説明

ドアパネル

【課題】組立時の騒音の発生や構成部材が損傷してしまうことを防止し、且つ、T型部材の再利用を可能にするパネルを提供する。
【解決手段】枠材と、上記枠材の内側に設置された複数枚の芯材7と、上記複数枚の芯材相互間に介挿され上記芯材の表面側に開口する第1溝部が設けられたアルミニウム製の補助材11と、上記芯材7の表面を覆うように設置されその端部が上記第1溝部付近に位置せられる複数枚の表面材17と、上記第1溝部に挿入され上記芯材7の表面側に開口する第2溝部が設けられた軟質受け部材と、覆い部と差込部とからなり上記差込部を上記第2溝部に差し込むことにより上記覆い部によって上記表面材の端部を覆った状態で上記補助材に固定されるT型部材と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芯材に厚み方向から表面材を貼ってなるドアパネルに係り、特に、幅広なドアパネルにおいて、表面材を複数枚並べて構成する際、突合せ部に補助材を配設し、該補助材に略T型の目地材を嵌合する構成において組立の作業効率を向上するとともにドアパネル全体の剛性を向上するものに関する。
又、T型部材の嵌合作業時に与えられる衝撃を解消して騒音をなくすと共にT型部材等の損傷防止を図ることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の幅広なドアパネルの構成では、表面材として利用される金属性の薄板の巾サイズに規定があり、大型のドアパネルを一枚の表面材で構成することはできず、そこで、複数枚の表面材で構成するようにしていた。その際、突き合わせ部は表面材の端部を折り曲げ、該折り曲げ部を別途内設されている溝内に差し込むようにしていた。このようなパネル構造において曲げ加工を施すためには、ベンダー等の加工装置が必要になると共に高い加工精度が必要となる。又、一度ドアパネルとして製作した後に表面材の色等を変更したい場合には、表面材を重ねて設置することが想定されるが、その場合には、表面材の端部の曲げ幅を変更しなければならない等、高度な技術が必要になってしまう。
【0003】
そこで、例えば、図8乃至図12に示すようなドアパネルが提案・使用されている。以下、詳細に説明する。
まず、図8に示すように、引戸に供される巾広なドアパネル100には四方に枠101がある。この枠101は、その横断面形状が略コ字形状をなしていて、上部枠101aと、下部枠101bと、横枠101cと、横枠101dとから構成されている。
【0004】
上記枠101の内側には2枚の芯材107、107が嵌め込まれている。この種の芯材としてはペーパーハニカムや発泡ウレタン等軽量かつ接着性の良好なものが用いられる。又、図8に示すように、上記芯材107、107の内、一方の芯材107には持ち手108が取り付けられている。又、上記枠101の外側には化粧枠109が嵌め込まれている。この化粧枠109も、その横断面形状が略コ字形状をなしており、上部化粧枠109a、下部化粧枠109b、横化粧枠109c、横化粧枠109dとから構成されている。又、ドアパネル100の左右両端部には、吊金具110、110がボルト112、112によって固定されている。
【0005】
上記芯材107、107の間には、図9に示すように、発泡樹脂からなる補助材111が介挿されている。上記補助材111の図8中上下両端は、上記上部枠101a及び下部枠101b内に差し込まれている。又、上記補助材111の図9中上下両面には、補助材111の長手方向に沿って溝部115、115がそれぞれ形成されている。
【0006】
又、図8及び図9に示すように、上記芯材107の表面には、表面材117、117、117、117が貼り付けられている。上記表面材117は、略四角形の板状部材であり、図8に示すように、その三辺は上記枠101と上記化粧枠109との間に挟み込まれている。
【0007】
又、図8乃至図10に示すように、上記補助材111の溝部115、115には、アルミニウム製のT型部材119、119がそれぞれ圧入されている。又、図9に示すように、上記T型部材119は、覆い部121と、該覆い部121に対して垂直に設けられた差込部123とから構成されている。又、図10に示すように、上記差込部123の図10中左右両面には、突起部127、127、127、127が突設されている。これら突起部127は、上記T型部材119の長手方向に沿って延長・形成されている。
【0008】
そして、図9及び図10に示すように、上記芯材107の表面に貼り付けられた上記表面材117の端部を、上記T型部材119の覆い部121によって覆うような状態で上記T型部材119の上記差込部123を上記補助材111の溝部115内に圧入する。それによって、上記表面材117の端部を覆い隠して美観を向上させるものである。
尚、上記T型部材119の上記溝部115への圧入は、例えば、図示しないハンマー等の冶具を使用して叩くことにより行うものである。
【0009】
図11、図12は上記構成のドアパネル100の中央部分、すなわち、T型部材119が設置される部分を示す分解斜視図である。図12に示すように、上部枠101aには、T型部材119の差込部123が嵌めこまれる切欠部131が形成されている。又、T型部材119の上端は上記切欠部131のさらに上方まで延長されるため、先端部の差込部123は切除されている。これは、下部枠101b側についても同じである。
又、この種のパネルを開示するものとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−282175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記従来の構成によると、次のような問題があった。
まず、T型部材119を補助材111の溝部115に圧入する際、ハンマー等を使用してT型部材119を叩いて圧入するため、上記T型部材119や表面材117等を傷付けてしまうことがあるとともにドアパネル組立に多くの労力を要するという問題があった。又、作業時には作業場内での会話等にも障害があった。
【0012】
又、上記表面材117を貼り変える際、溝部115内に圧入されている上記T型部材119を取り外すことになるが、取り外したT型部材119はアルミニウム製であるため金属の中でも軟らかく容易に湾曲又は屈曲変形してしまい、その為再利用することができないという問題もあった。
又、補助材111は発泡樹脂からなるが、同外形形状の薄肉アルミニウム製と比較するとコスト高になるという問題もあった。
又、T型部材119の上下両端についてはその差込部123を切除しなければならず、その為T型部材119の両端部の剛性が低下してしまい、例えば、反りの原因になってしまうという問題があった。又、上部枠101a、下部枠101bにおいては、切欠部131を形成しなければならず面倒であった。
さらに、ドアパネル100の全体を考慮した場合にも上部枠101aや下部枠101bに切欠部131があるため剛性が低下するとういう問題があった。
【0013】
本願発明はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、組立時の騒音の発生や構成部材が損傷してしまうことを防止し、且つ、T型部材の再利用を可能にするパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するべく本願の請求項1によるドアパネルは、枠材と、上記枠材の内側に設置された複数枚の芯材と、上記複数枚の芯材相互間に介挿され上記芯材の表面側に開口する第1溝部が設けられたアルミニウム製の補助材と、上記芯材の表面を覆うように設置されその端部が上記第1溝部付近に位置せられる複数枚の表面材と、上記第1溝部に挿入され上記芯材の表面側に開口する第2溝部が設けられた軟質受け部材と、覆い部と差込部とからなり上記差込部を上記第2溝部に差し込むことにより上記覆い部によって上記表面材の端部を覆った状態で上記補助材に固定されるT型部材と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2によるドアパネルは、請求項1記載のドアパネルにおいて、上記第1溝部には係合部が設けられており、上記軟質受け部材には上記係合部に係合する係合部が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項3によるドアパネルは、請求項2記載のドアパネルにおいて、上記T型固定部材の差込部は先端に向かって幅広となるテーパ形状となっており、上記軟質受け部材の第2溝部も奥に向かって幅広となるテーパ形状となっていることを特徴とするものである。
又、請求項4によるドアパネルは、請求項1〜請求項3の何れかに記載のドアパネルにおいて、上記T型固定部材の長手方向両端は補助材端部と同位置にあり該T型部材を覆うようにキャップ部材が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
以上述べたように、請求項1に記載されたドアパネルによると、T型部材が軟質受け部材を介して補助材の第一溝部に挿入されているため、T型部材の取り付けや取り外しが容易で組立時に騒音を発生させることはなく、取り付け作業等によりT型部材、表面材及び補助材が破損することもない。又、例えば、仕様変更により表面材を貼り変えるべくT型部材を外す場合にも、軟質受け部材を介しているためT型部材において変形度合いが少ないため再利用が可能である。
又、請求項2記載のドアパネルによると、補助材の第一溝部及び軟質受け部材に係合部が設けられているため、それぞれの係合部同士の係合により、T型部材が確実に補助材に固定されるとともに、表面材も芯材に確実に固定されることとなる。
又、請求項3記載のドアパネルによると、上記T型部材の差込部は先端に向かって幅広となるテーパ形状となっており、上記軟質受け部材の第2溝部も奥に向かって幅広となるテーパ形状となっているため、上記T型部材の差込部を第2溝部に差し込んだ場合、上記両テーパ形状の相互作用により、上記T型部材が抜け難くなる。
又、請求項4記載のドアパネルによると、上記T型部材の長手方向両端は補助材端部と同位置にあり該T型部材を覆うようにキャップ部材が設けられているため、上記T型部材の両端が反り返って捲れるのを防ぐことができるとともにT型部材の長さ誤差を吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態によるドアパネルを用いたドアの構成を示す正面図である。
【図2】本願発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態によるドアパネルの中央部分を抽出すると共にその上下端のみを実線で示す斜視図である。
【図3】本願発明の一実施の形態を示す図で、図1におけるIII−III断面図であってその一部を分解して示す図である。
【図4】本願発明の一実施の形態を示す図で、図4(a)は図3におけるa部分の拡大図、図4(b)は図4(a)のb部の拡大図である。
【図5】本願発明の一実施の形態を示す図で、図1のV−V断面図であって中間部分を省略すると共にその一部を分解して示す図である。
【図6】本願発明の一実施の形態を示す図で、図1のV−V断面図であって中間部分を省略して示す図である。
【図7】本願発明の一実施の形態を示す図で、図1に示すドアパネルの中央部を抽出して拡大すると共にその中間部分を省略して示すパネルの一部正面図である。
【図8】従来の技術を示す図で、従来のドアパネルの正面図である。
【図9】従来の技術を示す図で、図8におけるIX−IX断面図である。
【図10】従来の技術を示す図で、図9におけるX部分の拡大図である。
【図11】従来例を示す図で、図11(a)はドアパネルの中央部であって上端部を示す一部斜視図、図11(b)はドアパネルの中央部であって上端部を示す一部分解斜視図である。
【図12】従来例を示す図で、ドアパネルの中央部であって上端部を示す一部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1乃至図7を参照して、本願発明の一実施の形態を説明する。
【0018】
まず、引戸に供される巾広なドアパネルDPには四方に枠1がある。この枠1は、その横断面形状が略コ字形状をなしていて、上部枠1a、下部枠1bと、横枠1c、横枠1dとから構成されている。又、図5及び図6に示すように、上記上部枠1aの中央付近の側面には貫通孔3が設けられており、その貫通孔3の内周面には雌ねじ部4が形成されている。又、同様に、上記下部枠1bの中央付近の側面にも、貫通孔5が形成されていて、この貫通孔5の内面には雌ねじ部6が形成されている。
尚、これら貫通孔3、5の雌ねじ部は後述するキャップ31を固定するために設けられているものである。
【0019】
上記枠1の内側には2枚の芯材7、7が嵌め込まれている。これら芯材7、7としては、例えば、ペーパーハニカムや発泡ウレタン等、軽量であって、且つ、接着性の良好なものが用いられる。この実施の形態の場合には、上記芯材7として上記ペーパーハニカムが採用されており、図7に示すように、その内部はいわゆる「ハニカム構造」をなしている。又、図1に示すように、上記芯材7、7の内、一方には持ち手8が取り付けられている。又、上記枠1の外側には、化粧枠9が嵌め込まれている。上記化粧枠9は、その横断面形状が略コ字形状をなしていて、上部化粧枠9a、下部化粧枠9b、横化粧枠9c、横化粧枠9dとから構成されている。又、図1中ドアパネルDPの左右両端部には、吊金具10、10がボルト18、18によって固定されている。
【0020】
又、図2及び図3に示すように、上記芯材7、7の間には、アルミニウム製の補助材11が介挿されている。上記補助材11は、図2及び図3に示すように、その横断面形状が2つの正方形を連設したような形状をなす中空の柱状部材である。上記補助材11の長手方向上端は上記上部枠1aに当接しており、上記補助材11の長手方向下端は枠上記下部枠1bに当接している。
【0021】
上記補助材11の内側面の適所には、図2、図3に示すように、環状部12が設けられており、この環状部12の内側には雌ねじ部が形成されている。そして、図5、図6に示すように、上記上部枠1a側より、ネジ部材14を差し込んで上記雌ねじ部に螺合させることにより、上記補助部材11を上記上部枠1aに固定するものである。同様に、下部枠1b側よりネジ部材16を差し込んで、上記雌ねじ部に螺合させることにより、上記補助部材11を上記下部枠1bに固定するものである。
【0022】
又、上記補助材11の図3中上下両面には、長手方向(図3中紙面に直交する方向)に沿って溝部13、13が延長・形成されている。上記補助材11の溝部13は、図3及び図4に示すように、その横断面形状が略U字状をなしている。上記溝部13内の図4(a)中左右両内側面には係合部としての凸部15、15、15、15が突設されている。これら凸部15は、上記溝部13の長手方向に沿って延長・形成されている。上記凸部15は、後述する軟質受け部材19の凸部23と係合するものである。
【0023】
上記芯材7の表面には、表面材17、17、17、17が貼り付けられている。上記表面材17は、略四角形の板状部材であり、その三辺は上記枠1と上記化粧枠9との間に挟み込まれている。
【0024】
また、図2乃至図4に示すように、上記補助材11の溝部13、13には、硬度80の熱可塑性樹脂もしくはゴム材料からなる軟質受け部材19、19が挿入されている。上記軟質受け部材19は、図3及び図4に示すように、略U字型の断面形状をしている。又、上記軟質受け部材19の長手方向に沿って溝部21が形成されている。上記溝部21は、図4に示すように、開口部から底部に向かうほど徐々に幅広となるテーパ形状をなしており、底部付近から底部までは徐々に幅が狭くなっていくようなテーパ形状をなしている。又、上記軟質受け部材19の図4(a)中左右両外側面には係合部としての凸部23が突設されている。これら凸部23は、上記軟質受け部材19の長手方向に沿って延長・形成されており、前述した上記補助材11の溝部に設けられた凸部15と係合することになる。
【0025】
又、図2乃至図4に示すように、上記軟質受け部材19の溝部21、21には、アルミニウム製のT型部材25、25が圧入されている。又、図2乃至図5に示すように、上記T型部材25は、覆い部27と、該覆い部27に対して垂直に設けられた差込部29とから構成されている。また、図4に示すように、上記差込部29は、その基部から先端部に向かうほど徐々にその幅が広くなっていくテーパ形状となっており、先端部付近から先端部までは徐々にその幅が狭くなっていくテーパ形状となっている。
【0026】
そして、図3、図4及び図6に示すように、上記芯材7の表面に貼り付けられた上記表面材17の端部を、上記T型部材25の覆い部27によって覆うような状態で上記T型部材25の上記差込部29を上記軟質受け部材19の溝部21内に圧入する。それによって、上記表面材17の端部を覆い隠すものである。
なお、上記T型部材25の上記溝部21への圧入は、従来の例のように、ハンマー等の冶具を使用する必要はなく、手で押し込むだけでよい。
【0027】
又、図2、図5、図6及び図7に示すように、補助材11は上部枠1a及び下部枠1bに突合せ状態で配設されており、上記T型部材25の両端部も補助材11と同一又は少し短い状態で配設されるとともに、キャップ部材31、31、31、31がT型部材25の両端部を覆うように固定されている。上記キャップ部材31は板状の部材であり、T型部材25の端部を覆う部分には凹部32が設けられるとともに、貫通孔33が設けられている。上記キャップ部材31は、図2及び図6に示すように、上記貫通孔33を貫通し上記上部枠1aの雌ねじ部4に螺合するネジ35、又は上記貫通孔33を貫通し上記下部枠1bの雌ねじ部6に螺合するネジ35によって固定されている。
【0028】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、軟質受け部材19を介してT型部材25を補助材11の溝部13に挿入するように構成されていて、その際、上記T型部材25の差込部29は、上記軟質受け部材19を溝部21の内側から外側へ押圧し、上記補助材11の溝部13の内面を付勢するため、上記軟質受け部材19の凸部23と上記補助材11の溝部13内に設けられた凸部15が強固に係合することとなる。これにより、上記T型部材25は上記軟質受け部材19を介して上記補助材11に固定されることになる。そして、従来のように、ハンマー等によって叩いてT型部材25を挿入する必要はなく、よって、ハンマー等により叩く際に発生する騒音をなくすことができる。
又、ハンマー等によって叩く必要がないので、組立時に上記T型部材25、上記軟質受け部材19、補助材11等が損傷することもない。
又、T型部材25、上記軟質部材19、補助材11等が損傷することがないので、表面材17を交換する際、上記T型部材25、上記軟質受け部材19及び上記補助材11を再利用することが可能となる。
又、表面材17を交換するためにT型部材25を外した場合でも、元々ハンマー等によって叩いて圧入しているわけではないので、湾曲又は屈曲変形することもなく、それによっても、上記再利用を可能にしているものである。
又、上記T型部材25の差込部29は基部から先端部付近に向かって幅広となるテーパ形状であり、上記軟質受け部材19の溝部21は開口部から奥に向かって幅広となるテーパ形状となっているため、上記T型部材25の差込部29を上記軟質受け部材19の溝部に差し込んだ場合、これらのテーパ形状同士の相互作用により抜け難くなる。
又、上記T型部材25の先端部は先細形状となっていて、且つ、軟質受け部材19の開口部が漏斗状に形成されているので、T型部材25の差込作業も容易なものとなる。
又、キャップ部材31によって、上記T型部材25の端部を覆うように押さえられ、上記T型部材25の端部が反り返って捲れてしまうことを防止できるため、不用意にT型部材が外れたりすることを防止でき、安全性も高い。同時にT型部材25の長さが設定値よりも多少足りないような誤差を吸収することができ、作業効率を向上することができる。又、従来のように、上部枠1aや下部枠1bに切欠部を形成する必要がなくなり、加工点数を減らすことが出来るとともに、ドアパネル100全体の剛性低下を防止することができる。
さらに、補助材11をアルミニウム製としたので、発泡樹脂と比べて安価とすることができる。
【0029】
尚、本願発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
例えば、T型部材や補助材の材質は、本実施の形態のものに限られない。
又、芯材、補助材、表面材及びT型部材の数についても、前記一実施の形態に限定されるものではない。
又、各部材の形状も様々なものが考えられる。
さらに、引戸の形態に限定されるものでなく開き戸の形態においても適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、複数の芯材を補助材を介して連設し該複数の芯材の表面に表面材を貼ってなる幅広のドアパネルに係り、特に、上記表面材を上記芯材に固定する際に使用するT型部材の打ち込み作業時に発生する騒音をなくすと共にT型部材の損傷を防止してその再利用を図ることができるように工夫したものに関し、例えば、各種建造物の扉に好適である。
【符号の説明】
【0031】
1 枠
7 芯材
9 化粧枠
11 補助材
13 溝部
15 凸部
17 表面材
19 軟質受け部材
21 溝部
23 凸部
25 T型部材
27 覆い部
29 差込部
31 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠材と、
上記枠材の内側に設置された複数枚の芯材と、
上記複数枚の芯材相互間に介挿され上記芯材の表面側に開口する第1溝部が設けられたアルミニウム製の補助材と、
上記芯材の表面を覆うように設置されその端部が上記第1溝部付近に位置せられる複数枚の表面材と、
上記第1溝部に挿入され上記芯材の表面側に開口する第2溝部が設けられた軟質受け部材と、
覆い部と差込部とからなり上記差込部を上記第2溝部に差し込むことにより上記覆い部によって上記表面材の端部を覆った状態で上記補助材に固定されるT型部材と、
を具備したことを特徴とするドアパネル。
【請求項2】
請求項1記載のドアパネルにおいて、
上記第1溝部には係合部が設けられており、
上記軟質受け部材には上記係合部に係合する係合部が設けられていることを特徴とするドアパネル。
【請求項3】
請求項2記載のドアパネルにおいて、
上記T型部材の差込部は先端に向かって幅広となるテーパ形状となっており、
上記軟質受け部材の第2溝部も奥に向かって幅広となるテーパ形状となっていることを特徴とするドアパネル。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載のドアパネルにおいて、
上記T型部材の長手方向両端は補助材端部と同位置にあり該T型部材を覆うようにキャップ部材が設けられていることを特徴とするドアパネル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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