説明

トルクセンサ

【課題】 回転するシャフトのねじれからトルクを検出する非接触タイプのトルクセンサの検出精度を高めること。
【解決手段】 ねじりトルクが加わるシャフト1と、シャフト1がねじれるのに伴って相対回転位置が変化する第一、第二リング2,3と、第一、第二リング2,3のそれぞれを磁気が通るように導く磁束ループ構成部20と、第一、第二リング2,3が相対回転するのに伴って磁束ループ構成部20の磁場を変化させる磁場変化手段と、磁束ループ構成部20の磁束密度を検出するホール素子(磁束密度検出手段)5とを備えるトルクセンサにおいて、第一、第二リング2,3にそれぞれ対峙する環状の第一、第二ヨーク21,22と、磁束ループ構成部20の途中に介在する環状のリング磁石25とを備え、磁束ループ構成部20をこの第一、第二ヨーク21,22とリング磁石25によって環状に形成し、第一、第二リング2,3のそれぞれに対して磁気が環状に導かれる構成としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転するシャフトのねじれからトルクを検出する非接触タイプのトルクセンサの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のステアリング系に設けられるトルクセンサは、歪みゲージ式トルクセンサが一般的に用いられている。しかし、この歪みゲージ式トルクセンサにあっては、トルクセンサおよび配線がステアリングシャフトと一緒に回転するため、トルクセンサから延びる信号線をステアリングシャフトに巻き付けて配設しなければならず、この信号線が絡みやすいという問題点があった。
【0003】
この対策として、特許文献1に開示されたものは、回転するシャフトに対して接触しないで設けられる非接触タイプのトルクセンサがあり、これは上記配線の問題を解消できる。
【0004】
この非接触タイプのトルクセンサは、図5に示すように、ねじりトルクが加わるシャフト1と、シャフト1がねじれるのに伴って相対回転位置が変化する第一、第二リング2,3と、第一、第二リング2,3の各端面2c,3cのそれぞれに軸方向から対峙して固定される磁束ループ構成部10と、磁束ループ構成部10に設けられ互いに対向する磁極11a,12a間の磁束を検出するホール素子(磁束密度検出手段)5と、第一、第二リング2,3の相対回転位置が変化するのに伴って磁束ループ構成部10の磁場を変化させる磁場変化手段(第一、第二リング2,3の各対向端面2a,3aに開口する切り欠き2b,3b)とを備える。
【0005】
磁束ループ構成部10は第一、第二リング2,3の各端面2c,3cのそれぞれに軸方向から対峙して固定されるL字型の磁石11,12からなっている。
【0006】
このトルクセンサにおいて、シャフト1にねじりトルクが加えられてねじれると、第一、第二リング2,3が相対回転し、磁束ループ構成部10の磁場が変化する。このとき、ホール素子5が磁束ループ構成部10において互いに対向する磁極11a,12a間の磁束密度を計測することにより、シャフト1に加わるねじりトルクを検出することができる。
【0007】
このトルクセンサにおいて、シャフト1が回転するのに伴って第一、第二リング2,3が回転するが、磁束ループ構成部10およびホール素子5は回転しないように固定することが可能となり、ホール素子5から延びる信号線が絡まる心配がない。
【特許文献1】特開2002−310819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来の非接触タイプのトルクセンサにあっては、回転するシャフト1の偏芯等により磁束ループ構成部10におけるL字型の磁石11,12と第一、第二リング2,3との位置関係がわすかに変化した場合、振り角(トルク)が一定にもかかわらず磁束ループ構成部10の磁束密度が変化し、トルクの検出誤差が発生するという問題点がある。
【0009】
また、第一、第二リング2,3に対してシャフト1が回転するとき、磁束ループ構成部10における磁束ループの磁路断面に対して第一、第二リング2,3の各対向端面2a,3aに開口する切り欠き2b,3bが断続的に面するため、振り角(トルク)が一定にもかかわらず磁束ループ構成部10の磁束密度がシャフト1の回転に伴って周期的に変化し、トルクの検出誤差が発生するという問題点がある。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、回転するシャフトのねじれからトルクを検出する非接触タイプのトルクセンサの検出精度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ねじりトルクが加わるシャフトと、このシャフトがねじれるのに伴って相対回転位置が変化する第一、第二リングと、磁気がこの第一、第二リングのそれぞれを通るように導く磁束ループ構成部と、第一、第二リングが相対回転するのに伴って磁束ループ構成部の磁場を変化させる磁場変化手段と、磁束ループ構成部の磁束密度を検出する磁束密度検出手段とを備える非接触タイプのトルクセンサに適用する。
【0012】
そして、第一、第二リングにそれぞれ対峙する環状の第一、第二ヨークと、磁束ループ構成部の途中に介在する環状のリング磁石とを備え、磁束ループ構成部をこの第一、第二ヨークとリング磁石によって環状に形成し、第一、第二リングのそれぞれに対して磁気が環状に導かれる構成としたことを特徴とするものとした。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、トルクセンサは、第一、第二リングにそれぞれ対峙する環状の第一、第二ヨークによって環状の磁束ループ構成部を形成し、第一、第二リングのそれぞれに対して磁気が環状に導かれることにより、シャフトが回転するのに伴って第一、第二リングが第一、第二ヨークに対して相対回転しても、第一、第二リングにおける磁場が変化することが抑えられる。このため、シャフトが回転するのに伴って磁束ループ構成部の磁束密度が変化することを抑えられ、トルクの検出精度を高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1において、1は例えば車両のステアリングシャフト(以下シャフトという)を示す。このシャフト1はその一端がステアリングホイールに連結され、他端が図示しないステアリングギヤに連結され、操舵力を車輪に伝えるものである。
【0016】
シャフト1の途中には部分的に縮径したトーションバー部が形成され、シャフト1はトーションバー部を挟んで入力側1aと出力側1bの部位を有する。トーションバー部は入力側1aに加えられる回転トルクに対してシャフト1のねじり歪みを拡大する。
【0017】
トルクセンサは、シャフト1がねじれるのに伴って相対回転する第一、第二リング2,3と、磁気が第一、第二リング2,3のそれぞれを通るように導く磁束ループ構成部20と、第一、第二リング2,3が相対回転するのに伴って磁束ループ構成部20の磁場を変化させる磁場変化手段と、磁束ループ構成部20の磁束密度を検出するホール素子(磁束密度検出手段)5とを備える。ホール素子5はこの磁場の変化に応じた電圧を信号として出力し、この出力に応じてシャフト1に加わるねじりトルクが求められる。
【0018】
環状の第一、第二リング2,3は、トーションバー部を挟んでシャフト1の入力側1aと出力側1bにそれぞれシャフト1と同軸上に固定され、シャフト1のねじれに伴って相対回転するようになっている。
【0019】
第一、第二リング2,3は例えば鉄等の磁性材により直円筒状に形成される。磁場変化手段として、第一、第二リング2,3は互いにわずかな隙間6を持って略平行に対峙する対向端面2a,3aを有する。環状に延びる各対向端面2a,3aには複数の切り欠き2b,3bが回転角度方向について所定の凹凸ピッチ(中心角度)Pを持って形成されている。凹凸ピッチPの回転角度範囲に一つの対向端面2a,3aと一つの切り欠き2b,3bが並んで設けられる。
【0020】
各切り欠き2b,3bはシャフト1の回転軸について対称的に形成される。第一、第二リング2,3はシャフト1のねじれに伴って相対回転位置が変化することにより、対向端面2a,3aが互いに対峙する面積が変化し、磁束ループ構成部20の磁場を変化させるようになっている。
【0021】
トルクセンサは、第一、第二リング2,3にそれぞれ対峙する環状の第一、第二ヨーク21,22を備え、磁束ループ構成部20をこの第一、第二ヨーク21,22によって環状に形成し、第一、第二リング2,3のそれぞれに対して磁気が環状に導かれる構成とする。
【0022】
第一、第二ヨーク21,22は例えば鉄等の磁性材によりL字形の断面を持った環状に形成される。
【0023】
第一、第二ヨーク21,22は図示しない車体側に固定して取り付けられ、シャフト1および第一、第二リング2,3と接触しないように設けられる。すなわち、第一、第二ヨーク21,22の各内周面は、第一、第二リング2,3の各外周面2d,3dのそれぞれに隙間27,28を持って径方向から対峙する。
【0024】
なお、これに限らず、隙間27,28を設けず、第一、第二ヨーク21,22の各内周面を第一、第二リング2,3の各外周面2d,3dに摺接させる構造としても良い。
【0025】
また、第一、第二ヨークの各端面を、第一、第二リングの各端面のそれぞれに軸方向から対峙させても良い。
【0026】
本実施の形態では、第一、第二ヨーク21,22は、第一、第二リング2,3の各外周面2d,3dに対峙する部位に環状のリング磁石25がそれぞれ設けられる。リング磁石25はその内周をS極、その外周をN極とするように着磁されている。
【0027】
図2にも示すように、第一、第二ヨーク21,22は互いに対向して突出する二対の集磁凸部21a,22aを有する。各集磁凸部21aがN極になり、各集磁凸部22aがS極となる。
【0028】
二対の各集磁凸部21a,22aは第一、第二ヨーク21,22の中心軸について対称的に形成される。各ホール素子5は第一、第二ヨーク21,22の中心軸について対称的に配置される。
【0029】
なお、これに限らず、三対以上の集磁凸部を第一、第二ヨーク21,22の中心軸について対称的に形成し、三つ以上のホール素子5を各集磁凸部の間に介装しても良い。
【0030】
また、一対の集磁凸部を第一、第二ヨーク21,22の中心軸について対称的に形成し、単一のホール素子5を各集磁凸部の間に介装しても良い。
【0031】
図3に示すように、各集磁凸部21a,22aは第一、第二ヨーク21,22の端面21b,22bから回転角度方向について所定のピッチ(中心角度)Tを持って突出させる。
【0032】
各集磁凸部21a,22aのピッチTは、第一、第二リング2,3の各対向端面2a,3aに形成される各切り欠き2b,3bの凹凸ピッチPと等しく設定する。
【0033】
ホール素子5は磁束密度検出手段として設けられる。各集磁凸部21a,22aの間にそれぞれ介装され、磁束ループ構成部20のN極とS極間の磁束密度に応じた電圧を信号として図示しない電線を介して出力する。
【0034】
各集磁凸部21a,22aは第一、第二ヨーク21,22の端面21b,22bからホール素子5に向けて絞られるテーパ状に形成され、磁界をホール素子5に集めるようになっている。各集磁凸部21a,22aの端面はホール素子5の外形と同じく矩形に形成される。
【0035】
トルクセンサは、第一、第二ヨーク21,22とリング磁石25とホール素子5を互いに結合する非磁性部材30を備える。この非磁性部材30は樹脂を材質とし、第一、第二ヨーク21,22の間に形成される。トルクセンサは、第一、第二ヨーク21,22とリング磁石25とホール素子5が非磁性部材30を介してサブッアッシとしてユニット化される。
【0036】
トルクセンサの製造時、第一、第二ヨーク21,22とホール素子5を図示しない治具(型枠)を介して所定位置に保持した状態で、第一、第二ヨーク21,22の間に樹脂材料を充填して固化させる。
【0037】
非磁性部材30はT字形の断面を持った環状の円筒形に形成され、各集磁凸部21a,22aを避けるようにして第一、第二ヨーク21,22の間に隙間なく形成される。
【0038】
以上のように構成される本発明の実施の形態につき、次に作用を説明する。
【0039】
シャフト1にねじりトルクが加えられ、シャフト1のトーションバー部がねじれると、第一、第二リング2,3が相対回転し、第一、第二リング2,3の対向端面2a,3aが互いに対峙する面積が変化し、第一、第二ヨーク21,22を介して磁束ループ構成部20を通る磁束密度が変化する。磁束ループ構成部20の第一、第二リング2,3を通る磁束は、各対向端面2a,3aが互いに対峙する面積が増えるのに伴って磁束ループ構成部20の磁場が強くなり、逆に、各対向端面2a,3aが互いに対峙する面積が減るのに伴って磁束ループ構成部20の磁場が弱くなる。ホール素子5はこの磁場の変化に応じた電圧を信号として出力し、この出力に応じてシャフト1に加わるねじりトルクが検出される。
【0040】
ステアリングホイールの操作によってシャフト1が回転するのに伴って第一、第二リング2,3が回転するが、車体に固定された第一、第二ヨーク21,22およびホール素子5は回転せず、ホール素子5から延びる信号線が絡まる心配がない。
【0041】
第一、第二ヨーク21,22は第一、第二リング2,3の外周面2d,3dに隙間27,28を持って対峙しているので、両者の摩耗が回避され、耐久性を確保できる。
【0042】
第一、第二リング2,3の各対向端面2a,3aは隙間を持って対峙しているので、両者の摩耗が回避され、耐久性を確保できる。
【0043】
トルクセンサは、第一、第二リング2,3にそれぞれ対峙する環状の第一、第二ヨーク21,22によって環状の磁束ループ構成部20を形成することにより、シャフト1が回転するのに伴って第一、第二リング2,3が第一、第二ヨーク21,22に対して相対回転しても、磁気が第一、第二リング2,3のそれぞれを通る条件が変化しにくい。このため、シャフト1の回転に伴って磁束ループ構成部20の磁束密度が変化することを抑えられ、トルクの検出精度を高められる。
【0044】
第一、第二ヨーク21,22の各内周面が、第一、第二リング2,3の各外周面2d,3dのそれぞれに径方向から対峙する構造により、シャフト1の偏芯等により磁束ループ構成部20と第一、第二リング21,22との位置関係が変化した場合、第一、第二ヨーク21,22と第一、第二リング2,3の間に画成される隙間27,28の断面積の一方が減少とすると他方が増加して各隙間27,28の断面積の和が変化しないため、シャフト1の回転に伴って磁束ループ構成部20の磁束密度が変化することを抑えられ、トルクの検出精度を高められる。
【0045】
磁場変化手段として、第一、第二リング2,3は互いに略平行に対峙する対向端面2a,3aを有し、各対向端面2a,3aに複数の切り欠き2b,3bが回転角度方向について所定の凹凸ピッチPを持って形成されることにより、シャフト1が捩れるに伴って環状の磁束ループ構成部20における磁場がシャフト1の中心軸について対称的に変化するため、シャフト1の回転に伴って磁束ループ構成部20の磁束密度が変化することを抑えられ、トルクの検出精度を高められる。
【0046】
集磁凸部21a,22aを第一、第二ヨーク21,22の端面21b,22bから突出させることにより、磁束ループ構成部20の磁束を集磁凸部21a,22aを介してホール素子5に集められるため、ホール素子5の出力電圧を高められる。
【0047】
二対の集磁凸部21a,22aと二つのホール素子5を第一、第二ヨーク21,22の中心軸について対称的に配置することにより、第一、第二リング2,3の各切り欠き2b,3bによって発生する磁束密度の強弱によって各ホール素子5に生じる周期的な出力変化が相反する方向に生じる。
【0048】
さらに、シャフト1の偏芯等により磁束ループ構成部20と第一、第二リング21,22との位置関係が変化した場合、各ホール素子5の出力変化が相反する方向に生じる。
【0049】
このため、各ホール素子5の出力を加算してシャフト1に加わるトルクを算出することにより、各ホール素子5の検出誤差が互いに相殺され、トルクの検出精度を高められる。
【0050】
各集磁凸部21a,22aが突出するピッチTを、第一、第二リング2,3の各対向端面2a,3aに形成される複数の切り欠き2b,3bの凹凸ピッチPと等しく設定することにより、第一、第二リング2,3に対してシャフト1が回転するとき、磁束ループ構成部20において集磁凸部21a,22aが配置される磁路断面に対して第一、第二リング2,3の各対向端面2a,3aに開口する切り欠き2b,3bが面する割合が一定に保たれる。このため、振り角(トルク)一定の場合に磁束ループ構成部20の磁束密度が変化することを抑えられ、ホール素子5と第一、第二リング2,3との相対位置関係に依存した検出誤差を緩和することが可能である。
【0051】
トルクセンサは、第一、第二ヨーク21,22とリング磁石25とホール素子5は非磁性部材30を介して互いに結合することにより、第一、第二ヨーク21,22に対するホール素子5の位置精度を高められる。これにより、磁束ループ構成部20を構成する各部品の設置位置の制御を組立工程の上で容易にし、各部品の設置位置のバラツキを抑えられ、トルクセンサの品質の向上がはかられる。
【0052】
トルクセンサは、第一、第二ヨーク21,22とリング磁石25とホール素子5が非磁性部材30を介してサブッアッシとしてユニット化されることにより、部品点数が減り、車体への組み付けが容易に行える。
【0053】
トルクセンサの製造時、第一、第二ヨーク21,22とリング磁石25とホール素子5を図示しない治具(型枠)を介して所定位置に保持した状態で、第一、第二ヨーク21,22の間に樹脂材料を充填して固化させることにより、第一、第二ヨーク21,22に対するホール素子5の位置精度を高められる。
【0054】
非磁性部材30をホール素子5を避けるようにして第一、第二ヨーク21,22の間に形成することにより、磁束ループ構成部20におけるホール素子5に対する集磁効果を高められるため、ホール素子5の出力電圧を高められる。
【0055】
他の実施の形態として、図4に示す第一、第二ヨーク21,22は、第一、第二リング2,3の各外周面2d,3dに対峙する部位に環状のリング磁石25,26がそれぞれ設けられる。リング磁石25,26は磁束ループ構成部20に沿ってS極とN極が並ぶように配置される。すなわち、リング磁石25はその内周をS極、その外周をN極とする一方、リング磁石26はその内周をN極とし、その外周をS極とするように着磁している。これにより、磁束ループ構成部20の磁界を強められる。
【0056】
なお、これに限らず、環状のリング磁石を第一、第二ヨーク21,22の途中に介装しても良い。また、第一、第二ヨーク21,22をリング磁石によって一体的に形成しても良い。
【0057】
また、第一、第二リング2,3側に環状のリング磁石を設けても良い。
【0058】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、回転するシャフトのねじれからトルクを検出する非接触タイプのトルクセンサに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態を示すトルクセンサの斜視図。
【図2】同じくトルクセンサの側面図。
【図3】同じく図2のA−A線に沿う断面図。
【図4】本発明の他の実施の形態を示すトルクセンサの斜視図。
【図5】従来例を示すトルクセンサの斜視図。
【符号の説明】
【0061】
1 シャフト
2 第一リング
2a 対向端面
2b 切り欠き
3 第二リング
3a 対向端面
3b 切り欠き
5 ホール素子(磁束密度検出手段)
20 磁束ループ構成部
21 第一ヨーク
22 第二ヨーク
25 リング磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじりトルクが加わるシャフトと、このシャフトがねじれるのに伴って相対回転位置が変化する第一、第二リングと、この第一、第二リングのそれぞれを磁気が通るように導く磁束ループ構成部と、前記第一、第二リングが相対回転するのに伴ってこの磁束ループ構成部の磁場を変化させる磁場変化手段と、前記磁束ループ構成部の磁束密度を検出する磁束密度検出手段とを備えるトルクセンサにおいて、
前記第一、第二リングにそれぞれ対峙する環状の第一、第二ヨークと、前記磁束ループ構成部の途中に介在する環状のリング磁石とを備え、前記磁束ループ構成部をこの第一、第二ヨークとリング磁石によって環状に形成し、前記第一、第二リングのそれぞれを磁気が環状に導かれる構成としたことを特徴とするトルクセンサ。
【請求項2】
前記磁場変化手段として、前記第一、第二リングは互いに略平行に対峙する対向端面を有し、各対向端面に複数の切り欠きを回転角度方向について所定の凹凸ピッチPを持って形成し、各切り欠きを前記シャフトの回転軸について対称的に形成したことを特徴とする請求項1に記載のトルクセンサ。
【請求項3】
前記第一、第二ヨークは互いに対向して突出する集磁凸部を有し、この各集磁凸部の間に前記磁束密度検出手段を介装したことを特徴とする請求項1または2に記載のトルクセンサ。
【請求項4】
前記集磁凸部を複数対で設け、各集磁凸部とその間に介装される複数の磁束密度検出手段とを前記シャフトの回転軸について対称的に配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のトルクセンサ。
【請求項5】
前記第一、第二ヨークに対して前記集磁凸部が回転角度方向について突出するピッチTを、前記第一、第二リングの前記各対向端面に前記各切り欠きが形成される凹凸ピッチPと等しく設定したことを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載のトルクセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−47186(P2006−47186A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−230792(P2004−230792)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)