説明

ドレープ性吸収物品

【課題】薄くて柔軟でドレープ性があって、衛生ナプキンに必要な吸収性を有する女性用衛生吸収性ナプキンを提供すること。
【解決手段】吸収物品は、衛生吸収物品に関し、カバー層、障壁層、およびこのカバー層と障壁層との間に配置された吸収ポリマー(SAP)を備えた吸収システムを含む吸収性物品を提供し、少なくとも約0.50の平均密度複合ドレープ指数(DCDI)値、少なくとも約.5の吸収指数(A1)、及び少なくとも約5.0gの吸収力を有する薄くて柔軟性の高いドレープ性を有する衛生ナプキンに必要な吸収性を有する衛生吸収性ナプキン。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2006年3月16日出願の米国仮特許出願第60/783,169号の優先権を主張するものである。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、衛生吸収物品に関し、詳細には、薄くて吸収性の高いドレープ性(drapeable)を有する女性用衛生吸収性ナプキンに関する。
【0003】
〔発明の背景〕
外部に使用する衛生吸収性ナプキンは、現在利用されている数ある女性保護用具の1つである。単位体積当たりの液体吸収能力の高い材料の開発により、衛生ナプキンに必要な全厚みが薄くなり、使用の際の快適性が増し、違和感が少なくなっている。このタイプの薄い柔軟な衛生ナプキンの例が、ティー・ダブリュウ・オスボーン・ザ・サード(T.W. Osborne III)による米国特許第4,950,264号(以降、「264特許」と呼ぶ)に開示されている。
【0004】
従来技術に用いられる語「柔軟な」は、一般に、外部から負荷がかかった時に変形に対する物品の抵抗を示すために用いられる。例えば、264特許には、プランジャー機構によって衛生ナプキンに外部から負荷がかかった場合に「低い曲げ抵抗」を有する衛生ナプキンが開示されている。
【0005】
しかしながら、264特許に開示されているタイプの「柔軟な」の定義は、吸収物品の全体の「ドレープ性」を測定していない。すなわち、物品は、「低い曲げ抵抗」を有しうるが、ここで定義する「ドレープ性」ではない。ここで用いる語「ドレープ性」または「ドレープ能力」は、物品の一端から片持ち式に保持される際に重力によって物品が垂直方向に垂れ下がる傾向を指す。ドレープ性物品はまた、当接している表面の形状に適合する傾向にある。例えば、ドレープ性衛生ナプキンは、使用の際に体に適合しやすく快適である。
【0006】
衣服に用いられる織布および他の布様材料は、「ドレープ性」を有する傾向にある。この「ドレープ性」を有する織布から作られる衣服は、使用者にフィットして、使用者と共に動くため、使用者の快適性が増す。
【0007】
このような「ドレープ性」を有する吸収性物品は、使用者の快適性を向上させる。すなわち、物品が、使用者の腿と下着との間に画定された空間にフィットするような十分な「ドレープ性」を有するため、使用者の快適性が向上する。対照的に、吸収物品が十分なドレープ性を有していないと、使用者が不快を感じ、吸収物品を意識する。加えて、このような物品がまとまって変形すると、その形状が維持されて保護が不十分になってしまう。
【0008】
したがって、従来技術で「柔軟な」吸収物品が開示されているが、今も吸収物品が要望されている。特に、ドレープ性であり、このような吸収物品に必要な吸収性を有する衛生ナプキンが要望されている。
【0009】
〔発明の概要〕
本発明の第1の態様に従えば、本発明は、カバー層、障壁層、およびこのカバー層と障壁層との間に配置された超吸収ポリマー(SAP)を備えた吸収システムを含む吸収物品を提供する。この吸収物品は、少なくとも約0.50のDCDI値、および少なくとも約1.5の吸収指数(AI)を有する。
【0010】
発明の第2の態様に従えば、本発明は、カバー層と、障壁層と、およびこのカバー層と障壁層との間に配置された超吸収ポリマー(SAP)を備えた吸収システムを含む吸収物品を提供する。この吸収物品は、少なくとも約0.50のDCDI値、および少なくとも約5.0gの吸収力を有する。
【0011】
本発明の実施形態の例を、添付の図面を参照して説明する。
【0012】
〔詳細な説明〕
本発明の好適な実施形態は、吸収物品、特に、薄くて柔軟でドレープ性があって、衛生ナプキンに必要な吸収性を有する衛生ナプキンを含む。本発明に従った物品の吸収性およびドレープ性を評価するための試験方法を以下に説明する。
【0013】
試験方法
ここに説明する試験方法に従って吸収物品を試験するためには、少なくとも6つの製品サンプルが必要である。ここで実施する各試験では、吸収物品の試験する部分は、同じ部分とすべきである。すなわち、試験サンプルは、各製品サンプルの一致する位置から採取すべきである。吸収物品は、製品の全ての吸収部分が試験を満たせば、ここに記載する試験方法を満たしたことになる。
【0014】
平均修正円形曲げ剛性(MCB:Modified Circular Bend Stiffness)および平均坪量(BW:Basis Weight)を決定するための手順
修正円形曲げ剛性(MCB)は、ASTM D 4032‐82 円形曲げ法(CIRCULAR BEND PEOCEDURE)の後にモデル化する試験によって決定される。この方法は、相当修正されており、以下のように行われる。円形曲げ法は、試験片の一方の面が凹状になり、他方の面が凸状になる材料の同時多方向変形である。この円形曲げ法は、曲げ抵抗に関連した値の力を加えると同時に全ての方向における剛性を平均する。
【0015】
円形曲げ法に必要な装置は、以下の部品を有する修正円形曲げ剛性テスター(modified Circular Bend Stiffness Tester)である。
1.直径18.75mmのオリフィスを有する102.0mm×102.0mm×6.35mmの平滑磨き鋼板台。このオリフィスのラップの縁は、4.75mmの深さに対して45度の角度をなすべきである。
2.全長が72.2mm、直径が6.25mm、2.97mmの半径のボールノーズ、0.33mmのベース直径から0.88mm延出した針先端部、および半径が0.5mm未満の尖端を有するプランジャー。このプランジャーは、オリフィスと同軸上に取り付けられ、全ての面で等しいクリアランスを有する。針先端部は、試験の際に試験片が横に移動するのを単に防止することに留意されたい。したがって、針先端部が試験片に著しい悪影響を及ぼす場合は(例えば、膨張構造を破裂させるなど)、針先端部を使用すべきではない。プランジャーの底部は、オリフィスプレート上部の十分に上方にセットすべきである。ボールノーズの下方へのストロークは、この位置から、オリフィスプレートの正に底部までである。
3.力測定ゲージ、具体的にはインストロン逆圧縮ロードセル。このロードセルは、約0.0g〜約2000.0gの荷重範囲を有する。
4.アクチュエータ、具体的には逆圧縮ロードセルを有するインストロン(型番:1122)。インストロン1122は、マサチューセッツ州カントン(Canton)に所在のインストロン・エンジニアリング・コーポレーション(Instron Engineering Corporation)で製造されている。
【0016】
この試験手順を行うためには、下記するように、試験する各物品についてそれぞれ3つの製品サンプルが必要である。試験する衛生ナプキンまたは他の吸収物品の位置は、操作者によって選択される。対応する位置にある3つの各製品サンプルから、37.5mm×37.5mmの試験片にカットする。試験片をカットする前に、全ての剥離紙や包装材料を製品サンプルから除去し、衣服に取り付けるための接着剤などの全ての露出した接着剤をタルクなどの非接着粉末で覆う。タルクは、BWやMCB測定に影響を及ぼさないはずである。
【0017】
試験片は、試験者が折ったり曲げたりすべきものではなく、試験片の取り扱いは、曲げ抵抗性に悪影響を与えないように、最小限にして縁を保持するようにしなければならない。
【0018】
円形曲げ法(CIRCULAR BEND PROCEDURE)の手順は次の通りである。試験片を、21℃±1℃の室温、50%±2.0%の相対湿度で2時間放置することによって条件付けられる。
【0019】
各カット試験片の重量は、グラム単位で測定し、因子0.0014で除す。これが、1平方メートル当たりのグラム単位である、坪量(gsm)である。各試験片の坪量について得た値を平均して平均坪量(BW)を算出する。試験片の層に面している本体がプランジャーに面し、試験片の障壁層がオリフィスプラットホームに面するように、試験片をプランジャーの下側のオリフィスプラットホームの中心に配置する。プランジャーの速度は、フルストローク長で、50.0cm/分に設定した。必要に応じて、ゼロ表示をチェックし調節する。プランジャーを作動させる。試験の際に試験片に触れないようにすべきである。最大の力をグラム単位で読み取って記録する。3つの全ての試験片を試験するまで上記ステップを繰り返す。次に、平均MCB剛性すなわちMCBを得るために記録した3つの試験値から平均を取る。本発明に従った吸収物品は、好ましくは約200g未満、より好ましくは約100g未満、最も好ましくは80g未満の平均MCBを有する。次に、残りの非試験製品サンプルを、以下に説明する吸収指数試験に用いる。
【0020】
吸収指数(AI)を決定するための手順
吸収物品が適切に機能するようにするためには、衣服の染みや漏れに対して使用者を十分に保護する優れた吸収性を有さなければならない。ここで定義する吸収物品の吸収指数(AI)は、物品の流体対応特性の測定値である。吸収物品の吸収指数(AI)は、リウエット(Rewet)(R)および流体浸透時間(FPT)の2つの流体対応特性の複合物から決定される。ここで用いる吸収指数(AI)は、以下のように定義する。
【数1】

吸収物品のリウエット値(R)と流体浸透時間(FPT)を決定する方法は、次の通りである。3つの新しい製品サンプルが、以下に説明するリウエット値(R)および流体浸透時間(FPT)試験を行うために必要である。
【0021】
本発明に従った吸収物品は、好ましくは少なくとも約1.5、より好ましくは少なくとも約1.7、最も好ましくは少なくとも約1.8の吸収指数(AI)を有する。
【0022】
流体浸透時間を測定するための手順
流体浸透時間は、試験するサンプルを流体浸透試験用オリフィスプレートの下側に配置して測定する。このオリフィスプレートは、中心に楕円オリフィスを備えた、7.6cm×25.4cmの厚みが1.3cmのポリカーボネートプレートからなる。楕円オリフィスは、長軸に沿うと3.8cm、短軸に沿うと1.9cmである。オリフィスプレートを、上記したMCB試験で試験される37mm×37mmの試験片が取られる吸収物品の対応する位置で、試験する製品サンプルの上に配置する。楕円オリフィスの縦軸は、試験する製品の縦軸に平行に配置される。
【0023】
試験用流体は、体液に似せるべく以下に示す物質の混合物から作製した。
・49.5%:0.9%塩化ナトリウム溶液(VWRカタログN0:VW3257−7)
・49.05%:グリセリン(エメリイ(Emery)917)
・1%:フェノキシエタノール(クラリアント・コーポレーション(Clariant Corporation)Phenoxetol(登録商標))
・0.45%:塩化ナトリウム(ベーカー(Baker)塩化ナトリウム結晶 9624−05)
【0024】
試験用流体7mLを含む10cc目盛付き注射器を、注射器の出口がオリフィスプレートよりも約76.2mm(約3インチ)上になるようにオリフィスプレートの上に保持する。注射器は、試験プレートの表面に対して平行に、水平に保持されている。次に、流体が試験プレートに対して垂直なオリフィス内への流れに合流できる速度で、流体を注射器から排出させ、流体が試験するサンプルに最初に触れた時にストップウォッチを開始する。サンプルの表面の一部が、オリフィス内の残りの流体よりも上に見えるようになると同時にストップウォッチを停止する。ストップウォッチの経過時間が、流体浸透時間(秒)である。平均流体浸透時間(FPT)は、3つの製品サンプルを平均して求める。次に、この平均FPTを、上記した吸収指数(AI)の式に代入することができる。
【0025】
リウエットの可能性を測定するための手順
上記した流体浸透時間(FPT)法に用いた3つの製品サンプルを、以下に示すリウエット可能性試験に用いる。
【0026】
リウエットの可能性は、ナプキンまたは他の物品が比較的多量の液体を含んでいて、外部から機械的な圧力がかかった時にその構造内に液体を保持できるナプキンまたは他の物品の能力の尺度である。以下の手順で、リウエットの可能性を決定して定義する。
【0027】
リウエット可能性試験に用いる装置は、FPT試験に関連して上記したものと同じ装置であり、ニュージャージー州クリフトン(Clifton)に所在のワットマン社(Whatman, Inc.)から入手可能な多数の3インチ×4インチ(76.2mm×101.6mm)の長方形のワットマン(Whatman)No:1ろ紙、±0.001gの精度で重量を測定できる計量器すなわち秤、および5.1cm×10.2cm(2インチ×4インチ)の表面に対して4.14kPa(0.6psi)の圧力を加える5.1cm×10.2cm×約5.4cm(2インチ×4.0インチ×2.13インチ)の寸法を有する2.22kg(4.8ポンド)の標準重しをさらに含む。
【0028】
ここに説明する試験手順では、流体浸透試験に用いられたものと同じ3つの製品サンプルをリウエット可能性試験に用いるべきである。試験用流体を上記したFPT試験のオリフィスプレート内に入れた後、ナプキンのカバー層が最初に流体の上側表面を通過して現れるとすぐに、ストップウォッチを開始し、5分のインターバルを測定する。
【0029】
5分経過後に、オリフィスプレートを除去し、カバー層を上にしてナプキンを硬い水平面に配置する。
【0030】
予め重量を測定した15層のろ紙を、濡れた表面の中心に配置し、2.22kgの標準重しをろ紙の上面に配置する。ろ紙および重しが、流体が加えられた領域の中心に来るように、ろ紙および重しを吸収物品の上に配置する。ろ紙および重しは、長寸が製品の長手方向と整列するように配列される。ろ紙および重しを製品に配置すると同時にストップウォッチを開始し、3分後に、ろ紙および標準重しを迅速に除去する。ろ紙の湿量を測定し、0.001グラム単位で記録する。次に、リウエット値を、濡れた15層のろ紙の重量と乾燥した15層のろ紙の重量との差(グラム)として算出する。
【0031】
測定は、少なくとも3回行うべきであり、必要に応じて、測定毎に重しをきれいに拭き取る。次に、平均リウエット値(R)を、3つの測定値から算出し、このリウエット値(R)を、上記した吸収指数(AI)の式に代入する。
【0032】
衛生物品の平均厚みを測定するための手順
以下に記載する厚み測定法は、製品サンプルをパッケージから取り出し、全ての剥離紙を除去し、製品にタルクなどの粉を付けた後、上記したMCB試験を行う前に、3つの製品サンプルに対して実施するべきである。この製品の厚み測定は、MCB試験のための試験片を取るのと同じ位置で行うべきである。
【0033】
本発明に従った吸収物品の厚みは、好ましくは2.5mm未満、より好ましくは2.0mm未満、最も好ましくは約1.5mm未満である。吸収物品の厚みを測定する方法を以下に記載する。
【0034】
衛生ナプキンの厚みを測定するために必要な装置は、アメス(Ames)から入手可能なスタンドが付いたフット型ダイアル(厚み)ゲージである。このゲージは、0.483kPa(0.07psig)の圧力でフットが直径50.8mm(2インチ)であり、0.0254mm(0.001インチ)の精度で測定できる。デジタル式装置が好ましい。衛生ナプキンサンプルが個々に折り畳まれて包装されている場合は、このサンプルの包装を除去し、手で慎重に平坦にする。剥離紙を製品サンプルから剥がしてから、製品サンプルを圧迫しないように位置合わせ接着線に沿って徐々に再配置して、剥離紙が製品サンプルに亘って平坦になるようにする。フラップが存在する場合、厚みを測定する際にこのフラップを考慮しない。
【0035】
ゲージのフットを持ち上げ、このフットが製品サンプル上の目的の位置のほぼ中心に来るように、製品サンプルをアンビル上に配置する。フットを下げる際は、フットが製品サンプルに落下して過度の力がかかるのを防止するべく、注意を払わなければならない。0.483kPa(0.07psig)の荷重を製品サンプルにかけ、測定のために約5秒間安定させる。次に、厚みを測定する。この手順を少なくとも3つの製品サンプルに対して繰返して平均厚みを算出する。
【0036】
ドレープ指数(Drapeability Index)の計算(BW/MCB)
ドレープ指数すなわち(BW/MCB)は、本発明に従った吸収物品の新規の特性を示すのに有用な値である。ドレープ指数は、平均坪量BWを上記した試験方法によって測定される平均MCB値で除して求めることができる。
【0037】
本発明に従った吸収物品は、好ましくは少なくとも約2.0、より好ましくは少なくとも約3.0、最も好ましくは少なくとも約4.5のドレープ指数を有する。
【0038】
平均密度の計算
平均密度は、本発明に従った吸収物品の新規の特性を示すのに有用な値である。この平均密度は、上記した試験方法によって測定される平均坪量BW、および平均厚みに基づいて計算する。平均密度は、以下に示す式によって求めることができる。
平均密度(g/cm3)=(BW(g/m2))/厚み(mm)/1000
【0039】
本発明に従った吸収物品は、好ましくは少なくとも約0.12g/cm3、より好ましくは少なくとも約0.17g/cm3、最も好ましくは少なくとも約0.20g/cm3の平均密度を有する。
【0040】
平均密度複合ドレープ指数(DCDI)
平均密度複合ドレープ指数(DCDI)は、本発明に従った吸収物品の新規の特性を示すのに有用な別の値である。DCDIは、BW/MCB値すなわちドレープ指数値に平均密度を乗じて求めることができ、以下に示す式で表すことができる。
DCDI=(BW/MCB)×平均密度
【0041】
本発明に従った吸収物品は、好ましくは少なくとも約0.50、より好ましくは少なくとも約0.70、最も好ましくは少なくとも約1.00のDCDI値を有する。
【0042】
好適な実施形態の説明
図1および図2を参照すると、本発明の実施形態である女性用衛生ナプキン20が示されている。
【0043】
衛生ナプキン20は、主本体22を有する。主本体22は、その前部を画定している第1の横面26、およびその後部を画定している第2の横面28を有する。主本体22はまた、縦面30および縦面32の2つの縦面を有する。衛生ナプキン20は、好ましくは約2.5mm以下、より好ましくは2.0mm未満、最も好ましくは1.5mm未満の厚みを有する。
【0044】
衛生ナプキン20は、この衛生ナプキン20を二等分する想像線である縦中心線34を有する。フラップ38および40が、縦面30および32のそれぞれから横方向外向きに延出している。主本体22はまた、縦中心線34に直交し、フラップ38および40を二等分する想像線である横中心線36を有する。
【0045】
図4に示されているように、主本体22は、積層構造であり、流体浸透性カバー層42、吸収システム44、および流体不浸透性障壁層50を有するのが好ましい。
【0046】
主本体‐カバー層
カバー層42は、比較的密度が低くて大きいバルキー性で厚みのある不織ウエブ材料とすることができる。カバー層42は、ポリエステルやポリプロピレンなどの唯1種類の繊維から構成されてもよいし、2種類以上の繊維混合を含んでもよい。カバー層42は、融点の低い成分と融点の高い成分を有する二成分すなわちコンジュゲート繊維から構成されてもよい。このような繊維は、ナイロン、ポリエステル、レーヨン(他の繊維との組合せ)、綿、アクリル繊維、およびこれらの組合せなどの様々な天然材料および合成材料から選択することができる。カバー層42は、約10g/m2〜約75g/m2の範囲の坪量を有するのが好ましい。
【0047】
二成分繊維は、ポリエステル層とポリエチレンシースからつくることができる。適当な二成分材料を使用することで、可溶性不織布繊維が得られる。このような可溶性繊維の例が、1985年11月26日にチコピー(Chicopee)に付与された米国特許第4,555,430号に開示されている。可溶性繊維を用いて、カバー層を吸収層および/または障壁層に取り付け易くすることができる。
【0048】
カバー層42は、比較的高い湿潤性を有するのが好ましいが、カバーを構成する個々の繊維は、特に親水性としなくてもよい。カバー材料は、多数の比較的大きい孔を有するべきである。なぜなら、カバー層42が、体液を迅速に吸収して、その体液を体から離れた堆積点に移送させるべきものであるからである。したがって、カバー層は、ナプキンが所与量の液体を吸収する時間(浸透時間)に僅かに寄与する。
【0049】
有利なことに、カバー層42を構成する繊維は、濡れていても物理特性が失われないはずである。言い換えれば、このような繊維は、水または体液にさらされても、潰れたり、弾力性が失われたりしないはずである。カバー層42は、流体が容易に通過できるように処理することができる。カバー層42はまた、吸収システム44の他の層に流体を迅速に移送する役割も果たす。したがって、カバー層42は、湿潤性、親水性、および多孔性であるのが有利である。ポリエステルまたは二成分繊維などの合成疎水性繊維からなる場合、カバー層42を界面活性剤で処理して所望の程度の湿潤性を付与することができる。
【0050】
本発明の好適な一実施形態では、カバーは、約0%〜約100%のポリエステルと約0%〜約100%のレーヨンを有するスパンレース不織布材料からつくられる。スパンレース材料は、約10%〜約65%のレーヨンと約35%〜約90%のポリエステルからつくることもできる。代わりおよび/または組合せとして、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはセルロース繊維をレーヨンと共に用いることができる。オプションとして、カバー層に用いる材料は、熱可塑性結合剤およびラテックス結合剤などの結合剤を含むことができる。
【0051】
本発明の別の好適な実施形態では、カバーは、100秒未満、好ましくは50秒未満、最も好ましくは30秒未満の「流体吸収時間」(以下に定義する)を有するスパンレース不織布材料からつくられる。
【0052】
本発明の別の好適な実施形態では、カバーは、実質的に完全に「非吸収性繊維」からなるスパンレース不織布材料からつくられ、100秒未満、好ましくは50秒未満、最も好ましくは30秒未満の「流体吸収時間」(以下に定義する)を有する。
【0053】
ここで用いる語「非吸収性繊維」は、繊維本体自体のポリマー基質内に流体を一切含まない繊維を意味する。適当な非吸収性繊維の例として、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、およびに二成分繊維(ポリプロピレン、ポリエステル、およびポリエチレンの組合せからつくられる)を挙げることができる
【0054】
非吸収性繊維の表面は、適当な界面活性剤や内部界面活性剤などの適当な表面仕上げ成分によって「永久湿潤性」(親水性)にすることができる。ここで用いる語「永久湿潤性」は、繊維の表面が、スパンレース処理の後も湿潤性を維持することを意味する。表面が永久湿潤性である繊維は、具体例が市販されており、スパンレースの例で後述する。
【0055】
本発明に従ったスパンレース材料は、永久湿潤性の繊維表面を有する非吸収性繊維を、好ましくは少なくとも20wt%、より好ましくは少なくとも35wt%、最も好ましくは少なくとも50wt%含む。
【0056】
好適な一実施形態では、スパンレース材料は、「実質的に完全に非吸収性繊維からなる」。ここで用いる語「実質的に完全に非吸収性繊維からなる」は、好ましくは、スパンレースカバー材料の少なくとも90wt%、より好ましくは少なくとも95wt%、最も好ましくは100wt%の繊維が非吸収性であることを意味する。
【0057】
別の特定の実施形態では、カバー材料は、約10wt%〜90wt%のポリプロピレン繊維と、90wt%〜10wt%のポリエステル繊維とを含む、より好ましくは約35wt%〜65wt%のポリプロピレン繊維と、65wt%〜35wt%のポリエステル繊維とを含む、スパンレース不織布材料であり、また、カバー材料は、100秒未満、好ましくは50秒未満、最も好ましくは30秒未満の流体吸収時間を有する。
【0058】
本発明に従ったスパンレースカバー材料のこれらの実施形態では、スパンレースカバー材料が、ハイドロエンタングリング処理(hydro entangling)の前に導入された予備成形ウエブを含み、この予備成形ウエブは、カバーの全重量の約10wt%〜約50wt%を占めるのが好ましい。予備成形ウエブの材料は、好ましくは約5g/m2〜約20g/m2の範囲、より好ましくは約10g/m2〜約15g/m2の範囲の坪量を有する。予備成形ウエブはまた、ポリエチレンやポリプロピレンなどの非吸収性材料から構成するが好ましい。
【0059】
本発明のこれらの実施形態では、カバー材料がスパンレース材料であり、このカバー材料は、好ましくは約30g/m2〜約80g/m2、より好ましくは約40g/m2〜約60g/m2の総坪量を有する。
【0060】
本発明の好適な実施形態は、カバー層として繊維状の不織布材料を用いているが、開口フィルム材料もカバー層として用いることができる。
【0061】
カバー材料の流体吸収時間を決定するための手順
上記したように、本発明に従ったスパンレースカバー材料は、好ましくは100秒未満、より好ましくは50秒未満、最も好ましくは30秒未満の「流体吸収時間」(以下に定義する)を有する。
【0062】
カバー材料の流体吸収時間を決定するための手順を以下に説明する。
【0063】
まず、試験用流体を用意する。この試験用流体は、次の組成を有する。
(a)アクリゾールG111(Acrysol G111)(ペンシルバニア州フィラデルフィアに所在のローム・アンド・ハス(Rohm & Hass)が販売)50g
(b)蒸留水(72.8ダイン/cm(72.8×10-5N/cm))975g
(c)赤色染料(ミズーリ州セントルイスに所在のシグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich CO.)が販売)10g
【0064】
得られる試験用流体は、42×10-5N/cm(42ダイン/cm)の値を有する。
【0065】
試験手順は以下の通りである。
(1)カバー材料の50.8mm×50.8mm(2インチ×2インチ)の小片を、台の上面などの平坦な水平面の上に載せる。吸収性材料は、測定する流体吸収時間に影響を及ぼすため、カバー材料の下に配置すべきではない。
(2)適当なピペットを用いて、材料の上面に0.05gの試験用流体の滴を垂らす。ピペットの末端部は、流体の自由落下を最小限にするように材料の上面のすぐ上に配置すべきであるが、試験用流体を材料内に押し込むように材料の上面に当接して配置すべきではない。
(3)試験用流体の滴が材料に達したらストップウォッチを開始し、流体の滴が材料内に完全に浸透したらストップウォッチを停止する。
(4)上記した手順を5つの材料サンプルに対して繰返し、平均流体吸収時間を計算する。この平均が、この方法に従った「流体吸収時間」である。
【0066】
スパンレースカバー材料の例
本発明に従ったカバー材料の3つの具体的な例を以下に記載し、2つの比較例も記載する。本発明の各スパンレースカバーは、当分野で周知の従来のスパンレース技術で製造される。
【0067】
スパンレースカバー例I
ジョージア州コンビントン(Convington)に所在のファイバービジョンズ社(Fibervisions Inc.)から入手可能な2.0dpf タイプ130HyEntangle WA(2.0 dpf Type 130 HyEntangle WA)(ポリプロピレン)繊維を50%、オランダ国シッタード(Sittard)に所在のセイビック社(Sabic Inc.)から入手可能な1.4dpf PET繊維シリーズ300(1.4 dpf PET fiber Series 300)を50%含む坪量が50g/m2のハイドロエンタングリング処理スパンレース不織ウエブ。この2.0dpf タイプ130HyEntangle WA繊維は、「永久湿潤性」繊維である。
【0068】
スパンレースカバー例II
サウスカロライナ州(コードKO‐CA‐5)チャールストン(Charleston)に所在のPGI社(PGI, Inc.)から入手可能な、ハイドロエンタングリング処理前に導入されたスパンボンドPP(spunbond PP)の予備成形ウエブを10g/m2すなわち全重量/重量%で20%(20% of total w/w%)と、ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)に所在のウエルマン社(Wellman Inc.)から入手可能な1.5dpf PET繊維タイプ203(1.5 dpf PET fiber Type 203)である短繊維を40g/m2すなわち全重量/重量%で80%を含む、総坪量が50g/m2のハイドロエンタングリング処理スパンレース不織ウエブ。この例では、永久湿潤性「繊維」は、予備成形スパンボンドPPウエブを介して導入される。この実施形態では、スパンボンドPPウエブは、「永久湿潤性」である。
【0069】
スパンレースカバー例III
ジョージア州コンビントン(Convington)に所在のファイバービジョンズ社(Fibervisions Inc.)から入手可能な2.0dpf タイプ130HyEntangle WA(2.0 dpf Type 130 HyEntangle WA)(ポリプロピレン)繊維を10g/m2すなわち20%と、ノースカロライナ州シャーロット(Charloette)に所在のウエルマン社(Wellman Inc.)から入手可能な1.5dpf PET繊維タイプ203(1.5dpf PET fiber Type 203)を40g/m2すなわち80%を含む、坪量50g/m2のハイドロエンタングリング処理スパンレース不織ウエブ。2.0dpf タイプ130HyEntangle WA繊維は、「永久湿潤性」繊維である。
【0070】
比較スパンレース例I
ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)に所在のウエルマン社(Wellman Inc.)から入手可能な1.5dpf PET繊維タイプ203(1.5dpf PET fiber Type 203)を100%含む、坪量50g/m2のハイドロエンタングリング処理スパンレース不織ウエブ。
【0071】
比較スパンレース例II
サウスカロライナ州チャールストン(Charleston)に所在のPGI社(PGI Inc.)から入手可能なハイドロエンタングリング処理前に導入されたスパンボンドPP(spunbond PP)を15g/m2すなわち全重量/重量%で30%と、ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)に所在のウエルマン社(Wellman Inc.)から入手可能な1.5dpf PET繊維タイプ203(1.5dpf PET fiber Type 203)を35g/m2すなわち全重量/重量%で70wt%とを含む、総坪量50g/m2のサウスカロライナ州(コードJM‐88‐10−12)チャールストン(Charleston)に所在のポリマー・グループ社(Polymer Group Inc.)から入手可能なハイドロエンタングリング処理スパンレース不織ウエブ。
【0072】
上記した各例の流体吸収時間を決定し、下表を作成した。
【表1】

【0073】
カバー層42は、親水性の向上を助けるために、このカバー層を次の層に融着して吸収システム44の残りの部分に対してエンボス加工することができる。このような融着は、カバー層42および吸収システム44の複数の部位で局所的、または全接触面に対して行うことができる。別法として、カバー層42は、接着剤などの他の手段によって吸収システム44に取り付けることができる。
【0074】
主本体‐吸収システム
本発明の特定の例では、吸収システム44は、主に、カバー層と障壁層との間に堆積させたSAP(超吸収剤)粉末からなる。このSAPは、カバー層の内面、障壁層の内面、またはこのカバー層と障壁層との間に配置された層の表面のいずれかに設けるのが好ましい。このSAPは、カバー層の内面、障壁層の内面、またはこのカバー層と障壁層との間に配置された層の表面のいずれかに接着剤を用いて接着するのが好ましい。例えば、フューラー社(Fuller Corporation)から入手可能なFuller1491などの一般的な感圧接着剤を障壁層の内面にコーティングして、SAP粉末を所定の位置に保持することができる。Sumitomo BA40B(日本の大阪に所在の住友精化(株))などの吸収速度が極めて高いSAPが、特に適していることがわかっている。この構成では、SAP層は、坪量が少なくとも50g/m2、好ましくは約100g/m2〜150g/m2の範囲で、実質的に均一であるのが好ましい。
【0075】
本発明の好適な一実施形態では、吸収システムは、カバー層と障壁層との間に配置された組織層に接着された超吸収剤からなる。
【0076】
本発明の別の実施形態では、吸収層は、カバー層の内面または障壁層の内面のいずれかに接着された超吸収剤のみからなることができる。
【0077】
本発明に有用な好適な超吸収剤は、極めて高い「ゲル遮断率(gel blocking rate)」(以降に詳細に定義)を有する。後述する吸収値およびゲル遮断値は、約68.95Pa(0.01psi)の圧力下でGAT(重量測定吸収テスター)装置における0.9%食塩水の吸収に基づいている。GAT装置の詳細な記載は、参照してその開示内容を本明細書に組み入れるマッコネル(McConnell)による米国特許第4,357,827号に開示されている。適当なGAT試験システムは、マサチューセッツ州ダナーズ(Danners)に所在のM/Kシステムズ(M/K Systems)から入手可能である。上記したSAPの吸収値を決定するために用いられる試験方法の詳細な記載を以下に説明する。
【0078】
試験用のSAPは、まず100メッシュスクリーン(米国‐篩シリーズ(US-Sieve Series))を用いてSAPを篩にかけて、100メッシュスクリーン上に残ったSAPを分離して用意した。
【0079】
GAT装置の試験セルを、流体レザバーの1cm上に来るように調節した。ワットマンGF/Aろ紙(Whatman GF/A)を、GAT装置の試験セルの上部に配置した。この試験セルは、多孔プレートを含む。このろ紙により、試験用流体がSAPに連続して流れることができる。
【0080】
試験容器は、第1の開口した端部および100メッシュ金属スクリーンによって覆われた第2の端部を有する1インチ(25.4mm)IDプレキシガラス管(1-inch ID plexiglass tube)から構成されている。SAP粉末0.10gを、金属スクリーン上部の試験容器内に入れた。このSAPの量は、200g/m2に相当する。シリンダ内にフィットするが結合しないように機械加工した4.4gのプレキシガラスパックを、粉末の上に配置して約68.95Pa(0.01psi)の公称荷重を加えた。
【0081】
試験容器を、スクリーンの外面がGAT試験セル上に配置されたろ紙に当接するように、そのろ紙の上に載せた。試験は、60分間に亘って行い、吸収した流体の量についてのデータをコンピュータで15秒毎に取得した。SAPサンプルに対して、時間軸に対して吸収力(g/g)をプロットして吸収曲線を作成した。
【0082】
上記したように、第2の試験を、上記した試験に用いた同じ種類のSAPに対して実施した。しかしながら、この第2の試験では、SAP粉末0.50gを金属スクリーン上部の試験容器内に入れた。このSAPの量は、1000g/m2に相当する。他の全ての点は、上記と同様に第2の試験を実施し、時間軸に対して吸収力(g/g)をプロットして第2の吸収曲線を作成した。
【0083】
「ゲル遮断率」は、0.10gのサンプルの合計吸収力(g/g)に対する0.50gのサンプルの合計吸収能力(g/g)の比率から決定した。ゲル遮断率は、t(分)=1、5、10、および60で計算した。市販の超吸収剤Sumitomo BA40Bのゲル遮断率および吸収特性を以下の一覧表にした。
【表2】

表に示されているように、本発明に有用な超吸収剤は、1分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.25であることが好ましい。表に示されているように、本発明に有用な超吸収剤は、5分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.50、より好ましくは少なくとも約0.60、最も好ましくは少なくとも約0.72である。
【0084】
主本体‐障壁層
吸収層44の下側には、障壁層50が配置されている。障壁層50は、吸収システム44内に閉じ込められた液体が衛生ナプキンから流出して使用者の下着を汚すのを防止するために液体不浸透性フィルム材料を含む。障壁層50は、ポリマーフィルムからつくるのが好ましいが、撥水処理不織布またはミクロ細孔フィルムまたは発泡体などの液体不浸透性の通気性材料からつくることができる。
【0085】
使用の際、ナプキン20を衣服に固定するために、障壁層の衣服に面する側に位置合わせ接着剤58を塗ることができる。位置合わせ接着剤58を除去可能な剥離紙60で覆い、使用前には位置合わせ接着剤58が除去可能な剥離紙60によって覆われているようにすることができる。
【0086】
障壁層は、通気性、すなわち蒸気の発散を可能にすることができる。この目的のために用いられる既知の材料の例として、不織布材料、およびフィルムの延伸や配向によってミクロ細孔が形成されるミクロ細孔フィルムを挙げることができる。蛇行した経路を画定し、かつ表面が液体の進入を妨げる液体表面となる単層または複層の通気性フィルム、繊維、溶融吹き込み材料、およびこれらの組合せを用いて、通気性基材シートを形成することもできる。カバー層42および障壁層50は、吸収層44を閉じ込められた状態に保持するエンクロージャまたはフランジシールを形成するように、それらの縁部分に沿って接合されている。この接合は、接着剤、熱接着、超音波接着、高周波シール、機械式クリンプ加工等、およびこれらの組合せなどによって行うことができる。
【0087】
主本体‐安定化層
図5および図6に示されているように、衛生ナプキン20は、カバー層42と障壁層50との間に配置された安定化層52をオプションとして含むこともできる。安定化層52は、吸収システム44とカバー層42との間、または吸収システム44と障壁層50との間に配置することができる。安定化層52は、局部により高い曲げ抵抗(MCB)をナプキンに付与する。安定化層52は、ナプキン20の局部における構造的完全性を高めると同時に、ナプキンの全体の性質をドレープ性にすることができる。
【0088】
安定化層52は、吸収システム44の長さL2よりも短い長さL1を有するのが好ましい。この場合、ナプキンは通常、安定化層52の寸法の範囲外に位置する第1の部分54、および安定化層52の寸法の範囲内に位置する第2の部分56を有する。安定化層52の材料は、ナプキン20が、安定化層52の寸法の範囲内すなわち第2の部分56内において、安定化層52の寸法の範囲外すなわち第1の部分54内よりも大きい曲げ抵抗(MCB)を有するように選択される。
【0089】
したがって、ナプキンは、少なくとも、安定化層52の寸法の範囲外における第1のMCB値、および安定化層52の寸法の範囲内における第2のMCB値を有する。この第1のMCB値は、第2のMCB値よりも小さい。第2のMCB値は、少なくとも400gであるのが好ましい。第1の部分54および第2の部分56のMCB値は、上記した「修正円形曲げ剛性(MCB:Modified Circular Bend Stiffness)および坪量(BW:Basis Weight)を決定するための方法」と同じ要領で算出することができる。
【0090】
安定化層52の幅W1は、吸収システム44の幅W2と同じになるように選択するのが好ましい。安定化層は、少なくとも37.5mmの長さL1および少なくとも37.5mmの幅W1を有するのが好ましい。
【0091】
安定化層52は、カバー層42と吸収システム44との間に配置される場合、安定化層52を含む材料は、流体を吸収システム44に容易に移送できるように選択されるべきである。例えば、安定化層52は、合成繊維および/またはセルロース繊維の配合物または混合物を有する不織布材料を含むことができる。適当な特定の材料組成は、当業者には明らかであろう。
【0092】
安定化層52が、吸収システム44と障壁層50との間に配置されている場合、安定化層を含む材料は、液体不浸透性とすることができる。この場合、安定化層52は、障壁層50が吸収製品から流体が流出するのを防止するのを助ける。
【0093】
別法として、安定化層が、吸収システム44と障壁層50との間に配置されている場合、安定化層を含む材料は、第2のコアとして機能するような吸収材とすることができる。例えば、安定化層52は、セルロース繊維とSAPの配合物または混合物を有する不織布材料を含むことができる。
【0094】
最後に、安定化層52は、障壁層の外面に配置することができる。このような実施形態では、安定化層を含む材料は、液体不浸透性であって、第2の障壁として機能するのが好ましい。
【0095】
本発明の吸収物品は、吸収物品を下着に固定するためのウイング、フラップ、またはタブを含んでも含まなくてもよい。特にフラップまたはタブとも呼ばれるウイング、およびウイングの衛生保護物品における使用が、バン・ティルバーグ(Van Tilburg)による米国特許第4,687,478号、同様にバン・ティルバーグ(Van Tilburg)による同第4,589,876号、マッコ(McCoy)による同第4,900,320号、およびマッティングリー(Mattingly)による同第4,608,047号に開示されている。これらの特許文献の開示内容は全て、参照して本明細書に組み入れる。上記特許文献に開示されているように、ウイングは通常、柔軟であり、下着の縁の間にウイングが配置されるように下着の縁の上で折り畳める構造である。
【0096】
本発明の吸収物品は、衣類に面する表面を衣類の股の内面に配置して股に配置することができる。吸収物品を取り付ける様々な方法を用いることができる。当業者が利用できる様々なオプションの例として、例えば、接着剤などの化学手段、クリップ、レースおよびタイなどの機械式取付け手段、ならびに、スナップ、ボタン、VELCRO(ニューハンプシャー州マンチェスターに所在のベルクロUSA社(Velcro USA, Inc.))、およびジッパーなどの連結装置を挙げることができる。
【0097】
接着剤は、ストリップ、渦巻、または波などとして取り付けることができる感圧接着剤を含むことができる。ここで用いる語「感圧接着剤」は、あらゆる除去可能な接着剤または除去可能な粘着手段を指す。適当な接着剤組成物の例として、例えば、アクリル接着剤などの水性感圧接着剤を挙げることができる。別法として、接着剤組成物は、天然または合成のポリイソプレン、スチレン‐ブタジエン、またはポリアクリレート、酢酸ビニルコポリマー、またはこれらの組合せのエマルジョンまたは溶剤型接着剤をベースにした接着剤、および適当なブロックコポリマーをベースにしたホットメルト接着剤を含むことができる。本発明に用いるのに適当なブロックコポリマーは、式(A−B)xを有する線形または放射状コポリマー構造体を含む。このブロックAは、ポリビニルアレーン(polyvinylarene)ブロックであり、ブロックBは、ポリ(モノアルケニル)ブロックであり、xは、ポリマーアーム(polymeric arm)の数であって、1以上の整数である。適当なブロックAポリビニルアレーンの例として、限定するものではないが、ポリスチレン、ポリα‐メチルスチレン、ポリビニルトルエン、およびこれらの組合せを挙げることができる。適当なブロックBポリ(モノアルケニル)ブロックの例として、限定するものではないが、例えばポリブタジエンまたはポリイソプレンなどの共役ジエンエラストマー、エチレンブチレン、エチレンプロピレン、またはポリイソブチレンなどの水素化エラストマー、またはこれらの組合せを挙げることができる。このようなタイプのブロックコポリマーの市販の例として、シェル・ケミカル社(Shell Chemical Company)から入手可能なKraton(商標)エラストマー、デクスコ(Dexco)から入手可能なVector(商標)、エニケム・エラストマーズ(Enichem Elastomers)から入手可能なSolprene(商標)、およびファイアー・ストン・タイヤ&ラバー社(Firestone Tire & Rubber Co.)から入手可能なStereon(商標);オレフィンポリマーおよびコポリマーをベースにしたホットメルト接着剤を挙げることができる。オレフィンポリマーは、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸n‐ブチル、ビニルシラン(vinyl silane)、無水マレイン酸などのエチレンのターポリマーおよびコポリマーである。このようなタイプのポリマーの市販の例として、Ateva(ATプラスチックス(AT plastics)から入手可能なポリマー)、Nucrel(デュポン(DuPont)から入手可能なポリマー)、およびEscor(エクソン・ケミカル(Exxon Chemical)から入手可能なポリマー)を挙げることができる。
【0098】
接着剤が用いられる場合、除去可能なストリップを取り付けて、吸収物品上の接着剤を、吸収物品を股に当てるまで保護することができる。除去可能なストリップは、使用するまでは接着剤に粘着して所定の位置に保持されるが、吸収物品を使用する際に容易に除去できる任意の適当なシート状材料から形成することができる。オプションとして、コーティングを除去可能なストリップに設けて、接着剤から除去可能なストリップを剥がし易いようにすることもできる。この目的を果たすことができるシリコーンなどの任意のコーティングを用いることができる。
【0099】
カバー、吸収層、移送層、基材シート層、および接着層の一部または全てを色付けすることができる。このような色付けには、限定するものではないが、白、黒、赤、黄、青、オレンジ、緑、紫、およびこれらの混合色が含まれる。色は、染色、着色、および印刷によって本発明に従って付けることができる。本発明に従って用いる着色剤は、染料、有機色素、および無機色素を含む。染料の例として、限定するものではないが、アントラキノン色素(Solvent Red 111、 Disperse Violet 1、 Solvent Blue 56、およびSolvent Green 3)、キサンテン系色素(Solvent Green 4、 Acid Red 52、 Basic Red 1、およびSolvent Orange 63)、およびアジン色素(Jet black)などを含む。無機色素は、限定するものではないが、二酸化チタン(白)、カーボンブラック(黒)、酸化鉄(赤、黄、および茶)、酸化クロム(緑)、およびフェロシアン化アンモニウム鉄(ferric ammonium ferrocyanide)(青)などを挙げることができる。
【0100】
有機色素の例として、限定するものではないが、ジアリリード(diarylide)黄AAOA((Pigment Yellow 12)、ジアリリード(diarylide)黄AAOT(Pigment Yellow 14)、フタロシアニン青(Pigment Blue 15)、リソール赤(Pigment Red 49:1)、および赤色レーキC(Pigment Red)などを挙げることができる。
【0101】
吸収物品は、発泡体、網状材料、香料、薬物すなわち医薬品、保湿剤、および臭気抑制剤などの既知の他の材料、層、および添加物を含むことができる。吸収物品は、オプションとして、装飾デザインでエンボス加工することができる。
【0102】
吸収物品は、カートン、箱、または袋の中に未包装吸収物品としてパッケージングすることができる。消費者は、必要な時に、そのまま使用できる製品を取り出すことができる。吸収物品は、個々にパッケージング(各吸収物品を包装材内に封入)することもできる。
【0103】
平行な長手方向の縁、イヌの骨すなわちピーナッツ形状、および紐タイプの下着に適したテーパー構造を有する非対称および対称な吸収物品も考えられる。
【0104】
上記説明から、当業者は、本発明の本質的な特性を理解でき、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更形態および改良形態を実施できるであろう。例示目的で上記した実施形態は、本発明の実施における様々な変更形態に対する制限ではない。
【0105】
発明サンプル
発明サンプル1
イリノイ州ショーベルグ(Schaumberg)に所在のプライアント社(Pliant Corp.)が製造する0.9ミル(約22.86μm)のポリエチレンフィルム(製品番号3492A)の障壁層と、障壁層のカバーに面した表面に設けられたFuller1023接着剤(約9.1g/m2(5.9mg/平方インチ))と、ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)に所在のポリマー・グループ社(Polymer Group, Inc.)から入手可能な75g/m2のスパンレースカバー材料(製品番号PGI4012)と、このカバーの障壁層に面した表面に設けられた、ミネソタ州セントポールに所在のフューラー社(Fuller Corp.)から入手可能なFuller1023接着剤(約4.03g/m2(2.6mg/平方インチ))と、を有する衛生ナプキン。カバー層と障壁層との間には、ウイスコンシン州グリーン・ベイ(Green Bay)に所在のリトル・ラピッズ社(Little Rapids, Corp.)から入手可能なLittle Rapidsタイプ2004ウェットティッシュペーパーの層であって、坪量21.2g/m2の層が配置されている。このティッシュペーパーの縁は、カバー層および障壁層の縁から約10mm内側にある。ティッシュペーパーの障壁に面した側は、Fuller1023接着剤でコーティング(10g/m2)された幅が約50mm、長さが170mmの面積を有する。ティッシュペーパーおよび接着剤を障壁層およびカバーに接合する前に、日本の大阪に所在の住友精化化学(株)から入手可能なSumitomo BA40B超吸収剤の130g/m2の層を、ティッシュペーパーの接着剤が覆われた側に堆積させた。この接着剤は、超吸収剤を所定の位置に保持する。超吸収剤を堆積させた後、カバー、SAPで覆ったティッシュペーパー、および障壁層を接合した。障壁層の衣服に面した表面は、ミネソタ州セントポールに所在のフューラー社(Fuller Corp.)から入手可能なパンティー用感圧接着剤Fuller1417を約31g/m2(20mg/平方インチ)でコーティングした。
【0106】
比較サンプル1:
ケアフリー・パーフェクト・フィット・パンティーライナー(Carefree Perfect Fit Pantiliner)
比較サンプル2:
コーテクッス・ライトデイズ・パンティーライナー(Kotex Lightdays Pantiliner)
比較サンプル3:
オールウエイズ・ウルトラシン・サニタリー・ナプキン(Always Ultrathin Sanitary Napkin)
比較サンプル4:
ステイフリー・ウルトラシン・オーバーナイト・サニタリー・ナプキン(Stayfree Ultrathin Overnight Sanitary Napkin)
比較サンプル5:
リブラ・インビジブル・サニタリー・ナプキン(Libra Invisible Sanitary Napkin)(オーストラリア)
比較サンプル6:
ケアフリー・ウルトラ・ドライ・パンティーライナー(Carefree Ultra Dry Pantiliner)
【0107】
上記した発明サンプルおよび比較サンプルは、ここに記載する試験方法に従って試験し、その結果を下表に示す。
【表3】

【0108】
平均吸収力(AC)を測定するための手順
発明サンプル製品1および比較サンプル製品1〜6は、各製品の平均吸収力(AC)を決定するためにさらに試験した。平均吸収力(AC)を決定するための試験手順は、以下の通りである。
【0109】
後述する平均吸収力試験を行うためには、少なくとも3つの新しい製品サンプルが必要である。
【0110】
平均吸収力試験は、製品サンプルからカットした37.5mm×37.5mmの正方形試験片に対して行う。37.5mm×37.5mmの各試験片は、上記したMCBおよびAI試験で使用した製品からサンプルが取られた位置に一致する製品の位置から取った。
【0111】
試験を行う前に、少なくとも6つの60mm×60mmの正方形エンベロープを、二成分繊維の空気結合ウエブ(air bonded web)を介して約23.6g/m2(0.7オンス/平方ヤード)などの軽量不織布から形成する。不織布材料の適当な例として、PGI製品番号4128を挙げることができる。このエンベロープは、120mm×60mmの長方形部分を折り畳み、サンプルを中に入れて縁を加熱シールして形成できる。試験の浸水工程の際にサンプルへの試験用流体の吸収を妨げず、かつ滴下工程の際に滴下を妨げない他のエンベロープの形成方法を用いることもできる。
【0112】
試験片を含まないエンベロープを、15分間、生理食塩水(0.9%)に浸漬し、生理食塩水が自由落下するように12分間、吊るす。次に、エンベロープの湿量を0.01g単位で測定する。この手順を、3つのエンベロープサンプルに対して実施し、エンベロープの平均湿量を決定する。
【0113】
試験を開始する前に、3つの乾燥した37.5mm×37.5mmの各試験片の重量を測定する。
【0114】
37.5mm×37.5mmの試験片を乾燥エンベロープ内に入れ、このエンベロープを15分間、生理食塩水(0.9%)に浸漬し、生理食塩水が自由落下するように12分間、吊るす。エンベロープと試験片の総湿量を0.01g単位で測定する。次に、試験片の乾燥重量とエンベロープのみの平均湿量を減じて、試験片の吸収力を決定する。3つの37.5mm×37.5mmの試験片に対して繰返し、吸収力の平均を求めて、平均吸収力(AC)をグラム単位で得る。下表に、発明サンプル製品1および比較サンプル製品1〜6のそれぞれに対する平均吸収力(AC)を示す。
【表4】

【0115】
本発明に従った吸収物品は、好ましくは少なくとも約5.0g、より好ましくは少なくとも約6.5g、最も好ましくは少なくとも約8.0gの平均吸収力(AC)を有する。
【0116】
上記した各発明サンプルは、図5および図6を参照して説明した安定化層52を含まずに構成されている。しかしながら、上記した各発明サンプルは、このような安定化層52を含むように構成することもできる。
【0117】
発明サンプル2
発明サンプル2は、上記した発明サンプル1と同様の構造を有するが、カバー層と吸収層との間に配置された安定化層をさらに含む。安定化層は、Typar/Tektonろ過グレードスパンボンド・ポリプロピレン・スタイル番号3301N(Typar/Tekton Filtration Grade Sponbonded Polypropylene Style Number 3301N)として、BBAファイバーウエブ・フィルトレーション(BBA Fiberweb Filtration)から入手可能な102g/m2のスパンボンドポリプロピレンから構成した。安定化層の寸法は、約40mm×40mmであり、安定化層を製品の中心に配置した。
【0118】
発明サンプル2を試験して、安定化層によって画定される領域内および安定化層の領域外のMCB値を決定し、これらのMCB値を下表に示す。
【表5】

【0119】
上記説明から、本発明に従った吸収物品は、優れた流体取扱い特性を備えた高柔軟性のドレープ性吸収物品の固有の組合せを実現する。
【0120】
本発明に従った吸収物品の衛生および他のヘルスケアへの利用は、当業者が現在知っているまたは将来知る任意の衛生保護、失禁の治療および吸収方法および技術によって実現できる。したがって、本願は、添付の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内である本発明の変更形態および改良形態も含むものとする。
【0121】
〔実施の態様〕
(1)吸収物品において、
カバー層と、
障壁層と、
前記カバー層と前記障壁層との間に配置された、超吸収ポリマー(SAP)を備えた吸収システムと、
を含み、
前記吸収物品は、少なくとも約0.50のDCDI値、および少なくとも約1.5の吸収指数(AI)を有する、
吸収物品。
(2)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約2.0のドレープ指数(BW/MCB)を有する、吸収物品。
(3)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約3.0のドレープ指数を有する、吸収物品。
(4)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約4.5のドレープ指数を有する、吸収物品。
(5)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記超吸収ポリマーは、1分の時のゲル遮断率(gel blocking ratio at one minute)が少なくとも約0.30である、吸収物品。
【0122】
(6)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記SAPは、5分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.70である、吸収物品。
(7)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記SAPは、5分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.72である、吸収物品。
(8)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.7の吸収指数(AI)を有する、吸収物品。
(9)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.8の吸収指数(AI)を有する、吸収物品。
(10)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、約2.0mm未満の厚みを有する、吸収物品。
【0123】
(11)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、約2.0mm未満の厚みを有する、吸収物品。
(12)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.50のDCDI値を有する、吸収物品。
(13)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.70のDCDI値を有する、吸収物品。
(14)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.00のDCDI値を有する、吸収物品。
(15)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記SAPは、少なくとも50g/m2の量で存在する、吸収物品。
【0124】
(16)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記SAPは、約100g/m2〜約150g/m2の範囲の量で存在する、吸収物品。
(17)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記SAPは、前記障壁層のカバーに面した側に固定されている、吸収物品。
(18)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収システムは、前記カバー層と前記障壁層との間に配置された層を含み、
前記SAPは、前記カバー層と前記障壁層との間に配置された前記層の表面に固定されている、吸収物品。
(19)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収システムは、前記カバー層または前記障壁層の内面に固定されたSAPからなる、吸収物品。
(20)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、第1の部分および第2の部分を有しており、
前記第2の部分は、前記第1の部分のMCBよりも大きいMCBを有する、吸収物品。
【0125】
(21)実施態様(20)に記載の吸収物品において、
前記第2の部分は、400gを超えるMCBを有する、吸収物品。
(22)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記カバー層は、約10wt%〜約65wt%のレーヨンと、約35wt%〜約90wt%のポリエステルと、を含むスパンレース材料である、吸収物品。
(23)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.17g/cm3の密度を有する、吸収物品。
(24)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.20g/cm3の密度を有する、吸収物品。
(25)実施態様(1)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約8.0gの吸収力を有する、吸収物品。
【0126】
(26)吸収物品において、
カバー層と、
障壁層と、
前記カバー層と前記障壁層との間に配置された、超吸収ポリマー(SAP)を備えた吸収システムと、
を含み、
前記吸収物品は、少なくとも約0.50のDCDI値、および少なくとも約5.0gの吸収力を有する、
吸収物品。
(27)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約2.0のドレープ指数(BW/MCB)を有する、吸収物品。
(28)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約3.0のドレープ指数を有する、吸収物品。
(29)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約4.5のドレープ指数を有する、吸収物品。
(30)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記超吸収ポリマーは、1分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.30である、吸収物品。
【0127】
(31)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記SAPは、5分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.70である、吸収物品。
(32)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記SAPは、5分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.72である、吸収物品。
(33)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.7の吸収指数(AI)を有する、吸収物品。
(34)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.8の吸収指数(AI)を有する、吸収物品。
(35)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、約2.0mm未満の厚みを有する、吸収物品。
【0128】
(36)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、約2.0mm未満の厚みを有する、吸収物品。
(37)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.50のDCDI値を有する、吸収物品。
(38)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.70のDCDI値を有する、吸収物品。
(39)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.00のDCDI値を有する、吸収物品。
(40)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記SAPは、少なくとも50g/m2の量で存在する、吸収物品。
【0129】
(41)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記SAPは、約100g/m2〜約150g/m2の範囲の量で存在する、吸収物品。
(42)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記SAPは、前記障壁層のカバーに面した側に固定されている、吸収物品。
(43)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収システムは、前記カバー層と前記障壁層との間に配置された層を含み、
前記SAPは、前記カバー層と前記障壁層との間に配置された前記層の表面に固定されている、吸収物品。
(44)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収システムは、前記カバー層または前記障壁層の内面に固定されたSAPからなる、吸収物品。
(45)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、第1の部分および第2の部分を有しており、
前記第2の部分は、前記第1の部分のMCBよりも大きいMCBを有する、吸収物品。
【0130】
(46)実施態様(45)に記載の吸収物品において、
前記第2の部分は、400gを超えるMCBを有する、吸収物品。
(47)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記カバー層は、約10wt%〜約65wt%のレーヨンと、約35wt%〜約90wt%のポリエステルと、を含むスパンレース材料である、吸収物品。
(48)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.17g/cm3の密度を有する、吸収物品。
(49)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.20g/cm3の密度を有する、吸収物品。
(50)実施態様(26)に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約8.0gの吸収力を有する、吸収物品。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】吸収システムを示すためにカバー層が部分的に剥がされた、本発明の実施形態に従った衛生ナプキンの平面図である。
【図2】衛生ナプキンの一端が片手で保持された際の姿勢を示す図1の衛生ナプキンの斜視図である。
【図3】図1に示す衛生ナプキンの底面図である。
【図4】図3に示す衛生ナプキンの縦中心線4‐4に沿って見た断面図である。
【図5】吸収システムを示すためにカバー層が部分的に剥がされた、本発明の別の実施形態に従った衛生ナプキンの平面図である。
【図6】図5に示す衛生ナプキンの縦中心線6‐6に沿って見た断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収物品において、
カバー層と、
障壁層と、
前記カバー層と前記障壁層との間に配置された、超吸収ポリマー(SAP)を備えた吸収システムと、
を含み、
前記吸収物品は、少なくとも約0.50のDCDI値、および少なくとも約1.5の吸収指数(AI)を有する、
吸収物品。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約2.0のドレープ指数(BW/MCB)を有する、吸収物品。
【請求項3】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約3.0のドレープ指数を有する、吸収物品。
【請求項4】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約4.5のドレープ指数を有する、吸収物品。
【請求項5】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記超吸収ポリマーは、1分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.30である、吸収物品。
【請求項6】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記SAPは、5分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.70である、吸収物品。
【請求項7】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記SAPは、5分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.72である、吸収物品。
【請求項8】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.7の吸収指数(AI)を有する、吸収物品。
【請求項9】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.8の吸収指数(AI)を有する、吸収物品。
【請求項10】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、約2.0mm未満の厚みを有する、吸収物品。
【請求項11】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、約2.0mm未満の厚みを有する、吸収物品。
【請求項12】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.50のDCDI値を有する、吸収物品。
【請求項13】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.70のDCDI値を有する、吸収物品。
【請求項14】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.00のDCDI値を有する、吸収物品。
【請求項15】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記SAPは、少なくとも50g/m2の量で存在する、吸収物品。
【請求項16】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記SAPは、約100g/m2〜約150g/m2の範囲の量で存在する、吸収物品。
【請求項17】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記SAPは、前記障壁層のカバーに面した側に固定されている、吸収物品。
【請求項18】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収システムは、前記カバー層と前記障壁層との間に配置された層を含み、
前記SAPは、前記カバー層と前記障壁層との間に配置された前記層の表面に固定されている、吸収物品。
【請求項19】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収システムは、前記カバー層または前記障壁層の内面に固定されたSAPからなる、吸収物品。
【請求項20】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、第1の部分および第2の部分を有しており、
前記第2の部分は、前記第1の部分のMCBよりも大きいMCBを有する、吸収物品。
【請求項21】
請求項20に記載の吸収物品において、
前記第2の部分は、400gを超えるMCBを有する、吸収物品。
【請求項22】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記カバー層は、約10wt%〜約65wt%のレーヨンと、約35wt%〜約90wt%のポリエステルと、を含むスパンレース材料である、吸収物品。
【請求項23】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.17g/cm3の密度を有する、吸収物品。
【請求項24】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.20g/cm3の密度を有する、吸収物品。
【請求項25】
請求項1に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約8.0gの吸収力を有する、吸収物品。
【請求項26】
吸収物品において、
カバー層と、
障壁層と、
前記カバー層と前記障壁層との間に配置された、超吸収ポリマー(SAP)を備えた吸収システムと、
を含み、
前記吸収物品は、少なくとも約0.50のDCDI値、および少なくとも約5.0gの吸収力を有する、
吸収物品。
【請求項27】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約2.0のドレープ指数(BW/MCB)を有する、吸収物品。
【請求項28】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約3.0のドレープ指数を有する、吸収物品。
【請求項29】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約4.5のドレープ指数を有する、吸収物品。
【請求項30】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記超吸収ポリマーは、1分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.30である、吸収物品。
【請求項31】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記SAPは、5分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.70である、吸収物品。
【請求項32】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記SAPは、5分の時のゲル遮断率が少なくとも約0.72である、吸収物品。
【請求項33】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.7の吸収指数(AI)を有する、吸収物品。
【請求項34】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.8の吸収指数(AI)を有する、吸収物品。
【請求項35】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、約2.0mm未満の厚みを有する、吸収物品。
【請求項36】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、約2.0mm未満の厚みを有する、吸収物品。
【請求項37】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.50のDCDI値を有する、吸収物品。
【請求項38】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.70のDCDI値を有する、吸収物品。
【請求項39】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約1.00のDCDI値を有する、吸収物品。
【請求項40】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記SAPは、少なくとも50g/m2の量で存在する、吸収物品。
【請求項41】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記SAPは、約100g/m2〜約150g/m2の範囲の量で存在する、吸収物品。
【請求項42】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記SAPは、前記障壁層のカバーに面した側に固定されている、吸収物品。
【請求項43】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収システムは、前記カバー層と前記障壁層との間に配置された層を含み、
前記SAPは、前記カバー層と前記障壁層との間に配置された前記層の表面に固定されている、吸収物品。
【請求項44】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収システムは、前記カバー層または前記障壁層の内面に固定されたSAPからなる、吸収物品。
【請求項45】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、第1の部分および第2の部分を有しており、
前記第2の部分は、前記第1の部分のMCBよりも大きいMCBを有する、吸収物品。
【請求項46】
請求項45に記載の吸収物品において、
前記第2の部分は、400gを超えるMCBを有する、吸収物品。
【請求項47】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記カバー層は、約10wt%〜約65wt%のレーヨンと、約35wt%〜約90wt%のポリエステルと、を含むスパンレース材料である、吸収物品。
【請求項48】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.17g/cm3の密度を有する、吸収物品。
【請求項49】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約0.20g/cm3の密度を有する、吸収物品。
【請求項50】
請求項26に記載の吸収物品において、
前記吸収物品は、少なくとも約8.0gの吸収力を有する、吸収物品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−289666(P2007−289666A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−67153(P2007−67153)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(591252839)マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL−PPC,INCORPORATED
【Fターム(参考)】