説明

ドラムユニット及びこれを搭載した画像形成装置

【課題】非画像形成面へのトナーの付着を確実に防止できるドラムユニット及びこれを搭載した画像形成装置を提供する。
【解決手段】その駆動によって画像形成面(76)に潜像を形成し、潜像がトナーで現像されてトナー像を形成するドラムユニット(17)であって、画像形成面よりも外側の非画像形成面(78)にて、現像器側との隙間を設定する規制部(26)に当接される感光体ドラム(18)と、非画像形成面に形成されており、フッ素オイルが、又はフッ素オイルと固形潤滑剤との混合物が塗布された潤滑性付与面(79)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像を媒体に出力するドラムユニット及びこれを搭載した画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置では電子写真方式が用いられており、帯電器が感光体ドラムを予め帯電し、露光器がドラムの画像形成面に光を照射すると、この画像形成面には静電潜像が形成される。また、現像器はトナーを担持しており、このトナーが静電潜像に付着してトナー像が形成される。そして、このトナー像が用紙に転写及び定着される。
【0003】
ここで、トナーが静電潜像に付着するには、感光体ドラムと現像器との間に所定の間隙(ギャップ)が必要であり、このギャップを得るための構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
詳しくは、感光体ドラムのうち画像形成面よりも外側には、幅狭の非画像形成面があり、現像器側に設けられたギャップ規制コロ等の規制部が非画像形成面に当接している。また、この非画像形成面を清掃する構成も示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−307931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、長期間使用される画像形成装置においては、上述した従来の技術では、この非画像形成面へのトナーの付着を防止できないとの課題が依然として残されている。
画像形成面のクリーニングにおいては、ウレタン等からなるゴムのブレードで掻き取る手法が効果的であるが、この非画像形成面は、画像形成面とは異なり、トナーが常時供給される箇所ではないため、ウレタン等を有するゴムのブレードを非画像形成面に単に接触させると、例えば濡れていないガラスをゴムのブレードで触れた場合と同様に、非画像形成面とブレードとの接触に伴うブレード鳴きが生じ、装置の信頼性に影響を及ぼす。
【0006】
一方、これら非画像形成面とブレードとの接触圧を低くすると、非画像形成面に付着したトナーを除去できない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、非画像形成面へのトナーの付着を確実に防止できるドラムユニット及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための第1の発明は、その駆動によって画像形成面に潜像を形成し、潜像がトナーで現像されてトナー像を形成するドラムユニットであって、画像形成面よりも外側の非画像形成面にて、現像器側との隙間を設定する規制部に当接される感光体ドラムと、非画像形成面に形成されており、フッ素オイルが、又はフッ素オイルと固形潤滑剤との混合物が塗布された潤滑性付与面とを具備する。
【0008】
第1の発明によれば、ドラムユニットの感光体ドラムでは、画像形成面に潜像を形成し、この潜像がトナーで現像されてトナー像を形成するが、この画像形成面よりも外側の非画像形成面は規制部に当接され、現像器側との隙間が設定されている。
ここで、この非画像形成面には現像器側からのトナーが飛散して付着することがあり、規制部と感光体ドラムとの間に飛散したトナーが入り込んで、現像器と感光体ドラムとの隙間が設定値よりも大きくなってしまう。そのため、この非画像形成面にトナーを付着しないようにする必要がある。
【0009】
そこで、この非画像形成面に対し、フッ素オイルを、又はこのフッ素オイルと固形潤滑剤との混合物を塗布した潤滑性付与面が形成すれば、トナーは潤滑性付与面からはじかれ、非画像形成面へのトナーの付着を防止できる。この結果、現像器と感光体ドラムとの隙間が設定値で維持可能になる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明の構成において、非画像形成面に対峙しており、感光体ドラムの回転方向で視て媒体との転写位置の下流側にてユニットに設置されたホルダーと、ホルダーに固定されており、非画像形成面に付着したトナーを掻き落とし可能なブレード部とをさらに具備することを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、潤滑性付与面の他、カウンタ方向で非画像形成面に当接するブレード部を備えていれば、非画像形成面へのトナーの付着をより一層確実に防止できるし、また、このブレード部が潤滑性付与面にも当接するので、従来の如くの感光体ドラムとブレード部との接触に伴うブレード鳴きも生じない。
【0011】
第3の発明は、第2の発明の構成において、画像形成面から残留トナーを掻き落とすクリーニング部材と、クリーニング部材の長手方向の両側にて非画像形成面に接触しており、画像形成面から非画像形成面に飛散した残留トナーを吸着させるサイドシール部材とをさらに具備し、サイドシール部材には、フッ素オイルが、又はフッ素オイルと固形潤滑剤との混合物が含浸されていることを特徴とする。
【0012】
第3の発明によれば、第2の発明の作用に加えてさらに、クリーニング部材が画像形成面の残留トナーを清掃すると、この両側に設けられたサイドシール部材では、画像形成面から非画像形成面に飛散した残留トナーを吸着できる。
ここで、サイドシール部材は非画像形成面に接触しているので、このサイドシール部材に対してフッ素オイル、又はフッ素オイルと固形潤滑剤との混合物を含浸すれば、既存の構造を用いて非画像形成面へのトナーの付着を防止できるし、このフッ素オイル、又はフッ素オイルと固形潤滑剤との混合物のメンテナンスもフリーになって、ドラムユニットの長寿命化に寄与する。
【0013】
第4の発明は、第1から第3の発明の構成において、感光体ドラムは、画像形成面に非晶質シリコン系の層を有した感光体ドラムであることを特徴とする。
第4の発明によれば、第1から第3の発明の作用に加えてさらに、非晶質シリコン系の層を有した感光体ドラムは長寿命であるとの長所を有するが、上記の潤滑性付与面を備えていれば、この感光体ドラムの特性を長期間に亘って維持可能になり、この長所を確実に活かすことができる。
【0014】
第5の発明は、第1から第4の発明のドラムユニットを搭載した画像形成装置であることを特徴とする。
第5の発明によれば、第1から第4の発明の作用に加えてさらに、上述したドラムユニットを搭載すれば、良好な画像形成が長期間に亘って行われるため、画像形成装置の信頼性向上に寄与する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像形成面の外側に位置する非画像形成面に対して潤滑性付与面を形成しているため、この非画像形成面へのトナーの付着を確実に防止できるドラムユニット及びこれを搭載した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施例のプリンタの概略構成図である。
【図2】図1のドラムユニットの外観斜視図である。
【図3】図2のIII−III線から視た矢視断面図である。
【図4】図3の現像器と感光体ドラムとの位置説明図である。
【図5】図3の感光体ドラムとクリーニング部との位置説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、画像形成装置の一例であるカラー印刷可能なプリンタ1の構造が概略的に示されている。同図に示された断面はプリンタ1の左側面からみたものである。このため、プリンタ1の前面は同図中の右側に、背面は左側にそれぞれ位置する。
【0018】
同図に示されるように、プリンタ1の装置本体2の上方には排紙トレイ36が設けられ、このトレイ36の近傍には、使用者の各種操作に供される複数の操作キーや、各種情報を表示する画面を配置したフロントカバー5が設けられている。
また、この装置本体2の下方には給紙カセット4が配置され、その収容部40には、枚葉の用紙が積層された状態で収納されている。同図で視て収容部40の右上方にはローラ46が設けられる。
【0019】
そして、用紙は、同図においてカセット4の右上方に向けて送出され、この送出された用紙は、装置本体2の内部でプリンタ1の前面に沿って上方に向けて搬送される。
また、カセット4は、プリンタ1の前面側、つまり、図1において右方向に向けて引き出し可能に構成されており、この引き出した状態にて、カセット4内に新たな用紙を補充したり、用紙を別の種類の用紙に入れ替え可能となる。
【0020】
装置本体2の内部には、カセット4からの用紙搬送方向で見て下流側に搬送ローラ10、レジストローラ14、画像形成部16及び転写部30が順番に配置されている。
画像形成部16には4個のドラムユニット17が並設され、各ユニット17には感光体ドラム18がそれぞれ設けられている(図2)。このドラム18は回転自在に設置され、図示しない駆動モータによって図1の時計回りにそれぞれ駆動する。また、本実施例のドラム18は、その表面に非晶質シリコン系の層を有したa−Siドラムである。
【0021】
また、このドラム18とカセット4との間には露光器15が備えられており、この露光器15からは、レーザ光が各ドラム18に向けてそれぞれ照射される(図1,3)。そして、これら図1,3にも示されるように、各ドラム18の周囲の適宜位置には、帯電器20、現像器24、中間転写ローラ13やクリーニング部50がそれぞれ設けられている。なお、この図3では構造の説明上、ドラムユニット17の他、中間転写ベルト(媒体)12や現像器24も示されている。
【0022】
この帯電器20は、ドラム18に接する帯電ローラ21、及びローラ21の表面を研磨摺擦することによりクリーニングするブラシを備えたローラ22を有し、図2に示されたユニット17のハウジング47の下部に位置し、ドラム18の画像形成面76を一様に帯電させる。
また、図3で視て、現像器24はユニット17の左方にそれぞれ配置され、現像ローラ25を有している。この現像ローラ25は図示しない駆動モータによって同図の反時計回りに駆動する。
【0023】
再び図1に戻り、中間転写ベルト12は各ドラム18の上方に配置され、この転写ベルト12とトレイ36との間には4個のトナーコンテナ23が配設されている。これら各コンテナ23は、プリンタ1の背面側から前面側に向けて、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、そして、ブラック用の順に配設され、このブラック用のコンテナの容量が最も大きく構成されている。
【0024】
転写部30には転写ローラ31が備えられ、このローラ31は中間転写ベルト12に対して斜め下方から圧接可能に構成されている。
そして、これらベルト12とローラ31とは、4個の各トナーコンテナ23から供給されたトナーを用い、トナー像を用紙に転写するためのニップ部を形成させる。
【0025】
また、用紙搬送方向で見て転写部30の下流側には、定着部32、排出分岐部34及びトレイ36が順番に配置されている。
本実施例では、転写部30と手差しトレイ3との間に両面印刷ユニット38が形成されている。このユニット38は、排出分岐部34から装置本体2の前面側で分岐して下方に向けて延び、レジストローラ14の上流側に連結している。
【0026】
ここで、本実施例のクリーニング部50は、図3に示されるように、ドラム18の回転方向で視て中間転写ローラ13との転写位置の下流側にて、画像領域用クリーニングブレード(クリーニング部材)52、摺擦ローラ56、両端用クリーニングブレード58やトナー回収部80を有する。
このローラ56は、図示しない駆動モータによって同図の反時計回りに駆動し、トナー像が転写された後の画像形成面76をトレール方向で摺擦研磨する。
【0027】
これにより、このローラ56は、画像形成面76の非晶質シリコン系の層に付着する残留トナーなどを除去する。
画像領域用クリーニングブレード52は、ハウジング47に固定される亜鉛鋼板の本体や、この本体に熱溶着されたポリウレタンゴム製のブレード部からなり、ドラム18の回転方向で視てローラ56の下流側にて、ドラム18の回転軸線に沿って配置されており(図3〜5)、このブレード部がカウンタ方向で接し、画像形成面76に付着した残留トナーなどを掻き取っている。なお、この図4,5では摺擦ローラ56やトナー回収部80の図示を省略している。
【0028】
これら画像領域用クリーニングブレード52や摺擦ローラ56によって画像形成面76から掻き取られた残留トナーは、トナー回収部80のケーシング81に溜まり(図3)、ドラム18の回転軸線方向に沿って延びたスクリュー88によって搬送され、図示しない回収容器に集められる。
なお、画像領域用クリーニングブレード52の長手方向の両側には、フェルトやスポンジのサイドシール部材74がそれぞれ設けられており(図3〜5)、このブレード52の掻き取りによって飛散した残留トナーを吸着している。
【0029】
ところで、上述した画像形成面76は、図3の中間転写ベルト12側から視ると、図4にて矢印で示された領域であり、図3のトナー回収部80側から視ると、図5にて矢印で示された領域であり、その外側には非画像形成面78,78がドラム18の全周に亘って存在し、上記のサイドシール部材74は非画像形成面78に対峙している。
【0030】
一方、この図4に示されるように、現像ローラ25とドラム18とのギャップは、この現像ローラ25に設けられ、ドラム18に連れ回るギャップ規制コロ(規制部)26と非画像形成面78との接触によって設定される。
つまり、非画像形成面78のうち図4に点線で示された領域は、規制コロ26に接する箇所になり、当該箇所にもトナーを付着させないための工夫が必要になる。
【0031】
そこで、本実施例ではサイドシール部材74に、フッ素オイル、又はフッ素オイルと固形潤滑剤との混合物を含浸している。なお、この固形潤滑剤にはポリテトラフルオロチレン(PTFE)が用いられる。
これにより、非画像形成面78には、サイドシール部材74を介して、フッ素オイルのみ、又はフッ素オイルとPTFEとの混合物が塗布されており、この塗布された潤滑性付与面79が形成されている。
【0032】
さらに、本実施例では両端用クリーニングブレード58,58を設け、非画像形成面78,78に付着したトナーをそれぞれ掻き取り可能にしている。
具体的には、図2に示されるように、本実施例のブレード58は、板ばね材として使用されるステンレス製のホルダー60と、ポリウレタンゴム製のブレード部70とで構成されている。
【0033】
このホルダー60は、その長手方向が中間転写ベルト12の移動方向に沿って延びており、ブレード部70は接着剤等を用いることなくカシメによりホルダー60に固定されている。これにより、ブレード部70の先端部分は、ドラム18の回転方向で視て上記転写位置よりも下流側の適宜位置にて、非画像形成面78にカウンタ方向で接するため、仮に、トナーが非画像形成面78に付着しても除去可能になる。
【0034】
上記ドラムユニット17を搭載したプリンタ1が印刷を行う際は、カセット4からローラ46により用紙が1枚ずつ分離して送出される。送出された用紙はレジストローラ14に到達する。このローラ14は、用紙の斜め送りを矯正しつつ、画像形成部16で形成されるトナー画像との画像転写タイミングを計りながら、用紙を所定の給紙タイミングにて転写部30へと送出する。
【0035】
一方、各感光体ドラム18に対しては、まず、各イレーサランプ19が点灯し(図3)、帯電器20がドラム18の画像形成面76をそれぞれ帯電する。次いで、露光器15が画像形成面76にレーザ光をそれぞれ照射すると、各画像形成面76には静電潜像が作られ、この静電潜像から各色のトナー像が形成される。
【0036】
各トナー画像は転写部30にて用紙に転写される。なお、トナー像の形成時などに非画像形成面78に飛散したトナーや、画像形成面76に残留したトナーはクリーニング部50で除去される。
その後、用紙は未定着トナー画像を担持した状態で定着部32に向けて送られ、この定着部32にて加熱及び加圧され、トナー像が定着される。次いで、定着部32から送出された用紙は排出ローラ35を介して排紙トレイ36に排出され、高さ方向に積層される。
【0037】
この片面印刷に対し、両面印刷を行う場合には、定着部32から排出された用紙は、排出分岐部34でその搬送方向が切り替えられる。つまり、片面に印刷された用紙は装置本体2内に引き戻され、両面印刷ユニット38に搬送される。続いて、この用紙はレジストローラ14の上流側に向けて送出され、転写部30に向けて再び送られる。これにより、用紙の未だ印刷がされていない方の面にトナー像が転写される。
【0038】
以上のように、本実施例によれば、ドラムユニット17の感光体ドラム18では、画像形成面76に潜像を形成し、この潜像がトナーで現像されてトナー像を形成されるが、この画像形成面76よりも外側の非画像形成面78はギャップ規制コロ26に当接されており、現像ローラ25とのギャップが設定されている。
【0039】
ここで、この非画像形成面78には現像ローラ25からのトナーが飛散して付着するし、画像形成面76を画像領域用クリーニングブレード52で清掃すると、残留トナーが非画像形成面78に飛散し得ることがあり、規制コロ26と非画像形成面78との間に飛散したトナーが入り込んで、現像器24とドラム18とのギャップが設定値よりも大きくなり、濃度低下や濃度ムラを用紙に生じさせる。そのため、この非画像形成面78にトナーを付着しないようにする必要がある。
【0040】
そこで、この非画像形成面78に対し、フッ素オイルを、又はこのフッ素オイルとPTFEとの混合物を塗布した潤滑性付与面79が形成すれば、トナーは潤滑性付与面79からはじかれ、非画像形成面78へのトナーの付着を防止できる。この結果、現像器24とドラム18とのギャップが当初の設定値で維持可能になる。
【0041】
また、潤滑性付与面79の他、カウンタ方向で非画像形成面78に当接する両端用クリーニングブレード58を備えていれば、非画像形成面78へのトナーの付着をより一層確実に防止できるし、また、ブレード部70が潤滑性付与面79にも当接するので、従来の如くの感光体ドラムとブレード部との接触に伴うブレード鳴きも生じない。
【0042】
さらに、このブレード部70は、ホルダー60にカシメのみで固定されているので、製造工数が少なくて済むし、ホルダー60の長手方向が、ドラム18の回転方向で視て転写位置の下流側にて、中間転写ベルト12の移動方向に沿って延びていることから、転写位置の上側のスペースも少なくて済む。
さらにまた、画像領域用クリーニングブレード52が画像形成面76の残留トナーを清掃すると、この両側に設けられたサイドシール部材74では、画像形成面76から非画像形成面78に飛散した残留トナーを吸着できる。
【0043】
ここで、サイドシール部材74は非画像形成面78に接触しているので、このサイドシール部材74に対してフッ素オイル、又はフッ素オイルとPTFEとの混合物を含浸すれば、既存の構造を用いて非画像形成面78へのトナーの付着を防止できるし、しかも、ドラムユニット17の製造時点において、フッ素オイル、又はフッ素オイルとPTFEとの混合物をサイドシール部材74に含浸するだけでメンテナンスフリーになり、ユニット17の長寿命化に寄与する。
【0044】
また、a−Siドラムは長寿命であるとの長所を有するが、上記の潤滑性付与面79を備えていれば、この感光体ドラムの特性を長期間に亘って維持可能になり、この長所を確実に活かすことができる。
さらに、上述したドラムユニット17を搭載すれば、良好な画像形成が長期間に亘って行われるため、プリンタ1の信頼性向上に寄与する。
【0045】
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施例では、トナー像が転写位置にて中間転写ベルトに転写しているものの、このトナー像は、転写位置で用紙に転写するものであっても良い。
【0046】
また、この実施例では画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているが、本発明の画像形成装置は、複合機、複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、非画像形成面へのトナーの付着を確実に防止できるとの効果を奏する。
【符号の説明】
【0047】
1 プリンタ(画像形成装置)
12 中間転写ベルト(媒体)
17 ドラムユニット
18 感光体ドラム
24 現像器
25 現像ローラ
26 ギャップ規制コロ(規制部)
50 クリーニング部
52 画像領域用クリーニングブレード(クリーニング部材)
58 両端用クリーニングブレード
60 ホルダー
70 ブレード部
74 サイドシール部材
76 画像形成面
78 非画像形成面
79 潤滑性付与面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その駆動によって画像形成面に潜像を形成し、該潜像がトナーで現像されてトナー像を形成するドラムユニットであって、
前記画像形成面よりも外側の非画像形成面にて、現像器側との隙間を設定する規制部に当接される感光体ドラムと、
前記非画像形成面に形成されており、フッ素オイルが、又は該フッ素オイルと固形潤滑剤との混合物が塗布された潤滑性付与面と
を具備することを特徴とするドラムユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のドラムユニットであって、
前記非画像形成面に対峙しており、前記感光体ドラムの回転方向で視て媒体との転写位置の下流側にて前記ユニットに設置されたホルダーと、
該ホルダーに固定されており、前記非画像形成面に付着したトナーを掻き落とし可能なブレード部と
をさらに具備することを特徴とするドラムユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のドラムユニットであって、
前記画像形成面から残留トナーを掻き落とすクリーニング部材と、
該クリーニング部材の長手方向の両側にて前記非画像形成面に接触しており、前記画像形成面から前記非画像形成面に飛散した残留トナーを吸着させるサイドシール部材とをさらに具備し、
該サイドシール部材には、前記フッ素オイルが、又は該フッ素オイルと前記固形潤滑剤との混合物が含浸されていることを特徴とするドラムユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のドラムユニットであって、
前記感光体ドラムは、前記画像形成面に非晶質シリコン系の層を有した感光体ドラムであることを特徴とするドラムユニット。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のドラムユニットを搭載したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−256829(P2010−256829A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109934(P2009−109934)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】