説明

トラック積載装置、トラック積載方法

【課題】コンテナに対して2台のトラックをできるだけ効率よく積載できるようにする。
【解決手段】第1治具、第2治具、第3治具、第4治具を用意する。先ず、1台目のトラックの前輪を第1治具により輪止め保持した状態で、前進させてコンテナに積む。このトラックの後輪を持ち上げて、第2治具をその下に置くことで、1台目のトラックのシャーシの下側に空間を作る。次に、2台目のトラックの後輪を第3治具により、前輪を第4治具により輪止め固定して、このトラック後部からコンテナに進入させて積み込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナにトラックを積載するのに用いる治具から成るトラック積載装置に関する。また、このトラック積載装置を使用してコンテナにトラックを積載する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、特許文献2、特許文献3などに記載されているように、装置、支持台などを用いて海上輸送用のコンテナに対して乗用車を複数台積載することが行われている。これにより、乗用車を、コンテナ船により輸送することが可能になる。
一方、乗用車よりも大型な自動車であるトラックに関しては、例えばPCC(Pure Car Carrier)などといわれる自動車専用船に積み込んで海上輸送を行うことが一般的である。
【0003】
【特許文献1】特開平5−294381号公報
【特許文献2】特開平9−226446号公報
【特許文献3】特開2006−44730号公報
【特許文献4】登録実用新案 第3057899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現状において、自動車専用船などの貨物船は、コンテナ船と比べると非常に少数である。このために、自動車専用船などによる輸送コストは、コンテナ船による場合よりも相当に高くなってしまう。また、自動車専用船は、運航頻度もコンテナ船には及ばない。さらに、自動車専用船は相当に大型でもあるために、停泊可能な港湾施設にも制限を受けるので、トラックを積み込み、積み降ろしできる地域も制限される。従って、コスト面をはじめとする輸送効率を考慮すれば、トラックについてもコンテナに積み込むようにすることが好ましいということになる。さらに、コンテナにトラックを積み込むのにあたり、1台よりは、例えば2台を積み込むことができれば、同じ数のコンテナで輸送できるトラックの数は2倍に増え、輸送コストも安くなって輸送効率も高まるので、より好ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題に鑑みて、本願の発明者は、コンテナに対して、2台のトラックを積み込むための技術を開発し、改良を重ねてきたのであるが、ここにきて、1つの満足のいく結果が得られたものである。そこで、本出願人は、この結果の所産を、下記のようにしてトラック積載装置及びトラック積載方法として提案するものである。
【0006】
つまり、本願発明のトラック積載装置は、第1治具及び第2治具を備えて成り、第1治具は、コンテナに1番目に積み込まれる1台目のトラックの前輪を輪止めした状態で保持するための第1保持部を備えるとともに、その前側端部がコンテナ奥側の内壁に当接した状態においては、上記1台目のトラックの前輪についてのコンテナ内での位置決めが為されるようにして形成され、第2治具は、1台目のトラックの後輪を輪止めした状態で保持するための第2保持部を有するとともに、この第2保持部にて後輪が輪止めされて保持された状態の上記1台目のトラックのシャーシ後部の下側において、コンテナに2番目に積み込まれる2台目のトラックのシャーシ後部が所定長まで入り込めるようにして形成して構成するものである。
【0007】
また、トラック積載方法としては次のようにして構成する。
つまり、本願としてのトラック積載方法は、先ず、第1治具、第2治具、第3治具、及び第4治具を備えて成り、第1治具は、コンテナに1番目に積み込まれる1台目のトラックの前輪を輪止めした状態で保持するための第1保持部を備えるとともに、その前側端部がコンテナ奥側の内壁に当接した状態においては、上記1台目のトラックの前輪についてのコンテナ内での位置決めが為されるようにして形成され、第2治具は、1台目のトラックの後輪を輪止めした状態で保持するための第2保持部を有するとともに、この第2保持部にて後輪が輪止めされて保持された状態の1台目のトラックのシャーシ後部の下側において、コンテナに2番目に積み込まれる2台目のトラックのシャーシ後部が所定長まで入り込めるようにして形成され、第3治具は、コンテナに2番目に積み込まれる2台目のトラックの後輪を輪止めした状態で保持するための第3保持部を有するとともに、第4治具は、上記2台目のトラックの前輪を輪止めした状態で保持するための第4保持部を有して形成され、第3治具がコンテナの奥側に進入する方向の動きを規制するための第1の規制機構を第2治具及び第3治具で有し、第3治具は、第1の規制機構により上記の第3治具がコンテナの奥側に進入する方向の動きが規制された状態では、第2治具により後輪が保持された状態の1台目のトラックのシャーシ後部の下側において、第3治具により後輪が保持された状態の2台目のトラックのシャーシ後部が所定長だけ入り込むようにして位置する状態が得られるようにして形成されているトラック積載装置を利用するものとされる。
そして、第1治具の第1保持部に、コンテナに1番目に積み込むべき1台目のトラックの前輪を保持させた状態で、第1治具の前側端部がコンテナの奥側の内壁に当接する状態となるまで、1台目のトラックを前側からコンテナ内に進入させる1台目トラック進入工程と、1台目トラック進入工程に続き、1台目のトラックの後ろ側を持ち上げ、第2治具が有する第2保持部に対して1台目のトラックの後輪を位置させる1台目トラック持ち上げ工程と、1台目トラック持ち上げ工程に続き、第3治具の第3保持部に、コンテナに2番目に積み込むべき2台目のトラックの後輪を保持させた状態とする2台目トラック後輪保持工程と、2台目トラック後輪保持工程に続き、2台目のトラックの前側を持ち上げ、第4治具の第4保持部に2台目のトラックの前輪を保持させる2台目トラック前輪保持工程と、2台目トラック前輪保持工程に続き、第3治具についてのコンテナの奥側に進入する方向の動きが第1の規制機構により規制される状態となるまで、2台目のトラックを後側からコンテナ内に進入させる2台目トラック進入工程とを行うように構成することとした。
【0008】
なお、一般的なこととして、「治具」なる語は、広義において「位置決めを行うための器具」という意味で用いられている。上記の第1治具、第2治具、また、第3治具及び第4治具は、それぞれ、コンテナ内において、第1保持部、第2保持部、第3保持部、第4保持部により保持するトラックの車輪(前輪、又は後輪)の位置決めを行うことになる。このことを以て、本願発明においては、トラック積載装置を成す4つの部品について、「治具」なる名称を使用することとしたものである。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によっては、通常に縦列させたのでは積み込むことのできないだけの全長を有する2台のトラックを、1つのコンテナに積載することが可能になる。これにより、トラックについてもコンテナにより輸送することが可能になり、自動車専用船により輸送する場合よりも、コスト面をはじめとして輸送効率が大幅に向上される。特に、1つのコンテナに2つのトラックを積載できることが、輸送効率の向上に大きく寄与している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以降、「実施の形態」という)について説明を行っていく。
なお、一般に、コンテナに荷物を積み込むことを「バンニング(vanning)」といい、荷物を積み降ろすことを「デバンニング(devanning)」ともいう。以降の説明にあっても、コンテナに対するトラックの積み込み、積み降ろしに関して、適宜必要に応じて、これら「バンニング」「デバンニング」の語を用いる。
【0011】
図1には、本実施の形態のもとでトラックが積載されるコンテナ100と、コンテナ100に積載すべきトラック200が示される。
図1(a)においては、コンテナ100を側面からみた断面図と、コンテナの出入り口101側から見た正面図とが示されている。
コンテナ100は、一般には海上コンテナともいわれる。海上コンテナは、ISO(International Organization for Standardization)規格により、主に20フィートの長さのものと、40フィートの長さのものとの2種類が規格化されているが、コンテナ100は、40フィートの長さのものとされる。この40フィートサイズのコンテナ100の内寸としては、長さ(奥行き)が12,035mm、幅が2340mm、高さが2696mmとされている。なお、出入り口101の上辺部には下側に突き出た部分があるために、出入り口101部分の内寸としての高さは、2,585mmとなる。
【0012】
また、図1(b)にはトラック200の側面図とキャビネット201側からみた正面図が示される。この図に示されるトラック200は、キャビネット201とシャーシ202のみから成り、荷台は取り付けられていない状態の、いわゆるキャブ付きシャーシといわれる形のものである。このトラック200のサイズとしては、全長が7640mm、幅が2,175mm、高さが2490mmとなる。
【0013】
現状において、トラックを海上輸送するのには、PCC(Pure Car Carrier)などといわれる自動車専用船、あるいはRORO(Roll-On Roll-Off)船などの大型貨物船を利用することが一般的とされている。
しかし、上記のような自動車専用船、大型貨物船による輸送は、コンテナ船による輸送と比較すると相当にコストが高くなる。また、自動車専用船、大型貨物船は、コンテナ船と比較すると少数であるので、トラックを輸送したい日程に運航スケジュールを合わせることが難しい場合もある。また、自動車専用船、大型貨物船程度に大型の船舶は、これより小型のコンテナ船と比較すると停泊可能な港湾施設も限られるために、仕向地から離れた港湾施設に向けて輸送しなければならないような場合も出てくる。このようにして、輸送コストを始めとする輸送効率の観点からすると、現状ではコンテナ船による輸送のほうが、自動車専用船、大型貨物船による輸送よりも有利に成らざるを得ない。
【0014】
上記図1に示したコンテナ100とトラック200の寸法によれば、1台のトラック200をトラック出入り口101から進入させてコンテナ100に積み込むこと自体は可能である。ただし、コンテナ100に対して1台のトラックでは逆に余裕がありすぎて、その余った容積が無駄になる。すると、例えば2台のトラック200がコンテナ100に積載できればよいということになる。2台のトラック200を積載できれば、同数のコンテナ100で輸送可能なトラック台数は2倍になる。また、これとともに、トラック200を輸送するコストも大幅に削減されることになる。つまり、物理的にもコスト的にも、輸送効率が大幅に向上する。
しかし、コンテナ100に2台のトラック200を積み込もうとすると、トラックの全長は、コンテナ100の長さの1/2を越えているので、単純に2台のトラック200を縦列させたのでは、これらを同じ1つのコンテナ100に積み込むことは不可能である。
そこで、本実施の形態では、以降説明するようにして、1つのコンテナ100に対して2台のトラック200を積載可能とする。
【0015】
図2(a)は、本実施の形態に基づくバンニングが完了した状態のコンテナ100の内部の様子を側面方向から示す側面図であり、図2(b)は、バンニングが完了した状態での、コンテナ100内での第1治具1、第2治具2、第3治具3、及び第4治具4の平面的位置を上側からみた平面図であり、図2(c)は、バンニングが完了した状態を出入り口101側から見た正面図である。
なお、以降の説明においては、コンテナ100の長手方向に沿った方向での向きを表すのにあたり、出入り口101と対向する奥の側面の側を「奥側」といい、これとは逆の出入り口101の側を「手前側」ということにする。また、上記「奥側」に対応する向きを「前」、「手前側」に対応する向きを「後」ともいう。
【0016】
例えば図2(a)に示されるように、コンテナ100の奥側に積み込まれている1台目のトラック200−1は、キャビネット201の正面がコンテナの奥の壁と向かい合うような向きとされている。そのうえで、このトラック200−1の前輪203は、第1治具1に載置されている。第1治具1は、載置された前輪203を、実際には輪止めされた状態、即ち、回転しないように規制された状態で保持する。このとき、第1治具1は、図2(b)に示されるように、その前端部がコンテナ100の奥側の壁に当接する状態となるようにされているが、この位置状態とされることにより、第1治具1は、コンテナ100におけるトラック200−1の前輪203についての位置を決めることになる。また、これは、コンテナ100内での前後方向における1台目のトラックの位置決めを行っているともいえる。
また、200−1の後輪204は、第2治具2に載置されることで輪止めされた状態で保持されるのであるが、第2治具2は、図示するようにして、トラック200−1の後輪204を嵩上げした状態で保持する。このために、トラック200−1の後輪204は、コンテナ底面から一定の高さに在るようにして位置決めが行われることになる。
【0017】
また、2台目のトラック200−2は、一台目のトラック200−1とは反対に、コンテナの出入り口101側にキャビネット201の正面がくるような向きとされている。この2台目のトラック200−2の後輪204は第3治具3に載置されることで輪止めされた状態で保持され、前輪203は、第4治具4に載置されることで輪止めされた状態で保持される。
第3治具3は、その一部が第2治具2の脚部の間をコンテナ奥側にすり抜けるようにして位置するのであるが、図2(a)(b)に示される位置においては、第2治具の所定部位と当接することで、これ以上コンテナ奥側に進入しないようにして位置規制される。この状態においては、図2(a)からも分かるように、2台目のトラック200−2の後輪204は、1台目のトラック200−1の後輪204のほぼ真下に位置するようにして位置決めされることになる。また、同時に、第4治具にて保持される2台目のトラック200−2の前輪203も、図示する位置にて位置決めされる状態となる。
そして、これとともに、1台目のトラック200−1のシャーシ202の後部側と、2台目のトラック200−2の後部側とは、互いに上下となる位置関係により、所定の長さFだけオーバーラップする(重なる)状態となる。このようにして、1台目のトラック200−1と2台目のトラック200−2の後部側同士を向かい合わせ、上下位置関係によりオーバーラップさせることで、2台目のトラック200−2は、コンテナ100の出入り口101からはみ出させないようにすることができる。つまり、コンテナ100に対して、2台のトラック200を積み込むことが可能とされているものである。
【0018】
参考に、上記図2に示すようにしてトラック200−1、200−2が積み込まれた状態における、コンテナ内部とトラックとの要部のクリアランス(隙間)等の寸法(図2において寸法A〜Fとして示す)を記載しておく。
1台目のトラック200−1のキャビネット201の最も高くなる部位(キャビネット201の上側後端部)とコンテナ100の上側の内壁とのクリアランスの寸法Aは約140mmとなる。
トラック200−1のキャビネット前面側において、コンテナ100の奥側の内壁と最も近くなる部位(キャビネット201の上側前端部)とのクリアランスの寸法Bは、約100mmとなる。
2台目のトラック200−2のキャビネット201の上面部と、コンテナ100の出入り口101における上側突出部分とのクリアランスの寸法Cは約40mmとなる。
トラック200−2のキャビネット201の前面側と、コンテナ100の出入り口101の扉を閉めたとした場合の扉の内壁とのクリアランスの寸法Dは、約150mmとなる。
トラック200−1のシャーシ202の後端部とコンテナ100の上側の内壁とのクリアランスの寸法Eは約140mmとなる。
トラック200−1とトラック200−2の各シャーシ202がオーバーラップする長さFは、約3730mmとなる。
トラック200−2(及びトラック200−1)のキャビネット201の側面部と、これに対向するコンテナ100の側面内壁とのクリアランスの寸法Gは、左右で、それぞれ約82mmとなる。
【0019】
次に、図3〜図8を参照して、本実施の形態に対応するバンニングの手順例について説明する。
先ず、図3(a)に示すように、トラック200−1、200−2を積み込むためのコンテナ100を、その出入り口101がプラットフォーム300に向くようにして付けるようにする。この状態では、プラットフォーム300の接地面と、コンテナ100の底面とが同じ高さになる。
この状態において、図3(b)に示すように、第1治具1を配置する。ここでは、第1治具1の前側が或る程度、コンテナ100の中のほうに入り込むようにした状態で配置している。
【0020】
次に、図4(a)に示すように、1台目のトラック200−1を運転してプラットフォーム300上で第1治具1の後方に位置させ、ここから第1治具1に向かって前進させる。
第1治具1にはトラック200−1の前輪203を輪止めして保持するための前側輪止め部材19(19a、19b)と後側輪止め部材24、24が、左右それぞれに対応して備えられているが、図4(a)の段階にてトラック200−1を前進させるときには、左右それぞれの後側輪止め部材24、24の後側に付けるようにして、図4(b)に示すような形状の乗り上げブロック350を据え置くようにする。この乗り上げブロック350において後側輪止め部材24、24の後側にくる側面の高さhは、接地面から後側輪止め部材24の一番上までの高さにほぼ合わせるようにしてつくられている。
【0021】
上記図4(a)の状態から徐々にトラック200−1を前進させると、トラック200−1の左右の前輪203、203は、乗り上げブロック350の上に乗り上げて進んだ後、図4(c)に示すようにして、前側輪止め部材19と後側輪止め部材24、24の間に収まるようにして位置することになる。この状態になって、トラック200−1の前輪203、203は、第1治具1にて輪止めされる状態で保持されることになる。また、ここでは図示していないが、この輪止めされた状態では、前輪203、203の下をタイヤ受け部材(20a−1・20a−2、20b−1・20b−2)により支持することで、前輪203、203が接地面と当接、接触しない状態となるようにもされている。
なお、後述もするように、後側輪止め部材24、24は取り外すことができるので、これらを取り外して、トラック200−1の前輪を前側輪止め部材19まで位置させてから、改めて、後側輪止め部材24、24を取り付けるようにして上記の作業を行うこともできる。この場合には、トラック200−1の前輪が後側輪止め部材24、24を乗り越える必要が無く、乗り上げブロック350も不要となる。
【0022】
上記のようにして、トラック200−1の前輪203を第1治具1に対して輪止めさせると、続いては、同じ図4(c)に示すようにして、プラットフォーム300上で、フォークリフト400を運転して、トラック200−1の後側に持ってくるようにする。また、このときには、図示するようにして、シャーシ嵩上げ器具5を、その背面側が垂直可動部402に当たるようにしてフォーク401の上に取り付けるようにする。
【0023】
続いては、図5(a)に示すように、フォークリフト400のフォーク401に載せたシャーシ嵩上げ器具5に対してトラック200−1のシャーシ202の後端部を宛がうようにする。なお、このときには、図示もしているように、後輪204がプラットフォーム300の接地面と接触しない程度の状態となるように、若干、フォーク401によりシャーシ202の後端部を持ち上げておくことが好ましい。また、このときには、シャーシ202の後端部は、シャーシ嵩上げ器具5により支えられるようにして保持されるようにする。後述もするようにして、シャーシ嵩上げ器具5においてシャーシ後端部が接触する部位には、例えばゴム材などのクッション機能を持つ材質のものが使用されており、これにより、持ち上げ時においてシャーシ後端部には傷が付かないようにされる。
そして、この図5(a)に示される状態からフォークリフト400を前進させることで、図5(a)から図5(b)への遷移として示すようにして、トラック200−1は、第1治具1によりその前輪203が輪止めされた状態を維持しながら、トラック200−1の奥側に押し込まれていくようにして移動される。そして、最終的には、第1治具1の前側の縁部がコンテナ100の奥側内壁に当接することで、トラック200−1は、これ以上奥側に移動できなくなる。この状態において、トラック200−1の前輪についてのコンテナ100における位置決めが為されることになる。この状態になったら、フォークリフト400の運転者は、フォーク401を降ろしてトラック200−1の後輪をコンテナ100の底面に接地させる。そして、フォークリフト400を一旦後退させて、コンテナ100からプラットフォーム300に出す。
【0024】
なお、上記図5に示すようにして、トラック200−1をコンテナに押し込んでいくときには、前輪203、203を輪止めしていることでトラック200−1と一体化された第1治具が接地面上でずり動くようにして移動することになる。なお、このときには、フォークリフト400の持つ馬力で、トラック200−1の前輪が載置された第1治具1を充分な余裕でずり動かしていくことが可能であり、作業上も特に問題のないことを、本願の発明者は確認している。また、図5(a)にて説明したように、フォークリフト400のフォーク401でシャーシ202の後端部を若干持ち上げていれば、後輪204、204は接地面から浮くので、トラック200−1を押し込むのに必要な力はさらに低減できる。
【0025】
また、確認のために述べておくと、トラック200のキャビネット201の幅に対して、コンテナ100の内寸の幅は、図2(c)において寸法Gとしても示したように、数センチ程度の余裕しかない。従って、例えば図5に示すトラック200−1の移動作業時において、トラック200−1にまだ運転者が乗っていると、キャビネット201のドアを開いて運転者が降りることはできなくなる。そこで、トラック200−1の運転者は、先の図4(c)に示したように第1治具1に対してトラック200−1の前輪203を載置させた作業を完了した段階で、トラック200−1から降りておくようにする。
また、次に説明するようにして、トラック200−1は、前輪203の回転軸を支点とするようにして、そのシャーシ後端部を持ち上げることになる。そこで、前輪203の回転軸の動きが規制されないように、トラック200−1のサイドブレーキは効かせないようにしている。
【0026】
図5(b)のようにして、トラック200−1をコンテナ100内に納めた後は、図6(a)に示すようにして第2治具2を運んできて、トラック200−1のシャーシ202の後方に、例えば、その天地を逆にした状態で仮置きしておく。後述するようにして、第2治具2は、門型(コの字型)の形状とされている。このために、図6(a)に示す位置で第2治具の天地を逆にした状態では、その左右の両脚の間に、シャーシ202が収まるような状態とすることができる。
なお、このときの第2治具2の姿勢状態としては、次に図6(b)により説明する作業に支障がなければ、その天地を逆にした以外の姿勢状態としておいても構わない。
【0027】
続いては、シャーシ嵩上げ器具5をフォーク401に取り付けたフォークリフト400を前進させて、コンテナ100内に進入させる。なお、このときのシャーシ嵩上げ器具5は、フォーク401の先端側において位置するようにさせる。そして、シャーシ嵩上げ器具5を、トラック200−1のシャーシ202の後端部に宛い、そのままフォーク401を上げていく。これにより、図6(b)に示されるようにして、コンテナ100内において、トラック200−1は、前輪203の回転軸を支点とするようにして、シャーシ202の後端部側が持ち上げられていくことになる。そして、或る所要の高さ(所要高)にまで持ち上げた状態を維持したうえで、例えば天地が逆の状態で仮置きされていた第2治具2を、正しい天地の状態に置き直す。この第2治具2の上面部は、トラック200−1の左右の後輪204、204の輪止めが可能な形状となっている。そこで、この輪止め形状の部分に対して、トラック200−1の後輪204、204が位置するようにして第2治具2の位置を調整し、第2治具2の位置が決まったら、フォーク401を下げて、これまで持ち上げていたシャーシ202の後端部を降ろす。これにより、図示するようにして、トラック200−1の後輪204、204が、第2治具の上にて輪止めされた状態で載置されることになる。
シャーシ202を降ろしたフォークリフト400は、後退しながらコンテナ100の外に出る。
【0028】
なお、例えば仮に、上記の所要高にまでシャーシ202の後端部を持ち上げるのにあたり、シャーシ嵩上げ器具5を使用せずに、フォークリフトのフォーク401の部分だけで行おうとすると、上記の所要高にまで持ち上げないうちに、垂直可動部402の上端がコンテナ100の天井の壁にあたってしまう。シャーシ嵩上げ器具5は、第1に、垂直可動部402の上端がコンテナ100の天井に当たらないようにして、シャーシ202の後端部を所要高にまで持ち上げることができるようにすることを目的として使用するものである。つまり、シャーシ嵩上げ器具5の高さは、シャーシ202の後端部を所要高にまで持ち上げたときに、垂直可動部402の上端がコンテナ100の天井よりも低くなるように設定されている。
【0029】
そして、上記のようにして、コンテナ100内においてトラック200−1を積み込むと、続いては、このトラック200−1についてのラッシング作業を行っておくようにする。ラッシングとは、一般には、船舶輸送などにおいて荷崩れすることを防ぐために、貨物、荷物などをロープ、チェーンなどの締結具を用いて固縛することをいう。
この場合のトラック200−1のラッシングとしては、図7(a)において示すように、締結具500(例えばロープ)を用いて、トラック200−1の左右の前輪203、203の各近傍における所定部分(例えばサスペンション用の板バネ部分)と、コンテナ100の底面部とを固縛する。また、同じく締結具500を用いて、トラック200−1の左右の後輪204、204の各近傍における所定部分と、コンテナ100の底面部とを固縛する。
【0030】
ここで、この図7(a)に示される状態では、トラック200−1のシャーシ202の下側において空間が形成されることになる。以降の説明から理解されるように、この空間に対しては2台目のトラック200−2のシャーシ202が入り込むようにされる。つまり、コンテナ100内にて第1治具1及び第2治具2によりトラック200−1が輪止め保持された状態とされたことにより上記の空間が形成されたことを以て、コンテナ100に対して2台のトラック200を積み込むことが可能となるものである。
【0031】
上記のトラック200−1に対するラッシング作業の次は、同じ図7(a)に示すようにして、コンテナ100の出入り口101付近の底面に、第3治具3を置く。また、第3治具3には、トラック200−2の左右の各後輪204、204を輪止めして保持するための前側輪止め部材45(45a、45b)と後側輪止め部材58、58が設けられているのであるが、このときには、図4(a)の場合と同じ要領で、左右の後側輪止め部材58、58それぞれの後に付けるようにして、乗り上げブロック350、350を据え置くようにする。
そして、上記の状態とした後、同じ図7(a)に示すように、2台目のトラック200−2を運転して、出入り口101に対して後ろ向きの状態でコンテナ100内に進入させていく。これにより、トラック200−2の左右の後輪204、204は、乗り上げブロック350の上に乗り上げて進んだ後、図7(b)に示すようにして、前側輪止め部材45と後側輪止め部材58、58の間に収まるようにして位置することとなる。この状態を以て、トラック200−2の左右の各後輪204、204は、第3治具3にて輪止めされる状態で保持されることになる。第1治具1の場合と同様に、輪止めが為された状態では、後輪204、204は接地面と接触しない状態となるようにもされる。
【0032】
なお、トラック200−2の運転者は、トラック200−2の後輪204、204を第3治具3に載置させたら、例えばこの段階でトラックから降りておくようにする。トラック200−1の場合と同様に、トラック200−2がコンテナ100に納められた状態では、キャビネット201のドアを開くだけの余裕が無くなり、キャビネットの中の運転者は降りられなくなるからである。
【0033】
上記の状態でトラック200−2の後輪204、204を第3治具3に載置させたら、例えば先ず、乗り上げブロック350、350を取り外す。
また、コンテナ100にトラック200−2のキャビネット201までは入っていないこの段階で、トラック200−2の後輪204、204側のラッシング作業も行っておくようにする。
コンテナ100にトラック200−2のキャビネット201まで入ってしまうと、トラック200−2のキャビネット201の前後を人が楽に行き来するだけの隙間は無くなってしまい、ラッシング作業をすることが実質困難になるからである。
この場合のラッシング作業は、例えば左右の後輪204、204における車軸部分にロープなどの締結具500を掛けるようにして、第3治具3との固縛を行うようにする。つまり、ここでは1台目のトラック200−1の前輪、後輪の場合のように、コンテナ100とトラック200−1とを固縛することはしない。仮に、この段階でコンテナ100とトラック200−2とを固縛すると、これ以上トラック200−2をコンテナ100内に押し込んでいくことができなくなる。本来、ラッシングによっては、上記のような治具などに対してではなく、コンテナ側に対してトラック本体が縛り付けられるようにして固定されることが必要である。しかし、本実施の形態では、コンテナ100内にて、トラック200−1とトラック200−2が正しく積み込まれた状態では、後述する第2治具3と第3治具3の機構が組み合わさることで、トラック200−2の後輪側がコンテナ100に対して固定されているのと同等の状態が得られることになる。
【0034】
続いては、図8(a)に示すようにして、フォークリフト400のフォーク401をトラック200−2のキャビネット201の下部に差し入れてフォーク401を上げることで、前輪203を接地面から浮かせる。この状態で、前側輪止め部材66、後側輪止め部材67の間に前輪203、203が位置するように調整して第4治具4を平置きし、フォーク401を下げてキャビネット201を降ろす。これにより、トラック200−2の前輪203は、第4治具4により輪止めされて保持されることになる。また、上記のようにして輪止めが為された状態の前輪203は、後輪204と同様に接地面と接触しない状態となっている。
【0035】
上記の状態によりトラック200−2の後輪204と前輪203が、それぞれ、第3治具3と第4治具4に載置されたとすると、続いては、図8(b)に示すようにして、フォークリフト400のフォーク401の根元部分を第4治具4の後側端部に宛がって、そのまコンテナ100内に押し込んでいくようにしてフォークリフト400を前進させる。このとき、トラック200−2の前輪203は第4治具4により保持され、後輪204は第3治具3により保持されているので、第4治具4とともに、トラック200−2、及び第3治具3が一体化した状態で、コンテナ100内の奥側に移動していくことになる。
また、この場合には、第3治具3と第4治具4が接地面をずり動くことにより、その上のトラック200−2がコンテナ100内に入り込んでいくように移動することになる。この場合にも、接地面と、第3治具3及び第4治具4とが接触する部分で摩擦抵抗が生じるが、先の1台目のトラック200−1のときと同じく、フォークリフト400の力で余裕を持ってずり動かすことが可能なことを確認している。さらに、この場合には、フォークリフト400のフォーク401を少しだけ上げるように操作して、第4治具4側の接地面との接触部分を若干浮かせ気味にすることで、上記の摩擦抵抗をさらに低減することができる。
【0036】
そして、図8(b)に示す状態から徐々にトラック200−2(第4治具4)を押し込んでいくと、最終的には、第2治具2と第3治具の所定部位同士が当接することとなって、第3治具の動きが規制され、この位置にて止まることになる。これにより、トラック200−1とトラック200−2について、図2(a)に示したように、コンテナ100内において正しく積み込まれた状態での位置関係が得られることになる。
そして、実際の作業にあっては、トラック200−2をコンテナ100内に納めた後に、その前側部分についてのラッシングを行う。このラッシング作業は、例えば、キャビネット201下部のシャーシ202における左右の各前輪近傍の所定部位(例えばサスペンション用の板バネ部分)と、コンテナ100の底面とを締結具500により固縛する。
【0037】
また、実際おいては、第1治具1、第2治具2、第3治具3、第4治具4のそれぞれについて、コンテナ100内にてずれることがないように、所要の箇所に角材を宛がった上で、この角材を、コンテナ100の底面などに固定する作業も行っている。
以上説明したバンニングの手順により、本実施の形態では、コンテナ100に対して、2台のキャブ付きシャーシ型のトラックを積み込むことができる。
【0038】
そして、上記のようなバンニングの仕方によると、先ず、1台目のトラック200−1は、第1治具1に載せられた状態のままコンテナに進入することになる。このときには、第1治具1にてしかるべき位置にて輪止め保持されており、かつ、後述もするように第1治具1の横の最大幅は、ほぼコンテナの内寸幅に対応しているために、コンテナ内において左右に大きくぶれることがない。かつ、コンテナ内におけるトラック200−1は、第1治具1の前端部がコンテナの奥側の内壁に当接してそれ以上進入できなくなった状態となった段階で適正に位置決めされることになる。これにより、1台目のトラック200−1の積み込みは、図5に示したようにして、フォークリフト400によりコンテナ100内に押し込んでいくという作業にも関わらず、トラック200−1を傷つけることなく動かしながら、コンテナ内のしかるべき位置にまで安全に移動させていくことができる。
また、2台目のトラック200−2も、同様にして、第3治具3及び第4治具により後輪、前輪が輪止め保持された状態でコンテナ100に進入するようにして積み込まれるが、第3治具、第4治具の横幅もほぼコンテナの内寸幅に対応したものとしている。また、第3治具のコンテナ奥側へ進入する動きは、後述するようにして第2治具2の所定部位と当接することで規制され、この位置状態にてトラック200−2も適正位置に在るようにされる。これにより、2台目のトラック200−2の積み込みも、図8(b)に示したようにしてフォークリフト400によりコンテナ100内に押し込んでいくという作業にも関わらず、トラック200−2を傷つけることなく動かしながら、コンテナ内のしかるべき位置にまで安全に移動させていくことができる。
これは換言すれば、作業者が、トラックをコンテナに積み込む際の移動時において、トラックが傷つかないように細心の注意を払ったり、また、コンテナ内におけるトラックの位置の調整に注意を払ったりする必要がないということにもなる。このようにして、本実施の形態では、2台のトラックを積み込む作業の負担が軽減されるように配慮されている。このことは、特に、本実施の形態のようにしてトラックを運転してコンテナに進入させることができない状況では非常に有効である。
【0039】
続いては、本実施の形態に対応するデバンニングの手順例について説明する。
先ず、トラック200−1、200−2が積載されたコンテナ100の扉を開けたときには、コンテナ100内は、図2に示す状態となっている。例えばこの状態からデバンニングの作業をはじめるのにあたっては、先ず、手前(出入り口)側にて積まれているトラック200−2の前側のラッシングを解く。つまり、トラック200−2のキャビネット201下部のシャーシ202における左右の各前輪近傍の所定部位とコンテナ100の底面とを固縛している締結具500を取り外す。
次に、図9(a)に示すようにして、フォークリフト400をコンテナ100の出入り口101の手前まで前進させ、例えばフォークリフト400の垂直可動部402と、トラック200−2のキャビネット201下部のシャーシ202部分における所定箇所とを、牽引ベルト510により結ぶ。実際には、例えばシャーシ202におけるアクセルビームの左右において端(外側)に近い方の2箇所を、それぞれ、垂直可動部402と結ぶようにしている。
次に、上記の状態で、フォークリフト400をプラットフォーム300上で後退させていく。これにより、トラック200−2は、図9(a)から図9(b)への遷移として示すようにして、前輪203側が載置される第4治具4と、後輪204が載置されている第3治具3とともに、出入り口101からプラットフォーム300に出て行くようにして引き出されていくことになる。なお、ここでは作業を分かりやすく説明するために、トラック200−2の車体全体をコンテナ100から完全に引き出しているが、実際の作業にあたっては、例えば車体の半分程度をコンテナ100から引き出すだけでもよい。キャビネット201がコンテナ100から完全に出さえすれば、シャーシ202を全部コンテナ100から出さなくとも、出入り口101において作業者がコンテナ100に出入りできるのに充分な隙間ができるので、次に説明する作業を行うことができるからである。
【0040】
例えば上記図9(b)に示したようにしてトラック200−2を引き出したとされると、例えば作業者は、トラック200−2の後輪204側と第3治具3とを固縛している締結具500を取り外す。
また、第3治具3における左右の両後輪に対応する後側輪止め部材58、58は、第3治具3の本体側に対してボルト・ナットを使用して固定されているが、作業者は、このボルト・ナットを外すことにより、第3治具3の本体から後側輪止め部材58、58を取り外す。同様にして、第4治具4における左右の両前輪に対応する後側輪止め部材67、67も第4治具4のボルト・ナットを使用して固定されているが、作業者は、このボルト・ナットを外して、第4治具4の本体から後側輪止め部材67、67を取り外す。なお、この作業を行うときには、安全のために、トラック200−2のサイドブレーキをきかせておくようにすることが好ましい。
上記の作業が行われたことにより、トラック200−2は、第3治具3と第4治具4の上に単に乗っているだけの状態となる。また、後輪側の後側輪止め部材58、58と、前輪側の67、67がいずれも取り外された状態とされていることで、トラック200−2の左右の各前輪203及び各後輪204は、トラックが前進する方向への車輪の回転の規制が解除される状態となる。そこで、続いては、トラック200−2を運転して、図10(b)に示すようにして、トラック200−2を前進させて、その前輪203と後輪204を、それぞれ、第4治具4、第3治具3から降ろしてプラットフォーム300の上に来るようにする。これにより、第4治具4と第3治具3の上にはなにも載っていない状態となるので、作業者は、第4治具4と第3治具3を移動させて片付けるようにする。また、これでトラック200−2もプラットフォーム300上でさらに前進できることになるので、トラック200−2を運転してしかるべき保管場所に移動させる。
【0041】
ここまでの作業により、コンテナ100内には、図10(a)に示すようにしてトラック200−1が積載された状態で残っていることになる。
そこで続いては、先のバンニングにおいて図6(a)(b)により説明した手順について、ほぼ逆の手順を行うことで、第2治具2を取り外してトラック200−1の後輪204をコンテナ100の底面に接地させる。
つまり、先ずは、トラック200−1とコンテナ100の底面とを固縛している締結具500を全て外してラッシングを解く。次に、フォークリフト400のフォーク401の上に図6(b)と同様にしてシャーシ嵩上げ器具5を置き、このフォークリフト400をコンテナ100内に進入させる。そして、フォーク401を上げることで、第2治具2に後輪204が載置されていることで高い位置にあるシャーシ202の後端部にシャーシ嵩上げ器具5を宛がい、さらに少しだけフォーク401を上げることで、第2治具2から後輪204を浮かせるようにする。この状態で、作業者は、第2治具2を、例えば図6(b)の破線で示す位置状態に置き直す。そして、この状態のもとで、フォークリフト400のフォーク401を下げていき、図6(a)に示すようにしてトラック200−1の後輪204をコンテナ100内の底面に接地させる。この後、第2治具2は、コンテナ100の外に運び出して片付ける。
【0042】
このとき、トラック200−1は、同じ図10(b)に示すようにして、後輪204はコンテナ100内の底面に接地しているが、前輪203は、第1治具1に載置されている状態である。そこで続いては、図10(b)に示すようにして、先ず、フォークリフト400をコンテナ100の出入り口101の付近にまで前進させる。次に、このトラック200−1のシャーシ202の後端部における所定箇所と、フォークリフト400の垂直可動部402とを、牽引ベルト510により結ぶ。実際には、例えば、スプリングブラケットの左右の2箇所と垂直可動部402とを結ぶようにしている。
そして、上記のようにして牽引ベルト510を結んだ状態で、フォークリフト400を後退させていく。これにより、トラック200−1は、図10(b)から図11(a)への遷移として示すように、前輪203を輪止めして保持している第1治具1とともに、コンテナ100からプラットフォーム300側に引き出される。
なお、確認のために述べておくと、コンテナ100内にあるトラック200−1の両側とコンテナ100の側壁との間には、人がドアを開けてキャビネット201の運転席に乗り込めるだけの余裕はない。従って、このようにして、例えばフォークリフト400により引き出すことになる。
また、先にも述べたように、バンニングの際においては、トラック200−1のサイドブレーキはかけていない。このために、上記のトラック200−1を引き出すのにあたり後輪204はスムーズに回転し、トラック200−1の移動を阻害することがない。
【0043】
ここで、第1治具1についても、左右の両前輪に対応する後側輪止め部材24、24は、第3治具3の本体とボルト・ナットにより固定されている。そこで、作業者は、このボルト・ナットを外して第1治具1の本体から後側輪止め部材24、24を取り外し、トラック200−1が後退する方向の前輪203の回転の規制を解除する。
次に、図11(b)に示すようにして、トラック201−1を運転して後退させて第1治具1から前輪203を降ろさせる。後は、第1治具1を片付け、トラック200−1については、しかるべき保管場所まで移動させる。
【0044】
なお、バンニングの作業に際しても、トラック200−1の前輪203を第1治具1に載置するとき、また、トラック200−2の後輪204を第3治具3に載置するときには、後側輪止め部材24、58を取り外して行ってよい。
例えば第1治具1の場合であれば、図4(a)に示すようにして第1治具1を平置きにした状態のときに、予め、後側輪止め部材24を取り外しておき、この状態からトラック200−1を運転して、その前輪203が前側輪止め部材19に当接するまで前進させる。そして、この状態において、後側輪止め部材24をボルト・ナットにより固定して取り付けるものである。ただし、後側輪止め部材24を固定して取り付ける作業を行う分だけ、作業時間を取られることになる。そこで、バンニングに際しては、先に説明したように、乗り上げブロック350を用いて車輪を後側輪止め部材に乗り上げさせることで、後側輪止め部材24が取り付けられたままの状態でも、輪止めできるようにして効率化を図っている。
【0045】
続いて、第1治具1、第2治具2、第3治具3、及び第4治具4の構造について説明していく。これら第1治具1、第2治具2、及び第3治具3は、鋼鉄による角パイプ材、アングル材、板材などを組み合わせた、枠体としての基本構造を有する。このような枠体の構造とすることで、必要な強度を得ながらも、例えば人手で移動させることも容易に可能な程度の軽量化が実現されている。また、上記各材が組み合わされることで接触する部分を相互固定するのにあたっては溶接技術を用いる。
【0046】
先ず、図12は第1治具1を示している。図12(a)(b)(c)は、それぞれ、第1治具1の平面図、側面図、及び背面図である。また、図12(d)(e)は、トラック200−1の左右前輪に対応する後側輪止め部材24、24を示している。
なお、この図では、先の図3〜図11の説明に倣い、第1治具1についての向きとして、バンニングが行われた状態でコンテナ100の奥側となる向きを、ここでは「前」とし、その反対方向である、コンテナ100の出入り口側(手前側)となる向きを「後」とする。つまり、図12に示される第1治具1は、紙面の上側方がコンテナ100の奥側に入るので「前」となり、反対となる紙面の下側方がコンテナ100の出入り口側を向くので後となる。これに伴い、第1治具1の向きについて、奥側−手前側間に沿う方向を「縦」とし、これに直交する方向を「横」とする。また、紙面の左側、右側を、第1治具1の左側、右側とする。この点については、後述の図18、図21、図25において示される第2治具2、第3治具3、第4治具4についても同様である。
【0047】
この図に示すように、先ず、第1治具1は、3本の同じ長さの縦枠部材11a、11b、11cを縦方向に所定間隔で配置している。これら縦枠部材11a、11b、11cの長さが、第1治具1の縦方向における全長にほぼ相当する。また、これらの縦枠部材11a、11b、11cは、断面が長方形の角パイプ材であり、長方形の短辺に対応する面が接地するような向きで配置されるようになっている。
【0048】
この縦枠部材11a、11b、11cに対しては、先ず、その前側の先端部側に、アングル材によるトップガード部材12を宛がうようにして取り付ける。また、図示するようにして、角パイプ材による2本の横枠部材13a、13bを、縦枠部材11a、11b、11cの上側に載せるようにした状態で固定する。
また、もう1本の横枠部材13cを縦枠部材11bの後側の端部の上側に載せた状態として、横枠部材13cの左側の端部の下側と、縦枠部材11aの内側側面とをアングル材23bにより溶接して連結し、同様に、横枠部材13cの右側の端部の下側と、縦枠部材11cの内側側面とをアングル材23dにより溶接して連結(この部分は、図14にも示されている)し、さらに横枠部材13cと縦枠部材11bの接触部分も溶接することで、横枠部材13cの固定を行う。
【0049】
また、第1治具1の後側の端部から縦枠部材13bの前側端部の位置までの長さの縦枠部材11dを、縦枠部材11aに対して左に一定距離のところに平行に配置する。縦枠部材11dは、その断面が縦枠部材11a、11b、11cと同じサイズの長方形であり、この長方形の短辺が接地するような向きで配置される
【0050】
また、横枠部材13bに対して後側となる一定距離のところで、右側の縦枠部材11aと縦枠部材11dの上に掛け渡すようにして、角パイプ材の輪止め受け部材15aを配置する。そして、この輪止め受け部材15aと、その前側の横枠部材13bの部分を台座とするようにして、左前輪に対応する前側輪止め部材19aを固定して取り付ける。前側輪止め部材19aは、前側に向く方の面が垂直で、後側を向く面が所定角度の斜面となるようにして、図12(a)に示す幅の板部材を折り曲げて作る。
また、前側輪止め部材19aよりも後側で、縦枠部材11a、11dの間となる部分に、2本の角パイプ材によるタイヤ受け部材20a−1、20a−2を2列で並べて配置して、縦枠部材11a、11dと固定するようにして取り付ける。
【0051】
また、縦枠部材11dの左に対して、横枠部材13aと同じ高さで、角パイプ材による連結部材16aを取り付ける。この取り付けは、図14にも示されるようにして、アングル材23により連結して行う。
【0052】
また、第1治具1の左側面に対しては、板材によるガイドレール17aを宛がい、横枠部材13a、13b、輪止め受け部材15a、及び連結部材16aの左側端部との接触部分にて溶接により固定する。またさらに、補強アングル部材14aを、横枠部材13a、13bのほぼ中間位置にて、縦枠部材11aとガイドレール17aとに橋渡すようにして固定して取り付ける。
また、補強アングル部材14cも、輪止め受け部材15aと連結部材16aのほぼ中間となる位置に、縦枠部材11a、11dとの間に橋渡すようにして固定して取り付ける。なお、ガイドレール17aの前側端部と後側端部とには、それぞれ、折り曲げ部17a−1、17a−2が形成されている。この部分については図15により後述する。
ガイドレール17aは、数mm厚の板材であるので、上記のようにして補強アングル部材14a、14cを取り付けることで、ガイドレール17aが歪みにくくなるようにして強度を与えるようにしている。
【0053】
また、上記した縦枠部材11d、輪止め受け部材15a、前側輪止め部材19a、タイヤ受け部材20a−1・20a−2、連結部材16a、アングル部材23a、ガイドレール17a、補強アングル部材14a、14cによる、第1治具1の左側における組み立て構造に対して、左右対称となる構造が得られるようにして、第1治具1の右側において、縦枠部材11c、輪止め受け部材15b、前側輪止め部材19b、タイヤ受け部材20b−1・20b−2、連結部材16b、アングル部材23c、ガイドレール17b、補強アングル部材14b、14dを組み合わせて固定する。
【0054】
また、図12に示す第1治具1において、左側にあるタイヤ受け部材20a−1・20a−2の後側には、後側輪止め部材24をボルト・ナットにより固定するためのボルト受けアングル22a、22bが設けられる。
このボルト受けアングル22a、22bの周辺部位(後側輪止め部材の固定機構部に相当する)を、図13の斜視図により拡大して示す。また、図14(a)(b)により、ボルト受けアングル22aの周辺部位を左側からみた側面図と、出入り口側からみた正面図とを示す。
これら図13、図14に示すようにして、ボルト受けアングル22aには、ボルトBtの軸部が貫通するためのボルト孔22a−1が形成されている。ボルト受けアングル22aは、このボルト孔22a−1に対してボルトBtの軸部が、第1治具1の縦方向に沿って貫通する位置により、角パイプ材による台座部21aの上部に溶接で取り付けられる。また、台座部21aは、縦枠部材11dとアングル部材23aの上面部と、連結部材16aの右側端部に宛がわれるようにして溶接で取り付けられる。
【0055】
また、上記図13に示すようにして、上記台座部21a及びボルト受けアングル22aと、左右が対称となる位置関係により、台座部21bの上にボルト受けアングル22bを配置して取り付ける。台座部21bは、縦枠部材11aとアングル部材23bの上面部と、横枠部材13aの左側側端部に宛がった状態で溶接により取り付る。
【0056】
後側輪止め部材24は、例えば図13に示すように、ボルト受けアングル24b、24bに対して、角パイプ材のタイヤ受け部材24aの両端を溶接で取り付けることで形成される。また、タイヤ受け部材24aは、長方形の断面の長手方向に対応する面積の広いほうの側面部24a−1が、前側に向かって上向きとなるようにして斜めに取り付けられる。これにより、前輪のタイヤが載置されたときに、タイヤ受け部材24aの角がタイヤに押しつけられることが無く、側面部24a−1の平坦面にタイヤが当たることになり、タイヤに対して線状に集中して圧力がかからなくなる。この状態であれば、タイヤを傷めることがない。
【0057】
そして、この後側輪止め部材24を、第1治具1側の後側輪止め部材の固定機構部に取り付けるのには、図13に示すように、固定機構部側のボルト受けアングル22a、22bの垂直面に、後側輪止め部材24のボルト受けアングル24b、24bの垂直面を当接させる。このときに、ボルト受けアングル22a、22bのボルト孔22a−1、22b−1と、ボルト受けアングル24b、24bのボルト孔24b−1、24b−1の位置を合わせる。この状態で、例えば図示するようにして、ボルト孔22a−1、24b−1にボルトBtの軸部を貫通させたうえで、ナットNtにより締め込む。同じように、反対側のボルト孔22b−1、24b−1にもボルトBtの軸部を貫通させてナットNtにより締め込む。これにより、後側輪止め部材24は第1治具1側に固定して取り付けられる。
【0058】
また、後側輪止め部材の固定機構部は、右側前輪にも対応して、上記図13、図14に示した構造が左右対称となるようにして、ボルト受けアングル22c・22d、台座部21c・21d、アングル部材23c、23dなどを使用して、縦枠部材11c・11d、横枠部材13c、連結部材16bなどと組み合わせて形成される。そして、この右側の後側輪止め部材の固定機構部に対しても、上記と同様の要領で、後側輪止め部材24をボルトBt、ナットNtにより固定して取り付けることができる。
【0059】
また、図15(a)(b)は、それぞれ、第1治具1の左側面のガイドレール17aの前側先端部になる折り曲げ部17a−1の部分を拡大して前側から見た斜視図と、上面から見た平面図とを示す。
これらの図から分かるように、折り曲げ部17a−1は、ガイドレール17aの端部の所定長を内側(右側)に折り曲げるようにして形成されている。また、この折り曲げ部17a−1の折れ曲がった状態を保つために、図示するようにして、折り曲げ部17a−1と横枠部材13aの側面との間に所定長のピン部18a−1を設けている。このピン部18a−1は鋼鉄製の円柱状の材とされ、折り曲げ部17a−1及びピン部18a−1とその両端部とを溶接して固定している。
【0060】
第1治具1では、この図15と同じ構造が、先ず、同じ左側のガイドレール17aの後側の端部の折り曲げ部17a−2、ピン部18a−2、連結部材16aにより形成されている。また、右側のガイドレール17bの前側の端部の折り曲げ部17b−1、ピン部18b−1、及び横枠部材13aにより形成され、さらに右側のガイドレール17bの後側の端部の折り曲げ部17b−2、ピン部18b−2、及び横枠部材16bにより形成されている。
【0061】
上記のようにして、ガイドレール(沿え板部材)17a、17bそれぞれの前側端部、後側端部の計4箇所において、上記した折り曲げ部(逃面部)17a−1・17a−2・17b−1・17b−2を有する構造が形成されることにより、先ず、バンニング時において図5(a)(b)の作業を行うこときには、折り曲げ部17a−1・17b−1により、ガイドレール17a、17bの前側端部(ガイドレール17a(17b)と折り曲げ部17a−1(17b−1)により形成される角部近傍)がコンテナ100の側壁に当たったとしても、折り曲げ部17a−1・17b−1の手前側の面が逃げとなって、コンテナ100の側壁に引っかかることが無く、円滑に第1治具1をコンテナ100内に進入させていくことができる。また、デバンニング時において図10(b)、図11(a)の作業を行うときには、折り曲げ部(逃面部)17a−2・17b−2の手前側の面が、コンテナの側壁に対して逃げることができ、同様にして、ガイドレール17a、17bの後側端部がコンテナ100の側壁に引っかかることなく、スムーズに第1治具1をコンテナ100から引き出していくことができる。
【0062】
また、図12において幅(最大幅)W1で示される実寸は2320〜2330mm程度であり、コンテナ100の内寸幅2340mmに対して、左右のクリアランスは、5mm〜10mm程度である。この幅W1の長さは、本願発明者が検討の結果得たもので、上記の程度範囲より長すぎると、コンテナ100の側壁とガイドレール17a、17bの側面とが必要以上に接触するために、上記の折り曲げ部の構造の有る無きにかかわらず、コンテナ100内にて第1治具1を前後方向に沿って円滑に移動させることが難しくなる。
また、幅W1が上記の程度範囲より短すぎても、第1治具1の移動中において、コンテナ100内にて第1治具1が必要以上に左右にぶれて(左右方向の位置のずれ量が一定より大きくなって)、その角部がきつい角度でコンテナ100の側壁に当たって引っかかり気味になりやすく、コンテナ100内にて第1治具1をスムーズに移動させることは難しくなる。さらに、幅W1が短すぎることによっては、例えばバンニング後の輸送中において、許容範囲(例えばトラックがコンテナ内壁にぶつからないことが保証される範囲)を越えて左右にずれる可能性も高くなる。
【0063】
図16は、第1治具1におけるタイヤ受け部材20a−1、20a−2の部分を側面より見て拡大した図である。
タイヤ受け部材20a−1、20a−2は、その両側の端部を、それぞれ、縦枠部材11a・11dの側面と溶接して取り付けているのであるが、この際、図示するようにして、タイヤ受け部材20a−1、20a−2の下面部を接地面に接触させてしまうのではなく、タイヤ受け部材20a−1、20a−2の下面部と接地面との間に幅Sで示される隙間を確保した状態で取り付けることとしている。
【0064】
平置きされた第1治具1に対して適正にトラック200−1の前輪203が輪止めされて保持される状態では、タイヤ受け部材20a−1、20a−2には、トラック200−1の前輪203のタイヤの下側になった部分が載る。このために、タイヤ受け部材20a−1、20a−2には、トラック200−1の前側部分の重さがかかることになる。このときに、タイヤ受け部材20a−1、20a−2の下面部と接地面との間に隙間が無いと、トラック200−1の重さにより、タイヤ受け部材20a−1、20a−2の下面部が接地面に押し当てられることになる。この状態では、第1治具を動かす際の摩擦抵抗が大きくなり、第1治具1とともにトラック200−1をコンテナ100内に移動させるときの力が多く必要になってしまう。
そこで、上記のようにして或る所定の幅Sを与えて、トラック200−1の前輪203が載っても、タイヤ受け部材20a−1、20a−2の下面部が接地面に押し当てられないようにして、不用意に摩擦抵抗が大きくなることを避けるようにしている。ちなみに、この幅Sとしては、例えば3mm程度をとれば充分であることが確認されている。
【0065】
また、図17の斜視図は、第1治具1の縦枠部材11aの前側端部を拡大して示している。この図に示すようにして、縦枠部材11aの前側の側端部において接地面に接する下側側面の端部は、角を取って接地させないような形状に形成している。この形状は、同じ縦枠部材11aにおける反対側の後側端部においても形成している。
図12(c)から分かるように、第1治具1において接地する箇所を有する部材は、上記縦枠部材11aのほかには、縦枠部材11b・11c・11d・11eであるが、これらの縦枠部材11b・11c・11d・11eの前側端部及び後側端部にも、同様の形状を形成している。
これにより、第1治具1を平置きした状態での前側への移動、及び後側への移動の際に、縦枠部材11b・11c・11d・11eの下側側面の端部の角が接地面に引っかかることが無くなる。つまり、このような形状を与えることによっても、例えばバンニング時及びデバンニング時における第1治具1の移動がスムーズなものとなるように配慮している。
【0066】
図18は、第2治具2を示している。図18(a)は、第2治具2を後側からみた正面図であり、図18(b)は、左側側面図であり、図18(c)は右側側面図であり、図18(d)は平面図である。なお、この図では奥側(前)が紙面の下側を向き、手前側(後側)が紙面上側を向いており、例えば図12とは上下が逆になっている。
第2治具2の左側面部分は、図18(a)(b)に示されるように、縦方向に配置した角パイプ材による下縦部材33aの上面部の後側端部と前側端部とに対して、それぞれ脚部材31a、31bを立てるようにして取り付け、さらに、これら脚部材31a、31bの上に載せるようにして、下縦部材31aと同じ長さの上縦部材32aを取り付ける。このようにして形成される長方形形状の枠に対しては、補強のために、アングル材による補強部材36a、36b、36cを取り付けている。補強部材36aは、上記長方形形状の対角線に対応させるようにして取り付けられ、補強部材36bは、上縦部材32aと脚部材31aとの間に斜交いさせるようにして取り付けられ、補強部材36cは、下縦部材33aと脚部材31bとの間に斜交いさせるようにして取り付けられている。
【0067】
第2治具2の右側面部分は、図18(a)、図18(c)に示すようにして、下縦部材33b、脚部材31c、31d、及び上縦部材32bにより、上記左側側面部の下縦部材33a、脚部材31a、31b、及び上縦部材32bと同様に組み合わせて長方形形状の枠を形成したうえで、ここに、補強部材36d、36e、36fを、右側側面図の補強部材36a、36b、36cの取り付け方に準じて取り付ける。
【0068】
次に、上記のようにして形成した左側面部と右側面部に対して2本の横枠アングル34a、34bを橋渡して載せるようにして固定する。このとき、横枠アングル34aは、その屈曲部分の縁が左側面部・右側面部の後側端部に沿うようにして位置させ、横枠アングル34bは、その屈曲部分の縁が左側面部・右側面部の前側端部に沿うようにして位置させる。
また横枠アングル34a、34bに対しては、それぞれ、ほぼ同じ長さの、断面形状が長方形の角パイプ材によるタイヤ受けレール35a、35bを固定して取り付ける。このときには、図18(b)(c)、及び図19の斜視図に拡大して示すように、タイヤ受けレール35a、35bは、その長方形の長辺に対応する面を、横枠アングル34a、34bの端部に宛がうようにすることで、もう一方の長方形の長辺に対応する面が、互いに斜め内側を向く姿勢となるようにする。
このタイヤ受けレール35a、35bには、トラック200−1の左右の後輪204が載せられることになるが、上記のようにしてタイヤ受けレール35a、35bの断面長方形の長辺に対応する面が斜め内側を向いていることで、タイヤが載置されたときに、タイヤ受けレール35a、35bのパイプの角がタイヤに押しつけられずに、上記断面長方形の長辺に当たり、タイヤに対して線状に圧力が集中して掛からなくなる。
【0069】
また、上記のようにして横枠アングル34a、34b及びタイヤ受けレール35a、35bを取り付けた後には、例えば、図18(d)に示すようにして、タイヤ受けレール35a、35bに橋渡すようにして、補強部材37a、37b、37cを取り付けることで、横枠アングル34a及びタイヤ受けレール35aから成る横方向の枠と、横枠アングル34b及びタイヤ受けレール35bから成る横方向との枠の強度を高める。
トラック200−1の左右の後輪204は、それぞれ、上縦部材32aと補強部材37aとの間、上縦部材32bと補強部材37cとの間に位置するようにして載ることになる。
【0070】
さらに、図18(a)に示すようにして、脚部材31aと横枠アングル34aとの間に斜交いさせるようにして、補強部材36gを取り付ける。また、これと左右対称とある位置に在る、脚部材31cと横枠アングル34aとの間にも斜交いさせるようにして、補強部材36hを取り付ける。また、ここでは図示していないが、前側の脚部材31bと横枠アングル34bとの間、及び脚部材31dと横枠アングル34bとの間にも、それぞれ、補強部材36g、36hと同じ補強部材を、斜交いさせるようにして取り付ける。
【0071】
また、後側となる左右の脚部材31a、31cの後側を向く面には、所定の高さ位置に対して、それぞれ、ストッパ受け部材38a、38bが取り付けられている。
このストッパ受け部材38a、38bは、図20の斜視図により拡大して示すように、所定幅の板材を略コの字状に折り曲げて形成されており、そのコの字状に折り曲げられた板材の両端部を、脚部材31a、31cの後側を向く面に当てた状態で取り付けている。
ストッパ受け部材38a、38bは、バンニング作業によって第3治具3がコンテナ100内のしかるべき位置にまで進入した状態の下で、この第3治具3の上への動き(浮き上がり)を規制するようにして機能するが、この点については後述する。
【0072】
また、図18において幅(最大幅)W2で示される実寸は、図12示した第1治具1の幅W1とほぼ同じに設定されている。これにより、例えば第1治具と同様に、バンニング後の輸送中において、許容範囲を越えて左右にずれることが無いようにされる。
【0073】
図21は、第3治具3を示している。
図21(a)(b)(c)は、それぞれ、第3治具3の平面図、側面図、及び背面図である。また、図21(d)(e)は、トラック200−2の左右後輪に対応する後側輪止め部材58,58を示している。
先ず、第3治具3としては、5本の縦枠部材41a、41b、41c、41d、41eを縦方向に所定間隔で配置している。これら縦枠部材41a、41b、41c、41d、41eは、それぞれが同じ長さによる断面が長方形の角パイプ材であり、その長方形の短辺に対応する面が接地する(立てる)向きとしている。また、これら縦枠部材41a、41b、41c、41d、41eの長さは、第3治具3の縦方向における全長にほぼ相当するものとなる。
なお、これら縦枠部材41a、41b、41c、41d、41eの前後の各端部についても、図17と同様にして下面部側の角を取って接地させない形状としている。
【0074】
上記のようにして配置した縦枠部材41a、41b、41c、41d、41eの前側端部に対しては、断面長方形の角パイプ材による横枠部材42aを、その断面長方形の長辺に対応する面が上下に向く状態で横方向に配置して、取り付けを行う。なお、横枠部材42aの中央から左右にそれぞれ所定長だけ離れた位置には、バンニングのときにロープを掛けるためのフック59a、59bが取り付けられる。
【0075】
横枠部材42aの左右の両端には、ガイドレール55a、55bがそれぞれ取り付けられ、その前側端部には、折り曲げ部55a−1、55b−1が形成されている。この折り曲げ部55a−1、55b−1の部分は、先に示した図15と同様にして形成されており、折り曲げ部55a−1、55b−1の裏側と横枠部材42aの前側側面との間には、ピン部56a、56bをそれぞれ設けることで、折り曲げ部55a−1、55b−1を補強している。
【0076】
また、後側において、中央3本の縦枠部材41b、41c、41dにまたがせるようにして横枠部材42bを配置して取り付ける。この横枠部材42bの中央から左右にそれぞれ所定長だけ離れた位置にも、バンニング用のフック59c、59dが取り付けられる。
【0077】
また、後側端部において左側2本の縦枠部材41a、41bの間には、板状の横枠接地プレート43aを配置し、ほぼ接地した高さで縦枠部材41a、41bに固定して取り付ける。
同様に、後側端部において右側2本の縦枠部材41d、41eの間には、板状の横枠接地プレート43bを配置し、ほぼ接地した高さで縦枠部材41d、41eに固定して取り付ける。これら横枠接地プレート43a、横枠接地プレート43bは、第3治具3の後側において、横枠部材42bとともに横枠として機能するものであるが、これら横枠接地プレート43a、横枠接地プレート43bは、上記したように板状部材とされてほぼ接地した高さに設けられることで、この上をトラック200−2の前輪が踏みながら通過することができる。
【0078】
また、第3治具3において、後側の左右両側には、ガイドレール51a、51bをそれぞれ取り付ける。この場合、左側のガイドレール51aは、縦枠部材55aの左側面に対して取り付けた連結部材49a、50aの左端部側に取り付けるようにされている。同じく、右側のガイドレール51bは、縦枠部材55eの右側面に対して取り付けた連結部材49a、50aの左端部側に取り付けるようにされている。
また、ガイドレール(沿え板部材)51aの前後の両端には、折り曲げ部(逃面部)51a−1、51a−2が形成され、ガイドレール(沿え板部材)51bの前後の両端にも同様に、折り曲げ部(逃面部)51b−1、51b−2が形成される。また、後端側の折り曲げ部51a−2、51b−2の裏側と連結部材50aとの間には、ピン部57a、57bをそれぞれ設けて、折り曲げ部51a−2、51b−2を補強している。これらの部位も、図15と同様の構造とされてよい。
第3治具3がコンテナ内に進入していくときには、前側の折り曲げ部51a−1、51b−1の面が逃げとなって、この折り曲げ部の根元の部位(折り曲げが生じている角の部位)がコンテナ100の側壁に引っかかることが無くなり、そのときの移動をスムーズなものにする。同様に、デバンニングのときには、後側の折り曲げ部51a−2、51b−2の面が逃げとなるので、この折り曲げ部の元の部位(折り曲げが生じている角の部位)がコンテナ100の側壁に引っかかることなく、スムーズに第3治具3をコンテナ100から引き出していくことができる。
【0079】
ここで、第3治具3の前側において得られる、ガイドレール51aからガイドレール51bまでの横幅(最大幅)W3は、先に図12に示した第1治具1の幅W1と同等の実寸を有する。つまり、横幅W3は、コンテナ100の内寸幅に対応させたものとなっている。これにより、第1治具1と同様に、前後方向に沿った移動が円滑に行われる、また、輸送中に大きく左右にずれることの防止が図られる。
【0080】
これに対して、第3治具3の後側において得られる、横枠部材42aの長さにほぼ対応する幅W4は、図18(a)に示す第2治具2の左右の脚(下縦部材33a、33b)の間の幅W2sに対してちょうど具合良く収まるような実寸を設定する。
バンニング時には、第2治具2の左右の脚(下縦部材33a、33b)の間に、第3治具3の前側が進入する状態となる。例えば上記の幅W4と幅W2sとの間のクリアランスが小さすぎると、第2治具2に第3治具3が接触しやすくなってスムーズな進入を妨げるが、逆に大きすぎても、第3治具3が直進する姿勢が保てなくなって第2治具との引っかかりが生じやすくなる。従って、幅W4は、上気したことを考慮して適切なクリアランスが得られるようにして設定されるべきものとなる。
【0081】
また、前側の横枠部材42aの左右両端にてガイドレール(沿え板部材)55a、55bのそれぞれから延びる折り曲げ部55a−1、55b−1が形成されていることで、これら折り曲げ部55a−1、55b−1の面(逃面部)が案内となるとともに、横枠部材42aの左右両端が第2治具2の脚部にひっかかることがなく、第3治具3の前側の部位は、第2治具2の脚部の間にスムーズに進入していけることになる。
【0082】
第3治具3の左前側においては、先ず、断面長方形の角パイプ材による輪止め受け部材44aを、左側2本の縦枠部材41a、41bの上面に対して掛け渡すようにして、配置して取り付け、さらに、図21(b)から分かるように、この輪止め受け部材44aと横枠部材42aとを台座とするようにして前側輪止め部材45aを取り付ける。この前側輪止め部材42aは、前側に向く方の面が垂直で、後側を向く面が所定角度の斜面となるようにして、図21(a)に示す幅の板部材を折り曲げて作られたものである。
【0083】
また、同じ第3治具3の左側において、上記輪止め受け部材44aの位置から所定の寸法だけ後側となる、左側2本の縦枠部材41a、41bの間に、2本の断面長方形の角パイプ材によるタイヤ受け部材46a−1、46a−2を横方向に沿って2列に並べるようにして取り付ける。
【0084】
同様にして、第3治具3の右前側においては、断面長方形の角パイプ材による輪止め受け部材44bを、右側2本の縦枠部材41d、41eの上面に対して掛け渡すようにして配置して取り付けたうえで、この輪止め受け部材44bと横枠部材42aとを台座とするようにして前側輪止め部材45bを取り付ける。
また、同じ右側の輪止め受け部材44bの位置から所定の寸法だけ後側となる、左側2本の縦枠部材41a、41bの間において、タイヤ受け部材46a−1、46a−2と同じ縦方向の位置に、タイヤ受け部材46b−1、46b−2を横方向に沿って2列に並べるようにして取り付ける。
【0085】
上記左側のタイヤ受け部材46a−1、46a−2、及び右側のタイヤ受け部材46b−1、46b−2は、トラック200-2の後輪が輪止め保持される状態において、それぞれ、右後輪、左後輪のタイヤが載る部位となるもので、その取り付け高さについては、先に図16により説明したタイヤ受け部材20a−1、20a−2(20b−1、20b−2)と同様となるようにする。
【0086】
次に、第3治具3において、図21(d)(e)の後側輪止め部材58、58を取り付ける固定機構部位について説明する。
図22、図23は、後側輪止め部材58の固定機構部位として、第3治具3において最も左の縦枠部材41aに対して設けられる、ボルト受けアングル48aの周辺部位を示している。図22(a)は、ボルト受けアングル48aの周辺部位を、図21(b)の側面方向から見た側面図であり、図22(b)は、図21(c)に対応する背面方向から見た背面図であり、図22(c)は、図21(a)に示す上面から見た上面図である。図23は、ボルト受けアングル48aの周辺部位を、第3治具3の前側より斜め右上方向から見た斜視図である。
【0087】
これらの図に示されるようにして、縦枠部材41aの上面部に対して外側に1/2の幅分ほどずらした位置に台座部47aを配置して取り付ける。この際、台座部47aの下面部には、図示するようにして、連結部材49aの上面部と対向する部分が形成される。
この台座部47aの上に対しては、さらに、外側に1/2の幅分ほどずらした位置にボルト受けアングル48aを取り付ける。このボルト受けアングル48aには、図示するようにして、第3治具3の縦方向に沿ってボルトが貫通できるようにしてボルト孔48a−1が形成されている。
【0088】
また、この図から分かるように、台座部47aの外側(左側)側面の前側には、ストッパ部材47a−1が取り付けられる。このストッパ部材47a−1は、所定幅の板材を略コの字状に折り曲げて形成されており、そのコの字状に折り曲げられた板材の両端部を、台座部47aの外側(左側)側面に当てた状態で取り付けている。
【0089】
次に、上記ボルト受けアングル48aに対応する固定機構部位と、左右の対を成す、もう一方(右側)の固定機構部位について、図24を参照して説明する。図24(a)は、左から2本目の縦枠部材41bに対応して設けられる、ボルト受けアングル53aの周辺部位を、図21(b)の反対方向からみた側面図であり、図24(b)は、ボルト受けアングル53aの周辺部位を、図21(c)に対応する背面方向から見た背面図である、
【0090】
図24に示される、左側の後側輪止め部材58に対応する右側の取り付け部位としては、縦枠部材41bの上面部に対して、内側に1/2幅分をずらした位置に台座部52aを配置して取り付ける。このときには、アングル材による連結アングル54aを図示するようにして縦枠部材41bの側面部と台座部52aの下面部に宛がうようにして取り付けて補強している。
次に、台座部52aの上面部において、内側に1/2幅分をずらした位置に、ボルト受けアングル53aを取り付ける。
【0091】
このようにして、図21(d)に示す左側の後側輪止め部材58に対応する左右一組の取り付け部位が形成される。ここで、後側輪止め部材58自体は、図13に示したのと同様に、ボルト受けアングル58b、58bに対して、断面形状が長方形の角パイプ材のタイヤ受け部材58aの両端を溶接で取り付けて成る。また、このときには、図13同様に、タイヤ受け部材58aは、その長方形の断面の長手方向に対応する面積の広いほうの側面部が、前側に向かって上向きとなる斜めの状態で取り付けられる。
【0092】
そして、この図21(d)の後側輪止め部材58を、第3治具3側の固定機構部に取り付ける際には、図13と同様にして、固定機構部側のボルト受けアングル48a、53aの垂直面に、後側輪止め部材58のボルト受けアングル58b、58bの垂直面を当て、このときに、ボルト受けアングル48a、53aのボルト孔48a−1、53a−1と、ボルト受けアングル58b、58bのボルト孔58b−1、58b−1の位置を合わせる。この状態で、例えば図示するようにして、左側のボルト孔48a−1、58b−1にボルトBtの軸部を貫通させたうえで、ナットNtにより締め込む。同じように、反対右側のボルト孔53a−1、58b−1にもボルトBtの軸部を貫通させてナットNtにより締め込む。
【0093】
そして、上記した左側(トラック200−2の右後輪対応)の一組の固定機構部と左右対称となるようにして、第3治具3の右側にてトラック200−2の右後輪に対応する一組の固定機構部が設けられる。つまり、先ずは、図22と左右対称となるようにして、最も右側の縦枠部材41eを基礎にして、台座部47b、ボルト受けアングル48b(ボルト孔48b−1を有する)を取り付ける、また、台座部47bの外側には、右側のストッパ部材47a−1と同様にして、ストッパ部材47b−1を取り付けて一方の固定機構部を形成する。また、右から2番目の縦枠部材41dに対しては、図24と左右対称となるようにして、台座部52b、連結アングル54b、ボルト受けアングル53b(ボルト孔53b−1を有する)を組み合わせて他方の固定機構部を形成する。
そして、このようにして形成される固定機構部の組に対しても、図21(e)に示す後側輪止め部材58を、図21(d)の後側輪止め部材58と同様にして、ボルト・ナットにより固定することができる。
【0094】
図25は、第4治具4を示している。
図25(a)(b)(c)は、それぞれ、第4治具4の平面図、側面図、及び背面図である。図25(d)(e)は、トラック200−2の左右前輪に対応する後側輪止め部材77、77を示している。
第4治具4としては、先ず、3本の長い縦枠部材61a、61b、61cを縦方向に所定間隔で配置する。これらは、それぞれが同じ長さによる断面が長方形の角パイプ材であり、その長方形の短辺に対応する面が接地する(立てる)向きにより配置している。また、これら縦枠部材61a、61b、61cの長さは、第4治具4の縦方向における全長にほぼ相当する。また、これら縦枠部材61a、61b、61cの前後の各端部については、図17と同様にして下面部側の角を取って接地させない形状としている。
【0095】
上記のようにして配置した縦枠部材61a、61b、61cに対しては、3本の横枠部材62a、62b、62cを直交するようにして交差させて上に置くようにして配置して取り付けを行う。横枠部材62a、62b、62cは、いずれも断面長方形の角パイプ材であり、横枠部材62aは、縦枠部材61a、61b、61cの前端部に合わせて配置され、横枠部材62bは、中間よりもやや後側に配置され、横枠部材62cは、縦枠部材61a、61b、61cの後端部に合わせて配置される。
【0096】
また、後端部の横枠部材62cの上面後端部に沿っては、断面形状が長方形の角パイプ材を立てた状態で配置し、これをリフト受け部材63として取り付けることとしている。図8(b)に示すようにして、第3治具3と第4治具4の上に載置されたトラック200−2をフォークリフト400によりコンテナ100内に押し込んでいくときには、このリフト受け部材63と横枠部材62cの背面部に対して、垂直可動部402の根元部分側が押し当てられることになる。リフト受け部材63は、このときに受ける力に応じて、横枠部材62cを補強する機能を有する。また、図8(b)に示すようにしてフォークリフト400によりトラック200−2を押し込んでいく際には、実際には、フォーク401の根元部分にスペーサSP(例えば角材などを用いる)を置き、このスペーサSPの前側側面を、第4治具4に押し当てるようにする場合がある。スペーサSPは、フォークリフト400の垂直可動部402と、トラック200−2のキャビネット201の前面側との間に充分なクリアランスが無いような場合に、このクリアランスを確保するために用いられる。このようにしてスペーサSPを用いる場合において、リフト受け部材63が無いとすると、横枠部材62cにおける断面長方形における短辺に対応する狭い面のみによりスペーサSPを受けることになり、充分に力を与えにくくなる。そこでリフト受け部材63を設けることとすれば、リフト受け部材63の断面長方形における長辺に対応する広い面によってもスペーサSPを受けることになり、第4治具4側に充分な力を与えることができる。
【0097】
次に、上記のようにして形成される枠組みにおけるやや前側の位置の左右に対して、図示するようにして、短い縦枠部材61d、61eをそれぞれ配置する。
そのうえで、先ず、左側においては、縦枠部材61dと縦枠部材61aの上に、断面形状が長方形の角パイプ材の輪止め受け部材64a、65aを前後方向に所定の距離を隔てて配置して取り付ける。そして、この輪止め受け部材64a、65aの上に、図25(b)に示すようにして、この輪止め受け部材64a、65aとを台座とするようにして前側輪止め部材66aを取り付ける。この前側輪止め部材66aも、前側に向く方の面が垂直で、後側を向く面が所定角度の斜面となるようにして、図25(a)に示す幅の板部材を折り曲げて作る。
【0098】
また、輪止め受け部材64a、65aより後方において、縦枠部材61dと縦枠部材61aの間に、2本の断面長方形の角パイプ材によるタイヤ受け部材67a−1、67a−2を横方向に沿って2列に並べるようにして、図16に準じた高さにより取り付ける。
【0099】
また、縦枠部材61dの後側端部の左上角部には、断面形状が長方形の角パイプ材による連結部材50cを宛がって固定して取り付けたうえで、この連結部材50cの左側の端部と、左側に延長した上記輪止め受け部材64a、65a端部とに対して、前後方向に沿わせるようにしてガイドレール69aを取り付ける。そのうえで、ガイドレール69aの中央よりもやや後側にて、補強のために、ガイドレール69aと縦枠部材61dとの間に1つの連結アングル68aを取り付けておくようにする。
また、ガイドレール69aの前後の両端部には、図15に準じて、それぞれ、折り曲げ部69a−1とピン部70a−1、折り曲げ部69a−2とピン部70a−2が形成されている。ピン部70a−1は、折り曲げ部69a−1の裏面と、輪止め受け部材64aの前側側面との間に設けられ、ピン部70a−2は、折り曲げ部69a−2の裏面と、連結部材50cの後側側面との間に設けられる。
【0100】
また、第4治具4の右側においても、上記縦枠部材61a、輪止め受け部材64a、65a、前側輪止め部材66a、タイヤ受け部材67a−1、67a−2、連結部材50c、連結アングル68aと同様の組み方により、縦枠部材61b、輪止め受け部材64b、65b、前側輪止め部材66b、タイヤ受け部材67b−1、67b−2、連結部材50d、連結アングル68bを組み合わせて固定する。
【0101】
なお、第4治具4における左のガイドレール69aから右のガイドレール69bまでの横幅(最大幅)W5は、コンテナ100の内寸幅に対応させたもので、例えば、先に図12に示した第1治具1の幅W1と同等の実寸を有し、これにより、前後方向に沿った移動が円滑になり、また、輸送中に大きく左右にずれてしまうことの防止が図られる。
そして、これらのガイドレール(沿え板部材)69a、ガイドレール69bの前後の端部において、それぞれ、折り曲げ部(逃面部)69a−1、69a−2、また、折り曲げ部69b−1、69b−2が形成されていることで、第1治具1、第3治具3と同様に、コンテナ100内への進入、コンテナ100からの引き出しのときの移動がスムーズに行われるようにされている。
【0102】
また、第4治具4において、図25(d)の後側輪止め部材77を取り付ける固定機構部位は、図13に示される、第1治具1の固定機構部位の構造にほぼ準じて、左片側については、縦枠部材61dに対して、台座部71a、連結アングル73a、ボルト受けアングル72aを組み合わせて取り付け、右片側については、縦枠部材61aに対して、台座部74a、連結アングル75a、ボルト受けアングル75aを取り付けて形成する。
【0103】
一方、図25(e)の後側輪止め部材77を取り付ける固定機構部位は、上記の図25(d)の後側輪止め部材77を取り付ける固定機構部位と左右対称となるようにして、右片側については、縦枠部材61eに対して、台座部71b、連結アングル73b、ボルト受けアングル72bを組み合わせて取り付け、左片側については、縦枠部材61cに対して、台座部74b、連結アングル75b、ボルト受けアングル75bを取り付けて形成する。
【0104】
図21(d)(e)の後側輪止め部材77、77も、図13の後側輪止め部材24と同様にして形成されるもので、図21(d)に示す左側の後側輪止め部材77については、左右のボルト受けアングル72a、75aのボルト孔72a−1、75a−1と、後側輪止め部材77側の左右のボルト孔77b−1、77b−1との位置を合わせて、ボルトBt、ナットNtにより締結して固定できる。
同様に、図21(e)に示す左側の後側輪止め部材77については、左右のボルト受けアングル75b、72bのボルト孔75b−1、72b−1と、後側輪止め部材77側の左右のボルト孔77b−1、77b−1との位置を合わせて、ボルトBt、ナットNtにより締結して固定できる。
【0105】
図26、図27は、コンテナ100内にてトラック200−1、200−2が適正に積み込まれたときの状態の第2治具2、及び第3治具3を抜き出したものである。
【0106】
図26は、第2治具2と第3治具3を、前側(コンテナ100の奥側)より右斜め上から見た斜視図であり、図27は、第2治具2と第3治具3を、コンテナ100の奥側から正面方向に見た正面図である。
【0107】
先にも述べたが、第3治具3の前側端部の幅W4については、第2治具2の左右の脚部(下縦部材33a、33b)の間の幅W2sに対して、予め設定したクリアランスを有するようにして設定されているもので(図27)、これにより、図示するようにして、バンニング作業によっては、第3治具3は、その前側部分が、第2治具2の左右の脚(下縦部材33a、33b)との間に進入して入り込んだ状態となる。
【0108】
ここで、図26において破線Aにより括って示す部分を拡大した図として、その斜視図を図28に示す。また、図29(a)(b)に、それぞれ、図26の破線Aの部分を拡大して外側より見た側面図、上面から見た平面図を示す。これらの図には、本実施の形態において、第2治具2に対する第3治具の位置、動きを規制する規制機構が示される。
なお、これら図28、図29により示す規制機構は、第2治具2及び第3治具3の後方から見て左側において設けられるものであるが、先の図18、図21による第2治具2、第3治具3の構造からも理解されるように、図28、図29に示したものと左右対称で同じ構造の規制機構が、第2治具2の脚部31c、ストッパ受け部材38b、及び第2治具のストッパ部材47b−1とにより構成されている。以降の説明においては、この図28、図29に示す一方の側の規制機構の構成、及びその機能などについて述べ、他方の側についての説明は特に述べてはいないが、当然のことながら、ここで説明している一方の側の規制機構と同様の作用効果などが、他方の側の規制機構によっても得られているものである。
【0109】
これらの図28、図29においては、先ず、第2治具2の脚部材31aの後側の側面には、第3治具3側のストッパ部材47a−1の前側に位置する側面と、台座部47aの前側端部の部分が当接している状態が示されている。
例えば図8(b)に示すようにしてトラック200−2をコンテナ内に押し込んでいくバンニング作業に伴っては、図26の矢印Fの方向から、第2治具2の脚部の間に、第3治具3が進入していくことになる。そして、この進入がある程度まで行われると、上記図28、図29に示したように、第3治具3のストッパ部材47a−1と台座部47aとが脚部材31aに当接する状態に至ることになる。
【0110】
バンニング作業により、1台目のトラック200−1がコンテナ100に納められた状態では、図7(a)(b)などに示されるように、第2治具2の上には1台目のトラック200−1の後輪が載置されていることで、第2治具2は、トラック200−1からかかる重さで、コンテナ内にて固定されているのと同様の状態が得られている。さらに加えるならば、締結具500により、トラック200−1の左右の後輪204が、コンテナ100の底面部と固縛されるようにしてラッシングされているので、第2治具2の固定は、より強固なものとなっている。
このようにして、第2治具2が固定された状態にあることで、第2治具2のストッパ部材47a−1と台座部47aとが脚部材31aに当接する状態に至った段階では、さらに第3治具3を奥側に押し込む力を与えても、これ以上は進入していくことができず(即ち、第2治具2が奥に一緒に押し込まれることがない)、その位置に在るようにして規制されることになる。なお、図8(b)に示すバンニング作業時においても、フォークリフト400の作業者が第4治具4を押しているときには、第3治具3のストッパ部材47a−1(47b−1)と台座部47bが第2治具2の脚部材31bに当接して押し当てているが、これ以上は進入していかない抵抗感を感じることで、トラック200−2(第3治具3、第4治具4)が適正位置にまで移動したことを判断し、第4治具4を押す作業をそこで止めるようにしている。そして、このときには、コンテナ100内にて、例えば図2(a)にて述べたように、トラック200−2がしかるべき位置状態に在るようにされる。
【0111】
なお、確認のために述べておくと、上記図28、図29に示す状態のとき、コンテナ100の中では、1台目のトラック200−1の後輪204が、第2治具2の上に載置されることで、トラック200−1のシャーシ202が所定の高さにより持ち上げられる状態が得られるようにされる。また、トラック200−1のシャーシ202の下側において、2台目のトラック200−2のシャーシ後部が、所定長だけ入り込んだ状態が得られるようにされる。換言すれば、このようなトラック200−1、200−2の位置状態が得られるようにして、第2治具2によるトラック200−1の持ち上げ高と、第2治具3においてトラック200−2の後輪を輪止めする部位の前後方向における位置が設定されているものである。
【0112】
また、上記のようにして、第3治具3のストッパ部材47a−1と台座部47aが、第2治具2の脚部材31aに当接して、第2治具2に対して第3治具3が規制位置に在る状態では、同じ図28、図29から分かるように、第2治具2の脚部材31aの後側側面に取り付けたストッパ受け部材38aの直ぐ下に、第3治具3のストッパ部材47a−1が位置する状態となる。
【0113】
2台目のトラック200−2をコンテナ100に進入させていくことによっては、そのキャビネット201がコンテナ100内に入り込んだ段階で、図2(c)などからも分かるように、トラック200−2のキャビネット201がコンテナ100の出入り口をほとんど塞ぐような状態になる。この状態では、コンテナ100の外側と、コンテナ100の中との間を、人である作業者が行き来することが非常に難しくなる。従って、例えば2台目のトラック200−2の後輪204側について、例えば、コンテナ100内の底面部と固縛するラッシングを行うことも、非常に困難なものとなる。
【0114】
そこで、本実施の形態としては、上記図28,図29のようにして、第2治具2の脚部材31aの後側側面に取り付けたストッパ受け部材38aの直下に第3治具3のストッパ部材47a−1が位置するようにしているものである。
これにより、仮に、第3治具3を上に浮き上がらせるような力が加わったとしても、ストッパ受け部材38aの下面部に第3治具3のストッパ部材47a−1の上端部が当接することで、第3治具3の上への動きは規制されて、浮き上がることがない。確認のために述べておくと、ストッパ受け部材38aを有する第2治具2のほうは、先にも述べたように、トラック200−1の後輪204が載置されていることで、トラック200−1の重さによってコンテナ100の底面部に対して固定されているのと同じ状態であるから、上記の第3治具3の上への動きを規制する力も非常に強い。
そのうえで、2台目のトラック200−2の後輪204は、図7(b)によっても説明したように、第3治具3に対して固縛されており、第3治具3と一体化しているのと同様の状態となっている。従って、上記のようにして第3治具の上へ浮き上がる動きが規制されることによっては、2台目のトラック200−2の後部側が浮き上がることが防止されることになる。
つまり、本実施の形態では、第2治具2の脚部材31aの後側側面に取り付けたストッパ受け部材38aの直下に第3治具3のストッパ部材47a−1が位置する状態とすることにより、トラック200−2の後輪204について、コンテナ100側(例えば底面部)に固縛してラッシングしているのと同程度の固定強度を得ているものである。
【0115】
なお、輸送の状況などによっては、これまでに述べてきたラッシング(固縛)を行う必要が無くなる可能性が、全く無いとはいえないが、第3治具3に対してトラック200−2の後輪204を固縛するラッシングを行わないとしても、上記の第3治具3の上への動きを規制する機構の有用性は失われない。例えば、上への動きが規制されることで、第3治具3の動き自体がその分大幅に規制されるために、揺れ、衝撃などがあっても、第3治具3の位置がさらにずれにくくなるからである。
【0116】
また、これまでの説明をまとめると、第3治具の動き(第2治具に対する第3治具の位置)が規制されるようにするための規制機構としては、その規制する動きの方向、目的に応じて、2つ(2種)を有しているといえる。
1つは、第3治具3が規定の位置を越えてコンテナ100の奥側に進入しないようにして規制するためのもので、第2治具2の脚部材31a(後側の側面)と、ここに当接する第3治具3のストッパ部材47a−1から成る規制機構(第1の規制機構)である。なお、図28、図29により示されるように、第2治具2の脚部材31aの後側の側面に当接する第3治具3側の部位は、ストッパ部材47a−1だけではなく、台座部47aの前側端部も当接しているが、ここでは、ストッパ部材47a−1のほうが第2治具2の脚部材31aに当接する主体部分であるとして捉えてよい。
【0117】
もう1つの規制機構(第2の規制機構)は、第3治具3が上に浮き上がらないようにして規制するためのもので、第2治具2のストッパ受け部材38aと、第3治具3のストッパ部材47b−1とから成るものである。
【0118】
また、図28、図29によれば、第3治具3側にあっては、第1の規制機構を形成する部位と、第2の規制機構を形成する部位が、いずれもストッパ部材47a−1(及び台座部47a)となっている。つまり、第3治具3は、第1の規制機構と第2の規制機構とで、これらを形成する部位を共通化しているものであり、これによって、例えば第1の規制機構及び第2の規制機構から成る構造部位が簡易化され、その分、治具を製造するのに必要な材料の削減が可能になる。
【0119】
なお、上記図28、図29により示した規制機構は、第2治具2及び第3治具3の後方から見て左側において設けられるものであるが、先の図18、図21による第2治具2、第3治具3の構造からも理解されるように、図28、図29に示したものと左右対称となる構造の規制機構が、第2治具2の脚部31c、ストッパ受け部材38b、及び第2治具のストッパ部材47b−1とにより構成されているものである。
【0120】
次に、バンニング作業時においてフォークリフト400とともに用いる器具である、シャーシ嵩上げ器具5の構造例について説明する。なお、この図に示すシャーシ嵩上げ器具5は、パッド部88、91以外は、角パイプ材、板材などによる鋼材を用いて作製できる。
図30は、シャーシ嵩上げ器具5の斜視図を示している。この図は、シャーシ嵩上げ器具5を、前側より右斜め上方向から見ている。
このシャーシ嵩上げ器具5のベース部としては、2本の横ベース枠部材81a,81bと、2本の縦ベース枠部材82a、82bとを組み合わせて、横方向に長い長方形の枠形状として形成する。また、このベース部の下には、前方から見て断面がコの字状のフォーク受け板93を取り付ける。ベースの下側とフォーク受け板93により囲まれる空間に対して、図において白抜きの矢印で示す方向からフォークリフト400のフォーク401を進入させるようにする。この状態から、フォークリフト400はフォーク401を上げていくことで、シャーシ嵩上器具5を持ち上げることができる。
また、フォーク受け板93は、例えばシャーシ嵩上げ器具5を持ち上げているときに、このシャーシ嵩上げ器具5が横滑りをしたときに、その側面部でフォーク401を受けることで、シャーシ嵩上げ器具5がフォーク401から外れてしまうのを防止するためのものである。また、何らかの原因でシャーシ嵩上げ器具5が前後方向において傾いたような状態になったとしても、フォーク401の下側がフォーク受け板93の下面部に当接して倒れることがないように規制されることにもなる。
また、ベース部の4隅には、キャスター95、95、95、95を設けることで、現場の作業者が移動させやすいように配慮している。
【0121】
上記ベース部の上の前側端部と後側端部には、それぞれ、断面形状が長方形の角パイプ材である脚受部材84a、84bを配置して取り付ける。脚受部材84aの左右端部、中央にそれぞれ、所定長の脚部83a、83b、83cを設ける。また、脚受部材84bの左右端部に所定長の脚部83d、83eを設ける。
【0122】
また、左側面となる側に位置する脚部83b、83eの上側に対し、縦方向にガイド部材89aを配置し、紙面で右側面となる側に位置する脚部83a、83dの上側に対しても、縦方向にガイド部材89bを配置し、取り付ける。図5、図6に示したようにして、トラック200−1のシャーシ202の後端部をフォークリフト400により持ち上げる際には、ガイド部材89a、89bの間にシャーシ202が在るようにされる。
【0123】
また、シャーシ嵩上げ器具5の後側には、シャーシ後端受けユニット86を取り付ける。
シャーシ後端受けユニット86は、ガイド部材89a、89b間の長さにほぼ対応させた本体部87と、この本体部88の前面側に取り付けたパッド部88から成る。パッド部88には、クッション性のある材質として、例えば硬質のゴムなどを用いる。
【0124】
また、シャーシ嵩上げ器具5の前側上部には、左右で一対のシャーシ下部受けユニット(シャーシ受け部)90a、90bを設ける。
このシャーシ下部受けユニット90a、90bは、それぞれ、本体部91の上に対してパッド部92を取り付けて成る。なおパッド部92にも、例えば硬質のゴムなどを用いることでクッション性を与えるようにする。
【0125】
なお、シャーシ嵩上げ器具5の大まかなサイズとしては、高さが約630mm、横方向に沿った幅が約950mm、縦方向に沿った奥行きが約450mmとなる。
【0126】
図31(a)は、このシャーシ下部受けユニット90aの部分を抜き出して側面方向から見た図である。
シャーシ下部受けユニット90aの本体部92は、例えば図示する位置に設定した回転軸92aにて、紙面において前側左となる脚部83bと、中央となる脚部83cの間で軸支されるようにして取り付けられている。これにより、図31(b)に示すようにして、シャーシ下部受けユニット90aは、前側にパッド部91の面を向けるようにして回転してその姿勢を変化させることができるようになっている。なお、図示する位置にストッパ93が設けられることで、シャーシ下部受けユニット90aは、ほぼ水平の状態では、それ以上、後側にパッド部91の面を向けるようにして回転することがないようにして規制される。
もう一方のシャーシ下部受けユニット90bも、脚部83aと脚部83cの間において、上記シャーシ下部受けユニット90aと同様の要領で、軸支されるようにして取り付けられる。
【0127】
バンニング作業時(図5、図6(b))においてトラック200−1のシャーシ202の後端部をフォークリフト400により持ち上げる際における、シャーシ嵩上げ器具5とシャーシ202との位置関係を、図32の斜視図と、図33の平面図とにより示す。
これらの図に示されるように、シャーシ後端受けユニット86のパッド部88に対して、トラック200−1のシャーシ202の後端部の側面が当接する。これとともに、トラック200−1のシャーシ202の後端部近傍(シャーシ後部)の下面側に対して、シャーシ下部受けユニット90a、90bのパッド部92、92が下から押し当てられるようにして支える。このとき、パッド部88、92、92がクッション性を持つことで、ここに当接するシャーシ202の部位が傷ついたり変形したりすることがない。
【0128】
そして、図6(b)に示すようにして、ある必要な高さにまでシャーシ202の後端部を持ち上げるときには、シャーシ下部受けユニット90a、90bが、図31にて説明したようにして姿勢を変えられるようになっていることで、図34(a)に示すような状態となる。図34(a)には、シャーシ202と、フォークリフト400のフォーク401の上への移動に応じた、シャーシ嵩上げ器具5におけるシャーシ下部受けユニット90a(90b)の動きを抜き出して示している。
この図から分かるように、シャーシ202の後部を持ち上げていくのに応じては、シャーシ202の傾きが徐々に大きくなっていくことになるが、シャーシ下部受けユニット90a、90bは、この傾きの変化に応じて姿勢を変化させていくことで、シャーシ202の下側を常にそのパッド部92の面にて支えるような状態を得ることができる。このようにして、常にパッド部92の面がシャーシ202の下側に当たっていることで、シャーシ202の後端部を持ち上げていくときには、非常に安定してシャーシ202を支えることができる。
【0129】
比較として、図34(b)において、シャーシ下部受けユニット90a(90b)が回転不可な状態で固定して取り付けられている場合の動きを示す。
このようにして、シャーシ下部受けユニット90a、90bが動かない場合には、シャーシ202の後端部が持ち上げられたときに、シャーシ下部受けユニット90a(90b)の前側の角で支えることになる。この場合には、シャーシ202の下側を線で支えるような状態となるので、上記図34(a)の場合のようにして面で支える場合と比較すると、不安定である。
例えば、実際の作業との対応では、シャーシ下部受けユニット90a、90bが動かない場合には、上記図34(b)のようにして不安定になる結果、シャーシ202の後端部がシャーシ下部受けユニット90a、90bから前側に外れて落ちやすくなる。このために、フォークリフト400の運転者は、シャーシ202の後部を持ち上げるために、フォークを上げるための操作を行いながら、さらに、相当に注意を払って、フォークリフト400を少しずつ微妙に前進させていって、シャーシ202の下側にシャーシ下部受けユニット90a、90bが確実にもぐり込んで位置しているような状態をつくる必要があった。これに対して、本実施の形態では、シャーシ下部受けユニット90a、90bが動くようにして、シャーシ202を持ち上げていくときにも安定して支持できるようにしたので、フォークリフト400の運転者は、上記のようにして、フォークリフト400を少しずつ前進させるような必要性はほとんどなくなり、作業難易度が大幅に低くなった。
【0130】
なお、図1に示したコンテナ100、及びトラック200の寸法は、一具体例に過ぎないもので、これ以外の寸法によるコンテナとトラックの組み合わせに対しても本願発明は充分有効に適用できる。
例えば、実際においては、図1に示したものより小さいサイズのキャブ付きシャーシ型のトラックも多種製造されているが、このようなトラックを、例えば、図1に示した規格サイズのコンテナ100に対して2台積み込むような場合にも、本実施の形態に対応した治具は有用である。このような小型のトラックでは、例えばコンテナにキャビネットが入った状態でも、人が出入りできる程度にドアを開くことができるものもある。しかし、先にも説明したように、本実施の形態に基づいた治具を利用することによっては、各治具によりトラックの位置決めが容易、かつ確実に為された状態で積み込みが行えるので、例えば作業者がコンテナ内のトラックの位置などを逐一注意して確認しなくとも、安全にトラックを積み込んでいくことができるものであり、この点でバンニング時の作業効率が大幅に向上するという利点がある。この利点は、コンテナ内で人が出入りできる程度にキャビネットのドアを開けられるか否かにかかわらず、小型のサイズのキャブ付きシャーシ型トラックを積み込むのに本実施の形態を適用しても、同様にして得られるものである。
また、第1治具1、第2治具2、第3治具3、第4治具4、及びシャーシ嵩上げ治具5の構造の細部については、必要に応じて適宜変更されて構わない。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の実施の形態に対応する、コンテナとトラックについての外形とサイズとを示す図である。
【図2】本実施の形態のバンニング作業により、コンテナにトラックが積載された状態例を示す側面図、平面図、及び正面図である。
【図3】実施の形態のバンニング作業の手順例を示す図である。
【図4】実施の形態のバンニング作業の手順例を示す図である。
【図5】実施の形態のバンニング作業の手順例を示す図である。
【図6】実施の形態のバンニング作業の手順例を示す図である。
【図7】実施の形態のバンニング作業の手順例を示す図である。
【図8】実施の形態のバンニング作業の手順例を示す図である。
【図9】実施の形態のデバンニング作業の手順例を示す図である。
【図10】実施の形態のデバンニング作業の手順例を示す図である。
【図11】実施の形態のデバンニング作業の手順例を示す図である。
【図12】第1治具の構造例を示す平面図、側面図、及び背面図である。
【図13】第1治具における後側輪止め部材の固定機構部を示す拡大して示す斜視図である。
【図14】第1治具における後側輪止め部材の固定機構部を拡大して示す側面図、及び正面図である。
【図15】第1治具におけるガイドレール部分の端部の構造例を拡大して示す斜視図である。
【図16】第1治具におけるタイヤ受け部材の部分を正面より拡大して見た正面図である。
【図17】第1治具における縦枠部材の端部の状態を拡大して示す斜視図である。
【図18】第2治具の構造例を示す背面図、左側側面図、右側側面図、及び平面図である。
【図19】第2治具におけるタイヤ受けレール部分を拡大して示す斜視図である。
【図20】第2治具2において脚部材に取り付けられるストッパ受け部材の部分を拡大して示す斜視図である。
【図21】第3治具の構造例を示す平面図、側面図、及び背面図である。
【図22】第3治具において外側に位置する、後側輪止め部材の固定機構部を拡大して示す側面図、背面図、及び平面図である。
【図23】第3治具において外側に位置する、後側輪止め部材の固定機構部を示す拡大して示す斜視図である。
【図24】第3治具において内側に位置する、後側輪止め部材の固定機構部を拡大して示す側面図、及び背面図である。
【図25】第4治具の構造例を示す平面図、側面図、及び背面図である。
【図26】コンテナにトラックを積載している状態のときの第2治具と第3治具とを抜き出して示す斜視図である。
【図27】コンテナにトラックを積載したときの状態の第2治具と第3治具とを抜き出して示す正面図である。
【図28】コンテナにトラックを積載している状態のときの、第3治具のストッパ部材と第2治具のストッパ受け部材の周辺部位を拡大して示す斜視図である。
【図29】コンテナにトラックを積載している状態のときの、第3治具のストッパ部材と第2治具のストッパ受け部材の周辺部位を拡大して示す側面図及び平面図である。
【図30】シャーシ嵩上げ器具の構造例を示す斜視図である。
【図31】シャーシ嵩上げ器具におけるシャーシ後端受けユニットの可動の態様例を示す図である。
【図32】シャーシ嵩上げ器具によりトラックのシャーシ後端部側を持ち上げるときの、シャーシ嵩上げ器具とシャーシとの位置関係を示す斜視図である。
【図33】シャーシ嵩上げ器具によりトラックのシャーシ後端部側を持ち上げるときの、シャーシ嵩上げ器具とシャーシとの位置関係を示す平面図である。
【図34】シャーシ嵩上げ器具によりトラックのシャーシ後端部側を持ち上げていくときの、シャーシ嵩上げ器具とシャーシとの位置関係を示す側面図である。
【符号の説明】
【0132】
1 第1治具、2 第2治具、3 第3治具、4 第4治具、5 シャーシ嵩上治具、11a〜11e 縦枠部材、12 トップガード部材、13a〜13c 横枠部材、14a〜14d 補強アングル部材、15a・15b 輪止め受け部材、16a・16b 連結部材、17a・17b ガイドレール、17a−1・17a−2・17b−1・17b−2 折り曲げ部、18a−1・18a−2・18b−1・18b−2 ピン部、19a・19b 前側輪止め部材、20a−1・20a−2・20b−1・20b−2 タイヤ受け部材、21a〜21d 台座部、22a〜22d ボルト受けアングル、22a−1〜22d−1 ボルト孔、23a〜23d アングル部材、24 後側輪止め部材、24a タイヤ受け部材、24a−1 側面部、24b ボルト受けアングル、24b−1 ボルト孔、31a〜31d 脚部材、32a・32b 上縦部材、33a・33b 下縦部材、34a・34b 横枠アングル、35a・35b タイヤ受けレール、36a〜36h 補強部材、37a〜37c 補強部材、38a・38b ストッパ受部材、41a〜41e 縦枠部材、42a・42b 横枠部材、43a・43b 横枠接地プレート、44a・44b 輪止受け部材、45a・45b 前側輪止め部材、46a−1・46a−2・46b−1・46b−2 タイヤ受け部材、47a・47b 台座部、47a−1・47b−1 ストッパ部材、48a・48b ボルト受けアングル、48a−1・48b−1 ボルト孔、49a・49b 連結部材、50a・50b・50c・50d 連結部材、51a・51b ガイドレール、51a−1・51a−2・51b−1・51b−2 折り曲げ部、52a・52b 台座部、53a・53b ボルト受けアングル、53a−1・53b−1 ボルト孔、54a・54b 連結アングル、55a・55b ガイドレール、55a−1・55b−1 折り曲げ部、56a・56b ピン部、57a・57b ピン部、58 後側輪止め部材、58a タイヤ受け部材、58b ボルト受けアングル、58b−1 ボルト孔、59a〜59d フック、61a〜61e 縦枠部材、62a〜62c 横枠部材、63 リフト受け部材、64a・64b 輪止受け部材、65a・65b 輪止受け部材、66a・66b 前側輪止め部材、67a−1・67a−2・67b−1、67b−2 タイヤ受け部材、68a・68b 連結アングル、69a・69b ガイドレール、69a−1・69a−2・69b−1・69b−2 折り曲げ部、70a−1・70a−2・70b−1・70b−2 ピン部、71a・71b 台座部、72a・72b ボルト受けアングル、72a−1・72b−1 ボルト孔、73a・73b 連結アングル、74a・74b 台座部、75a・75b ボルト受けアングル、75a−1・75b−1 ボルト孔、76a・76b 連結アングル、77 後側輪止め部材、77a タイヤ受け部材、77b ボルト受けアングル、77b−1 ボルト孔、81a・81b 横ベース枠部材、82a・82b 縦ベース枠部材、83a〜83d 脚部、84a・84b 脚受部、85 リフト受け面部、86 シャーシ後端受ユニット、87 本体部、88 パッド部、89a・89b ガイド部材、90a・90b シャーシ下部受ユニット、91 パッド部、92 本体部、93 フォーク受板、100 コンテナ、101 出入り口、200 トラック、200−1 (一台目)トラック、200−2 (二台目)トラック、201 キャビネット、202シャーシ、203 前輪、204 後輪、300 プラットフォーム、350 乗り上げブロック、400 フォークリフト、401 フォーク、402 垂直可動部、500 締結具、510 牽引ベルト、Bt ボルト、Nt ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1治具及び第2治具を備えて成り、
上記第1治具は、コンテナに1番目に積み込まれる1台目のトラックの前輪を輪止めした状態で保持するための第1保持部を備えるとともに、その前側端部がコンテナの奥側の内壁に当接した状態においては、上記1台目のトラックの前輪についてのコンテナ内での位置決めが為されるようにして形成され、
上記第2治具は、上記1台目のトラックの後輪を輪止めした状態で保持するための第2保持部を有するとともに、この第2保持部にて後輪が輪止めされて保持された状態の上記1台目のトラックのシャーシ後部の下側において、コンテナに2番目に積み込まれる2台目のトラックのシャーシ後部が所定長まで入り込めるようにして形成される、
ことを特徴とするトラック積載装置。
【請求項2】
第3治具及び第4治具をさらに備え、
上記第3治具は、上記コンテナに2番目に積み込まれる2台目のトラックの後輪を輪止めした状態で保持するための第3保持部を有するとともに、
上記第4治具は、上記2台目のトラックの前輪を輪止めした状態で保持するための第4保持部を有して形成され、
上記第3治具がコンテナの奥側に進入する方向の動きを規制するための第1の規制機構を、上記第2治具及び上記第3治具で有し、
上記第3治具は、上記第1の規制機構により上記の動きが規制された状態では、上記第2治具により後輪が保持された状態の上記1台目のトラックのシャーシ後部の下側において、上記第3治具により後輪が保持された状態の上記2台目のトラックのシャーシ後部が所定長だけ入り込むようにして位置する状態が得られるようにして形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のトラック積載装置。
【請求項3】
上記第3治具の上方向への動きを規制するようにされた第2の規制機構を、上記第2治具及び上記第3治具で有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のトラック積載装置。
【請求項4】
上記第3治具において、上記第1の規制機構を形成する部材と、上記第2の規制機構を形成する部材とが共通となるようにされている、
ことを特徴とする請求項3に記載のトラック積載装置。
【請求項5】
上記第1治具は、上記第1保持部により輪止めされて保持される状態において、上記1台目のトラックの前輪が載置される車輪受け部材を備え、この車輪受け部材は、その下面部が接地面から所定の高さだけ離れた位置にあるようにして取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のトラック積載装置。
【請求項6】
上記第3治具及び/又は上記第4治具は、それぞれ、上記第3保持部、上記第4保持部により輪止めされて保持される状態において、上記2台目のトラックの後輪、前輪が載置される車輪受け部材を備え、この車輪受け部材は、その下面部が接地面から所定の高さだけ離れた位置にあるようにして取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のトラック積載装置。
【請求項7】
上記第1治具における最大幅は、この第1の治具のコンテナ内での前後方向に沿った移動が円滑に行われ、かつ、コンテナ内において左右方向の位置のずれ量が一定以下なるようにして、コンテナの内寸幅よりも小さい所定長が設定されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のトラック積載装置。
【請求項8】
上記第1治具の最大幅に対応する左右両端において、前後方向に沿うようにして沿え板部材が設けられ、この沿え板部材の前方向における端部には逃面部が形成される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のトラック積載装置。
【請求項9】
上記第1治具の最大幅に対応する左右両端において、前後方向に沿うようにして沿え板部材が設けられ、この沿え板部材の後方向における端部には逃面部が形成される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のトラック積載装置。
【請求項10】
上記第2治具における最大幅は、コンテナ内において左右方向の位置のずれ量が一定以下なるようにして、コンテナの内寸幅よりも小さい所定長が設定されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のトラック積載装置。
【請求項11】
上記第3治具及び/又は上記第4治具における最大幅は、これら第3治具及び/又は第4治具のコンテナ内での前後方向に沿った移動が円滑に行われ、かつ、コンテナ内において左右方向の位置のずれ量が一定以下なるようにして、コンテナの内寸幅よりも小さい所定長が設定されている、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項10のいずれかに記載のトラック積載装置。
【請求項12】
上記第3治具及び/又は上記第4治具の最大幅に対応する左右両端において、前後方向に沿うようにして沿え板部材が設けられ、この沿え板部材の前方向における端部には逃面部が形成される、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項11のいずれかに記載のトラック積載装置。
【請求項13】
上記第3治具及び/又は上記第4治具の最大幅に対応する左右両端において、前後方向に沿うようにして沿え板部材が設けられ、この沿え板部材の後方向における端部には逃面部が形成される、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項12のいずれかに記載のトラック積載装置。
【請求項14】
上記第2治具に1台目のトラック後輪を保持させるために、1台目のトラックのシャーシ後部をフォークリフトにより所要高まで持ち上げる際において、上記フォークリフトに取り付けて使用するシャーシ嵩上げ器具をさらに備え、
上記シャーシ嵩上げ器具は、
トラックのシャーシ後部を下から支持するシャーシ受け部を備えるとともに、
その高さについては、このシャーシ受部によりシャーシ後部が支持された状態で上記フォークリフトにより上記シャーシ後部を上記所要高まで持ち上げた際に、フォークリフトの垂直可動部の上端が上記コンテナの天井よりも低くなるようにして設定している、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のトラック積載装置。
【請求項15】
上記シャーシ受け部は、
該シャーシ受け部によりシャーシ後部が支持された状態で上記フォークリフトにより上記シャーシ後部が持ち上げられていくのに応じて、シャーシ受け部のシャーシ後部との接触面の向きが、シャーシ後部の下面の傾きに応じて変化して可動するようにして設けられている、
ことを特徴とする請求項14に記載のトラック積載装置。
【請求項16】
第1治具、第2治具、第3治具、及び第4治具を備えて成り、
上記第1治具は、コンテナに1番目に積み込まれる1台目のトラックの前輪を輪止めした状態で保持するための第1保持部を備えるとともに、その前側端部がコンテナの奥側の内壁に当接した状態においては、上記1台目のトラックの前輪についてのコンテナ内での位置決めが為されるようにして形成され、
上記第2治具は、上記1台目のトラックの後輪を輪止めした状態で保持するための第2保持部を有するとともに、この第2保持部にて後輪が輪止めされて保持された状態の上記1台目のトラックのシャーシ後部の下側において、コンテナに2番目に積み込まれる2台目のトラックのシャーシ後部が所定長まで入り込めるようにして形成され、
上記第3治具は、上記コンテナに2番目に積み込まれる2台目のトラックの後輪を輪止めした状態で保持するための第3保持部を有するとともに、
上記第4治具は、上記2台目のトラックの前輪を輪止めした状態で保持するための第4保持部を有して形成され、
上記第3治具がコンテナの奥側に進入する方向の動きを規制するための第1の規制機構を、上記第2治具及び上記第3治具で有し、
上記第3治具は、上記第1の規制機構により上記の動きが規制された状態では、上記第2治具により後輪が保持された状態の上記1台目のトラックのシャーシ後部の下側において、上記第3治具により後輪が保持された状態の上記2台目のトラックのシャーシ後部が所定長だけ入り込むようにして位置する状態が得られるようにして形成されているトラック積載装置を利用するものとされ、
上記第1治具の上記第1保持部に、コンテナに1番目に積み込むべき1台目のトラックの前輪を保持させた状態で、上記第1治具の前側端部が上記コンテナの奥側の内壁に当接する状態となるまで、上記1台目のトラックを前側からコンテナ内に進入させる1台目トラック進入工程と、
上記1台目トラック進入工程に続き、上記1台目のトラックの後ろ側を持ち上げ、上記第2治具が有する上記第2保持部に対して上記1台目のトラックの後輪を位置させる1台目トラック持ち上げ工程と、
上記1台目トラック持ち上げ工程に続き、上記第3治具の上記第3保持部に、コンテナに2番目に積み込むべき2台目のトラックの後輪を保持させた状態とする2台目トラック後輪保持工程と、
上記2台目トラック後輪保持工程に続き、上記2台目のトラックの前側を持ち上げ、上記第4治具の第4保持部に上記2台目のトラックの前輪を保持させる2台目トラック前輪保持工程と、
上記2台目トラック前輪保持工程に続き、上記第3治具についてのコンテナの奥側に進入する方向の動きが上記第1の規制機構により規制される状態となるまで、上記2台目のトラックを後側からコンテナ内に進入させる2台目トラック進入工程と、
を行うことを特徴とするトラック積載方法。
【請求項17】
上記2台目トラック後輪保持工程により上記第3治具の上記第3保持部に上記2台目のトラックの後輪が保持された状態とされた後において、第3治具の所定箇所と上記2台目のトラックの後輪近傍における所定箇所とを締結具により締結する、2台目トラック後輪対応ラッシング工程を行う、
ことを特徴とする請求項16に記載のトラック積載方法。
【請求項18】
上記1台目トラック持ち上げ工程の後において、上記第1治具と上記第2治具にてその前輪と後輪が保持された状態の上記1台目のトラックにおける所定箇所と、コンテナの内壁における所定箇所とを締結具により締結する、1台目トラック対応ラッシング工程を行う、ことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載のトラック積載方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate


【公開番号】特開2009−161189(P2009−161189A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339515(P2007−339515)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(501461852)岡本物流株式会社 (2)
【Fターム(参考)】