説明

トリフェニルアミン系化合物の精製方法およびトリフェニルアミン系化合物

【課題】簡易な操作により残存溶媒率が著しく低く油状物を形成することのないトリフェニルアミン系化合物の精製法およびトリフェニルアミン系化合物の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物を、その良溶媒に溶解した後、得られた溶液を、その貧溶媒中に滴下して、トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させる。その後、その結晶を濾別し、得られた結晶を、温度40℃、気圧266.6Paの雰囲気下で8時間、減圧乾燥することにより、微粒子状の結晶を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリフェニルアミン系化合物の精製方法と、その精製方法により精製されたトリフェニルアミン系化合物とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種産業用途に用いられる化合物は、いくつかの反応工程を経て合成されており、その反応工程で副生成物や分解物などの不純物が発生することから、合成後に上記不純物を除去するため、精製処理が施されている。
精製処理の方法としては、特許文献1には、精製しようとする化合物の粗製品に溶媒(晶析溶媒)を添加し、攪拌しながら加温して溶解させ、その後溶液を冷却して、上記化合物の結晶が析出する途中で他の溶媒(添加溶媒)を添加する方法が記載されている。
【特許文献1】特開平10−85502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載の精製方法を用いて、トリフェニルアミン系化合物を精製すると、トリフェニルアミン系化合物の良溶媒が高沸点または低揮発性の溶媒であるために、精製処理後には、粘度の高い、いわゆる油状物が生成されることとなり、その結果、精製処理後の溶媒の留去が困難となって、化合物中に残留する溶媒量が多くなるという不具合が生じる。
【0004】
本発明の目的は、操作が簡易であり、かつ、精製処理を得た後においても油状物を形成することのないトリフェニルアミン系化合物の精製方法と、残留溶媒率が著しく低減されたトリフェニルアミン系化合物とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のトリフェニルアミン系化合物の精製方法は、下記一般式(1)または(2)で表されるトリフェニルアミン系化合物を、前記トリフェニルアミン系化合物の良溶媒に溶解した後、得られた溶液を、前記トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒中に滴下して、前記トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させることを特徴としている。
【0006】
【化1】

【0007】
(一般式(1)中、R1〜R14は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基を示す。R2〜R6のうち隣接する2つの基およびR9〜R13のうち隣接する2つの基は、それぞれ、互いに結合して、R2〜R6またはR9〜R13を有するベンゼン環とともに、縮合環を形成していてもよい。前記アルキル基および前記ハロゲン化アルキル基は、さらに、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよく、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アラルキル基および前記アミノ基は、さらに、ハロゲンを有していてもよい。a〜dは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。a〜dが2以上の整数であるとき、同じベンゼン環に置換する2以上の基は、互いに異なる基であってもよい。R15〜R18は、それぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基を示す。mおよびnは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。)
【0008】
【化2】

【0009】
(一般式(2)中、R21〜R26は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基を示す。前記アルキル基および前記ハロゲン化アルキル基は、さらに、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよく、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アラルキル基および前記アミノ基は、さらに、ハロゲンを有していてもよい。R27〜R38は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基、または、下記一般式(3)で表される基を示す。xおよびyは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。)
【0010】
【化3】

【0011】
(一般式(3)中、R41およびR42は、それぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基を示す。zは、0〜4の整数である。)
本発明のトリフェニルアミン系化合物は、下記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物を、前記トリフェニルアミン系化合物の良溶媒に溶解させた後、得られた溶液を、前記トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒中に滴下して、前記トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させることにより得られる、温度40℃、気圧266.6Paの雰囲気下で8時間乾燥した後の残留溶媒率が1.0重量%以下であることを特徴としている。
【0012】
【化4】

【0013】
(一般式(1)中、R1〜R14は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基を示す。R2〜R6のうち隣接する2つの基およびR9〜R13のうち隣接する2つの基は、それぞれ、互いに結合して、R2〜R6またはR9〜R13を有するベンゼン環とともに、縮合環を形成していてもよい。前記アルキル基および前記ハロゲン化アルキル基は、さらに、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよく、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アラルキル基および前記アミノ基は、さらに、ハロゲンを有していてもよい。a〜dは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。a〜dが2以上の整数であるとき、同じベンゼン環に置換する2以上の基は、互いに異なる基であってもよい。R15〜R18は、それぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基を示す。mおよびnは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。)
また、本発明の他のトリフェニルアミン系化合物は、下記一般式(2)で表されるトリフェニルアミン系化合物を、前記トリフェニルアミン系化合物の良溶媒に溶解させた後、得られた溶液を、前記トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒中に滴下して、前記トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させることにより得られる、温度40℃、気圧266.6Paの雰囲気下で8時間乾燥した後の残留溶媒率が1.0重量%以下であることを特徴としている。
【0014】
【化5】

【0015】
(一般式(2)中、R21〜R26は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基を示す。前記アルキル基および前記ハロゲン化アルキル基は、さらに、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよく、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アラルキル基および前記アミノ基は、さらに、ハロゲンを有していてもよい。R27〜R38は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基、または、下記一般式(3)で表される基を示す。xおよびyは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。)
【0016】
【化6】

【0017】
(一般式(3)中、R41およびR42は、それぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基を示す。zは、0〜4の整数である。)
【発明の効果】
【0018】
本発明のトリフェニルアミン系化合物の精製方法によれば、操作が簡易であり、かつ、トリフェニルアミン系化合物を精製した後においても油状物を形成することがない。それゆえ、トリフェニルアミン系化合物の精製処理にかかるコストを低減させることができ、しかも、残留溶媒率が著しく低減されたトリフェニルアミン系化合物を得ることができる。
【0019】
また、本発明のトリフェニルアミン系化合物は、残留溶媒率が著しく低減されていることから、純度の高いトリフェニルアミン系化合物として、各種産業用途に用いることができる。例えば、本発明のトリフェニルアミン系化合物は、電子写真感光体における電荷輸送剤として、特に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係るトリフェニルアミン系化合物の精製方法の実施形態を詳細に説明する。
上記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物において、R1〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基である。
【0021】
ハロゲンとしては、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードなどが挙げられ、好ましくは、クロロが挙げられる。
炭素数1〜20アルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状であってもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、へプチル、オクチル、2−エチルへキシル、イソオクチル、n−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、デカデシルなどが挙げられる。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは、1〜6、より好ましくは、1〜4、最も好ましくは、1または2である。
【0022】
炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、例えば、上記した炭素数1〜20のアルキル基に上記したハロゲンが1または2以上導入されたものが挙げられる。上記ハロゲン化アルキル基の炭素数は、好ましくは、1〜6、さらに好ましくは、1〜4、最も好ましくは、1または2である。ハロゲン化アルキル基のハロゲンとしては、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、好ましくは、クロロが挙げられる。上記したハロゲン化アルキル基として、例えば、クロロメチル、1−クロロエチル、1,2−ジクロロエチルなどが挙げられる。
【0023】
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−デシルなどが挙げられる。上記アルコキシ基の炭素数は、好ましくは、1〜6、さらに好ましくは、1〜4、最も好ましくは、1または2である。
炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリル、メシチル、o、m、p−クメニル、2−エチル−6−メチルフェニルなどが挙げられる。上記アリール基の炭素数は、好ましくは、6〜12、さらに好ましくは、6〜10、最も好ましくは、6〜8であり、具体的には、フェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリルなどが挙げられる。
【0024】
炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリルなどが挙げられる。上記アラルキル基の炭素数は、好ましくは、7〜11、さらに好ましくは、7〜9であり、具体的には、ベンジルなどが挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基としては、アミノ基(−NH2)の他に、アミノ基の1個または2個の水素を、炭素数1〜4のアルキル基で置換した置換アミノ基が挙げられる。上記置換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどが挙げられる。
【0025】
上記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物において、好ましくは、上記したR2〜R6のうち少なくとも2つおよび上記したR9〜R13のうち少なくとも2つが、水素以外の置換基、すなわち、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基である。また、R2〜R6のうち少なくとも2つ、または、R9〜R13のうち少なくとも2つが有している水素以外の置換基としては、上記例示の置換基の中でも、特に、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
【0026】
2〜R6およびR9〜R13の具体例として、特に限定されないが、例えば、表1に示すものが挙げられる。
【0027】
【表1】

【0028】
表1中、Hは水素、Clはクロロ、Meはメチル、Etはエチル、OMeはメトキシ、NH2はアミノを示す。
上記した炭素数1〜20のアルキル基および炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基は、さらに、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよい。上記した炭素数1〜4のアルコキシ基としては、上記例示の炭素数1〜20のアルコキシ基のうち、炭素数が1〜4であるものが挙げられ、好ましくは、炭素数が1または2、より好ましくは、1である。
【0029】
上記した炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基は、さらに、上記例示のハロゲンを有していてもよい。
2〜R6のうち隣接する2つの基およびR9〜R13のうち隣接する2つの基は、それぞれ、互いに結合して、R2〜R6またはR9〜R13を有するベンゼン環とともに、縮合環を形成していてもよい。縮合環としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンなどが挙げられる。
【0030】
上記一般式(1)中、a〜dは、同じベンゼン環に置換するR1、R7、R8およびR14の個数であり、それぞれ独立した0〜4の整数を示し、好ましくは、0〜2、より好ましくは、0または1である。
また、上記したa〜dが2以上の整数であるとき、同じベンゼン環に置換する2以上の基は、互いに異なる基であってもよい。
【0031】
15〜R18は、それぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基を示す。炭素数6〜20のアリール基としては、上記例示の炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。なかでも、好ましくは、炭素数が6〜8のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリルなどが挙げられる。
上記一般式(1)中、mおよびnは、ビニル基の繰り返し数であり、それぞれ独立して0〜4の整数を示し、好ましくは、0〜2、より好ましくは、0または1、さらに好ましくは、0である。
【0032】
上記一般式(2)で表されるトリフェニルアミン系化合物において、R21〜R26は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基を示す。
【0033】
ハロゲンとしては、上記例示のハロゲンと同様のものが挙げられ、好ましくは、クロロが挙げられる。
炭素数1〜20アルキル基としては、上記例示のアルキル基と同様のものが挙げられる。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは、1〜6、より好ましくは、1〜4、最も好ましくは、1または2である。
【0034】
炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基および上記ハロゲン化アルキル基のハロゲンとしては、上記したものと同様のものが挙げられる。上記ハロゲン化アルキル基の炭素数は、好ましくは、1〜6、さらに好ましくは、1〜4、最も好ましくは、1または2である。上記ハロゲン化アルキル基としては、好ましくは、例えば、クロロメチル、1−クロロエチル、1,2−ジクロロエチルなどが挙げられる。
【0035】
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、上記例示のアルコキシ基と同様のものが挙げられる。上記アルコキシ基の炭素数は、好ましくは、1〜6、さらに好ましくは、1〜4、最も好ましくは、1または2である。
炭素数6〜20のアリール基としては、上記例示のアリール基と同様のものが挙げられる。上記アリール基の炭素数は、好ましくは、6〜12、さらに好ましくは、6〜10、最も好ましくは、6〜8であり、具体的には、フェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリルなどが挙げられる。
【0036】
炭素数7〜20のアラルキル基としては、上記例示のアラルキル基と同様のものが挙げられる。上記アラルキル基の炭素数は、好ましくは、7〜11、さらに好ましくは、7〜9であり、具体的には、ベンジルなどが挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基としては、上記例示のアミノ基および置換アミノ基と同様のものが挙げられる。
【0037】
上記した炭素数1〜20のアルキル基および炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基は、さらに、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよい。上記した炭素数1〜4のアルコキシ基としては、上記例示のアルコキシ基のうち、炭素数が1〜4であるものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1または2、より好ましくは、1である。
上記した炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基は、さらに、上記例示のハロゲンを有していてもよい。
【0038】
27〜R38は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基、または、上記一般式(3)で表される基を示す。
ハロゲンとしては、上記例示のハロゲンと同様のものが挙げられ、好ましくは、クロロが挙げられる。
【0039】
炭素数1〜20のアルキル基としては、上記例示のアルキル基と同様のものが挙げられる。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは、1〜6、より好ましくは、1〜4、最も好ましくは、1または2である。
炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基および上記ハロゲン化アルキル基のハロゲンとしては、上記したものと同様のものが挙げられる。上記ハロゲン化アルキル基の炭素数は、好ましくは、1〜6、さらに好ましくは、1〜4、最も好ましくは、1または2である。上記ハロゲン化アルキル基としては、好ましくは、例えば、クロロメチル、1−クロロエチル、1,2−ジクロロエチルなどが挙げられる。
【0040】
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、上記例示のアルコキシ基と同様のものが挙げられる。上記アルコキシ基の炭素数は、好ましくは、1〜6、さらに好ましくは、1〜4、最も好ましくは、1または2である。
炭素数6〜20のアリール基としては、上記例示のアリール基と同様のものが挙げられる。上記アリール基の炭素数は、好ましくは、6〜12、さらに好ましくは、6〜10、最も好ましくは、6〜8であり、具体的には、フェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリルなどが挙げられる。
【0041】
炭素数7〜20のアラルキル基としては、上記例示のアラルキル基と同様のものが挙げられる。上記アラルキル基の炭素数は、好ましくは、7〜11、さらに好ましくは、7〜9であり、具体的には、ベンジルなどが挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基としては、上記例示のアミノ基および置換アミノ基と同様のものが挙げられる。
【0042】
上記一般式(3)で表される基において、R41およびR42は、それぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基を示す。
炭素数6〜20のアリール基としては、上記例示のアリール基と同様のものが挙げられる。上記アリール基の炭素数は、好ましくは、6〜12、さらに好ましくは、6〜10、最も好ましくは、6〜8であり、具体的には、フェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリルなどが挙げられる。
【0043】
上記一般式(3)中、zは、ビニル基の繰り返し数であり、0〜4の整数を示し、好ましくは、0〜2、より好ましくは、0または1、さらに好ましくは、0である。
27〜R38の具体例を表2および表3に示す。
【0044】
【表2】

【0045】
【表3】

【0046】
表2および表3中、Hは水素、Clはクロロ、Meはメチル、Etはエチル、OMeはメトキシ、DPVはジフェニルビニル、NH2はアミノを示す。また、「2−」、「4−」および「6−」は、それぞれ、ベンゼン環上での置換位置を示す。なお、DPVは、上記一般式(3)で表される基において、R41およびR42がフェニルであり、かつ、zが0である場合を示している。また、ベンゼン環上での置換位置は、下記式に示すとおりである。
【0047】
【化7】

【0048】
本実施形態におけるトリフェニルアミン系化合物の精製方法では、上記一般式(1)または(2)で表されるトリフェニルアミン系化合物(以下、単に「トリフェニルアミン系化合物」という場合がある。)を、トリフェニルアミン系化合物の良溶媒に溶解した後、得られた溶液を、トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒中に滴下して、トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させる。
【0049】
トリフェニルアミン系化合物をその良溶媒に溶解させるには、トリフェニルアミン系化合物をその良溶媒中に添加して、撹拌し、必要により、加熱すればよい。
トリフェニルアミン系化合物の良溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(THF)などの酸素含有脂環式系溶媒、例えば、クロロホルムなどのハロゲン含有脂肪族系溶媒、例えば、アセトン、2−ブタノンなどのケトン系溶媒が挙げられる。また、これらトリフェニルアミン系化合物の良溶媒は、単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
【0050】
トリフェニルアミン系化合物の良溶媒の配合割合は、溶媒の種類によって適宜選択されるが、トリフェニルアミン系化合物100重量部に対して、例えば、10〜1000重量部、好ましくは、50〜500重量部、さらに好ましくは、100〜200重量部である。
トリフェニルアミン系化合物の結晶は、上記良溶媒によるトリフェニルアミン系化合物の溶液を、上記トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒中に滴下することにより、上記トリフェニルアミン系化合物の溶液から結晶を析出される。トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させる際には、トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒を撹拌しながら、トリフェニルアミン系化合物の溶液を、上記貧溶媒中に徐々に滴下して、その後、30〜300分間、撹拌するか、または、12〜24時間、静置することにより、トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させることができる。
【0051】
トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒としては、例えば、ヘキサンなどの脂肪族系溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒が挙げられる。また、これらトリフェニルアミン系化合物の貧溶媒は、単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒の配合割合は、トリフェニルアミン系化合物の溶液100重量部に対して、例えば、50〜5000重量部、好ましくは、200〜1000重量部、さらに好ましくは、400〜500重量部である。
【0052】
トリフェニルアミン系化合物は、上記良溶媒による溶液から、上記の操作を経て析出されることにより、精製される。
上記精製方法により精製されたトリフェニルアミン系化合物は、上記貧溶媒中にて析出された結晶を濾別して、次いで、減圧乾燥することにより、微粒子状の結晶として得られる。減圧乾燥する場合には、例えば、温度が20〜60℃、気圧1〜3000Paの雰囲気下で、8〜24時間乾燥する。
【0053】
上記実施形態におけるトリフェニルアミン系化合物の精製方法によれば、操作が簡易であり、かつ、トリフェニルアミン系化合物を精製した後においても油状物を形成することがない。それゆえ、トリフェニルアミン系化合物の精製処理にかかるコストを低減させることができ、しかも、残留溶媒率が著しく低減されたトリフェニルアミン系化合物を得ることができる。
【0054】
本発明に係るトリフェニルアミン系化合物の精製方法により精製されたトリフェニルアミン系化合物は、温度40℃、気圧266.6Pa(2mmHg)の雰囲気下で、8時間乾燥されることにより、その残留溶媒率が1.0重量%以下にまで低減される。
精製されたトリフェニルアミン系化合物に対する乾燥処理条件は、特に限定されないが、例えば、乾燥温度は20〜60℃であることが好ましく、40〜50℃であることがより好ましい。
【0055】
また、乾燥時間は、好ましくは、2〜48時間であり、より好ましくは、8〜24時間である。なお、48時間を超えて乾燥させても、通常、不可避的に残存する溶媒を除去できないことから、乾燥処理に要するコストの観点から、乾燥時間の上限は48時間とすることが好ましい。
上記の精製方法により精製されたトリフェニルアミン系化合物の場合、乾燥処理条件を適宜設定することにより、残留溶媒率を1.0重量%以下、好ましくは、0.5重量%以下、より好ましくは、0.2重量%以下にまで低減させることができる。
【0056】
なお、トリフェニルアミン系化合物を、その良溶媒に一旦溶解させた後、トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒を加えて析出させる精製方法の場合には、精製されたトリフェニルアミン系化合物を、例えば、温度40℃、気圧266.6Paの雰囲気下で、8時間乾燥させた場合であっても、残存溶媒率を約5重量%よりも低い値に設定することができず、また、この場合には、たとえ乾燥時間を48時間以上とした場合であっても、不可避的に残存溶媒率が1.0重量%を超える値となる。
【0057】
上記の実施形態に係るトリフェニルアミン系化合物の精製方法により得られたトリフェニルアミン系化合物は、残留溶媒率が著しく低減されていることから、純度の高いトリフェニルアミン系化合物として各種産業用途に用いることができる。例えば、本発明のトリフェニルアミン系化合物は、電子写真感光体における電荷輸送剤として、特に好適である。
【実施例】
【0058】
(実施例1)
下記式(4)で表されるトリフェニルアミン系化合物の粗結晶10gを、テトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解させて、トリフェニルアミン系化合物(4)のTHF溶液を得た。
【0059】
【化8】

【0060】
次いで、メタノール100mlを撹拌させながら、上記トリフェニルアミン系化合物のTHF溶液を、徐々に滴下して、さらに、30分間撹拌することにより、上記トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させた。
次に、析出したトリフェニルアミン系化合物の結晶を濾別し、得られた結晶を、温度40℃、気圧266.6Paの雰囲気下で8時間、減圧乾燥することにより、微粒子状の結晶を得た。
【0061】
こうして得られた微粒子状の結晶について、室温〜250℃の温度範囲(昇温速度10℃/分)での減量率を差動型示差熱天秤(「差動型示差熱天秤TG−DTA TG8101D」、(株)リガク製)で測定することにより、残留溶媒率(重量%)を算出した。
なお、残留溶媒率(重量%)は、サンプルとして微粒子状の結晶10mgを採取し、その測定前における初期サンプル重量(mg)と測定後におけるサンプル重量(mg)とから重量変化量(mg)を測定し、下記式に基づいて、算出した。
【0062】
残留溶媒率(重量%)=(重量変化量/初期サンプル重量)×100
また、減圧乾燥時間が異なるトリフェニルアミン系化合物(4)についても、上記と同様に残留溶媒率(重量%)を測定した。減圧乾燥の時間は、24時間、48時間、72時間、120時間および168時間とした。
その結果を、表4に示す。
【0063】
(比較例1)
上記式(4)で表されるトリフェニルアミン系化合物の粗結晶10gを、THF20mlに添加し、加熱して溶解させた後、冷却することにより、トリフェニルアミン系化合物のTHF溶液を得た。次いで、メタノール100mlを、上記トリフェニルアミン系化合物のTHF溶液中に、徐々に滴下した。その後、30分間撹拌することにより、上記トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させて、上記トリフェニルアミン系化合物を精製した。
【0064】
次に、析出したトリフェニルアミン系化合物の結晶を濾別し、得られた結晶を、温度40℃、気圧266.6Paの雰囲気下で8時間、減圧乾燥することにより、塊状の粗結晶を得た。
減圧乾燥により得られたトリフェニルアミン系化合物について、上記と同様の差動型示差熱天秤によって、その減量率を測定することにより、残留溶媒率(重量%)を算出した。その結果を、表4に示す。
【0065】
【表4】

【0066】
(実施例2)
実施例1において、上記式(4)で表されるトリフェニルアミン系化合物を、下記式(5)で表されるトリフェニルアミン系化合物に変更して、THFをトルエン20mlに変更した以外は、実施例1と同様に精製処理して、減圧乾燥することにより、微粒子状の結晶を得た。
【0067】
得られた微粒子状の結晶について、実施例1と同様の測定条件により、残留溶媒率(重量%)を算出した。
その結果を、表5に示す。
【0068】
【化9】

【0069】
(比較例2)
比較例1において、上記式(4)で表されるトリフェニルアミン系化合物を、下記式(5)で表されるトリフェニルアミン系化合物に変更して、THFをトルエン20mlに変更した以外は、比較例1と同様に精製処理して、減圧乾燥することにより、塊状の粗結晶を得た。
【0070】
得られた塊状の粗結晶について、比較例1と同様の測定条件により、残留溶媒率(重量%)を算出した。
その結果を、表5に示す。
【0071】
【表5】

【0072】
各実施例のトリフェニルアミン系化合物の残留溶媒率は、減圧乾燥時間8時間において、各比較例のトリフェニルアミン系化合物の残留溶媒率よりも低いことが分かる。また、各比較例において、比較例1のトリフェニルアミン系化合物は、120時間以上減圧乾燥しても残留溶媒率が変化せず、比較例2のトリフェニルアミン系化合物は、48時間以上減圧乾燥しても残留溶媒率が変化しないことが分かる。一方、各実施例のトリフェニルアミン系化合物は、減圧乾燥時間8時間においても、残留溶媒率が著しく低減されていることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)または(2)で表されるトリフェニルアミン系化合物を、前記トリフェニルアミン系化合物の良溶媒に溶解した後、得られた溶液を、前記トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒中に滴下して、前記トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させることを特徴とする、トリフェニルアミン系化合物の精製方法。
【化1】

(一般式(1)中、R1〜R14は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基を示す。R2〜R6のうち隣接する2つの基およびR9〜R13のうち隣接する2つの基は、それぞれ、互いに結合して、R2〜R6またはR9〜R13を有するベンゼン環とともに、縮合環を形成していてもよい。前記アルキル基および前記ハロゲン化アルキル基は、さらに、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよく、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アラルキル基および前記アミノ基は、さらに、ハロゲンを有していてもよい。a〜dは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。a〜dが2以上の整数であるとき、同じベンゼン環に置換する2以上の基は、互いに異なる基であってもよい。R15〜R18は、それぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基を示す。mおよびnは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。)
【化2】

(一般式(2)中、R21〜R26は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基を示す。前記アルキル基および前記ハロゲン化アルキル基は、さらに、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよく、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アラルキル基および前記アミノ基は、さらに、ハロゲンを有していてもよい。R27〜R38は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基、または、下記一般式(3)で表される基を示す。xおよびyは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。)
【化3】

(一般式(3)中、R41およびR42は、それぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基を示す。zは、0〜4の整数である。)
【請求項2】
下記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物を、前記トリフェニルアミン系化合物の良溶媒に溶解させた後、得られた溶液を、前記トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒中に滴下して、前記トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させることにより得られる、
温度40℃、気圧266.6Paの雰囲気下で8時間乾燥した後の残留溶媒率が1.0重量%以下であることを特徴とする、下記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物。
【化4】

(一般式(1)中、R1〜R14は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基を示す。R2〜R6のうち隣接する2つの基およびR9〜R13のうち隣接する2つの基は、それぞれ、互いに結合して、R2〜R6またはR9〜R13を有するベンゼン環とともに、縮合環を形成していてもよい。前記アルキル基および前記ハロゲン化アルキル基は、さらに、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよく、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アラルキル基および前記アミノ基は、さらに、ハロゲンを有していてもよい。a〜dは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。a〜dが2以上の整数であるとき、同じベンゼン環に置換する2以上の基は、互いに異なる基であってもよい。R15〜R18は、それぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基を示す。mおよびnは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。)
【請求項3】
下記一般式(2)で表されるトリフェニルアミン系化合物を、前記トリフェニルアミン系化合物の良溶媒に溶解させた後、得られた溶液を、前記トリフェニルアミン系化合物の貧溶媒中に滴下して、前記トリフェニルアミン系化合物の結晶を析出させることにより得られる、
温度40℃、気圧266.6Paの雰囲気下で8時間乾燥した後の残留溶媒率が1.0重量%以下であることを特徴とする、下記一般式(2)で表されるトリフェニルアミン系化合物。
【化5】

(一般式(2)中、R21〜R26は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基を示す。前記アルキル基および前記ハロゲン化アルキル基は、さらに、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよく、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アラルキル基および前記アミノ基は、さらに、ハロゲンを有していてもよい。R27〜R38は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいアミノ基、または、下記一般式(3)で表される基を示す。xおよびyは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。)
【化6】

(一般式(3)中、R41およびR42は、それぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基を示す。zは、0〜4の整数である。)

【公開番号】特開2006−335660(P2006−335660A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−159746(P2005−159746)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】