説明

ドア

【課題】ドア枠体の取付強度を確保しつつ、ドア枠体をフレーム体から容易に取り外すことのできるドアを提供する。
【解決手段】金属製の上下フレーム材と左右の縦フレーム材とを組んでなるフレーム体4に対し、上下枠及び左右の縦枠を方形状に枠組みしてなるドア枠体5を取付けて一体化してなるドアフレームを有し、上下フレーム材10、11は縦フレーム材12の室外側面に対して固着され、上枠20は、上フレーム材10の室外端部に形成される上辺固定部10cにネジ止め固定され、下枠21は、下フレーム材11の室外端部に形成される下辺固定部11cに対して上方から当接しネジ止め固定され、縦フレーム材12と縦枠22とは、離隔配置されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下フレーム材と縦フレーム材を組んでなるフレーム体にドア枠体を取付けてなるドアフレームを有するドアに関し、特にドア枠体の上下辺のみをフレーム体にネジ止め固定してなるドアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物躯体に対して窓枠体を効率よく取付けるため、窓枠体にフレーム体を取付けてなるサッシフレームを躯体開口部に取付ける構造が知られている。窓枠体は、上下枠と左右の縦枠を方形状に枠組みしてなり、フレーム体はこの窓枠体を取り囲むように、上フレーム材と下フレーム材及び左右の縦フレーム材がそれぞれ上下枠及び縦枠に固定される。
【0003】
サッシフレームについては、窓枠体とフレーム体とを工場で固定して予めユニット化しておき、施工現場ではフレーム体を躯体開口部に取付けられた下地材に対して固定する工法が考えられている。この工法によれば、施工現場での作業を大幅に減らすことができ、作業性を良好にすることができる。このようなサッシフレームとしては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−299758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、窓サッシについては、フレーム体を用いた工法が知られているが、玄関に設けられるドアについては、フレーム体を用いることなく、建物駆体に対して直接取付けられる構造となっていたため、作業性が良好ではないという問題があった。
【0006】
このため、ドア枠体をフレーム体に取付けてなるドアフレームを形成し、ドアフレームを建物駆体に取付ける構造が考えられる。ドア枠体は、フレーム体に対して室内側から当接し、四辺をそれぞれネジ止めすることによって、フレーム体に固着される。その後、断熱材や外壁材、あるいは床面となるモルタルなどがフレーム体の周囲に配設される。
【0007】
ドアを経年劣化等により交換、あるいはメンテナンスしようとしたとき、ドア枠体及びその内部に納められるドア本体のみを取り外すことで、簡易かつ低コストに交換あるいはメンテナンスをなすことができる。しかし、ドア枠体をフレーム体から取り外す際、フレーム体の周囲に配設された断熱材や外壁材、床面のモルタルなどが干渉するため、容易に取り外すことはできなかった。一方で、ドア枠体はフレーム体に対して強固に固着されている必要もある。
【0008】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、ドア枠体の取付強度を確保しつつ、ドア枠体をフレーム体から容易に取り外すことのできるドアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係るドアは、金属製の上下フレーム材と左右の縦フレーム材とを組んでなるフレーム体に対し、上下枠及び左右の縦枠を方形状に枠組みしてなるドア枠体を取付けて一体化してなるドアフレームを有するドアにおいて、
前記上下フレーム材は前記縦フレーム材の室外側面に対して固着され、前記ドア枠体を構成する上枠は、前記上フレーム材の室外端部に形成される上辺固定部にネジ止め固定され、前記ドア枠体を構成する下枠は、前記下フレーム材の室外端部に形成される下辺固定部に対して上方から当接しネジ止め固定され、前記縦フレーム材と前記ドア枠体を構成する縦枠とは、離隔配置されてなることを特徴として構成されている。
【0010】
また、本発明に係るドアは、前記上枠は前記上辺固定部に対して室外側から当接しネジ止め固定されることを特徴として構成されている。
【0011】
さらに、本発明に係るドアは、前記下枠は内周面に敷居面部と、前記下フレーム材に対してネジ止め固定される下辺固着面部を有し、該下辺固着面部は前記敷居面部よりも段差を介して下方に形成されることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るドアによれば、上枠は、上フレーム材の室外端部に形成される上辺固定部にネジ止め固定され、下枠は、下フレーム材の室外端部に形成される下辺固定部に対して上方から当接しネジ止め固定され、縦フレーム材とドア枠体を構成する縦枠とは、離隔配置されてなることにより、ドア枠体をフレーム体から取り外すには、上枠を室外側あるいは内周側から、下枠を内周側から、それぞれ取り外せばよく、床面や外壁材、あるいはフレーム体の破壊を最小限としてドア枠体を取り外すことができるので、ドアの交換、メンテナンスを容易にすることができる。
【0013】
また、本発明に係るドアによれば、上枠は上辺固定部に対して室外側から当接しネジ止め固定されることにより、上枠を室外側から取り外すことができ、より容易にフレーム体からの取り外しを行うことができる。
【0014】
さらに、本発明に係るドアによれば、下枠は内周面に敷居面部と、下フレーム材に対してネジ止め固定される下辺固着面部を有し、下辺固着面部は敷居面部よりも段差を介して下方に形成されることにより、下枠とフレーム材との固着部分を床面に露出させることがなく、意匠性の高いドアとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態におけるドアの縦断面図である。
【図2】本実施形態におけるドアの横断面図である。
【図3】図1のうち上フレーム材及びドア枠体の上枠付近拡大図である。
【図4】図2のうち一方の縦フレーム材及びドア枠体の縦枠付近拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には本実施形態におけるドアの縦断面図を、図2には本実施形態におけるドアの横断面図を、それぞれ示している。本実施形態のドアは、建物開口部に取付けられるものであり、建物開口部は、上辺に上固定部1を備え、下辺は開口底面2により構成される。開口底面2には下部取付金具3が設けられる。これら上固定部1と下部取付金具3が、ドアを取付ける建物駆体の取付部を構成する。
【0017】
ドアは、上フレーム材10と下フレーム材11及び左右の縦フレーム材12を組んでなるスチール製のフレーム体4に、上枠20と下枠21及び左右の縦枠22を方形状に枠組みしてなるドア枠体5を納めてドアフレームを構成し、さらにドア枠体5にはドア本体6を開閉自在に納めて構成されている。ドアフレーム及びドア枠体5は、工場で予め組み立てられたものであり、それを取付ける現場に運んで、フレーム体4を建物駆体に対して取付けることで、現場におけるドアの設置作業が容易となるようにしている。
【0018】
また、ドアフレームを建物開口部に取付けた後に、フレーム体4の周囲には断熱材8や外壁材7が取付けられ、さらに床面9を形成するため、開口底面2に設けられた下部取付金具3や下フレーム材11を埋設するようにモルタルによる仕上げがなされる。
【0019】
まず、フレーム体4の構成について説明する。図1及び図2に示すように、左右の縦フレーム材12は、建物開口部の略全高に渡る高さを有しており、上端部が上固定部1に対して固着され、また下端部が下部取付金具3に対して固着される。また、下フレーム材11は、室内面が下部取付金具3に対して縦フレーム材12と共に固着され、縦フレーム材12の室外側に取付けられる。上フレーム材10は、縦フレーム材12の上端よりも下方の中間位置に配置され、室内面が縦フレーム材12の室外面に対して固着される。すなわち、フレーム体4は、上下方向に伸びる縦フレーム材12の室外面に対し、上フレーム材10と下フレーム材11の各室内面が固着され組まれている。
【0020】
上フレーム材10は、縦フレーム材12に対して固着される室内面部10aと、室内面部10aから室外側に延出される室外延出部10bと、室外延出部10bの室外端部において下方に屈曲して室外側に面する上辺固定部10cとを有している。上辺固定部10cに対しては、ドア枠体5の上枠20が、室外側から当接し、ネジ止め固定される。
【0021】
上フレーム材10の外周室外側には、外壁材7が配置される。また、上フレーム材10の室内側には、外壁材7の室内側及び上枠20の室内側と連続して断熱材8が設けられる。断熱材8は、上固定部1の位置から外壁材7の室内面に沿い、上フレーム材10の室内面を経て上枠20の室内側までを連続的に覆って、断熱性の向上を図っている。
【0022】
下フレーム材11は、縦フレーム材12と共に下部取付金具3に対して固着される室内面部11aと、室内面部11aから室外側に延出される室外延出部11bと、室外延出部11bの室外端部を構成する下辺固定部11cとを有している。下辺固定部11cに対しては、ドア枠体5の下枠21の室外端部に形成された下辺固着面部21aが上方から当接し、ネジ止め固定される。
【0023】
ドア枠体5の構成についてより詳細に説明する。図1及び図2に示すように、ドア枠体5を構成する上枠20は、断面中空状の枠本体20bと、枠本体20bの室内面から室内側に延出される室内部20cを備えた金属部分を有している。枠本体20bの上面には、上方に向かって伸びるように屈曲する上辺固着面部20aが形成され、前述したように上フレーム材10の上辺固定部10cに対して当接すると共にネジ止め固定される。また、室内部20cには、室内露出部分を覆うように樹脂上枠23が設けられる。
【0024】
ドア枠体5を構成する下枠21は金属材からなり、下フレーム材11の室外延出部11bに支持され室外側の床面9と同じ高さの平面状に形成された敷居面部21bと、敷居面部21bの室外端から段差を介して下方に形成され、下フレーム材11に対して固着される前述の下辺固着面部21aと、敷居面部21bから室内側に伸び、室内側の床面9と同じ高さとされるカバー体25が取付けられる室内部21cとを有している。なお、下辺固着面部21aが固着される部分は、床面9より下方にあり、したがって、下辺固着面部21aはモルタルに埋設されることとなる。
【0025】
縦フレーム材12に対しては、ドア枠体5を構成する縦枠22が離隔配置されており、直接の固定はなされていない。すなわち、ドア枠体5のフレーム体4に対する固定は、上辺においてドア枠体5の上枠20が室外側から上フレーム材10に当接しネジ止め固定され、下辺においてドア枠体5の下枠21が上方から下フレーム材11に当接しネジ止め固定されることでなされる。このため、ドア枠体5をフレーム体4から取り外す際、上枠20と下枠21をそれぞれ上フレーム材10と下フレーム材11から取り外すだけでよい。下枠21は、下辺固着面部21aがモルタルに埋設されているが、その領域のみモルタルを除去すれば、その他の床面9及び外壁材7等を破壊することなく、容易にドア枠体5を取り外すことができる。これにより、ドアの交換、メンテナンスを容易にすることができる。
【0026】
ドア枠体5を構成する縦枠22は、前述のようにフレーム体4には固定されていないが、上枠20と下枠21にはそれぞれ連結されている。縦枠22は、上枠20と同様、断面中空状の枠本体22bと、枠本体22bの室内面から室内側に向かって延出される室内部22cとを備えた金属部分を有している。また、室内部22cには、室内露出部分を覆うように樹脂縦枠24が設けられる。
【0027】
図3には、図1のうち上フレーム材10及びドア枠体5の上枠20付近拡大図を示している。この図に示すように、上枠20において室内部20cは、金属材の部分が枠本体20bから室内側に伸び、その先端部が上方に向かうように屈曲して室内当接面20dを構成している。樹脂上枠23は、枠本体20bの室内面下端部と室内部20cの金属部分とでなす断面略L字状の面を覆うように配設される。
【0028】
樹脂上枠23は断面中空状に形成され、枠本体20bの室内面下端部及び室内部20cの金属部分を覆う周面部23aと、周面部23aの室外端部から内周側である下方に伸び、ドア本体6の室内面と対向して気密材を保持する室外面部23bと、周面部23aの室内端部から外周側である上方に伸び、室内当接面20dに対して当接する外周当接部23cとを有している。これにより、樹脂上枠23はドア枠体5の内周面を構成する室内露出部となっており、枠本体20bと断熱される。
【0029】
上枠20は上フレーム材10の室外寄りに配置されるので、上フレーム材10の内周面を構成する室外延出部10bは、室外側部分が上枠20を構成する枠本体20bの外周面と対向し、室内側部分は枠本体20bとは対向していない。このため、上フレーム材10の内周面と枠本体20bの室内側面及び室内部20cとで断面凹状の空間領域が形成される。この空間領域には、枠取付断熱材27が設けられる。
【0030】
枠取付断熱材27は、上フレーム材10と枠本体20b及び室内部20cとで形成された断面凹状の空間領域に略適合するように配設されており、枠本体20bの室内側面に当接すると共に、室内部20cの外周面近傍まで設けられる。この枠取付断熱材27により、上枠20の断熱性向上が図られている。
【0031】
外壁材7の室内側に沿う断熱材8は、前述のように上枠20の室内側まで連続的に伸びている。すなわち、上枠20の枠本体22bの室内側には、枠取付断熱材27と断熱材8が、重なり合って設けられている。これにより、特にドア枠体5の内周面付近の断熱性を高くすることができる。
【0032】
図4には、図2のうち縦フレーム材12及びドア枠体5の縦枠22付近拡大図を示している。この図に示すように、縦辺においては、縦フレーム材12は縦枠22の室内側に配置されているが、上辺と同様に、縦枠22の室内部22cには樹脂縦枠24が設けられ、この樹脂縦枠24がドア枠体5の内周面を構成する室内露出部となっており、枠本体22bと断熱される。
【0033】
また、縦枠22を構成する枠本体22bの室内面には、枠取付断熱材27が配設される。枠取付断熱材27は、縦枠22の室内部22cの外周面近傍まで設けられる。このように、縦辺においても枠取付断熱材27により縦枠22の断熱性向上が図られている。
【0034】
縦枠22の外周側には、外壁材7が配置される。また、枠取付断熱材27の外周部から連続状に断熱材8が配設される。断熱材8は、図2において左右の外壁材7の形状が異なるが、それぞれの外壁材7の室内面に沿うように設けられる。
【0035】
このように、ドア枠体5の上枠20と縦枠22において、枠取付断熱材27が室内部20c、22cの外周面近傍まで設けられていることにより、特に高い断熱性が求められるドア枠体5の内周領域における断熱性を向上させることができる。また、枠取付断熱材27はドア枠体5に対し工場組立の際に接着等で取付けておくことができるので、現場での作業を不要とし、施工性を良好にすることができる。
【0036】
なお、本実施形態では、上枠20の室内部20cや縦枠22の室内部22cを断熱構造とするため、樹脂上枠23や樹脂縦枠24を室内露出部としているが、断熱構造はこれには限られず、枠本体と室内部をそれぞれ別体の金属部品により構成し、これらを樹脂製のブリッジ材で接合する構造であってもよい。ブリッジ材による断熱構造では、室内部の室内露出部が金属材であっても、断熱性を確保できる。
【0037】
図3に示すように、ドア枠体5の上枠20とドア本体6は、ドアクローザー26によって連結されている。ドアクローザー26は、ドア本体6の開閉に対する抵抗力を付与するものであり、上枠20の内周面に対し当接して固着される面状の固定部26aを備えている。固定部26aは、上枠20に対しては樹脂上枠23の内周面にのみ当接する。
【0038】
ドアクローザー26の固定部26aは、上枠20の室内部20cの外周側に設けられるドアクローザー取付金具32に対してネジ止め固定される。ドアクローザー取付金具32は、枠本体20bの室内側面と室内部20cの外周部を構成する室内当接面20dの先端部に対して、それぞれ当接するように断面略L字状をなす連結部32aによって構成されている。
【0039】
ドアクローザー取付金具32の連結部32aは、枠本体20bの室内側面と室内部20cの外周部に沿う断面略L字状に形成され、このL字状に沿う位置まで枠取付断熱材27が設けられている。すなわち枠取付断熱材27を、ドアクローザー26の固定のための部品に干渉されることなく、上枠20の室内部20c近傍まで設けることができる。
【0040】
枠本体20bの室内側面には、連結部32aが当接する部分に凹部20eが形成されており、連結部32aが納められる。凹部20eは、連結部32aの肉厚と、これを固着するためのネジの頭部の高さを合わせた寸法と同等の深さを有するように形成されている。これにより、凹部20eの位置まで設けられる枠取付断熱材27とドアクローザー取付金具32とが干渉しないようにし、枠取付断熱材27の取付が阻害されないようにしている。
【0041】
ドアクローザー取付金具32とドアクローザー26の固着は、樹脂上枠23内に設けられる中間金具33を介してなされる。中間金具33は、断面略方形をなすように形成されており、下面側に対しドアクローザー26の固定部26aから挿通されたネジが螺合され、上面側からドアクローザー取付金具32の連結部32aに対してネジが挿通され螺合される。
【0042】
本実施形態では、ドアクローザー26の固定部26aからドアクローザー取付金具32までの距離が大きいため、中間金具33を介して固着しているが、ドアクローザー26の固定部26aとドアクローザー取付金具32を直接ネジ止めしてもよいことは、言うまでもない。
【0043】
図3に示すように、樹脂上枠23の室内側には、金属製の室内額縁材30が取付けられる。室内額縁材30は、樹脂上枠23の内周面と連続状となる平面状の内周面部30aを備え、内周面部30aの室内端部には中空部30bが形成されている。建物開口部の室内側には、内壁材35が設けられており、室内額縁材30の中空部30bは、内壁材35の縁部を覆うように配置される。
【0044】
また、図4に示すように、樹脂縦枠24の室内側にも、同様の室内額縁材30が取付けられる。すなわち、ドアの室内側には、上辺と左右の縦辺の三辺に渡って、室内額縁材30が取付けられて、ドア枠体5の内周面を室内側に延長すると共に、内壁材35の縁部を覆って意匠性を高めている。
【0045】
図3に示すように、室内額縁材30の室外端部30cは、樹脂上枠23に対して当接している。室内額縁材30の室外端部30c付近の外周側には、室内額縁材30を上枠20に固定するための額縁固定金具31が設けられる。額縁固定金具31は、室内額縁材30をネジ止め固定する額縁固定面部31aと、樹脂上枠23の外周当接部23cに対して当接しネジ止め固定される枠固定面部31bとで、断面略L字状をなすように形成されている。
【0046】
額縁固定金具31は、額縁固定面部31aが室内額縁材30にのみ当接し、また枠固定面部31bが樹脂上枠23にのみ当接し、それぞれネジ止め固定されるようにされている。ドアクローザー取付金具32の室内端部は、額縁固定金具31の室外端部と近接しているが、これも接触はしていない。すなわち、額縁固定金具31はドア枠体5の金属部分やフレーム体4には接触せず、したがって室内額縁材30は、ドア枠体5の金属部分やフレーム体4と熱的に絶縁された構成となっている。
【0047】
図4に示すように、縦辺においても、上辺と同様の構造で、室内額縁材30が樹脂縦枠24に対し、額縁固定金具31を介して固定される。すなわち、室内額縁材30は、ドア枠体5の三辺に渡って、金属部材とは熱的に絶縁された状態で固定される。
【0048】
このように、ドア枠体5の室内部20、22を樹脂枠による断熱構造とした上で、室内額縁材30がドア枠体5の金属部分やフレーム体4から断熱されているので、室内額縁材30を介した断熱性の低下を防止することができ、また室内額縁材30に結露が生じることも防止することができる。また、室内額縁材30を額縁固定金具31を介して樹脂上枠23や樹脂縦枠24に固定するようにしたので、樹脂枠の設計自由度を高くすることができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
【符号の説明】
【0050】
1 上固定部
2 開口底面
3 下部取付金具
4 フレーム体
5 ドア枠体
6 ドア本体
7 外壁材
8 断熱材
9 床面
10 上フレーム材
11 下フレーム材
12 縦フレーム材
20 上枠
20a 上辺固着面部
20b 枠本体
20c 室内部
21 下枠
21a 下辺固着面部
21b 敷居面部
21c 室内部
22 縦枠
22b 枠本体
22c 室内部
23 樹脂上枠
24 樹脂縦枠
25 カバー体
26 ドアクローザー
27 枠取付断熱材
30 室内額縁材
31 額縁固定金具
32 ドアクローザー取付金具
33 中間金具
35 内壁材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の上下フレーム材と左右の縦フレーム材とを組んでなるフレーム体に対し、上下枠及び左右の縦枠を方形状に枠組みしてなるドア枠体を取付けて一体化してなるドアフレームを有するドアにおいて、
前記上下フレーム材は前記縦フレーム材の室外側面に対して固着され、前記ドア枠体を構成する上枠は、前記上フレーム材の室外端部に形成される上辺固定部にネジ止め固定され、前記ドア枠体を構成する下枠は、前記下フレーム材の室外端部に形成される下辺固定部に対して上方から当接しネジ止め固定され、前記縦フレーム材と前記ドア枠体を構成する縦枠とは、離隔配置されてなることを特徴とするドア。
【請求項2】
前記上枠は前記上辺固定部に対して室外側から当接しネジ止め固定されることを特徴とする請求項1記載のドア。
【請求項3】
前記下枠は内周面に敷居面部と、前記下フレーム材に対してネジ止め固定される下辺固着面部を有し、該下辺固着面部は前記敷居面部よりも段差を介して下方に形成されることを特徴とする請求項1または2記載のドア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−220066(P2011−220066A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92991(P2010−92991)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】