説明

ドアロック装置

【課題】小さな子どもの力でも、洗濯槽の中から自力でドアを開けることができ、安全性を確保できるドアロック装置の提供。
【解決手段】洗濯機のドアに設けられたラッチ20を、回動可能な掛止本体3で回動掛止させている時に、ラッチ20が強制的に回動掛止を解除させようとした場合に、掛止本体3を衝止(当接して係止。回動止め。)している可動係止板504をしならせて、衝止状態を外せる機構(可動係止板5のしなりを利用した掛止本体3の強制解除機構)を備えた、ハートカム方式の電磁式セルフロック機構を搭載した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類を洗う特に叩き洗いが出来るドラム式構造の洗濯槽を有する洗濯機(洗濯槽内で洗濯・すすぎ工程及び脱水工程を行う機種や、洗濯槽内で洗濯・すすぎ工程、脱水工程及び乾燥工程等を行う機種がある。)のドア(洗濯槽扉体、洗濯槽蓋体)のラッチ(例えば、ドアをいつも開かない状態にする掛け金具)を電磁掛止するいわゆる電磁式のセルフロック機構(ロック及びアンロックの操作を交互に行なえるもの。)を有する洗濯機用のドアロック装置に係るものであり、詳しくはドアの開閉操作が低操作力(軽作動力)で駆動でき、かつ容易にセルフロック機構のアンロック時のドアを開ける操作が、ドアの外或いは内からできるように工夫したドアロック装置の改善に関し、洗濯機使用者の安全に係わる従来の残された課題を解決或いは改善する技術で、仮に例えば、三歳以下の乳幼児等を除く小さな子ども(以下、当該子どもという文言で表す。)の力(例えば、5キログラム)でも、ドアのラッチ或いはドアロック装置のラッチ掛止部材等を破壊すること無く、洗濯機の洗濯槽の中からでもドアを開けることができ、洗濯機使用者(当該子どもも含む。)の安全性を確保できるドアロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術調査によると、洗濯機のドアを閉じる操作が行われると、例えば、ドアのラッチがラッチ受に入ると同時に可動係止板が移動を起こし、一定の移動距離になると、その可動係止板が復帰ばねの動作によりラッチ受に入り、ラッチのロック(係止)がこれにより実現されることを原理とするドアロック装置に係わる技術(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)等が開示されている。ラッチのアンロック(係止解除)を必要とする場合、洗濯機筐体に設置される扉開ボタンを押圧したら、扉開ボタンにリンクしたロックフックが、ドアロック装置にあるレバーを引っ張って、該レバーの動作で可動係止板をラッチ受から外させて、ドアを開けることができる。このドアロック装置のラッチのアンロック(係止解除)を操作するには、扉開ボタン装置とこれに応じるリンクパーツが別に設置されていた。構成の面では複雑で、一旦扉開ボタン装置が機械的な故障になると、ドアロック装置のラッチのアンロック(係止解除)ができない現象に至る。また、大容量の洗濯機の場合、当該子どもが洗濯槽(正しくは洗濯兼脱水槽)に入っていて、何らかの原因により、ドアの外部からドアを閉じる操作が行われると、当該子どもは洗濯槽の中から自力ではドアを開けられないという非常事態が発生し、安全面に関しては危険性の問題が残っている。
【0003】
また、類似ではあるが、例えば、ドアを開ける時は、ドアに設置されるノブを回して、ロックフックをロック部から外せることができるドアロック装置に係わる技術(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)等も開示されている。しかしながら、この技術においても、大容量の洗濯機の場合、当該子どもが洗濯槽に入っていて、何らかの原因により、ドアの外部からドアを閉じる操作が行われると、当該子どもは洗濯槽の中から自力ではドアを開けられないという非常事態が発生し、安全面に関しては危険性の問題が残っている。
【0004】
そして、例えば、乾燥機のドアを閉じる操作が行われると、略チェスピース状のフック部の傾斜面がロック部の受け部を押圧し、フックを受け部に挿入されるようにし、受け部がコイルスプリングの動作でフックの凹部に嵌り込んで、ロック状態が維持できる乾燥機用のドアロック装置に係わる技術(例えば、特許文献6参照。)等も開示されている。ドアを開ける場合は、直接にドアを引くことにより、フックの凹部の前の傾斜面が再度受け部を押圧し、ドアが開く。この構造のドアロック装置は、フックのロック状態が維持されている時において、ドアと乾燥機筐体との間に、衣類や空気圧(水圧)によるドアを開けようとする応力(内部圧力)が大きくない場合に適用される。当該応力(内部圧力)が大きい場合は、フックが受け部から外れやすい欠点がある。ゆえに、その欠点を解決するために、当該応力(内部圧力)からフックを脱出させないために、コイルスプリングのばね圧(弾発付勢力)を大きくすることになる。ただし、傾斜面の作用で受け部を押圧してからフックが受け部から出るため、そのコイルスプリングのばね圧が高すぎる場合、フックの挿入及び離脱の操作力も常に一定では無く不安定になりやすく、長い期間使われると、フックと受け部の滑り部に老化と磨耗が出てくる恐れがある。
しかしながら、乾燥機と違い、ドラム式洗濯機の運転中には、通常的に湯水の使用があるため、水圧や衣類の膨潤等によるドアを開けようとする応力(内部圧力)を原因とする水漏れを発生させないために、ドアと洗濯機筐体との間のシール性を向上させるために、ドアの閉塞圧力を大きくすることが要求されている。ゆえに、前記構造のドアロック装置では、当該子どもが洗濯槽に入っていて、何らかの原因により、ドアの外部からドアを閉じる操作が行われると、閉塞圧力を超える力を持たない当該子どもについては、洗濯槽の中から自力ではドアを開けられないという非常事態が発生し、安全面に関して危険性の問題が残っているので、ドラム式洗濯機への搭載には適していないと予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国実用新案公告第CN201103056Y号公報(申請号200720125731.4)
【特許文献2】特許第4038546号公報
【特許文献3】特開2005−137508号公報
【特許文献4】特開平9−217532号公報(中国特許公開第CN1160103A号公報(申請号97101844.8))
【特許文献5】中国特許公開第CN1876945A号公報(申請号200510013760.7)
【特許文献6】中国特許公開第CN1600968A号公報(申請号03144503.9)
【特許文献7】特許第3585203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来技術に係るドラム式洗濯機等のドアロック装置の構造では、全体的に構造(構成要素同士の関連)が複雑で、洗濯機販売店や洗濯機修理業者等のサービスマン等が操作する非常用手動ロック解除機構を除き、洗濯機の通常使用(衣類の洗濯・すすぎ工程乃至脱水或いは乾燥工程を実施させること)でドアを開ける時は、ドアの外部からの操作(引張又は扉開ボタン押し)しかできず、洗濯槽の中からの押圧によるドアの内部からの操作に対応していないため、当該子どもが洗濯槽に入っていて、例えば、洗濯機使用者又は他の子どもによる悪戯或いは家庭内侵入者等の犯罪或いは悪ふざけによる洗濯機の振動などによる事故等の原因により、ドアの外部からドアを閉じる操作が行われると、ドアの内部から強制的にドアを開ける力を持たない当該子どもにおいては、洗濯槽の中から自力ではドアを開けられないという非常事態が発生し、安全面に関して危険性の問題(課題)が残されていた。
そして、前述のような非常事態が発生した場合においては、洗濯機販売店や洗濯機修理業者等へサービスマンコール(故障修理依頼)やオペレーターコール(緊急対応問合せ)しても直ぐには到着又は回答して貰えない場合や、洗濯機販売店や洗濯機修理業者等のサービスマン等が操作する非常用手動ロック解除機構が無いドアロック装置もあり、当該子どもの救助に急を要する場合は、洗濯機使用者等の大人自らが、ドアと洗濯機筐体との間に、例えば、マイナス・ドライバー等の工具を挿入して、ドアのラッチ或いはドアロック装置のラッチ掛止部材等を破壊(強制掛止開放行為)して、強制的にドアを開けて当該子どもを救助することになる。そして、ドアのラッチ或いはドアロック装置のラッチ掛止部材等が破壊された状態では、例えば、ドアが突然に自然に開くような事態による洗濯槽の湯水や衣類の飛び出し等の意図しない事故発生等の恐れがあり、安心且つ安全に洗濯機の通常使用をすることができない状態なので、前述の洗濯機販売店や洗濯機修理業者等のサービスマン等の修理や部品交換等が完了するまでは、洗濯機の通常使用を控えないといけないという不具合も予想される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点を鑑みてなされたものであり、目的とするところは、ドラム式洗濯機のドアの外部からの操作(引張又は扉開ボタン押し)でも、洗濯槽の中からの操作(押圧)でも、ドアを開けることができ、当該子どもが洗濯槽に入っていて、何らかの原因により、ドアの外部からドアを閉じる操作が行われても、ドアのラッチ或いはドアロック装置のラッチ掛止部材等を破壊すること無く、当該子どもが洗濯槽の中から自力でドアを開けられるように工夫した洗濯機用のドアロック装置を提供しようとするものである。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のドアロック装置においては、構成(ハードウェア)的には、ラッチ(ドアをいつも開かない状態にする掛け金具で、金属製でも樹脂製でも良い。通常は洗濯機の構造や構成や外観等の仕様都合で、ラッチの外形や寸法や材質等が決まる。)を有する洗濯機のドア(洗濯槽扉体、洗濯槽蓋体)を閉じた時に該ラッチの挿入口であるラッチ口を有する箱体蓋体(例えば、ABS樹脂の一体形成部材)と、該ラッチが入り込む空間であるラッチ受を有し係止ピン(可動操作板に設けられたハートカム溝詳しくはハート形突起の周囲の階段状段差の係止ピン誘導溝を摺動する部材で、形状はクランク状のものが多い。金属製でも樹脂製でも良い。)を有する箱体本体(例えば、ABS樹脂の一体形成部材)と、略長方形平板状の可動鉄心(例えば、ステンレススチール平板)を有するソレノイドアクチュエータと、該ソレノイドアクチュエータで駆動されて該可動鉄心の縦長辺方向に往復動ができハートカム溝(溝の略中央部にハート形突起を設け、該ハート形突起の周囲の数カ所に階段状段差等を設けた係止ピン誘導溝。)を有する可動操作板(例えば、POM樹脂の一体形成部材)と、該ラッチ受に入り込んだ該ラッチにより復帰位置から回動し該ラッチをフック(掛止爪)で掛止する掛止本体(例えば、POM樹脂の一体形成部材)と、該フックが該ラッチを掛止している時に該掛止本体が復帰位置に回動しないように復帰ばねII(例えば、ステンレススチール線)の力で衝止(当接して係止。回動止め。)できる可動係止板Iを有し該可動鉄心の横短辺方向に往復動ができる可動係止板(例えば、POM樹脂の一体形成部材)と、該可動鉄心の縦長辺方向に往復動ができ該ラッチが掛止本体に掛止されている時に該洗濯機に設けられたドアを開くための扉開ボタンの操作に連動し該可動係止板を常時弾発付勢する復帰ばねI(例えば、ステンレススチール線)の力を強める方向に該可動係止板を移動させて前記衝止状態を解除し該ラッチを離脱させる方向即ち復帰位置に該掛止本体を回動させることができる操作軸(例えば、POM樹脂の一体形成部材)と、からなり、該ハートカム溝と該係止ピンの一端部との係合及び離脱によるロック(係止)及びアンロック(係止解除)の操作を交互に行なえるハートカム(回転軸からの距離が一定でない周辺を有し、回転しながらその周辺で他の部材に種々の運動を与える装置。)方式のセルフロック機構を搭載した洗濯機用のドアロック装置である。
【0009】
本発明のドアロック装置の各構成要素の細部においては、ソレノイドアクチュエータは、ボビン(例えば、PA樹脂形成部材)に銅線(例えば、エナメル線)を巻装したソレノイドと、該ソレノイドの外周部に設けられたヨーク(例えば、ステンレススチール平板をコ字状に加工したもの。)と、該ヨークに固着された固定鉄心(例えば、ステンレススチール平板)と、該ソレノイドに内設され係合孔を有する該可動鉄心(プランジャ、アーマチュアとも言う。)と、からなり、該可動鉄心は、ソレノイド励磁(例えば、ソレノイドに直流100Vを印加。)で吸引作動、ソレノイド消磁で復帰作動をさせることにより往復動をする機構部材であり、
可動操作板は、略長方形平板体であり、該可動鉄心に連結して該可動鉄心の往復動の方向と同じ縦長辺方向に往復動し、縦長辺方向の一端部(例えば上)には該可動鉄心の係合孔に係合する突起を有する支持軸を有し、縦長辺方向の他端部(例えば下)にはセルフロック機構のロック(係止)時において該可動鉄心を該ソレノイドアクチュエータ側に強制移動させることができる手動ロック解除軸(例えば、切欠部を有する角柱形状)を設け、横短辺方向の一端部(例えば右)には吸引確認用転換器(一般にはON−OFFできるマイクロスイッチ)のスイッチボタンを押す突出部(例えば、切欠部を有する角柱形状)を設け、略中央部には該ハートカム溝を設け、該ハートカム溝の横方向(左右)のどちらかに復帰ばねIII が装着できる空間である角穴III を設け、該角穴III の内周部一端部には復帰ばねIII 一端受けを設け、該角穴III の内周部他端部には該ソレノイド消磁時の該可動鉄心の復帰作動時の終点位置となるように設けられたストッパーを兼ねる該箱体本体に設けられた復帰ばねIII 他端受けが入り、該ソレノイド消磁時の該可動鉄心の復帰作動を容易にするために該復帰ばねIII 他端受けと該復帰ばねIII 一端受けとの間に両者を常時弾発付勢するように圧縮コイルスプリングからなる復帰ばねIII (例えば、ステンレススチール線)が装着され、横短辺方向の他端部(例えば左)には該可動鉄心の横短辺方向の該可動係止板の往復動を係止する突出部(係止爪、例えば、角柱形状)を設けてなる部材であり、
掛止本体は、略円柱状軸体であり、軸方向両側に回動軸を有し、一方の該回動軸にはねじりコイルばね一端受部を設けてねじりコイルばね(トーションバーばね。例えば、ステンレススチール線)を装着し、軸体の略中央部外周部の一端面には該ラッチを直角方向から回動(例えば、左回転。往路。)して掛止するフック(掛止爪、掛止突起。例えば、先端を該ラッチが挿入し易くするためにテーパー状等にすると良い。)と、該ラッチの前部を回動復帰(例えば、右回転。復路。)しながら押し出せる押しブロックと、を設け、軸体の略中央部外周部の他端面には可動係止板の前端と摺動する斜面と、該前端と衝止する面である回転ストッパーIIと、を設けてなる部材であり、
可動係止板は、略長方形平板体の一端部に該掛止本体の回転ストッパーIIと衝止(当接して係止。回動止め。)する表面を形成した前端を有し該前端の両側に設けられた略三角板状の滑合斜辺部を有する可動係止板I(例えば、POM樹脂の一体形成部材)と、軸(例えば、POM樹脂の形成部材。可動係止板Iと一体でも良い。)と、略長方形平板の可動係止板II(例えば、POM樹脂の一体形成部材)と、からなる部材であり、該軸が該可動係止板Iの他端部と該可動係止板IIの一端部とを回動自在に結合していて、該掛止本体の回転ストッパーIIと衝止しない側の該前端の裏面には、ボタン(例えば、POM樹脂形成部材)の突部が摺動できる縦溝が形成されており、また該前端の後部壁である突出部が形成されており、該可動係止板IIの一端部側には復帰ばねI(例えば、ステンレススチール線)が装着できる空間である角穴Iを設け、該角穴Iの内周部一端部には復帰ばねI一端受けを設け、該角穴Iの内周部他端部には該操作軸を該箱体本体から引き離すように引張る操作を止めて戻した時に、該操作軸の復帰作動時の終点位置となるように設けられたストッパーを兼ねた該箱体蓋体に設けられた復帰ばねI他端受けが入り、該操作軸の復帰作動を容易にするために該復帰ばねI他端受けと該復帰ばねI一端受けとの間に両者を常時弾発付勢するように圧縮コイルスプリングからなる復帰ばねIが装着され、該可動係止板IIの他端部側には該操作軸の傾斜ブロックと摺動する略T字形状の止めピンを設けてなる複合部材であり、
操作軸は、略中央部が円柱又は角柱状の軸で、一端部には該箱体本体の外部に配設され紐やワイヤーや圧縮コイルスプリングの引張部材が取付けられる引張部材係合孔(貫通孔)を設け、他端部には該可動係止板IIの止めピンに接触していて摺動(滑合)により該可動係止板が該ラッチ受から離脱する方向に移動するように設けられた略V字形の傾斜ブロック(止めピン誘導壁)を設けてなる部材であり、該引張部材係合孔を該箱体本体から引き離すように引張る操作をすることにより、該傾斜ブロックは該可動係止板IIの止めピンと摺動し該可動鉄心の縦長辺方向から直角方向である横短辺方向の運動に変換して該可動係止板が該ラッチ受から離脱する方向に移動するものであり、
箱体本体は、略四角形の箱体で、該ソレノイドアクチュエータと、該可動操作板と、該ボタンを有する復帰ばねII(例えば、ステンレススチール線)と、該掛止本体と、吸引確認用転換器と、を箱体内部の指定の場所に配設できる箱体であり、
該箱体本体の左部には、略四角形状のラッチ受の空間を設け、該ラッチ受の空間には該掛止本体両側の回動軸が軸支できる軸支爪を複数設け、一方の該回動軸に装着されたねじりコイルばねの他端部に対応する位置にねじりコイルばね他端受部を設けて、該掛止本体の略中央部の一端部のフックが左側になるように該掛止本体を収納し、
該ラッチ受の空間の右部には、復帰ばねIIを収納する空間と、該復帰ばねIIを収納する空間の一部であり該前端の両側に設けられた略三角板状の滑合斜辺部と滑合する角部を有する滑合斜辺部受の空間(例えば、凹状の角穴)と、を設け、該復帰ばねIIを収納する空間には、圧縮コイルスプリングからなる復帰ばねII(例えば、ステンレススチール線)と、突部を有し該復帰ばねIIの復帰ばねII一端受部であるボタンと、が収納され、下部に該ボタンの下方移動距離を規制する突起状の復帰ばねII他端受部と、上部に該復帰ばねIIの復帰力による該ボタンの外部飛出防止の係止爪と、を設けて、該復帰ばねII他端受部に該復帰ばねIIを取付け、その上部に該ボタンを前記外部飛出防止の係止爪に係止しながら取付け、
該復帰ばねIIを収納する空間の右部には、該可動操作板の支持軸が摺動(滑合。往復動)できるように支承される壁を設け、その下部には、該可動操作板を収納する空間を設け、該可動操作板を収納する空間には、該可動操作板に装着される該復帰ばねIII の他端に対応する位置に復帰ばねIII 他端受けを設け、該可動操作板のハートカム溝に対応する位置に略クランク形丸棒状の該係止ピンの一端部がくるように該係止ピンの他端部を挿入する孔である他端部受部を設け、また該係止ピンの一端部寄りの略中央部を押圧する位置に板ばね(例えば、ステンレススチール板)の一端部がくるように該板ばねの他端部を挿入する孔である他端部受部を設けて、該係止ピンの他端部と該板ばねの他端部とを取付けてから該可動操作板を取付け、
該可動操作板の復帰ばねIII 一端受けと該復帰ばねIII 他端受けとの間に復帰ばねIII を装着し、
該可動操作板を収納する空間の右部には、吸引確認用転換器を収納する空間を設け、該可動操作板の突出部側に吸引確認用転換器のスイッチボタンがくるように吸引確認用転換器を取付け、
該可動操作板の支持軸が摺動(滑合。往復動)できるように支承された壁の上部には、該ソレノイドアクチュエータを収納する空間を設け、該ソレノイドアクチュエータの中に該可動鉄心を挿入し、該可動鉄心の係合孔に該可動操作板の支持軸の突起を係合させて該ソレノイドアクチュエータを取付けたものであり、
箱体蓋体は、略四角形の箱体で、該操作軸と、該可動係止板と、を箱体内部の指定の場所に配設できる箱体であり、
該箱体蓋体の左部には、該箱体本体の該ラッチ受の空間位置に対応するように略四角形孔(貫通孔)のラッチ口を設け、
該ラッチ口の右部には、該可動係止板を収納する空間を設け、該可動係止板を収納する空間には該可動係止板IIに装着される該復帰ばねIの他端に対応する位置に復帰ばねI他端受けを設け、該可動係止板IIの止めピンの頭部を支承する支承溝を複数設け、
該可動係止板IIの止めピンを支承する支承溝の上部又は下部或いは両方には、該操作軸の略中央部の軸が摺動(滑合。往復動)できるように支承される壁を設け、その壁の上部又は下部或いは両方方向にある該箱体蓋体の周壁面には操作軸軸支穴(凹状穴、凹状切欠)を設けて、
該操作軸の他端部の傾斜ブロックは該可動係止板IIの止めピンと係止接触させて取付け、該操作軸の一端部の引張部材係合孔が該箱体蓋体の外部に出すように該箱体蓋体の周壁面の操作軸軸支穴に該操作軸を取付け、該可動係止板の可動係止板Iが該ラッチ口側になるように、該支承溝に該可動係止板IIの止めピンを挿入し、該可動係止板を取付け、該可動係止板IIの角穴Iの内周部の復帰ばねI一端受けと該復帰ばねI他端受けとの間に復帰ばねIを装着し、
該箱体本体の該ラッチ受の空間と該箱体蓋体のラッチ口とが重なるように該箱体本体と該箱体蓋体とを嵌合(螺子止め、溶着等でも良い。)してドアロック装置の組立完成体としたものである。
【0010】
洗濯機の通常使用(衣類の洗濯・すすぎ工程乃至脱水或いは乾燥工程を実施させる)時の本発明のドアロック装置の作用において、該ラッチが該ラッチ受に挿入される前の初期状態におけるセルフロック機構のアンロック(係止解除)時のモード0と呼ばれる状態においては、該掛止本体は該ねじりコイルばねの復帰力で該フックが該ラッチ口側の復帰位置に位置しており、
該ドアを閉じた時には該ラッチが該ラッチ口から挿入されると、該ラッチの前部は該押しブロックを押しながら該ラッチ受に入り込み、同時に該掛止本体も復帰位置から回動して該ラッチの貫通孔の中に該フックが入り込んでいき、そして該斜面は該可動係止板Iの前端と摺動して該可動係止板を復帰位置から常時弾発付勢する該復帰ばねIの力を強める方向に該ボタンの突部と該縦溝とが摺動(滑合)しながら移動(往復動の往路移動)させていき、該前端との摺動が該斜面から該回転ストッパーIIに移行すると、該可動係止板は該復帰ばねIの力を弱める方向に反転移動(往復動の復路移動)し、該回転ストッパーIIが該前端の表面を摺動(滑合)して衝止(当接して係止。回動止め。)状態となり該可動係止板は復帰位置に戻り、該掛止本体は回動復帰不可能となり該ラッチは該フックで掛止されて、該モード0状態からモード1と呼ばれる状態に移行され、
ここで、該ドアを開くための扉開ボタンを操作すると、該引張部材係合孔が引張られ、該傾斜ブロックと該可動係止板IIの止めピンとが摺動(滑合)して該復帰ばねIの力を強める方向に該可動係止板を復帰位置から移動(往復動の往路移動)させて前記衝止(当接して係止。回動止め。)状態を解除し、該ねじりコイルばねの復帰力で該ラッチを離脱させる方向に該掛止本体を回動復帰させることにより、該押しブロックは該ラッチの前部を押し上げて該ラッチを離脱させることができて、該モード1状態から該モード0状態に移行され、
そして引張っていた該引張部材係合孔を離す(戻す)と、該傾斜ブロックと該可動係止板IIの止めピンとが摺動(滑合)して、該可動係止板は該復帰ばねIの力を弱める方向に反転移動(往復動の復路移動)し、該可動係止板が復帰位置で停止するものであり、
該ラッチが該フックで掛止されている該モード1状態において、セルフロック機構のアンロック(係止解除)時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心の吸引作動時には、該係止ピンの一端部が該ハートカム溝内を摺動(滑合)して復帰位置からロック(係止)される位置に移動(往路)し、同時に該可動操作板の突出部が該可動係止板Iの突出部に移動(往路)して該可動係止板がロック(係止)されて該掛止本体は回動復帰不可能の保持状態となり、該可動操作板の突出部が該吸引確認用転換器のスイッチボタンを押して、セルフロック機構のアンロック(係止解除)からロック(係止)への操作状態の転換を知らせることができ、
次に前記転換の知らせにより実施される該ソレノイド消磁による該可動鉄心の復帰作動時には、該ハートカム溝と該係止ピンの一端部との係合によりセルフロック機構がロック(係止)され、該操作軸の往復動を抑制して該ラッチを掛止保持し、該モード1状態からモード2と呼ばれる状態に移行されるものであり、
そして、該モード2状態におけるセルフロック機構のロック(係止)時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心の吸引作動時には、該ハートカム溝と該係止ピンとの離脱によりセルフロック機構がアンロック(係止解除)され、
その直後に実施される該ソレノイド消磁による該可動鉄心の復帰作動時には、該係止ピンの一端部が該ハートカム溝内を摺動(滑合)してロック(係止)される位置から復帰位置に移動(復路)し、同時に該可動操作板の突出部が該可動係止板Iの突出部から移動(復路)して該可動係止板のロック(係止)が解除(アンロック)され、該操作軸の往復動を可能にし、また該可動操作板の突出部が該吸引確認用転換器のスイッチボタンから離れてセルフロック機構のロック(係止)からアンロック(係止解除)への操作状態の転換を知らせることができて、該モード2状態から該モード1状態に移行され、
ここで、該ドアを開くための扉開ボタンを操作すれば、前述の通り、該ラッチを離脱させ該モード1状態から該モード0状態に移行することができる。
【0011】
非常事態(当該子どもが洗濯槽に入っていて、何らかの原因により、ドアの外部からドアを閉じる操作が行われたような場合)の時の本発明のドアロック装置の作用においては、該ドアを開くための扉開ボタンを操作しなくても、該モード1状態である該ラッチを掛止保持する状態において、該ドアを開ける方向に引張るか或いは洗濯槽の内部から押して、該ラッチを強制的に該箱体本体から引き離すような操作(強制離脱)をすると、該ラッチの貫通孔の内周面が該フックと当接しながら該掛止本体が復帰位置方向に強制回動(回動復帰)させられ、同時に該回転ストッパーIIが回動して該前端を押圧するので、該軸を中心にして該可動係止板Iが復帰位置から回動しながら該前端の裏面にある該縦溝が該ボタンを押して摺動(滑合)しながら該前端を該復帰ばねIIの力を強める方向に回動移動(往路)し、また該滑合斜辺部が該滑合斜辺部受の角部に摺動(滑合)しながら該滑合斜辺部受の空間に入り、該回転ストッパーIIが該前端の表面から外れると、該可動係止板Iの前端は該斜面と摺動(滑合)するようになり、該可動係止板Iは該復帰ばねIIの力で該ボタンの突部と該縦溝とが摺動(滑合)しながら復帰位置まで回動移動(復路)することにより、該ラッチの掛止を強制解除できて、該モード1状態から該モード0状態に移行することができることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明のドアロック装置の一部の構成要素の詳細においては、該掛止本体の両側の該回動軸のどちらかに該回転ストッパーIIと同じ方向に面を有する略角板状の回転ストッパーIII を設け、該可動操作板の横短辺方向の他端部(例えば左)には、該回転ストッパーIII の側面と対峙する位置に配設されるように、また該掛止本体が回動しても該回転ストッパーIII の側面が当接しない位置に略角棒状の回転ストッパーIVを設けたものである。
【0013】
この場合の本発明のドアロック装置の作用において、該モード0状態の時には、例えば、誤動作(例えば、電磁ノイズや過熱や部品故障・部品不良等による洗濯機制御部の電気回路内の電気部品故障或いは制御マイコン等の制御プログラム(ソフトウェア)の暴走(制御不能、異常動作、応答停止、ハングアップ)等の不具合)のため或いは洗濯機の制御システムの意図的な該モード0状態であるかを確認するために、セルフロック機構のアンロック(係止解除)時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心の吸引作動開始があったとしても、該回転ストッパーIVが該回転ストッパーIII の側面に衝止されて該可動操作板の移動を抑制し、該モード0状態を保持することができる。
また、該モード1状態の時には、セルフロック機構のアンロック(係止解除)時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心の吸引作動があると、該可動操作板の移動により回転ストッパーIVが該回転ストッパーIII の面に潜り込み、該掛止本体の回動復帰を抑制し、該モード1状態を保持することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
洗濯機のドアに設けられたラッチを、回動しながら掛止できるフック(掛止爪)を有する掛止本体で掛止するようにし、該ラッチが強制的に回動掛止を解除させようとした場合においては、該フックに応力が掛かりすぎることが無く破損を軽減させて該掛止本体を回動復帰できるように、可動係止板のしなり(回動移動)を利用した該掛止本体の強制解除機構を採用したので、洗濯機のドアの外部からの操作(引張又は扉開ボタン押し)でも、洗濯槽の中からの操作(押圧)でも、ドアを開けることができ、当該子どもが洗濯槽に入っていて、何らかの原因により、ドアの外部からドアを閉じる操作が行われても、ドアのラッチ或いはドアロック装置のラッチ掛止部材等を破壊すること無く、当該子どもは洗濯槽の中から自力でドアを開けることができ、洗濯機使用者(当該子どもも含む。)の安全性を確保できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例のドアロック装置のモード1状態でラッチの図を省略している平面外形図である。
【図2】本発明の原理の実施例1のドアロック装置の箱体蓋体を外した場合のモード1状態でラッチの図を省略している平面外形図である。
【図3】モード0状態における図2の平面外形図を正面から見た時のA−A断面図である。
【図4】モード0状態からモード1状態に移行する時の図2の平面外形図を正面から見た時のA−A断面図である。
【図5】モード1状態における図2の平面外形図を正面から見た時のA−A断面図である。
【図6】モード1状態からモード0状態に移行する時の図2の平面外形図を正面から見た時のA−A断面図である。
【図7】本発明の一実施例のドアロック装置の掛止本体の上部正面の拡大外観斜視図である。
【図8】本発明の一実施例のドアロック装置の可動係止板Iの上部正面の拡大外観斜視図である。
【図9】本発明の一実施例のドアロック装置の箱体蓋体を外した場合のモード1状態でラッチやいくつかの構成要素の図を省略している平面外形図である。
【図10】モード1状態における図9の平面外形図を正面から見た時のB−B断面図である。
【図11】本発明の一実施例のドアロック装置の可動係止板(可動係止板Iと可動係止板IIと軸との組立体)の上部正面の拡大外観斜視図である。
【図12】本発明の一実施例のドアロック装置の箱体蓋体を外した場合のモード1状態でラッチやいくつかの構成要素の図を省略している平面外形図である。
【図13】本発明の一実施例のドアロック装置の掛止本体と可動係止板と操作軸との関連を表す上部正面の外観斜視図である。
【図14】本発明の一実施例のドアロック装置の箱体蓋体を外した場合のモード1状態でラッチの図を省略している平面外形図である。
【図15】モード1状態における図14の平面外形図を正面から見た時のC−C断面図である。
【図16】本発明の原理の実施例4のドアロック装置の箱体蓋体を外した場合のモード2状態で可動操作板とラッチとの図を省略している平面外形図である。
【図17】本発明の一実施例のドアロック装置の可動係止板と可動操作板との関連を表す底面側から見た拡大外観斜視図である。
【図18】図17の可動操作板のハートカムのハートカム溝を示す拡大図であり、係止ピンの移動を示す標識を付加した図である。
【図19】図18の拡大図の可動操作板のハートカムのハートカム溝に示された標識の順に沿った溝の深さ関係を示す一部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
洗濯機のドアの外部からの操作(引張又は扉開ボタン押し)でも、洗濯槽の中からの操作(押圧)でも、ドアを開けることができ、当該子どもが洗濯槽に入っていて、何らかの原因により、ドアの外部からドアを閉じる操作が行われても、当該子どもは洗濯槽の中から自力でドアを開けることができ、洗濯機使用者(当該子どもも含む。)の安全性を確保できるという目的を、洗濯機のドアに設けられたラッチを、回動しながら掛止できるフック(掛止爪)を有する掛止本体で掛止するようにし、該ラッチが強制的に回動掛止を解除させようとした場合においては、該フックに応力が掛かりすぎることが無く破損を軽減させて該掛止本体を回動復帰できるように、可動係止板のしなり(回動移動)を利用した掛止本体の強制解除機構を採用しただけで、洗濯機本体側にも特に追加部品も無く、コンパクト(スリム)性を損なわずに実現した。
【0017】
まず、洗濯機のドアのラッチ20と、本発明の一実施例のドアロック装置の掛止本体3との係わりの状態を、モードという文言を使用して説明するので、それぞれのモードについて意味や状態を定義する。
モード0状態とは、ラッチ20がドアロック装置の内部に挿入される前の初期状態であって、掛止本体3がラッチ20を受け入れる準備ができている状態であり、掛止本体3を回動復帰不能状態にするセルフロック機構においてはアンロック(係止解除)の状態である。
モード1状態とは、ラッチ20がドアロック装置の内部に挿入されていて、掛止本体3により掛止されている状態であり、掛止本体3を回動復帰不能状態にするセルフロック機構においては未だアンロック(係止解除)の状態である。
モード2状態とは、ラッチ20がドアロック装置の内部に挿入されていて、掛止本体3により掛止されている状態であり、掛止本体3を回動復帰不能状態にするセルフロック機構においてはロック(係止)の状態である。
【0018】
本発明の一実施例のドアロック装置の主な構成(ハードウェア)を説明する。
本発明の一実施例のドアロック装置は、ラッチ20(外形や寸法や材質等は、本発明の一実施例のドアロック装置を搭載しようとする洗濯機の仕様により異なる。)を有する洗濯機のドア(洗濯槽扉体、洗濯槽蓋体。ドアの外形や寸法や材質等は、メーカーの洗濯機の仕様により異なる。)を閉じた時に該ラッチ20の挿入口であるラッチ口201を有する箱体蓋体2と、該ラッチ20が入り込む空間であるラッチ受101を有し係止ピン13を有する箱体本体1と、略長方形平板状の可動鉄心10を有するソレノイドアクチュエータ9と、該ソレノイドアクチュエータ9で駆動されて該可動鉄心10の縦長辺方向に往復動ができハートカム溝1101を有する可動操作板11と、該ラッチ受101に入り込んだ該ラッチ20により復帰位置から回動し該ラッチ20をフック302(掛止爪)で掛止する掛止本体3と、該フック302が該ラッチ20を掛止している時に該掛止本体3が復帰位置に回動しないように復帰ばねII7の力で衝止(当接して係止。回動止め。)できる可動係止板I504を有し該可動鉄心10の横短辺方向に往復動ができる可動係止板5と、該可動鉄心10の縦長辺方向に往復動ができ該ラッチ20が掛止本体3に掛止されている時に該洗濯機に設けられたドアを開くための扉開ボタン(位置や外形や寸法や材質等は、メーカーの洗濯機の仕様により異なる。)の操作に連動し該可動係止板5を常時弾発付勢する復帰ばねI6の力を強める方向に該可動係止板5を移動させて前記衝止(当接して係止。回動止め。)状態を解除し該ラッチ20を離脱させる方向即ち復帰位置に該掛止本体3を回動させることができる操作軸18と、からなる。
【0019】
本発明の一実施例のドアロック装置のセルフロック機構のロック(係止)及びアンロック(係止解除)の方法については、従来からドアロック装置一般に普及している電磁式のセルフロック機構(例えば、特許文献7参照。)を採用している。即ち本発明のドアロック装置は、該ハートカム溝1101(溝の略中央部にハート形突起1105を設け、該ハート形突起1105の周囲の数カ所に階段状段差等を設けた係止ピン13の誘導溝。)と該係止ピン13の一端部1301(可動操作板11に設けられたハートカム溝1101詳しくはハート形突起1105の周囲の階段状段差の係止ピン13の誘導溝を摺動(滑合)する部材で、形状は略クランク状のものが多い。金属製でも樹脂製でも良い。)との係合及び離脱によるロック(係止)及びアンロック(係止解除)の操作を交互に行なえるハートカム方式のセルフロック機構を搭載した洗濯機用のドアロック装置である。
ハートカム溝1101の外観図においては、図17乃至図19を参照にすると良い。図17は、本発明の一実施例のドアロック装置の可動係止板5と可動操作板11との関連を表す底面側から見た拡大外観斜視図であり、図18は、図17の可動操作板11のハートカムのハートカム溝1101を示す拡大図であり、係止ピン13の移動を示す標識(▲A▼乃至▲H▼)を付加した図であり、図19は、図18の拡大図の可動操作板11のハートカムのハートカム溝1101に示された標識(▲A▼乃至▲H▼)の順(係止ピン13が▲A▼乃至▲H▼と移動し、そして▲H▼から▲A▼に戻る順)に沿った溝の深さ関係を示す一部縦断面図である。
本願においては、係止ピン13と該係止ピン13を押圧する板ばね1304との外観図や構成要素関連図等を省略しているが、特許文献1の図面の図4(b)に記載されている符号26の部材(係止ピン)が本願の係止ピン13と同等、同符号27の部材(板ばね)が本願の板ばね1304と同等なので参照すると良い。また、同図4(b)の同符号26の部材(係止ピン)と同符号27の部材(板ばね)との下部側が、それぞれ他端部を表しており、同符号26の同図4(b)に示された部材(係止ピン)の他端部が本願の箱体本体1の係止ピンの他端部受部1302(貫通孔)に入り、同符号27の同図4(b)に示された部材(板ばね)の他端部が本願の箱体本体1の板ばねの他端部受部1303(貫通孔)に入るものである。
【0020】
本発明の一実施例のドアロック装置の各構成要素の細部を説明する。
ソレノイドアクチュエータ9は、ボビン(例えば、PA樹脂形成部材)に銅線(例えば、エナメル線)を巻装したソレノイドと、該ソレノイドの外周部に設けられたヨーク(例えば、ステンレススチール平板をコ字状に加工したもの。)と、該ヨークに固着された固定鉄心(例えば、ステンレススチール平板)と、該ソレノイドに内設され係合孔を有する該可動鉄心10(例えば、ステンレススチール平板)と、からなり、該可動鉄心10(プランジャ、アーマチュアとも言う。)は、ソレノイド励磁(例えば、ソレノイドに直流100Vを印加。)で吸引作動、ソレノイド消磁で復帰作動をさせることにより往復動をする機構部材である。
本願においては、ソレノイドアクチュエータ9の外観図や構成要素関連図等を省略しているが、特許文献1の図面の図3に記載されているものと同じ構成(呼称部品名も同等)なので参照すると良い。
【0021】
可動操作板11は、例えば、POM樹脂形成部材からなる略長方形平板体であり、該可動鉄心10に連結して該可動鉄心10の往復動の方向と同じ縦長辺方向に往復動し、縦長辺方向の一端部(例えば上)には該可動鉄心10の係合孔に係合する突起を有する支持軸1106を有し、縦長辺方向の他端部(例えば下)にはセルフロック機構のロック(係止)時において該可動鉄心10を該ソレノイドアクチュエータ9側に強制移動させることができる手動ロック解除軸1104(例えば、切欠部を有する角柱形状)を設け、横短辺方向の一端部(例えば右)には吸引確認用転換器14(一般にはON−OFFできるマイクロスイッチが採用されることが多い。)のスイッチボタン1401を押す突出部1103(例えば、切欠部を有する角柱形状)を設け、略中央部には該ハートカム溝1101を設け、該ハートカム溝1101の横方向(左右)のどちらかに復帰ばねIII 12が装着できる空間である角穴III 1108を設け、該角穴III 1108の内周部一端部には復帰ばねIII 12一端受けを設け、該角穴III 1108の内周部他端部には該ソレノイド消磁時の該可動鉄心10の復帰作動時の終点位置となるように設けられたストッパーを兼ねる該箱体本体1に設けられた復帰ばねIII 12他端受けが入り、該ソレノイド消磁時の該可動鉄心10の復帰作動を容易にするために該復帰ばねIII 12他端受けと該復帰ばねIII 12一端受けとの間に両者を常時弾発付勢するように圧縮コイルスプリングからなる復帰ばねIII 12(例えば、ステンレススチール線)が装着され、横短辺方向の他端部(例えば左)には該可動鉄心10の横短辺方向の該可動係止板5の往復動を係止する突出部1102(係止爪、例えば、角柱形状)を設けてなる部材である。
可動操作板11の外観図や構成要素関連図においては、図17を参照すると良い。図17は、本発明の一実施例のドアロック装置の可動係止板5と可動操作板11との関連を表す底面側から見た拡大外観斜視図である。
【0022】
掛止本体3は、例えば、POM樹脂形成部材からなる略円柱状軸体であり、軸方向両側に回動軸305を有し、一方の該回動軸305にはねじりコイルばね一端受部303を設けてねじりコイルばね4(トーションバーばね。例えば、ステンレススチール線を巻いたもの。)を装着し、軸体の略中央部外周部の一端面には該ラッチ20を直角方向から回動(例えば、左回転。往路。)して掛止するフック302(掛止爪、掛止突起。例えば、先端を該ラッチが挿入し易くするためにテーパー状等にすると良い。)と、該ラッチ20の前部2002を回動復帰(例えば、右回転。復路。)しながら押し出せる押しブロック301と、を設け、軸体の略中央部外周部の他端面には可動係止板5の前端502と摺動する斜面306と、該前端502と衝止する面である回転ストッパーII304と、を設けてなる部材である。
掛止本体3の外観図においては、図7を参照すると良い。図7は、本発明の一実施例のドアロック装置の掛止本体3の上部正面の拡大外観斜視図である。
掛止本体3と可動係止板5との構成要素関連図においては、図13を参照すると良い。図13は、本発明の一実施例のドアロック装置の掛止本体3と可動係止板5と操作軸18との関連を表す上部正面の外観斜視図である。
【0023】
可動係止板5は、略長方形平板体の一端部に該掛止本体3の回転ストッパーII304と衝止(当接して係止。回動止め。)する表面を形成した前端502を有し該前端502の両側に設けられた略三角板状の滑合斜辺部503を有する可動係止板I504(例えば、POM樹脂の一体形成部材)と、軸506(例えば、POM樹脂形成部材。可動係止板I504と一体でも良い。)と、略長方形平板の可動係止板II505(例えば、POM樹脂の一体形成部材)と、からなる部材である。
該軸506が該可動係止板I504の他端部と該可動係止板II505の一端部とを回動自在に結合していて、該掛止本体3の回転ストッパーII304と衝止しない側の該前端502の裏面には、ボタン8(例えば、POM樹脂形成部材)の突部が摺動できる縦溝510が形成されており、また該前端502の後部壁である突出部507が形成されており、該可動係止板II505の一端部側には復帰ばねI6(例えば、ステンレススチール線を巻いたもの。)が装着できる空間である角穴I509を設け、該角穴I509の内周部一端部には復帰ばねI6一端受けを設け、該角穴I509の内周部他端部には該操作軸18を該箱体本体1から引き離すように引張る操作を止めて戻した時に、該操作軸18の復帰作動時の終点位置となるように設けられたストッパーを兼ねた該箱体蓋体2に設けられた復帰ばねI6他端受けが入り、該操作軸18の復帰作動を容易にするために該復帰ばねI6他端受けと該復帰ばねI6一端受けとの間に両者を常時弾発付勢するように圧縮コイルスプリングからなる復帰ばねI6が装着され、該可動係止板II505の他端部側には該操作軸18の傾斜ブロック1801と摺動する略T字形状の止めピン508を設けてなる複合部材である。
可動係止板I504の外観図においては、図8を参照すると良い。図8は、本発明の一実施例のドアロック装置の可動係止板I504の上部正面の拡大外観斜視図である。
可動係止板5外観図においては、図11を参照すると良い。図11は、本発明の一実施例のドアロック装置の可動係止板5(可動係止板I504と可動係止板II505と軸506との組立体)の上部正面の拡大外観斜視図である。
可動係止板5と操作軸18との構成要素関連図においては、図13を参照すると良い。図13は、本発明の一実施例のドアロック装置の掛止本体3と可動係止板5と操作軸18との関連を表す上部正面の外観斜視図である。
【0024】
操作軸18は、例えば、POM樹脂形成部材からなる略中央部が円柱又は角柱状の軸で、一端部には該箱体本体1の外部に配設され紐やワイヤーや圧縮コイルスプリングの引張部材が取付けられる引張部材係合孔1802(貫通孔)を設け、他端部には該可動係止板II505の止めピン508に接触していて摺動(滑合)により該可動係止板5が該ラッチ受101から離脱する方向に移動するように設けられた略V字形の傾斜ブロック1801(止めピン508の誘導壁)を設けてなる部材である。
該引張部材係合孔1802を該箱体本体1から引き離すように引張る操作をすることにより、該傾斜ブロック1801は該可動係止板II505の止めピン508と摺動し該可動鉄心10の縦長辺方向から直角方向である横短辺方向の運動に変換して該可動係止板5が該ラッチ受101から離脱する方向に移動するものである。
操作軸18の外観図及び可動係止板5と操作軸18との構成要素関連図においては、図13を参照すると良い。図13は、本発明の一実施例のドアロック装置の掛止本体3と可動係止板5と操作軸18との関連を表す上部正面の外観斜視図である。
【0025】
箱体本体1は、例えば、ABS樹脂形成部材からなる略四角形の箱体で、該ソレノイドアクチュエータ9と、該可動操作板11と、ボタン8を有する復帰ばねII7と、該掛止本体3と、吸引確認用転換器14と、を箱体内部の指定の場所に配設できる箱体である。
箱体本体1の箱体の中に収納される各構成要素の配設等については、図14を参照すると良い。図14は、本発明の一実施例のドアロック装置の箱体蓋体2を外した場合のモード1状態でラッチ20の図を省略している平面外形図である。
ボタン8を有する復帰ばねII7については、図15を参照すると良い。図15は、モード1状態における図14の平面外形図を正面から見た時のC−C断面図である。
該箱体本体1の左部には、略四角形状のラッチ受101の空間を設け、該ラッチ受101の空間には該掛止本体3両側の回動軸305が軸支できる軸支爪を複数設け、一方の該回動軸305に装着されたねじりコイルばね4の他端部に対応する位置にねじりコイルばね他端受部102を設けて、該掛止本体3の略中央部の一端部のフック302が左側になるように該掛止本体3を収納する。
該ラッチ受101の空間の右部には、復帰ばねII7を収納する空間103と、該復帰ばねII7を収納する空間103の一部であり該前端502の両側に設けられた略三角板状の滑合斜辺部503と滑合する角部を有する滑合斜辺部受104の空間(例えば、凹状の角穴)と、を設け、該復帰ばねII7を収納する空間103には、圧縮コイルスプリングからなる復帰ばねII7(例えば、ステンレススチール線を巻いたもの。)と、突部を有し該復帰ばねII7の復帰ばねII7一端受部であるボタン8と、が収納され、下部に該ボタン8の下方移動距離を規制する突起状の復帰ばねII7他端受部1031と、上部に該復帰ばねII7の復帰力による該ボタン8の外部飛出防止の係止爪と、を設けて、該復帰ばねII7他端受部1031に該復帰ばねII7を取付け、その上部に該ボタン8を前記外部飛出防止の係止爪に係止しながら取付ける。
該復帰ばねII7を収納する空間103の右部には、該可動操作板11の支持軸1106が摺動(滑合。往復動)できるように支承される壁を設け、その下部には、該可動操作板11を収納する空間を設け、該可動操作板11を収納する空間には、該可動操作板11に装着される該復帰ばねIII 12の他端に対応する位置に復帰ばねIII 12他端受けを設け、該可動操作板11のハートカム溝1101に対応する位置に略クランク形丸棒状の該係止ピン13の一端部1301がくるように該係止ピン13の他端部を挿入する孔(貫通孔でも、凹状の穴でも良い。)である他端部受部1302を設け、また該係止ピン13の一端部1301寄りの略中央部を押圧する位置に板ばね1304(例えば、ステンレススチール平板を折曲穿孔加工したもの。)の一端部がくるように、該板ばね1304の他端部を挿入する孔(貫通孔でも、凹状の穴でも良い。)である他端部受部1303を設けて、該係止ピン13の他端部と該板ばね1304の他端部とを取付けてから該可動操作板11を取付ける。
該可動操作板11の復帰ばねIII 12一端受けと該復帰ばねIII 12他端受けとの間に復帰ばねIII 12が装着される。
該可動操作板11を収納する空間の右部には、吸引確認用転換器14を収納する空間を設け、該可動操作板11の突出部1103側に吸引確認用転換器14のスイッチボタン1401がくるように吸引確認用転換器14を取付ける。
該可動操作板11の支持軸1106が摺動(滑合。往復動)できるように支承された壁の上部には、該ソレノイドアクチュエータ9を収納する空間を設け、該ソレノイドアクチュエータ9の中に該可動鉄心10を挿入し、該可動鉄心10の係合孔に該可動操作板11の支持軸1106の突起を係合させて該ソレノイドアクチュエータ9を取付ける。
係止ピン13の他端部受部1302と板ばね1304の他端部受部1303との外観図については、図12を参照すると良い。図12は、本発明の一実施例のドアロック装置の箱体蓋体2を外した場合のモード1状態でラッチ20やいくつかの構成要素(ソレノイドアクチュエータ9、可動操作板11、吸引確認用転換器14)の図を省略している平面外形図である。
【0026】
箱体蓋体2は、例えば、ABS樹脂形成部材からなる略四角形の箱体で、該操作軸18と、該可動係止板5と、を箱体内部の指定の場所に配設できる箱体である。
箱体蓋体2の外観図については、図1を参照にすると良い。図1は、本発明の一実施例のドアロック装置のモード1状態でラッチ20の図を省略している平面外形図である。
箱体蓋体2の箱体の中に収納される各構成要素の配設等については省略する。
該箱体蓋体2の左部には、該箱体本体1の該ラッチ受101の空間位置に対応するように略四角形孔(貫通孔)のラッチ口201を設ける。
該ラッチ口201の右部には、該可動係止板5を収納する空間を設け、該可動係止板5を収納する空間には該可動係止板II505に装着される該復帰ばねI6の他端に対応する位置に復帰ばねI6他端受けを設け、該可動係止板II505の止めピン508の頭部を支承する支承溝202を複数(本発明の一実施例では2つ)設ける。
該可動係止板II505の止めピン508を支承する支承溝202の上部又は下部或いは両方には、該操作軸18の略中央部の軸が摺動(滑合。往復動)できるように支承される壁を設け、その壁の上部又は下部或いは両方方向にある該箱体蓋体2の周壁面には操作軸軸支穴(凹状穴、凹状切欠)を設ける。
該操作軸18の他端部の傾斜ブロック1801は該可動係止板II505の止めピン508と係止接触させて取付け、該操作軸18の一端部の引張部材係合孔1802が該箱体蓋体2の外部に出すように該箱体蓋体2の周壁面の操作軸軸支穴に該操作軸18を取付け、該可動係止板5の可動係止板I504が該ラッチ口201側になるように、該支承溝202に該可動係止板II505の止めピン508を挿入し、該可動係止板5を取付け、該可動係止板II505の角穴I509の内周部の復帰ばねI6一端受けと該復帰ばねI6他端受けとの間に復帰ばねI6を装着する。
【0027】
該箱体蓋体2の周壁面に設けられた該操作軸18の操作軸軸支穴については、該箱体本体1に設けても構わない。また、該箱体蓋体2と該箱体本体1との両方に設けても構わない。
最後に、該箱体本体1の該ラッチ受101の空間と該箱体蓋体2のラッチ口201とが重なるように該箱体本体1と該箱体蓋体2とを嵌合(螺子止めや溶着でも可能。)させて、本発明の一実施例のドアロック装置の組立完成体となる。
箱体本体1と該箱体蓋体2との構成要素関連図においては、図1を参照すると良い。図1は、本発明の一実施例のドアロック装置のモード1状態でラッチ20の図を省略している平面外形図である。
【0028】
本発明の一実施例のドアロック装置の主な作用(ソフトウェア)を説明する。
まず、ハートカム方式のセルフロック機構の作用概要を図18乃至図19を参照して説明する。
セルフロック機構が初期のアンロック(係止解除)の状態においては、該係止ピン13の一端部1301が該ハートカム溝1101の▲A▼(図面には丸印の中にAが記載されている。以下、同じ。)の復帰位置に停止している。
前記アンロック(係止解除)時から初めて実施される該ソレノイド励磁(例えば、ソレノイドに直流100Vを印加。)による該可動鉄心10の吸引作動(往復動の往路移動)時には、該係止ピン13の一端部1301が該ハートカム溝1101内部を相対的に▲A▼の位置から出発して▲B▼、▲C▼、▲D▼、▲E▼と移動する。
そこで、該係止ピン13の一端部1301がハート形突起1105の凹部の位置(▲E▼)にきた時に、吸引確認用転換器14からの転換の知らせがあり、前記転換の知らせにより実施される該ソレノイド消磁(停電)による該可動鉄心10の復帰作動(往復動の復路移動)時には、該係止ピン13の一端部1301がハート形突起1105の凹部の位置(▲E▼)でロック(係止)されて、その位置を保つことができる。
そして、前記ロック(係止)時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心10の吸引作動時には、該係止ピン13の一端部1301がハート形突起1105の凹部の位置(▲E▼)から外れて、▲E▼から▲F▼へと移動を開始する。
その直後に実施される該ソレノイド消磁による該可動鉄心10の復帰作動時には、該係止ピン13の一端部1301が▲G▼、▲H▼と移動し、▲A▼の位置に戻り、再びアンロック(係止解除)状態となる。
【0029】
次に、洗濯機の通常使用(衣類の洗濯・すすぎ工程乃至脱水或いは乾燥工程を実施させる)時の本発明の一実施例のドアロック装置の各構成要素の作用の細部を説明する。
該ラッチ20が該ラッチ受101に挿入される前の初期状態におけるセルフロック機構のアンロック(係止解除)時のモード0と呼ばれる状態においては、該掛止本体3は該ねじりコイルばね4の復帰力で該フック302が該ラッチ口201側の復帰位置に位置している。(モード0状態の状態図においては不図示である。)
該ドアを閉じた時には該ラッチ20が該ラッチ口201から挿入されると、該ラッチ20の前部2002は該押しブロック301を押しながら該ラッチ受101に入り込む。
(ラッチ20と押しブロック301との構成要素関連図が不図示であるので、参考として、図3のラッチ20と押しブロック301との構成要素関連図を参照すると良い。)
同時に該掛止本体3も復帰位置から回動(例えば、左回転。往路。)して該ラッチ20の貫通孔2001(凹状の穴でも良い。)の中に該フック302が入り込んでいき、そして該斜面306は該可動係止板I504の前端502と摺動して該可動係止板5を復帰位置から常時弾発付勢する該復帰ばねI6の力を強める方向に該ボタン8の突部と該縦溝510とが摺動(滑合)しながら移動(往復動の往路移動)させていき、該前端502との摺動(滑合)が該斜面306から該回転ストッパーII304に移行すると、該可動係止板5は該復帰ばねI6の力を弱める方向に反転移動(往復動の復路移動)し、該回転ストッパーII304が該前端502の表面を摺動(滑合)して衝止(当接して係止。回動止め。)状態となり該可動係止板5は復帰位置に戻り、該掛止本体3は回動復帰不可能となり該ラッチ20は該フック302で掛止されて、該モード0状態からモード1と呼ばれる状態に移行される。
モード1の状態図(ラッチ20と押しブロック301との構成要素関連図)においては、図10又は図15を参照すると良い。図10は、モード1状態における図9の平面外形図を正面から見た時のB−B断面図であり、図15は、モード1状態における図14の平面外形図を正面から見た時のC−C断面図である。
【0030】
ここで、該ドアを開くための扉開ボタン(不図示)を操作すると、該引張部材係合孔1802が引張られ、該傾斜ブロック1801と該可動係止板II505の止めピン508とが摺動して該復帰ばねI6の力を強める方向に該可動係止板5を復帰位置から移動(往復動の往路移動)させて前記衝止(当接して係止。回動止め。)状態を解除し、該ねじりコイルばね4の復帰力で該ラッチ20を離脱させる方向に該掛止本体3を回動復帰(例えば、右回転。復路。)させることにより、該押しブロック301は該ラッチ20の前部2002を押し上げて該ラッチ20を離脱させることができて、該モード1状態から該モード0状態に移行される。
そして引張っていた該引張部材係合孔1802を離す(戻す)と、該傾斜ブロック1801と該可動係止板II505の止めピン508とが摺動して、該可動係止板5は該復帰ばねI6の力を弱める方向に反転移動(往復動の復路移動)し、該可動係止板5が復帰位置で停止するものである。
【0031】
該ラッチ20が該フック302で掛止されている該モード1状態において、セルフロック機構のアンロック(係止解除)時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心10の吸引作動時には、該係止ピン13の一端部1301が該ハートカム溝1101内を摺動(滑合)して復帰位置からロック(係止)される位置に移動(往路)し、同時に該可動操作板11の突出部1102が該可動係止板I504の突出部507に移動(往路)して該可動係止板5がロック(係止)されて該掛止本体3は回動復帰不可能の保持状態となり、該可動操作板11の突出部1103が該吸引確認用転換器14のスイッチボタン1401を押して、セルフロック機構のアンロック(係止解除)からロック(係止)への操作状態の転換を知らせることができる。
【0032】
次に前記転換の知らせにより実施される該ソレノイド消磁による該可動鉄心10の復帰作動時には、該ハートカム溝1101と該係止ピン13の一端部1301との係合によりセルフロック機構がロック(係止)され、該操作軸18の往復動を抑制して該ラッチ20を掛止保持し、該モード1状態からモード2と呼ばれる状態に移行される。
【0033】
そして、該モード2状態におけるセルフロック機構のロック(係止)時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心10の吸引作動時には、該ハートカム溝1101と該係止ピン13の一端部1301との離脱によりセルフロック機構がアンロック(係止解除)される。
その直後に実施される該ソレノイド消磁による該可動鉄心10の復帰作動時には、該係止ピン13の一端部1301が該ハートカム溝1101内を摺動(滑合)してロック(係止)される位置から復帰位置に移動(復路)し、同時に該可動操作板11の突出部1102が該可動係止板I504の突出部507から移動(復路)して該可動係止板5のロック(係止)が解除(アンロック)され、該操作軸18の往復動を可能にし、また該可動操作板(11)の突出部1103が該吸引確認用転換器14のスイッチボタン1401から離れてセルフロック機構のロック(係止)からアンロック(係止解除)への操作状態の転換を知らせることができて、該モード2状態から該モード1状態に移行される。
【0034】
ここで、該ドアを開くための扉開ボタンを操作すれば、前述の通り、該ラッチ20を離脱させ該モード1状態から該モード0状態に移行することができる。
【0035】
次に、非常事態の時の本発明の一実施例のドアロック装置の各構成要素の作用の細部を説明する。
ここで言う非常事態とは、仮に例えば、三歳以下の乳幼児等を除く小さな子ども等が洗濯槽(正しくは洗濯兼脱水槽)に入っていて、例えば、洗濯機使用者又は他の子どもによる悪戯或いは家庭内侵入者等の犯罪或いは悪ふざけによる洗濯機の振動などによる事故等の原因により、ドアの外部から或いはドア自身がドアを閉じる操作を行ったような場合を言う。
このような非常事態の時であっても、該ドアを開くための扉開ボタンを操作しなくても、該モード1状態である該ラッチ20を掛止保持する状態において、該ドアを開ける方向に引張るか或いは洗濯槽の内部から押して、該ラッチ20を強制的に該箱体本体1から引き離すような操作(強制離脱)をすると、該ラッチ20の貫通孔2001の内周面が該フック302と当接しながら該掛止本体3が復帰位置方向に強制回動(回動復帰)させられ、同時に該回転ストッパーII304が回動して該前端502を押圧するので、該軸506を中心にして該可動係止板I504が復帰位置から回動しながら該前端502の裏面にある該縦溝510が該ボタン8を押して摺動(滑合)しながら該前端502を該復帰ばねII7の力を強める方向に回動移動(往路)し、また該滑合斜辺部503が該滑合斜辺部受104の角部に摺動(滑合)しながら該滑合斜辺部受104の空間に入り、該回転ストッパーII304が該前端502の表面から外れると、該可動係止板I504の前端502は該斜面306と摺動(滑合)するようになり、該可動係止板I504は該復帰ばねII7の力で該ボタン8の突部と該縦溝510とが摺動(滑合)しながら復帰位置まで回動移動(復路)することにより、該ラッチ20の掛止を強制解除できて、該モード1状態から該モード0状態に移行することができる。
(ラッチ20とフック302と可動係止板I504との構成要素関連図が不図示であるので、参考として、図6のラッチ20とフック302と可動係止板I504との構成要素関連図を参照すると良い。)
【0036】
さらに、本発明の一実施例のドアロック装置の一部の構成要素の細部を説明する。
不図示ではあるが、該掛止本体3の両側の該回動軸305のどちらかに該回転ストッパーII304と同じ方向に面を有する略角板状の回転ストッパーIII 307を設け、該可動操作板11の横短辺方向の他端部(例えば左)には、該回転ストッパーIII 307の側面と対峙する位置に配設されるように、また該掛止本体3が回動しても該回転ストッパーIII 307の側面が当接しない位置に略角棒状の回転ストッパーIV1107を設けた。
【0037】
この場合の本発明の一実施例のドアロック装置の作用において、該モード0状態の時には、例えば、誤動作(例えば、電磁ノイズや過熱や部品故障・部品不良による洗濯機制御部の電気回路内の電気部品故障或いは制御マイコン等の制御プログラム(ソフトウェア)の暴走(制御不能、異常動作、応答停止、ハングアップ)等の不具合)のため、或いは洗濯機の制御システムの意図的な該モード0状態であるかを確認するために、セルフロック機構のアンロック(係止解除)時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心10の吸引作動開始があったとしても、該回転ストッパーIV1107が該回転ストッパーIII 307の側面に衝止されて該可動操作板11の移動を抑制し、該モード0状態を保持することができる。
このように、前記誤動作のように、意図しない事故が発生しても、洗濯機使用者(当該子どもも含む。)の安全性を確保できるものである。
【0038】
また、該モード1状態の時には、セルフロック機構のアンロック(係止解除)時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心10の吸引作動があると、該可動操作板11の移動により回転ストッパーIV1107が該回転ストッパーIII 307の面に潜り込み、該掛止本体3の回動復帰(強制回動)を抑制し、該モード1状態を保持することができる。
これにより、洗濯機の通常使用(衣類の洗濯・すすぎ工程乃至脱水或いは乾燥工程を実施させる)時においては、例えば、ドアが突然に自然に開くような事態による洗濯槽の湯水や衣類の飛び出し等の意図しない事故等の未然防止になり、洗濯機使用者(当該子どもも含む。)の安全性を確保できるものである。
【0039】
ここで、本発明の一実施例のドアロック装置の開発に至る本発明の原理(開発経緯)を説明する。
【実施例1】
【0040】
まず、本発明の一実施例のドアロック装置の主な構成要素の一部を部分的に引用して説明する。
本発明の原理の実施例1として、箱体本体1と、箱体蓋体2と、掛止本体3と、可動係止板I504と、該可動係止板I504を片支持し該掛止本体3の方向に常時弾発付勢する圧縮コイルスプリングからなる復帰ばねIV61(例えば、ステンレススチール線を巻いたもの。)と、該可動係止板I504を該箱体蓋体2の方向に常時弾発付勢する該復帰ばねII7と、で構成したドアロック装置で説明をする。
本発明の原理の実施例1のドアロック装置の外観図や構成要素関連図においては、図2を参照すると良い。図2は、本発明の原理の実施例1のドアロック装置の箱体蓋体2を外した場合のモード1状態でラッチ20の図を省略している平面外形図である。
【0041】
図3は、モード0状態における図2の平面外形図を正面から見た時のA−A断面図である。
図3に示すように、洗濯機のドアを閉じた時には、該ラッチ20が該ラッチ受101に挿入され、該ラッチ20の前部2002は該押しブロック301を押すことになる。
【0042】
図4は、モード0状態からモード1状態に移行する時の図2の平面外形図を正面から見た時のA−A断面図であり、図5は、モード1状態における図2の平面外形図を正面から見た時のA−A断面図である。
図4に示すように、さらに該ラッチ20が該ラッチ受101に入り込むと、該ラッチ20の前部2002は該押しブロック301を押すことにより、該掛止本体3が復帰位置から回動していき、該ラッチ20の貫通孔2001の中に該フック302が入り込んでいき、そして該斜面306は該可動係止板I504の前端502と摺動(滑合)して、該可動係止板I504を復帰位置から常時弾発付勢する該復帰ばねIV61の力を強める方向に摺動(滑合)しながら移動(往復動の往路)させていく。
該前端502との摺動(滑合)が該斜面306から該回転ストッパーII304に移行すると、図5に示すように、該可動係止板I504は該復帰ばねIV61の力を弱める方向に反転移動(往復動の復路)し、該回転ストッパーII304が該前端502の表面を摺動(滑合)して衝止(当接して係止。回動止め。)状態となり、該可動係止板I504は復帰位置に戻り、該掛止本体3は回動復帰不可能となり該ラッチ20は該フック302で掛止されて、該モード0状態からモード1と呼ばれる状態に移行される。
【0043】
図6は、モード1状態からモード0状態に移行する時の図2の平面外形図を正面から見た時のA−A断面図である。
図6に示すように、該モード1状態である該ラッチ20を掛止保持する状態において、該ラッチ20を強制的に該箱体本体1から引き離すような操作をすると、該ラッチ20の貫通孔2001の内周面が該フック302と当接しながら該掛止本体3が復帰位置方向に強制回動させられる。
同時に該回転ストッパーII304が回動して該前端502を押圧するので、該復帰ばねIV61で片支持されている該可動係止板I504は下方にしなって、復帰位置から回動しながら該前端502が該復帰ばねII7の力を強める方向に回動移動(往復動の往路)し、また該滑合斜辺部503が該滑合斜辺部受104の角部に摺動(滑合)しながら該滑合斜辺部受104の空間に入り、該回転ストッパーII304が該前端502の表面から外れると、該可動係止板I504の前端502は該斜面306と摺動するようになり、該可動係止板I504は該復帰ばねII7の力で復帰位置まで回動移動(往復動の復路)することにより、該ラッチ20の掛止を強制解除できて、該モード1状態から該モード0状態に移行することができ、図3に示す状態に戻る。
しかしながら、該復帰ばねIV61のばね力にもよるが、該可動係止板I504は該復帰ばねIV61に片支持されている方が不安定で水平に移動しない場合が予想される。
【実施例2】
【0044】
本発明の原理の実施例2として、箱体本体1と、箱体蓋体2と、掛止本体3と、可動係止板I504(可動係止板5)と、可動係止板I504を該箱体蓋体2の方向に常時弾発付勢する該ボタン8を有する復帰ばねII7と、で構成したドアロック装置で説明をする。
本発明の原理の実施例2のドアロック装置の外観図や構成要素関連図においては、図9を参照すると良い。図9は、本発明の一実施例のドアロック装置の箱体蓋体2を外した場合のモード1状態でラッチ20やいくつかの構成要素(ソレノイドアクチュエータ9、可動操作板11、吸引確認用転換器14、操作軸18)の図を省略している平面外形図である。
【0045】
図10は、モード1状態における図9の平面外形図を正面から見た時のB−B断面図である。
図10に示すように、該可動係止板I504が左へ右へ移動するときに直接に該復帰ばねII7と摩耗しないために、該復帰ばねII7と該可動係止板I504の間にボタン8を設けた。また、該可動係止板I504の不安定の移動を改善擦るために、該可動係止板I504と可動係止板II505とを軸506で結合した可動係止板5とし、復帰ばねI6を該箱体蓋体2と該可動係止板II505との間に設けた。
そして、該掛止本体3の斜面306と該可動係止板I504の前端502との摺動(滑合)が有った場合でも、該可動係止板5が水平に維持できるようになった。
しかしながら、ドアをノブ等で直接引張って開けることはできても、ドアを開くための扉開ボタンを操作することによるドアの開放ができないという課題が残されている。
【実施例3】
【0046】
本発明の原理の実施例3として、箱体本体1と、箱体蓋体2と、掛止本体3と、可動係止板5と、操作軸18と、で構成したドアロック装置で説明をする。
本発明の原理の実施例3のドアロック装置の外観図や構成要素関連図においては、図12を参照すると良い。図12は、本発明の一実施例のドアロック装置の箱体蓋体2を外した場合のモード1状態でラッチ20やいくつかの構成要素(ソレノイドアクチュエータ9、可動操作板11、吸引確認用転換器14)の図を省略している平面外形図である。
【0047】
図13は、本発明の一実施例のドアロック装置の掛止本体3と可動係止板5と操作軸18との関連を表す上部正面の外観斜視図である。
詳細については前述の通りなので省略するが、操作軸18に設けられる引張部材係合孔1802は、軸の一端部の片側だけに設けても良いし、軸の一端部及び他端部の両側に設けても良い。引張部材係合孔1802を両側に設ける場合は、略V字形の傾斜ブロック1801は略中央部に設けることになる。
また、軸の一端部の片側だけ引張部材係合孔1802を設けた操作軸18は、図12に示す方向に取付けても良いし、反転させて引張部材係合孔1802が図12の下方部にくるように取付けても良い。
これにより、ドアの外部からの操作(引張又は扉開ボタン押し)でも、洗濯槽の中からの操作(押圧)でも、ドアを開けることができ、当該子どもが洗濯槽に入っていて、何らかの原因により、何らかの原因により、ドアの外部からドアを閉じる操作が行われても、当該子どもは洗濯槽の中から自力でドアを開けることができ、洗濯機使用者(当該子どもも含む。)の安全性を確保できるという効果を奏する。
【実施例4】
【0048】
本発明の原理の実施例4として、本発明の一実施例のドアロック装置のセルフロック機構のロック(係止)時の安全性を確保するため、いつでも手動ロック解除できるように、セルフロック機構の係止ピン13に手動ロック解除板15を設けたドアロック装置で説明をする。
本発明の原理の実施例4のドアロック装置の外観図や構成要素関連図においては、図16を参照すると良い。図16は、本発明の原理の実施例4のドアロック装置の箱体蓋体2を外した場合のモード2状態で可動操作板11とラッチ20との図を省略している平面外形図である。
【0049】
手動ロック解除板15は、例えば、POM樹脂形成部材からなる略四角形の平板で、一端部には該箱体本体1の外部に配設され紐やワイヤーや圧縮コイルスプリングの引張部材が取付けられる引張部材係合孔(貫通孔)を設け、復帰作動を容易にするために略中央部に設けられた圧縮コイルスプリングからなる復帰ばねIV16(例えば、ステンレススチール線を巻いたもの。)を収納し、該係止ピン13を強制的に引張る角穴II1501(係止ピン引張用)を設けてなる部材である。
図16に示すように、該係止ピン13の一端部1301の上部に該角穴II1501がくるように、該箱体本体1に設けられた手動ロック解除板収納空間に該手動ロック解除板15を取付け、該手動ロック解除板15の一端部の引張部材係合孔に手動ロック解除紐17を結合する。
この場合は、該箱体本体1には該手動ロック解除板15が取付けられてから、吸引確認用転換器14が取付けられる。
紐等の引張部材による手動ロック解除については、通常は悪戯防止のために、洗濯機販売店や洗濯機修理業者等のサービスマン等以外の人が操作できないように、洗濯機筐体の中に設けられる場合が多い。
【0050】
以上、本発明の好適な実施の形態について種々の組合せ等を述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定されるものでなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの組合せ、改変等を施し得るのはもちろんである。
【0051】
例えば、該可動操作板11に設けられた手動ロック解除軸1104を、該箱体本体1から飛び出るように改変し、セルフロック機構のロック(係止)時において、該手動ロック解除軸1104を該箱体本体1の内部に押込むことにより、該ソレノイド励磁の機械操作によらず手動で該可動鉄心10を該ソレノイドアクチュエータ9側に強制移動(往復動の往路)させることができ、セルフロック機構のロック(係止)の状態からアンロック(係止解除)の状態に移行させて、モード1の状態からモード0の状態に戻せる。
手動ロック解除については、通常は悪戯防止のために、洗濯機販売店や洗濯機修理業者等のサービスマン等以外の人が操作できないように、洗濯機筐体の中に設けられる場合が多いが、緊急性の高い非常事態等においては、洗濯機使用者自身が操作できるように、ドアと洗濯機筐体との間に隙間を設けて、その隙間から手動ロック解除軸1104が押せるようにしている洗濯機も多い。その場合は、洗濯機使用者自身が操作方法を検索できるように、購入した洗濯機の取扱説明書(マニュアル、ドキュメント)等に、手動ロック解除方法等が記載されている場合が多い。
このように、本発明の一実施例のドアロック装置のセルフロック機構のロック(係止)時の安全性を確保するため、いつでも手動ロック解除できるように、複数の安全保持機構を、メーカーの洗濯機仕様や安全に係わる意向により追加できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0052】
衣類を洗う洗濯機のみならず、芋類など穀物類や野菜類等を洗う食品洗い機、食器等を洗う食器洗い乾燥機等にも適用できる。
【符号の説明】
【0053】
1・・・箱体本体
101・・・ラッチ受(空間)
102・・・ねじりコイルばね他端受部
103・・・復帰ばねII収納空間
1031・・・復帰ばねII他端受部
104・・・角を有する滑合斜辺部受
105・・・突出部
2・・・箱体蓋体
201・・・ラッチ口
202・・・支承溝(止めピンの頭部を支承する複数の溝)
3・・・掛止本体
301・・・押しブロック
302・・・フック(掛止突起)
303・・・ねじりコイルばね一端受部(回転ストッパーI)
304・・・回転ストッパーII
305・・・回動軸
306・・・斜面
307・・・回転ストッパーIII
4・・・ねじりコイルばね
5・・・可動係止板
502・・・表面と裏面とを有する前端
503・・・滑合斜辺部
504・・・可動係止板I
505・・・可動係止板II
506・・・軸
507・・・突出部(前端の後部壁)
508・・・止めピン
509・・・角穴I(復帰ばねI収納部)
6・・・復帰ばねI
7・・・復帰ばねII
8・・・ボタン
9・・・ソレノイドアクチュエータ
10・・・可動鉄心
11・・・可動操作板
1101・・・ハートカム溝
1102・・・突出部
1103・・・突出部(吸引確認用転換器スイッチボタン押し)
1104・・・手動ロック解除軸
1105・・・ハート形突起
1106・・・突起を有する支持軸
1107・・・回転ストッパーIV
1108・・・角穴III (復帰ばねIII 収納部)
12・・・復帰ばねIII
13・・・係止ピン
1301・・・係止ピンの一端部(ハートカム溝を滑合する部分)
1302・・・係止ピンの他端部受部(貫通孔)
1303・・・板ばねの他端部受部(貫通孔)
1304・・・板ばね(係止ピン押圧用)
14・・・吸引確認用転換器(マイクロスイッチ)
1401・・・スイッチボタン
15・・・手動ロック解除板
1501・・・角穴II(係止ピン引張用)
16・・・復帰ばねIV
17・・・手動ロック解除紐
18・・・操作軸
1801・・・傾斜ブロック
1802・・・引張部材係合孔
20・・・ラッチ(洗濯機のドアに設置)
2001・・・貫通孔
2002・・・前部
61・・・復帰ばねIV(原理時に採用したもの)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラッチ(20)を有する洗濯機のドアを閉じた時に該ラッチ(20)の挿入口であるラッチ口(201)を有する箱体蓋体(2)と、該ラッチ(20)が入り込む空間であるラッチ受(101)を有し係止ピン(13)を有する箱体本体(1)と、略長方形平板状の可動鉄心(10)を有するソレノイドアクチュエータ(9)と、該ソレノイドアクチュエータ(9)で駆動されて該可動鉄心(10)の縦長辺方向に往復動ができハートカム溝(1101)を有する可動操作板(11)と、該ラッチ受(101)に入り込んだ該ラッチ(20)により復帰位置から回動し該ラッチ(20)をフック(302)で掛止する掛止本体(3)と、該フック(302)が該ラッチ(20)を掛止している時に該掛止本体(3)が復帰位置に回動しないように復帰ばねII(7)の力で衝止できる可動係止板I(504)を有し該可動鉄心(10)の横短辺方向に往復動ができる可動係止板(5)と、該可動鉄心(10)の縦長辺方向に往復動ができ該ラッチ(20)が掛止本体(3)に掛止されている時に該洗濯機に設けられたドアを開くための扉開ボタンの操作に連動し該可動係止板(5)を常時弾発付勢する復帰ばねI(6)の力を強める方向に該可動係止板(5)を移動させて前記衝止状態を解除し該ラッチ(20)を離脱させる方向即ち復帰位置に該掛止本体(3)を回動させることができる操作軸(18)と、からなり、該ハートカム溝(1101)と該係止ピン(13)の一端部(1301)との係合及び離脱によるロック及びアンロックの操作を交互に行なえるハートカム方式のセルフロック機構を搭載した洗濯機用のドアロック装置であって、
ソレノイドアクチュエータ(9)は、ボビンに銅線を巻装したソレノイドと、該ソレノイドの外周部に設けられたヨークと、該ヨークに固着された固定鉄心と、該ソレノイドに内設され係合孔を有する該可動鉄心(10)と、からなり、該可動鉄心(10)は、ソレノイド励磁で吸引作動、ソレノイド消磁で復帰作動をさせることにより往復動をする機構部材であり、
可動操作板(11)は、略長方形平板体であり、該可動鉄心(10)に連結して該可動鉄心(10)の往復動の方向と同じ縦長辺方向に往復動し、縦長辺方向の一端部には該可動鉄心(10)の係合孔に係合する突起を有する支持軸(1106)を有し、縦長辺方向の他端部(例えば下)にはセルフロック機構のロック時において該可動鉄心(10)を該ソレノイドアクチュエータ(9)側に強制移動させることができる手動ロック解除軸(1104)を設け、横短辺方向の一端部には吸引確認用転換器(14)のスイッチボタン(1401)を押す突出部(1103)を設け、略中央部には該ハートカム溝(1101)を設け、該ハートカム溝(1101)の横方向(左右)のどちらかに復帰ばねIII (12)が装着できる空間である角穴III (1108)を設け、該角穴III (1108)の内周部一端部には復帰ばねIII (12)一端受けを設け、該角穴III (1108)の内周部他端部には該ソレノイド消磁時の該可動鉄心(10)の復帰作動時の終点位置となるように設けられたストッパーを兼ねる該箱体本体(1)に設けられた復帰ばねIII (12)他端受けが入り、該ソレノイド消磁時の該可動鉄心(10)の復帰作動を容易にするために該復帰ばねIII (12)他端受けと該復帰ばねIII (12)一端受けとの間に両者を常時弾発付勢するように圧縮コイルスプリングからなる復帰ばねIII (12)が装着され、横短辺方向の他端部には該可動鉄心(10)の横短辺方向の該可動係止板(5)の往復動を係止する突出部(1102)(係止爪)を設けてなる部材であり、
掛止本体(3)は、略円柱状軸体であり、軸方向両側に回動軸(305)を有し、一方の該回動軸(305)にはねじりコイルばね一端受部(303)を設けてねじりコイルばね(4)を装着し、軸体の略中央部外周部の一端面には該ラッチ(20)を直角方向から回動して掛止するフック(302)と、該ラッチ(20)の前部(2002)を回動復帰しながら押し出せる押しブロック(301)と、を設け、軸体の略中央部外周部の他端面には可動係止板(5)の前端(502)と摺動する斜面(306)と、該前端(502)と衝止する面である回転ストッパーII(304)と、を設けてなる部材であり、
可動係止板(5)は、略長方形平板体の一端部に該掛止本体(3)の回転ストッパーII(304)と衝止する表面を形成した前端(502)を有し該前端(502)の両側に設けられた略三角板状の滑合斜辺部(503)を有する可動係止板I(504)と、軸(506)と、略長方形平板の可動係止板II(505)と、からなる部材であり、該軸(506)が該可動係止板I(504)の他端部と該可動係止板II(505)の一端部とを回動自在に結合していて、該掛止本体(3)の回転ストッパーII(304)と衝止しない側の該前端(502)の裏面には、ボタン(8)の突部が摺動できる縦溝(510)が形成されており、また該前端(502)の後部壁である突出部(507)が形成されており、該可動係止板II(505)の一端部側には復帰ばねI(6)が装着できる空間である角穴I(509)を設け、該角穴I(509)の内周部一端部には復帰ばねI(6)一端受けを設け、該角穴I(509)の内周部他端部には該操作軸(18)を該箱体本体(1)から引き離すように引張る操作を止めて戻した時に、該操作軸(18)の復帰作動時の終点位置となるように設けられたストッパーを兼ねた該箱体蓋体(2)に設けられた復帰ばねI(6)他端受けが入り、該操作軸(18)の復帰作動を容易にするために該復帰ばねI(6)他端受けと該復帰ばねI(6)一端受けとの間に両者を常時弾発付勢するように圧縮コイルスプリングからなる復帰ばねI(6)が装着され、該可動係止板II(505)の他端部側には該操作軸(18)の傾斜ブロック(1801)と摺動する略T字形状の止めピン(508)を設けてなる複合部材であり、
操作軸(18)は、略中央部が円柱又は角柱状の軸で、一端部には該箱体本体(1)の外部に配設され紐やワイヤーや圧縮コイルスプリングの引張部材が取付けられる引張部材係合孔(1802)を設け、他端部には該可動係止板II(505)の止めピン(508)に接触していて摺動により該可動係止板(5)が該ラッチ受(101)から離脱する方向に移動するように設けられた略V字形の傾斜ブロック(1801)を設けてなる部材であり、該引張部材係合孔(1802)を該箱体本体(1)から引き離すように引張る操作をすることにより、該傾斜ブロック(1801)は該可動係止板II(505)の止めピン(508)と摺動し該可動鉄心(10)の縦長辺方向から直角方向である横短辺方向の運動に変換して該可動係止板(5)が該ラッチ受(101)から離脱する方向に移動するものであり、
箱体本体(1)は、略四角形の箱体で、該ソレノイドアクチュエータ(9)と、該可動操作板(11)と、ボタン(8)を有する復帰ばねII(7)と、該掛止本体(3)と、吸引確認用転換器(14)と、を箱体内部の指定の場所に配設できる箱体であり、
該箱体本体(1)の左部には、略四角形状のラッチ受(101)の空間を設け、該ラッチ受(101)の空間には該掛止本体(3)両側の回動軸(305)が軸支できる軸支爪を複数設け、一方の該回動軸(305)に装着されたねじりコイルばね(4)の他端部に対応する位置にねじりコイルばね他端受部(102)を設けて、該掛止本体(3)の略中央部の一端部のフック(302)が左側になるように該掛止本体(3)を収納し、
該ラッチ受(101)の空間の右部には、復帰ばねII(7)を収納する空間(103)と、該復帰ばねII(7)を収納する空間(103)の一部であり該前端(502)の両側に設けられた略三角板状の滑合斜辺部(503)と滑合する角部を有する滑合斜辺部受(104)の空間と、を設け、該復帰ばねII(7)を収納する空間(103)には、圧縮コイルスプリングからなる復帰ばねII(7)と、突部を有し該復帰ばねII(7)の復帰ばねII(7)一端受部であるボタン(8)と、が収納され、下部に該ボタン(8)の下方移動距離を規制する突起状の復帰ばねII(7)他端受部(1031)と、上部に該復帰ばねII(7)の復帰力による該ボタン(8)の外部飛出防止の係止爪と、を設けて、該復帰ばねII(7)他端受部(1031)に該復帰ばねII(7)を取付け、その上部に該ボタン(8)を前記外部飛出防止の係止爪に係止しながら取付け、
該復帰ばねII(7)を収納する空間(103)の右部には、該可動操作板(11)の支持軸(1106)が摺動できるように支承される壁を設け、その下部には、該可動操作板(11)を収納する空間を設け、該可動操作板(11)を収納する空間には、該可動操作板(11)に装着される該復帰ばねIII (12)の他端に対応する位置に復帰ばねIII (12)他端受けを設け、該可動操作板(11)のハートカム溝(1101)に対応する位置に略クランク形丸棒状の該係止ピン(13)の一端部(1301)がくるように該係止ピン(13)の他端部を挿入する孔である他端部受部(1302)を設け、また該係止ピン(13)の一端部(1301)寄りの略中央部を押圧する位置に板ばね(1304)の一端部がくるように該板ばね(1304)の他端部を挿入する孔である他端部受部(1303)を設けて、該係止ピン(13)の他端部と該板ばね(1304)の他端部とを取付けてから該可動操作板(11)を取付け、
該可動操作板(11)の復帰ばねIII (12)一端受けと該復帰ばねIII (12)他端受けとの間に復帰ばねIII (12)を装着し、
該可動操作板(11)を収納する空間の右部には、吸引確認用転換器(14)を収納する空間を設け、該可動操作板(11)の突出部(1103)側に吸引確認用転換器(14)のスイッチボタン(1401)がくるように吸引確認用転換器(14)を取付け、
該可動操作板(11)の支持軸(1106)が摺動できるように支承された壁の上部には、該ソレノイドアクチュエータ(9)を収納する空間を設け、該ソレノイドアクチュエータ(9)の中に該可動鉄心(10)を挿入し、該可動鉄心(10)の係合孔に該可動操作板(11)の支持軸(1106)の突起を係合させて該ソレノイドアクチュエータ(9)を取付けたものであり、
箱体蓋体(2)は、略四角形の箱体で、該操作軸(18)と、該可動係止板(5)と、を箱体内部の指定の場所に配設できる箱体であり、
該箱体蓋体(2)の左部には、該箱体本体(1)の該ラッチ受(101)の空間位置に対応するように略四角形孔のラッチ口(201)を設け、
該ラッチ口(201)の右部には、該可動係止板(5)を収納する空間を設け、該可動係止板(5)を収納する空間には該可動係止板II(505)に装着される該復帰ばねI(6)の他端に対応する位置に復帰ばねI(6)他端受けを設け、該可動係止板II(505)の止めピン(508)の頭部を支承する支承溝(202)を設け、
該可動係止板II(505)の止めピン(508)を支承する支承溝(202)の上部又は下部或いは両方には、該操作軸(18)の略中央部の軸が摺動できるように支承される壁を設け、その壁の上部又は下部或いは両方方向にある該箱体蓋体(2)の周壁面には操作軸軸支穴を設けて、
該操作軸(18)の他端部の傾斜ブロック(1801)は該可動係止板II(505)の止めピン(508)と係止接触させて取付け、該操作軸(18)の一端部の引張部材係合孔(1802)が該箱体蓋体(2)の外部に出すように該箱体蓋体(2)の周壁面の操作軸軸支穴に該操作軸(18)を取付け、該可動係止板(5)の可動係止板I(504)が該ラッチ口(201)側になるように、該支承溝(202)に該可動係止板II(505)の止めピン(508)を挿入し、該可動係止板(5)を取付け、該可動係止板II(505)の角穴I(509)の内周部の復帰ばねI(6)一端受けと該復帰ばねI(6)他端受けとの間に復帰ばねI(6)を装着し、
該箱体本体(1)の該ラッチ受(101)の空間と該箱体蓋体(2)のラッチ口(201)とが重なるように該箱体本体(1)と該箱体蓋体(2)とを嵌合してドアロック装置の組立完成体とし、
作用において、該ラッチ(20)が該ラッチ受(101)に挿入される前の初期状態におけるセルフロック機構のアンロック時のモード0と呼ばれる状態においては、該掛止本体(3)は該ねじりコイルばね(4)の復帰力で該フック(302)が該ラッチ口(201)側の復帰位置に位置しており、
該ドアを閉じた時には該ラッチ(20)が該ラッチ口(201)から挿入されると、該ラッチ(20)の前部(2002)は該押しブロック(301)を押しながら該ラッチ受(101)に入り込み、同時に該掛止本体(3)も復帰位置から回動して該ラッチ(20)の貫通孔(2001)の中に該フック(302)が入り込んでいき、そして該斜面(306)は該可動係止板I(504)の前端(502)と摺動して該可動係止板(5)を復帰位置から常時弾発付勢する該復帰ばねI(6)の力を強める方向に該ボタン(8)の突部と該縦溝(510)とが摺動しながら移動させていき、該前端(502)との摺動が該斜面(306)から該回転ストッパーII(304)に移行すると、該可動係止板(5)は該復帰ばねI(6)の力を弱める方向に反転移動し、該回転ストッパーII(304)が該前端(502)の表面を摺動して衝止状態となり該可動係止板(5)は復帰位置に戻り、該掛止本体(3)は回動復帰不可能となり該ラッチ(20)は該フック(302)で掛止されて、該モード0状態からモード1と呼ばれる状態に移行され、
ここで、該ドアを開くための扉開ボタンを操作すると、該引張部材係合孔(1802)が引張られ、該傾斜ブロック(1801)と該可動係止板II(505)の止めピン(508)とが摺動して該復帰ばねI(6)の力を強める方向に該可動係止板(5)を復帰位置から移動させて前記衝止状態を解除し、該ねじりコイルばね(4)の復帰力で該ラッチ(20)を離脱させる方向に該掛止本体(3)を回動復帰させることにより、該押しブロック(301)は該ラッチ(20)の前部(2002)を押し上げて該ラッチ(20)を離脱させることができて、該モード1状態から該モード0状態に移行され、
そして引張っていた該引張部材係合孔(1802)を離すと、該傾斜ブロック(1801)と該可動係止板II(505)の止めピン(508)とが摺動して、該可動係止板(5)は該復帰ばねI(6)の力を弱める方向に反転移動し、該可動係止板(5)が復帰位置で停止するものであり、
該ラッチ(20)が該フック(302)で掛止されている該モード1状態において、セルフロック機構のアンロック時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心(10)の吸引作動時には、該係止ピン(13)の一端部(1301)が該ハートカム溝(1101)内を摺動して復帰位置からロックされる位置に移動し、同時に該可動操作板(11)の突出部(1102)が該可動係止板I(504)の突出部(507)に移動して該可動係止板(5)がロックされて該掛止本体(3)は回動復帰不可能の保持状態となり、該可動操作板(11)の突出部(1103)が該吸引確認用転換器(14)のスイッチボタン(1401)を押して、セルフロック機構のアンロックからロックへの操作状態の転換を知らせることができ、
次に前記転換の知らせにより実施される該ソレノイド消磁による該可動鉄心(10)の復帰作動時には、該ハートカム溝(1101)と該係止ピン(13)の一端部(1301)との係合によりセルフロック機構がロックされ、該操作軸(18)の往復動を抑制して該ラッチ(20)を掛止保持し、該モード1状態からモード2と呼ばれる状態に移行されるものであり、
そして、該モード2状態におけるセルフロック機構のロック時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心(10)の吸引作動時には、該ハートカム溝(1101)と該係止ピン(13)の一端部(1301)との離脱によりセルフロック機構がアンロックされ、
その直後に実施される該ソレノイド消磁による該可動鉄心(10)の復帰作動時には、該係止ピン(13)の一端部(1301)が該ハートカム溝(1101)内を摺動してロックされる位置から復帰位置に移動し、同時に該可動操作板(11)の突出部(1102)が該可動係止板I(504)の突出部(507)から移動して該可動係止板(5)のロックが解除され、該操作軸(18)の往復動を可能にし、また該可動操作板(11)の突出部(1103)が該吸引確認用転換器(14)のスイッチボタン(1401)から離れてセルフロック機構のロックからアンロックへの操作状態の転換を知らせることができて、該モード2状態から該モード1状態に移行され、
ここで、該ドアを開くための扉開ボタンを操作すれば、前述の通り、該ラッチ(20)を離脱させ該モード1状態から該モード0状態に移行することができる洗濯機用のドアロック装置において、
該ドアを開くための扉開ボタンを操作しなくても、該モード1状態である該ラッチ(20)を掛止保持する状態において、該ドアを開ける方向に引張るか或いは洗濯槽の内部から押して、該ラッチ(20)を強制的に該箱体本体(1)から引き離すような操作をすると、該ラッチ(20)の貫通孔(2001)の内周面が該フック(302)と当接しながら該掛止本体(3)が復帰位置方向に強制回動させられ、同時に該回転ストッパーII(304)が回動して該前端(502)を押圧するので、該軸(506)を中心にして該可動係止板I(504)が復帰位置から回動しながら該前端(502)の裏面にある該縦溝(510)が該ボタン(8)を押して摺動しながら該前端(502)を該復帰ばねII(7)の力を強める方向に回動移動し、また該滑合斜辺部(503)が該滑合斜辺部受(104)の角部に摺動(滑合)しながら該滑合斜辺部受(104)の空間に入り、該回転ストッパーII(304)が該前端(502)の表面から外れると、該可動係止板I(504)の前端(502)は該斜面(306)と摺動するようになり、該可動係止板I(504)は該復帰ばねII(7)の力で該ボタン(8)の突部と該縦溝(510)とが摺動しながら復帰位置まで回動移動することにより、該ラッチ(20)の掛止を強制解除できて、該モード1状態から該モード0状態に移行することができることを特徴とするドアロック装置。
【請求項2】
請求項1記載のドアロック装置において、該掛止本体(3)の両側の該回動軸(305)のどちらかに該回転ストッパーII(304)と同じ方向に面を有する略角板状の回転ストッパーIII (307)を設け、該可動操作板(11)の横短辺方向の他端部(例えば左)には、該回転ストッパーIII (307)の側面と対峙する位置に配設されるように、また該掛止本体(3)が回動しても該回転ストッパーIII (307)の側面が当接しない位置に略角棒状の回転ストッパーIV(1107)を設け、
該モード0状態の時には、例えば、誤動作のため或いは洗濯機の制御システムの意図的な該モード0状態であるかを確認するために、セルフロック機構のアンロック時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心(10)の吸引作動開始があったとしても、該回転ストッパーIV(1107)が該回転ストッパーIII (307)の側面に衝止されて該可動操作板(11)の移動を抑制し、該モード0状態を保持することができ、
また、該モード1状態の時には、セルフロック機構のアンロック時から初めて実施される該ソレノイド励磁による該可動鉄心(10)の吸引作動があると、該可動操作板(11)の移動により回転ストッパーIV(1107)が該回転ストッパーIII (307)の面に潜り込み、該掛止本体(3)の回動復帰を抑制し、該モード1状態を保持することができることを特徴とする請求項1記載のドアロック装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2011−120902(P2011−120902A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270992(P2010−270992)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【特許番号】特許第4674922号(P4674922)
【特許公報発行日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(303054113)杭州神林電子有限公司 (2)
【Fターム(参考)】