説明

トリアゾリンチオン誘導体及びその中間体の製造方法

本発明は、一般式(I)


[式中の可変部は特許請求の範囲及び明細書に記載されている意味を有している]で表される置換チオ−トリアゾロ基の新規な調製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チオ−トリアゾロ基含有化合物の新規な一般的調製方法に関する。本発明は、さらに、中間体及びその調製に関する。
【背景技術】
【0002】
卓越した殺害虫化合物は、チオ−トリアゾロ基を有している。文献では、そのようなチオ−トリアゾロ化合物のいくつかの調製ルートが報告されている。例えば、LDAやn−BuLiのような強塩基とイオウ(好ましくはイオウ粉末)を用いてチオ−基をそれぞれのトリアゾール化合物に導入することが報告されている。別法としては、トリアゾール化合物を、例えば、アミド(例えばジメチルホルムアミド(DMF))やN−アルキルピロリドン(例えばN−オクチルピロリドン、N−ドデシルピロリドン又はN−メチルピロリドン(NMP))のような、非プロトン性の極性溶媒の存在下に、イオウと反応させる。(特許文献1)、(特許文献2)、(特許文献3)及び(特許文献4)も参照されたい。これらの方法の欠点は、所望生成物の収率が通常比較的低いこと及び反応条件が一般的には商業スケールを可能としないことである。
【0003】
(特許文献5)(DE19744400)は特にチオ−トリアゾロ−基含有プロチオコナゾール及び類似体の合成に関するものであり、この合成ではそれぞれのヒドラジン誘導体又はその塩を、第1の段階で、希釈剤の存在下に、チオシアナートYSCN(Y=Na、K、NH)と反応させてチオセミカルバジド誘導体
【化1】

【0004】
とし、これをこの後、第2の段階で、チオ−トリアゾロ−化合物を得るためにギ酸と反応させる。
【0005】
(特許文献6)(DE19744401)はチオ−トリアゾロ−基含有プロチオコナゾール及び類似体のさらなる合成に関するものであり、この合成では第1の段階でそれぞれのヒドラジン誘導体をカルボニル化合物RC(=O)Rと、及びチオシアナートXSCN(X=Na、K、NH)と反応させてトリアゾリジンチオン誘導体
【化2】

【0006】
とし、これをこの後、第2の段階で、チオ−トリアゾロ−化合物を得るためにギ酸と反応させる。
【0007】
(特許文献7)はチオ−トリアゾロ−基含有プロチオコナゾール及び類似体のさらなる合成に関するものであり、この合成では第1の段階でそれぞれのヒドラジン誘導体を希釈剤の存在下にホルムアルデヒド及びチオシアナートXSCNと反応させてトリアゾリジンチオン誘導体
【化3】

【0008】
とし、これをこの後、第2の段階で、酸化剤+希釈剤かギ酸と反応させる。
【0009】
(特許文献8)はチオ−トリアゾロ−基含有プロチオコナゾールのさらなる合成に関するものであり、この合成では第1の段階でそれぞれのヒドラジンヒドロクロリド誘導体を合成する。第2の段階でこのヒドラジンヒドロクロリド誘導体を、最初に、水及び芳香族炭化水素の存在下に、アルカリ金属水酸化物と反応させて、そのあと水及び芳香族炭化水素の存在下に、ホルムアルデヒド及びチオシアナートXSCN(X=Na、K、NH)で順次処理してトリアゾリジンチオン誘導体を得る。第3の段階でこのトリアゾリジンチオン誘導体を、塩酸の存在下に、塩化Fe(III)を用いて酸化する。
【0010】
(非特許文献1)にはプロチオコナゾールを合成するためのさまざまな方法のサマリーが記載されている。
【0011】
殺害虫、特には殺菌活性を有している活性成分として知られる特定のチオ−トリアゾール化合物は、例えば、(特許文献9)に記載されている。また(特許文献10)(PCT/EP2008/067483)、(特許文献11)(PCT/EP2008/067394)、(特許文献12)(PCT/EP2008/067545)、(特許文献13)(PCT/EP2008/067539)もさらなる特定のチオ−トリアゾール化合物を記載している。これらの中には、開示化合物についてのいくつかの調製ルートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第99/19307号
【特許文献2】国際公開第97/06151号
【特許文献3】国際公開第97/05119号
【特許文献4】国際公開第96/41804号
【特許文献5】国際公開第99/18088号
【特許文献6】国際公開第99/18086号
【特許文献7】国際公開第99/18087号
【特許文献8】国際公開第01/46158号
【特許文献9】国際公開第96/38440号
【特許文献10】国際公開第2009/077471号
【特許文献11】国際公開第2009/077443号
【特許文献12】国際公開第2009/077500号
【特許文献13】国際公開第2009/077497号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Pflanzenschutz-Nachrichten Bayer 57/2004, 2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
文献に記載されている方法は、収率が十分でないこと、反応をいくつもの段階で行わなければならないこと、及び/又は温度及び/又は反応剤等の反応条件及びパラメーターが工業的に適切な量までスケールアップするのに適していないことから置換チオ−トリアゾールの効率的な合成に適しているとは必ずしも言えない。例えば強塩基が係わる反応は多くの場合高い副生成物量及び低い所望生成物収率をもたらす。とりわけ、一部のチオ−トリアゾール化合物は殺菌剤として有望な活性化合物であるので、チオ−トリアゾール化合物を容易に利用可能にさせる改善された方法に対しては継続したニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この度、意外なこととして、置換チオ−トリアゾロ基含有化合物を作り上げるためのきわめて効率的な一般的合成を見出した。本発明に係る方法は、比較的高い収率を得ることができる、チオ−トリアゾロ化合物を得るためのヒドラジン誘導体環化の新規な一般的ルートとなるものである。さらには、本発明に係る方法は、ワンポット反応として及び商業スケールアップに適している条件下で行うことができる。
【0016】
本発明は、一般式(I)
【化4】

【0017】
で表される置換チオ−トリアゾロ基の調製方法であって式(II)
【化5】

【0018】
で表される化合物及び/又はその塩(IIa)
【化6】

【0019】
をMn+(SCN)(IV)及びオルトギ酸エステルHC(OR)(OR)(OR)(V)
[式中の各可変部は下記の意味を有している:
Rは、有機基であり;
nは、Mの意味に応じて、1、2又は3であり;
n+は、アルカリ金属カチオン(n=1)、アルカリ土類金属カチオン(n=2)、Ag(n=1)、Cu2+(n=2)、Co2+(n=2)、Cd2+(n=2)、Fe3+(n=3);又は[NR[式中のR、R、R及びRは、互いに独立して、水素及び(C〜C10)−アルキルから選択される]であり;
、R、Rは、互いに独立して、C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル及びC〜C−アルキニルから選択され;
m−は、有機酸又は無機酸の対アニオンであり;
mは、1、2又は3である]
と反応させる方法に関する。
【0020】
一般式(I)で表されるチオ−トリアゾロ基は、2つの互変異性形態、つまり式(Ia)で表される「チオノ」形態で又は式(Ib)で表される「チオール」形態で存在し得る。
【化7】

【0021】
しかしながら、単純化するために、一般的には2つの形態のうちの一方のみが示され、本明細書ではもっぱら「チオール」形態が示される。
【0022】
本明細書に記載されている式中の一部の記号の定義では、集合用語が使用されているがこれは一般的には下記の置換基を表す:
ハロゲン:フッ素、塩素、臭素及びヨウ素;
アルキル並びに例えばアルキルアミド等の混成基のアルキル部分:1〜4、6、8又は12炭素原子を有している飽和直鎖又は分岐炭化水素基(例えばC〜C−アルキル)、例えばメチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル及び1−エチル−2−メチルプロピル;
ハロアルキル:上で言及したアルキルで、この基中の水素原子の一部又は全部が上で言及したハロゲン原子で置き換えられている;特にはC〜C−ハロアルキル、例えばクロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル又は1,1,1−トリフルオロプロプ−2−イル;
アルケニル並びにアルケニルオキシ等の混成基中のアルケニル部分:2〜4、2〜6又は2〜8炭素原子と任意の位置に1つの二重結合を有している不飽和直鎖又は分岐炭化水素。本発明によれば、(C〜C)−アルケニルのような、小アルケニル基を用いるのが好ましくあり得;他方では、(C−C)−アルケニルのような、大アルケニル基を利用するのも好ましくあり得る。アルケニル基の例は、例えば、C〜C−アルケニルで、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル及び1−エチル−2−メチル−2−プロペニル;
ハロアルケニル:上記で定義したアルケニルで、この基中の水素原子の一部又は全部が先のハロアルキルで記載したハロゲン原子で(特にはフッ素、塩素又は臭素で)置き換えられている;
アルカジエニル:4〜6又は4〜8炭素原子と任意の位置に2つの二重結合を有している不飽和直鎖又は分岐炭化水素基;
アルキニル並びに混成基中のアルキニル部分:2〜4、2〜6又は2〜8炭素原子と任意の位置に1つ又は2つの三重結合を有している直鎖又は分岐炭化水素基(例えばC〜C−アルキニル)、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、3−メチル−1−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル、3−メチル−4−ペンチニル、4−メチル−1−ペンチニル、4−メチル−2−ペンチニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−3−ブチニル、1,2−ジメチル−3−ブチニル、2,2−ジメチル−3−ブチニル、3,3−ジメチル−1−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−エチル−3−ブチニル及び1−エチル−1−メチル−2−プロピニル;
ハロアルキニル:先に定義したアルキニルで、この基中の水素原子の一部又は全部が先のハロアルキルで記載したハロゲン原子で(特にはフッ素、塩素又は臭素で)置き換えられている;
シクロアルキル並びに混成基中のシクロアルキル部分:3〜8(特には3〜6)炭素環員を有している単−又は二−環式飽和炭化水素基(例えばC〜C−シクロアルキル)、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル;
ハロシクロアルキル:先に定義したシクロアルキルで、この基中の水素原子の一部又は全部が先のハロアルキルで記載したハロゲン原子で(特にはフッ素、塩素又は臭素で)置き換えられている;
シクロアルケニル:好ましくは3〜8又は4〜6(特には5〜6)炭素環員を有している単環式モノ不飽和炭化水素基、例えばシクロペンテン−1−イル、シクロペンテン−3−イル、シクロヘキセン−1−イル、シクロヘキセン−3−イル、シクロヘキセン−4−イル等;
ハロシクロアルケニル:先に定義したシクロアルケニルで、この基中の水素原子の一部又は全部が先のハロアルキルで記載したハロゲン原子で(特にはフッ素、塩素又は臭素で)置き換えられている;
アルコキシ:酸素を介して結合されている、好ましくは1〜8(より好ましくは2〜6)炭素原子を有している先に定義したアルキル基。例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、1−メチルエトキシ、ブトキシ、1−メチルプロポキシ、2−メチルプロポキシ又は1,1−ジメチルエトキシ、並びに例えば、ペントキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、1,1−ジメチルプロポキシ、1,2−ジメチルプロポキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロポキシ、ヘキソキシ、1−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、4−メチルペントキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、2,3−ジメチルブトキシ、3,3−ジメチルブトキシ、1−エチルブトキシ、2−エチルブトキシ、1,1,2−トリメチルプロポキシ、1,2,2−トリメチルプロポキシ、1−エチル−1−メチルプロポキシ又は1−エチル−2−メチルプロポキシ;
ハロアルコキシ:先に定義したアルコキシで、この基中の水素原子の一部又は全部が先のハロアルキルで記載したハロゲン原子で(特にはフッ素、塩素又は臭素で)置き換えられている。例は、OCHF、OCHF、OCF、OCHCl、OCHCl、OCCl、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2−ブロモエトキシ、2−ヨードエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2−クロロ−2−フルオロエトキシ、2−クロロ−2,2−ジフルオロエトキシ、2,2−ジクロロ−2−フルオロエトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、OC、2−フルオロプロポキシ、3−フルオロプロポキシ、2,2−ジフルオロプロポキシ、2,3−ジフルオロプロポキシ、2−クロロプロポキシ、3−クロロプロポキシ、2,3−ジクロロプロポキシ、2−ブロモプロポキシ、3−ブロモプロポキシ、3,3,3−トリフルオロプロポキシ、3,3,3−トリクロロプロポキシ、OCH−C、OCF−C、1−(CHF)−2−フルオロエトキシ、1−(CHCl)−2−クロロエトキシ、1−(CHBr)−2−ブロモエトキシ、4−フルオロブトキシ、4−クロロブトキシ、4−ブロモブトキシ又はノナフルオロブトキシ;並びに5−フルオロペントキシ、5−クロロペントキシ、5−ブロモペントキシ、5−ヨードペントキシ、ウンデカフルオロペントキシ、6−フルオロヘキソキシ、6−クロロヘキソキシ、6−ブロモヘキソキシ、6−ヨードヘキソキシ又はドデカフルオロヘキソキシ;
アルキレン:二価非分岐CH基鎖。好ましいものは(C〜C)−アルキレンであり、より好ましいものは(C〜C)−アルキレンである;さらには、(C〜C)−アルキレン基を用いるのが好ましくあり得る。好ましいアルキレン基の例は、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CHCH、CH(CHCH及びCH(CHCHである;
O、N及びSからなる群からの1、2、3又は4個のへテロ原子を含有している3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−もしくは10−員飽和又は部分不飽和へテロ環で、当該のヘテロ環は炭素原子を介して、又は、存在する場合は、窒素原子を介して結合されていてよい。本発明によれば、当該のヘテロ環が炭素を介して結合されているのが好ましくあり得、他方では、ヘテロ環が窒素を介して結合されているのも好ましくあり得る。特には:
・ 環員としてO、N及びSからなる群からの1又は2個のヘテロ原子を含有している3−もしくは4−員飽和へテロ環(本明細書以下ではへテロシクリルとも呼ばれる);
・ 環員としてO、N及びSからなる群からの1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有している5−もしくは6−員飽和又は部分不飽和へテロ環:例えば、炭素環員に加えて、1、2又は3個の窒素原子及び/又は1個の酸素もしくはイオウ原子又は1又は2個の酸素及び/又はイオウ原子を含有している単環式飽和又は部分不飽和へテロ環、例えば2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチエニル、3−テトラヒドロチエニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、3−イソオキサゾリジニル、4−イソオキサゾリジニル、5−イソオキサゾリジニル、3−イソチアゾリジニル、4−イソチアゾリジニル、5−イソチアゾリジニル、3−ピラゾリジニル、4−ピラゾリジニル、5−ピラゾリジニル、2−オキサゾリジニル、4−オキサゾリジニル、5−オキサゾリジニル、2−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、5−チアゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、1,2,4−オキサジアゾリジン−3−イル、1,2,4−オキサジアゾリジン−5−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−3−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−5−イル、1,2,4−トリアゾリジン−3−イル、1,3,4−オキサジアゾリジン−2−イル、1,3,4−チアジアゾリジン−2−イル、1,3,4−トリアゾリジン−2−イル、2,3−ジヒドロフール−2−イル、2,3−ジヒドロフール−3−イル、2,4−ジヒドロフール−2−イル、2,4−ジヒドロフール−3−イル、2,3−ジヒドロチエン−2−イル、2,3−ジヒドロチエン−3−イル、2,4−ジヒドロチエン−2−イル、2,4−ジヒドロチエン−3−イル、2−ピロリン−2−イル、2−ピロリン−3−イル、3−ピロリン−2−イル、3−ピロリン−3−イル、2−イソオキサゾリン−3−イル、3−イソオキサゾリン−3−イル、4−イソオキサゾリン−3−イル、2−イソオキサゾリン−4−イル、3−イソオキサゾリン−4−イル、4−イソオキサゾリン−4−イル、2−イソオキサゾリン−5−イル、3−イソオキサゾリン−5−イル、4−イソオキサゾリン−5−イル、2−イソチアゾリン−3−イル、3−イソチアゾリン−3−イル、4−イソチアゾリン−3−イル、2−イソチアゾリン−4−イル、3−イソチアゾリン−4−イル、4−イソチアゾリン−4−イル、2−イソチアゾリン−5−イル、3−イソチアゾリン−5−イル、4−イソチアゾリン−5−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−1−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−2−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−3−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−4−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−5−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−1−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−3−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−4−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−5−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−1−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−3−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−4−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−5−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−2−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−3−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−4−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−5−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−2−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−3−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−4−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−5−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−2−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−3−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−4−イル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、1,3−ジオキサン−5−イル、2−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロチエニル、3−ヘキサヒドロピリダジニル、4−ヘキサヒドロピリダジニル、2−ヘキサヒドロピリミジニル、4−ヘキサヒドロピリミジニル、5−ヘキサヒドロピリミジニル、2−ピペラジニル、1,3,5−ヘキサヒドロトリアジン−2−イル及び1,2,4−ヘキサヒドロトリアジン−3−イル並びに対応する−イリデン基;
・ 環員としてO、N及びSからなる群からの1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有している7−員飽和又は部分不飽和へテロ環:例えば、炭素環員に加えて、1、2又は3個の窒素原子及び/又は1個の酸素もしくはイオウ原子又は1又は2個の酸素及び/又はイオウ原子を含有する7環員を有している単−及び二−環式へテロ環(例えばテトラ−及びヘキサ−ヒドロアゼピニル)、例えば2,3,4,5−テトラヒドロ[1H]アゼピン−1−,−2−,−3−,−4−,−5−,−6−もしくは−7−イル、3,4,5,6−テトラヒドロ[2H]アゼピン−2−,−3−,−4−,−5−,−6−もしくは−7−イル、2,3,4,7−テトラヒドロ[1H]アゼピン−1−,−2−,−3−,−4−,−5−,−6−もしくは−7−イル、2,3,6,7−テトラヒドロ[1H]アゼピン−1−,−2−,−3−,−4−,−5−,−6−もしくは−7−イル、ヘキサヒドロアゼピン−1−,−2−,−3−もしくは−4−イル、テトラ−及びヘキサ−ヒドロオキセピニル例えば2,3,4,5−テトラヒドロ[1H]オキセピン−2−,−3−,−4−,−5−,−6−もしくは−7−イル、2,3,4,7−テトラヒドロ[1H]オキセピン−2−,−3−,−4−,−5−,−6−もしくは−7−イル、2,3,6,7−テトラヒドロ[1H]オキセピン−2−,−3−,−4−,−5−,−6−もしくは−7−イル、ヘキサヒドロアゼピン−1−,−2−,−3−もしくは−4−イル、テトラ−及びヘキサ−ヒドロ−1,3−ジアゼピニル、テトラ−及びヘキサ−ヒドロ−1,4−ジアゼピニル、テトラ−及びヘキサ−ヒドロ−1,3−オキサゼピニル、テトラ−及びヘキサ−ヒドロ−1,4−オキサゼピニル、テトラ−及びヘキサ−ヒドロ−1,3−ジオキセピニル、テトラ−及びヘキサ−ヒドロ−1,4−ジオキセピニル並びに対応するイリデン基;
O、N及びSからなる群からの1、2、3又は4個のへテロ原子を含有している5−、6−、7−、8−、9−もしくは10−員芳香族へテロ環:特にはO、N及びSからなる群からの1、2、3又は4個のへテロ原子を含有している5−もしくは6−員芳香族単−又は二−環式へテロ環:当該のヘテロ環は炭素原子を介して又は存在する場合は窒素原子を介して結合されていてよい。本発明によれば、当該のヘテロ環が炭素を介して結合されているのが好ましくあり得、他方では、ヘテロ環が窒素を介して結合されているのも好ましくあり得る。ヘテロ環は、特には:
・ 1、2、3又は4個の窒素原子又は1、2又は3個の窒素原子及び/又は1個のイオウもしくは酸素原子を含有している5−員へテロアリールで、このヘテロアリールは炭素又は存在する場合は窒素を介して結合されていてよい:炭素原子に加えて、1〜4個の窒素原子又は1、2又は3個の窒素原子及び/又は1個のイオウもしくは酸素原子を環員として含有していてよい5−員へテロアリール基、例えばフリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(1,2,3−;1,2,4−トリアゾリル)、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及びチアジアゾリル、特には2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル及び1,3,4−トリアゾール−2−イル;
・ 1、2、3又は4(好ましくは1、2又は3)個の窒素原子を含有している6−員へテロ環で、このヘテロ環は炭素又は存在する場合は窒素を介して結合されていてよい:炭素原子に加えて、1〜4又は1、2又は3個の窒素原子を環員として含有していてよい6−員へテロアリール基、例えばピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、特には2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3,5−トリアジン−2−イル及び1,2,4−トリアジン−3−イル;
である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る方法は、チオ−トリアゾロ−基−含有化合物を得るためのヒドラジン誘導体環化の新規で独創的な一般的ルートを提供するものである。本発明によれば、Rは、ヒドラジン誘導体を本発明に係る方法で反応させることができる限り、原理的には、任意の有機残基であり得る。つまり本発明に係る方法という意味での「有機残基」は、有機残基が本発明の条件下では不活性であることを意味する。必要ならば、一部の反応性基は、適する保護基を介して保護され得る。適する基を選択するのは当業者の技能内のことであり、そのような基をどのようにして挿入して取り外すかは当業者の一般知識である。卓越した殺害虫化合物はチオ−トリアゾロ基を有しているものである。特には、植物病原性菌に対して効果があると記載されている式(I)の化合物が在る。本発明の一つの態様によれば、式(I)の化合物は、植物病原性菌の防除に活性がある化合物である。つまり、この新規な本発明に係る方法を用いて有利に合成することができる化合物は、例えば、アゾール化合物群に属する殺菌化合物である。
【0024】
例えば、本発明に係る方法は、エポキシド基を含有するチオトリアゾール化合物を合成するのに非常に有用であることが示されている。エポキシド基のような不安定な官能性基を含有している化合物は、多くの場合、先行技術の方法によっては効率的及び/又は経済的に合成することができない。そのような化合物は、例えば、国際公開第96/38440号、国際公開第2009/077471号(PCT/EP2008/067483)、国際公開第2009/077443号(PCT/EP2008/067394)、国際公開第2009/077500号(PCT/EP2008/067545)及び国際公開第2009/077497号(PCT/EP2008/067539)に記載されており、これらの文献はまたそのような化合物の殺菌活性も記載している。
【0025】
つまり、本発明に係る方法の一つの態様では、化合物(I)(及びその前駆体)中のRは、下記の意味(1):
【化8】

【0026】
[式中の#はトリアゾロ基又はヒドラジンユニットそれぞれに(又はそれぞれの前駆体−基に)結合している点を意味するものとし、A及びBは、下記の通り定義される:
A又はBは、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−もしくは10−員飽和又は部分不飽和へテロ環、又は、5−、6−、7−、8−、9−もしくは10−員芳香族へテロ環であり、ここでこのヘテロ環は各場合O、N及びSからなる群からの1、2、3又は4個のへテロ原子を含有しており;ナフチル又はフェニルであり;
そしてそれぞれのもう一方の可変部B又はAは、
A又はBに対して上で言及した各意味のうちの一つの意味を有しているか又はC〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、ナフチル又はベンゾジオキソリルであり;
ここでA及び/又はBは、互いに独立して、非置換であるか又は1、2、3又は4個の独立に選択される置換基Lによって置換されており;この
Lは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、シアナト(OCN)、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェニル−C〜C−アルキルオキシ、C〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−ハロアルキニル、C〜C10−アルカジエニル、C〜C10−ハロアルカジエニル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルキルスルホニルオキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−ハロアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、C〜C−ハロアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニル、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルケニルオキシ、ヒドロキシイミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキレン、オキシ−C〜C−アルキレン、オキシ−C〜C−アルキレンオキシ、C〜C−アルコキシイミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニルオキシイミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキニルオキシイミノ−C〜C−アルキル、S(=O)、C(=O)A、C(=S)A、NA、フェニル−C〜C−アルキル、フェニル、フェニルオキシ、又は5−もしくは6−員飽和、部分不飽和又は芳香族へテロ環(このヘテロ環はO、N及びSからなる群からの1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有している)であり;ここでn、A、A、A、Aは、以下に定義する通りである:
nは、0、1又は2であり;
は、水素、ヒドロキシル、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、アミノ、C〜C−アルキルアミノ又はジ−C〜C−アルキルアミノであり、
は、Aで言及した各基のうちの一つであるか又はC〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−ハロアルキニル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−ハロアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、C〜C−ハロアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルコキシ又はC〜C−ハロシクロアルコキシであり;
、Aは、互いに独立して、水素、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル又はC〜C−ハロシクロアルケニルであり;
ここで、Lの基の定義のうちの脂肪族及び/又は脂環族及び/又は芳香族基は、それら自体、1、2、3又は4個の同一又は異なる基Rを有していてよく;
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−ハロシクロアルコキシ、C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、アミノ、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノである]
を有している。
【0027】
本発明に従って有利に合成することができる、Rが基(1)である化合物(I)(化合物(I)−(1)とも呼ぶ)の中では、特に好ましいものは、置換基が、各場合において、それ自体で又は組み合わせで、下記の意味を有している。
【0028】
一つの実施形態によれば、A及びBは、独立に、非置換フェニルか又は1、2、3又は4個の独立に選択される置換基Lを含有している置換フェニルを意味している。
【0029】
一つの特定の実施形態によれば、Aは、非置換フェニルである。
【0030】
さらなる実施形態によれば、Aは、Lが本明細書に定義されているか又は好ましいものとして定義されている、1、2、3又は4(特には1又は2)個の独立に選択される置換基Lを含有している、フェニルである。この実施形態の一つの態様によれば、置換基のうちの一つは、フェニル環の4−位にある。さらなる態様によれば、Lは、各場合において、F、Cl、Br、ニトロ、フェニル、フェノキシ、メチル、エチル、イソ−プロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロ−メチル、ジフルオロクロロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロクロロ−メチルから独立に選択される。もう一つの特定の態様によれば、Lは、各場合において、F、Cl及びBr(特にはF及びCl)から独立に選択される。
【0031】
もう一つの実施形態によれば、Aは、Lが本明細書に定義されているか又は好ましいものとして定義されている、1個の置換基Lを含有している、モノ置換フェニルである。
【0032】
特定の実施形態によれば、Aは、3−フルオロフェニルである。
【0033】
もう一つの実施形態によれば、Aは、2又は3個の独立に選択される置換基Lを含有している、フェニルである。
【0034】
本発明のもう一つの好ましい実施形態によれば、Aは、1個のFによって置換されていてさらなる置換基Lを含有しているフェニルであり、ここで、このフェニルは、互いに独立して選択される1又は2個の置換基Lをさらに含有していてよく、この場合のLは本明細書に定義されている通りであるか又は好ましいものとして定義されている通りである。好ましい実施形態によれば、Aは、基A−1
【化9】

【0035】
[ここで、
#は、フェニル環がオキシラン環に結合している点であって;
は、F、Cl、NO、フェニル、ハロゲンフェニル、フェノキシ、ハロゲンフェノキシ、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ及びC〜C−ハロアルキルチオからなる群から選択され;
は、F、Cl、Br、NO、フェニル、ハロゲンフェニル、フェノキシ、ハロゲンフェノキシ、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ及びC〜C−ハロアルキルチオからなる群から選択され;
mは、0、1又は2である]
である。
【0036】
一つの実施形態では、Lは、F、Cl、メチル、メトキシ、CF、CHF、OCF、OCF及びOCHFからなる群から選択される。さらなる特定の実施形態によれば、Lは、F又はClである。
【0037】
一つの実施形態では、Lは、F、Cl、メチル、メトキシ、CF、CHF、OCF、OCF又はOCHFからなる群から独立に選択される。さらなる特定の実施形態によれば、Lは、独立に、F又はClである。
【0038】
好ましい実施形態によれば、m=0である。さらに好ましい実施形態によれば、m=1である。
【0039】
式A−1中、フッ素置換基は、好ましい実施形態によれば、4−位にある。
【0040】
なおもう一つの実施形態によれば、Aは、互いに独立して選択される丁度2個の置換基Lを含有している、二置換フェニルであり、この場合のLは本明細書に定義されている通りであるか又は好ましいものとして定義されている通りである。特には、Lは、各場合において、F、Cl、Br、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル及びC〜C−アルコキシから、特にはF、Cl、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル及びC〜C−アルコキシから、特にはF、Cl、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから独立に選択される。この実施形態のさらなる態様によれば、第2の置換基Lは、メチル、メトキシ及びクロロから選択される。もう一つの態様によれば、置換基のうちの一方は、フェニル環の4−位にある。もう一つの特定の態様によれば、Aは、1個のFと本明細書に定義されている通りであるか又は好ましいものとして定義されている通りである丁度1個のさらなる置換基Lを含有しているフェニルである。
【0041】
なお一つのさらに好ましい実施形態によれば、Aは、1個のFとCl、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル及びC〜C−アルコキシからなる群から、特にはCl、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシからなる群から選択されるさらなる置換基Lを含有しているジ置換フェニルである。第2の置換基Lは、特には、メチル、メトキシ及びクロロインからなる群から選択される。この一つの態様によれば、その置換基のうちの一方は、フェニル環の4−位に位置している。
【0042】
もう一つの特定の実施形態によれば、Aは、2,4−ジ置換フェニルである。なおもう一つの特定の実施形態によれば、Aは、2,3−ジ置換フェニルである。なおもう一つの特定の実施形態によれば、Aは、2,5−ジ置換フェニルである。なおもう一つの特定の実施形態によれば、Aは、2,6−ジ置換フェニルである。なおもう一つの特定の実施形態によれば、Aは、3,4−ジ置換フェニルである。なおもう一つの特定の実施形態によれば、Aは、3,5−ジ置換フェニルである。
【0043】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、Aは、丁度2個のFによって置換されているフェニルである。一つの態様によれば、Aは、2,3−ジフルオロ−置換である。さらなる態様によれば、Aは、2,4−ジフルオロ−置換である。なお一つのさらなる態様によれば、Aは、2,5−ジフルオロ−置換である。なお一つのさらなる態様によれば、Aは、2,6−ジフルオロ−置換である。なお一つのさらなる態様によれば、Aは、3,4−ジフルオロ−置換である。なお一つの態様によれば、Aは、3,5−ジフルオロ−置換である。
【0044】
さらなる実施形態によれば、Aは、丁度3個の独立に選択される置換基Lを含有しているトリ置換フェニルであり、この場合のLは本明細書に定義されている通りであるか又は好ましいものとして定義されている通りである。なお一つのさらなる実施形態によれば、Aは、丁度3個のFによって置換されているフェニルである。一つの態様によれば、Aは、2,3,4−トリ置換(特には2,3,4−トリフルオロ−置換)である。もう一つの態様によれば、Aは、2,3,5−トリ置換(特には2,3,5−トリフルオロ−置換)である。なおもう一つの態様によれば、Aは、2,3,6−トリ置換(特には2,3,6−トリフルオロ−)置換である。なおもう一つの態様によれば、Aは、2,4,6−トリ置換(特には2,4,6−トリフルオロ−置換)である。なおもう一つの態様によれば、Aは、3,4,5−トリ置換(特には3,4,5−トリフルオロ−置換)である。なおもう一つの態様によれば、Aは、2,4,5−トリ置換(特には2,4,5−トリフルオロ−置換)である。
【0045】
好ましい実施形態によれば、Bは、非置換である、フェニル、又は、1、2、3又は4個の独立に選択される置換基Lを含有しているフェニルであり、この場合のLは本明細書に定義されている通りであるか又は好ましいものとして定義されている通りである。
【0046】
本発明の一つの実施形態によれば、Bは、非置換フェニルである。
【0047】
さらなる実施形態によれば、Bは、1、2、3又は4個の独立に選択される置換基Lを含有しているフェニルであり、この場合のLは本明細書に定義されている通りであるか又は好ましいものとして定義されている通りである。
【0048】
さらなる実施形態によれば、Bは、1、2又は3(好ましくは1又は2)個の独立に選択される置換基Lを含有しているフェニルであり、この場合のLは本明細書に定義されている通りであるか又は好ましいものとして定義されている通りである。特定の態様によれば、Lは、各場合において、F、Cl、Br、メチル、メトキシ及びトリフルオロメチルから独立に選択される。なおもう一つの実施形態によれば、Bは、1、2又は3(好ましくは、1又は2)個のハロゲン置換基を含有している、フェニルである。
【0049】
さらなる実施形態によれば、Bは、1、2、3又は4個の置換基Lを含有しているフェニルであり、この場合のLはF、Cl、Br、メチル、エチル、イソ−プロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジ−フルオロクロロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ及びジフルオロクロロメチルから独立に選択される。特定の態様によれば、Lは、各場合において、F、Cl及びBrから独立に選択される。
【0050】
なお一つのさらなる実施形態によれば、Bは、非置換フェニルであるか又はハロゲン、NO、アミノ、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ、チオ及びC〜C−アルキルチオから独立に選択される1、2又は3個の置換基を含有しているフェニルである。
【0051】
さらなる実施形態によれば、Bは、1個の置換基Lでモノ置換されているフェニル環であり、ここで、この実施形態の特定の態様によれば、Lは、フェニル環がオキシラン環に結合している点に対してオルト−位に位置している。Lは本明細書に定義されている通りであるか又は好ましいものとして定義されている通りである。さらなる特定の実施形態によれば、Bは、モノクロロ−置換フェニル(特には2−クロロフェニル)である。
【0052】
さらなる実施形態によれば、Bは、2又は3(特には2)個の独立に選択される置換基Lを含有している、フェニルであり、この場合のLは本明細書に定義されている通りであるか又は好ましいものとして定義されている通りである。
【0053】
本発明のさらなる実施形態によれば、Bは、オルト−位に置換基Lを含有していてさらに1個のさらなる独立に選択される置換基Lを有しているフェニル環である。一つの態様によれば、このフェニル環は、2,3−ジ置換されている。さらなる態様によれば、このフェニル環は、2,4−ジ置換されている。なお一つのさらなる態様によれば、このフェニル環は、2,5−ジ置換されている。なお一つのさらなる態様によれば、このフェニル環は、2,6−ジ置換されている。
【0054】
本発明のさらなる実施形態によれば、Bは、オルト−位に置換基Lを含有していてさらに2個のさらなる独立に選択される置換基Lを含有しているフェニル環である。一つの態様によれば、このフェニル環は、2,3,5−トリ置換されている。さらなる態様によれば、このフェニル環は、2,3,4−トリ置換されている。なお一つの態様によれば、このフェニル環は、2,4,5−トリ置換されている。
【0055】
さらなる実施形態では、Bは、2−位に1個の置換基Lと1、2又は3個のさらなる独立に選択される置換基Lを含有しているフェニルである。好ましい実施形態によれば、Bは、基B−1
【化10】

【0056】
[ここで、
#は、フェニル環がオキシラン環に結合している点を表していて;
は、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ及びC〜C−ハロアルキルチオからなる群、好ましくはF、Cl、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、CF、CHF、OCF、OCHF及びSCFからなる群から選択され;
は、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ及びC〜C−ハロアルキルチオからなる群、好ましくはF、Cl、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、CF、CHF、OCF、OCHF及びSCFからなる群から選択され;
は、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ及びC〜C−ハロアルキルチオからなる群、好ましくはF、Cl、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、CF、CHF、OCF、OCHF及びSCFからなる群から選択され;
mは、0、1又は2である]
である。
【0057】
好ましい実施形態によれば、Lは、Fである。もう一つの好ましい実施形態によれば、Lは、Clである。さらに好ましい実施形態によれば、Lは、メチルである。なおさらに好ましい実施形態によれば、Lは、メトキシである。なおさらに好ましい実施形態によれば、Lは、CFである。なおさらに好ましい実施形態によれば、Lは、OCF又はOCHFである。好ましい実施形態によれば、本発明による式Iの化合物では、Bは、このように、2−位にF、Cl、CH、OCH、CF、CHF、OCF及びOCHFからなる群から選択される置換基と1又は2個のさらなる独立に選択される置換基Lを含有しているフェニルである。
【0058】
さらに好ましい実施形態によれば、Lは、Fである。もう一つの好ましい実施形態によれば、Lは、Clである。さらに好ましい実施形態によれば、Lは、メチルである。なおさらに好ましい実施形態によれば、Lは、メトキシである。なおさらに好ましい実施形態によれば、Lは、CFである。なおさらに好ましい実施形態によれば、Lは、OCF又はOCHFである。
【0059】
好ましい実施形態によれば、Lは、Fである。もう一つの好ましい実施形態によれば、Lは、Clである。さらに好ましい実施形態によれば、Lは、メチルである。なおさらに好ましい実施形態によれば、Lは、メトキシである。なおさらに好ましい実施形態によれば、Lは、CFである。なおさらに好ましい実施形態によれば、Lは、OCF又はOCHFである。
【0060】
好ましい実施形態によれば、m=0である;すなわち、Bは、ジ置換フェニル環である。好ましい態様によれば、Bは、2,3−ジ置換フェニル環である。さらに好ましい態様によれば、このフェニル環Bは、2,4−ジ置換である。なおさらに好ましい態様によれば、このフェニル環Bは、2,5−ジ置換である。なおさらに好ましい態様によれば、このフェニル環は、2,6−ジ置換である。
【0061】
さらに好ましい実施形態によれば、m=1である;すなわち、Bは、トリ置換フェニル環である。好ましい態様によれば、このフェニル環Bは、2,3,5−トリ置換されている。もう一つの好ましいさらなる態様によれば、このフェニル環Bは、2,3,4−トリ置換されている。なおさらに好ましい実施形態によれば、このフェニル環Bは、2,4,5−トリ置換されている。
【0062】
特に断らない限り、基(1)ではLは独立に下記の好ましい意味を有している。
【0063】
一つの実施形態によれば、Lは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、シアナト(OCN)、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、S−A、C(=O)A、C(=S)A、NAAからなる群から独立に選択され;ここでA、A、A、Aは、以下に定義する通りである:
は、水素、ヒドロキシ、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキルであり;
は、Aで言及した各基のうちの一つであるか又はC〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルコキシ又はC〜C−ハロシクロアルコキシであり;
、Aは、互いに独立して、水素、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキルであり;
ここで、Lの基の定義のうちの脂肪族及び/又は脂環族基は、それら自体、1、2、3又は4個の同一又は異なる基Rを有していてよく;
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、アミノ、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノである。
【0064】
さらに好ましくは、Lは、ハロゲン、NO、アミノ、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、チオ及びC〜C−アルキルチオからなる群から独立に選択される。
【0065】
さらに好ましくは、Lは、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ及びC〜C−ハロアルキルチオ(特にはハロゲン、C〜C−アルキル及びC〜C−ハロアルキル)からなる群から独立に選択される。
【0066】
さらに好ましい実施形態によれば、Lは、F、Cl、Br、CH、C、i−C、t−C、OCH、OC、CF、CCl、CHF、CClF、OCF、OCHF及びSCFからなる群から独立に選択され、特にはF、Cl、CH、C、OCH、OC、CF、CHF、OCF、OCHF及びSCFからなる群から独立に選択される。一つの態様によれば、Lは、F、Cl、CH、OCH、CF、OCF及びOCHFからなる群から独立に選択される。Lが独立にF又はClであるのが好ましくあり得る。
【0067】
一つの好ましい実施形態によれば、A及びBは、下記の通り定義される:
A 非置換であるか又はF、Cl、Br、ニトロ、フェニル、フェノキシ、メチル、エチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジ−フルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロ−メチルチオから独立に選択される、同じ又は異なっていてよい1、2又は3個の置換基Lによって置換されている、フェニル;
B F、Cl、Br、メチル、エチル、イソ−プロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロ−メチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメチルチオから独立に選択される、同じ又は異なっていてよい1、2又は3個の置換基Lによって置換されている、フェニル。
【0068】
本発明に従って有利に合成することができる特定の化合物Iは化合物(I)−(1)であり、この場合のA及びBは、以下の通り定義される:
Aは、フェニル、4−クロロフェニル、2,4−クロロフェニル、2−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、3−ブロモ−4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−tert−ブチル−フェニル、3−クロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル又は4−トリフルオロメトキシフェニルであり、Bは、2−クロロフェニルである。一つの特定の化合物は、Aが4−フルオロフェニルであり、Bが2−クロロフェニルである化合物である。
【0069】
Aは、4−フルオロフェニルであり、Bは、2−ジフルオロメトキシフェニルである。
【0070】
Aは、フェニル、4−クロロフェニル、2,4−クロロフェニル、2−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、4−フルオロフェニル、3−ブロモ−4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−tert−ブチル−フェニル、3−クロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル又は4−トリフルオロメトキシフェニルであり、Bは、2−フルオロフェニルである。
【0071】
Aは、フェニル、4−クロロフェニル、2,4−クロロフェニル、2−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、4−フルオロフェニル、3−ブロモ−4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−tert−ブチル−フェニル、3−クロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル又は4−トリフルオロメトキシフェニルであり、Bは、2−ブロモフェニルである。
【0072】
本発明に従って有利に合成することができるさらなる特定の化合物Iは化合物(I)−(1)であり、この場合のA及びBは、下記の通り定義される:
Aは、2,4−ジフルオロフェニルであり、Bは、2−クロロフェニルである。
【0073】
Aは、3,4−ジフルオロフェニルであり、Bは、2−クロロフェニルである。
【0074】
Aは、2,4−ジフルオロフェニルであり、Bは、2−フルオロフェニルである。
【0075】
Aは、3,4−ジフルオロフェニルであり、Bは、2−フルオロフェニルである。
【0076】
Aは、2,4−ジフルオロフェニルであり、Bは、2−トリフルオロメチルフェニルである。
【0077】
Aは、3,4−ジフルオロフェニルであり、Bは、2−トリフルオロメチルフェニルである。
【0078】
Aは、3,4−ジフルオロフェニルであり、Bは、2−メチルフェニルである。
【0079】
本発明に従って有利に合成することができるさらなる特定の化合物Iは化合物(I)−(1)であり、この場合のA及びBは、下記の通り定義される:
Aは、フェニルであり、Bは、2,4−ジクロロフェニルである。
【0080】
Aは、フェニルであり、Bは、2−フルオロ−3−クロロフェニルである。
【0081】
Aは、フェニルであり、Bは、2,3,4−トリクロロフェニルである。
【0082】
Aは、4−フルオロフェニルであり、Bは、2,4−ジクロロフェニルである。
【0083】
Aは、4−フルオロフェニルであり、Bは、2−フルオロ−3−クロロフェニルである。
【0084】
Aは、4−フルオロフェニルであり、Bは、2,3,4−トリクロロフェニルである。
【0085】
Aは、2−クロロフェニルであり、Bは、2,4−ジクロロフェニルである。
【0086】
Aは、2−クロロフェニルであり、Bは、2−フルオロ−3−クロロフェニルである。
【0087】
Aは、2−クロロフェニルであり、Bは、2,3,4−トリクロロフェニルである。
【0088】
上記で説明した化合物(I)の可変部A、B及びLの意味は、特に断らない限り、対応することとして、化合物(I)の前駆体及び副生成物IAに当てはまる。
【0089】
本発明に係る方法によれば、式(II)及び/又は(IIa)で表される化合物の純粋エナンチオマー又はエナンチオマー混合物(ラセミ又はエナンチオリッチ)を用いることができる。好ましい実施形態によれば、ラセミ混合物を用いることができる。式(II)及び/又は(IIa)のそれぞれの化合物の用途に応じて、一定の立体化学を有している式(I)の化合物を得ることができる。例えば、本発明に係る方法を用いて、下記の化合物(I)−(1)のさまざまな立体異性体を得ることができる:
化合物(I)−(1)−a1):
Aが4−フルオロ−フェニルであり、Bが2−クロロフェニルである、式(I)−(1)
2−[(2S,3S)−3−(2−クロロ−フェニル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(「シス」)
化合物(I)−(1)−a2):
Aが4−フルオロ−フェニルであり、Bが2−クロロフェニルである、式(I)−(1)
2−[(2R,3R)−3−(2−クロロ−フェニル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(「シス」)
化合物(I)−(1)−a3):
Aが4−フルオロ−フェニルであり、Bが2−クロロフェニルである、式(I)−(1)
2−[(2S,3R)−3−(2−クロロ−フェニル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(「トランス」)
化合物(I)−(1)−a4):
Aが4−フルオロ−フェニルであり、Bが2−クロロフェニルである、式(I)−(1)
2−[(2R,3S)−3−(2−クロロ−フェニル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(「トランス」)
化合物(I)−(1)−b1):
Aが2,4−ジフルオロ−フェニルであり、Bが2−クロロフェニルである、式(I)−(1)
2−[(2S,3S)−3−(2−クロロ−フェニル)−2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(「シス」)
化合物(I)−(1)−b2):
Aが2,4−ジフルオロ−フェニルであり、Bが2−クロロフェニルである、式(I)−(1)
2−[(2R,3R)−3−(2−クロロ−フェニル)−2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(「シス」)
化合物(I)−(1)−b3):
Aが2,4−ジフルオロ−フェニルであり、Bが2−クロロフェニルである、式(I)−(1)
2−[(2S,3R)−3−(2−クロロ−フェニル)−2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(「トランス」)
化合物(I)−(1)−b4):
Aが2,4−ジフルオロ−フェニルであり、Bが2−クロロフェニルである、式(I)−(1)
2−[(2R,3S)−3−(2−クロロ−フェニル)−2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(「トランス」)
最終生成物の殺菌活性に関しては、本発明に係る方法で「トランス」ジアステレオマーを合成するのが好ましくあり得る。
【0090】
先行技術の方法では望ましくない量で生じ得る、また、この新規な本発明に係る方法を用いて低減又は回避さえもすることができる化合物(I)−(1)合成時の一つの望ましくない副生成物は、環化されたヒドロキシ化合物IA:
【化11】

【0091】
[式中のA及びBは定義されている通り、好ましくは化合物(I)−(1)に対して定義されている通りである]である。例えば、高温及び/又は強塩基を用いる、従来の方法では、生成物IAは、最高100%まで生じ得、結果として、所望生成物である式Iの非常に低い収率がもたらされる。本発明に係る方法によれば、副生成物IAは、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、さらにより好ましくは5%以下生成される。
【0092】
具体的には、A及びBが以下の表Aに定義されている通りである、化合物(I)−(1)の合成では、表Aに個々に記載されているそれぞれの化合物IA−1〜IA−81は、好ましくは本発明に係る方法によって低減される望ましくない副生成物である。
【表1】

【0093】

【0094】
本発明のもう一つの実施形態によれば、Rは、式(2):
【化12】

【0095】
[式中のR11及びR22は、下記の意味を有している:
11、R22 互いに独立してC〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル又はフェニルで、式中のアルキル、シクロアルキル及びフェニル部分は非置換であってよいしまた定義され又は好ましくは、Rが基(1)である化合物に対して先に定義されている1、2又は3個の置換基Lによって置換されていてもよく;又は
11及びR22は、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、5−もしくは6−員飽和又は部分不飽和環を形成しており、この環は非置換であってよいしあるいは1、2、3、4又は5個の置換基L’によって置換されていてよく、このL’は先に定義したLを意味するか又は基
【化13】

【0096】
(式中のR33及びR44は水素及び先に定義したLの意味の群の中から独立に選択される)を意味する]
で表される基を意味している。
【0097】
一つの実施形態によれば、R11及びR22は、好ましくは、C〜C−アルキル及びフェニルから独立に選択され、式中のアルキル及びフェニル基は、独立に、F、Cl、Br、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、C〜C−アルコキシイミノ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及び/又はシクロヘキシルから独立に選択される、1、2、3又は4個の置換基を含有していてよい。具体的には、R11は、F、Cl、メトキシ、シクロプロピル、シクロペンチル及び/又はシクロヘキシルから独立に選択される1又は2個の置換基によって置換されているC〜C−アルキルを意味しており、R22は、F、Cl、Br及びメトキシから独立に選択される1、2、3又は4個の置換基によって置換されている、フェニルを意味している。一つの特定の実施形態では、R11は、シクロプロピルによって1−置換されている1−エチルであり、R22は、4−クロロフェニルである。
【0098】
もう一つの実施形態によれば、R11及びR22は、好ましくは、C〜C−アルキル、フェニル−C〜C−アルキル及びC〜C−シクロアルキル(好ましくはフェニル−C〜C−アルキル及びC〜C−シクロアルキル)から独立に選択され、式中のアルキル、フェニル及びシクロアルキル基は、独立に、F、Cl、Br、CN、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及び/又はtert−ブチルから独立に選択される、1、2、3又は4個の置換基を含有していてよい。具体的には、R11は、F、Cl及びメトキシから独立に選択される1、2、3又は4個の置換基によってフェニル部分が置換されているフェニル−C〜C−アルキルを意味しており、R22は、F、Cl、Br及びメトキシから独立に選択される1、2、3又は4個の置換基によって置換されている、C〜C−シクロアルキルを意味している。一つの特定の実施形態では、R11は、2−クロロフェニルメチルであり、R22は、1−クロロシクロプロピルである。
【0099】
なおもう一つの実施形態によれば、R11及びR22は、好ましくは、C〜C−アルキル及びフェニル−C〜C−アルキルから独立に選択され、式中のアルキル及びフェニル基は、F、Cl、Br、CN、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、トリフルオロ−メチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、クロロジフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、クロロジフルオロメチルチオ、メトキシカルボニル、エトキシバルボニル、メトキシイミノメチル、1−メトキシイミノエチル及びニトロから独立に選択される、1、2、3又は4個の置換基を含有していてよい。具体的には、R11は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びtert−ブチルから独立に選択される、1又は2個の置換基によって置換されていてよいC〜C−アルキルを意味しており、R22は、F、Cl、Br、CN、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから独立に選択される1、2、3又は4個の置換基によってフェニル部分が置換されている、フェニル−C〜C−アルキルを意味している。一つの特定の実施形態ではR11はtert−ブチルでありR22は2−(4−クロロフェニル)−1−エチルである。
【0100】
なおもう一つの実施形態によれば、好ましくはR11及びR22は、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、5−もしくは6−員飽和環を形成しており、この環は非置換であってよいしあるいは1、2又は3個の置換基L’によって置換されていてよく、このL’は先に定義したLを意味するか又は基
【化14】

【0101】
[式中のR33及びR44は水素、C〜C−アルキル及びフェニルの群から独立に選択され、式中のアルキル及びフェニル基はF、Cl、Br、CN、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、クロロジフルオロ−メトキシ、ジフルオロメトキシ及びニトロから独立に選択される、1、2、3又は4個の置換基を含有していてよい]を意味する。具体的には、R11及びR22は、それらが結合されている炭素原子と一緒に、5−員飽和環を形成しており、この環は1、2又は3個の置換基L’によって置換されており、このL’はC〜C−アルキル又は基
【化15】

【0102】
[式中のR33及びR44は水素、C〜C−アルキル及びフェニルの群から独立に選択され、式中のアルキル及びフェニル基はF、Cl、CN、メチル、イソプロピル、tert−ブチル及びメトキシから独立に選択される1、2、3又は4個の置換基を含有していてよい]を意味する。一つの特定の実施形態ではR11及びR22は、それらが結合されている炭素原子と一緒に、5−員飽和環を形成しており、この環は5−位が2つのメチル基によって置換されていて、2−位に基
【化16】

【0103】
[式中のR33は水素であり、R44は4−クロロフェニルである]を含有している。
【0104】
なおもう一つの実施形態によれば、R11及びR22は、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、5−もしくは6−員飽和環を形成しており、この環は非置換であってよいしあるいはF、Cl、Br、CN、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、メチル−チオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、クロロジフルオロメトキシ、ジ−フルオロメトキシ、ニトロ、ベンジルから独立に選択される、1、2又は3個の置換基によって置換されていてもよく、前記のフェニル部分はそれ自体F、Cl、CN、メチル、イソプロピル、tert−ブチル及びメトキシから独立に選択される、1、2、3又は4個の置換基を含有していてよい。一つの特定の実施形態ではR11及びR22は、それらが結合されている炭素原子と一緒に、5−員飽和環を形成しており、この環は5−位が2つのメチル基によって置換されていて、2−位に4−クロロベンジル基を含有している。化合物(I)−(2)及びその前駆体の合成については国際公開第96/16048号及び国際公開第96/38423号も参照されたい。
【0105】
そういうわけで、さらなる実施形態によれば、本発明に係る方法は、出発化合物としてヒドラジン化合物(II)−(2)及び/又は(IIa)−(2):
【化17】

【0106】
を用いて行われる。化合物(II)−(2)は、式(III)−(2)(この場合の式(III)中のRは基(2)を意味する(上記を参照されたい))で表される化合物を用いて得ることができる。化合物(II)−(2)及び(IIa)−(2)を得るためのもう一つの方法はヒドラジン又はヒドラジン+それぞれの酸(Hm−例えばHClとエポキシド(VI)−(2):
【化18】

【0107】
を反応させる方法である。ヒドラジンの代わりにヒドラジン水和物も用いることができる(上記を参照されたい)。これによって、エポキシド環は開化されてヒドロキシ基が形成される。採用され得る反応条件は、国際公開第00/146158号に記載されているのと同様の条件である。
【0108】
本発明の一つの態様によれば、エポキシド(VI)−(2)からヒドラジン誘導体(II)[式中のRは基(2)を意味する]を合成するための工程は、そのようなヒドラジン誘導体を目標チオ−トリアゾロ化合物(I)−(2)に環化するための本発明に係る方法の前に行われる。
【0109】
本発明のもう一つの実施形態によれば、Rは、式(3):
【化19】

【0110】
[式中のR55、R66及びR77は下記の意味を有している:
55 O、N及びSからなる群からの1、2、3又は4個のへテロ原子を含有しているフェニル−C〜C−アルキル、フェニル又は5−もしくは6−員飽和、部分不飽和又は芳香族ヘテロ環;ここでこの脂肪族及び/又は芳香族及び/又はへテロ環式基はそれら自体ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−ハロシクロアルコキシ、C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、アミノ、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、フェニル、ハロフェニル、フェニルオキシ、ハロフェニルオキシから選択される1、2、3又は4個の同一又は異なる基を有していてよく;
66、R77 互いに独立して水素、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル又はフェニルで、式中のアルキル、シクロアルキル又はフェニル部分は非置換であってよいしあるいはハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシから選択される1、2又は3個の置換基によって置換されていてもよい]
で表される基を意味している。
【0111】
一つの実施形態によれば、R55は、非置換であるか又はハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェノキシ−C〜C−アルキル及びハロフェニルオキシから独立に選択される1、2、3又は4個の置換基によって置換されている、フェニルであって、R66及びR77は水素、メチル、エチル、n−プロピル及びn−ブチルから独立に選択される。具体的には、R55は、F、Cl及びハロフェノキシ[ここでこのフェノキシ部分はCl及びFから選択される1又は2個のハロゲン原子を含有している]から独立に選択される1、2又は3個の置換基を含有している、フェニルであり、R66は水素であり、R77はC〜C−アルキルである。一つの特定の実施形態ではR55は4−(4−クロロフェノキシ)−2−クロロフェニルであり、R66は水素であり、R77はメチルである。
【0112】
化合物(I)−(3)及びその前駆体の合成に関しては国際公開第96/41804号も参照されたい。
【0113】
本発明のもう一つの実施形態によれば、Rは、式(4):
【化20】

【0114】
[式中のR222、R333及びR444は下記の意味を有している:
222及びR333は水素、シアノ、C〜C−アルキル及びC〜C−ハロアルキルから独立に選択され、このアルキル部分は非置換であってよいしあるいは定義した(又は好ましくはRが基(1)である化合物に対して先に定義した)1、2、3又は4個の置換基Lによって置換されていてもよい。特には、R222及びR333は、水素、シアノ及びC〜C−アルキルから独立に選択され、このアルキル部分はF、Cl、CN、C〜C−アルコキシ及びC〜C−ハロアルコキシから独立に選択される1、2、3又は4個の置換基を含有していてもよい。qは、1、2、3又は5であって(好ましくは1又は2)、R444は、定義した(又は好ましくはRが基(1)である化合物に対して先に定義した)Lから独立に選択され、、特にはF、Cl、CN、メチル、イソプロピル、tert−ブチル及びメトキシから独立に選択され、より具体的にはCl及びFから独立に選択される]
で表される基を意味している。
【0115】
一つの特定の実施形態によれば、R222は、水素であり、R333は、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシによって置換されているメチルであり、R444は2,4−ジクロロフェニルである。もう一つの特定の実施形態によれば、R222はシアノであり、R333はn−ブチルであり、R444は4−クロロフェニルである。なおもう一つの特定の実施形態によれば、R222は水素であり、R333はn−プロピルであり、R444は2,4−ジクロロフェニルである。化合物(I)−(4)及びその前駆体の合成についてはDE19528300、DE19529089も参照されたい。
【0116】
本発明のもう一つの実施形態によれば、Rは、式(5):
【化21】

【0117】
[式中の#はトリアゾロ基に結合している点を意味するものとし、Q、Q、R555、R666、R777及びR888は下記の通り定義される:
O、又はR555への一重結合;特にはR555への一重結合;
2〜5炭素原子(特には3炭素原子)を含有している飽和炭化水素鎖で、これは1、2又は3個の置換基Rを含有していてよく、このRは次の意味を有している:
ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−ハロアルケニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニル、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルケニルオキシ、C〜C−アルキレン、オキシ−C〜C−アルキレン、フェノキシ、フェニルで;このRは各場合非置換であるか又はLから独立に選択される、1、2又は3個の置換基を含有しており;Rは特にはハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−シクロアルキル及びC〜C−ハロシクロアルキルから選択され;
555 非置換であるか又は1、2、3、4又は5個の独立に選択される置換基L(特には1、2又は3個の置換基L)を含有している、フェニルで、このLは各場合独立に次の意味を有している:
ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C10−アルカジエニル、C〜C10−ハロアルカジエニル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−ハロアルケニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニル、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルケニルオキシ、C〜C−アルキレン、
このLの定義のうちの脂肪族及び/又は脂環族及び/又は芳香族基は互いに同じであるか又は異なっている1、2、3又は4個の基RL1を含有していてよく:
L1 ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−ハロシクロアルコキシ、C〜C−アルキレン、オキシ−C〜C−アルキレン、オキシ−C〜C−アルキレンオキシ、C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、アミノ、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ;
一つの好ましい実施形態では、LはF、Cl、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−シクロアルキル及びC〜C−ハロシクロアルキルから独立に選択され;
666 水素、ハロゲン、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキルで;特定の実施形態では、R666は水素であり;
777 水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−シクロアルケニル、C〜C10−ハロシクロアルケニル、トリ−C〜C10−アルキルシリルで;特定の実施形態では、R777は水素であり;
888 水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロゲンアルケニル、C〜C10−シクロアルキルで;特定の実施形態では、R888は水素であり;
666、R777及びR888は、特段の記載がない場合は、互いに独立して、非置換であるか又は1、2、3、4又は5個の、上記に定義されているLで置換されている]
で表される基を意味している。
【0118】
化合物(I)−(5)及びその前駆体(特にはその中でもトリアゾール基がSH又は誘導体化されたイオウ基を含有していないもの)並びにそれらの調製については、国際公開第2010/029001号、国際公開第2010/029002号、国際公開第2010/029000号、国際公開第2010/029003号、国際公開第2010/031721号、国際公開第2010/031847号、国際公開第2010/031848号、PCT/EP2009/062122及び/又はPCT/EP2009/062909を参照されたい。
【0119】
本発明に係る方法によれば、そのチオ−トリアゾロ−環は、ヒドラジン(II)及び/又はその塩(IIa)
【化22】

【0120】
から出発して作り上げられる。
【0121】
本発明の一つの実施形態によれば、遊離ヒドラジン化合物(II)のみが出発原料として用いられる。本発明のもう一つの実施形態によれば、塩(IIa)が用いられる。本発明のなおもう一つの実施形態によれば、遊離ヒドラジン(II)と塩(IIa)の混合物が用いられる。
【0122】
式(IIa)では、プロトン(H)はヒドラジン基の窒素原子に接続されており、Ym−は有機酸又は無機酸の対アニオンであり、mは1、2又は3である。塩(IIa)ではプロトンは2つの窒素原子のうちの一方を介して結合することができる。本発明に係る方法によれば、あり得る塩:
【化23】

【0123】
又は両者の混合物のいずれか一方が本発明に係る方法で用いられ得る。
【0124】
ヒドラジン誘導体の適する塩としては無機又は有機酸と形成される任意の塩が、出発化合物として、用いられ得る。つまり、Ym−は、それぞれの無機又は有機酸の対アニオンを意味し、式中の「m」は、結合価、すなわち、塩形成酸として存在している酸の種類に応じて、1、2又は3を表す。原理的には、用いる酸が2個以上のプロトンを有する場合は、1個又はそれ以上のプロトンが塩形成に関与し得る。
【0125】
無機酸の例は、ハロゲン化水素酸(例えばフッ化水素酸、塩化水素酸、臭化水素酸及びヨウ化水素酸)、炭酸、硫酸、リン酸、ホスホン酸、硝酸、硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウムである。本発明によれば、塩化水素、リン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素カリウム又はリン酸水素ナトリウムを用いるのが好ましくあり得る。
【0126】
適する有機酸は、例えば、アルカン酸(例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸及びプロピオン酸等)、さらにはグリコール酸、チオシアン酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸並びに他のアリールカルボン酸、ケイ皮酸、シュウ酸、アルキルスルホン酸(1〜20炭素原子の直鎖又は分岐アルキル基を有しているスルホン酸)、アリールスルホン酸又はアリール二スルホン酸(1又は2個のスルホン酸基を有する芳香族基(例えばフェニル及びナフチル))、アルキルホスホン酸(1〜20炭素原子の直鎖又は分岐アルキル基を有するホスホン酸)、アリールホスホン酸又はアリール二ホスホン酸(1又は2個のリン酸基を有している芳香族基(例えばフェニル及びナフチル))であり、ここでこのアルキル又はアリール基はさらなる置換基、例えばp−トルエンスルホン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸他を有していてよい。本発明に係る方法ではシュウ酸(H(CO)を用いるのが好ましくあり得る。
【0127】
本発明に係る方法で用いるヒドラジン誘導体は、ヒドラジンNHNHを用いて、式(III)
【化24】

【0128】
で表される化合物から合成することができる。ヒドラジンは、遊離ヒドラジン(無水)として、ヒドラジン水和物又はヒドラジン塩として、用いられ得る。適するヒドラジン塩は、例えば、モノヒドロ塩素酸ヒドラジン又は二塩酸ヒドラジンである。ヒドラジンを塩として用いる場合は、当業者によっては一般的なこととして選択され得る、適する塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウムを加えるのが好ましくあり得る。Xは脱離基であり、Rは定義され又は好ましくは化合物(I)及び/又は(II)に対して定義されている通りである。あり得る脱離基は、例えば、ハロゲン(例えばCl又はBr)又はOSO[式中のRはC〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、アリール又は置換アリールである]である。特には、OSOは、メシラート−、トリフラート−、フェニル−又はトルエンスルホナート−基を意味している。
【0129】
ヒドラジン誘導体を調製するための反応条件は、そのような類の置換反応に一般的に用いられている反応条件に同じである。考えられる希釈剤は、例えば、慣用の不活性有機溶媒である。例えばメタノール、エタノール又はn−ブタノール等のアルコールが用いられ得る。さらには、ジオキサンやメチル−tert−ブチルエーテル等のエーテルが用いられ得る。他の適する溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン又はキシロール等の芳香族炭化水素である。またそのような溶媒の任意の混合物も用いられ得る。また別途の希釈剤を加えることなしに反応を行うことも可能である。この場合は、ヒドラジン水和物が過剰で用いられ、反応体であると同時に希釈剤となる。
【0130】
本発明の一つの態様によれば、ヒドラジン誘導体を合成するための工程は、そのようなヒドラジン誘導体を化合物(I)含有目標チオ−トリアゾロ基に環化させるための本発明に係る方法の前に行われる。
【0131】
ヒドラジン誘導体を合成するのに適している温度は広い範囲内で変わり得る。一定の時間期間反応混合物が還流下に保持されるのが好ましくあり得る。一般的には、40℃〜130℃(特には60℃〜90℃)の温度が用いられる。
【0132】
一般的には、ヒドラジン誘導体の合成反応では、1モルの反応体(III)に対して1〜20モル、特には5〜10モル、より具体的には2〜8モルのヒドラジン(又はヒドラジン水和物もしくはヒドラジン塩)が用いられる。
【0133】
一般的には、所望ヒドラジン誘導体を含んでいる反応混合物は、周知の方法を用いて仕上げられる。一般的には、得られる粗製生成物は本発明に係る方法で用いることができ、その目的のためにはそのヒドラジン誘導体をさらに精製する必要はない。
【0134】
先に説明したように、本発明に係る方法では、塩(IIa)も出発原料として用いることができる。塩は、式(II)の化合物からそれをそれぞれの無機又は有機酸と反応させることによって調製することができる。塩化物が合成される場合は、HCl水溶液か気体としてのHClが用いられ得る。希釈剤としてはこの種の反応に適しているあらゆる有機溶媒を用いることができる。例は、芳香族炭化水素例えばベンゼン、トルエン及びキシロール;エーテル例えばジオキサン又はメチル−tert−ブチルエーテルである。一般的には、反応は、周囲温度、すなわち20〜25℃で行うことができる。しかしながら、一部のケースでは、より低い又はより高い温度で行うのが有利であり得る。
【0135】
一般的には、ヒドラジン誘導体(II)が適する溶媒に溶解され、そのあとそれぞれの酸が等モル量又は過剰で加えられる。生成物の単離は、当業者に周知の方法に従って行われ得る。
【0136】
式(IIa)で表される化合物の一部のものは新規であって、本発明の目的でもある。特には、本発明には、Rが先に定義した基(1)を意味している、式(IIa)で表される化合物(化合物(IIa)−(1))
【化25】

【0137】
[式中のA、B、Y及びmは、それぞれ、式(I)及び(IIa)で表される化合物に対して定義した通りである]も包含される。これによって、(1)(可変部A及びB)及び(IIa)(可変部Y及びm)の好ましい特定の実施形態も、同様のこととして、式(IIa)で表される化合物の好ましい実施形態である。
【0138】
本発明によるこの新規な化合物はキラル中心を含有しており、一般的にはラセミ化合物の形態で又はエリトロ形態及びトレオ形態のジアステレオマー混合物として得られる。本発明による化合物のエリトロ及びトレオジアステレオマーは、例えば、その異なる溶解度を基にしてあるいはカラムクロマトグラフィーにより分離・単離され得る。公知の方法を用いることにより、そのような均一なジアステレオマーの対を用いて、均一なエナンチオマーを得ることができる。
【0139】
つまり、本発明は、純粋エナンチオマー又はジアステレオマー及びこれらの混合物のいずれもを提供するものである。これは本発明による化合物に当てはまる。本発明の範囲には、特には、キラル中心を有している、本発明による化合物の(R)及び(S)異性体並びにラセミ化合物が含まれる。本発明による適する化合物にはあらゆるあり得る立体異性体(シス/トランス異性体)及びそれらの混合物も含まれる。
【0140】
本発明による化合物はさまざまな結晶変態で存在し得る。そのようなものも、同様のこととして、本発明によって提供される。
【0141】
特には、その用途を視野に入れると、好ましいものは、以下の表1b〜137bにまとめられている本発明による化合物(IIa)−(1)である。表中の置換基で言及されている基は、さらにそれら自体、それらが言及されている組み合わせとは無関係に、当該の置換基の特に好ましい態様である。
【0142】
表1b
Aが2,3−ジフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).1bB−1〜(IIa)−(1).1bB−440)
表2b
Aが2,4−ジフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).2bB−1〜(IIa)−(1).2bB−440)
表3b
Aが2,5−ジフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).3bB−1〜(IIa)−(1).3bB−440)
表4b
Aが2,6−ジフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).4bB−1〜(IIa)−(1).4bB−440)
表5b
Aが3,4−ジフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).5bB−1〜(IIa)−(1).5bB−440)
表6b
Aが3,5−ジフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).6bB−1〜(IIa)−(1).6bB−440)
表7b
Aが2−フルオロ−3−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).7bB−1〜(IIa)−(1).7bB−440)
表8b
Aが2−フルオロ−4−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).8bB−1〜(IIa)−(1).8bB−440)
表9b
Aが2−フルオロ−5−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).9bB−1〜(IIa)−(1).9bB−440)
表10b
Aが2−フルオロ−6−クロロフェニルlであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).10bB−1〜(IIa)−(1).10bB−440)
表11b
Aが3−フルオロ−4−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).11bB−1〜(IIa)−(1).11bB−440)
表12b
Aが3−フルオロ−5−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).12bB−1〜(IIa)−(1).12bB−440)
表13b
Aが2−クロロ−3−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).13bB−1〜(IIa)−(1).13bB−440)
表14b
Aが2−クロロ−4−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).14bB−1〜(IIa)−(1).14bB−440)
表15b
Aが2−クロロ−5−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).15bB−1〜(IIa)−(1).15bB−440)
表16b
Aが3−クロロ−4−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).16bB−1〜(IIa)−(1).16bB−440)
表17b
Aが2−メチル−3−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).17bB−1〜(IIa)−(1).17bB−440)
表18b
Aが2−メチル−4−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).18bB−1〜(IIa)−(1).18bB−440)
表19b
Aが2−メチル−5−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).19bB−1〜(IIa)−(1).19bB−440)
表20b
Aが2−メチル−6−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).20bB−1〜(IIa)−(1).20bB−440)
表21b
Aが3−メチル−4−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).21bB−1〜(IIa)−(1).21bB−440)
表22b
Aが3−メチル−5−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).22bB−1〜(IIa)−(1).22bB−440)
表23b
Aが2−フルオロ−3−メチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).23bB−1〜(IIa)−(1).23bB−440)
表24b
Aが2−フルオロ−4−メチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).24bB−1〜(IIa)−(1).24bB−440)
表25b
Aが2−フルオロ−5−メチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).25bB−1〜(IIa)−(1).25bB−440)
表26b
Aが3−フルオロ−4−メチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).26bB−1〜(IIa)−(1).26bB−440)
表27b
Aが2−メトキシ−3−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).27bB−1〜(IIa)−(1).27bB−440)
表28b
Aが2−メトキシ−4−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).28bB−1〜(IIa)−(1).28bB−440)
表29b
Aが2−メトキシ−5−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).29bB−1〜(IIa)−(1).29bB−440)
表30b
Aが2−メトキシ−6−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).30bB−1〜(IIa)−(1).30bB−440)
表31b
Aが3−メトキシ−4−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).31bB−1〜(IIa)−(1).31bB−440)
表32b
Aが3−メトキシ−5−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).32bB−1〜(IIa)−(1).32bB−440)
表33b
Aが2−フルオロ−3−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).33bB−1〜(IIa)−(1).33bB−440)
表34b
Aが2−フルオロ−4−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).34bB−1〜(IIa)−(1).34bB−440)
表35b
Aが2−フルオロ−5−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).35bB−1〜(IIa)−(1).35bB−440)
表36b
Aが3−フルオロ−4−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).36bB−1〜(IIa)−(1).36bB−440)
表37b
Aが3−フルオロ−5−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).37bB−1〜(IIa)−(1).37bB−440)
表38b
Aが2−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).38bB−1〜(IIa)−(1).38bB−440)
表39b
Aが2−(ジフルオロメトキシ)−4−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).39bB−1〜(IIa)−(1).39bB−440)
表40b
Aが2−(ジフルオロメトキシ)−5−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).40bB−1〜(IIa)−(1).40bB−440)
表41b
Aが2−(ジフルオロメトキシ)−6−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).41bB−1〜(IIa)−(1).41bB−440)
表42b
Aが3−(ジフルオロメトキシ)−4−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).42bB−1〜(IIa)−(1).42bB−440)
表43b
Aが3−(ジフルオロメトキシ)−5−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).73bB−1〜(IIa)−(1).73bB−440)
表44b
Aが2−フルオロ−3−(ジフルオロメトキシ)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).44bB−1〜(IIa)−(1).44bB−440)
表45b
Aが2−フルオロ−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).45bB−1〜(IIa)−(1).45bB−440)
表46b
Aが2−フルオロ−5−(ジフルオロメトキシ)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).46bB−1〜(IIa)−(1).46bB−440)
表47b
Aが3−フルオロ−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).47bB−1〜(IIa)−(1).47bB−440)
表48b
Aが2,3,4−トリフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).48bB−1〜(IIa)−(1).48bB−440)
表49b
Aが2,3,5−トリフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).49bB−1〜(IIa)−(1).49bB−440)
表50b
Aが2,3,6−トリフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).50bB−1〜(IIa)−(1).50bB−440)
表51b
Aが2,4,5−トリフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).51bB−1〜(IIa)−(1).51bB−440)
表52b
Aが2,4,6−トリフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).52bB−1〜(IIa)−(1).52bB−440)
表53b
Aが3,4,5−トリフルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).53bB−1〜(IIa)−(1).53bB−440)
表54b
Aがフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).54bB−1〜(IIa)−(1).54bB−440)
表55b
Aが2−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).55bB−1〜(IIa)−(1).55bB−440)
表56b
Aが3−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).56bB−1〜(IIa)−(1).56bB−440)
表57b
Aが4−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).57bB−1〜(IIa)−(1).57bB−440)
表58b
Aが2−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).58bB−1〜(IIa)−(1).58bB−440)
表59b
Aが3−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).59bB−1〜(IIa)−(1).59bB−440)
表60b
Aが4−フルオロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).60bB−1〜(IIa)−(1).60bB−440)
表61b
Aが2−メチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).61bB−1〜(IIa)−(1).61bB−440)
表62bv
Aが3−メチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).62bB−1〜(IIa)−(1).62bB−440)
表63b
Aが4−メチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).63bB−1〜(IIa)−(1).63bB−440)
表64b
Aが2−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).64bB−1〜(IIa)−(1).64bB−440)
表65b
Aが3−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).65bB−1〜(IIa)−(1).65bB−440)
表66b
Aが4−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).66bB−1〜(IIa)−(1).66bB−440)
表67b
Aが2−トリフルオロメチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).67bB−1〜(IIa)−(1).67bB−440)
表68b
Aが3−トリフルオロメチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).68bB−1〜(IIa)−(1).68bB−440)
表69b
Aが4−トリフルオロメチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).69bB−1〜(IIa)−(1).69bB−440)
表70b
Aが2−ジフルオロメトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).70bB−1〜(IIa)−(1).70bB−440)
表71b
Aが3−ジフルオロメトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).71bB−1〜(IIa)−(1).71bB−440)
表72b
Aが4−ジフルオロメトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).72bB−1〜(IIa)−(1).72bB−440)
表73b
Aが2,3−ジクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).73bB−1〜(IIa)−(1).73bB−440)
表74b
Aが2,4−ジクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).74bB−1〜(IIa)−(1).74bB−440)
表75b
Aが2,5−ジクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).75bB−1〜(IIa)−(1).75bB−440)
表76b
Aが2,6−ジクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).76bB−1〜(IIa)−(1).76bB−440)
表77b
Aが3,4−ジクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).77bB−1〜(IIa)−(1).77bB−440)
表78b
Aが3,5−ジクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).78bB−1〜(IIa)−(1).78bB−440)
表79b
Aが2,3−ジメチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).79bB−1〜(IIa)−(1).79bB−440)
表80b
Aが2,4−ジメチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).80bB−1〜(IIa)−(1).80bB−440)
表81b
Aが2,5−ジメチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).81bB−1〜(IIa)−(1).81bB−440)
表82b
Aが2,6−ジメチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).82bB−1〜(IIa)−(1).82bB−440)
表83b
Aが3,4−ジメチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).83bB−1〜(IIa)−(1).83bB−440)
表84b
Aが3,5−ジメチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).84bB−1〜(IIa)−(1).84bB−440)
表85b
Aが2,3−ジメトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).85bB−1〜(IIa)−(1).85bB−440)
表86b
Aが2,4−ジメトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).86bB−1〜(IIa)−(1).861bB−440)
表87b
Aが2,5−ジメトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).87bB−1〜(IIa)−(1).87bB−440)
表88b
Aが2,6−ジメトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).88bB−1〜(IIa)−(1).88bB−440)
表89b
Aが3,4−ジメトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).89bB−1〜(IIa)−(1).89bB−440)
表90b
Aが3,5−ジメトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).90bB−1〜(IIa)−(1).90bB−440)
表91b
Aが2−メチル−3−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).91bB−1〜(IIa)−(1).91bB−440)
表92b
Aが2−メチル−4−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).92bB−1〜(IIa)−(1).92bB−440)
表93b
Aが2−メチル−5−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).93bB−1〜(IIa)−(1).93bB−440)
表94b
Aが2−メチル−6−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).94bB−1〜(IIa)−(1).94bB−440)
表95b
Aが3−メチル−4−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).95bB−1〜(IIa)−(1).95bB−440)
表96b
Aが3−メチル−5−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).96bB−1〜(IIa)−(1).96bB−440)
表97b
Aが2−クロロ−3−メチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).97bB−1〜(IIa)−(1).97bB−440)
表98b
Aが2−クロロ−4−メチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).98bB−1〜(IIa)−(1).98bB−440)
表99b
Aが2−クロロ−5−メチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).99bB−1〜(IIa)−(1).99bB−440)
表100b
Aが3−クロロ−4−メチルフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).100bB−1〜(IIa)−(1).100bB−440)
表101b
Aが2−メトキシ−3−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).101bB−1〜(IIa)−(1).101bB−440)
表102b
Aが2−メトキシ−4−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).102bB−1〜(IIa)−(1).102bB−440)
表103b
Aが2−メトキシ−5−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).103bB−1〜(IIa)−(1).103bB−440)
表104b
Aが2−メトキシ−6−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).104bB−1〜(IIa)−(1).104bB−440)
表105b
Aが3−メトキシ−4−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).105bB−1〜(IIa)−(1).105bB−440)
表106b
Aが3−メトキシ−5−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).106bB−1〜(IIa)−(1).106bB−440)
表107b
Aが2−クロロ−3−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).107bB−1〜(IIa)−(1).107bB−440)
表108b
Aが2−クロロ−4−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).108bB−1〜(IIa)−(1).108bB−440)
表109b
Aが2−クロロ−5−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).109bB−1〜(IIa)−(1).109bB−440)
表110b
Aが3−クロロ−4−メトキシフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).110bB−1〜(IIa)−(1).110bB−440)
表111b
Aが2−(トリフルオロメチル)−3−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).111bB−1〜(IIa)−(1).111bB−440)
表112b
Aが2−(トリフルオロメチル)−4−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).112bB−1〜(IIa)−(1).112bB−440)
表113b
Aが2−(トリフルオロメチル)−5−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).113bB−1〜(IIa)−(1).113bB−440)
表114b
Aが2−(トリフルオロメチル)−6−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).114bB−1〜(IIa)−(1).114bB−440)
表115b
Aが3−(トリフルオロメチル)−4−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).115bB−1〜(IIa)−(1).115bB−440)
表116b
Aが3−(トリフルオロメチル)−5−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).116bB−1〜(IIa)−(1).116bB−440)
表117b
Aが2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).117bB−1〜(IIa)−(1).117bB−440)
表118b
Aが2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).118bB−1〜(IIa)−(1).118bB−440)
表119b
Aが2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).119bB−1〜(IIa)−(1).119bB−440)
表120b
Aが3−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).120bB−1〜(IIa)−(1).120bB−440)
表121b
Aが2−(トリフルオロメトキシ)−3−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).121bB−1〜(IIa)−(1).121bB−440)
表122b
Aが2−(ジフルオロメトキシ)−3−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).122bB−1〜(IIa)−(1).122bB−440)
表123b
Aが2−(ジフルオロメトキシ)−4−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).123bB−1〜(IIa)−(1).123bB−440)
表124b
Aが2−(ジフルオロメトキシ)−5−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).124bB−1〜(IIa)−(1).124bB−440)
表125b
Aが2−(ジフルオロメトキシ)−6−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).125bB−1〜(IIa)−(1).125bB−440)
表126b
Aが3−(ジフルオロメトキシ)−4−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).126bB−1〜(IIa)−(1).126bB−440)
表127b
Aが3−(ジフルオロメトキシ)−5−クロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).127bB−1〜(IIa)−(1).127bB−440)
表128b
Aが2−クロロ−3−(ジフルオロメトキシ)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).128bB−1〜(IIa)−(1).128bB−440)
表129b
Aが2−クロロ−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).129bB−1〜(IIa)−(1).129bB−440)
表130b
Aが2−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).130bB−1〜(IIa)−(1).130bB−440)
表131b
Aが3−クロロ−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).131bB−1〜(IIa)−(1).131bB−440)
表132b
Aが2,3,4−トリクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).132bB−1〜(IIa)−(1).132bB−440)
表133b
Aが2,3,5−トリクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).133bB−1〜(IIa)−(1).133bB−440)
表134b
Aが2,3,6−トリクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).134bB−1〜(IIa)−(1).134bB−440)
表135b
Aが2,4,5−トリクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).135bB−1〜(IIa)−(1).135bB−440)
表136b
Aが2,4,6−トリクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).136bB−1〜(IIa)−(1).136bB−440)
表137b
Aが3,4,5−トリクロロフェニルであり、BとYm−の組み合わせが、各場合において、表Bの一つの行に対応している、化合物(IIa)−(1)(化合物(IIa)−(1).137bB−1〜(IIa)−(1).137bB−440)
【表2】

【0143】

【0144】

【0145】

【0146】

【0147】

【0148】

【0149】

【0150】

【0151】

【0152】
本発明に係る方法によれば、先に定義したヒドラジン誘導体(II)及び/又はその塩(IIa)を、チオシアナートMn+(SCN)(IV)及びオルトギ酸エステルHC(OR)(OR)(OR)(V)と反応させる。
【0153】
この方法の一つの本発明に係る実施形態によれば、チオシアナートMn+(SCN)(IV)中の可変部Mn+は、アルカリ金属カチオン(つまり、n=1)、アルカリ土類金属カチオン(例えばCa又はMg;つまり、n=2)、Ag(n=1)、Cu2+(n=2)、Co2+(n=2)、Cd2+(n=2)又はFe3+(n=3)を意味している。一つの実施形態では、Mn+は、アルカリ金属カチオン(n=1)を意味している。「アルカリ金属カチオン」は、特には、Na又はKを意味している。つまり、好ましいチオシアナートは、NaSCN及びKSCNである。
【0154】
nは、Mの意味に応じて、1、2又は3である。
【0155】
この方法のもう一つの本発明に係る実施形態によれば、チオシアナートMn+(SCN)(IV)中の可変部Mn+は、アンモニウム又はアルキルアンモニウム[NRを意味しており、この場合の[NR中のR、R、R及びRは互いに独立して水素又は(C〜C10)アルキルを意味している。この発明の一つの特定の実施形態によれば、用いるチオシアナートは、NHSCNである。この発明のもう一つの特定の実施形態によれば、R、R、R、Rは、独立に、(C〜C10)アルキル、特には(C〜C)アルキル、より具体的には(C〜C)アルキルを意味している。一つの特定の態様によれば、R、R、R、Rは同じ意味を有していて、(C〜C10)アルキル、特には(C〜C)アルキル、より具体的には(C〜C)アルキルを意味している。そのようなチオシアナート(IV)の特定の例は、N(CHSCN及びN(CSCNである。
【0156】
チオシアナートMn+(SCN)(IV)は当技術分野では周知であって、市販品として入手可能である。
【0157】
オルトギ酸エステルHC(OR)(OR)(OR)の使用は本発明に係る方法では特徴的なことである。R、R、Rは、互いに独立して、C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル及びC〜C−アルキニルから選択され、好ましくはC〜C−アルキルから選択される。一つの実施形態によれば、R、R及びRは同じであり(以下HC(ORと呼ぶ)、C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル及びC〜C−アルキニルから選択され、好ましくはC〜C−アルキルから選択され、より好ましくはC〜C−アルキルから選択される。特定のR、R、及びR(これらは互いに同じであるか又は異なっていてよい)の意味は、メチル及びエチルである。本発明によれば、特には容易に入手可能であること及び安価であることからオルトギ酸トリエチルエステル又はオルト−ギ酸トリメチルエステルを用いるのが好ましくあり得る。
【0158】
オルトギ酸エステルHC(OR)(OR)(OR)の調製、特にはHC(ORの調製は、当業者には周知のことであり、一部のものは市販品として入手可能である。
【0159】
本発明に係る方法によれば各反応体は任意の順序で反応フラスコ又は容器に加えられ得る。一つの実施形態によれば、ヒドラジン(II)及び/又は塩(IIa)が最初に加えられる。そのあとチオシアナート及びオルトギ酸エステルが一緒に又は連続して加えられ得る。連続して加えられる場合は、チオシアナートかオルトギ酸エステルが最初に加えられ得る。本発明のもう一つの実施形態によれば、チオシアナートが、最初に、ヒドラジン誘導体を含んでいる反応混合物に加えられ、そのあとオルトギ酸エステルが加えられる。なおもう一つの実施形態によれば、チオシアナートとオルトギ酸エステルとがヒドラジン誘導体に同時に(一緒にしてか又は別々にして(好ましくは別々にして))加えられる。
【0160】
式(II)及び/又は(IIa)で表されるヒドラジン誘導体から式Iの化合物を調製するための本発明に係る方法によれば、反応は、反応体としてのギ酸を加えることなしに行われる。
【0161】
本発明に係る方法の希釈剤としては任意の有機溶媒、特には極性又は非極性有機溶媒が用いられ、好ましくは、極性有機溶媒が用いられ、特には極性プロトン性溶媒が用いられる。例えば酢酸等の有機カルボン酸が用いられるのが好ましくあり得る。一つの特定の実施形態では、氷酢酸が用いられる。
【0162】
一般的には、本発明に係る方法は、一定の温度範囲内で行われ得る。特には、20℃〜80℃、特には20℃〜60℃、より具体的には20℃〜55℃の温度が用いられるのが好ましくあり得る。さらには、25℃〜75℃、特には25℃〜65℃、より具体的には30℃〜55℃の温度が用いられるのが好ましくあり得る。
【0163】
本発明に係る方法では、ヒドラジン出発化合物(II)及び/又は(IIa)に対して1〜5モルのオルトギ酸エステルHC(OR)(OR)(OR)を用いるのが、好ましくは、1〜2モルのオルトギ酸エステルを用いるのが好ましくあり得る。
【0164】
さらには、本発明に係る方法では、1モルのヒドラジン出発化合物(II)及び/又は(IIa)に対して1〜5モルのチオシアナート(IV)を用いるのが、好ましくは、1〜2モルのチオシアナート(IV)を用いるのが好ましくあり得る。
【0165】
本発明に係る方法の一つの利点は、チオ−トリアゾロ化合物への環化反応は、ワン−ポット反応で行うことができることである。さらには、所望なら、反応は、比較的低い(40℃〜60℃)温度で行うことができ、反応時間も比較的短い。この方法は、したがって、非常に経済的である。
【0166】
誘導体化されたイオウ基を含有している式(I)で表される化合物を得るためには、式(I)の化合物は当技術分野で公知の方法に従ってさらに反応され得る。そのような化合物は、また、植物病原性菌を防除するのに有用である。
【0167】
例えば、さらに化合物(I)をR−X(ここで、Rは下記に定義されている通りであり、Xは、例えば、ハロゲン(例えばCl、Br又はI)又はトリフルオロ−C〜C−アルキルスルホナートのような脱離基である)と反応させることにより、「S−H」に代えてS−R基を有している式(I)で表されるさまざまな化合物を調製することが可能である。基SR(ここで、RはC〜C−アルキルであり、好ましくはC〜C−アルキル(特にはメチル又はエチル)である)を含有している化合物を調製するためには、化合物(I)を対応するハロゲン化アルキルと反応させる(国際公開第96/38440号も参照されたい)。
【0168】
さらに、下記のS−残基が式(I)のそれぞれのSH−誘導体から形成され得る:
S−R、ここで
は、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−ハロアルキニル、C(=O)R、C(=S)R、SO10又はCNであり;ここで
は、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ又はNAであって;
10は、C〜C−アルキル、フェニル−C〜C−アルキル又はフェニルであり、ここでこのフェニル基は、各場合において、非置換であるか又はハロゲン及びC〜C−アルキルからなる群から独立に選択される1、2又は3個の基によって置換されており;
、Aは、互いに独立して、水素、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル又はC〜C−ハロシクロアルケニルである;
【0169】
S−DII、式中のDIIは、
【化26】

【0170】
[ここで、#はトリアゾリル環に結合している点であって、Q、R88及びR99は以下に定義する通りである:
Qは、O又はSであり;
88、R99は、互いに独立して、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アルケニルチオ、C〜C−アルキニルチオ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルチオ、フェニル、フェニル−C〜C−アルキル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニル−C〜C−アルコキシ又はNR111222であり、ここでR111はH又はC〜C−アルキルであってR222はC〜C−アルキル、フェニル−C〜C−アルキル又はフェニルであるか又はR111とR222は一緒になって4−もしくは5−炭素原子を有しているアルキレン鎖であるか又は式−CH〜CH−O−CH−CH−もしくは−CH−CH−NR333〜CH〜CH−(式中のR333は水素又はC〜C−アルキルである)で表される基を形成しており;ここで上で言及した基中の芳香族基は、各場合において、互いに独立して、非置換であるか又はハロゲン及びC〜C−アルキルからなる群から選択される1、2又は3個の基によって置換されている]
である;
【0171】
SM、ここで、Mは、以下に定義する通りである:
は、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン相当体、銅、亜鉛、鉄もしくはニッケルカチオン相当体、又は式(E)
【化27】

【0172】
[この
及びZは、独立に、水素又はC〜C−アルキルであり;
及びZは、独立に、水素、C〜C−アルキル、ベンジル又はフェニルであり;ここでこのフェニル基は、各場合において、非置換であるか又はハロゲン及びC〜C−アルキルからなる群から独立に選択される1、2又は3個の基によって置換されている]
で表されるアンモニウムカチオンである。
【0173】
基S−C(=O)NAを含有している式Iで表される化合物は国際公開第99/21853号に記載されている方法と同じようにして合成することができる。
【0174】
基DIIを含有している式Iで表される化合物は国際公開第99/05149号に記載されている方法と同じようにして合成することができる。
【0175】
基S−SO10を含有している式Iで表される化合物は国際公開第97/44332号に記載されている方法と同じようにして合成することができる。
【0176】
基S−CNを含有している式Iで表される化合物は国際公開第99/44331号に記載されている方法と同じようにして合成することができる。
【0177】
基DIIを含有している式Iで表される化合物は国際公開第97/43269号に記載されている方法と同じようにして合成することができる。
【0178】
基S−C(=O)R(ここで、R=C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ又はC〜C−ハロアルコキシである)を含有している式Iで表される化合物は国際公開第97/42178号に記載されている方法と同じようにして合成することができる。
【0179】
基SMを含有している式Iで表される化合物は国際公開第97/41107号に記載されている方法と同じようにして合成することができる。
【0180】
本発明の一つの態様によれば、上記で詳述したトリアゾール環中のイオウを誘導体化するための各工程のうちの一つは本発明の方法の後に行われる。一つの特定の態様によれば、本発明の方法に従って化合物(I)−(1)を合成した後、トリアゾール環中のイオウを誘導体化するための各工程のうちの一つが行われる。これは、さらなる殺菌化合物、特にはSHがSR(Rは、C〜C−アルキル(特にはC〜C−アルキル)、C〜C−アルケニル又はCNである)に誘導体化された化合物を合成するのには、非常に有用な経路であることを意味している。
【実施例】
【0181】
以下の実施例は本発明をさらに説明するものであって、本発明をいかようにも限定するものでない。
【0182】
実施例1:2−[rel−(2S,3R)−3−(2−クロロフェニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−オキシラニルメチル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−チオンの合成
溶液メタンスルホン酸−3−(2−クロロフェニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−オキシラニルメチルエステル(20.0g、53.4mmol)/イソプロパノール(40ml)にヒドラジン水和物(25.89ml、533.6mmol)を加え、そしてこの反応混合物を1.5時間還流下に撹拌した。反応混合物が室温まで冷却した後、水とMTBEを加え、有機層を分離して、水で洗浄した。有機相を乾燥させ、減圧下で濃縮し、その残留物を酢酸(200ml)に取り込んだ。ナトリウムチオシアナート(4.54g、56.0mmol)を加え、そのあと、その反応混合物を40℃まで温め、トリエチルオルトホルミアート(8.30g、56.0mmol)を滴下で加えた。反応が完了した後この混合物を氷水(1000ml)に注いだ。得られた残留物を濾別した。得られた固形物を酢酸エチルで取り込み、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去すると表題の化合物が純度80%のベージュ色固形物の形態で得られた(18.0g、71%)。
【0183】
実施例2:[3−(2−クロロ−フェニル)−2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−ヒドラジニウムホスファートから出発した2−[rel−(2S,3R)−3−(2−クロロ−フェニル)−2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−チオンの合成
2.1:[3−(2−クロロ−フェニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−オキシラニルメチル]−ヒドラジニウムホスファートの合成
溶液ヒドラジン水和物(25.04g、0.50mol)/アセトニトリル(5ml)に溶液メタンスルホン酸3−(2−クロロ−フェニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−オキシラニルメチルエステル(37.5g、0.10mol)/トルエン(150ml)を加えた。この混合物を激しく撹拌しながら85℃に30時間加熱したが、この時点で出発原料は完全に消費されていた。混合物をこの後周囲温度まで冷却させてから水(3×150ml)で洗浄した。この有機相を分離し、NaSOで乾燥させ、精製することなく次の工程で用いた。上記で得られた溶液をトルエン(200ml)で希釈し、HPO(17.29g、0.15mol)で室温にて滴下で処理した。この混合物を一晩撹拌したが、この間に沈殿が生成した。この固形物を濾別し、トルエンそのあとヘプタンで洗浄し、乾燥させて、目標生成物を茶色をした固形物(31.0g、76%)として得た。1H-NMR(360 MHz、DMSO-d6):δ 7.602-7.11 (m, 7H), 5.40 (br s, 4H), 4.20 (s, 1H), 3.20 (d, 1H), 2.59 (d, 1H)。
【0184】
2.2:2−[rel−(2S,3R)−3−(2−クロロ−フェニル)−2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−チオンの合成
[3−(2−クロロ−フェニル)−2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−オキシラニルメチル]−ヒドラジニウムホスファート(10.2g、2.5mmol)及びNaSCN(0.22g、2.75mmol)を氷酢酸(15ml)に溶解させ、60℃まで加熱した。この温度にて、HC(OEt)(0.78g、5.25mmol)を撹拌しながら滴下で加えた。反応が完結した後、この混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ得られた固形物は、80%純度の目標生成物(1.00g、84%)であることが判明した。
【0185】
実施例3:2−[rel−(2S,3R)−2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−3−o−トリル−オキシラニルメチル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−チオンの合成
溶液メタンスルホン酸2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−3−o−トリル−オキシラニルメチルエステル(7.50g、19.1mmol)/イソプロパノール(20ml)にヒドラジン水和物(11.55ml、190.5mmol)を加えた。この混合物を還流に加熱し、1.5時間撹拌した。この時点の後、反応混合物をMTBEと水とに分配させ、その有機相を水で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。溶媒を除去した後、得られた残留物を50℃にて氷酢酸(70ml)に溶解させてNaSCN(1.70g、21.0mmol)及びトリエチルオルトホルマートHC(OEt)(3.105g、20.95mmol)で処理した。続いて、この混合物を室温まで冷却させて撹拌を2時間続けたが、この時点で出発原料は完全に消費されていた。混合物をこのあと氷水に注ぎ、その沈殿物を濾別した。このようにして得られた固形物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。適切なフラクションを回収することにより目標化合物を黄色っぽい固形物(1.80g、25%)として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): ( 11.75 (br s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.71-7-06 (m, 7H), 5.03 (d, 1H), 3.99 (s, 1H), 3.71 (d, 1H), 2.38 (s, 3H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

で表される置換チオ−トリアゾロ基の調製方法であって、式(II)
【化2】

で表される化合物及び/又はその塩(IIa)
【化3】

を、Mn+(SCN)(IV)及びオルトギ酸エステルHC(OR)(OR)(OR)(V)
[式中の各可変部は下記の意味を有している:
Rは、有機基であり;
nは、Mの意味に応じて、1、2又は3であり;
n+は、アルカリ金属カチオン(n=1)、アルカリ土類金属カチオン(n=2)、Ag(n=1)、Cu2+(n=2)、Co2+(n=2)、Cd2+(n=2)、Fe3+(n=3);又は[NR[式中のR、R、R及びRは、互いに独立して、水素及び(C〜C10)−アルキルから選択される]であり;
、R、Rは、互いに独立して、C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル及びC〜C−アルキニルから選択され;
m−は、有機酸又は無機酸の対アニオンであり;
mは、1、2又は3である]
と反応させる前記方法。
【請求項2】
Rが、下記の意味(1):
【化4】

[式中、#はトリアゾロ基又はヒドラジンユニットそれぞれに結合する点を意味するものとし、A及びBは、下記の通り定義される:
A又はBは、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−もしくは10−員飽和又は部分不飽和へテロ環、又は、5−、6−、7−、8−、9−もしくは10−員芳香族へテロ環であり、ここでこのヘテロ環は各場合においてO、N及びSからなる群からの1、2、3又は4個のへテロ原子を含有しており;ナフチル又はフェニルであり;
そしてそれぞれの他の可変部B又はAは、
A又はBに対して上記の各意味のうちの一つの意味を有しているか又はC〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、ナフチル又はベンゾジオキソリルであり;
ここでA及び/又はBは、互いに独立して、非置換であるか又は1、2、3又は4個の独立に選択される置換基Lによって置換されており;
Lは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、シアナト(OCN)、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェニル−C〜C−アルキルオキシ、C〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−ハロアルキニル、C〜C10−アルカジエニル、C〜C10−ハロアルカジエニル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルキルスルホニルオキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−ハロアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、C〜C−ハロアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニル、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルケニルオキシ、ヒドロキシイミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキレン、オキシ−C〜C−アルキレン、オキシ−C〜C−アルキレンオキシ、C〜C−アルコキシイミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニルオキシイミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキニルオキシイミノ−C〜C−アルキル、S(=O)、C(=O)A、C(=S)A、NA、フェニル−C〜C−アルキル、フェニル、フェニルオキシ、又は5−もしくは6−員飽和、部分不飽和又は芳香族へテロ環(このヘテロ環はO、N及びSからなる群からの1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有している)であり;ここでn、A、A、A、Aは、以下に定義する通りである:
nは、0、1又は2であり;
は、水素、ヒドロキシル、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、アミノ、C〜C−アルキルアミノ又はジ−C〜C−アルキルアミノであり、
は、Aについて言及した各基のうちの一つであるか又はC〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−ハロアルキニル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−ハロアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、C〜C−ハロアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルコキシ又はC〜C−ハロシクロアルコキシであり;
、Aは、互いに独立して、水素、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−ハロアルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル又はC〜C−ハロシクロアルケニルであり;
ここで、Lの基の定義のうちの脂肪族及び/又は脂環族及び/又は芳香族基は、それら自体、1、2、3又は4個の同一又は異なる基Rを有していてよく;
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−ハロシクロアルコキシ、C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、アミノ、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノである]
を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Y及びmが請求項1に定義されている通りであり、Rが請求項2に定義されている通りである、化合物(IIa)。

【公表番号】特表2013−514299(P2013−514299A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543662(P2012−543662)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069534
【国際公開番号】WO2011/073145
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】