキシルカルボジイミド(ジメチルアセトアミド中の240mgのDCC)で処理して、反応混合物を形成する。反応混合物をドライアイス槽中で冷却しながら、15分間攪拌した後、他の100μlのDCC溶液を添加する。反応混合物をAr下で一晩攪拌して反応中に室温まで加温する。磁気スターラー入りの丸底フラスコ中で、約80mgのKLHタンパク質を有する約8mlのpH7.2の0.1M PBS緩衝液を氷槽中で冷却しながら攪拌する。タンパク質溶液を30分間攪拌して1mlのDMSOを滴下する。上記冷却タンパク質溶液を、トピラメート反応混合物に滴下して低温室(4℃)中で一晩攪拌させる。生じた共役体を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて1lのpH7.2のPBS中の20%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO中、室温で連続透析した後、4℃でpH7.2のPBSと4回交換する(各1リットル、少なくとも各々6時間)。クーマシーブルータンパク質アッセイ(Bio−Rad)を用いて、抗原(17)のタンパク質濃度を、およそ1.6mg/mlと決定する。
【実施例17】
【0138】
[0154]図16は、トピラメート類似体(3)を免疫原(18)に変換する化学反応の模式図である。8mlのpH7.2のPBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の80mgのキーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)の溶液を氷槽中で冷却する。約5.4mlのDMSOをKLH溶液に滴下して室温以下に維持する。1.6mlのDMSO中の20.4mgのトピラメート類似体(3)の溶液をKLH溶液に滴下して反応混合物を形成する。反応混合物を室温で40時間攪拌させる。生じたKLH免疫原(18)を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて1lのpH7.2のPBS中の35%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO中、室温で連続透析した後、4℃でpH7.2のPBSと4回交換する(各1リットル、少なくとも各々6時間)。クーマシーブルータンパク質アッセイ(Bio−Rad)を用いて、KLH免疫原(18)のタンパク質濃度を、およそ2.19mg/mlと決定する。
【実施例18】
【0139】
[0155]図17は、スクシニル又はグルタリルトピラメート類似体(4)を抗原(19)に変換する化学反応の模式図である。約500mgのBSAを250mlの丸底フラスコに入れて約37.5mlのPBSと合わせる。混合物を氷槽中で1時間攪拌して12.5mlのDMSOの溶液をBSA溶液に1滴ずつ10分間添加する。生じた溶液を氷槽中でさらに3時間攪拌する。他の丸底フラスコ中、約170mgのスクシニルトピラメート類似体(4)を、2mlのDMF及び0.15mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと合わせてAr下で20分間氷槽中で攪拌する。約130mgのO,N−スクシンイミジル,N,N,N,N−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートをトピラメート類似体溶液に添加した後、ゴムの隔壁で停止して4℃で4時間攪拌する。トピラメート類似体混合物を上記BSA溶液に1滴ずつ20分間添加する。生じたトピラメート抗原を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて1lのpH7.2のPBS中の30%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO中、室温で連続透析した後、4℃でpH7.2のPBSと4回交換する(各1リットル、少なくとも各々6時間)。クーマシーブルータンパク質アッセイ(Bio−Rad)を用いて、トピラメート抗原(19)のタンパク質濃度を、およそ5.0mg/mlと決定する。
【実施例19】
【0140】
[0156]図18は、スクシニルトピラメート類似体(3)を抗原(20)に変換する化学反応の模式図である。4mlのpH7.2のPBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の80mgのBSAの溶液を氷槽中で冷却する。約5.4mlのDMSOをBSA溶液に滴下して室温以下に維持する。1.6mlのDMSO中の20.4mgのトピラメート類似体(3)の溶液をBSA溶液に滴下して反応混合物を形成する。反応混合物を室温で40時間攪拌させる。生じたBSA共役体(20)を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて1lのpH7.2のPBS中の35%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO中、室温で連続透析した後、4℃でpH7.2のPBSと4回交換する(各1リットル、少なくとも各々6時間)。クーマシーブルータンパク質アッセイ(Bio−Rad)を用いて、BSA共役体(20)のタンパク質濃度を、およそ5mg/mlと決定する。
【実施例20】
【0141】
[0157]ポリクローナル抗体含有組成物を得て、トピラメート及びトピラメート一次代謝産物とポリクローナル抗体との交差反応量を決定するアッセイを行う。既知量のトピラメートを用いて抗トピラメート抗体と反応させる。既知の濃度のトピラメートを用いて、抗体調製物及び図19に示すようなヒドロキシ代謝産物(21)の間の交差反応性の量を計算する。交差反応性パーセントは、μg/mlのトピラメートの観察される濃度を100倍した後、μg/mlの添加した代謝産物の濃度で割ったものに等しい。これらの代謝産物を含有する標本では、交差反応性はまったく観察されない。
【実施例21】
【0142】
[0158]免疫原性共役体を有するトピラメート類似体を用いて、トピラメートと結合するポリクローナル抗体を調製する。より詳細には、KLH免疫原性部分を有するトピラメート免疫原(17)及び(18)を用いて抗トピラメートポリクローナル抗体を生成する。約0.5mlの免疫原(17)又は(18)含有組成物と約0.5mlのフロイントのアジュバントを混合して免疫原性組成物を調製する。次いで、生じた1mlの免疫原性カクテルをヒツジ又はウサギ等の動物に注射する。続いて、動物に抗トピラメートポリクローナル抗体を産生させるため、同じカクテルを有する免疫原性注射を4週ごとに動物に投与する。以下に記載するように、同じ抗原を用いたELISAを介して動物由来の血清をスクリーニングする。さらに、トピラメート抗原(16)、(19)、(20)等を用いてポリクローナル抗体プログラムを実行してもよい。
【実施例22】
【0143】
[0159]実施例21に記載した調製したポリクローナル抗体を調べるため、ELISAアッセイで使用するELISAプレートを調製する。すなわち、様々なトピラメート抗原(16)、(19)、及び(20)を、異なるELISAプレート上にコーティング後、抗トピラメート抗体を供して遊離トピラメートと競合させる。より詳細には、コーティング緩衝液中でトピラメート抗原を希釈した後、ELISAプレートのウェルに添加する。ELISAプレートを37℃で60分間インキュベート後、コーティング緩衝液中の溶媒を注ぎ、ブロッキング緩衝液をプレートに添加する。プレートを再び、37℃で60分間インキュベートしてブロッキング緩衝液中の溶媒をプレートから注ぐ。次いで、ウェル中にブロッキング剤を含むELISAプレートを2〜8℃で最長1週間保存する。
【実施例23】
【0144】
[0160](実施例23)
[0161]実施例22で調製したELISAプレートを用いて、免疫原(17)を用い実施例21で調製したポリクローナル抗体の抗体力価を決定する。すなわち、連続希釈を行い、各ウェル中の体積を同一100μlにする。pH7.4、0.1%BSAを含有するPBSで、1:10〜1:2000で抗体希釈を調製する。試料は10倍希釈し、希釈を1:100で開始してプレート上で10倍で連続希釈する。続いて、100μlの抗体試料をELISAプレート上の各ウェルに添加する。次いで、プレートを37℃で60分間インキュベートして0.05%tweenを含む250μlのPBS、pH7.4で3回洗浄する。次に、プレート上に先にコーティングした抗原とは異なる、125μlの希釈した二次抗原(PBS、pH7.4中)をプレートの各ウェルに添加する。プレートを37℃で60分間インキュベートしたものを、0.05%tween含有250μlのPBS、pH7.4で3回洗浄して力価を実験的に決定する。洗浄後、約125μlのABTS基質をプレート中の各ウェルに添加してプレートを再び20分間インキュベートする。プレートを405nmで読み取り、力価結果を表1に提供する。
【0145】
表1
【0146】
【表1】
【0147】
[0162]これらの結果は、免疫原(17)で生じた抗体力価が、微粒子凝集免疫アッセイには十分でないことを示す。すなわち、微粒子凝集免疫アッセイを極めて高い力価で行わなくてはならないためである。このように、免疫原(17)は、商業的免疫診断アッセイプロトコルに用いる程度に十分な抗体を生じない。
【実施例24】
【0148】
[0163]免疫原(17)を用いて調製した抗トピラメート抗体の、トピラメート類似体に対する結合活性を結合阻害試験により決定する。すなわち、0.1%BSAを含む1mlのPBS、pH7.4中で試料を調製する。30%Bmax力価又は50%Bmax力価を有する組成物を用いて得た力価値をおよそ半分の力価値に割る。30%Bmaxを用いて、試料調製段階中に1:10000の抗体力価を1:5000に希釈する。次いで、異なる濃度又は標準物質値(0、2、4、8、16、32μg/ml)の約50μlのトピラメートを、実施例22で調製したプレートに適用する。約50μlの希釈抗体をプレート内に分配してプレート中の組成物を水平プレート振盪装置上で1分間混合する。プレートは、トピラメートも抗トピラメート抗体も含有しない第1列で特定し、第1列を陰性対照として用いる。トピラメートを含有しない第2列を陽性対照として用いる。プレートを60分間インキュベートして0.05%tween含有250μlのPBS、pH7.4で3回洗浄する。PBS、pH7.4中の、抗原(16)、(19)、又は(20)等の約125μlの希釈二次抗体共役体をプレートの各ウェルに添加する。37℃で60分間インキュベートして0.05%tweenを含む250μlのPBS、pH7.4で3回洗浄して力価を実験的に決定する。続いて、約125μlのABTS基質をプレートの各ウェルに添加して20分間インキュベートする。プレートを405nmで読み取り、結果を表2及び3に提供する。
【0149】
表2
【0150】
【表2】
【0151】
表3
【0152】
【表3】
【0153】
[0164]表2及び3中の阻害(B/Bo)プロフィールは、免疫原(17)で生成される抗トピラメート抗体を示す。免疫原(17)はまた、アッセイ範囲にわたり、阻害比率の増分変化を示す商業的FPIA免疫アッセイでも用いられる。
【実施例25】
【0154】
[0165]実施例22で調製したELISAプレートを用いて、実施例21により免疫原(18)を用いて調製したポリクローナル抗体に関する抗体力価を決定する。実施例23と実質的に類似の実験プロトコルを用いて力価を決定する。プレートを405nmで読み取り、結果を表4に提供する。
【0155】
表4
【0156】
【表4】
【0157】
[0166]高力価(抗体を少ししか必要とせず、経済的である)かつ吸光度に優れる免疫診断アッセイを最適に実行することもできる。微粒子凝集免疫アッセイでは力価が高いことが特に重要である。免疫原(18)は、よりアクセス可能なエピトープを提供する長いリンカーのため、免疫原(17)よりも免疫原性である。表4の結果は、免疫原(18)で生じる抗体力価が、微粒子凝集免疫アッセイ等の商業的トピラメート免疫診断アッセイで用いるのに十分であることを示す。
【実施例26】
【0158】
[0167]実施例24と実質的に類似の実験プロトコルを用いて行う結合阻害試験で、トピラメート類似体に対する免疫原(18)で調製した抗トピラメート抗体の結合活性を決定する。プレートを405nmで読み取り、結果を表5及び6に提供する。
【0159】
表5
【0160】
【表5】
【0161】
表6
【0162】
【表6】
【0163】
[0168]表5及び6は、免疫原(18)で生成される抗トピラメート抗体の阻害(B/Bo)プロフィールを示す。B/Boの変化は、アッセイ範囲にわたり、増分的であるようである。したがって、本抗体は免疫アッセイに適している。
【実施例27】
【0164】
[0169]均一系粒子増進免疫比濁実験である免疫比濁又はQMS(登録商標)アッセイを行って、実施例21で調製したポリクローナル抗体を試験する。約0.05%アジ化ナトリウムを含むbis−tris緩衝液中、<1%未満で、免疫原(18)から調製したトピラメートと結合するヒツジ・ポリクローナル抗体で構成されるR1;及び0.05%のアジ化ナトリウムを含み、抗原(22)を含むトピラメートをコーティングした0.5%未満の微粒子で構成されるR2を含有する、使用準備済みの液体2試薬キットを用いて、トピラメートに関するQMS(登録商標)アッセイを行う。
【0165】
[0170]さらに、血清及び血漿から適切な標本を調製してもよい。標準的静脈穿刺技術により血清を収集してゲルバリアを含むか又は含まないガラス又はプラスチック試験管に入れる。遠心分離前に完全な血塊形成が起こっていることを確実にするため、ある標本、特に抗凝血剤又は血栓溶解剤療法を受けている患者由来の標本は、凝固時間が増したことを示しうる。血塊形成が完全になる前に標本を遠心分離した場合、フィブリンの存在により結果が誤ったものになる。したがって、収集後、出来るだけ速やかに赤血球から血清を分離してもよい。ヘパリンリチウム、ヘパリンナトリウム、EDTAカリウム及びヘパリンゲル血漿分離剤等の許容しうる抗凝血剤とともに血漿を用いてもよい。標準的静脈穿刺技術によって血漿を収集してガラス又はプラスチック試験管に入れてもよい。また、遠心分離を用いて血小板の適切な除去を確実にする。収集後、出来るだけ速やかに赤血球から血漿を分離してもよい。粒子状物質又は赤血球を含有する標本の結果は一貫性が場合もあるが、試験前に、推奨される8,000〜10,000RCFで10分間遠心分離すると、適切な標本を得ることができる。
【0166】
[0171]トピラメートを含む標本を用いると、結果が最高標準物質値を超えることもありうるため、標本を希釈してアッセイ法を始める。すなわち、標本を手動又は自動化内蔵(onboard)希釈プロトコルを用いて希釈してもよい。アッセイは、試料中の薬剤と微粒子上にコーティングされた薬剤との間で、トピラメート特異的抗体結合部位に関する競合に基づく。トピラメートがコーティングされた微粒子試薬は、抗トピラメート抗体試薬があるが試料中に競合薬剤がなければ迅速に凝集する。吸光度変化速度は測光で測定し、そして、粒子の凝集速度に正比例する。ラモトリジンを含有する試料を添加すると、凝集反応が部分的に阻害され、吸光度変化速度が低下する。濃度依存性の古典的凝集阻害曲線を得ることもでき、この場合は、最低トピラメート濃度(ゼロμg/ml)の場合に凝集速度が最大となり、最高トピラメート濃度(32μg/ml)の場合に凝集速度が最低となる。
【0167】
[0172]完全較正(6点)法を用いて較正した後、QMS(登録商標)トピラメートアッセイを始める。当該技術分野の平均的な技術で、操作マニュアルの指示に従ってQMS(登録商標)を行う。結果を表7に示す。
【0168】
表7
【0169】
【表7】
【0170】
[0173]表7に示す結果から、トピラメート抗原(19)をコーティングしたラテックス粒子が抗トピラメート抗体に関して、トピラメートと有効に競合できることが示される。すなわち、特にラテックス粒子とカップリングした場合、トピラメート抗原(18)を免疫比濁アッセイで用いることができる。
【実施例28】
【0171】
[0174]試験試料中の分析物の濃度に正比例する結果を提供する能力を例示するため、直線性を測定してもよい。すなわち、直線性は、典型的には、全体の系の応答を示し、公式化により公知か又は互いに比較して公知の分析物のレベルを試験して系の直線性を測定してもよい。系の結果をこれらの値に対してプロットする場合、プロットした曲線が直線に一致する程度が系の直線性の測定値である。
【0172】
[0175]定量的測定法の直線範囲を示すプロトコルは当該技術分野で周知である。簡潔には、本プロトコルを用いて直線性を評価して標本に適した基盤(matrix)の試料を分析する。以下の試料を調製する:CalB(2.0μg/ml)をCalA(0μg/ml)で希釈して1μg/mlのトピラメート試料を調製し;CalC(4.0μg/ml)をCalB(2.0μg/ml)で希釈して3μg/mlのトピラメート試料を調製し;CalD(8.0μg/ml)をCalC(4.0μg/ml)で希釈して6μg/mlのトピラメート試料を調製し;CalE(15.9.0μg/ml)をCalC(8.0μg/ml)で希釈し、11.9μg/mlのトピラメート試料を調製し;及びCalF(31.7μg/ml)をCalE(15.9μg/ml)で希釈して23.5μg/mlのトピラメート試料を調製する。
【0173】
[0176]試料又は品質管理物質をアッセイした後、データを収集して回収という平均試験結果として報告する。以下の等式に基づいて、回収パーセントを計算する:
回収%=平均回収濃度x100%
予測濃度
[0177]1回の実験中に試料を無作為にアッセイして回収比率を表8に提供する。
【0174】
表8
【0175】
【表8】
【0176】
[0178]回収比率は115%〜85%の範囲内である。データは商業的免疫診断アッセイに必要な感度及び精度の性能を裏付ける。結果の直線性を図20にグラフで示す。
【0177】
[0179]本発明の精神又は本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形式で、本発明を具現することもできる。記載する態様は、全ての観点で単に例示的であり、限定的とはみなされない。したがって、本発明の範囲は上記説明ではなく、請求項に示される。請求項の意味及び等価の範囲内に属するすべての変化が、その範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】[029]図1は、抗トピラメート抗体を調製する方法の態様を例示する流れ図である。
【図2】[030]図2は、トピラメートに関する免疫診断アッセイを行う方法の態様を例示する流れ図である。
【図3】[031]図3は、蛍光偏光に基づく競合的結合試験の態様を例示する概略図である。
【図4】[032]図4は、トピラメートの較正曲線の態様を例示するグラフである。
【図5】[033]図5は、凝集に基づく競合的結合試験の態様を例示する流れ図である。
【図6】[034]図6は、凝集に基づく競合的結合試験の態様を例示する流れ図である。
【図7】[035]図7は、酵素活性に基づく競合的結合試験の態様を例示する流れ図である。
【図8】[036]図8は、化学発光に基づく競合的結合試験の態様を例示する流れ図である。
【図9】[037]図9は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図10A】[038]図10A及び10Bは、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図10B】[038]図10A及び10Bは、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図11】[039]図11は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図12】[040]図12は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図13】[041]図13は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図14】[042]図14は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図15】[043]図15は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図16】[044]図16は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図17】[045]図17は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図18】[046]図18は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図19】[047]図19は、トピラメート代謝産物を例示する概略図である。
【図20】[048]図20は、凝集免疫アッセイの態様からのトピラメート回収を例示するグラフである。
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
[001]本米国特許出願は、Anlong Ouyang博士らを発明者とする、2004年10月25日に出願された、第60/621,770号の「トピラメートに関する免疫アッセイ」と題する米国仮出願;及び2005年10月20日に出願された、番号不明の「トピラメートに関する免疫アッセイ」と題する米国一般特許出願に優先権を請求し、どちらの出願も本明細書に援用される。
【0002】
1.発明の分野
[002]本発明は、トピラメート免疫診断試薬及びプロトコルに関する。より詳細には、本発明は、トピラメート、トピラメート類似体、トピラメート類似体から調製される免疫原及び抗原、トピラメートに基づく免疫原から調製される抗体、並びにこれらを作製し、用いる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
[003]トピラメートは、化学的には2,3:4,5−ビス−O−(1−メチル−エチリデン−β−D−フルクトピラノーススルファメート又は2,3:4,5−ジ−O−イソプロピリデン−ベータ−D−フルクトピラノーススルファメートと表され、以下に示される。トピラメートは、抗癲癇薬剤(「AED」)であり、現存する多くのAEDには化学的に無関係である。トピラメートは、二次性全般化を伴う又は伴わない部分発作を起こす成人の治療で補助療法として用いる、1996年にFDAに認可されたTOPAMAX(登録商標)中の活性成分であり、Lennox−Gastaut症候群及び乳児痙攣にも有用でありうる。
【0004】
【化1】
【0005】
[004]AED等の様々な薬剤は、異なる患者集団では、異なる薬物動態学的及び/又は薬力学的プロフィールを有する可能性があり、この結果、AEDの治療薬剤モニタリング(「TDM」)が致命的に重要であることが周知である。TDMプログラムの目的の1つは、投与後の様々な時点での薬剤濃度の決定して、投薬計画を管理及び/又は最適化して、患者の臨床的結果を最適化することである。したがって、TDMに基づき、単一の患者又は患者集団に対して、薬剤用量及び投薬計画を調節することもできる。
【0006】
[005]いくつかのトピラメートの特質により、TDMを用いる場合は、臨床的に患者の療法を個別化する必要があることが示唆される。患者の血清濃度に対する用量は、個体間変動が大きいことが示唆されている。また、最適血清濃度を達成するのに必要なトピラメート投薬量の必要条件には、薬物動態学的変動が主な役割を果たす。
【0007】
[006]トピラメートの最適血清濃度の適切な範囲は、他のAEDに加えて、125〜400mgのトピラメート用量を投与された患者で7〜24μmol/lであろうと示唆されている。何人かの患者は、最高2000mgという、極めて高用量を投与されており、全身トピラメート濃度が80μmol/lであった。有効TDMを用いて、治療指数内の適切なトピラメート濃度を獲得できる投薬計画を予測することもできる。
【0008】
[007]さらに、可能であれば単剤療法に進行することを見越して、トピラメートを用いた用量増大付加型研究が行われている。したがって、朝のトラフ血清トピラメート濃度を測定して発作制御及び関連する副作用と関連させた。その結果、15〜75μmol/lの範囲の血清トピラメート濃度で発作制御は明らかに改善されたが、75μmol/lより高い血清濃度では発作制御は低下した。また、60μmol/lより高い血清濃度では、副作用が有意に増えた。したがって、トピラメートの暫定的な標的血清濃度範囲は約15〜60μmol/lと示唆された;しかし、大部分の患者の血清濃度は、適切な投与計画で、低いか中程度の範囲である。
【0009】
[008]患者のトピラメートの全身濃度を決定する多くの方法が報告されている。Berry DJら Ther Drug Monit;22:460-4(2000)を参照されたい。キャピラリーガスクロマトグラフィー法は、水素炎イオン化検出及び窒素特異的検出を用いた、血清中のトピラメートの測定を報告している。Hollandら, J Chromatogr;433:276-281(1988)及びRiffitsら, J Pharm Biomed Anal;19:363-371(1999)、Tangら, Ther Drug Monitoring; 22: 195-201(2000)を参照されたい。さらに、トピラメート濃度を測定するため、MSとともに、GLC又はHPLCを用いる方法が示されている。Mozayani Aら J Anal Toxicol;23:556-558(1999)、Chen Sら, J Chromatogr;761:133-7(2001)、及びChristensenら, Ther Drug Monitoring;24:658-664(2002)を参照されたい。しかし、本方法は、例えば、試料調製時間が長く、アッセイ時間が長く、コストが高く、多大な労働力を伴う方法であるため商業的使用には非実用的である。したがって、有効なTDMのためには、トピラメート血漿レベルを測定するための単純で迅速な分析法が必要である。
【0010】
[009]商業的に入手可能な(Seradyn, Inc.)FPIA免疫アッセイを用いて、血漿又は血清中のトピラメートを測定することもできる。参照によって本明細書に含まれる、米国特許第5,952,187号を参照されたい。現在のFPIA免疫アッセイは、単純かつ迅速であるが、該免疫アッセイは、以前のトピラメート類似体の入手可能性が劣っており、かつ、ユーザーからみた機能性が劣っており、制限されている。
【0011】
[010]免疫アッセイ技術は、生物学的試料中の様々な薬剤を検出するために開発され、商業的分析適用に非常に適する。したがって、免疫アッセイを用いて患者の血中の薬剤及び/又は薬剤代謝産物の量を迅速に評価することもできる。免疫アッセイの例としては、均一系(homogeneous)微粒子免疫アッセイ(例えば免疫比濁法)又は定量的微小球体系(「QMS(登録商標)」)、蛍光偏光免疫アッセイ(「FPIA」)、クローニング酵素供与体免疫アッセイ(「CEDIA」)、化学発光微粒子免疫アッセイ(「CMIA」)等があげられるが、これらに限定されるわけではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
[011]したがって、患者の血液、血清、血漿及び/又は他の生物学的液体又は試料中のトピラメートを検出するために設定された免疫アッセイがあれば好適であろう。さらに、本免疫アッセイで用いるトピラメート類似体及び/又は抗トピラメート抗体を産生する際に用いるトピラメート類似体に基づく免疫原があれば好適であろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の簡単な概要
[012]一般的に、本発明は、トピラメート類似体、及びトピラメートに関する免疫診断アッセイに関する。トピラメート類似体には、抗トピラメート抗体を調製するために用いる免疫原性部分等の作用基;トピラメートに関する免疫診断アッセイで使用できる抗原性部分;又は免疫診断アッセイで使用できるトレーサー部分等の作用基を含んでもよい。さらに、トピラメート類似体を免疫診断アッセイに用いて、抗トピラメート抗体に関してトピラメートと競合させてもよい。
【0014】
[013]1の態様では、本発明に、は以下の式1又は式2の1つの化学構造を有するトピラメート類似体が含まれる。
【0015】
【化2】
【0016】
[014]式1及び式2に示すトピラメート類似体は、LがSO2 NH(CH2)2NH、NHCO、NHCH2Ph、COO、又はO基のうちの1つであることにより特定される。さらに、Xは、L及びY間の結合、1〜2の環を有する置換又は非置換の芳香族又は脂肪族基、あるいは1〜20の炭素又はヘテロ鎖原子、及び最も好ましくは1〜10の炭素又はヘテロ原子を有する、飽和又は不飽和、置換又は非置換、及び直鎖又は分枝鎖の少なくとも1つであってもよい。また、Yは、脂肪族、アルコール、アミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、活性化エステル、脂肪族エステル、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、チオラクトン、ジアゾニウム、及びマレイミド基からなる群より選択することもできる。
【0017】
[015]さらに、Yは、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、多糖、核酸、ポリヌクレオチド、テイコ酸、放射性同位体、酵素、酵素断片、酵素供与体断片、酵素受容体断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、触媒、蛍光部分、リン光部分、抗ストークス(anti−stokes)上方制御部分、化学発光部分、発光部分、色素、増感剤、粒子、微粒子、磁気粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、受容体、ハプテン放射性同位体、及びその組み合わせからなる群より選択される作用基にカップリングしたリンカー基であってもよい。より好ましくは、作用基は、アルブミン、血清タンパク質、グロブリン、眼球レンズのタンパク質、ウシ血清アルブミン、キーホールリンペット・ヘモシアニン、卵オボアルブミン、ウシ・ガンマ−グロブリン、合成ポリペプチド、デンプン、グリコーゲン、セルロース、炭水化物ゴム、アラビアゴム、寒天、ポリヌクレオチド、直径が少なくとも約0.02ミクロン〜約100ミクロンである粒子、細胞、赤血球、白血球、リンパ球、連鎖球菌属(Streptococcus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌、ウイルス、リポソーム、ラテックス、リン脂質小胞、陽イオン性リポソーム、陰イオン性リポソーム、リポタンパク質及びリポポリマーからなる群より選択される。最も好ましくは、作用基は、アルブミン、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、キーホールリンペット・ヘモシアニン、又は蛍光部分等の化学発光部分の少なくとも1つである。
【0018】
[016]1の態様では、トピラメートに関する免疫診断アッセイで用いるのに十分な力価の抗体を生成する免疫原を形成するため、類似体が免疫原性部分にカップリングしてもよい。また、類似体が免疫原性部分にカップリングして、類似体及びトピラメートと相互作用する抗体を生成する免疫原を形成することもできる。また、類似体がトレーサー部分にカップリングしてもよく、本類似体が、免疫診断アッセイで用いるのに十分な溶解度でありうる。さらに、類似体が抗原部分にカップリングすることができ、本類似体が、免疫診断アッセイで用いるのに十分な溶解度でありうる。さらに、類似体は、粒子又は微粒子上に、安定して装填されるか、又はこれらとカップリングし、あるいは酵素、酵素供与体、又は酵素受容体にカップリングすることができる。さらに、類似体は、抗トピラメート抗体との相互作用に関して、トピラメートと競合することができる。
【0019】
[017]1の態様では、トピラメート類似体を作製する方法には、ハロゲン化物又は塩化物脱離基を有する塩化物等のトピラメートハロゲン化物を、ハロゲン化物又は塩化物脱離基を置換する一級アミンを有する反応物と反応させて、スルファメート基との共有結合を形成することを含んでいてもよい。あるいは、トピラメートを、一級アミンと反応するカルボキシル基を有する反応物と反応させて、アミドを形成させて類似体を作製してもよい。他の代替法としては、9−ヒドロキシ又は10−ヒドロキシトピラメートを、イソシアネート官能基を有する反応物と反応させて類似体を作製することもできる。
【0020】
[018]本発明の1つの態様としては、試料中のラモトリジンの存在を検出する免疫診断系で用いる抗体組成物があげられる。抗体組成物には、少なくとも1つの結合ドメインを有する抗トピラメート抗体であって、トピラメートに結合でき、トピラメート類似体に結合できる、前記抗体が含まれてもよい。また、抗体は、少なくとも約1:5,000、より好ましくは少なくとも約1:10,000、さらにより好ましくは少なくとも約1:50,000、さらにより好ましくは少なくとも約1:100,000、そして最も好ましくは少なくとも約1:300,000の力価で存在してもよい。いくつかの場合、好ましくは、最低1:5,000又は最高1:300,000の抗体力価を有しうる。
【0021】
[019]さらに、抗体は、モノクローナル抗体及び/又はポリクローナル抗体である。抗体は、トピラメートに比較してトピラメート類似体に対して、均一系、不均一系(heterogeneous)、又は他の免疫診断アッセイに用いるのに十分な、親和性、特異性、又は結合活性の少なくとも1つを有してもよい。このように、抗体及びトピラメート類似体間の相互作用は、トピラメートに対する抗体の親和性、特異性又は結合活性の少なくとも1つの少なくとも50%であり、さらにより好ましくは、ラモトリジンに対する抗体の親和性、特異性又は結合活性の少なくとも1つの少なくとも70%であり、最も好ましくは、ラモトリジンに対する抗体の親和性、特異性又は結合活性の少なくとも1つの少なくとも90%でもよい。場合により、トピラメート類似体に対する抗体の親和性、特異性又は結合活性の少なくとも1つは、トピラメートに対するものと実質的に同一である。
【0022】
[020]1の態様では、本発明としては、試料中のトピラメートの存在を検出するための免疫診断アッセイで用いる系があげられる。当該系には、トピラメート類似体及び抗トピラメート抗体が含まれうる。さらに、トピラメート類似体又は抗トピラメート抗体の一方が、粒子、磁気粒子、微粒子、微小球体、支持体、酵素供与体又は酵素受容体の1つとカップリングしてもよい。
【0023】
[021]1の態様では、系には、以下の少なくとも1つが含まれてもよい:(a)トピラメートのストック組成物;(b)濃度勾配を形成する、異なる濃度のトピラメートを含有する一連の組成物;(c)トレーサー部分にカップリングしたトピラメート類似体;(d)微粒子にカップリングしたトピラメート類似体;(e)微粒子にカップリングした抗体;(f)酵素供与体にカップリングしたトピラメート類似体、並びに対応する酵素受容体;(g)酵素受容体に共役化したトピラメート類似体並びに対応する酵素供与体;又は(h)ろ過又は沈降による分離に適する粒子にカップリングした抗体。
【0024】
[022]本発明としては、試料中のトピラメートの存在を検出するための免疫診断アッセイを行う方法もあげられる。本方法には、抗トピラメート抗体及びトピラメート類似体を、以前トピラメートを投与した被験体から得た試料と合わせて、第一の組成物を形成する工程が含まれてもよい。その後、試料由来のいかなる遊離(free)トピラメート及びトピラメート類似体も、抗体との結合に関して競合できるようにする。競合的結合後にトピラメート類似体及び抗体間の結合を検出する。
【0025】
[023]1の態様では、免疫診断アッセイは、後述のように、蛍光部分を含むトピラメート類似体を用いて本類似体と抗体及び試料を合わせる。第一の偏光量の偏光で、蛍光部分を励起することもでき、第二の偏光量の蛍光部分から放出される偏光を検出する。場合によって、第一の偏光量と第二の偏光量を比較して試料にトピラメートが存在するか否かを決定し、ここで第二の偏光量が、第一の偏光量と異なる場合は、試料中にトピラメートが存在する指標とする。さらに、免疫診断アッセイには、既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて対照結合組成物を形成することによる対照が含まれてもよい。第三の偏光量を有する対照結合組成物で蛍光部分から放出される偏光を検出して第二の偏光量と比較する。その後、試料中に存在するトピラメート量を決定する。
【0026】
[024]1の態様では、免疫診断アッセイは、微粒子にカップリングしたトピラメート類似体又は抗体を用いる。類似体、抗体及び試料を合わせて第一の組成物とするが、ここで、遊離トピラメートは抗体との結合に関して、類似体と競合する。次いで、第一の組成物に入射光線を照射して第一の組成物由来の透過光の第一の強度を検出する。トピラメート類似体及び抗体を有するが遊離トピラメートを有しない、対照結合組成物由来の透過光の最低強度を同定して透過光の第一の強度と比較する。トピラメートが試料に存在するか否かを決定し、ここで最低強度が第一の強度と異なるならば、試料中にトピラメートが存在する指標とする。さらに、免疫診断アッセイには、既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて第二の対照結合組成物を形成することによる、対照が含むこともできる。次いで、第二の対照結合組成物に入射光線を照射して第二の対照結合組成物由来の透過光の第二の強度を検出する。その後、試料中に存在するトピラメートの量を決定することもできるが、ここで第一の強度と第二の強度との比較は、試料中に存在するトピラメート量の指標となる。
【0027】
[025]1の態様では、免疫診断アッセイは、酵素供与体を有するトピラメート類似体を用いる。類似体、抗体、及び試料を合わせて第一の組成物とし、ここで、遊離トピラメートは抗体との結合に関して、類似体と競合する。第一の組成物と酵素受容体及び基質を合わせるが、ここで基質は、酵素供与体及び酵素受容体との相互作用により切断できる。次いで、酵素活性を検出する。さらに、免疫診断アッセイには、既知の量のトピラメート並びにトピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成することによる、対照が含まれてもよく、その後、酵素受容体及び基質をこれと合わせる。試料中に存在するトピラメート量の指標を提供する、酵素活性と対照酵素活性との比較により、試料中に存在するトピラメートの量を決定する。
【0028】
[026]1の態様では、免疫診断アッセイは、トレーサー部分を有するトピラメート類似体及び粒子とカップリングした抗体を用いる。類似体、抗体、及び試料を合わせて第一の組成物とし、ここで、遊離トピラメートは抗体との結合に関して、類似体と競合する。第一の組成物から抗体を分離して未結合のトピラメート類似体を抗体から分離する。その後、第一の組成物から、抗体と結合しているトレーサー部分を検出する。さらに、免疫診断アッセイには、既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成することによる、対照を含んでもよい。したがって、試料中に存在するトピラメート量の指標を提供するため、第一の組成物中のトレーサー部分の量及び対照結合組成物中のトレーサー部分の量を比較することにより、試料中に存在するトピラメートの量を決定してもよい。
【0029】
[027]本発明の上記及び他の態様及び特徴は、以下の説明及び付随する請求項からより完全に明らかになるであろうし、又は以下に示す本発明の実施により確認できる。
【0030】
[028]本発明の上記及び他の利点及び特徴をより明確にするため、添付の図面に例示する、本発明の特定の態様を参照して、本発明のより詳細な説明を提供する。本図面は本発明の典型的な態様のみを示すため、その範囲を限定すると見なしてはならないことは認識されよう。添付の図面を用いて、本発明をより具体的かつ詳細に記載し、説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
[049]一般的に、本発明は、トピラメート類似体及びトピラメートの免疫診断アッセイに関する。トピラメート類似体は、抗トピラメート抗体を調製するために用いうる免疫原性部分、トピラメートの免疫診断アッセイで用いうる抗原性部分若しくはトレーサー部分が含まれていてもよい。さらに、トピラメート類似体を免疫診断アッセイに用いて、抗トピラメート抗体に関してトピラメートと競合させることもできる。このように、以下の専門用語は、本発明の態様を説明するよう意味するが、限定することを意図したものではない。
【0032】
[050]本明細書中、用語「ハプテン」は、部分的又は不完全な抗体を意味し、小分子又は薬剤でもよい。さらにハプテンは、タンパク質不含又はポリペプチド不含物質である低分子量分子でもよい。通常ハプテンは、単独で抗体形成を刺激できないが抗体と相互作用できる。そこで本発明のトピラメート及びトピラメート類似体はハプテンでもよい。
【0033】
[051]本明細書中、用語「類似体」又は「誘導体」は、1以上の化学反応により、親化合物又は分子から作製される化学的化合物又は分子を意味する。そこで、類似体は、トピラメートの構造に類似であるか又はトピラメート骨格に基づくが、特定の構成要素又は構造的性質はトピラメートと異なる構造の化合物でもよく、代謝的に類似の作用又は反対の作用でありうる。本発明のトピラメートの類似体又は誘導体を用いて類似体及びトピラメートを共に認識する抗体との結合に関して競合させることもできる。また、類似体には、リンカー基を介したトピラメートにカップリングした作用基が含まれうる。
【0034】
[052]本明細書中、用語「免疫原」及び「免疫原性」は、生物中で免疫応答を産生又は生成できる物質を意味する。免疫原はまた抗原でもよい。通常、免疫原は、非常に分子量が高く(例えば10,000より大きい)、したがって、本発明の免疫原を形成するために、タンパク質、リポタンパク質、多糖、核酸及び特定のテイコ酸等の様々な巨大分子をハプテンにカップリングしてもよい。
【0035】
[053]本明細書中、用語「免疫原性」は、分子が免疫応答を誘導する能力を意味し、これは、注入される分子の固有の化学構造及び宿主動物が化合物を認識できるか否かで決定する。抗原の構造中の僅かな変化により化合物の免疫原性が大きく改変することもあり、当該変化は、抗体、特に、極めて高く保存されている抗原に対する抗体を得る機会を高める一般的な手段として広く用いられてきた。例えば、これらの修飾技術は、免疫原の領域を改変して、T細胞結合により優れた部位を提供するか、又はB細胞結合のための新規のエピトープを暴露するかである。
【0036】
[054]本明細書中、用語「担体」、「免疫原性部分」、又は「免疫原性担体」は、ハプテンにカップリングすることができる免疫原性物質、一般的にはタンパク質である作用基を意味する。ハプテンにカップリングした免疫原性部分は、免疫応答を誘導することができ、ハプテンと特異的に結合できる抗体の産生を誘発できる。免疫原性部分は、異質(foreign)と認識されて宿主から免疫学的応答を誘発する、タンパク質、ポリペプチド、糖タンパク質、複合多糖、粒子、核酸、ポリヌクレオチド等を含む作用基である。さらに、リンカーには、修飾又は非修飾のヌクレオチド、ヌクレオシド、ポリマー、糖及び他の炭水化物、例えばポリエチレングリコール等のポリエーテル、ポリアルコール、ポリプロピレン、プロピレングリコール、エチレン及びプロピレングリコールの混合物、ポリアルキルアミン、スペルミジン等のポリアミン、ポリ(アクリル酸エチル)等のポリエステル、ポリホスホジエステル及びアルキレン含まれる。作用基及びそのリンカーの例としてはコレステロール−TEG−ホスホロアミダイトがあり、ここでコレステロールは作用基であり、そしてテトラエチレングリコール及びホスフェートがリンカーとして機能する。
【0037】
[055]一例として、作用基は免疫原性を刺激し、ハプテンに対する抗体形成を刺激するためにハプテンにカップリングさせることができる、免疫原性担体である。通常、免疫原性担体は、免疫原性が高くハプテンに対して免疫原性を供与できる、巨大分子である。例えば、異質のタンパク質は当該免疫学的応答を誘発できるため、タンパク質を免疫原性担体として用いうる。タンパク質担体は可溶性が高くてもよく、ハプテン分子との共役化を容易に促進できる官能基を含んでいてもよい。現在用いられている最も一般的な担体タンパク質のいくつかは、キーホールリンペット(keyhole limpet)・ヘモシアニン(KLH;MW 450,000〜13,000,000)及びウシ血清アルブミン(BSA、MW 67,000)である。キーホールリンペット・ヘモシアニンは、海生キーホールリンペットの酸素運搬タンパク質であり、非常に巨大で、解離させてサブユニットにすると免疫原性が高まるが、これはおそらく他のエピトープ部位が免疫系に曝露されるためである。BSAは共役化に適した多くの官能基を含有する可溶性の高いタンパク質である。
【0038】
[056]本明細書中、用語「抗体」は、体内の異質な分子の存在に応答して産生されるタンパク質を意味する。これらは、抗原及び免疫系の特異的な細胞又はタンパク質の両方に結合する能力で特徴付けできる。抗体は、5つのクラス、IgG、IgM、IgA、IgE、及びIgDに分けられる、形質細胞により産生される免疫グロブリンである。
【0039】
[057]本明細書中、用語「エピトープ」は、抗体と相互作用する抗原の領域を定義するよう意味する。したがって、抗原である分子又は他の物質としては、抗体活性がある少なくとも1のエピトープがあげられる。これにより、抗原が、同一抗体又は異なる抗体により認識される様々なエピトープがありうる。また、エピトープは任意の特定構造の固有の特性ではなく、抗体と相互作用する結合部位と定義できる。
【0040】
[058]本明細書中、用語「親和性」は、エピトープ及び抗体間の結合強度の測定値を意味する。したがって、単一の抗体は、様々なエピトープに対する親和性が異なってもよい。これにより、単一の抗体は1のエピトープに強く結合し、他のエピトープにより弱く結合することが可能となる。つまり、抗体は、トピラメート等の薬剤に対して第一の親和性があり、トピラメート類似体に対して第二の親和性があってもよい。しかし、抗体はトピラメート及びトピラメート類似体類似体の両方に対する親和性が実質的に同等又は類似であってもよく、これにより、類似体を用いて、トピラメートに対する抗体を生成して、競合的結合試験に用いることが可能となる。したがって、本発明のトピラメート類似体を用いて、トピラメートに親和性がある抗体を生成することができる。
【0041】
[059]本明細書中、用語「結合活性」は、抗体及び抗原の複合体の全体的な安定性の測定値を意味する。抗体−抗原相互作用の全体的な安定性は、以下の3つの主な要因に制御されうる:(a)エピトープに対する抗体固有の親和性;(b)抗体及び抗原の価数;及び(c)相互作用構成要素の幾何学的配置。つまり、上記パラメーター及び他のパラメーターを変化させて、抗体−抗原複合体の結合活性を調節することができる。
【0042】
[060]本明細書中、用語「特異性」は、他の利用可能なエピトープと比較した、エピトープと抗体の優先的な結合を意味する。すなわち、抗体の特異性は、トピラメート代謝産物ではなく、トピラメート及び/又は類似体に優先的に結合できる。これを用いて、不都合な抗体−代謝産物結合が混入しないようにして、トピラメートの真の濃度を評価できるように、代謝産物よりもトピラメートと優先的に結合する、抗トピラメート抗体を生成することもできる。また、トピラメートとの結合に関する抗体の特異性を用いて、トピラメートの特異性が類似又は実質的に同一な類似体を調製することもできる。
【0043】
[061]本明細書中、用語「結合速度(on rate)」、「解離速度(off rate)」、又は「結合−解離速度(on−off rate)」は、抗体−抗原相互作用の動力学を記載する方法を意味する。すなわち「結合速度」は、Ka(すなわち結合定数)を意味し、「解離速度」は、Kd(すなわち解離定数)を指すよう意味する。各抗体には、特定の抗原又はエピトープに対するKaがあり、これは、通常は結合の親和性又は強度という。ポリクローナル抗体に関しては、「結合−解離速度」は、ポリクローナル抗体を形成する特定の抗体各々に関する、多くの異なるKa又はKdの合計を意味する。
【0044】
[062]本明細書中、用語「ポリクローナル抗体」は、所定の抗原又はエピトープに対する特異性及び親和性の範囲が広い抗体の異種混合物を意味する。したがって、ポリクローナル抗体としては、各々他と区別でき、抗原と結合するか又は他の態様で相互作用する、複数の抗体があげられる。エピトープのある免疫原を動物内に注射して適切な時間の経過後、目的の抗体を含有する血液分画を収集して、場合により精製することにより、ポリクローナル抗体を含む、異なる抗体を産生するか又は生成することができる。抗体を産生する場合、ポリクローナル抗体の最終的な使用について、いくつかのパラメーターを考慮してもよい。これらのパラメーターとしては以下があげられる:(1)抗体の特異性(すなわち抗原を区別する能力);(2)抗体の結合活性(すなわちエピトープに結合する強度);及び(3)アッセイ系での抗体の最適な希釈を決定する、抗体力価。
【0045】
[063]本明細書中、用語「モノクローナル抗体」は、正常な抗体産生細胞及び1の前駆細胞の培養物から単離された抗体を意味する。モノクローナル抗体の結合定数は、均一であってもよく、当該技術分野で周知である。
【0046】
[064]本明細書中、「抗体力価」は、血清希釈の逆数を意味する。より好適に記載及び形式化するため、本態様で力価を記載する。1/50000の力価は、抗原を1:50000で希釈した場合に、抗体が、共に結合させた抗原のエピトープを有効に検出することを意味する。力価は、最大O.D.の約10%である終点力価により計算される。
【0047】
[065]本明細書中、用語「Bmax」は、力価と独立して、抗体及びリガンド(例えば類似体、抗原、標識等)間の最大結合を意味する。また、Bmaxは、結合活性と関連させてもよく、また結合活性から独立してもよく、抗体がどの程度良好にリガンドに結合して測定可能なシグナルを生じうるかを決定するための評価に用いることができる。さらに、Bmaxは、各標本の最大吸光度として決定でき、Boを計算するために用いてもよい。Bmaxの値は、3〜4ODと同程度の高さで変化してもよく、モノクローナル抗体プログラムに関しては、さらに高くてもよい。
【0048】
[066]本明細書中、用語「Bo」は、結合置換アッセイの吸光度選択を意味し、置換アッセイに関しては、Bmaxの約30%〜50%である。このように、Boを用いて、解離速度を迅速に測定してもよく、これを用いて結合活性をアッセイしてもよい。また、ODがBmaxの約半分である場合、50%Bmaxを用いてもよいが、これは一般的に、1.7〜1ODの範囲でありうる。ときに、50%Bmaxが1.7程度のODである場合もあり、この場合は、正確な測定には抗体が過剰供給されすぎている可能性もあり、しばしば結果として置換が劣る。したがって、抗体があまりに過剰供給されている場合は、30%Bmaxを用いてもよい。適切なBo値及び置換データを得るため、Bmaxは2.0〜2.5OD内でよく、Boは1.0〜1.25OD内でもよい。
【0049】
[067]本明細書中、用語「免疫アッセイ」又は「免疫診断」は、生物学的試料中の特定の抗原又は特定の抗体の少なくとも1つを同定及び/又は定量化するため、抗原及び抗体間の結合を利用する実験技術を意味する。現在、以下に記載するような3種の免疫アッセイがある:(1)抗体捕捉アッセイ;(2)抗原捕捉アッセイ;及び(3)2抗体サンドイッチアッセイ。さらに、新規免疫アッセイが開発され、本発明の類似体及び抗体を使用しうるであろうことが意図される。
【0050】
[068]本明細書中、用語「競合的免疫アッセイ」は、既知量の同定可能な抗原が、抗体との結合に関して他の抗原と競合する、実験プロトコルを意味する。すなわち、既知の抗体と結合する既知の抗原を、その既知の抗体と結合する他の抗原を含有すると推測される試料と合わせる。これにより、該抗体上の結合部位で、既知の抗原及び他の抗原が共に競合することができる。例えば、抗トピラメート抗体と結合するトピラメート類似体を、トピラメートを含有すると推測される試料と合わせてもよく、当該類似体及びトピラメートが、抗トピラメート抗体との結合に関して競合する。その後、抗体との結合に関する競合を用いて、試料中にトピラメートが存在するか否かを決定してもよく、試料中のトピラメート量を定量化することもできる。
【0051】
[069]本明細書中、用語「比濁検出」は、凝集粒子により散乱される光による、入射光線の透過における強度の減少又は吸光度の増加の測定値を意味する。透過光の強度の減少は、透過光のより高い出発バックグラウンド強度に対して測定される。通常、読取りは、光供給源と一列になった検出装置で行われ、粒子の凝集が光の透過を阻害する。したがって、トピラメート等の標的分析物の存在を評価する手段として、凝集の阻害又は促進を用いることもできる。比濁アッセイは、様々な臨床分析装置に容易に適応できる。
【0052】
[070]本明細書中、用語「微粒子凝集アッセイ」は、標的分析物による微粒子の凝集を阻害する原理を用いる免疫アッセイを意味する。すなわち、標的分析物が存在すると凝集が減少する。例えば、標的薬剤の誘導体が微粒子表面に共有結合し、及び/又は増感粒子はモノクローナル抗体により凝集する。試料が遊離薬剤を含有する場合、凝集は薬剤濃度に比例して阻害され、吸光度と関連した薬剤濃度の古典的な阻害曲線が導かれる。
【0053】
[071]本明細書中、用語「療法的濃度」は、所望の臨床効果を生じる場合の有効な薬剤の濃度を意味する。
【0054】
[072]本明細書中、用語「作用基」は、リンカー基を介してトピラメートにカップリングした分子又は巨大分子を意味する。作用基としては、免疫原性部分、抗原部分、トレーサー部分等があげられる。さらに、本明細書記載の化学的骨格のZ基が作用基である。つまり、作用基をYリンカー基にカップリングさせ、類似体に他の機能を提供しうる。
【0055】
[073]本明細書中、用語「活性エステル」又は「活性化エステル」は、例えばペプチド及びタンパク質等の化合物の遊離アミノ基と反応できるエステル基を意味する。活性エステルとしては、活性脱離基に連結されたカルボキシル基があげられる。しばしば、活性脱離基には、エステル酸素が含まれ、活性脱離基はエステル酸素を除去する。例えば活性エステルは、一級アミンによる置換に感受性であり、これにより、エステル酸素が除去され、アミド基が形成される。活性エステルを形成する活性脱離基の例としては、N−ヒドロキシスクシンイミド(「NHS」)、p−ニトロフェニル、ペンタフルオロフェニル、N−ヒドロキシベンゾトリアゾリル等があげられる。よって、用語「NHS」を用いる場合は、N−ヒドロキシスクシンイミドとして定義されることを意味する。
【0056】
[074]本明細書中、用語「標識」、「検出剤分子」又は「トレーサー」は、検出可能シグナルを生じるか又は生じるように誘導できる、いかなる作用基をも意味する。標識をトピラメート、トピラメート類似体、ハプテン、分析物、免疫原、抗体、又は受容体又は受容体に結合できる分子等の他の分子に共役化できる。トレーサーの例としては、放射性同位体、酵素、酵素断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、触媒、フルオロフォア、色素、化学発光剤、発光剤、増感剤、非磁気又は磁気粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、受容体、ハプテン放射性同位体等があげられるがこれらに限定されない。本明細書中、類似体は、当該技術分野で周知の方法で様々な標識にカップリングして、様々な免疫アッセイ系で有用な様々な試薬を提供することもできる。免疫アッセイの結果を検出するため、フルオロフォア、例えばフルオレセイン、放射標識、又は化学発光基等の検出剤分子を類似体にカップリングして、トレーサーを産生することができる。
【0057】
[075]本明細書中、用語「連結基」又は「リンカー」は、例えばトピラメート又はトピラメート類似体と作用基等の2以上の基礎構造(substructure)を連結する化学構造部分を意味する。連結基は、基礎構造間に伸長する、水素(又は他の一価の原子)以外の原子の少なくとも1の中断されていない鎖があってもよい。通常、連結基としては、置換されていても又は置換されていなくてもよい炭素原子又はヘテロ原子の鎖があげられる。連結基の原子及び連結基内の鎖の原子は、化学的結合で相互連結できる。例えば、リンカーは、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換、飽和又は不飽和鎖でもよく、鎖の原子としては、炭素及び/又はヘテロ原子があげられる。これには、鎖内又は鎖末端の1以上のヘテロ原子も含まれうる。さらに、連結基にはまた、鎖の一部として、又は鎖中の1の原子上の置換として、環状基及び/又は芳香族基もあげられる。連結されている基礎構造間の最短経路である鎖の主鎖の水素以外の原子の数を計測することにより、連結基又はリンカー中の原子の数を決定する。ハプテンをトレーサー、標識、担体、免疫原性部分等と共役化するため、連結基を用いて、利用できる部位をハプテン上に提供することができる。
【0058】
[076]本明細書中、用語「ヘテロ原子」は、酸素、窒素、硫黄、リン等の炭素原子以外の原子を意味する。通常、連結基又は他の部分で用いられる、少なくとも2つの共有結合を形成できるように、ヘテロ原子は多価である。
【0059】
[077]トピラメート類似体には、部分に共役化したトピラメート分子があげられる。部分は、トピラメートの物理化学特性を修飾できる広い範囲の化学的化合物でありうる。また、リンカーとして部分を用いるか又は部分がトピラメートに連結基を共役化できる。すなわち、部分としては、アルキル、脂肪族、直鎖脂肪族、分枝鎖脂肪族、置換脂肪族、環状脂肪族、複素環脂肪族、芳香族、複素環芳香族、多環芳香族等があげられる。
【0060】
[078]本明細書中、用語「脂肪族」は、直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和、及び/又は置換又は非置換であってもよく、主鎖中に20以下の炭素又はヘテロ原子を有する、アルキル基等のヒドロカルビル部分を意味する。さらに、脂肪族には、主鎖中に10以下の炭素又はヘテロ原子が含まれうる。脂肪族基は、直鎖、分枝鎖、環状及び/又は複素環である部分を含んでいてもよく、エーテル、ケトン、アルデヒド、カルボキシレート等の官能基を含有してもよい。典型的な脂肪族基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、より多数の炭素のアルキル基等、並びに2−メチルプロピル、2−メチル−4−エチルブチル、2,4−ジエチルプロピル、3−プロピルブチル、2,8−ジブチルデシル、6,6−ジメチルオクチル、6−プロピル−6−ブチルオクチル、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル等の置換及び/又は非置換基が含まれるが、これらに限定されない。用語、脂肪族又はアルキルはまた、ビニル等のアルケニル基、アリル、アラルキル及びアルキニル基も含む。
【0061】
[079]脂肪族基内の置換には、脂肪族部分で許容されうるいかなる原子又は基も含まれてよく、ハロゲン、硫黄、チオール、チオエステル、アミン(一級、二級、又は三級)、アミド、エーテル、エステル、アルコール、酸素等が含まれるが、これらに限定されない。脂肪族基としてはまた、例えば、アゾ基、ケト基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、ニトロ、ニトロソ又はニトリル基、イミダゾール等の複素環、ヒドラジノ又はヒドロキシルアミノ基、イソシアネート又はシアネート基、並びにスルホキシド、スルホン、スルフィド、及びジスルフィド等の硫黄含有基等の修飾も含んでよい。さらに、置換は、適切か又は可能な場合、単結合、二重結合、又は三重結合を介してもよい。
【0062】
[080]さらに、脂肪族基はまた、例えば窒素、酸素、リン、又は硫黄等のヘテロ原子により炭素原子が置換されたヘテロ置換も含有しうる。つまり、置換脂肪族で構成されるリンカーは、炭素、窒素、酸素、硫黄、リン及び/又は同様のもので構成される主鎖を有しうる。複素環置換は、ヘテロ原子が1以上あるアルキル環をいう。複素環部分の例には、モルホリノ、イミダゾール、及びピロリジノが含まれるが、これらに限定されない。
【0063】
[081]本明細書中、用語「芳香族」は、電子が原子の円形又は環状配置周囲を自由に循環し、互いに交互に単結合及び二重結合する分子をいう。より適切には、これらの結合が単結合及び二重結合のハイブリッドであり、環中の各結合が他のすべてと同一であるとみなすこともできる。ラモトリジン類似体中に存在しうる芳香族化合物の例としては、ベンゼン、ベンジル、トルエン、キシレン等があげられる。芳香族化合物には、ピリジン、フラン、テトラヒドロフラン等のヘテロ芳香族となるようなヘテロ原子を含んでいてもよい。また、芳香族は、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、多環芳香族炭化水素、インドール、キノリン、イソキノリン等の多環芳香族でもよい。
【0064】
[082]本明細書中、用語「アミン」は、1、2、又は3の水素原子を、例えばアルキル基等の他の基で置換して、アンモニアに直接又は間接的に由来しうる部分を意味する。一級アミンの一般構造はRNH2であり、そして二級アミンの一般構造はR2NHである。用語、アミンには、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、アニリン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、多環アミン、アリール及びアルキルアミンで置換されたヘテロ原子、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルシクロプロピルアミン、エチルシクロヘキシルアミン、メチルベンジルアミン、メチルシクロヘキシルメチルアミン、ブチルシクロヘキシルアミン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、ピペラジン、及びアルキル又はアリール二級アミンで置換されたヘテロ原子が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
[083]本明細書中、用語「ポリ(アミノ酸)」又は「ポリペプチド」は、アミノ酸から形成されるポリアミドである。ポリ(アミノ酸)は、一般的に、分子量約200〜2,000又は分子量の範囲が約2,000を超えるか又は、分子量上限がなく、通常、分子量が10,000,000未満であり、最高でも約600,000ダルトンであろう。通常、免疫原性担体又は酵素が関与するか否かに応じて範囲が異なるであろう。
【0066】
[084]本明細書中、用語「ペプチド」は、アミド(ペプチド)結合により2以上のアミノ酸の連結により形成されるいかなる化合物をも意味し、通常、直鎖中の各アミノ酸残基のα−アミノ基(NH2末端を除く)が、次の残基のα−カルボキシル基に連結されているα−アミノ酸のポリマーである。用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「ポリ(アミノ酸)」は、本明細書中、大きさの制限なくこの種の化合物を指すべく、同義的に用いられる。この種の最大のメンバーは、明確なポリペプチド配列があるタンパク質をいう。
【0067】
[085]本明細書中、用語「生物学的試料」は、生命体から得られる固体又は液体試料を意味する。つまり、生物学的試料としては、ヒト及び他の動物等の、生物又は以前生存していたものに由来する、いかなる量の物質もあげられるが、これらに限定されない。本物質としては、血液、血清、血漿、尿、涙、細胞、臓器、組織、骨、骨髄、リンパ、リンパ節、滑膜組織、軟骨細胞、滑膜マクロファージ、内皮細胞、皮膚等があげられるが、これらに限定されない。
【0068】
[086]本明細書中、用語「患者」は、ヒト及び他の動物被験体を意味する。より詳細には、患者は、トピラメート等の抗癲癇薬剤が必要なヒト又は他の動物被験体である。
【0069】
[087]さらに、本発明を記載するために本明細書で用いる用語は、上記定義及び/又は当該技術分野で周知の定義を用いて解釈できる。つまり、上記命名法は、本発明を説明するよう意味し、そして限定することを意図したものではない。
【0070】
I.トピラメート類似体
[088]1の態様では、本発明は、トピラメートの類似体に関する。このように、トピラメートを、トピラメートのスルファメート部分あるいは9炭素又は10炭素メチル基で、類似体部分と共役化して、類似体を形成してもよい。9炭素又は10炭素共役体は、多くの場合に実質的に区別できないように、化学反応及び/又は官能性が実質的に類似しており、ここで、9炭素又は9位はまた、10炭素又は10位も意味する。
【0071】
[089]トピラメート類似体は、さらに、類似体部分又はリンカーを介して、免疫原性部分、抗原性部分及び/又はトレーサー部分にカップリングでき、免疫原、抗原及び/又はトレーサー等の他の類似体を形成する。さらに、抗体誘導及び認識に利用できるトピラメート類似体の部分が、トピラメート代謝産物、9−ヒドロキシトピラメートでは異なる領域であるため、特定の場合は、9炭素メチル基ではなくスルファメート部分を介した共役体が好適でありうる。
【0072】
[090]1の態様では、本発明は、スルファメート・共役体を有するトピラメートの新規類似体である。すなわち、スルファメート基を、硫黄原子を介して連結部分にカップリングできる。リンカー部分は、類似体を形成するため、トピラメート骨格とカップリングしている置換基と見なしてもよい。リンカー部分は、以下により詳細に記載する、様々な化学物質でもよい。したがって、トピラメートのスルファメート置換類似体は、式1A及び/又は式1Bの一般的な構造を有する:
【0073】
【化3】
【0074】
[091]他の態様において、トピラメート骨格には、10−置換と実質的に類似する9−置換が含まれてもよい。したがって、トピラメートの9−置換類似体は、式2A及び/又は式2Bの一般的な構造を有してもよい:
【0075】
【化4】
【0076】
[092]式1A、1B、2A及び/又は2Bに示すトピラメート骨格を、広い範囲の化学物質で置換できる。したがって、L基は、O、CO、COO、SO2、CH2、NH、NH(CH2)2NH、NHCO又はNHCH2Phでもよい。このように、L基を連結基として用いて類似体部分及び/又は共役部分をトピラメート骨格に共役化できる。
【0077】
[093]さらに、式1A、1B、2A及び/又は2Dに関して用いる場合、X基は、1〜20の炭素又はヘテロ原子、あるいはより好ましくは1〜10の炭素又はヘテロ原子を有する、飽和又は不飽和、置換又は非置換及び/又は直鎖又は分枝鎖でもよい。置換基の例には、一級及び二級アミン、脂肪族基、カルボニル基、ハロゲン等が含まれる。また、X基としては、置換されているか又は置換されていない環状基、あるいは1〜2の環を有する置換又は非置換芳香族又は脂肪族基、多環芳香族、芳香族複素環等があげられる。X基はまた、環基の代わりに又は環基に加え、炭素又はヘテロ原子の1〜20又は1〜10鎖原子を含有する置換又は非置換脂肪族連結基でもよい。さらに、X基は、L及びY間のいかなる種類の結合でもよい。また、Xは、上記基のいかなる組み合わせでもよい。
【0078】
[094]Y基は、末端基又はカップリング基であってもよく、これを担体、標識、免疫原性部分等の作用基とリンカー基をカップリングするために用いてもよい。ある場合、当該技術分野で周知の化学合成を介して、末端基を、担体、トレーサー部分、又は免疫原性部分で誘導体化するか、又はこれらとカップリングでき、ここで、Y基は、Z基とカップリングするのに用いられる反応基である。このように、Yは、脂肪族、アルコール、アミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、活性化エステル、脂肪族エステル、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、アルコール、チオラクトン、ジアゾニウム基、マレイミド基等並びにそれらに由来する基等の様々な基であってもよい。また、Yは、Y1−Zであってもよく、Y1は、Z基にカップリングしているY末端基に由来できる。
【0079】
[095]さらに、Z基は、存在しないか、又はリンカー部分にカップリングできるいかなる部分でもあってもよい。このように、L−X−Y基は、類似体部分と見なすこともできるし、そしてZ基は作用基であってもよい。リンカー部分は、トピラメート骨格及び作用基間のリンカー又は連結基として機能的に作用できる。例えば、作用基は、担体、標識、トレーサー、タンパク質、酵素、蛍光化合物、リン光生成化合物、温度発色性(thermochromic)化合物、光発色性化合物、抗ストークス(anti−stokes)上方制御化合物、化学発光物質、電気化学仲介剤、粒子、レポーター基、酵素阻害剤、核酸、ポリペプチド等であってもよい。
【0080】
[096]例えば、式1A、1B、2A及び/又は2Bの各々において、X基は、結合又は1以上の原子の鎖であってもよく、存在する場合は、少なくとも1つの原子が炭素である。このように、Xは、L及びY間の共有結合であってもよい。具体例として、Xは、以下の基のいずれでもよい:CH2;(CH2)2;(CH2)3;(CH2)4;(CH2)5;(CH2)6;CH2CO;(CH2)2CO;(CH2)3CO;(CH2)4CO;(CH2)5CO;(CH2)6CO;CH2COO;(CH2)2COO;(CH2)3COO;(CH2)4COO;(CH2)5COO;(CH2)6COO;CO;COO;COCH2;CO(CH2)2;CO(CH2)3;CO(CH2)4;CO(CH2)5;CO(CH2)6;COCH2CO;CO(CH2)2CO;CO(CH2)3CO;CO(CH2)4CO;CO(CH2)5CO;CO(CH2)6CO;COCH2COO;CO(CH2)2COO;CO(CH2)3COO;CO(CH2)4COO;CO(CH2)5COO;CO(CH2)6COO;CO(CH2)2CONHCH2;CO(CH2)2CONH(CH2)2;Ph;CONHCH2Ph;CONH(CH2)3;CONH(CH2)3CO;CONH(CH2)3COO;NHCH2;NH(CH2)2;NH(CH2)3;NH(CH2)4;NH(CH2)5;NH(CH2)6;NHCH2CO;NH(CH2)2CO;NH(CH2)3CO;NH(CH2)4CO;NH(CH2)5CO;NH(CH2)6CO;NHCH2COO;NH(CH2)2COO;NH(CH2)3COO;NH(CH2)4COO;NH(CH2)5COO;NH(CH2)6COO;NHCO(CH2)2;NHCO(CH2)6;NHCO(CH2)2CO;HCO(CH2)6CO;NHCO(CH2)2COO;又はNHCO(CH2)6COO;その組み合わせ等。より好ましくは、Xは、CH2、(CH2)2、(CH2)3、CH2COO、(CH2)2CO、(CH2)2COO、(CH2)3CO、(CH2)3COO、CO(CH2)6、CO(CH2)6CO、CO(CH2)6COO、CO、COO、Ph、CONH(CH2)3、CONH(CH2)3CO、CONH(CH2)3COO、その組み合わせ等からなる群より選択される。
【0081】
[097]例えば、式1及び2の各々で、Y基は、末端基又は末端基由来のリンカーを含んでもよく、常に存在する。具体例として、Yは、以下の末端基又はそれに由来するいかなるリンカー基でもよい:COOH(カルボン酸);COO;COO−NHS(NHS活性エステル);NHS;tertブチル(t−ブチル);COO−tertブチル;OH;O−NHS(NHS活性エステルリンカー);COOCH2CH3;COOCH3;OCH2CH3;OCH3;NH;NH2;NHCO(アミド);その組み合わせ等。より好ましくは、Yが末端基である場合、Yは、NHS、COOH、COO−NHS、COO−tertブチル、tertブチル、OH、O−NHS、COOCH2CH3、COOCH3、OCH2CH3、OCH3、又はNH2からなる群より選択できる。一方、Yがリンカーである場合、Yは、Y1−Zであり、式中、Y1は、好ましくはCOO、CO、O、CONH、又はNHの少なくとも1つからなる群より選択されてもよく、Zは巨大分子である。
【0082】
[098]したがって、Z基又は作用基は、担体、トレーサー、又は標識、例えばタンパク質、酵素、蛍光化合物、化学発光物質、電気化学仲介剤、粒子、レポーター基、酵素阻害剤、及び/又は核酸であってもよい。具体例として、Zは、以下の巨大分子基のいずれでもよい:(a)BSA;(b)KLH;(c)蛍光トレーサー;及び(d)これらと同等のもの。
【0083】
[099]一般的に、類似体には、当該技術分野で周知の方法による様々な作用基が含まれ、様々な免疫アッセイ形式において有用な様々な試薬を提供することもできる。このように、フルオロフォア、放射標識、又は化学発光基等の検出剤分子を用いて、トレーサーを産生することもできる。また、ラテックス凝集及びクロマトグラフィー片試験におけるように、分光光度検出形式又は直接視覚的検出形式で用いるため、類似体を着色ラテックス等の微粒子に結合させてもよい。作用基はまた、エネルギー移動パートナー、酵素又は他の基等の、他の化学反応によって検出される間接的検出分子であってもよい。
【0084】
[0100]したがって、作用基をカップリングしうるいかなる化学反応によっても類似体と作用基のカップリングを達成できる。この連結又はカップリングには、多くの化学的機構が含まれてもよく、例えば共有結合、アフィニティー結合、インターカレーション、配位結合及び錯化が含まれうる。多くの場合、連結又はカップリングは共有結合を介して行われる。存在する側鎖の直接縮合又は外部架橋分子の取り込みのいずれかにより共有結合を達成できる。多くの二価又は多価連結剤は、担体等のタンパク質分子を類似体にカップリングする場合に有用でありうる。代表的なカップリング剤としては、チオエステル、カルボジイミド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ジイソシアネート、グルタルアルデヒド、ジアゾベンゼン、及びヘキサメチレンジアミン等の有機化合物があげられる;しかし、このリストは、当該技術分野に公知の様々な種類のカップリング剤を包括的に編集したものではなく、むしろ、より一般的なカップリング剤の代表である。
【0085】
[0101]1の態様では、ラモトリジン類似体は、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCOOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCOONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCOOCH2CH3、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)2COOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)2COONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)2COOCH2CH3、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)3COOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)3COONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)3COOCH2CH3、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)6COOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)6COONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)6COOCH2CH3、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCH2PhCOOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCH2PhCOONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCH2PhCOOCH2CH3、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCONH(CH2)3COOH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCONH(CH2)3COONHS、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCONH(CH2)3COOCH3、
NHCO(CH2)2CONHCH2PhCOOH、
NHCO(CH2)2CONHCH2PhCOOCH2CH3、
NHCO(CH2)2COOH、NHCO(CH2)2COONHS、
NHCO(CH2)2COOCH2CH3、
NHCO(CH2)3COOH、NHCO(CH2)3COONHS、
NHCO(CH2)3COOCH2CH3、
NH(CH2)2NHCO(CH2)6COOH、
NH(CH2)2NHCO(CH2)6COONHS、
NH(CH2)2NHCO(CH2)6COOCH2CH3、
NH(CH2)2NH(CH2)3COOC(CH3)3、
NH(CH2)2NH(CH2)3COOH、
NH(CH2)2NH(CH2)3COONHS、NHCH2PhCOOH、
NHCH2PhCOONHS、NHCOPhCOOH、NHCOPhCOONHS、
OOCNH(CH2)3COOCH2CH3、OOCNH(CH2)3COOCH3、
OOCNH(CH2)3COONHS、OOCNH(CH2)3COOH、
NH(CH2)3COOH、NH(CH2)3COONHS等からなる群より選択されるL−X−Yを有することもできる。
【0086】
[0102]1の態様では、ラモトリジン類似体は、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCOO−BSA、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)2COO−BSA、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)3COO−BSA、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)6COO−BSA、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCH2PhCOO−BSA、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCONH(CH2)3COO−BSA、
NHCO(CH2)2CONHCH2PhCOO−BSA、
NHCO(CH2)2COO−BSA、NHCO(CH2)3COO−BSA、
NH(CH2)2NHCO(CH2)6COO−BSA、
NH(CH2)2NH(CH2)3COO−BSA、NHCH2PhCOO−BSA、
NHCOPhCOO−BSA、OOCNH(CH2)3COO−BSA、
NH(CH2)3COO−BSA等からなる群より選択されるL−X−Y−Zを有することもできる。
【0087】
[0103]1の態様では、治療剤として、式1A、1B、2A及び/又は2Bのトピラメート類似体を用いることもできる。このように、トピラメート類似体を、トピラメートと同様に抗癲癇薬剤として用いることもできる。しかし、トピラメート類似体を治療剤として用いる場合、Zは、好ましくは、免疫原を形成しないように存在しない。したがって、ヒトを含む動物のための抗癲癇治療でトピラメートの非免疫原性類似体を用いることもできる。
【0088】
II.トピラメート免疫原
[0104]トピラメート等の小分子の検出のために免疫アッセイを実行するのは、困難な場合もある。これは、当該小分子に抗原性がない場合があるためであり、そのため、トピラメートに対する抗体を生成することが困難になり、免疫原性がないトピラメートでは特に問題があるためである。免疫原性を高めるため、ウシ血清アルブミン、オボアルブミン、キーホールリンペット・ヘモシアニン等を含むが、これらに限定されない、より大きい抗原性化合物を薬剤にカップリングしてもよい。さらに、免疫アッセイで薬剤を検出する場合は、一般的に、抗体、トピラメート、又はトピラメート類似体に共役化された検出可能トレーサーを用いることが必要となる。
【0089】
[0105]したがって、スルファメート部分又は9炭素メチル基で、トピラメートに作用基をカップリングして、免疫原によって誘導された抗体が、免疫原、トピラメート、及び他のトピラメート類似体と反応できるように、トピラメートと免疫学的に十分に類似であるトピラメート免疫原を提供することもできる。このように、トピラメートに基づく免疫原もまたトピラメート類似体と見なされる。免疫原性担体を含む、本発明記載のトピラメート類似体は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体等の抗トピラメート抗体の産生を誘導できる。したがって、固有のトピラメート免疫原を用いて生成される抗体は、トピラメート及び他のトピラメート類似体と相互作用及び/又は結合することもできる。これらの抗体、免疫原、抗原、及び類似体は、生物学的試料中のトピラメートを検出するための免疫アッセイを調製し、実行する場合に有用でありうる。
【0090】
[0106]トピラメート誘導体の官能基の1つと反応するリンカーを介して、トピラメートを抗原性担体タンパク質にカップリングさせて、免疫原を作製することもできる。トピラメート類似体に基づくトピラメート免疫原は、本明細書に援用される、米国特許第5,952,187号に記載されている。しかし、トピラメート類似体は、化学的性質反応が最適化されずに調製され、商業化レベルでトピラメート検出に適用するために用いるのに最適な類似体、免疫原、又は抗体を産生しなかった。したがって、本発明により調製される類似体及び免疫原は、化学的性質が改善され、リンカーを有する、商業的な適用に用いるのに十分な力価で、抗体を産生できる免疫原を産生する。
【0091】
[0107]1つ態様では、トピラメート類似体の免疫原性を高めるため、キーホールリンペット・ヘモシアニン等の大きい抗原性化合物をトピラメート類似体にカップリングさせることもできる。また、ある場合、長いリンカーが長いほど、生じる抗体の親和性も高まることも見出されている。1つには、リンカーがより長いと抗原に接近できるようになると考えられるが、このような思考には束縛されない。また、暴露される抗原又はエピトープの表面積が増加するため、結合活性が高まる可能性もあり、これにより当該技術分野で改善がもたらされる。
【0092】
[0108]1の態様では、本発明は、上記トピラメート類似体から調製される免疫原に関する。すなわち、式1B及び2Bの類似体には、上記リンカー部分が含まれてもよく、Zは、免疫原性部分であってもよい。つまり、Zは、免疫学的応答を誘発でき、トピラメート類似体の少なくとも一部を標的とする抗体の産生を提供できる、いかなる免疫原性部分であってもよい。
【0093】
[0109]免疫原性部分には、免疫原性担体として機能できる、様々なタンパク質又はポリペプチドが含まれうる。これらの種類のポリペプチドとしては、アルブミン、血清タンパク質、グロブリン、眼球レンズのタンパク質、リポタンパク質、及びその一部があげられる。具体例となるタンパク質としては、ウシ血清アルブミン(「BSA」)、キーホールリンペット・ヘモシアニン(「KLH」)、卵オボアルブミン、ウシ・ガンマ−グロブリン(「BGG」)等があげられる。あるいは、合成ポリペプチドを利用してもよい。さらに、免疫原性部分はまた、高分子量ポリマーである多糖でもよい。多糖の例は、デンプン、グリコーゲン、セルロース、アラビアゴム等の炭水化物ゴム、寒天等である。また、免疫原性部分は、DNA又はRNA等のポリヌクレオチドでもよい。ポリヌクレオチドは修飾されても又は修飾されなくてもよく、担体及び/又は免疫原性機能を提供する限り、いかなる数の核酸で構成されてもよい。多糖はまた、ポリペプチド残基、ポリヌクレオチド残基、及び/又は脂質残基を含有又はこれらに連結できる。さらに、免疫原性部分はまた、単独の、又は上記ポリペプチド又は多糖の1つへの共役体のポリヌクレオチドでもよい。
【0094】
[0110]免疫原性部分又は担体はまた粒子又は微粒子でもよい。免疫原性粒子は、一般的に、少なくとも直径約0.02ミクロン(μm)で、約100μm以下であり、通常、直径約0.05μm〜10μmである。粒子は、有機又は無機、膨潤性又は非膨潤性、及び/又は多孔又は無孔でもよい。場合により、免疫原性粒子は、水に近い密度、一般的に約0.5〜1.5g/mlであり、透明、部分的透明、又は不透明であってもよい物質で構成される。免疫原性粒子は、赤血球、白血球、リンパ球、連鎖球菌属(Streptococcus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌及びウイルス等を含むがこれらに限定されない、細胞及び微生物等の生物学的物質でもよい。粒子はまた、有機及び無機ポリマー、リポソーム、ラテックス、リン脂質小胞、リポソーム、陽イオン性リポソーム、陰イオン性リポソーム、リポタンパク質、リポポリマー等で構成されうる。
【0095】
[0111]1の態様では、ラモトリジン類似体は、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCOO−KLH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)2COO−KLH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)3COO−KLH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCO(CH2)6COO−KLH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCH2PhCOO−KLH、
NHCO(CH2)2CONH(CH2)2NHCONH(CH2)3COO−KLH、
NHCO(CH2)2CONHCH2PhCOO−KLH、
NHCO(CH2)2COO−KLH、NHCO(CH2)3COO−KLH、
NH(CH2)2NHCO(CH2)6COO−KLH、
NH(CH2)2NH(CH2)3COO−KLH、NHCH2PhCOO−KLH、
NHCOPhCOO−KLH、OOCNH(CH2)3COO−KLH、
NH(CH2)3COO−KLH等からなる群より選択される、L−X−Y−Zがあってもよい。
【0096】
[0112]したがって、本発明により調製された免疫原を用いて、トピラメート並びにトピラメート類似体に対する親和性がある抗体を生成することもできる。
【0097】
III.トピラメート及びトピラメート類似体に対する抗体
[0113]1の態様では、本発明のトピラメート類似体に基づく免疫原を、モノクローナル抗体及び/又はポリクローナル抗体を産生するための方法の態様において用いることができる。つまり、トピラメートに基づく免疫原から、抗体を産生でき、本抗体はトピラメートと相互作用及び/又は結合しうる。これにより、本発明の類似体が、トピラメートの存在を同定するの免疫アッセイで用いるの抗体を調製する場合に有用となることができる。また、免疫原を用いて抗体を産生する方法が当該技術分野に周知である。これにより、トピラメートと相互作用及び/又は結合するモノクローナル抗体及び/又はポリクローナル抗体に関してスクリーニングする場合に、本免疫原を用いることができる。
【0098】
[0114]図1は、抗トピラメート抗体を得る方法の1の態様10を例示する流れ図であり、トピラメート類似体に基づく免疫原を得ることができる(ブロック12)。その後、免疫原を免疫原性配合物と合わせてもよい(ブロック14)。簡潔には、約0.5mlの免疫原組成物を、約0.5mlのフロイント完全アジュバントと混合する;が、他の量の免疫原及び/又はアジュバントを用いてもよい。その後、抗体を産生する被験体に免疫原性配合物を投与してもよく(ブロック16)、被験体は、ラット、マウス、ブタ、ウサギ、鳥類、ヒツジ及び/又は他の動物でもよいが、好ましくは哺乳動物である。投与は、尾静脈注射、皮下注射、静脈内注射又は他の周知の注射部位を介してもよい。続いて、最初の投与を受けた動物に、免疫原性追加免疫を投与してもよく(ブロック18)、追加免疫は、最初の配合物と実質的に同じ成分を含んでもよく、所定の間隔で投与できる。例えば、最初の投与後、週1回、あるいは他のそれより長いか又は短い間隔で、その後追加免疫を行うことができる。少なくとも最初の投与後、そして場合によりその後の追加免疫後、動物により産生される抗トピラメート抗体を回収することができる(ブロック20)。以前免疫原を投与された動物由来の血液、血清、血漿、又は他の生物学的試料を得て、抗体を回収できる。場合により、その後、当該技術分野に周知であるように、抗体含有組成物をプロセシングしてもよく(ブロック22)、当該プロセシングには、抗体を、免疫診断アッセイを行うのに適した形式にする技術も含まれうる。あるいは、プロセシングには、周知の技術及び確立された技術による、ELISAを用いた抗体のスクリーニングが含まれうる。つまり、プロセシングを用いて、ポリクローナル抗体を得ることができ(ブロック24)、これによりポリクローナル抗体を精製することができる(ブロック26)。あるいは、当該技術分野に周知の技術を用いて、モノクローナル抗体を得ることもでき、これによりモノクローナル抗体を精製することもできる。
【0099】
IV.免疫診断アッセイ
[0115]血液、血漿、血清、組織等の試料中のトピラメートの存在を同定するため、モノクローナル又はポリクローナルの抗トピラメート抗体を、免疫アッセイで用いることもできる。これは、患者又は患者集団におけるトピラメートに関する薬物動態学的及び/又は薬力学的パラメーターを同定又は決定するのに有益でありうる。したがって、トピラメートの存在を同定し、場合によりトピラメートの量を定量化するためのアッセイを構成できるように、免疫診断アッセイにおいて、他の抗体の代わりに、抗トピラメート抗体を用いてもよい。さらに、免疫診断アッセイは、本発明記載のトピラメート類似体又は他のトピラメート類似体を用いてもよい。
【0100】
A.トピラメートに関する蛍光偏光免疫アッセイ
[0116]蛍光偏光免疫アッセイ(FPIA)技術は、試料中の抗原/薬剤と既知の濃度の標識抗原/薬剤との競合的結合に基づく。FPIA技術は、本明細書に援用される米国特許第4,593,089号、第4,492,762号、第4,668,640号、及び第4,751,190号に記載がある。したがって、援用される参考文献に記載されるFPIA試薬、系、及び装置を、抗トピラメート類似体抗体でもある抗トピラメート抗体とともに用いることができる。
【0101】
[0117]トピラメートの存在を同定するため、及び試料中のトピラメートの量を定量化するアッセイで、FPIA技術を用いることができる。一つには、溶液中の分子の回転特性により、偏光の程度が分子の大きさに正比例させることができるようになる。したがって、偏光は、分子の大きさが大きくなるにつれて高まる。すなわち、溶液中で迅速に回転する小さい蛍光標識又は他の発光標識トピラメート又はその類似体を、直線偏光を用いて励起すると、放出される光の偏光は有意に解消される。蛍光標識トピラメート又は類似体が、抗体と相互作用するか又は抗体に結合すると、回転が遅くなり、放出される光の偏光が高まる。これは、抗体が有意に測定できる程度に複合体を大きくするためである。また、試料中の非標識トピラメートの量を増やすと、その結果、抗トピラメート抗体による蛍光標識トピラメート又は類似体の結合が減少して、試料から放出される光の偏光が低下する。既知の濃度のトピラメートを用いて、較正の偏光値を測定することにより、偏光と試料中の非標識トピラメートの濃度の間の定量的関係を確立することもできる。したがって、FPIAを用いて試料中のトピラメートの存在及び濃度を同定することもできる。
【0102】
[0118]本発明の1の態様は、FPIAアッセイ系である。FPIA系の構成要素の例としては、以下があげられる:i)トピラメート及びトピラメート類似体へ特異的に結合できるモノクローナル又はポリクローナル抗トピラメート抗体;ii)トピラメートを含有すると推測される試料;及びiii)フルオレセイン等の蛍光部分で標識されたトピラメート類似体である。あるいは、試料を除いたキットとして系を提供することもできる。さらに、系には、様々な緩衝剤組成物、トピラメート濃度勾配組成物又はトピラメートのストック組成物等を含んでもよい。
【0103】
[0119]図2は、FPIAアッセイを行う方法の1の態様110を例示する流れ図である。このように、発光標識ラモトリジン又は類似体共役体を得ることができ(ブロック112)、抗トピラメート抗体を得ることもできる(ブロック114)。さらに、トピラメートを投与された患者由来の、トピラメートを含有すると推測される生物学的試料等の試料を得ることもできる(ブロック116)。競合的結合アッセイに用いるため、既知の量又は濃度の発光標識トピラメート共役体及び抗トピラメート抗体を得て、標準的緩衝剤系中等で、他の組成物中に配合することもできる(ブロック118)。その後、反応溶液中で、抗トピラメート抗体及び発光標識トピラメート共役体を生物学的試料と合わせる(ブロック120)。発光標識トピラメート共役体と生物学的試料中の未知の量のトピラメートとの間で、反応溶液中の抗トピラメート抗体との競合反応が起こる(ブロック122)。適切な期間及び/又は競合後、発光共役体に照射するが(ブロック124)、これは光照射、化学薬品照射、温度照射等によってもよい。その後、照射により放出される光の偏光を測定し(ブロック126)、そして既知量のトピラメート及び/又は発光共役体の偏光値と比較し(ブロック128)、これを用いて、試料中にトピラメートが存在するか否かを決定することができる(ブロック130)。さらに、既知の濃度の標準から得た標準化測定値と生物学的試料から得た測定値の比較を用いて、試料中トピラメートの量を定量化することができ(ブロック132)、それにより、患者におけるラモトリジン量を同定することができる(ブロック134)。
【0104】
B.トピラメートに関する均一系微粒子免疫アッセイ
[0120]免疫比濁アッセイという、均一系微粒子免疫アッセイ(「HMI」)技術は、溶液中の粒子及び化合物の凝集に基づく。粒子及び/又は化学的化合物が凝集すると、粒子の大きさが増して溶液の濁度が高まる。したがって、試料中のトピラメートの存在、及び場合により量を評価するため、微粒子及びトピラメート類似体と共に抗トピラメート抗体を用いることもできる。免疫アッセイは血液、溶血溶液、血清、血漿、組織及び/又は他の試料で行うことができるため、HMI技術は好適でありうる。微粒子上に装填されたトピラメート及び/又は類似体を用いるか、あるいは微粒子上に装填された抗トピラメート抗体を用いて行うようにHMIアッセイを設定することもできる。微粒子に効率的に装填できるため、微粒子上に装填された類似体を用いることが特に好適でありうる。いずれにしても、HMI又は免疫比濁アッセイは試料中の物質の凝集を測定するものとして、当該技術分野に周知である。
【0105】
[0121]免疫比濁アッセイ技術は、参照により本明細書に含まれる、米国特許第5,571,728号、第4,847,209号、第6,514,770号、第6,248,597号に記載される。簡潔には、均一系アッセイ法では、主に光減衰、ネフェロメトリー法、又は比濁法を用いる。試料内に導かれた入射光線の分散又は吸収で生じる変化により、トピラメート(A)及び抗トピラメート抗体微粒子結合パートナー(B)からの凝集化合物ABの形成を測定することができる。あるいは、抗トピラメート抗体(A)を、微粒子に装填されたトピラメート又は類似体と結合させることもできる。結合パートナーが固定された懸濁可能な粒子を用いると、効果が増進され、これによりかなり低濃度でもトピラメート濃度を測定することができる。これらの均一系法は、迅速かつ簡易に実行でき、そして特に、以下により詳細に記載するような試料分析自動化が可能になる。
【0106】
[0122]例えば、大量スクリーニング用途では、分析法は完全に自動化されていることが望ましい。つまり、分析物との特異的反応の結果、増感されたラテックス粒子等の粒子による光散乱の変化を検出する装置を設計することができる。本装置を利用するアッセイは、ラテックス粒子懸濁物の表面積が広く及び光散乱の物理的原理のため高感度になりうる。検出の主な原理としては、2以上の粒子が凝集中に緊密に接触した際の光散乱変化があげられる。光線が非凝集粒子を含有する反応セルを通過する際、粒子による屈折、反射、吸収、及び回折のためにある程度の光散乱がありうる。したがって、この原理は、トピラメート等の標的分析物の粒子凝集阻害能を測定するために有益でありうる。抗体/抗原結合の初期段階中、複合体が形成され始める際に、本複合体はより大きい粒子のように作用するため、散乱光強度の角度分布を実質的に改変することができる。以下により詳細に記載する比濁検出及び他の方法により、凝集により、より大きい粒子が生成した結果の光散乱変化を測定することができる。SeradynのトピラメートQMS(登録商標)試薬により完全に自動化できるようになり、多くの臨床的化学反応分析装置に適用できる。
【0107】
[0123]図3は、トピラメート等の遊離薬剤がある生物学的試料及びトピラメート類似体でもよいハプテンをコーティングした粒子試薬と、抗体緩衝液を合わせる競合アッセイの図解である。生物学的試料がほとんど又は全くトピラメートを含有しない場合は凝集は阻害されない。試料中のトピラメート量が増加しても、部分的な凝集しかおこらず、部分的にしか阻害されない。さらに、試料中に多量のトピラメートがあれば、凝集は完全に阻害される。したがって、凝集の分析を用いて、トピラメートの存在を同定することもできる。また、図4に示すトピラメート濃度の標準化曲線を用いて、凝集からの吸光度変化に基づき、試料中のトピラメート量を同定することもできる。
【0108】
i.トピラメートが装填された微粒子
[0124]図5は、HMIアッセイを行う方法の1の態様210を例示する流れ図である。これによれば、トピラメート類似体を得て(ブロック212)、微粒子上に装填してもよく(ブロック214)、微粒子は例えば、Seradyn, Inc.(インディアナ州インディアナポリス)により製造及び/又は販売された、ポリスチレン、カルボキシレートで修飾されたポリスチレン、ストレプトアビジンをコーティングした磁気粒子等を含んでもよい。トピラメートを投与した患者由来のトピラメートを含有すると推測される生物学的試料等の試料を得ることもできる(ブロック216)。本発明により、トピラメート及びトピラメート類似体に結合できるモノクローナル又はポリクローナル等の抗トピラメート抗体を得た(ブロック218)後、場合により、標準的緩衝剤系に配合する(ブロック220)。その後、抗体組成物をトピラメート微粒子及び生物学的試料と合わせるが(ブロック222)、ここで抗体及び微粒子に結合したトピラメート類似体の量は既知である。微粒子上に固定されたトピラメート類似体と生物学的試料中のトピラメートとの間で、反応溶液中の限定された量の抗トピラメート抗体への結合に関して、競合反応が起こる(ブロック224)。トピラメートが装填された微粒子の抗体での凝集は、生物学的試料中のトピラメートの存在で阻害されるが、凝集阻害は生物学的試料中のトピラメート濃度に正比例する。これにより、周知の比濁アッセイで、試料中のトピラメートの存在を測定できるようになる(ブロック226)。さらに、既知の濃度の標準から得た標準化測定値と生物学的試料から得た測定値との比較を用いて、試料中のトピラメート量を定量化して(ブロック228)、それにより患者のトピラメート量を同定することもできる(ブロック230)。
【0109】
[0125]本発明の1の態様は、トピラメート類似体が装填された微粒子のHMIアッセイ系である。HMI系の構成要素の例としては以下があげられる:i)トピラメート及びトピラメート類似体に特異的に結合できるモノクローナル又はポリクローナル抗トピラメート抗体;ii)トピラメートを含有すると推測される試料;及びiii)ポリスチレン微粒子等の微粒子にカップリングしたトピラメート類似体。あるいは、試料を含まないキットとして系を提供することもできる。さらに、系には、様々な緩衝剤組成物、トピラメート濃度勾配組成物又はトピラメートのストック組成物等を含んでもよい。
【0110】
ii.抗トピラメート抗体装填微粒子
[0126]トピラメートが装填された微粒子に関して、上記と類似の他の態様では、トピラメート及びトピラメート類似体に結合できる抗トピラメート抗体を微粒子上に装填する。トピラメート類似体には、例えばウシ血清アルブミン、オボアルブミン、デキストラン等の選択した作用基が含まれてもよい。トピラメート類似体と患者試料中のトピラメートとの間で、微粒子上に固定された抗トピラメート抗体への結合に関して、競合反応が起こる。ここでも、微粒子の凝集は、患者試料中にトピラメートがあると粒子の凝集は阻害される。
【0111】
[0127]図6は、HMIアッセイを行う方法の他の態様310を例示する流れ図である。これにより、トピラメート及びトピラメート類似体に特異的に結合できる抗トピラメート抗体を得て(ブロック312)、微粒子上に装填することができる(ブロック314)。を投与された患者由来の、トピラメートを含有すると推測される生物学的試料等の試料を得ることもできる(ブロック316)。適切な作用基を含むトピラメート類似体を得ることができる(ブロック318)。競合的結合アッセイで用いるために、既知の量又は濃度のトピラメート類似体及び抗トピラメート抗体が装填された微粒子を標準的緩衝剤系等の他の組成物中に配合する(ブロック320)。その後、抗体−微粒子組成物を、トピラメート類似体組成物及び生物学的試料と合わせる(ブロック322)。反応溶液中、トピラメート類似体と生物学的試料中のトピラメートとの間で、微粒子上に固定された抗トピラメート抗体との競合反応が起こる(ブロック324)。生物学的試料中にトピラメートがあると、抗トピラメート抗体が装填された微粒子のトピラメート類似体での凝集が阻害されるが、ここで、凝集阻害は生物学的試料中のトピラメート濃度に正比例する。これにより、周知の比濁アッセイで試料中のトピラメートの存在を測定できるようになる(ブロック326)。さらに、既知の濃度の標準から得た標準化測定値と生物学的試料から得た測定値との比較を用いて、試料中のトピラメート量を定量化することにより(ブロック328)、患者のトピラメート量を同定することもできる(ブロック330)。
【0112】
[0128]本発明の1の態様は、抗トピラメート抗体が装填された微粒子のHMIアッセイ系である。HMI系の構成要素の例としては、以下があげられる:i)トピラメート及びトピラメート類似体に結合できるモノクローナル又はポリクローナル抗トピラメート抗体が装填された微粒子;ii)トピラメートを含有すると推測される試料;及びiii)場合により作用基を含んでもよいトピラメート類似体。あるいは、試料を除いたキットとして、アッセイ系を提供してもよい。さらに、アッセイ系には、様々な緩衝剤組成物、ラモトリジン濃度勾配組成物、あるいはラモトリジン又は類似体のストック組成物等が含まれてもよい。
【0113】
C.トピラメートに関するクローニング酵素供与体免疫アッセイ
[0129]クローニング酵素供与体免疫アッセイ(「CEDIA(登録商標)」、Roche Diagnosticsの商標)は、治療薬の存在を同定し、定量的測定を行うための非常に正確で有効な方法であることが立証されている。CEDIA(登録商標)技術は、以下の特許に詳細に記載されている:(a)競合的均一系アッセイ法を開示する米国特許第4,708,929号;(b)酵素供与体断片をコードする組換えDNA配列及び当該ベクターの宿主を開示する米国特許第5,120,653号;(c)酵素供与体断片のアミノ酸配列を開示する米国特許第5,604,091号;及び(d)CEDIAアッセイ用のキットを解説する米国特許第5,643,734号、ここで上記特許はすべて本明細書に援用される。簡潔には、CEDIA(登録商標)技術は、トピラメートに結合できる抗体への結合に関する、大腸菌由来のβ−D−ガラクトシド・ガラクトヒドロラーゼ又はβ−ガラクトシダーゼ(「βgal」)由来等の、遺伝子操作された不活性酵素供与体(「ED」)断片にカップリングしている類似体と、生物学的試料中のトピラメートの競合に基づく。が試料中に存在する場合、トピラメートが抗体に結合して、ED−類似体共役体のED部分が自由になり、酵素受容体(「EA」)断片と会合できるようになるため、反応混合物中でβ−D−ガラクトシド・ガラクトヒドロラーゼ又はβgalの酵素活性が回復する。その後、適当な基質に曝露されると、活性酵素を定量化できる反応産物を生じることができるようになる。好ましい基質はクロロフェノールレッド−β−D−ガラクトピラノシド(「CPRG」)であり、ED及びEA断片を有する活性酵素に切断されて、ガラクトース及びCPRになることができ、約570nmの波長の吸光度でCPRを測定する。トピラメートが試料中に存在しない場合、抗体は、ED−類似体共役体に結合して、ED断片とEA断片の会合を阻害して酵素活性の回復を阻害する。反応産物の量及び生じる吸光度変化は、試料中のトピラメート量に比例する。
【0114】
[0130]図7は、CEDIA(登録商標)アッセイを行う方法の1の態様410を例示する流れ図である。これにより、トピラメート−ED共役体を得ることができるが(ブロック412)、これはトピラメート類似体とEDを共役化しても得ることができる。また、EDと対応するEAを得ることができる(ブロック414)。さらに、トピラメートを投与した患者由来のトピラメートを含有すると推測される生物学的試料等の試料を得ることができる(ブロック416)。本発明記載の方法により、トピラメート−ED共役体とも相互作用できる抗トピラメート抗体得ることができる(ブロック418)。競合的結合アッセイで用いるため、既知の量又は濃度のトピラメート−ED共役体、EA、及び抗トピラメート抗体を得て、標準的緩衝剤系等の他の組成物中に配合する(ブロック420)。次いで、反応溶液中で、トピラメート−ED共役体及び抗体を生物学的試料と合わせる(ブロック422)。場合により、この時点又は抗体との競合的相互作用が起こるのに十分な時間が経過した後、反応溶液中で、EAもまた合わせる。既知の量のトピラメート−ED共役体と生物学的試料中のトピラメートとの間で、反応溶液中の既知量の抗トピラメート抗体との競合反応が起こる(ブロック424)。競合反応後、EAを反応溶液中に導入後、ED−EA酵素切断可能基質を反応溶液中に導入する(ブロック426)。ED−EA酵素と酵素を切断することができる基質との間の酵素活性を測定するが(ブロック428)、これは、切断産物の吸光度を測定するか又は他の周知の測定技術で測定することもできる。酵素活性の測定を用いて、試料中にトピラメートが存在するかどうかを決定することもできる(ブロック430)。さらに、既知の濃度の標準から得た標準化測定値と生物学的試料から得た測定値の比較を用いて、試料中のトピラメート量を定量化することもでき(ブロック432)、それにより、患者のトピラメート量を同定することもできる(ブロック434)。
【0115】
[0131]本発明の1の態様は、CEDIA(登録商標)アッセイ系である。CEDIA(登録商標)系の構成要素の例としては以下があげられる:i)トピラメート、トピラメート類似体、及び/又はトピラメート−ED又はトピラメート−EAに結合できるモノクローナル又はポリクローナル抗トピラメート抗体;ii)トピラメートを含有すると推測される試料;iii)ED又はEAにカップリングしたトピラメート類似体;並びにiv)ED及びEAが系に存在するように、酵素活性を回復するためにトピラメート−ED又はトピラメート−EAと会合するような、ED又はEAの一方。また、試料を除いてキットとしてアッセイ系を提供してもよい。さらにアッセイ系は、様々な緩衝剤組成物、トピラメート濃度勾配組成物又はトピラメートのストック組成物等を含んでもよい。
【0116】
D.トピラメートに関する化学発光不均一系免疫アッセイ
[0132]また、化学発光微粒子免疫アッセイ(「CMIA」)技術を用いた競合的アッセイを用いて試料中にトピラメートが存在するか否かを評価することもできる。不均一系免疫アッセイの技術分野で、試料中の化学物質の存在及び/又は量を決定するための様々な種類のCMIA技術が周知であり、CMIA技術のいくつかは、本明細書に援用される、米国特許第6,448,091号、第5,798,083号、及び第5,834,206号に例示される。当該CMIAアッセイには、特定の磁気粒子、又はろ過、沈降、及び/又は他の手段による分離に適した粒子等の粒子にカップリングした、トピラメート及びその類似体に結合できる抗トピラメート抗体を用いることを含む。さらに、適当な化学発光部分、例えばアクリジニウムエステルに連結されたトピラメート類似体を含んでもよいトレーサーを用いて、粒子上の限定量の抗トピラメート抗体に関して、患者試料中の遊離トピラメートと競合させることもできる。試料、トレーサー、及び抗体粒子が相互作用し、ルーチンの洗浄工程により未結合トレーサーを除去した後、抗体粒子に結合したトレーサーの量を、相対光単位(RULE)で表される化学発光で測定することもできる。化学発光の量は、患者試料中の遊離薬剤の量に反比例し、既知の値の薬剤を用いた標準曲線を構築して、濃度を決定する。
【0117】
[0133]図8は、CMIAアッセイを行う方法の1の態様510を例示する流れ図である。これによれば、抗トピラメート抗体−粒子共役体を得ることができ(ブロック512)、これは、磁気粒子等の粒子と抗体をカップリングすることにより実行される。また、化学発光部分を有するトピラメート類似体を含むトレーサー化合物を得ることができる(ブロック514)。さらに、トピラメートを投与された患者由来のトピラメートを含有すると推測される生物学的試料等の試料を得ることもできる(ブロック516)。競合的結合アッセイで用いるために、既知量又は濃度のトレーサー及び抗トピラメート抗体−粒子共役体を、標準的緩衝剤系等の別個の組成物中に配合配合することもできる(ブロック518)。その後、反応溶液中で抗トピラメート抗体−粒子共役体及びトレーサーを生物学的試料と合わせる(ブロック520)。反応溶液中、トレーサーと生物学的試料中のトピラメートとの間で、抗トピラメート抗体−粒子共役体との競合反応が起こる(ブロック522)。十分な期間及び/又は結合競合の後、抗体−粒子共役体を反応溶液から分離する(ブロック524)。場合により、洗浄又は他の分離技術により、抗体−粒子共役体から未結合未結合トピラメート及び/又はトレーサーを除去することができる(ブロック526)。化学発光部分が、リン光、蛍光、又は測定できる他の発光による光を放出するようにトレーサーを励起して化学発光量を決定することができる(ブロック528)。しばしば、化学発光は、RLUで測定される蛍光である。化学発光の測定を用いて、トピラメートが試料中に存在するか否かを決定することもできる(ブロック530)。さらに、既知の濃度の標準から得た標準化測定値と生物学的試料から得た測定値との比較を用いて、試料中のトピラメート量を定量化し(ブロック532)、それから患者のトピラメート量を同定することもできる(ブロック534)。
【0118】
[0134]本発明の1の態様は、CMIAアッセイ系である。CMIA系の構成要素の例としては、以下があげられる:i)トピラメート及びトピラメート類似体に結合できるモノクローナル又はポリクローナル抗トピラメート抗体が装填された粒子又は微粒子;ii)トピラメートを含有すると推測される試料;及びiii)類似体トレーサー。または、試料を除いてキットとしてアッセイ系を提供することもできる。さらに、系には、様々な緩衝剤組成物、トピラメート濃度勾配組成物、あるいはトピラメート又は類似体のストック組成物等が含まれてもよい。
【0119】
E.トピラメートに関する他の免疫アッセイ
[0135]本明細書記載のトピラメート類似体、共役体、抗体、免疫原及び/又は他の共役体はまた、酵素又は蛍光を含むがこれらに限定されないある範囲の検出系を用いた、いくつかの他の不均一系免疫アッセイ、及び/又は迅速側方流動アッセイを含むがこれらに限定されない均一系免疫アッセイ、及び抗体アレイ、並びに未だに開発されていない形式のいずれにも適している。
【0120】
[0136]トピラメート類似体、共役体、抗体、免疫原及び/又はトレーサーを利用する、様々な免疫診断アッセイを本明細書に記載しているが、当該技術分野で周知のように、当該アッセイを修飾することもできる。つまり、本発明の範囲内で当該免疫アッセイを行うための工程又は行為に様々な修飾を施すこともできる。
【0121】
実施例
[0137]以下の実施例は、予防の態様を例示するために提供され、限定することを意図するものではない。したがって、ある例は実験を介して行われ、そしてあるものは当該技術分野に周知の技術、標準、及び結果に基づく予測である。また、本発明には、実施例に例示されない他の態様が含まれることが明らかであるべきである。さらに、本発明により調製されるトピラメート類似体、抗原、免疫原、及び抗トピラメート抗体を用いて、当該技術分野で周知の実験プロトコルを用いて多くの例が実行されている。したがって、こうした例は、すべて本明細書に援用される、以下の参考文献により補完される:(a)Caryl Griffinら, Microparticle Reagent Optimization: A Laboratory Reference Manual from the Authority on Microparticles, Seradyn(1994);及び(b)Boehringer Mannheim Corporation Technical Publications Department, Hitachi Operation Manual: Version B, Boehringer Mannheim Corporation Laboratory Diagnostic Division(1992);及び(c)NCCLS認可指針、2004年8月。
【実施例1】
【0122】
[0138]図9は、塩化トピラメート(1)をスルファメート・共役化アミノエチル−トピラメート類似体(2)に変換する化学反応の模式図である。丸底フラスコ中、約0.16mlのエチレンジアミン溶液を、約0.3mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン及び0.5mlのDMFの溶液に添加する。フラスコを氷槽中で冷却してアルゴン(「Ar」)ガス下で攪拌した後、1.0mlのDMF中の203mgの塩化トピラメートの溶液を添加して反応混合物を形成する。反応混合物をArガス下で12時間攪拌する。減圧下で溶媒を蒸発させて残渣を形成し、これを、メタノール溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製する。トピラメートのアミノエチル類似体(2)を含有する分画を合わせて濃縮し、約90mgを得る。
【実施例2】
【0123】
[0139]続いて図9を参照して、トピラメートのアミノエチル類似体(2)を、リンカーが長い活性エステルを有する他の類似体(3)に変換する化学反応の模式図を示す。氷槽中の丸底フラスコ中、約150mgのDSSを、2mlの無水DMF及び0.05mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンの溶液に添加し、次いで、Ar下で攪拌する。次いで、1mlのDMF中の約45mgのトピラメートのアミノエチル類似体(2)(氷槽中で予め冷却)をフラスコに滴下して反応混合物を形成する。反応混合物をAr下、氷槽中で3時間攪拌後、減圧下で溶媒を蒸発させて残渣を形成し、これを、酢酸エチル・ヘキサン(8:2)溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製する。トピラメートの活性エステル(3)を含有する分画を合わせて濃縮し、約20mgを得る。
【実施例3】
【0124】
[0140]図10Aは、トピラメートを、トピラメートのスルファメート・共役化スクシニル類似体(4)に変換する化学反応の模式図である。250mlの丸底フラスコ中、20mlのTHF(無水)中の約2gのトピラメートの溶液を、約2mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと合わせてAr下で攪拌する。約1.24gの無水コハク酸及び50mgのDMAPを上記溶液に添加して反応混合物を形成する。反応混合物をAr下で12時間攪拌して減圧下で溶媒を蒸発させて、残渣を形成する。溶出剤として酢酸エチルを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのスクシニル誘導体(4)を含有する分画を合わせて濃縮し、約200mgを得る。
【実施例4】
【0125】
[0141]図10Bは、トピラメートを、トピラメートのスルファメート・共役化グルタリル類似体(5)に変換する化学反応の模式図である。250mlの丸底フラスコ中、10mlのTHF(無水)中の400mgのトピラメートの溶液を、0.8mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと合わせてAr下で攪拌する。次いで、約520mgの無水グルタル酸及び20mgのDMAPを添加して反応混合物を形成する。反応混合物を60℃で60時間攪拌して減圧下で溶媒を蒸発させて、残渣を形成する。酢酸エチル溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのグルタリル誘導体(5)を含有する分画を合わせて濃縮し、約160mgを得る。
【実施例5】
【0126】
[0142]図11は、トピラメートのアミノエチル類似体(2)を、脂肪族エステル基があるトピラメートのスルファメート・共役化類似体(6)に変換する化学反応の模式図である。250mlの丸底フラスコ中、10mlのDMF(無水)中の50mgのアミノエチルトピラメート(2)の溶液を、0.8mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと合わせてAr下で攪拌する。次いで、約100mgのt−ブチル−4−ブロモブチレート及び20mgのDMAPを添加して反応混合物を形成する。反応混合物を80℃で24時間攪拌して減圧下で溶媒を蒸発させて、残渣を形成する。酢酸エチル溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのスルファメート・共役化類似体(6)を含有する分画を合わせて濃縮し、約30mgを得る。
【実施例6】
【0127】
[0143]続いて図11を参照して、トピラメートのスルファメート・共役化類似体(6)を、カルボン酸基を有するトピラメートの他のスルファメート・共役化類似体(7)に変換する化学反応の模式図を示す。250mlの丸底フラスコ中、5mlのトリフルオロ酢酸中の50mgのトピラメートのスルファメート・共役化類似体(6)の溶液を、5mlのジクロロメタンと合わせてAr下で攪拌する。反応混合物を室温で30分間攪拌して減圧下で溶媒を蒸発させて残渣を形成する。酢酸エチル溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのスルファメート・共役化類似体(7)を含有する分画を合わせ、濃縮して、約20mgを得る。
【実施例7】
【0128】
[0144]続いて図11を参照して、トピラメートのスルファメート・共役化類似体(7)を、活性NHS基を有するトピラメートの活性化エステル(8)に変換する化学反応の模式図を示す。具体的には、7mlの無水DMF中の100mgのトピラメート類似体(7)の溶液を0℃に冷却して0.1mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加して反応混合物を形成する。110mgのO−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートを添加して、反応混合物を反応させる。反応混合物を室温まで加温して一晩攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮して溶出剤として酢酸エチル/メタノールを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製し、およそ60mgのトピラメートの活性エステル(8)を得る。
【実施例8】
【0129】
[0145]図12は、トピラメートを、トピラメートのスルファメート・共役化フェニル類似体(9)に変換する化学反応の模式図である。250mlの丸底フラスコ中、10mlのジクロロメタン中の100mgのトピラメートの溶液を、60mgの4−カルボキシベンズアルデヒド及び40mgのシアノ水素化ホウ素ナトリウムと合わせてAr下で攪拌する。反応混合物を室温で1日攪拌する。水で反応停止して50mlのジクロロメタンで3回抽出する。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、回転蒸発装置上で溶媒を除去する。酢酸エチル溶出剤を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのフェニル類似体(9)を含有する分画を合わせて濃縮して、約50mgを得る。
【実施例9】
【0130】
[0146]続いて図12を参照して、トピラメートのフェニル類似体(9)を、フェニル類似体の活性化NHSエステル(10)に変換する化学反応の模式図を示す。具体的には、5mlの無水DMF中の90mgのトピラメートのフェニル類似体(9)の溶液を0℃に冷却して0.1mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加して反応混合物を形成する。95mgのO−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートを添加して反応混合物を反応させる。反応混合物を室温まで加温して一晩攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮して溶出剤として酢酸エチル/メタノールを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製して、およそ50mgのフェニル類似体の活性エステル(10)を得る。
【実施例10】
【0131】
[0147]図13は、トピラメートを、トピラメートのスルファメート・共役化酪酸類似体(11)に変換する化学反応の模式図である。250mlの丸底フラスコ中、10mlのジクロロメタン中の400mgのトピラメートの溶液を、100mgのシアノ水素化ホウ素ナトリウム及び100mgのコハク酸セミアルデヒド(水中の重量15%)と合わせて室温で一晩攪拌する。20mlの脱イオン水で反応停止して、0.1N HClで酸化して40mlのジクロロメタンで3回抽出する。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、回転蒸発装置上で溶媒を除去する。酢酸エチル溶出剤を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートの酪酸類似体(11)を含有する分画を合わせて濃縮して、約160mgを得る。
【実施例11】
【0132】
[0148]続いて図13を参照して、トピラメートの酪酸類似体(11)を、酪酸類似体の活性化NHSエステル(12)に変換する化学反応の模式図を示す。具体的には、5mlの無水DMF中の100mgのトピラメートの酪酸類似体(11)の溶液を0℃に冷却して0.1mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加して反応混合物を形成する。105mgのO−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートを添加して反応混合物を反応させる。反応混合物を室温まで加温して一晩攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮して溶出剤として酢酸エチル/メタノールを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製して、およそ500mgの酪酸類似体の活性エステル(12)を得る。
【実施例12】
【0133】
[0149]図14は、トピラメートを、トピラメートの9−ヒドロキシ類似体(13)に変換する化学反応の模式図である。100mlの丸底フラスコ中、10mlのTHF(無水)中の40mgの9−ヒドロキシトピラメートの溶液を、0.1mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン及び0.1mlのエチル−4−イソシアノブチレートと合わせてAr下で攪拌する。反応混合物を80℃で2日間攪拌する。反応を室温に冷却して回転蒸発装置上で溶媒を除去して、残渣を生じる。酢酸エチル溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのエチルエステル類似体(13)を含有する分画を合わせて濃縮して、約20mgを得る。
【実施例13】
【0134】
[0150]続いて図14を参照して、トピラメートを、トピラメートの9ヒドロキシ類似体(14)に変換する化学反応の模式図を示す。100mlの丸底フラスコ中、2mlのメタノール中の40mgの9−ヒドロキシトピラメート類似体(13)の溶液を、2mlの水性1N NaOHと合わせる。反応混合物を室温で1日攪拌した後、減圧下で濃縮して、残渣を生じる。酢酸エチル溶出剤を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製する。トピラメートのカルボキシレート類似体(14)を含有する分画を合わせて濃縮して、約20mgを得る。
【実施例14】
【0135】
[0151]続いて図14を参照して、トピラメートのカルボキシレート類似体(14)を、トピラメート類似体の活性化NHSエステル(15)に変換する化学反応の模式図を示す。具体的には、5mlの無水DMF中の100mgのトピラメートのカルボキシレート類似体(11)の溶液を0℃に冷却して0.1mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加して反応混合物を形成する。105mgのO−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートを添加して反応混合物を反応させる。反応混合物を室温まで加温して一晩攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮して溶出剤として酢酸エチル/メタノールを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで残渣を精製して、およそ500mgのトピラメート類似体の活性エステル(15)を得る。
【実施例15】
【0136】
[0152]図15は、典型的な目的のため、トピラメート類似体をトピラメート抗原(16)に変換する化学反応の模式図である。トピラメート抗原(16)は米国特許第5,952,182号に基づく。2mlのジメチルアセトアミド及び0.2mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン中の109mgのN−カルボキシメチル−トピラメート及び40mgのN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)の溶液をドライアイス/イソプロパノール槽(−20℃〜−15℃)上で冷却して100μlの3.15Mジシクロヘキシルカルボジイミド(ジメチルアセトアミド中の240mgのDCC)で処理して反応混合物を形成する。反応混合物をドライアイス槽中で冷却しながら15分間攪拌した後、他の100μlのDCC溶液を添加する。反応混合物をAr下で一晩攪拌して室温まで加温する。磁気スターラーを入れた丸底フラスコ中で、約70mgのBSAタンパク質を有する約4mlのpH7.2の0.1M PBS緩衝液を氷槽中で冷却しながら攪拌する。タンパク質溶液を30分間攪拌して1mlのDMSOを滴下する。上記冷却タンパク質溶液を、トピラメート反応混合物に滴下して低温室(4℃)中で一晩攪拌させる。生じた共役体を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて1lのpH7.2のPBS中の20%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO中、室温で連続透析した後、4℃でpH7.2のPBSと4回交換する(各1リットル、少なくとも各々6時間)。クーマシーブルータンパク質アッセイ(Bio−Rad)を用いて、抗原(16)のタンパク質濃度を、およそ5.0mg/mlと決定する。
【実施例16】
【0137】
[0153]図15は、典型的な目的のため、トピラメート類似体をトピラメート免疫原(17)に変換する化学反応の模式図である。トピラメート免疫原(17)は、米国特許第5,952,182号に基づく。2mlのジメチルアセトアミド及び0.2mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン中の109mgのN−カルボキシメチル−トピラメート及び40mgのN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)の溶液をドライアイス/イソプロパノール槽(−20℃〜−15℃)上で冷却して100μlの3.15Mジシクロヘキシルカルボジイミド(ジメチルアセトアミド中の240mgのDCC)で処理して、反応混合物を形成する。反応混合物をドライアイス槽中で冷却しながら、15分間攪拌した後、他の100μlのDCC溶液を添加する。反応混合物をAr下で一晩攪拌して反応中に室温まで加温する。磁気スターラー入りの丸底フラスコ中で、約80mgのKLHタンパク質を有する約8mlのpH7.2の0.1M PBS緩衝液を氷槽中で冷却しながら攪拌する。タンパク質溶液を30分間攪拌して1mlのDMSOを滴下する。上記冷却タンパク質溶液を、トピラメート反応混合物に滴下して低温室(4℃)中で一晩攪拌させる。生じた共役体を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて1lのpH7.2のPBS中の20%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO中、室温で連続透析した後、4℃でpH7.2のPBSと4回交換する(各1リットル、少なくとも各々6時間)。クーマシーブルータンパク質アッセイ(Bio−Rad)を用いて、抗原(17)のタンパク質濃度を、およそ1.6mg/mlと決定する。
【実施例17】
【0138】
[0154]図16は、トピラメート類似体(3)を免疫原(18)に変換する化学反応の模式図である。8mlのpH7.2のPBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の80mgのキーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)の溶液を氷槽中で冷却する。約5.4mlのDMSOをKLH溶液に滴下して室温以下に維持する。1.6mlのDMSO中の20.4mgのトピラメート類似体(3)の溶液をKLH溶液に滴下して反応混合物を形成する。反応混合物を室温で40時間攪拌させる。生じたKLH免疫原(18)を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて1lのpH7.2のPBS中の35%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO中、室温で連続透析した後、4℃でpH7.2のPBSと4回交換する(各1リットル、少なくとも各々6時間)。クーマシーブルータンパク質アッセイ(Bio−Rad)を用いて、KLH免疫原(18)のタンパク質濃度を、およそ2.19mg/mlと決定する。
【実施例18】
【0139】
[0155]図17は、スクシニル又はグルタリルトピラメート類似体(4)を抗原(19)に変換する化学反応の模式図である。約500mgのBSAを250mlの丸底フラスコに入れて約37.5mlのPBSと合わせる。混合物を氷槽中で1時間攪拌して12.5mlのDMSOの溶液をBSA溶液に1滴ずつ10分間添加する。生じた溶液を氷槽中でさらに3時間攪拌する。他の丸底フラスコ中、約170mgのスクシニルトピラメート類似体(4)を、2mlのDMF及び0.15mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと合わせてAr下で20分間氷槽中で攪拌する。約130mgのO,N−スクシンイミジル,N,N,N,N−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートをトピラメート類似体溶液に添加した後、ゴムの隔壁で停止して4℃で4時間攪拌する。トピラメート類似体混合物を上記BSA溶液に1滴ずつ20分間添加する。生じたトピラメート抗原を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて1lのpH7.2のPBS中の30%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO中、室温で連続透析した後、4℃でpH7.2のPBSと4回交換する(各1リットル、少なくとも各々6時間)。クーマシーブルータンパク質アッセイ(Bio−Rad)を用いて、トピラメート抗原(19)のタンパク質濃度を、およそ5.0mg/mlと決定する。
【実施例19】
【0140】
[0156]図18は、スクシニルトピラメート類似体(3)を抗原(20)に変換する化学反応の模式図である。4mlのpH7.2のPBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の80mgのBSAの溶液を氷槽中で冷却する。約5.4mlのDMSOをBSA溶液に滴下して室温以下に維持する。1.6mlのDMSO中の20.4mgのトピラメート類似体(3)の溶液をBSA溶液に滴下して反応混合物を形成する。反応混合物を室温で40時間攪拌させる。生じたBSA共役体(20)を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて1lのpH7.2のPBS中の35%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO、次いで1lのpH7.2のPBS中の10%DMSO中、室温で連続透析した後、4℃でpH7.2のPBSと4回交換する(各1リットル、少なくとも各々6時間)。クーマシーブルータンパク質アッセイ(Bio−Rad)を用いて、BSA共役体(20)のタンパク質濃度を、およそ5mg/mlと決定する。
【実施例20】
【0141】
[0157]ポリクローナル抗体含有組成物を得て、トピラメート及びトピラメート一次代謝産物とポリクローナル抗体との交差反応量を決定するアッセイを行う。既知量のトピラメートを用いて抗トピラメート抗体と反応させる。既知の濃度のトピラメートを用いて、抗体調製物及び図19に示すようなヒドロキシ代謝産物(21)の間の交差反応性の量を計算する。交差反応性パーセントは、μg/mlのトピラメートの観察される濃度を100倍した後、μg/mlの添加した代謝産物の濃度で割ったものに等しい。これらの代謝産物を含有する標本では、交差反応性はまったく観察されない。
【実施例21】
【0142】
[0158]免疫原性共役体を有するトピラメート類似体を用いて、トピラメートと結合するポリクローナル抗体を調製する。より詳細には、KLH免疫原性部分を有するトピラメート免疫原(17)及び(18)を用いて抗トピラメートポリクローナル抗体を生成する。約0.5mlの免疫原(17)又は(18)含有組成物と約0.5mlのフロイントのアジュバントを混合して免疫原性組成物を調製する。次いで、生じた1mlの免疫原性カクテルをヒツジ又はウサギ等の動物に注射する。続いて、動物に抗トピラメートポリクローナル抗体を産生させるため、同じカクテルを有する免疫原性注射を4週ごとに動物に投与する。以下に記載するように、同じ抗原を用いたELISAを介して動物由来の血清をスクリーニングする。さらに、トピラメート抗原(16)、(19)、(20)等を用いてポリクローナル抗体プログラムを実行してもよい。
【実施例22】
【0143】
[0159]実施例21に記載した調製したポリクローナル抗体を調べるため、ELISAアッセイで使用するELISAプレートを調製する。すなわち、様々なトピラメート抗原(16)、(19)、及び(20)を、異なるELISAプレート上にコーティング後、抗トピラメート抗体を供して遊離トピラメートと競合させる。より詳細には、コーティング緩衝液中でトピラメート抗原を希釈した後、ELISAプレートのウェルに添加する。ELISAプレートを37℃で60分間インキュベート後、コーティング緩衝液中の溶媒を注ぎ、ブロッキング緩衝液をプレートに添加する。プレートを再び、37℃で60分間インキュベートしてブロッキング緩衝液中の溶媒をプレートから注ぐ。次いで、ウェル中にブロッキング剤を含むELISAプレートを2〜8℃で最長1週間保存する。
【実施例23】
【0144】
[0160](実施例23)
[0161]実施例22で調製したELISAプレートを用いて、免疫原(17)を用い実施例21で調製したポリクローナル抗体の抗体力価を決定する。すなわち、連続希釈を行い、各ウェル中の体積を同一100μlにする。pH7.4、0.1%BSAを含有するPBSで、1:10〜1:2000で抗体希釈を調製する。試料は10倍希釈し、希釈を1:100で開始してプレート上で10倍で連続希釈する。続いて、100μlの抗体試料をELISAプレート上の各ウェルに添加する。次いで、プレートを37℃で60分間インキュベートして0.05%tweenを含む250μlのPBS、pH7.4で3回洗浄する。次に、プレート上に先にコーティングした抗原とは異なる、125μlの希釈した二次抗原(PBS、pH7.4中)をプレートの各ウェルに添加する。プレートを37℃で60分間インキュベートしたものを、0.05%tween含有250μlのPBS、pH7.4で3回洗浄して力価を実験的に決定する。洗浄後、約125μlのABTS基質をプレート中の各ウェルに添加してプレートを再び20分間インキュベートする。プレートを405nmで読み取り、力価結果を表1に提供する。
【0145】
表1
【0146】
【表1】
【0147】
[0162]これらの結果は、免疫原(17)で生じた抗体力価が、微粒子凝集免疫アッセイには十分でないことを示す。すなわち、微粒子凝集免疫アッセイを極めて高い力価で行わなくてはならないためである。このように、免疫原(17)は、商業的免疫診断アッセイプロトコルに用いる程度に十分な抗体を生じない。
【実施例24】
【0148】
[0163]免疫原(17)を用いて調製した抗トピラメート抗体の、トピラメート類似体に対する結合活性を結合阻害試験により決定する。すなわち、0.1%BSAを含む1mlのPBS、pH7.4中で試料を調製する。30%Bmax力価又は50%Bmax力価を有する組成物を用いて得た力価値をおよそ半分の力価値に割る。30%Bmaxを用いて、試料調製段階中に1:10000の抗体力価を1:5000に希釈する。次いで、異なる濃度又は標準物質値(0、2、4、8、16、32μg/ml)の約50μlのトピラメートを、実施例22で調製したプレートに適用する。約50μlの希釈抗体をプレート内に分配してプレート中の組成物を水平プレート振盪装置上で1分間混合する。プレートは、トピラメートも抗トピラメート抗体も含有しない第1列で特定し、第1列を陰性対照として用いる。トピラメートを含有しない第2列を陽性対照として用いる。プレートを60分間インキュベートして0.05%tween含有250μlのPBS、pH7.4で3回洗浄する。PBS、pH7.4中の、抗原(16)、(19)、又は(20)等の約125μlの希釈二次抗体共役体をプレートの各ウェルに添加する。37℃で60分間インキュベートして0.05%tweenを含む250μlのPBS、pH7.4で3回洗浄して力価を実験的に決定する。続いて、約125μlのABTS基質をプレートの各ウェルに添加して20分間インキュベートする。プレートを405nmで読み取り、結果を表2及び3に提供する。
【0149】
表2
【0150】
【表2】
【0151】
表3
【0152】
【表3】
【0153】
[0164]表2及び3中の阻害(B/Bo)プロフィールは、免疫原(17)で生成される抗トピラメート抗体を示す。免疫原(17)はまた、アッセイ範囲にわたり、阻害比率の増分変化を示す商業的FPIA免疫アッセイでも用いられる。
【実施例25】
【0154】
[0165]実施例22で調製したELISAプレートを用いて、実施例21により免疫原(18)を用いて調製したポリクローナル抗体に関する抗体力価を決定する。実施例23と実質的に類似の実験プロトコルを用いて力価を決定する。プレートを405nmで読み取り、結果を表4に提供する。
【0155】
表4
【0156】
【表4】
【0157】
[0166]高力価(抗体を少ししか必要とせず、経済的である)かつ吸光度に優れる免疫診断アッセイを最適に実行することもできる。微粒子凝集免疫アッセイでは力価が高いことが特に重要である。免疫原(18)は、よりアクセス可能なエピトープを提供する長いリンカーのため、免疫原(17)よりも免疫原性である。表4の結果は、免疫原(18)で生じる抗体力価が、微粒子凝集免疫アッセイ等の商業的トピラメート免疫診断アッセイで用いるのに十分であることを示す。
【実施例26】
【0158】
[0167]実施例24と実質的に類似の実験プロトコルを用いて行う結合阻害試験で、トピラメート類似体に対する免疫原(18)で調製した抗トピラメート抗体の結合活性を決定する。プレートを405nmで読み取り、結果を表5及び6に提供する。
【0159】
表5
【0160】
【表5】
【0161】
表6
【0162】
【表6】
【0163】
[0168]表5及び6は、免疫原(18)で生成される抗トピラメート抗体の阻害(B/Bo)プロフィールを示す。B/Boの変化は、アッセイ範囲にわたり、増分的であるようである。したがって、本抗体は免疫アッセイに適している。
【実施例27】
【0164】
[0169]均一系粒子増進免疫比濁実験である免疫比濁又はQMS(登録商標)アッセイを行って、実施例21で調製したポリクローナル抗体を試験する。約0.05%アジ化ナトリウムを含むbis−tris緩衝液中、<1%未満で、免疫原(18)から調製したトピラメートと結合するヒツジ・ポリクローナル抗体で構成されるR1;及び0.05%のアジ化ナトリウムを含み、抗原(22)を含むトピラメートをコーティングした0.5%未満の微粒子で構成されるR2を含有する、使用準備済みの液体2試薬キットを用いて、トピラメートに関するQMS(登録商標)アッセイを行う。
【0165】
[0170]さらに、血清及び血漿から適切な標本を調製してもよい。標準的静脈穿刺技術により血清を収集してゲルバリアを含むか又は含まないガラス又はプラスチック試験管に入れる。遠心分離前に完全な血塊形成が起こっていることを確実にするため、ある標本、特に抗凝血剤又は血栓溶解剤療法を受けている患者由来の標本は、凝固時間が増したことを示しうる。血塊形成が完全になる前に標本を遠心分離した場合、フィブリンの存在により結果が誤ったものになる。したがって、収集後、出来るだけ速やかに赤血球から血清を分離してもよい。ヘパリンリチウム、ヘパリンナトリウム、EDTAカリウム及びヘパリンゲル血漿分離剤等の許容しうる抗凝血剤とともに血漿を用いてもよい。標準的静脈穿刺技術によって血漿を収集してガラス又はプラスチック試験管に入れてもよい。また、遠心分離を用いて血小板の適切な除去を確実にする。収集後、出来るだけ速やかに赤血球から血漿を分離してもよい。粒子状物質又は赤血球を含有する標本の結果は一貫性が場合もあるが、試験前に、推奨される8,000〜10,000RCFで10分間遠心分離すると、適切な標本を得ることができる。
【0166】
[0171]トピラメートを含む標本を用いると、結果が最高標準物質値を超えることもありうるため、標本を希釈してアッセイ法を始める。すなわち、標本を手動又は自動化内蔵(onboard)希釈プロトコルを用いて希釈してもよい。アッセイは、試料中の薬剤と微粒子上にコーティングされた薬剤との間で、トピラメート特異的抗体結合部位に関する競合に基づく。トピラメートがコーティングされた微粒子試薬は、抗トピラメート抗体試薬があるが試料中に競合薬剤がなければ迅速に凝集する。吸光度変化速度は測光で測定し、そして、粒子の凝集速度に正比例する。ラモトリジンを含有する試料を添加すると、凝集反応が部分的に阻害され、吸光度変化速度が低下する。濃度依存性の古典的凝集阻害曲線を得ることもでき、この場合は、最低トピラメート濃度(ゼロμg/ml)の場合に凝集速度が最大となり、最高トピラメート濃度(32μg/ml)の場合に凝集速度が最低となる。
【0167】
[0172]完全較正(6点)法を用いて較正した後、QMS(登録商標)トピラメートアッセイを始める。当該技術分野の平均的な技術で、操作マニュアルの指示に従ってQMS(登録商標)を行う。結果を表7に示す。
【0168】
表7
【0169】
【表7】
【0170】
[0173]表7に示す結果から、トピラメート抗原(19)をコーティングしたラテックス粒子が抗トピラメート抗体に関して、トピラメートと有効に競合できることが示される。すなわち、特にラテックス粒子とカップリングした場合、トピラメート抗原(18)を免疫比濁アッセイで用いることができる。
【実施例28】
【0171】
[0174]試験試料中の分析物の濃度に正比例する結果を提供する能力を例示するため、直線性を測定してもよい。すなわち、直線性は、典型的には、全体の系の応答を示し、公式化により公知か又は互いに比較して公知の分析物のレベルを試験して系の直線性を測定してもよい。系の結果をこれらの値に対してプロットする場合、プロットした曲線が直線に一致する程度が系の直線性の測定値である。
【0172】
[0175]定量的測定法の直線範囲を示すプロトコルは当該技術分野で周知である。簡潔には、本プロトコルを用いて直線性を評価して標本に適した基盤(matrix)の試料を分析する。以下の試料を調製する:CalB(2.0μg/ml)をCalA(0μg/ml)で希釈して1μg/mlのトピラメート試料を調製し;CalC(4.0μg/ml)をCalB(2.0μg/ml)で希釈して3μg/mlのトピラメート試料を調製し;CalD(8.0μg/ml)をCalC(4.0μg/ml)で希釈して6μg/mlのトピラメート試料を調製し;CalE(15.9.0μg/ml)をCalC(8.0μg/ml)で希釈し、11.9μg/mlのトピラメート試料を調製し;及びCalF(31.7μg/ml)をCalE(15.9μg/ml)で希釈して23.5μg/mlのトピラメート試料を調製する。
【0173】
[0176]試料又は品質管理物質をアッセイした後、データを収集して回収という平均試験結果として報告する。以下の等式に基づいて、回収パーセントを計算する:
回収%=平均回収濃度x100%
予測濃度
[0177]1回の実験中に試料を無作為にアッセイして回収比率を表8に提供する。
【0174】
表8
【0175】
【表8】
【0176】
[0178]回収比率は115%〜85%の範囲内である。データは商業的免疫診断アッセイに必要な感度及び精度の性能を裏付ける。結果の直線性を図20にグラフで示す。
【0177】
[0179]本発明の精神又は本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形式で、本発明を具現することもできる。記載する態様は、全ての観点で単に例示的であり、限定的とはみなされない。したがって、本発明の範囲は上記説明ではなく、請求項に示される。請求項の意味及び等価の範囲内に属するすべての変化が、その範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】[029]図1は、抗トピラメート抗体を調製する方法の態様を例示する流れ図である。
【図2】[030]図2は、トピラメートに関する免疫診断アッセイを行う方法の態様を例示する流れ図である。
【図3】[031]図3は、蛍光偏光に基づく競合的結合試験の態様を例示する概略図である。
【図4】[032]図4は、トピラメートの較正曲線の態様を例示するグラフである。
【図5】[033]図5は、凝集に基づく競合的結合試験の態様を例示する流れ図である。
【図6】[034]図6は、凝集に基づく競合的結合試験の態様を例示する流れ図である。
【図7】[035]図7は、酵素活性に基づく競合的結合試験の態様を例示する流れ図である。
【図8】[036]図8は、化学発光に基づく競合的結合試験の態様を例示する流れ図である。
【図9】[037]図9は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図10A】[038]図10A及び10Bは、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図10B】[038]図10A及び10Bは、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図11】[039]図11は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図12】[040]図12は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図13】[041]図13は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図14】[042]図14は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図15】[043]図15は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図16】[044]図16は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図17】[045]図17は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図18】[046]図18は、トピラメート類似体を合成するための合成プロトコルの態様を例示する概略図である。
【図19】[047]図19は、トピラメート代謝産物を例示する概略図である。
【図20】[048]図20は、凝集免疫アッセイの態様からのトピラメート回収を例示するグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中のトピラメートの存在を検出するための免疫診断アッセイにおいて使用するための系であって:
抗トピラメート抗体;及び
式1又は式2;
【化1】
式中、Lは、NH(CH2)2NH、NHCO、NHCH2Ph、SO2、COO、又はO基の1つであり;
Xは、L及びY間の結合、芳香族基、又は脂肪族基の少なくとも1つであり;そして
Yは、脂肪族、アルコール、アミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、活性化エステル、脂肪族エステル、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、チオラクトン、ジアゾニウム、マレイミド、NHS、O−NHS、及び作用基とカップリングした、これらに由来するリンカーからなる群より選択される;
の1つの化学構造を有する、トピラメート類似体;
を含む、前記系。
【請求項2】
Xは、L及びY間の結合、1〜2の環を有する置換又は非置換の芳香族又は脂肪族基、あるいは1〜20の炭素及び/又はヘテロ鎖原子を有する、飽和又は不飽和、置換又は非置換、及び直鎖又は分枝鎖の少なくとも1つである、請求項1記載の系。
【請求項3】
類似体が、以下の少なくとも1つ:
Xは、CH2、(CH2)2、(CH2)3、(CH2)4、(CH2)5、(CH2)6、CH2CO、(CH2)2CO、(CH2)3CO、(CH2)4CO、(CH2)5CO、(CH2)6CO、CH2COO、(CH2)2COO、(CH2)3COO、(CH2)4COO、(CH2)5COO、(CH2)6COO、CO、COO、COCH2、CO(CH2)2、CO(CH2)3、CO(CH2)4、CO(CH2)5、CO(CH2)6、COCH2CO、CO(CH2)2CO、CO(CH2)3CO、CO(CH2)4CO、CO(CH2)5CO、CO(CH2)6CO、COCH2COO、CO(CH2)2COO、CO(CH2)3COO、CO(CH2)4COO、CO(CH2)5COO、CO(CH2)6COO、CO(CH2)2CONHCH2、CO(CH2)2CONH(CH2)2、Ph、CONHCH2Ph、CONH(CH2)3、CONH(CH2)3CO、CONH(CH2)3COO、NHCH2、NH(CH2)2、NH(CH2)3、NH(CH2)4、NH(CH2)5、NH(CH2)6、NHCH2CO、NH(CH2)2CO、NH(CH2)3CO、NH(CH2)4CO、NH(CH2)5CO、NH(CH2)6CO、NHCH2COO、NH(CH2)2COO、NH(CH2)3COO、NH(CH2)4COO、NH(CH2)5COO、NH(CH2)6COO、NHCO(CH2)2、NHCO(CH2)6、NHCO(CH2)2CO、NHCO(CH2)6CO、NHCO(CH2)2COO、又はNHCO(CH2)6COOであるか;又は
Yは、NHS、COOH、COO−NHS、COO−tertブチル、tertブチル、OH、O−NHS、COOCH2CH3、COOCH3、OCH2CH3、OCH3、又はNH2基の少なくとも1つである;
によって特徴付けられる、請求項1記載の系。
【請求項4】
YはY1−Zであり、Y1は、COO、CO、O、CONH、又はNHの少なくとも1つからなる群より選択され、そしてZは作用基である、請求項1記載の系。
【請求項5】
Zは、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、多糖、核酸、ポリヌクレオチド、テイコ酸、放射性同位体、酵素、酵素断片、酵素供与体断片、酵素受容体断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、蛍光部分、リン光部分、抗ストークス(anti−stokes)上方制御部分、化学発光部分、発光部分、色素、増感剤、粒子、微粒子、磁気粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、受容体、ハプテン放射性同位体、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4記載の系。
【請求項6】
抗体がポリクローナル抗体である、請求項5記載の系。
【請求項7】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項5記載の系。
【請求項8】
以下の少なくとも1つ:
トピラメートのストック組成物;
濃度勾配を形成する、異なる濃度のトピラメートを含有する一連の組成物;
トレーサー部分を有するトピラメート類似体;
微粒子を有するトピラメート類似体;
微粒子にカップリングした抗体;
酵素供与体を有するトピラメート類似体、及び対応する酵素受容体;
酵素受容体を有するトピラメート類似体、及び対応する酵素供与体;又は
ろ過又は沈降による分離に適した粒子上に装填された抗体;又は
少なくとも1:5,000の力価の抗体;
をさらに含む、請求項5記載の系。
【請求項9】
以前トピラメートを投与された被験体から得た試料中のトピラメートの存在を検出するための免疫診断アッセイを行うための方法であって:
抗トピラメート抗体及びトピラメート類似体を試料と合わせて、第一の組成物を形成し、ここで、前記抗体はトピラメート及びトピラメート類似体と結合し、抗体又はトピラメート類似体の少なくとも一方が粒子又は微粒子にカップリングしている;
試料由来のいかなる遊離(free)トピラメート及びトピラメート類似体も、抗体との結合に関して競合することができ;そして
トピラメート類似体及び抗体間の結合を検出する;
工程を含む、前記方法。
【請求項10】
粒子が、ろ過又は沈降による分離に適した微粒子又は粒子の少なくとも1つである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
トピラメート類似体が、式1又は式2;
【化2】
式中、Lは、NH(CH2)2NH、NHCO、NHCH2Ph、SO2、COO、又はO基の1つであり;
Xは、L及びY間の結合、芳香族基、又は脂肪族基の少なくとも1つであり;そして
Yは、脂肪族、アルコール、アミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、活性化エステル、脂肪族エステル、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、チオラクトン、ジアゾニウム、マレイミド、NHS、O−NHS、及び作用基とカップリングした、これらに由来するリンカーからなる群より選択される;
の1つの化学構造を有する、請求項9記載の方法。
【請求項12】
Xは、L及びY間の結合、1〜2の環を有する置換又は非置換の芳香族又は脂肪族基、あるいは1〜20の炭素及び/又はヘテロ鎖原子を有する、飽和又は不飽和、置換又は非置換、及び直鎖又は分枝鎖の少なくとも1つである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
類似体が、以下の少なくとも1つ:
Xは、CH2、(CH2)2、(CH2)3、(CH2)4、(CH2)5、(CH2)6、CH2CO、(CH2)2CO、(CH2)3CO、(CH2)4CO、(CH2)5CO、(CH2)6CO、CH2COO、(CH2)2COO、(CH2)3COO、(CH2)4COO、(CH2)5COO、(CH2)6COO、CO、COO、COCH2、CO(CH2)2、CO(CH2)3、CO(CH2)4、CO(CH2)5、CO(CH2)6、COCH2CO、CO(CH2)2CO、CO(CH2)3CO、CO(CH2)4CO、CO(CH2)5CO、CO(CH2)6CO、COCH2COO、CO(CH2)2COO、CO(CH2)3COO、CO(CH2)4COO、CO(CH2)5COO、CO(CH2)6COO、CO(CH2)2CONHCH2、CO(CH2)2CONH(CH2)2、Ph、CONHCH2Ph、CONH(CH2)3、CONH(CH2)3CO、CONH(CH2)3COO、NHCH2、NH(CH2)2、NH(CH2)3、NH(CH2)4、NH(CH2)5、NH(CH2)6、NHCH2CO、NH(CH2)2CO、NH(CH2)3CO、NH(CH2)4CO、NH(CH2)5CO、NH(CH2)6CO、NHCH2COO、NH(CH2)2COO、NH(CH2)3COO、NH(CH2)4COO、NH(CH2)5COO、NH(CH2)6COO、NHCO(CH2)2、NHCO(CH2)6、NHCO(CH2)2CO、NHCO(CH2)6CO、NHCO(CH2)2COO、又はNHCO(CH2)6COOであるか;又は
Yは、NHS、COOH、COO−NHS、COO−tertブチル、tertブチル、OH、O−NHS、COOCH2CH3、COOCH3、OCH2CH3、OCH3、又はNH2基の少なくとも1つである;
によって特徴付けられる、請求項11記載の方法。
【請求項14】
YはY1−Zであり、Y1は、COO、CO、O、CONH、又はNHの少なくとも1つからなる群より選択され、そしてZは作用基である、請求項11記載の方法。
【請求項15】
Zは、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、多糖、核酸、ポリヌクレオチド、テイコ酸、放射性同位体、酵素、酵素断片、酵素供与体断片、酵素受容体断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、蛍光部分、リン光部分、抗ストークス上方制御部分、化学発光部分、発光部分、色素、増感剤、粒子、微粒子、磁気粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、受容体、ハプテン放射性同位体、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
トピラメート類似体及び抗体を得て、ここでトピラメート類似体及び抗体の一方は微粒子とカップリングしている;
第一の組成物に入射光線を照射し;そして
第一の組成物由来の透過光の第一の強度を検出する;
工程をさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項17】
トピラメート類似体及び抗体を有し、そして遊離トピラメートを持たない、対照結合組成物由来の透過光の最低強度を同定し;
透過光の第一の強度と透過光の最低強度を比較し;そして
トピラメートが試料中に存在するかどうかを決定する、ここで最低強度が第一の強度と異なるならば、試料中にトピラメートが存在する指標となる;
工程をさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成し;
対照結合組成物に入射光線を照射し;
対照結合組成物由来の透過光の第二の強度を検出し;そして
試料中に存在するトピラメート量を決定する、ここで第一の強度及び第二の強度間の比較は、試料中に存在するトピラメート量の指標となる;
工程をさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項19】
トレーサー部分を有するトピラメート類似体を得て;
第一の組成物から抗体を分離し;
抗体から未結合のトピラメート類似体を分離し;そして
抗体と結合しているトレーサー部分を検出する;
工程をさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項20】
既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成し;
対照結合組成物から抗体を分離し;
第一の組成物から、抗体と結合しているトレーサー部分の第一の量を検出し;
対照結合組成物から、抗体と結合しているトレーサー部分の第二の量を検出し;そして
試料中に存在するトピラメート量を決定する、ここでトレーサー部分の第一の量及びトレーサー部分の第二の量の間の比較は、試料中に存在するトピラメート量の指標となる;
工程をさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
抗体が粒子にカップリングしている、請求項19記載の方法。
【請求項22】
粒子が磁気粒子である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
以前トピラメートを投与された被験体から得た試料中のトピラメートの存在を検出するための免疫診断アッセイを行うための方法であって:
抗トピラメート抗体及びトピラメート類似体を試料と合わせて、第一の組成物を形成し、ここで該抗体はトピラメート及びトピラメート類似体と結合し、トピラメート類似体は、酵素供与体又は酵素受容体の一方を有する;
試料由来のいかなる遊離トピラメート及びトピラメート類似体も、抗体との結合に関して競合することができ;そして
トピラメート類似体及び抗体間の結合を検出する;
工程を含む、前記方法。
【請求項24】
トピラメート類似体が、式1又は式2;
【化3】
式中、Lは、NH(CH2)2NH、NHCO、NHCH2Ph、SO2、COO、又はO基の1つであり;
Xは、L及びY間の結合、芳香族基、又は脂肪族基の少なくとも1つであり;
Yは、脂肪族、アルコール、アミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、活性化エステル、脂肪族エステル、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、チオラクトン、ジアゾニウム、NHS、O−NHS、及びマレイミド基からなる群より選択される官能基由来のリンカーであり;そして
Zは、酵素供与体又は酵素受容体である;
の1つの化学構造を有する、請求項23記載の方法。
【請求項25】
Xは、L及びY間の結合、1〜2の環を有する置換又は非置換の芳香族又は脂肪族基、あるいは1〜20の炭素及び/又はヘテロ鎖原子を有する、飽和又は不飽和、置換又は非置換、及び直鎖又は分枝鎖の少なくとも1つである、請求項1記載の方法。
【請求項26】
類似体が、以下の少なくとも1つ:
Xは、CH2、(CH2)2、(CH2)3、(CH2)4、(CH2)5、(CH2)6、CH2CO、(CH2)2CO、(CH2)3CO、(CH2)4CO、(CH2)5CO、(CH2)6CO、CH2COO、(CH2)2COO、(CH2)3COO、(CH2)4COO、(CH2)5COO、(CH2)6COO、CO、COO、COCH2、CO(CH2)2、CO(CH2)3、CO(CH2)4、CO(CH2)5、CO(CH2)6、COCH2CO、CO(CH2)2CO、CO(CH2)3CO、CO(CH2)4CO、CO(CH2)5CO、CO(CH2)6CO、COCH2COO、CO(CH2)2COO、CO(CH2)3COO、CO(CH2)4COO、CO(CH2)5COO、CO(CH2)6COO、CO(CH2)2CONHCH2、CO(CH2)2CONH(CH2)2、Ph、CONHCH2Ph、CONH(CH2)3、CONH(CH2)3CO、CONH(CH2)3COO、NHCH2、NH(CH2)2、NH(CH2)3、NH(CH2)4、NH(CH2)5、NH(CH2)6、NHCH2CO、NH(CH2)2CO、NH(CH2)3CO、NH(CH2)4CO、NH(CH2)5CO、NH(CH2)6CO、NHCH2COO、NH(CH2)2COO、NH(CH2)3COO、NH(CH2)4COO、NH(CH2)5COO、NH(CH2)6COO、NHCO(CH2)2、NHCO(CH2)6、NHCO(CH2)2CO、NHCO(CH2)6CO、NHCO(CH2)2COO、又はNHCO(CH2)6COOであるか;又は
Yは、NHS、COOH、COO−NHS、COO−tertブチル、tertブチル、OH、O−NHS、COOCH2CH3、COOCH3、OCH2CH3、OCH3、又はNH2基の少なくとも1つである;
によって特徴付けられる、請求項24記載の方法。
【請求項27】
酵素供与体を有するトピラメート類似体を得て;
第一の組成物と酵素受容体を合わせ;
第一の組成物と基質を合わせ、ここで基質は、酵素供与体及び酵素受容体との相互作用によって切断できる;そして
酵素活性を検出する;
工程をさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項28】
既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成し;
酵素受容体と対照結合組成物を合わせ;
対照結合組成物と基質を合わせ、ここで基質は、酵素供与体及び酵素受容体との相互作用によって切断できる;
対照酵素活性を検出し;そして
試料中に存在するトピラメート量を決定する、ここで酵素活性及び対照酵素活性間の比較は、試料中に存在するトピラメート量の指標となる;
工程をさらに含む、請求項27記載の方法。
【請求項29】
酵素受容体を有するトピラメート類似体を得て;
第一の組成物と酵素供与体を合わせ;
第一の組成物と基質を合わせ、ここで基質は、酵素供与体及び酵素受容体との相互作用によって切断できる;そして
酵素活性を検出する;
工程をさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項30】
既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成し;
酵素供与体と対照結合組成物を合わせ;
対照結合組成物と基質を合わせ、ここで基質は、酵素供与体及び酵素受容体との相互作用によって切断できる;
対照酵素活性を検出し;そして
試料中に存在するトピラメート量を決定する、ここで酵素活性及び対照酵素活性間の比較は、試料中に存在するトピラメート量の指標となる;
工程をさらに含む、請求項29記載の方法。
【請求項1】
試料中のトピラメートの存在を検出するための免疫診断アッセイにおいて使用するための系であって:
抗トピラメート抗体;及び
式1又は式2;
【化1】
式中、Lは、NH(CH2)2NH、NHCO、NHCH2Ph、SO2、COO、又はO基の1つであり;
Xは、L及びY間の結合、芳香族基、又は脂肪族基の少なくとも1つであり;そして
Yは、脂肪族、アルコール、アミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、活性化エステル、脂肪族エステル、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、チオラクトン、ジアゾニウム、マレイミド、NHS、O−NHS、及び作用基とカップリングした、これらに由来するリンカーからなる群より選択される;
の1つの化学構造を有する、トピラメート類似体;
を含む、前記系。
【請求項2】
Xは、L及びY間の結合、1〜2の環を有する置換又は非置換の芳香族又は脂肪族基、あるいは1〜20の炭素及び/又はヘテロ鎖原子を有する、飽和又は不飽和、置換又は非置換、及び直鎖又は分枝鎖の少なくとも1つである、請求項1記載の系。
【請求項3】
類似体が、以下の少なくとも1つ:
Xは、CH2、(CH2)2、(CH2)3、(CH2)4、(CH2)5、(CH2)6、CH2CO、(CH2)2CO、(CH2)3CO、(CH2)4CO、(CH2)5CO、(CH2)6CO、CH2COO、(CH2)2COO、(CH2)3COO、(CH2)4COO、(CH2)5COO、(CH2)6COO、CO、COO、COCH2、CO(CH2)2、CO(CH2)3、CO(CH2)4、CO(CH2)5、CO(CH2)6、COCH2CO、CO(CH2)2CO、CO(CH2)3CO、CO(CH2)4CO、CO(CH2)5CO、CO(CH2)6CO、COCH2COO、CO(CH2)2COO、CO(CH2)3COO、CO(CH2)4COO、CO(CH2)5COO、CO(CH2)6COO、CO(CH2)2CONHCH2、CO(CH2)2CONH(CH2)2、Ph、CONHCH2Ph、CONH(CH2)3、CONH(CH2)3CO、CONH(CH2)3COO、NHCH2、NH(CH2)2、NH(CH2)3、NH(CH2)4、NH(CH2)5、NH(CH2)6、NHCH2CO、NH(CH2)2CO、NH(CH2)3CO、NH(CH2)4CO、NH(CH2)5CO、NH(CH2)6CO、NHCH2COO、NH(CH2)2COO、NH(CH2)3COO、NH(CH2)4COO、NH(CH2)5COO、NH(CH2)6COO、NHCO(CH2)2、NHCO(CH2)6、NHCO(CH2)2CO、NHCO(CH2)6CO、NHCO(CH2)2COO、又はNHCO(CH2)6COOであるか;又は
Yは、NHS、COOH、COO−NHS、COO−tertブチル、tertブチル、OH、O−NHS、COOCH2CH3、COOCH3、OCH2CH3、OCH3、又はNH2基の少なくとも1つである;
によって特徴付けられる、請求項1記載の系。
【請求項4】
YはY1−Zであり、Y1は、COO、CO、O、CONH、又はNHの少なくとも1つからなる群より選択され、そしてZは作用基である、請求項1記載の系。
【請求項5】
Zは、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、多糖、核酸、ポリヌクレオチド、テイコ酸、放射性同位体、酵素、酵素断片、酵素供与体断片、酵素受容体断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、蛍光部分、リン光部分、抗ストークス(anti−stokes)上方制御部分、化学発光部分、発光部分、色素、増感剤、粒子、微粒子、磁気粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、受容体、ハプテン放射性同位体、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4記載の系。
【請求項6】
抗体がポリクローナル抗体である、請求項5記載の系。
【請求項7】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項5記載の系。
【請求項8】
以下の少なくとも1つ:
トピラメートのストック組成物;
濃度勾配を形成する、異なる濃度のトピラメートを含有する一連の組成物;
トレーサー部分を有するトピラメート類似体;
微粒子を有するトピラメート類似体;
微粒子にカップリングした抗体;
酵素供与体を有するトピラメート類似体、及び対応する酵素受容体;
酵素受容体を有するトピラメート類似体、及び対応する酵素供与体;又は
ろ過又は沈降による分離に適した粒子上に装填された抗体;又は
少なくとも1:5,000の力価の抗体;
をさらに含む、請求項5記載の系。
【請求項9】
以前トピラメートを投与された被験体から得た試料中のトピラメートの存在を検出するための免疫診断アッセイを行うための方法であって:
抗トピラメート抗体及びトピラメート類似体を試料と合わせて、第一の組成物を形成し、ここで、前記抗体はトピラメート及びトピラメート類似体と結合し、抗体又はトピラメート類似体の少なくとも一方が粒子又は微粒子にカップリングしている;
試料由来のいかなる遊離(free)トピラメート及びトピラメート類似体も、抗体との結合に関して競合することができ;そして
トピラメート類似体及び抗体間の結合を検出する;
工程を含む、前記方法。
【請求項10】
粒子が、ろ過又は沈降による分離に適した微粒子又は粒子の少なくとも1つである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
トピラメート類似体が、式1又は式2;
【化2】
式中、Lは、NH(CH2)2NH、NHCO、NHCH2Ph、SO2、COO、又はO基の1つであり;
Xは、L及びY間の結合、芳香族基、又は脂肪族基の少なくとも1つであり;そして
Yは、脂肪族、アルコール、アミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、活性化エステル、脂肪族エステル、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、チオラクトン、ジアゾニウム、マレイミド、NHS、O−NHS、及び作用基とカップリングした、これらに由来するリンカーからなる群より選択される;
の1つの化学構造を有する、請求項9記載の方法。
【請求項12】
Xは、L及びY間の結合、1〜2の環を有する置換又は非置換の芳香族又は脂肪族基、あるいは1〜20の炭素及び/又はヘテロ鎖原子を有する、飽和又は不飽和、置換又は非置換、及び直鎖又は分枝鎖の少なくとも1つである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
類似体が、以下の少なくとも1つ:
Xは、CH2、(CH2)2、(CH2)3、(CH2)4、(CH2)5、(CH2)6、CH2CO、(CH2)2CO、(CH2)3CO、(CH2)4CO、(CH2)5CO、(CH2)6CO、CH2COO、(CH2)2COO、(CH2)3COO、(CH2)4COO、(CH2)5COO、(CH2)6COO、CO、COO、COCH2、CO(CH2)2、CO(CH2)3、CO(CH2)4、CO(CH2)5、CO(CH2)6、COCH2CO、CO(CH2)2CO、CO(CH2)3CO、CO(CH2)4CO、CO(CH2)5CO、CO(CH2)6CO、COCH2COO、CO(CH2)2COO、CO(CH2)3COO、CO(CH2)4COO、CO(CH2)5COO、CO(CH2)6COO、CO(CH2)2CONHCH2、CO(CH2)2CONH(CH2)2、Ph、CONHCH2Ph、CONH(CH2)3、CONH(CH2)3CO、CONH(CH2)3COO、NHCH2、NH(CH2)2、NH(CH2)3、NH(CH2)4、NH(CH2)5、NH(CH2)6、NHCH2CO、NH(CH2)2CO、NH(CH2)3CO、NH(CH2)4CO、NH(CH2)5CO、NH(CH2)6CO、NHCH2COO、NH(CH2)2COO、NH(CH2)3COO、NH(CH2)4COO、NH(CH2)5COO、NH(CH2)6COO、NHCO(CH2)2、NHCO(CH2)6、NHCO(CH2)2CO、NHCO(CH2)6CO、NHCO(CH2)2COO、又はNHCO(CH2)6COOであるか;又は
Yは、NHS、COOH、COO−NHS、COO−tertブチル、tertブチル、OH、O−NHS、COOCH2CH3、COOCH3、OCH2CH3、OCH3、又はNH2基の少なくとも1つである;
によって特徴付けられる、請求項11記載の方法。
【請求項14】
YはY1−Zであり、Y1は、COO、CO、O、CONH、又はNHの少なくとも1つからなる群より選択され、そしてZは作用基である、請求項11記載の方法。
【請求項15】
Zは、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、多糖、核酸、ポリヌクレオチド、テイコ酸、放射性同位体、酵素、酵素断片、酵素供与体断片、酵素受容体断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、蛍光部分、リン光部分、抗ストークス上方制御部分、化学発光部分、発光部分、色素、増感剤、粒子、微粒子、磁気粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、受容体、ハプテン放射性同位体、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
トピラメート類似体及び抗体を得て、ここでトピラメート類似体及び抗体の一方は微粒子とカップリングしている;
第一の組成物に入射光線を照射し;そして
第一の組成物由来の透過光の第一の強度を検出する;
工程をさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項17】
トピラメート類似体及び抗体を有し、そして遊離トピラメートを持たない、対照結合組成物由来の透過光の最低強度を同定し;
透過光の第一の強度と透過光の最低強度を比較し;そして
トピラメートが試料中に存在するかどうかを決定する、ここで最低強度が第一の強度と異なるならば、試料中にトピラメートが存在する指標となる;
工程をさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成し;
対照結合組成物に入射光線を照射し;
対照結合組成物由来の透過光の第二の強度を検出し;そして
試料中に存在するトピラメート量を決定する、ここで第一の強度及び第二の強度間の比較は、試料中に存在するトピラメート量の指標となる;
工程をさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項19】
トレーサー部分を有するトピラメート類似体を得て;
第一の組成物から抗体を分離し;
抗体から未結合のトピラメート類似体を分離し;そして
抗体と結合しているトレーサー部分を検出する;
工程をさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項20】
既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成し;
対照結合組成物から抗体を分離し;
第一の組成物から、抗体と結合しているトレーサー部分の第一の量を検出し;
対照結合組成物から、抗体と結合しているトレーサー部分の第二の量を検出し;そして
試料中に存在するトピラメート量を決定する、ここでトレーサー部分の第一の量及びトレーサー部分の第二の量の間の比較は、試料中に存在するトピラメート量の指標となる;
工程をさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
抗体が粒子にカップリングしている、請求項19記載の方法。
【請求項22】
粒子が磁気粒子である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
以前トピラメートを投与された被験体から得た試料中のトピラメートの存在を検出するための免疫診断アッセイを行うための方法であって:
抗トピラメート抗体及びトピラメート類似体を試料と合わせて、第一の組成物を形成し、ここで該抗体はトピラメート及びトピラメート類似体と結合し、トピラメート類似体は、酵素供与体又は酵素受容体の一方を有する;
試料由来のいかなる遊離トピラメート及びトピラメート類似体も、抗体との結合に関して競合することができ;そして
トピラメート類似体及び抗体間の結合を検出する;
工程を含む、前記方法。
【請求項24】
トピラメート類似体が、式1又は式2;
【化3】
式中、Lは、NH(CH2)2NH、NHCO、NHCH2Ph、SO2、COO、又はO基の1つであり;
Xは、L及びY間の結合、芳香族基、又は脂肪族基の少なくとも1つであり;
Yは、脂肪族、アルコール、アミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、活性化エステル、脂肪族エステル、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、チオラクトン、ジアゾニウム、NHS、O−NHS、及びマレイミド基からなる群より選択される官能基由来のリンカーであり;そして
Zは、酵素供与体又は酵素受容体である;
の1つの化学構造を有する、請求項23記載の方法。
【請求項25】
Xは、L及びY間の結合、1〜2の環を有する置換又は非置換の芳香族又は脂肪族基、あるいは1〜20の炭素及び/又はヘテロ鎖原子を有する、飽和又は不飽和、置換又は非置換、及び直鎖又は分枝鎖の少なくとも1つである、請求項1記載の方法。
【請求項26】
類似体が、以下の少なくとも1つ:
Xは、CH2、(CH2)2、(CH2)3、(CH2)4、(CH2)5、(CH2)6、CH2CO、(CH2)2CO、(CH2)3CO、(CH2)4CO、(CH2)5CO、(CH2)6CO、CH2COO、(CH2)2COO、(CH2)3COO、(CH2)4COO、(CH2)5COO、(CH2)6COO、CO、COO、COCH2、CO(CH2)2、CO(CH2)3、CO(CH2)4、CO(CH2)5、CO(CH2)6、COCH2CO、CO(CH2)2CO、CO(CH2)3CO、CO(CH2)4CO、CO(CH2)5CO、CO(CH2)6CO、COCH2COO、CO(CH2)2COO、CO(CH2)3COO、CO(CH2)4COO、CO(CH2)5COO、CO(CH2)6COO、CO(CH2)2CONHCH2、CO(CH2)2CONH(CH2)2、Ph、CONHCH2Ph、CONH(CH2)3、CONH(CH2)3CO、CONH(CH2)3COO、NHCH2、NH(CH2)2、NH(CH2)3、NH(CH2)4、NH(CH2)5、NH(CH2)6、NHCH2CO、NH(CH2)2CO、NH(CH2)3CO、NH(CH2)4CO、NH(CH2)5CO、NH(CH2)6CO、NHCH2COO、NH(CH2)2COO、NH(CH2)3COO、NH(CH2)4COO、NH(CH2)5COO、NH(CH2)6COO、NHCO(CH2)2、NHCO(CH2)6、NHCO(CH2)2CO、NHCO(CH2)6CO、NHCO(CH2)2COO、又はNHCO(CH2)6COOであるか;又は
Yは、NHS、COOH、COO−NHS、COO−tertブチル、tertブチル、OH、O−NHS、COOCH2CH3、COOCH3、OCH2CH3、OCH3、又はNH2基の少なくとも1つである;
によって特徴付けられる、請求項24記載の方法。
【請求項27】
酵素供与体を有するトピラメート類似体を得て;
第一の組成物と酵素受容体を合わせ;
第一の組成物と基質を合わせ、ここで基質は、酵素供与体及び酵素受容体との相互作用によって切断できる;そして
酵素活性を検出する;
工程をさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項28】
既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成し;
酵素受容体と対照結合組成物を合わせ;
対照結合組成物と基質を合わせ、ここで基質は、酵素供与体及び酵素受容体との相互作用によって切断できる;
対照酵素活性を検出し;そして
試料中に存在するトピラメート量を決定する、ここで酵素活性及び対照酵素活性間の比較は、試料中に存在するトピラメート量の指標となる;
工程をさらに含む、請求項27記載の方法。
【請求項29】
酵素受容体を有するトピラメート類似体を得て;
第一の組成物と酵素供与体を合わせ;
第一の組成物と基質を合わせ、ここで基質は、酵素供与体及び酵素受容体との相互作用によって切断できる;そして
酵素活性を検出する;
工程をさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項30】
既知の量のトピラメートと、トピラメート類似体及び抗体を合わせて、対照結合組成物を形成し;
酵素供与体と対照結合組成物を合わせ;
対照結合組成物と基質を合わせ、ここで基質は、酵素供与体及び酵素受容体との相互作用によって切断できる;
対照酵素活性を検出し;そして
試料中に存在するトピラメート量を決定する、ここで酵素活性及び対照酵素活性間の比較は、試料中に存在するトピラメート量の指標となる;
工程をさらに含む、請求項29記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2008−518233(P2008−518233A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539028(P2007−539028)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/038257
【国際公開番号】WO2006/047450
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(507137014)セラダイン,インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/038257
【国際公開番号】WO2006/047450
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(507137014)セラダイン,インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
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