説明

トークンバケットの初期化、保持、および再構成のための方法および装置

トークンバケットを零でない値に初期化して、スケジューリング許可を受信して、スケジューリング許可の受信に応答してデータを送信する方法および装置を提供する。さらに、MACリセットを開始して、MACリセットの間、トークンバケットの値を保持するかどうかまたはトークンバケットの値を再初期化するかどうかを決定する方法および装置を提供する。さらに、トークン・ステータス・レポートを生成させる要求を受信して(605)、トークン・ステータス・レポートを生成させて(610)、トークン・ステータス・レポートを送信する(615)方法および装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信に関し、より詳細には、トークンバケットの初期化、保持、および再構成のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、LTE(Long Term Evolution)アーキテクチャに対する従来のユーザー・プレーン・プロトコル・スタック100を示す。スタック100は、WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit)において、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤー、RLC(Radio Link Control)レイヤー、MAC(Medium Access Control)レイヤー、および物理(PHY)レイヤーを含み、eNB(evolved Node−B)において対応するレイヤーを含む。eNBは、S1−Uインターフェースを用いてSAE(System Architecture Evolution)ゲートウェイへ接続される。
【0003】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)標準によれば、LTE MACサブレイヤーは、論理チャンネルとトランスポートチャンネルとの間のマッピングをサポートする。MACサブレイヤーは、トランスポートチャンネルによるPHYレイヤーへの配送のために、1つまたは複数の論理チャンネルからTB(Transport Block)へのMAC SDU(Service Data Unit)のマルチプレックスをサポートする。さらに、MACサブレイヤーは、トランスポートチャンネルによってPHYレイヤーから配送されたTBから1つまたは複数の論理チャンネルからのMACのデマルチプレックスをサポートする。加えて、MACサブレイヤーは、論理チャンネル優先順位付けおよびトランスポートフォーマット選択をサポートする。
【0004】
MACサブレイヤーの1つの機能は、論理チャンネルの優先順位付けである。MACエンティティは、MAC SDUを、RLCレイヤーからである、種々の論理チャンネルから受信できる。次に、MACエンティティは、SDUを1つのトランスポートチャンネルの上にマルチプレックスする。
【0005】
図2は、データを、複数の論理チャンネルから1つのトランスポートチャンネルの上へマルチプレックスするMACを示す。複数の論理チャンネルは、DTCH(Dedicated Traffic CHannel)、DCCH(Dedicated Control CHannel)、またはCCCH(Common Control CHannel)を含むことができる。図2の例において、1つのトランスポートチャンネルは、UL−SCH(UpLink Shared CHannel)として示される。
【0006】
論理チャンネル優先順位付けは、新しいMAC送信が実行されると、適用される。WTRUにおけるRRC(Radio Resource Control)サブレイヤーは、各論理チャンネルに優先順位の値を割り付けることによりアップリンクデータのスケジューリングを制御する。優先順位の値が増加することは、論理チャンネルに対する優先順位レベルが低くなることを示す。加えて、各論理チャンネルは、PBR(Prioritized Bit Rate)およびMBR(Maximum Bit Rate)を割り付けられる。WTRUは、すべての論理チャンネルを、構成されたPBRまで、優先順位を減少させる順に扱う。リソースが残っている場合、すべての論理チャンネルを、構成されたMBRまで、優先順位を減少させる順に扱う。MBRが構成されていない場合、論理チャンネルに対するデータがなくなるまで、またはアップリンクの許可がなくなるまで、最初にやって来るどれでも、論理チャンネルを扱う。WTRUは、同一の優先順位によって構成されたすべての論理チャンネルを等しく扱う。バッファー・ステータス・レポート(BSR)に対するMACコントロールエレメント(control element)は、BSRのパディングを除いて、ユーザープレーン論理チャンネルよりもより高い優先順位を有する。
【0007】
3GPP標準においてWTRUにおいて、無線ベアラの間でアップリンクリソースの共有を管理するアップリンク速度制御機能がある。RRCは、各ベアラに優先順位およびPBRを与えることによって、アップリンク速度制御機能を制御する。さらに、RRCは、GBR(Guaranteed Bit Rate)ベアラ毎にMBRを供給する。WTRUによって信号送信された値は、インターフェースSlを介してeNBへ信号送信された値に関連しない場合がある。2つ以上の無線ベアラが同一の優先順位を有する場合、WTRUは、これらの無線ベアラを等しく扱う。
【0008】
論理チャンネル優先順位付けおよびMACマルチプレックスの詳細について議論する、いくつかの提案がある。これらの提案は、WTRUに関して入力パラメーターを規定すること、および出力に対する制約であることで一致している。
【0009】
提案は、入力パラメーターの仕様に対してトークン・バケット・モデルを仮定する。PBRまたはMBRは、トークン速度を使用してWTRUから、あるいは固定サイズから導出されるか、またはeNBから信号送信される。PBRまたはGBRは、報告されたバッファー状態を制限しない。提案は、速度計算について説明するためにトークン・バケット・モデルを利用し、それにより各論理チャンネルはPBRおよびMBRに関連するトークンバケットを持つことができる。トークンがバケットに加えられる速度は、そのPBRおよびMBRである。トークンバケットのサイズは、予め定められた最大値を越えることはできない。
【0010】
1つの提案は、速度計算またはトークンバケット計算に対する処理を説明する。ベアラの各時間増分Tjに対して、これはPBRを持つが、ベアラjに関連付けられるPBRクレジットはTjxPBRjの値だけ増加する。さらにベアラがMBRを持っている場合、ベアラjに関連付けられるMBRクレジットはTjxMBRjの値だけ増加する。上限が最大PBRに対して設定されている場合および蓄積された値がその最大値を越える場合、それらが最大値に設定される。MBRクレジットがベアラjに対して設定され、かつ蓄積された値が最大値を越える場合、それらが最大値に設定される。WTRUが新しいデータを送信することが許可されている、スケジューリング機会の各TTI(Transmission Time Interval)をおいて、スケジューラは、バッファー状態が空きでなく、かつPBRクレジットが零でない最優先ベアラからデータを選択する。スケジューラは、バッファーのサイズ、PBRクレジットのサイズ、またはTBの利用可能な容量の、何れか小さい方に等しいデータをTBに加えることができる。PBRクレジットおよびMBRクレジットは、割り付けられたデータの量だけ減少する。
【0011】
すべてのベアラのPBRクレジットが零でありかつTB中にスペースが利用可能である場合、スケジューラは、バッファリングされたデータを有する最優先順位ベアラから、TB中の利用可能なスペースまたはWTRUのMBRクレジットのサイズの、何れか小さい方までデータを受け入れる。MBRクレジットは、受け入れられたデータの量だけ減少する。
【0012】
図3は、従来のMAC PDU(Protocol Data Unit)を示し、MACヘッダー、MACコントロールエレメント、MAC SDU、およびパディングビットを含む。MACヘッダーおよびMAC SDUの両方は、可変なサイズであるとすることができる。MAC PDUヘッダーは、少なくとも1つのMAC PDUサブヘッダーを含み、各々のサブヘッダーは、MAC SDUか、MACコントロールエレメントか、パディングビットかの何れかに対応する。MACレイヤーは、例えばBSRコントロールエレメントなど、MACコントロールエレメントを生成できる。MACコントロールエレメントを、下の表1に例示するように、LCID(Logical Channel ID)に対して具体的な値によって識別できる。
【0013】
【表1】

【0014】
上の表1に示されたインデックス00000−yyyyyは、対応するRLCエンティティを有する実際の論理チャンネルに対応させることができる。残りのインデックスを、例えばBSRまたはパディングなど、MACコントロールエレメントを識別するのに使用できる。
【0015】
3GPP標準によれば、LTE RLCサブレイヤーのいくつかのサービスおよび機能は、AM(Acknowledged Mode)またはUM(Unacknowledged Mode)をサポートする上位レイヤーのPDUの転送を含む。さらに、RLCサブレイヤーは、TM(Transparent Mode)データ転送、ARQ(Automatic Repeat reQuest)によるエラー訂正、上位レイヤーPDUの順序通りの配送(アップリンクにおけるハンドオーバーのときを除く)、eNBおよびWTRUの間のフロー制御、SDU破棄、およびRLCリセットを含む。従って、RLCは、3つの動作モード、すなわちAM、UM、およびTMをサポートする。
【0016】
サービスの継続性を確実にするために、およびサービス中断を最小にするために、強化されたBSRまたは新しいコントロールエレメントを使用して、トークンバケットを初期化する、あるイベントに関してトークンバケットを保持する、トークンバケットを再構成する、およびトークンバケットの状態を通信する方法および装置を提供することが有益であろう。
【発明の概要】
【0017】
トークンバケットを零でない値に初期化する、スケジューリング許可を受信する、許可の受信に応答してデータを送信する方法および装置を提供する。
【0018】
MACリセットを開始すること、MACリセットの間、トークンバケットの値を保持するかどうかまたはトークンバケットの値を再初期化するかどうかを決定すること、トークンバケットの値を保持する決定に応答してトークンバケットの値を保持すること、およびトークンバケットの値を再初期化する決定に応答してトークンバケットの値を再初期化することを有する方法および装置を提供する。
【0019】
トークン・ステータス・レポートを生成させるという要求を受信する、この要求がMAC要素の一部として受信される、要求に応答してトークン・ステータス・レポートを生成させる、およびバッファー・ステータス・レポートの一部としてトークンの総数を送信する方法および装置を提供する。
【0020】
添付図面に関連して例として与えられた以下の説明から、より詳細な理解を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来のLTEのユーザー・プレーン・プロトコル・スタックを示す図である。
【図2】アップリンク通信に対する従来のMACマッピングおよびマルチプレックスを例示する図である。
【図3】3GPP標準の仕様書に従うMAC PDUの従来の構造を示す図である。
【図4】複数のWTRUおよびeNBを含む例示的なワイヤレス通信システムを示す図である。
【図5】図4に示されたワイヤレス通信システムのWTRUおよびeNBの例示的な機能ブロック図である。
【図6】トークン・ステータス・レポートを処理する方法の例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書において以後引用するとき、用語の「WTRU」は、制限しないが、UE(User Equipment)、移動局、固定または移動の加入者ユニット、ページャー、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、コンピューター、またはワイヤレス環境において動作する性能がある他のあらゆる型のユーザーデバイスを含む。本明細書において以後引用するとき、用語の「基地局」は、制限しないが、Node−B、サイトコントローラー、アクセスポイント(AP)、またはワイヤレス環境において動作する性能がある他のあらゆる型のインターフェーシングデバイスを含む。
【0023】
本明細書において以後、RLC PDUまたはRLC PDUセグメントを、MAC SDUと同等とみなすことができる。さらに、トークンバケット/クレジットバケットの更新を引用するとき、バケット更新間隔において、MAC SDUのサイズに対応する量によりトークン/クレジットの量をバケットから取り去るか、またはトークン/クレジットを加えることを引用するとみなすことができる。さらに、トークンバケット、またはクレジット計算は、データ速度計算または速度制御計算と同等とみなすことができる。さらにその上、トークンバケット/クレジットバケットは、トークンバケットとして本明細書において引用するであろう。
【0024】
図4は、複数のWTRU410およびeNB420を含むワイヤレス通信システムの例400を示す。図4に示されるように、WTRU410はeNB420と通信状態にある。3つのWTRU410および1つのeNB420を、図1に示すが、ワイヤレスデバイスおよび有線デバイスのあらゆる組み合わせを、ワイヤレス通信システム400に含むことができることを補足するべきである。
【0025】
図5は、図4のワイヤレス通信システム400のWTRU410およびeNB420の機能ブロック図500である。図5に示されるように、WTRU410は、eNB420と通信状態にあって、両方は、トークンバケットを初期化して、保持して、再構成するように構成できる。
【0026】
典型的なWTRUにおいて見出すことができる構成要素に加えて、WTRU410は、プロセッサ415、レシーバー416、トランスミッター417、およびアンテナ418を含む。プロセッサ415は、トークンバケットを初期化し、保持し、そして再構成するための方法を実行するように構成される。レシーバー416およびトランスミッター417は、プロセッサ415と通信状態にある。アンテナ418は、レシーバー416およびトランスミッター417の両方と通信状態にあり、ワイヤレスデータの送信および受信を容易にする。WTRU410はまた、トークン・バケット・マネジメント・エンティティ450を含み、これについては以下でさらに詳細に説明されるであろう。
【0027】
典型的なeNBにおいて見出すことができる構成要素に加えて、eNB420は、プロセッサ425、レシーバー426、トランスミッター427、およびアンテナ2428を含む。プロセッサ425は、トークンバケットを初期化し、保持し、そして再構成するための方法を実行するように構成される。レシーバー426およびトランスミッター427は、プロセッサ425と通信状態にある。アンテナ428は、レシーバー426およびトランスミッター427の両方と通信状態にあり、ワイヤレスデータの送信および受信を容易にする。
【0028】
続けて図5を参照して、トークン・バケット・マネジメント・エンティティ450はトークンバケットを処理する。すなわち、トークン・バケット・マネジメント・エンティティ450は、初期化、ハンドオーバー、再構成、またはリセットイベントがあるかを決定する。リセットイベントがある場合、トークン・バケット・マネジメント・エンティティ450はバケットリセット機能を実行する。バケット再構成がある場合、トークン・バケット・マネジメント・エンティティ450はバケット再構成機能を実行する。
【0029】
1回のトークン更新時間間隔に対応するトークンの量にPBRバケットを初期化するようにWTRU410を構成できる。さらにまた、1回のトークン更新時間間隔に対応するトークンの量にMBRバケットを初期化するようにWTRU410を構成できる。例えば、PBRを、TjxPBRjの値に初期化できる一方、MBRを、TjxMBRjの値に初期化できる。
【0030】
零でない値に基づきトークンバケットを初期化することにより、WTRU410が、分割を最小にし、そしてそれがスケジューリング許可を受信したときにさらなるトークンを蓄積させる必要性による遅延を被ることなく情報を送信し始めることが可能になる。
【0031】
あるいはまた、バケットの最大値を、更新数を乗じた更新速度におけるPBRまたはMBRであるとすることができる。更新数を乗じたバケット更新速度は、バケット持続時間であるとみなすことができる。WTRU410は、N回のトークン更新時間間隔に対応するトークンの量にPBRおよびMBRバケットを初期化するように構成できる。例えば、PBRをNxTjxPBRjの値に初期化できて、MBRをNxTjxMBRjの値に初期化できる。ただし、Tjは、ベアラjに対するトークン更新時間増分であり、Nは、構成可能であるとすることができる整数である。Nの値を、RRCを使用して構成できる。あるいはまた、Njを、Nの代わりに使用できる。
【0032】
さらに、WTRU410を、PBRおよびMBRバケットをそれらの最大値に初期化するように構成できる。バケットが蓄積可能とされるトークンの最大数にバケットを初期化できる。バケットはこのレベルに到達すると、その後のバケット更新間隔においてサイズは増加しない。更新の最大更新数Nを乗じたバケット更新速度は、最大バケット持続時間であるとみなすことができる。
【0033】
WTRU410を、PBRおよびMBRバケットを零に初期化するように構成できる。あるいはまた、RRCメッセージ中に運ばれるRRC情報要素(IE)を使用して表される予め定められた値に、PBRおよびMBRバケットを初期化するようにWTRU410を構成できる。これらのIEは、初期値を含むことができ、またはPBRおよび/またはMBRのトークン更新サイズ、更新の周期性、および最大バケットサイズまたはバケット持続時間を含むことができる。
【0034】
ハンドオーバーにおいてまたはMACリセットのときにトークンバケットを保持できて、WTRU410は、ハンドオーバーまたはMACリセットの間トークンバケットの値を維持できる。前のセルにおいて決定されたPBRおよび/またはMBRバケットの最終値が、新しいセルにおける初期値として適用される。これにより、サービスの連続性および中断時間の最小化を達成できる。WTRU410を、ハンドオーバーの間またはMACリセットの間、トークンバケット値を再初期化しないように構成できる、またはWTRU410は、すべてのハンドオーバーイベントの間、トークンバケット値を維持するように構成できる。
【0035】
WTRU410がMACリセットの間、トークンバケット値を維持できるかまたはトークンバケットを再初期化できるかを示すために、予め定められたRRC表示を使用するようにWTRU410を構成できる。予め定められたRRC表示は、RRCプリミティブかまたはRRC IEの何れかであることができる。さらに、トークンバケットの維持を、論理チャンネルに選択的に適用できる。例えば、ある論理チャンネルのトークンバケット値を、維持することができる一方、別の論理チャンネルのトークンバケット値を、再初期化する。
【0036】
あるいはまた、ハンドオーバーまたはMACリセットの間トークンバケットが再初期化される場合、ハンドオーバーまたはMACリセットの間、トークンバケットを零でない値に再初期化するようにWTRU410を再構成できる。例えばバケットは、PBR*Tj、またはN*PBR*Tjに初期化できる。
【0037】
WTRU410は、イントラLTEハンドオーバーの間に1つのセルまたはeNB420から別のものに移動する場合がある。ハンドオーバー動作の間、MACエンティティをリセットするか、または再構成できる。さらに、MACエンティティを、無線リンク障害があると、リセットまたは再構成できて、RLCリセットまたは上位レイヤーのリセットのために生じることができる、きにまた、できる。これらの場合の各々において、上で説明されたようにトークンバケットをリセットするか、または保持できる。
【0038】
eNB420は、いつでもまたはハンドオーバー間、WTRU410のPBRまたはMBRを再構成できる。さらにMAC再構成手順の一部として、WTRU410のPBRおよび/またはMBRの再構成を実行できる。
【0039】
結果として、新しく構成されたビット速度に従ってWTRU410はそのトークンバケットを再初期化する必要がある場合がある。トークン・バケット・マネジメント・エンティティ450は、RRCレイヤーに位置することができ、またはMACレイヤーに位置することができる(図示せず)。MACまたはRRCにより、トークン・バケット・サイズの計算を実行できる。トークン・バケット・サイズがRRCによって実行される場合、RRCがMACに対して再構成させることができる。これは、MACおよびRRCの間のプリミティブの信号方式を必要とする場合がある。
【0040】
例えば、MACは、再構成すると、RRCに現時点のバケット値を提供する。次にRRCは、信号送信された情報および再構成パラメーターを使用して新しいバケット値を計算する。RRCは、新しいバケット値をMACへ信号送信する。
【0041】
PBRまたはMBRを再構成すると、WTRU410を、トークンバケットを再初期化するように構成できる。WTRU410を、トークンバケットのサイズを比較するように構成できて、WTRU410を、トークンバケットのサイズを再調整する、またはスケーリングするように構成できる。
【0042】
PBRまたはMBRを再構成すると、WTRU410は、PBRおよびMBRバケットをPBRおよびMBRバケットの最大値にそれぞれ初期化することによってトークンバケットを再初期化できる。WTRU410を、N個のトークン更新時間間隔に対応するトークンの量にPBRおよびMBRバケットを初期化するように構成できる。
【0043】
例えば、PBRを、NxTjxPBRjの値に初期化できて、MBRを、NxTjxMBRjの値に初期化できる。ただし、Tjは、ベアラjに対するトークン更新時間増分であり、Nは、構成可能であるとすることができる整数である。Nの値を、RRCを使用して構成できる。あるいはまた、Njを、Nの代わりに使用できる。
【0044】
あるいはまた、WTRU410は、PBRおよびMBRバケットをそれらの最大の値に初期化するか、またはPBRおよびMBRバケットを零に初期化できる。あるいはまたWTRU410は、RRCメッセージ中に運ばれるRRC IEを使用して表される予め定められた値にPBRおよびMBRバケットを初期化できる。
【0045】
WTRU410は、1回のトークン更新時間間隔に対応するトークンの量にPBRおよびMBRトークンバケットを初期化できる。例えば、PBRをTjxPBRjの値に初期化できて、MBRをTjxMBRjの値に初期化できる。ただし、Tjは、トークン更新時間増分である。
【0046】
PBRまたはMBRを再構成すると、WTRU410のRRCエンティティまたはWTRU410のMACエンティティを、トークンバケットの現時点のサイズを新たに指定された最大バケットサイズと比較するように構成できる。現時点のトークン・バケット・サイズが新しい最大バケットサイズよりも小さい場合、WTRU410を、現時点のバケットサイズを維持するように構成できる。現時点のトークン・バケット・サイズが新しい最大バケットサイズよりも大きい場合、WTRU410を、新しい最大バケットサイズにバケットサイズを設定するように構成できる。さらに、現時点の最小のバケットサイズおよび新しい最大バケットサイズにバケットサイズを設定することを、トークン・バケット・クランピング(token bucket clamping)と呼ぶことができる。
【0047】
PBRまたはMBRを再構成すると、WTRU410のRRCエンティティまたはWTRU410のMACエンティティを、最大バケットサイズ比に比例してトークン・バケット・サイズを再調整するように、またはスケーリング(scale)するように構成できる。例えば、新しいトークンの数は、新しい最大バケットサイズ対古い最大バケットサイズの比率を乗じる古いトークン数の関数である。次に、トークンバケットを、新に対する旧の最大バケットサイズの比に比例してスケーリングする。
【0048】
あるいはまた、トークン・バケット・サイズを、ビット速度の比に比例してスケーリングできる。例えば、新しいトークンの数は、新しいビット速度対古いビット速度の比率を乗じる古いトークン数の関数である。次に、トークンバケットを、新に対する旧のビット速度の比に対してスケーリングする。
【0049】
図6は、トークン・ステータス・レポートのための図を示す。eNB420は、要求をWTRU410へ送信して、WTRU410にトークン・ステータス・レポートを生成するように要求する(ステップ605)。eNB420からの要求を、新しいMACコントロールエレメントの一部としてまたはRRCメッセージのRRC IEの一部として受信できる。要求をWTRU410へ送信するためのeNB420を起動するイベントを、eNBの実装により決定する。例えば、イベントの起動を、以下のように定義できる。
【0050】
WTRU410を、eNB420によって要求されたトークン・ステータス・レポートを生成させる(ステップ610)ように構成できる。WTRU410を、イベントが起動されるとトークンの総数を送信するように構成できる。この情報を、BSRの一部として転送できる(ステップ615)。WTRU410を、WTRU410の現時点のPBRまたはMBRのトークンバケット値を含んでいるトークン・ステータス・レポートを送信するように構成できる。さらに、トークン・ステータス・レポートは、トークンバケットに関連するあらゆる情報またはトークンバケットから導出されるあらゆる情報を含むことができる。
【0051】
トークン・ステータス・レポートを、BSRに対する拡張として含むことができる。例えば、拡張されたBSRは、トークンバケットの情報を含むことができる。トークン・ステータス・レポートを、新しいMACコントロールエレメントに含むことができる。あるいはまた、トークン・ステータス・レポートを、RRCメッセージに含まれるRRC IEに含むことができる。WTRU410は、内部の起動に基づいてトークン・ステータス・レポートを生成できる。
【0052】
内部の起動およびイベントの起動は、次のうちの何れかひとつであるとすることができる。すなわち、ハンドオーバー、MACリセット、特定のレイヤーでのリセット、MAC再構成、特定のレイヤーでの再構成、およびeNB420からの要求である。イベントの起動または内部の起動は、周期的であるとすることができ、またはあらゆる別の予め定義された時間またはイベントにおいてであるとすることができる。
【0053】
eNB420からの要求に応答してトークン・ステータス・レポートを生成させるようにWTRU410を構成できる。eNB420は、トークン・ステータス・レポートの可能性を使用してスケジューリング動作を最適化できる。トークン・ステータス・レポートの可能性を使用して、eNB420自身の計算をWTRU410の計算と同期化させるようにeNB420を構成できる。さらにその上、トークン・ステータス・レポートの可能性を受信した後に、eNB420はビット速度パラメーターまたはトークンバケット値を再構成できる。
【0054】
トークン・ステータス・レポートは、PBRまたはMBRバケットの絶対的サイズ、PBRまたはMBRバケットのそれらの最大バケットサイズに対するサイズ、PBRまたはMBRバケットが一杯かそうではないかを表すビット、PBRまたはMBRバケットが空かそうではないかを表すビット、WTRU410がPBRまたはMBR制限済かであるかの表示、またはPBRまたはMBRトークンに関連するか、またはそれから導出された他のあらゆる情報を含むことができる。情報を、複数の論理チャンネルまたはバケットにわたって収集できる、または論理チャンネル毎ベースに収集できる。
【0055】
BSRを、BSRの拡張によってトークン・ステータス・レポート情報を提供するために強化する。例えば、BSRは、拡張フラグを含むことができる。あるいはまた、WTRU410を、蓄積されたトークン、PBRまたはMBRトークンの総数をBSRの一部としてeNB420へ送信するように構成して、eNB420をスケジューリングにおいて援助できる。あるいはまた、WTRU410を、RRC IEにより構成できる予め定義された閾値と、蓄積されたトークンを比較するように構成できる。そして、蓄積されたトークンの量が予め定義された閾値に合致する場合に1の値を、または蓄積されたトークンの量が予め定義された閾値に合致しない場合に0の値を報告するようにWTRU410を構成できる。
【0056】
(実施形態)
1.トークンバケットを零でない値に初期化するよう構成されたプロセッサ
を備えたWTRU。
2.スケジューリング許可を受信するよう構成されたレシーバーと、
スケジューリング許可の受信に応答してデータを送信するよう構成されたトランスミッターと
をさらに備えた実施形態1のWTRU。
3.プロセッサが、PBRの最大値に基づいてトークンバケットを初期化するようさらに構成された実施形態1−2のWTRU。
4.PBRが、トークン更新時間間隔に従ってトークンの総数に基づいて初期化される実施形態3のWTRU。
5.MACリセットを開始するよう構成されたプロセッサ
を備えたWTRU。
6.プロセッサが、MACリセットの間にトークンバケットの値を保持するようさらに構成された実施形態5のWTRU。
7.プロセッサが、ハンドオーバー命令に応答してMACリセットを開始するようさらに構成された実施形態5−6のWTRU。
8.トークンバケットの値が、論理チャンネルが確立されるまで保持される実施形態6−7のWTRU。
9.ハンドオーバーを起動するよう構成されたプロセッサ
を備えたWTRU。
10.プロセッサが、ハンドオーバーの間にMACをリセットして、トークンバケットを零でない値にリセットするようさらに構成された実施形態9のWTRU。
11.プロセッサが、新しい最大バケットサイズ対古い最大バケットサイズの比率に基づいてトークンバケットをリセットするよう構成された実施形態10のWTRU。
12.プロセッサが、再構成に応答して、現時点の前記トークンバケットのサイズを予め定められた新たな最大バケットサイズと比較するようさらに構成された実施形態10−11のWTRU。
13.現時点のサイズが最大バケットサイズより小さい場合、プロセッサがトークンバケットの現時点のサイズを維持する実施形態12のWTRU。
14.現時点のサイズが最大バケットサイズより大きい場合、プロセッサがトークン・バケット・サイズを最大サイズまで使用する実施形態12−13のWTRU。
15.プロセッサが、新しい最大サイズおよび古い最大サイズの比率に基づいてトークンバケットを再調整するようさらに構成された実施形態10−14のWTRU。
16.プロセッサが、新しいビット速度および古いビット速度の比率に基づいてトークンバケットを再調整する実施形態10−15のWTRU。
17.プロセッサが、PBRの最大値に基づいてトークンバケットを再初期化するようさらに構成された実施形態10−16のWTRU。
18.トークン・ステータス・レポートを生成させるという要求を受信するよう構成されたレシーバー
を備え、要求がMAC要素の一部として受信されるWTRU。
19.要求に応答してトークン・ステータス・レポートを生成させるよう構成されたプロセッサと、
バッファー・ステータス・レポートの一部としてトークンの総数を送信するよう構成されたトランスミッターと
をさらに備えた実施形態18のWTRU。
20.要求が、MACリセットに応答して受信される実施形態18−19のWTRU。
21.要求が、MAC再構成に応答して受信される実施形態18−20のWTRU。
22.要求が、レイヤーのリセットに応答して受信される実施形態18−21のWTRU。
23.要求が、レイヤーの再構成に応答して受信される実施形態18−22のWTRU。
24.トランスミッターが、PBRトークンバケット値を含んでいるトークン・ステータス・レポートを送信するようさらに構成された実施形態19のWTRU。
【0057】
特徴および要素を、上で特定の組み合わせにおいて説明したが、各々の特徴または要素は、他の特徴および要素なしで単独にて、または他の特徴および要素のあるなしに拘わらず様々な組み合わせにて使用可能である。本明細書において提供される方法またはフローチャートを、汎用目的のコンピューターまたはプロセッサによって実行されるコンピューター読み取り可能な記憶媒体に組み込まれたコンピュータープログラム、ソフトウェア、またはファームウェアに実装できる。コンピューター読み取り可能な記憶媒体の例は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、レジスター、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、例えば内蔵ハードディスク、取外し可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、およびに例えばCD−ROMディスク、DVD(Digital Versatile Disk)などの光学媒体を含む。
【0058】
適切なプロセッサは、例として、汎用目的プロセッサ、専用目的プロセッサ、従来のプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連付けられた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、制御装置、マイクロ制御装置、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、他のあらゆる型の集積回路(IC)、および/または状態マシンが含まれる。
【0059】
ソフトウェアと結び付けられたプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末、基地局、RNC(Radio Network Controller)、またはあらゆるホストコンピューターにおいて使用するための無線周波数レシーバーを実装できる。WTRUを、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて実装される、例えば、カメラ、ビデオ・カメラ・モジュール、テレビ電話、スピーカーフォン、振動デバイス、スピーカー、マイクロホン、テレビ送レシーバー、ハンズフリー受話器、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、液晶表示(LCD)表示ユニット、有機発光ダイオード(OLED)表示ユニット、デジタル音楽プレーヤー、メディアプレーヤー、テレビゲーム・プレーヤー・モジュール、インターネットブラウザー、および/またはあらゆるWLAN(Wireless Local Access Network)モジュールもしくはUWB(Ultra Wide Band)モジュールなど、モジュールと共同して用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トークンバケットを零でない値に初期化するよう構成されたプロセッサと、
スケジューリング許可を受信するよう構成されたレシーバーと、
前記許可の受信に応答してデータを送信するよう構成されたトランスミッターと
を備えたWTRU。
【請求項2】
前記プロセッサが、PBRの最大値に基づいて前記トークンバケットを初期化するようさらに構成されたことを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項3】
前記PBRが、トークン更新時間間隔に従って前記トークンの総数に基づいて初期化されることを特徴とする請求項2に記載のWTRU。
【請求項4】
MACリセットを開始する、
前記MACリセットの間にトークンバケットの値を保持する
よう構成されたプロセッサ
を備えたWTRU。
【請求項5】
前記プロセッサが、ハンドオーバー命令に応答して前記MACリセットを開始するようさらに構成されたことを特徴とする請求項4に記載のWTRU。
【請求項6】
前記トークンバケットの値が、論理チャンネルが確立されるまで保持されることを特徴とする請求項5に記載のWTRU。
【請求項7】
ハンドオーバーを起動する、
前記ハンドオーバーの間にMACをリセットする、
トークンバケットを零でない値にリセットする
ように構成されたプロセッサ
を備えたことを特徴とするWTRU。
【請求項8】
前記プロセッサが、新しい最大バケットサイズ対古い最大バケットサイズの比率に基づいて前記トークンバケットをリセットするよう構成されたことを特徴とする請求項7に記載のWTRU。
【請求項9】
前記プロセッサが、再構成に応答して、前記トークンバケットの現時点のサイズを予め定められた新たな最大バケットサイズと比較するようさらに構成されたことを特徴とする請求項8に記載のWTRU。
【請求項10】
前記現時点のサイズが前記最大バケットサイズよりも小さい場合、前記プロセッサが、前記トークンバケットの現時点のサイズを維持することを特徴とする請求項9に記載のWTRU。
【請求項11】
前記現時点のサイズが前記最大バケットサイズよりも大きい場合、前記プロセッサが、前記トークン・バケット・サイズを前記最大サイズまで使用することを特徴とする請求項9に記載のWTRU。
【請求項12】
前記プロセッサが、新しい最大サイズおよび古い最大サイズの比率に基づいて前記トークンバケットを再調整するようさらに構成されたことを特徴とする請求項9に記載のWTRU。
【請求項13】
前記プロセッサが、新しいビット速度および古いビット速度の比率に基づいて前記トークンバケットを再調整することを特徴とする請求項12に記載のWTRU。
【請求項14】
前記プロセッサが、PBRの最大値に基づいて前記トークンバケットを再初期化するようさらに構成されたことを特徴とする請求項9に記載のWTRU。
【請求項15】
トークン・ステータス・レポートを生成させる要求を受信するよう構成されたレシーバーであって、前記要求はMAC要素の一部として受信される、レシーバーと、
前記要求に応答して前記トークン・ステータス・レポートを生成させるよう構成されたプロセッサと、
バッファー・ステータス・レポートの一部としてトークンの総数を送信するよう構成されたトランスミッターと
を備えたWTRU。
【請求項16】
前記要求が、MACリセットに応答して受信されることを特徴とする請求項15に記載のWTRU。
【請求項17】
前記要求が、MAC再構成に応答して受信されることを特徴とする請求項15に記載のWTRU。
【請求項18】
前記要求が、レイヤーのリセットに応答して受信されることを特徴とする請求項15に記載のWTRU。
【請求項19】
前記要求が、レイヤーの再構成に応答して受信されることを特徴とする請求項15に記載のWTRU。
【請求項20】
前記トランスミッターが、PBRトークンバケット値を含んでいる前記トークン・ステータス・レポートを送信するようさらに構成されたことを特徴とする請求項15に記載のWTRU。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2011−511566(P2011−511566A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545083(P2010−545083)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/032132
【国際公開番号】WO2009/097281
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】