説明

トンネル用セグメントの連結構造及び連結方法

【課題】簡単な構造の継手部材をセグメントの長手方向の両端部に取付けることにより、セグメントを周方向に容易かつ確実に連結することができ、その上コストを大幅に低減することのできるトンネル用セグメントの連結構造及びその連結方法を提供すること。
【解決手段】長方形の鋼板の幅方向の両側の長手方向に設けられた断面四角形状の側壁12a,12bの間に案内溝14が形成された本体部11と、本体部11の一方の端部側において案内溝14を係合鋼板16で覆ってこの係合鋼板16と案内溝14とによって形成された係合部15と、本体部11の他方の端部近傍において案内溝14に取付けられ、側壁12a,12bの上面から案内溝14の深さとほぼ等しい高さで突出した係合突部17とからなる継手部材10を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの周方向及び軸方向に多数並べて連結することにより、トンネル壁を構築するためのトンネル用セグメントの連結構造及びその連結方法に係り、より詳しくは、セグメントをトンネルの周方向に連結するための継手部材を備えたトンネル用セグメントの連結構造及びその連結方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このようなトンネル用セグメントの連結構造は多数提案されているが、その一例として、連結すべき一方のセグメントにおける鋼製周縁枠の外側フランジおよび内側フランジに突条を設け、他方のセグメントにおける鋼製周縁枠の外側フランジおよび内側フランジに突条を嵌合させる凹部を設け、一方のセグメントの鋼製周縁枠に挿込孔を有する係止金具を固定し、他方のセグメントの鋼製周縁枠に、挿込突起を有する挿込金具を固定し、挿込突起にセグメント引寄せ誘導斜面を設け、一対の突条を一対の凹部に嵌合させ、挿込突起を係止金具に挿込むようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、トンネル用円周方向継手部材を、セグメント組立時トンネル軸方向にスライド可能で、トンネル内外方向に非スライド的に互いに嵌り合う組立て時位置決めガイド兼用の嵌合凹部および係合凸部有し、相対する部材間で面接触または近接して平行に配置される継手部板状鋼材で構成し、当該継手部板状鋼材に形成した貼付け溝に止水パッキングを貼付け、この止水パッキングの接触を介して両継手部板状鋼材が水密的に配設されるように構成したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平5−33595号公報
【特許文献2】特許第3343090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
引用文献1のセグメントの連結構造は、セグメントの両端部の鋼製周縁枠に、先端部に突条と凹部が設けられた外側フランジ及び内側フランジを取付けると共に、一方の鋼製周縁枠に挿込孔を有する係止金具を固定し、他方の鋼製周縁枠にこの係止金具に挿入される挿込金具を固定してセグメントを連結するようにしているため、複雑な構造の多くの部品を必要とし、部品の製造及びセグメントへの取付けがきわめて面倒でコストアップになるばかりでなく、位置合わせなど施工もまた面倒である。
【0006】
また、引用文献2の鋼製セグメント構造は、セグメントの一方のウエブの一端に複数の係合突起を設け、他方に突出して係合突起に係合する複数の係合孔を有する連結板を設けると共に、他方のウエブの一端に複数の係合孔を有する連結板を設け、他端に複数の係合突起を設けて、連結するセグメントをずらせて両者の継手部板状鋼材を当接し、ついで軸方向に押圧して連結板の係合孔を係合突起に嵌合して連結するようにしているので、多くの部品をセグメントに取付けるため、セグメントの製造が面倒でコストアップになるばかりでなく、位置合わせなど施工上もまた面倒である。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、簡単な構造の継手部材をセグメントの長手方向の両端部に取付けることにより、セグメントを周方向に容易かつ確実に連結することができ、その上コストを大幅に低減することができるトンネル用セグメントの連結構造及びその連結方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るトンネル用セグメントの連結構造は、長方形の鋼板の幅方向の両側の長手方向に設けられた断面四角形状の側壁の間に案内溝が形成された本体部と、該本体部に一方の端部側において前記案内溝を係合鋼板で覆って該係合鋼板と案内溝とによって形成された係合部と、前記本体部の他方の端部近傍において前記案内溝に取付けられ、前記側壁の上面から前記案内溝の深さとほぼ等しい高さで突出した係合突部とからなる継手部材を備えたものである。
【0009】
上記の継手部材の長さをセグメントの幅とほぼ等しいか又は若干短く形成し、幅を前記セグメントの厚みとほぼ等しいか又は若干狭く形成した。
上記いずれかの継手部材の本体部を、長方形の鋼板の幅方向の両側をそれぞれ内側に断面四角形状に折曲げて長手方向に側壁を形成し、該両側壁の間に案内溝が設けて構成した。
【0010】
上記のいずれかの継手部材の係合突部を、鋼板をほぼコ字状に折曲げて両側板の上下方向の中央部より若干高い位置から前後方向のほぼ中間部にかけて後部になるにしたがって下方に傾斜する係止部を設け、該係止部の上部及び天板の先端部側をそれぞれ斜め内側に折曲げて嵌入部を形成し、本体部の端部近傍において前記案内溝に取付けられるように構成した。
【0011】
上記いずれかの継手部材に設けた係合突部の天板に係止突起を設けると共に、前記係合部の近傍において案内溝の底部に、他の継手部材の係合突部の天板に設けた係止突起に係止する係止突起を設けた。
上記いずれかの継手部材の本体部の背面板の幅方向にリブを設けた。
上記いずれかの継手部材の本体部の側壁の上面にシール部材を取付けるシール溝を設けた。
【0012】
上記いずれかの継手部材を、セグメントの長手方向の両端部に係合突部が反対方向になるように取付けた。
また、上記いずれかの継手部材を、セグメントの長手方向の両端部内に、側壁の上面が前記セグメントの端部とほぼ同一平面になるように組込んで固定した。
【0013】
本発明に係るトンネル用セグメントの連結方法は、上記のいずれかの継手部材が取付けられた第1のセグメントに、該第1のセグメントと同じ構造の第2のセグメントを連結するにあたり、前記第2のセグメントの係合突部を前記第1のセグメントの係合突部と係合部との間に位置させて両者の係合突部を相手方の案内溝に嵌入し、ついで第2のセグメントを前記第1のセグメントの幅方向に押圧して両者の係合突部を相手方の係合部に嵌入してその係止部を相手方の係合鋼板に係止させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単な同じ構造の継手部材をセグメントの長手方向の両端部に取付けて案内溝をガイドとすることにより、セグメントを周方向に容易かつ確実に連結することができ、その上施工もきわめて容易なので、コストを大幅に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係るトンネル用セグメントの斜視図、図2は図1のA−A断面図である。
本発明に係るトンネル用セグメント(以下、単にセグメントという)は、図11に示すように、トンネル周方向の継手部材によって複数のセグメント1をリング状に連結してトンネル周壁を構築し、このトンネル周壁を周壁直角方向に順次連結してトンネル軸方向壁を構築するためのものである。
【0016】
図1,図2において、セグメント1は、鋼板をトンネルの周方向に沿って、図11の半径rでほぼ円弧状に形成して鋼殻を構成する外面板2の幅方向の両側に、鋼板からなる断面ほぼL字状の側面板3a,3bを溶接接合し、その両端部に継手部材10を溶接接合して、上面板2と側面板3a,3bと継手部材10とによって形成された領域にコンクリート4を打設したものである。
【0017】
継手部材10の一例を図3に示す。この継手部材10を構成する本体部11は、長方形の鋼板の幅方向の両側を互いに内側に折曲げて、長手方向に断面四角形状の側壁12a,12bを形成すると共に、両側壁12a,12bの間の長手方向に案内溝14を形成したものである。なお、本体部11は、例えば短冊状の鋼板の幅方向の両側の長手方向に、チャンネル状の鋼材あるいは断面四角形の鋼棒を接合して、その間に案内溝14を設けてもよい。
この本体部11の長さLは、セグメント1の幅とはほぼ等しいか、又はこれより若干短く(側面板3a,3bのウエブ間の内のり寸法とほぼ等しく)、また、幅Wは、セグメント1の厚みとほぼ等しいか、又はこれより若干短く(外面板2と側面板3a,3bのフランジ間の内のり寸法とほぼ等しく)選ばれている。
【0018】
16は本体部11の一方の端部において、案内溝14を覆って両側壁12a,12bに溶接接合された係合鋼板で、その上面は側壁12a,12bの上面(以下、フランジという)と同一平面又はこれより若干低くなっており、案内溝14と係合鋼板16とにより後述の係合突部17の係合部15が形成されている。なお、係合部15は、鋼板をコ字状に折曲げてその両側板を側壁12a,12bの内壁面に溶接接合して形成してもよい。
【0019】
17は本体部11の他方の端部側において案内溝14に取付けられた係合突部で、図4に示すように、鋼板を折曲げて、天板18と側板19a,19bとによりほぼコ字状に形成し、天板18の幅W2を案内溝14の幅W1とほぼ等しく、側板19a,19bの高さhを案内溝14の深さtのほぼ2倍の高さとする。そして、側板19a,19bの一端(以下、先端部という)から長手方向のほぼ中央部付近まで、下端部から側板19a,19bのほぼ2分の1より若干高い位置から、後部になるにしたがって下方に傾斜して段部21につながる係止部20を設け、天板18の先端部側及び係止部20の上方の側板19a,19bをそれぞれ斜め内側に折曲げて、先端部がやや細い嵌入部22を形成したものである。
【0020】
この係合突部17は、本体部11の他端(係合部15の反対側)から若干係合部15側に寄った位置(係合鋼板16の長さより内側の位置)において案内溝14内に挿入され、両側板19a,19bが両側壁12a,12bに溶接接合されて一体に取付けられる。このとき、係合突部17の両側壁12a,12bのフランジ面からの突出長h1は、案内溝14の深さtとほぼ等しくなっている。
このように、本体部11に係合突部17が取付けられた継手部材10は、幅方向が左右対称構造となっている。
【0021】
上記のように構成した継手部材10は、図1,図2に示すように、コンクリート4を打設する前に、セグメント1の長手方向の一方の端部の外面板2と側面板3a,3bとの間に、例えば係合突部17を手前にして、かつ両側壁12a,12bのフランジ面がセグメント1の端部とほぼ同一平面になるように挿入し、外面板2と側面板3a,3bに溶接接合して取付ける。
【0022】
また、セグメント1の長手方向の他方の端部に、上記の継手部材10と同じ構造の継手部材10を、係合突部17を奥側にして、すなわち、セグメント1の両端部に取付けた継手部材10の係合突部17が反対の位置になるように、上記と同様の要領で取付ける。そして、外面板2、側面板3a,3b及び両継手部材10で囲まれた領域に、コンクリート4を打設する。
【0023】
次に、上記のように継手部材10が両端部に取付けられたセグメント1の、トンネルの周方向への連結手順の一例について説明する。
図5(a)は、トンネルの周方向に既に設置されているセグメント1a(以下、既設セグメントという)と、この既設セグメント1aに連結するセグメント1b(以下、連結セグメントという)とを示すもので、既設セグメント1aの一方の端部に取付けた継手部材10aの係合突部17aは手間側に位置し、連結セグメント1bの他方の端部に取付けた継手部材10bの係合突部17bは奥側に位置している。
【0024】
先ず、図5(b)に示すように、連結セグメント1bをその係合突部17bが、既設セグメント1aの係合部15aと係合突部17aとの間に位置するように搬入する。ついで、図6(a)に示すように、連結セグメント1bを矢印a方向に移動させ、両者の係合突部17a,17bを相手方の案内溝14b,14aにそれぞれ嵌入する。このとき、両セグメント1a,1bの継手部材10a,10bの側壁12a,12bのフランジ面が当接し、また係合突部17a,17bの天板18が、案内溝14b,14aの底面にほぼ接触する。
【0025】
そして、連結セグメント1bを矢印b方向(トンネルの軸方向)に押圧し、図6(b)に示すように、既設セグメント1aの係合突部17aを連結セグメント1bの係合部15bに、連結セグメント1bの係合突部17bを既設セグメント1aの係合部15aにそれぞれ嵌入し、連結セグメント1bの側面板3aが既設セグメント1aの側面板3aと同一平面上に位置するまで押込む。このとき、両セグメント1a,1bの継手部材10a,10bの係合突部17a,17bの係止部20a,20bが相手方の係合鋼板16b,16aに係止する。これにより連結セグメント1bの既設セグメント1aへの連結が終了する。以下、同様にして既設のセグメント1aに連結セグメント1b,1c,1d,…を順次連結して、トンネルの周方向壁を構築する。なお、連結セグメント1bの押込みにあたっては、トンネルの掘削に用いるシールドマシンに装備されているジャッキの推進力を利用することができる。
【0026】
上記のように両端部に継手部材10a,10bが取付けられたセグメント1a,1bは、図7に示すように、既設セグメント1aの係合突部17aが、連結セグメント1bの案内溝14bに沿って係合部15b内に嵌入されて、その天板18が案内溝14bの底面に接触し、また、係止部20aが係合部15bの係合鋼板16bに係止する。同様に、連結セグメント1bの係合突部17bが既設セグメント1aの係合部15aに嵌入されて係止部20bが係合鋼板16aに係止するので、係合突部17a,17bの天板18と案内溝14b,14aの底部とが摩擦接触し、また、両者の係止部20a,20bとこれが係止する係合鋼板16b,16aとの楔作用により、連結セグメント1bは既設セグメント1aに強固に連結される。
【0027】
本実施の形態によれば、継手部材10は幅方向が左右対称構造となっているため、セグメント1の両端部に同じ構造の継手部材10を係合突部17の位置を変えるだけで取付ければよいので、一種類の継手部材10を準備すればよく、このため、継手部材10の製造、在庫管理、セグメント1への取付などがきわめて容易で、コストを低減することができる。
また、継手部材10の本体部11及び係合突部17は、鋼板を曲げ加工することにより製造できるので、製造がきわめて容易である。
【0028】
さらに、セグメント1のトンネル周方向の連結にあたっては、既設セグメント1aの継手部材10aの係合部15aと係合突部17aとの間に適宜位置に、連結セグメント1bの継手部材10bの係合と粒17bを位置させ、案内溝14b,14aに嵌入して押し込めばよいので、連結セグメント1bの位置合わせの自由度を大幅に拡大することができ、このため施工がきわめて容易である。
【0029】
また、既設セグメント1aと連結セグメント1bは、両者の継手部材10a,10bの係合突部17a,17bが相手方の案内溝14b,14aに嵌入されて、その係止部20a,20bに相手方の係合部15b,15aの係合鋼板16b,16aが楔状に係止するので、係合突部17a,17bや鋼板16a,16bの変形が防止されるばかりでなく、連結セグメント1bが押込み方向と直角方向に外れることがない。
【0030】
[実施の形態2]
図8は本発明の実施の形態2に係るセグメントの継手部材の要部の説明図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、図8(a)に示すように、一方のセグメント1a(以下の説明では、既設セグメント1aと連結セグメント1bについて記す)に設けた継手部材10aの係合突部17aの天板18に、先端部から後端部に向かって高くなる傾斜面を有する側面三角形状の係止突起23を設けると共に、連結セグメント1bの継手部材10bの案内溝14bの底部の、両セグメント1a,1bを連結したときに係合突部17aに設けた係止突起23が係止する位置に、係合突部17b側から係止部15bに向って高くなる傾斜面を有する側面三角形状の係止突部24を設けたものである。なお、図示してないが、連結セグメント1bに設けた継手部材1bの係合突部17bの天板18、及び既設セグメント1aに設けた継手部材1aの案内溝14aの底部にも、同様にして係止突部23,24が設けられている。
【0031】
このように構成したことにより、既設セグメント1aに連結セグメント1bを連結したときに、図8(b)に示すように、両者の係合突部17a,17bの天板18に設けた係止突起23が、相手方の継手部材10b,10aの底部に設けた係止突起24に係止するので、連結セグメント1bがトンネル軸方向に抜け出すのを確実に防止することができる。
【0032】
[実施の形態3]
図9は本発明の実施の形態3に係るセグメントの継手部材の斜視図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、継手部材10の背面板13の幅方向に、長手方向に所定の間隔でリブ25を設けたものである。
【0033】
継手部材10の案内溝14は、構造的に長手方向の曲げ力に対して弱いので、リブ25を設けることにより案内溝14を補強したものである。なお、このリブ25は、継手部材10に対するセグメントに打設されたコンクリートの付着力を高める効果もある。
【0034】
[実施の形態4]
図10は本発明の実施の形態4に係るセグメントの継手部材の斜視図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、継手部材10の側壁12a,12bのフランジ面の一部又は全面にシール部材27を取付けるシール溝27を設けたものである。
【0035】
セグメント1をトンネルの周方向に連結して構築した周方向壁において、隣接するセグメント1の連結部から、地盤から浸透した水がトンネル内に侵入することがある。
本実施の形態においては、継手部材1の側壁12a,12bのフランジ面に設けたシール溝26にシール部材27を取付けて隣接するセグメント1の連結部を水密に封止したので、連結部からトンネル内に水が侵入することがない。
【0036】
[実施の形態5]
本実施の形態は、継手部材10の背面板13に、複数本のアンカーボルト(図示せず)を取付けたものである。
セグメント1には、例えばRC製などのように継手部材10を溶接により取付けることができない場合がある。本実施の形態は、このような場合においても、アンカーボルトをコンクリートに埋込むことにより、セグメント1に継手部材10を取付けることができる。
【0037】
上記の説明では、図1,図2のセグメント1の長手方向の両端部に継手部材10を取り付けた場合を示したが、セグメントの構造はこれに限定するものではなく、例えば、RCや鋳鉄製のセグメント、図1のセグメント1とは異なる構造の合成セグメント等、他の構造のセグメントにも本発明に係る継手部材10を取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1に係るセグメントの斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の継手部材の斜視図である。
【図4】図3の係合突部の斜視図である。
【図5】セグメントの周方向の連結手順の説明図である。
【図6】セグメントの周方向の連結手順の説明図である。
【図7】セグメントを連結したときの継手部材の状態を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るセグメントの継手部材の要部の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係るセグメントの継手部材の斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係るセグメントの継手部材の斜視図である。
【図11】図1のセグメントをトンネルの周方向に連結した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 セグメント、2 外面板、3a,3b 側面板、4 コンクリート、10 継手部材、11 本体部、12a,12b 側壁、14 案内溝、15 係合部、16 係合鋼板、17 係合突部、20 係止部、23,24 係止突起、25 リブ、26 シール溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形の鋼板の幅方向の両側の長手方向に設けられた断面四角形状の側壁の間に案内溝が形成された本体部と、該本体部の一方の端部側において前記案内溝を係合鋼板で覆って該係合鋼板と案内溝とによって形成された係合部と、前記本体部の他方の端部近傍において前記案内溝に取付けられ、前記側壁の上面から前記案内溝の深さとほぼ等しい高さで突出した係合突部とからなる継手部材を備えたことを特徴とするトンネル用セグメントの連結構造。
【請求項2】
前記継手部材の長さをセグメントの幅とほぼ等しいか又は若干短く形成し、幅を前記セグメントの厚みとほぼ等しいか又は若干狭く形成したことを特徴とする請求項1記載のトンネル用セグメントの連結構造。
【請求項3】
前記継手部材の本体部を、長方形の鋼板の幅方向の両側をそれぞれ内側に断面四角形状に折曲げて長手方向に側壁を形成し、該両側壁の間に案内溝を設けて構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のトンネル用セグメントの連結構造。
【請求項4】
前記継手部材の係合突部を、鋼板をほぼコ字状に折曲げて両側板の上下方向の中央部より若干高い位置から前後方向のほぼ中間部にかけて後部になるにしたがって下方に傾斜する係止部を設け、該係止部の上部及び天板の先端部側をそれぞれ斜め内側に折曲げて嵌入部を形成し、本体部の端部近傍において案内溝に取付けられるように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトンネル用セグメントの連結構造。
【請求項5】
前記継手部材に設けた係合突部の天板に係止突部を設けると共に、前記係合部の近傍において案内溝の底部に、他の継手部材の係合突部の天板に設けた係止突部に係止する係止突部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトンネル用セグメントの連結構造。
【請求項6】
前記継手部材の本体部の背面板の幅方向にリブを設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトンネル用セグメントの連結構造。
【請求項7】
前記継手部材の本体部の側壁の上面にシール部材を取付けるシール溝を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトンネル用セグメントの連結構造。
【請求項8】
前記継手部材を、セグメントの長手方向の両端部に係合突部の位置が反対方向になるように取付けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のトンネル用セグメントの連結構造。
【請求項9】
前記継手部材を、セグメントの長手方向の両端部内に、側壁の上面が前記セグメントの端部とほぼ同一平面になるように埋込んで固定したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のトンネル用セグメントの連結構造。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかの継手部材が取付けられた第1のセグメントに、該第1のセグメントと同じ構造の第2のセグメントを連結するにあたり、
前記第2のセグメントの係合突部を前記第1のセグメントの係合突部と係合部との間に位置させて両者の係合突部を相手方の案内溝に嵌入し、ついで第2のセグメントを前記第1セグメントの幅方向に押圧して両者の係合突部を相手方の係合部に嵌入してその係止部を相手方の係合鋼板に係止させることを特徴とするトンネル用セグメントの連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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