説明

トンネル内面保護・補強構造

【課題】 確実に開口部に隣接するセグメントあるいは弧状セグメントリングの開口部側を固定することができるトンネル内面保護・補強構造を提供すること。
【解決手段】 トンネル内面を保護・補強するトンネル内面保護・補強構造において、トンネル内面側に突出する既設設備を回避するために開口部23を挟んでトンネル周方向に分断された各弧状セグメントリング7cにおける前記開口部23に隣接するセグメント1Aの開口部23側の端部が、トンネル内壁面と、トンネル軸方向に隣接しトンネル周方向に分断されていないセグメントリング7との少なくともいずれか一方に固定手段によって固定されて、前記開口部に隣接するセグメントのトンネル周方向へのずれ移動が拘束されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、トンネル内面のコンクリート剥落やトンネルの変状に対する保護・補強構造等に使用されるセグメントリングが、トンネル内面側に突出する設備による開口部に分断される場合に、開口部と同一断面にあるトンネル内面保護・補強構造としてのセグメントリングの強度・剛性の低下を防止し、開口部のないリングと同等の補強効果を奏するトンネル内面保護・補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル内面あるいはトンネル覆工内面に沿って円周方向に多数の板状のセグメントを設けて、既設あるいは新設のトンネル内面を補強するトンネル内面保護・補強構造が知られている。
【0003】
このような構造は、老朽化した、または健全な既設または新設トンネルにおいて、トンネル内壁あるいは覆工コンクリートの崩落・剥落を未然に防止し、万一、トンネル内壁部あるいはコンクリートの崩落があった場合でも、トンネル内に剥落片が落下しないように保護し、更には地山の緩みあるいは塑性圧等の外力による変状に対して補強することを目的としたトンネル内面の保護構造で、特に道路トンネル・鉄道トンネル等のトンネル内面の保護・補強構造に有効である。
【0004】
前記のようなトンネル内面保護・補強構造としては、トンネル内面に薄肉のセグメントを千鳥組みで1リング(半円状リングの意)毎に組み立てて、既設覆工とセグメントとの間にグラウトを充填してなるトンネル内面の保護・補強構造を構築することが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような、薄肉のセグメントを用いたトンネル内面の保護・補強構造は、薄肉でトンネル内面への張り出しが少なく、迅速施工が可能な補強構造である。
【0005】
一方、供用中の道路トンネルにおいて保護・補強等の工事を行う場合、道路交通を可能な限り妨げずに施工することが望ましい。そのため道路の片側車線を通行止めにして他方の車線を供用しながら施工することが一般に実施されている。
【0006】
老朽化した、または健全な鉄道トンネル、道路トンネル等の既設トンネルにおいて、覆工コンクリートの崩落・剥落を未然に防止し、万一コンクリートの崩落があった場合でも、トンネル内に剥落片が落下しないように保護し、さらには地山の緩みあるいは塑性圧等の荷重による変状に対して補強することを目的としたトンネル覆工内面保護・補強構造とその構築方法とこれに使用するセグメントに関しては、本出願人が先に特開2004−150072号(特許文献1)として提案している。
【0007】
このようなトンネル内面保護・補強構造およびその構造に用いられるセグメントの特徴として、トンネル軸方向およびトンネル周方向に隣接するセグメント相互の接続は、セグメント相互を強固に一体化し接続する手段ではなく、各セグメントの裏面に設けられた継手材は、トンネル軸方向またはトンネル周方向に隣接するセグメントの裏面または裏面に設けられた継手材に係合する、少なくともトンネル半径方向のせん断(シア)力を伝達するシアキー(鉤状または棒状あるいは板状等の継手材)であり、シアキー相互を強固に一体化しないでシアキーの係合によりセグメント相互を接続する点に特徴があり、このような継手材としてのシアキーにより、少なくともトンネル半径方向のせん断力を、トンネル軸方向またはトンネル周方向に隣接するセグメント(またはセグメントリング)に伝達して、トンネル軸方向あるいはトンネル周方向のセグメントまたはセグメントリングに広く外力を分散させて、一箇所のセグメントあるいはセグメントリングに外力が集中するのを防止するようにした補強構造としている点である。
【0008】
前記のような特徴のあるトンネル内面保護・補強構造が開示されている特開2004−150072号の内容を図14〜図17によって簡単に説明すると、図14に示すように略矩形板状の保護・補強用セグメント(以下セグメントともいう)1におけるトンネル周方向をなす各弧状辺4、5の複数箇所に、トンネル軸方向に隣合うセグメントリング7相互を接続するための継手材として、周方向に間隔をおいて少なくともトンネル半径方向のせん断力を、トンネル軸方向に隣接するセグメントに伝達するためのシアキー3(3a,3b)をトンネル軸方向に張り出すように備えており、さらに保護・補強用セグメント1におけるトンネル軸方向をなす各辺24,25にトンネル周方向に隣り合うセグメント相互を接続するための継手材として、トンネル軸方向に間隔をおいてシアキー3をトンネル周方向に張り出すように設けられ、そのようなトンネル覆工内面保護・補強用のセグメント1を図16または図17に示すように、トンネル覆工内面に沿って配置し、トンネル軸方向に隣接するセグメントリング7毎にトンネル周方向にずらして千鳥に組み立て、セグメントリング7の下端部は、固定金具35等による固定手段で既設トンネル43のコンクリート製床版34に固定されている。
【0009】
一つのセグメント1において、トンネル周方向をなす辺4,5の近傍に設けられているトンネル軸方向に張り出すように突出する雄型のシアキー3は、トンネル軸方向の既設側(前部側)のシアキー3(3a)の位置と、新設側(後部側)のシアキー3(3b)の位置とは、トンネル周方向(保護・補強用セグメント本体2の弧状周面方向)に位置をずらして設けられている。
【0010】
保護・補強用のセグメント本体2には、突っ張り部材8が設けられ、この部材8はトンネル半径方向に貫通する雌ねじ孔9と、この雌ねじ孔9に螺合された突っ張りねじ軸10とを備えている。この突っ張り部材8は、その先端部をトンネル半径方向に保護・補強用セグメント本体2の裏面側に突出され、既設トンネル覆工内壁面41に押し付けることにより、周方向に直列に連続されたセグメント1によるセグメントリング7をトンネル半径方向に縮径させるように作用することにより、保護・補強用セグメントリング7にトンネル周方向に軸力を導入させて、セグメントリング7によるアーチの形状が変形するのを拘束し、アーチを安定させるものである。前記突っ張りねじ軸10のトンネル内空側の基端部には、回動工具係合用凹部13(図15c参照)が設けられている。
【0011】
また、保護・補強用セグメント本体2の裏面におけるトンネル軸方向(前後方向)両端部のトンネル周方向をなす前部側(既設側)の弧状辺4および後部側(新設側)の弧状辺5の近傍には、トンネル軸方向に隣り合うセグメント1相互(すなわち、トンネル軸方向に隣り合うセグメントリング7相互)を固定するためのリング間固定治具14用の治具16、17と、同じセグメントリング7におけるトンネル周方向に隣り合うセグメント1相互を連結固定するための周方向のセグメント固定治具15用の治具19、20が設けられている。
【0012】
前記のリング間固定治具14あるいは周方向のセグメント固定治具15は、新設のセグメント1を既設セグメント1に隣接して組み込む場合に、一時的に新設のセグメント1を仮保持するためのもので、これらの治具14,15は、トンネル軸方向またはトンネル周方向に傾斜配置されているため、また、これらの治具のブラケット間が離れているため、ブラケット相互が接近する方向について、トンネル軸方向またはトンネル周方向の大きな応力を、トンネル軸方向またはトンネル周方向に隣接するセグメント1に伝達することができない。
【0013】
前記のようなセグメント1をトンネル覆工内壁面41に沿って組み立てる場合には、コンクリート製床版34の端部に、セグメント1のトンネル周方向の端部を固定するための固定金具35を設置して組み立てられる。さらに説明すると、図17に示すように、トンネル軸方向に順次構築されるセグメントリング7(7a、7b)の両端側の下端部(図17の左端、右端側)に位置する各セグメント1を支持するための端部部材としての固定金具35が、コンクリート床版34上に設置されている。
【0014】
固定金具35としては、例えば、図17(b)に示すように、一対の腕片36、37により形成されたトンネル軸方向に延長する上向き開口の受け溝38を有する固定金具35で、その金具35の受け溝38に、端部の保護・補強用のセグメント1が既設覆工40の内面に沿って間隔をおいて配置され、前記セグメント1の下端部を前記受け溝38を有する固定金具35に必要に応じてスペーサ等を介在させて嵌合させ、適宜受け溝38を有する固定金具35におけるトンネル内空側の一方の腕片36に螺合した押し付けボルト39を調整して、下端部のセグメント1の下部が固定されている。なお、下端部のセグメント1におけるトンネル軸方向に張り出すシアキー3は、セグメント1の裏面(トンネル覆工内壁面41に対向するセグメントの面)に当接して係合されている。
【0015】
周方向に隣り合うセグメント1相互は、セグメント間固定治具15により固定されている。さらに具体的に図16および図17によって説明すると、セグメントリング7を構築するべく新設のセグメント1の周方向一端側(既設側)は、端部部材としての固定金具35に配置固定されるか、または、周方向の既に組み込まれたセグメント1の新設側に配置されている。
【0016】
そして、周方向に直列に隣り合う一方(新設)のセグメント1における既設側に位置するボルト挿通孔を有する鋼製ブラケット30からなる治具19と、周方向他方(既設)のセグメント1における新設側に位置するナット33を有する雌型治具20とに渡ってボルト21を挿通螺合し、周方向に隣り合う、新設および既設のセグメント1相互の治具19、20を連結固定され、周方向に隣り合うセグメント1相互の連結固定が図られている。
【0017】
前記のようにトンネル内面の保護・補強用セグメント1を図16に示すようにトンネル軸方向に隣接するセグメントリング7に千鳥に組み立て、下端部を固定手段(固定金具35)で既設トンネルのコンクリートに固定されているトンネル覆工内面保護・補強構造は、トンネル軸方向に張り出すように突出するシアキー3によってトンネル軸方向に隣接するセグメント1の裏面に係合して、せん断力および曲げモーメントを伝達させることができ、また、トンネル周方向に張り出すように突出するシアキー56により、トンネル周方向に隣接するセグメント裏面に係合してせん断力を伝達することができるトンネル覆工内面保護・補強構造とすることができる。
そのため、既設トンネル内壁面からコンクリートが剥離してセグメントに荷重が作用しても、周囲のセグメントにせん断力または曲げモーメントあるいはトンネル周方向の軸力を伝達して構造全体に分散させて支持でき、安定した保護・補強構造とすることができる。
【0018】
また、トンネル軸方向に適宜のセグメントリング7が構築された時点で、予めセグメント本体2にグラウト注入孔を設けられたセグメント1から、セグメントリング7の裏面にグラウト42を充填すると、セグメントリング7と既設覆工内面41を密着させて、セグメント1の既設覆工面41側への変形を拘束し、セグメントリング7を安定させることができる。
【0019】
前記グラウトは、セグメント1およびセグメントリング7の既設覆工面41方向への変形を拘束するために設けられているので、既設のトンネル覆工面41とセグメントリング7の裏面との間に直接充填しても良いし、セグメント1およびセグメントリング7の裏面に予め設置された袋体などに充填しても良い。
【0020】
ところで、前記の従来技術には開示されていないが、前記のようなトンネル内面保護・補強用のセグメント1を用いたトンネル内面保護・補強構造は、半円アーチ状のセグメントリング7の両端部が、トンネル底部のコンクリート製床版34に設けられた固定金具35により、確実にセグメントリング7の両下端部を固定して、セグメントリング7の形状の安定を図るようにすることができる。
【0021】
しかし、図18に示すように、鉄道トンネルあるいは自動車道トンネルなどのトンネル43では、トンネル頂部に、トンネル内空側に突出する、き電線や吊架線を支持する支持設備あるいはトンネル頂部に排気設備あるいは照明設備等あるいはこれらを支持する、突出した設備22があり、このようなトンネル内空側に突出した設備22があると、下部両端の固定金具35に渡ってトンネル周方向に連続してセグメントリング7を築造することができなくなり、突出した設備22のトンネル周方向の若干手前からセグメント1を設けない開口部23が形成され、この開口部23により半円状のセグメントリング7は、トンネル周方向で分断されて、半円状がトンネル周方向に2つに分断された、さらに小さな弧状のセグメントリング7c(以下、本明細書では「弧状セグメントリング」と呼ぶこととし、開口部によってトンネル周方向に分断された弧状のセグメントリングを指す。この場合は開口部によってトンネル周方向に2つに分断された左右それぞれの弧状のリングを指す。)となる。
【0022】
前記の突出した設備22が、トンネル軸方向に比較的長い場合には、トンネル軸方向の1つのセグメントリング7の巾のみに納まらず、2つのセグメントリング7の巾、あるいは3つ以上のセグメントリング7の巾に、開口部23が必要になり、その分、これらの開口部23により分断された弧状セグメントリング7cにより、トンネル内面を補強することになる。
【0023】
前記のように、トンネル周方向に分断された個々の弧状セグメントリング7cは、その下端側は固定金具35により固定されているが、上端側のセグメント端部を固定しないと、左右の弧状セグメントリング7cおよびセグメントリング7cを構成するセグメント1がトンネル周方向にずれ移動可能なため、トンネル内壁部あるいはコンクリートの崩落があった場合に、これらの荷重はトンネル周方向に十分に伝達することができず、主としてトンネル軸方向に伝達するメカニズムによってこれらの荷重に耐えることになる。したがって弧状リング7cの剛性が小さく、強度も小さいという問題があった。
【特許文献1】特開2004−150072
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明は、前記のように、(1)トンネル内部に板状のセグメントをトンネル周方向およびトンネル軸方向に設置してセグメントリングを構成し、(2)当該セグメントリングのトンネル周方向の端部が固定手段によって固定され、(3)セグメントの背面にグラウト材などの掲示硬化性充填材を直接的あるいは、グラウト充填用の袋体などに充填して間接的にセグメントリングを拘束してトンネルの補修・補強を行う工法において、既設構造物などがトンネル内空側に突出して設けられているために、前記開口を設けざるを得ない場合に、開口部に隣接する弧状セグメントリングあるいは弧状セグメントリングを構成するセグメントが開口部を有さない断面のセグメントリングと同等の十分な剛性・強度を有するトンネル内面保護・補強構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は前記の課題を有利に解決するために、第1発明のトンネル内面保護・補強構造においては、トンネル円周方向及びトンネル軸方向に分割された板状のセグメントをトンネル内面に沿って設置して、トンネル内面を保護・補強するトンネル内面保護・補強構造において、トンネル内面側に突出する設備を回避するために開口部を挟んでトンネル周方向に分断された各弧状セグメントリングにおける前記開口部に隣接するセグメントの開口部側の端部が、トンネル内壁面とトンネル軸方向に隣接しトンネル周方向に分断されていないセグメントリングとの少なくともいずれか一方に固定手段によって固定されて、前記開口部に隣接するセグメントのトンネル周方向へのずれ移動が拘束されていることを特徴とする。
【0026】
また、第2発明のトンネル内面保護・補強構造においては、トンネル円周方向及びトンネル軸方向に分割された板状のセグメントをトンネル内面に沿って設置して、トンネル内面を保護・補強するトンネル内面保護・補強構造において、トンネル内面側に突出する設備を回避するために開口部を挟んでトンネル周方向に分断された各弧状セグメントリングが、トンネル軸方向に隣接しトンネル周方向に分断されていないセグメントリングに固定されて、各弧状リングのトンネル周方向へのずれ移動が拘束されていることを特徴とする。
【0027】
また、第3発明では、第1発明のトンネル内面保護・補強構造において、前記開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定手段として、端部固定金具が用いられ、その端部固定金具は、トンネル内壁に固定されるベース部と、前記ベース部に一体に設けられ、開口部に隣接するセグメントの開口部側の端部に当接する縦部分と、その縦部分に一体に設けられ、前記セグメントの開口部側の端部を支持する支持部とを備えた端部固定金具とされていることを特徴とする。
【0028】
また、第4発明では、第1発明のトンネル内面保護・補強構造において、トンネル周方向の開口部に隣接するセグメントと、トンネル軸方向に隣接しトンネル周方向に分断されていないセグメントリングにおけるセグメントとが、これらのセグメント裏面に設けられた各連結用アームおよび各連結用アーム相互を固定する固着具により固着されていることを特徴とする。
【0029】
また、第5発明では、第1発明または第2発明のトンネル内面保護・補強構造において、開口部を挟んでトンネル周方向に分断された弧状セグメントリングにおける開口部に隣接するセグメントにおけるトンネル周方向をなす辺の開口部側の端部が、トンネル軸方向に隣接するセグメントリングに溶接またはボルト接合する手段により固定されていることを特徴とする。
【0030】
また、第6発明では、第1発明のトンネル内面保護・補強構造において、前記開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定手段として、端部固定金具が用いられ、その端部固定金具は、トンネル内壁に固定されるベース部と、前記ベース部に一体に設けられた縦部分と、その縦部分に一体に設けられ、前記セグメントの開口部側の端部裏面に当接される支持部を有する端部固定金具とされ、前記セグメントの開口部側の端部が前記支持部にボルトにより固定されていることを特徴とする。
【0031】
また、第7発明では、第1発明のトンネル内面保護・補強構造において、前記開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定手段として、端部固定金具が用いられ、その端部固定金具は、トンネル内壁に固定されるベース部と、前記ベース部に一体に設けられた縦部分と、その縦部分に一体に設けられ、前記セグメントの開口部側の端部裏面に当接される支持部を有する断面ほぼコの字状の端部固定金具とされ、前記セグメントの開口部側の端部が前記支持部にボルトにより固定されていることを特徴とする。
【0032】
また、第8発明では、第1発明のトンネル内面保護・補強構造において、トンネル周方向に分断された各弧状セグメントリングにおける前記開口部に隣接するセグメント本体の開口部側の端部に、トンネル内壁面に向って伸びる縦部分が一体に設けられ、その縦部分に一体にトンネル周方向の開口部側に向って伸びるベース部が設けられ、そのベース部がトンネル内壁に固定手段によって固定されて、前記開口部に隣接するセグメントのトンネル周方向へのずれ移動が拘束されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
第1発明によると、弧状セグメントリングにおける開口部側の端部のセグメントの開口部側の端部が、トンネル周方向にずれ移動するのを防止されているので、開口部に隣接するセグメントまたはこれを含む弧状セグメントリングが開口部側にずれ移動するのを防止して、弧状セグメントリングのトンネル周方向の強度・剛性を発揮させて、強固なシェル構造として補強効果を発揮させることができる。
【0034】
第2発明によると、開口部にトンネル周方向に隣接する弧状セグメントリングをトンネル軸方向に隣接しトンネル周方向に分断されていないセグメントリングに固定しているので、各弧状セグメントリングをトンネル軸方向に隣接しトンネル周方向に分断されていないセグメントリングに固定することで、弧状セグメントリングが容易にトンネル周方向のずれ移動するのを拘束して、弧状セグメントリングのトンネル周方向の強度・剛性を発揮させて、強固なシェル構造として補強効果を発揮させることができる。
【0035】
第3発明によると、ベース部とこれに一体の縦部分とこれに一体の支持部を備えた簡単な形状の端部固定金具を使用して、その端部固定金具における前記ベース部を、トンネル内壁に固定し、端部固定金具における縦部分を、前記セグメントの開口部側端面に当接し、支持部をトンネル内面保護・補強用のセグメントに係合させるだけで、トンネル内壁の崩落等により開口部に隣接するセグメントが開口部側にずれ移動しようとしても、開口部端に位置するセグメントを確実に拘束するように固定して、開口側端部のセグメントのずれ移動を防止でき、しいては、このセグメントを含むトンネル周方向の弧状セグメントリングのずれ移動を防止できる強固なトンネル内面保護・補強構造とすることができる。
【0036】
第4発明によると、単に、開口部にトンネル周方向で隣接するセグメントの裏面と、開口部にトンネル軸方向で隣接しトンネル周方向に分断されていないセグメントリングにおけるセグメントの裏面に、連結用アームを設けてこれらを固着具により固着するだけで、トンネル内面の剥落時等に、開口部に隣接するセグメントにトンネル周方向の外力が作用しても、トンネル周方向のずれ移動が拘束されて、強固なトンネル内面保護・補強構造とすることができる。
【0037】
第5発明によると、開口部にトンネル周方向で隣接するセグメントのトンネル周方向をなす辺の開口部側の端部と、これにトンネル軸方向に隣接するセグメントのトンネル周方向をなす辺とを溶接またはボルト等の固定手段で固定するだけで、トンネル周方向で開口部に隣接するセグメントのトンネル周方向へのずれ移動を拘束することができ、しいては、開口部によって分断された弧状セグメントリングのトンネル周方向のずれ移動を防止することができるため、強固なトンネル内面保護・補強構造とすることができる。
【0038】
第6発明によると、ベース部とこれに縦部分を介して一体で、セグメントの端部裏面に当接される支持部を備えた簡単な形状の端部固定金具を使用して、その端部固定金具における前記ベース部をトンネル内壁に固定し、支持部をセグメントの端部裏面に当接してボルトにより固定するだけで、トンネル内壁の崩落等により開口部に隣接するセグメントが開口部側にずれ移動しようとしても、開口部端に位置するセグメントを確実に拘束するように固定して、開口側端部のセグメントのずれ移動を防止でき、しいては、このセグメントを含むトンネル周方向の弧状セグメントリングのずれ移動を防止できる強固なトンネル内面保護・補強構造とすることができる。また、端部固定金具は、セグメント裏面に配置される構造であるので、開口部に隣接するセグメントのトンネル内空側に、端部固定金具が突出しないので、トンネル内空側のデッドスペースが少なくなると共に美観を向上させることができる。
【0039】
第7発明によると、ベース部とこれに縦部分を介して一体で、セグメントの端部裏面に当接される支持部を備えた断面ほぼコ字状の簡単な形状の端部固定金具を使用して、その端部固定金具における前記ベース部をトンネル内壁に固定し、支持部をセグメントの端部裏面に当接してボルトにより固定するだけで、トンネル内壁の崩落等により開口部に隣接するセグメントが開口部側にずれ移動しようとしても、開口部端に位置するセグメントを確実に拘束するように固定して、開口側端部のセグメントのずれ移動を防止でき、しいては、このセグメントを含むトンネル周方向の弧状セグメントリングのずれ移動を防止できる強固なトンネル内面保護・補強構造とすることができる。また、断面ほぼコ字状の端部固定金具は、その全体がセグメント裏面に配置される構造であるので、開口部に隣接するセグメントのトンネル内空側およびトンネル周方向開口部側に、端部固定金具が突出しないので、トンネル内空側およびトンネル周方向開口部側のデッドスペースが少なくなると共に美観を向上させることができる。
【0040】
第8発明によると、開口部に隣接するセグメント本体の開口部側の端部に、トンネル内壁面に向って伸びる縦部分が一体に設けられ、その縦部分に一体にトンネル周方向の開口部側に向って伸びるベース部が設けられ、そのベース部がトンネル内壁に固定手段によって固定されて、前記開口部に隣接するセグメントのトンネル周方向へのずれ移動が拘束されているので、開口部の周方向に隣接するセグメント自体に縦部分およびベース部を設けるだけで、別個に端部固定金具を必要としない簡単な構造にすることができる。また、開口側端部のセグメントのずれ移動をそのセグメント自体で防止でき、しいては、このセグメントを含むトンネル周方向の弧状セグメントリングのずれ移動を防止できる強固なトンネル内面保護・補強構造とすることができる。また、開口部に隣接するセグメントのトンネル内空側に、別個に端部固定金具を設けないので、トンネル内空側のデッドスペースが少なくなると共に美観を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0042】
図1〜図4は、本発明の第1実施形態のトンネル内面保護・補強構造およびその構造に使用される開口部端部の固定金具を示すものである。図25は、本発明の第2実施形態の開口端部のセグメントの断面を表すものである。図5および図6は本発明の第3実施形態のトンネル内面保護・補強構造を示し、図7は第3実施形態の変形形態を示し、図8は第4実施形態を示し、図9および図10は本発明において使用されるトンネル内面保護・補強用のセグメントの第1例および第2例を示すものである。
【0043】
先ず、開口部に隣接して配置されるトンネル内面保護・補強用のセグメントの図示の形態について、図9を参照しながら説明する。なお、開口部23に隣接しないトンネル内面保護・補強用のセグメントについては、前記従来の場合と同様なセグメント1が使用される。
【0044】
図9に示す形態のトンネル内面保護・補強用のセグメントは、本発明の第1実施形態または第4実施形態のトンネル内面保護・補強構造において使用するトンネル内面保護・補強用のセグメント1Aであり、また、トンネル内面保護・補強用のセグメント本体2は、従来の場合と同様なセグメント本体2である。なお、セグメント本体2の形態としては、図示形態以外の他の形態でもよく、すなわち、図9に示すような板状でなく、例えば図19に示すように4辺を囲うように設けた金属性枠61と金属性面材62や補強リブ63などで構成されていても良い。また、セグメント本体2の平面形状としては、矩形でなくともよく、例えば図20に示すように、トンネル軸方向をなす辺24,25の長さがトンネル周方向の両端で異なる形態でもよく、トンネル周方向をなす弧状辺4,5の一部または全部が平行でない形態でもよい。
【0045】
前記従来の場合と重複するが、ここで、簡単に図9を参照して説明すると、略矩形板状の保護・補強用セグメント(以下セグメントともいう)1Aにおけるトンネル周方向をなす各辺4、5の複数箇所に、トンネル軸方向に隣合うセグメントリング7相互を接続するための継手材として、周方向に間隔をおいて少なくともトンネル半径方向のせん断力を、トンネル軸方向に隣接するセグメント1に伝達するためのシアキー3をトンネル軸方向に張り出すように備えており、さらに保護・補強用セグメント1Aにおけるトンネル軸方向をなす各辺24,25に、トンネル周方向に隣り合うセグメント1相互を接続するための継手材として、トンネル軸方向に間隔をおいてシアキー56をトンネル周方向に張り出すように設けている。
【0046】
前記の継手材としてのシアキー3およびシアキー56は、隣接するセグメント1間で、トンネル軸方向にセグメント本体2から張り出す雄型のシアキー3のみでもよく、また、シアキーの形状は図20に示されたように雄型のシアキー3(3a,3b)とセグメント本体2から張り出さない雌型のシアキー3cからなる継手部材との組み合わせでもよい。
【0047】
トンネル軸方向に張り出すように突出する雄型のシアキー3は、トンネル軸方向の既設側(前部側)のシアキー3(3a)の位置と、新設側(後部側)のシアキー3(3b)の位置とは、トンネル周方向(保護・補強用セグメント本体2の弧状周面方向)に位置をずらして設けられている。
【0048】
保護・補強用のセグメント本体2には、突っ張り部材8が設けられ、この部材8はトンネル半径方向に貫通する雌ねじ孔9と、この雌ねじ孔9に螺合された突っ張りねじ軸10とにより構成されている。この突っ張り部材8は、その先端部をトンネル半径方向に保護・補強用セグメント本体2の裏面側に突出させ、既設トンネル覆工内壁面41に押し付けることにより、周方向に直列に連続されたセグメント1によるセグメントリング7をトンネル半径方向に縮径させるように作用することにより、保護・補強用セグメントリング7にトンネル周方向に軸力を導入させて、セグメントリングによるアーチの形状が変形するのを拘束し、アーチを安定させるものである。なお、図15に示すように前記突っ張りねじ軸10のトンネル内空側の基端部には、回動工具係合用凹部13が設けられている。
【0049】
また、保護・補強用セグメント本体2の裏面におけるトンネル軸方向(前後方向)両端部のトンネル周方向をなす前部側(既設側)の弧状辺4および後部側(新設側)の弧状辺5の近傍には、トンネル軸方向に隣り合うセグメント1(1A)相互(すなわち、トンネル軸方向に隣り合うセグメントリング7,7c相互)を固定するためのリング間固定治具14用の治具16と、同じセグメントリング7におけるトンネル周方向に隣り合うセグメント1相互を連結固定するための周方向のセグメント固定治具15用の治具19、20が設けられている。
【0050】
また、従来の場合と相違する部分として、この実施形態では、セグメント本体2における開口側端部26には、トンネル周方向に隣接するセグメント1に向かって張り出すせん断力伝達部材としてのシアキー56は、図4に示すように開口部23側に必要としないので、これを設けていない。
【0051】
また、図4および図9に示すように、トンネル周方向の開口部23に隣接して位置するセグメント1,1Aにおける開口部23側の端部近傍の部分27には、トンネル周方向をなす辺4,5およびトンネル軸方向をなす辺24,25に、シアキー3(56)を設ける必要はない。
開口部23側となるトンネル軸方向をなす辺25はトンネル軸方向に平行な辺とされている。
【0052】
図1〜図4に示す第1実施形態には、トンネル内の両端部の固定金具35からセグメント1をトンネル内周面にそって順に組み立て、開口部23の端部に使用するセグメント1Aとして、図9に示すトンネル内面保護・補強用のセグメント1Aを、トンネル周方向に分断された弧状セグメントリング7cの開口端部に隣接するセグメントに使用した形態が示されている。なお、これらの図1および図2においては、セグメント本体2に付属するシアキー3等の付属装置は省略した。
【0053】
さらに説明すると、図17(a)に示す従来の場合と同様に、トンネル下部のコンクリート製床版34からトンネル周方向上部のトンネル内側に突出した設備22に向かって、セグメント1を組み立て、既設の突出した設備22を避ける部位の端部セグメント1Aとして、図9に示すセグメント1Aが、開口部23の端部セグメントとして配置された状態が、図1に示す状態である。
【0054】
図1における開口部23の左側に位置している端部セグメント1A付近を拡大した図が図2に示され、図3には図2の端部固定金具28の斜視図が示され、図4には、セグメント裏面からみた展開平面図が示されている。開口部23により分断されている左右の弧状セグメントリング7cおよびその開口部側端部に配置されている端部固定金具28は同様であるので、開口部23の左側について主に説明する。
【0055】
前記のセグメント1Aにおけるシアキー3は、トンネル軸方向に隣接する既設側のセグメント1あるいはトンネル周方向に隣接するセグメント1の裏面に係合されている。そして、前記セグメント1Aの開口部23側の端部26は、図3に示すような端部固定金具28によりトンネル周方向開口部側への移動を拘束するように固定されている。
【0056】
ここで、前記の端部固定金具28の形状について、図2および図3を参照ながら説明すると、トンネル内壁面41にアンカー材44により固定されるベース部(図3a,bの上部のフランジ)45と、前記ベース部45の下面端部から直角に下方に下がる縦部分46が、前記ベース部45に一体に屈折連設されている。
【0057】
また、前記縦部分46の下端部には、前記ベース部45と反対方向に片持ち式に張り出す支持部47を備えている。また、前記縦部分46は、前記開口部23に隣接するセグメント1Aの開口部側の端部26端面に当接して、前記セグメント1Aのトンネル周方向の移動を拘束するストッパ部として機能し、縦部分46に一体に設けられた支持部47は、前記セグメント1Aの開口部側の端部下面を支持部47の上面で支持するようにされている。
【0058】
また、前記ベース部45と縦部分46とには、前記支持部47の反対側において、補強リブ49が部材長手方向に間隔をおいて設けられて、端部固定金具28の曲げ剛性を高め、また前記ベース部45には、隣り合う補強リブ49の間において、縦向きのボルト挿通孔50が設けられ、端部固定金具28はその長手方向に間隔をおいて複数のボルト挿通孔50を備えている構成とされ、このような端部固定金具28により、開口部23に隣接するセグメント1Aの開口側端部26を安定した状態でトンネル周方向開口部側への移動を固定することができるようにされている。
従って、下端を固定金具35によって固定され、上端も端部固定金具28により固定された弧状セグメントリング7cは、強固なシェル構造として補強効果を発揮することができる。
【0059】
前記の端部固定金具28を、既設覆工等のトンネル内壁に取り付ける場合は、既設覆工40等のトンネル内壁にアンカー孔48を設け、前記アンカー孔48にアンカーボルト等のアンカー材44の基端部を接着剤その他の手段によりトンネル内壁に固定し、ベース部45をトンネル内壁に当接すると共に、前記ベース部45のボルト挿通孔50に前記のアンカー材44を挿通し、前記アンカー材44にねじ込んだナット51を締め込むと共に、縦部分46をセグメント1Aの開口側端部26に当接した状態にして、セグメント1Aの開口部23側の端部26をトンネル周方向に移動不能に固定すればよく、また、セグメント1Aまたはその部分の弧状セグメントリング7cの裏面にグラウト42が充填された状態では、セグメント1Aの開口部23側の端部はトンネル半径方向の移動についても確実に固定される。
【0060】
前記の支持部47により、開口部23側に位置している端部セグメント1Aの開口部23側下面を支持して、開口部23側の端部セグメント1Aのトンネル半径方向、特にトンネルの内側への変形を防止し、安定状態でセグメント1A端部を確実に支持すると共に固定することができる。
【0061】
前記のように、開口部23に隣接するセグメント1Aが端部固定金具28およびセグメント1Aの裏面またはその部分のセグメントリング7cの裏面に充填されるグラウト42により、トンネル内空側および地山側の両方向のトンネル半径方向のずれ移動が防止される。なお、予め袋体をセグメント1Aの背面に設置しておき、セグメント組み立て後に、袋体(図示省略)にグラウトを充填しても良い。
【0062】
前記実施形態では、トンネル軸方向の巾が1セグメント分の開口部23とした場合の実施形態を示したが、図11に概略を示す変形形態のように、トンネル軸方向に2リング巾分あるいは3リング巾分(図示の場合)以上に渡り開口部23を設ける必要がある場合には、分断されて形成される弧状セグメントリング7cは、トンネル軸方向に2リング分あるいは3リング分以上となるので、このような場合の端部固定金具28としては、トンネル軸方向の長さをほぼ2リング分あるいは3リング分に近い長さとしてもよく、あるいは、個々のセグメント1Aに対して、1リング分より若干短い端部固定金具28をトンネル軸方向に設けてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、開口部23のない断面におけるセグメントリング7および、開口部23の弧状セグメントリング7cを構成するセグメント分割は、千鳥組みであるが、セグメント1,1Aは芋継ぎであっても良く、トンネル軸方向にのみ分割されたセグメント1であってトンネル周方向に分割されない構造でも良い。例えば、図21には芋継ぎの例が略図で示され、図22にはトンネル軸方向にのみ分割されトンネル周方向に分割されないセグメント1の例が略図で示されており、他の設備については省略されている。なお、これらの形態では、セグメント1,1Aの継手は、セグメント本体2の外周部に連続して凸状部64または凹状部65を備えており、このような形態のセグメントを使用すると、トンネル軸方向またはトンネル周方向に隣接するセグメントの凹状部と凸状部との嵌合構造により、トンネル半径方向のずれ変形が拘束され、トンネル周方向のずれ変形は拘束されない形態である。また、セグメントの本体構造はこのような平板構造でなくても良いのは前記、千鳥組みの例と同様である。
【0064】
さらに、上記第1実施形態の端部固定金具28以外の他の実施形態を図23および図24に示す。以下、図23および図24に基づいて前記第1実施形態との相違点のみを説明する。図23に示される実施形態では、端部固定金具28は、縦部分46に一体に設けられ、前記セグメント1Aの開口部側の端部裏面に当接される支持部を有する端部固定金具とされている。そして、開口部23に隣接する端部のセグメント1Aが、そのセグメント1Aの開口側端部付近に設けられた雌ネジ孔59および端部固定金具28の支持部47に設けられた雌ネジ孔58に係合するように配置されて、端部のセグメント1Aの端部が、ボルト57によって端部固定治具28の支持部47に固定されている点が異なるが、その他の構成は上記第1実施形態と同じである。このような形態では、端部固定金具28がセグメント1Aよりトンネル内空側に突出配置されないので、トンネル内空側にデッドスペースが生じないと共にトンネル内空側の美観を向上させることができる。
【0065】
図24に示される実施形態では、上記第1実施形態と端部固定金具28の形状が、断面ほぼコの字状である点、および端部のセグメント1Aがボルトで、端部固定治具28に固定されている点が異なるが、その他の構成は第1実施形態と同じである。この形態では、端部固定金具が断面ほぼコの字状の形態であり、その全体がセグメント1Aの裏面に配置される構造であるので、開口部に隣接するセグメントのトンネル内空側およびトンネル周方向開口部側に、端部固定金具28が突出しないので、トンネル内空側およびトンネル周方向開口部側のデッドスペースが少なくなると共に美観を向上させることができる。
【0066】
上記実施形態1および端部固定金具28の他の実施形態に示したように、端部固定金具28の形態としては、トンネル内壁に固定されるベース部45と、前記ベース部45に一体に設けられ、開口部23に隣接するセグメント1Aの開口部側の端部26に当接する縦部分46と、その縦部分46に一体に設けられ、前記セグメント1の開口部側の端部26を支持する支持部47とを備えているか、ボルト57により支持部47に固定するようにすれば、端部のセグメント1Aのトンネル周方向へのずれ移動を拘束できるので、セグメント1Aの固定方法や端部固定金具28の詳細形状などの詳細な構成は、適宜設計で定めればよい。
【0067】
次に、図25を参照して第2実施形態を説明する。図25には、上記第1実施形態の端部固定構造を示す図(図2、図23、図24と同様の図示)が示されている。この実施形態ではセグメント1Aの端部に、第1実施形態と同様の端部固定金具28(但し、支持部47が省略されている。)における縦部分46が予め溶接等により、セグメント1Aと一体に形成されており、支持部47が省略されている。このようにセグメント1A自体に端部固定金具28を付属させることもできる。この形態では、セグメント自体に縦部分46およびベース部45を設けるだけで、別個に独立した端部固定金具28を必要としない簡単な構造にすることができる。また、開口側端部のセグメント1Aのずれ移動をそのセグメント1A自体で防止でき、しいては、このセグメント1Aを含むトンネル周方向の弧状セグメントリング7cのずれ移動を防止できる強固なトンネル内面保護・補強構造とすることができる。また、開口部に隣接するセグメント1Aのトンネル内空側に、別個に端部固定金具28を設けないので、トンネル内空側のデッドスペースが少なくなると共に美観を向上させることができる。その他の構成は、第1実施形態と同様であり同様な部分には、同様な符号を付して説明を省略する。
【0068】
次に、図5〜図7および図10を参照して本発明の第3実施形態のトンネル内面保護・補強構造およびその構造において使用する図示のセグメント1Aについて説明する。なお、これらの図においては、セグメント本体2と連結用アーム52,53を主に表し、セグメント本体2に付属するその他の設備は前記実施形態と同様(ただし、治具16,20は不要になる。)であるので、これらを省略している。
このトンネル内面保護・補強用のセグメント本体2は、従来の場合と同様なセグメント本体2であり、相違する部分を主に説明すると、このセグメント1Aのトンネル周方向の開口部23側に位置する部分には、トンネル軸方向をなす辺25に平行にトンネル軸方向に延長するように連結用アーム52が配置されて、その連結用アーム52の基端部が溶接Wによりセグメント本体2の裏面に固定されている。前記連結用アーム52の先端部には、トンネル周方向に軸線を有するボルト挿通孔が設けられ、また、そのボルト挿通孔と同心状にナットからなる雌ねじ部材54が連結用アーム52における開口部23側の面と反対の面に溶接等により固定されている。
【0069】
また、前記のセグメント1Aのトンネル軸方向に隣接するセグメント1には、前記連結用アーム52に係合するようにトンネル軸方向に張り出す連結用アーム53が前記セグメント1Aの裏面側に張り出すように設けられ、前記連結用アーム53の先端部には、前記連結用アーム52のボルト挿通孔に合致するように、トンネル周方向に軸線を有するボルト挿通孔が設けられている。なお、これらの連結用アーム52および53は現場においてセグメント本体2の裏面に設けるようにしてもよい。
【0070】
開口部23に隣接するセグメント1Aの裏面と、そのセグメント1Aとトンネル軸方向に隣接するセグメントの裏面とに連結用アーム52,53に設けて、これらの連結用アーム52,53相互を、これらのボルト挿通孔に挿通されると共に雌ねじ部材54にボルト等の連結具55を固着して連結し、開口部23にトンネル周方向に隣接するセグメント1Aの開口側端部26を、トンネル軸方向に隣接するアーチが安定しているセグメントリング7におけるセグメント1に係止して、セグメント1Aのトンネル周方向のずれ移動を防止するようにし、トンネル内面保護・補強構造をより強固な構造としている形態である。
【0071】
前記の連結用アーム52は、セグメント1A裏面からトンネル軸方向に突出する雄型の連結用アームとしてもよく、あるいは図示のように、セグメント本体2の裏面からトンネル軸方向に張り出さないで、セグメント裏面内に納まるようにした形態でもよい。すなわち、前記の連結用アーム52,53は、トンネル軸方向に隣接するセグメント1A(1)の一方あるいは両方から張り出すような連結アームでもよい。
【0072】
前記第1実施形態と同様に、トンネル軸方向の巾が1セグメント分の開口部23とした場合の実施形態を示したが、図12に概略の変形形態を示すように、トンネル軸方向に2リング巾あるいは3リング巾(図示の場合)以上に渡り開口部23を設ける必要がある場合には、分断されて形成される弧状セグメントリング7cは、トンネル軸方向に2リング分あるいは3リング分以上となるので、このような場合は、セグメント1A相互がトンネル軸方向に隣接するようになるので、前記の連結用アーム52,53を隣接するセグメント1A間で適宜組み合わせるようにすればよい。
【0073】
図8は本発明の第4実施形態のトンネル内面保護・補強構造を示すものであって、図8では、概略斜視図にて図示されている。
この形態では、開口部23にトンネル周方向に隣接するセグメント1Aにおけるトンネル周方向をなす弧状辺4,5の開口部側端部26が、トンネル軸方向に隣接するセグメント1におけるトンネル周方向をなす辺4,5に、トンネル周方向に連続した溶接Wにより固定されて、開口部23に隣接するセグメント1Aのトンネル周方向をなす弧状辺4,5における開口部側の端部が固定されて、セグメント1Aのトンネル周方向のずれ移動防止されるようにされ、これにより、前記セグメント1Aを含む弧状セグメントリング7cのトンネル周方向のずれ移動が防止されるようにされている。連続した溶接Wのトンネル周方向の長さは、設計により設定される。
【0074】
このような開口部23に隣接するセグメント1Aの開口部側端部26の溶接は、トンネル内面に沿ってセグメント1Aを設置した時に、セグメント裏面側から連続した溶接Wにより固定するほうが、トンネル内面側から連続した溶接により行なう場合よりも、美観上あるいは溶接後の表面仕上げ処理を極力少なくする上で好ましい。
【0075】
また、前記実施形態と同様に、開口部23がトンネル軸方向に2リング分または3リング分となる場合には、図13に概略の変形形態を示すように、隣接するセグメント1Aのトンネル周方向をなす辺4,5相互は、開口端部側において、トンネル周方向に連続した溶接により固定すればよい。また、開口部23のトンネル軸方向端部に位置するセグメント1Aの開口側端部のトンネル周方向をなす辺4(5)を、開口により分断されていないセグメントリング7におけるセグメント1に連続した溶接Wにより固定することで、すべての開口部23に位置するセグメント1Aのトンネル周方向のずれ移動を防止することができ、また、その部分の弧状セグメントリング7cのトンネル周方向のずれ移動を防止することができる。
【0076】
なお、図示を省略するが、各図に示す矩形状のセグメント本体2の周側面部(図1bの本体2の前後面および左右側面)には、適宜、止水用シール材が固着されて、トンネル軸方向あるいは、トンネル周方向に隣り合うセグメント相互が密着されて、セグメント相互の止水連結が図られる。
【0077】
なお、本発明おける各実施形態を組み合わせて、トンネル軸方向の一つまたは複数のセグメント1Aあるいはセグメントリング7cのトンネル周方向のずれ移動を防止するようにしてもよい。
【0078】
第2実施形態および、第3実施形態、第4実施形態においても、セグメントの千鳥組みの例を示したが、本発明におけるセグメント配置はセグメント分割は千鳥組みを前提とせず、セグメントは芋継ぎであっても良く、トンネル軸方向にのみ分割されたセグメントであってトンネル周方向に分割されない構造でも良いことは前記第1実施形態の場合と同様である。
【0079】
前記各実施形態では、トンネル内面保護・補強用のセグメントとして、トンネル軸方向に隣接するセグメントの裏面に係合するように張り出す形態のアーム形式の継手部材(シアキー3)の形態を示したが、本発明を実施する場合、図示を省略するが、前記のような継手部材を備えていない他の適宜の板状のセグメントにも適用することができ、例えば、トンネル周方向に隣接するセグメント相互をボルトあるいは溶接により固定する形態等のセグメントを組み立てる場合の開口部に位置するセグメントあるいは弧状セグメントリングにおけるトンネル周方向等のずれ移動にも対応することができる。
【0080】
図示の実施形態では、自動車用トンネルの形態を示したが、本発明を実施する場合、鉄道用トンネルあるいはその他のトンネルにも適用して、トンネル内面の補修あるいは補強を行なうようにしてもよい。
【0081】
前記の薄肉面板状のトンネル内面保護・補強用のセグメント1(1A)を構成する材料としては、トンネル内空側の建築限界を超えないようにするために、例えば、板厚30mm以内の厚鋼板,FRP板状材,鋳鋼製面板状材等としてもよい。なお、セグメントFRP板状材である場合には、図示を省略するが、溶接に代えて適宜添接板等を介在させてボルト接合する手段を採用すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明のトンネル内面保護・補強構造における開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定構造を示す展開平面図(上部側)と、トンネル軸方向からみた正面図(下部側)とを示す説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態のトンネル内面保護・補強構造における開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定構造を示す図であり、(a)は開口部の一方(左側端部)のセグメント端部の固定構造を示す縦断正面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す縦断正面図である。
【図3】第1実施形態において使用される端部ストッパ金具を取り出して示す斜視図であり、(a)は正面方向からみた斜視図、(b)は背面方向から見た斜視図である。
【図4】図1の一部を拡大して示す展開平面図である。
【図5】本発明の第3実施形態のトンネル内面保護・補強構造における開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定構造をトンネル裏面側からみて展開した状態を示す平面図である。
【図6】(a)は図5の一部を拡大して示す一部横断平面図、(b)は(a)の側面図である。
【図7】第3実施形態の変形形態を示すものであって、(a)は一部横断平面図、(b)は(a)の側面図である。
【図8】(a)は本発明の第4実施形態のトンネル内面保護・補強構造における開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定構造を示す斜視図、(b)その縦断側面図である。
【図9】本発明において開口部に隣接するセグメントとして使用する第1例のトンネル内面保護・補強用のセグメントを示すものであって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図10】本発明において、開口部に隣接するセグメントとして使用する第2例のトンネル内面保護・補強用のセグメントを示すものであって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図11】本発明の第1実施形態の変形形態を示すものであって、トンネル内面保護・補強構造における開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定構造をトンネル裏面側からみて展開した状態を示す平面図である。
【図12】本発明の第3実施形態の変形形態を示すものであって、トンネル内面保護・補強構造における開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定構造をトンネル裏面側からみて展開した状態を示す平面図である。
【図13】本発明の第4実施形態の変形形態を示すものであって、トンネル内面保護・補強構造における開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定構造をトンネル裏面側からみて展開した状態を示す平面図である。
【図14】トンネル内面保護・補強用のセグメントの一形態を示すものであって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図15】(a)は図14(a)のA−A線断面図、(b)は図14(a)のB−B線断面図、(c)は図14(a)のC−C線断面図である。
【図16】トンネル内面保護・補強用のセグメントをトンネル内面に沿ってトンネル内面保護・補強構造を築造している状態を示す展開平面図である。
【図17】(a)は保護・補強のセグメントによりセグメントリング構造を構築している状態を示す概略縦断正面図、(b)は、下端部セグメントの下部の固定構造を示す正面図である。
【図18】既設の設備によりセグメントリングがトンネル周方向に分断される場合の説明図である。
【図19】本発明のセグメント本体の他の形態として用いることができるセグメントの例である。
【図20】本発明のセグメント本体の平面形状の他の形態として用いることができるセグメントの例である。
【図21】本発明の第1実施形態の千鳥組みのリング以外の他の例として芋継ぎ構造の例を示す略図で、(a)展開図の線図、(b)セグメントの断面図、(c)セグメントの平面図である。
【図22】本発明の第1実施形態の千鳥組みのリング以外の他の例として1枚/1リングで構成された構造の例を示す略図で、(a)展開図の線図、(b)セグメントの断面図、(c)セグメントの平面図である。
【図23】本発明の第1実施形態の他の例を表す図であり、トンネル内面保護・補強構造における開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定構造を示す図であり、(a)は開口部の一方(左側端部)のセグメント端部の固定構造を示す拡大した縦断正面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す縦断正面図、(c)は(b)の一部を拡大して示す図である。
【図24】本発明の第1実施形態のさらに他の例を表す図であり、トンネル内面保護・補強構造における開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定構造を示す図であり、(a)は開口部の一方(左側端部)のセグメント端部の固定構造を示す拡大した縦断正面図、(c)は(b)の一部を拡大して示す図である。
【図25】本発明の第2実施形態のトンネル内面保護・補強構造における開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定構造を示す図であり、(a)は開口部の一方(左側端部)のセグメント端部の固定構造を示す拡大した縦断正面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す縦断正面図である。
【符号の説明】
【0083】
1 トンネル覆工内面保護・補強用のセグメント
1A トンネル覆工内面保護・補強用のセグメント
2 トンネル覆工内面保護・補強用のセグメント本体
3 シアキー(隣接するリング相互を接続するためのシアキーで、セグメントの弧状辺に間隔をおいてトンネル軸方向に張り出すように設けられたシアキー)
3a 既設側シアキー
3b 新設側シアキー
3c シアキー(隣接するリング相互を接続するためのシアキーで、セグメントの弧状辺に間隔をおいてトンネル軸方向に張り出さないように設けられたシアキー)
4 既設側の弧状辺
5 新設側の弧状辺
7 開口により分断されていないセグメントリング
7a 既設側のセグメントリング
7b 新設側のセグメントリング
7c 弧状セグメントリング(開口により分断されているセグメントリング)
8 突っ張り部材
9 雌ねじ孔
10 突っ張りねじ軸杆
13 回動工具係合用凹部
14 リング間固定治具
15 周方向のセグメント間固定治具
16 治具
17 治具
19 治具
20 治具
21 ボルト
22 トンネル内空側に突出した設備
23 開口部
24 トンネル周方向既設側辺
25 トンネル周方向新設側辺
26 開口部側端部
27 開口部側の端部近傍の部分
28 端部固定金具
30 ブラケット
33 ナット
34 コンクリート製床版
35 固定金具
36 腕辺
37 腕辺
38 受け溝
39 押し付けボルト
40 既設覆工
41 内壁面
42 グラウト
43 トンネル
44 アンカー材
45 ベース部
46 縦部分
47 支持部
48 アンカー孔
49 補強リブ
50 ボルト挿通孔
51 ナット
52 連結用アーム
53 連結用アーム
54 雌ねじ部分
55 連結具
56 シアキー(トンネル周方向に隣り合うセグメント相互を接続するためのシアキーで、トンネル周方向に張り出すように設けられたシアキー)
57 ボルト
58 雌ネジ孔(端部固定金具28側)
59 雌ネジ孔(セグメント側)
60 回転工具係合用凹部
61 金属製枠
62 金属製面材
63 補強リブ
64 凸状部
65 凹状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともトンネル円周方向に分割された板状のセグメントをトンネル内面に沿って設置して、トンネル内面を保護・補強するトンネル内面保護・補強構造において、トンネル内面側に突出する設備を回避するために開口部を挟んでトンネル周方向に分断された各弧状セグメントリングにおける前記開口部に隣接するセグメントの開口部側の端部が、トンネル内壁面と、トンネル軸方向に隣接しトンネル周方向に分断されていないセグメントリングとの少なくともいずれか一方に固定手段によって固定されて、前記開口部に隣接するセグメントのトンネル周方向へのずれ移動が拘束されていることを特徴とするトンネル内面保護・補強構造。
【請求項2】
少なくともトンネル円周方向に分割された板状のセグメントをトンネル内面に沿って設置して、トンネル内面を保護・補強するトンネル内面保護・補強構造において、トンネル内面側に突出する設備を回避するために開口部を挟んでトンネル周方向に分断された各弧状セグメントリングが、トンネル軸方向に隣接しトンネル周方向に分断されていないセグメントリングに固定されて、各弧状セグメントリングのトンネル周方向へのずれ移動が拘束されていることを特徴とするトンネル内面保護・補強構造。
【請求項3】
前記開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定手段として、端部固定金具が用いられ、その端部固定金具は、トンネル内壁に固定されるベース部と、前記ベース部に一体に設けられ、開口部に隣接するセグメントの開口部側の端部に当接する縦部分と、その縦部分に一体に設けられ、前記セグメントの開口部側の端部を支持する支持部とを備えた端部固定金具とされていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル内面保護・補強構造。
【請求項4】
トンネル周方向の開口部に隣接するセグメントと、トンネル軸方向に隣接しトンネル周方向に分断されていないセグメントリングにおけるセグメントとが、これらのセグメント裏面に設けられた各連結用アームおよび各連結用アーム相互を固定する固着具により固着されていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル内面保護・補強構造。
【請求項5】
開口部を挟んでトンネル周方向に分断された弧状セグメントリングにおける開口部に隣接するセグメントにおけるトンネル周方向をなす辺の開口部側の端部が、トンネル軸方向に隣接するセグメントリングに溶接またはボルト接合する手段により固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のトンネル内面保護・補強構造。
【請求項6】
前記開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定手段として、端部固定金具が用いられ、その端部固定金具は、トンネル内壁に固定されるベース部と、前記ベース部に一体に設けられた縦部分と、その縦部分に一体に設けられ、前記セグメントの開口部側の端部裏面に当接される支持部を有する端部固定金具とされ、前記セグメントの開口部側の端部が前記支持部にボルトにより固定されていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル内面保護・補強構造。
【請求項7】
前記開口部に隣接するセグメントの開口側端部の固定手段として、端部固定金具が用いられ、その端部固定金具は、トンネル内壁に固定されるベース部と、前記ベース部に一体に設けられた縦部分と、その縦部分に一体に設けられ、前記セグメントの開口部側の端部裏面に当接される支持部を有する断面ほぼコの字状の端部固定金具とされ、前記セグメントの開口部側の端部が前記支持部にボルトにより固定されていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル内面保護・補強構造。
【請求項8】
トンネル周方向に分断された各弧状セグメントリングにおける前記開口部に隣接するセグメント本体の開口部側の端部に、トンネル内壁面に向って伸びる縦部分が一体に設けられ、その縦部分に一体にトンネル周方向の開口部側に向って伸びるベース部が設けられ、そのベース部がトンネル内壁に固定手段によって固定されて、前記開口部に隣接するセグメントのトンネル周方向へのずれ移動が拘束されていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル内面保護・補強構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−291653(P2006−291653A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117064(P2005−117064)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】