説明

ドレナージポンプユニット

吸引ポンプにより体液を吸引するためのドレナージポンプユニットであって、吸引ポンプハウジング(1)と、このハウジング内に配置される吸引ポンプとを含む。流体収集容器(2)は、吸引ポンプハウジング(1)に取り外し可能に固定できる。流体収集容器(2)内の充填レベルを検出するために、吸引ポンプハウジング(1)に平らな帯状の静電容量式充填レベルセンサ(4)が配置される。本ドレナージポンプユニットは、さらに、第1の面と、この第1の面に対向する第2の面を備える弾力性のある連結要素(3)を含み、この連結要素(3)は、流体収集容器(2)を固定した状態において、充填レベルセンサ(4)に第1の面で当接し、流体収集容器(2)の外壁に第2の面で当接する。弾力性のある連結要素により、本ドレナージポンプユニットは、低充填量の場合においても充填レベルの測定が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1のプリアンブルに記載のドレナージポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ドレナージポンプシステムは、医療分野において、体液を吸引するために使用される。例えば、外科的処置の間又はその後や、創傷ドレナージ、胸腔ドレナージ又は脂肪吸引術において使用される。これらのドレナージポンプシステムは、通常、真空ポンプ、1以上の流体収集容器、及び患者と流体収集容器との間をつなぐドレナージチューブを有する。流体収集容器は、ドレナージポンプのハウジングに取り外し可能に固定することができるか、又は、外付けの真空チューブを介してポンプに接続される。
【0003】
吸引ポンプ又は真空ポンプを用いて、流体収集容器内に負圧を生み出し、患者の腔からの流体又は分泌物を、ドレナージチューブ又は分泌物チューブを通して収集容器へと吸引し、収集容器に集めることができる。収集容器のポンプ側出口に配置されるフィルタが、吸引された流体による万一の汚染から、吸引ポンプを保護する。この種のドレナージポンプシステムは、例えば、特許文献1及び2に開示される。それに記載されたドレナージポンプシステムは、携帯型である。
【0004】
ドレナージの経過や、流体収集容器の充填レベルを監視するのには、静電容量式充填レベルセンサが適している。このような充填レベルセンサは、先行技術において公知であり、特許文献3及び4は、液体容器の充填レベルを測定するための静電容量式充填レベルセンサを開示し、これらのセンサは、液体容器の外側に取り付けられる。
【0005】
特許文献5は、コネクタ片の外側に取り付けた静電容量式充填レベルセンサを開示する。このセンサは、テフロン(登録商標)コーティングにより外部から保護される。
【0006】
特許文献6は、帯状の静電容量式充填レベルセンサを開示し、このセンサは容器の内部に配置される。
【0007】
体液を吸引するためのドレナージシステムにおいて、充填レベルセンサは通常流体収集容器上又は中に配置される。そして、特許文献7は、容器の外側に複数の充填レベルセンサを取り付けた液体収集容器を開示する。一方、特許文献8は、吸引ユニット及び流体収集容器を備えたドレナージポンプを開示し、この場合、静電容量式充填レベルセンサは吸引ユニット上に配置される。
【0008】
衛生上の理由から、流体収集容器は限られた時間しか使用することができず、そのため、出来る限り安価であるべきである。しかしながら、充填レベルセンサを流体収集容器上に取り付ける場合、流体収集容器のコストは上がる。一方、ドレナージポンプユニットに取り付けた充填レベルセンサは、特に充填量が少ない場合、容器に取り付けた充填レベルセンサより正確さに劣る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO 2007/128156
【特許文献2】WO 2008/141471
【特許文献3】JP 2161322
【特許文献4】US 4 099 167
【特許文献5】US 4 092 860
【特許文献6】DE 196 45 970
【特許文献7】WO 2008/119993
【特許文献8】EP 0 853 950
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、上述の不都合を解消するドレナージポンプユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1の特徴を有するドレナージポンプユニットによって達成される。
【0012】
吸引ポンプにより体液を吸引するための、本発明によるドレナージポンプユニットは、吸引ポンプハウジングと、このハウジング内に配置される吸引ポンプとを有する。吸引ポンプハウジングには、流体収集容器を取り外し可能に固定できる。さらに、流体収集容器内の充填レベルを検出するために、吸引ポンプハウジングに、平らな帯状の静電容量式充填レベルセンサが配置される。本発明によると、ドレナージポンプユニットは、第1の面とこの第1の面に対向する第2の面とを有する弾力性のある連結要素を有し、この連結要素は、流体収集容器が固定された状態において、前記充填レベルセンサに第1の面で当接し、流体収集容器の外壁に第2の面で当接する。
【0013】
この連結要素によって、流体収集容器と充填レベルセンサの感知面との間に存在しうる空隙を回避することができる。測定精度が上がり、ちょうど0から200mlの間、又は0から300mlの間の充填レベルを、ml目盛で測定できる。この配置は、特に、充填レベルの連続測定及び充填速度の決定には好適である。
【0014】
この配置はまた、1以上の傾斜センサと組み合わせることもでき、傾斜センサも、好ましくは同様に、吸引ポンプのハウジングに配置される。1より多い充填レベルセンサを用いて、これらのセンサを好適に配置することにより、収集容器の傾きをも測定することができるため、別個の傾斜センサを用いる必要はない。
【0015】
連結要素の弾力性は、一方で材料を適当に選択することによって、他方で適当な形状にすることによって得ることができる。静電容量特性(kapazitive Eigenschaft)が液体収集容器と同じである材料を用いるのが好ましい。
【0016】
前記連結要素は、液体収集容器上に配置することができる。しかしながら、好ましくは、吸引ポンプのハウジング上に配置される。
【0017】
両方の場合において、液体収集容器は、センサを付けずに形成することができる。こうして、容器を安価に製造し、使い捨て製品として形成することができる。従って、一度だけ使用して廃棄することもできる。
【0018】
連結要素の弾力性によって、センサ及び測定システムの機能性は、流体収集容器を数回交換した後でも保たれる。
【0019】
連結要素を吸引ポンプのハウジング上に配置して、充填レベルセンサのセンサ面を覆うようにした場合、このセンサ面は外的影響から保護され、センサ面を露出させた場合より、ハウジングを簡単に洗浄することができる。
【0020】
好ましい実施形態では、充填レベルセンサは、吸引ポンプのハウジングの外側側壁に配置され、連結要素はこの側壁から突出する。流体収集容器をハウジングに固定した場合には、連結要素が弾力的に押し込まれ、その結果、充填レベルセンサのセンサ面から容器の外側壁まで最適で均一な誘電転移(dielektrischen Uebergang)が保証される。
【0021】
連結要素は、充填レベルセンサ、特にセンサの感知面上に、特に溶接して、融解させて、又は一体的に鋳造させて固定することができる。しかしながら、充填レベルセンサは、好ましくは連結要素に埋め込まれる。このように、連結要素は、吸引ポンプのハウジングに充填レベルセンサを固定する際、同時に組立補助具として機能する。充填レベルセンサが埋め込まれている場合、連結要素は、同時に又は代替的に、充填レベルセンサ用の保護ケースとして機能する。
【0022】
好ましい実施形態では、この保護ケースは、基部を有し、この基部の2つの対向する面が上記第1の面と第2の面を形成する。この基部は、少なくとも部分的に周回する側壁によって取り囲まれ、この側壁が空所を形成し、充填レベルセンサをこの空所に配置することができる。
【0023】
吸引ポンプのハウジングの開口部に固定するために、少なくとも部分的に周回する外側に突出する第1のフランジが、側壁の、基部に対向する端部に一体的に形成され、外側に突出する第2のフランジがこの基部に一体的に形成される。これら2つのフランジは、ハウジングの開口部の両面に当接する。
【0024】
充填レベルセンサは、好ましくは、吸引ポンプにつながる、吸引ポンプのハウジングの真空接続部の下側の領域に配置される。あるいは、又は付加的に、吸引ポンプのハウジングの分泌物接続部に対し斜めにある距離をおいて配置することもでき、この接続部により、患者側の分泌物チューブとの接続が可能となる。これらすべての場合において、分泌物接続部から万一流れ出る滴りによってセンサが汚染されるのを大幅に回避する。
【0025】
他の実施形態は、従属請求項に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の流体収集容器を備えたドレナージポンプユニットの斜視図である。
【図2】図2は、流体収集容器なしの、図1のドレナージポンプユニットを示す。
【図3】図3は、充填レベルセンサを埋め込んだ、本発明の連結要素の第1の側面図である。
【図4】図4は、図3の連結要素を下から見た図である。
【図5】図5は、図3の連結要素のC−Cに沿った断面図である。
【図6】図6は、図3の連結要素の第2の側面図である。
【図7】図7は、図3の連結要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の好ましい実施形態を、図を参照し以下に説明するが、これらの図は、説明のためだけのものであって、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0028】
図1及び2は、例えば、WO 2007/128156(特許文献1)及びWO 2008/141471(特許文献2)から原理的に公知のドレナージポンプユニットを表す。このユニットは、前面壁12と、背面壁12’と、2つの側壁11とを備えた吸引ポンプハウジング1を有する。ハウジング1は持ち運び可能で、例えば運搬用持ち手10によって持ち運びできる。好ましくは、運搬用持ち手10に代えて又はこれに加えて、ハウジング1は、起立面又は足を持ち、そのため、図の体勢でテーブルの上又は他の適当な支持面上に置くことができる。方向に関して以下になされる注釈は、ハウジングのこの起立した状態で解釈されたい。
【0029】
ハウジング1には、ここでは見えない吸引ポンプ又は真空ポンプと、このポンプを操作し、場合によりセンサを設けたサービスラインからの測定データを評価するための電子機器を収容できる。吸引ポンプは、ハウジングに配置されたコントロールパネルを介して、又はコントロールキー及び/又はボタンを介して操作できる。
【0030】
吸引ポンプハウジング1は、この実施例では立方形で、少なくとも1つの、ハウジングの外側側壁11は実質的に平らに形成される。しかしながら、吸引ポンプハウジング1は他の形であってもよい。
【0031】
前面壁12と背面壁12’は、ハウジングの平らな側壁11から側方に突出し、ハウジングの側壁11とともに、流体収集容器2のための凹所を形成する。
【0032】
この流体収集容器2は、好ましくは、実質的に立方形である。吸引ポンプハウジング1と流体収集容器2は、好ましくはプラスチックからなる。
【0033】
流体収集容器2は、吸引ポンプハウジング1に取り外し可能に固定される。この容器は、好ましくは、旋回させてこの位置にロックされる。このため、前面壁12及び背面壁12’の突出部分は、上部及び下部滑りガイド13,14を有し、流体収集容器2の上部及び下部ロックピン20がこれに係合する。図1には、上部ロックピン20だけが見えている。流体収集容器2は互いに対向する2つの上部ロックピン20と互いに対向する2つの下部ロックピン20とを有し、これらは全て、容器2の同じ外側側壁から突出する。この側壁を用いて、流体収集容器2は吸引ポンプハウジング1の側壁11に当接する(anliegen)。流体収集容器2の側壁は、好ましくは同様に、実質的に平らである。
【0034】
収集容器2は凹所21を有し、この凹所に、ハウジング1に配置されたロックフック15がラッチ連結し、それによって、収集容器2を、ハウジング1のその位置に取り外し可能に取り付ける。滑りガイドとロックピン及びロックフックの代わりに他の手段を用いて、収集容器2を固定及び取り付けることもできる。
【0035】
ハウジング1の側壁11には、ハウジング側真空接続部16がある。これは、側壁11の上方領域に配置されるのが好ましい。本実施例の場合、真空接続部16はコネクタ片の形をしており、流体収集容器2の対応する開口部(ここには図示せず)に係合する。コネクタ片16のあいた端部は、ハウジングの側壁11と同一平面上にあるか、むしろハウジング1の方向に側壁より後に下がっている。従って、好ましくは、コネクタ片16は突出しない。コネクタ片16によって形成される、ハウジング1と容器2との間の真空接続が漏れないようにするため、ハウジング1のコネクタ片16及び/又は容器2の開口部は、密閉リング(ここには示さず)を有する。容器2内に収集された吸引分泌物がハウジングに入り込まないようにするため、真空接続部16及び/又は容器2の関連の開口部には、1以上のフィルタが設けられることが好ましい。
【0036】
側壁11の上方領域には、真空接続部16に対向する側に、ハウジング側の分泌物接続部、又は、このような接続部を取り付けるための凹所17がある。患者側のドレナージチューブのポンプ側接続部は、WO2008/141471(特許文献2)に開示されているように、ここに差し込むことができる。この分泌物接続部17は、真空接続部16のように、流体収集容器2がハウジング1に固定、この場合旋回させて入れられるとき、流体収集容器2の対応する開口部に漏れないように接続される。しかしながら、容器2と患者側のドレナージチューブの間の接続は、他の方法、例えば、チューブを容器2に直接又は適当な接続部分を介して差し込むことによって、確立することもできる。
【0037】
真空接続部16によって、吸引ポンプを用いて容器2内に負圧が生み出される。この負圧により、流体又は分泌物を患者の腔からドレナージチューブをとおって容器2まで吸引し、容器2に収集される。
【0038】
この装置は、少なくとも1つの平らな帯状の静電容量式充填レベルセンサ4を含む。この種の充填レベルセンサは先行技術から公知である。これらは平面で平らである。その長さは、実質的にその幅や厚みより大きく、その幅も通常その厚みよりかなり大きい。
【0039】
静電容量式充填レベルセンサ4には、評価ユニット(ここには図示せず)が接続される。このユニットは好ましくはハウジング1に配置される。静電容量式充填レベルセンサ4は、好ましくは、充填レベルの連続的な測定を可能にし、これによって充填速度も決定できる。しかしながら、周期的に又は使用者の要求に応じて測定することも可能である。
【0040】
充填レベルセンサ4は、ハウジング1の側壁11に配置され、好ましくは、センサの感知面を容器2の方に向けている。この感知面及びセンサ4は、その長手方向で、好ましくは垂直方向に下から上へと延びる。しかしながら、これらをまた斜めに配置することもできる。さらに、1より多い充填レベルセンサ4、特に2又は3の充填レベルセンサ4があってもよい。これらは、異なる位置及び/又は異なる高さで垂直方向に延びることができる。しかしながら、1つの充填レベルセンサ4が長手方向で垂直方向に延び、他の充填レベルセンサ4はこれに斜めに配置することもできる。このようにして、充填レベルを測定する際に、ハウジング及び容器の傾きをも測定することができ、それに応じて、充填レベルに関する測定データを修正できる。しかしながら、他のタイプの傾斜センサを、この充填レベルセンサとともに使用することもできる。
【0041】
センサ4と容器2の間には、弾力性のある連結要素3がある。この連結要素3は2つの互いに対向する面平行な(planparallel)面300を備える基部30を有する。容器2を固定した状態で、センサ4は好ましくは、これらの面の1つに、その感知面で当接する。この状態で、容器2の外壁はこれらの面のうちの2つ目の面に当接する。この第2の面300は、好ましくは、少なくとも感知面の表面積に対応する表面積で容器2に当接する。つまり、これにより、感知面全体が容器壁に結合する。
【0042】
連結要素3は、好ましくはシリコーン、PVC又はゴムからなる。しかしながら、適切な誘電特性を有する他の材料を使用することもできる。連結要素は、好ましくは、容器2の材料に類似の容量特性を有する。
【0043】
簡単な実施形態では、センサ4はハウジング1に保持され、センサの外側に向けられた感知面は、この連結要素3によって全面的に覆われる。しかしながら、連結要素3は好ましくは、図3〜7で明らかなようにセンサケースを形成し、図1及び2のようにハウジング1に差し込まれる。
【0044】
センサケース3は好ましくは一部品として形成される。その長さは、少なくともセンサ4の長さに対応する。センサケースは2つの面平行な面を備える基部30を有する。取り付けた状態でハウジング1とは反対側の外面に、平らな接触面300がある。この接触面300の表面積は、少なくとも感知面の表面積に対応し、この感知面はこの接触面300によって完全に覆われる。好ましくは、この平らな接触面300は、これを囲む残りの外面から僅かに突き出るように形成される。これは、図6にはっきりと見ることができる。
【0045】
取り付けた状態で、ハウジング1の方に向けられる基部30の内面には、少なくとも部分的に周回する側壁34が一体的に形成される。側壁34は、基部30の2つの長い側面と1つの短い側面に沿って延びる。残りの短い側面は開いたままである。従って、センサケースは、開いた端部31と、閉じた端部32とを有し、この場合の閉じた端部32は丸い端部でもある。
【0046】
この側壁34の自由な縁は、外側に突出する第1のフランジ35に移行し、このフランジは好ましくは内側に突出する部分351を有する。側壁34は、基部30上に一体的に形成されるが、外側に突出する第2のフランジ33をも形成するように後に下がっている。この第2のフランジは、第1のフランジ35から一定の間隔をおいて、しかしながら好ましくは第1のフランジに平行に延びる。第2のフランジ33は、好ましくは、途切れのない環状の形をしている。第1のフランジ35は途切れ部分350を有してもよい。
【0047】
図5,6,及び7に見られるように、平らな帯状の静電容量式センサ4は、このセンサケース3に押し込むことができ、周囲の側壁34と基部30によって形成される空所に保持される。第1のフランジ35の内側に突出する部分351は、センサ4をその位置に固定する。センサ4の感知面は、基部30の平らな内面に当接し、感知面の対となる部分は、センサケース3の外側の接触面360にあり、この接触面は感知面に対して好ましくは面平行である。
【0048】
センサケース3は、ハウジングの側壁11の開口部に係合することができ、このとき、第1のフランジ35はハウジング1の内面上に位置するようになり、第2のフランジ33はハウジング壁11の外面に当接する。従って、センサケースの側壁34の高さは、好ましくは、ハウジングの側壁11の厚みにほぼ相当する。
【0049】
流体収集容器2がハウジング1に固定されると、容器2は接触面300全体にその平らな外面で当接する。このとき、容器2は、好ましくは、接触面300を変形させ、ハウジング1の方向に接触面を押して、バネ力に逆らって最適な接触状態が達成される。従って、全体の配置は、好ましくは、接触面300を押し込むことのできるような寸法となっている。
【0050】
ここに記載したドレナージポンプユニットは、本発明による教示を実施するための1つの例示の実施形態にすぎない。例えば、ポンプハウジングとドレナージ容器を他の形状にすることもできる。さらに、真空及び分泌物接続部は異なる形状であってもよいし、異なる位置に配置することもできる。連結要素は、特にセンサケースとしてではなく、異なる形状であってもよい。他の変更も可能である。
【0051】
本発明のドレナージポンプユニットは、弾力性のある連結要素によって、低充填量であっても充填レベル測定が可能となる。
【符号の説明】
【0052】
1 吸引ポンプハウジング
10 持ち運びハンドル
11 ハウジングの側壁
12 前面壁
12’ 背面壁
13 上部滑りガイド
14 下部滑りガイド
15 ロック機構
16 ハウジング側の真空接続部
17 凹所/ハウジング側の分泌物接続部

2 流体収集容器
20 ロックピン
21 凹所

3 連結要素
30 基部
300 接触面
31 開いた端部
32 閉じた端部
33 第2のフランジ
34 側壁
35 第1のフランジ
351 内側に突出する部分
350 途切れ部分

4 充填レベルセンサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引ポンプにより体液を吸引するためのドレナージポンプユニットであって、
吸引ポンプハウジング(1)と、このハウジング内に配置される吸引ポンプとを含み、
前記吸引ポンプハウジング(1)に、流体収集容器(2)を取り外し可能に固定でき、及び
前記流体収集容器(2)内の充填レベルを検出するために、前記吸引ポンプハウジング(1)に、平らな帯状の静電容量式充填レベルセンサ(4)が配置されるドレナージポンプユニットにおいて、
前記ドレナージポンプユニットは、さらに、第1の面と、この第1の面に対向する第2の面とを備える弾力性のある連結要素(3)を含み、
前記連結要素(3)は、前記流体収集容器(2)が固定された状態において、前記充填レベルセンサ(4)に前記第1の面で当接し(anliegen)、且つ、前記流体収集容器(2)の外壁に前記第2の面で当接する、ことを特徴とするドレナージポンプユニット。
【請求項2】
前記連結要素(3)は前記吸引ポンプハウジング(1)に配置される、請求項1に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項3】
前記充填レベルセンサ(4)は前記吸引ポンプハウジング(1)の外側側壁(11)に配置され、及び、前記連結要素(3)はこの側壁(11)から突出する、請求項2に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項4】
前記充填レベルセンサ(4)は、前記連結要素(3)に埋め込まれる、請求項2又は3に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項5】
前記連結要素(3)は、前記第1の面及び第2の面を形成する基部(30)を有し、この基部(30)が、少なくとも部分的に周回する側壁(34)によって取り囲まれ、この側壁は空所を形成し、前記充填レベルセンサ(4)がこの空所に配置される、請求項2〜4のいずれかに記載のドレナージポンプユニット。
【請求項6】
前記連結要素(3)の前記側壁(34)の、前記基部(30)に対向する端部に、少なくとも部分的に周回する外側に突出する第1のフランジ(35)が一体的に形成され、及び、前記基部(30)に、外側に突出する第2のフランジ(33)が一体的に形成され、これら2つのフランジ(34,35)は、前記吸引ポンプハウジング(1)の前記外側側壁(11)の開口部に、前記連結要素(3)を固定するために用いられる、請求項5に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項7】
前記第1の面と第2の面は平面であり、少なくとも前記充填レベルセンサ(4)のセンサ面全体にわたって延びる、請求項1〜6のいずれかに記載のドレナージポンプユニット。
【請求項8】
前記連結要素(3)は一部品として形成される、請求項1〜7のいずれかに記載のドレナージポンプユニット。
【請求項9】
前記充填レベルセンサ(4)は長手方向を有し、この長手方向で垂直方向に延在して前記吸引ポンプハウジング(1)に配置される、請求項1〜8のいずれかに記載のドレナージポンプユニット。
【請求項10】
前記充填レベルセンサ(4)は、前記吸引ポンプにつながる、前記吸引ポンプハウジング(1)の真空接続部(16)の下側の領域に配置される、請求項1〜9のいずれかに記載のドレナージポンプユニット。
【請求項11】
前記充填レベルセンサ(4)は、患者側の分泌物チューブに接続するための前記吸引ポンプハウジング(1)の分泌物接続部(17)に対して、斜めに一定の距離をおいて配置される、請求項1〜10のいずれかに記載のドレナージポンプユニット。
【請求項12】
前記吸引ポンプハウジング(1)は外側側壁(11)を有し、前記充填レベルセンサ(4)と、以下の接続部、すなわち分泌物接続部(17)及び真空接続部(16)のうち少なくとも1つが、この側壁(11)に配置される、請求項1〜11に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項13】
前記連結要素(3)は、シリコーン又はPVC又はゴムからなる、請求項1〜12のいずれかに記載のドレナージポンプユニット。
【請求項14】
前記ドレナージポンプユニットは、前記流体収集容器(2)を含み、前記連結要素(3)が前記流体収集容器(2)に配置される、請求項1に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載のドレナージポンプユニットに用いるための連結要素(3)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−509896(P2013−509896A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535570(P2012−535570)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【国際出願番号】PCT/CH2010/000273
【国際公開番号】WO2011/054118
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(503465052)メデラ ホールディング アーゲー (40)
【Fターム(参考)】