説明

ドリップチャンバの液面調整方法とその液面調整機構

【課題】液面検知センサを必要としない、液面レベル調整前の液面レベルに関係しない、更にはエアフィルタを濡らすことのないドリップチャンバの液面調整方法を提供する。
【解決手段】ドリップチャンバ本体の空気貯留領域に接続されたライン上に狭窄部を設けておき、ポンプによりドリップチャンバの液面を上昇させて、液体がライン上の狭窄部を通過する際に生じる圧力変化を圧力測定手段により検知して、ポンプを停止、または一定時間逆転駆動させるドリップチャンバの液面調整方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体外循環回路用のドリップチャンバの液面調整方法、およびその液面調整機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、体外循環による血液浄化治療で用いられる血液体外循環回路の静脈回路や血液浄化器の上流側には、気泡あるいは血中の凝集物を捕捉するドリップチャンバが接続されている。ドリップチャンバの液面レベルが低いと、空気が患者の体内に注入されて空気塞栓等の重大事故や、空気が血液浄化器に導入されて血液浄化器の目詰まりが発生する恐れがある。
【0003】
そこで、ドリップチャンバの液面レベルを調整する方法がいくつか検討されている。例えば特許文献1には、液面センサで液面レベルを検出し、血液ポンプと二つの開閉弁を駆動させて液面レベルを調整する血液浄化装置が開示されている。特許文献2には、密閉状態にあるドリップチャンバに液体を圧入し、ドリップチャンバ内圧が所定の圧力になったことを検知することによって液面レベルを調整する方法が開示されている。更に特許文献3には、ドリップチャンバの圧力測定ライン上にエアフィルタを接続し、エアフィルタ上流に液面調整ポンプと圧力測定手段を設置し、液面調整ポンプで液体を圧力測定ラインに給液し、液面がエアフィルタに達したことで生じる圧力変化を圧力測定手段で検知する液面検知装置および液面検知方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−57043号公報
【特許文献2】特開平9−164197号公報
【特許文献3】特開2006−263136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明には、液面レベルを調整するために液面検知センサが必要であるが、液面検知センサとして使用される静電容量センサや超音波センサは価格が高い上に、ドリップチャンバからの距離により検出感度が変動するという問題を有する。特に超音波センサはドリップチャンバに接触することが求められるという使用上の難点を有する。特許文献2の発明は、ドリップチャンバの液面レベルをドリップチャンバ内の圧力の関数として把握するので、液面レベル調整前の液面レベルを一定にしないと液面レベルを正確に調整できないという問題がある。また、特許文献3の発明には、液面調整の度に液がエアフィルタに達するため、エアフィルタが濡れてしまうという問題点がある。一度濡れたエアフィルタを再生することは難しく、交換しなければならないが、その際圧力測定ラインを切断する必要があり、無菌的に再接続するのは困難となる。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、液面検知センサを必要としない、液面レベル調整前の液面レベルに関係しない、更にはエアフィルタを濡らすことのないドリップチャンバの液面調整方法を提供することを課題とする。さらに本発明は、該方法を実施するのに適したドリップチャンバの液面調整機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明者等は、ドリップチャンバ本体の空気貯留領域に接続されたライン上の液面レベル検知位置に圧力変化を誘発する部品を設けておけば、ポンプもしくは送液手段により、ドリップチャンバの液面がライン上の液面レベル検知位置に達した時に圧力変化が起こるので、簡便にドリップチャンバの液面調整を行うことができることを見出して本発明に至った。即ち、ドリップチャンバ本体の空気貯留領域に接続されたライン、もしくはドリップチャンバの空気貯留領域に接続された液体導出回路から分岐したライン上に狭窄部を設けておけば、ポンプもしくは送液手段により、ドリップチャンバの液面が上昇し、ライン上の狭窄部を通過する際に圧力変化が生じる。圧力測定手段により、その圧力変化を検知してポンプまたは送液手段を停止させれば、エアフィルタを濡らさず、更には液面レベル調整前のドリップチャンバ内の液体量に影響されない、簡便にドリップチャンバの液面を作成することができる。なお、圧力変化を検知してから、ポンプまたは送液手段を逆転させれば、液面を下げて液面レベルを調整することもできる。すなわち本発明は、以下を含む。
【0008】
(1)体外循環回路の液体導入回路と液体導出回路が連通したドリップチャンバ本体と、当該ドリップチャンバ本体の空気貯留領域に連通するラインを有するドリップチャンバの液面調整方法であって、前記ラインは、内径がラインの他の部分より細い狭窄部を有するものであり、前記液体導出回路を閉塞した状態で、前記ラインにあるポンプを駆動させることにより液体を前記液体導入回路からドリップチャンバ本体を経て、前記ラインに導入するとともに、前記狭窄部より下流の前記ポンプと前記狭窄部に挟まれた前記ラインの区間の圧力を検出し、前記ラインの狭窄部に液体が導入される際に生じる前記区間の所定の速度以上の圧力降下を検出した時に、前記ポンプの駆動を停止又は逆送させて、前記ドリップチャンバ本体内又は前記ライン内の液面を調整することを特徴とする、ドリップチャンバの液面調整方法。
(2)体外循環回路の液体導入回路と液体導出回路が連通したドリップチャンバ本体と、当該ドリップチャンバ本体の空気貯留領域に連通するラインを有するドリップチャンバの液面調整方法であって、前記ラインは、内径がラインの他の部分より細い狭窄部を有するものであり、前記液体導出回路を閉塞手段により閉塞した状態で、前記液体導入回路にある送液手段を駆動させることにより液体を前記液体導入回路からドリップチャンバ本体を経て、前記ラインに導入するとともに、前記狭窄部より上流の前記送液手段と前記閉塞手段に挟まれた体外循環回路の区間の圧力を検出し、前記ラインの狭窄部に液体が導入される際に生じる前記区間の所定の速度以上の圧力上昇を検出した時に、前記送液手段の駆動を停止又は逆送させて、前記ドリップチャンバ本体内又は前記ライン内の液面を調整することを特徴とする、ドリップチャンバの液面調整方法。
(3)前記狭窄部の内径が前記ラインの他の部分の内径の50%以下であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のドリップチャンバの液面調整方法。
(4)前記狭窄部の内径が0.1mm以上であることを特徴とする、(3)に記載のドリップチャンバの液面調整方法。
(5)体外循環回路に設置され、ドリップチャンバ本体に液体導入回路と液体導出回路が連通し、ドリップチャンバ本体の空気貯留領域にラインが連通したドリップチャンバの液面調整機構であって、前記液体導出回路を閉塞する閉塞手段と、前記ラインに設けられたポンプと、前記ドリップチャンバ本体と前記ポンプの間の前記ラインに設けられ、内径が0.1mm以上であって、且つ該ラインの他の部分の内径の50%以下である狭窄部と、前記ラインの前記狭窄部と前記ポンプの間の区間の圧力を測定する圧力測定手段と、を有することを特徴とする、ドリップチャンバの液面調整機構。
(6)体外循環回路に設置され、ドリップチャンバ本体に液体導入回路と液体導出回路が連通し、ドリップチャンバ本体の空気貯留領域にラインが連通したドリップチャンバの液面調整機構であって、前記液体導出回路を閉塞する閉塞手段と、前記液体導入回路に設けられた送液手段と、前記ラインに設けられ、内径が0.1mm以上であって、且つ該ラインの他の部分の内径の50%以下である狭窄部と、前記送液手段と前記閉塞手段に挟まれた体外循環回路の区間の圧力を測定する圧力測定手段と、を有することを特徴とする、ドリップチャンバの液面調整機構。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、液面がドリップチャンバ本体の空気貯留領域に連通するラインの狭窄部を通過する際の圧力変化を検知することにより、簡便にドリップチャンバの液面レベルを調整することができる。さらに、本発明に係るドリップチャンバの液面調整方法によれば、ドリップチャンバの液面調整専用の液面検知センサは不要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本実施の形態におけるドリップチャンバは、体外循環回路に設置されており、その体外循環回路の液体導入回路と液体導出回路が連通したドリップチャンバ本体と、当該ドリップチャンバ本体の空気貯留領域に連通するラインを有している。
【0011】
本実施の形態における体外循環回路は、例えば血液、血漿、リンパ液、腹水、尿等の体液、もしくは透析液等の治療液や生理食塩水を循環させるための導管であり、血液ろ過療法、血液透析療法、血液ろ過透析療法、持続的血液透析療法、持続的血液ろ過療法、持続的血液ろ過透析療法、血漿交換療法、血漿吸着療法、二重ろ過血漿交換療法、血液吸着療法、血球成分除去療法、腹水ろ過濃縮再静注療法、経皮的心肺補助等の体外循環療法等で用いられる回路である。回路の素材には、例えば塩化ビニル、シリコンゴム、オレフィン系樹脂等が使用でき、中でも軟質塩化ビニルが好んで用いられる。一般的な回路の径は、内径0.5〜10mm、厚さ0.2〜3mm程度である。この回路には、例えばドリップチャンバ、ポンプ用チューブ、コネクタ、三方活栓、圧力測定用分岐チューブ、抗凝固剤注入用接続口、補液接続口、プライミング液接続口、ろ液排出用チューブ、一時的体液貯留容器、外付けのクランプ、体液のサンプリングポートなどの部品を必要に応じて付属させることができる。
【0012】
本実施の形態におけるドリップチャンバ本体は、液体を貯留して空気と液体を分離させるための容器であり、体外循環回路に付属している。なお、空気と液体を分離させた空気側をドリップチャンバ本体の空気貯留領域といい、液体側をドリップチャンバ本体の液体貯留領域という。ドリップチャンバ本体は、液体をドリップチャンバ内に導入するための液体導入回路と液体をドリップチャンバから導出するための液体導出回路の少なくとも二つの回路に連通し、さらに圧力を測定するためラインに連通している。また、ドリップチャンバ本体は、薬液を注入する為の回路などに連通していてもよい。ドリップチャンバ本体の素材には、例えば塩化ビニル、シリコンゴム、オレフィン系樹脂等が使用でき、中でも軟質塩化ビニルが好んで用いられる。
【0013】
本実施の形態における狭窄部は、ラインの一部に形成され、内径をラインの他の部分より細径とし、流通抵抗を増大させた箇所である。ここで、ラインの内径は通常0.5〜10mmである。狭窄部内径が0.1mm未満になると微小なゴミが詰まってしまい、回路を閉塞させてしまうので好ましくない。逆に狭窄部内径が太くなり過ぎても流通抵抗が低下しすぎて、その結果、発生する圧力変化が小さくなり検知の精度が低下するので好ましくない。そのため、狭窄部の内径は、0.1mm以上であって、且つラインの他の部分の内径の50%以下であることが好ましい。
【0014】
あるいはラインの一部を外部から圧迫して扁平化することによって、細径と同等の流量抵抗となるように、狭窄部を形成しても良い。ラインの圧迫の手段としては、ローラークランプ、ロバートクランプおよびピンチバルブが例示される。
【0015】
本実施の形態におけるラインは、例えば体外循環回路のドリップチャンバ本体から分岐する圧力測定に用いられる導管であり、ドリップチャンバ本体の空気貯留領域に直接或いは間接的に連通している。ラインの体外循環回路からの分岐の仕方は、直接、あるいは、例えばドリップチャンバ、T字管、十字管、三方活栓のような部品を通じて枝分かれすることができ、体外循環回路から枝分かれしてさえいれば、その手段を問わない。
【0016】
本実施の形態における閉塞手段は、回路を狭むなどして閉塞できる手段であり、ピンチバルブ、ローラークランプ、ロバートポンプもしくは回転式チューブポンプ等が例示できる。中でもピンチバルブと回転式チューブポンプは制御手段からの電気出力で、開閉を制御し易いので推奨できる。
【0017】
本実施の形態におけるポンプは、ドリップチャンバに対して空気を出し入れできる手段であり、エアーポンプ、回転式チューブポンプ(ローラーポンプ)が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
本実施の形態における送液手段は、体外循環回路内の液体を送液できる手段であり、エアーポンプ、回転式のチューブポンプ(ローラーポンプ)、落差等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本実施の形態における圧力測定手段は、例えば−500mmHg〜500mmHg程度の圧力を測定する手段であり、半導体圧力センサ、ブルドン管、マノメータ等が例示できる。中でも半導体圧力センサは、電気出力として圧力データを得ることができ、ポンプ、バルブ等を制御し易いので推奨できる。
【0020】
図1、図3に、体外循環回路を有する血液浄化装置のドリップチャンバの液面調整機構の説明図を示す。
【0021】
ドリップチャンバ本体5aには、液体導入回路2aと液体導出回路1aが連通し、ドリップチャンバ本体5aの上部の空気貯留領域には、送気可能なポンプ12aを備えたライン3aが連通している。ポンプ12aとドリップチャンバ本体5aとの間のライン3aには、圧力測定手段11aが接続されている。また、前記液体導出回路1a上には、閉塞手段13aが設置されている。ポンプ12aとドリップチャンバ本体5aとの間のライン3aには、狭窄部4aが形成されている。更に、圧力測定手段11a、ポンプ12aおよび閉塞手段13aは、制御手段10に接続されている。上記の構成において、液体導出回路1a上に設置した閉塞手段13aにより、同回路が閉塞された状態で、ライン3a上に設置したポンプ12aを駆動させ、液体導入回路2aからドリップチャンバ本体5aに液体を導入し、更にライン3aへ給液する。このとき、圧力測定手段11aにより、ライン3aの狭窄部4aより下流のポンプ12a側の区間の圧力を測定する。そして、ライン3a上の狭窄部4aを液面が通過する際の上記区間の圧力降下を、圧力測定手段11aが検出した時に、同圧力測定手段11aと電気的につながっている制御手段10がポンプ12aを停止させることで、液面レベルをライン3aの狭窄部4aの位置に調整することができる。また、圧力測定手段11aが圧力降下を検出した時に、制御手段10がポンプ12aを一定時間逆転駆動させることにより、ライン3aに空気を送り込んで、ドリップチャンバ本体5a内の所望の位置に液面レベルを調整することもできる。
【0022】
なお、液体導出回路1aと液体導入回路2a上には、血液浄化治療を行う上で必要なドリップチャンバ、ポンプ用チューブ、コネクタ、三方活栓、圧力測定用分岐チューブ、抗凝固剤注入用接続口、補液接続口、プライミング液接続口、ろ液排出用チューブ、一時的体液貯留容器、外付けのクランプ、体液のサンプリングポートなどの部品や、その他の圧力測定手段、送液手段、液面調整用のポンプ、閉塞手段や血液処理器を接続していても良い。なお、ライン3a上に、エアフィルタ6を設置してもよい。エアフィルタ6は特に限定しないが、体外循環回路内に雑菌が混入するのを防ぐために用いられるフィルタであり、孔径は0.45μm以下の疎水性膜を用いたメンブレンフィルタが好ましい。また、液体導出回路1aと液体導入回路2aは、ドリップチャンバ本体5aの下部の液体貯留領域、上部の空気貯留領域のどちら側に接続されていてもよい。
【0023】
図2、図4は、図1(または図3)の狭窄部4aがライン3aの途中ではなく、ドリップチャンバ本体5aの空気貯留領域側との接続部に形成され、狭窄部4aがドリップチャンバ本体5aに直接接続されている例を示す図である。この場合も、液体導出回路1aが同回路上に設置した閉塞手段13aにより閉塞された状態で、ポンプ12aを駆動させ、液体を液体導入回路2a、ドリップチャンバ本体5a、更にはライン3a上の狭窄部4aへと給液する。そして、狭窄部4aを液面が通過する際の圧力降下を圧力測定手段11aが検知した時に、ポンプ12aを停止または逆回転させることで、ドリップチャンバ本体5a内又はライン3a内の液面レベルを調整できる。
【0024】
図5は、液体導出回路1aがドリップチャンバ本体5aの空気貯留領域に接続され、更には、ライン3aが液体導出回路1aから分岐している例を示す説明図である。この場合も、液体導出回路1aが同回路上に設置した閉塞手段13aにより閉塞された状態で、ライン3a上に設置したポンプ12aを駆動させ、液体を液体導入回路2a、ドリップチャンバ本体5a、液体導出回路1a、更にはライン3a上の狭窄部4aへと給液する。そして、狭窄部4aを液面が通過する際の圧力降下を、ライン3aのもう一方にエアフィルタ6を介して接続された圧力測定手段11aが検出した時に、同圧力測定手段11aと電気的につながっている制御手段10がポンプ12aを停止または一定時間逆転駆動させることで、ドリップチャンバ本体5a内又はライン3a内の液面レベルを調整することができる。なお、液体導入回路2aは、ドリップチャンバ本体5aの液体貯留領域、空気貯留領域のどちら側に接続されていてもよい。
【0025】
図6は、図5の狭窄部4aがライン3aの途中ではなく、ライン3aと液体導出回路1aとの接続部に形成されている例を示す図である。この場合も、図5と同様に、ドリップチャンバ本体5a内又はライン3a内の液面レベルを調整することができる。
【0026】
図7、図9に、体外循環回路を有する血液浄化装置のドリップチャンバの液面調整機構に関する別の説明図を示す。ドリップチャンバ本体5aには、液体導入回路2aと液体導出回路1aが連通し、ドリップチャンバ本体5aの空気貯留領域には、大気開放バルブ14aと圧力測定手段11aを備えたライン3aが連通している。また、前記液体導出回路1a上には、閉塞手段13aが設置されている。液体導入回路2aには、ライン3bが連通し、当該ライン3bには、液体導出回路1aとドリップチャンバ本体5aと液体導入回路2aとを含む体外循環回路の、狭窄部4aより上流の送液手段15aと閉塞手段13aに挟まれた閉塞区間内の圧力を測定する圧力測定手段11bが接続されている。更に、圧力測定手段11a,11b、送液手段15a、大気開放バルブ14a、および閉塞手段13aは制御手段10に接続されている。上記の構成において、液体導出回路1aが同回路上に設置した閉塞手段13aにより閉塞され、ライン3aが同ライン上の大気開放バルブ14aにより開放された状態で、液体導入回路2a上に設置した送液手段15aを駆動させ、液体導入回路2aからドリップチャンバ本体5a本体に液体を導入し、更にライン3aへ給液する。そして、ライン3a上の狭窄部4aを液面が通過する際の圧力上昇を、圧力測定手段11bが検出し、同圧力測定手段11bと電気的につながっている制御手段10が送液手段15aを停止させることで、ライン3aの狭窄部4a内に液面を調整できる。またこの際、送液手段15aを一定時間逆転駆動させて、ライン3aおよびドリップチャンバ本体5aから液体を排出し、ドリップチャンバ本体5a内の液面レベルを調整することもできる。なお、ライン3a、3b上に、エアフィルタ6を設置してもよい。液体導出回路1aと液体導入回路2aは、ドリップチャンバ本体5aの液体貯留領域、空気貯留領域のどちら側に接続されていてもよい。
【0027】
図8、10は、図7(または図9)の狭窄部4aがライン3aの途中ではなく、ライン3aのドリップチャンバ本体5aの空気貯留領域との接続部に形成され、ドリップチャンバ本体5aに直接接続された例を示す図である。この場合も、液体導出回路1aが同回路上に設置した閉塞手段13aにより閉塞され、ライン3aが同回路上に設置した大気開放バルブ14aにより開放された状態で、送液手段15aにより、液体を液体導入回路2a、ドリップチャンバ本体5a、更にはライン3a上の狭窄部4aへと給液する。そして、狭窄部4aを液面が通過する際の圧力上昇を、圧力測定手段11bが検知した時に、送液手段15aを停止または逆回転させることで、ドリップチャンバ本体5a内又はライン3a内の液面レベルを調整できる。
【0028】
図11は、液体導出回路1aがドリップチャンバ本体5aの空気貯留領域に接続され、更には、ライン3aが液体導出回路1aから分岐している例を示す図である。この場合も、液体導出回路1aが同回路上に設置された閉塞手段13aにより閉塞され、ライン3aが同回路上に設置した大気開放バルブ14aにより開放された状態で、液体導入回路2a上に設置した送液手段15aを駆動させ、液体導入回路2aからドリップチャンバ本体5a、液体導出回路1a、更にはライン3a上の狭窄部4aへと液体を給液する。そして、ライン3a上の狭窄部4aを液面が通過する際の圧力上昇を、圧力測定手段11bが検出し、同圧力測定手段11bと電気的につながっている制御手段10が送液手段15aを停止、または一定時間逆転駆動させることで、ドリップチャンバ本体5a内又はライン3a内の液面レベルを調整することができる。なお、液体導入回路2aは、ドリップチャンバ本体5aの液体貯留領域、空気貯留領域のどちら側に接続されていてもよい。
【0029】
図12は、図11の狭窄部4aがライン3aの途中ではなく、ライン3aと液体導出回路1aとの接続部に形成されている例を示す図である。この場合も、図11と同様に、ドリップチャンバ本体5a内又はライン3a内の液面レベルを調整することができる。
【0030】
図13は、本発明の実施態様の一つとして持続的血液ろ過透析療法の例を示すものである。血液浄化装置150は、制御手段10と電気的に接続されている血液ポンプ(送液手段)115a、ろ過ポンプ(送液手段)115b、透析液ポンプ(送液手段)115c、補液ポンプ(送液手段)115d、クランプバルブ113、圧力センサ111a〜111c、ポンプ112a、112bを有している。体外循環回路の血液浄化器120の上流側には、動脈回路下流側101a、動脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105a、動脈回路上流側102aが接続され、更に動脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105aの空気貯留領域には、狭窄部104aを有する動脈圧測定用ライン103aが接続されている。血液浄化器120の下流側には、静脈回路上流側102b、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105b、静脈回路下流側101bが接続され、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105bの空気貯留領域には、狭窄部104bを有する静脈圧測定用ライン103bが接続されている。また、静脈回路上流側102bからは補液回路132が分岐している。血液浄化器120のろ過側には、ろ過回路130が接続され、更には、ろ過回路130からはろ過圧測定用ライン103cが分岐している。血液浄化器120の透析液側には、透析液回路131が接続されている。そして、動脈回路上流側102a上に血液ポンプ115aが配置され、ろ過回路130のろ過圧測定用ライン103c分岐部の血液浄化器120とは反対側にろ過ポンプ115bが配置され、透析液回路131上に透析ポンプ115cが配置され、補液回路132上に補液ポンプ115dが配置され、静脈回路下流側101bにクランプバルブ113が配置されている。更に動脈圧測定用ライン103aには、エアフィルタ6を介して圧力センサ111aとポンプ112aが配置され、静脈圧測定用ライン103bには、エアフィルタ6を介して圧力センサ111bとポンプ112bが配置され、ろ過圧測定用ライン103aには、図示しないエアフィルタを介して圧力センサ111cが接続されている。なお、必要に応じてポンプ112a,112bの大気側には、エアフィルタを接続しても良い。
【0031】
以上が血液浄化装置150の構成であるが、血液回路に付随するポンプ類やチャンバ等の仕様については特に限定する必要はなく、体外循環療法において一般的に用いられるものであれば何でもよい。また、抗凝固剤の注入回路やサンプリングポート等、体外循環回路で当然に用いられる付随品については図示しないが、それぞれ適宜配置すればよい。
【0032】
続いて、上記構成を有する図13の血液浄化装置150により静脈ドリップチャンバの液面レベルを調整する方法の一例を説明する。
【0033】
初期状態では、血液ポンプ115aが配置されている動脈回路上流側102a、ろ過ポンプ115bが配置されているろ過回路130、透析液ポンプ115cが配置されている透析液回路131、補液ポンプ115dが配置されている補液回路132、ポンプ112aが接続されている動脈圧測定用ライン103a、およびポンプ112bが接続されている静脈圧測定用ライン103bは、各ポンプ115a〜115c、112a、112bを停止状態にすることによって回路の一部が閉塞されている。つまり、各ポンプ115a〜115c、112a、112bは、回路を一時的に遮断する閉塞手段として作用している。更に、クランプバルブ113は回路内に液体を供給する為に開放されている。前記初期状態から、ポンプ112bを駆動させ、静脈回路下流側(液体導入回路)101b、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105b、更には静脈圧測定用ライン(ライン)103b上の狭窄部104bへと給液する。そして、狭窄部104b を液面が通過する際の圧力降下を、圧力センサ(圧力測定手段)111bが検知した時に、ポンプ112b を停止させることで、ライン103bの狭窄部104bの位置に液面を調整できる。また必要に応じてポンプ112bを一定時間逆転駆動させて、静脈圧測定用ライン103bに空気を送り込み、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105b内 の液面を下げて液面レベルを調整しても良い。
【0034】
また、図13の血液浄化装置150により動脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105aの液面レベルを調整する場合は、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105bの場合と同様の初期状態から、ポンプ112aを駆動させ、静脈回路下流側101b、静脈ドリップチャンバ本体105b、静脈回路上流側102b、血液浄化器120、動脈回路下流側(液体導入回路)101a、動脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105a、更には動脈圧測定用ライン(ライン)103a上の狭窄部104aへと液体を給液する。そして、狭窄部104aによる圧力降下を圧力測定手段111aが検知した時に、ポンプ112aを停止または逆転させることで、動脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105a内又はライン103a内の液面レベルを調整することができる。
【0035】
図14は、図13のポンプ112aを大気開放バルブ114aに、ポンプ112bを大気開放バルブ114bに変更した場合の図である。なお、必要に応じて大気開放バルブの大気側には、エアフィルタを接続しても良い。
【0036】
続いて、図14の血液処理装置150により静脈ドリップチャンバ本体105bの液面を調整する方法について説明する。初期状態では、血液ポンプ115a、ろ過ポンプ115b、透析液ポンプ115c、補液ポンプ115dは停止しており、前記ポンプが配置されている回路の一部は閉塞されている。更にクランプバルブ113、大気開放バルブ114a、114bは閉塞し、回路の一部を遮断している。前記初期状態から、大気開放バルブ114bを開放した状態で、血液ポンプ115a、ろ過ポンプ115b、透析液ポンプ115c、補液ポンプ115dのいずれかもしくはそれらのポンプを組み合わせて駆動させ、静脈回路上流側(液体導入回路)102b、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105b、更には静脈圧測定用ライン103bへと給液する。そして、静脈圧測定用ライン103b上の狭窄部104bを液面が通過する際の圧力上昇を、圧力測定手段111a、または圧力測定手段111cが検知した時に、駆動させていたポンプを停止させることで、静脈圧測定用ライン103bの狭窄部104bに液面を調整することができる。また必要に応じて、いずれかのポンプを一定時間逆転させることで、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105b内の液面レベルを調整するこができる。
【0037】
また、図14の血液浄化装置150により動脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105aの液面レベルを調整する場合は、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)105bの場合と同様の初期状態から、大気開放バルブ114aを開放し、血液ポンプ115a、ろ過ポンプ115b、透析液ポンプ115c、補液ポンプ115dのいずれかもしくはそれらのポンプを組み合わせて駆動させ、動脈回路上流側102aもしくは動脈回路下流側101aを経て、動脈ドリップチャンバ本体105a、更には動脈圧測定ライン103aの狭窄部104aへと給液する。そして、動脈圧測定ライン103a上の狭窄部104aを液面が通過する際の圧力上昇を圧力測定手段111b、または圧力測定手段111cが検知した時に、駆動させていたポンプを停止することで、動脈圧測定ライン103aの狭窄部104aに液面を調整できる。また必要に応じて、いずれかのポンプを一定時間逆転させることで、動脈ドリップチャンバ本体105a内の液面レベルを調整するこができる。
【0038】
次に、狭窄部を液面が通過する際の圧力変化について述べる。この圧力変化の速度は、狭窄部を通過する液面の速度(液面調整用のポンプ、送液手段の流量)、狭窄部の内径と長さ、狭窄部の下流側(液の供給側)の内径によって変わるため、液面を検知する圧力変化速度は、適宜実験的に確認し、決定すればよい。以下に、その一例を記載する。
【0039】
図16は、血球成分除去療法のプライミングを模擬した試験系である。血液浄化器250は、制御手段210と電気的に接続されている血液ポンプ215、圧力測定手段211、ポンプ212を有している。血液浄化器220の上流側には、動脈回路201が接続され、同回路上には動脈ドリップチャンバ205aが配置されている。血液浄化器220の下流側には、プライミング液貯留バック216に繋がる静脈回路202が接続され、同回路上には静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)205bが配置されている。また、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)205bの空気貯留領域には、静脈圧力測定用ライン203に接続された狭窄部204が直接接続されている。そして、動脈回路201上には、血液ポンプ215が配置され、静脈圧測定用ライン203には、エアフィルタ6を介して圧力測定手段211とポンプ212が接続されている。なお、液体導出回路に相当する動脈回路201(全長1500mm)、液体導入回路に相当する静脈回路202(全長1600mm)および静脈圧力測定用ライン203 (全長200mm)は、内径3.4mmの塩化ビニルチューブ、狭窄部204(全長20mm)は、内径0.8mmの塩ビチューブ、動脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)205a(容量10cc)、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)205b(容量10cc)は、塩化ビニル製、血球成分除去器220には、セルソーバEX(旭化成クラレメディカル社製)、血液ポンプ215とポンプ212は、停止時にチューブを挟持して回路内圧を保持できる回転式チューブポンプ、圧力測定手段211は半導体センサを用いている。
【0040】
図15は、図16の試験系において、血液ポンプ215を停止させ、動脈回路201を閉塞した状態で、ポンプ212を40mL/minの流量で駆動させて、生理食塩水をプライミング液貯留部バック216から、静脈回路202、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)205b、更には狭窄部204へと給液した場合の圧力測定手段211の測定値である。静脈回路202は、圧力測定手段211より400mm高い位置のプライミング液貯留バック216からUの字を描くようにして静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)205bの液体貯留領域側に接続されているため、静脈回路202を液面が通過する時の圧力は図15の静脈回路充填期間のように変化する。静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)205bを充填している時は、同チャンバの液面レベルが徐々に上昇しているため、同図の静脈ドリップチャンバ充填期間のように約−0.2mmHg/秒と緩やかに変化する。そして、生理食塩水の液面が狭窄部204を通過する時には、同図の液面到達点以降のように狭窄部204の流通抵抗により、約−25mmHg/秒の急激な圧力降下が生じる。この試験系の場合、液面が狭窄部204を通過する際には、それ以前の静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)205bの充填期間と比べると、圧力変化速度が100倍以上となるため、例えば、−2mmHg/秒以下の圧力降下を検知した場合に、ポンプ212を停止または一定時間逆転させることで、静脈ドリップチャンバ本体(ドリップチャンバ本体)205b内又は静脈圧力測定用ライン203の狭窄部204内の液面レベルを調整できる。なお、例えば静脈回路202側から送液手段を用いて生理食塩水を供給し、狭窄部204よりも送液手段側の圧力を測定した場合には、生理食塩水の液面が狭窄部204を通過する際に急激な圧力上昇が検出される。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の体外循環回路用ドリップチャンバの液面調整機構は、血液ろ過療法、血液透析療法、血液ろ過透析療法、持続的血液透析療法、持続的血液ろ過療法、持続的血液ろ過透析療法、血漿交換療法、血漿吸着療法、二重ろ過血漿交換療法、血液吸着療法、血球成分除去療法、腹水ろ過濃縮再静注療法、経皮的心肺補助療法等の体外循環療法を行う血液浄化装置の体外循環回路のドリップチャンバとして好適に使用することができる。また、本発明の体外循環回路用ドリップチャンバの液面調製方法は、前記血液浄化装置の体外循環回路のドリップチャンバの液面調製方法として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施の形態に係る液面調整機構の説明図である。
【図2】本実施の形態に係る別の液面調整機構の説明図である。
【図3】本実施の形態に係る別の液面調整機構の説明図である。
【図4】本実施の形態に係る別の液面調整機構の説明図である。
【図5】本実施の形態に係る別の液面調整機構の説明図である。
【図6】本実施の形態に係る別の液面調整機構の説明図である。
【図7】本実施の形態に係る別の液面調整機構の説明図である。
【図8】本実施の形態に係る別の液面調整機構の説明図である。
【図9】本実施の形態に係る別の液面調整機構の説明図である。
【図10】本実施の形態に係る別の液面調整機構の説明図である。
【図11】本実施の形態に係る別の液面調整機構の説明図である。
【図12】本実施の形態に係る別の液面調整機構の説明図である。
【図13】本実施の形態の液面調整方法を実施し得る持続的血液ろ過透析療法の模式図である。
【図14】本発明の液面調整方法を実施し得る持続的血液ろ過透析療法の別の模式図である。
【図15】図16の試験系で確認した液面が狭窄部に到達した場合の圧力推移を示すグラフである。
【図16】液面が狭窄部に到達した場合の圧力推移を確認した試験系の模式図である。
【符号の説明】
【0043】
1a…液体導出回路
2a…液体導入回路
3a,3b…ライン
4a…狭窄部
5a…ドリップチャンバ本体
6…エアフィルタ
10…制御手段
11a,11b…圧力測定手段
12a…ポンプ
13a…閉塞手段
14…大気開放バルブ
15a・・・送液手段
101a・・・動脈回路下流側
101b・・・静脈回路下流側
102a・・・動脈回路上流側
102b・・・静脈回路上流側
103a・・・動脈圧測定用ライン
103b・・・静脈圧測定用ライン
103c・・・ろ過圧測定用ライン
104a,b・・・狭窄部
105a・・・動脈ドリップチャンバ本体
105b・・・静脈ドリップチャンバ本体
111a〜111c・・・圧力測定手段
112a,112b・・・ポンプ
113・・・閉塞手段
114a,114b・・・大気開放バルブ
115a・・・血液ポンプ(送液手段、閉塞手段)
115b・・・ろ過ポンプ(送液手段、閉塞手段)
115c・・・透析液ポンプ(送液手段、閉塞手段)
115d・・・補液ポンプ(送液手段、閉塞手段)
120・・・血液浄化器
130・・・ろ過回路
131・・・透析回路
132・・・補液回路
150・・・血液浄化装置
201・・・動脈回路(液体導入回路、液体導出回路)
202・・・静脈回路(液体導入回路、液体導出回路)
203・・・静脈圧測定用ライン
204・・・狭窄部
205a・・・動脈ドリップチャンバ本体
206a・・・静脈ドリップチャンバ本体
210・・・制御手段
211・・・圧力測定手段
212・・・ポンプ
215・・・血液ポンプ(送液手段、閉塞手段)
216・・・プライミング液貯留バック
220・・・血液浄化器
250・・・血液浄化装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体外循環回路の液体導入回路と液体導出回路が連通したドリップチャンバ本体と、当該ドリップチャンバ本体の空気貯留領域に連通するラインを有するドリップチャンバの液面調整方法であって、
前記ラインは、内径がラインの他の部分より細い狭窄部を有するものであり、
前記液体導出回路を閉塞した状態で、前記ラインにあるポンプを駆動させることにより液体を前記液体導入回路からドリップチャンバ本体を経て、前記ラインに導入するとともに、前記狭窄部より下流の前記ポンプと前記狭窄部に挟まれた前記ラインの区間の圧力を検出し、
前記ラインの狭窄部に液体が導入される際に生じる前記区間の所定の速度以上の圧力降下を検出した時に、前記ポンプの駆動を停止又は逆送させて、前記ドリップチャンバ本体内又は前記ライン内の液面を調整することを特徴とする、ドリップチャンバの液面調整方法。
【請求項2】
体外循環回路の液体導入回路と液体導出回路が連通したドリップチャンバ本体と、当該ドリップチャンバ本体の空気貯留領域に連通するラインを有するドリップチャンバの液面調整方法であって、
前記ラインは、内径がラインの他の部分より細い狭窄部を有するものであり、
前記液体導出回路を閉塞手段により閉塞した状態で、前記液体導入回路にある送液手段を駆動させることにより液体を前記液体導入回路からドリップチャンバ本体を経て、前記ラインに導入するとともに、前記狭窄部より上流の前記送液手段と前記閉塞手段に挟まれた体外循環回路の区間の圧力を検出し、
前記ラインの狭窄部に液体が導入される際に生じる前記区間の所定の速度以上の圧力上昇を検出した時に、前記送液手段の駆動を停止又は逆送させて、前記ドリップチャンバ本体内又は前記ライン内の液面を調整することを特徴とする、ドリップチャンバの液面調整方法。
【請求項3】
前記狭窄部の内径が前記ラインの他の部分の内径の50%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のドリップチャンバの液面調整方法。
【請求項4】
前記狭窄部の内径が0.1mm以上であることを特徴とする、請求項3に記載のドリップチャンバの液面調整方法。
【請求項5】
体外循環回路に設置され、ドリップチャンバ本体に液体導入回路と液体導出回路が連通し、ドリップチャンバ本体の空気貯留領域にラインが連通したドリップチャンバの液面調整機構であって、
前記液体導出回路を閉塞する閉塞手段と、
前記ラインに設けられたポンプと、
前記ドリップチャンバ本体と前記ポンプの間の前記ラインに設けられ、内径が0.1mm以上であって、且つ該ラインの他の部分の内径の50%以下である狭窄部と、
前記ラインの前記狭窄部と前記ポンプの間の区間の圧力を測定する圧力測定手段と、を有することを特徴とする、ドリップチャンバの液面調整機構。
【請求項6】
体外循環回路に設置され、ドリップチャンバ本体に液体導入回路と液体導出回路が連通し、ドリップチャンバ本体の空気貯留領域にラインが連通したドリップチャンバの液面調整機構であって、
前記液体導出回路を閉塞する閉塞手段と、
前記液体導入回路に設けられた送液手段と、
前記ラインに設けられ、内径が0.1mm以上であって、且つ該ラインの他の部分の内径の50%以下である狭窄部と、
前記送液手段と前記閉塞手段に挟まれた体外循環回路の区間の圧力を測定する圧力測定手段と、を有することを特徴とする、ドリップチャンバの液面調整機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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