説明

トレイ搬送システム

【課題】「先入後出」式の保管手段と、「選択出入」式の保管手段とを、適宜組み合わせて搬送経路に配置することで、効率の良い搬送を可能とするトレイ搬送システムを提案する。
【解決手段】板状ワーク1をトレイ2に格納した状態で搬送し、トレイ2から板状ワーク1を取り出す手段と、トレイ2へ板状ワーク1を格納する手段と、トレイ2を保管するための複数の保管装置15とを搬送経路3に備えた。処理時間の実行間隔に均一性を要求される処理装置に対しては、その処理装置へ至る搬送経路に、積層した状態に保管されたトレイ2から所望のトレイ2を選択的に搬送経路3へ取り出す、選択出入式の保管装置15Bを備えた。その他の処理装置に対しては、その処理装置へ至る搬送経路上に、トレイ2を積層した状態に保管し最下層に積層されたトレイ2から順次搬送経路3へ取り出す、先入後出式の保管装置15Aを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工や検査等のために板状ワークを搬送するトレイ搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子ディスプレイ(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ)等に用いる板状ワークを搬送経路に沿って搬送しながら製造するトレイ搬送システムが知られている。
このようなトレイ搬送システムでは、ローラコンベヤを搬送手段とした搬送経路に沿って、板状ワークの処理装置が処理の順番に従って一列に配置される。そして、未加工の板状ワークを搬送経路に沿って搬送し、搬送経路の各部に設けた処理装置で順番に加工処理が施される。
【0003】
板状ワークは、トレイ等の保護ケースに格納した状態で、前記搬送経路に投入される。
そこで、板状ワークを処理装置に供給する際に、板状ワークをトレイから取り出すための手段と、搬送経路から板状ワークを処理装置に搬送するための手段と、板状ワークの取り出されたトレイを保管しておくための手段と、処理後に再び板状ワークをトレイに格納するための手段と、処理装置から搬送経路に板状ワークを搬送するための手段とが必要となる。
【0004】
上記の課題を解決するため、本出願人より、板状ワークをトレイから取り出したり格納したりするための手段と、トレイを積層した状態に保管しておくための手段とに関する発明が、複数件出願されている。例えば、特許文献1や特許文献2である。
【0005】
上記の出願においては、トレイを積層した状態に保管しておくための手段として、先に保管手段に保管されたトレイが最後に搬送経路へ取り出される、所謂、「先入後出」式のもの(特許文献1)と、保管手段に保管された順番に拘わらず、任意のトレイを選択して搬送装置へ取り出すことのできる、所謂、「選択出入」式のもの(特許文献2)とが、それぞれ提案されている。なお、「選択出入」式の保管手段は、先に保管手段に保管されたトレイから順に搬送経路へ取り出される、所謂、「先入先出」式の保管手段としても機能することができる。
【特許文献1】特開2004−168484号公報
【特許文献2】特開2004−168469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記「先入後出」式、「選択出入」式の保管手段はそれぞれに特徴があり、また、それぞれに利点がある。例えば、「選択出入」式の保管手段では、任意の順番でトレイを取り出すことができるため、板状ワークの処理間の待ち時間が決められている処理装置に板状ワークを供給する場合や、先に保管された板状ワークを先に処理したい場合等に適している。「先入後出」式の保管手段は、「選択出入」式のものより、装置の構成を簡易とすることができるため、高速化、小型化することができ、コストを抑えることができる。
【0007】
そこで、本発明では、上記従来技術に鑑み、トレイの先出し後入れを実行可能な保管手段と、トレイの先出し先入れを実行可能な保管手段と、任意のトレイを選択して出し入れ可能な保管手段とを、適宜組み合わせて搬送経路に配置することで、効率の良い搬送を可能とするトレイ搬送システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、板状ワークをトレイに格納した状態で搬送し、トレイから板状ワークを取り出す手段と、トレイへ板状ワークを格納する手段と、搬送経路においてトレイを保管するための保管手段とを搬送経路に備えたトレイ搬送システムであって、上記保管手段として、トレイを順次一方向へ積層した状態に保管するとともに、最後に積層されたトレイから順次搬送経路へ取り出すことの可能な、先入後出式の保管装置と、トレイを順次一方向へ積層した状態に保管するとともに、最初に積層されたトレイから順次搬送経路へ取り出すことの可能な、選択出入式の保管装置とを備えるものである。
【0010】
請求項2においては、板状ワークをトレイに格納した状態で搬送し、トレイから板状ワークを取り出す手段と、トレイへ板状ワークを格納する手段と、搬送経路においてトレイを保管するための保管手段とを搬送経路に備えたトレイ搬送システムであって、上記保管手段として、トレイを順次一方向へ積層した状態に保管するとともに、最後に積層されたトレイから順次搬送経路へ取り出すことの可能な、先入後出式の保管装置と、トレイを積層した状態に保管するとともに、保管されたトレイから所望のトレイを選択的に搬送経路へ取り出すことの可能な、選択出入式の保管装置とを備えるものである。
【0011】
請求項3においては、前記選択出入式の保管装置に、該保管装置に保管される積層トレイのうち、取出選択したトレイの上方に積層されるトレイと、取出選択したトレイの下方に積層されるトレイとを、取出選択したトレイの搬送経路への取出動作に干渉しない位置へ退避させる手段を備えるものである。
【0012】
請求項4においては、前記搬送経路に沿って複数の処理装置を配置し、処理時間の実行間隔に均一性を要求される処理装置に対しては、その処理装置へ至る搬送経路上に、前記選択出入式の保管装置を設け、他の処理装置に対しては、当該他の処理装置へ至る搬送経路上に、前記先入後出式の保管装置を設けるものである。
【0013】
請求項5においては、前記先入後出式の保管装置を、搬送経路上でトレイから板状ワークを取り出す手段とトレイへ板状ワークを格納する手段との間に設け、前記選択出入式の保管装置を、トレイから板状ワークを取り出す手段の搬送経路上流と、トレイへ板状ワークを格納する手段の搬送経路下流とのうち、いずれか一方、若しくは、両方に設けるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1においては、先入後出式の保管手段と、トレイの先入先出を実行する選択出入式の保管手段とを適宜組み合わせて搬送経路に備えることで、効率の良い搬送が可能となる。
【0016】
請求項2においては、先入後出式の保管手段と、任意のトレイを選択して出し入れ可能な選択出入式の保管手段とを適宜組み合わせて搬送経路に備えることで、効率の良い搬送が可能となる。
【0017】
請求項3においては、積層保管されたトレイのうち所望のトレイを選択的に取り出すための機構を簡易に構成できる。
【0018】
請求項4においては、トレイ搬送システム全体の搬送経路の短縮と、トレイ搬送システムの構成に係るコストとの均衡を図りながら、効率の良い搬送を行うことができる。
【0019】
請求項5においては、板状ワークの搬送に関しては先入れ先出しを可能としながら、トレイ単体の搬送に際しては先入れ後出しとすることで、トレイ搬送システムのコストを低減している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施例に係るトレイ搬送システムの全体的な構成を示した図である。
図2は搬送コンベヤの構造を示す図、図3は板状ワークとトレイとの構造を示す図、図4は積層されたトレイを示す図、図5は移載装置の構造を示す図である。
図6は先入後出式保管装置の構造を示す図、図7は一枚のトレイが保管された保管装置の様子を示す図、図8は新たにトレイを保管しようとする保管装置の様子を示す図、図9は一枚のトレイが保管された保管装置の様子を示す図である。
図10は選択出入式保管装置の構造を示す図、図11は新たにトレイを保管しようとする保管装置の様子を示す図、図12は三枚のトレイが保管された保管装置の様子を示す図、図13はトレイが搬送経路へ取り出された保管装置の様子を示す図である。
図14はトレイ搬送システムにおける保管装置の配置を説明する図である。
【0021】
図1及び図14に示す如く、トレイ搬送システム100は、板状ワーク1を格納するトレイ2を、搬送経路3に沿って搬送するものである。
本発明のトレイ搬送システム100で取り扱う板状ワーク1としては、電子ディスプレイ(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)に用いられる板状ワークや、有機ELに用いられる樹脂板等がある。
また、処理装置5は、電子ディスプレイの製造工場であれば、例えば、洗浄装置や、検査装置、成膜装置、エッチング装置等、板状ワーク1に処理を施すための装置、又は、これらの装置の組み合わせである。但し、処理装置5は、上記一例として挙げた処理に限定されるものではい。
【0022】
トレイ2の搬送手段は搬送コンベヤ4としており、搬送コンベヤ4・4・・・を直線状に連結して、搬送経路3が構成される。
搬送経路3の途中には、搬送経路3上を搬送されるトレイ2から板状ワーク1を取り出すための移載装置32(32A)と、処理装置5へ板状ワーク1を受け渡すため連絡コンベヤ30(30A)と、処理装置5から板状ワーク1を搬送経路3へ受け渡すための連絡コンベヤ30(30B)と、搬送経路3上を搬送されるトレイ2へ板状ワーク1を格納するための移載装置32(32B)等が、配置される。
また、搬送経路3の途中において、トレイ2を積層した状態に保管する保管装置15(15A)・15(15B)が備えられる。
なお、コンベヤ30および移載装置32の符号は、処理装置5に対する搬入側に符号Aを付し、処理装置5に対する搬出側に符号Bを付したものとしている。
【0023】
[搬送コンベヤ4]
前記搬送コンベヤ4について説明する。
図1及び図2に示す如く、搬送コンベヤ4には、トレイ2を支持するとともに搬送する多数のローラ13・13・・・と、ローラ13の駆動力伝達機構を格納する本体4aと、搬送方向の左右端で本体4aに立設するガイド4b・4bとが、備えられる。また、本体4aは支持脚4c・4c・・・により、床面上方で支持される。
搬送方向沿って直列に配置されたローラ13・13・・・にて複数のローラ列が構成され、本体4aに備えられた駆動手段としてモータ(図示せず)の動力が、ベルトやプーリ等の駆動力伝達手段を介して伝達され、各ローラ13が駆動される。これにより、ローラ13・13・・・上をトレイ2が搬送方向に移動され、搬送経路3上を搬送されることとなる。
【0024】
[トレイ2]
前記トレイ2について説明する。
図1及び図3に示す如く、板状ワーク1は板面1aが搬送コンベヤ4の搬送面と略平行となる姿勢でトレイ2に格納される。板状ワーク1を格納したトレイ2は、搬送コンベヤ4により搬送経路3上を搬送され、該搬送経路3に沿って配設された処理装置5の側方まで搬送されて来たときに、移載装置32によりトレイ2から板状ワーク1が取り出されて連絡コンベヤ30に移載される。
【0025】
図3に示す如く、トレイ2の形状は、板状ワーク1の形状に対応して板状とされる。
トレイ2は主に底面2a、ガイド2b、ガイド2c、係合凹部2d、突出部2e、係合穴2f、段差部2h、板状ワーク1を載置して支持するための支持体14、移載装置32にて板状ワーク1の受け渡しに利用する通過孔31などで構成される。
【0026】
底面2aの搬送方向前後両端には、支持体14の上端よりも上方に延出するガイド2b・2bが立設され、板状ワーク1の搬送方向前後への脱落防止が図られる。一方、底面2aの搬送方向左右周縁部には、前後一対のガイド2c・2cがそれぞれ立設され、板状ワーク1の搬送方向左右への脱落防止が図られる。
【0027】
トレイ2には、前記ガイド2bの上面の左右に、突出部2e・2eが突設されるとともに、底面2aの下面より上側に向けて係合穴2f・2f・・・が形成される。そして、図4に示す如く、トレイ2・2を上下に重ねると、各突出部2eが各係合穴2fに係合し、積層されたトレイ2・2の水平方向への移動が制止され、トレイ2を精度良く多数積層できる。
【0028】
[移載装置32]
前記移載装置32について説明する。
なお、板状ワーク1をトレイ2より取り出す移載装置32Aと、板状ワーク1をトレイ2へ格納する移載装置32Bとは、略同一の構成であり、後述する移載ローラ36の回転方向を切り換えることで、板状ワーク1をトレイ2より取り出す動作と、板状ワーク1をトレイ2へ格納する動作とを切り換え、移載装置32A又は移載装置32Bとして機能させる。
【0029】
図5に示す如く、移載装置32は、主に基部33、昇降台34、ローラユニット35、移載ローラ36、制御装置40などで構成される。
移載装置32は搬送経路3を構成する搬送コンベヤ4の下方に配置される。
移載装置32の基部33は上下方向に昇降する機構を有し、該基部33の上部には昇降台34が設けられる。また、昇降台34の上面には、ローラユニット35・35・・・が立設され、該ローラユニット35の上面には軸線方向が搬送経路3の搬送方向と略一致する移載ローラ36・36・・・が回転駆動可能に枢着される。なお、移載装置32の昇降および移載ローラ36の回転駆動は、制御手段40により制御される。
【0030】
一方、搬送コンベヤ4の底面には開口部が穿設されており、ローラユニット35は搬送コンベヤ4底面の開口部を貫通して上方に突出している。
ローラユニット35上面の高さは、移載装置32が下降しているときに、搬送コンベヤ4のローラ13・13・・・の上端よりも低く、搬送経路3に沿って搬送されるトレイ2の底面と当接しない、待機位置にある。
また、ローラユニット35上面の高さは、移載装置32が上昇しているときに、搬送コンベヤ4のローラ13・13・・・の上端よりも高く、搬送経路3に沿って搬送されるトレイ2の底面と当接する、移載位置にある。
すなわち、移載装置32は、制御手段40により、ローラユニット35を待機位置と移載位置との間で切り替え自在に制御することで、トレイ2から板状ワーク1だけを移載することができる。
【0031】
さらに、ローラユニット35・35・・・は、トレイ2が搬送コンベヤ4上、かつ移載装置32の直上に位置するときに、トレイ2の底面2aに穿設された通過孔31・31・・・と平面視で略一致するように配置される。
ローラユニット35・35・・・の上面に設けられた移載ローラ36・36・・・は、その上端がローラユニット35・35・・・上面よりもさらに上方に突出し、移載装置32が上昇しているときに、移載ローラ36の上端は、搬送経路3上のトレイ2に設けられた支持体14の上端よりも高い位置に来る。
【0032】
以上の如く構成することにより、トレイ2が搬送コンベヤ4上、かつ移載装置32の直上に位置するときに移載装置32が上昇すると、ローラユニット35はトレイ2の通過孔31より上方に突出する。そして、トレイ2に板状ワーク1が格納されているときには、該板状ワーク1の下面は移載ローラ36・36・・・上端により支持され、支持体14から離間して持ち上げられた状態となる。
この状態で移載ローラ36が回転駆動されると、移載ローラ36に支持されている板状ワーク1は搬送経路3の側方に搬送されるとともに、トレイ2が搬送コンベヤ4上を搬送方向に搬送される。
これにて、トレイ2から板状ワーク1を取り出して板状ワーク1を連絡コンベヤ30Aへ移載する、或いは、連絡コンベヤ30Bにて搬送されてきた板状ワーク1をトレイ2に格納することができる。
【0033】
[連絡コンベヤ30]
前記連絡コンベヤ30について説明する。
図1に示す如く、連絡コンベヤ30(30A)・30(30B)は、搬送コンベヤ4に設けられた移載装置32の側方に配置される。
搬送経路3の上流側に設けられている連絡コンベヤ30(30A)は、搬送経路3と処理装置5の搬入口(図示せず)とを接続しており、板状ワーク1を搬送経路3から処理装置5に搬入するための搬入経路となる。また、搬送経路3の下流側に設けられている連絡コンベヤ30(30B)は、搬送経路3と処理装置5の搬出口(図示せず)とを接続しており、板状ワーク1を処理装置5から搬送経路3へ搬出するための搬出経路となる。
【0034】
連絡コンベヤ30の基本的な構成は搬送コンベヤ4と略同一であり、多数のローラ37・37・・・と、該ローラ37を回転駆動する駆動力伝達機構(図示せず)と、板状ワーク1が連絡コンベヤ30から脱落しないためのガイド38・38と、支持脚39・39・・・などが備えられる。
【0035】
[保管装置15]
前記保管装置について説明する。
図1に示す如く、搬送経路3の適宜位置には、トレイ2を貯溜する保管装置15(15A・15B)が設けられる。保管装置15は、トレイ2を搬送経路3より一次退避させるものである。また、保管装置15は、保管しているトレイ2を搬送経路3に投入するものである。
なお、保管装置15に保管されるトレイ2は、搬送経路3における保管装置15の配置によって、板状ワーク1が格納された状態又は板状ワーク1が取り出されて空の状態となっている。
【0036】
搬送経路3に設けられる保管装置15には、トレイ2の積載方法及び取出方法で分類することができる。
一つは、積載保管されたのと逆の順番でトレイ2が取り出される、「先入後出式保管装置15A」である。
もう一つは、保管された順番に拘わらず、積層保管されるトレイ2・2・・・のうち任意のトレイ2を取り出すことができる、「選択出入式保管装置15B」である。なお、選択出入式保管装置15Bは、最初に保管したトレイ2から、積載保管されたのと同じ順番で取り出すことができるので、所謂、「先入先出」式の保管装置として機能させることもできる。
以下に、各保管装置の構造について説明する。
【0037】
(先入後出式保管装置15A)
前記先入後出式保管装置15Aについて説明する。
図6に示す如く、先入後出式保管装置15Aは、主に保持手段18、昇降手段19、これらを制御する制御手段41などで構成される。
【0038】
昇降手段19には、床面に載置される基部20と、該基部20に対して上下に進退する昇降台21とが備えられる。昇降台21には、基板21aの前後に板状の部材である支持板21b・21bが立設され、側面視で凹形状とされる。
搬送コンベヤ4の下面には、支持板21b・21bを挿通する開口4d・4dが形成され、支持板21b・21bがローラ13・13間を通過してトレイ2の下面と当接可能とされる。
従って、昇降手段19を昇降させることにより、搬送経路3上、且つ、昇降手段19の直上にあるトレイ2を、搬送経路3から離間して、上方に持ち上げたり、下降させて搬送経路3上に載置したりすることが可能である。
【0039】
保持手段18は、昇降手段19を囲うように、搬送コンベヤ4の外側に配置される四つの制止部22・22・・・から構成される。
各制止部22は、床面に立設する円柱状の支柱23と、該支柱23と同軸に設けられ、支柱23の長手方向を回動軸として回動する回転体24とを備え、回転体24には平面視略L字型の制止部材25が固設される。制止部材25は、制止部22の回動により、トレイ2と係合する係合位置と、トレイ2との係合が解除される係合解除位置との間を、移動可能に構成される。
【0040】
上述の如く構成される先入後出式保管装置15Aによるトレイ2の保管手順について説明する。
図6は、トレイ2が、保管装置15の直上まで搬送コンベヤ4により搬送されてきた状態を示している。図6に示す状態から、まず、保持手段18の制止部22を係合解除位置まで回動させ、トレイ2と制止部材25との係合を解除する。
次に、トレイ2のガイド2b・2bに穿設された係合凹部2d・2dと、前記保持手段18の制止部材25とが略同じ高さとなる位置まで、昇降手段19を上昇させて、トレイ2を上方に持ち上げる。
【0041】
続いて、保持手段18の制止部22を回動させて、トレイ2と制止部材25とを係合させる。この状態が図7に示す状態であり、トレイ2は保持手段18にて支持され、昇降手段19を下降させてもトレイ2は搬送経路3の上方に離間した位置で保持される。なお、このとき、昇降手段19を下降させていれば、保持手段18により保持された状態のトレイ2の下を別のトレイ2が通過することが可能である。
【0042】
図8は、保持手段18によりトレイ2が保持された状態において、別のトレイ2が、昇降手段19の直上まで搬送経路3に沿って搬送されてきた状態を示している。
この状態から、まず、新たに保管するトレイ2の上面が、保持手段18に積層保持されている最下層のトレイ2の底面2aと当接する位置まで昇降手段19を上昇させ、新たに保管するトレイ2を最下層に積層する。
次に、保持手段18の制止部22を回動し、保持手段18に積層保持されている最下層のトレイ2と、制止部材25との係合を解除する。
続いて、新たに保管するトレイ2の係合凹部2d・2dと、保持手段18の制止部材25とが略同じ高さとなる位置まで昇降手段19を上昇させる。
さらに、制止部材25の先端部25aが、新たに保管するトレイ2の係合凹部2d・2dに係合する位置まで、保持手段18の制止部22を回動させる。この状態が図9に示す状態である。
このようにして、保持手段18に積層保持されたトレイ2・2・・・の最下層に新たにトレイ2を積層させることができる。
【0043】
上記先入後出式保管装置15Aに保管されているトレイ2を取り出す手順について説明する。
この先入後出式保管装置15Aに積層状態で保管されているトレイ群は、コンベヤ4により搬送されるトレイ2より上方に位置し、前記トレイ群の下方を、搬送経路3に沿ってトレイ2は移動自在な状態にある。
そこでまず、保持手段18に積層されている最下層のトレイ2に当接するまで、昇降手段19を上昇させる。この状態で、保持手段18の制止部22を回動し、最下層のトレイ2と、制止部材25との係合を解除する。
続いて、最下層のトレイ2より一層上に積層されたトレイ2の係合凹部2d・2dと、保持手段18の制止部材25とが略同じ高さとなる位置まで昇降手段19を降下させる。
さらに、保持手段18の制止部22を回動させ、最下層のトレイ2と保持手段18の制止部材25とを係合させる。
そして、最下層のトレイ2が搬送コンベヤ4上に至るまで、昇降手段19を降下させる。
このようにして、保持手段18に積層されているトレイ2・2・・・のうち、最下層にあるトレイ2から順に、搬送経路3へ取り出される。従って、先に保管された最上層にあるトレイ2が、最後に取り出されることとなる。
【0044】
上記構成の先入後出式保管装置15Aでは、搬送経路3の上方にトレイ2を下方から一方向に積み重ねて積層し保管する。また、積層保管されているトレイ2のうち、最下層に位置するトレイ2から搬送経路3へ取り出す。
但し、搬送経路3の側方に積層した状態にトレイ2を保管する形態のものや、上方から一方向にトレイ2を積み重ねて保管し、積層保管されているトレイ2のうち最上層に位置するトレイ2から搬送経路3へ取り出す形態のものを、先入後出式保管装置15Aとして採用することができる。すなわち、先入後出式保管装置15Aは、上記実施例の構成に限定されず、搬送経路3を搬送されるトレイ2を積層保管可能であり、積層保管された順番と逆の順番で搬送経路3へ取り出すことが可能であるものを、先入後出式保管装置15Aとして採用することができる。
【0045】
(選択出入式保管装置15B)
前記選択出入式保管装置15Bについて説明する。
図10に示す如く、前記選択出入式保管装置15Bには、搬送コンベヤ4の搬送面よりも高位置にトレイ2を積層した状態に保管するための保持手段18と、トレイ2を昇降させ、また、搬送コンベヤ4の搬送面よりも低位置にトレイ2を積層した状態に保管するための昇降手段19と、搬送ローラをトレイ2の搬送面から退避させる退避手段50と、これらを制御する制御手段41などで構成される。
【0046】
昇降手段19には、床面に載置される基部20と、該基部20に対して上下に進退する昇降台21とが備えられる。昇降台21は、上記補助コンベヤ49・49が退避されることにて、搬送面に形成された開口を通じて、搬送面の上下に移動可能とされる。
【0047】
保持手段18は、昇降手段19を囲うように、搬送コンベヤ4の外側に配置される四つの制止部22・22・・・から構成される。各制止部22は、床面に立設する円柱状の支柱23と、該支柱23と同軸に設けられ、支柱23の長手方向を回動軸として回動する回転体24とを備え、回転体24には平面視略L字型の制止部材25が固設される。
なお、上記保持手段18は、前記先入後出式保管装置15Aに具備されるものと略同様の構造である。
【0048】
搬送コンベヤ4の選択出入式保管装置15Bが設けられる部分では、左右一対の補助コンベヤ49・49と、補助コンベヤ49をコンベヤ4の搬送経路の外側に離間させる退避手段50とが設けられ、これらにて、トレイ2を搬送コンベヤ4の搬送面の上下に移動可能とする開口を形成できる。
【0049】
搬送経路3上で、選択出入式保管装置15Bが設けられる部分では、搬送コンベヤ4の代わりに、左右一対の補助コンベヤ49・49が設けられる。補助コンベヤ49は、搬送方向略中央に対して進退可能に設けられた可動枠51・51と、該可動枠51・51に支承された複数の搬送ローラ52・52・・・とで構成される。可動枠51は、搬送方向左右両側に設けられ、搬送方向左右に各一列の搬送ローラ52・52・・・が設けられる。搬送ローラ52・52・・・は図示せぬ駆動機構にてトレイ2を搬送する方向に回転駆動される。
前記可動枠51・51は、油圧式や電動式の退避手段50にて、搬送方向略中央に対して進退駆動される。
【0050】
そして、前記可動枠51・51が搬送方向略中央に対して進出した状態では、補助コンベヤ49・49上をトレイ2が通過し、搬送経路3に沿って、トレイ2を搬送コンベヤ4で搬送できる。また、可動枠51・51が搬送方向略中央に対して後退した状態では、補助コンベヤ49・49が搬送方向左右に後退することにて、搬送コンベヤ4に開口が形成され、該開口を通じてトレイ2が搬送面を上下に自在に移動できる。なお、図10では、補助コンベヤ49・49が搬送方向左右に後退した状態が示されている。
【0051】
上述の如く構成される選択出入式保管装置15Bによるトレイ2の保管手順について説明する。
図11は、トレイ2が、保管装置15の直上まで搬送コンベヤ4により搬送されてきた状態を示している。この状態において、搬送コンベヤ4の搬送面の上方では、保持手段18にて複数のトレイ2・2・・・が積層された状態に保持されている。
【0052】
図11に示す状態から、まず、搬送コンベヤ4上の新たに保管するトレイ2に当接するまで、昇降手段19を上昇させる。
次いで、補助コンベヤ49・49を搬送経路3より後退させる。
そして、新たに保管するトレイ2が、搬送面の上方に積層保持されているトレイ2・2・・・の最下層のトレイ2に積層されるまで、昇降手段19を更に上昇させる。
次いで、保持手段18の制止部22を回動させ、トレイ2と制止部材25との係合を解除する。この状態では積層された全てのトレイ2・2・・・が昇降手段19にて支持される。
続いて、新たに保管するトレイ2のガイド2b・2bに穿設された係合凹部2d・2dと、前記保持手段18の制止部材25とが略同じ高さとなる位置まで、昇降手段19を移動させる。そして、保持手段18の制止部22を回動させ、制止部材25と新たに保管するトレイ2とを係合させる。
次いで、昇降手段19が搬送コンベヤ4の搬送面の下方に至るまで、昇降手段19を降下させ、補助コンベヤ49・49を搬送経路3へ進出させて、補助コンベヤ49・49にてトレイ2を搬送可能な状態とする。
このようにして、図12に示す如く、選択出入式保管装置15Bに、新たにトレイ2を積層させることができる。
【0053】
なお、上記保管手順では、トレイ2は下方から一方向に積み重ねられて、搬送経路3の上方に保管される。但し、選択出入式保管装置15Bでは、積層保管されているトレイ2の任意位置に新たにトレイ2を保管したり、上方から一方向にトレイ2を積み重ねて搬送経路3の下方に保管したりすることもできる。
【0054】
続いて、上述の如く構成される選択出入式保管装置15Bに保管されているトレイ2の一つを選択して取り出す手順について説明する。
【0055】
図12に示す如く、搬送コンベヤ4の搬送面の上方では、保持手段18にて複数のトレイ2・2・・・が積層された状態に保持されている。
この状態から、補助コンベヤ49・49を搬送経路3より後退させ、搬送面の上方に積層保管されているトレイ2・2・・・に当接するまで、昇降手段19を上昇させる。
ここで、前記トレイ2・2・・・群が昇降台21に支持されると、保持手段18の制止部22を回動させ、トレイ2と制止部材25との係合を解除する。
そして、取出選択したトレイ2の一層上のトレイ2のガイド2b・2bに穿設された係合凹部2d・2dと、前記保持手段18の制止部材25とが略同じ高さとなる位置まで、昇降手段19を移動させ、保持手段18の制止部22を回動させ、制止部材25と新たに保管するトレイ2とを係合させる。
このようにして、取出選択したトレイ2の上方に積層されたトレイ2は、保持手段18にて、取出選択したトレイ2の搬送経路3への取出動作に干渉しない位置へ退避される。
【0056】
次いで、取出選択したトレイ2が搬送コンベヤ4の搬送面に至るまで、昇降手段19を降下させ、補助コンベヤ49・49を搬送経路3へ進出させ、補助コンベヤ49・49上をトレイ2が搬送可能な状態とする。
さらに、図13に示す如く、昇降手段19を更に降下させ、取出選択したトレイ2の下層に積層されているトレイ2・2・・・を搬送経路3の下方に昇降手段19にて支持される状態とする。
すなわち、保持手段18と、補助コンベヤ49・49と、昇降手段19にて、取出選択したトレイ2の、上方及び下方に積層されているトレイ2・2・・・は、取出選択したトレイ2の搬送経路3への取出動作に干渉しない位置へ退避されることとなる。
【0057】
なお、図4に示す如く、トレイ2の搬送方向左右周縁部には、段差部2hが形成されており、トレイ2を複数積層すると、トレイ2の段差部2h・2h間に間隙Kが形成される。上記のように、トレイ2が積層された状態で補助コンベヤ49・49を搬送経路3へ進出させた場合、トレイ2間の間隙Kに搬送ローラ52・52・・・が挿入され、該搬送ローラ52・52・・・にてトレイ2が支持されるとともに搬送方向へ搬送される。
このようにして、保管装置15Bに保管されている任意のトレイ2を、搬送コンベヤ4上へ取り出すことができる。
【0058】
なお、上記取り出し手順では、搬送面の上方に積層保管されているトレイ2・2・・・のうち、中間に位置するトレイ2を取出選択したトレイ2としているが、最上層に積層保管したトレイ2から順次取り出すようにしたり、最下層に積層保管されているトレイ2から順次取り出すようにしたりすることができる。また、搬送面の下方に積層保管されているトレイ2・2・・・から、任意のトレイ2を取出選択することもできる。
【0059】
また、上記構成の選択出入式保管装置15Bは、積層保管されているトレイ2の任意位置に新たにトレイ2を保管したり、任意のトレイ2を選択して取り出したりすることができるので、下方から一方向にトレイ2を積み重ねて積層保管し、保管された順番と同じ順番で積層保管されているトレイ2を搬送経路3に取り出す、先入先出式の保管装置として機能させることもできる。
【0060】
以上構成において、選択出入式保管装置15Bは、取出選択したトレイ2の上層に積層されるトレイ群と、取出選択したトレイ2の下層に積層されるトレイ群とを、取出選択したトレイの搬送経路への取出動作に干渉しない位置へ退避させる手段として、保持手段18と、昇降手段19と、退避手段50とを備えている。
特に、保持手段18は、取出選択したトレイ2の上層に積層されるトレイ群を、搬送経路(補助コンベア49・49)の上方に離間させることで、前記干渉しない位置へ退避させる手段である。
昇降手段19は、取出選択したトレイ2の下層に積層されるトレイ群を、搬送経路(補助コンベア49・49)の下方に離間させることで、前記干渉しない位置へ退避させる手段である。
退避手段50は、補助コンベア49・49を搬送経路の外側に移動させる手段であり、昇降手段19による下層トレイ群の退避に際して、その退避経路を形成する手段であり、昇降手段19による下層トレイ群の退避を補助するものである。
【0061】
[保管装置の配置]
上述の先入後出式保管装置15Aは、構造が簡易であり、また、トレイ2の積層や、トレイ2の取り出しが簡易であるため、装置を高速化、小型化できるとともに、装置に係るコストが低いという利点がある。
一方、選択出入式保管装置15Bでは、トレイ2を積層保管した状態から、任意のトレイ2を取り出すことができ、トレイ2の取り出す順番を変更できるので、板状ワーク1の処理や検査、搬出などの順序を適宜変更することができる。
【0062】
図14には、一直線状にコンベアが敷設されてなる搬送経路4を示している。
この搬送経路4上には、処理装置5A・5Bが配置されている。なお、処理装置5Aと処理装置5Bとは、板状ワークに1に施す処理の内容が異なるために、前記の単なる処理装置5とは、異なる符号としている。
また、図14には、搬送経路4上において、処理装置5に対応する保管装置15の配設位置が図示されており、それぞれ位置イ、位置ロ、位置ハ、位置ニである。
【0063】
位置イは、処理装置5Aに対する搬送経路4の上流位置であり、ここに、実トレイ保管用の保管装置15が配置される。なお、実トレイとは、板状ワーク1が収容されたトレイ2のことである。
位置ロは、搬送経路4上において、処理装置5Aの搬入口と搬出口との間の位置であり、ここに、空トレイ保管用の保管装置15が配置される。なお、空トレイとは、板状ワーク1のない単なるトレイ2のことを意味する。
同様に、位置ハは、処理装置5Bに対する搬送経路4の上流位置であり、ここに、実トレイ保管用の保管装置15が配置される。
位置ニは、搬送経路4上において、処理装置5Bの搬入口と搬出口との間の位置であり、ここに、空トレイ保管用の保管装置15が配置される。
また、保管装置15は、前記先入後出式保管装置15Aと、選択出入式保管装置15Bとを総称している。
【0064】
位置イに配置される保管装置15は、処理装置5Aに対する先工程の処理装置5と、処理装置5Aとの間に配置される保管装置15である。同じく、位置ハに配置される保管装置15は、処理装置5Bに対する先工程の処理装置5(つまり処理装置5A)と、処理装置5Bとの間に配置される保管装置15である。
【0065】
位置イまたは位置ハに配置される実トレイ保管用の保管装置15は、次のような基準に基づいて配置される。
処理時間の実行間隔に均一性を要求される場合、つまり先工程の処理装置5より搬出された板状ワーク1を、後工程の処理装置5へ搬入する時間間隔が等しいことが望まれる場合、先工程と後工程との途中に設けられる保管装置15としては、先入れ先出しできることが望ましい。したがって、連続工程の前後に位置する一対の処理装置において前記均一性を要求される場合、処理装置5Aが後工程の処理装置5Aであれば、位置イに配置される保管装置15は、先入れ先出し可能な選択出入式保管装置15Bが望ましい。同じく、前記均一性が要求される場合で、連続工程の前後に位置する一対の処理装置が処理装置5Aと処理装置5Bであれば、位置ハに配置される保管装置15も、先入れ先出し可能な選択出入式保管装置15Bが望ましい。
【0066】
一方、処理時間の実行間隔に均一性を要求されない場合は、特に、先入れ先出し可能な保管装置15を配置する必要は無いので、先入れ後出し式の先入後出式保管装置15Aを配置したので良い。
このように、搬送の実行間隔の必要に応じて、先入れ先出し可能な保管装置15と、先入れ後出し式の保管装置15とを、使い分けることで、適切な搬送を可能としながらトレイ搬送システム全体のコストを圧迫することがない。
【0067】
また、位置ロまたは位置ニに配置される空トレイ保管用の保管装置15は、搬送の順序を問われることがないため、先入れ後出し式の先入後出式保管装置15Aを配置したので良い。もちろん、板状ワーク1とトレイ2とを1対1対応させる必要があるなど、先入れ先出しが要求される場合には、先入れ先出し可能な保管装置15を配置するものとする。
【0068】
なお、本発明に係るトレイ搬送システム100に備えられる保管装置15(先入後出式保管装置15A・選択出入式保管装置15B)、移載装置32、搬送コンベヤ4、連絡コンベヤ30は、上記実施例に記載の構造のものに限定されるものではなく、それぞれ上記実施例に記載のものと略同様の機能を果たすものであれば構わない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例に係るトレイ搬送システムの全体的な構成を示した図。
【図2】搬送コンベヤの構造を示す図。
【図3】板状ワークとトレイとの構造を示す図。
【図4】積層されたトレイを示す図。
【図5】移載装置の構造を示す図。
【図6】先入後出式保管装置の構造を示す図。
【図7】一枚のトレイが保管された保管装置の様子を示す図。
【図8】新たにトレイを保管しようとする保管装置の様子を示す図。
【図9】一枚のトレイが保管された保管装置の様子を示す図。
【図10】選択出入式保管装置の構造を示す図。
【図11】新たにトレイを保管しようとする保管装置の様子を示す図。
【図12】三枚のトレイが保管された保管装置の様子を示す図。
【図13】トレイが搬送経路へ取り出された保管装置の様子を示す図。
【図14】トレイ搬送システムにおける保管装置の配置を説明する図。
【符号の説明】
【0070】
1 板状ワーク
2 トレイ
3 搬送経路
4 搬送コンベヤ
5 処理装置
32 移載装置
15 保管装置
15A 先入後出式保管装置
15B 選択出入式保管装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状ワークをトレイに格納した状態で搬送し、トレイから板状ワークを取り出す手段と、トレイへ板状ワークを格納する手段と、搬送経路においてトレイを保管するための保管手段とを搬送経路に備えたトレイ搬送システムであって、
上記保管手段として、
トレイを順次一方向へ積層した状態に保管するとともに、最後に積層されたトレイから順次搬送経路へ取り出すことの可能な、先入後出式の保管装置と、
トレイを順次一方向へ積層した状態に保管するとともに、最初に積層されたトレイから順次搬送経路へ取り出すことの可能な、選択出入式の保管装置とを備える、
ことを特徴とするトレイ搬送システム。
【請求項2】
板状ワークをトレイに格納した状態で搬送し、トレイから板状ワークを取り出す手段と、トレイへ板状ワークを格納する手段と、搬送経路においてトレイを保管するための保管手段とを搬送経路に備えたトレイ搬送システムであって、
上記保管手段として、
トレイを順次一方向へ積層した状態に保管するとともに、最後に積層されたトレイから順次搬送経路へ取り出すことの可能な、先入後出式の保管装置と、
トレイを積層した状態に保管するとともに、保管されたトレイから所望のトレイを選択的に搬送経路へ取り出すことの可能な、選択出入式の保管装置とを備える、
ことを特徴とするトレイ搬送システム。
【請求項3】
前記選択出入式の保管装置に、
該保管装置に保管される積層トレイのうち、取出選択したトレイの上方に積層されるトレイと、取出選択したトレイの下方に積層されるトレイとを、
取出選択したトレイの搬送経路への取出動作に干渉しない位置へ退避させる手段を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のトレイ搬送システム。
【請求項4】
前記搬送経路に沿って複数の処理装置を配置し、
処理時間の実行間隔に均一性を要求される処理装置に対しては、その処理装置へ至る搬送経路上に、前記選択出入式の保管装置を設け、
他の処理装置に対しては、当該他の処理装置へ至る搬送経路上に、前記先入後出式の保管装置を設ける
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のトレイ搬送システム。
【請求項5】
前記先入後出式の保管装置を、搬送経路上でトレイから板状ワークを取り出す手段とトレイへ板状ワークを格納する手段との間に設け、
前記選択出入式の保管装置を、トレイから板状ワークを取り出す手段の搬送経路上流と、トレイへ板状ワークを格納する手段の搬送経路下流とのうち、いずれか一方、若しくは、両方に設ける
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のトレイ搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−188305(P2006−188305A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−382018(P2004−382018)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】