説明

トレイを備えたディスク装置

【課題】ディスクの回転時におけるトレイの振動を効果的に抑制できるようにする。
【解決手段】フレーム7の後壁部7Dに一対の下リブ21と上リブ22を形成する。下リブ21と上リブ22はトレイ2の後端縁と係合する位置に形成される。これにより、トレイ2がディスク再生位置にあるとき、下リブ21と上リブ22とで前記トレイ2の後端縁を挟着し、ディスクの回転時における前記トレイ2の振動を抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク状の記憶媒体(以下、単にディスクと称す)をディスク着脱位置とディスク再生位置との間で往復動自在に案内し、前記ディスク再生位置において前記ディスクの記録或いは再生を行うトレイを備えたディスク装置に関し、特に、ディスクの記録或いは再生時におけるトレイの振動を抑える構造を備えたディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からディスクの記録或いは再生を行うディスク装置は、据え置きのDVDプレーヤやCDプレーヤ等に限られず、テレビジョン受像機本体にも内蔵されるなど、その適用は広範囲に及んでいる。このようなディスク装置は、ディスクを載置するトレイと、該トレイを移動自在に支持する樹脂製のフレームと、前記ディスクの記憶面にレーザー光を照射して該ディスクの再生或いは記憶面へ記録するピックアップユニットとを主要構成部材として備えている。そして、ディスクの記録或いは再生を行う際には、トレイをフレーム外側のディスク着脱位置まで移動させて該トレイ上にディスクを載置した後、該トレイをディスク再生位置まで移動させる。前記トレイが前記ディスク再生位置まで移動すると、該トレイに載置したディスクの略中央部分の開口部にターンテーブルの先端部分を嵌合させて該トレイからディスクを浮上させ、浮上したディスクをターンテーブルとクランパとで挟着し、前記ターンテーブルに取着するモータの回転駆動力によって該ディスクを回転させ、ピックアップユニットによって該ディスクに情報を書き込み記録する、或いは該ディスクに記録された情報を読み出して再生する。
【0003】
ところで、前記ディスク装置は、前記ディスクの記録或いは再生時にディスクを高速回転させて記憶面に情報を書き込む、或いは記憶面に記録された情報を読み取ることから、ディスクを高速回転させた際に振動が発生する。このような、ディスク回転時の振動対策として例えば、特許文献1には、筐体(フレーム)内に一端を固定し、その固定部を支点として他端を上下動自在とした弾性板を設け、この弾性板にターンテーブル及び光ピックアップを備えたトラバース機構部を取り付け、ディスクを再生する際、弾性板の他端を上昇させてトラバース機構部のターンテーブルと筐体に設けたクランパとでディスクを挟着することによって、ディスクの高速時に生じる振動を弾性板で吸収するように構成したディスク駆動装置が開示されている。また、特許文献2には、トレイに半円状のトレイ防振部(凸部)を突出し、筐体にトレイ防振部と係合可能な保持部を形成し、筐体内部のディスク再生位置にあるときには、トレイ防振部を筐体の保持部と係合させることによって、ディスク回転時にトレイに伝わる振動を防止するように構成したディスクドライブ装置が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−106231号公報
【特許文献2】特開2005−222590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1で示すディスク装置は、ディスクを回転駆動するターンテーブルを含むトラバース機構部を弾性板で支持することによってディスク回転時に発生する振動を弾性板で吸収するものであるが、この振動が筐体を介してトレイに伝わり、移動自在に備えたトレイが前記振動の影響によって筐体と繰り返し当接することで異音が発生する虞がある。この点、特許文献2で示すディスク装置は、トレイから突出したトレイ防振部を筐体の保持部に突き当て、この保持部によってトレイの両側あるいはトレイの上下を挟み付けてトレイの振動を抑制することができるが、トレイの両側面あるいは上下面に半円状のトレイ防振部を形成することからトレイ防振部を形成する分、筐体の横幅あるいは高さ寸法が大きくなり、装置の大型化を招く。また、トレイ側にトレイ防振部を形成し、筐体側にトレイ防振部と係合する保持部を形成する必要があり、トレイ及び筐体の形状が複雑化し、成形コストの増加を招く、という課題を有していた。
【0006】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、簡単かつ安価な構造でトレイの振動を効果的に抑制することが可能なトレイを備えたディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1のトレイを備えたディスク装置は、ディスク状の記憶媒体を載置するトレイと、このトレイをディスク着脱位置とディスク再生位置との間で往復動自在に案内するフレームとを備え、前記フレームには、前記ディスク再生位置に格納したトレイと係合し、該トレイの振動を抑える防振手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項1の構成により、駆動機構によってトレイをフレームの内側に移動し、該トレイ上に載置されたディスクがフレームの内側に完全に収納される。この状態にある位置がディスク再生位置であり、前記トレイが前記ディスク再生位置まで移動すると、該トレイの後端縁が防振手段と係合する。この状態でターンテーブルが上昇し、前記ターンテーブルとクランパとでディスクを挟み付けた状態からモータの回転駆動力による該ターンテーブルの回転によって前記ディスクが回転すると同時にピックアップユニットからレーザー光が照射され、前記ピックアップユニットが前記ディスクの半径方向に移動してディスクに対する記録或いは再生処理が実行される。この時、ディスクの回転による振動がトレイに伝わるが、前記トレイの後端縁は防振手段によって振動が抑制される。
【0009】
請求項2のトレイを備えたディスク装置は、請求項1記載のトレイを備えたディスク装置において、前記防振手段が、前記フレームに一体形成した下リブと上リブとで構成され、この下リブと上リブで前記トレイの後端縁部を挟持してトレイの振動を抑えるように構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項2の構成により、トレイがディスク再生位置まで移動すると、トレイの後端縁が下リブと上リブとで上下から挟着され、ディスクの回転によるトレイの振動が抑制される。
【0011】
請求項3のトレイを備えたディスク装置は、請求項1記載のトレイを備えたディスク装置において、前記防振手段が、前記トレイの後端縁部に設けた弾性体と、前記フレームに設けた係合用リブとで構成され、前記ディスク再生位置で前記弾性体と係合用リブとを弾性的に係合させたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の構成により、トレイがディスク再生位置まで移動すると、前記トレイの弾性体がフレームの係合用リブと係合し、前記トレイには前記係合用リブによって下方に向かう付勢力が付与され、ディスクの回転によるトレイの振動が抑制される。
【0013】
請求項4のトレイを備えたディスク装置は、請求項3記載のトレイを備えたディスク装置において、前記弾性体を、前記トレイに固定した板バネで構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項4の構成により、トレイがディスク再生位置まで移動すると、前記トレイの板バネがフレームの係合用リブと係合し、前記トレイには前記板バネによって下方に向かう付勢力が付与され、ディスクの回転によるトレイの振動が抑制される。
【0015】
請求項5のトレイを備えたディスク装置は、請求項3記載のトレイを備えたディスク装置において、前記弾性体を、前記トレイの後端部に形成する溝部によって弾性変形可能に設けた弾性腕で構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項5の構成により、トレイがディスク再生位置まで移動すると、前記トレイの弾性腕がフレームの係合用リブと係合し、前記トレイには前記弾性腕によって下方に向かう付勢力が付与され、ディスクの回転によるトレイの振動が抑制される。
【発明の効果】
【0017】
請求項1のトレイを備えたディスク装置によれば、ディスク状の記憶媒体を載置するトレイと、このトレイをディスク着脱位置とディスク再生位置との間で往復動自在に案内するフレームとを備え、前記フレームには、前記ディスク再生位置に格納したトレイと係合し、該トレイの振動を抑える防振手段を設けたものであるから、ディスク再生位置にあるトレイが防振手段と係合し、ディスクの回転時におけるトレイの振動を抑制することができる。
【0018】
請求項2のトレイを備えたディスク装置によれば、請求項1記載のトレイを備えたディスク装置において、前記防振手段が、前記フレームに一体形成した下リブと上リブとで構成され、この下リブと上リブで前記トレイの後端縁部を挟持してトレイの振動を抑えるように構成したものであるから、ディスク再生位置にあるトレイを下リブと上リブで挟持することによって、ディスクの回転時におけるトレイの振動を抑制することができる。
【0019】
請求項3のトレイを備えたディスク装置によれば、請求項1記載のトレイを備えたディスク装置において、前記防振手段が、前記トレイの後端縁部に設けた弾性体と、前記フレームに設けた係合用リブとで構成され、前記ディスク再生位置で前記弾性体と係合用リブとを弾性的に係合させたものであるから、ディスク再生位置にあるトレイには、弾性体と係合用リブとの係合によって下方に向かう付勢力が付与され、ディスクの回転時におけるトレイの振動を抑制することができる。
【0020】
請求項4のトレイを備えたディスク装置によれば、請求項3記載のトレイを備えたディスク装置において、前記弾性体を、前記トレイに固定した板バネで構成したものであるから、ディスク再生位置にあるトレイは、前記トレイの板バネとフレームの係合用リブとが係合し、前記トレイには板バネによって下方に向かう付勢力が付与されるから、ディスクの回転時におけるトレイの振動を抑制することができる。
【0021】
請求項5のトレイを備えたディスク装置によれば、請求項3記載のトレイを備えたディスク装置において、前記弾性体を、前記トレイの後端部に形成する溝部によって弾性変形可能に設けた弾性腕で構成したものであるから、ディスク再生位置にあるトレイは、前記トレイの弾性腕とフレームの係合用リブとが係合し、前記トレイには弾性腕によって下方に向かう付勢力が付与されるから、ディスクの回転時におけるトレイの振動を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の具体的実施例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施態様は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するためのものではない。
【実施例1】
【0023】
図1及び図2は本発明の実施例1を示すものであり、図1はディスク装置の斜視図、図2は防振手段を示す拡大断面図であり、同図に示すように、本実施例のディスク装置1は、図示しないディスクを搬入/搬出するトレイ2と、前記ディスクを回転駆動するターンテーブル及びディスクの半径方向へ進退可能に設けたピックアップユニットなどから成るトラバースユニットを主要構成部品とし、前記トラバースユニットを合成樹脂製のフレーム7に組付けている。なお、本発明はトレイ2とフレーム7との関係に特徴を有しており、本発明の特徴をより明確とするため、図中において前記ターンテーブル及び前記ピックアップユニットなどから成るトラバースユニットは省略している。
【0024】
前記フレーム7は、底壁部7Aと、この底壁部7Aの左右両側に一体形成する側壁部7Bと、底壁部7Aの前後に一体形成する前壁部7C及び後壁部7Dとで構成された有底箱型に形成され、その上面開口部は図示しない蓋体で密閉される。前記トラバースユニットは前記底壁部7Aに形成する開口部(図示せず)に臨ませて取り付けられ、前記トラバースユニットに取り付けられるターンテーブルと対向して前記フレーム7の上面開口部を覆う前記蓋体にクランパが固定され、このクランパとターンテーブルとでディスクを挟持して前記ディスクを回転駆動する。また、前記側壁部7Bの内面には前記トレイ2を案内するガイドリブ10が形成され、このガイドリブ10に沿わせてトレイ2をフレーム7に対して前後方向に移動するように構成している。
【0025】
前記トレイ2は射出成形などにより成形され、全体として平板状に成形されている。このトレイ2の上面には、図1に示されるように、段付きのほぼ円形の凹部2A,2Bが形成してあり、1段目の凹部2Aには、例えば12センチCDなどのディスクが載置でき、2段目の凹部2Bには、例えば8センチCDなどのディスクが載置できる。また、トレイ2には、フレーム7内に収納されるときに、ターンテーブルやピックアップユニットなどと機械的に干渉しないように、開口部11が形成してある。そして、フレーム7の後壁部7Dにはトレイ2の後端縁に係合してディスクの回転時における前記トレイ2の振動を抑えるための防振手段20が形成されている。この防振手段20は、下リブ21と上リブ22とで構成され、トレイ2がディスク再生位置であるフレーム7の内側に配置された際、下リブ21と上リブ22との間に前記トレイ2の後端縁が挟着される構造としている。すなわち、下リブ21と上リブ22は、フレーム7の板厚より僅かに狭い間隔を有してトレイ2の後端縁を挟み付けるように左右にずらして段違い状に配置されている。また、下リブ21の上端部と上リブ22の下端部にはトレイ2の後端縁を誘い込むように前記トレイ2を受け入れるためのテーパー部21A,22Aが形成されている。
【0026】
前記トレイ2は、トレイ駆動機構によってフレーム7の内側から前記フレーム7の外側に移動すると、トレイ2の上面に形成する凹部2A,2Bがフレーム7の外側へと露出した状態で図示しないストッパ機構によってトレイ2の駆動が停止し、凹部2A又は凹部2Bへのディスクの載置、或いは凹部2A又は凹部2Bに載置されたディスクの取り出しが可能となり、この位置がディスク着脱位置となる。そして、ディスク着脱位置においてトレイ2の凹部2A又は凹部2Bにディスクを載置し、トレイ駆動機構によって前記トレイ2が載置されたディスクと共にフレーム7の内側へと完全に収納される。この状態では、ディスクの略中央部分の開口部とターンテーブル及びクランパとが一致し、この状態にある位置がディスク再生位置となる。このように、トレイ2がディスク再生位置まで移動すると、前記トレイ2の後端縁が下リブ21と上リブ22とによって上下から挟着される。この状態でトラバースユニットに取り付けたターンテーブルが上昇して該ターンテーブルとクランパとでディスクを挟み付けた状態でモータの回転駆動力によるターンテーブルの回転によってディスクが回転し、同時にピックアップユニットからレーザー光が照射され、前記ピックアップユニットがディスクの半径方向に移動してディスクに対する記録或いは再生処理が実行される。
【0027】
以上のように、本実施例におけるディスク装置1は、フレーム7の後壁部7Dに形成する一対の下リブ21と上リブ22によって防振手段20が構成され、トレイ2がディスク再生位置にあるとき、下リブ21と上リブ22との間にトレイ2の後端縁を挟着することによってディスクの回転によるトレイ2の振動を抑えることができる。また、下リブ21と上リブ22にはそれぞれテーパー部21A,22Aが形成されているから、トレイ2をディスク再生位置へと移動する際、前記トレイ2の後端縁がテーパー部21A,22Aによって案内され、下リブ21と上リブ22との間に確実に誘い込まれる。このように、下リブ21と上リブ22とでトレイ2の後端縁を上下に挟み付けることによって、前記トレイ2の上下方向の振動を効果的に抑制することができる。すなわち、トレイ2の両側をフレーム7に形成するガイドリブ10によって規制された状態で案内されるが、前記トレイ2は移動可能な構成としていることから前記トレイ2とガイドリブ10との間には必ず隙間(クリアランス)が設けられており、この隙間によって通常であればディスクの回転時におけるトレイ2の振動が前記ガイドリブ10と干渉して異音が発生することとなるが、本実施例のように下リブ21と上リブ22とでトレイ2を上下に挟み付けることによってトレイ2の振動を抑制し、異音を効果的に抑えることができる。
【0028】
また、防振手段20をフレーム7の後壁部7Dに形成することによって、ディスク装置1の横幅や高さ寸法が増大することなく、トレイ2の振動を抑制することが可能となる。すなわち、ディスク再生位置に移動したトレイ2の後端縁とフレーム7の後壁部7Dとの間には防振手段を設けるための隙間が必要となるが、本実施例のようにフレーム7の後壁部7Dに下リブ21と上リブ22を形成したとしてもフレーム7の奥行き寸法には影響しない。したがって、特許文献2のようにトレイの両側又は上下に突状のトレイ防振部を形成し、筐体(フレーム)側にトレイ防振部と係合する保持部を形成する場合に比べ、ディスク装置1が大型化することなくトレイ2の振動を抑制することが可能であると共に、前記トレイ2側に特別な加工を施す必要もないから、コスト的にも安価である。
【実施例2】
【0029】
図3及び図4は本発明の実施例2を示し、前記実施例1と同一機能を有する部分には同一符号を付し、重複する部分の説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0030】
本実施例では、防振手段30としてトレイ2の後端部に固定された弾性体たる板バネ31と係合用リブ32とで構成されている。板バネ31はネジ33によってトレイ2の後端部に固定され、係合用リブ32は板バネ31と係合して前記板バネ31を上方側から押圧するようにフレーム7の後壁部7Dに設けられている。また、前記係合用リブ32の下端部には板バネ31を誘い入れるためのテーパー部32Aが形成されている。
【0031】
以上にように構成される本実施例においては、トレイ2の後端部にねじ33によって固定された板バネ31と、この板バネ31に係合する係合用リブ32とによって防振手段30が構成され、トレイ2がディスク再生位置にあるとき、前記板バネ31が前記係合用リブ32と係合して下方に押し付けられる。その結果、トレイ2は前記板バネ31によって下方に向かう付勢力が付与され、ディスクの回転時におけるトレイ2の振動を抑えることができる。また、前記係合用リブ32には実施例1と同様、テーパー部32Aが形成されているため、トレイ2をディスク再生位置へと移動する際、テーパー部32Aによってトレイ2の後端部に固定された板バネ31が係合用リブ32へと確実に誘い込まれる。なお、本実施例では板ばね31と係合用リブ32との係合によってトレイ2の振動を抑える構造としているため、例えば前記トレイ2の成形時において反りや撓みが生じて成形された場合であっても、前記トレイ2に固定する板ばね31とフレーム7の後壁部7Dに形成する係合用リブ32との係合状態における負荷の変動を軽減することができる。
【実施例3】
【0032】
図5及び図6は本発明の実施例3を示し、前記各実施例と同一機能を有する部分には同一符号を付し、重複する部分の説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0033】
前記実施例2では、弾性体を板バネ31で構成した例を示したが、本実施例では弾性体としてトレイ2の後端両側に弾性腕45を一体形成し、この弾性腕45と係合用リブ32とで防振手段40を構成している。弾性腕45はトレイ2の後端縁に形成する凹部46と溝部47によって弾性変形可能に形成されている。
【0034】
以上にように構成される本実施例においては、トレイ2の後端部に一体形成された弾性腕45と、この弾性腕45に係合する係合用リブ32とによって防振手段40が構成され、トレイ2がディスク再生位置にあるとき、前記弾性腕45が前記係合用リブ32と係合して前記弾性腕45が下方に押し付けられる。その結果、トレイ2は前記弾性腕45によって下方に向かう付勢力が付与され、ディスクの回転時におけるトレイ2の振動を抑えることができる。また、本実施例においては、トレイ2に凹部46と溝部47とを形成することによって弾性体として弾性腕45を一体に形成することから、トレイ2に対して別途弾性体を固定する必要がないことから、部品点数を増加することなく組み付け作業を簡略化することができる。
【0035】
以上、本発明の一実施例を詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものでなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上リブと下リブや弾性体としての板バネや弾性腕の数は適宜選定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1におけるフレームにトレイを組み付けた状態を示す斜視図である。
【図2】同上、防振手段を示す概略的な断面図である。
【図3】本発明の実施例2におけるフレームにトレイを組み付けた状態を示す斜視図である。
【図4】同上、防振手段を示す概略的な断面図である。
【図5】本発明の実施例3におけるフレームにトレイを組み付けた状態を示す斜視図である。
【図6】同上、防振手段を示す概略的な断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ディスク装置
2 トレイ
7 フレーム
20,30,40 防振手段
21 下リブ
22 上リブ
31 板バネ(弾性体)
32 係合リブ
45 弾性腕(弾性体)
47 溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状の記憶媒体を載置するトレイと、このトレイをディスク着脱位置とディスク再生位置との間で往復動自在に案内するフレームとを備え、前記フレームには、前記ディスク再生位置に格納したトレイと係合し、該トレイの振動を抑える防振手段を設けたことを特徴とするトレイを備えたディスク装置。
【請求項2】
前記防振手段が、前記フレームに一体形成した下リブと上リブとで構成され、この下リブと上リブで前記トレイの後端縁部を挟持してトレイの振動を抑えるように構成したことを特徴とする請求項1記載のトレイを備えたディスク装置。
【請求項3】
前記防振手段が、前記トレイの後端縁部に設けた弾性体と、前記フレームに設けた係合用リブとで構成され、前記ディスク再生位置で前記弾性体と係合用リブとを弾性的に係合させたことを特徴とする請求項1記載のトレイを備えたディスク装置。
【請求項4】
前記弾性体を、前記トレイに固定した板バネで構成したことを特徴とする請求項3記載のトレイを備えたディスク装置。
【請求項5】
前記弾性体を、前記トレイの後端部に形成する溝部によって弾性変形可能に設けた弾性腕で構成したことを特徴とする請求項3記載のトレイを備えたディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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