トレーニングシステム、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
【課題】本発明は、簡易な構成でトレーニングを行わせる。
【解決手段】本発明は、人体の臓器を模擬した光透過性の材質でなる臓器モデル11を撮像することにより得られる撮像画像103から臓器モデル像111を除去した対象強調画像104を生成することにより、X線を照射して得られる画像に近い画像を訓練者に見せることができるので、簡易な構成でX線の被爆の可能性が全くない状況下でカテーテル手技のトレーニングを行わせることができる。
【解決手段】本発明は、人体の臓器を模擬した光透過性の材質でなる臓器モデル11を撮像することにより得られる撮像画像103から臓器モデル像111を除去した対象強調画像104を生成することにより、X線を照射して得られる画像に近い画像を訓練者に見せることができるので、簡易な構成でX線の被爆の可能性が全くない状況下でカテーテル手技のトレーニングを行わせることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーニングシステム、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関し、例えばカテーテル手技の訓練に用いる場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、医療技術の進展に伴い、臨床現場においては、人体の心臓等の臓器に腕や足の血管からカテーテルを到達させることにより病気の検査や治療が行われている。
【0003】
このカテーテルに関しては、医師が予めその手技を習得しておく必要があるため、その訓練のための器具として、種々のものが用いられている。
【0004】
具体的には、人体の血管などの体腔を模擬した例えばシリコンゴムなどのエラストマー材でなる立体モデルが提案されている(例えば、特許文献1)。このような立体モデルに対して実際のカテーテルを挿入させて操作訓練を行わせたり、実際にX線を照射した上で体腔に相当する部分に造形剤を注入して、X線画像を見ながら訓練を行わせることができる。
【0005】
しかしながら、X線を照射される訓練では該X線の被爆が問題となる可能性もあり、訓練においてはX線を使用しないことが望まれる。
【0006】
一方、このような立体モデルを用いてX線を使用しないで目視による訓練を行うことも可能であるが、立体モデルの周囲形状や腔所形状が目視可能となってしまうため、X線画像を用いて行う場合とでは見え方が大きく異なる。
【0007】
そこで、立体モデルの屈折率に近い透光性液体で該立体モデル周辺を満たすことにより、立体モデルの周囲形状や腔所形状を見えにくいようにする装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−330358公報
【特許文献2】特開2008−70847公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで上述した装置では、立体モデル周辺を透光性液体で満たさなくてはならないため、装置全体が大型化してしまうといった問題があった。
【0010】
また、立体モデルの腔所に流す流体を循環させるための管など該立体モデルと異なる屈折率を有する部材を設けるような場合、設けられる部材の屈折率に近い透光性液体でさらに満たすことが必要となり、装置が複雑になってしまうという問題も発生する。
【0011】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成で、実際の体内透視画像に近い画像(画像ガイド下手技模擬画像)を見せながらトレーニングを行わせ得るトレーニングシステム、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理システムを提案しようとするものである。ここで、画像ガイド下手技模擬画像とは、カテーテル挿入、針の穿刺、生検等の様子をX線、超音波、CT、MRI等の医療用撮像装置で撮像した画像を模擬した画像を言う。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するため本発明のトレーニングシステムにおいては、生体の一部を模擬した光透過性のモデルと、モデルを撮像する撮像部と、撮像部で撮像される画像を処理する画像処理部と、画像処理部により処理された画像を表示する表示部とを具え、画像処理部は、撮像部から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて輝度値を変換し、対象強調画像を生成することにより、画像ガイド下手技模擬画像として表示部へと出力する対象検出部が設けられる。
【0013】
また本発明においては、画像処理装置であって、生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得部と、画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて輝度値を変換し、対象強調画像を生成する対象検出部と、対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御部とが設けられる。
【0014】
さらに本発明においては、画像処理方法であって、生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得ステップと、画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて輝度値を変換し、対象強調画像を生成する対象検出ステップと、対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御ステップとを有する。
【0015】
さらに本発明においては、画像処理プログラムであって、生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得ステップと、画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて輝度値を変換し、対象強調画像を生成する対象検出ステップと、対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御ステップとを実行させる。
【0016】
これにより、撮像された画像からモデルの像を取り除いた対象強調画像を生成して表示部に表示するので、X線画像などの実際の体内透視画像に近い画像をユーザに見せることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、撮像された画像からモデルの像を取り除いた対象強調画像を生成して表示部に表示するので、X線画像などの実際の体内透視画像に近い画像をユーザに見せることができ、かくして簡易な構成で、実際の体内透視画像に近い画像を見せながらトレーニングを行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】トレーニングシステムの構成を示す略線図である。
【図2】画像処理部の構成を示す略線図である。
【図3】画像処理部の機能的構成を示す略線図である。
【図4】撮像画像から生成される対象強調画像(1)を示す略線図である。
【図5】撮像画像から生成される対象強調画像(2)を示す略線図である。
【図6】ガイドワイヤ像及び模擬造影溶液像の輝度値を示す略線図である。
【図7】ガイドワイヤ像、模擬造影溶液像、背景とされる領域のトーンカーブ及び合成されたトーンカーブを示す略線図である。
【図8】対象強調画像から気泡領域を除去することにより生成される気泡除去画像を示す略線図である。
【図9】気泡除去画像とテンプレート画像を合成することにより生成される合成画像を示す略線図である。
【図10】気泡除去画像と他臓器模擬画像を合成することにより生成される合成画像を示す略線図である。
【図11】気泡除去画像とテンプレート画像と他臓器模擬画像を合成することにより生成される合成画像を示す略線図である。
【図12】画像処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0020】
〔1.トレーニングシステムの構成〕
〔1−1.全体構成〕
図1に示すように、トレーニングシステム1は、モデル部2、撮像部3及び画像処理部4により構成される。
【0021】
モデル部2は、人体における例えば心臓等の臓器と該臓器内及び周辺を通る血管が模擬された臓器モデル11がベース12に固定され、ベース12の周囲は壁(図示せず)で覆われている。また、ベース12及び壁は臓器モデル11、医用器具、模擬造影溶液等とは異なった輝度値を持つ色で塗られている。これにより、画像処理時に背景が臓器モデル11、医用器具、模擬造影溶液等と混同することがない。
【0022】
臓器モデル11は、光透過性を有する例えばシリコン樹脂で光造形により製作される。また、臓器モデル11における血管を模擬した腔所(以下、これを血管モデルとも呼ぶ)には血液を模した無色透明の模擬血液が配管13を介して循環ポンプ14により循環される。さらに臓器モデル11は、血管モデルの一部に医療用具、例えばカテーテル15を挿入するためのカテーテルシース16が接続される。
【0023】
撮像部3は、例えばカラーで撮像可能で、位置及び姿勢を変化可能なビデオカメラが適応される。撮像部3は、臓器モデル11の画像を撮像し、その画像データを画像処理部4に出力する。
【0024】
また撮像部3は、ビデオカメラの位置及び姿勢を検出する検出部が設けられており、該ビデオカメラの位置及び姿勢を示す位置姿勢情報を画像処理部4に出力し得るようになされている。なお検出部は、例えば、ビデオカメラ内部に3次元加速度センサが設けられ、該3次元加速度センサの検出信号に基づいてビデオカメラの位置及び姿勢を検出するようにしてもよく、またビデオカメラを保持するアームの角度及び位置を検出することによりビデオカメラの位置及び姿勢を検出するようにしてもよい。
【0025】
画像処理部4は、撮像部3から供給される画像データに対して詳しくは後述する画像処理を施し、画像処理を施した画像を表示部26(図2)に表示する。
【0026】
これによりカテーテル手技を行う訓練者は、臓器モデル11を直視することなく表示部26に表示された画像を見ながら臓器モデル11に対してカテーテル15を用いた手技トレーニングを行うことができる。
【0027】
〔1−2.画像処理部の構成〕
画像処理部4は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、インターフェイス部24、記憶部25、表示部26及び操作入力部27がバス28を介して接続される。
【0028】
画像処理部4は、CPU21がROM22に格納された基本プログラムを読み出してRAM23に展開し、当該基本プログラムに従って全体を統括制御すると共に、ROM22又は記憶部25に格納された各種アプリケーションプログラムをRAM23に展開して各種処理を実行するようになされている。
【0029】
画像処理部4は、インターフェイス部24を介して撮像部3と接続されるようになされており、撮像部3により撮像された画像データを取得したり、該撮像部3から位置姿勢情報を取得し得る。
【0030】
また記憶部25は、HD(Hard Disc)に代表される磁気ディスクもしくは半導体メモリ又は光ディスク等が適用される。表示部26には、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等が適用される。操作入力部27には、キーボードやマウスが適応される。
【0031】
画像処理部4は、撮像部3から取得した画像データ及び位置姿勢情報を記憶部25に記憶し、また該画像データに基づく画像を表示部26に表示する。
【0032】
〔2.画像処理〕
ここで、撮像部3に用いられるビデオカメラはカラーで臓器モデル11を撮像するため、画像データを構成する各フレームの画像(以下、これを撮像画像とも呼ぶ)103(103a、103b、・・・)には例えば図4(A)に示す撮像画像103aのように臓器モデル11の像(以下、これを臓器モデル像とも呼ぶ)111が含まれる。
【0033】
従って、画像データに基づく画像には実際の手術等で撮像されるX線画像では映ることのない臓器モデル11が映ってしまい、このままでは実際の状況を再現したトレーニングを行わせることができない。
【0034】
そこで画像処理部4は、撮像部3から取得した画像データに対して画像処理を施すことにより、臓器モデル11が映ることのない実際のX線画像に近い画像を生成する。
【0035】
具体的にCPU21は、ROM22又は記憶部26に格納された画像処理プログラムをRAM23に展開して実行することにより画像処理を実行する。CPU21は、画像処理を実行する際、図3に示すように、取得部31、対象検出部32、気泡除去部33、画像合成部34及び表示制御部35として機能する。
【0036】
取得部31は、臓器モデル11を撮像することにより得られる画像データ101及びビデオカメラの位置及び姿勢を示す位置姿勢情報102を撮像部3から随時取得する。
【0037】
対象検出部32は、画像データ101を構成する各フレームの撮像画像103をグレースケールに変換した後に臓器モデル像111を取り除く。
【0038】
ここで、図4(A)に示した撮像画像103aには、臓器モデル像111ほかにガイドワイヤの像(以下、これをガイドワイヤ像とも呼ぶ)112が含まれる。また図5(A)に示すように、撮像画像103bには造影剤を模した模擬造影溶液の像(以下、これを模擬造影溶液像とも呼ぶ)113が含まれる。なお、ガイドワイヤ及び模擬造影溶液は撮像部3に撮像される際に臓器モデル11と異なる輝度値で映るようなものが選択される。
【0039】
このように画像データ101を構成する撮像画像103には臓器モデル像111以外にもガイドワイヤ像112や模擬造影溶液像113が含まれる。
【0040】
これら臓器モデル像111、ガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113はそれぞれ輝度値が異なる。図6に示すように、ガイドワイヤ像112は輝度値が低く、また模擬造影溶液像113も臓器モデル像111とは異なる所定の輝度値となる。こうした個々の輝度値を基準として、臓器モデル像111、ガイドワイヤ像112、模擬造影溶液像113の輝度値域をそれぞれが重複しない領域として設定する。輝度値の基準は、例えば、撮像された像の輝度ヒストグラムを用いて、対象の像の領域の極値もしくは平均値から設定される。なお、薄まった模擬造影溶液の模擬造影溶液像113とガイドワイヤ像112が区別できなくなるのを防ぐために、模擬造影溶液像113の輝度値域はガイドワイヤ像112の輝度値域より高い輝度値域を設定するのが好ましい。
【0041】
そこで記憶部25には、図7(A)に示すように、ガイドワイヤ像112の輝度値域(図7(A)におけるハッチング部分)の輝度値を、実際のX線画像におけるガイドワイヤの輝度値となるように変化させるトーンカーブ(輝度変換関数)TC1が記憶される。
【0042】
また記憶部25には、図7(B)に示すように、模擬造影溶液像113の輝度値域(図7(B)におけるハッチング部分)の輝度値を実際のX線画像における造影剤の輝度値となるように変換させるトーンカーブ(輝度変換関数)TC2が記憶される。模擬造影溶液が薄まることを考慮して模擬造影溶液として認識する入力輝度値域を輝度値の高い方へ一定の幅を持たせるのが好ましい。なお、ガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113の輝度値域は、撮像部3において臓器モデル11を通して得られる輝度値域に設定しておくことが好ましい。
【0043】
さらに記憶部25には、図7(C)に示すように、ガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113の輝度値域(図7(C)におけるハッチング部分)の背景を代表する輝度値(高輝度値)に変化させるトーンカーブ(輝度変換関数)TC3が記憶される。
【0044】
対象検出部32は、記憶部25に記憶されたトーンカーブ(輝度変換関数)TC1〜TC3を読み出し、これらトーンカーブ(輝度変換関数)TC1〜TC3を接続することにより図7(D)に示すトーンカーブ(輝度変換関数)TC4を生成する。
【0045】
そして対象検出部32は、撮像画像103に対して生成したトーンカーブ(輝度変換関数)TC4を用いて階調補正を行い、図4(B)及び図5(B)に示すような対象強調画像104(104a、104b、・・・)を生成する。
【0046】
従って対象検出部32は、臓器モデル像111の輝度値が背景とされる輝度値に変換されたことにより撮像画像103から臓器モデル像111が取り除かれ、ガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113が強調された対象強調画像104を生成する。
【0047】
気泡除去部33は、図8(A)に示すように、生成された対象強調画像104における模擬造影溶液像113に気泡とされる領域(以下、これを気泡領域とも呼ぶ)114(114a、114b、・・・)が含まれている場合に該気泡領域114を除去して模擬造影溶液像113に補間する。
【0048】
具体的には、気泡除去部33は、対象強調画像104から模擬造影溶液像113が検出された際に、模擬造影溶液像113として検出された画素に囲まれており、模擬造影溶液像113として検出できなかった画素群を気泡領域114aとして検出する。そして気泡除去部33は、気泡領域114aの周囲の模擬造影溶液像113として検出された画素の輝度値から該気泡領域114aを補間することにより、図8(B)に示すような気泡領域114が除去された模擬造影溶液像113を含む気泡除去画像105(105a、105b、・・・)を生成する。
【0049】
また、気泡除去部33は、気泡が模擬血管内表面に接する等の理由により気泡領域114bのように気泡の径が大きく模擬造影溶液像113により囲まれていない場合、血管モデルの内壁と模擬造影溶液像113により囲まれた箇所を気泡領域114bとして検出する。この場合、血管モデルの内壁の形状に対応する位置を記憶部25に記憶する必要がある。この血管モデル内壁の形状の記憶は、初めて対象強調画像104から模擬造影溶液像113が検出された際に、血管モデルの内壁の形状を記憶してもよいし、該臓器モデル11を造形するために用いられたデータを基に予め記憶しておいてもよい。
【0050】
また、気泡除去部33は、対象強調画像104をフレームごとに比較することにより気泡領域114を特定し除去してもよい。例えば、現フレームの対象強調画像104における模擬造影溶液像113と、現フレームの1つ前のフレームの対象強調画像104における模擬造影溶液像113とを比較し、模擬造影溶液像113に囲まれているもしくは挟まれており、且つ前フレームとの比較で動きがあるものを気泡領域114と判断する。
【0051】
これにより、臓器モデル11における血管モデルに気泡が発生した場合でも該気泡を除去した画像を訓練者に見せることができる。
【0052】
画像合成部34は、気泡除去部33により生成された気泡除去画像105に対して、必要に応じて記憶部25に記憶されたテンプレート画像121及び/又は他臓器模擬画像122を合成することにより合成画像106(106a、106b、・・・)を生成する。
【0053】
テンプレート画像121及び他臓器模擬画像122にはそれぞれ画素(i,j)を引数とする透明度αが設定されている。また、他臓器模擬画像122は、撮像部3のビデオカメラの位置及び姿勢に応じて臓器モデル11に対応する臓器を撮像する際に映るであろう他の臓器の形状、位置、大きさなどが反映された画像であり、それぞれの位置及び姿勢に応じた他臓器模擬画像122が記憶部25に複数記憶されている。また他臓器模擬画像122は、それぞれの画像における臓器ごとにそれぞれ透明度αpが設定されている。
【0054】
画像合成部34は、ユーザによる操作入力部27の操作に応じて、テンプレート画像121を合成する旨の指示がなされた場合、図9(A)に示すような気泡除去画像105aに対して、記憶部25からテンプレート画像121を読み出してきて合成する。ここでテンプレート画像121は外枠及び内側の透明度αがそれぞれ1及び0に設定されている。
【0055】
従って画像合成部34は、気泡除去画像105aに対してテンプレート画像121を合成することにより図9(C)に示すような合成画像106aを生成する。
【0056】
また画像合成部34は、ユーザによる操作入力部27の操作に応じて、他臓器模擬画像122を合成する旨の指示がなされた場合、図10(A)に示すような気泡除去画像105bに対して、位置姿勢情報102に示されるビデオカメラの位置及び姿勢に応じた図10(B)に示すような他臓器模擬画像122を合成する。
【0057】
従って画像合成部34は、気泡除去画像105bに対して他臓器模擬画像122を合成することにより図10(C)に示すような合成画像106bを生成する。
【0058】
さらに画像合成部34は、ユーザによる操作入力部27の操作に応じて、テンプレート画像121及び他臓器模擬画像122を合成する旨の指示がなされた場合、上述と同様にして気泡除去画像105bに対して他臓器模擬画像122を合成することにより図11(A)に示すような合成画像106bを生成する。
【0059】
また画像合成部34は、合成画像106bに対して記憶部25から読み出したテンプレート画像121(図11(B))を合成することにより図11(C)に示すような合成画像106cを生成する。
【0060】
対象検出部32、気泡除去部33及び画像生成部34は、取得部31により取得される画像データ101を構成する各フレームの撮像画像103に対して上述した処理を順次施していく。
【0061】
表示制御部35は、画像合成部34により生成された合成画像106を画像ガイド下手技模擬画像としてさせて画像として表示部26に表示させる。
【0062】
これにより画像処理部4は、X線を使用しないで臓器モデル11を撮像しても、実際のX線画像に近い画像を訓練者に見せることができる。
【0063】
〔3.画像処理手順〕
次に上述した画像処理の手順について図12のフローチャートを用いて説明する。
【0064】
CPU21は、ルーチンRT1の開始ステップから次のステップSP1に移り、撮像部3により撮像される画像データ101と、ビデオカメラの位置及び姿勢を示す位置姿勢情報102とを取得し、次のステップSP2に移る。
【0065】
ステップSP2においてCPU21は、画像データ101を構成するフレームの撮像画像103をグレースケールに変換した後、トーンカーブ(輝度変換関数)TC1〜TC3を接続することにより得られるトーンカーブ(輝度変換関数)TC4を用いて撮像画像103を階調補正して対象強調画像104を生成し、次のステップSP3に移る。
【0066】
ステップSP3においてCPU21は、対象強調画像104の各画素の輝度値を基に模擬造影溶液像113が検出されたか否かを判断する。ここで肯定結果が得られると、このことは、臓器モデル11に対して模擬造影溶液が流されており、対象強調画像104における模擬造影溶液像113に気泡領域114が発生する可能性があることを意味し、このときCPU21は次のステップSP4に移る。
【0067】
ステップSP4においてCPU21は、予め記憶部25に記憶された血管モデルの内壁の形状に対応する位置における画素のうちで模擬造影溶液像113として検出できなかった画素をその周囲の模擬造影溶液像113として検出された画素の輝度値から補間することにより気泡領域114が除去された模擬造影溶液像113を含む気泡除去画像105を生成し、次のステップSP5に移る。
【0068】
これに対してステップSP3において否定結果が得られると、このことは、臓器モデル11に対して模擬造影溶液が流されていないことを意味し、このときCPU21はステップSP5に移る。なお、説明の便宜上、ステップSP3において否定結果が得られた場合における対象強調画像104もステップSP5以降において気泡除去画像105とよぶ。
【0069】
ステップSP5においてCPU21は、ユーザによる操作入力部27の操作に応じてテンプレート画像121及び/又は他臓器模擬画像122を気泡除去画像105に合成するか否かを判断する。
【0070】
ここで肯定結果が得られると、CPU21は次のステップSP6に移り、選択されたテンプレート画像121及び/又は位置姿勢情報102に示されたビデオカメラの位置及び姿勢に基づく他臓器模擬画像122を記憶部25から読みだしてそれぞれ対応する透明度αで気泡除去画像105に合成することにより合成画像106を生成し、次のステップSP7に移る。
【0071】
ステップSP7においてCPU21は、合成画像106を画像ガイド下手技模擬画像として表示部25に表示させ、ステップSP2に戻る。
【0072】
これに対してステップSP5において否定結果が得られると、CPU21はステップSP7に移り、気泡除去画像105をそのまま表示部26に表示させる。
【0073】
CPU21は、ステップSP7が終了するとステップSP2に戻って画像データ101における次のフレームに対応する撮像画像103に対してステップSP2〜SP7を繰り返し行い、連続した画像ガイド下手技模擬画像を表示部26に表示させる。
【0074】
〔4.動作及び効果〕
以上の構成においてトレーニングシステム1は、人体の臓器を模擬した光透過性の材質でなる臓器モデル11を撮像部3で撮像することにより得られる画像データ101を構成する各フレームの撮像画像103に対して、臓器モデル像111を背景の輝度値とし、また検出対象となるガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113をX線画像に映る輝度値となるように変換するトーンカーブ(輝度変換関数)TC4を用いて階調補正を施して対象強調画像104を生成するようにした。
【0075】
そしてトレーニングシステム1は、対象強調画像104を画像ガイド下手技模擬画像として表示部25に表示することにより、X線を照射して得られる画像に近い画像を、X線を照射することなく訓練者に見せることができる。
【0076】
従ってトレーニングシステム1は、X線の被爆の可能性が全くない状況下でカテーテル手技のトレーニングを訓練者に行わせることができる。またトレーニングシステム1は、臓器モデル11に対して従来のような特別な装置を設けることなく該臓器モデル11の像を画像から除去することができるので、簡易な構成で実際の状況に近いトレーニングを行わせることができる。
【0077】
またトレーニングシステム1は、対象強調画像104における模擬造影溶液像113で発生する気泡領域114を検出して除去することにより気泡除去画像105を生成するようにした。
【0078】
これによりトレーニングシステム1は、実際の人体では発生しない気泡を除去することにより、より実際に近い画像を訓練者に提供することができ、より現実的なトレーニングを訓練者に行わせることができる。
【0079】
またトレーニングシステム1は、モデル部2に気泡を脱泡するための装置を設ける必要もないので、装置全体を小型化することができると共に、簡易な構成で気泡が除去された画像を表示することができる。
【0080】
さらにトレーニングシステム1では、気泡除去画像105に対してテンプレート画像121及び/又は他臓器模擬画像122を対応する透明度αで合成して合成画像106を生成するようにした。
【0081】
これによりトレーニングシステム1は、より実際のX線画像に近い画像を訓練者に見せることができる。
【0082】
このときトレーニングシステム1は、撮像部3のビデオカメラの位置及び姿勢を示す位置姿勢情報102に基づいて、その位置及び姿勢に応じた他臓器模擬画像122を選択して合成するので、その位置及び姿勢で臓器モデル11に対応する臓器を撮像した際に映るであろう他の臓器を再現することができ、さらに実際のX線画像に近い画像を訓練者に見せることができる。
【0083】
以上の構成によれば、トレーニングシステム1は、人体の臓器を模擬した光透過性の材質でなる臓器モデル11を撮像することにより得られる撮像画像103から臓器モデル像111を除去した対象強調画像104を生成することにより、X線を照射して得られる画像に近い画像を訓練者に見せることができるので、簡易な構成で、X線の被爆の可能性が全くない状況下でカテーテル手技のトレーニングを行わせることができる。
【0084】
〔5.他の実施の形態〕
なお上述した実施の形態においては、撮像画像103からガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113が検出されるトーンカーブ(輝度変換関数)TC4を用いて階調補正して対象強調画像104を生成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばカテーテルの像や病変部位の像をさらに検出するようにしてもよい。この場合、臓器モデル11とは異なる輝度値で撮像されるような材質(色)のカテーテル15、病変部位を用いてトレーニングを行わせ、撮像画像103に含まれるカテーテルの像や病変部位の像を所定の輝度値に変換させるトーンカーブ(輝度変換関数)を用いて階調補正する。これによりトレーニングシステム1は、ガイドワイヤ像112や模擬造影溶液像113だけでなくカテーテルの像や病変部位の像を訓練者に見せながらトレーニングを行わせることができる。なお、カテーテル15は臓器モデル11と同様に透明として、X線造影マーカに相当する位置に色を付けてもよい。
【0085】
また上述した実施の形態においては、予め検出された血管モデルの内壁の形状に対応する位置を記憶しておき、記憶された血管モデルの内壁の形状に対応する位置における全ての画素が模擬造影溶液像113として検出できたか否かによって気泡領域が模擬造影溶液像113に発生していることを判断するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らない。
【0086】
例えば、臓器モデル11に病変部位として狭窄又は閉塞した部位が設けられている場合、該部位が気泡領域として検出されてしまうことが考えられるが、病変部位を予め臓器モデル11とは異なる輝度値域(色)に設定しておき、CPU21は、撮像された撮像画像103から該輝度値に応じて病変部位を検出することにより気泡領域と区別する。これにより狭窄又は閉塞された病変部位を気泡領域と誤検出して該病変部位を模擬造影溶液像113に補間してしまうことを防止することができる。
【0087】
また別例として、病変部位の形状を予め記憶部25に記憶しておき、CPU21は、撮像された撮像画像103から記憶された病変部位の形状とマッチングすることにより病変部位を検出することにより気泡領域と区別する。これにより狭窄又は閉塞された病変部位を気泡領域と誤検出して該病変部位を模擬造影溶液像113に補間してしまうことを防止することができる。
【0088】
また上述した実施の形態においては、撮像部3のビデオカメラはカラーの画像を撮像するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、グレースケールの画像を撮像するようにしてもよい。
【0089】
また、可視光でなく赤外線などの可視光以外の光に感度のあるビデオカメラを用いて、もしくは併用して撮像するようにしてもよい。もしくは、可視光とそれ以外の光の両方に感度のあるビデオカメラを用いて撮像するようにしてもよい。この場合、例えばモデルの材料を透過しやすい領域を蛍光波長に持つ近赤外光を発する模擬造影溶液を用いるようにすれば、撮像された画像データからガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113を検出することができる。
【0090】
また上述した実施の形態においては、撮像画像103から輝度値に応じてガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113を検出するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば撮像画像103における各画素の色情報に基づいてガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113を検出するようにしてもよい。例えば青い模擬造影溶液を臓器モデル11に流し、CPU21は、撮像画像103におけるRGBのB成分に基づいて模擬造影溶液像113を検出する。
【0091】
また上述の実施の形態においては、撮像部3のビデオカメラの位置及び姿勢に応じた他臓器模擬画像122が記憶部25に複数記憶されており、CPU21は、気泡除去画像105に対して他臓器模擬画像122を合成する際、位置姿勢情報102に示されるビデオカメラの位置及び姿勢に応じた他臓器模擬画像122を記憶部25から読み出してきて合成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、臓器モデル11の基にされた臓器周辺の臓器を再現した3次元モデルを記憶部25に記憶しておき、CPU21は、気泡除去画像105に対して他臓器模擬画像122を合成する際、位置姿勢情報102に示されるビデオカメラの位置及び姿勢に応じて他臓器模擬画像122を3次元モデルから生成して合成するようにしてもよい。
【0092】
また上述した実施の形態においては、気泡除去部33により対象強調画像104から気泡領域114を除去した気泡除去画像105を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、気泡除去画像105を生成しないようにしてもよい。この場合、画像合成部34は、対象検出部32により生成された対象強調画像104に対してテンプレート画像121及び/又は他臓器模擬画像122を対応する透明度αで合成して合成画像105を生成する。
【0093】
また上述した実施の形態においては、CPU21がROM22又は記憶部25に格納されているプログラムに従い、上述した画像処理を行うようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、記憶媒体からインストールしたり、インターネットからダウンロードしたプログラムに従って上述した画像処理を行うようにしても良い。またその他種々のルートによってインストールしたプログラムに従って上述した画像処理を行うようにしても良い。
【0094】
また上述した実施の形態においては、対象検出部32において臓器モデル像111の輝度値を背景とされる輝度値に変換することにより撮像画像103から臓器モデル像111を完全に取り除いて対象強調画像104を生成したが、臓器モデル像111を完全に取り除くことなく、対象強調画像104に薄く表示させてもよい。この場合、臓器モデル像111の輝度値を背景とされる輝度値に変換するのではなく、対象強調画像104に薄く表示させるための所望の輝度値へと変換させればよい。また、画像合成部34によって合成される他臓器模擬画像122に臓器モデル像111を組み込んでおいてもよい。
【0095】
また上述した実施の形態においては、気泡除去部33が気泡領域114を模擬造影溶液像113に補間するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、気泡除去部33は気泡領域114だけではなく、ガイドワイヤ等の医療器具と造影剤溶液との重なりにより、どちらの輝度値域にも該当しなくなった箇所を、気泡領域114と同様に検出し、模擬造影溶液像113に補間してもよい。ただし、この場合、造影剤溶液が時間経過と共に薄まり、医療器具の輝度値域に至った際には医療器具の輝度値として出力する。
【0096】
また上述した実施の形態においては、医療器具としてガイドワイヤの像を検出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、医療器具において、カテーテル等の備えられているマーカの輝度値域を他の医療器具の輝度値域とは別に設定して該マーカの像を検出するようにしてもよい。また、バルーンカテーテルを用いる場合、バルーンを拡張させるために注入される溶液の輝度値域を特別に設定して検出するようにしてもよい。また、ステントを用いる場合、ステントの輝度値域を特別に設定して検出するようにしてもよい。
【0097】
また上述した実施の形態においては、撮像部として撮像部3、対象検出部として対象検出部32、表示制御部として表示制御部35が設けられるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる撮像部、対象検出部、表示制御部を設けるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明のトレーニングシステムは、例えば医療分野に適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1……トレーニングシステム、2……モデル部、3……撮像部、4……画像処理部、11……臓器モデル、12……ベース、13……配管、14……循環ポンプ、15……カテーテル、16……カテーテルシース、21……CPU、22……ROM、23……RAM、24……インターフェイス部、25……記憶部、26……表示部、27……操作入力部、31……取得部、32……対象検出部、33……気泡除去部、34……画像合成部、35……表示制御部、101……画像データ、102……位置姿勢情報、103……撮像画像、104……対象強調画像、105……気泡除去画像、106……合成画像、111……臓器モデル像、112……ガイドワイヤ像、113……模擬造影溶液像、121……テンプレート画像、122……他臓器模擬画像。
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーニングシステム、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関し、例えばカテーテル手技の訓練に用いる場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、医療技術の進展に伴い、臨床現場においては、人体の心臓等の臓器に腕や足の血管からカテーテルを到達させることにより病気の検査や治療が行われている。
【0003】
このカテーテルに関しては、医師が予めその手技を習得しておく必要があるため、その訓練のための器具として、種々のものが用いられている。
【0004】
具体的には、人体の血管などの体腔を模擬した例えばシリコンゴムなどのエラストマー材でなる立体モデルが提案されている(例えば、特許文献1)。このような立体モデルに対して実際のカテーテルを挿入させて操作訓練を行わせたり、実際にX線を照射した上で体腔に相当する部分に造形剤を注入して、X線画像を見ながら訓練を行わせることができる。
【0005】
しかしながら、X線を照射される訓練では該X線の被爆が問題となる可能性もあり、訓練においてはX線を使用しないことが望まれる。
【0006】
一方、このような立体モデルを用いてX線を使用しないで目視による訓練を行うことも可能であるが、立体モデルの周囲形状や腔所形状が目視可能となってしまうため、X線画像を用いて行う場合とでは見え方が大きく異なる。
【0007】
そこで、立体モデルの屈折率に近い透光性液体で該立体モデル周辺を満たすことにより、立体モデルの周囲形状や腔所形状を見えにくいようにする装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−330358公報
【特許文献2】特開2008−70847公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで上述した装置では、立体モデル周辺を透光性液体で満たさなくてはならないため、装置全体が大型化してしまうといった問題があった。
【0010】
また、立体モデルの腔所に流す流体を循環させるための管など該立体モデルと異なる屈折率を有する部材を設けるような場合、設けられる部材の屈折率に近い透光性液体でさらに満たすことが必要となり、装置が複雑になってしまうという問題も発生する。
【0011】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成で、実際の体内透視画像に近い画像(画像ガイド下手技模擬画像)を見せながらトレーニングを行わせ得るトレーニングシステム、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理システムを提案しようとするものである。ここで、画像ガイド下手技模擬画像とは、カテーテル挿入、針の穿刺、生検等の様子をX線、超音波、CT、MRI等の医療用撮像装置で撮像した画像を模擬した画像を言う。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するため本発明のトレーニングシステムにおいては、生体の一部を模擬した光透過性のモデルと、モデルを撮像する撮像部と、撮像部で撮像される画像を処理する画像処理部と、画像処理部により処理された画像を表示する表示部とを具え、画像処理部は、撮像部から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて輝度値を変換し、対象強調画像を生成することにより、画像ガイド下手技模擬画像として表示部へと出力する対象検出部が設けられる。
【0013】
また本発明においては、画像処理装置であって、生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得部と、画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて輝度値を変換し、対象強調画像を生成する対象検出部と、対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御部とが設けられる。
【0014】
さらに本発明においては、画像処理方法であって、生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得ステップと、画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて輝度値を変換し、対象強調画像を生成する対象検出ステップと、対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御ステップとを有する。
【0015】
さらに本発明においては、画像処理プログラムであって、生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得ステップと、画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて輝度値を変換し、対象強調画像を生成する対象検出ステップと、対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御ステップとを実行させる。
【0016】
これにより、撮像された画像からモデルの像を取り除いた対象強調画像を生成して表示部に表示するので、X線画像などの実際の体内透視画像に近い画像をユーザに見せることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、撮像された画像からモデルの像を取り除いた対象強調画像を生成して表示部に表示するので、X線画像などの実際の体内透視画像に近い画像をユーザに見せることができ、かくして簡易な構成で、実際の体内透視画像に近い画像を見せながらトレーニングを行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】トレーニングシステムの構成を示す略線図である。
【図2】画像処理部の構成を示す略線図である。
【図3】画像処理部の機能的構成を示す略線図である。
【図4】撮像画像から生成される対象強調画像(1)を示す略線図である。
【図5】撮像画像から生成される対象強調画像(2)を示す略線図である。
【図6】ガイドワイヤ像及び模擬造影溶液像の輝度値を示す略線図である。
【図7】ガイドワイヤ像、模擬造影溶液像、背景とされる領域のトーンカーブ及び合成されたトーンカーブを示す略線図である。
【図8】対象強調画像から気泡領域を除去することにより生成される気泡除去画像を示す略線図である。
【図9】気泡除去画像とテンプレート画像を合成することにより生成される合成画像を示す略線図である。
【図10】気泡除去画像と他臓器模擬画像を合成することにより生成される合成画像を示す略線図である。
【図11】気泡除去画像とテンプレート画像と他臓器模擬画像を合成することにより生成される合成画像を示す略線図である。
【図12】画像処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0020】
〔1.トレーニングシステムの構成〕
〔1−1.全体構成〕
図1に示すように、トレーニングシステム1は、モデル部2、撮像部3及び画像処理部4により構成される。
【0021】
モデル部2は、人体における例えば心臓等の臓器と該臓器内及び周辺を通る血管が模擬された臓器モデル11がベース12に固定され、ベース12の周囲は壁(図示せず)で覆われている。また、ベース12及び壁は臓器モデル11、医用器具、模擬造影溶液等とは異なった輝度値を持つ色で塗られている。これにより、画像処理時に背景が臓器モデル11、医用器具、模擬造影溶液等と混同することがない。
【0022】
臓器モデル11は、光透過性を有する例えばシリコン樹脂で光造形により製作される。また、臓器モデル11における血管を模擬した腔所(以下、これを血管モデルとも呼ぶ)には血液を模した無色透明の模擬血液が配管13を介して循環ポンプ14により循環される。さらに臓器モデル11は、血管モデルの一部に医療用具、例えばカテーテル15を挿入するためのカテーテルシース16が接続される。
【0023】
撮像部3は、例えばカラーで撮像可能で、位置及び姿勢を変化可能なビデオカメラが適応される。撮像部3は、臓器モデル11の画像を撮像し、その画像データを画像処理部4に出力する。
【0024】
また撮像部3は、ビデオカメラの位置及び姿勢を検出する検出部が設けられており、該ビデオカメラの位置及び姿勢を示す位置姿勢情報を画像処理部4に出力し得るようになされている。なお検出部は、例えば、ビデオカメラ内部に3次元加速度センサが設けられ、該3次元加速度センサの検出信号に基づいてビデオカメラの位置及び姿勢を検出するようにしてもよく、またビデオカメラを保持するアームの角度及び位置を検出することによりビデオカメラの位置及び姿勢を検出するようにしてもよい。
【0025】
画像処理部4は、撮像部3から供給される画像データに対して詳しくは後述する画像処理を施し、画像処理を施した画像を表示部26(図2)に表示する。
【0026】
これによりカテーテル手技を行う訓練者は、臓器モデル11を直視することなく表示部26に表示された画像を見ながら臓器モデル11に対してカテーテル15を用いた手技トレーニングを行うことができる。
【0027】
〔1−2.画像処理部の構成〕
画像処理部4は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、インターフェイス部24、記憶部25、表示部26及び操作入力部27がバス28を介して接続される。
【0028】
画像処理部4は、CPU21がROM22に格納された基本プログラムを読み出してRAM23に展開し、当該基本プログラムに従って全体を統括制御すると共に、ROM22又は記憶部25に格納された各種アプリケーションプログラムをRAM23に展開して各種処理を実行するようになされている。
【0029】
画像処理部4は、インターフェイス部24を介して撮像部3と接続されるようになされており、撮像部3により撮像された画像データを取得したり、該撮像部3から位置姿勢情報を取得し得る。
【0030】
また記憶部25は、HD(Hard Disc)に代表される磁気ディスクもしくは半導体メモリ又は光ディスク等が適用される。表示部26には、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等が適用される。操作入力部27には、キーボードやマウスが適応される。
【0031】
画像処理部4は、撮像部3から取得した画像データ及び位置姿勢情報を記憶部25に記憶し、また該画像データに基づく画像を表示部26に表示する。
【0032】
〔2.画像処理〕
ここで、撮像部3に用いられるビデオカメラはカラーで臓器モデル11を撮像するため、画像データを構成する各フレームの画像(以下、これを撮像画像とも呼ぶ)103(103a、103b、・・・)には例えば図4(A)に示す撮像画像103aのように臓器モデル11の像(以下、これを臓器モデル像とも呼ぶ)111が含まれる。
【0033】
従って、画像データに基づく画像には実際の手術等で撮像されるX線画像では映ることのない臓器モデル11が映ってしまい、このままでは実際の状況を再現したトレーニングを行わせることができない。
【0034】
そこで画像処理部4は、撮像部3から取得した画像データに対して画像処理を施すことにより、臓器モデル11が映ることのない実際のX線画像に近い画像を生成する。
【0035】
具体的にCPU21は、ROM22又は記憶部26に格納された画像処理プログラムをRAM23に展開して実行することにより画像処理を実行する。CPU21は、画像処理を実行する際、図3に示すように、取得部31、対象検出部32、気泡除去部33、画像合成部34及び表示制御部35として機能する。
【0036】
取得部31は、臓器モデル11を撮像することにより得られる画像データ101及びビデオカメラの位置及び姿勢を示す位置姿勢情報102を撮像部3から随時取得する。
【0037】
対象検出部32は、画像データ101を構成する各フレームの撮像画像103をグレースケールに変換した後に臓器モデル像111を取り除く。
【0038】
ここで、図4(A)に示した撮像画像103aには、臓器モデル像111ほかにガイドワイヤの像(以下、これをガイドワイヤ像とも呼ぶ)112が含まれる。また図5(A)に示すように、撮像画像103bには造影剤を模した模擬造影溶液の像(以下、これを模擬造影溶液像とも呼ぶ)113が含まれる。なお、ガイドワイヤ及び模擬造影溶液は撮像部3に撮像される際に臓器モデル11と異なる輝度値で映るようなものが選択される。
【0039】
このように画像データ101を構成する撮像画像103には臓器モデル像111以外にもガイドワイヤ像112や模擬造影溶液像113が含まれる。
【0040】
これら臓器モデル像111、ガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113はそれぞれ輝度値が異なる。図6に示すように、ガイドワイヤ像112は輝度値が低く、また模擬造影溶液像113も臓器モデル像111とは異なる所定の輝度値となる。こうした個々の輝度値を基準として、臓器モデル像111、ガイドワイヤ像112、模擬造影溶液像113の輝度値域をそれぞれが重複しない領域として設定する。輝度値の基準は、例えば、撮像された像の輝度ヒストグラムを用いて、対象の像の領域の極値もしくは平均値から設定される。なお、薄まった模擬造影溶液の模擬造影溶液像113とガイドワイヤ像112が区別できなくなるのを防ぐために、模擬造影溶液像113の輝度値域はガイドワイヤ像112の輝度値域より高い輝度値域を設定するのが好ましい。
【0041】
そこで記憶部25には、図7(A)に示すように、ガイドワイヤ像112の輝度値域(図7(A)におけるハッチング部分)の輝度値を、実際のX線画像におけるガイドワイヤの輝度値となるように変化させるトーンカーブ(輝度変換関数)TC1が記憶される。
【0042】
また記憶部25には、図7(B)に示すように、模擬造影溶液像113の輝度値域(図7(B)におけるハッチング部分)の輝度値を実際のX線画像における造影剤の輝度値となるように変換させるトーンカーブ(輝度変換関数)TC2が記憶される。模擬造影溶液が薄まることを考慮して模擬造影溶液として認識する入力輝度値域を輝度値の高い方へ一定の幅を持たせるのが好ましい。なお、ガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113の輝度値域は、撮像部3において臓器モデル11を通して得られる輝度値域に設定しておくことが好ましい。
【0043】
さらに記憶部25には、図7(C)に示すように、ガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113の輝度値域(図7(C)におけるハッチング部分)の背景を代表する輝度値(高輝度値)に変化させるトーンカーブ(輝度変換関数)TC3が記憶される。
【0044】
対象検出部32は、記憶部25に記憶されたトーンカーブ(輝度変換関数)TC1〜TC3を読み出し、これらトーンカーブ(輝度変換関数)TC1〜TC3を接続することにより図7(D)に示すトーンカーブ(輝度変換関数)TC4を生成する。
【0045】
そして対象検出部32は、撮像画像103に対して生成したトーンカーブ(輝度変換関数)TC4を用いて階調補正を行い、図4(B)及び図5(B)に示すような対象強調画像104(104a、104b、・・・)を生成する。
【0046】
従って対象検出部32は、臓器モデル像111の輝度値が背景とされる輝度値に変換されたことにより撮像画像103から臓器モデル像111が取り除かれ、ガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113が強調された対象強調画像104を生成する。
【0047】
気泡除去部33は、図8(A)に示すように、生成された対象強調画像104における模擬造影溶液像113に気泡とされる領域(以下、これを気泡領域とも呼ぶ)114(114a、114b、・・・)が含まれている場合に該気泡領域114を除去して模擬造影溶液像113に補間する。
【0048】
具体的には、気泡除去部33は、対象強調画像104から模擬造影溶液像113が検出された際に、模擬造影溶液像113として検出された画素に囲まれており、模擬造影溶液像113として検出できなかった画素群を気泡領域114aとして検出する。そして気泡除去部33は、気泡領域114aの周囲の模擬造影溶液像113として検出された画素の輝度値から該気泡領域114aを補間することにより、図8(B)に示すような気泡領域114が除去された模擬造影溶液像113を含む気泡除去画像105(105a、105b、・・・)を生成する。
【0049】
また、気泡除去部33は、気泡が模擬血管内表面に接する等の理由により気泡領域114bのように気泡の径が大きく模擬造影溶液像113により囲まれていない場合、血管モデルの内壁と模擬造影溶液像113により囲まれた箇所を気泡領域114bとして検出する。この場合、血管モデルの内壁の形状に対応する位置を記憶部25に記憶する必要がある。この血管モデル内壁の形状の記憶は、初めて対象強調画像104から模擬造影溶液像113が検出された際に、血管モデルの内壁の形状を記憶してもよいし、該臓器モデル11を造形するために用いられたデータを基に予め記憶しておいてもよい。
【0050】
また、気泡除去部33は、対象強調画像104をフレームごとに比較することにより気泡領域114を特定し除去してもよい。例えば、現フレームの対象強調画像104における模擬造影溶液像113と、現フレームの1つ前のフレームの対象強調画像104における模擬造影溶液像113とを比較し、模擬造影溶液像113に囲まれているもしくは挟まれており、且つ前フレームとの比較で動きがあるものを気泡領域114と判断する。
【0051】
これにより、臓器モデル11における血管モデルに気泡が発生した場合でも該気泡を除去した画像を訓練者に見せることができる。
【0052】
画像合成部34は、気泡除去部33により生成された気泡除去画像105に対して、必要に応じて記憶部25に記憶されたテンプレート画像121及び/又は他臓器模擬画像122を合成することにより合成画像106(106a、106b、・・・)を生成する。
【0053】
テンプレート画像121及び他臓器模擬画像122にはそれぞれ画素(i,j)を引数とする透明度αが設定されている。また、他臓器模擬画像122は、撮像部3のビデオカメラの位置及び姿勢に応じて臓器モデル11に対応する臓器を撮像する際に映るであろう他の臓器の形状、位置、大きさなどが反映された画像であり、それぞれの位置及び姿勢に応じた他臓器模擬画像122が記憶部25に複数記憶されている。また他臓器模擬画像122は、それぞれの画像における臓器ごとにそれぞれ透明度αpが設定されている。
【0054】
画像合成部34は、ユーザによる操作入力部27の操作に応じて、テンプレート画像121を合成する旨の指示がなされた場合、図9(A)に示すような気泡除去画像105aに対して、記憶部25からテンプレート画像121を読み出してきて合成する。ここでテンプレート画像121は外枠及び内側の透明度αがそれぞれ1及び0に設定されている。
【0055】
従って画像合成部34は、気泡除去画像105aに対してテンプレート画像121を合成することにより図9(C)に示すような合成画像106aを生成する。
【0056】
また画像合成部34は、ユーザによる操作入力部27の操作に応じて、他臓器模擬画像122を合成する旨の指示がなされた場合、図10(A)に示すような気泡除去画像105bに対して、位置姿勢情報102に示されるビデオカメラの位置及び姿勢に応じた図10(B)に示すような他臓器模擬画像122を合成する。
【0057】
従って画像合成部34は、気泡除去画像105bに対して他臓器模擬画像122を合成することにより図10(C)に示すような合成画像106bを生成する。
【0058】
さらに画像合成部34は、ユーザによる操作入力部27の操作に応じて、テンプレート画像121及び他臓器模擬画像122を合成する旨の指示がなされた場合、上述と同様にして気泡除去画像105bに対して他臓器模擬画像122を合成することにより図11(A)に示すような合成画像106bを生成する。
【0059】
また画像合成部34は、合成画像106bに対して記憶部25から読み出したテンプレート画像121(図11(B))を合成することにより図11(C)に示すような合成画像106cを生成する。
【0060】
対象検出部32、気泡除去部33及び画像生成部34は、取得部31により取得される画像データ101を構成する各フレームの撮像画像103に対して上述した処理を順次施していく。
【0061】
表示制御部35は、画像合成部34により生成された合成画像106を画像ガイド下手技模擬画像としてさせて画像として表示部26に表示させる。
【0062】
これにより画像処理部4は、X線を使用しないで臓器モデル11を撮像しても、実際のX線画像に近い画像を訓練者に見せることができる。
【0063】
〔3.画像処理手順〕
次に上述した画像処理の手順について図12のフローチャートを用いて説明する。
【0064】
CPU21は、ルーチンRT1の開始ステップから次のステップSP1に移り、撮像部3により撮像される画像データ101と、ビデオカメラの位置及び姿勢を示す位置姿勢情報102とを取得し、次のステップSP2に移る。
【0065】
ステップSP2においてCPU21は、画像データ101を構成するフレームの撮像画像103をグレースケールに変換した後、トーンカーブ(輝度変換関数)TC1〜TC3を接続することにより得られるトーンカーブ(輝度変換関数)TC4を用いて撮像画像103を階調補正して対象強調画像104を生成し、次のステップSP3に移る。
【0066】
ステップSP3においてCPU21は、対象強調画像104の各画素の輝度値を基に模擬造影溶液像113が検出されたか否かを判断する。ここで肯定結果が得られると、このことは、臓器モデル11に対して模擬造影溶液が流されており、対象強調画像104における模擬造影溶液像113に気泡領域114が発生する可能性があることを意味し、このときCPU21は次のステップSP4に移る。
【0067】
ステップSP4においてCPU21は、予め記憶部25に記憶された血管モデルの内壁の形状に対応する位置における画素のうちで模擬造影溶液像113として検出できなかった画素をその周囲の模擬造影溶液像113として検出された画素の輝度値から補間することにより気泡領域114が除去された模擬造影溶液像113を含む気泡除去画像105を生成し、次のステップSP5に移る。
【0068】
これに対してステップSP3において否定結果が得られると、このことは、臓器モデル11に対して模擬造影溶液が流されていないことを意味し、このときCPU21はステップSP5に移る。なお、説明の便宜上、ステップSP3において否定結果が得られた場合における対象強調画像104もステップSP5以降において気泡除去画像105とよぶ。
【0069】
ステップSP5においてCPU21は、ユーザによる操作入力部27の操作に応じてテンプレート画像121及び/又は他臓器模擬画像122を気泡除去画像105に合成するか否かを判断する。
【0070】
ここで肯定結果が得られると、CPU21は次のステップSP6に移り、選択されたテンプレート画像121及び/又は位置姿勢情報102に示されたビデオカメラの位置及び姿勢に基づく他臓器模擬画像122を記憶部25から読みだしてそれぞれ対応する透明度αで気泡除去画像105に合成することにより合成画像106を生成し、次のステップSP7に移る。
【0071】
ステップSP7においてCPU21は、合成画像106を画像ガイド下手技模擬画像として表示部25に表示させ、ステップSP2に戻る。
【0072】
これに対してステップSP5において否定結果が得られると、CPU21はステップSP7に移り、気泡除去画像105をそのまま表示部26に表示させる。
【0073】
CPU21は、ステップSP7が終了するとステップSP2に戻って画像データ101における次のフレームに対応する撮像画像103に対してステップSP2〜SP7を繰り返し行い、連続した画像ガイド下手技模擬画像を表示部26に表示させる。
【0074】
〔4.動作及び効果〕
以上の構成においてトレーニングシステム1は、人体の臓器を模擬した光透過性の材質でなる臓器モデル11を撮像部3で撮像することにより得られる画像データ101を構成する各フレームの撮像画像103に対して、臓器モデル像111を背景の輝度値とし、また検出対象となるガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113をX線画像に映る輝度値となるように変換するトーンカーブ(輝度変換関数)TC4を用いて階調補正を施して対象強調画像104を生成するようにした。
【0075】
そしてトレーニングシステム1は、対象強調画像104を画像ガイド下手技模擬画像として表示部25に表示することにより、X線を照射して得られる画像に近い画像を、X線を照射することなく訓練者に見せることができる。
【0076】
従ってトレーニングシステム1は、X線の被爆の可能性が全くない状況下でカテーテル手技のトレーニングを訓練者に行わせることができる。またトレーニングシステム1は、臓器モデル11に対して従来のような特別な装置を設けることなく該臓器モデル11の像を画像から除去することができるので、簡易な構成で実際の状況に近いトレーニングを行わせることができる。
【0077】
またトレーニングシステム1は、対象強調画像104における模擬造影溶液像113で発生する気泡領域114を検出して除去することにより気泡除去画像105を生成するようにした。
【0078】
これによりトレーニングシステム1は、実際の人体では発生しない気泡を除去することにより、より実際に近い画像を訓練者に提供することができ、より現実的なトレーニングを訓練者に行わせることができる。
【0079】
またトレーニングシステム1は、モデル部2に気泡を脱泡するための装置を設ける必要もないので、装置全体を小型化することができると共に、簡易な構成で気泡が除去された画像を表示することができる。
【0080】
さらにトレーニングシステム1では、気泡除去画像105に対してテンプレート画像121及び/又は他臓器模擬画像122を対応する透明度αで合成して合成画像106を生成するようにした。
【0081】
これによりトレーニングシステム1は、より実際のX線画像に近い画像を訓練者に見せることができる。
【0082】
このときトレーニングシステム1は、撮像部3のビデオカメラの位置及び姿勢を示す位置姿勢情報102に基づいて、その位置及び姿勢に応じた他臓器模擬画像122を選択して合成するので、その位置及び姿勢で臓器モデル11に対応する臓器を撮像した際に映るであろう他の臓器を再現することができ、さらに実際のX線画像に近い画像を訓練者に見せることができる。
【0083】
以上の構成によれば、トレーニングシステム1は、人体の臓器を模擬した光透過性の材質でなる臓器モデル11を撮像することにより得られる撮像画像103から臓器モデル像111を除去した対象強調画像104を生成することにより、X線を照射して得られる画像に近い画像を訓練者に見せることができるので、簡易な構成で、X線の被爆の可能性が全くない状況下でカテーテル手技のトレーニングを行わせることができる。
【0084】
〔5.他の実施の形態〕
なお上述した実施の形態においては、撮像画像103からガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113が検出されるトーンカーブ(輝度変換関数)TC4を用いて階調補正して対象強調画像104を生成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばカテーテルの像や病変部位の像をさらに検出するようにしてもよい。この場合、臓器モデル11とは異なる輝度値で撮像されるような材質(色)のカテーテル15、病変部位を用いてトレーニングを行わせ、撮像画像103に含まれるカテーテルの像や病変部位の像を所定の輝度値に変換させるトーンカーブ(輝度変換関数)を用いて階調補正する。これによりトレーニングシステム1は、ガイドワイヤ像112や模擬造影溶液像113だけでなくカテーテルの像や病変部位の像を訓練者に見せながらトレーニングを行わせることができる。なお、カテーテル15は臓器モデル11と同様に透明として、X線造影マーカに相当する位置に色を付けてもよい。
【0085】
また上述した実施の形態においては、予め検出された血管モデルの内壁の形状に対応する位置を記憶しておき、記憶された血管モデルの内壁の形状に対応する位置における全ての画素が模擬造影溶液像113として検出できたか否かによって気泡領域が模擬造影溶液像113に発生していることを判断するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らない。
【0086】
例えば、臓器モデル11に病変部位として狭窄又は閉塞した部位が設けられている場合、該部位が気泡領域として検出されてしまうことが考えられるが、病変部位を予め臓器モデル11とは異なる輝度値域(色)に設定しておき、CPU21は、撮像された撮像画像103から該輝度値に応じて病変部位を検出することにより気泡領域と区別する。これにより狭窄又は閉塞された病変部位を気泡領域と誤検出して該病変部位を模擬造影溶液像113に補間してしまうことを防止することができる。
【0087】
また別例として、病変部位の形状を予め記憶部25に記憶しておき、CPU21は、撮像された撮像画像103から記憶された病変部位の形状とマッチングすることにより病変部位を検出することにより気泡領域と区別する。これにより狭窄又は閉塞された病変部位を気泡領域と誤検出して該病変部位を模擬造影溶液像113に補間してしまうことを防止することができる。
【0088】
また上述した実施の形態においては、撮像部3のビデオカメラはカラーの画像を撮像するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、グレースケールの画像を撮像するようにしてもよい。
【0089】
また、可視光でなく赤外線などの可視光以外の光に感度のあるビデオカメラを用いて、もしくは併用して撮像するようにしてもよい。もしくは、可視光とそれ以外の光の両方に感度のあるビデオカメラを用いて撮像するようにしてもよい。この場合、例えばモデルの材料を透過しやすい領域を蛍光波長に持つ近赤外光を発する模擬造影溶液を用いるようにすれば、撮像された画像データからガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113を検出することができる。
【0090】
また上述した実施の形態においては、撮像画像103から輝度値に応じてガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113を検出するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば撮像画像103における各画素の色情報に基づいてガイドワイヤ像112及び模擬造影溶液像113を検出するようにしてもよい。例えば青い模擬造影溶液を臓器モデル11に流し、CPU21は、撮像画像103におけるRGBのB成分に基づいて模擬造影溶液像113を検出する。
【0091】
また上述の実施の形態においては、撮像部3のビデオカメラの位置及び姿勢に応じた他臓器模擬画像122が記憶部25に複数記憶されており、CPU21は、気泡除去画像105に対して他臓器模擬画像122を合成する際、位置姿勢情報102に示されるビデオカメラの位置及び姿勢に応じた他臓器模擬画像122を記憶部25から読み出してきて合成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、臓器モデル11の基にされた臓器周辺の臓器を再現した3次元モデルを記憶部25に記憶しておき、CPU21は、気泡除去画像105に対して他臓器模擬画像122を合成する際、位置姿勢情報102に示されるビデオカメラの位置及び姿勢に応じて他臓器模擬画像122を3次元モデルから生成して合成するようにしてもよい。
【0092】
また上述した実施の形態においては、気泡除去部33により対象強調画像104から気泡領域114を除去した気泡除去画像105を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、気泡除去画像105を生成しないようにしてもよい。この場合、画像合成部34は、対象検出部32により生成された対象強調画像104に対してテンプレート画像121及び/又は他臓器模擬画像122を対応する透明度αで合成して合成画像105を生成する。
【0093】
また上述した実施の形態においては、CPU21がROM22又は記憶部25に格納されているプログラムに従い、上述した画像処理を行うようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、記憶媒体からインストールしたり、インターネットからダウンロードしたプログラムに従って上述した画像処理を行うようにしても良い。またその他種々のルートによってインストールしたプログラムに従って上述した画像処理を行うようにしても良い。
【0094】
また上述した実施の形態においては、対象検出部32において臓器モデル像111の輝度値を背景とされる輝度値に変換することにより撮像画像103から臓器モデル像111を完全に取り除いて対象強調画像104を生成したが、臓器モデル像111を完全に取り除くことなく、対象強調画像104に薄く表示させてもよい。この場合、臓器モデル像111の輝度値を背景とされる輝度値に変換するのではなく、対象強調画像104に薄く表示させるための所望の輝度値へと変換させればよい。また、画像合成部34によって合成される他臓器模擬画像122に臓器モデル像111を組み込んでおいてもよい。
【0095】
また上述した実施の形態においては、気泡除去部33が気泡領域114を模擬造影溶液像113に補間するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、気泡除去部33は気泡領域114だけではなく、ガイドワイヤ等の医療器具と造影剤溶液との重なりにより、どちらの輝度値域にも該当しなくなった箇所を、気泡領域114と同様に検出し、模擬造影溶液像113に補間してもよい。ただし、この場合、造影剤溶液が時間経過と共に薄まり、医療器具の輝度値域に至った際には医療器具の輝度値として出力する。
【0096】
また上述した実施の形態においては、医療器具としてガイドワイヤの像を検出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、医療器具において、カテーテル等の備えられているマーカの輝度値域を他の医療器具の輝度値域とは別に設定して該マーカの像を検出するようにしてもよい。また、バルーンカテーテルを用いる場合、バルーンを拡張させるために注入される溶液の輝度値域を特別に設定して検出するようにしてもよい。また、ステントを用いる場合、ステントの輝度値域を特別に設定して検出するようにしてもよい。
【0097】
また上述した実施の形態においては、撮像部として撮像部3、対象検出部として対象検出部32、表示制御部として表示制御部35が設けられるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる撮像部、対象検出部、表示制御部を設けるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明のトレーニングシステムは、例えば医療分野に適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1……トレーニングシステム、2……モデル部、3……撮像部、4……画像処理部、11……臓器モデル、12……ベース、13……配管、14……循環ポンプ、15……カテーテル、16……カテーテルシース、21……CPU、22……ROM、23……RAM、24……インターフェイス部、25……記憶部、26……表示部、27……操作入力部、31……取得部、32……対象検出部、33……気泡除去部、34……画像合成部、35……表示制御部、101……画像データ、102……位置姿勢情報、103……撮像画像、104……対象強調画像、105……気泡除去画像、106……合成画像、111……臓器モデル像、112……ガイドワイヤ像、113……模擬造影溶液像、121……テンプレート画像、122……他臓器模擬画像。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の一部を模擬した光透過性のモデルと、
前記モデルを撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像される画像を処理する画像処理部と、
前記画像処理部により処理された画像を表示する表示部とを具え、
前記画像処理部は、前記撮像部から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて出力輝度値に変換し、対象強調画像を生成することにより、画像ガイド下手技模擬画像として前記表示部へと出力する対象検出部
を具えることを特徴とするトレーニングシステム。
【請求項2】
前記モデルは、血管が模擬されており、
前記画像処理部は、前記対象強調画像における前記模擬血管に流される造影剤を模した模擬造影溶液の像のうちの気泡とされる領域を模擬造影溶液の像として補間し、該気泡とされる領域が除去された気泡除去画像を生成する気泡除去部をさらに具え、
前記対象検出部は、上記気泡除去画像を画像ガイド下手技模擬画像として前記表示部へと出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のトレーニングシステム。
【請求項3】
前記画像処理部は、前記対象強調画像に対して別画像を合成し、前記対象強調画像に対して該別画像が合成された合成画像を生成する画像合成部をさらに具え、
前記対象検出部は、上記合成画像を画像ガイド下手技模擬画像として前記表示部へと出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトレーニングシステム。
【請求項4】
前記撮像部によって前記モデルを撮像する際の位置及び姿勢を検出する検出部をさらに具え、
前記画像合成部は、前記モデルの基となった生体の一部が前記位置及び姿勢で撮像される際に映るであろう該生体の一部の周辺に位置する他の生体部分を含む別画像を前記対象強調画像に対して合成することを特徴とする請求項3に記載のトレーニングシステム。
【請求項5】
前記モデルは、血管が模擬されており、
前記輝度変換関数は、前記模擬血管、前記模擬血管内に挿入される医療器具および前記模擬血管内に流される模擬造影溶液の入力輝度値域によって設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトレーニングシステム。
【請求項6】
前記医療器具および前記模擬造影溶液の入力輝度値域は、前記撮像部に前記医療器具および前記模擬造影溶液を前記モデルを通して撮像した際の入力輝度値を基準として設定されることを特徴とする請求項5に記載のトレーニングシステム。
【請求項7】
前記医療器具および前記模擬造影溶液は、前記モデルとは異なる輝度値を有することを特徴とする請求項5又は6に記載のトレーニングシステム。
【請求項8】
前記入力輝度値域は、少なくとも前記模擬血管、前記医療器具、前記模擬造影溶液の前記入力輝度値域が、それぞれが重複しないように設定されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のトレーニングシステム。
【請求項9】
前記模擬造影溶液の前記入力輝度値域は、前記医療器具の前記入力輝度値域よりも高い輝度値域であることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のトレーニングシステム。
【請求項10】
前記模擬造影溶液の前記入力輝度値域は、前記模擬造影溶液が有する輝度値から高い値方向へ所定の幅を持たせて設定されていることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載のトレーニングシステム。
【請求項11】
生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得部と、
前記画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて出力輝度値に変換し、対象強調画像を生成する対象検出部と、
前記対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御部と
具えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得ステップと、
前記画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて出力輝度値に変換し、対象強調画像を生成する対象検出ステップと、
前記対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御ステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
コンピュータに対して、
生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得ステップと、
前記画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて出力輝度値に変換し、対象強調画像を生成する対象検出ステップと、
前記対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御ステップと
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項1】
生体の一部を模擬した光透過性のモデルと、
前記モデルを撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像される画像を処理する画像処理部と、
前記画像処理部により処理された画像を表示する表示部とを具え、
前記画像処理部は、前記撮像部から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて出力輝度値に変換し、対象強調画像を生成することにより、画像ガイド下手技模擬画像として前記表示部へと出力する対象検出部
を具えることを特徴とするトレーニングシステム。
【請求項2】
前記モデルは、血管が模擬されており、
前記画像処理部は、前記対象強調画像における前記模擬血管に流される造影剤を模した模擬造影溶液の像のうちの気泡とされる領域を模擬造影溶液の像として補間し、該気泡とされる領域が除去された気泡除去画像を生成する気泡除去部をさらに具え、
前記対象検出部は、上記気泡除去画像を画像ガイド下手技模擬画像として前記表示部へと出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のトレーニングシステム。
【請求項3】
前記画像処理部は、前記対象強調画像に対して別画像を合成し、前記対象強調画像に対して該別画像が合成された合成画像を生成する画像合成部をさらに具え、
前記対象検出部は、上記合成画像を画像ガイド下手技模擬画像として前記表示部へと出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトレーニングシステム。
【請求項4】
前記撮像部によって前記モデルを撮像する際の位置及び姿勢を検出する検出部をさらに具え、
前記画像合成部は、前記モデルの基となった生体の一部が前記位置及び姿勢で撮像される際に映るであろう該生体の一部の周辺に位置する他の生体部分を含む別画像を前記対象強調画像に対して合成することを特徴とする請求項3に記載のトレーニングシステム。
【請求項5】
前記モデルは、血管が模擬されており、
前記輝度変換関数は、前記模擬血管、前記模擬血管内に挿入される医療器具および前記模擬血管内に流される模擬造影溶液の入力輝度値域によって設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトレーニングシステム。
【請求項6】
前記医療器具および前記模擬造影溶液の入力輝度値域は、前記撮像部に前記医療器具および前記模擬造影溶液を前記モデルを通して撮像した際の入力輝度値を基準として設定されることを特徴とする請求項5に記載のトレーニングシステム。
【請求項7】
前記医療器具および前記模擬造影溶液は、前記モデルとは異なる輝度値を有することを特徴とする請求項5又は6に記載のトレーニングシステム。
【請求項8】
前記入力輝度値域は、少なくとも前記模擬血管、前記医療器具、前記模擬造影溶液の前記入力輝度値域が、それぞれが重複しないように設定されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のトレーニングシステム。
【請求項9】
前記模擬造影溶液の前記入力輝度値域は、前記医療器具の前記入力輝度値域よりも高い輝度値域であることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のトレーニングシステム。
【請求項10】
前記模擬造影溶液の前記入力輝度値域は、前記模擬造影溶液が有する輝度値から高い値方向へ所定の幅を持たせて設定されていることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載のトレーニングシステム。
【請求項11】
生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得部と、
前記画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて出力輝度値に変換し、対象強調画像を生成する対象検出部と、
前記対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御部と
具えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得ステップと、
前記画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて出力輝度値に変換し、対象強調画像を生成する対象検出ステップと、
前記対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御ステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
コンピュータに対して、
生体の一部を模擬した光透過性のモデルが撮像された撮像画像を取得する取得ステップと、
前記画像から得られる入力輝度値を所定の輝度変換関数を用いて出力輝度値に変換し、対象強調画像を生成する対象検出ステップと、
前記対象強調画像を画像ガイド下手技模擬画像として表示部に表示させる表示制御ステップと
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図7】
【図12】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図7】
【図12】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−73490(P2012−73490A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219207(P2010−219207)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]