説明

ドアの蝶番

【課題】 本発明は、2つの関節運動可能に、互いに結合された蝶番部材1a、1bを有するドアの蝶番1であり、その際、これら蝶番部材の内の1つの蝶番部材が、ドア枠におけるまたはドアの扉における固定のための基礎本体2aを、および、少なくとも1つの、この基礎本体2aに対して2つの方向に位置調節可能なインサート3aを、有する様式のドアの蝶番に関する。
【解決手段】 本発明に従い、インサート3aと基礎本体2aとの間に、中間部片6、6が設けられており、その際、この中間部片6、6が、基礎本体2aに対して、第1の直線案内部に沿って、第1の方向Xへと位置移動可能可能であり、その際、インサート3aが、中間部片6、6′に対して、第2の直線案内部に沿って、第2の方向Zへと位置移動可能可能であり、および、その際、締付け状態の固定のための固定手段が、基礎本体2aの前方の部分、中間部片6、6′およびインサート3aを貫通係合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
2つの関節運動可能に結合された蝶番部材を有するドアの蝶番であり、その際、これら蝶番部材の内の1つの蝶番部材が、
ドア枠におけるまたはドアの扉における固定のための基礎本体を、および、
少なくとも1つの、この基礎本体に対して2つの方向に位置調節可能なインサートを、有する様式のドアの蝶番であって、
その際、インサートと基礎本体との間に、中間部片が設けられており、且つ、
その際、この中間部片が、基礎本体に対して、第1の直線案内部に沿って、第1の方向へと位置移動可能可能である様式の上記ドアの蝶番に関する。
この位置調節可能なインサートは、例えば、蝶番舌状部(Bandlappen)のための収容部として形成されている。
選択的に、このドアの蝶番は、ドアの扉とドア枠との間の覆われた配設のために設けられており、その際、蝶番部材が、このドア枠の窪み部内において、およびドアの扉の幅狭側内において使用可能であり、且つ、2つの相対して回転可能なヒンジ湾曲部材によって、互いに結合されている。
【背景技術】
【0002】
2つの関節運動可能に結合された蝶番部材を有するドアの蝶番であり、その際、これら蝶番部材の内の1つの蝶番部材が、
ドア枠におけるまたはドアの扉における固定のための基礎本体を、および、
少なくとも1つの、この基礎本体に対して2つの方向に位置調節可能なインサートを、有する様式のドアの蝶番は、特許文献1から公知であり、
その際、両方の蝶番部材が、それぞれに、1つの基礎本体を有し、この基礎本体が、関節運動可能に互いに結合されたヒンジ湾曲部材の上側および下側に、2つの、この基礎本体に対して位置調節可能なインサートを有している。
これらヒンジ湾曲部材は、これらインサートに保持されており、
その際、それぞれのインサートに、これらヒンジ湾曲部材内の一方のヒンジ湾曲部材が、回転可能に、および、
他方のヒンジ湾曲部材が、回転可能に且つ案内摺動溝路(Fuehrungskulisse)に沿って移動可能に収容されている。
これら蝶番部材の内の一方の蝶番部材において、
これらインサートが、基礎本体に対して、垂直方向に位置調節可能であり、その際、
垂直方向内において、1つの溝案内部と、並びに、これらインサートに対して作用しこの基礎本体に支持される調節偏心体とが設けられている。
他方の蝶番部材において、1つの位置調節は、2つの互いに垂直に起立する、水平の方向において実現されており、その際、1つの位置調節が、蝶番部材の前面側に対して平行に、長手孔によって可能とされている。
この適当な位置調節でもって、閉鎖されたドアの扉の位置は、ドアの扉面に対して垂直に調節され得る。この位置調節によって、この扉の外側面は、枠の鏡のように滑らかな表面に関して、アジャストされ、その際、同様に、扉封隙材に対して作用する圧力も変化される。この相応する水平方向の位置調節は、従って、実際に、同様に押付け調節(Andruckverstellung)とも称される。位置調節は、相応する蝶番部材の前面側に対して垂直に、位置調節スピンドルによって可能とされており、その際、この位置調節によって、閉鎖されたドアの扉の場合、両側に残る間隙は、枠に対して調節され得る。この相応する位置調節は、従って実際に、側方位置調節と称される。
【0003】
2つの関節運動可能に結合された蝶番部材を有するドアの蝶番であり、その際、これら蝶番部材の内の1つの蝶番部材が、
ドア枠におけるまたはドアの扉における固定のための基礎本体を、および、
少なくとも1つの、この基礎本体に対して2つの方向に位置調節可能なインサートを、有する様式の、更に別のドアの蝶番は、特許文献2から公知であり、
その際、側方位置調節が、位置調節スピンドルを介して、および、押付け調節が、この側方位置調節に対して垂直に、少なくとも1つの長手孔を介して行われる。
この位置調節スピンドルは、前方板と後方板との間に設けられている。
付加的な位置調節を、更に別の水平方向内において可能とするために、少なくとも1つの、更に別の締付けまたは中間板が必要である。この公知のドアの蝶番は、構造的に比較的に手間暇がかかり、且つ、多数の、互いにねじ止めされるべき部材を必要とする。
【0004】
請求項1の上位概念に従うドアの蝶番は、特許文献3から公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ヨーロッパ特許出願公開第1 308 592 A2号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2009 038 955 A1号明細書
【特許文献3】ヨーロッパ特許出願公開第2 390 446 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、上記の背景から、本発明の根底をなす課題は、2つの関節運動可能に結合された蝶番部材を有するドアの蝶番を提示することであり、
このドアの蝶番の場合、これら蝶番部材の内の1つの蝶番部材に、2つの方向内における位置調節が、構造的に簡単な手段でもって可能とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
冒頭に記載した様式の特徴を有するドアの蝶番を出発点として、この課題は、本発明に従い、
インサートが、中間部片に対して、第2の直線案内部に沿って、第2の方向へと位置移動可能可能であること、および、
締付け状態の固定のための固定手段が、基礎本体の前方の部分、中間部片およびインサートを貫通係合していることによって解決される。
【発明の効果】
【0008】
第1および第2の直線案内部によって、精密な位置調節は、基礎本体がインサートに対して傾倒されまたは旋回されること無しに、2つの方向内において、特に2つの、垂直に互いに起立する方向内において可能である。更に、これら位置調節のために設けられた直線案内部は、簡単な方法で、比較的に小さな中間部片に形成され得る。
【0009】
第1および第2の直線案内部は、長手孔または溝案内部によって実現され得、その際、
1つの溝案内部の形成のために、
互いに接し合うように案内されるべき部材の内の一方の部材における少なくとも1つの突出部が、他方の部材の溝部内において収容されている。
直線案内部の方向内において縦長の1つの突出部、または、2つの離間された突出部を有する実施形態は、配置された移動方向に対する傾倒を回避するために、特に有利である。
記載された実施形態の有利な更なる構成に従い、
中間部片は、溝案内部として形成された、第1および第2の直線案内部の形成のために、それぞれに、少なくとも1つの突出部を有し、この突出部が、基礎本体もしくはインサートにおいて設けられた溝部内へと係合する。
この基礎本体およびインサートは、相応して簡単に成形され得、その際、上記された溝部が、同様に、後から追加して、簡単に、高い精確さで形成され得る。この中間部片が、単に、2つの方向内における上記された位置調節可能性を可能にすることのためだけに設けられているので、この中間部片は、比較的に小さく、且つ従って、容易に製造され得る。案内のために設けられた成形部を除いて、簡単な、板形または円板形が合目的である。
【0010】
中間部片の製造のために、従って、異なる可能性が与えられる。簡単な形状に基づいて、射出成形が考慮に値する。更に、この中間部片は、しかしながら同様に、変形された薄板から形成され得、このことのために、単に打抜き加工だけが必要である。
上記の突出部は、その場合に、簡単な方法で、薄板から成形され得る。ピンの形状またはその種の他の形状における突出部を、この中間部片の穿孔内へと挿入することは、同様に可能である。このような実施形態の場合、これら突出部は、同様に特に抵抗力のある(widerstandsfaehigen)、及び/または低摩擦の材料から形成され得る。
【0011】
中間部片が、基礎本体とインサートとの間に設けられているので、一方では第1の直線案内部が、および他方では第2の直線案内部が、合目的に、中間部片の相対して位置している側面に形成されている。
【0012】
弛緩された固定手段の場合、基礎本体は、インサートに対して、両方の直線案内部に沿って、傾倒すること無しに、制御された状態で移動され得る。この固定手段は、例えば、ねじであり、このねじが、ねじ付き部片内へと係合し、その際、このねじの締付けによって、インサートおよび中間部片が、このねじ付き部片によって、基礎本体に対して締付ける状態で引っ張られる。
【0013】
このドアの蝶番の更に別の実施形態のために、本発明の範囲内において、異なる可能性が与えられる。
有利な実施形態に従い、蝶番部材の結合部として、2つの、関節運動可能に協働するヒンジ湾曲部材が設けられており、その際、
これら蝶番部材が、それぞれに、基礎本体、および2つのインサートを有しており、および、その際、
これらインサートにおいて、
それぞれに、これらヒンジ湾曲部材の内の一方のヒンジ湾曲部材が、回転可能に、および、
他方のヒンジ湾曲部材が、回転可能に且つこれらインサートの案内摺動溝路に沿って位置移動可能に収容されている。
【0014】
これら蝶番部材は、その場合に、ドアの扉とドア枠との間の覆われた配設のために、このドア枠の窪み部内において、およびドアの扉の幅狭側内において設けられている。
【0015】
中間部片によって、2つの、有利には、垂直に互いに起立した方向内における位置調節が可能とされる。
特に、少なくとも1つのインサートは、基礎本体に対して、
ドアの蝶番の旋回軸線に対して平行に延在する垂直方向に沿って、および、
この垂直方向に対して垂直に、水平方向に沿って位置調節可能である。
ドアの扉の閉鎖位置に関して、更に別の水平方向内における位置調節は、他方の蝶番部材において実施され得、従って、総じて3つの方向内において位置調節可能なドアの蝶番が提供される。
【0016】
インサートは、有利には、金属射出成形部材である。その際、第2の直線案内部の提供のための成形部が比較的に簡単であり、且つ、同様に、何の問題も無く、金属射出成形プロセスにおいて形成され得ることの利点が与えられる。選択的に、溝部が金属射出成形部材内において、同様に、更に後から追加して形成され得る。
この製造は、従って、特に安いコストで可能である。総じて、ドアの蝶番の安定性および機能において、原価を最低限に抑えるために、同様に、基礎本体は、薄板から成る一体的な部材として形成され得る。同様に、その際、第1の直線案内部のために必要な成形部は、容易に形成され得る。
【0017】
本発明を、以下で、単に1つの実施例だけを図示した図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】分解図で図示された、本発明に従うドアの蝶番の部分図である。
【図2A】中間部片の上側の詳細図である。
【図2B】図2Aに従う中間部片の下側からの眺望の図である。
【図3】図1内において図示されたドアの蝶番の透視図における全体図である。
【図4A】図3の線A−Aに沿っての断面図である。
【図4B】図3の線B−Bに沿っての断面図である。
【図5A】分解図で図示された、ドアの蝶番の選択的な実施形態の部分図である。
【図5B】図5Aに従う中間部片の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、一般的に、2つの関節運動可能に結合された蝶番部材1a、1bを有するドアの蝶番1であり、その際、これら蝶番部材の内の1つの蝶番部材が、
ドア枠におけるまたはドアの扉における固定のための基礎本体2aを、および、
少なくとも1つの、この基礎本体2aに対して2つの方向に位置調節可能なインサート3aを、有する様式のドアの蝶番に関している。
このようなドアの蝶番の可能な実施形態は、図3内において図示されており、その際、両方の蝶番部材1a、1bが、それぞれに、基礎本体2a、2bを、並びに、それぞれに、2つのインサート3a、3bを有している。
第1の蝶番部材1aのインサート3aが、
垂直方向Zにおいて組み付けられた状態における、ドアの蝶番1の通例の配設に関して、
この垂直方向に対して垂直に、第1の水平方向Xにおいて、設けられた基礎本体2aに対して位置調節可能であるのに対して、
更に別の位置調節が、
第2の蝶番部材1bにおける第2の水平方向Yにおいて、相応する基礎本体2bの前面側に対して垂直に行われ、その際、この第2の蝶番部材1bにおいて、インサート3bが、それぞれに位置調節スピンドル4でもって、設けられた基礎本体2bに対して位置決め可能である。
【0020】
この第1の蝶番部材1aの精確な実施形態は、図1内において、分解図で図示された部分図から与えられる。
回転軸線Dにおいて互いに結合されたヒンジ湾曲部材5の上側および下側に、それぞれに、1つのインサート3aが設けられており、その際、それぞれのインサート3aと、基礎本体2aの前方の部分との間に、中間部片6が設けられていることは、認められるべきである。
この中間部片6は、板状に形成されており、且つ、この中間部片の上側およびこの中間部片の下側に、成形部を有しており、これら成形部が、基礎本体2aにおいて設けられた成形部と、第1の直線案内部を、および、インサート3aにおいて設けられた成形部と、第2の直線案内部を形成している。
【0021】
図示された実施例において、中間部片6は、この中間部片の上側に、2つの突出部7を有しており、これら突出部が、第1の水平方向Xに延在する溝部8内へと係合し、且つ従って、この溝部8と共に、溝案内部を形成する。この溝部8は、図1内において、覆われた状態で設けられている。
【0022】
図2Bから、中間部片6が、この中間部片の下側に、スリット9を有しており、これらスリットが、組み付けられた状態において、垂直方向Zにおいて延在し、且つ、設けられたインサート3aのウェブ10内へと係合することが見て取れる。これらスリット9とウェブ10は、共に、上記された第2の直線案内部を形成する。
【0023】
これら中間部片6でもって、第1の蝶番部材1aの両方のインサート3aは、精密に、基礎本体2に対して位置調節可能であり、その際、これら両方の直線案内部によって、傾倒が回避される。
【0024】
第1の蝶番部材1aにおいて、インサート3aを、基礎本体2aに対して、所望され調節された位置内において、固定するために、固定手段が、ねじ11の様式で設けられており、このねじが、基礎本体2aの前方の部分、中間部片6および、設けられたインサート3aを貫通係合し、且つ、インサート3aの下側に設けられたねじ付き部片12内へと係合している。このねじ11の締付けによって、インサート3aおよび中間部片6は、ねじ付き部片12によって、基礎本体2aに対して締付ける状態で引っ張られ、且つ従って固定される。
この固定された状態において、ドアの蝶番は、予期せぬ位置移動に対して保護されており、その際、このねじ11の弛緩の後、新たな調節が可能である。
【0025】
図3から明らかであるように、両方の蝶番部材1a、1bの結合のために、回転軸線Dに、互いに結合されたヒンジ湾曲部材5が設けられており、その際、これらヒンジ湾曲部材5が、それぞれに、これら蝶番部材1a、1b内の一方の蝶番部材のインサート3a、3bにおいて、回転可能に、且つ、他方の蝶番部材1b、1aのインサート3a、3bにおいて、案内摺動溝路13に沿って位置移動可能に収容されている。
この図3は、この関連において、上記のような自体公知の配設の更なる構成を示しており、この配設の場合、それぞれのインサート3a、3bに、2つの案内摺動溝路13が設けられており、これら案内摺動溝路の内の1つの案内摺動溝路13が未使用のままである。
記載された更なる構成の範囲内において、これらインサート3a、3bが、左側と同様に右側にも、即ち、蝶番部材1a、1b内の一方の蝶番部材において、ヒンジ湾曲部材5の上側においてと同様に、180°だけ回転された下側においても、使用され得ることは有利である。
【0026】
第1の蝶番部材1aの基礎本体2aと相応するインサート3aとの間の、中間部片6の、本発明に従う配設は、同様に、図4A内において見て取れ、この図が、図3の線A−Aに沿っての断面を示している。第1の蝶番部材1aのインサート3aは、垂直方向Zにおいて延在する長手孔14を有しており、これら長手孔が、垂直方向Zにおける位置調節を可能にし、その際、それに加えて、これらインサート3aが、これらインサートのウェブ10でもって、中間部片6のスリット9に案内されている。第1の水平方向Xに沿ってのこの上記案内に対して垂直の、位置調節は、溝部8との、中間部片6の突出部7の協働によって可能であり、この溝部が、下側で、基礎本体2aの前方の部分に形成されている。
図4A内において認識可能な長手孔14は、相応して、同様に、十分な側方の遊隙を、第1の水平方向Xに沿って有していなければならない。
【0027】
図4Bは、第2の蝶番部材1bにおいて、インサート3bの配設を示しており、その際、ここで、インサート3bが、先に記載された位置調節スピンドル4でもって、基礎本体2bの前面側に対して垂直に、第2の水平方向Yに沿って位置調節可能である。
閉鎖されたドアの扉に関して、位置調節可能性は、3つの、垂直に互いに起立する方向X、Y、Z内において与えられ、従って、簡単な手段でもって、ドアの扉の精密な調節が可能である。
【0028】
図5Aおよび5Bは、ドアの蝶番の選択的な実施形態を示しており、この実施形態に場合、中間部片6′の下側において、幅広のアーチ状の成形部15が設けられており、この成形部が、インサート3aの収容部16でもって、垂直方向に案内されている。この成形部15および収容部16は、従って、第2の直線案内部を、溝案内部の様式で形成する。
第1の直線案内部は、先に記載されたように構成されており、その際、図5A内において、基礎本体2aに形成された溝部8が認識可能である。
【0029】
図5Aおよび5Bの比較考察から、中間部片6′が、容易に、薄板の変形によって形成され得、その際、この中間部片6′の厚さが、異なる位置において、ほぼ同じに留まっていることが見て取れる。同様に、下側における成形部15、および上方へと突き出る突出部7は、薄板変形によって形成され得る。
【符号の説明】
【0030】
1 ドアの蝶番
2a、2b 基礎本体
3a、3b インサート
4 位置調節スピンドル
5 ヒンジ湾曲部材
6、6′ 中間部片
7 突出部
8 溝部
9 スリット
10 ウェブ
11 ねじ
12 ねじ付き部片
13 案内摺動溝路
14 長手孔
15 成形部
16 収容部
D 回転軸線
X 第1の水平方向
Y 第2の水平方向
Z 垂直方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの関節運動可能に結合された蝶番部材(1a、1b)を有するドアの蝶番(1)であり、その際、これら蝶番部材の内の1つの蝶番部材が、
ドア枠におけるまたはドアの扉における固定のための基礎本体(2a)を、および、
少なくとも1つの、この基礎本体(2a)に対して2つの方向に位置調節可能なインサート(3a)を、有する様式のドアの蝶番であって、
その際、インサート(3a)と基礎本体(2a)との間に、中間部片(6、6′)が設けられており、且つ、
その際、この中間部片(6、6′)が、基礎本体(2a)に対して、第1の直線案内部に沿って、第1の方向(X)へと位置移動可能可能である様式の上記ドアの蝶番において、
インサート(3a)が、中間部片(6、6′)に対して、第2の直線案内部に沿って、第2の方向(Z)へと位置移動可能可能であること、および、
締付け状態の固定のための固定手段が、基礎本体(2a)の前方の部分、中間部片(6、6′)およびインサート(3a)を貫通係合していることを特徴とするドアの蝶番(1)。
【請求項2】
第1直線案内部、及び/または第2の直線案内部は、溝案内部として形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドアの蝶番(1)。
【請求項3】
中間部片(6、6′)は、溝案内部として形成された、第1および第2の直線案内部の形成のために、それぞれに、少なくとも1つの突出部(7)を有し、この突出部が、基礎本体(2a)もしくはインサート(3a)において設けられた溝部(8)内へと係合することを特徴とする請求項2に記載のドアの蝶番(1)。
【請求項4】
第1の直線案内部および第2の直線案内部は、中間部片(6、6′)の相対して位置している側面に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のドアの蝶番(1)。
【請求項5】
固定手段として、ねじ(11)が設けられており、このねじが、ねじ付き部片(12)内へと係合し、その際、
このねじ(11)の締付けによって、インサート(3a)および中間部片(6、6′)が、このねじ付き部片(12)によって、基礎本体(2a)に対して締付ける状態で引っ張られることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のドアの蝶番(1)。
【請求項6】
蝶番部材(1a、1b)の結合部として、2つの、関節運動可能に互いに結合されたヒンジ湾曲部材(5)が設けられており、その際、
これら蝶番部材(1a、1b)が、それぞれに、基礎本体(2a、2b)、および2つのインサート(3a、3b)を有しており、および、その際、
これらインサート(3a、3b)において、
それぞれに、これらヒンジ湾曲部材(5)の内の一方のヒンジ湾曲部材が、回転可能に、および、
他方のヒンジ湾曲部材が、回転可能に且つこれらインサート(3a、3b)の案内摺動溝路(13)に沿って位置移動可能に収容されている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のドアの蝶番(1)。
【請求項7】
蝶番部材(1a、1b)は、ドアの扉とドア枠との間の覆われた配設のために、
このドア枠の窪み部内において、およびドアの扉の幅狭側内において使用可能である
ことを特徴とする請求項6に記載のドアの蝶番(1)。
【請求項8】
中間部片(6、6′)は、変形された薄板から形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のドアの蝶番(1)。
【請求項9】
インサート(3a)は、基礎本体(2a)に対して、
ドアの蝶番の旋回軸線に対して平行に延在する垂直方向(Z)に沿って、および、
この垂直方向(Z)に対して垂直に、水平方向(X)に沿って位置調節可能であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載のドアの蝶番(1)。
【請求項10】
インサート(3a)は、金属射出成形部材であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載のドアの蝶番(1)。
【請求項11】
ドアの扉は、ドア枠に対して、垂直方向(Z)内において、および、
このドアの扉の閉鎖位置に関して、2つの垂直に互いに起立する水平方向(X、Y)内において、位置決め可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載のドアの蝶番(1)。
【請求項12】
基礎本体(2a、2b)は、薄板から成る一体的な部材として形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載のドアの蝶番(1)。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate