説明

ドライチャンバ及びこれを用いたドライチャンバシステム

【課題】作業領域の必要な部分のみを所定の低露点領域にすることができるのみならず、その内部での作業の自由度を高めることができると共に、製造ラインの入れ替え性にも優れたドライチャンバを提供する。
【解決手段】開口部20aが設けられたケーシング20と、ドライエア供給配管系14と、ドライエア回収配管系16と、前記開口部20aの上部側を開閉する上部フラップ34と、前記開口部20aの下部側を開閉する下部フラップ38とで構成されると共に、前記上部フラップ34が、前面板34aと、該前面板34aの背面側にて間隔を置いて配設された後面板34bとで構成され、前記前面板34aと前記後面板34bとの間に形成される通気層34cに供給されたドライエアdが下端面に設けられたドライエア吹出口34eからエアカーテンとなって流下することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタの製造工程などで使用されるドライチャンバ及びこれを用いたドライチャンバシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、リチウムイオン二次電池の製造工場では、湿度の管理が極めて重要であり、ドライルームを設置して厳密な湿度管理を行っている。また、近年開発が進められている次世代の蓄電池或いは電気二重層キャパシタでは、露点温度(以下、「DP」と略す)−60℃以下と言うようなより低露点領域での生産が求められている。しかしながら、ドライルームでは、その内部で作業する作業者の呼気や発汗などからの湿度負荷が発生するため、DP−60℃程度まで除湿するには、馬力の大きな(エネルギー消費量の多い)除湿装置が何台も必要であり、ドライルームでかかる湿度条件を実現するのは事実上困難であるという問題があった。また、仮にドライルームをDP−60℃程度の低湿分状態とした場合、その内部で作業する作業者の眼が乾いたり風邪を引き易くなるなどの症状が現れ、作業者の健康に対してあまり好ましいものではないという問題もあった。
【0003】
そこで、これらの問題を解決し得る技術として、低湿分空気の供給を受けてワークの作業領域を低湿分状態に保持する作業チャンバを設置するとともに、これをワーク搬入路に沿って延長することにより搬入チャンバを形成し、前記ワーク搬入路に向けた低湿分空気の吹出口を前記搬入チャンバに設置して、搬入ワークの後方に随伴する高湿分空気を低湿分空気に置換可能としたドライチャンバが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
かかるドライチャンバを用いれば、作業領域の必要な部分のみを所定の低露点領域にすることができ、除湿装置大型化の問題や作業者の健康問題を解消することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−208396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなドライチャンバを用いた製造ラインでは、チャンバ内での作業の自由度が極めて低いという問題があった。つまり、上記従来のドライチャンバでは、作業チャンバにおけるワーク搬入路以外の部分が完全に密閉されているため、作業チャンバの内部に設置した製造装置にちょっとしたトラブルが生じた場合であっても、製造ライン及びドライチャンバ両方の運転を全て停止してトラブルシューティングを行わなければならなかった。
【0007】
また、ドライチャンバ内の製造ラインの入れ替えなどを行う際にも、狭隘なワーク搬入路を通してでしか入れ替え作業を行うことができず、製造ラインの入れ替えに時間とコストが掛かるという問題があった。
【0008】
それゆえに、本発明の主たる課題は、作業領域の必要な部分のみを所定の低露点領域にすることができるのみならず、その内部での作業の自由度を高めることができると共に、製造ラインの入れ替え性にも優れたドライチャンバとこれを用いたドライチャンバシステムとを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
「請求項1」に記載した発明は、
(1) 前面に開口部20aが設けられた箱状のケーシング20と、
(2) 下流端が前記ケーシング20に接続され、前記ケーシング20の内部にドライエアdを供給するドライエア供給配管系14と、
(3) 上流端が前記ケーシング20に接続され、前記ケーシング20の内部を通流して湿気を帯びたドライエアwを回収するドライエア回収配管系16と、
(4) その上端部が前記開口部20aの上縁側に回動自在に蝶着され、且つその長さが前記開口部20aの高さよりも短く形成されて前記開口部20aの上部側を開閉する上部フラップ34と、
(5) その下端部が前記開口部20aの下縁側に回動自在に蝶着され、且つその長さが前記開口部20aの高さよりも短く形成されて前記開口部20aの下部側を開閉する下部フラップ38とで構成されると共に、
(6) 前記上部フラップ34が、前面板34aと、該前面板34aの背面側にて間隔を置いて配設された後面板34bと、その下端面に設けられ、前記前面板34a及び前記後面板34bの間に形成される通気層34cに供給されたドライエアdをエアカーテンとして吹き出すドライエア吹出口34eとで構成されている
(7) ことを特徴とするドライチャンバ10、である。
【0010】
この発明では、上部フラップ34の前面板34aと後面板34bとの間に形成される通気層34cに供給されたドライエアdを、該上部フラップ34の下端面に設けられたドライエア吹出口34eからエアカーテンとして吹き出すようにしているので、下部フラップ38を回動させて開口部20aの下部側を開放しても、ケーシング20の内部に湿気が混入するのを防止することができる。このため、下部フラップ38を開放してケーシング20内部に手を入れて自由に作業を行っても該ケーシング20内部の低湿分状態を維持することができる。
【0011】
また、下部フラップ38のみならず、上部フラップ34も回動させて、ケーシング20の前面に設けられた開口部20a全体を大きく開放することができるので、ケーシング20の内部に設置した製造ラインの入れ替え作業等をドライチャンバ10の正面側から容易に行うことができる。
【0012】
「請求項2」に記載した発明は、請求項1に記載のドライチャンバ10を用いたドライチャンバシステムXに関するものであり、
(a) 複数台の前記ドライチャンバ10をモジュール化してその内部空間同士が互いに連通するドライチャンバ列L1,L2…を形成すると共に、
(b) 複数の前記ドライチャンバ列L1,L2…をその内部空間同士が連通するように連結し、
(c) 各ドライチャンバ列L1,L2…に露点温度が異なるドライエアdを供給してそれぞれ独立した露点温度環境を形成させた
(d) ことを特徴とするドライチャンバシステムX、である。
【0013】
この発明では、上記ドライチャンバ10の技術的特長に加えて、各ドライチャンバ列L1,L2…毎に露点温度環境を調節することができる、つまり各ドライチャンバ列L1,L2…毎に露点のすみ分けができるので、必要な露点温度環境を必要な部分にだけ経済的に効率よく実現することができる。それゆえ、露点温度環境実現時の省エネルギー化に資することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業領域の必要な部分のみを所定の低露点領域にすることができるのみならず、その内部での作業の自由度を高めることができると共に、製造ラインの入れ替え性にも優れたドライチャンバとこれを用いた省エネルギー性に優れたドライチャンバシステムとを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のドライチャンバを用いたドライチャンバシステムの概略を示す構成図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】本発明の一実施例のドライチャンバ(製造ライン入れ替え時)の要部を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施例のドライチャンバ(製造ライン運転時)の要部を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の一実施例のドライチャンバ(チャンバ内作業時)の要部を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。図1は、本発明における一実施例のドライチャンバ10を用いたドライチャンバシステムXの概略を示す構成図である。この図が示すように、本実施例のドライチャンバシステムXは、大略、複数台(本実施例の場合は4台)のドライチャンバ10がその内部空間同士を互いに連通するようにして幅方向に連接された複数(本実施例の場合2列)のドライチャンバ列L1,L2…と、各ドライチャンバ列L1,L2…それぞれに別個にドライエアdを供給する複数台(本実施例の場合は2台)の除湿装置12と、各除湿装置12と各ドライチャンバ10との間に配設され、除湿装置12で生成したドライエアdを各ドライチャンバ10へと供給するドライエア供給配管系14と、各ドライチャンバ10と各除湿装置12との間に配設され、ドライチャンバ10内を循環して湿気を帯びたドライエアwを回収して除湿装置12へと戻すドライエア回収配管系16とで構成されている。
【0017】
ドライチャンバ10は、図2に示すように、キャスター付き架台18に載置された箱状のケーシング20を有する。
【0018】
このケーシング20は、ステンレス(SUS)などの金属で形成された容器体で、前面全体に開口部20aが設けられている。このケーシング20における内部の天面側には、パンチングメタルや金属製の格子などで形成され、ドライエアdが通流する上部仕切板22が取り付けられており、底面側には、上部仕切板22と同様にパンチングメタルや金属製の格子などで形成され、ケーシング20内を流下して湿気を帯びた(使用済みの)ドライエアwが通流する下部仕切板24が取り付けられている。このため、上部仕切板22と下部仕切板24とで挟まれた空間が、製造ラインなどが組み込まれる実質的な作業領域20bとなる。
【0019】
また、ケーシング20内部の背面側には、その上端がケーシング20の天面に接続され、下端が下部仕切板24に接続された回収ダクト26が取り付けられている。この回収ダクト26は、ドライエア回収配管系16の一部を構成するものであり、ケーシング20の底面と下部仕切板24との間の空間に向けて開口したその下端開口部には、ケーシング20内を流下して湿気を帯びたドライエアwを回収ダクト26へと送給するためのファン28が取り付けられている(図2参照)。
【0020】
さらに、ケーシング20の天面には、後述するドライエア供給配管系14のエアカーテン用個別供給配管30及び調湿用個別供給配管32の下流端がそれぞれ接続されている。
【0021】
そして、ケーシング20の前面に設けられた開口部20aの上縁側には、該開口部20aの上部側を開閉する上部フラップ34の上端部がヒンジ36を介して回動自在に蝶着されており、開口部20aの下縁側には、上部フラップ34では対応できない開口部20aの下部側を開閉する下部フラップ38の下端部がヒンジ40を介して開口部20aの下縁側に回動自在に蝶着されている(図2参照)。
【0022】
上部フラップ34は、図2に示すように、その表面を形成する前面板34aと、該前面板34aの背面側にて間隔を置いて配設された後面板34bとを具備しており、前面板34aと後面板34bとの間には、その上端側から供給されたドライエアdが通流する通気層34cが形成され、且つその幅方向両側縁は密閉されている。そして、この上部フラップ34の下端面には、通気層34cを通流してきたドライエアdをエアカーテンとして吹き出すためのドライエア吹出口34eが設けられている。また、この上部フラップ34の背面上部とケーシング20の天面との間にダンパ42が架設されている。
【0023】
ここで、上部フラップ34を構成する前面板34a及び後面板34bは、共に透明板材によって形成されている。このように透明板材を用いることによって、当該上部フラップ34を開けることなく、ケーシング20内部の低湿分状態を保ったまま、その内部状態を視認することができるからである。なお、前面板34a及び後面板34bを形成する透明板材としては、ガラス板や、ポリカーボネート樹脂或いはポリメタクリル酸エステル樹脂(アクリル樹脂)等からなる合成樹脂板などを挙げることができるが、このうち、静電気を帯びにくく耐衝撃性が高いと云った特性を有する合成樹脂板を用いるのが特に好ましい。
【0024】
下部フラップ38は、上述したように、上部フラップ34では対応できない開口部20aの下部側を開閉する板状の部材で、上部フラップ34と同様に透明板材で形成するのが好ましい。
【0025】
また、開口部20aを閉塞した際におけるこの下部フラップ38の上端位置は、上部フラップ34の下端よりも上側に位置し、且つ上部フラップ34よりもケーシング20の外側に配置されるようにするのが好ましい。こうすることにより、上部フラップ34と下部フラップ38との間からケーシング20内部に流入してくる気体の流れと上部フラップ34から吹き出すエアカーテンの流れとが共に順流となり、当該エアカーテンの作用と相俟って、ケーシング20内への湿気の流入を効果的に抑制することができると共に、図示実施例のように開口部20aの広い面積の開閉を上部フラップ34が担うような場合には、下部フラップ38が上部フラップ34に対するロックとして働き、上部フラップ34が簡単に開放してケーシング20内に多量の湿気を含む空気が混入するのを防止することができるからである。
【0026】
ただし、上部フラップ34の下端と下部フラップ38の上端との位置関係は上述の例に限定されるものではなく、上部フラップ34の下端と下部フラップ38の上端との高さ位置が一致するようにしてもよいし、上部フラップ34の下端と下部フラップ38の上端とが多少の空間を介して離間するようにしてもよい。このように上部フラップ34の下端と下部フラップ38の上端とが多少の空間を介して離間するような場合であっても、上部フラップ34の下端面から吹き出すドライエアdのエアカーテンによって、ケーシング20内部への湿気の混入を効果的に防止することができるからである。換言すれば、上部フラップ34及び下部フラップ38は、共に開口部20aの高さよりも短い長さで形成されていればよい。
【0027】
なお、図2中の符号44は、エアカーテン用個別供給配管30から供給されたドライエアdを上部フラップ34の通気層34cへと案内するためのガイド部材であり、符号46は、上部フラップ34のドライエア吹出口34eから流下してエアカーテンを形成したドライエアdをファン28の吸い込み側へと案内するための整流板である。
【0028】
以上のように構成されたドライチャンバ10は単独で使用することも可能であるが、通常は上述したようにドライチャンバシステムXとして使用される。その際、ケーシング20の側面には、図2に示すように、必要に応じて開窓部48が設けられ、この開窓部48を介して隣接するドライチャンバ10の内部空間同士が連通するようになる。
【0029】
除湿装置12は、空気中の湿気を除去して所定の露点温度に調整したドライエアdを供給するためのもので、例えば、ハニカム構造の除湿ローターを用いたダイキン工業(株)社製の乾式除湿機「ハニードライ(登録商標)」などを使用することができる。なお、図示実施例では、各ドライチャンバ列L1,L2のそれぞれに別個の除湿装置12が接続されており、各除湿装置12は必要に応じてそれぞれ異なった露点温度のドライエアdを供給するようになっている。
【0030】
ドライエア供給配管系14は、除湿装置12で生成したドライエアdをドライチャンバ10に供給するための配管系で、上流端が除湿装置12の吐出側に接続されたメイン供給配管14aと、このメイン供給配管14aの下流端に接続されるダクト14bとを有する。そしてこのダクト14bには、ドライチャンバ列L1,L2…を構成するドライチャンバ10の数と同数のエアカーテン用個別供給配管30及び調湿用個別供給配管32の上流端が接続されており、このエアカーテン用個別供給配管30及び調湿用個別供給配管32までを含めてドライエア供給配管系14が構成されている。
【0031】
なお、エアカーテン用個別供給配管30及び調湿用個別供給配管32は、それぞれの途中に流量調整用のバルブ30a及び32aが取り付けられると共に、その下流端が、上述したようにドライチャンバ10のケーシング20の天面に接続され、エアカーテン用個別供給配管30についてはガイド部材44で囲まれた通気層34cとの連通空間44aに、又、調湿用個別供給配管32についてはケーシング20内部にドライエアdを供給するようになっている。
【0032】
ドライエア回収配管系16は、ケーシング20の内部を通流して湿気を帯びたドライエアwを回収して除湿装置12に戻すための配管系で、ドライチャンバ10におけるケーシング20内部の底面側から背面側にかけて設けられた回収ダクト26と、その上流端が回収ダクト26の下流端に接続され、その下流端が除湿装置12の吸込側に接続されるメイン回収配管16aとで構成されている。
【0033】
次に、以上のように構成されたドライチャンバシステムXの作用について説明する。複数台のドライチャンバ10を接続して形成した複数のドライチャンバ列L1,L2…のそれぞれに、例えばリチウムイオン二次電池の製造に必要な製造ラインを組み込む或いは入れ替える際には、まず始めに図3及び図1の(a)に示すように、下部フラップ38及び上部フラップ34をこの順で大きく回動させてケーシング20の前面(正面)に設けられた開口部20aを大きく開放させる。こうすることにより、ドライチャンバ10内部への製造ラインの組み込みを短時間で容易に行うことができる。
【0034】
続いて、所定の露点温度環境(低湿分状態)で製造ラインを運転させる際には、図4及び図1の(c)に示すように、上部フラップ34及び下部フラップ38をこの順で大きく回動させて各フラップ34,38の幅方向両側縁を密着させるようにしてケーシング20の開口部20aを閉塞し、ケーシング20の内部に所定の露点温度のドライエアdを供給すると共に、上部フラップ34のドライエア吹出口34eからドライエアdをエアカーテン状に吹き出す。これにより、ケーシング20内部への湿気を帯びた空気の混入を防止することができる。
【0035】
そして、製造ライン運転中に当該ラインを止めることなく対応が可能な簡単なトラブルが生じた場合等には、図5及び図1の(b)に示すように、下部フラップ38のみを回動操作して開口部20aの下側のみを開放する。ここで、下部フラップ38を回動させて開放した開口部20aの所にはドライエアdからなるエアカーテンが流下しているので、この部分からケーシング20の内部に手腕を挿入してケーシング20内で作業を行ったとしても、ケーシング20内部の湿度が急激に変動(特に上昇)する心配はない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
上述の説明では、本発明のドライチャンバおよびこれを用いたドライチャンバシステムをリチウムイオン二次電池などのバッテリー関連用途に適用する場合を中心に説明してきたが、本発明のドライチャンバ及びこれを用いたドライチャンバシステムの用途はこれに限定されるものではなく、所定の調湿環境が必要なあらゆる用途に利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10…ドライチャンバ
12…除湿装置
14…ドライエア供給配管系
16…ドライエア回収配管系
20…ケーシング
20a…開口部
22…上部仕切板
24…下部仕切板
26…回収ダクト
28…ファン
30…エアカーテン用個別供給配管
32…調湿用個別供給配管
34…上部フラップ
34a…前面板
34b…後面板
34c…通気層
34e…ドライエア吹出口
38…下部フラップ
48…開窓部
d…ドライエア
w…湿気を帯びたドライエア
X…ドライチャンバシステム
L1,L2…ドライチャンバ列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口部が設けられた箱状のケーシングと、
下流端が前記ケーシングに接続され、前記ケーシングの内部にドライエアを供給するドライエア供給配管系と、
上流端が前記ケーシングに接続され、前記ケーシングの内部を通流して湿気を帯びたドライエアを回収するドライエア回収配管系と、
その上端部が前記開口部の上縁側に回動自在に蝶着され、且つその長さが前記開口部の高さよりも短く形成されて前記開口部の上部側を開閉する上部フラップと、
その下端部が前記開口部の下縁側に回動自在に蝶着され、且つその長さが前記開口部の高さよりも短く形成されて前記開口部の下部側を開閉する下部フラップとで構成されると共に、
前記上部フラップが、前面板と、該前面板の背面側にて間隔を置いて配設された後面板と、その下端面に設けられ、前記前面板及び前記後面板の間に形成される通気層に供給されたドライエアをエアカーテンとして吹き出すドライエア吹出口とで構成されていることを特徴とするドライチャンバ。
【請求項2】
複数台の前記ドライチャンバをモジュール化してその内部空間同士が互いに連通するドライチャンバ列を形成すると共に、複数の前記ドライチャンバ列をその内部空間同士が連通するように連結し、
各ドライチャンバ列に露点温度が異なるドライエアを供給してそれぞれ独立した露点温度環境を形成させたことを特徴とするドライチャンバシステム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−21769(P2011−21769A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164895(P2009−164895)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(390006426)オー・エム・シー株式会社 (5)
【Fターム(参考)】