説明

ドア吊元側指挟み防止装置

【課題】 枠付きドアの吊元側縦枠とドアの吊元側端部間にドアを開成することによって形成される開閉空隙に幼児、児童等の指が挟まれるのを防止する。
【解決手段】 吊元側縦枠11の見込面からスプリング丁番4を用いてカバープレート3を面内方向に突出配置し、このカバープレート3の自由端をスプリングの付勢状態でドア2の見付面に対接摺動してドア2の開閉に常時追従回動自在として、開閉空隙を封鎖する。スプリング丁番4の一方の羽根を吊元側縦枠11に形成した開口に挿入して該吊元側縦枠11に直交するように配置し、また、カバープレート3を屈曲して自由端をドア2側に向けることによって、ドア2が1/4円以上の角度に開成してもなお追従回動を行うようにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玄関ドア乃至室内ドアの開閉時に吊元側縦枠とドアの吊元側見込面間に生じる開閉空隙を封鎖して、該開閉空隙による指挟みを防止するようにしたドア吊元側指挟み防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のドア吊元側指挟み防止装置として、下記特許文献1は、吊元側縦枠の見込面からドア面内方向に向けて長尺の柔軟性ある薄板によって形成した柔軟性部材をドアに向けて突出配置するとともにその自由端をドアの吊元側端部に配置した収納溝に収納するように、ドア開閉に応じて自由端を収納溝内で面方向に揺動屈伸することによって上記開閉空隙を封鎖するようにしたものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−102898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、吊元側縦枠とドア間の開閉空隙を封鎖することが可能となるが、柔軟性部材は、例えば合成樹脂、ゴム、弾性金属板等によって形成するものとされるから、材料によっては揺動屈伸を繰り返すことによって柔軟性部材が疲労し破断して、耐久性に欠ける可能性があること、ドアの吊元側端部に収納溝を配置する必要があるから、ドアの構造が複雑化するとともに収納溝に異物が入り込んで誘導屈伸の障害となる可能性があること等の問題点を残したものとなり易い。
【0005】
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、可及的簡易な構造にして耐久性に優れ、また、ドアの開閉角度に拘らず常に開閉空隙の封鎖を確実になし得るようにしたドア吊元側指挟み防止装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に沿って本発明は、金属又は合成樹脂製長尺のカバープレートをドア開方向に向けて付勢した状態でドア開口を吊元側で画する吊元側縦枠に回動自在にドア開口側に突出配置して、その自由端をドアの見付面に対接摺動するように該カバープレートをドア開閉に応じて追従して回動させ、これによって上記開閉空隙を封鎖して、該開閉空隙に指が挟まれるのを防止するようにしたものであって、即ち請求項1に記載の発明を、吊元側縦枠の見込面からドア面内方向に向けて金属又は合成樹脂製長尺のカバープレートをドア開方向への付勢状態でドア開閉方向回動自在に突出配置するとともに該カバープレートの自由端を該ドアの見付面に対接摺動するようにドア開閉に応じて常時追従回動自在とすることによって、吊元側縦枠とドアの吊元側見込面間の開閉空隙を封鎖自在としてなることを特徴とするドア吊元側指挟み防止装置としたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、カバープレートの突出配置を、簡易且つ確実に行ってその付勢状態での開閉方向回動自在性を確保したものとするように、これを、上記カバープレートのドア開方向付勢状態でのドア開閉方向回動自在の突出配置を、スプリング丁番の羽根を吊元側縦枠とカバープレートにそれぞれ固定して行なってなることを特徴とする請求項1に記載のドア吊元側指挟み防止装置としたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、カバープレートを、その自由端のドア見付面に対する摺動対接を常に安定且つ確実に行うとともにドアの開成角度が、例えば1/4円を超えるときでも該自由端の摺動対接を行って常に開閉空隙を封鎖状態に維持する好ましい断面形状のものとするように、これを、上記カバープレートを、室外側に向けて屈曲乃至湾曲形成することによってその自由端をドア面に対接摺動する断面形状としてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のドア吊元側指挟み防止装置としたものである。
【0009】
請求項4及び5に記載の発明は、同じく上記に加えて、それぞれスプリング丁番を用いるとき、その付勢力を可及的確実に確保し、ドア開閉への追従回動性を可及的に大きく確保した吊元側縦枠への固定をなし得るものとするように、請求項4に記載の発明を、上記吊元側縦枠に対するスプリング丁番の羽根の固定を、吊元側縦枠にネジ止めした座板を用い、該座板の固定片に上記羽根をネジ止めして吊元側縦枠に形成した開口に挿入して該吊元側縦枠に直交配置することによって行なってなることを特徴とする請求項2又は3に記載のドア吊元側指挟み防止装置とし、請求項5に記載の発明を、上記吊元側縦枠に対するスプリング丁番の羽根の固定を、該羽根又はこれに設置した支持板にマグネットを配置し、吊元側縦枠に対する磁力吸着によって行なってなることを特徴とする請求項2又は3に記載のドア吊元側指挟み防止装置としたものである。
【0010】
請求項6に記載の発明は、同じく上記に加えて、ドア見付面に対するカバープレート自由端の摺動対接に起因して生じることある摺動対接音やドア見付面への傷等の発生可能性を予防し、自由端のスムーズな摺動対接を可能とするように、これを、上記カバープレートの自由端に、摺接部材を配置して該自由端を被覆してなることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載のドア吊元側指挟み防止装置としたものである。
【0011】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、金属又は合成樹脂製長尺のカバープレートをドア開方向に向けて付勢した状態でドア開口を吊元側で画する吊元側縦枠に回動自在にドア開口側に突出配置して、その自由端をドアの見付面に対接摺動するように該カバープレートをドア開閉に応じて追従して回動させ、これによって上記開閉空隙を封鎖して、該開閉空隙に指が挟まれるのを防止するようにして、可及的簡易な構造にして耐久性に優れ、また、ドアの開閉角度に拘らず常に開閉空隙の封鎖を確実になし得るようにしたドア吊元側指挟み防止装置を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、カバープレートの突出配置を、簡易且つ確実に行ってその付勢状態での開閉方向回動自在性を確保したものとすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、カバープレートを、その自由端のドア見付面に対する摺動対接を常に安定且つ確実に行うとともにドアの開成角度が、例えば1/4円を超えるときでも該自由端の摺動対接を行って常に開閉空隙を封鎖状態に維持する好ましい断面形状のものとすることができる。
【0015】
請求項4及び5に記載の発明は、同じく上記に加えて、それぞれスプリング丁番を用いるとき、その付勢力を可及的確実に確保し、ドア開閉への追従回動性を可及的に大きく確保した吊元側縦枠への固定をなし得るものとすることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、同じく上記に加えて、ドア見付面に対するカバープレート自由端の摺動対接に起因して生じることある摺動対接音やドア見付面への傷等の発生可能性を予防し、自由端のスムーズな摺動対接を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】カバープレートの配置状態を示す枠付きドアの内観図である。
【図2】座板使用の枠付きドアの部分横断面図である。
【図3】ドア開閉とカバープレートの関係を示す横断面図である。
【図4】座板の斜視図である。
【図5】他の例の座板使用の枠付きドアの部分横断面図である。
【図6】カバープレート非設置の場合の枠付きドアの部分横断面図である。
【図7】マグネット使用の枠付きドアの部分横断面図である。
【図8】ドア開閉とカバープレートの関係を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば、図1乃至図4においてAは、ドア枠1の吊元側縦枠11にドア2をヒンジ13によって吊支持し、ドア吊元側指挟み防止装置を備えた玄関用の枠付きドアであり、該枠付きドアAの上記指挟み防止装置は、吊元側縦枠11の見込面からドア面内方向に向けて金属又は合成樹脂製長尺のカバープレート3をドア開方向への付勢状態でドア開閉方向回動自在に突出配置するとともに該カバープレート3の自由端を該ドア2の見付面に対接摺動するようにドア開閉に応じて常時追従回動自在とすることによって、吊元側縦枠11とドア2の吊元側見込面間の開閉空隙を封鎖自在としたものとしてある。
【0019】
本例の枠付きドアAは、鋼板を折曲加工し長手方向端部を溶着して枠組みした鋼製のドア枠1と、鋼板を折曲加工した中骨21に鋼板による表裏の表面板22を配置し、図示省略の断熱防音材を充填して形成した鋼製のドア2を備えたものとしてあり、ドア枠1の室内側に気密材12を装着し、該気密材12にドア2の室内側見付面端部を対接することによって気密性を確保するようにしたものとしてある。このとき該枠付きドアAは、図示省略のドアクローザーを設置してあり、このため該ドアクローザーがドア2を自動閉鎖するに際して、吊元側縦枠11とドア2の吊元側見込面間の開閉空隙を強制縮小して該ドア2の閉成を行うために、ドア閉成時にドア2の裏面において幼児や児童を含めた人の指が上記開閉空隙に挟まれ、場合によっては骨折に至る怪我をする危険性があるところ、ドア吊元側に上記指挟み防止装置を備えることによって、指の挿入を不能として該危険性を解消し、ドア開閉に伴って不可避的に生じる該開閉空隙の安全性を確保したものとしてある。
【0020】
該枠付きドアAに設置した該カバープレート3は、ドア2の高さと同等の長さとし又はこれより短尺にするも、幼児や児童を含めた人の手が触れる範囲の長さ、例えば、ドア2の下端位置又は該下端より幾分、例えば10cm程度の下方位置から1乃至1.5m程度の長さとしてあり、本例にあっては下方位置から1.2乃至1.4m程度の長さとしてある。このとき、該カバープレート3の幅は、これを、例えば10〜20cm程度、本例にあっては13cm程度としてあり、これによって該カバープレート3は、上下方向に一連に開閉空隙を封鎖する長尺帯状のものとしてある。
【0021】
該カバープレート3は、1〜2mm程度の肉厚を有する金属、例えば板加工を施した鋼製又はアルミ製とし又は押出材によるアルミ製のものとしてあり、このとき該カバープレート3は、これを、室外側に向けて屈曲乃至湾曲形成することによってその自由端をドア2の見付面に対接摺動する断面形状としたものとしてある。従って、カバープレート3は、へ字状、V字状等の断面形状とし、また、湾曲皿状、椀状等の断面形状をなすものとしてあり、本例にあって該カバープレート3は鈍角、例えば130〜140°程度に屈曲した略V字状の断面形状をなすものとしてある。このとき該カバープレート3は、その自由端に、摺接部材31を配置して該自由端を被覆したものとしてあり、該摺接部材31は、摩擦抵抗が可及的に小さく且つ自由端の対接摺接に際して騒音を発しないように、例えば合成樹脂、合成ゴム等の材料を用いて自由端に被嵌固定したものとしてある。
【0022】
本例にあって、該カバープレート3の上記ドア開方向付勢状態でのドア開閉方向回動自在の突出配置は、これを、スプリング丁番32の羽根を吊元側縦枠11とカバープレート3にそれぞれ固定して行なってある。即ち、スプリング丁番4を用いることによって、カバープレート3をドア開方向への付勢状態として、その上記常時の追従回動自在性を確保してその吊元側縦枠11への設置をなし得るようにしてある。
【0023】
このとき該吊元側縦枠11に対するスプリング丁番4の羽根の固定は、これを、吊元側縦枠11にネジ止めした座板5を用い、該座板5の固定片52に上記羽根をネジ止めして吊元側縦枠11に形成した開口に挿入して該吊元側縦枠11に直交配置することによって行なったものとしてある。
【0024】
本例にあって座板5は、金属板、例えばステンレス板に切り起し加工を施し、中間の矩形透孔51とその片側縁部から背面側に固定片52を起立し、矩形透孔51の上下及び固定片52にネジ透孔53を配置したものとしてあり、スプリング丁番4の一方の羽根を該固定片52に重合してネジ止めし、スプリング丁番4の軸部と他方の羽根を正面側に突出した状態として、吊元側縦枠11の開口、即ち、該吊元側縦枠11の室内側見込面に形成した矩形開口から、固定片52及びこれに固定した一方の羽根を挿入して、矩形透孔51の上下のネジ透孔53から吊元側縦枠11にネジ止めしてあり、また、スプリング丁番4の他方の羽根には、カバープレート3の一端を重合し、例えばボルトナットによって締着固定したものとしてある。これによって、吊元側縦枠11に対する座板5を介したスプリング丁番4の固定及び該スプリング丁番4に対するカバープレート3の固定を行ったものとしてある。
【0025】
従って、スプリング丁番4は、その上記他方の羽根及びこれに固定したカバープレート4をドア開方向に付勢して、その付勢力によってカバープレート3の自由端がドア2の見付面に対接摺動し、ドア2の閉成、本例にあってはドアクローザーによる閉成によって付勢力を蓄積するものとなる。このとき、スプリング丁番4の一方の羽根を、吊元側縦枠11の室内側見込面に直交配置したものとするから、例えば、該一方の羽根を吊元側縦枠11の室内側見込面に平行配置した場合に比して、他方の羽根、即ちカバープレート3の回動範囲を、ドア2が閉成した状態から開成した状態に至るドア2の開閉角度の全体に亘る追従回動性を確保することが可能となり、従って、ドア2の開閉途中でカバープレートの付勢力がなくなり、カバープレート3の追従回動性が損なわれ、カバープレート3とドア2の見付面間に空隙を生じるといったトラブルのないものとすることができる。
【0026】
このとき、カバープレート3を屈曲乃至湾曲、本例にあっては略V字状のものとしたことによって、自由端位置が、他方の羽根から更にドア2側に変位する結果、ドア2の開閉角度を1/4円を超えるように開成した場合でも、なお追従回動性を確保したものとすることができる。
【0027】
本例の枠付きドアAは、予めドア枠1の吊元側縦枠11に上記開口を工場で形成したものとすることによって、その鋼製のドア枠1とドア2を新築の建造物に設置する新設用のものとし、カバープレート3を付属乃至オプションとして供給することができるが、更に、上記開口をドア枠1の吊元側縦枠11に対して現場で透設して形成するようにすれば、既設の枠付きドア1にカバープレート3を後付設置するものとすることができ、また、既設の枠付きドアAのドア枠1を残存して、例えばプレスドアの如き既設のドアを撤去して、これに交換的に新設鋼製のドア2を設置するドア改装に際して、同様にカバープレート3を設置することができる。
【0028】
図5及び図6は、座板5を、吊元側縦枠11の工場で透設形成した開口に嵌め込み用に構成し、これにスプリング丁番4を固定した例と、このときのカバープレート3をオプションとすることによって該カバープレート3を非設置としたときに該開口を化粧蓋56で閉塞した例を示したもので、本例にあって座板5は、その外形を吊元側縦枠11の開口に合せて、該開口に嵌め込み用のものとすることによって、上記図1乃至4の座板5と同様の形状とするも、これとは外形寸法において異なるものとしてあり、このとき、吊元側縦枠11の開口裏には、上下の突片55を備えたボックス54を固定してあり、上記座板5を開口に嵌め込み、その上下のネジ孔から該上下の突片55に対するネジ止めによって座板5を吊元側縦枠11に対して、その見込面と面一とするように外観よく固定するものとしてある。その余は上記図1乃至4の例と変らないので、同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0029】
一方、カバープレート3を非設置としたときの化粧蓋56は、同じく開口に嵌め込み用とし、面内に上下のネジ孔を透設したステンレス等の矩形プレートとしてあり、該化粧蓋56による開口の閉塞は、上記座板5と同様にネジ孔から上下の突片55に対するネジ止めによって該化粧蓋56を同じく見込面に面一とするように外観よく固定して、これを行うものとしてある。
【0030】
図7及び図8は、吊元側縦枠11に対するカバープレート3設置の他の例を示したもので、本例にあって、上記吊元側縦枠11に対するスプリング丁番4の羽根の固定は、これを、該羽根又はこれに設置した支持板6にマグネット7を配置し、吊元側縦枠11に対する磁力吸着によって行なったものとしてあり、これによって、本例のカバープレート3は、現場での開口透設等の工事を伴うことなく、例えば日曜大工的な作業により可及的簡易に後付設置し得るようにしたものとしてある。
【0031】
本例にあって吊元側縦枠11に対するスプリング丁番4の羽根の固定は、カバープレート3と同長の支持板6を用い、該支持板6の背面にマグネット7、例えばゴムマグネットを一体的に固定するとともに該支持板6にスプリング丁番4の一方の羽根を固定することによって行ってある。
【0032】
本例にあって支持板6は、吊元側縦枠11の見込面に沿う支持基板61と、該支持基板61の室外端部に、例えば直交するように交差突出して、吊元側縦枠の気密材受溝の起立突起に引掛係止することによって該支持板6設置の位置決めを行う引掛片62と、支持基板61の室内端から該支持基板61に沿って折り返して、該支持基板61との間に上記一方の羽根を受け入れる受溝を形成した折返し板63とを備えて、カバープレート3と同長にして、例えば押出材によるアルミ又は合成樹脂製のものとしてある。
【0033】
マグネット7は、上記支持板6と同長のものを用いて、上記支持基板61の背面、即ち、吊元側縦枠11との対向面に、例えば接着によって一体的に固定してあり、上記支持基板61と折返し片63間の受溝にスプリング丁番4の一方の羽根を挿入して、該折返し片63に該一方の羽根をネジ止めすることによって、該支持板6に対してスプリング丁番4を固定し、また、該支持板6に固定したスプリング丁番4の他方の羽根にカバープレート3の端部を重合してネジ止めすることによって該スプリング丁番4にカバープレート3の一端を固定してある。このとき、スプリング丁番4は、上記図1乃至図5の場合と内外を逆向きとするように、その一方の羽根を吊元側縦枠11と平行に配置することによって、上記と同様にドア開方向に向けて付勢したものとしてある。
【0034】
これにより、マグネット7を、吊元側縦枠11の見込面に磁力吸着することによって、カバープレート3を吊元側縦枠11に設置して、上記図1乃至図4の例と同様に該カバープレート3の自由端をドア2の見付面に対接摺動するようにドア開閉に応じてこれに常時追従回動自在としたものとしてある。
【0035】
本例にあっては、カバープレート3設置の簡易性に加えて、カバープレート3を取り外した後に再設置する如くに着脱自在性が得られるから、例えば、カバープレート3の清掃や洗浄を行うに適したものとすることができる。
【0036】
その余は変らないので、同じく同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0037】
図示した例は以上のとおりとしたが、上記ドア開方向に付勢状態でドア開閉方向回動自在に突出配置したカバープレートを、アルミ又は合成樹脂の押出材によるプレート本体と取付材を備えた2部材によって形成し、これら2部材を、これらにそれぞれ配置した軸受と支軸による長手方向全長の全面丁番により連結するとともにこれら2部材間に上記付勢力を付与するスプリングを配置したものとすること、指挟み防止装置を、ドアクローザーを設置しない木製ドア枠と木製ドアによる室内ドアに適用すること等を含めて、本発明の実施に当って、吊元側縦枠、ドア、カバープレート、必要に応じて用いるスプリング丁番、支持板、マグネット、摺接部材等の各具体的構造、材質、形状、寸法、これらの関係、これらに対する付加等は上記発明の要旨に反しない限り様々な形態とすることができる。
【符号の説明】
【0038】
A 枠付きドア
1 ドア枠
11 吊元側縦枠
12 気密材
13 ヒンジ
2 ドア
21 中骨
22 表面板
3 カバープレート
31 摺接部材
4 スプリング丁番
5 座板
51 矩形透孔
52 固定片
53 ネジ透孔
54 ボックス
55 突片
56 化粧蓋
6 支持板
61 支持基板
62 引掛片
63 折返し板
7 マグネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊元側縦枠の見込面からドア面内方向に向けて金属又は合成樹脂製長尺のカバープレートをドア開方向への付勢状態でドア開閉方向回動自在に突出配置するとともに該カバープレートの自由端を該ドアの見付面に対接摺動するようにドア開閉に応じて常時追従回動自在とすることによって、吊元側縦枠とドアの吊元側見込面間の開閉空隙を封鎖自在としてなることを特徴とするドア吊元側指挟み防止装置。
【請求項2】
上記カバープレートのドア開方向付勢状態でのドア開閉方向回動自在の突出配置を、スプリング丁番の羽根を吊元側縦枠とカバープレートにそれぞれ固定して行なってなることを特徴とする請求項1に記載のドア吊元側指挟み防止装置。
【請求項3】
上記カバープレートを、室外側に向けて屈曲乃至湾曲形成することによってその自由端をドア面に対接摺動する断面形状としてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のドア吊元側指挟み防止装置。
【請求項4】
上記吊元側縦枠に対するスプリング丁番の羽根の固定を、吊元側縦枠にネジ止めした座板を用い、該座板の固定片に上記羽根をネジ止めして吊元側縦枠に形成した開口に挿入して該吊元側縦枠に直交配置することによって行なってなることを特徴とする請求項2又は3に記載のドア吊元側指挟み防止装置。
【請求項5】
上記吊元側縦枠に対するスプリング丁番の羽根の固定を、該羽根又はこれに設置した支持板にマグネットを配置し、吊元側縦枠に対する磁力吸着によって行なってなることを特徴とする請求項2又は3に記載のドア吊元側指挟み防止装置。
【請求項6】
上記カバープレートの自由端に、摺接部材を配置して該自由端を被覆してなることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載のドア吊元側指挟み防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−12899(P2012−12899A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152863(P2010−152863)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(598081045)フジメタル株式会社 (23)
【Fターム(参考)】