説明

ドキュメント閲覧システム及びドキュメント画像配信装置並びにドキュメント閲覧方法

【課題】ドキュメント画像を配信するドキュメント閲覧システムにおいて、ドキュメント画像に表が含まれている場合にも、その内容を正常に閲覧できるようにしつつ、閲覧性の向上を図る。
【解決手段】ドキュメント閲覧システムに用いられる配信処理サーバ10には、ドキュメント画像50から表に対応する領域である表領域を抽出する表領域抽出処理を行う表領域抽出部35と、ユーザからの要求に応じて所定の領域を表領域から切り出し、それらの各領域を再構成することにより、ユーザの要求に応じた所定の領域のみに表領域を絞り込んだ絞込み画像を生成する絞込み処理を行う絞込み処理部36とが設けられている。絞込み画像では、元の表の各枡目の関係を適切に維持しつつ表示を行うことができるので、ドキュメント画像の内容を正常に閲覧できるようにしつつ、閲覧性の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメント画像の閲覧を要求するための携帯端末と、ネットワークを介して携帯端末と接続され、携帯端末からの閲覧要求に応じて、ドキュメント画像を要求元の携帯端末に配信するドキュメント画像配信装置とからなるドキュメント閲覧システム、及びそのドキュメント画像配信装置、並びにそのドキュメント閲覧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社内で作成されたドキュメントファイル(文書作成ソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトなどのアプリケーションソフトウェアで作成された電子ファイル)を画像に変換し、ドキュメント画像として携帯端末に配信することにより、社内のドキュメントファイルを社外でも閲覧できるようにするドキュメント閲覧システムが、例えば、特許文献1などで知られている。
【0003】
上記ドキュメント閲覧システムでは、ドキュメント画像を介してドキュメントファイルの内容を閲覧することはできるが、テキスト(文字又は文字列)や図表などの情報を編集することはできない。これにより、上記ドキュメント閲覧システムでは、これらの情報がコピーされ、携帯端末に残ってしまうことによる社内の機密情報の漏洩を防ぐ、シンクライアントなシステムとすることができる。
【0004】
ところで、携帯端末は、ドキュメントファイルの作成を行う社内のPCなどに比べてディスプレイの画面サイズが小さい。このため、文字などが判読できるように表示しようとすると、携帯端末には、ドキュメント画像の一部分しか表示することができない場合が多い。従って、携帯端末でドキュメント画像を閲覧する際には、縦スクロールや横スクロールを繰り返し行って画面を移動させなければならず、必ずしも閲覧性がよいものではなかった。特に、横スクロールが必要になると、次の行の先頭に移動するために反対方向への移動が必要になり、非常に煩わしい。
【0005】
そこで、特許文献1では、ドキュメント画像を文字毎に分割することによって、ドキュメント画像に含まれる各文字に応じた文字領域画像を生成するとともに、これらの各文字領域画像を携帯端末に配信し、携帯端末の画面サイズ及び表示倍率に合わせて各文字領域画像を再構成して表示させるようにしている。こうすれば、横スクロールを行う必要がなくなり、縦スクロールのみでドキュメントファイルの内容を閲覧することができるようになるので、携帯端末で閲覧を行う際の閲覧性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−260304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ドキュメント画像には、その一部に表を含むもの、あるいは、表計算ソフトで作成されたドキュメントファイルに対応するドキュメント画像など、その全体が表で構成されているものも多い。こうした表を含むドキュメント画像を携帯端末で閲覧する際、上記特許文献1のように、ドキュメント画像を文字毎に分割し、画面サイズや表示倍率に合わせて各文字領域画像を再構成してしまうと、縦軸及び横軸の各枡目の関係が把握できなくなり、ドキュメントファイルの内容を正常に閲覧することができなくなってしまう。
【0008】
とはいえ、画面サイズの小さい携帯端末でドキュメント画像をそのまま表示させてしまうと、前述のように、画面のスクロールや拡大縮小を頻繁に繰り返さなければならなくなり、閲覧性が悪いとともに、これにともなってサーバとの不要な通信が増え、ユーザの通信コストの負担増も招いてしまう。このため、ドキュメント閲覧システムでは、ドキュメント画像に表が含まれている場合にも、ドキュメントファイルの内容を正常に閲覧できるようにしつつ、閲覧性の向上を図ることが望まれている。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ドキュメント画像を配信するドキュメント閲覧システムにおいて、ドキュメント画像に表が含まれている場合にも、ドキュメントファイルの内容を正常に閲覧できるようにしつつ、閲覧性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、ドキュメント画像の閲覧を要求するための携帯端末と、ネットワークを介して前記携帯端末と接続され、前記携帯端末からの閲覧要求に応じて、前記ドキュメント画像を要求元の前記携帯端末に配信するドキュメント画像配信装置とからなるドキュメント閲覧システムにおいて、前記ドキュメント画像から表に対応する領域である表領域を抽出する表領域抽出処理を行う表領域抽出部と、絞込み条件として予め設定された所定の領域を前記表領域から切り出すことにより、前記所定の領域のみに前記表領域を絞り込んだ絞込み画像を生成する絞込み処理を行う絞込み処理部と、前記絞込み画像を要求元の前記携帯端末に配信する配信制御部とを前記ドキュメント画像配信装置に設け、配信された前記絞込み画像を表示部に表示させる表示制御部を前記携帯端末に設けたことを特徴とする。
【0011】
前記携帯端末は、前記絞込み条件を設定するための絞込み条件設定手段を有し、前記絞込み処理部は、前記絞込み条件設定手段で設定された前記絞込み条件に応じた前記絞込み画像を生成することが好ましい。
【0012】
前記絞込み条件には、所定の文字列が設定され、前記絞込み処理部は、前記絞込み条件として設定された文字列と一致する文字列を含む枡目を前記表領域から検出し、その検出した枡目に関連する各枡目を前記表領域から切り出して再構成することにより、前記絞込み画像を生成することが好ましい。
【0013】
前記絞込み条件に、前記ドキュメント画像上の任意の位置の座標情報を設定し、前記絞込み処理部が、前記絞込み条件として設定された座標情報が示す位置にある前記表領域内の枡目を特定し、その特定した枡目に関連する各枡目を前記表領域から切り出すことにより、その切り出した領域を前記絞込み画像として生成する構成としてもよい。
【0014】
前記絞込み条件に、所定の文字列と、前記ドキュメント画像上の任意の位置の座標情報とを設定し、前記絞込み処理部が、前記絞込み条件として設定された文字列と一致する文字列を含む枡目を前記表領域から検出し、その検出した枡目に関連する各枡目を前記表領域から切り出して再構成した後、前記絞込み条件として設定された座標情報が示す位置にある前記表領域内の枡目を特定し、その特定した枡目に関連する各枡目を前記再構成によって生成された画像から切り出すことにより、その切り出した領域を前記絞込み画像として生成する構成としてもよい。
【0015】
前記絞込み処理部は、前記絞込み条件として設定された座標情報が示す位置にある前記表領域内の枡目を特定し、その特定した枡目に関連する各枡目を切り出す場合、特定した枡目よりも大きい領域を切り出して前記絞込み画像を生成することが好ましい。
【0016】
前記絞込み処理部は、前記絞込み条件として設定された座標情報が示す位置にある前記表領域内の枡目を中心とし、この枡目から上下左右に拡大させた十字状の領域を切り出して前記絞込み画像を生成することが好ましい。
【0017】
前記表領域抽出部は、前記表領域の一番左の列の各枡目に対応する部分を表の縦軸の各項目が並ぶ縦軸領域として抽出するとともに、前記表領域の一番上の行の各枡目に対応する部分を表の横軸の各項目が並ぶ横軸領域として抽出し、さらに前記縦軸領域と前記横軸領域とに含まれる各枡目の交点に対応する枡目の部分をデータ領域として抽出し、前記絞込み処理部は、前記絞込み条件に対応する前記データ領域内の領域を前記表領域から切り出すことにより、その領域をデータ領域絞込み画像として生成するとともに、前記縦軸領域の前記データ領域絞込み画像に対応する各項目の枡目の部分を前記表領域から切り出すことにより、その領域を縦軸領域絞込み画像として生成し、前記横軸領域の前記データ領域絞込み画像に対応する各項目の枡目の部分を前記表領域から切り出すことにより、その領域を横軸領域絞込み画像として生成し、前記配信制御部は、前記絞込み処理部が生成した前記データ領域絞込み画像と、前記縦軸領域絞込み画像と、前記横軸領域絞込み画像とを要求元の前記携帯端末に配信することが好ましい。
【0018】
前記表示制御部は、前記表示部に表示可能な部分を前記データ領域絞込み画像から切り出すとともに、これに対応する部分を前記縦軸領域領域絞込み画像と前記横軸領域絞込み画像とのそれぞれから切り出し、それらの各画像をまとめて再構成することにより、前記各絞込み画像から合成絞込み画像を生成し、その合成絞込み画像を前記表示部に表示させることが好ましい。
【0019】
前記ドキュメント画像配信装置は、前記ドキュメント画像の閲覧が要求された際に、そのドキュメント画像に含まれる前記表領域の情報を表インデックス情報として生成する表インデックス情報生成部を備え、前記配信制御部は、前記表インデックス情報の配信も行い、前記表示制御部は、前記表インデックス情報を基に、閲覧を要求した前記ドキュメント画像に含まれる前記表領域の情報を一覧表示し、これらの情報を介して閲覧したい前記表領域を指定できるようにするインデックス表示画面を生成し、そのインデックス表示画面を前記表示部に表示させることが好ましい。
【0020】
前記ドキュメント画像配信装置は、前記絞込み画像が前記表領域の全体の何処に位置しているかを示すナビゲータ画像を生成するナビゲータ画像生成部を備え、前記配信制御部は、前記ナビゲータ画像の配信も行い、前記表示制御部は、前記絞込み画像と前記ナビゲータ画像とを前記表示部に表示させることが好ましい。
【0021】
前記携帯端末は、自身の現在位置を示す端末位置情報を取得する端末位置情報取得手段を有し、前記絞込み処理部は、前記端末位置情報が示す位置の地名の文字列と一致する文字列を含む枡目を前記表領域から検出し、その検出した枡目に関連する各枡目を前記表領域から切り出し、それらを再構成して前記絞込み画像を生成することにより、前記表領域に含まれる各情報から要求元の前記携帯端末の現在位置に応じた情報のみを閲覧できるようにすることが好ましい。
【0022】
前記ドキュメント画像配信装置は、抽出した前記表領域の前記ドキュメント画像上における位置の座標情報を前記表領域抽出処理の結果として記憶するとともに、前記絞込み画像を生成する際に前記表領域から切り出した領域の前記ドキュメント画像上における位置の座標情報を前記絞込み処理の結果として記憶するデータ記憶部を備え、前記絞込み処理部に前記絞込み処理を実行させる際に、前記データ記憶部に記憶されている各情報を基に、過去に同じ前記絞込み条件で前記絞込み処理が行われたか否かを判定し、行われている場合には、対応する前記座標情報を前記データ記憶部から読み出し、その座標情報を用いて前記絞込み画像の生成を行うことが好ましい。
【0023】
また、前記ドキュメント画像配信装置は、抽出した前記表領域の前記ドキュメント画像上における位置の座標情報を前記表領域抽出処理の結果として記憶し、前記絞込み画像を生成する際に前記表領域から切り出した領域の前記ドキュメント画像上における位置の座標情報を前記絞込み処理の結果として記憶するとともに、前記絞込み処理で生成された前記絞込み画像を記憶するデータ記憶部を備え、前記絞込み処理部に前記絞込み処理を実行させる際に、前記データ記憶部に記憶されている各情報を基に、過去に同じ前記絞込み条件で前記絞込み処理が行われたか否かを判定し、行われている場合には、前記データ記憶部から読み出すことで対応する前記絞込み画像を取得する構成としてもよい。
【0024】
前記絞込み処理部は、要求元の前記携帯端末の画面サイズの情報を基に、この画面サイズに適したサイズに拡大又は縮小して前記絞込み画像を生成することが好ましい。
【0025】
また、本発明は、携帯端末からの閲覧要求に応じて、所定のドキュメント画像を要求元の前記携帯端末に配信するドキュメント画像配信装置において、前記ドキュメント画像から表に対応する領域である表領域を抽出する表領域抽出処理を行う表領域抽出部と、絞込み条件として予め設定された所定の領域を前記表領域から切り出すことにより、前記所定の領域のみに前記表領域を絞り込んだ絞込み画像を生成する絞込み処理を行う絞込み処理部と、前記絞込み画像を要求元の前記携帯端末に配信する配信制御部とを設けたことを特徴とする。
【0026】
さらに、本発明は、ドキュメント画像の閲覧を要求するための携帯端末と、ネットワークを介して前記携帯端末と接続され、前記携帯端末からの閲覧要求に応じて、前記ドキュメント画像を要求元の前記携帯端末に配信するドキュメント画像配信装置とからなるドキュメント閲覧システムのドキュメント閲覧方法において、前記ドキュメント画像から表に対応する領域である表領域を抽出するステップと、絞込み条件として予め設定された所定の領域を前記表領域から切り出すことにより、前記所定の領域のみに前記表領域を絞り込んだ絞込み画像を生成するステップと、前記絞込み画像を要求元の前記携帯端末に配信するステップと、配信された前記絞込み画像を前記携帯端末の表示部に表示させるステップとを有することを特徴とするドキュメント閲覧方法。
【発明の効果】
【0027】
本発明では、ドキュメント画像から表に対応する領域である表領域を抽出し、絞込み条件として予め設定された所定の領域を表領域から切り出すことにより、所定の領域のみに表領域を絞り込んだ絞込み画像を生成し、その絞込み画像を要求元の携帯端末に配信して表示部に表示させるようにした。所定の領域を表領域から切り出して生成した絞込み画像では、元の表の各枡目の関係を適切に維持しつつ表示を行うことができるので、ドキュメント画像に表が含まれている場合にも、その内容が把握できなくなってしまう心配がない。また、絞込み画像では、ドキュメント画像をそのまま表示する場合に比べて大きく表示させることもできる。従って、本発明によれば、ドキュメント画像に表が含まれている場合にも、その内容を正常に閲覧できるようにしつつ、閲覧性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ドキュメント閲覧システムの構成を示す説明図である。
【図2】携帯電話の構成の概略を示すブロック図である。
【図3】配信処理サーバの構成の概略を示すブロック図である。
【図4】ドキュメント管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図5】端末管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図6】表領域抽出処理の概念を示す説明図である。
【図7】絞込み処理の概念を示す説明図である。
【図8】ファイル情報管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図9】表解析テーブルの一例を示す説明図である。
【図10】絞込みテーブルの一例を示す説明図である。
【図11】絞込み領域テーブルの一例を示す説明図である。
【図12】携帯電話に表示される画面の一例を示す説明図である。
【図13】ドキュメント閲覧システムの処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図14】絞込み位置情報を絞込み条件とする際の配信処理サーバの構成の概略を示すブロック図である。
【図15】絞込み位置情報を絞込み条件とする際の絞込み処理の概念を示す説明図である。
【図16】絞込み位置情報を絞込み条件とする際の携帯電話に表示される画面の一例を示す説明図である。
【図17】合成絞込み画像の生成例を示す説明図である。
【図18】スクロールの指示に応じて合成絞込み画像を再生成する例を示す説明図である。
【図19】ユーザが指定した表領域内の所定の位置を絞込み条件とする際の処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図20】絞込みキーと絞込み位置情報とを絞込み条件とする際の配信処理サーバの構成の概略を示すブロック図である。
【図21】絞込みキーと絞込み位置情報とを絞込み条件とする際の絞込み処理の概念を示す説明図である。
【図22】絞込みキーと絞込み位置情報とを絞込み条件とする際の処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図23】インデックス表示画面を介して所望の表を指定できるようにする際の配信処理サーバの構成の概略を示すブロック図である。
【図24】インデックス表示画面の一例を示す説明図である。
【図25】インデックス表示画面を介して所望の表を指定できるようにする際の処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図26】ナビゲータ画像を合成絞込み画像とともに表示させるようにする際の配信処理サーバの構成の概略を示すブロック図である。
【図27】ナビゲータ画像の表示例を示す説明図である。
【図28】位置情報リンク機能を有する携帯電話の構成の概略を示すブロック図である。
【図29】閲覧要求画面の一例を示す説明図である。
【図30】端末位置情報が示す位置の地名の文字列の情報を絞込み条件として設定した際の絞込み処理の概念を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第1実施形態]
図1に示すように、ドキュメント閲覧システム2は、ドキュメント画像配信部(ドキュメント画像配信装置)3と、携帯電話(携帯端末)4とで構成されている。携帯電話4は、基地局5と無線通信し、基地局5を介してインターネット6にアクセスすることにより、インターネット6を介してドキュメント画像配信部3と接続される。これにより、ドキュメント画像配信部3と携帯電話4とは、公衆ネットワークであるインターネット6を介して相互に通信を行うことができる。
【0030】
ドキュメント画像配信部3は、企業のネットワーク内に設置されたシステムモジュールであり、配信処理サーバ10とファイルサーバ11とで構成されている。配信処理サーバ10とファイルサーバ11とは、社内のLANなどを介して互いに接続されている。
【0031】
ファイルサーバ11には、当該企業の社内で作成された種々のドキュメントファイル14が保管されている。配信処理サーバ10は、携帯電話4から所定のドキュメントファイル14の閲覧が要求された際に、そのドキュメントファイル14をファイルサーバ11から読み出す。そして、読み出したドキュメントファイル14に対して画像変換処理を行うことにより、当該ドキュメントファイル14に応じた画像を生成し、その画像を要求元の携帯電話4に配信する。
【0032】
ファイルサーバ11に保管されている各ドキュメントファイル14には、それぞれに固有のドキュメントIDが付与されている。ドキュメントIDは、各ドキュメントファイル14を個別に識別するための識別情報であり、例えば、ドキュメントファイル14を最初にファイルサーバ11に保管した際に、保管順の通し番号として付与される。また、ドキュメントIDは、ドキュメントファイル14のヘッダ部に書き込まれることによって、対応するドキュメントファイル14と関連付けられて管理される。これにより、ファイルサーバ11に保管された各ドキュメントファイル14は、ヘッダ部に書き込まれたドキュメントIDを参照することによって、それぞれを容易に識別することができる。なお、ドキュメントIDは、対応するドキュメントファイル14のファイル名などと関連付けて記憶するテーブルデータなどによって管理するようにしてもよい。また、ドキュメントIDは、数字のみならず記号や文字、あるいはこれらを組み合わせたものでもよい。
【0033】
携帯電話4には、各種の情報を表示するための液晶ディスプレイ(表示部)20と、各種の操作指示を入力するための操作部(絞込み条件設定手段)21とが設けられている。操作部21は、携帯電話4の外面に露呈して設けられた複数の操作入力部材からなる。これらの各操作入力部材には、例えば、押しボタンスイッチ、スライドスイッチ、十字キー、ジョグダイヤルなどといった周知の入力装置が用いられる。
【0034】
携帯電話4は、操作部21を介して入力されたユーザからの指示に応じてドキュメント画像配信部3にアクセスし、ドキュメント画像配信部3から配信された画像を液晶ディスプレイ20に出力する。これにより、ユーザが要求したドキュメントファイル14に応じた画像が液晶ディスプレイ20に表示され、この画像を介してドキュメントファイル14の内容をユーザが閲覧できるようになる。また、携帯電話4は、ユーザが画像の閲覧を終了させた後、取得した画像を内部のメモリから消去する。
【0035】
このように、ドキュメント閲覧システム2は、携帯電話4からの要求に応じて画像を配信し、閲覧後にデータが携帯電話4に残らないようにすることによって、情報漏洩のリスクを抑えつつ、社内で作成されたドキュメントファイル14の内容を社外でも閲覧できるようにするものである。
【0036】
図2に示すように、携帯電話4には、液晶ディスプレイ20、操作部21の他に、CPU(表示制御部)22、システムメモリ23、液晶ドライバ24、無線通信部25が設けられている。これらの各部は、バス26を介して互いに接続されている。
【0037】
システムメモリ23は、携帯電話4を制御するための各種のプログラムやデータを記憶している。また、システムメモリ23は、制御の過程で生じた種々のデータを一時的に記憶する。このシステムメモリ23には、電源がOFFになった際にも記憶した各データが消えないように、フラッシュメモリなどの不揮発性のメモリが用いられている。CPU22は、システムメモリ23から各種のプログラムを読み出し、これを逐次処理することによって携帯電話4の各部を統括的に制御する。
【0038】
また、システムメモリ23には、ドキュメント閲覧システム2に対応するクライアントアプリケーションであるビューアプログラム28がインストールされている。CPU22は、システムメモリ23からビューアプログラム28を読み出し、これを逐次処理することによって、ドキュメントファイル14の内容を携帯電話4で閲覧するための種々の画面を液晶ディスプレイ20に表示するビューアの機能をユーザに提供する。
【0039】
ユーザは、携帯電話4を介してドキュメントファイル14の閲覧を行う場合、まず操作部21を操作してビューアプログラム28の実行をCPU22に指示することにより、CPU22にビューアを起動させる。そして、このビューアの起動に応じて液晶ディスプレイ20に表示される種々の画面に従って操作指示を入力することにより、携帯電話4でドキュメントファイル14の閲覧を行う。
【0040】
CPU22には、操作部21が接続されている。操作部21は、携帯電話4の外面に露呈して設けられた各操作入力部材に対するユーザの操作指示を検知して、その検知結果をCPU22に入力する。これにより、ユーザからの操作指示が操作部21を介してCPU22に入力される。
【0041】
液晶ドライバ24は、CPU22からの制御信号に応じて種々の画像データをシステムメモリ23から読み出し、その画像データをアナログのコンポジット信号に変換して液晶ディスプレイ20に出力する。CPU22は、操作部21を介して入力されたユーザからの指示に応じて液晶ドライバ24に制御信号を送り、種々の画面を液晶ディスプレイ20に表示させる。無線通信部25は、基地局5との間で無線通信を行い、基地局5と各種のデータを送受信する。
【0042】
図3に示すように、配信処理サーバ10は、CPU(配信制御部)30と、システムメモリ31と、ネットワークインタフェース(I/F)32と、ユーザ情報管理部33と、画像変換部34と、表領域抽出部35と、絞込み処理部36と、データ記憶部37とを備えている。これらの各部は、バス38を介して互いに接続されている。
【0043】
システムメモリ31には、ドキュメント閲覧システム2に対応したサーバプログラムである制御プログラム40が記憶されている。CPU30は、この制御プログラム40をシステムメモリ31から読み出して逐次処理することにより、配信処理サーバ10の各部を統括的に制御する。ネットワークI/F32は、周知のモデムやルータなどであり、配信処理サーバ10をインターネット6や社内のLANなどに接続する。
【0044】
ユーザ情報管理部33は、ドキュメント閲覧システム2を利用する各ユーザに関する各種の情報を保管するとともに、これらの情報を用いることにより、配信処理サーバ10にドキュメントファイル14の閲覧を要求したユーザに対して、そのドキュメントファイル14の閲覧を認証するか否かを判定するユーザ認証処理を行う。
【0045】
ユーザ情報管理部33には、ドキュメント管理テーブル42と端末管理テーブル43とが設けられている。図4に示すように、ドキュメント管理テーブル42は、各ドキュメントファイル14に付与されたドキュメントIDと、そのドキュメントIDに対応するドキュメントファイル14の閲覧を許可するユーザを特定するための管理IDとを関連付けて記憶している。
【0046】
ユーザ情報管理部33は、ユーザからドキュメントファイル14の閲覧が要求された際に、そのユーザの管理ID、及び要求されたドキュメントファイル14のドキュメントIDを基にドキュメント管理テーブル42を参照し、対応するドキュメントIDと関連付けてドキュメント管理テーブル42に記憶された管理IDと、閲覧を要求したユーザの管理IDとが一致しているか否かを確認する。そして、ユーザ情報管理部33は、ドキュメント管理テーブル42に記憶されている管理IDと、閲覧を要求したユーザの管理IDとが一致している場合に、ドキュメントファイル14の閲覧を認証すると判定し、一致していない場合に、ドキュメントファイル14の閲覧を認証しないと判定する。
【0047】
なお、管理IDは、ユーザ毎に設定されるものでもよいし、特定のユーザグループ毎に設定されるものでもよい。また、図4では、1つのドキュメントIDに対して1つの管理IDのみを関連付けている、すなわち1つのドキュメントファイル14に対して閲覧を認証するユーザを1人あるいは1グループのみに限定しているが、これに限ることなく、1つのドキュメントIDに対して複数の管理IDを関連付けることにより、複数人あるいは複数グループのユーザに対してドキュメントファイル14の閲覧を認証するようにしてもよい。
【0048】
図5に示すように、端末管理テーブル43は、各ユーザが所有する携帯電話4の端末名の情報と、その携帯電話4に設けられた液晶ディスプレイ20の画面サイズ(解像度)の情報とを関連付けて記憶している。ユーザ情報管理部33は、閲覧を要求したユーザに対してドキュメントファイル14の閲覧を認証すると判定した際に、そのユーザの携帯電話4の端末名を基に端末管理テーブル43を参照することにより、その携帯電話4の画面サイズを確認する。そして、ユーザ情報管理部33は、閲覧を要求したユーザの携帯電話4の画面サイズを確認したら、その画面サイズの情報をシステムメモリ31に一時的に記憶させる。この画面サイズの情報は、携帯電話4に配信する画像を生成する際に用いられる。
【0049】
画像変換部34は、CPU30からの指示に応じてドキュメントファイル14の仮想印刷を行うことにより、当該ドキュメントファイル14の各ページのそれぞれに対応したドキュメント画像50を生成する。この際、画像変換部34は、システムメモリ31に記憶された画面サイズの情報を基に、閲覧を要求したユーザの携帯電話4の画面サイズに適したサイズ(解像度)のドキュメント画像50を生成する。また、画像変換部34は、例えば、生成したドキュメント画像50のヘッダ部に、基となったドキュメントファイル14のドキュメントIDを記憶させておくことにより、どのドキュメントファイル14のドキュメント画像50であるかを容易に識別できるようにする。
【0050】
表領域抽出部35は、CPU30からの指示に応じて、図6に示すように、画像変換部34が生成したドキュメント画像50から表に対応する領域である表領域52を抽出する表領域抽出処理を行う。CPU30は、画像変換部34にドキュメント画像50を生成させた際に、続けてそのドキュメント画像50に対する表領域抽出処理の実行を表領域抽出部35に指示する。
【0051】
表領域抽出部35は、例えば、周知のパターン認識技術などを用いて矩形状に区切られた領域をドキュメント画像50から検出することにより、その領域を表領域52として抽出する。また、この際、表領域抽出部35は、表領域52の一番左の列の各枡目に対応する部分を表の縦軸の各項目が並ぶ縦軸領域53として抽出するとともに、表領域52の一番上の行の各枡目に対応する部分を表の横軸の各項目が並ぶ横軸領域54として抽出し、さらにこれらの各領域53、54に含まれる各枡目の交点に対応する枡目の部分をデータ領域55として抽出する。
【0052】
表領域抽出部35は、ドキュメント画像50から表領域52を抽出すると、その表領域52に個別に識別するための識別情報である表IDを付与する。表IDは、例えば、表領域抽出部35における表領域52の抽出順の通し番号であり、各ドキュメント画像50から抽出された各表領域52に対して、それぞれ個別の番号(記号や文字を含んでもよい)が付与される。
【0053】
さらに、表領域抽出部35は、表領域52を抽出すると、その表領域52の上部又は下部にある文字列をその表領域52の表名として抽出する。このように、表領域抽出部35は、ドキュメント画像50から表領域52、及びその表領域52の表名の抽出を行うとともに、抽出した表領域52に対する表IDの付与を行う。そして、表領域抽出部35は、抽出した表領域52のドキュメント画像50上における位置の座標情報、その表領域52に付与した表ID、及びその表領域52の表名などを抽出結果としてまとめ、その抽出結果をデータ記憶部37に記憶させる。
【0054】
絞込み処理部36は、図7に示すように、ユーザからの要求に応じて所定の領域を表領域52から切り出し、元の表の各枡目の関係が維持されるように切り出した各領域を再構成することにより、ユーザの要求に応じた所定の領域のみに表領域52を絞り込んだ絞込み画像56を生成する絞込み処理を行う。
【0055】
絞込み処理部36には、例えば、縦軸領域53あるいは横軸領域54の所定の項目、及びその項目に関連する所定の文字列(以下、絞込みキーと称す)が、絞込み条件として設定される。絞込み処理部36は、絞込み条件が設定されると、周知の文字認識技術を用いることにより、その項目に対応する各枡目から絞込みキーと一致する文字列を含む枡目を検出する。そして、その検出した枡目に関連する各枡目を表領域52から切り出して再構成することにより、絞込み画像56を生成する。また、この際、絞込み処理部36は、システムメモリ31に記憶された画面サイズの情報を基に、閲覧を要求したユーザの携帯電話4の画面サイズに適したサイズ(解像度)に拡大して絞込み画像56を生成する。
【0056】
例えば、図7では、横軸領域54の「担当者」の項目に対して「上杉」を絞込みキーとし、「上杉」に関連する各枡目のみに表領域52を絞り込んで絞込み画像56を生成した例を示している。このように絞込み画像56を生成し、その絞込み画像56を携帯電話4に配信すれば、表領域52のうちユーザの要求に応じた領域のみを効率よく閲覧させることができる。
【0057】
また、絞込み処理部36は、絞込み画像56を生成したら、その絞込み条件に対して個別に識別するための識別情報である絞込みIDを付与し、その絞込みID、及び絞込み条件となった各情報をデータ記憶部37に記憶させる。さらに、絞込み処理部36は、絞込み画像56を生成する際に表領域52から切り出した領域(以下、絞込み領域と称す)に対して個別に識別するための識別情報である絞込み領域IDを付与し、その絞込み領域ID、及びその絞込み領域のドキュメント画像50上における位置の座標情報を処理結果としてデータ記憶部37に記憶させる。なお、絞込みIDや絞込み領域IDは、表IDなどと同様に、生成順の通し番号として付与すればよい。
【0058】
データ記憶部37には、画像変換部34が生成したドキュメント画像50を保管するドキュメント画像保管部44と、ファイルサーバ11に保管されている各ドキュメントファイル14の情報を管理するファイル情報管理テーブル45と、表領域抽出部35の表領域抽出処理の結果を記憶する表解析テーブル46と、絞込み処理部36の絞込み処理に用いた絞込み条件を記憶する絞込みテーブル47と、絞込み処理部36の絞込み処理の結果を記憶する絞込み領域テーブル48とが設けられている。このデータ記憶部37は、HDDなどの周知の記憶装置によって構成されている。画像変換部34は、ドキュメント画像50を生成したら、そのドキュメント画像50をドキュメント画像保管部44に保管する。
【0059】
図8に示すように、ファイル情報管理テーブル45は、ファイルサーバ11に保管されている各ドキュメントファイル14のドキュメントID、それらの各ドキュメントファイル14のファイル名、ファイルサイズ、作成日(ファイルサーバ11に保管された日時)、更新日、バイナリMD5、及びそれらの各ドキュメントファイル14に対応するドキュメント画像50から抽出された表領域52の表IDの各情報を関連付けて記憶している。ここで、バイナリMD5とは、ドキュメントファイル14から生成される128ビットのハッシュ値である。
【0060】
配信処理サーバ10のCPU30は、ファイルサーバ11に最初にドキュメントファイル14が保管された際に、表IDを除く各情報をファイル情報管理テーブル45に記憶させるとともに、そのドキュメントファイル14の内容が更新される毎に、更新日の情報を最新の情報に書き換える。そして、表領域抽出部35は、ドキュメント画像50から表領域52を抽出した際に、そのドキュメント画像50のヘッダ部に記憶されたドキュメントIDを基にファイル情報管理テーブル45を参照し、対応するドキュメントファイル14の表IDの項目の枡目に、抽出した表領域52の表IDを記憶させる。これにより、ファイル情報管理テーブル45を参照することで、各ドキュメントファイル14に対応する表領域52の有無、及びその数を確認することができる。
【0061】
図9に示すように、表解析テーブル46は、表領域52の表ID、その表領域52に対応する表が位置するドキュメントファイル14のシート番号やページ番号、表領域52の縦軸領域53、横軸領域54、データ領域55のそれぞれのドキュメント画像50上における位置の座標情報、及びその表領域52に対して絞込み処理が行われた際の絞込みIDの各情報を関連付けて記憶している。
【0062】
表領域抽出部35は、上記のように表領域52を抽出する処理を行った後、絞込みIDを除く各情報を抽出結果として表解析テーブル46に記憶させる。そして、絞込み処理部36は、上記のように絞込み処理を行って絞込み画像56を生成した後、絞込みIDを表解析テーブル46に記憶させる。これにより、表解析テーブル46を参照することで、表領域抽出部35によって抽出された表領域52の各情報を確認することができ、一度抽出された表領域52を再び表領域抽出部35に抽出させる必要がなくなるとともに、絞込みIDの項目を参照することで、その表領域52に対して過去に絞込み処理が行われているか否かを確認することができる。
【0063】
図10に示すように、絞込みテーブル47は、所定の絞込み処理の絞込み条件に対応する絞込みID、その絞込み条件となった縦軸領域53及び横軸領域54の項目の項目名、それらの各項目のドキュメント画像50上における位置の座標情報、それらの各項目に対する絞込みキー、及びその絞込み条件に基づく絞込み処理の結果として表領域52から切り出された絞込み領域に対応する絞込み領域IDの各情報を関連付けて記憶している。
【0064】
絞込み処理部36は、上記のように絞込み処理を行って絞込み画像56を生成した後、その絞込み処理の絞込み条件の各情報、及び絞込み領域IDの情報を絞込みテーブル47に記憶させる。これにより、絞込みテーブル47を参照することで、所定の表領域52に対して行われた絞込み処理の絞込み条件、及び絞込み領域IDを確認することができる。
【0065】
図11に示すように、絞込み領域テーブル48は、所定の表領域52に対する絞込み処理の結果として表領域52から切り出された絞込み領域に対応する絞込み領域IDと、その絞込み領域のドキュメント画像50上における位置の座標情報とを関連付けて記憶している。絞込み処理部36は、上記のように絞込み処理を行って絞込み画像56を生成した後、表領域52から切り出した絞込み領域の絞込み領域IDと、その絞込み領域の座標情報とを絞込み処理の結果として絞込み領域テーブル48に記憶させる。これにより、絞込み領域テーブル48を参照することで、絞込み処理部36が表領域52から切り出した絞込み領域の情報を確認することができるので、表領域52に対して同じ絞込み条件での絞込み処理の実行が指示された際に、再び絞込み領域を検出する手前を省くことができる。
【0066】
なお、ファイル情報管理テーブル45、表解析テーブル46、絞込みテーブル47、絞込み領域テーブル48の各テーブルに記憶する情報は、上記に限定されるものではなく、それぞれの用途に応じて適宜選定すればよい。
【0067】
携帯電話4のCPU22は、ユーザからの指示に応じてビューアを起動させ、ユーザの要求に応じたドキュメント画像50をドキュメント画像配信部3から受信した後、図12(a)に示すドキュメント画像表示画面60を液晶ディスプレイ20に表示させる。ドキュメント画像表示画面60には、ドキュメント画像配信部3から受信したドキュメント画像50と、そのドキュメント画像50に含まれる表領域52に対しての絞込み処理の実行を指示するための絞込み指示アイコン61とが設けられている。また、ドキュメント画像表示画面60には、閲覧対象となっているドキュメントファイル14のファイル名や、表示中のドキュメント画像50のページ番号などの各種の情報が、ドキュメント画像50の上部に表示される。
【0068】
CPU22は、ドキュメント画像表示画面60を表示させた後、ユーザが操作部21を介して絞込み指示アイコン61を操作したことに応答して、図12(b)に示す絞込み条件入力画面62を表示させる。
【0069】
絞込み条件入力画面62には、対象となる表領域52の表名を入力するための表名入力ボックス63と、対象となる横軸領域54の項目の項目名を入力するための横軸項目名入力ボックス64と、その横軸領域54の項目に対する絞込みキーを入力するための横軸絞込みキー入力ボックス65と、対象となる縦軸領域53の項目の項目名を入力するための縦軸項目名入力ボックス66と、その縦軸領域53の項目に対する絞込みキーを入力するための縦軸絞込みキー入力ボックス67と、入力した絞込み条件のドキュメント画像配信部3への送信を指示するための送信指示アイコン68とが設けられている。
【0070】
各入力ボックス63〜67は、いわゆるテキスト入力ボックスである。ユーザは、操作部21を介して所望のボックスを選択し、そこに文字列を入力することにより、その文字列を絞込み条件として設定する。なお、絞込み条件の入力方法は、上記のようにユーザに文字列を直接入力させる方法に限定されるものではない。例えば、縦軸領域53や横軸領域54の各項目の項目名の情報、及びデータ領域55の各枡目に入力された文字列の情報をドキュメント画像50とともに予め配信しておき、これらの各情報をプルダウンメニューなどから選択することによって絞込み条件を設定できるようにしてもよい。
【0071】
CPU22は、絞込み条件入力画面62を表示させた後、ユーザが操作部21を介して送信指示アイコン68を操作したことに応答して、各入力ボックス63〜67に入力された文字列を絞込み条件としてまとめるとともに、ドキュメント画像50のヘッダ部に記録されているドキュメントIDを読み出す。そして、絞込み条件の各情報とドキュメントIDとをまとめ、これを絞込み要求としてドキュメント画像配信部3の配信処理サーバ10に送信する。
【0072】
配信処理サーバ10のCPU30は、携帯電話4からの絞込み要求を受信すると、その絞込み要求に含まれる絞込み条件の各情報とドキュメントIDとを絞込み処理部36に入力し、絞込み処理部36に絞込み画像56を生成させる。この後、CPU30は、生成された絞込み画像56を要求元の携帯電話4に配信する。
【0073】
携帯電話4のCPU22は、ドキュメント画像配信部3から絞込み画像56を受信すると、図12(c)に示す絞込み画像表示画面70を液晶ディスプレイ20に表示させる。絞込み画像表示画面70には、ドキュメント画像配信部3から受信した絞込み画像56と、ドキュメント画像表示画面60と同様の絞込み指示アイコン61とが設けられている。また、絞込み画像表示画面70には、閲覧対象となっているドキュメントファイル14のファイル名、絞込み処理を実行させた表領域52の表名、及び設定した絞込み条件などの各種の情報が、絞込み画像56の上部に表示される。
【0074】
これにより、ユーザは、絞込み画像56を介して表領域52の所望の領域のみを効率よく閲覧することができる。また、ユーザは、絞込み画像表示画面70が表示された後、さらに絞込みを行いたい場合に、絞込み指示アイコン61を操作する。CPU22は、絞込み画像表示画面70を表示させた状態で絞込み指示アイコン61が操作されると、現在設定されている絞込み条件を各入力ボックス63〜67に入力した状態で、再び絞込み条件入力画面62を液晶ディスプレイ20に表示させ、ユーザに絞込み条件を再設定させる。そして、以下上記と同様の手順で、再設定後の絞込み条件に応じた絞込み画像56を含む絞込み画像表示画面70を液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0075】
次に、図13に示すフローチャートを参照しながら、上記構成によるドキュメント閲覧システム2の作用について説明する。ユーザは、携帯電話4を介してドキュメントファイル14の閲覧を行う場合、まず操作部21を操作してビューアプログラム28の実行をCPU22に指示することにより、ドキュメント閲覧システム2に対応したビューアを起動させる。そして、このビューアを介してドキュメント画像配信部3にアクセスし、所望のドキュメントファイル14の閲覧を配信処理サーバ10に要求する。
【0076】
携帯電話4のCPU22は、配信処理サーバ10にドキュメントファイル14の閲覧を要求する場合、そのドキュメントファイル14のファイル名、当該ユーザの管理ID、当該ユーザの携帯電話4の端末名、及び当該携帯電話4のIPアドレスなどの各種の情報を閲覧要求に含めて配信処理サーバ10に送信する。なお、閲覧要求に含める各情報は、上記に限定されるものではなく、それぞれ閲覧を要求するドキュメントファイル14を特定するための情報、ユーザを特定するための情報、要求元の携帯電話4を特定するための情報であればよい。
【0077】
配信処理サーバ10のCPU30は、携帯電話4からドキュメントファイル14の閲覧が要求されると、閲覧要求とともに受信したファイル名、管理ID、端末名の各情報をユーザ情報管理部33に入力することにより、閲覧を要求したユーザの認証処理の実行をユーザ情報管理部33に指示する。
【0078】
ユーザ情報管理部33は、ユーザ認証処理を開始すると、まず入力されたファイル名の情報を基にファイル情報管理テーブル45を参照することにより、閲覧が要求されたドキュメントファイル14のドキュメントIDを確認する。ユーザ情報管理部33は、ドキュメントIDを確認したら、そのドキュメントIDと入力された管理IDとを基にドキュメント管理テーブル42を参照し、管理IDが一致しているか否かを確認することによってユーザの認証を行う。
【0079】
CPU30は、ドキュメントファイル14の閲覧を認証しないとユーザ情報管理部33が判定した場合、ユーザ認証に失敗したことを示すエラーメッセージを要求元の携帯電話4に送信することにより、ドキュメントファイル14の閲覧の要求を拒否する。
【0080】
一方、CPU30は、ドキュメントファイル14の閲覧を認証するとユーザ情報管理部33が判定した場合、ドキュメント画像保管部44にアクセスし、閲覧が要求されたドキュメントファイル14のドキュメントIDがヘッダ部に記憶されたドキュメント画像50を検索することにより、閲覧が要求されたドキュメントファイル14に対応するドキュメント画像50が既に生成されているか否かを確認する。また、ユーザ情報管理部33は、認証すると判定した場合、入力された端末名の情報を基に端末管理テーブル43を参照することによって、閲覧を要求したユーザの携帯電話4の画面サイズを確認し、その画面サイズの情報をシステムメモリ31に一時的に記憶させる。
【0081】
CPU30は、対応するドキュメント画像50が生成されていることを確認すると、そのドキュメント画像50をドキュメント画像保管部44から読み出す。一方、CPU30は、生成されていないことを確認すると、ドキュメントIDに基づいて閲覧が要求されたドキュメントファイル14をファイルサーバ11から読み出すとともに、そのドキュメントファイル14を画像変換部34に入力し、ドキュメント画像50の生成を画像変換部34に指示する。
【0082】
画像変換部34は、CPU30からドキュメント画像50の生成が指示されると、前述のように、入力されたドキュメントファイル14、及びシステムメモリ31に記憶された画面サイズの情報を基に、対応するドキュメント画像50を生成し、その生成したドキュメント画像50をドキュメント画像保管部44に保管する。
【0083】
CPU30は、画像変換部34にドキュメント画像50を生成させたら、対応するドキュメントIDを表領域抽出部35に入力し、そのドキュメント画像50に対する表領域抽出処理の実行を表領域抽出部35に指示する。表領域抽出部35は、CPU30から表領域抽出処理の実行が指示されると、前述のように、ドキュメント画像50から表領域52を抽出し、その抽出結果を表解析テーブル46に記憶させるとともに、抽出した表領域52に付与した表IDをファイル情報管理テーブル45に記憶させる。
【0084】
CPU30は、画像変換部34に生成させるか、あるいはドキュメント画像保管部44から読み出して、閲覧が要求されたドキュメントファイル14に対応するドキュメント画像50を取得したら、そのドキュメント画像50を要求元の携帯電話4に配信する。
【0085】
携帯電話4のCPU22は、ドキュメント画像配信部3からドキュメント画像50を受信すると、そのドキュメント画像50を含むドキュメント画像表示画面60を生成し、液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0086】
ユーザは、ドキュメント画像表示画面60が液晶ディスプレイ20に表示された後、そのドキュメント画像表示画面60のドキュメント画像50に含まれる表領域52の所望の領域のみを閲覧したい場合に、操作部21を介して絞込み指示アイコン61を操作し、絞込み条件入力画面62を液晶ディスプレイ20に表示させる。そして、各入力ボックス63〜67に絞込み条件となる所定の文字列を入力し、送信指示アイコン68を操作することにより、所定の表領域52に対する絞込み要求をドキュメント画像配信部3の配信処理サーバ10に送信する。この際、表名入力ボックス63のみに閲覧を所望する表領域52の表名の文字列を入力し、他の入力ボックス64〜67を空欄として絞込み要求を送信すれば、表領域52そのものに応じた領域を絞込み条件として設定することもできる。
【0087】
配信処理サーバ10のCPU30は、携帯電話4からの絞込み要求を受信すると、その絞込み要求に含まれる絞込み条件の各情報とドキュメントIDとを絞込み処理部36に入力し、絞込み処理の実行を絞込み処理部36に指示する。
【0088】
絞込み処理部36は、CPU30から絞込み処理の実行が指示されると、まず入力されたドキュメントIDを基にファイル情報管理テーブル45を参照し、そのドキュメントIDに関連付けられた表IDを確認する。絞込み処理部36は、表IDを確認したら、その表IDを基に表解析テーブル46を参照し、その表IDに絞込みIDが関連付けられているか否かを確認することにより、対象となる表領域52に対して過去に絞込み処理が行われているか否かを確認する。また、この際、ドキュメントIDに複数の表IDが関連付けられている場合には、今回の絞込み要求の絞込み条件として設定された表名の情報と、各表IDに関連付けられた表名の項目の情報とが一致するものを検出し、その表IDを対象として絞込み処理が行われているか否かの確認を行う。
【0089】
絞込み処理部36は、絞込み処理が行われていることを確認した場合、その絞込みIDを基に絞込みテーブル47を参照し、当該絞込みIDに関連付けられた絞込み条件の各情報と、今回の絞込み要求の絞込み条件の各情報とが一致するか否かを確認することにより、過去に同じ絞込み要求があったか否かを判定する。また、この際、対象の表IDに複数の絞込みIDが関連付けられている場合には、当然、各絞込みIDのそれぞれに対して絞込み条件の各情報が一致するか否かの確認を行う。
【0090】
絞込み処理部36は、絞込み条件の各情報が一致するものがあった場合に、過去に同じ絞込み要求があったと判定する。絞込み処理部36は、過去に同じ絞込み要求があったと判定すると、その絞込みIDに関連付けられた絞込み領域IDを確認し、その絞込み領域IDを基に絞込み領域テーブル48を参照することにより、その絞込み領域IDに関連付けられた絞込み領域のドキュメント画像50上における位置の座標情報を絞込み領域テーブル48から読み出す。
【0091】
一方、絞込み処理部36は、絞込み条件の各情報が一致するものがなく、過去に同じ絞込み要求がなかったと判定した場合、及び表IDに絞込みIDが関連付けられておらず、対象となる表領域52に対して過去に一度も絞込み処理が行われていないことを確認した場合、今回の絞込み要求の絞込み条件を基に絞込み領域を検出する処理を行い、その結果を絞込み領域テーブル48に記憶させるとともに、対応する絞込み領域IDを絞込みテーブル47に記憶させる。
【0092】
絞込み処理部36は、絞込み領域を検出する処理を行うか、あるいは絞込み領域テーブル48から読み出すことによって、絞込み領域のドキュメント画像50上における位置の座標情報を取得したら、前述のように、その座標情報に応じて絞込み領域を表領域52から切り出し、それをまとめて再構成するとともに、システムメモリ31に記憶された画面サイズの情報を基に、閲覧を要求したユーザの携帯電話4の画面サイズに適したサイズに拡大することにより、絞込み画像56を生成する。
【0093】
CPU30は、絞込み処理部36に絞込み画像56を生成させたら、その絞込み画像56を要求元の携帯電話4に配信する。携帯電話4のCPU22は、ドキュメント画像配信部3から絞込み画像56を受信すると、その絞込み画像56を含む絞込み画像表示画面70を生成し、液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0094】
ユーザの要求に応じた所定の領域のみに表領域52を絞り込んだ絞込み画像56では、縦軸領域53、横軸領域54、データ領域55の各枡目の関係が適切に維持されるので、ドキュメントファイル14の内容が把握できなくなってしまう心配がない。また、絞込み画像56では、ドキュメント画像50をそのまま表示する場合に比べて、その内容を大きく表示させることができるので、ユーザが画面のスクロールや拡大縮小を頻繁に繰り返す必要がなく、閲覧性の向上を図ることができるとともに、画面のスクロールや拡大縮小にともなう配信処理サーバ10との不要な通信が抑えられるので、ユーザの通信コストの負担増を招く心配もない。従って、ドキュメント閲覧システム2では、ドキュメント画像50に表が含まれている場合にも、ドキュメントファイル14の内容を正常に閲覧できるようにしつつ、閲覧性の向上を図ることができる。
【0095】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と機能・構成上同一のものについては、同符号を付し、詳細な説明を省略する。図14に示すように、本実施形態の配信処理サーバ100にも、表領域52に対して絞込み処理を行う絞込み処理部102が設けられている。
【0096】
絞込み処理部102には、表領域52のデータ領域55内における所定の位置の座標情報(以下、絞込み位置情報と称す)が絞込み条件として設定される。絞込み処理部102は、絞込み条件が設定されると、その絞込み位置情報の示す位置にあるデータ領域55内の枡目を特定する。そして、図15に示すように、その枡目を中心とした十字状の領域を表領域52から切り出し、閲覧を要求したユーザの携帯電話4の画面サイズに適したサイズ(解像度)に、その領域を拡大することにより、その領域をデータ領域絞込み画像104として生成する。
【0097】
また、絞込み処理部102は、データ領域絞込み画像104を生成した後、縦軸領域53のデータ領域絞込み画像104に対応する各項目の枡目の部分を表領域52から切り出し、閲覧を要求したユーザの携帯電話4の画面サイズに適したサイズ(解像度)に、その領域を拡大することにより、その領域を縦軸領域絞込み画像105として生成するとともに、横軸領域54のデータ領域絞込み画像104に対応する各項目の枡目の部分を表領域52から切り出し、閲覧を要求したユーザの携帯電話4の画面サイズに適したサイズ(解像度)に、その領域を拡大することにより、その領域を横軸領域絞込み画像106として生成する。
【0098】
絞込み処理部102は、各絞込み画像104〜106を生成したら、その絞込み条件に対して個別に識別するための識別情報である絞込みIDを付与し、その絞込みIDを各絞込み画像104〜106のヘッダ部に記憶させることにより、絞込み条件と各絞込み画像104〜106とを関連付ける。この後、絞込み処理部102は、その絞込みID、絞込み条件となった絞込み位置情報、及び生成した各絞込み画像104〜106をデータ記憶部110に記憶させる。
【0099】
図15では、縦軸領域53の「4」の項目と、横軸領域54の「商品名」の項目との交点に位置するデータ領域55の枡目を中心、すなわち絞込み位置情報に対応する枡目とし、この枡目から上下左右に2枡分ずつ拡大させた十字状の領域を表領域52から切り出すことにより、データ領域絞込み画像104を生成している。このように、十字状のデータ領域絞込み画像104を生成すれば、ユーザが位置を指定した中央部分の枡目を中心に、上下左右に画面をスクロールさせることが可能となり、データ領域絞込み画像104の閲覧性を高めることができる。
【0100】
なお、データ領域絞込み画像104は、十字状に限ることなく、例えば矩形状に生成してもよい。但し、表をスクロールさせて閲覧する場合には、注目する枡目の情報と関連性の高い上下左右の情報にスクロールさせる可能性が高い。従って、上記のように十字状のデータ領域絞込み画像104を生成するようにすれば、データ領域絞込み画像104の閲覧性を高めつつ、データ領域絞込み画像104のデータ量を抑えたり、必要となる情報をより多く含んだデータ領域絞込み画像104を生成したりすることができる。
【0101】
また、図15では、絞込み位置情報に対応する枡目から上下左右に2枡分ずつ拡大させるといったように、各枡目を区切りの単位としてデータ領域絞込み画像104を生成するようにしたが、これに限ることなく、例えば、携帯電話4の画面サイズや画像の倍率などに基づいて表領域52の内の表示可能な大きさを求め、その表示可能な大きさの領域を区切りの単位としてデータ領域絞込み画像104を生成してもよい。
【0102】
データ記憶部110には、上記第1の実施形態と同様のドキュメント画像保管部44、ファイル情報管理テーブル45、表解析テーブル46の他に、位置情報記憶テーブル112と、データ領域絞込み画像保管部113と、縦軸領域絞込み画像保管部114と、横軸領域絞込み画像保管部115とが設けられている。
【0103】
位置情報記憶テーブル112は、所定の絞込み処理の絞込み条件に対応する絞込みIDと、その絞込み条件となった絞込み位置情報とを関連付けて記憶している。データ領域絞込み画像保管部113は、絞込み処理部102が生成したデータ領域絞込み画像104を保管する。縦軸領域絞込み画像保管部114は、絞込み処理部102が生成した縦軸領域絞込み画像105を保管する。横軸領域絞込み画像保管部115は、絞込み処理部102が生成した横軸領域絞込み画像106を保管する。
【0104】
携帯電話4のCPU22は、ユーザからの指示に応じてビューアを起動させ、ユーザの要求に応じたドキュメント画像50をドキュメント画像配信部3から受信すると、図16(a)に示すように、上記第1の実施形態と同様のドキュメント画像表示画面60を液晶ディスプレイ20に表示させる。そして、CPU22は、ドキュメント画像表示画面60を表示させた後、ユーザが操作部21を介して絞込み指示アイコン61を操作すると、図16(b)に示すように、絞込み指示アイコン61を非表示にし、絞込み条件として設定する位置を指定するためのポインタ118をドキュメント画像表示画面60に表示させる。
【0105】
ポインタ118は、操作部21の操作に応答してドキュメント画像表示画面60上を移動し、ドキュメント画像表示画面60の任意の位置を指定できるように構成されている。CPU22は、ユーザが操作部21を介してポインタ118を操作し、所定の位置を指定したことに応答して、その位置のドキュメント画像50上における座標情報を絞込み位置情報として取得する。そして、CPU22は、絞込み位置情報を取得したら、その絞込み位置情報を絞込み条件とし、ドキュメント画像50のヘッダ部に記録されているドキュメントIDとともに絞込み要求としてドキュメント画像配信部3の配信処理サーバ100に送信する。
【0106】
配信処理サーバ100のCPU30は、携帯電話4からの絞込み要求を受信すると、その絞込み要求に含まれる絞込み条件の絞込み位置情報とドキュメントIDとを絞込み処理部102に入力し、絞込み処理部102に絞込み処理を実行させる。この後、CPU30は、絞込み処理によって生成された各絞込み画像104〜106を要求元の携帯電話4に配信する。
【0107】
携帯電話4のCPU22は、ドキュメント画像配信部3から各絞込み画像104〜106を受信すると、図17に示すように、絞込み位置情報に対応する中央の枡目の部分をデータ領域絞込み画像104から切り出すとともに、この枡目に対応する部分を縦軸領域絞込み画像105と横軸領域絞込み画像106とのそれぞれから切り出し、それらの各枡目の画像をまとめて再構成することにより、各絞込み画像104〜106から合成絞込み画像120を生成する。
【0108】
CPU22は、合成絞込み画像120を生成したら、図16(c)に示すように、生成した合成絞込み画像120を含む絞込み画像表示画面122を液晶ディスプレイ20に表示させる。これにより、ユーザは、合成絞込み画像120を介して表領域52の所望の領域のみを効率よく閲覧することができる。
【0109】
また、CPU22は、ユーザが操作部21を介して画面スクロールの指示を入力すると、その指示の方向に応じて各絞込み画像104〜106から合成絞込み画像120を再生成し、絞込み画像表示画面122の合成絞込み画像120を再生成後の画像に更新する。
【0110】
例えば、ユーザから左方向にスクロールする指示が入力された場合、CPU22は、図18に示すように、中央の枡目の1つ左の枡目の部分をデータ領域絞込み画像104から切り出すとともに、この枡目に対応する部分を縦軸領域絞込み画像105と横軸領域絞込み画像106とのそれぞれから切り出し、それらの各枡目の画像をまとめて再構成することにより、中央部分から左方向にスクロールした合成絞込み画像120を再生成する。そして、その再生成後の合成絞込み画像120を絞込み画像表示画面122に表示させる。これにより、ユーザは、絞込み条件として指定した位置の枡目と関連性の高い枡目の情報を配信処理サーバ100との通信を行うことなく閲覧することができる。
【0111】
次に、図19に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態の作用について説明する。なお、携帯電話4の液晶ディスプレイ20にドキュメント画像表示画面60を表示させる処理までは、上記第1の実施形態と同様であるから、説明を省略する。
【0112】
ユーザは、ドキュメント画像表示画面60が液晶ディスプレイ20に表示された後、そのドキュメント画像表示画面60のドキュメント画像50に含まれる表領域52の所望の領域のみを閲覧したい場合に、操作部21を介して絞込み指示アイコン61を操作し、ポインタ118をドキュメント画像表示画面60上に表示させる。そして、操作部21を介してポインタ118を操作し、絞込み条件として設定したい所定の位置を指定することにより、所定の表領域52に対する絞込み要求をドキュメント画像配信部3の配信処理サーバ100に送信する。
【0113】
配信処理サーバ100のCPU30は、携帯電話4からの絞込み要求を受信すると、まずその絞込み要求に含まれるドキュメントIDを基にファイル情報管理テーブル45を参照し、そのドキュメントIDに関連付けられた表IDを確認する。CPU30は、表IDを確認したら、その表IDを基に表解析テーブル46を参照して、その表IDに関連付けられた各領域53〜55の座標情報と、絞込み要求に含まれる絞込み位置情報とを比較し、絞込み位置情報の示す位置が関連する各領域53〜55の何処に含まれているかを確認することにより、対象となる表領域52を特定する。
【0114】
CPU30は、対象となる表領域52を特定したら、その表領域52の絞込みIDの項目を参照し、その表領域52に絞込みIDが関連付けて記憶されているか否かを確認する。CPU30は、絞込みIDが記憶されていることを確認した場合、その絞込みIDを基に位置情報記憶テーブル112を参照することにより、絞込み要求に含まれる絞込み位置情報と、絞込みIDに関連付けられた絞込み位置情報とが一致するか否かを判定、すなわち対象となる表領域52に対して過去に同じ絞込み要求があったか否かを判定する。
【0115】
CPU30は、各絞込み位置情報の値が完全に同一である場合に限らず、絞込みIDに関連付けられた絞込み位置情報の値に対して、絞込み要求に含まれる絞込み位置情報の値が所定の誤差範囲に収まっている場合に、一致すると判定する。また、CPU30は、表解析テーブル46において対象となる表領域52に複数の絞込みIDが関連付けられている場合、各絞込みIDのそれぞれに対して上記判定を行う。なお、各絞込み位置情報が一致するか否かは、例えば、各絞込み位置情報の値が表領域52の同じ枡目の中に納まる場合、すなわち同じ枡目が絞込み条件として設定された場合に、一致すると判定してもよい。
【0116】
CPU30は、各絞込み位置情報の値が一致し、過去に同じ絞込み要求があったと判定すると、その絞込みIDを基に各画像保管部113〜115を検索することにより、各画像保管部113〜115から対応する各絞込み画像104〜106を読み出す。
【0117】
一方、CPU30は、各絞込み位置情報の値が一致せず、過去に同じ絞込み要求がなかったと判定した場合、及び対象となる表領域52に絞込みIDが関連付けられておらず、対象となる表領域52に対して過去に一度も絞込み処理が行われていないことを確認した場合、絞込み要求に含まれるドキュメントID及び絞込み位置情報を絞込み処理部102に入力し、絞込み処理部102に絞込み処理の実行を指示する。
【0118】
絞込み処理部102は、CPU30から絞込み処理の実行が指示されると、入力されたドキュメントIDに対応するドキュメント画像50をドキュメント画像保管部44から読み出し、入力された絞込み位置情報に基づいて前述のようにドキュメント画像50から各絞込み画像104〜106を生成する。絞込み処理部102は、各絞込み画像104〜106を生成したら、それらの各絞込み画像104〜106に絞込みIDを付与する。この後、絞込み処理部102は、それらの各絞込み画像104〜106を各画像保管部113〜115に保管させるとともに、各絞込み画像104〜106に付与した絞込みIDを表解析テーブル46の対応する絞込みIDの項目の欄に書き込む。さらに、絞込み処理部102は、各絞込み画像104〜106に付与した絞込みIDと、その絞込み条件となった絞込み位置情報とを関連付けて位置情報記憶テーブル112記憶させる。
【0119】
CPU30は、各画像保管部113〜115から読み出すか、あるいは絞込み処理部102に生成させることによって対応する各絞込み画像104〜106を取得したら、それらの各絞込み画像104〜106を要求元の携帯電話4に配信する。
【0120】
携帯電話4のCPU22は、ドキュメント画像配信部3から各絞込み画像104〜106を受信すると、前述のように、それらの各絞込み画像104〜106から合成絞込み画像120を生成するとともに、その合成絞込み画像120を含む絞込み画像表示画面122を生成し、その絞込み画像表示画面122を液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0121】
ユーザは、絞込み画像表示画面122が表示された後、必要に応じて操作部21を操作することにより、画面スクロールの指示を入力する。CPU22は、画面スクロールの指示が入力されると、その指示の方向に応じて各絞込み画像104〜106から合成絞込み画像120を再生成し、絞込み画像表示画面122の合成絞込み画像120を再生成後の画像に更新する。
【0122】
上記第1の実施形態では、表領域52に含まれる所定の文字列を絞込み条件とし、これに対応する領域を表領域52から切り出すことによって、ユーザの要求に応じた所定の領域のみに表領域52を絞り込んだ絞込み画像56を生成するようにしたが、本実施形態で示すように、ユーザが指定した表領域52内の所定の位置を絞込み条件とし、これに対応する領域を表領域52から切り出すことによって各絞込み画像104〜106、及びこれらから成る合成絞込み画像120を生成するようにしても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0123】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、上記第1及び第2の実施形態と機能・構成上同一のものについては、同符号を付し、詳細な説明を省略する。図20に示すように、本実施形態の配信処理サーバ130にも、表領域52に対して絞込み処理を行う絞込み処理部132が設けられている。
【0124】
絞込み処理部132には、ユーザが指定した絞込みキーと絞込み位置情報とが絞込み条件として設定される。絞込み処理部132は、絞込み条件が設定されると、まず、その絞込みキーを基に上記第1の実施形態と同様の手順で絞込み処理を行うことにより、対象となる表領域52から絞込み画像56を生成する。
【0125】
絞込み処理部132は、絞込み画像56を生成したら、図21に示すように、上記第2の実施形態と同様の手順で、絞込み条件として設定された絞込み位置情報に対応する枡目を絞込み画像56から切り出すことにより、絞込み画像56からデータ領域絞込み画像104を生成する。そして、絞込み処理部132は、データ領域絞込み画像104を生成したら、縦軸領域53のデータ領域絞込み画像104に対応する項目の枡目の部分を絞込み画像56から切り出すことにより、絞込み画像56から縦軸領域絞込み画像105を生成するとともに、横軸領域54のデータ領域絞込み画像104に対応する項目の枡目の部分を絞込み画像56から切り出すことにより、絞込み画像56から横軸領域絞込み画像106を生成する。
【0126】
絞込み処理部132は、各絞込み画像104〜106を生成したら、上記第1及び第2の実施形態と同様に、これらの各絞込み画像104〜106、及び絞込み画像56に関する各情報をデータ記憶部134に記憶させる。なお、図21では、絞込み条件として設定された絞込み位置情報に対応する枡目のみを絞込み画像56から切り出すようにしたが、これに限ることなく、上記第2の実施形態と同様に、対応する枡目を中心として十字状に切り出してもよいし、矩形状に切り出してもよい。
【0127】
次に、図22に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態の作用について説明する。なお、携帯電話4の液晶ディスプレイ20にドキュメント画像表示画面60を表示させる処理までは、上記第1及び第2の実施形態と同様であるから、説明を省略する。
【0128】
ユーザは、ドキュメント画像表示画面60が液晶ディスプレイ20に表示された後、そのドキュメント画像表示画面60のドキュメント画像50に含まれる表領域52の所望の領域のみを閲覧したい場合に、操作部21を介して絞込み指示アイコン61を操作する。そして、絞込み条件入力画面62を液晶ディスプレイ20に表示させたり、ポインタ118をドキュメント画像表示画面60上に表示させたりすることにより、絞込みキーと絞込み位置情報とを絞込み条件として設定し、その絞込み条件を含む絞込み要求をドキュメント画像配信部3の配信処理サーバ130に送信する。
【0129】
配信処理サーバ130のCPU30は、携帯電話4からの絞込み要求を受信すると、その絞込み要求に含まれる絞込み条件の各情報とドキュメントIDとを絞込み処理部132に入力し、絞込み処理の実行を絞込み処理部132に指示する。
【0130】
絞込み処理部132は、CPU30から絞込み処理の実行が指示されると、その絞込み要求に含まれる絞込みキーを基に、上記第1の実施形態と同様の手順で、対象となる表領域52に対して過去に同じ絞込みキーで絞込み要求があったか否かを判定する。絞込み処理部132は、過去に同じ絞込みキーの絞込み要求があったと判定すると、これに対応する絞込み領域のドキュメント画像50上における位置の座標情報を絞込み領域テーブル48から読み出す。
【0131】
一方、絞込み処理部132は、過去に同じ絞込みキーの絞込み要求がなかったと判定すると、今回の絞込み要求の絞込みキーを基に絞込み領域を検出する処理を行い、その結果を絞込み領域テーブル48に記憶させるとともに、対応する絞込み領域IDを絞込みテーブル47に記憶させる。
【0132】
絞込み処理部132は、絞込み領域を検出する処理を行うか、あるいは絞込み領域テーブル48から読み出すことによって、絞込み領域のドキュメント画像50上における位置の座標情報を取得したら、続いて、今回の絞込み要求に含まれる絞込み位置情報を基に、上記第2の実施形態と同様の手順で、対象となる表領域52に対して過去に同じ絞込み位置情報で絞込み要求があったか否かを判定する。
【0133】
絞込み処理部132は、過去に同じ絞込み位置情報の絞込み要求があったと判定すると、それに対応する各絞込み画像104〜106を各画像保管部113〜115から読み出す。
【0134】
一方、絞込み処理部132は、過去に同じ絞込み位置情報の絞込み要求がなかったと判定すると、絞込み領域を検出する処理を行うか、あるいは絞込み領域テーブル48から読み出すことによって取得した絞込み領域のドキュメント画像50上における位置の座標情報を基に、絞込み領域を表領域52から切り出し、それをまとめて再構成するとともに、システムメモリ31に記憶された画面サイズの情報を基に、閲覧を要求したユーザの携帯電話4の画面サイズに適したサイズに拡大することにより、絞込み画像56を生成する。
【0135】
そして、絞込み処理部132は、絞込み画像56を生成したら、絞込み条件として設定された絞込み位置情報に基づいて前述のように絞込み画像56から各絞込み画像104〜106を生成する。絞込み処理部132は、各絞込み画像104〜106を生成したら、それらの各絞込み画像104〜106に絞込みIDを付与する。この後、絞込み処理部132は、それらの各絞込み画像104〜106を各画像保管部113〜115に保管させるとともに、各絞込み画像104〜106に付与した絞込みIDを表解析テーブル46の対応する絞込みIDの項目の欄に書き込む。
【0136】
CPU30は、各画像保管部113〜115から読み出すか、あるいは絞込み処理部132に生成させることによって対応する各絞込み画像104〜106を取得したら、それらの各絞込み画像104〜106を要求元の携帯電話4に配信する。
【0137】
携帯電話4のCPU22は、ドキュメント画像配信部3から各絞込み画像104〜106を受信すると、それらの各絞込み画像104〜106から合成絞込み画像120を生成するとともに、その合成絞込み画像120を含む絞込み画像表示画面122を生成し、その絞込み画像表示画面122を液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0138】
このように、絞込みキーと絞込み位置情報とを絞込み条件として設定し、この絞込み条件に基づいて絞込み処理を行うようにすれば、より細かく絞込みが行われるようになるので、表領域52のユーザの所望する領域をより効率よく閲覧させることができる。
【0139】
なお、本実施形態では、過去に同じ絞込み位置情報の絞込み要求がなかったと判定した際に、絞込み領域を検出する処理を行うか、あるいは絞込み領域テーブル48から読み出すことによって取得した絞込み領域のドキュメント画像50上における位置の座標情報を基に、絞込み画像56を逐一生成するようにしたが、これに限ることなく、各絞込み画像104〜106と同様に、一度生成した絞込み画像56をデータ記憶部134に保管するようにしてもよい。
【0140】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、上記各実施形態と機能・構成上同一のものについては、同符号を付し、詳細な説明を省略する。図23に示すように、本実施形態の配信処理サーバ140には、表インデックス情報生成部142が設けられている。
【0141】
表インデックス情報生成部142は、ユーザからドキュメントファイル14の閲覧、すなわちドキュメント画像50の閲覧が要求された際に、そのドキュメント画像50に含まれる表領域52の情報を表インデックス情報として生成する処理を行う。また、表インデックス情報生成部142は、対象のドキュメントファイル14が複数のシートあるいはページに表を有している場合、それらの各シートや各ページの各表の情報を1つにまとめて表インデックス情報を生成する。
【0142】
表インデックス情報生成部142は、ユーザからの閲覧要求に応じて、例えば、そのドキュメントファイル14のドキュメント画像50に含まれる表領域52の表名、及びその表領域52の位置するシート番号やページ番号などの情報を対応する表解析テーブル46から読み出し、それらの各情報をまとめることによって表インデックス情報を生成する。なお、表インデックス情報に含まれる情報は、上記に限ることなく、閲覧が要求されたドキュメントファイル14に含まれる表を示すものであれば如何なる情報でもよい。
【0143】
配信処理サーバ140のCPU30は、ユーザからドキュメントファイル14の閲覧が要求されたことに応答して、対応するドキュメント画像50を取得する処理を行うとともに、表インデックス情報を生成する処理を表インデックス情報生成部142に行わせる。そして、CPU30は、取得したドキュメント画像50と、表インデックス情報生成部142が生成した表インデックス情報とを一まとめにして要求元の携帯電話4に配信する。
【0144】
携帯電話4のCPU22は、ドキュメント画像配信部3からドキュメント画像50及び表インデックス情報を受信すると、まず上記第1の実施形態と同様に、受信したドキュメント画像50と、絞込み処理の実行を指示するための絞込み指示アイコン61とからなるドキュメント画像表示画面60を構成し、図24(a)に示すように、そのドキュメント画像表示画面60を液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0145】
CPU22は、ドキュメント画像表示画面60を表示させた後、ユーザが操作部21を介して絞込み指示アイコン61を操作したことに応答して、図24(b)に示すインデックス表示画面144を液晶ディスプレイ20に表示させる。インデックス表示画面144には、閲覧を要求したドキュメントファイル14の表を含むシートのシート番号、あるいはページ番号、そのシートやページに含まれる表の表名、その表名の表を指定するためのチェックボックス145、絞込み条件として設定する絞込みキーを入力するための入力ボックス146、及びチェックボックス145での指定の結果や入力ボックス146への絞込みキーの入力の結果に応じた表の表示を指示するための表示指示アイコン147などが設けられている。
【0146】
このインデックス表示画面144は、閲覧を要求したドキュメントファイル14に含まれる表の情報を一覧表示し、これらの情報を介して閲覧したい表、及びその表の所望の領域を指定できるようにするものである。CPU22は、表インデックス情報に含まれる表名やシート番号などの各情報に基づいてインデックス表示画面144を生成し、そのインデックス表示画面144を液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0147】
CPU22は、インデックス表示画面144を表示させた後、ユーザが操作部21を介して表示指示アイコン147を操作したことに応答して、チェックボックス145で指定された表の表名、及び入力ボックス146に入力された文字列を絞込み条件としてまとめるとともに、ドキュメント画像50のヘッダ部に記録されているドキュメントIDを読み出す。そして、絞込み条件の各情報とドキュメントIDとをまとめ、これを絞込み要求としてドキュメント画像配信部3の配信処理サーバ140に送信する。
【0148】
配信処理サーバ140のCPU30は、携帯電話4からの絞込み要求を受信すると、その絞込み要求に含まれる絞込み条件の各情報とドキュメントIDとを絞込み処理部36に入力し、絞込み処理部36に絞込み画像56を生成させる。この後、CPU30は、生成された絞込み画像56を要求元の携帯電話4に配信する。
【0149】
携帯電話4のCPU22は、ドキュメント画像配信部3から絞込み画像56を受信したら、上記第1の実施形態と同様に、受信した絞込み画像56や絞込み指示アイコン61などからなる絞込み画像表示画面70を構成し、図24(c)に示すように、その絞込み画像表示画面70を液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0150】
次に、図25に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態の作用について説明する。ユーザは、携帯電話4を介してドキュメントファイル14の閲覧を行う場合、まず操作部21を操作してビューアプログラム28の実行をCPU22に指示することにより、ドキュメント閲覧システム2に対応したビューアを起動させる。そして、このビューアを介してドキュメント画像配信部3にアクセスし、所望のドキュメントファイル14の閲覧を配信処理サーバ140に要求する。
【0151】
携帯電話4のCPU22は、配信処理サーバ10にドキュメントファイル14の閲覧を要求する場合、そのドキュメントファイル14のファイル名、当該ユーザの管理ID、当該ユーザの携帯電話4の端末名、及び当該携帯電話4のIPアドレスなどの各種の情報を閲覧要求に含めて配信処理サーバ140に送信する。
【0152】
配信処理サーバ140のCPU30は、携帯電話4からドキュメントファイル14の閲覧が要求されると、上記第1の実施形態で示したようにユーザ認証処理を行った後、ドキュメント画像保管部44にアクセスし、閲覧が要求されたドキュメントファイル14のドキュメントIDがヘッダ部に記憶されたドキュメント画像50を検索することにより、閲覧が要求されたドキュメントファイル14に対応するドキュメント画像50が既に生成されているか否かを確認する。
【0153】
CPU30は、対応するドキュメント画像50が生成されていることを確認すると、そのドキュメント画像50をドキュメント画像保管部44から読み出す。一方、CPU30は、生成されていないことを確認すると、ドキュメントIDに基づいて閲覧が要求されたドキュメントファイル14をファイルサーバ11から読み出すとともに、そのドキュメントファイル14を画像変換部34に入力し、対応するドキュメント画像50を画像変換部34に生成させる。
【0154】
CPU30は、画像変換部34にドキュメント画像50を生成させたら、対応するドキュメントIDを表領域抽出部35に入力することにより、そのドキュメント画像50に対する表領域抽出処理を表領域抽出部35に実行させる。
【0155】
CPU30は、画像変換部34に生成させるか、あるいはドキュメント画像保管部44から読み出して、閲覧が要求されたドキュメントファイル14に対応するドキュメント画像50を取得したら、閲覧が要求されたドキュメントファイル14のドキュメントIDを表インデックス情報生成部142に入力することにより、表インデックス情報生成部142に表インデックス情報の生成を指示する。
【0156】
表インデックス情報生成部142は、CPU30から表インデックス情報の生成が指示されると、まず入力されたドキュメントIDを基にファイル情報管理テーブル45を参照し、そのドキュメントIDに関連付けられた表IDを確認する。表インデックス情報生成部142は、表IDを確認したら、その表IDを基に表解析テーブル46を参照し、その表IDに関連付けられた表名及びシート番号の情報を表解析テーブル46から読み出す。そして、表インデックス情報生成部142は、表解析テーブル46から読み出した各情報をまとめることにより、表インデックス情報を生成する。
【0157】
CPU30は、表インデックス情報生成部142に表インデックス情報を生成させた後、その表インデックス情報と、これに対応するドキュメント画像50とをまとめて要求元の携帯電話4に配信する。
【0158】
携帯電話4のCPU22は、ドキュメント画像配信部3からドキュメント画像50及び表インデックス情報を受信すると、そのドキュメント画像50を含むドキュメント画像表示画面60を生成し、液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0159】
ユーザは、ドキュメント画像表示画面60が液晶ディスプレイ20に表示された後、これに対応するドキュメントファイル14に含まれる各表の所望の領域のみを閲覧したい場合に、操作部21を介して絞込み指示アイコン61を操作し、インデックス表示画面144を液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0160】
そして、ユーザは、インデックス表示画面144を表示させた後、所望の表のチェックボックス145を操作し、当該チェックボックス145にチェックマークを表示させることにより、これに対応する表を絞込みの対象として指定するとともに、入力ボックス146に絞込み条件となる所定の文字列を入力し、表示指示アイコン147を操作することにより、これらの入力結果に応じた表の表示を指示する。この際、チェックボックス145のみを操作し、入力ボックス146を空欄として表示を指示すれば、チェックボックス145で指定した表そのものを絞込み条件として設定することもできる。
【0161】
このように、インデックス表示画面144を介して所望の表、及び表の中の所望の領域を指定できるようにすれば、閲覧を要求したドキュメントファイル14が複数のシートを有し、各シートに表が含まれている場合にも、ユーザの所望する表がどのシートに含まれているかを容易に把握することができる。これにより、閲覧したい表の指定や絞込み条件の設定に関する操作性をより向上させることができるとともに、不要なドキュメント画像50をダウンロードする必要がなくなるので、通信コストの削減を図ることもできる。
【0162】
CPU22は、表示指示アイコン147が操作されると、チェックボックス145で指定された表の表名、及び入力ボックス146に入力された文字列を絞込み条件としてまとめるとともに、ドキュメント画像50のヘッダ部に記録されているドキュメントIDを読み出し、これらの各情報を絞込み要求としてまとめてドキュメント画像配信部3の配信処理サーバ140に送信する。そして、以下上記第1の実施形態と同様に、配信処理サーバ140から絞込み画像56を受信し、その絞込み画像56を含む絞込み画像表示画面70の生成、及びその絞込み画像表示画面70の液晶ディスプレイ20への表示を行う。
【0163】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、上記各実施形態と機能・構成上同一のものについては、同符号を付し、詳細な説明を省略する。図26に示すように、本実施形態の配信処理サーバ150には、ナビゲータ画像生成部152が設けられている。ナビゲータ画像生成部152は、ユーザからの絞込み要求に応じて各絞込み画像104〜106の配信を行う際に、各絞込み画像104〜106が表領域52の全体の何処に位置しているかを示すナビゲータ画像153を生成する。
【0164】
ナビゲータ画像生成部152は、絞込み要求に含まれる絞込み位置情報を基に対象となる表領域52を特定し、その表領域52をドキュメント画像50から切り出すとともに、閲覧を要求したユーザの携帯電話4の画面サイズに応じて、その切り出した表領域52を拡大又は縮小させることにより、ナビゲータ画像153を生成する。また、この際、ナビゲータ画像生成部152は、切り出した表領域52のデータ領域絞込み画像104に対応する部分に枠線153aを設けるとともに、縦軸領域絞込み画像105に対応する部分に枠線153bを設け、横軸領域絞込み画像106に対応する部分に枠線153cを設ける(図27参照)。
【0165】
配信処理サーバ150のCPU30は、携帯電話4からの絞込み要求を受信すると、その絞込み要求に含まれる絞込み条件の絞込み位置情報とドキュメントIDとを絞込み処理部102に入力し、絞込み処理部102に絞込み処理を実行させる。また、これと同時に、CPU30は、絞込み要求に含まれる絞込み条件の絞込み位置情報とドキュメントIDとをナビゲータ画像生成部152に入力し、ナビゲータ画像生成部152にナビゲータ画像153を生成させる。この後、CPU30は、絞込み処理によって生成された各絞込み画像104〜106と、ナビゲータ画像生成部152によって生成されたナビゲータ画像153とを要求元の携帯電話4に配信する。
【0166】
携帯電話4のCPU22は、ドキュメント画像配信部3から各絞込み画像104〜106とナビゲータ画像153とを受信したら、上記第2の実施形態と同様の手順で、各絞込み画像104〜106から合成絞込み画像120を生成する。そして、図27に示すように、その合成絞込み画像120とナビゲータ画像153とを含む絞込み画像表示画面154を生成し、その絞込み画像表示画面154を液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0167】
このように、ナビゲータ画像153を合成絞込み画像120とともに表示させるようにすれば、合成絞込み画像120を表示させた際にも、対象の表領域52の全体のどの部分を見ているかをユーザが容易に認識することができ、携帯電話4でドキュメントファイル14の内容を閲覧する際の閲覧性をより高めることができる。なお、ナビゲータ画像153は、上記のように合成絞込み画像120と同時に表示させる表示態様に限ることなく、例えば、合成絞込み画像120と切り替えて表示させるようにしてもよいし、ナビゲータ画像153の表示/非表示を切り替えられるようにしてもよい。
【0168】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。なお、上記各実施形態と機能・構成上同一のものについては、同符号を付し、詳細な説明を省略する。図28に示すように、本実施形態の携帯電話160には、GPS受信機(端末位置情報取得手段)162が設けられている。GPS受信機162は、GPS衛星からの信号を受信することにより、携帯電話160の現在位置を示す端末位置情報(緯度、経度)を取得する。この携帯電話160は、GPS受信機162が取得した端末位置情報を絞込み条件に含めることにより、ドキュメントファイル14に含まれる表の各情報から当該携帯電話4の現在位置に応じた情報のみを閲覧できるようにする位置情報リンク機能を実現する。
【0169】
携帯電話160のCPU22は、ユーザからビューアプログラム28の実行が指示され、ビューアを起動させたことに応答して、図29に示す閲覧要求画面164を表示させる。閲覧要求画面164は、所望のドキュメントファイル14の閲覧をドキュメント画像配信部3に要求するための各種の情報の入力、及びその閲覧の開始を指示するための画面である。
【0170】
閲覧要求画面164には、閲覧対象とするドキュメントファイル14のファイル名を入力するためのファイル名入力ボックス165と、絞込み条件として設定する絞込みキーを入力するための絞込みキー入力ボックス166と、位置情報リンク機能のON/OFFの設定を選択的に指示するためのON用ラジオボタン167、OFF用ラジオボタン168と、ドキュメントファイル14の閲覧の開始を指示するための閲覧開始指示アイコン169とが設けられている。
【0171】
CPU22は、閲覧開始指示アイコン169が操作されたことを検知すると、これに応答してファイル名入力ボックス165に入力されたファイル名、絞込みキー入力ボックス166に入力された絞込みキー、及び当該ユーザの管理ID、携帯電話160の端末名、携帯電話160のIPアドレスなどの各種の情報を閲覧要求としてまとめるとともに、各ラジオボタン167、168の設定の状態を確認することにより、ユーザが位置情報リンク機能をONに設定したかOFFに設定したかを判定する。
【0172】
CPU22は、ユーザが位置情報リンク機能をOFFに設定したと判定すると、上記のようにまとめた閲覧要求をドキュメント画像配信部3の配信処理サーバ10に配信することにより、ユーザが指定したドキュメントファイル14の閲覧を配信処理サーバ10に要求する。
【0173】
一方、CPU22は、ユーザが位置情報リンク機能をONに設定したと判定すると、GPS受信機162に端末位置情報を取得させ、その端末位置情報を上記の閲覧要求にさらに含める。この後、CPU22は、端末位置情報を含めた閲覧要求をドキュメント画像配信部3の配信処理サーバ10に配信し、ユーザが指定したドキュメントファイル14の閲覧を配信処理サーバ10に要求する。
【0174】
配信処理サーバ10のCPU30は、端末位置情報を含む閲覧要求を受信すると、上記第1の実施形態と同様の手順でユーザ認証処理や対応するドキュメント画像50の取得を行った後、閲覧要求に含まれる端末位置情報を基に、その端末位置情報が示す位置の地名(都道府県や市区町村の名称)の特定を行い、その地名の文字列の情報を閲覧要求に含まれる絞込みキーとともに絞込み条件として設定する。
【0175】
例えば、端末位置情報が北緯43度、東経141度を示している場合、CPU30は、これに対応する地名を北海道・札幌市と特定し、その文字列を絞込み条件として設定する。なお、地名の特定は、緯度、経度と、その地名とを関連付けたデータベースを予め用意しておき、このデータベースを参照するなどして行えばよい。
【0176】
CPU30は、絞込み条件を設定したら、その絞込み条件の各情報を絞込み処理部36に入力し、絞込み処理の実行を絞込み処理部36に指示する。絞込み処理部36は、CPU30から絞込み処理の実行が指示されると、周知の文字認識技術を用いることにより、閲覧対象のドキュメント画像50に含まれる表領域52から絞込み条件として設定された地名の文字列、及び絞込みキーの文字列に関連する領域を検出する。そして、その領域をドキュメント画像50から切り出すことによって絞込み画像56を生成する。
【0177】
例えば、「北海道:札幌市」の文字列が地名として設定され、「企業名:ほくれん」の文字列が絞込みキーとして設定されている場合、絞込み処理部36は、図30に示すように、これらの各文字列に関連する領域をドキュメント画像50の表領域52から検出し、その領域を切り出すことによって絞込み条件に応じた絞込み画像56を生成する。
【0178】
CPU30は、絞込み処理部36に絞込み画像56を生成させたら、その絞込み画像56を要求元の携帯電話4に配信する。携帯電話4のCPU22は、ドキュメント画像配信部3から絞込み画像56を受信すると、その絞込み画像56を含む絞込み画像表示画面70を生成し、液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0179】
このように、携帯電話160で端末位置情報を取得し、その端末位置情報を閲覧要求に含めることによって、これに関連した絞込み画像56、すなわち携帯電話160の現在位置に応じた絞込み画像56を受信するようにすれば、ユーザの外出先に応じた必要な情報を容易に閲覧することが可能になるので、携帯電話160でドキュメントファイル14の内容を閲覧する際の閲覧性をより高めることができる。
【0180】
なお、本実施形態では、ドキュメント画像配信部3にドキュメントファイル14の閲覧を要求する際に、その閲覧要求に端末位置情報を含め、これに対応する絞込み画像56を配信させるようにしたが、これに限ることなく、ドキュメント画像表示画面60を介してドキュメント画像50を閲覧した後、そのドキュメント画像50に対する絞込み処理の実行をドキュメント画像配信部3に要求する際に、その絞込み要求に端末位置情報を含めるようにしてもよい。
【0181】
また、本実施形態では、GPS受信機162によって端末位置情報を取得するようにしたが、端末位置情報の取得方法は、これに限定されるものではない。例えば、基地局5と通信を行い、基地局5の持つ位置情報を端末位置情報として取得するようにしてもよい。さらに、本実施形態では、端末位置情報と絞込みキーとを絞込み条件に設定した例を示したが、端末位置情報のみを絞込み条件として設定してもよいし、ドキュメント画像50上での座標情報など他の情報と組み合わせて設定してもよい。
【0182】
上記各実施形態では、ドキュメントファイル14の閲覧を要求し、ドキュメントファイル14を画像化することによって生成されるドキュメント画像50を配信する例を示したが、本発明は、これに限ることなく、初めからドキュメント画像50を保管しておき、ドキュメント画像50自体の閲覧を要求するものでもよい。
【0183】
上記各実施形態では、社内で作成されたドキュメントファイル14の内容を社外でも閲覧できるようにするドキュメント閲覧システム2に、本発明を適用した例を示したが、本発明は、これに限ることなく、例えば、電子書籍などの情報をドキュメント画像50として配信するコンテンツプロバイダのシステムなどに本発明を適用してもよい。
【0184】
上記各実施形態では、携帯端末として携帯電話4を示したが、携帯端末は、これに限ることなく、例えば、PHSやPDA、スマートフォンなどでもよいし、さらには、ネットブックなどの携帯型のパーソナルコンピュータでもよい。
【0185】
上記各実施形態では、配信処理サーバ10とファイルサーバ11との2台のサーバからなるドキュメント画像配信部3をドキュメント画像配信装置として示したが、ドキュメント画像配信装置の構成は、これに限ることなく、さらに多くのサーバからなるものでもよいし、1台のサーバ(コンピュータ)からなるものでもよい。
【符号の説明】
【0186】
2 ドキュメント閲覧システム
3 ドキュメント画像配信部(ドキュメント画像配信装置)
4、160 携帯電話(携帯端末)
6 インターネット(ネットワーク)
10、100、130、140、150 配信処理サーバ
20 液晶ディスプレイ(表示部)
21 操作部(絞込み条件設定手段)
22 CPU(表示制御部)
30 CPU(配信制御部)
35 表領域抽出部
36、102、132 絞込み処理部
37、110、134 データ記憶部
50 ドキュメント画像
52 表領域
53 縦軸領域
54 横軸領域
55 データ領域
56 絞込み画像
104 データ領域絞込み画像
105 縦軸領域絞込み画像
106 横軸領域絞込み画像
120 合成絞込み画像
140 表インデックス情報生成部
144 インデックス表示画面
152 ナビゲータ画像生成部
153 ナビゲータ画像
162 GPS受信機(端末位置情報取得手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメント画像の閲覧を要求するための携帯端末と、ネットワークを介して前記携帯端末と接続され、前記携帯端末からの閲覧要求に応じて、前記ドキュメント画像を要求元の前記携帯端末に配信するドキュメント画像配信装置とからなるドキュメント閲覧システムにおいて、
前記ドキュメント画像から表に対応する領域である表領域を抽出する表領域抽出処理を行う表領域抽出部と、
絞込み条件として予め設定された所定の領域を前記表領域から切り出すことにより、前記所定の領域のみに前記表領域を絞り込んだ絞込み画像を生成する絞込み処理を行う絞込み処理部と、
前記絞込み画像を要求元の前記携帯端末に配信する配信制御部とを前記ドキュメント画像配信装置に設け、
配信された前記絞込み画像を表示部に表示させる表示制御部を前記携帯端末に設けたことを特徴とするドキュメント閲覧システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、前記絞込み条件を設定するための絞込み条件設定手段を有し、
前記絞込み処理部は、前記絞込み条件設定手段で設定された前記絞込み条件に応じた前記絞込み画像を生成することを特徴とする請求項1記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項3】
前記絞込み条件には、所定の文字列が設定され、
前記絞込み処理部は、前記絞込み条件として設定された文字列と一致する文字列を含む枡目を前記表領域から検出し、その検出した枡目に関連する各枡目を前記表領域から切り出して再構成することにより、前記絞込み画像を生成することを特徴とする請求項1又は2記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項4】
前記絞込み条件には、前記ドキュメント画像上の任意の位置の座標情報が設定され、
前記絞込み処理部は、前記絞込み条件として設定された座標情報が示す位置にある前記表領域内の枡目を特定し、その特定した枡目に関連する各枡目を前記表領域から切り出すことにより、その切り出した領域を前記絞込み画像として生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項5】
前記絞込み条件には、所定の文字列と、前記ドキュメント画像上の任意の位置の座標情報とが設定され、
前記絞込み処理部は、前記絞込み条件として設定された文字列と一致する文字列を含む枡目を前記表領域から検出し、その検出した枡目に関連する各枡目を前記表領域から切り出して再構成した後、前記絞込み条件として設定された座標情報が示す位置にある前記表領域内の枡目を特定し、その特定した枡目に関連する各枡目を前記再構成によって生成された画像から切り出すことにより、その切り出した領域を前記絞込み画像として生成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項6】
前記絞込み処理部は、前記絞込み条件として設定された座標情報が示す位置にある前記表領域内の枡目を特定し、その特定した枡目に関連する各枡目を切り出す場合、特定した枡目よりも大きい領域を切り出して前記絞込み画像を生成することを特徴とする請求項4又は5記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項7】
前記絞込み処理部は、前記絞込み条件として設定された座標情報が示す位置にある前記表領域内の枡目を中心とし、この枡目から上下左右に拡大させた十字状の領域を切り出して前記絞込み画像を生成することを特徴とする請求項6記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項8】
前記表領域抽出部は、前記表領域の一番左の列の各枡目に対応する部分を表の縦軸の各項目が並ぶ縦軸領域として抽出するとともに、前記表領域の一番上の行の各枡目に対応する部分を表の横軸の各項目が並ぶ横軸領域として抽出し、さらに前記縦軸領域と前記横軸領域とに含まれる各枡目の交点に対応する枡目の部分をデータ領域として抽出し、
前記絞込み処理部は、前記絞込み条件に対応する前記データ領域内の領域を前記表領域から切り出すことにより、その領域をデータ領域絞込み画像として生成するとともに、前記縦軸領域の前記データ領域絞込み画像に対応する各項目の枡目の部分を前記表領域から切り出すことにより、その領域を縦軸領域絞込み画像として生成し、前記横軸領域の前記データ領域絞込み画像に対応する各項目の枡目の部分を前記表領域から切り出すことにより、その領域を横軸領域絞込み画像として生成し、
前記配信制御部は、前記絞込み処理部が生成した前記データ領域絞込み画像と、前記縦軸領域絞込み画像と、前記横軸領域絞込み画像とを要求元の前記携帯端末に配信することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記表示部に表示可能な部分を前記データ領域絞込み画像から切り出すとともに、これに対応する部分を前記縦軸領域領域絞込み画像と前記横軸領域絞込み画像とのそれぞれから切り出し、それらの各画像をまとめて再構成することにより、前記各絞込み画像から合成絞込み画像を生成し、その合成絞込み画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項8記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項10】
前記ドキュメント画像配信装置は、前記ドキュメント画像の閲覧が要求された際に、そのドキュメント画像に含まれる前記表領域の情報を表インデックス情報として生成する表インデックス情報生成部を備え、
前記配信制御部は、前記表インデックス情報の配信も行い、
前記表示制御部は、前記表インデックス情報を基に、閲覧を要求した前記ドキュメント画像に含まれる前記表領域の情報を一覧表示し、これらの情報を介して閲覧したい前記表領域を指定できるようにするインデックス表示画面を生成し、そのインデックス表示画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項11】
前記ドキュメント画像配信装置は、前記絞込み画像が前記表領域の全体の何処に位置しているかを示すナビゲータ画像を生成するナビゲータ画像生成部を備え、
前記配信制御部は、前記ナビゲータ画像の配信も行い、
前記表示制御部は、前記絞込み画像と前記ナビゲータ画像とを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項12】
前記携帯端末は、自身の現在位置を示す端末位置情報を取得する端末位置情報取得手段を有し、
前記絞込み処理部は、前記端末位置情報が示す位置の地名の文字列と一致する文字列を含む枡目を前記表領域から検出し、その検出した枡目に関連する各枡目を前記表領域から切り出し、それらを再構成して前記絞込み画像を生成することにより、前記表領域に含まれる各情報から要求元の前記携帯端末の現在位置に応じた情報のみを閲覧できるようにすることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項13】
前記ドキュメント画像配信装置は、抽出した前記表領域の前記ドキュメント画像上における位置の座標情報を前記表領域抽出処理の結果として記憶するとともに、前記絞込み画像を生成する際に前記表領域から切り出した領域の前記ドキュメント画像上における位置の座標情報を前記絞込み処理の結果として記憶するデータ記憶部を備え、
前記絞込み処理部に前記絞込み処理を実行させる際に、前記データ記憶部に記憶されている各情報を基に、過去に同じ前記絞込み条件で前記絞込み処理が行われたか否かを判定し、行われている場合には、対応する前記座標情報を前記データ記憶部から読み出し、その座標情報を用いて前記絞込み画像の生成を行うことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項14】
前記ドキュメント画像配信装置は、抽出した前記表領域の前記ドキュメント画像上における位置の座標情報を前記表領域抽出処理の結果として記憶し、前記絞込み画像を生成する際に前記表領域から切り出した領域の前記ドキュメント画像上における位置の座標情報を前記絞込み処理の結果として記憶するとともに、前記絞込み処理で生成された前記絞込み画像を記憶するデータ記憶部を備え、
前記絞込み処理部に前記絞込み処理を実行させる際に、前記データ記憶部に記憶されている各情報を基に、過去に同じ前記絞込み条件で前記絞込み処理が行われたか否かを判定し、行われている場合には、前記データ記憶部から読み出すことで対応する前記絞込み画像を取得することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項15】
前記絞込み処理部は、要求元の前記携帯端末の画面サイズの情報を基に、この画面サイズに適したサイズに拡大又は縮小して前記絞込み画像を生成することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のドキュメント閲覧システム。
【請求項16】
携帯端末からの閲覧要求に応じて、所定のドキュメント画像を要求元の前記携帯端末に配信するドキュメント画像配信装置において、
前記ドキュメント画像から表に対応する領域である表領域を抽出する表領域抽出処理を行う表領域抽出部と、
絞込み条件として予め設定された所定の領域を前記表領域から切り出すことにより、前記所定の領域のみに前記表領域を絞り込んだ絞込み画像を生成する絞込み処理を行う絞込み処理部と、
前記絞込み画像を要求元の前記携帯端末に配信する配信制御部とを設けたことを特徴とするドキュメント画像配信装置。
【請求項17】
ドキュメント画像の閲覧を要求するための携帯端末と、ネットワークを介して前記携帯端末と接続され、前記携帯端末からの閲覧要求に応じて、前記ドキュメント画像を要求元の前記携帯端末に配信するドキュメント画像配信装置とからなるドキュメント閲覧システムのドキュメント閲覧方法において、
前記ドキュメント画像から表に対応する領域である表領域を抽出するステップと、
絞込み条件として予め設定された所定の領域を前記表領域から切り出すことにより、前記所定の領域のみに前記表領域を絞り込んだ絞込み画像を生成するステップと、
前記絞込み画像を要求元の前記携帯端末に配信するステップと、
配信された前記絞込み画像を前記携帯端末の表示部に表示させるステップとを有することを特徴とするドキュメント閲覧方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−48343(P2012−48343A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187907(P2010−187907)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】