説明

ドライエリア付地下室の排水装置

【課題】 特殊な運転制御盤等を設置しないでコストの上昇を抑えつつ、通常時にも二台のポンプを短いサイクルで交互運転させて緊急時に二台のポンプの同時運転による所定の排水能力を確実に発揮させることができるようにする。
【解決手段】 鋼製ドライエイアユニット4を鋼製地下躯体10の端部に外方への突き出し状態で一体連結することにより地下室に連ねて形成されるドライエリアDEに、その床面16に開口する貯水ピット17を設け、この貯水ピット17内に二台の排水用水中ポンプ18A,18Bを設置してなる排水装置であって、貯水ピット17内の中間位置に、二台の排水用水中ポンプ18A,18Bの始動水位よりも高く、貯水ピット17上端の流水開口レベル17aよりも低い仕切り壁21を設けて、該仕切り壁21の上部に、仕切られた二つの貯水ピット部17A,17B間を連通させる越流部22を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライエリア付地下室の排水装置に関する。詳しくは、所定のピッチ間隔に配置された芯材鉄骨を軸組とし、この軸組用芯材鉄骨の外面側に金属板が固定された壁構造体の三枚を工場生産段階で平面視コの字形態に配置連結して構成された金属製ドライエイアユニットを建設現場で金属製地下躯体の端部に、外方への突き出し状態で一体連結することにより、地下室に連ねて地上に開放するドライエリアを形成し、このドライエリアに降雨時に降り注ぐ雨水等を排水処理するためのドライエリア付地下室の排水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のドライエリア付地下室では、地下室といえども、地上階と同様な通風性、採光性並びに開放感が得られ、地上に庭などを確保するスペースのない敷地条件のもとでも、ガーデニングや箱庭として楽しむなどの多目的な活用が図れるという特長を有している。このような特長を有する反面、地表面よりも低所で水はけの悪い箇所に形成されるドライエリアであるゆえに、排水対策に万全を期することが要望される。
【0003】
ところで、ドライエリア付地下室における排水装置として、従来では、ドライエリアにその床面に開口する貯水ピットを設け、この貯水ピット内に液面制御式の二台の自動排水用水中ポンプを設置し、貯水ピット内への単位時間あたりの流水量が少ない通常の降雨時には、消費電力の無駄を省くために一台のポンプのみを運転し、貯水ピット内への単位時間あたりの流水量が多い大量降雨時等の緊急時には、ドライエリアの床面に雨水等が溢れないような大きな排水能力を確保するために二台のポンプを同時運転するといった運転制御手段が採用されていた。つまり、二台のポンプのうち、一台のポンプは通常運転用に、他の一台は緊急時運転用の予備ポンプとして装備されていたのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような運転制御手段が採られていた従来の排水装置の場合は、予備ポンプの運転頻度が非常に少なくて運転休止時間が長いために、その運転休止時における錆付きや吸水部への異物の詰り等が原因で、大量降雨時等の緊急時に始動しないとか、始動不良や排水障害を招いて所定の排水能力を発揮させることができず、その結果、ドライエリアの床面に雨水が溢れ、さらに、その溢れた雨水がドライエリアに続く地下室内に浸入する事態を引き起こしやすいという問題があった。
【0005】
また、このような問題の解決手段として、二台のポンプを電子制御盤等を用いて自動的に交互連動運転させることが考えられるが、この場合は、特殊な自動交互連動運転制御盤を設置しなければならず、設備コストの上昇だけでなく、その制御盤に対して高い頻度でメンテナンスする必要があり、ランニングコストの上昇も招くといった新たな問題がある。
【0006】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、特殊な運転制御盤等を設置しないでコストの上昇を抑えつつ、通常時にも二台のポンプを共に合理的に短いサイクルで交互運転させて緊急時に二台のポンプの同時運転による所定の排水能力を確実に発揮させることができるドライエリア付地下室の排水装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために案出された本発明に係るドライエリア付地下室の排水装置は、所定のピッチ間隔に配置された芯材鉄骨を軸組とし、この軸組用芯材鉄骨の外面側に金属板が固定された壁構造体の三枚を工場生産段階で平面視コの字形態に配置連結して構成された金属製ドライエイアユニットを金属製地下躯体の端部に、外方への突き出し状態で一体連結することにより、地下室に連ねて地上に開放するドライエリアを形成し、このドライエリアにその床面に開口する貯水ピットを設け、この貯水ピット内に二台の排水用水中ポンプを設置してなるドライエリア付地下室の排水装置であって、前記貯水ピット内で二台の排水用水中ポンプの中間位置に、これら二台の排水用水中ポンプの始動水位よりも高く、かつ、貯水ピット上端の流水開口レベルよりも低い仕切り壁を設けて、この仕切り壁の上部に、仕切られた二つの貯水ピット部間を連通させる越流部を形成していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
上記のごとき特徴構成を有する本発明によれば、通常の降雨時のように、床面を経て貯水ピット内へ至る単位時間あたりの流水量が少ない時には、仕切り壁によって仕切られた二つの貯水ピット部のうち、早く始動水位に達した一方のピット部側のポンプが運転開始されて該ピット部内から排水される。このとき、他方のピット部内には床面からの流水及び一方のピット部側から仕切り壁上部の越流部を越えた水の流入が続き水位が上昇している。そして、前者一方のピット部側の水位が停止水位に達して該ピット部側のポンプが運転停止された後に他方のピット部側の水位が始動水位に達していれば、次にこの他方のピット部側のポンプが運転開始されて該ピット部内から排水される。また、前者一方のピット部側のポンプが運転停止された後も再び同じピット部側の水位が他方のピット部側の水位よりも早く始動水位に達したならば、再び一方のピット部側のポンプが運転開始されて該ピット部から排水され、このときも、前述同様に、他方のピット部内には流水が続き水位が上昇しており、その水位が始動水位に達したとき、他方のピット部側のポンプが運転開始されて排水されるといった排水動作を呈することになる。
【0009】
このように、二台のポンプを交互に運転させる、あるいは、一方のポンプが数回運転される毎に他方のポンプが一回運転されるといった具合に、通常時にも二台のポンプを共に短いサイクルでランダムに交互運転させることができるので、一方のポンプが長時間に亘り運転休止状態に放置されることに起因する錆付きや吸水部への異物の詰り等による始動不良や排水障害の発生を防ぐことができる。したがって、大量降雨時等の緊急時には二台のポンプを確実かつ正常に同時運転させて所定の排水能力を確実に発揮させ、ドライエリアの床面に雨水が溢れたり、その溢れた雨水がドライエリアに続く地下室内に浸入したりする不都合な事態の発生を回避することができる。しかも、特殊な自動交互連動運転制御盤を設置する必要がなく、貯水ピット内に越流部付きの仕切り壁を設けるだけでよいので、設備コストの低減が図れるとともに、特別なメンテナンスも不要でランニングコストの低減も図ることができるという効果を奏する。
【0010】
本発明に係るドライエリア付地下室の排水装置において、前記両排水用水中ポンプとして、電子式フロートにより自動運転可能に構成されたものを使用することが好ましい。この場合は、二つの貯水ピット部にそれぞれ水位センサを設け、これら水位センサの水位検出信号を受けて二台のポンプの運転を制御する制御盤を設ける場合に比べて、設備コストを一層低減することができ、また、メンテナンス頻度も少なくすることができる。
【0011】
また、本発明において、ドライエリアユニットを一体連結する金属製地下躯体としては、建設現場で逐次構築されるものであってもよいが、請求項3に記載のように、前記金属製地下躯体が、芯材鉄骨を軸組とし、この軸組用芯材鉄骨の外面側に金属板が固定された左右一対の壁構造体、天井構造体及び床構造体を工場生産段階でラーメン構造に組立て構成された金属製地下ユニットの任意複数個を建設現場で接合連結することにより耐震壁構造に構築されるものを用いる場合は、共に工場で高品質、高精度に製作可能なドライエリアユニット及び地下ユニットを建設現場に搬入して地下に埋設し接合連結するといった少ない建て方工事によって、上述のように通風性、採光性並びに開放感に優れ、かつ、排水性能に優れたドライエリアを含む地下室全体を能率的かつ経済的に構築することができるとともに、土圧に対する耐応強度の一層の増大並びに耐震性の向上を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る排水装置を適用するドライエリア付地下室の施工状態の概要を示す概略斜視図、図2は同地下室の施工完了状態を示す概略平面図である。
【0013】
このドライエリア付地下室は、寸法や形状などを標準化して同一仕様、同一構造に工場製作された金属製(具体的には、鋼製であり、以下、「鋼製」という)地下ユニット1の任意複数個をトラック等によって建設現場に搬入した上、地下室施工予定箇所に予め形成の鉄筋コンクリート製基礎2上に各地下ユニット1が長辺方向に連続するように直列状に据付け設置して隣接する地下ユニット1,1同士を相互に接合連結し、かつ、直列状に設置された複数個の地下ユニット1の長辺方向一端に妻壁3を固定することにより、地下室BRを形成するボックス形の鋼製地下躯体10が構築されているとともに、この鋼製地下躯体10の長辺方向一端に、後述する鋼製ドライエリアユニット4を鋼製地下躯体10の他端部外方への突き出し状態で一体連結することにより完工されている。
【0014】
上記各鋼製地下ユニット1は、図2に示すように、所定のピッチ間隔に配置されたT型鋼、H型鋼やチャンネル鋼等の芯材鉄骨5…を軸組とし、この軸組用芯材鉄骨5…の外面側に鋼板(金属板の一例であり、以下、「鋼板」という)6が固定されてなる左右一対の壁構造体7,7と一つの天井構造体8と一つの床構造体9とを備え、これら左右一対の壁構造体7,7、天井構造体8及び床構造体9を工場製作段階で一体的に組立てることにより短辺方向に□型ラーメン構造に構成されており、これら地下ユニット1の任意複数個を接合連結することによって、長辺方向に耐震壁構造のボックス形鋼製地下躯体10が構築される。なお、前記妻壁3は前記地下ユニット1における壁構造体7と同様に、所定のピッチ間隔に配置された芯材鉄骨5’…を軸組とし、その外面側に鋼板6’を固定することにより構成されている。
【0015】
一方、上記のような鋼製地下躯体10の長辺方向一端に一体連結される鋼製ドライエリアユニット4は、前記した鋼製地下ユニット1と同様に、所定のピッチ間隔に配置された芯材鉄骨5a…を軸組とし、この軸組用芯材鉄骨5a…の外面側に鋼板6aが固定されてなる一枚の長尺壁構造体11Aと二枚の短尺壁構造体11B,11Bとを工場製作段階で平面視コの字形態に配置し連結することにより構成されており、このような平面視コの字形態の鋼製ドライエリアユニット4を上記各地下ユニット1とは別体のままでトラック等によって建設現場に搬入し、その建設現場において鉄筋コンクリート製基礎2上に構築されたボックス形鋼製地下躯体10の長辺方向一端に、外方への突き出し状態で一体連結することにより、地下室BRに連ねて地上に開放するドライエリアDEが形成される。
【0016】
図3及び図4は、上記のように施工されたドライエリアDE付地下室のドライエリアDEに設けられた排水装置の構成を示す要部の拡大縦断面図及び要部の拡大平面図であって、この排水装置は、ドライエリアDEの隅部相当箇所に、現場打ちコンクリート15により矢印aで示す水勾配を付けて形成される床面16に開口するように埋設された貯水ピット17と、この貯水ピット17内に設置された二台の排水用水中ポンプ18A,18Bと、これら水中ポンプ18A,18Bの吐出部にバルブ(一般的に、逆止バルブが用いられる。)19A,19Bを介して接続されドライエリアDEの上方外部に導出された集合排水管20とから構成されている。
【0017】
前記貯水ピット17内で二台の水中ポンプ18A,18Bの中間位置には、これに二台の水中ポンプ18A,18Bの始動水位HWLよりも高く、かつ、貯水ピット17上端の流水開口レベル17aよりも低い仕切り壁21が設けられており、この仕切り壁21によって前記貯水ピット17は二つの貯水ピット部17A,17Bに仕切られているとともに、仕切り壁21の上部には、それら二つの貯水ピット部17A,17B間を相互に連通接続する越流部22が形成されている。
【0018】
前記二つの排水用水中ポンプ18A,18Bとしては、図5に例示するように、ポンプケーシング23内にモータ及び羽根車(図示省略する)が内蔵され、ポンプケーシング23の側部に付設した電子式フロートセット24を介して始動水位HWLで自動的に運転開始(起動)し、停止水位LWLで自動的に運転停止するように構成された縦型フロート付き自動形水中ポンプが使用されている。
【0019】
なお、前記鋼製ドライエリアニット4における各壁構造体11A及び11B,11Bの軸組用芯材鉄骨5a…の上端部には、地中設置状態で該ドライエリアユニット4に作用する土圧に耐応するに足りる曲げ強度を発揮するような成hを持つ形鋼としてチャンネル12が笠木状に固定されており、このチャンネル12の固定によりドライエリアユニット4全体の対土圧耐応強度を確保している。
【0020】
また、前記鋼製地下ユニット1における各壁構造体7,8,9の軸組用芯材鉄骨5…の内面側、妻壁3の芯材鉄骨5’…の内面側、並びに、鋼製ドライエリアユニット4の各壁構造体11A,11B,11Bの軸組用芯材鉄骨5a…の内面側にはそれぞれ、下地材13を介して仕上げ材14が固定されている。
【0021】
上記のように構成されたドライエリア付地下室の排水装置においては、通常の降雨時のように、ドライエリアDEの床面16を経て貯水ピット17内へ流れ込む単位時間あたりの流水量が少ない時には、仕切り壁21によって仕切られた二つの貯水ピット部17A,17bのうち、例えば一方のピット部17Aが早く始動水位HWLに達したとすると、この一方のピット部17A側の水中ポンプ18Aが運転開始されて該ピット部17A内の水が集合排水管20を通じて排水される。このとき、他方のピット部17B内には床面16からの流水が続けられているとともに、一方のピット部17A側からも一部の水が仕切り壁21上部の越流部22を越えて流入し、そのピット部17Bの水位が上昇している。
【0022】
そして、前記一方のピット部17A側の水位が停止水位LWLに達して水中ポンプ18Aの運転が停止された後に他方のピット部17B側の水位が始動水位HWLに達していれば、次にこの他方のピット部17B側の水中ポンプ18Bが運転開始されて該ピット部17B内の水が集合排水管20を通じて排水され、また、前記一方のピット部17A側の水中ポンプ18Aが運転停止された後も再び同じピット部17A側の水位が他方のピット部17B側の水位よりも早く始動水位HWLに達したならば、再び一方のピット部17A側の水中ポンプ18Aが運転開始されて該ピット部18A内の水が集合排水管20を通じて排水され、このときも、前述同様に、他方のピット部17B内には流水が続き水位が上昇しており、その水位が始動水位HWLに達したとき、他方のピット部17B側の水中ポンプ18Bが運転開始されて排水されるといった排水動作を呈することになる。このような排水動作は、他方のピット部17B側の水位が早く始動水位HWLに達したときも同様に呈することになる。
【0023】
このように、二台の水中ポンプ18A,18Bを一回毎に交互運転させる、あるいは、短いサイクルでランダムに交互運転させることにより、一方の水中ポンプ18Bまたは18Aが長時間に亘り運転休止状態に放置されることがないため、その長時間に亘る運転休止に伴う錆付きや、吸水部への異物の詰り等によって起こる始動不良や排水障害の発生を防ぐことが可能である。これによって、大量降雨時等のように、貯水ピット17内への流水量が異常に増加して両ピット部17A,17Bの水位が共に始動水位HWL以上に上昇する緊急時には二台のポンプ18A,18Bを正常かつ確実に同時運転させて、これら両ポンプ18A,18Bの排水能力が加算された十分に大きい排水能力を確実に発揮させることが可能となり、したがって、ドライエリアDEの床面16に水が溢れたり、その溢れた水がドライエリアDEに続く地下室BR内に浸水したりする不都合な事態の発生を回避することができる。
【0024】
また、貯水ピット17内に越流部22付きの仕切り壁21を設けるだけで上述のような交互運転を行わせることができるので、特殊な自動交互連動運転制御盤を設置する必要がなくて設備コストの低減が図れるとともに、特別なメンテナンスも不要でランニングコストの低減も図ることができる。
【0025】
なお、本発明におけるドライエリア付地下室の排水装置を、鋼製ドライエリアユニット4を鋼製地下躯体10の長辺方向一端に一体連結する前に先行して設置施工することが望ましい。この場合は、鋼製ドライエリアユニット4の施工時に降雨があったとしても、ドライエリアDEの形成相当箇所に降り注ぐ雨水を当該排水装置により排水することが可能であり、降雨によって多量の雨水が溜まり、その結果、ドライエリア付地下室の施工工期が不当に長くなることを防止することができる。
【0026】
また、本発明において、地下躯体10としては、工場製作された鋼製地下ユニット1の任意複数個を建設現場で相互に接合連結することで構築されるものであることが好ましいが、それに限らず、建設現場で在来工法によって逐次構築されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】 本発明に係る排水装置を適用するドライエリア付地下室の施工状態の概要を示す概略斜視図である。
【図2】 同地下室の施工完了状態を示す概略平面図である。
【図3】 本発明に係る排水装置の構成を示す要部の拡大縦断面図である。
【図4】 同上排水装置の要部の拡大平面図である。
【図5】 排水用水中ポンプの一例を示す拡大正面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 鋼製地下ユニット(金属製地下ユニット)
4 鋼製ドライエリアユニット(金属製ドライエリアユニット)
5,5a 芯材鉄骨
6,6a 鋼板(金属板)
7 壁構造体
8 天井構造体
9 床構造体
10 鋼製地下躯体(金属製地下躯体)
16 ドライエリアの床面
17 貯水ピット
17A,17B 仕切られた貯水ピット部
17a 流水開口レベル
18A,18B 排水用水中ポンプ
21 仕切り壁
22 越流部
BR 地下室
DE ドライエリア
HWL 始動水位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のピッチ間隔に配置された芯材鉄骨を軸組とし、この軸組用芯材鉄骨の外面側に金属板が固定された壁構造体の三枚を工場生産段階で平面視コの字形態に配置連結して構成された金属製ドライエイアユニットを金属製地下躯体の端部に、外方への突き出し状態で一体連結することにより、地下室に連ねて地上に開放するドライエリアを形成し、このドライエリアにその床面に開口する貯水ピットを設け、この貯水ピット内に二台の排水用水中ポンプを設置してなるドライエリア付地下室の排水装置であって、
前記貯水ピット内で二台の排水用水中ポンプの中間位置に、これら二台の排水用水中ポンプの始動水位よりも高く、かつ、貯水ピット上端の流水開口レベルよりも低い仕切り壁を設けて、この仕切り壁の上部に、仕切られた二つの貯水ピット部間を連通させる越流部を形成していることを特徴とするドライエリア付地下室の排水装置。
【請求項2】
前記両排水用水中ポンプが、電子式フロートにより自動運転可能に構成されたものである請求項1に記載のドライエリア付地下室の排水装置。
【請求項3】
前記金属製地下躯体が、芯材鉄骨を軸組とし、この軸組用芯材鉄骨の外面側に金属板が固定された左右一対の壁構造体、天井構造体及び床構造体を工場生産段階でラーメン構造に組立て構成された金属製地下ユニットの任意複数個を建設現場で接合連結することにより耐震壁構造に構築されたものである請求項1または2に記載のドライエリア付地下室の排水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−32239(P2007−32239A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238006(P2005−238006)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(502408791)株式会社ビィアンドエル (4)
【Fターム(参考)】