説明

ドレン水処理方法

【課題】ランニングコストの高騰を招くことなく、交換作業の完了直後にフィルタの耐用寿命が短縮される事態を回避する。
【解決手段】油水分離装置1における後処理フィルタ14Aの交換に際して気液分離槽12内に貯留されているドレン水Wを処理するドレン水処理方法であって、気液分離槽12上の仕切板23から後処理フィルタ14Aを取り外す取外し工程と、気液分離槽12内のドレン水Wを排水可能に気液分離槽12に設けられた排水口27から気液分離槽12内のドレン水Wを排水して後処理フィルタ14Aを通過させることで、排水したドレン水Wを浄化する浄化工程と、浄化工程を完了した後処理フィルタ14Aを廃棄処理位置に搬送する搬送工程と、予め規定された廃棄処理を廃棄処理位置において実行する廃棄工程とをこの順で実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドレン処理装置におけるフィルタの交換に際して気液分離槽内に貯留されているドレン水を処理するドレン水処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2004−73961号公報に出願人が開示している油水分離装置では、空気圧縮機等の各種ドレン水発生源において発生して、圧縮空気と共に圧送されるドレン水(ドレン水と圧縮空気との混合流体)を、前処理槽において前処理(粗処理)した後に本処理槽において本処理(後処理)する構成が採用されている。具体的には、前処理槽は、上記の混合流体をドレン水および圧縮空気に分離させると共に、圧縮空気を大気中に放出し、かつ、ドレン水を一時的に貯留して本処理槽に排水可能に構成されている。また、前処理槽には、貯留しているドレン水に含まれている油分の一部を吸着可能に油吸着材が配設されている。さらに、本処理槽には、圧送ユニット(ドレン送りこみ手段)によって前処理槽から圧送されたドレン水に含まれている油分を吸着可能に前処理槽よりも高密度に油吸着材が充填されている。したがって、出願人が開示している油水分離装置では、前処理槽および本処理槽の2段階に亘ってドレン水から油分が除去されるため、ドレン水発生源からのドレン水が十分に浄化される。
【0003】
また、出願人が開示している油水分離装置では、長期間に亘る使用に伴って、前処理槽内の油吸着材や本処理槽内の油吸着材が大量の油分を吸着して浄化能力が低下したときに、浄化能力が低下した油吸着材を取り出して、新しい油吸着材に交換することができるように構成されている。これにより、出願人が開示している油水分離装置では、油吸着材の浄化能力が低下する都度、前処理槽や本処理槽などの設備一式を、新しい設備に交換する必要がないため、そのランニングコストが十分に低減されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−73961号公報(第4−5頁、第1−2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、出願人が開示している油水分離装置の使用方法(以下、「従来の使用方法」ともいう)には、以下の改善すべき課題が存在する。すなわち、従来の使用方法では、前処理槽内の油吸着材や本処理槽内の油吸着材の浄化能力が低下したときに、浄化能力が低下した油吸着材を取り出して、新しい油吸着材に交換している。この場合、前処理槽内には、ドレン水発生源から圧送されたドレン水に含まれていた比較的大きな油滴が、油吸着材に吸着されることなく、ドレン水の上方部位に浮上した状態で貯留されている。したがって、油吸着材の交換時における前処理槽内には、油分の濃度が比較的高いドレン水が貯留されていることとなる。このため、従来の使用方法では、前処理槽や本処理槽に配設した新しい油吸着材が、交換作業の完了直後に、油分の濃度が高いドレン水に接して、その油分を吸着することとなる。この結果、従来の使用方法では、交換作業の完了直後に、新しい油吸着材の耐用寿命(規定された浄化能力を下回るまでの期間)が短縮されるという現状があり、この点を改善するのが好ましい。
【0006】
この場合、前処理槽内の油分の濃度が高いドレン水が新しい油吸着材に接することがないように、油吸着材の交換に際して前処理槽内のドレン水を前処理槽以外の容器体(バケツなど)に汲み出しておき、汲み出したドレン水を公知の各種汚水処理方法によって別途処理する使用方法も考えられる。しかしながら、そのような使用方法を採用した場合には、汲み出したドレン水の汚水処理に要するコストの分だけ、油水分離装置のランニングコストが高騰する。
【0007】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、ランニングコストの高騰を招くことなく、交換作業の完了直後にフィルタの耐用寿命が短縮される事態を回避し得るドレン水処理方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、請求項1記載のドレン水処理方法は、ドレン水および圧縮空気が混ざり合った混合流体を当該ドレン水および当該圧縮空気に分離させる気液分離槽と、当該気液分離槽に設けられた送水口から送水された前記ドレン水を通過させることで当該ドレン水を浄化するフィルタとを備えたドレン水処理装置における当該フィルタの交換に際して前記気液分離槽内に貯留されている前記ドレン水を処理するドレン水処理方法であって、前記送水口に前記フィルタを接続するためのフィルタ接続部から当該フィルタを取り外す取外し工程と、前記気液分離槽内の前記ドレン水を排水可能に前記送水口とは別個に当該気液分離槽に設けられた排水口から当該気液分離槽内のドレン水を排水して前記取外し工程において取り外した前記フィルタを通過させることで当該ドレン水を浄化する浄化工程と、前記浄化工程を完了した前記フィルタを廃棄処理位置に搬送する搬送工程と、予め規定された廃棄処理を前記廃棄処理位置において実行する廃棄工程とをこの順で実行する。
【0009】
また、請求項2記載のドレン水処理方法は、請求項1記載のドレン水処理方法において、前記搬送工程において前記フィルタを搬送するための搬送用容器に当該フィルタを収容する収容工程、前記取外し工程において取り外した前記フィルタと前記排水口とを接続用配管によって相互に接続する接続工程、および前記送水口を閉塞する閉塞工程を前記浄化工程に先立って実行すると共に、前記浄化工程において、前記混合流体を導入可能に前記気液分離槽に設けられた導入口から当該気液分離槽に当該混合流体を導入することによって当該気液分離槽内の前記ドレン水を排水させる。
【0010】
また、請求項3記載のドレン水処理方法は、請求項1記載のドレン水処理方法において、前記搬送工程において前記フィルタを搬送するための搬送用容器に当該フィルタを収容する収容工程、および前記取外し工程において取り外した前記フィルタと前記排水口とを接続用配管によって相互に接続する接続工程を前記浄化工程に先立って実行すると共に、前記浄化工程において、前記搬送用容器内の空気を吸引することで前記フィルタおよび前記接続用配管を介して前記気液分離槽内の前記ドレン水を吸引して排水させる。
【0011】
さらに、請求項4記載のドレン水処理方法は、請求項1から3のいずれかに記載のドレン水処理方法において、前記浄化工程において、前記取外し工程において取り外した前記フィルタに対して、前記送水口から送水された前記ドレン水を通過させる第1の向きとは逆向きの第2の向きで前記ドレン水を通過させる。
【0012】
また、請求項5記載のドレン水処理方法は、請求項1記載のドレン水処理方法において、前記フィルタ接続部に蓋体を配設することで前記送水口を閉塞する閉塞工程、前記フィルタ接続部に排水用配管を接続すると共に前記取外し工程において取り外した前記フィルタを当該フィルタ接続部に取り付ける取付け工程、および前記フィルタと前記排水口とを接続用配管によって相互に接続する接続工程を前記浄化工程に先立って実行すると共に、前記浄化工程において、前記混合流体を導入可能に前記気液分離槽に設けられた導入口から当該混合流体を導入することによって当該気液分離槽内の前記ドレン水を排水させ、前記フィルタに対して、前記送水口から送水された前記ドレン水を通過させる第1の向きとは逆向きの第2の向きで前記ドレン水を通過させる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載のドレン水処理方法によれば、フィルタ接続部からフィルタを取り外す取外し工程と、気液分離槽内のドレン水を排水口から排水して取外し工程において取り外したフィルタを通過させることで浄化する浄化工程と、浄化工程を完了したフィルタを廃棄処理位置に搬送する搬送工程と、予め規定された廃棄処理を廃棄処理位置において実行する廃棄工程とをこの順で実行して、廃棄処理される使用済みのフィルタによって気液分離槽内のドレン水を浄化することにより、気液分離槽内のドレン水をフィルタとは別個に汚水処理することなく、新たなフィルタを汚すおそれのあるドレン水を気液分離槽内から排除することができるため、ランニングコストの高騰を招くことなく、交換作業の完了直後に新しいフィルタの耐用寿命が短縮される事態を回避することができる。
【0014】
また、請求項2記載のドレン水処理方法によれば、取り外したフィルタを搬送用容器に収容する収容工程、取り外したフィルタと排水口とを接続用配管によって相互に接続する接続工程、および送水口を閉塞する閉塞工程を浄化工程に先立って実行すると共に、浄化工程において、気液分離槽の導入口から混合流体を導入することによって気液分離槽内のドレン水を排水させることにより、気液分離槽内のドレン水を汲み上げるための動力源や、気液分離槽内のドレン水を手作業で汲み上げる煩雑な作業を不要として、油水分離装置が本来的に備えている構成要素を利用して混合流体に加えられている圧力によって気液分離槽内のドレン水をフィルタに圧送して浄化することができるため、ドレン水の処理に要するコストを十分に低減することができる。また、浄化されたドレン水がフィルタから搬送用容器内に排水されるため、フィルタの周囲が浄化されたドレン水によって水浸しになる事態を回避することができる。
【0015】
また、請求項3記載のドレン水処理方法によれば、取り外したフィルタを搬送用容器に収容する収容工程、および取り外したフィルタと排水口とを接続用配管によって相互に接続する接続工程を浄化工程に先立って実行すると共に、浄化工程において、搬送用容器内の空気を吸引することでフィルタおよび接続用配管を介して気液分離槽内のドレン水を吸引して排水させることにより、気液分離槽内のドレン水を手作業で汲み上げる煩雑な作業を行うことなく、油水分離装置が本来的に備えている構成要素と、掃除機等の吸引装置とを利用して、気液分離槽内のドレン水をフィルタに吸引して浄化することができるため、ドレン水の処理に要するコストを十分に低減することができる。また、浄化されたドレン水がフィルタから搬送用容器内に排水されるため、フィルタの周囲が浄化されたドレン水によって水浸しになる事態を回避することができる。また、気液分離槽の導入口から混合流体を導入することによって気液分離槽内のドレン水を排水させて浄化処理するドレン水処理方法とは異なり、気液分離槽内の汚れの状態を視認しながら搬送用容器内のフィルタによって気液分離槽内のドレン水を浄化処理したり、例えば、気液分離槽内の汚れが激しいときなどに、気液分離槽内に水道水等を給水しながら搬送用容器内のフィルタによってこの水を浄化処理したりすることができる。
【0016】
さらに、請求項4記載のドレン水処理方法によれば、浄化工程において、取り外したフィルタに対して、送水口から送水されたドレン水を通過させる第1の向きとは逆向きの第2の向きでドレン水を通過させることにより、第1の向きの上流側の油吸着材よりも浄化能力が高い第1の向きの下流側(すなわち、第2の向きの上流側)の油吸着材によって気液分離槽内のドレン水に含まれている油分を確実に吸着してドレン水を浄化することができる。
【0017】
また、請求項5記載のドレン水処理方法によれば、フィルタ接続部に蓋体を配設することで送水口を閉塞する閉塞工程、フィルタ接続部に排水用配管を接続すると共に取外し工程において取り外したフィルタをフィルタ接続部に取り付ける取付け工程、およびフィルタと排水口とを接続用配管によって相互に接続する接続工程を浄化工程に先立って実行すると共に、浄化工程において、気液分離槽の導入口から混合流体を導入することによって気液分離槽内のドレン水を排水させ、フィルタに対して、送水口から送水されたドレン水を通過させる第1の向きとは逆向きの第2の向きでドレン水を通過させることにより、気液分離槽内のドレン水を汲み上げるための動力源や、気液分離槽内のドレン水を手作業で汲み上げる煩雑な作業を不要として、油水分離装置が本来的に備えている構成要素を利用して混合流体に加えられている圧力によって気液分離槽内のドレン水をフィルタに圧送して浄化することができるため、ドレン水の処理に要するコストを十分に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る「ドレン水処理方法」によってドレン水を処理する対象の油水分離装置1の構成を示す構成図である。
【図2】本発明に係る「ドレン水処理方法」の実施形態について説明するための説明図である。
【図3】本発明に係る「ドレン水処理方法」の他の実施形態について説明するための説明図である。
【図4】本発明に係る「ドレン水処理方法」のさらに他の実施形態について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るドレン水処理方法の実施の形態について説明する。
【0020】
図1に示す油水分離装置1は、「気液分離装置」および「フィルタ」が一体的に構成された「ドレン水処理装置」の一例であって、エアーコンプレッサ100によって生成された圧縮空気中から圧縮空気除湿装置200によって除去されたドレン水W(油分や粉塵等を含んだ汚れたドレン水)を浄化する処理を実行可能に構成されている。この油水分離装置1は、ベース部11、気液分離槽12、前処理フィルタ13、後処理フィルタ14および圧力調整装置15を備え、後述するように、設置状態においては、圧縮空気除湿装置200から油水分離装置1にドレン水を供給するための供給用配管300が気液分離槽12に接続されると共に、浄化処理後の綺麗なドレン水Wを排水溝等に排水するための排水用ホース400が後処理フィルタ14に接続される。ベース部11は、図示しないアンカーボルトによって油水分離装置1の設置場所に固定されることにより、設置場所からの油水分離装置1の移動や転倒を防止する。
【0021】
気液分離槽12は、ドレン水Wおよび圧縮空気Aが混ざり合った混合流体WAをドレン水Wおよび圧縮空気Aに分離させるための分離槽であって、有底円筒状の外筒21と、外筒21内に配設された無底円筒状の内筒22と、外筒21の上方開口部を閉塞する仕切板23を備えて構成されている。この気液分離槽12は、内筒22の内側に前処理フィルタ13を収容可能に構成され、かつ、外筒21の上方に後処理フィルタ14を取り外し可能に取り付けることができるように構成されている。この場合、外筒21の上端部には、後処理フィルタ14を取り付けるためのフランジ21aが設けられている。また、外筒21の高さ方向における中央部には、供給用配管300を介して混合流体WAを導入する導入口25が設けられると共にバルブ25vが配設されている。さらに、外筒21の高さ方向における上端部側には、気液分離槽12内において分離させた圧縮空気Aを圧力調整装置15に向けて排気する排気口26が設けられている。
【0022】
また、外筒21の高さ方向における下端部側には、油水分離装置1に対する清掃作業時、油水分離装置1を他の設置場所に移動させるとき、および後述するフィルタ交換作業時などに、気液分離槽12内のドレン水Wを排水するための排水口27が設けられてバルブ27vが配設されている。この場合、この気液分離槽12では、主として、外筒21と内筒22との間の空間が「分離槽」として機能するように構成されると共に、外筒21の底板と内筒22の下端部との間にドレン水Wの通過を許容する隙間22aが設けられて、混合流体WAから分離したドレン水Wが、外筒21と内筒22との間の空間から内筒22の内側の空間(前処理フィルタ13が設置されている空間)に向けて隙間22aを通過して送水される。したがって、この気液分離槽12では、内筒22の下端部側に設けられた隙間22aの部位が「送水口」として機能する。
【0023】
また、上記の仕切板23の中央部には、後述するようにして前処理フィルタ13を接続するための円筒状の接続用配管23aが配設されている。さらに、接続用配管23aには、後述するように、気液分離槽12から後処理フィルタ14を取り外す際に、後処理フィルタ14内のドレン水Wを油水分離装置1の外部に排水するための連結用配管24が接続されてバルブ24vが配設されている。なお、この気液分離槽12では、後述するようにして気液分離槽12のフランジ21aと後処理フィルタ14のフランジ41aとの間に挟み込まれるようにして仕切板23が外筒21に取り付けられることにより、外筒21および仕切板23によって「圧力容器」が形成されるように構成されている。また、この油水分離装置1では、外筒21上に配置された状態の仕切板23が、前処理フィルタ13を介して後処理フィルタ14を気液分離槽12に接続するための「フィルタ接続部」として機能する。
【0024】
前処理フィルタ13は、油水分離装置1による油水分離処理(浄化処理)のうちの前処理(粗処理)を実行するためのフィルタであって、一例として、容器体31および蓋体32で構成される収納容器内にエマルション破壊シート33、油吸着材34、不織布35が充填されている。この場合、容器体31は、一例として、ポリプロピレンを用いたブロー成形処理によって有底円筒状に加工された後に、その底部に導入口31aが開口されている。また、蓋体32は、一例としてポリエチレンを用いた射出成型処理によって所望の形状に加工されている。この場合、蓋体32には、前処理フィルタ13による処理が完了したドレン水Wを排水する排水口32aが形成されると共に、上記の仕切板23に設けられた接続用配管23aを挿通可能な円筒体が立設されている。
【0025】
この前処理フィルタ13は、複数枚のエマルション破壊シート33、油吸着材34および複数枚の不織布35が容器体31の底部側からこの順で充填された状態において容器体31の上方開口部に蓋体32が取り付けられて構成されている。エマルション破壊シート33は、一例として、アミン系のエマルジョン破壊シートで構成されている。このエマルション破壊シート33は、後述するように導入口31aから容器体31内に導入されるドレン水Wに含まれているエマルション化した油分を破壊して油分と水分とに分離させるためのシートであると共に、充填されている油吸着材34が導入口31aから前処理フィルタ13(容器体31)の外部に押し出されるのを阻止するための仕切りとしても機能する。
【0026】
油吸着材34は、極く小さな空隙を有する油吸着材であって、一例として、綿状に加工されたポリプロピレンで構成されて、ドレン水Wに含まれる油分を吸着する。この場合、綿状に加工されたポリプロピレンに代えて、ポリプロピレンの繊維を編んだ細紐や、ポリプロピレンの薄板を小さく裁断した小片を容器体31内に充填する構成を採用することもできる。不織布35は、一例として、ポリプロピレンの繊維で構成されている。この不織布35は、充填されている油吸着材34が蓋体32の排水口32aから前処理フィルタ13(容器体31)の外部に押し出されるのを阻止するための仕切りとして機能すると共に、油吸着材34と同様にして、ドレン水Wに含まれる油分を吸着する油吸着材としても機能する。
【0027】
一方、後処理フィルタ14は、油水分離装置1による油水分離処理のうちの後処理(本処理)を実行するためのフィルタであって、一例として、筒体41、天板42および仕切板46で構成される空間内にエマルション破壊シート43、油吸着材44および不織布45が充填されている。筒体41は、気液分離槽12における外筒21と同径の円筒状に形成されると共に、その下端部には、後処理フィルタ14を気液分離槽12と連結するためのフランジ41aが設けられている。天板42は、筒体41の上方開口部を閉塞するように筒体41に固定された円板であって、その中央部には、排水用ホース400を接続可能に構成されて後処理フィルタ14による処理が完了したドレン水Wを排水する排水口42aが形成されている。
【0028】
この場合、エマルション破壊シート43は、前処理フィルタ13のエマルション破壊シート33と同様に構成され、油吸着材44は、前処理フィルタ13の油吸着材34と同様に構成され、不織布45は、前処理フィルタ13の不織布35と同様に構成されている。仕切板46は、一例として、ステンレススチールで形成された円板に、ドレン水Wの通過を許容する多数の孔が形成されている。この仕切板46は、筒体41および天板42で構成される容器体内に充填されたエマルション破壊シート43、油吸着材44および不織布45に偏りが生じたり、これらが容器体内から押し出されたりするのを阻止するように、筒体41の内壁面に係合させられている。
【0029】
圧力調整装置15は、圧力調整弁、ドレンフィルタ、ドレントラップおよび逆止弁(共に図示せず)が一体的に構成されている。この圧力調整装置15は、気液分離槽12の排気口26から排気される圧縮空気Aに含まれているドレン水Wをドレンフィルタによって捕集してドレントラップおよび逆止弁を介して供給用配管300に送水すると共に、ドレン水Wが捕集された圧縮空気Aを圧力調整弁から大気開放することにより、気液分離槽12の内圧(主として、圧縮空気圧力)が規定圧力を超えないように圧力調整する。なお、圧力調整弁、ドレンフィルタ、ドレントラップおよび逆止弁については、本例の油水分離装置1における圧力調整装置15のように、これらが一体化されている構成に限定されるものではなく、別個独立して構成された圧力調整弁、ドレンフィルタ、ドレントラップおよび逆止弁を相互に接続して圧力調整装置15と同様に機能させる構成を採用することもできる。
【0030】
この油水分離装置1の設置に際しては、まず、気液分離槽12の外筒21と一体化しているベース部11を設置場所に固定すると共に、気液分離槽12の導入口25に供給用配管300を接続する。なお、組立て手順に関する理解を容易とするために、上記の前処理フィルタ13に対するエマルション破壊シート33、油吸着材34および不織布35の充填作業や、後処理フィルタ14に対するエマルション破壊シート43、油吸着材44および不織布45の充填作業については既に完了しているものとする。次いで、気液分離槽12の排気口26および圧力調整装置15のドレンフィルタを相互に接続すると共に、圧力調整装置15の逆止弁および供給用配管300を相互に接続する。
【0031】
続いて、前処理フィルタ13における蓋体32の排水口32aに気液分離槽12における仕切板23の接続用配管23aを挿入して仕切板23に前処理フィルタ13を取り付けた状態において、前処理フィルタ13の容器体31を気液分離槽12の内筒22内に挿入するようにして、外筒21におけるフランジ21aの上に仕切板23を載置する。これにより、前処理フィルタ13の取り付けが完了する。次いで、フランジ41aを下向きにした状態の後処理フィルタ14を、外筒21におけるフランジ21aの上に載置した仕切板23の上に載置して、仕切板23を挟み込んだ状態で両フランジ21a,41aをボルト締めする。これにより、後処理フィルタ14の取り付けが完了して、気液分離槽12、前処理フィルタ13、後処理フィルタ14および圧力調整装置15が一体化される。この後、後処理フィルタ14の排水口42aに排水用ホース400を接続することにより、油水分離装置1の設置が完了する。
【0032】
このように設置が完了した油水分離装置1においては、気液分離槽12における外筒21と内筒22との間において混合流体WAが分離することで生じたドレン水Wが、隙間22a、内筒22の内側空間、前処理フィルタ13の導入口31a、容器体31内(エマルション破壊シート33、油吸着材34および不織布35の充填部位)、前処理フィルタ13の排水口32a、仕切板23の接続用配管23a、および後処理フィルタ14の筒体41内(エマルション破壊シート43、油吸着材44および不織布45の充填部位)をこの順で通過して、後処理フィルタ14の排水口42aから排水用ホース400に排水される「ドレン水の流路」が形成されている。したがって、バルブ25vを開放操作することで、圧縮空気除湿装置200から供給用配管300を介して油水分離装置1に混合流体WAが供給されることにより、上記の「ドレン水の流路」を通過する各過程においてドレン水Wが浄化される。
【0033】
具体的には、油分や粉塵を含んだドレン水Wと圧縮空気Aとが混ざり合った状態の混合流体WAが圧縮空気除湿装置200から供給用配管300を介して供給されたときに、この混合流体WAは、導入口25から気液分離槽12における外筒21と内筒22との間の空間に導入される。この際に、混合流体WAにおいて圧縮空気Aよりも重いドレン水Wが下方に移動し、かつ、混合流体WAにおいてドレン水Wよりも軽い圧縮空気Aが上方に移動することにより、外筒21と内筒22との間の空間において、混合流体WAがドレン水Wと圧縮空気Aとに分離される。また、ドレン水Wに含まれる油分は、水分よりも軽いため、混合流体WAから分離したドレン水Wに含まれる油分のうちの一部(比較的大きな油滴の状態で混合流体WA内に含まれていた油分等)が、外筒21と内筒22との間の空間においてドレン水Wから分離する。
【0034】
一方、油分の一部が分離したドレン水Wは、内筒22の下端部側に設けられた隙間22aを通過して内筒22の内部空間に流入する。この場合、供給用配管300を介して圧縮空気除湿装置200から混合流体WAが圧送されて気液分離槽12内が高圧となっているため、内筒22内に流入したドレン水Wが前処理フィルタ13の導入口31aから容器体31内に導入される。この際には、エマルジョン化した状態でドレン水Wに含まれている油分の一部がエマルション破壊シート33を通過する際に破壊されて油分と水分とに分離すると共に、エマルション破壊シート33を通過したドレン水Wに含まれている油分の一部が、油吸着材34や不織布35の充填部位を通過する際に油吸着材34や不織布35によって吸着されて除去される。これにより、前処理フィルタ13による前処理(粗処理)が完了したドレン水Wが蓋体32の排水口32aから仕切板23の接続用配管23a内に排水されて後処理フィルタ14に向かって油水分離装置1内を移動させられる。
【0035】
また、前処理フィルタ13から排水されたドレン水Wは、筒体41の下方開口部位から後処理フィルタ14内に導入されて排水口42aに向かう向き(図1に示す矢印Bの向き:「第1の向き」の一例)で後処理フィルタ14内を通過させられる。具体的には、後処理フィルタ14内に導入されたドレン水Wは、仕切板46に設けられた孔を通過して、エマルション破壊シート43、油吸着材44および不織布45の充填部位に流入する。この際には、エマルジョン化した状態でドレン水Wに含まれている油分の一部がエマルション破壊シート43を通過する際に破壊されて油分と水分とに分離すると共に、エマルション破壊シート43を通過したドレン水Wに含まれている油分が、油吸着材44や不織布45の充填部位を通過する際に油吸着材44や不織布45によって吸着されて除去される。これにより、後処理フィルタ14による後処理(本処理)が完了した綺麗なドレン水Wが天板42の排水口42aから排水用ホース400内に排水されて、排水用ホース400から排水溝等に排水される。以上により、油水分離装置1によるドレン水Wの浄化処理が完了する。
【0036】
一方、この油水分離装置1では、長期に亘る使用によって前処理フィルタ13や後処理フィルタ14の浄化能力(油分の吸着力)が低下したときに、この前処理フィルタ13や後処理フィルタ14を新しい前処理フィルタ13や新しい後処理フィルタ14に交換することで、気液分離槽12や圧力調整装置15を設置場所から運び出すことなく、ドレン水Wの浄化処理を再び実行することができるように構成されている。なお、前処理フィルタ13および後処理フィルタ14の交換方法についての理解を容易とするために、以下、浄化能力が低下した前処理フィルタ13や後処理フィルタ14を前処理フィルタ13Aおよび後処理フィルタ14Aともいい、この前処理フィルタ13Aや後処理フィルタ14Aに代えて取り付けられる新しい前処理フィルタ13や後処理フィルタ14を前処理フィルタ13Bおよび後処理フィルタ14Bともいう。
【0037】
具体的には、まず、バルブ25vを閉塞操作することで供給用配管300から気液分離槽12への混合流体WAの供給を停止させた状態において、後処理フィルタ14Aの排水口42aから排水用ホース400を取り外す。次いで、気液分離槽12における仕切板23の接続用配管23aに設けられたバルブ24vを開放操作する。この際には、後処理フィルタ14A内のドレン水Wが自重によって後処理フィルタ14内を逆流して、バルブ24vから油水分離装置1の外部に排水される。この際に、排水されたドレン水Wによって油水分離装置1の設置場所が水浸しとなることのないように、バルブ24vの下方にバケツ等の容器体を設置してドレン水Wを収容する。続いて、バルブ24vを閉塞操作した後に、ドレン水Wの排水が完了した後処理フィルタ14Aを気液分離槽12上の仕切板23から取り外す(「取外し工程」の一例)。
【0038】
次いで、後処理フィルタ14Aに代えて取り付けるべき後処理フィルタ14Bを収容している搬送用容器500(図2参照)から後処理フィルタ14Bを取り出す。この場合、搬送用容器500は、新しい後処理フィルタ14Bを油水分離装置1の設置場所まで搬送したり、後処理フィルタ14Aを廃棄処理位置まで搬送したりする際にこれらを収容するための容器であって、図2に示すように、一例として、樹脂材料で上面開口箱形に形成された容器本体510と、容器本体510の開口部位を閉塞する樹脂材料製の蓋体520とを備えて構成されている。また、搬送用容器500内には、後処理フィルタ14B(または、後処理フィルタ14A:以下、後処理フィルタ14A,14Bを区別しないときには「後処理フィルタ14」ともいう)の容器本体510内での移動を規制すると共に、後述する気液分離槽12内のドレン水Wの処理に際して後処理フィルタ14Aの筒体41における開口部の2/3程度を閉塞可能な閉塞板550と、後処理フィルタ14の筒体41における周面に接して後処理フィルタ14を容器本体510内で支えるスペーサ560とを備えている。この場合、閉塞板550は、後処理フィルタ14のフランジ41aにボルト締め可能に構成されている。
【0039】
続いて、搬送用容器500から取り出した後処理フィルタ14Bから閉塞板550を取り外して、後処理フィルタ14Aのフランジ41aに取り付ける。次いで、閉塞板550の取り付けが完了した後処理フィルタ14Aを容器本体510内に収容すると共に(「収容工程」の一例)、気液分離槽12の排水口27と容器本体510内の後処理フィルタ14Aにおける排水口42aとを接続用ホース600(「接続用配管」の一例)によって相互に接続する(「接続工程」の一例)。なお、後処理フィルタ14Aを容器本体510内に収容した後に接続用ホース600を接続する例について説明したが、後処理フィルタ14Aを510内に収容する前に排水口27と排水口42aとを接続用ホース600によって相互に接続してもよい。
【0040】
次いで、仕切板23と共に前処理フィルタ13Aを外筒21(フランジ21a)から取り外す。この際に、前処理フィルタ13A内のドレン水Wは、自重によって前処理フィルタ13内を逆流して導入口31aから内筒22内に排水される。次いで、仕切板23から前処理フィルタ13Aを取り外して図示しない搬送用容器内、または、上記の搬送用容器500内に収容すると共に、一例として、後処理フィルタ14Aの取り外しに先立ってバルブ24vからバケツ等の容器体に排水しておいたドレン水Wを気液分離槽12内に注ぎ入れる。以上により、前処理フィルタ13Aおよび後処理フィルタ14Aの取り外し作業が完了する。
【0041】
続いて、前処理フィルタ13Bおよび後処理フィルタ14Bを取り付ける。この取付け作業に関しては、前述した油水分離装置1の設置作業時の手順と同様のため、詳細な説明を省略する。この場合、後処理フィルタ14Bの排水口42aには、排水口42aからの異物の侵入を阻止するためのプラグ450が配設されている。したがって、排水口42aにプラグ450が配設された状態の後処理フィルタ14Bの取り付けが完了した状態においては、図2に示すように、気液分離槽12における隙間22a(「気液分離槽の送水口」に相当する要素)が、前処理フィルタ13B、仕切板23および後処理フィルタ14B(プラグ450)によって閉塞された状態となり、気液分離槽12から前処理フィルタ13Bや後処理フィルタ14Bに向かってのドレン水Wの流動が規制された状態となる(「閉塞工程」の一例)。
【0042】
次いで、気液分離槽12内に貯留されているドレン水Wを処理する。具体的には、バルブ25v,27vを開放操作することにより、供給用配管300を介して導入口25から混合流体WAを気液分離槽12内に導入する。この際には、混合流体WAに加わっている圧力によって気液分離槽12内のドレン水Wが排水口27から排水される。これにより、気液分離槽12内に貯留されている「油分の濃度が高いドレン水W」が接続用ホース600を介して容器本体510内の後処理フィルタ14Aに向かって圧送される。また、圧送されたドレン水Wは、排水口42aから後処理フィルタ14A内に流入して筒体41の開口部(閉塞板550によって閉塞されている部位)に向かう向き(図2に示す矢印Cの向き:「第2の向き」の一例)で後処理フィルタ14A内を通過させられる。
【0043】
この場合、この油水分離装置1では、前述したように、気液分離槽12に取り付けられている状態の後処理フィルタ14に対して、筒体41における開口部から排水口42aに向かう向き(図1に示す矢印Bの向き:「第1の向き」の一例)でドレン水Wを通過させることで、ドレン水Wに含まれている油分を吸着させる構成が採用されている。したがって、後処理フィルタ14Aでは、排水口42aの側の油吸着材44よりも、筒体41における開口部側の油吸着材44の方が油分の吸着力(浄化能力)が低下している。言い換えれば、長期間に亘る使用に伴って、筒体41における開口部側の油吸着材44の浄化能力が低下した状態であっても、排水口42a側の油吸着材44は、十分に油分を吸着する浄化能力を有していることとなる。
【0044】
したがって、気液分離槽12からのドレン水Wを、通常使用時における「第1の向き」とは逆向きの「第2の向き」で後処理フィルタ14A内を通過させることで、排水口42a側の油吸着材44によって、このドレン水Wに含まれている油分が好適に吸着される。これにより、前処理フィルタ13Aや後処理フィルタ14Aの取り外し前に気液分離槽12内に貯留されていたドレン水Wや、気液分離槽12からの取り外し前に前処理フィルタ13Aおよび後処理フィルタ14A内に浸透していたドレン水Wが、容器本体510内の後処理フィルタ14Aによって浄化される。以上により、「浄化工程」が完了する。
【0045】
なお、上記の「浄化工程」において後処理フィルタ14Aによって浄化されたドレン水Wの大半は、後処理フィルタ14A内に含浸させられた状態となり、気液分離槽12から大量のドレン水Wが圧送された場合であっても、後処理フィルタ14Aから溢れ出たドレン水Wは容器本体510内に収容された状態となる。この場合、浄化が完了したドレン水Wについては、その場で排水溝等に排水することもできるが、本例では、後述するように後処理フィルタ14Aを廃棄処理位置に搬送する際に、このドレン水Wについても後処理フィルタ14Aと共に搬送用容器500に収容した状態で搬送する。
【0046】
次いで、バルブ25v,27vを閉塞操作した後に、排水口27、および容器本体510内の後処理フィルタ14Aにおける排水口42aから接続用ホース600を取り外す。続いて、後処理フィルタ14Bの排水口42aからプラグ450を取り外すと共に、排水用ホース400(図1参照)を接続する。以上により、油水分離装置1の設置場所における交換作業が完了して、油水分離装置1の使用準備が整う。この後、取り外した前処理フィルタ13Aと共に、搬送用容器500に収容した後処理フィルタ14Aを所定の廃棄処理作業場所(「廃棄処理位置」の一例)に搬送する(「搬送工程」の一例)。
【0047】
続いて、予め規定された手順に従い、前処理フィルタ13Aや後処理フィルタ14A内のエマルション破壊シート33,43、油吸着材34,44および不織布35,45や、前処理フィルタ13Aの容器体31および蓋体32を廃棄処理する。具体的には、一例として、前処理フィルタ13Aや後処理フィルタ14A内から取り出したエマルション破壊シート33,43、油吸着材34,44、不織布35,45、容器体31および蓋体32を分別して、水分を揮発させた後に、各々に適した焼却温度(有害な燃焼ガスが生じることのない温度)で焼却処分する(「廃棄工程」の一例)。また、後処理フィルタ14Aと共に搬送用容器500に収容して搬送したドレン水Wについては、後処理フィルタ14Aを通過させられることで十分に浄化されているため、浄化の度合いが十分であるか確認した後に排水する。
【0048】
次いで、エマルション破壊シート43、油吸着材44および不織布45等を取り出した後処理フィルタ14Aについては、筒体41、天板42および仕切板46を洗浄した後に、新たなエマルション破壊シート43、油吸着材44および不織布45を筒体41内に充填して再製する。これにより、洗浄することで継続して使用可能な筒体41、天板42および仕切板46が、新しい後処理フィルタ14の構成部材として再利用される。なお、後処理フィルタ14Aを廃棄処理位置まで搬送する際に使用した搬送用容器500(および、後に説明する搬送用容器500a:図3参照)についても、洗浄した後に、新しい後処理フィルタ14を収容した状態で、「搬送用容器」として再利用される。以上により、前処理フィルタ13および後処理フィルタ14の交換作業が完了する。
【0049】
このように、油水分離装置1に対する上記のドレン水処理方法によれば、気液分離槽12上の仕切板23から後処理フィルタ14Aを取り外す「取外し工程」と、気液分離槽12内のドレン水Wを排水口27から排水して「取外し工程」において取り外した後処理フィルタ14Aを通過させることで浄化する「浄化工程」と、「浄化工程」を完了した後処理フィルタ14Aを廃棄処理位置に搬送する「搬送工程」と、予め規定された廃棄処理を廃棄処理位置において実行する「廃棄工程」とをこの順で実行して、廃棄処理される使用済みの後処理フィルタ14Aによって気液分離槽12内のドレン水Wを浄化することにより、気液分離槽12内のドレン水Wを前処理フィルタ13Aや後処理フィルタ14Aとは別個に汚水処理することなく、新たな前処理フィルタ13Bや後処理フィルタ14Bを汚すおそれのあるドレン水Wを気液分離槽12内から排除することができるため、ランニングコストの高騰を招くことなく、交換作業の完了直後に前処理フィルタ13Bや後処理フィルタ14Bの耐用寿命が短縮される事態を回避することができる。
【0050】
また、油水分離装置1に対する上記のドレン水処理方法によれば、取り外した後処理フィルタ14Aを搬送用容器500(容器本体510)に収容する「収容工程」、取り外した後処理フィルタ14Aと排水口27とを接続用ホース600によって相互に接続する「接続工程」、並びに、仕切板23、前処理フィルタ13Bおよび後処理フィルタ14B(プラグ450)によって導入口31a(すなわち、気液分離槽12の隙間22a:「気液分離槽の送水口」に相当する要素)を閉塞する「閉塞工程」を「浄化工程」に先立って実行すると共に、「浄化工程」において、気液分離槽12の導入口25から混合流体WAを導入することによって気液分離槽12内のドレン水Wを排水させることで、気液分離槽12内のドレン水Wを汲み上げるための動力源や、気液分離槽12内のドレン水Wを手作業で汲み上げる煩雑な作業を不要として、油水分離装置1が本来的に備えている構成要素を利用して混合流体WAに加えられている圧力によって気液分離槽12内のドレン水Wを後処理フィルタ14Aに圧送して浄化することができるため、ドレン水Wの処理に要するコストを十分に低減することができる。また、浄化されたドレン水Wが後処理フィルタ14Aから搬送用容器500内に排水されるため、後処理フィルタ14Aの周囲が浄化されたドレン水Wによって水浸しになる事態を回避することができる。
【0051】
さらに、油水分離装置1に対する上記のドレン水処理方法によれば、「浄化工程」において、取り外した後処理フィルタ14Aに対して、気液分離槽12の隙間22aから前処理フィルタ13を介して送水されたドレン水Wを通過させる「第1の向き(筒体41における開口部から排水口42aに向かう向き)」とは逆向きの「第2の向き(排水口42aから筒体41における開口部に向かう向き)」でドレン水Wを通過させることにより、筒体41における開口部側(「第1の向き」における上流側)の油吸着材44よりも浄化能力が高い排水口42a側(「第1の向き」における下流側、すなわち、「第2の向き」における上流側)の油吸着材44によって気液分離槽12内のドレン水Wに含まれている油分を確実に吸着してドレン水Wを浄化することができる。
【0052】
次に、「ドレン水処理方法」の他の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、処理対象のドレン水Wが貯留されている油水分離装置1の構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0053】
前処理フィルタ13Aや後処理フィルタ14Aの交換に際して気液分離槽12内に貯留されているドレン水Wを、導入口25から導入した混合流体WAに加わっている圧力によって排水口27から排水して、搬送用容器500(容器本体510)内の後処理フィルタ14Aを通過させる方法について説明したが、気液分離槽12内のドレン水Wを搬送用容器500(容器本体510)内の後処理フィルタ14Aに液送する方法はこれに限定されない。例えば、取り外した後処理フィルタ14Aを、前述した搬送用容器500に代えて、容器本体510に吸引用孔515が設けられた搬送用容器500a(図3参照)内に収容する(「収容工程」の他の一例)。なお、この「収容工程」までの一連の作業手順や、「接続工程」については、前述した「フィルタの交換作業」と同様のため、詳細な説明を省略する。次いで、前処理フィルタ13Aを気液分離槽12から取り外して図示しない搬送用容器内に収容すると共に、一例として、後処理フィルタ14Aの取り外しに先立ってバルブ24vからバケツ等の容器体に排水しておいたドレン水Wを気液分離槽12内に注ぎ入れる。以上により、前処理フィルタ13Aおよび後処理フィルタ14Aの取り外し作業が完了する。
【0054】
続いて、気液分離槽12内に貯留されているドレン水Wを処理する。具体的には、後処理フィルタ14Aの収容が完了した容器本体510の上面開口部位を蓋体520によって閉塞すると共に、吸引用孔515に図示しない吸引装置(一例として、業務用の掃除機等)を接続する。次いで、バルブ25vを閉塞した状態を維持しつつ、バルブ27vを開放操作すると共に、吸引装置を作動させる。この際には、搬送用容器500a内の空気が吸引装置によって吸引用孔515から吸引されることにより、後処理フィルタ14Aおよび接続用ホース600を介して気液分離槽12内のドレン水Wが吸引されて排水口27から排水され、接続用ホース600を介して搬送用容器500a内の後処理フィルタ14Aに向かって移動する。また、ドレン水Wは、排水口42aから後処理フィルタ14A内に流入して筒体41の開口部(閉塞板550によって閉塞されている部位)に向かう向き(図3に示す矢印Cの向き:「第2の向き」の他の一例)で後処理フィルタ14A内を通過させられる。
【0055】
この際には、気液分離槽12からのドレン水Wが、通常使用時における「第1の向き」とは逆向きの「第2の向き」で後処理フィルタ14A内を通過させられることで、排水口42a側の油吸着材44によって、このドレン水Wに含まれている油分が好適に吸着される。これにより、前処理フィルタ13Aや後処理フィルタ14Aの取り外し前に気液分離槽12内に貯留されていたドレン水Wや、取り外し前に前処理フィルタ13Aおよび後処理フィルタ14A内に浸透していたドレン水Wが、搬送用容器500a内の後処理フィルタ14Aによって浄化される。以上により、「浄化工程」が完了する。なお、浄化されたドレン水Wについては、前述した「フィルタの交換作業」と同様にして、後処理フィルタ14Aと共に搬送用容器500aに収容した状態で廃棄処理位置に搬送される。
【0056】
次いで、バルブ27vを閉塞操作した後に、排水口27、および搬送用容器500a内の後処理フィルタ14Aにおける排水口42aから接続用ホース600を取り外す。続いて、前述した「フィルタの交換作業」と同様の手順で前処理フィルタ13Bおよび後処理フィルタ14Bを気液分離槽12に取り付けると共に、後処理フィルタ14Bの排水口42aからプラグ450を取り外して排水用ホース400を接続する。以上により、油水分離装置1の設置場所における交換作業が完了して、油水分離装置1の使用準備が整う。この後、前述した「フィルタの交換作業」と同様にして「搬送工程」および「廃棄工程」をこの順で実行することにより、前処理フィルタ13および後処理フィルタ14の交換作業が完了する。
【0057】
このように、油水分離装置1に対する上記のドレン水処理方法によれば、取り外した後処理フィルタ14Aを搬送用容器500a(容器本体510)に収容する「収容工程」、および取り外した後処理フィルタ14Aと排水口27とを接続用ホース600によって相互に接続する「接続工程」を「浄化工程」に先立って実行すると共に、「浄化工程」において、搬送用容器500a内の空気を吸引用孔515から吸引することで後処理フィルタ14Aおよび接続用ホース600を介して気液分離槽12内のドレン水Wを吸引して排水させることにより、気液分離槽12内のドレン水Wを手作業で汲み上げる煩雑な作業を行うことなく、油水分離装置1が本来的に備えている構成要素と、掃除機等の吸引装置とを利用して、気液分離槽12内のドレン水Wを後処理フィルタ14Aに吸引して浄化することができるため、ドレン水Wの処理に要するコストを十分に低減することができる。また、浄化されたドレン水Wが後処理フィルタ14Aから搬送用容器500a内に排水されるため、後処理フィルタ14Aの周囲が浄化されたドレン水Wによって水浸しになる事態を回避することができる。また、気液分離槽12の導入口25から混合流体WAを導入することによって気液分離槽12内のドレン水Wを排水させて浄化処理するドレン水処理方法とは異なり、気液分離槽12内の汚れの状態を視認しながら搬送用容器500a内の後処理フィルタ14Aによって気液分離槽12内のドレン水Wを浄化処理したり、例えば、気液分離槽12内の汚れが激しいときなどに、気液分離槽12内に水道水等を給水しながら搬送用容器500a内の後処理フィルタ14Aによってこの水を浄化処理したりすることができる。
【0058】
また、油水分離装置1に対する上記のドレン水処理方法によれば、「浄化工程」において、取り外した後処理フィルタ14Aに対して、気液分離槽12の隙間22aから前処理フィルタ13を介して送水されたドレン水Wを通過させる「第1の向き(筒体41における開口部から排水口42aに向かう向き)」とは逆向きの「第2の向き(排水口42aから筒体41における開口部に向かう向き)」でドレン水Wを通過させることにより、前述たしたドレン水の処理方法と同様にして、筒体41における開口部側(「第1の向き」における上流側)の油吸着材44よりも浄化能力が高い排水口42a側(「第1の向き」における下流側、すなわち、「第2の向き」における上流側)の油吸着材44によって気液分離槽12内のドレン水Wに含まれている油分を確実に吸着してドレン水Wを浄化することができる。
【0059】
次いで、「ドレン水処理方法」のさらに他の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、処理対象のドレン水Wが貯留されている油水分離装置1の構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0060】
前処理フィルタ13Aや後処理フィルタ14Aの交換に際して気液分離槽12内に貯留されているドレン水Wを、搬送用容器500,500a内に収容した状態の後処理フィルタ14Aによって浄化する処理方法について説明したが、気液分離槽12内のドレン水Wを処理する方法はこれに限定されない。例えば、前処理フィルタ13Aや後処理フィルタ14Aを気液分離槽12から一旦取り外した後に、図4に示すように、後処理フィルタ14Aを気液分離槽12に再び装着した状態において気液分離槽12内のドレン水Wを処理することができる。
【0061】
具体的には、前処理フィルタ13Aおよび後処理フィルタ14Aの取り外しが完了した気液分離槽12に対して、接続用配管23aにキャップ650(「蓋体」の一例)を装着すると共に、連結用配管24を接続した仕切板23を取り付け(「閉塞工程」の他の一例)と共に、後処理フィルタ14Aだけを再び取り付ける(「取付け工程」の一例)。この場合、前述したように、仕切板23の接続用配管23aに接続した連結用配管24には、バルブ24vが取り付けられている。本例では、後述するように、この連結用配管24およびバルブ24vが相まって「排水用配管」として機能する。また、仕切板23および後処理フィルタ14Aを気液分離槽12に取り付けた状態においては、接続用配管23aにキャップ650が取り付けられた仕切板23によって導入口31a(すなわち、気液分離槽12の隙間22a:「気液分離槽の送水口」に相当する要素)が閉塞される。
【0062】
次いで、接続用ホース600を介して、気液分離槽12の排水口27と後処理フィルタ14Aの排水口42aとを相互に接続する(「接続工程」の他の一例)。続いて、気液分離槽12内に貯留されているドレン水Wを処理する。具体的には、バルブ24vを開放操作した状態においてバルブ25vを開放操作することにより、供給用配管300を介して導入口25から混合流体WAを気液分離槽12内に導入する。この際には、混合流体WAに加わっている圧力によって気液分離槽12内のドレン水Wが排水口27から排水され、接続用ホース600を介して後処理フィルタ14Aに向かって圧送される。また、圧送されたドレン水Wは、排水口42aから後処理フィルタ14A内に流入して筒体41の開口部(仕切板23によって閉塞されている部位)に向かう向き(図4に示す矢印Dの向き:「第2の向き」の他の一例)で後処理フィルタ14A内を通過させられる。
【0063】
この際には、気液分離槽12からのドレン水Wが、通常使用時における「第1の向き」とは逆向きの「第2の向き」で後処理フィルタ14A内を通過させられることで、排水口42a側の油吸着材44によって、このドレン水Wに含まれている油分が好適に吸着される。これにより、前処理フィルタ13Aや後処理フィルタ14Aの取り外し前に気液分離槽12内に貯留されていたドレン水Wや、取り外し前に前処理フィルタ13Aおよび後処理フィルタ14A内に浸透していたドレン水Wが、後処理フィルタ14Aによって浄化される。以上により、「浄化工程」が完了する。
【0064】
なお、浄化されたドレン水Wについては、後処理フィルタ14Aにおける筒体41の開口部から仕切板23上に流れ落ちて、接続用配管23a、連結用配管24およびバルブ24vを介して油水分離装置1の外部に排水される。このドレン水Wは、後処理フィルタ14Aによって十分に浄化されているため、そのまま排水溝に排水することができる。また、「浄化工程」を完了した後処理フィルタ14Aや前処理フィルタ13Aについては、前述した「フィルタの交換作業」と同様にして廃棄処理位置に搬送され(搬送工程)、「廃棄工程」を経て処分される。なお、気液分離槽12に対する前処理フィルタ13Bや後処理フィルタ14Bの取り付け手順については、前述した「フィルタの交換作業」と同様のため、詳細な説明を省略する。以上により、前処理フィルタ13および後処理フィルタ14の交換作業が完了する。
【0065】
このように、油水分離装置1に対する上記のドレン水処理方法では、フィルタ接続部(この例では、筒体41における開口部を気液分離槽12に接続するための仕切板23)にキャップ650を配設することで導入口31a(すなわち、気液分離槽12の隙間22a:「送水口」に対応する要素)を閉塞する「閉塞工程」、上記のフィルタ接続部(接続用配管23a)に連結用配管24およびバルブ24vを接続すると共に取外し工程において取り外した後処理フィルタ14Aをフィルタ接続部に取り付ける「取付け工程」、および後処理フィルタ14Aと排水口27とを接続用ホース600によって相互に接続する「接続工程」を「浄化工程」に先立って実行すると共に、「浄化工程」において、気液分離槽12の導入口25から混合流体WAを導入することによって気液分離槽12内のドレン水Wを排水させ、後処理フィルタ14Aに対して、気液分離槽12の隙間22aから前処理フィルタ13を介して送水されたドレン水Wを通過させる「第1の向き(筒体41における開口部から排水口42aに向かう向き)」とは逆向きの「第2の向き(排水口42aから筒体41における開口部に向かう向き)」でドレン水Wを通過させる。
【0066】
したがって、このドレン水処理方法によれば、気液分離槽12内のドレン水Wを汲み上げるための動力源や、気液分離槽12内のドレン水Wを手作業で汲み上げる煩雑な作業を不要として、油水分離装置1が本来的に備えている構成要素を利用して混合流体WAに加えられている圧力によって気液分離槽12内のドレン水Wを後処理フィルタ14Aに圧送して浄化することができるため、ドレン水Wの処理に要するコストを十分に低減することができる。
【0067】
なお、「ドレン水処理方法」は、上記した方法に限定されるものではない。例えば、「閉塞工程」において、新しい前処理フィルタ13B、仕切板23、および新しい後処理フィルタ14Bによって気液分離槽12の隙間22a(送水口)を閉塞する方法について説明したが、これらに代えて、前処理フィルタ13Aや後処理フィルタ14Aを取り外した状態において、気液分離槽12から取り外した仕切板23の接続用配管23aにキャップ650を配設した後に再び気液分離槽12に取り付けることで隙間22a(送水口)を閉塞する方法や、気液分離槽12から取り外した仕切板23に代えて仕切板23と同径で無孔の板体(図示せず)を気液分離槽12に取り付けることで隙間22a(送水口)を閉塞する方法を採用することもできる。このような方法を採用した場合においても、前述したドレン水処理方法と同様にして新しい前処理フィルタ13Bおよび後処理フィルタ14Bの耐用寿命が短縮される事態を回避することができる。
【0068】
また、後処理フィルタ14Aに対して、「第2の向き(排水口42aから筒体41における開口部に向かう向き)」でドレン水Wを通過させて処理する方法について説明したが、後処理フィルタ14Aに対して、「第1の向き(筒体41における開口部から排水口42aに向かう向き)」でドレン水Wを通過させて処理する方法を採用することもできる。具体的には、搬送用容器500(または500a)内に後処理フィルタ14Aを収容した状態でドレン水Wを処理する際には、前述した閉塞板550に代えて、接続用ホース600を接続可能な閉塞板(図示せず)によって後処理フィルタ14Aの筒体41における開口部の全域を閉塞した状態において、接続用ホース600からのドレン水Wを「第1の向き」で通過させて排水口42aから排水させればよい。このような方法を採用した場合においても、前述したドレン水処理方法と同様にして新しい前処理フィルタ13Bおよび後処理フィルタ14Bの耐用寿命が短縮される事態を回避することができる。
【0069】
さらに、混合流体WAの供給(混合流体WAに加わっている圧力)や、吸引装置による吸引力によって気液分離槽12内のドレン水Wを後処理フィルタ14Aに送水する方法について説明したが、混合流体WAに代えて、圧縮空気Aを気液分離槽12に供給することによって(圧縮空気Aに加わっている圧力によって)気液分離槽12内のドレン水Wを後処理フィルタ14Aに送水する方法を採用することもできる。また、混合流体WAや圧縮空気Aの供給、または、吸引装置による吸引力に代えて、例えば、気液分離槽12内のドレン水Wを送水ポンプ(図示せず)によって汲み上げて後処理フィルタ14Aを通過させる方法や、汲み桶等の容器を使用して気液分離槽12内のドレン水Wを汲み上げて後処理フィルタ14Aを通過させる方法を採用することもできる。このような方法を採用した場合においても、前述したドレン水処理方法と同様にして新しい前処理フィルタ13Bおよび後処理フィルタ14Bの耐用寿命が短縮される事態を回避することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 油水分離装置
12 気液分離槽
13 前処理フィルタ
14 後処理フィルタ
22a 隙間
23 仕切板
23a 接続用配管
24 連結用配管
24v,25v,27v バルブ
25 導入口
26 排気口
27 排水口
41 筒体
42 天板
42a 排水口
43 エマルション破壊シート
44 油吸着材
45 不織布
46 仕切板
300 供給用配管
400 排水用ホース
450 プラグ
500,500a 搬送用容器
510 容器本体
515 吸引用孔
520 蓋体
550 閉塞板
600 接続用ホース
650 キャップ
A 圧縮空気
W ドレン水
WA 混合流体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレン水および圧縮空気が混ざり合った混合流体を当該ドレン水および当該圧縮空気に分離させる気液分離槽と、当該気液分離槽に設けられた送水口から送水された前記ドレン水を通過させることで当該ドレン水を浄化するフィルタとを備えたドレン水処理装置における当該フィルタの交換に際して前記気液分離槽内に貯留されている前記ドレン水を処理するドレン水処理方法であって、
前記送水口に前記フィルタを接続するためのフィルタ接続部から当該フィルタを取り外す取外し工程と、
前記気液分離槽内の前記ドレン水を排水可能に前記送水口とは別個に当該気液分離槽に設けられた排水口から当該気液分離槽内のドレン水を排水して前記取外し工程において取り外した前記フィルタを通過させることで当該ドレン水を浄化する浄化工程と、
前記浄化工程を完了した前記フィルタを廃棄処理位置に搬送する搬送工程と、
予め規定された廃棄処理を前記廃棄処理位置において実行する廃棄工程とをこの順で実行するドレン水処理方法。
【請求項2】
前記搬送工程において前記フィルタを搬送するための搬送用容器に当該フィルタを収容する収容工程、前記取外し工程において取り外した前記フィルタと前記排水口とを接続用配管によって相互に接続する接続工程、および前記送水口を閉塞する閉塞工程を前記浄化工程に先立って実行すると共に、前記浄化工程において、前記混合流体を導入可能に前記気液分離槽に設けられた導入口から当該気液分離槽に当該混合流体を導入することによって当該気液分離槽内の前記ドレン水を排水させる請求項1記載のドレン水処理方法。
【請求項3】
前記搬送工程において前記フィルタを搬送するための搬送用容器に当該フィルタを収容する収容工程、および前記取外し工程において取り外した前記フィルタと前記排水口とを接続用配管によって相互に接続する接続工程を前記浄化工程に先立って実行すると共に、前記浄化工程において、前記搬送用容器内の空気を吸引することで前記フィルタおよび前記接続用配管を介して前記気液分離槽内の前記ドレン水を吸引して排水させる請求項1記載のドレン水処理方法。
【請求項4】
前記浄化工程において、前記取外し工程において取り外した前記フィルタに対して、前記送水口から送水された前記ドレン水を通過させる第1の向きとは逆向きの第2の向きで前記ドレン水を通過させる請求項1から3のいずれかに記載のドレン水処理方法。
【請求項5】
前記フィルタ接続部に蓋体を配設することで前記送水口を閉塞する閉塞工程、前記フィルタ接続部に排水用配管を接続すると共に前記取外し工程において取り外した前記フィルタを当該フィルタ接続部に取り付ける取付け工程、および前記フィルタと前記排水口とを接続用配管によって相互に接続する接続工程を前記浄化工程に先立って実行すると共に、前記浄化工程において、前記混合流体を導入可能に前記気液分離槽に設けられた導入口から当該混合流体を導入することによって当該気液分離槽内の前記ドレン水を排水させ、前記フィルタに対して、前記送水口から送水された前記ドレン水を通過させる第1の向きとは逆向きの第2の向きで前記ドレン水を通過させる請求項1記載のドレン水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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