説明

トリグリセリド及び脂肪酸の混合物から脂肪酸メチルエステルを生成する単相プロセス

【課題】 迅速で、本質的に完全であり、経済的コスト及び操作上も効率的である方法で、脂肪酸及びトリグリセリドをエステルに転化するプロセスを提供する。
【解決手段】 脂肪酸及びトリグリセリドの混合物をエステル交換するプロセスであり、該プロセスは、メタノール及びエタノールから選択されたアルコール中の脂肪酸及びトリグリセリドの単相溶液を形成し、前記アルコール対トリグリセリドの比は15:1〜35:1であり、さらに溶液は、単相を形成するのに充分な量の補助溶剤を含む。第1ステップで、脂肪酸のエステル交換のための酸触媒が添加された後、酸触媒は中和され、トリグリセリドのエステル交換のための塩基触媒が添加され、さらにその後、エステルが溶液から分離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリグリセリド及び脂肪酸の混合物から脂肪酸メチルエステルを生成することに関する。特に、本発明は、トリグリセリド及び脂肪酸の混合物から脂肪酸メチルエステルを生成する、2段階プロセスとも呼ばれる単相プロセスに関する。プロセスは、プロセス内の中間段階でいかなる相を分離する必要もない。
【背景技術】
【0002】
エステル及び特にメチルエステルを得るために植物油をエステル交換ことは、大いに注目された、その主な理由はエステルが、「生物燃料」あるいは「生物ディーゼル」として使用されることが可能であることにある。生物燃料は、天然の脂肪及び油などの再生可能な資源から得られる燃料である。このような脂肪及び油は、様々な植物及び動物から得られることが可能である。生物ディーゼルは、ディーゼル燃料への特定的な用途に関する。
【0003】
油あるいは脂肪の主成分は、脂肪酸トリグリセリドであり、脂肪酸トリグリセリドでは、特に脂肪酸及び油が植物油の形をとる場合、3つの長鎖脂肪酸部分が、エステル結合により1つのグリセロール部分に接合されている。脂肪酸及び油の他のソースは、かなりの割合の脂肪酸を含む。このような脂肪酸は、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びリノレン酸を含むこともある。
【0004】
生物燃料の製造のための多数の製造設備が、ヨーロッパに建設され、同様の設備が、他の国々においても計画されている。
【0005】
メタノールと植物油中のトリグリセリドを塩基触媒反応させて植物油メチルエステルを得るのは、2相反応であり、2相反応は、遅いことが知られている。反応速度が遅い問題は、2相系から単相系への変換を引起こす非反応性補助溶剤の使用により軽減される。テトラヒドロフラン(THF)及びメチル第三ブチルエーテル(MTBE)などの簡単なエーテルは、1996年3月9日公告のカナダ特許出願第2131654号(特許文献1)に説明されているように特に良好な補助溶剤である。少なくとも4.5:1及びより好ましくは6:1のアルコール対トリグリセリドのモル比が、開示され、代表的な比は、6:1〜8:1の範囲内にある。その理由は、さらに、D.G.B.BoocockによりBiomass and Bioenery Vol. 11, No. 1, pp. 43−50 (1996)に説明されている。
【0006】
カナダ特許出願第2131654号は、遊離脂肪酸は、脂肪又は油の特に煩わしい成分であると述べている。特に、塩基触媒を使用しての油(トリグリセリド)のエステル交換が、脂肪酸の存在下で試みられる場合、遊離脂肪酸は、塩基触媒により中和されると石けんを形成する。
【0007】
Kawaharaらの米国特許第4164506号明細書(特許文献2)は、(a)酸触媒の存在下で遊離脂肪酸をエステル化することと、(b)精製された脂肪層を得るために、生成物混合物が脂肪層とアルコール層とに分離させることと、(c)次いで、脂肪層を、塩基触媒によりエステル交換することとを含む。
【0008】
Sternらの米国特許第4695411号明細書(特許文献3)は、1〜60%の水の存在下でアルコールにより酸エステル交換を行ない、得られたグリセロール相を分離し、残りのエステル相の遊離酸度を低め、次いで、塩基触媒の存在下でエステル交換を行うことを含む多段階反応を開示する。
【0009】
Jerominらの米国特許第4698186号明細書(特許文献4)は、酸性カチオン交換樹脂の存在下でアルコールによるエステル化により、脂肪あるいは油の遊離酸分を減少させるプロセスを開示する。
【0010】
Basuらの米国特許第5525126号明細書(特許文献5)は、カルシウムアセテート/バリウムアセテート触媒を使用することにより、脂肪及び油の混合物をエステル化することを教示する。しかし、本方法は、(200゜Cを越える)高い温度及び(約500psiの)高い圧力を必要とする。反応時間(3時間)は長い。これらの条件に起因してプロセスは実用的でなく、経済的でない。
【0011】
Fogliaらの米国特許第5713965号明細書は、トリグリセリド及び遊離脂肪酸の混合物をエステル交換するためにリパーゼを使用することを教示する。反応は、95%の転化率に到達するために4〜16時間を必要とし、これは、工業プロセスでは実用的でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】カナダ特許出願第2131654号
【特許文献2】米国特許第4164506号
【特許文献3】米国特許第4695411号
【特許文献4】米国特許第4698186号
【特許文献5】米国特許第5525126号
【特許文献6】米国特許第5713965号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
脂肪酸及びトリグリセリドの混合物から脂肪酸メチルエステルを生成するプロセスにおいては、その改善が必要とされる。特に、迅速で、本質的に完全であり、資本コスト及び操作コストが効率的である方法で、脂肪酸及びトリグリセリドをエステルに転化するプロセスが必要とされる。このようなプロセスは、工業プロセスとしての潜在的可能性を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
トリグリセリド及び脂肪酸の混合物から脂肪酸メチルエステルを生成するプロセスが、本発明において見出された。
本発明の1つの態様は、脂肪酸及びトリグリセリドの混合物をエステル化する単相プロセスであって、(a)前記脂肪酸及びトリグリセリド混合物と、アルコールと、酸触媒と、補助溶剤との溶液を、前記溶液の沸点より低い温度で形成し、前記アルコールは、メタノールとエタノール、あるいはそれらの混合物から成る群から選択され、前記アルコール対前記トリグリセリド及び脂肪酸混合物の比は、15:1〜35:1の範囲内にあり、前記補助溶剤は、前記単相を得るのに充分な量を有することと、(b)脂肪酸を酸触媒エステル化するのに充分な期間にわたり前記溶液を維持することと、(c)前記トリグリセリドをエステル交換するために、前記酸触媒を中和し、塩基触媒を添加することと、(d)さらにしばらくの後、前記溶液からエステルを分離することとを含んで成るプロセスを提供する。
【0015】
本発明の好ましい実施例では、前記トリグリセリドが、牛脂、ココナツ油、コーンオイル、綿実油,ラード、オリーブ油、パームオイル,パームナッツ油、ピーナッツオイル、大豆油、アマニ油、ヒマワリ油、サフラワー油、カノラ油、菜種油、ごま油、ババス油、荏の油、オイチシカ油、魚油、メンヘーデン油、ヒマシ油、ナンキンハゼ油、ナンヨウアブラギリ油、クフェア種子油、肉微小藻類油、細菌類油及び菌類油から成る群から選択される。
【0016】
本発明の1つのさらなる実施例では、前記補助溶剤が、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、メチル及びジイソプロピルエーテルから成る群から選択される。
【0017】
本発明の別の1つの実施例では、前記プロセスが連続的プロセスである。
本発明が、図面の実施例により説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来技術でメタノリシスの間に時間の経過につれて水酸化物イオン濃度が減損するのを示すグラフ表示である。
【図2】従来技術及び本発明で大豆油及びココナツ油の単相メタノリシスを示すグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、脂肪酸の存在下で脂肪及び油からエステルを得ることに関する。特に、本発明は、トリグリセリド及び脂肪酸の混合物からエステルを調製することに関する。好ましい実施例であるメチルエステルの生成は、本明細書で詳細に説明されるが、エステル化反応は、メタノール又はエタノール、又はそれらの混合物を使用して行われることが可能である。メタノールは、64.5℃で沸騰し、エタノールは78.3℃で沸騰する。本発明は、特に、メタノールの使用に関連して本明細書で説明される。
【0020】
本発明は、脂肪酸及びトリグリセリドの混合物を転化する単相プロセスを提供する。プロセスにおいて、脂肪酸は、メタノールとの酸触媒反応によりメチルエステルに転化される。溶液は、次いで中和され、塩基が添加されて、メタノールとのトリグリセリドの反応を触媒し、メチルエステルが得られる。反応全体が同一の相で行われ、相を分離するステップは不要である。
【0021】
混合物中の小量の脂肪酸から、混合物中の小量のトリグリセリドまでの範囲を含む、広範囲の脂肪酸及びトリグリセリドの混合物が使用されることが可能である。
【0022】
本発明のプロセスにおいて、脂肪酸トリグリセリド及び脂肪酸の混合物の単相溶液が得られる。トリグリセリド及び脂肪酸は、15:1〜35:1の範囲内のアルコール:トリグリセリド及び脂肪酸混合物の比で、アルコールすなわちメタノール又はエタノール又はそれらの混合物と混合される。補助溶媒が添加されて、単相溶液が得られる。反応溶液は、約1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満の水を含まなければならない。
【0023】
脂肪酸及びトリグリセリドの混合物は、好ましくは、反応の第2段階すなわちメチルエステルへのトリグリセリドの塩基触媒転化に必要な比で、アルコールと混合される。補助溶剤は、好ましくは、同一の理由により同時に添加される。15:1〜35:1のメタノール対脂肪酸トリグリセリドのモル比で、小量の補助溶剤と一緒にメタノールを添加すると、反応における塩基触媒ステップでのトリグリセリドからメチルエステルへの転化量及び転化速度が大幅に増加する。好ましいモル比は、20:1〜30:1の範囲内にあり、最も好ましくは25:1〜30:1の範囲内にある。塩基触媒ステップでの転化量及び転化速度の増加が、本明細書で例として説明されている。このようなモル比及び補助溶剤は、反応の酸触媒ステップにも益すると信じられている。
【0024】
メチルエステルに使用される成分は、トリグリセリド及び脂肪酸の混合物である。このような混合物は、広範囲のソース、例えばレストラン、肉処理操作及び圧搾脂肪種子由来の油などから得られる。本発明は、特に、脂肪酸を含むトリグリセリドのソースの使用に関するが、このようなソースからの混合物は、他のトリグリセリド及び/又は脂肪酸により補足されることも可能である。
【0025】
トリグリセリドの補助的ソースの例は、牛脂、ココナツ油、コーンオイル、綿実油,ラード、オリーブ油、パームオイル,パームナッツ油、ピーナッツオイル、大豆油、アマニ油、ヒマワリ油、サフラワー油、カノラ油、菜種油、ごま油、ババス油、荏の油、オイチシカ油、魚油、メンヘーデン油、ヒマシ油、ナンキンハゼ油、ナンヨウアブラギリ油、クフェア種子油、肉微小藻類油、細菌類油及び菌類油を含む。広範囲の植物油が本発明のプロセスで使用されることが可能であるが、本発明は、特に、少なくとも16の炭素原子を有する植物油すなわちC 16以上の脂肪酸部分を有するトリグリセリドに適用可能である。
【0026】
酸触媒が、反応の第1段階すなわち脂肪酸からメチルエステルを得る段階で必要とされる。好ましい触媒は、溶液中で可溶性であり、最も好ましい触媒は硫酸である。酸触媒の他の例は、塩酸及びトリフルオロ酢酸を含む。
【0027】
脂肪酸からメチルエステルを得るのは、大気圧で、メタノールの沸点に近い60〜65℃の温度で行われる。
【0028】
補助溶剤が、少なくとも、アルコール、脂肪酸、脂肪酸トリグリセリド及び補助溶剤の単相溶液を得るのに充分な量で添加される。補助溶剤は、好ましくは、アルコールと、脂肪酸トリグリセリドのソースとの双方と完全に混和性である。補助溶剤は、好ましくは、反応が終了した後に溶液を取除くのを促進するために約120℃未満の沸点を有する。より好ましくは、補助溶剤は、アルコールの沸点に類似の沸点を有する。好ましい補助溶剤は、水及びアルコールと水素結合を形成することが可能である親水性の酸素原子と、多数の有機化合物を可溶化することが可能である疎水性の炭化水素部分とを有する環状エーテルである。補助溶剤の例は、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、メチル及びジイソプロピルエーテルなどの環状エーテルである。
【0029】
補助溶剤は、好ましくは、無水物である。油あるいは脂肪を可溶化するのに必要な量より大きい量の補助溶剤が、添加されることが可能であり、その結果は良好である。
【0030】
最も好ましい補助溶剤は、特にメタノリシスのためにはTHFである、何故ならば未反応メタノール及びTHFが、一緒に蒸留され、反応の終了時に再利用されることが可能であるからである。必要な補助溶剤量は、脂肪酸トリグリセリドの特定のソースと、使用アルコールと、補助溶剤とに依存する。
【0031】
しばらくの後、例えば約30〜60分経過後、溶液は、塩基を添加することにより中和される。本発明の1つの好ましい実施例では、脂肪酸からメチルエステルへの転化で使用される酸は、無水炭酸ナトリウムあるいは、(酸が硫酸である場合には)硫酸ナトリウムを生成する化合物により中和される。水が、反応の第1段階での副産物として生成され、硫酸ナトリウムは、水の存在下で水和物を形成する。このようにして、水は、反応混合物から取除かれる。遊離水の量は約1重量%未満に減じられなければならず、必要な場合にはそして好ましくは0.5重量%未満に減じられなければならない。
【0032】
塩基触媒は、代表的には、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムであるが、適当なメトキシドが使用されることも可能である。水酸化物が、安全性への配慮に起因して好ましい。他の可溶性及び不溶性塩基触媒も使用されることが可能である。
【0033】
塩基触媒は、ほぼ湿分無しでなければならず、好ましくは、ほぼ無水の条件下で貯蔵されなければならない。空気との塩基触媒の長い接触も、回避されなければならない、何故ならば水及び二酸化炭素は、触媒の効率を減じる傾向を有するからである。
【0034】
反応のすべてのステップは、溶剤の沸点と補助溶剤の沸点とのうちのより低い沸点より低い温度で行われる。THF(沸点67℃)の存在下でのメタノリシスにおいて、温度は、65℃すなわちメタノールの沸点以下でなければならない。しかし、THF(沸点67℃)の存在下でのエタノール(沸点78℃)を使用してのエタノリシスにおいて、温度は、約67℃以下でなければならない。ある範囲の温度が使用されることも可能である。例えば、雰囲気温度(15℃)以下の温度を含む、65℃より低い温度が使用されることも可能である。しかし、より高い温度は、反応速度を高め、好ましい温度は少なくとも50℃であり、特に少なくとも60℃であり、好ましくは60〜65℃である。好ましくは、酸触媒は、アルコール及び補助溶剤に依存して、より高い温度例えば50〜65又は78℃で行われる。酸触媒ステップと塩基触媒ステップとの間の反応を冷却する必要はない。反応は、反応混合物をあまり撹拌せずに行われることが可能である。
【0035】
双方の触媒は、好ましくは、反応で使用されるアルコール中で又はアルコール/補助溶剤混合物中で、溶液の形の反応混合物に添加される。熱及び撹拌は、塩基触媒を溶解するのに必要であることもある。触媒のアルコール溶液は、好ましくは、迅速に反応混合物に添加される。
【0036】
本明細書で例示されているように、エステルへのトリグリセリドの塩基触媒転化は、迅速であり、大きい転化量が、反応物及び反応条件に依存して数分内に得られることが可能である。
【0037】
反応終了後、反応混合中に残るアルコール例えばメタノールと、補助溶剤例えばテトラヒドロフラン(THF)とは、蒸留あるいはフラッシュ蒸発により分離される。このような蒸留あるいはフラッシュ蒸発は、大気圧又は減圧で行われることが可能である。アルコール及び補助溶剤が取除かれると、グリセロール相が形成される。アルコール及び補助溶剤は、いかなる大幅な量の逆エステル交換の発生もなしに、グリセロール層の分離前に一緒に蒸留されることが可能であることが分かった。
【0038】
グリセロール相の分離は、例えば、重力下で又はより好ましくは遠心力により行われることが可能である。
【0039】
反応混合物の残留層は、主に、脂肪酸エステルから成る。得られた脂肪酸は、代表的には、補助溶剤又はアルコールのいずれの沸点より大幅に高い沸点を有する。
【0040】
反応後に残る水酸化物イオンは、補助溶剤及び過剰アルコールを蒸留する前に酸を添加することにより中和される。
【0041】
本明細書で例示されているように、高回収率すなわち99%より大きい回収率が、本発明のプロセスを使用して得られる。得られた生成物が、微量の残留モノグリセリド又はジグリセリドを含む場合、このような残留物量は、取除かれることが可能である。取除く1つの方法は、吸着剤の使用である。吸着剤の例は、アルミナ、シリカゲル及び他のシリコンベース吸着剤例えFluorosil(登録商標)吸着剤を含む。本発明の1つの実施例では、得られた生成物は、吸着剤カラムを通過させられる。
【0042】
工業プロセスでは、好ましくは、再利用のために反応終了時点で補助溶剤及び過剰アルコールを一緒に蒸留する。次いで、触媒が補助溶剤/アルコール中に溶解され、トリグリセリドのソースを含む反応容器に添加される。付加的なアルコール及び/又は補助溶剤が、必要に応じて添加されることもある。反応物が反応容器内で混合された後、撹拌は停止されることも可能である。
【0043】
好ましくは、精製エステルは、全量0.25重量%以下の(モノグリセリド及びジグリセリドを含む)グリセロール部分と0.03重量%以下の遊離グリセロールとしか含まない。グリセロールは反応の貴重な副産物であり、多数の用途例えば樹脂、薬品、石けん及び食品における用途を有する。
【0044】
本発明のプロセスは、バッチプロセス、連続プロセスあるいはバッチプロセス及び連続プロセスの組合せとして操作されることが可能である。後者が好ましく、この場合、酸触媒ステップはプロセスのバッチ部分である、何故ならばプロセスの酸触媒ステップは、プロセスの塩基触媒ステップに比してより遅い反応であるからである。好ましくは、プロセスを連続プロセスとして操作する。プロセスは、前述のように、雰囲気温度及び高い温度を含む1つの範囲の温度にわたり操作されるであろう。プロセスの少なくとも部分、すなわち特に塩基触媒ステップは、世界中の多数の地域で雰囲気温度で戸外で、あるいは、寒冷な気候の地域で通常の屋内音温度で操作されることが可能である。酸触媒ステップのために好ましい温度でのプロセス全体の操作は、反応速度を高める。
【0045】
本発明のプロセスは、脂肪酸及び脂肪酸トリグリセリドの脂肪酸エステルへの迅速な転化を提供し、これは、様々な用途を有する。特に好ましい用途は、生物燃料又は生物ディーゼルである。
【0046】
現在評価されている生物ディーゼルのためのASTM規格は、最大値0.40重量%のグリセロール全量との要件を含む。この計算のためにモノグリセリド(MG)、ジグリセリド(DG)あるいはトリグリセリド(TG)の形をとるグリセロールが、対応する量のグリセロールに転化されなければならない。転化係数は、植物油の特定部分と共に変化する。大豆油では、グリセロール量への転化係数は、モノグリセリドでは約0.25、ジグリセリドでは0.14及びトリグリセリドでは0.10である。ドイツ生物ディーゼル規格DIN V 51606は、0.23重量%のグリセロール上限を課している。
【実施例】
【0047】
本発明は、以下に示される実施例によってさらに詳細に説明されるが、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0048】
実施例1
この例は、脂肪酸トリグリセリドのメチルエステルへの転化、すなわちプロセスの塩基触媒ステップを説明する。大豆油のエステル交換が、カナダ特許出願第2131654号に記載の従来技術に記載のメタノール対油が6:1のモル比を使用し、そしてより高いモル比を使用して、例示されている。
【0049】
大豆油は食品用製品であり、President’s Choice(登録商標),Sunfresh Ltd.,Toronto,Ontario,Canadaとして入手可能である。溶剤は、メタノール(無水性、99%強)、テトラヒドロフラン(無水性、99%強)、メチル第三級ブチルエーテル(無水性、99%強)、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロ酢酸(BSTFA、99%強)、ピリジン(無水性、99%強)である。分析用水酸化ナトリウム(98%)、濃塩酸、及び無水硫酸ナトリウムが、BDH Inc.(Toronto,Ontario,Canada)から入手可能である。
【0050】
エステル交換されたメチル化生成物のガスクロマトグラフィー(GC)分析が、オンカラムインゼクタと、水素炎イオン化検出器(FID)と、100%ポリメチルシロキサンの0.25μmフィルムによりコーティングされたBB−1石英ガラス毛細管カラム(2m×0.25mm直径)とを備えるHewlett−Packard(Palo Alto,CA)5880Aシリーズのガスクロマトグラフが行われた。
【0051】
大豆油をエステル交換するために、大豆油(100g)及び無水性THF(45mL)が、磁気撹拌器を備える500mLの平底フラスコ内に置かれ、混合物が撹拌された。メタノール[28mL(メタノール対油の比が6:1)]中の水酸化ナトリウム[1.0g(大豆油に対して1.0重量%)]溶液が、次いで、添加され、撹拌が、さらに20秒にわたり継続された。反応混合物の標本が、3、5、10、20、30、50及び120分で採取され、直ちに、水(20mL)を含む125mLのErlenmeyerフラスコ内に入れられて急冷された。エステルは、反応混合物の上部有機層中に残り、このようにして、水相中の水酸化物の滴定が可能となった。
【0052】
無水硫酸ナトリウムが、バイアルのそれぞれに添加されて、微量の湿気が吸着された。標本は、次いで、GC分析のために誘導体化された。有機物質の誘導体化は、GCにより最終生成物中に存在するモノグリセリド及びジグリセリドの量を決定するのに必要である。モノグリセリド及びジグリセリドは、GC分析のために十分に揮発性であり、BSTFA試薬の添加により、モノグリセリ及びジグリセリドは、より揮発性になり、モノグリセリド及びジグリセリドはGCにより検出されることが可能となる。
【0053】
誘導体化のために、無水ピリジン(0.4mL)及びBSTFA試薬(0.2mL)が、エステル交換生成物(100mg)を含む各20mLのバイアルに添加された。バイアルは、次いで、蓋をされ、振られ、20分にわたり65℃で水槽に入れられ、時々撹拌された。加熱後、標本は、水槽から取出され、室温まで冷却され、THF(4.4mL)を使用して希釈された。標本は、次いで、ガスクロマトグラフ内に注入され、時間に対してのメチルエステルの転化のプロフィルが得られる。
【0054】
単相メタノリシス反応における水酸化物濃度の変化が、室温(23℃)で直接に測定された。さらに、加えて、多数のエステル交換反応が、大豆油と、メタノールと、4つの異なる濃度の水酸化ナトリウム触媒(1.1、1.3、1.4、及び2.0重量%)。メタノール対大豆油のモル比(6:1)を含むすべての他の実験条件は、大豆油に関する前述のものと同一である。
【0055】
得られた結果が、図1〜2に示されている。23℃における大豆油の単相メタノリシス(6:1のメタノール対油のモル比と、油ベースの1.0重量%水酸化ナトリウム)における代表的な水酸化物減損率が、図1に示される。大豆油におけるメチルエステル生成物が、図2に示されている。1.3重量%の水酸化ナトリウムが使用された大豆油における結果も、図2に示される。
【0056】
前述のプロシージャーを使用して、結果の比較が、8:1のメタノール対大豆の比を取上げ、6:1の比との比較により行われた。8:1のモル比での反応では、1時間後に97.5重量%のエステル含量が得られ、比較として6:1のモル比では93.7重量%であった。しかし、4時間後にはエステル含量は、ほぼ同一であった。
【0057】
塩基触媒ステップをさらに説明するために、多数の実験も、前述の従来の6:1の比より高いメタノール対油のモル比(25:1、27:1、28:1、35:1、及び40:1)を使用して行われた。1.0重量%の水酸化ナトリウムが、触媒として使用された。
【0058】
異なるメタノール対油のモル比での単相での混合物を得るのに必要なTHFの量が、くもり点法により決定された。比が表1に示されている。
【0059】
【表1】



【0060】
前述の反応プロシージャーが、メタノール対トリグリセリドの比と補助溶剤の量以外、繰返された。
【0061】
得られた結果が、表2に示されている。表2は、従来の6:1の比より大きいメタノール対油のモル比に関連する大豆油のエステル交換反応からの結果を示す。これらの結果は、さらに、図2に示されている。
【0062】
【表2】



【0063】
表2の結果は、15:1〜35:1の範囲内に、特に25:1〜30:1の範囲内にメタノール対油の比を増加すると、メチルエステルの量が大幅に増加することを示す。特に、27:1及び28:1における結果は、わずか7分間の期間において、それぞれ99.4及び99.2%の転化率を示した。これは、前述の従来技術のプロシージャーを使用して得られるものより大幅により短い反応時間内により高い転化率である。
【0064】
実施例2
この例は、カフェテリアから得られた廃棄物における本発明のプロセスを示す。廃棄物は、14重量%の脂肪酸を含んでいた。
【0065】
プロセスの第1ステップで、カフェテリア廃棄物標本(100g)が、凝縮器と温度計と塩化カルシウム保護管とを備える2ネック付丸底フラスコ内で、118.7mLの無水メタノールと、80mLの無水テトラヒドロフランと、2重量%の硫酸(2.0g)と混合された。混合物は、46分にわたり60℃で加熱された。
【0066】
プロセスの第2ステップで、水酸化ナトリウム溶液(6.9mLの無水メタノール中の2.72gの水酸化ナトリウム)が、フラスコに添加され、混合物は、10分にわたり同一の温度で放置された。前記量の水酸化ナトリウムが、無機酸と、第1ステップからの未反応脂肪酸とを中和し、エステル交換反応を触媒するのに必要であった
【0067】
溶剤が、70℃で減圧下で水槽を使用して、回転形蒸発器内で取除かれた。フラスコの底に分離され堆積したグリセロール層と、上層(メチルエステル)とが、400mLの1N塩酸を含む1Lの分液漏斗内にデカントされた。混合物は強く振られ、15分にわたり放置された。水性部分は廃棄され、有機層は、蒸留水により4回にわたり洗浄された(4×250mL)。水性層が再度廃棄され、有機層が水槽(約100゜C)を使用して減圧下で回転形蒸発器内で乾燥された。
【0068】
生成物の純度が、BSTFA(ビス(トリメチルシリル)トリフルオロ酢酸)試薬により誘導体化した後にガスクロマトグラフィにより確認された。生成物は、99.24%のメチルエステルと、0.52%のモノグリセリドとを含んでいた。ジグリセリド及びトリグリセリドは検出されなかった。
【0069】
実施例3
この例は、大豆油とパルミチン酸との50:50(w/w)混合物における本発明の処理を説明する。
【0070】
プロセスの第1段階で、大豆油及びパルミチン酸(100g、50:50w/w)を含む標本が、凝縮器と、温度計と、塩化カルシウム保護管とを備える500mLの2ネック付丸底フラスコ内で、135mLの無水メタノールと、69.5mLの無水テトラヒドロフラン(TFH)と、2重量%硫酸(2.0g)と混合された。混合物は、45分にわたり60℃で加熱された。
【0071】
プロセスの第2ステップで、水酸化ナトリウム溶液(7.0mLの無水メタノール中の2.74gの水酸化ナトリウム)が、次いで、フラスコに添加され、混合物は、10分にわたり同一の温度で放置された。水酸化ナトリウムの前記量は、無機酸及び任意の無反応の脂肪酸を中和し、エステル交換反応を触媒するのに必要である。
【0072】
溶剤が、水槽を使用し、70℃及び減圧下で回転形蒸発器内で取除かれる。グリセロール層は、32〜34℃の融点を有する、パルミチン酸のメチルエステル層の存在に起因して分離されなかった。混合物全体が、溶融され、400mLの1N塩酸を含む1Lの分液漏斗内に移された。混合物は強く振られ、2時間にわたり放置された。水性部分が廃棄され、有機層が、高温蒸留水により4回にわたり洗浄された(4×250mL)。水性層が、再度廃棄され、有機層が、水槽(〜100゜C)を使用して減圧下で回転形蒸発器内で乾燥された。
【0073】
生成物の純度が、BSTFA(ビス(トリメチルシリル)トリフルオロ酢酸)試薬により誘導体化した後にガスクロマトグラフィにより確認された。生成物は、99.62%のメチルエステルと、0.38%のモノグリセリドとを含んでいた。ジグリセリド及びトリグリセリドは検出されなかった。
【0074】
実施例4
この例は、大豆油とパルミチン酸との44:56(w/w)混合物における本発明の処理を説明する。
【0075】
プロセスの第1段階で、大豆油及びパルミチン酸(100g、44:56w/w)を含む標本が、凝縮器と、温度計と、塩化カルシウム保護管とを備える500mLの2ネック付丸底フラスコ内で、136.4mLの無水メタノールと、60mLの無水テトラヒドロフラン(TFH)と、2重量%硫酸(2.0g)と混合された。混合物は、45分にわたり60℃で加熱された。
【0076】
プロセスの第2ステップで、水酸化ナトリウム溶液(7.0mLの無水メタノール中の2.76gの水酸化ナトリウム)の計算された量が、フラスコに添加され、混合物は、10分にわたり同一の温度で放置された。水酸化ナトリウムの前記量は、無機酸及び任意の無反応の脂肪酸を中和し、エステル交換反応を触媒するのに必要である。
【0077】
溶剤が、水槽を使用し、70℃及び減圧下で回転形蒸発器内で取除かれる。グリセロール層は、32〜34℃の融点を有する、パルミチン酸のメチルエステル層の存在に起因して分離されなかった。混合物全体が、溶融され、400mLの1N塩酸を含む1Lの分液漏斗内に移された。混合物は強く振られ、(相分離をより良好にするために)2時間にわたり放置された。水性部分が廃棄され、有機層が、高温蒸留水により4回にわたり洗浄された(4×250mL)。水性層が、再度廃棄され、有機層が、水槽(〜100゜C)を使用して減圧下で回転形蒸発器内で乾燥された。
【0078】
生成物の純度が、BSTFA(ビス(トリメチルシリル)トリフルオロ酢酸)試薬により誘導体化した後にガスクロマトグラフィにより確認された。生成物は、99.64%のメチルエステルと、0.3%のモノグリセリドとを含んでいた。ジグリセリド及びトリグリセリドは検出されなかった。
【0079】
実施例5
この例は、97%の脂肪酸を含む防油弁廃棄物での本発明のプロセスに関する。
【0080】
プロセスの第1ステップで、溶融により水から相分離された処理済防油弁廃棄物標本(100g)が、凝縮器と、温度計と、塩化カルシウム保護管とを備える500mLの2ネック付丸底フラスコ内で、134.5mLの無水メタノールと、40mLの無水テトラヒドロフラン(THF)と、2重量%の硫酸(2.0g)と混合された。混合物は、45分にわたり60℃で加熱された。
【0081】
プロセスの第2ステップで、水酸化ナトリウム溶液(7.3mLの無水メタノール中の2.86gの水酸化ナトリウム)が、フラスコに添加され、混合物は、10分にわたり同一温度で放置された。水酸化ナトリウムの前記量は、無機酸及び任意の未反応脂肪酸を中和し、エステル交換反応を触媒するのに必要であった。
【0082】
溶剤が、水槽を使用して70℃で減圧下で回転形蒸発器内で取除かれた。フラスコの底で分離されて堆積したグリセロール層と、上層(メチルエステル)とが、400mLの1N塩酸を含む1Lの分液漏斗内にデカントされた。混合物は強く振られ、6時間にわたり放置された。水性部分は廃棄され、有機層は、4回にわたり高温蒸留水により洗浄された(4×250mL)。水性層が再度廃棄され、有機層が、水槽(約100℃)を使用して減圧下で回転形蒸発器内で乾燥された。
【0083】
生成物の純度が、BSTFA(ビス(トリメチルシリル)トリフルオロ酢酸)試薬により誘導体化した後にガスクロマトグラフィにより確認された。生成物は、99.21%のメチルエステルと、0.32%のモノグリセリドと、0.47%のジグリセリドとを含んでいた。
【0084】
実施例6
この例は、アルコールがエタノールであり、塩基触媒が水酸化カリウムである場合の本発明のプロセスを説明する。
【0085】
大豆油及びパルミチン酸(100g、50:50w/w)を含む標本が、凝縮器と、温度計と、塩化カルシウム保護管とを備える500mLの2ネック付丸底フラスコ内で、176mLの無水エタノールと、17.5mLの無水テトラヒドロフラン(THF)と、2重量%の硫酸(2.0g)と混合された。混合物は、45分にわたり75℃で加熱された。
【0086】
水酸化カリウム溶液(27.5mLの無水エタノール中の4.59gのKOH)が、次いで、フラスコに添加され、混合物は、10分にわたり同一温度で放置された。KOHの前記量は、無機酸及び未反応パルミチン酸を中和し、トリグリセリドをエステル交換するのに充分であった。
【0087】
溶剤が、次いで、80゜Cの水槽を使用して、回転形蒸発器内で減圧下で取除かれた。グリセロール層は、分離されなかった、何故ならばパルミチン酸のエチルエステルは、26〜28℃の融点を有するからである。混合物全体が溶融され、400mLの1NのHClを含む1Lの分液漏斗内に移された。混合物は強く振られ、相分離のために2時間にわたり放置された。水性部分が廃棄され、有機層が、水槽(約100゜C)を使用して減圧下で回転形蒸発器内で乾燥された。
【0088】
生成物の純度が、BSTFA(ビス(トリメチルシリル)トリフルオロ酢酸)試薬による誘導体化を介してガスクロマトグラフィにより確認された。生成物は、98.1%のメチルエステルと、1.4%のモノグリセリドと、0.5%のジグリセリドとを含んでいた。トリグリセリドは検出されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪酸及びトリグリセリドの混合物をエステル化する単相プロセスであって、
(a)前記脂肪酸及びトリグリセリド混合物と、アルコールと、酸触媒と、補助溶剤との溶液を、前記溶液の沸点より低い温度で形成し、前記アルコールは、メタノール及びエタノール、あるいはそれらの混合物から成る群から選択され、前記アルコールに対する前記トリグリセリド及び脂肪酸混合物の比は、15:1〜35:1の範囲内にあり、前記補助溶剤は、前記単相を得るのに充分な量を有する工程と、
(b)脂肪酸を酸触媒エステル化するのに充分な期間にわたり前記溶液を維持する工程と、
(c)前記トリグリセリドをエステル交換するために、前記酸触媒を中和し、塩基触媒を添加する工程と、
(d)さらに時間を経過した後、前記溶液からエステルを分離する工程とを含むことを特徴とするプロセス。
【請求項2】
前記溶液が1重量%未満の水を含む請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記溶液が0.5重量%未満の水を含む請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記アルコールがメタノールである請求項2に記載のプロセス。
【請求項5】
前記アルコールがエタノールである請求項2に記載のプロセス。
【請求項6】
前記アルコールがエタノール及びメタノールの混合物である請求項2に記載のプロセス。
【請求項7】
前記酸触媒が無水硫酸である請求項2に記載のプロセス。
【請求項8】
前記塩基触媒が、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される請求項2に記載のプロセス。
【請求項9】
(a)に記載の前記溶液が、硫酸塩を形成するアルカリ性金属化合物により中和される請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
前記アルカリ性金属化合物が炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムである請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
アルコール対脂肪酸及びグリセリン混合物のモル比が、20:1〜30:1の範囲内にある請求項4に記載のプロセス。
【請求項12】
アルコール対脂肪酸及びトリグリセリド混合物のモル比が、25:1〜30:1の範囲内にある請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記トリグリセリドが、C16以上の脂肪酸部分を有する請求項11に記載のプロセス。
【請求項14】
前記トリグリセリドが、牛脂、ココナツ油、コーンオイル、綿実油,ラード、オリーブ油、パームオイル,パームナッツ油、ピーナッツオイル、大豆油、アマニ油、ヒマワリ油、サフラワー油、カノラ油、菜種油、ごま油、ババス油、荏の油、オイチシカ油、魚油、メンヘーデン油、ヒマシ油、ナンキンハゼ油、ナンヨウアブラギリ油、クフェア種子油、肉微小藻類油、細菌類油及び菌類油から成る群から選択される請求項11に記載のプロセス。
【請求項15】
前記補助溶剤が環状エーテルである請求項11に記載のプロセス。
【請求項16】
前記補助溶剤が、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、メチル及びジイソプロピルエーテルから成る群から選択される請求項11に記載のプロセス。
【請求項17】
前記温度が、15℃〜65℃の範囲内にある請求項11に記載のプロセス。
【請求項18】
前記温度が少なくとも50℃である請求項11に記載のプロセス。
【請求項19】
前記温度が少なくとも60℃である請求項11に記載のプロセス。
【請求項20】
エステルが、少なくとも99%の回収率で回収される請求項11に記載のプロセス。
【請求項21】
連続的プロセスの形をとる請求項1に記載のプロセス。
【請求項22】
0.40重量%未満のグリセロール分を有するエステルを含んで成り、前記エステルは、請求項1に記載のプロセスにより得られたものである生物燃料。
【請求項23】
前記グリセロール分が0.23重量%未満である請求項22に記載の生物燃料。








【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−18810(P2010−18810A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−217549(P2009−217549)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【分割の表示】特願2001−516882(P2001−516882)の分割
【原出願日】平成12年8月15日(2000.8.15)
【出願人】(508041943)ヘックバート・27・グループ・ファイナンシング・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (1)
【Fターム(参考)】