説明

トルク/アングルレンチの較正のための可動装置

【課題】トルク/アングルレンチの較正のため可動装置を提供し、それによっていかなるネジの連結も再現できるようにすること。
【解決手段】本発明は少なくともトルク/アングルレンチ(10)を収容するための収容部(12)と、トルク/アングルレンチ(10)にトルクを加えるためのトルクアクチュエーター(13)と、トルクを検出するためのトルクセンサー(14)とを備えるトルク測定システム(11)を有するトルク/アングルレンチ(10)の較正用可動装置(100)に関する。本発明は、トルク/アングルレンチ(10)のトルクを測定することに加えて、回転アングルについてトルク/アングルレンチ(10)の回転が測定できる方法でトルク測定システム(11)を回転させる回転アングル測定システム(15)を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクレンチ、トルクレンチにトルクを加えるためのトルクアクチュエーター、及びトルクを検知するためのトルクセンサーを備える、少なくとも1つ以上の収容部を有するトルク測定システムを含むトルクレンチを較正するための可動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テストされるトルクレンチを締めるための支持体を備えて構成しているトルクレンチのテストのための可動装置が特許文献1に開示されている。テストされるトルクレンチのヘッドピースと結合している測定センサーは支持体上に配設されている。テストされるトルクレンチのグリップは、支持体に配設されているグリップホルダーによって締められている。可動装置は、テストされるトルクレンチのヘッドピースにトルクを発生させるための偏向機構を含んでいる。
【0003】
またテストされるトルクレンチを締める支持体と、該支持体上に配設されていて、且つ、テストされるトルクレンチのヘッドピースに結合している測定センサーとを有するトルクレンチのテストのための可動装置について特許文献2に開示されている。さらに、その装置は、テストされるトルクレンチのグリップを締めるために該支持体上に配設されているグリップホルダーとテストされるトルクレンチのヘッドピースのトルクを発生させるための偏向機構とを含んでいる。
【0004】
トルクレンチの較正のための可動装置について、特許文献3に開示されている。この文献に係るトルクレンチの較正のための可動装置は、トルクレンチを収容するための収容部と、トルクレンチにトルクを加えるトルクアクチュエーターと、トルク検出するためのトルクセンサーとを含むトルク測定システムを備えている。例えば、トルクレンチは、デジタル方式でデザインされたトルクセンサーと、トルクレンチにおいて測定されるトルクを通信ユニットを介してスキャンし、それを格納するためのインターフェースを備えることができる。当該トルクレンチは、ヘッドピースで、例えば、四角形の収容部として形成される収容部に挿入される。トルクが四角形の交換可能なヘッドを有する場合、この交換可能なヘッドは四角形の収容部に挿入することができる。端部側上のトルクレンチは、工具締付け装置に締められるレンチグリップを有する。トルクが収容部を介してトルクレンチのヘッドピースに加えられる場合、該トルクは該レンチグリップが工具締付け装置に収容されている端部側上のピストンとレンチグリップとによって保持される。 工具締付け装置は、道具測定作業台に取り付けられていて、この作業台には、トルクレンチにトルクを加えるためのトルクアクチュエーターも配設されている。その結果、閉鎖されたトルク回路が得られ、トルクアクチュエーターは収容部を介してトルクをトルクレンチのヘッドピースに加える。なお、トルクアクチュエーターは測定作業台に対して機械的に支持されたり、その中にそれぞれ収容されたりする。逆の場合、トルクレンチは、レンチグリップによって支持され、 工具締付け装置もまた測定作業台を介して支持される。閉鎖トルク回路でのこのような結果は、トルクセンサーを介して基準(reference)が提供されるため、トルクレンチに配設されているトルクを電子的に測定するための装置が較正できる。
【0005】
しかし、不利なことに、トルクレンチによって再びネジを連結することはできないし、既に知られているトルクレンチ較正用の可動装置を利用することのみによって再利用可能となり得るが、その場合多大な努力と共に測定精密度が非常に低くなる短点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 20 2006 018 352 U1(EP1 927 836 A2に相応)
【特許文献2】DE 20 2008 002 919 U1(EP2 096 424 A2に相応)
【特許文献3】DE 20 2008 002 913 U1(EP2 096 425 A2に相応)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明はトルク/アングルレンチの較正のため可動装置を提供し、それによっていかなるネジの連結も再現できるようにすることがその目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような本発明の目的は、請求項1の前提部と特徴部との組み合わせに係るトルク/アングルレンチ較正用可動装置に基づいて解決される。本発明の更なる有利な開発は従属請求項に詳細に説明される。
【0009】
本発明は、トルク/アングルレンチにおけるトルクを測定する他にも、回転アングルについてトルク/アングルレンチの回転も測定することができるように、トルク測定システムの回転を具体化する回転アングル測定システムを提供する技術的思想を含んでいる。
【0010】
従って、本発明は、回転アングル測定システムが閉鎖形ユニットとしてトルク測定システムを回転させるというアイデアに基づいている。トルク測定システムへの回転運動の開始に応じて、トルクは克服することができず、それゆえ、回転の慣性モーメントだけと、もし適用可能であるならば収容部の支持体中の摩擦とが、トルク測定システムの回転のために克服しなければならない。少なくともトルク/アングルレンチ、トルク/アングルレンチ収容部、トルクセンサー及びトルク発生トルクアクチュエーターを介して作動する閉鎖トルク回路のために、トルクの測定は回転アングル測定システムの作動によっては邪魔されることなく、またトルク/アングルレンチに加えられるトルクはトルク測定システムの回転によっても影響されない。
【0011】
本発明に係るトルクアクチュエーターと回転アングルアクチュエーターとはモーターによって、互いに独立した連続方式で調節できるという長所を有する。これによって、どのようなトルク/回転アングルコースも繰り返されるよう作ることができる。特に、固定されたネジの連結はシミュレーションできるし、トルク/アングルレンチにおける固有の曲げは簡単な方法で決められる。
【0012】
本発明によると、回転軸線を中心にトルク測定システムが回転できる特別な長点が提供される。本発明に係るシステムの場合、トルクアクチュエーターによって、トルク/アングルレンチに加えられるトルクの回転軸線と回転軸線が有利に一致することができる。したがって、トルク/アングルレンチを収容するための収容部は回転軸線に位置する。回転軸線を中心にトルク測定システムの回転は、少なくとも完全(360°)であり、また測定も可能である。
【0013】
トルク測定システムの回転を測定するために、前記システムは、特に回転アングルセンサーを含む。トルク/アングルレンチは、トルク測定システムに対して、回転のない方式(rotation-free manner)で収容される。しかし、トルク/アングルレンチは回転軸線を中心とする全トルク測定システムの回転によって回転させられ、トルク/アングルレンチの回転はネジまたはネジナットの回転に応じて同じ方式で生じる。トルク/アングルレンチにおける回転アングルを電子的に測定する装置は、トルク/アングルレンチに導入される回転を測定し、この装置はトルク測定システムにおいて、回転アングルセンサーを基準に較正することができる。従って、較正は実測値の決定に関連する。そして、トルク/アングルレンチの再調整はその後に行われる。
【0014】
較正と再調整は、逆方向でも行うことができる。トルク/アングルレンチは、基準センサーに置き換えることができ、トルクセンサーは、基準センサーによって較正される。同じく、回転アングルセンサーは、例えば、一回又は定期的に該可動システムを較正するために、トルク測定システムの収容部に取り付けられる基準センサーによって較正することができる。
【0015】
回転アングル測定システムは、回転アングル測定システムと関連するトルク測定システムを回転させるよう、回転アングルアクチュエーターを含む。例えば、回転アングルアクチュエーターは、回転運動をトルク測定センサーに導入するサーボモーターを含むことができる。更に、回転アングル測定システムは回転アングルセンサーを含むことができ、このセンサーを用いて、トルク測定システムの回転は回転アングル測定システムによって、特に、サーボモーターにより測定できる。回転アングル測定システムは動かないよう配設され、トルク測定システムは回転運動を実行するのが好ましい。トルク測定システムの回転運動を正確に検出するためには、回転アングルセンサーが必要であり、これはトルク/アングルレンチを電子的に測定するための装置を較正するための基準として利用することができる。その結果、回転アングルを電子的に測定するための装置として、トルクを電子的に測定するための装置はトルク/アングルレンチで同時に較正することができる。そして、ネジの連結は摩擦システムを必要としないでシミュレートされる。例えば、トルクを加えるのに応じて回転を同時に発生できる。トルクアクチュエーターを介してトルク/アングルレンチに加えられるトルクと、回転アングルアクチュエーターを介してトルク/アングルレンチに導入される回転とは、互いに独立して生じる。
【0016】
可動装置の有利な形態によると、回転アングル測定システムとトルク測定システムとの間に連結部材が提供でき、該連結部材を介してトルク測定システムが回転軸線において回転アングル測定システムと連結することができる。該連結部材は固定されたアクチュエーターの連結部として形成できるし、またはトルク測定システムが回転アングル測定システムから分離される時、トルク測定システムが自由に回転できるよう切り替えられる。これにより、例えば、可動装置の扱いやすさが向上する。回転アングル測定システムは、可動装置に固定されるよう配設されるため、トルク測定システムのみがトルク/アングルレンチによって回転させられる。
【0017】
特に有利な実施形態として、トルクアクチュエーターはレバー部材を含むことができる。このレバー部材はトルクセンサーを介してトルク/アングルレンチに連結され、且つ、回転軸線の収容部を介してトルク/アングルレンチに連結される。この回転軸線にトルクをかけるアクチュエーター部材は、レバー部材の端部側に配設されている。トルクアクチュエーターは、どの回転アングルも克服する必要がない。これは、トルク測定システムの閉鎖トルク回路に統合されるからである。閉鎖トルク回路の反発力、特にたわみによるトルク/アングルレンチの反発力のみがトルクアクチュエーターによって克服されなければならない。アクチュエーターの部材、例えば、スピンドルシステムの変位可能なキャリジがレバー部材の端部側に配設される場合,且つ該アクチュエーターの部材がレバー部材にトルクをかける場合、レバーアームは、トルク/アングルレンチのピストンと大体同じ方向に延長できる。これを介してレバー部材とトルク/アングルレンチのピストンとは回転軸線に対して直交に配置される。
【0018】
トルク/アングルレンチはトルクを電子的に測定するための装置、特に、回転アングルを電子的に測定するための装置を含む。トルクを電子的に測定するための装置はひずみゲージ薄板に基づいており、回転アングルを電子的に測定するための装置は固定部との機械的連結なしに回転アングルを測定できる回転アングルの測定部材に基づく。
【0019】
本発明のさらなる実施形態によると、前記可動装置は制御装置を備え、該制御装置により特に少なくとも、トルクを電子的に測定する装置、及び/又は、トルク/アングルレンチ及び/又は回転アングルセンサー及び/又は測定システムの回転アングルセンサー及び/又は回転アングル測定センサーの回転アングルセンサーが電気的に接続される。該制御装置はPCを使って構成されることができ、該PCと接続されている部品は対応するインターフェースを含んでいて、該インターフェースはケーブル接続か無線接続(例えば赤外線や電波)によって実現される。
【0020】
制御装置と特にPCは、回転アングルアクチュエーターを制御するためのトルク測定システムの同時回転に応じて、トルク/アングルレンチにトルクを加えるためにトルクアクチュエーターを制御するために備えられる。知られている様々な方法によると、ネジの締付け具合に対する基準が得られる。ネジの連結は、所定のトルクに達するまで締められる。また、ネジの連結は、プレトルクを超過した後、所定のアングルだけに締められる。
【0021】
ネジの連結の締付けは、弾性限界、すなわち、フックの境界の端部に到達し、且つ、ネジの連結による塑性変形が生じるポイントまで、実行される。そうすることによって、実験で発見された以前のプレトルクが提供される。これがネジのヘッドが加工物の表面で平坦に保持され、ついに不均一がなくなるトルクである。この時点で始めに、フックの境界の傾き、即ちネジの膨張の導出(微分、導関数derivation)が回転アングルによって決まる。この導出が最大値と比べ、ある特定の比率まで減少する場合、弾性限界は達していることを意味する。これがネジの連結を最適に締付ける一つの基準である。
【0022】
従って、トルクは、静止摩擦を超えた最大値まで初めのうちは増加される。静止摩擦を超えた後、トルクは再び減少する。最大値に達した後、トルクは回転アングルの増加に応じてまた上昇する。この最大値は、締付けられたネジの連結トルクを締め付けることで提供される。特に、そのようなネジの連結は、制御装置を使ってシミュレーションされる。
【0023】
制御装置は、可動装置のアクチュエーターが適宜制御できるという点で、ネジの連結の認識過程をシミュレーションできる。回転アングルの検出を構成する電子的トルク/アングルレンチは、特にそのような方法で締付けられたネジの連結を制御するために利用される。
【0024】
本発明のさらなる実施形態によると、トルク測定システムは、収容部支持体で支持される。特に、トルク測定システムは、収容部支持体を使ったテーブル脚、またはテーブル脚上に回転できるよう支持される測定テーブルを含むことができる。測定テーブルは、作業台と作業台の下部に配置されている移動可能な収容部引き出しを含むことができ、トルク/アングルレンチをレンチグリップの領域で固定する工具締付け装置が作業台に適切に配設されている。
【0025】
本発明の実施形態に係る可動装置は、制動装置を必要としないが、その装置の構築は一般的に10倍も不正確であり、もっと大きい規模の最先端の技術と比べて長所を持っている。熱が発生し、トルク/アングルレンチの較正を正確に起こさせるようにする摩擦の損失は発生しない。しかし、本発明による可動装置の測定の不正確性は、測定センサーの不正確性のみによって制限される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るトルク/アングルレンチの較正用可動装置の好ましい実施例の概略図である。
【図2】本発明の特徴を有する可動装置の斜視図である。
【図3】本発明に係る可動装置の修正実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
発明を向上させるための追加装置は、図面を用いて本発明のもっとも好ましい例を描きながら詳細に示す。
【0028】
図1は概略図であって、本発明の特徴を有する可動装置100の一実施例を示す。可動装置100はトルクを測定する装置と回転アングルを測定する装置を含むトルク/アングルレンチ10の較正を実行する。これら測定装置は電子的測定装置として形成される。本発明に係る可動装置100は、二つの部品組立体を含み、その第一部品組立体は図の上部点線で示したボックスによって表示され、トルク測定システム11によって形成される。第二部品組立体は、図の下部点線で示したボックスによって表示され、回転アングル測定システム15によって形成される。
【0029】
トルク測定システム11は、トルク/アングルレンチ10を収容するための収容部12を含む。収容部12は四角形の収容部として形成でき、トルク/アングルレンチ10は、ヘッドピースを介して収容部12に挿入される。トルク/アングルレンチ10は、詳しくは説明されていないが、ピストンを介してトルク測定システム11から動けない方法で固定させられる。トルク測定システム11は、トルク/アングルレンチ10にトルクをかけるためのトルクアクチュエーター13を更に含む。そして、トルクアクチュエーター13は、例えば、レバー部材21とアクチュエーター部材22とを備える。回転軸線16におけるトルクは、トルクアクチュエーター13によってトルク/アングルレンチ10にトルクを加える。
【0030】
トルクアクチュエーター13を利用してトルク/アングルレンチ10にトルクを加えることは、トルクセンサー14によって行われ、このセンサーはレバー部材21とトルク/アングルレンチ10を収容する収容部12との間に配設されている。トルク/アングルレンチ10に加えられたトルクは、トルクセンサー14によって測定され、これはトルク/アングルレンチ10でトルク測定装置を較正するための基準の役割をする。
【0031】
本発明の回転アングルシステム15は、回転アングルアクチュエーター18を含み、これは連結部20を介してトルク測定システム11に連結される。回転アングルアクチュエーター18は、部品全体としてのトルク測定システム11が回転軸線16において回転できるよう誘導する。回転軸線16におけるトルク測定システム11の回転アングルは、回転アングル測定システム15の部品である回転アングルセンサー19によって測定される。これは、トルク/アングルレンチ10にトルクを加えるためにトルクアクチュエーター13がトルク測定システム11のユニット全体によって回転アングルアクチュエーター18から独立して操作でき、ゆえにトルク/アングルレンチ10が回転することができる、という長所を有する。
【0032】
制御装置23は、センサー14,17,19から読み出し、トルク/アングルレンチ10を利用して測定した値を記録するように、アクチュエーター13,18を制御する。制御装置23は、アクチュエーター13,18を制御するために使え、特にほぼすべてのネジの連結をシミュレーションすることができる。図2は、本発明に係る可動装置100の具体的な典型的実施例の1つが斜視図で示されている。
【0033】
図2は、可動装置100の 典型的実施例を図示されている。トルク測定システム11は、テーブル形状上部を形成し、テーブルの脚27を介して形成される、且つ、回転アングル測定システム15に挿入される下部に対して、回転軸線16の回りに回転ができる。トルク測定システム11は、トルク/アングルレンチ10上に収容部12とレンチグリップ29の領域内のトルク/アングルレンチ10を支持する工具締付け装置28とを収容する測定テーブル24を持つ。収容部12は、トルク/アングルレンチ10に加えられたトルクを測定することができるトルクセンサー14に配設される。
【0034】
測定テーブル24の断面図に、一方の端部がトルクセンサー14によって回転軸線16で収容部12と連結されており、回転軸線16から離れてアクチュエーター部材22に向かって半径方向に延長するレバー部材21を含んでいるトルクアクチュエーター13が図示されている。レバーモーメントはアクチュエーター部材22を用いてレバー部材21に加えられ、レバー部材21は回転軸線16における回転方向に引っ張られる。このトルクは、直接トルク/アングルレンチ10の収容部12に伝達される。閉鎖トルク回路の形成が示される測定テーブル24のデザインにおいて、収容部部品としての測定テーブル24と、トルクをかけるためのトルク生成手段としてのトルクアクチュエーター13と、トルク/アングルレンチ10とが配設される。この方法で形成されたトルク測定システム11のユニットは、回転軸線16を中心に回転でき、このような目的のため回転できるようにテーブルの脚27で支持される。
【0035】
回転アングル測定システム15は、サーボモーターとして実現される回転アングルアクチュエーター18を備え、回転可能な支持体の下に配置されているベルトを介して回転軸線16回りでトルクシステム11の回転運動を開始できる。さらに、テーブルの脚27は、測定テーブル24の作業の高さを調整するための高さ調整部30を含む。
【0036】
図3は本発明に係る可動装置100の修正した典型的実施例を示す。この図において、トルクセンサー14が配置されている作業台25として測定テーブル24が具体化されている。可動装置100の小さい部品を保持することができる収容部引き出し26は、作業台25の下に位置する。収容部引き出し26と同様に作業台25を備える測定テーブル24は、順番に、テーブルの脚27で支持され、収容部引き出し26と同様に測定テーブル24は回転軸線16回りに回転できる。アクチュエーター13,18と同様にセンサー14,17,19からそれぞれ読み出したり、制御したりするPCは、制御装置23として例示されている。トルク/アングルレンチ10で検出されるデータは、制御装置23に格納される。
【符号の説明】
【0037】
100:可動装置
10: トルク/アングルレンチ
11: トルク測定システム
12: 収容部
13: トルクアクチュエーター
14: トルクセンサー
15: 回転アングル測定システム
16: 回転軸線
17: 回転アングルセンサー
18: 回転アングルアクチュエーター
19: 回転アングルセンサー
20: 連結部
21: レバー部材
22: アクチュエーター部材
23: 制御装置
24: 測定テーブル
25: 作業台
26: 収容部引き出し
27: テーブル脚
28: 工具締付け装置
29: レンチグリップ
30: 高さ調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともトルク/アングルレンチ(10)を収容するための収容部(12)と、
前記トルク/アングルレンチ(10)にトルクをかけるためのトルクアクチュエーター(13)と、
トルクを検出するためのトルクセンサー(14)と、を備えるトルク測定システム(11)を有するトルク/アングルレンチ(10)の較正用可動装置(100)において、
前記トルク/アングルレンチ(10)のトルクを測定に加えて、回転アングルについて前記トルク/アングルレンチ(10)の回転を測定できるように前記トルク測定システム(11)を回転させることを実現する回転アングル測定システム(15)を備えることを特徴とするトルク/アングルレンチ較正用可動装置。
【請求項2】
前記トルク測定システム(11)が回転できる回転軸線(16)を備えることを特徴とする請求項1に記載のトルク/アングルレンチ較正用可動装置。
【請求項3】
前記トルク測定システム(11)は回転アングルセンサー(17)を含み、前記回転アングルセンサーにより前記トルク測定システム(11)の回転を測定することができ、前記トルク/アングルレンチ(10)は好ましくは前記トルク測定システム(11)に対して自在回転できるように収容されることを特徴とする請求項1又は2に記載のトルク/アングルレンチ較正用可動装置。
【請求項4】
前記回転アングル測定システム(15)は前記回転アングル測定システム(15)を基準として前記トルク測定システム(11)を回転させるために回転アングルアクチュエーター(18)を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの一項に記載のトルク/アングルレンチ較正用可動装置。
【請求項5】
前記回転アングル測定システム(15)は回転アングルセンサー(19)を含み、前記回転アングルセンサーを用いて前記回転アングル測定システム(15)、特に前記回転アングルアクチュエーター(18)によって前記トルク測定システム(11)の回転を測定することができることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のトルク/アングルレンチ較正用可動装置。
【請求項6】
前記トルク測定システム(11)が前記回転軸線(16)で前記回転アングル測定システム(15)と連結されるように、前記トルク測定システム(11)と前記回転アングル測定システム(15)との間に提供される連結手段(20)を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のトルク/アングルレンチ較正用可動装置。
【請求項7】
前記トルクアクチュエーター(13)は回転軸線(16)でトルクセンサー(14)と収容部(12)を介して前記トルク/アングルレンチと連結するレバー部材(21)を含み、前記回転軸線(16)にトルクをかけるためのアクチュエーター部材(22)が前記レバー部材(21)の端部側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のトルク/アングルレンチ較正用可動装置。
【請求項8】
前記トルク/アングルレンチ(10)は、電子的にトルクを測定する装置と、特に電子的に回転アングルを測定するための装置を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のトルク/アングルレンチ較正用可動装置。
【請求項9】
特に少なくとも、トルクを電子的に測定するための装置、及び/又は、
トルク/アングルレンチ(10)及び/又は回転アングルセンサー14)及び/又はトルク測定システム(11)の回転アングルセンサー(17)及び/又は回転アングル測定センサー(15)の回転アングルセンサー(17)の回転アングルを電子的に測定するための装置、
が電気的に接続される制御装置を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のトルク/アングルレンチ較正用可動装置。
【請求項10】
前記回転アングルアクチュエーター(18)を制御することによって前記トルク測定システム(11)の同時回転に応答してトルク/アングルレンチ(10)にトルクを加えるために、前記トルクアクチュエーター13を制御することによって制御装置(23)は実行されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載のトルク/アングルレンチ較正用可動装置。
【請求項11】
前記トルク測定システム(11)は、収容部支持体に支えられていて、特に前記トルク測定システム(11)は前記収容部支持体により回動可能になるようテーブル脚(27)で支えられる測定テーブル(24)を備えることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載のトルク/アングルレンチ較正用可動装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−56077(P2012−56077A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−192431(P2011−192431)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(593087949)エドゥアルト ヴィレ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (8)
【氏名又は名称原語表記】Eduard Wille GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Lindenallee 27, D−42349 Wuppertal, Germany
【Fターム(参考)】