ドレーン材の打設装置
【課題】長い筒状部材を立てた状態で安定して保持できると共に、筒状部材の引き抜き作業を効率的に行うことが可能なドレーン材の打設装置を提供する。
【解決手段】移動車両20と、移動車両20に搭載され複数本の筒状部材13〜18を立てた状態で並列に保持する枠体21と、筒状部材14〜18を吊り上げて横移動する搬送手段22と、筒状部材13〜18を打設し、かつ打設した筒状部材13〜18を引き抜く打込み引抜き手段23とを備えたドレーン材の打設装置10であって、筒状部材14〜18の左右両側には、左右方向への倒れを防止する対となる支持部材及び載置部材が設けられ、支持部材及び載置部材には、筒状部材の前後方向への倒れを防止する第1、第2のストッパ部材を備えた第1、第2のストッパ機構がそれぞれ設けられている。
【解決手段】移動車両20と、移動車両20に搭載され複数本の筒状部材13〜18を立てた状態で並列に保持する枠体21と、筒状部材14〜18を吊り上げて横移動する搬送手段22と、筒状部材13〜18を打設し、かつ打設した筒状部材13〜18を引き抜く打込み引抜き手段23とを備えたドレーン材の打設装置10であって、筒状部材14〜18の左右両側には、左右方向への倒れを防止する対となる支持部材及び載置部材が設けられ、支持部材及び載置部材には、筒状部材の前後方向への倒れを防止する第1、第2のストッパ部材を備えた第1、第2のストッパ機構がそれぞれ設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟弱な粘土地盤の圧密促進やゆるい砂質地盤の液状化防止対策として、地盤にドレーン材を打設するドレーン材の打設装置に関する。
【背景技術】
【0002】
埋立地等での地盤沈下現象や地盤の液状化現象が生じる場所では、地盤沈下現象や液状化現象を防止する対策として、地盤に含まれている水を地表に排水するドレーン材を地盤に打ち込んでいる。ドレーン材の地盤への打ち込みは、ドレーン材を筒状部材(ケーシング)内に挿入して、筒状部材と共にドレーン材を地盤に貫入し、筒状部材及びドレーン材をそれぞれ継ぎ足して、設定した深さに達した時点で、筒状部材のみを地盤から引き抜くことにより行われている。この方法では、ドレーン材を打ち込む深さに応じて、筒状部材及びドレーン材を継ぎ足せばよく、ドレーン材の打設場所の地表上に高さ制限がある場所でも、その高さ制限内の長さを有する筒状部材を用いてドレーン材の打ち込みを行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−292361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筒状部材及びドレーン材を順次継ぎ足しながら打設する方法では、筒状部材及びドレーン材を継ぎ足す作業が煩雑になり、打設作業効率を向上させるには限界が生じる。そこで、高さ制限内で筒状部材の長さを長くして筒状部材を継ぎ足す回数を少なくすることで打設作業の効率向上を図ることが考えられる。しかし、筒状部材が長くなると、筒状部材を立てた状態で保持することが困難になるという問題がある。
また、筒状部材を地盤に貫入する場合、貫入する筒状部材の上端部の上方に筒状部材と共に下降する移動ローラを設け、ドレーン材が移動ローラに掛け渡された状態で筒状部材内に挿入されるようにしている。そして、打設が終了した筒状部材に次の筒状部材を継ぎ足して打設をできるだけ短時間で再開しようとすると、下降した移動ローラを上方に移動させながら、他の付帯作業(例えば、次に打設する筒状部材の継ぎ足し作業等)を並行して行う必要がある。このため、打設効率を向上させようとすると、打設作業に多くの要員数を投入する必要が生じ、人件費の上昇を招くという問題がある。
【0005】
一方、打設作業が完了して、地盤に打ち込んだ筒状部材を引き抜いた場合、引き抜いた筒状部材は、ドレーン材が挿入されたまま立設状態で並列に保持される。このとき、各筒状部材の下端部の下方にはローラを配置し、筒状部材の下端から排出されているドレーン材をローラに掛け渡して、筒状部材内でのドレーン材の移動がスムーズに行われるようにしている。しかしながら、ドレーン材が挿入された状態で筒状部材を地盤から引き抜いて横移動した場合、横移動した筒状部材と地盤に貫入している筒状部材の間で露出するドレーン材には十分なゆとりがないため、引き抜いた筒状部材の下端から露出したドレーン材をローラに掛け渡そうとする際にドレーン材を下方に送り出さねばならず、ドレーン材をローラに掛け渡す作業が煩雑になるという問題が生じる。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、長い筒状部材を立てた状態で安定して保持できると共に、筒状部材の引き抜き作業を効率的に行うことが可能なドレーン材の打設装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う本発明に係るドレーン材の打設装置は、帯状のドレーン材の打設場所を移動可能な移動車両と、該移動車両に搭載され、先端に抜け止めとなるアンカーが取付けられてドレーン材供給手段から送り出される前記ドレーン材が挿通され、軸方向に連結可能な打設前の複数本の筒状部材を立てた状態で並列に保持する保持場所を備えた枠体と、前記保持場所で前記筒状部材を該筒状部材の上端部に取付けられた吊具材を介して吊り上げて前記枠体内の該保持場所より前方の打設待機場所まで、また該打設待機場所にある該筒状部材を前記吊具材を介して吊り上げて該保持場所まで横移動する搬送手段と、前記打設待機場所にある前記筒状部材を把持して打ち込み、かつ打ち込まれた該筒状部材を把持して引き抜く打込み引抜き手段とを備えるドレーン材の打設装置であって、
前記枠体には、前記筒状部材の長さに応じて、上下方向に積み重ねられる複数のユニット枠が設けられ、最上段及び最下段の前記ユニット枠には、前記保持場所にある前記筒状部材の上方及び下方の位置に、前記ドレーン材が掛け渡される水平状態から該ドレーン材が外れる退避状態に回転軸が傾動する片持ち支持された上部ローラ及び下部ローラがそれぞれ設けられ、
前記保持場所にある前記筒状部材の上側の左右両側には、長手方向を前後方向に向けて該筒状部材の左右方向への倒れを防止する対となる支持部材が、前記保持場所にある前記筒状部材の下側には、長手方向を前後方向に向け隙間を有して配置され、該筒状部材を載置する左右対となる載置部材がそれぞれ設けられ、
対となる前記支持部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く前記筒状部材の前後方向の倒れを防止する第1のストッパ部材と、該第1のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて該第1のストッパ部材の片側を昇降し、前記支持部材の一方に直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第1の昇降手段と、前記第1のストッパ部材を水平状態から前記一方の支持部材に沿わせて垂直状態に導く第1のガイド部材とを有する第1のストッパ機構を前記筒状部材の上側又は中間部に設け、
対となる前記載置部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く前記筒状部材の前後方向の倒れを防止する第2のストッパ部材と、該第2のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて該第2のストッパ部材の片側を昇降し、前記載置部材の一方に、直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第2の昇降手段と、前記第2のストッパ部材を水平状態から前記一方の載置部材に沿わせて垂直状態に導く第2のガイド部材とを有する第2のストッパ機構を前記筒状部材の下側に設けている。
【0008】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、対となる前記支持部材は最上段の前記ユニット枠に、対となる前記載置部材は最下段の前記ユニット枠にそれぞれ設けることができる。
【0009】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記各筒状部材の上端部には、中央に貫通孔が形成された連結金具が設けられ、前記各筒状部材の下端部には前記貫通孔に嵌入し、前記ドレーン材が挿通する孔が設けられた突出部が設けられ、しかも、前記突出部を前記貫通孔に嵌入して上下の前記筒状部材を連結した位置には、前記連結金具及び前記突出部を掛止する固定ピンが固定されていることが好ましい。
【0010】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記各筒状部材の上端部には、前記ドレーン材が挿通する空間を有し、前記連結金具の前記固定ピンの固定位置にロックピンを取付けて固定される前記吊具材が装着でき、前記搬送手段は、前記吊具材に掛止される昇降可能なフック部を有していることが好ましい。
【0011】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記枠体内には、立設された対となるレール部材と、該レール部材にガイド車輪を介して昇降可能に取付けられ、前記筒状部材の上端部に装着された前記吊具材を、設けられた固定アームで支持し、昇降する昇降台車と、該昇降台車を移動させる駆動機構とが設けられ、更に、前記昇降台車に突出して配置された取付け材には、前記打設待機場所にあって前記吊具材を装着した前記筒状部材の上方に配置され、該筒状部材内に挿通される前記ドレーン材が掛け渡されて、該ドレーン材の位置決めを行う補助ローラが片持ち支持でしかも、該補助ローラの回転軸が水平位置から下回りで垂直位置まで回動可能に設けられていることが好ましい。
【0012】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記駆動機構は、1)前記昇降台車の上昇限の上位置でかつ前記対となるレール部材の外側にある第1のスプロケット、2)該第1のスプロケットの直下位置で前記昇降台車の下降限の下位置にある第2のスプロケット、3)前記昇降台車の直上で前記第1のスプロケットと同一高さ位置にある第3のスプロケット、4)前記昇降台車の直下位置で前記第2のスプロケットと同一高さ位置に設けられた第4のスプロケット、5)前記第3のスプロケット、前記第1のスプロケット、前記第2のスプロケット、前記第4のスプロケットに掛け渡されるエンドレスのリンクチェーン、6)前記第1又は第2のスプロケットを回転駆動する回転駆動源、7)前記昇降台車の上側と前記リンクチェーンを連結するフック部材、及び8)前記昇降台車が上昇限に到達した時点で該フック部材の前記リンクチェーンへの掛止を解除する解除手段を有していることもできる。
【0013】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記駆動機構には、前記対となるレール部材の外側を通る前記リンクチェーンの張力を調整する張力調整手段を設けることもできる。
【0014】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記昇降台車の上部には、最上段の前記ユニット枠に設けられた折り返しガイド車に掛け渡されたワイヤ又はチェーンの一端が固定され、該ワイヤ又はチェーンの他端にはカウンタウエイトを取付けてもよい。
【0015】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、最下段の前記ユニット枠には、前記打込み引抜き手段で引き抜き、前記搬送手段を用いて前記保持場所に移動し立てて配置した前記筒状部材の下部から飛び出た前記ドレーン材に上から掛止して引き出す引き出しロッドと、該引き出しロッドを収納位置から前記ドレーン材の押し下げ位置まで駆動するロッド駆動部とを有するドレーン材位置調整手段が設けられていることが好ましい。
【0016】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記ロッド駆動部は、最下段の前記ユニット枠の左側部又は右側部に設けられ、前側傾斜すると共に、上端が前記下部ローラより上方に、下端が該下部ローラより下方にそれぞれ位置する摺動ガイド部材と、該摺動ガイド部材の長手方向に沿って摺動可能に取付けられ、前記引き出しロッドを左右方向に進退可能に保持する保持部材を備えたスライダと、前記摺動ガイド部材の上側に基部が回動可能に取付けられたシリンダと、該シリンダの駆動ロッドの先部と接続し、該駆動ロッドを前記シリンダに引き込みながら、前記摺動ガイド部材の中間位置に第1のロック手段によって固定されている前記スライダに設けられた前記引き出しロッドを前記筒状部材の下部から飛び出た前記ドレーン材に上から掛止する位置に突出させるリンク機構と、該リンク機構と連携して動作し、前記引き出しロッドの突出が終了した時点で前記第1のロック手段が解除した前記スライダを、前記シリンダからの前記駆動ロッドの押し出しによる前記スライダの前記摺動ガイド部材の下側への移動が終了した時点で、前記摺動ガイド部材の下側に固定する第2のロック手段とを有する構成とすることができる。
【0017】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記リンク機構は、中間部が第1の固定ピンを介して前記摺動ガイド部材に支持され、一端部が前記駆動ロッドに第1の連結ピンを介して接続されて、前記駆動ロッドの進退に伴って前記第1の固定ピンを支点に回動する第1のリンク部材と、
該第1のリンク部材の他端部と、一端部が第2の連結ピンを介して接続される第2のリンク部材と、
該第2のリンク部材の他端部が第3の連結ピンを介して接続される第1の頂点部、第2の固定ピンを用いて前記スライダに支持される第2の頂点部、及び前記引き出しロッドの基側に設けられ前記保持部材から外部に突出した第4の連結ピンが前記第2の頂点部に向けて移動可能に掛止される第3の頂点部を備え、前記第2のリンク部材を介して前記第1のリンク部材の回動により前記第2の固定ピンを支点に回動する三角形状の第3のリンク部材とを有し、
前記駆動ロッドが前記シリンダに引き込まれることに伴って前記第1のリンク部材が前記第1の固定ピンを支点に回動し、前記第2のリンク部材を介して前記第3のリンク部材を前記第2の固定ピンを支点に回動させて前記引き出しロッドを押し出すことができる。
【0018】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記第1のロック手段は、前記スライダの内側部に基部が回動可能に取付けられ、前記摺動ガイド部材の内側部の上下方向中間部に形成された第1の切欠きに掛止する第1の鉤部を先側に備えた第1のロック部材と、両端が前記第1のロック部材及び前記スライダにそれぞれ固定され、前記第1のロック部材を前記スライダに向けて付勢する第1のバネと、前記スライダに摺動可能に設けられて、基部が前記第3のリンク部材に押圧されて先部が前記第1のロック部材を押圧して前記第1の切欠きへの前記第1のロック部材の掛止を解く第1の押圧ピンとを有することができる。
【0019】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記第2のロック手段は、前記スライダの外側部に基部が回動可能に取付けられ、前記摺動ガイド部材の左右方向の外側部の下部に形成された第2の切欠きに掛止する第2の鉤部を先側に備えた第2のロック部材と、両端が前記第2のロック部材及び前記スライダにそれぞれ固定され、前記スライダが最下部にある位置で、前記第2のロック部材の第2の鉤部を前記第2の切欠きに嵌入保持する第2のバネと、前記第3のリンク部材に固着されて、前記第2の切欠きに装着された前記第2のロック部材を解除するロック解除部とを有し、前記シリンダによって最下位置まで押し下げられた前記スライダの引き上げ時に、前記ロック解除部によって前記第2の切欠きに掛止した前記第2のロック部材の解除を行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るドレーン材の打設装置においては、保持場所にある筒状部材の上側の左右両側には、長手方向を前後方向に向けて筒状部材の左右方向への倒れを防止する対となる支持部材が、保持場所にある筒状部材の下側には、長手方向を前後方向に向け隙間を有して配置され、筒状部材を載置する左右対となる載置部材がそれぞれ設けられ、対となる支持部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く筒状部材の前後方向の倒れを防止する第1のストッパ部材と、第1のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて第1のストッパ部材の片側を昇降し、支持部材の一方に直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第1の昇降手段と、第1のストッパ部材を水平状態から一方の支持部材に沿わせて垂直状態に導く第1のガイド部材とを有する第1のストッパ機構を筒状部材の上側又は中間部に設け、対となる載置部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く筒状部材の前後方向の倒れを防止する第2のストッパ部材と、第2のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて第2のストッパ部材の片側を昇降し、載置部材の一方に、直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第2の昇降手段と、第2のストッパ部材を水平状態から一方の載置部材に沿わせて垂直状態に導く第2のガイド部材とを有する第2のストッパ機構を前記筒状部材の下側に設けているので、筒状部材の長さが長くなっても枠体内で安定して保持することができ、長い筒状部材を使用することが可能になる。その結果、ドレーン材の打設時に、筒状部材の連結回数を少なくすることができ、打設作業に要する時間を短縮化することが可能になる。
【0021】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、対となる支持部材が最上段のユニット枠に、対となる載置部材が最下段のユニット枠にそれぞれ設けられている場合、対となる支持部材の数を最小にして、筒状部材を安定に保持することができる。
【0022】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、各筒状部材の上端部には、中央に貫通孔が形成された連結金具が設けられ、各筒状部材の下端部には貫通孔に嵌入し、ドレーン材が挿通する孔が設けられた突出部が設けられ、しかも、突出部を貫通孔に嵌入して上下の筒状部材を連結した位置には、連結金具及び突出部を掛止する固定ピンが固定されている場合、筒状部材を確実に連結することが可能になる。
【0023】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、ドレーン材が挿通する空間を有し、連結金具の固定ピンの固定位置にロックピンを取付けて固定される吊具材が各筒状部材の上端部に装着できる場合、筒状部材の構造を簡素化することができる。また、搬送手段が、吊具材に掛止される昇降可能なフック部を有している場合、搬送手段と吊具材との連結が容易になる。
【0024】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、枠体内には、立設されたレール部材と、レール部材にガイド車輪を介して昇降可能に取付けられ、筒状部材の上端部に装着された吊具材を、設けられた固定アームで支持し、昇降する昇降台車と、昇降台車を移動させる駆動機構とが設けられ、更に、昇降台車に突出して配置された取付け材には、打設待機場所にあって吊具材を装着した筒状部材の上方に配置され、筒状部材内に挿通されるドレーン材が掛け渡されて、ドレーン材の位置決めを行う補助ローラが片持ち支持でしかも、補助ローラの回転軸が水平位置から下回りで垂直位置まで回動可能に設けられている場合、ドレーン材が打込まれる筒状部材に対して安定して挿通された状態を保つことができ、筒状部材の打設が完了すると、補助ローラからドレーン材を素早く取外し上昇させることができる。これにより、打設が完了した筒状部材の上端に続いて打設する筒状部材を素早く連結することができ、打設作業に要する時間を短縮化することが可能になる。
【0025】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、駆動機構が、1)昇降台車の上昇限の上位置でかつ対となるレール部材の外側にある第1のスプロケット、2)第1のスプロケットの直下位置で昇降台車の下降限の下位置にある第2のスプロケット、3)昇降台車の直上で第1のスプロケットと同一高さ位置にある第3のスプロケット、4)昇降台車の直下位置で第2のスプロケットと同一高さ位置に設けられた第4のスプロケット、5)第3のスプロケット、第1のスプロケット、第2のスプロケット、第4のスプロケットに掛け渡されるエンドレスのリンクチェーン、6)第1又は第2のスプロケットを回転駆動する回転駆動源、7)昇降台車の上側とリンクチェーンを連結するフック部材、及び8)昇降台車が上昇限に到達した時点でフック部材のリンクチェーンへの掛止を解除する解除手段を有する場合、簡単な構成で昇降台車を上昇させることができると共に、昇降台車が上昇限に到達した際に回転駆動源に過負荷が発生することを防止できる。
【0026】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、駆動機構に、対となるレール部材の外側を通るリンクチェーンの張力を調整する張力調整手段が設けられている場合、リンクチェーンの張力を一定にすることができ、フック部材のリンクチェーンに対する掛止が安定化できる。
【0027】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、昇降台車の上部に、最上段のユニット枠に設けられた折り返しガイド車に掛け渡されたワイヤ又はチェーンの一端が固定され、ワイヤ又はチェーンの他端にはカウンタウエイトが取付けられている場合、フック部材のリンクチェーンに対する掛止が解除されても、昇降台車が直ちに下降することを防止できる。
【0028】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、最下段のユニット枠に、打込み引抜き手段で引き抜き、搬送手段を用いて保持場所に移動し立てて配置した筒状部材の下部から飛び出たドレーン材に上から掛止して引き出す引き出しロッドと、引き出しロッドを収納位置からドレーン材の押し下げ位置まで駆動するロッド駆動部とを有する場合、筒状部材の下端から飛び出たドレーン材の長さを長くすることができ、ドレーン材を下部ローラに容易に掛け渡すことが可能になる。これにより、筒状部材の引き抜き作業を効率的に行うことが可能になる。
【0029】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、ロッド駆動部が、最下段のユニット枠の左側部又は右側部に設けられ、前側傾斜すると共に、上端が下部ローラより上方に、下端が下部ローラより下方にそれぞれ位置する摺動ガイド部材と、摺動ガイド部材の長手方向に沿って摺動可能に取付けられ、引き出しロッドを左右方向に進退可能に保持する保持部材を備えたスライダと、摺動ガイド部材の上側に基部が回動可能に取付けられたシリンダと、シリンダの駆動ロッドの先部と接続し、駆動ロッドをシリンダに引き込みながら、摺動ガイド部材の中間位置に第1のロック手段によって固定されているスライダに設けられた引き出しロッドを筒状部材の下部から飛び出たドレーン材に上から掛止する位置に突出させるリンク機構と、リンク機構と連携して動作し、引き出しロッドの突出が終了した時点で第1のロック手段が解除したスライダを、シリンダからの駆動ロッドの押し出しによるスライダの摺動ガイド部材の下側への移動が終了した時点で、摺動ガイド部材の下側に固定する第2のロック手段とを有している場合、ひとつのシリンダを用いて、引き出しロッドを収納位置で突出させた後、スライダを移動させて固定することができ、ドレーン材位置調整手段の構成を簡単にできる。その結果、ドレーン材の打設装置の製造コストを低減することが可能になる。
【0030】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、リンク機構が、中間部が第1の固定ピンを介して摺動ガイド部材に支持され、一端部が駆動ロッドに第1の連結ピンを介して接続されて、駆動ロッドの進退に伴って第1の固定ピンを支点に回動する第1のリンク部材と、第1のリンク部材の他端部と、一端部が第2の連結ピンを介して接続される第2のリンク部材と、第2のリンク部材の他端部が第3の連結ピンを介して接続される第1の頂点部、第2の固定ピンを用いてスライダに支持される第2の頂点部、及び引き出しロッドの基側に設けられ保持部材から外部に突出した第4の連結ピンが第2の頂点部に向けて移動可能に掛止される第3の頂点部を備え、第2のリンク部材を介して第1のリンク部材の回動により第2の固定ピンを支点に回動する三角形状の第3のリンク部材とを有し、駆動ロッドがシリンダに引き込まれることに伴って第1のリンク部材が第1の固定ピンを支点に回動し、第2のリンク部材を介して第3のリンク部材を第2の固定ピンを支点に回動させて引き出しロッドを押し出す場合、枠体内に配置した筒状部材の下方に十分なスペースが存在しなくてもリンク機構を設けることができる。
【0031】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、第1のロック手段が、スライダの内側部に基部が回動可能に取付けられ、摺動ガイド部材の内側部の上下方向中間部に形成された第1の切欠きに掛止する第1の鉤部を先側に備えた第1のロック部材と、両端が第1のロック部材及びスライダにそれぞれ固定され、第1のロック部材をスライダに向けて付勢する第1のバネと、スライダに摺動可能に設けられて、基部が第3のリンク部材に押圧されて先部が第1のロック部材を押圧して第1の切欠きへの第1のロック部材の掛止を解く第1の押圧ピンとを有する場合、第1のロック手段の構成を簡単にでき、枠体内に配置した筒状部材の下方に十分なスペースが存在しなくても第1のロック手段を設けることができる。
【0032】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、第2のロック手段が、スライダの外側部に基部が回動可能に取付けられ、摺動ガイド部材の左右方向の外側部の下部に形成された第2の切欠きに掛止する第2の鉤部を先側に備えた第2のロック部材と、両端が第2のロック部材及びスライダにそれぞれ固定され、スライダが最下部にある位置で、第2のロック部材の第2の鉤部を第2の切欠きに嵌入保持する第2のバネと、第3のリンク部材に固着されて、第2の切欠きに装着された第2のロック部材を解除するロック解除部とを有し、シリンダによって最下位置まで押し下げられたスライダの引き上げ時に、ロック解除部によって第2の切欠きに掛止した第2のロック部材の解除を行う場合、第2のロック手段の構成を簡単にでき、枠体内に配置した筒状部材の下方に十分なスペースが存在しなくても第2のロック手段を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置の一部省略側面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同ドレーン材の打設装置の枠体の最上段及び最下段のユニット枠の一部省略側面図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ同ドレーン材の打設装置の枠体の最上段のユニット枠に設けられた支持部材及び第1のストッパ機構の平面図及び側面図である。
【図4】最上段のユニット枠に設けられた第1のストッパ機構の側面図である。
【図5】最上段のユニット枠に設けられた第1のストッパ機構の背面図である。
【図6】最上段のユニット枠に設けられた第1のストッパ機構の平面図である。
【図7】(A)、(B)はそれぞれ同ドレーン材の打設装置の枠体の最下段のユニット枠に設けられた載置部材及び第2のストッパ機構の平面図及び側面図である。
【図8】最下段のユニット枠に設けられた第2のストッパ機構の側面図である。
【図9】最下段のユニット枠に設けられた第2のストッパ機構の背面図である。
【図10】最下段のユニット枠に設けられた第2のストッパ機構の平面図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置の上部ローラの傾動状態を示す説明図である。
【図12】(A)は、同ドレーン材の打設装置の筒状部材の連結部の側断面図であり、(B)、(C)はそれぞれ、同ドレーン材の打設装置の差込み金材及び固定金材の正面図である。
【図13】(A)、(B)はそれぞれ、同ドレーン材の打設装置の吊金具の側面図及び平面図である。
【図14】同ドレーン材の打設装置の電動チェーンブロックの説明図である。
【図15】同ドレーン材の打設装置のレール部材、昇降台車、及び駆動機構の説明図である。
【図16】(A)は昇降台車の部分側面図、(B)は昇降台車の設けられた補助ローラの説明図、(C)は昇降台車の平面図である。
【図17】(A)、(B)はそれぞれ駆動機構の部分背面図、部分側面図である。
【図18】張力調整手段の説明図である。
【図19】本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置のドレーン材位置調整部の一部省略正面図である。
【図20】同ドレーン材の打設装置のドレーン材位置調整部の一部省略側面図である。
【図21】引き出しロッドが収納位置にある状態のドレーン材位置調整部の説明図である。
【図22】引き出しロッドが収納位置にある状態のドレーン材位置調整部の説明図である。
【図23】引き出しロッドが押し下げ位置にある状態のドレーン材位置調整部の説明図である。
【図24】引き出しロッドが押し下げ位置にある状態のドレーン材位置調整部の説明図である。
【図25】(A)〜(F)は筒状部材と共にドレーン材を打設する際の説明図である。
【図26】(A)〜(G)は打設した筒状部材を引き抜く際の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置10は、帯状のドレーン材12の打設場所を移動可能な移動車両20と、移動車両20に搭載され、先端に抜け止めとなるアンカー(図示せず)が取付けられてドレーン材供給手段11から送り出されるドレーン材12が挿通され、軸方向に連結可能な打設前の複数本の筒状部材(ケーシングともいう)14、15、16、17、18を立てた状態で並列に保持する保持場所を備えた枠体21と、保持場所で筒状部材14〜18を筒状部材14〜18の上端部に取付けられた吊具材の一例である吊金具114(図13参照)を介して吊り上げて枠体21内の保持場所より前方の打設待機場所まで、また打設待機場所にある筒状部材18〜14を吊金具114を介して吊り上げて保持場所まで横移動する搬送手段の一例である電動チェーンブロック22と、打設待機場所にある筒状部材13〜18を把持して打ち込み、かつ打ち込まれた筒状部材18〜13を把持して引き抜く打込み引抜き手段23とを備えている。ここで、ドレーン材の打設装置10の打設待機場所には、上端部に吊金具114が取付けられ、筒状部材14の下端から飛び出したドレーン材12が挿通され、打込み引抜き手段23で把持された筒状部材13が予め立設されている。なお、図1では、3本の筒状部材13、14、18のみを記載している。
【0035】
枠体21には、筒状部材13〜18の長さに応じて、上下方向に積み重ねられる複数(本実施の形態では6段)のユニット枠25、26、27、28、29、30が設けられている。そして、図2(A)に示すように、最上段のユニット枠25には、保持場所にある筒状部材14〜18の上方の位置に回転軸31が傾動し筒状部材14〜18に挿通するドレーン材12が掛け渡される上部ローラ32、33、34、35、36が設けられている。また、図2(B)に示すように、最下段のユニット枠30には、保持場所にある筒状部材14〜18の下方の位置に回転軸37が傾動し筒状部材14〜18を挿通したドレーン材12が掛け渡される下部ローラ38、39、40、41、42が設けられている。ここで、ユニット枠25〜30後部には、ユニット枠25〜30を連結した際に一体化して(連通して)ドレーン材通過路43を形成するドレーン材通過管44、45、46、47、48、49が設けらている。これによって、ドレーン材供給手段11から送り出されるドレーン材12の損傷を防止して、ドレーン材12を保持場所の最後部に位置する筒状部材18に挿通することができる。
【0036】
そして、図3(A)、(B)に示すように、最上段のユニット枠25には、保持場所にある複数の筒状部材14〜18の上側の左右両側に、長手方向を前後方向に向けて筒状部材14〜18の左右方向への倒れを防止する対となる支持部材50、51が設けられている。また、図4〜図6に示すように、対となる支持部材50、51の間に水平状態で跨がり、最後部を除く筒状部材14〜17の前後方向の倒れを防止する第1のストッパ部材54と、第1のストッパ部材54の片側(例えば、第1のストッパ部材54の支持部材50側)にピン154を介して回動可能に連結されて第1のストッパ部材54の片側を昇降する駆動ロッド53を備え、支持部材50、51の一方、例えば支持部材50に補助部材の一例であるベース部材145を介して立設状態で取付けられた第1の昇降手段の一例である流体圧シリンダ52と、第1のストッパ部材54を水平状態から支持部材50に沿わせて垂直状態に導く第1のガイド部材151とを有する第1のストッパ機構55が筒状部材14〜17の上側に設けられている。また、筒状部材18の後側には、対となる支持部材50、51に両側がそれぞれ支持される上ストッパ部材56が設けられている。これにより、筒状部材18の後方向への倒れが防止できる。なお、流体圧シリンダ52は、支持部材50、51の一方、例えば支持部材50に直接立設状態で取付けてもよい。更に、第1のストッパ機構55は、筒状部材14〜17の中間部に設けてもよい。
【0037】
一方、図7(A)、(B)に示すように、最下段のユニット枠30には、保持場所にある複数の筒状部材14〜18の下端に当接し左右方向に隙間を設け、長手方向を前後方向に向けて筒状部材14〜18を載置して支える対となる載置部材57、58が設けられている。また、図8〜図10に示すように、対となる載置部材57、58の間に水平状態で跨がり、最後部を除く筒状部材14〜17の前後方向の倒れを防止する第2のストッパ部材61と、第2のストッパ部材61の片側(例えば、第2のストッパ部材61の載置部材58側)にピン176を介して回動可能に連結されて第2のストッパ部材61の片側を昇降する駆動ロッド60を備え、載置部材57、58の一方、例えば載置部材58に、下ベース部材167(補助部材の一例)を介して立設状態で取付けられた第2の昇降手段の一例である流体圧シリンダ59と、第2のストッパ部材61を水平状態から載置部材58に沿わせて垂直状態に導く第2のガイド部材173とを有する第2のストッパ機構62が筒状部材14〜17の下側に設けられている。また、筒状部材18の後側には、対となる載置部材57、58に両側がそれぞれ支持される下ストッパ部材63が設けられている。これにより、筒状部材18の後方向への倒れが防止できる。なお、流体圧シリンダ59を、載置部材57、58の一方、例えば載置部材58に、直接立設状態で取付けてもよい。以下、詳細に説明する。
【0038】
図1に示すように、移動車両20は、下部に移動用のキャタピラ部64を有し、キャタピラ部64の上部に、枠体21を下から支持するボディ部65を供えている。また、ドレーン材供給手段11は、ボディー部65の後側に基部が固定された支持部材66と、支持部材66の先側に設けられた水平軸67と、水平軸67に回転可能に取付けられ、外周部にドレーン材12が巻き付けられたドラム68と、枠体21及びボディ部65にそれぞれ設けられた図示しない操作盤とを有している。ここで、ドラム68は、時計回り及び反時計回りに回転自在であり、ドラム68に巻き付けられたドレーン材12の送り出し、及び巻き取りは、操作盤からの操作によって行われる。なお、符号69は、ボディ部65に取付けられて、ボディ部65の姿勢を安定化するアウトリガーである。
【0039】
枠体21を構成するユニット枠25〜30は、例えば、鉄等の金属製の複数の棒材及び板材を用いて形成され、前後左右の4つの側面部は、ブレース70によって補強が行われている。そして、枠体21は、ユニット枠25〜30を、ボルト及びナット等の締結部材(図示せず)により連結することで形成され、枠体21の高さは、立った状態の筒状部材13〜18の高さより高くなっている。なお、枠体21の前後の側部には、それぞれ複数のトラフワイヤ71、72、73、74、75、76の一端が取付けられ、トラフワイヤ71〜76の他端はボディ部65の前後部にそれぞれ固定されている。これによって、ボディ部65で支持された枠体21の安定化を図ることができる。ここで、本実施の形態では、枠体21の形成に6個のユニット枠25〜30を使用したが、使用する筒状部材の長さに応じてユニット枠の高さ、ユニット枠の個数は、それぞれ変更可能である。
【0040】
図2(A)、図11に示すように、保持場所にある筒状部材14〜18の上方位置には、軸方向を前後方向に向けて、基部がユニット枠25の後部側部材77の左右方向中央部に取付けられ、先側が柱部材78で支持されている上水平棒材79が設けられ、上水平棒材79には上部ローラ32〜36が回転軸31を上回動機構84を介して傾動可能に取付けられている。ここで、上部ローラ36(上部ローラ32〜35についても同じ)の回転軸31は、片持ち構造を有し、一側に抜け防止金具80が固定され、回転軸31の他側(抜け防止金具80が固定された位置の反対側)が回転軸31を支持するV字金具81の中央部(先部)に固着されている。そして、V字金具81の両端部(基部)には、軸方向を前後方向に向けて上水平軸82が回動可能に設けられ、上水平軸82は軸受部材83を介して上水平棒材79の下部に取付けられている。
【0041】
上回動機構84は、上水平棒材79より高い位置に軸心方向を前後方向に向けて設けられた水平材85に、基部が回動可能に取り付けられたシリンダ86と、シリンダ86の駆動ロッド87の先部に設けられ、V字金具81の中央部に近接する位置で、回転軸31をピン部材88を介して回動可能に取付ける連結部材89とを有している。このような構成とすることにより、駆動ロッド87をシリンダ86から突出させることによりV字金具81を上水平軸82を介して回動させて、上部ローラ36の回転軸31を水平に保って上部ローラ36を筒状部材18の上方位置に配置することができ、上部ローラ36にドレーン材12が掛け渡された状態を保持することができる。一方、駆動ロッド87をシリンダ86に引き込むことによりV字金具81を上水平軸82を介して回動させて、上部ローラ36の回転軸31を垂直に保って(軸方向を上下方向に向けて)上部ローラ36を筒状部材18の上方位置から退去することができ、上部ローラ36に掛け渡されたドレーン材12を解放することができる。
【0042】
図2(B)に示すように、保持場所にある筒状部材14〜18の下方位置には、軸方向を前後方向に向けて、基部がユニット枠30の後部側部材90の左右方向中央部に取付けられた下水平棒材91が設けられ、下水平棒材91に下部ローラ38〜42が下回動機構を介して回転軸37を傾動可能にして取付けられている。ここで、下部ローラ42(下部ローラ38〜41についても同じ)の回転軸37は、片持ち構造を有し、一側に抜け防止金具(図示せず)が固定され、回転軸37の他側(抜け防止金具が固定された位置の反対側)が回転軸37を支持するV字金具92の中央部(先部)に固着されている。そして、V字金具92の両端部(基部)には、軸方向を前後方向に向けて下水平軸93が回動可能に設けられ、下水平軸93は軸受部材(図示せず)を介して下水平棒材91の上部に取付けられている。
【0043】
ここで、下回動機構は、上回動機構84のシリンダ86と同様のシリンダの基部を、下水平棒材91より低い位置に軸心方向を前後方向に向けて設けた水平材に回動可能に取付けること以外は、上回動機構84と同一の構成とすることができる。このため、詳細な説明は省略する。このような構成とすることにより、駆動ロッドをシリンダから突出させることによりV字金具92を下水平軸93を介して回動させて、下部ローラ42の回転軸37を水平に保って下部ローラ42を筒状部材18の下方位置に配置することができ、下部ローラ42にドレーン材12が掛け渡された状態を保持することができる。一方、駆動ロッドをシリンダに引き込むことによりV字金具92を下水平軸93を介して回動させて、下部ローラ42の回転軸37を垂直に保って(軸方向を上下方向に向けて)下部ローラ42を筒状部材18の下方位置から退去することができ、下部ローラ42に掛け渡されたドレーン材12を解放することができる。そして、水平配置した際の上部ローラ36及び下部ローラ42の前後及び左右の位置を予め調整しておくことで、ドレーン材12の上部ローラ36から下部ローラ42に掛け渡された部分が垂直かつ張設された状態となるようにすることができ、ドレーン材12を立設された筒状部材18の中央を挿通するようにすることができる。
【0044】
図12(A)〜(C)に示すように、筒状部材13〜18は、それぞれ軸心が上下方向に配置された長尺のパイプ部94と、パイプ部94の上端部内側に固定された連結金具95とを備えている。なお、図12(A)は、筒状部材14の下端部と筒状部材13の上端部を連結した状態を示しているが、他の筒状部材14〜18の連結も同じ状態となる。連結金具95は、対となる蒲鉾状の固定金材96、97からなり、固定金材96、97の間(即ち連結金具95の中央)に、筒状部材13の軸心に沿って配置された貫通孔98を形成している。ここで、固定金材96、97のパイプ部94の上端部内側への固定は、溶接法、ねじ固定法、又は溶接及びねじ固定の併用法のいずれか1の方法を用いて行う。
また、筒状部材14〜18のパイプ部94の下端部には、基部が、パイプ部94の内側に固定された突出金具99が設けられている。突出金具99は、対となる差込み金材100、101からなり、パイプ部94内側に固定された差込み金材100、101の基部より下側の部位によって、パイプ部94から下方に突出しドレーン材12が挿通する孔101aが設けられた突出部102が形成されている。差込み金材100、101のパイプ部94内側に固定される基部は、外側がパイプ部94の内周面の曲率に合わせて蒲鉾状に形成されている。ここで、差込み金材100、101のパイプ部94の下端部内側への固定は、溶接法、ねじ固定法、又は溶接及びねじ固定の併用法のいずれか1の方法を用いて行う。
なお、筒状部材13のパイプ部94の下端部には、ドレーン材12が挿通され下方に向かって縮径した縮径部材(図示せず)が設けられている。これにより、筒状部材13の地盤19への打ち込みをスムーズに行うことができる。
【0045】
突出部102は、連結金具95によって形成された貫通孔98に嵌入可能に形成されているので、筒状部材14〜18はそれぞれ、下端部の突出部102を上端部の貫通孔98に嵌入して連結状態とすることができる。なお、差込み金材100、101は、突出部102を形成している部位に、固定金材96、97の平面部103と当接する平面部104を有している。
【0046】
また、固定金材96、97には、平面部103に横溝105、106がそれぞれ形成され、差込み金材100、101には、平面部104に横溝107、108がそれぞれ形成されている。筒状部材13〜18のいずれか2つが連結された状態(即ち固定金材96の平面部103と差込み金材100の平面部104が当接し、かつ、固定金材97の平面部103と差込み金材101の平面部104が当接した状態)で、その連結部に位置する固定金材96の横溝105と差込み金材100の横溝107、及び固定金材97の横溝106と差込み金材101の横溝108は、符合して棒状の固定ピン109が挿通可能な横貫通孔110、111をそれぞれ形成する。なお、横貫通孔110、111は、高さ位置が異なって配置されている。また、筒状部材13〜18のパイプ部94の上端部には、パイプ貫通孔112、113が形成され、パイプ貫通孔112、113は、筒状部材13〜18が連結された状態で、パイプ部94の内側に配置された横貫通孔110、111に対してそれぞれ同軸上に配置される。
【0047】
図13(A)、(B)に示すように、吊金具114は、L型のロックピン115によって、筒状部材13の上端部に固定される(筒状部材14〜18に装着されている吊金具114についても同じ)。ここで、吊金具114は、筒状部材13のパイプ部94の上端部内側に固定された連結金具95によって形成された貫通孔98に嵌入し、下部に、筒状部材13の上端部を側方向から貫通したロックピン115が掛止される横溝116を備えた内側固定部材117と、内側固定部材117の上部に固定され、下部が筒状部材13の上端部に当接する円弧部材118とを有している。なお、横溝116は、吊金具114が筒状部材13の上端部に固定された状態で、パイプ貫通孔112に対して同軸上に配置される。
【0048】
また、吊金具114には、円弧部材118に固定され、筒状部材13の上端部の外側面に当接する外側固定部材119が設けられている。更に、吊金具114には、円弧部材118に回動可能に取り付けられたU字状の回動部材120が設けられている。そして、回動部材120は、先部中央に電動チェーンブロック22のフック部121(図14参照)によって掛止される掛止孔122を有し、基部両端が円弧部材118に設けられた水平突起123に回動可能に取り付けられている。そして、回動部材120は、円弧部材118に設けられたストッパ部124、125、126、127によって、回動角度が制限されている。
【0049】
このような構成とすることにより、吊金具114は、筒状部材13を貫通したロックピン115によって垂直方向の動きが制限され、内側固定部材117と外側固定部材119によって、水平方向の動きが制限される。このため、筒状部材13の上端部に確実に固定された状態になっている。そして、吊金具114は、ロックピン115を筒状部材13から抜き取ることによって、筒状部材13から容易に取り外すことが可能である。なお、本実施の形態では、ロックピン115の抜き差しは、人力によって行われる。
【0050】
図14に示すように、ユニット枠25の上端部には、長手方向を前後方向に向けて水平棒材128が配置され、水平棒材128の下部には、長手方向を前後方向に向けて水平に保たれたガイドレール129が固定されている。そして、電動チェーンブロック22は、ガイドレール128に横移動可能に取付けられている。ここで、電動チェーンブロック22は、ガイドレール128に横移動可能に装着された移動部130と、移動部130の下部に設けられたチェーン巻取り巻戻し機構131と、チェーン巻取り巻戻し機構131に基側が連結されたチェーン132の先部に取付けられたフック部121と、手元盤(手元スイッチ)133とを有している。
【0051】
このような構成とすることで、手元盤133の操作によって、移動部130の横移動、及びフック部121の昇降を行うことができ、フック部121を、筒状部材13〜18の各上端部に装着される吊金具114に掛止することによって、筒状部材13を吊り上げて、打設待機場所における上下方向位置の調整を行うことができる。また、保持場所で筒状部材14〜18を吊り上げ、打設待機場所まで横移動させて上下方向位置の調整を行ったり、打設待機場所にある筒状部材18〜14を吊り上げて保持場所まで横移動させて上下方向位置の調整を行うことができる。
【0052】
打込み引抜き手段23は、最下段のユニット枠30の下部に設置され、打込み引抜き手段23に把持された立設状態の筒状部材13〜18の中心軸と地盤19との交点位置が、ドレーン材12の打設位置となる。ここで、打込み引抜き手段23は、筒状部材13〜18を地盤19に打込む機能と、地盤19に打込まれている筒状部材13〜18を引抜く機能を備え、本実施の形態では、上下動する保持チャック134を有している。保持チャック134が筒状部材13〜18を把持した状態で下方に移動すると、筒状部材13〜18が地盤19に打込まれ、筒状部材13〜18を把持した状態で上方に移動すると、地盤19に打込まれている筒状部材13〜18が引抜かれる。
【0053】
図4、図5に示すように、支持部材50、51は、例えば、正面視してL字状の部材であって、長手方向を前後方向に向けて、一方の平坦部135、136を水平に、他方の平坦部137、138を垂直にして最上段のユニット枠25に対向配置されている。また、支持部材50、51より下方となるユニット枠25内の位置には、長手方向を前後方向に向けて対となる取付け部材139、140が、支持部材50、51と左右方向位置及び前後方向位置を合わせてそれぞれ取付けられている。ここで、取付け部材139、140は、正面視してL字状の部材であって、一方の平坦部141、142を水平に、他方の平坦部143、144を垂直にしてユニット枠25に対向配置されている。このような構成とすることで、枠体21内の保持場所に立設した筒状部材14〜18の上側部分の異なる位置を支持部材50、51及び取付け部材139、140で左右方向両側から支持することができ、筒状部材14〜18の上側部分の左右方向への移動を防止できる。
【0054】
取付け部材139の平坦部141において、保持場所に立設した筒状部材14〜17の前後両側位置にそれぞれ相当する位置、及び筒状部材18の前側位置に相当する位置には、それぞれ長手方向を上下方向に向けてベース部材145が載置され、ベース部材145の両端側はそれぞれ支持部材50の左右方向外側を向いた平坦部137及び取付け部材139の左右方向外側を向いた平坦部143に固定されている。そして、第1のストッパ機構55の流体圧シリンダ52は、駆動ロッド53の先部を上方に向けてベース部材145に取付け具146、147を介して固定されている。
【0055】
支持部材50の平坦部135において、ベース部材145の上端と対向する領域の前後方向両側に相当する位置には、左右方向に沿って切込み部148、149(図4、図6参照)が設けられ、切込み部148、149に挟まれた部分は、円弧状に曲げられて曲面部150を形成している。また、各ベース部材145の上部の前後方向の中央部には、長手方向を上下方向に向けて、平面視してコ字状の第1のガイド部材151が、開口部を左右方向の内側にして、開口部の下側を曲面部150に当接させた状態で取付けられている。ここで、隣り合う第1のガイド部材151は補強板部材152を介して連結されている。一方、第1のストッパ部材54は、先部を上方に向けて第1のガイド部材151を貫通し、第1のストッパ部材54の基部は、流体圧シリンダ52の駆動ロッド53の先部に取付けられた連結部153にピン154を介して回動可能に取付けられている。なお、第1のストッパ部材54を駆動ロッド53と連結した際、駆動ロッド53の軸心位置に対して、垂直状態の第1のストッパ部材54の軸心位置が左右方向内側に来るように取付け位置の調整が行われている。
【0056】
このような構成とすることにより、図3(A)、(B)に示すように、流体圧シリンダ52の操作用バルブ155を操作して駆動ロッド53の上昇を開始すると、第1のストッパ部材54は第1のガイド部材151を貫通しているので、第1のストッパ部材54の左右方向及び前後方向への移動が制限されて、第1のストッパ部材54を上方に向けて移動させることができる。そして、コ字状の第1のガイド部材151の開口部が左右方向の内側を向いて、垂直状態の第1のストッパ部材54の軸心位置が駆動ロッド53の軸心位置より左右方向内側に配置されているので、第1のストッパ部材54の基側が曲面部150に近づくと、第1のストッパ部材54は上昇しながら基部を支点として曲面部150に沿って徐々に回動を開始し、駆動ロッド53の先部が最上昇位置に達した時点で、第1のストッパ部材54は90°回動し開口部から突出して水平状態となる。
【0057】
その結果、第1のストッパ部材54の基部側は、支持部材50の平坦部137と曲面部150との連接部で、第1のストッパ部材54の先部側は支持部材51の平坦部136でそれぞれ支持される。そして、第1のストッパ部材54の先部側は、平坦部136に設けられた位置決め部材156、157に当接する。これにより、水平状態の第1のストッパ部材54は、前後方向への移動が防止され、筒状部材14〜17の前後方向及び筒状部材18の前方向への倒れを防止できる。
なお、符号158は、上部ローラ32〜36の回転軸31を傾動するシリンダ86の操作用バルブである。
【0058】
図8、図9に示すように、載置部材57、58は、例えば、正面視してコ字状の部材であって、長手方向を前後方向に、開口側を左右方向外側にそれぞれ向けて、対向する一方の平坦部160、161を水平上側に、他方の平坦部162、163を水平下側にして最下段のユニット枠30に筒状部材14、15、16、17、18の外径より小さい距離の隙間を設けて対向配置されている。ここで、載置部材57の平坦部160、162を連結する接続部162aと、載置部材58の平坦部161、163を連結する接続部163aは、隙間を有して垂直状態で対向配置され、筒状部材14〜18を載置部材57、58に載置して支持した際、接続部162a、163aの隙間には、筒状部材14のパイプ部94の下端部に固定された突出金具99の突出部102が挿通する。
【0059】
また、載置部材58より下方となるユニット枠30内の位置には、長手方向を前後方向に向けて取付け部材164が、載置部材58と左右方向位置及び前後方向位置を合わせて取付けられている。ここで、取付け部材164は、正面視してL字状の部材であって、一方の平坦部165を水平に、他方の平坦部166を垂直にしてユニット枠30に配置されている。
【0060】
取付け部材164の平坦部165において、保持場所に立設した筒状部材14〜17の前後両側位置にそれぞれ相当する位置、及び筒状部材18の前側位置に相当する位置には、それぞれ長手方向を上下方向に向けて下ベース部材167が載置され、下ベース部材167の両端側はそれぞれ載置部材58の平坦部163及び取付け部材164の左右方向外側を向いた平坦部166に固定されている。そして、第2のストッパ機構62の流体圧シリンダ59は、駆動ロッド60の先部を上方に向けて下ベース部材167に取付け具168、169を介して固定されている。
【0061】
載置部材58の平坦部161において、下ベース部材167の上端と対向する領域の前後方向両側に相当する位置には、左右方向に沿って切込み部170、171(図8、図10参照)が設けられ、切込み部170、171に挟まれた部分は、円弧状に曲げられて曲面部172を形成している。また、各下ベース部材167の上部の前後方向の中央部には、長手方向を上下方向に向けて、平面視してコ字状の第2のガイド部材173が、開口部を左右方向の内側にして、開口部の下側を曲面部172に当接させた状態で取付けられている。ここで、隣り合う第2のガイド部材173は補強板部材174を介して連結されている。一方、第2のストッパ部材61は、先部を上方に向けて第2のガイド部材173を貫通し、第2のストッパ部材61の基部は、流体圧シリンダ59の駆動ロッド60の先部に取付けられた連結部175にピン176を介して回動可能に取付けられている。なお、第2のストッパ部材61を駆動ロッド60と連結した際、駆動ロッド60の軸心位置に対して、垂直状態の第2のストッパ部材61の軸心位置が左右方向内側に来るように取付け位置の調整が行われている。
【0062】
このような構成とすることにより、図7(A)、(B)に示すように、流体圧シリンダ59の操作用バルブ177を操作して駆動ロッド60の上昇を開始すると、第2のストッパ部材61は第2のガイド部材173を貫通しているので、第2のストッパ部材61の左右方向及び前後方向への移動が制限されて、第2のストッパ部材61を上方に向けて移動させることができる。そして、コ字状の第2のガイド部材173の開口部が左右方向の内側を向いて、垂直状態の第2のストッパ部材61の軸心位置が駆動ロッド60の軸心位置より左右方向内側に配置されているので、第2のストッパ部材61の基側が曲面部172に近づくと、第2のストッパ部材61は上昇しながら基部を支点として曲面部172に沿って徐々に回動を開始し、駆動ロッド60の先部が最上昇位置に達した時点で、第2のストッパ部材61は90°回動し開口部から突出して水平状態となる。
【0063】
その結果、第2のストッパ部材61の基部側は、載置部材58の曲面部172の基側で、第2のストッパ部材61の先部側は載置部材57の平坦部160でそれぞれ支持される。そして、第2のストッパ部材61の先部側は、平坦部160に設けられた位置決め部材178、179に当接する。これにより、水平状態の第2のストッパ部材61は、前後方向への移動が防止され、筒状部材14〜17の前後方向及び筒状部材18の前方向への倒れを防止できる。
なお、符号180は、下部ローラ38〜42の回転軸37を傾動する下回動機構のシリンダの操作用バルブである。
【0064】
図15に示すように、ユニット枠25〜30には、ユニット枠25〜30を連結して枠体21を形成した際に枠体21内に対となるレール部材181、182を保持して立設する図示しないレール支持部材がそれぞれ設けられ、レール部材181、182の上端部は、ユニット枠25の最上段の水平部材184の下面に、レール部材181、182の下端部は、ユニット枠30の最下段の水平部材185の上面にそれぞれ固定されている。また、枠体21内には、立設されたレール部材181、182に昇降可能に取付けられた昇降台車186と、昇降台車186を移動させる駆動機構187が設けられている。
【0065】
図16(A)、(B)、(C)に示すように、複数のガイド車輪188を有する昇降台車186の長手方向中間部には、打設待機場所にある筒状部材13の上端部に装着されている吊金具114の円弧部材118を先部で把持する固定アーム256、257の基部が固定されている。また、昇降台車186において固定アーム256、257の基部が固定される部位より上側の位置には、昇降台車186に突出して取付け材190が配置され、取付け材190の先側には、打設待機場所にあって吊金具114を装着した筒状部材13〜18の上方に配置され、筒状部材13〜18内に挿通されるドレーン材12が掛け渡されて、ドレーン材12の位置決めを行う補助ローラ191が片持ち支持で取付けられている。ここで、補助ローラ191の回転軸191aは、片持ち構造を有し、一側に抜け防止金具191bが固定され、回転軸191aの他側(抜け防止金具191bが固定された位置の反対側)が回転軸191aを支持するV字金具191cの中央部(先部)に固着されている。そして、V字金具191cの両端部(基部)には、軸方向を前後方向に向けて上水平軸191dが回動可能に設けられ、上水平軸191dは軸受部材191eを介して水平取付け材190の下部に取付けられている。これによって、吊金具114を装着した筒状部材13〜18の上方で、補助ローラの回転軸191aを水平位置から下回りで垂直位置まで回動することができる。
【0066】
ここで、対向配置されるレール部材181、182は、図16(C)に示すように、断面がコ字状となって、開口側を左右方内側に向けてユニット枠25〜30に取付けられている。このため、レール部材181では、開口の両側に対向配置された突出部192、193の中で、前後方向後側の突出部193に昇降台車186のガイド車輪188が当接し、レール部材182では、開口の両側に対向配置された突出部192a、193aの中で、前後方向後側の突出部193aに昇降台車186のガイド車輪188が当接する。そして、昇降台車186の上部には、最上段のユニット枠25の上部側にあるレール部材181、182同士を連結する水平連結材194に設けられた折り返しガイド車の一例である滑車195(図15参照)に掛け渡されたワイヤ(図示せず)の一端が固定され、ワイヤの他端はカウンタウエイト196が取付けられている。なお、カウンタウエイト196には複数のガイド車輪197が取付けられ、ガイド車輪197は、レール部材181、182の前後方向前側の突出部192、192aにそれぞれ当接している。これによって、小さな上昇力を加えることで昇降台車186の上昇を行うことができる。ここで、ワイヤの代わりにチェーン、滑車195の代わりにスプロケットを使用してもよい。
【0067】
図15、図17に示すように、駆動機構187は、昇降台車186の上昇限の上位置でかつ対となるレール部材181、182、例えば181の外側にある第1のスプロケット198、第1のスプロケット198の直下位置で昇降台車186の下降限の下位置(最下段のユニット枠30内にあるレール部材181の下端側)にある第2のスプロケット200、昇降台車186の直上で第1のスプロケット198と同一高さ位置にある第3のスプロケット199、昇降台車186の直下位置で第2のスプロケットと同一高さ位置(ユニット枠30内にあるレール部材181の下端側の左右方向外側及び内側)に設けられた第4のスプロケット201、第3のスプロケット199、第1のスプロケット198、第2のスプロケット200、第4のスプロケット201に掛け渡されるエンドレスのリンクチェーン202、第1のスプロケット198を回転駆動する回転駆動源187a、昇降台車186の上側とリンクチェーン202を連結するフック部材203、及び昇降台車186が上昇限に到達した時点でフック部材203のリンクチェーン202への掛止を解除する解除手段204を有する。
【0068】
第1のスプロケット198は、回転駆動源187aの出力軸に連結しており、第1のスプロケット198を回転することにより、第1のスプロケット198に架け回されたリンクチェーン202を送り出し、第3、第4、第2のスプロケット200、201、199を経由して、再度第1のスプロケット198に戻すことができる。これにより、リンクチェーン202を上下方向に周回移動することができる。ここで、例えば、ユニット枠29には、図18に示すように、駆動機構187が設けられて、第1のスプロケット198及び第3、第4、第2のスプロケット200、201、199の間に架け回されて周回移動するリンクチェーン202の張力を調整する張力調整手段205が設置されている。これによって、リンクチェーン202を一定の速度で安定して周回移動させることができると共に、フック部材203のリンクチェーン202に対する掛止が安定化する。なお、第1のスプロケット198と第3のスプロケット200の間のリンクチェーン202は、チェーンカバー206で覆われている。
【0069】
張力調整手段205は、第1のスプロケット198から第3のスプロケット200に向かって垂直方向に移動するリンクチェーン202の進行方向を水平方向に変える第1の導出ローラ207と、第1の導出ローラ207を介して水平方向に移動するリンクチェーン202を掛止して水平方向に進退可能に設けられた引出しローラ208と、引出しローラ208を経由したリンクチェーン202の移動方向を垂直方向に変えて第3のスプロケット200に向けて移動させる第2の導出ローラ209とを有している。ここで、第1の導出ローラ207は、レール部材181に基部が取付けられて水平に配置された第1の水平ガイド材210の下部に取付けられ、第2の導出ローラ209は、レール部材181の第1の水平ガイド材210が取付けられた部位より下方の位置に基部が取付けられて水平に配置された第2の水平ガイド材211の上部に第1の導出ローラ207と対向して取付けられている。なお、第1の水平ガイド材210には、チェーンカバー206内と連通する連通孔(図示せず)が垂直方向に設けられており、連通孔を介してチェーンカバー206内から取り出されたリンクチェーン202が第1の導出ローラ207に掛止している。また、第2の水平ガイド材211には、チェーンカバー206内と連通する連通孔(図示せず)が垂直方向に設けられており、第2の導出ローラ209に掛止したリンクチェーン202が連通孔を介してチェーンカバー206内に戻っている。
【0070】
また、第1、第2の水平ガイド材210、211の先部は連結部材213で連結され、第1の導出ローラ207及び第2の導出ローラ209と連結部材213の間には、両側が第1及び第2の水平ガイド材210、211に摺動可能に掛止されて垂直配置された取付け部材214が設けられている。そして、取付け部材214の第1の導出ローラ207(第2の導出ローラ209)側の面には、引出しローラ208が取付けられ、取付け部材214の連結部材213側の面には、雄ねじ部材215の先部が固定され、雄ねじ部材215の基側は連結部材213を貫通している。そして、雄ねじ部材215には、基部側からナット部材215aがねじ込まれ、ねじ込まれたナット部材215aは連結部材213に当接している。
このような構成とすることにより、ナット部材215aを回転することにより、連結部材213と取付け部材214の間に存在する雄ねじ部材215の長さを変えることができる。その結果、取付け部材214を第1の導出ローラ207(第2の導出ローラ209)に対して進退させて、第1の導出ローラ207(第2の導出ローラ209)と引出しローラ208間の距離を変化させることができ、第1のスプロケット198及び第3、第4、第2のスプロケット200、201、199に架け回されて周回移動するリンクチェーン202の張力を調整することができる。
【0071】
フック部材203は、昇降台車186の上部に水平に設けられた取付け部216の中央部に、軸心を前後方向に向けて配置されたピン部材217に基側が回動可能に取付けられ、先部には、リンクチェーン202に掛止可能な掛止鉤218が設けられている。ここで、図17(B)に示すように、側面視して、昇降台車186の上下方向に沿った中心軸の位置と、上方に移動するリンクチェーン202の中心軸の位置とは、前後方向にずれている。このため、フック部材203は、側面視して、ピン部材217に対してリンクチェーン202側に傾斜させて取付けられ、ピン部材217を中心に回動した際に、掛止鉤218がリンクチェーン202の中心軸上に配置されるようになっている。
【0072】
解除手段204は、図17(A)に示すように、昇降台車186の上端部にピン部材217と対向して配置された取付け軸219に中間部が軸支され、先部がリンクチェーン202に掛止した状態のフック部材203の中間部下側領域に当接するレバー部材220と、レール部材181における昇降台車186の上昇限より上方位置に取付けられ、昇降台車186が上昇限の近傍に到達した際にレバー部材220の基部が当接するストッパ材221とを有している。
【0073】
このような構成とすることで、昇降台車186が上昇限の近傍に到達するとレバー部材220の基部をストッパ材221に当接させることができ、昇降台車186が更に上昇限に向けて移動すると、レバー部材220の基部をストッパ材221が押圧することにより、レバー部材220を取付け軸219を支点に徐々に回動させることができる。そして、レバー部材220が回動すると、フック部材203の中間部下側領域に当接しているレバー部材220の先部が、フック部材203の中間部下側領域を押圧することになって、フック部材203はピン部材217を支点に回動を開始する。その結果、昇降台車186が上昇限に到達した時点で、フック部材203の掛止鉤218によるリンクチェーン202への掛止が外れ、昇降台車186の上昇が停止する。
【0074】
図19、図20に示すように、最下段のユニット枠30には、打込み引抜き手段23で引き抜き、電動チェーンブロック22を用いて保持場所に移動し立てて配置した筒状部材14(筒状部材15〜18も同様)の下部から飛び出たドレーン材12に上から掛止して引き出す引き出しロッド222と、引き出しロッド222を収納位置からドレーン材12の押し下げ位置まで駆動するロッド駆動部222aとを有するドレーン材位置調整手段が設けられている。
【0075】
ここで、ロッド駆動部222aは、図21〜図24に示すように、最下段のユニット枠30の左側部又は右側部に設けられ、傾斜すると共に、上端が下部ローラ38より上方に、下端が下部ローラ38より下方にそれぞれ位置する摺動ガイド部材224と、摺動ガイド部材224の長手方向に沿って摺動可能に取付けられ、引き出しロッド222を左右方向に進退可能に保持する保持部材225を備えたスライダ226と、摺動ガイド部材224の上側に基部が回動可能に取付けられたシリンダ228と、シリンダ228の駆動ロッド227の先部と接続し、駆動ロッド227をシリンダ228に引き込みながら、摺動ガイド部材224の中間位置に第1のロック手段230によって固定されているスライダ226に設けられた引き出しロッド222を筒状部材14の下部から飛び出たドレーン材12に上から掛止する位置に突出させるリンク機構229と、リンク機構229と連携して動作し、引き出しロッド222の突出が終了した時点で第1のロック手段230が解除したスライダ226を、シリンダ228からの駆動ロッド227の押し出しによるスライダ226の摺動ガイド部材224の下側への移動が終了した時点で、摺動ガイド部材224の下側に固定する第2のロック手段231とを有している。
【0076】
図21に示すように、リンク機構229は、中間部が第1の固定ピン232を介して摺動ガイド部材224に支持され、一端部が駆動ロッド227の先側に取付けられた接続部材233に第1の連結ピン234を介して接続されて、駆動ロッド227の進退に伴って第1の固定ピン232を支点に回動する第1のリンク部材235と、第1のリンク部材235の他端部と、一端部が第2の連結ピン236を介して接続される第2のリンク部材237と、第2のリンク部材237の他端部が第3の連結ピン238を介して接続される第1の頂点部、第2の固定ピン239を用いてスライダ226に支持される第2の頂点部、及び引き出しロッド222の基側に設けられ保持部材225から外部に突出した第4の連結ピン240が第2の頂点部に向けて移動可能に掛止される第3の頂点部を備え、第2のリンク部材237を介して第1のリンク部材235の回動により第2の固定ピン239を支点に回動する三角形状の第3のリンク部材242とを有している。
【0077】
このような構成とすることで、駆動ロッド227がシリンダ228に引き込まれることに伴って第1のリンク部材235が第1の固定ピン232を支点に回動し、第2のリンク部材237を介して第3のリンク部材242を第2の固定ピン239を支点に回動させることができる。その結果、引き出しロッド222に取付けられた第4の連結ピン240が長孔241内を第2の頂点部に向けて移動するのに伴って、引き出しロッド222が保持部材225から押し出される。
【0078】
図21に示すように、第1のロック手段230は、スライダ226の内側部に基部が連結ピン243を介して回動可能に取付けられ、摺動ガイド部材224の内側部の上下方向中間部に形成された第1の切欠き224に掛止する第1の鉤部245を先側に備えた第1のロック部材246と、両端が第1のロック部材246及びスライダ226にそれぞれ固定され、第1のロック部材246をスライダ226に向けて付勢する第1のバネ247と、スライダ226に摺動可能に設けられて、基部が第3のリンク部材242に立設された第1の当接板249に押圧されて先部が第1のロック部材246を押圧して第1の切欠き224への第1のロック部材246の掛止を解く第1の押圧ピン248とを有する。
【0079】
このような構成とすることで、引き出しロッド222の非突出時には、第1のロック部材246を第1のバネ247によりスライダ226に向けて付勢することができ、第1のロック部材246をスライダ226に当接させて、第1のロック部材246の第1の鉤部245を摺動ガイド部材224の第1の切欠き244に掛止することができ、スライダ226を摺動ガイド部材224に固定することができる。また、引き出しロッド222の突出終了時には、第3のリンク部材242の回動により、当接板249を介して第1の押圧ピン248の基部を押圧することができ、第1のロック部材246を回動することができる。その結果、第1のロック部材246の第1の鉤部245を摺動ガイド部材224の第1の切欠き244から離脱させることができ、スライダ226の摺動ガイド部材224に対する固定を解除することができる。
【0080】
図22、図23、図24に示すように、第2のロック手段231は、スライダ226の外側部に基部が連結ピン250を介して回動可能に取付けられ、摺動ガイド部材224の左右方向の外側部の下部に形成された第2の切欠き251に掛止する第2の鉤部252を先側に備えた第2のロック部材253と、両端が第2のロック部材253及びスライダ226にそれぞれ固定され、スライダ226が最下部にある位置で、第2のロック部材253の第2の鉤部252を第2の切欠き251に嵌入保持する第2のバネ254と、第3のリンク部材242に固着されて、第2の切欠き251に装着された第2のロック部材253を解除するロック解除部255とを有している。ここで、ロック解除部255は、第2の固定ピン239と第4の連結ピン240を結ぶ線分に平行な第3のリンク部材242の辺の中間部にスライダ226に側に突出して設けられた取付け部材258と、取付け部材258の先部に第4の連結ピン240側に向けて突出して設けられた押圧部材259とを備えている。なお、図24のaには、図22の第2のリンク部材237が存在する。
【0081】
このような構成とすることで、引き出しロッド222の非突出時には、ロック解除部255の押圧ピン259が、第2のロック部材253の中間部に設けられた受圧部材260を押圧して回動させ、第2のロック部材253をスライダ226から離脱させることにより第2の鉤部252とスライダ226との間に隙間を形成することができる。また、引き出しロッド222が突出を開始すると(第3のリンク部材242が回動を開始すると)、ロック解除部255の取付け部材258が第3のリンク部材242と共に回動することにより、押圧ピン259が第2のロック部材253の受圧部材260から離脱しようとするので、第2のロック部材253が第2のバネ254によりスライダ226に向けて付勢される。そして、引き出しロッド222の突出が完了して、シリンダ228によってスライダ226が摺動ガイド部材224の下側への移動が終了した時点では、第2のロック部材253がスライダ226に当接し、第2の鉤部252が第2の切欠き251に掛止される。その結果、スライダ226が摺動ガイド部材224に固定される。
【0082】
一方、スライダ226が最下位置まで押し下げられた時点で、シリンダ228内に駆動ロッド227を引き込むと、スライダ226は摺動ガイド部材224に固定されているので、リンク機構229が作動して押し出された引き出しロッド222が保持部材225内に引き込まれる。このとき、第3のリンク部材242と共にロック解除部255の取付け部材258が回動して、押圧ピン259が第2のロック部材253の受圧部材260に当接して押圧する。このため、第2のロック部材253が第2のバネ254を引伸ばしながらスライダ226から離脱する。そして、引き出しロッド222の保持部材225内への引き込みが完了した時点では、第2のロック部材253の第2の鉤部252が第2の切欠き251から外れて、スライダ226の摺動ガイド部材224に対する固定が解除される。その結果、駆動ロッド227のシリンダ228内への引き込みに伴って、スライダ226は摺動ガイド部材224の上側へ向けて移動する。
【0083】
続いて、図25(A)〜(F)に基づいて、本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置10を使用して、筒状部材13〜18と共にドレーン材12を打設する際の方法について説明する。なお、図25(A)〜(F)には、筒状部材13〜15のみを示している。
図25(A)に示すように、移動車両20をドレーン材12の打設場所に移動し、移動車両20に搭載された枠体21内の打設待機場所に立設された筒状部材13と、保持場所に立設された筒状部材14〜18にドレーン材供給手段11から送り出されるドレーン材12を挿通する。このとき、筒状部材14〜18の上方及び下方にそれぞれ配置された上部ローラ32〜36及び下部ローラ38〜42にドレーン材12を掛け渡す。また、補助ローラ191を取付けた昇降台車186の高さ位置を調整し、筒状部材13に挿通するドレーン材12を補助ローラ191に掛け渡すと共に、筒状部材13の上端部に装着された吊金具114を昇降台車186に取付けられた固定アーム256、257で把持する。
【0084】
図25(B)に示すように、打込み引抜き手段23の保持チャック134で筒状部材13を把持して、保持チャック134を下方に移動する。これにより、筒状部材13はドレーン材12と共に地盤19に打込まれる。なお、筒状部材13の下方への移動に伴って(打設に伴って)、ドレーン材12はドレーン材供給手段11から順次供給される。そして、筒状部材13の上端が打込み停止高さ位置に到達すると、筒状部材13の打込みを停止する。
【0085】
図25(C)に示すように、筒状部材13の上端が打込み停止高さ位置に到達すると、筒状部材13に挿通するドレーン材12を補助ローラ191から外し、筒状部材13の上端部の吊金具114に対する固定アーム256、257の把持を解放して、昇降台車186を上昇させる。次いで、筒状部材14の下方に配置された下部ローラ38の回転軸37を傾動して下部ローラ38を退避させて、下部ローラ38からドレーン材12を取外す。また、筒状部材14の前側の上下に配置された第1、第2のストッパ部材54、61をそれぞれ備えた第1、第2のストッパ機構55、62を操作し、第1、第2のストッパ部材54、61を回動させると共に下降させて、筒状部材14の前側の上下にそれぞれ配置された第1、第2のストッパ部材54、61を取除く。更に、筒状部材13の上端部に装着された吊金具114を取外す。
【0086】
図25(D)に示すように、保持場所に立設された筒状部材14の上端部に装着された吊金具114の掛止孔122に電動チェーンブロック22のフック部121を掛止して筒状部材14を吊り上げ、打設待機場所の上方(筒状部材13の上方)に横移動する。
【0087】
図25(E)に示すように、電動チェーンブロック22で吊り上げた筒状部材14を下降させ、筒状部材14の下端部に設けられた突出金具99の突出部102を、筒状部材13の上端部内側に固定された連結金具95の中央の貫通孔98に嵌入して、筒状部材13に筒状部材14を接続固定する。次いで、筒状部材14の後側の上下に配置されていた第1、第2のストッパ部材54、61をそれぞれ備えた第1、第2のストッパ機構55、62を操作し、第1、第2のストッパ部材54、61を回動させると共に下降させて、筒状部材14の後側の上下にそれぞれ配置されていた第1、第2のストッパ部材54、61を取除く
【0088】
図25(F)に示すように、補助ローラ191を取付けた昇降台車186の高さ位置を調整し、筒状部材14に挿通するドレーン材12を補助ローラ191に掛け渡すと共に、筒状部材14の上端部に装着された吊金具114を昇降台車186に取付けられた固定アーム256、257で把持する。また、筒状部材14の上方に配置されていた上部ローラ32の回転軸31を傾動して上部ローラ32を退避させ、上部ローラ32からドレーン材12を取外す。次いで、打込み引抜き手段23の保持チャック134を下方に移動して筒状部材13の地盤19への打込みを再開し、筒状部材13と筒状部材14の接続部が打込み引抜き手段23を通過すると、保持チャック134は筒状部材14を把持して筒状部材14を地盤19に打込む。なお、筒状部材14の下方への移動に伴って、ドレーン材12はドレーン材供給手段11から順次供給される。
【0089】
そして、図25(B)〜図25(F)を繰り返すことにより、筒状部材14〜18を順次地盤19に打込むことができる。なお、筒状部材18を地盤19に打込む場合、昇降台車186から補助ローラ191を取外してユニット枠25に取付け、筒状部材18に挿通するドレーン材12をユニット枠25に取付けた補助ローラ191に掛け渡して、打設を行う。
【0090】
次に、図26(A)〜(G)に基づいて、本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置10を使用して、筒状部材18〜13の引抜く際の方法について説明する。なお、図26(A)〜(F)には、筒状部材18〜16のみを示している。
図26(A)に示すように、筒状部材18の地盤19への打込みが完了すると、打込み引抜き手段23の保持チャック134で筒状部材18を把持して、保持チャック134を上方に移動する。これにより、筒状部材18を地盤19から引抜くことができる。なお、筒状部材18を挿通しているドレーン材12は地盤19内に固定されているので、筒状部材18のみが移動する。
【0091】
図26(B)に示すように、筒状部材18の地盤19からの引抜きを開始して、筒状部材18と筒状部材17の接続部が打込み引抜き手段23を通過すると、保持チャック134は筒状部材17を把持して筒状部材17を地盤19から引抜く。そして、筒状部材18の上端が引抜き停止高さ位置に到達すると、筒状部材17の引抜きを停止する。そして、ユニット枠25に取付けた補助ローラ191からドレーン材12を外した後、補助ローラ191をユニット枠25から取外し、電動チェーンブロック22で吊り下げて、筒状部材18と筒状部材17の接続部近傍に向けて予め移動させておいた昇降台車186に向けて下降させる。次いで、筒状部材18と筒状部材17の連結を解除する。
【0092】
図26(C)に示すように、電動チェーンブロック22を筒状部材18の上方に横移動する。そして、電動チェーンブロック22のフック部121を筒状部材18の上端部に装着した吊金具114の掛止孔122に掛止して筒状部材18を吊り上げて筒状部材17の上方に移動し、更に保持場所に向けて横移動する。また、筒状部材17の上端部には、吊金具114を装着する。
【0093】
図26(D)に示すように、電動チェーンブロック22で吊り上げた筒状部材18が保持場所まで横移動すると、筒状部材18を下降させて、載置部材57、58上に載置する。また、第1、第2のストッパ機構55、62を操作し、第1、第2のストッパ部材54、61を上昇させると共に回動させて、筒状部材18の前側の上下にそれぞれ配置する。
次いで、ドレーン材位置調整部223の引き出しロッド222を収納位置から突出させて筒状部材18の下部から飛び出たドレーン材12に上から掛止し、ドレーン材12の押し下げ位置まで移動しさせて、筒状部材18の下部から飛び出しているドレーン材12を下方に引き出す。
そして、退避していた下部ローラ42の回転軸37を傾動して下部ローラ42を筒状部材18の下方に配置して、筒状部材18の下端から排出するドレーン材12を下部ローラ42に掛け渡す。また、補助ローラ191を昇降台車186に取付け、筒状部材17を挿通するドレーン材12を補助ローラ191に掛け渡すと共に、筒状部材17の上端部に装着した吊金具114を昇降台車186に取付けられた固定アーム256、257で把持する。
【0094】
図26(E)に示すように、筒状部材17の地盤19からの引抜きを再開し、筒状部材17と筒状部材16の接続部が打込み引抜き手段23を通過すると、保持チャック134は筒状部材16を把持して筒状部材16を地盤19から引抜く。
図26(F)に示すように、筒状部材17の上端が引抜き停止高さ位置に到達すると、筒状部材16の地盤19からの引抜きを停止する。
【0095】
図26(G)に示すように、筒状部材16の地盤19からの引抜きを停止した後、退避していた上部ローラ35の回転軸31を傾動して上部ローラ35を枠体21内に配置し、筒状部材17を挿通するドレーン材12を上部ローラ35に掛け渡す。そして、筒状部材17が載置部材57、58上に載置された際に、筒状部材17の後側の上下にそれぞれ配置されるように、対応する場所にある第1、第2のストッパ機構55、62を操作して、第1、第2のストッパ部材54、61を配置する。
そして、図26(B)〜図26(G)を繰り返すことにより、筒状部材17〜14を順次地盤19から引抜いて、枠体21内の保持場所に立てた状態で並列に保持することができる。なお、地盤19から引抜かれた筒状部材13は、打設待機場所に保持される。
【0096】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
【符号の説明】
【0097】
10:ドレーン材の打設装置、11:ドレーン材供給手段、12:ドレーン材、13〜18:筒状部材、19:地盤、20:移動車両、21:枠体、22:電動チェーンブロック、23:打込み引抜き手段、25〜30:ユニット枠、31:回転軸、32〜36:上部ローラ、37:回転軸、38〜42:下部ローラ、43:ドレーン材通過路、44〜49:ドレーン材通過管、50、51:支持部材、52:流体圧シリンダ、53:駆動ロッド、54:第1のストッパ部材、55:第1のストッパ機構、56:上ストッパ部材、57、58:載置部材、59:流体圧シリンダ、60:駆動ロッド、61:第2のストッパ部材、62:第2のストッパ機構、63:下ストッパ部材、64:キャタピラ部、65:ボディ部、66:支持部材、67:水平軸、68:ドラム、69:アウトリガー、70:ブレース、71〜76:トラフワイヤ、77:後部側部材、78:柱部材、79:上水平棒材、80:抜け防止金具、81:V字金具、82:上水平軸、83:軸受部材、84:上回動機構、85:水平材、86:シリンダ、87:駆動ロッド、88:ピン部材、89:連結部材、90:後部側部材、91:下水平棒材、92:V字金具、93:下水平軸、94:パイプ部、95:連結金具、96、97:固定金材、98:貫通孔、99:突出金具、100、101:差込み金材、101a:孔、102:突出部、103、104:平面部、105、106:横溝、107、108:横溝、109:固定ピン、110、111横貫通孔、112、113:パイプ貫通孔、114:吊金具、115:ロックピン、116:横溝、117:内側固定部材、118:円弧部材、119:外側固定部材、120:回動部材、121:フック部、122:掛止孔、123:水平突起、124〜127:ストッパ部、128:水平棒材、129:ガイドレール、130:移動部、131:チェーン巻取り巻戻し機構、132:チェーン、133:手元盤、134:保持チャック、135〜138:平坦部、139、140:取付け部材、141〜144:平坦部、145:ベース部材、146、147:取付け具、148、149:切込み部、150:曲面部、151:第1のガイド部材、152:補強板部材、153:連結部、154:ピン、155:操作用バルブ、156、157:位置決め部材、158:操作用バルブ、160〜162:平坦部、162a:接続部、163:平坦部、163a:接続部、164:取付け部材、165、166:平坦部、167:下ベース部材、168、169:取付け具、170、171:切込み部、172:曲面部、173:第2のガイド部材、174:補強板部材、175:連結部、176:ピン、177:操作用バルブ、178、179:位置決め部材、180:操作用バルブ、181、182:レール部材、184、185:水平部材、186:昇降台車、187:駆動機構、187a:回転駆動源、188:ガイド車輪、190:水平取付け材、191:補助ローラ、191a:回転軸、191b:抜け防止金具、191c:V字金具、191d:上水平軸、191e:軸受部材、192、192a、193、193a:突出部、194:水平連結材、195:滑車、196:カウンタウエイト、197:ガイド車輪、198:第1のスプロケット、199:第3のスプロケット、200:第2のスプロケット、201:第4のスプロケット、202:リンクチェーン、203:フック部材、204:解除手段、205:張力調整手段、206:チェーンカバー、207:第1の導出ローラ、208:引出しローラ、209:第2の導出ローラ、210:第1の水平ガイド材、211:第2の水平ガイド材、213:連結部材、214:取付け部材、215:雄ねじ部材、215a:ナット部材、216:取付け部、217:ピン部材、218:掛止鉤、219:取付け軸、220:レバー部材、221:ストッパ材、222:引き出しロッド、222a:ロッド駆動部、223:ドレーン材位置調整部、224:摺動ガイド部材、225:保持部材、226:スライダ、227:駆動ロッド、228:シリンダ、229:リンク機構、230:第1のロック手段、231:第2のロック手段、232:第1の固定ピン、233:接続部材、234:第1の連結ピン、235:第1のリンク部材、236:第2の連結ピン、237:第2のリンク部材、238:第3の連結ピン、239:第2の固定ピン、240:第4の連結ピン、241:長孔、242:第3のリンク部材、243:連結ピン、244:第1の切欠き、245:第1の鉤部、246:第1のロック部材、247:第1のバネ、248:第1の押圧ピン、249:当接板、250:連結ピン、251:第2の切欠き、252:第2の鉤部、253:第2のロック部材、254:第2のバネ、255:ロック解除部、256、257:固定アーム、258:取付け部材、259:押圧部材、260:受圧部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟弱な粘土地盤の圧密促進やゆるい砂質地盤の液状化防止対策として、地盤にドレーン材を打設するドレーン材の打設装置に関する。
【背景技術】
【0002】
埋立地等での地盤沈下現象や地盤の液状化現象が生じる場所では、地盤沈下現象や液状化現象を防止する対策として、地盤に含まれている水を地表に排水するドレーン材を地盤に打ち込んでいる。ドレーン材の地盤への打ち込みは、ドレーン材を筒状部材(ケーシング)内に挿入して、筒状部材と共にドレーン材を地盤に貫入し、筒状部材及びドレーン材をそれぞれ継ぎ足して、設定した深さに達した時点で、筒状部材のみを地盤から引き抜くことにより行われている。この方法では、ドレーン材を打ち込む深さに応じて、筒状部材及びドレーン材を継ぎ足せばよく、ドレーン材の打設場所の地表上に高さ制限がある場所でも、その高さ制限内の長さを有する筒状部材を用いてドレーン材の打ち込みを行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−292361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筒状部材及びドレーン材を順次継ぎ足しながら打設する方法では、筒状部材及びドレーン材を継ぎ足す作業が煩雑になり、打設作業効率を向上させるには限界が生じる。そこで、高さ制限内で筒状部材の長さを長くして筒状部材を継ぎ足す回数を少なくすることで打設作業の効率向上を図ることが考えられる。しかし、筒状部材が長くなると、筒状部材を立てた状態で保持することが困難になるという問題がある。
また、筒状部材を地盤に貫入する場合、貫入する筒状部材の上端部の上方に筒状部材と共に下降する移動ローラを設け、ドレーン材が移動ローラに掛け渡された状態で筒状部材内に挿入されるようにしている。そして、打設が終了した筒状部材に次の筒状部材を継ぎ足して打設をできるだけ短時間で再開しようとすると、下降した移動ローラを上方に移動させながら、他の付帯作業(例えば、次に打設する筒状部材の継ぎ足し作業等)を並行して行う必要がある。このため、打設効率を向上させようとすると、打設作業に多くの要員数を投入する必要が生じ、人件費の上昇を招くという問題がある。
【0005】
一方、打設作業が完了して、地盤に打ち込んだ筒状部材を引き抜いた場合、引き抜いた筒状部材は、ドレーン材が挿入されたまま立設状態で並列に保持される。このとき、各筒状部材の下端部の下方にはローラを配置し、筒状部材の下端から排出されているドレーン材をローラに掛け渡して、筒状部材内でのドレーン材の移動がスムーズに行われるようにしている。しかしながら、ドレーン材が挿入された状態で筒状部材を地盤から引き抜いて横移動した場合、横移動した筒状部材と地盤に貫入している筒状部材の間で露出するドレーン材には十分なゆとりがないため、引き抜いた筒状部材の下端から露出したドレーン材をローラに掛け渡そうとする際にドレーン材を下方に送り出さねばならず、ドレーン材をローラに掛け渡す作業が煩雑になるという問題が生じる。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、長い筒状部材を立てた状態で安定して保持できると共に、筒状部材の引き抜き作業を効率的に行うことが可能なドレーン材の打設装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う本発明に係るドレーン材の打設装置は、帯状のドレーン材の打設場所を移動可能な移動車両と、該移動車両に搭載され、先端に抜け止めとなるアンカーが取付けられてドレーン材供給手段から送り出される前記ドレーン材が挿通され、軸方向に連結可能な打設前の複数本の筒状部材を立てた状態で並列に保持する保持場所を備えた枠体と、前記保持場所で前記筒状部材を該筒状部材の上端部に取付けられた吊具材を介して吊り上げて前記枠体内の該保持場所より前方の打設待機場所まで、また該打設待機場所にある該筒状部材を前記吊具材を介して吊り上げて該保持場所まで横移動する搬送手段と、前記打設待機場所にある前記筒状部材を把持して打ち込み、かつ打ち込まれた該筒状部材を把持して引き抜く打込み引抜き手段とを備えるドレーン材の打設装置であって、
前記枠体には、前記筒状部材の長さに応じて、上下方向に積み重ねられる複数のユニット枠が設けられ、最上段及び最下段の前記ユニット枠には、前記保持場所にある前記筒状部材の上方及び下方の位置に、前記ドレーン材が掛け渡される水平状態から該ドレーン材が外れる退避状態に回転軸が傾動する片持ち支持された上部ローラ及び下部ローラがそれぞれ設けられ、
前記保持場所にある前記筒状部材の上側の左右両側には、長手方向を前後方向に向けて該筒状部材の左右方向への倒れを防止する対となる支持部材が、前記保持場所にある前記筒状部材の下側には、長手方向を前後方向に向け隙間を有して配置され、該筒状部材を載置する左右対となる載置部材がそれぞれ設けられ、
対となる前記支持部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く前記筒状部材の前後方向の倒れを防止する第1のストッパ部材と、該第1のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて該第1のストッパ部材の片側を昇降し、前記支持部材の一方に直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第1の昇降手段と、前記第1のストッパ部材を水平状態から前記一方の支持部材に沿わせて垂直状態に導く第1のガイド部材とを有する第1のストッパ機構を前記筒状部材の上側又は中間部に設け、
対となる前記載置部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く前記筒状部材の前後方向の倒れを防止する第2のストッパ部材と、該第2のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて該第2のストッパ部材の片側を昇降し、前記載置部材の一方に、直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第2の昇降手段と、前記第2のストッパ部材を水平状態から前記一方の載置部材に沿わせて垂直状態に導く第2のガイド部材とを有する第2のストッパ機構を前記筒状部材の下側に設けている。
【0008】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、対となる前記支持部材は最上段の前記ユニット枠に、対となる前記載置部材は最下段の前記ユニット枠にそれぞれ設けることができる。
【0009】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記各筒状部材の上端部には、中央に貫通孔が形成された連結金具が設けられ、前記各筒状部材の下端部には前記貫通孔に嵌入し、前記ドレーン材が挿通する孔が設けられた突出部が設けられ、しかも、前記突出部を前記貫通孔に嵌入して上下の前記筒状部材を連結した位置には、前記連結金具及び前記突出部を掛止する固定ピンが固定されていることが好ましい。
【0010】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記各筒状部材の上端部には、前記ドレーン材が挿通する空間を有し、前記連結金具の前記固定ピンの固定位置にロックピンを取付けて固定される前記吊具材が装着でき、前記搬送手段は、前記吊具材に掛止される昇降可能なフック部を有していることが好ましい。
【0011】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記枠体内には、立設された対となるレール部材と、該レール部材にガイド車輪を介して昇降可能に取付けられ、前記筒状部材の上端部に装着された前記吊具材を、設けられた固定アームで支持し、昇降する昇降台車と、該昇降台車を移動させる駆動機構とが設けられ、更に、前記昇降台車に突出して配置された取付け材には、前記打設待機場所にあって前記吊具材を装着した前記筒状部材の上方に配置され、該筒状部材内に挿通される前記ドレーン材が掛け渡されて、該ドレーン材の位置決めを行う補助ローラが片持ち支持でしかも、該補助ローラの回転軸が水平位置から下回りで垂直位置まで回動可能に設けられていることが好ましい。
【0012】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記駆動機構は、1)前記昇降台車の上昇限の上位置でかつ前記対となるレール部材の外側にある第1のスプロケット、2)該第1のスプロケットの直下位置で前記昇降台車の下降限の下位置にある第2のスプロケット、3)前記昇降台車の直上で前記第1のスプロケットと同一高さ位置にある第3のスプロケット、4)前記昇降台車の直下位置で前記第2のスプロケットと同一高さ位置に設けられた第4のスプロケット、5)前記第3のスプロケット、前記第1のスプロケット、前記第2のスプロケット、前記第4のスプロケットに掛け渡されるエンドレスのリンクチェーン、6)前記第1又は第2のスプロケットを回転駆動する回転駆動源、7)前記昇降台車の上側と前記リンクチェーンを連結するフック部材、及び8)前記昇降台車が上昇限に到達した時点で該フック部材の前記リンクチェーンへの掛止を解除する解除手段を有していることもできる。
【0013】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記駆動機構には、前記対となるレール部材の外側を通る前記リンクチェーンの張力を調整する張力調整手段を設けることもできる。
【0014】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記昇降台車の上部には、最上段の前記ユニット枠に設けられた折り返しガイド車に掛け渡されたワイヤ又はチェーンの一端が固定され、該ワイヤ又はチェーンの他端にはカウンタウエイトを取付けてもよい。
【0015】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、最下段の前記ユニット枠には、前記打込み引抜き手段で引き抜き、前記搬送手段を用いて前記保持場所に移動し立てて配置した前記筒状部材の下部から飛び出た前記ドレーン材に上から掛止して引き出す引き出しロッドと、該引き出しロッドを収納位置から前記ドレーン材の押し下げ位置まで駆動するロッド駆動部とを有するドレーン材位置調整手段が設けられていることが好ましい。
【0016】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記ロッド駆動部は、最下段の前記ユニット枠の左側部又は右側部に設けられ、前側傾斜すると共に、上端が前記下部ローラより上方に、下端が該下部ローラより下方にそれぞれ位置する摺動ガイド部材と、該摺動ガイド部材の長手方向に沿って摺動可能に取付けられ、前記引き出しロッドを左右方向に進退可能に保持する保持部材を備えたスライダと、前記摺動ガイド部材の上側に基部が回動可能に取付けられたシリンダと、該シリンダの駆動ロッドの先部と接続し、該駆動ロッドを前記シリンダに引き込みながら、前記摺動ガイド部材の中間位置に第1のロック手段によって固定されている前記スライダに設けられた前記引き出しロッドを前記筒状部材の下部から飛び出た前記ドレーン材に上から掛止する位置に突出させるリンク機構と、該リンク機構と連携して動作し、前記引き出しロッドの突出が終了した時点で前記第1のロック手段が解除した前記スライダを、前記シリンダからの前記駆動ロッドの押し出しによる前記スライダの前記摺動ガイド部材の下側への移動が終了した時点で、前記摺動ガイド部材の下側に固定する第2のロック手段とを有する構成とすることができる。
【0017】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記リンク機構は、中間部が第1の固定ピンを介して前記摺動ガイド部材に支持され、一端部が前記駆動ロッドに第1の連結ピンを介して接続されて、前記駆動ロッドの進退に伴って前記第1の固定ピンを支点に回動する第1のリンク部材と、
該第1のリンク部材の他端部と、一端部が第2の連結ピンを介して接続される第2のリンク部材と、
該第2のリンク部材の他端部が第3の連結ピンを介して接続される第1の頂点部、第2の固定ピンを用いて前記スライダに支持される第2の頂点部、及び前記引き出しロッドの基側に設けられ前記保持部材から外部に突出した第4の連結ピンが前記第2の頂点部に向けて移動可能に掛止される第3の頂点部を備え、前記第2のリンク部材を介して前記第1のリンク部材の回動により前記第2の固定ピンを支点に回動する三角形状の第3のリンク部材とを有し、
前記駆動ロッドが前記シリンダに引き込まれることに伴って前記第1のリンク部材が前記第1の固定ピンを支点に回動し、前記第2のリンク部材を介して前記第3のリンク部材を前記第2の固定ピンを支点に回動させて前記引き出しロッドを押し出すことができる。
【0018】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記第1のロック手段は、前記スライダの内側部に基部が回動可能に取付けられ、前記摺動ガイド部材の内側部の上下方向中間部に形成された第1の切欠きに掛止する第1の鉤部を先側に備えた第1のロック部材と、両端が前記第1のロック部材及び前記スライダにそれぞれ固定され、前記第1のロック部材を前記スライダに向けて付勢する第1のバネと、前記スライダに摺動可能に設けられて、基部が前記第3のリンク部材に押圧されて先部が前記第1のロック部材を押圧して前記第1の切欠きへの前記第1のロック部材の掛止を解く第1の押圧ピンとを有することができる。
【0019】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、前記第2のロック手段は、前記スライダの外側部に基部が回動可能に取付けられ、前記摺動ガイド部材の左右方向の外側部の下部に形成された第2の切欠きに掛止する第2の鉤部を先側に備えた第2のロック部材と、両端が前記第2のロック部材及び前記スライダにそれぞれ固定され、前記スライダが最下部にある位置で、前記第2のロック部材の第2の鉤部を前記第2の切欠きに嵌入保持する第2のバネと、前記第3のリンク部材に固着されて、前記第2の切欠きに装着された前記第2のロック部材を解除するロック解除部とを有し、前記シリンダによって最下位置まで押し下げられた前記スライダの引き上げ時に、前記ロック解除部によって前記第2の切欠きに掛止した前記第2のロック部材の解除を行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るドレーン材の打設装置においては、保持場所にある筒状部材の上側の左右両側には、長手方向を前後方向に向けて筒状部材の左右方向への倒れを防止する対となる支持部材が、保持場所にある筒状部材の下側には、長手方向を前後方向に向け隙間を有して配置され、筒状部材を載置する左右対となる載置部材がそれぞれ設けられ、対となる支持部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く筒状部材の前後方向の倒れを防止する第1のストッパ部材と、第1のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて第1のストッパ部材の片側を昇降し、支持部材の一方に直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第1の昇降手段と、第1のストッパ部材を水平状態から一方の支持部材に沿わせて垂直状態に導く第1のガイド部材とを有する第1のストッパ機構を筒状部材の上側又は中間部に設け、対となる載置部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く筒状部材の前後方向の倒れを防止する第2のストッパ部材と、第2のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて第2のストッパ部材の片側を昇降し、載置部材の一方に、直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第2の昇降手段と、第2のストッパ部材を水平状態から一方の載置部材に沿わせて垂直状態に導く第2のガイド部材とを有する第2のストッパ機構を前記筒状部材の下側に設けているので、筒状部材の長さが長くなっても枠体内で安定して保持することができ、長い筒状部材を使用することが可能になる。その結果、ドレーン材の打設時に、筒状部材の連結回数を少なくすることができ、打設作業に要する時間を短縮化することが可能になる。
【0021】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、対となる支持部材が最上段のユニット枠に、対となる載置部材が最下段のユニット枠にそれぞれ設けられている場合、対となる支持部材の数を最小にして、筒状部材を安定に保持することができる。
【0022】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、各筒状部材の上端部には、中央に貫通孔が形成された連結金具が設けられ、各筒状部材の下端部には貫通孔に嵌入し、ドレーン材が挿通する孔が設けられた突出部が設けられ、しかも、突出部を貫通孔に嵌入して上下の筒状部材を連結した位置には、連結金具及び突出部を掛止する固定ピンが固定されている場合、筒状部材を確実に連結することが可能になる。
【0023】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、ドレーン材が挿通する空間を有し、連結金具の固定ピンの固定位置にロックピンを取付けて固定される吊具材が各筒状部材の上端部に装着できる場合、筒状部材の構造を簡素化することができる。また、搬送手段が、吊具材に掛止される昇降可能なフック部を有している場合、搬送手段と吊具材との連結が容易になる。
【0024】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、枠体内には、立設されたレール部材と、レール部材にガイド車輪を介して昇降可能に取付けられ、筒状部材の上端部に装着された吊具材を、設けられた固定アームで支持し、昇降する昇降台車と、昇降台車を移動させる駆動機構とが設けられ、更に、昇降台車に突出して配置された取付け材には、打設待機場所にあって吊具材を装着した筒状部材の上方に配置され、筒状部材内に挿通されるドレーン材が掛け渡されて、ドレーン材の位置決めを行う補助ローラが片持ち支持でしかも、補助ローラの回転軸が水平位置から下回りで垂直位置まで回動可能に設けられている場合、ドレーン材が打込まれる筒状部材に対して安定して挿通された状態を保つことができ、筒状部材の打設が完了すると、補助ローラからドレーン材を素早く取外し上昇させることができる。これにより、打設が完了した筒状部材の上端に続いて打設する筒状部材を素早く連結することができ、打設作業に要する時間を短縮化することが可能になる。
【0025】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、駆動機構が、1)昇降台車の上昇限の上位置でかつ対となるレール部材の外側にある第1のスプロケット、2)第1のスプロケットの直下位置で昇降台車の下降限の下位置にある第2のスプロケット、3)昇降台車の直上で第1のスプロケットと同一高さ位置にある第3のスプロケット、4)昇降台車の直下位置で第2のスプロケットと同一高さ位置に設けられた第4のスプロケット、5)第3のスプロケット、第1のスプロケット、第2のスプロケット、第4のスプロケットに掛け渡されるエンドレスのリンクチェーン、6)第1又は第2のスプロケットを回転駆動する回転駆動源、7)昇降台車の上側とリンクチェーンを連結するフック部材、及び8)昇降台車が上昇限に到達した時点でフック部材のリンクチェーンへの掛止を解除する解除手段を有する場合、簡単な構成で昇降台車を上昇させることができると共に、昇降台車が上昇限に到達した際に回転駆動源に過負荷が発生することを防止できる。
【0026】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、駆動機構に、対となるレール部材の外側を通るリンクチェーンの張力を調整する張力調整手段が設けられている場合、リンクチェーンの張力を一定にすることができ、フック部材のリンクチェーンに対する掛止が安定化できる。
【0027】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、昇降台車の上部に、最上段のユニット枠に設けられた折り返しガイド車に掛け渡されたワイヤ又はチェーンの一端が固定され、ワイヤ又はチェーンの他端にはカウンタウエイトが取付けられている場合、フック部材のリンクチェーンに対する掛止が解除されても、昇降台車が直ちに下降することを防止できる。
【0028】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、最下段のユニット枠に、打込み引抜き手段で引き抜き、搬送手段を用いて保持場所に移動し立てて配置した筒状部材の下部から飛び出たドレーン材に上から掛止して引き出す引き出しロッドと、引き出しロッドを収納位置からドレーン材の押し下げ位置まで駆動するロッド駆動部とを有する場合、筒状部材の下端から飛び出たドレーン材の長さを長くすることができ、ドレーン材を下部ローラに容易に掛け渡すことが可能になる。これにより、筒状部材の引き抜き作業を効率的に行うことが可能になる。
【0029】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、ロッド駆動部が、最下段のユニット枠の左側部又は右側部に設けられ、前側傾斜すると共に、上端が下部ローラより上方に、下端が下部ローラより下方にそれぞれ位置する摺動ガイド部材と、摺動ガイド部材の長手方向に沿って摺動可能に取付けられ、引き出しロッドを左右方向に進退可能に保持する保持部材を備えたスライダと、摺動ガイド部材の上側に基部が回動可能に取付けられたシリンダと、シリンダの駆動ロッドの先部と接続し、駆動ロッドをシリンダに引き込みながら、摺動ガイド部材の中間位置に第1のロック手段によって固定されているスライダに設けられた引き出しロッドを筒状部材の下部から飛び出たドレーン材に上から掛止する位置に突出させるリンク機構と、リンク機構と連携して動作し、引き出しロッドの突出が終了した時点で第1のロック手段が解除したスライダを、シリンダからの駆動ロッドの押し出しによるスライダの摺動ガイド部材の下側への移動が終了した時点で、摺動ガイド部材の下側に固定する第2のロック手段とを有している場合、ひとつのシリンダを用いて、引き出しロッドを収納位置で突出させた後、スライダを移動させて固定することができ、ドレーン材位置調整手段の構成を簡単にできる。その結果、ドレーン材の打設装置の製造コストを低減することが可能になる。
【0030】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、リンク機構が、中間部が第1の固定ピンを介して摺動ガイド部材に支持され、一端部が駆動ロッドに第1の連結ピンを介して接続されて、駆動ロッドの進退に伴って第1の固定ピンを支点に回動する第1のリンク部材と、第1のリンク部材の他端部と、一端部が第2の連結ピンを介して接続される第2のリンク部材と、第2のリンク部材の他端部が第3の連結ピンを介して接続される第1の頂点部、第2の固定ピンを用いてスライダに支持される第2の頂点部、及び引き出しロッドの基側に設けられ保持部材から外部に突出した第4の連結ピンが第2の頂点部に向けて移動可能に掛止される第3の頂点部を備え、第2のリンク部材を介して第1のリンク部材の回動により第2の固定ピンを支点に回動する三角形状の第3のリンク部材とを有し、駆動ロッドがシリンダに引き込まれることに伴って第1のリンク部材が第1の固定ピンを支点に回動し、第2のリンク部材を介して第3のリンク部材を第2の固定ピンを支点に回動させて引き出しロッドを押し出す場合、枠体内に配置した筒状部材の下方に十分なスペースが存在しなくてもリンク機構を設けることができる。
【0031】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、第1のロック手段が、スライダの内側部に基部が回動可能に取付けられ、摺動ガイド部材の内側部の上下方向中間部に形成された第1の切欠きに掛止する第1の鉤部を先側に備えた第1のロック部材と、両端が第1のロック部材及びスライダにそれぞれ固定され、第1のロック部材をスライダに向けて付勢する第1のバネと、スライダに摺動可能に設けられて、基部が第3のリンク部材に押圧されて先部が第1のロック部材を押圧して第1の切欠きへの第1のロック部材の掛止を解く第1の押圧ピンとを有する場合、第1のロック手段の構成を簡単にでき、枠体内に配置した筒状部材の下方に十分なスペースが存在しなくても第1のロック手段を設けることができる。
【0032】
本発明に係るドレーン材の打設装置において、第2のロック手段が、スライダの外側部に基部が回動可能に取付けられ、摺動ガイド部材の左右方向の外側部の下部に形成された第2の切欠きに掛止する第2の鉤部を先側に備えた第2のロック部材と、両端が第2のロック部材及びスライダにそれぞれ固定され、スライダが最下部にある位置で、第2のロック部材の第2の鉤部を第2の切欠きに嵌入保持する第2のバネと、第3のリンク部材に固着されて、第2の切欠きに装着された第2のロック部材を解除するロック解除部とを有し、シリンダによって最下位置まで押し下げられたスライダの引き上げ時に、ロック解除部によって第2の切欠きに掛止した第2のロック部材の解除を行う場合、第2のロック手段の構成を簡単にでき、枠体内に配置した筒状部材の下方に十分なスペースが存在しなくても第2のロック手段を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置の一部省略側面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同ドレーン材の打設装置の枠体の最上段及び最下段のユニット枠の一部省略側面図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ同ドレーン材の打設装置の枠体の最上段のユニット枠に設けられた支持部材及び第1のストッパ機構の平面図及び側面図である。
【図4】最上段のユニット枠に設けられた第1のストッパ機構の側面図である。
【図5】最上段のユニット枠に設けられた第1のストッパ機構の背面図である。
【図6】最上段のユニット枠に設けられた第1のストッパ機構の平面図である。
【図7】(A)、(B)はそれぞれ同ドレーン材の打設装置の枠体の最下段のユニット枠に設けられた載置部材及び第2のストッパ機構の平面図及び側面図である。
【図8】最下段のユニット枠に設けられた第2のストッパ機構の側面図である。
【図9】最下段のユニット枠に設けられた第2のストッパ機構の背面図である。
【図10】最下段のユニット枠に設けられた第2のストッパ機構の平面図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置の上部ローラの傾動状態を示す説明図である。
【図12】(A)は、同ドレーン材の打設装置の筒状部材の連結部の側断面図であり、(B)、(C)はそれぞれ、同ドレーン材の打設装置の差込み金材及び固定金材の正面図である。
【図13】(A)、(B)はそれぞれ、同ドレーン材の打設装置の吊金具の側面図及び平面図である。
【図14】同ドレーン材の打設装置の電動チェーンブロックの説明図である。
【図15】同ドレーン材の打設装置のレール部材、昇降台車、及び駆動機構の説明図である。
【図16】(A)は昇降台車の部分側面図、(B)は昇降台車の設けられた補助ローラの説明図、(C)は昇降台車の平面図である。
【図17】(A)、(B)はそれぞれ駆動機構の部分背面図、部分側面図である。
【図18】張力調整手段の説明図である。
【図19】本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置のドレーン材位置調整部の一部省略正面図である。
【図20】同ドレーン材の打設装置のドレーン材位置調整部の一部省略側面図である。
【図21】引き出しロッドが収納位置にある状態のドレーン材位置調整部の説明図である。
【図22】引き出しロッドが収納位置にある状態のドレーン材位置調整部の説明図である。
【図23】引き出しロッドが押し下げ位置にある状態のドレーン材位置調整部の説明図である。
【図24】引き出しロッドが押し下げ位置にある状態のドレーン材位置調整部の説明図である。
【図25】(A)〜(F)は筒状部材と共にドレーン材を打設する際の説明図である。
【図26】(A)〜(G)は打設した筒状部材を引き抜く際の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置10は、帯状のドレーン材12の打設場所を移動可能な移動車両20と、移動車両20に搭載され、先端に抜け止めとなるアンカー(図示せず)が取付けられてドレーン材供給手段11から送り出されるドレーン材12が挿通され、軸方向に連結可能な打設前の複数本の筒状部材(ケーシングともいう)14、15、16、17、18を立てた状態で並列に保持する保持場所を備えた枠体21と、保持場所で筒状部材14〜18を筒状部材14〜18の上端部に取付けられた吊具材の一例である吊金具114(図13参照)を介して吊り上げて枠体21内の保持場所より前方の打設待機場所まで、また打設待機場所にある筒状部材18〜14を吊金具114を介して吊り上げて保持場所まで横移動する搬送手段の一例である電動チェーンブロック22と、打設待機場所にある筒状部材13〜18を把持して打ち込み、かつ打ち込まれた筒状部材18〜13を把持して引き抜く打込み引抜き手段23とを備えている。ここで、ドレーン材の打設装置10の打設待機場所には、上端部に吊金具114が取付けられ、筒状部材14の下端から飛び出したドレーン材12が挿通され、打込み引抜き手段23で把持された筒状部材13が予め立設されている。なお、図1では、3本の筒状部材13、14、18のみを記載している。
【0035】
枠体21には、筒状部材13〜18の長さに応じて、上下方向に積み重ねられる複数(本実施の形態では6段)のユニット枠25、26、27、28、29、30が設けられている。そして、図2(A)に示すように、最上段のユニット枠25には、保持場所にある筒状部材14〜18の上方の位置に回転軸31が傾動し筒状部材14〜18に挿通するドレーン材12が掛け渡される上部ローラ32、33、34、35、36が設けられている。また、図2(B)に示すように、最下段のユニット枠30には、保持場所にある筒状部材14〜18の下方の位置に回転軸37が傾動し筒状部材14〜18を挿通したドレーン材12が掛け渡される下部ローラ38、39、40、41、42が設けられている。ここで、ユニット枠25〜30後部には、ユニット枠25〜30を連結した際に一体化して(連通して)ドレーン材通過路43を形成するドレーン材通過管44、45、46、47、48、49が設けらている。これによって、ドレーン材供給手段11から送り出されるドレーン材12の損傷を防止して、ドレーン材12を保持場所の最後部に位置する筒状部材18に挿通することができる。
【0036】
そして、図3(A)、(B)に示すように、最上段のユニット枠25には、保持場所にある複数の筒状部材14〜18の上側の左右両側に、長手方向を前後方向に向けて筒状部材14〜18の左右方向への倒れを防止する対となる支持部材50、51が設けられている。また、図4〜図6に示すように、対となる支持部材50、51の間に水平状態で跨がり、最後部を除く筒状部材14〜17の前後方向の倒れを防止する第1のストッパ部材54と、第1のストッパ部材54の片側(例えば、第1のストッパ部材54の支持部材50側)にピン154を介して回動可能に連結されて第1のストッパ部材54の片側を昇降する駆動ロッド53を備え、支持部材50、51の一方、例えば支持部材50に補助部材の一例であるベース部材145を介して立設状態で取付けられた第1の昇降手段の一例である流体圧シリンダ52と、第1のストッパ部材54を水平状態から支持部材50に沿わせて垂直状態に導く第1のガイド部材151とを有する第1のストッパ機構55が筒状部材14〜17の上側に設けられている。また、筒状部材18の後側には、対となる支持部材50、51に両側がそれぞれ支持される上ストッパ部材56が設けられている。これにより、筒状部材18の後方向への倒れが防止できる。なお、流体圧シリンダ52は、支持部材50、51の一方、例えば支持部材50に直接立設状態で取付けてもよい。更に、第1のストッパ機構55は、筒状部材14〜17の中間部に設けてもよい。
【0037】
一方、図7(A)、(B)に示すように、最下段のユニット枠30には、保持場所にある複数の筒状部材14〜18の下端に当接し左右方向に隙間を設け、長手方向を前後方向に向けて筒状部材14〜18を載置して支える対となる載置部材57、58が設けられている。また、図8〜図10に示すように、対となる載置部材57、58の間に水平状態で跨がり、最後部を除く筒状部材14〜17の前後方向の倒れを防止する第2のストッパ部材61と、第2のストッパ部材61の片側(例えば、第2のストッパ部材61の載置部材58側)にピン176を介して回動可能に連結されて第2のストッパ部材61の片側を昇降する駆動ロッド60を備え、載置部材57、58の一方、例えば載置部材58に、下ベース部材167(補助部材の一例)を介して立設状態で取付けられた第2の昇降手段の一例である流体圧シリンダ59と、第2のストッパ部材61を水平状態から載置部材58に沿わせて垂直状態に導く第2のガイド部材173とを有する第2のストッパ機構62が筒状部材14〜17の下側に設けられている。また、筒状部材18の後側には、対となる載置部材57、58に両側がそれぞれ支持される下ストッパ部材63が設けられている。これにより、筒状部材18の後方向への倒れが防止できる。なお、流体圧シリンダ59を、載置部材57、58の一方、例えば載置部材58に、直接立設状態で取付けてもよい。以下、詳細に説明する。
【0038】
図1に示すように、移動車両20は、下部に移動用のキャタピラ部64を有し、キャタピラ部64の上部に、枠体21を下から支持するボディ部65を供えている。また、ドレーン材供給手段11は、ボディー部65の後側に基部が固定された支持部材66と、支持部材66の先側に設けられた水平軸67と、水平軸67に回転可能に取付けられ、外周部にドレーン材12が巻き付けられたドラム68と、枠体21及びボディ部65にそれぞれ設けられた図示しない操作盤とを有している。ここで、ドラム68は、時計回り及び反時計回りに回転自在であり、ドラム68に巻き付けられたドレーン材12の送り出し、及び巻き取りは、操作盤からの操作によって行われる。なお、符号69は、ボディ部65に取付けられて、ボディ部65の姿勢を安定化するアウトリガーである。
【0039】
枠体21を構成するユニット枠25〜30は、例えば、鉄等の金属製の複数の棒材及び板材を用いて形成され、前後左右の4つの側面部は、ブレース70によって補強が行われている。そして、枠体21は、ユニット枠25〜30を、ボルト及びナット等の締結部材(図示せず)により連結することで形成され、枠体21の高さは、立った状態の筒状部材13〜18の高さより高くなっている。なお、枠体21の前後の側部には、それぞれ複数のトラフワイヤ71、72、73、74、75、76の一端が取付けられ、トラフワイヤ71〜76の他端はボディ部65の前後部にそれぞれ固定されている。これによって、ボディ部65で支持された枠体21の安定化を図ることができる。ここで、本実施の形態では、枠体21の形成に6個のユニット枠25〜30を使用したが、使用する筒状部材の長さに応じてユニット枠の高さ、ユニット枠の個数は、それぞれ変更可能である。
【0040】
図2(A)、図11に示すように、保持場所にある筒状部材14〜18の上方位置には、軸方向を前後方向に向けて、基部がユニット枠25の後部側部材77の左右方向中央部に取付けられ、先側が柱部材78で支持されている上水平棒材79が設けられ、上水平棒材79には上部ローラ32〜36が回転軸31を上回動機構84を介して傾動可能に取付けられている。ここで、上部ローラ36(上部ローラ32〜35についても同じ)の回転軸31は、片持ち構造を有し、一側に抜け防止金具80が固定され、回転軸31の他側(抜け防止金具80が固定された位置の反対側)が回転軸31を支持するV字金具81の中央部(先部)に固着されている。そして、V字金具81の両端部(基部)には、軸方向を前後方向に向けて上水平軸82が回動可能に設けられ、上水平軸82は軸受部材83を介して上水平棒材79の下部に取付けられている。
【0041】
上回動機構84は、上水平棒材79より高い位置に軸心方向を前後方向に向けて設けられた水平材85に、基部が回動可能に取り付けられたシリンダ86と、シリンダ86の駆動ロッド87の先部に設けられ、V字金具81の中央部に近接する位置で、回転軸31をピン部材88を介して回動可能に取付ける連結部材89とを有している。このような構成とすることにより、駆動ロッド87をシリンダ86から突出させることによりV字金具81を上水平軸82を介して回動させて、上部ローラ36の回転軸31を水平に保って上部ローラ36を筒状部材18の上方位置に配置することができ、上部ローラ36にドレーン材12が掛け渡された状態を保持することができる。一方、駆動ロッド87をシリンダ86に引き込むことによりV字金具81を上水平軸82を介して回動させて、上部ローラ36の回転軸31を垂直に保って(軸方向を上下方向に向けて)上部ローラ36を筒状部材18の上方位置から退去することができ、上部ローラ36に掛け渡されたドレーン材12を解放することができる。
【0042】
図2(B)に示すように、保持場所にある筒状部材14〜18の下方位置には、軸方向を前後方向に向けて、基部がユニット枠30の後部側部材90の左右方向中央部に取付けられた下水平棒材91が設けられ、下水平棒材91に下部ローラ38〜42が下回動機構を介して回転軸37を傾動可能にして取付けられている。ここで、下部ローラ42(下部ローラ38〜41についても同じ)の回転軸37は、片持ち構造を有し、一側に抜け防止金具(図示せず)が固定され、回転軸37の他側(抜け防止金具が固定された位置の反対側)が回転軸37を支持するV字金具92の中央部(先部)に固着されている。そして、V字金具92の両端部(基部)には、軸方向を前後方向に向けて下水平軸93が回動可能に設けられ、下水平軸93は軸受部材(図示せず)を介して下水平棒材91の上部に取付けられている。
【0043】
ここで、下回動機構は、上回動機構84のシリンダ86と同様のシリンダの基部を、下水平棒材91より低い位置に軸心方向を前後方向に向けて設けた水平材に回動可能に取付けること以外は、上回動機構84と同一の構成とすることができる。このため、詳細な説明は省略する。このような構成とすることにより、駆動ロッドをシリンダから突出させることによりV字金具92を下水平軸93を介して回動させて、下部ローラ42の回転軸37を水平に保って下部ローラ42を筒状部材18の下方位置に配置することができ、下部ローラ42にドレーン材12が掛け渡された状態を保持することができる。一方、駆動ロッドをシリンダに引き込むことによりV字金具92を下水平軸93を介して回動させて、下部ローラ42の回転軸37を垂直に保って(軸方向を上下方向に向けて)下部ローラ42を筒状部材18の下方位置から退去することができ、下部ローラ42に掛け渡されたドレーン材12を解放することができる。そして、水平配置した際の上部ローラ36及び下部ローラ42の前後及び左右の位置を予め調整しておくことで、ドレーン材12の上部ローラ36から下部ローラ42に掛け渡された部分が垂直かつ張設された状態となるようにすることができ、ドレーン材12を立設された筒状部材18の中央を挿通するようにすることができる。
【0044】
図12(A)〜(C)に示すように、筒状部材13〜18は、それぞれ軸心が上下方向に配置された長尺のパイプ部94と、パイプ部94の上端部内側に固定された連結金具95とを備えている。なお、図12(A)は、筒状部材14の下端部と筒状部材13の上端部を連結した状態を示しているが、他の筒状部材14〜18の連結も同じ状態となる。連結金具95は、対となる蒲鉾状の固定金材96、97からなり、固定金材96、97の間(即ち連結金具95の中央)に、筒状部材13の軸心に沿って配置された貫通孔98を形成している。ここで、固定金材96、97のパイプ部94の上端部内側への固定は、溶接法、ねじ固定法、又は溶接及びねじ固定の併用法のいずれか1の方法を用いて行う。
また、筒状部材14〜18のパイプ部94の下端部には、基部が、パイプ部94の内側に固定された突出金具99が設けられている。突出金具99は、対となる差込み金材100、101からなり、パイプ部94内側に固定された差込み金材100、101の基部より下側の部位によって、パイプ部94から下方に突出しドレーン材12が挿通する孔101aが設けられた突出部102が形成されている。差込み金材100、101のパイプ部94内側に固定される基部は、外側がパイプ部94の内周面の曲率に合わせて蒲鉾状に形成されている。ここで、差込み金材100、101のパイプ部94の下端部内側への固定は、溶接法、ねじ固定法、又は溶接及びねじ固定の併用法のいずれか1の方法を用いて行う。
なお、筒状部材13のパイプ部94の下端部には、ドレーン材12が挿通され下方に向かって縮径した縮径部材(図示せず)が設けられている。これにより、筒状部材13の地盤19への打ち込みをスムーズに行うことができる。
【0045】
突出部102は、連結金具95によって形成された貫通孔98に嵌入可能に形成されているので、筒状部材14〜18はそれぞれ、下端部の突出部102を上端部の貫通孔98に嵌入して連結状態とすることができる。なお、差込み金材100、101は、突出部102を形成している部位に、固定金材96、97の平面部103と当接する平面部104を有している。
【0046】
また、固定金材96、97には、平面部103に横溝105、106がそれぞれ形成され、差込み金材100、101には、平面部104に横溝107、108がそれぞれ形成されている。筒状部材13〜18のいずれか2つが連結された状態(即ち固定金材96の平面部103と差込み金材100の平面部104が当接し、かつ、固定金材97の平面部103と差込み金材101の平面部104が当接した状態)で、その連結部に位置する固定金材96の横溝105と差込み金材100の横溝107、及び固定金材97の横溝106と差込み金材101の横溝108は、符合して棒状の固定ピン109が挿通可能な横貫通孔110、111をそれぞれ形成する。なお、横貫通孔110、111は、高さ位置が異なって配置されている。また、筒状部材13〜18のパイプ部94の上端部には、パイプ貫通孔112、113が形成され、パイプ貫通孔112、113は、筒状部材13〜18が連結された状態で、パイプ部94の内側に配置された横貫通孔110、111に対してそれぞれ同軸上に配置される。
【0047】
図13(A)、(B)に示すように、吊金具114は、L型のロックピン115によって、筒状部材13の上端部に固定される(筒状部材14〜18に装着されている吊金具114についても同じ)。ここで、吊金具114は、筒状部材13のパイプ部94の上端部内側に固定された連結金具95によって形成された貫通孔98に嵌入し、下部に、筒状部材13の上端部を側方向から貫通したロックピン115が掛止される横溝116を備えた内側固定部材117と、内側固定部材117の上部に固定され、下部が筒状部材13の上端部に当接する円弧部材118とを有している。なお、横溝116は、吊金具114が筒状部材13の上端部に固定された状態で、パイプ貫通孔112に対して同軸上に配置される。
【0048】
また、吊金具114には、円弧部材118に固定され、筒状部材13の上端部の外側面に当接する外側固定部材119が設けられている。更に、吊金具114には、円弧部材118に回動可能に取り付けられたU字状の回動部材120が設けられている。そして、回動部材120は、先部中央に電動チェーンブロック22のフック部121(図14参照)によって掛止される掛止孔122を有し、基部両端が円弧部材118に設けられた水平突起123に回動可能に取り付けられている。そして、回動部材120は、円弧部材118に設けられたストッパ部124、125、126、127によって、回動角度が制限されている。
【0049】
このような構成とすることにより、吊金具114は、筒状部材13を貫通したロックピン115によって垂直方向の動きが制限され、内側固定部材117と外側固定部材119によって、水平方向の動きが制限される。このため、筒状部材13の上端部に確実に固定された状態になっている。そして、吊金具114は、ロックピン115を筒状部材13から抜き取ることによって、筒状部材13から容易に取り外すことが可能である。なお、本実施の形態では、ロックピン115の抜き差しは、人力によって行われる。
【0050】
図14に示すように、ユニット枠25の上端部には、長手方向を前後方向に向けて水平棒材128が配置され、水平棒材128の下部には、長手方向を前後方向に向けて水平に保たれたガイドレール129が固定されている。そして、電動チェーンブロック22は、ガイドレール128に横移動可能に取付けられている。ここで、電動チェーンブロック22は、ガイドレール128に横移動可能に装着された移動部130と、移動部130の下部に設けられたチェーン巻取り巻戻し機構131と、チェーン巻取り巻戻し機構131に基側が連結されたチェーン132の先部に取付けられたフック部121と、手元盤(手元スイッチ)133とを有している。
【0051】
このような構成とすることで、手元盤133の操作によって、移動部130の横移動、及びフック部121の昇降を行うことができ、フック部121を、筒状部材13〜18の各上端部に装着される吊金具114に掛止することによって、筒状部材13を吊り上げて、打設待機場所における上下方向位置の調整を行うことができる。また、保持場所で筒状部材14〜18を吊り上げ、打設待機場所まで横移動させて上下方向位置の調整を行ったり、打設待機場所にある筒状部材18〜14を吊り上げて保持場所まで横移動させて上下方向位置の調整を行うことができる。
【0052】
打込み引抜き手段23は、最下段のユニット枠30の下部に設置され、打込み引抜き手段23に把持された立設状態の筒状部材13〜18の中心軸と地盤19との交点位置が、ドレーン材12の打設位置となる。ここで、打込み引抜き手段23は、筒状部材13〜18を地盤19に打込む機能と、地盤19に打込まれている筒状部材13〜18を引抜く機能を備え、本実施の形態では、上下動する保持チャック134を有している。保持チャック134が筒状部材13〜18を把持した状態で下方に移動すると、筒状部材13〜18が地盤19に打込まれ、筒状部材13〜18を把持した状態で上方に移動すると、地盤19に打込まれている筒状部材13〜18が引抜かれる。
【0053】
図4、図5に示すように、支持部材50、51は、例えば、正面視してL字状の部材であって、長手方向を前後方向に向けて、一方の平坦部135、136を水平に、他方の平坦部137、138を垂直にして最上段のユニット枠25に対向配置されている。また、支持部材50、51より下方となるユニット枠25内の位置には、長手方向を前後方向に向けて対となる取付け部材139、140が、支持部材50、51と左右方向位置及び前後方向位置を合わせてそれぞれ取付けられている。ここで、取付け部材139、140は、正面視してL字状の部材であって、一方の平坦部141、142を水平に、他方の平坦部143、144を垂直にしてユニット枠25に対向配置されている。このような構成とすることで、枠体21内の保持場所に立設した筒状部材14〜18の上側部分の異なる位置を支持部材50、51及び取付け部材139、140で左右方向両側から支持することができ、筒状部材14〜18の上側部分の左右方向への移動を防止できる。
【0054】
取付け部材139の平坦部141において、保持場所に立設した筒状部材14〜17の前後両側位置にそれぞれ相当する位置、及び筒状部材18の前側位置に相当する位置には、それぞれ長手方向を上下方向に向けてベース部材145が載置され、ベース部材145の両端側はそれぞれ支持部材50の左右方向外側を向いた平坦部137及び取付け部材139の左右方向外側を向いた平坦部143に固定されている。そして、第1のストッパ機構55の流体圧シリンダ52は、駆動ロッド53の先部を上方に向けてベース部材145に取付け具146、147を介して固定されている。
【0055】
支持部材50の平坦部135において、ベース部材145の上端と対向する領域の前後方向両側に相当する位置には、左右方向に沿って切込み部148、149(図4、図6参照)が設けられ、切込み部148、149に挟まれた部分は、円弧状に曲げられて曲面部150を形成している。また、各ベース部材145の上部の前後方向の中央部には、長手方向を上下方向に向けて、平面視してコ字状の第1のガイド部材151が、開口部を左右方向の内側にして、開口部の下側を曲面部150に当接させた状態で取付けられている。ここで、隣り合う第1のガイド部材151は補強板部材152を介して連結されている。一方、第1のストッパ部材54は、先部を上方に向けて第1のガイド部材151を貫通し、第1のストッパ部材54の基部は、流体圧シリンダ52の駆動ロッド53の先部に取付けられた連結部153にピン154を介して回動可能に取付けられている。なお、第1のストッパ部材54を駆動ロッド53と連結した際、駆動ロッド53の軸心位置に対して、垂直状態の第1のストッパ部材54の軸心位置が左右方向内側に来るように取付け位置の調整が行われている。
【0056】
このような構成とすることにより、図3(A)、(B)に示すように、流体圧シリンダ52の操作用バルブ155を操作して駆動ロッド53の上昇を開始すると、第1のストッパ部材54は第1のガイド部材151を貫通しているので、第1のストッパ部材54の左右方向及び前後方向への移動が制限されて、第1のストッパ部材54を上方に向けて移動させることができる。そして、コ字状の第1のガイド部材151の開口部が左右方向の内側を向いて、垂直状態の第1のストッパ部材54の軸心位置が駆動ロッド53の軸心位置より左右方向内側に配置されているので、第1のストッパ部材54の基側が曲面部150に近づくと、第1のストッパ部材54は上昇しながら基部を支点として曲面部150に沿って徐々に回動を開始し、駆動ロッド53の先部が最上昇位置に達した時点で、第1のストッパ部材54は90°回動し開口部から突出して水平状態となる。
【0057】
その結果、第1のストッパ部材54の基部側は、支持部材50の平坦部137と曲面部150との連接部で、第1のストッパ部材54の先部側は支持部材51の平坦部136でそれぞれ支持される。そして、第1のストッパ部材54の先部側は、平坦部136に設けられた位置決め部材156、157に当接する。これにより、水平状態の第1のストッパ部材54は、前後方向への移動が防止され、筒状部材14〜17の前後方向及び筒状部材18の前方向への倒れを防止できる。
なお、符号158は、上部ローラ32〜36の回転軸31を傾動するシリンダ86の操作用バルブである。
【0058】
図8、図9に示すように、載置部材57、58は、例えば、正面視してコ字状の部材であって、長手方向を前後方向に、開口側を左右方向外側にそれぞれ向けて、対向する一方の平坦部160、161を水平上側に、他方の平坦部162、163を水平下側にして最下段のユニット枠30に筒状部材14、15、16、17、18の外径より小さい距離の隙間を設けて対向配置されている。ここで、載置部材57の平坦部160、162を連結する接続部162aと、載置部材58の平坦部161、163を連結する接続部163aは、隙間を有して垂直状態で対向配置され、筒状部材14〜18を載置部材57、58に載置して支持した際、接続部162a、163aの隙間には、筒状部材14のパイプ部94の下端部に固定された突出金具99の突出部102が挿通する。
【0059】
また、載置部材58より下方となるユニット枠30内の位置には、長手方向を前後方向に向けて取付け部材164が、載置部材58と左右方向位置及び前後方向位置を合わせて取付けられている。ここで、取付け部材164は、正面視してL字状の部材であって、一方の平坦部165を水平に、他方の平坦部166を垂直にしてユニット枠30に配置されている。
【0060】
取付け部材164の平坦部165において、保持場所に立設した筒状部材14〜17の前後両側位置にそれぞれ相当する位置、及び筒状部材18の前側位置に相当する位置には、それぞれ長手方向を上下方向に向けて下ベース部材167が載置され、下ベース部材167の両端側はそれぞれ載置部材58の平坦部163及び取付け部材164の左右方向外側を向いた平坦部166に固定されている。そして、第2のストッパ機構62の流体圧シリンダ59は、駆動ロッド60の先部を上方に向けて下ベース部材167に取付け具168、169を介して固定されている。
【0061】
載置部材58の平坦部161において、下ベース部材167の上端と対向する領域の前後方向両側に相当する位置には、左右方向に沿って切込み部170、171(図8、図10参照)が設けられ、切込み部170、171に挟まれた部分は、円弧状に曲げられて曲面部172を形成している。また、各下ベース部材167の上部の前後方向の中央部には、長手方向を上下方向に向けて、平面視してコ字状の第2のガイド部材173が、開口部を左右方向の内側にして、開口部の下側を曲面部172に当接させた状態で取付けられている。ここで、隣り合う第2のガイド部材173は補強板部材174を介して連結されている。一方、第2のストッパ部材61は、先部を上方に向けて第2のガイド部材173を貫通し、第2のストッパ部材61の基部は、流体圧シリンダ59の駆動ロッド60の先部に取付けられた連結部175にピン176を介して回動可能に取付けられている。なお、第2のストッパ部材61を駆動ロッド60と連結した際、駆動ロッド60の軸心位置に対して、垂直状態の第2のストッパ部材61の軸心位置が左右方向内側に来るように取付け位置の調整が行われている。
【0062】
このような構成とすることにより、図7(A)、(B)に示すように、流体圧シリンダ59の操作用バルブ177を操作して駆動ロッド60の上昇を開始すると、第2のストッパ部材61は第2のガイド部材173を貫通しているので、第2のストッパ部材61の左右方向及び前後方向への移動が制限されて、第2のストッパ部材61を上方に向けて移動させることができる。そして、コ字状の第2のガイド部材173の開口部が左右方向の内側を向いて、垂直状態の第2のストッパ部材61の軸心位置が駆動ロッド60の軸心位置より左右方向内側に配置されているので、第2のストッパ部材61の基側が曲面部172に近づくと、第2のストッパ部材61は上昇しながら基部を支点として曲面部172に沿って徐々に回動を開始し、駆動ロッド60の先部が最上昇位置に達した時点で、第2のストッパ部材61は90°回動し開口部から突出して水平状態となる。
【0063】
その結果、第2のストッパ部材61の基部側は、載置部材58の曲面部172の基側で、第2のストッパ部材61の先部側は載置部材57の平坦部160でそれぞれ支持される。そして、第2のストッパ部材61の先部側は、平坦部160に設けられた位置決め部材178、179に当接する。これにより、水平状態の第2のストッパ部材61は、前後方向への移動が防止され、筒状部材14〜17の前後方向及び筒状部材18の前方向への倒れを防止できる。
なお、符号180は、下部ローラ38〜42の回転軸37を傾動する下回動機構のシリンダの操作用バルブである。
【0064】
図15に示すように、ユニット枠25〜30には、ユニット枠25〜30を連結して枠体21を形成した際に枠体21内に対となるレール部材181、182を保持して立設する図示しないレール支持部材がそれぞれ設けられ、レール部材181、182の上端部は、ユニット枠25の最上段の水平部材184の下面に、レール部材181、182の下端部は、ユニット枠30の最下段の水平部材185の上面にそれぞれ固定されている。また、枠体21内には、立設されたレール部材181、182に昇降可能に取付けられた昇降台車186と、昇降台車186を移動させる駆動機構187が設けられている。
【0065】
図16(A)、(B)、(C)に示すように、複数のガイド車輪188を有する昇降台車186の長手方向中間部には、打設待機場所にある筒状部材13の上端部に装着されている吊金具114の円弧部材118を先部で把持する固定アーム256、257の基部が固定されている。また、昇降台車186において固定アーム256、257の基部が固定される部位より上側の位置には、昇降台車186に突出して取付け材190が配置され、取付け材190の先側には、打設待機場所にあって吊金具114を装着した筒状部材13〜18の上方に配置され、筒状部材13〜18内に挿通されるドレーン材12が掛け渡されて、ドレーン材12の位置決めを行う補助ローラ191が片持ち支持で取付けられている。ここで、補助ローラ191の回転軸191aは、片持ち構造を有し、一側に抜け防止金具191bが固定され、回転軸191aの他側(抜け防止金具191bが固定された位置の反対側)が回転軸191aを支持するV字金具191cの中央部(先部)に固着されている。そして、V字金具191cの両端部(基部)には、軸方向を前後方向に向けて上水平軸191dが回動可能に設けられ、上水平軸191dは軸受部材191eを介して水平取付け材190の下部に取付けられている。これによって、吊金具114を装着した筒状部材13〜18の上方で、補助ローラの回転軸191aを水平位置から下回りで垂直位置まで回動することができる。
【0066】
ここで、対向配置されるレール部材181、182は、図16(C)に示すように、断面がコ字状となって、開口側を左右方内側に向けてユニット枠25〜30に取付けられている。このため、レール部材181では、開口の両側に対向配置された突出部192、193の中で、前後方向後側の突出部193に昇降台車186のガイド車輪188が当接し、レール部材182では、開口の両側に対向配置された突出部192a、193aの中で、前後方向後側の突出部193aに昇降台車186のガイド車輪188が当接する。そして、昇降台車186の上部には、最上段のユニット枠25の上部側にあるレール部材181、182同士を連結する水平連結材194に設けられた折り返しガイド車の一例である滑車195(図15参照)に掛け渡されたワイヤ(図示せず)の一端が固定され、ワイヤの他端はカウンタウエイト196が取付けられている。なお、カウンタウエイト196には複数のガイド車輪197が取付けられ、ガイド車輪197は、レール部材181、182の前後方向前側の突出部192、192aにそれぞれ当接している。これによって、小さな上昇力を加えることで昇降台車186の上昇を行うことができる。ここで、ワイヤの代わりにチェーン、滑車195の代わりにスプロケットを使用してもよい。
【0067】
図15、図17に示すように、駆動機構187は、昇降台車186の上昇限の上位置でかつ対となるレール部材181、182、例えば181の外側にある第1のスプロケット198、第1のスプロケット198の直下位置で昇降台車186の下降限の下位置(最下段のユニット枠30内にあるレール部材181の下端側)にある第2のスプロケット200、昇降台車186の直上で第1のスプロケット198と同一高さ位置にある第3のスプロケット199、昇降台車186の直下位置で第2のスプロケットと同一高さ位置(ユニット枠30内にあるレール部材181の下端側の左右方向外側及び内側)に設けられた第4のスプロケット201、第3のスプロケット199、第1のスプロケット198、第2のスプロケット200、第4のスプロケット201に掛け渡されるエンドレスのリンクチェーン202、第1のスプロケット198を回転駆動する回転駆動源187a、昇降台車186の上側とリンクチェーン202を連結するフック部材203、及び昇降台車186が上昇限に到達した時点でフック部材203のリンクチェーン202への掛止を解除する解除手段204を有する。
【0068】
第1のスプロケット198は、回転駆動源187aの出力軸に連結しており、第1のスプロケット198を回転することにより、第1のスプロケット198に架け回されたリンクチェーン202を送り出し、第3、第4、第2のスプロケット200、201、199を経由して、再度第1のスプロケット198に戻すことができる。これにより、リンクチェーン202を上下方向に周回移動することができる。ここで、例えば、ユニット枠29には、図18に示すように、駆動機構187が設けられて、第1のスプロケット198及び第3、第4、第2のスプロケット200、201、199の間に架け回されて周回移動するリンクチェーン202の張力を調整する張力調整手段205が設置されている。これによって、リンクチェーン202を一定の速度で安定して周回移動させることができると共に、フック部材203のリンクチェーン202に対する掛止が安定化する。なお、第1のスプロケット198と第3のスプロケット200の間のリンクチェーン202は、チェーンカバー206で覆われている。
【0069】
張力調整手段205は、第1のスプロケット198から第3のスプロケット200に向かって垂直方向に移動するリンクチェーン202の進行方向を水平方向に変える第1の導出ローラ207と、第1の導出ローラ207を介して水平方向に移動するリンクチェーン202を掛止して水平方向に進退可能に設けられた引出しローラ208と、引出しローラ208を経由したリンクチェーン202の移動方向を垂直方向に変えて第3のスプロケット200に向けて移動させる第2の導出ローラ209とを有している。ここで、第1の導出ローラ207は、レール部材181に基部が取付けられて水平に配置された第1の水平ガイド材210の下部に取付けられ、第2の導出ローラ209は、レール部材181の第1の水平ガイド材210が取付けられた部位より下方の位置に基部が取付けられて水平に配置された第2の水平ガイド材211の上部に第1の導出ローラ207と対向して取付けられている。なお、第1の水平ガイド材210には、チェーンカバー206内と連通する連通孔(図示せず)が垂直方向に設けられており、連通孔を介してチェーンカバー206内から取り出されたリンクチェーン202が第1の導出ローラ207に掛止している。また、第2の水平ガイド材211には、チェーンカバー206内と連通する連通孔(図示せず)が垂直方向に設けられており、第2の導出ローラ209に掛止したリンクチェーン202が連通孔を介してチェーンカバー206内に戻っている。
【0070】
また、第1、第2の水平ガイド材210、211の先部は連結部材213で連結され、第1の導出ローラ207及び第2の導出ローラ209と連結部材213の間には、両側が第1及び第2の水平ガイド材210、211に摺動可能に掛止されて垂直配置された取付け部材214が設けられている。そして、取付け部材214の第1の導出ローラ207(第2の導出ローラ209)側の面には、引出しローラ208が取付けられ、取付け部材214の連結部材213側の面には、雄ねじ部材215の先部が固定され、雄ねじ部材215の基側は連結部材213を貫通している。そして、雄ねじ部材215には、基部側からナット部材215aがねじ込まれ、ねじ込まれたナット部材215aは連結部材213に当接している。
このような構成とすることにより、ナット部材215aを回転することにより、連結部材213と取付け部材214の間に存在する雄ねじ部材215の長さを変えることができる。その結果、取付け部材214を第1の導出ローラ207(第2の導出ローラ209)に対して進退させて、第1の導出ローラ207(第2の導出ローラ209)と引出しローラ208間の距離を変化させることができ、第1のスプロケット198及び第3、第4、第2のスプロケット200、201、199に架け回されて周回移動するリンクチェーン202の張力を調整することができる。
【0071】
フック部材203は、昇降台車186の上部に水平に設けられた取付け部216の中央部に、軸心を前後方向に向けて配置されたピン部材217に基側が回動可能に取付けられ、先部には、リンクチェーン202に掛止可能な掛止鉤218が設けられている。ここで、図17(B)に示すように、側面視して、昇降台車186の上下方向に沿った中心軸の位置と、上方に移動するリンクチェーン202の中心軸の位置とは、前後方向にずれている。このため、フック部材203は、側面視して、ピン部材217に対してリンクチェーン202側に傾斜させて取付けられ、ピン部材217を中心に回動した際に、掛止鉤218がリンクチェーン202の中心軸上に配置されるようになっている。
【0072】
解除手段204は、図17(A)に示すように、昇降台車186の上端部にピン部材217と対向して配置された取付け軸219に中間部が軸支され、先部がリンクチェーン202に掛止した状態のフック部材203の中間部下側領域に当接するレバー部材220と、レール部材181における昇降台車186の上昇限より上方位置に取付けられ、昇降台車186が上昇限の近傍に到達した際にレバー部材220の基部が当接するストッパ材221とを有している。
【0073】
このような構成とすることで、昇降台車186が上昇限の近傍に到達するとレバー部材220の基部をストッパ材221に当接させることができ、昇降台車186が更に上昇限に向けて移動すると、レバー部材220の基部をストッパ材221が押圧することにより、レバー部材220を取付け軸219を支点に徐々に回動させることができる。そして、レバー部材220が回動すると、フック部材203の中間部下側領域に当接しているレバー部材220の先部が、フック部材203の中間部下側領域を押圧することになって、フック部材203はピン部材217を支点に回動を開始する。その結果、昇降台車186が上昇限に到達した時点で、フック部材203の掛止鉤218によるリンクチェーン202への掛止が外れ、昇降台車186の上昇が停止する。
【0074】
図19、図20に示すように、最下段のユニット枠30には、打込み引抜き手段23で引き抜き、電動チェーンブロック22を用いて保持場所に移動し立てて配置した筒状部材14(筒状部材15〜18も同様)の下部から飛び出たドレーン材12に上から掛止して引き出す引き出しロッド222と、引き出しロッド222を収納位置からドレーン材12の押し下げ位置まで駆動するロッド駆動部222aとを有するドレーン材位置調整手段が設けられている。
【0075】
ここで、ロッド駆動部222aは、図21〜図24に示すように、最下段のユニット枠30の左側部又は右側部に設けられ、傾斜すると共に、上端が下部ローラ38より上方に、下端が下部ローラ38より下方にそれぞれ位置する摺動ガイド部材224と、摺動ガイド部材224の長手方向に沿って摺動可能に取付けられ、引き出しロッド222を左右方向に進退可能に保持する保持部材225を備えたスライダ226と、摺動ガイド部材224の上側に基部が回動可能に取付けられたシリンダ228と、シリンダ228の駆動ロッド227の先部と接続し、駆動ロッド227をシリンダ228に引き込みながら、摺動ガイド部材224の中間位置に第1のロック手段230によって固定されているスライダ226に設けられた引き出しロッド222を筒状部材14の下部から飛び出たドレーン材12に上から掛止する位置に突出させるリンク機構229と、リンク機構229と連携して動作し、引き出しロッド222の突出が終了した時点で第1のロック手段230が解除したスライダ226を、シリンダ228からの駆動ロッド227の押し出しによるスライダ226の摺動ガイド部材224の下側への移動が終了した時点で、摺動ガイド部材224の下側に固定する第2のロック手段231とを有している。
【0076】
図21に示すように、リンク機構229は、中間部が第1の固定ピン232を介して摺動ガイド部材224に支持され、一端部が駆動ロッド227の先側に取付けられた接続部材233に第1の連結ピン234を介して接続されて、駆動ロッド227の進退に伴って第1の固定ピン232を支点に回動する第1のリンク部材235と、第1のリンク部材235の他端部と、一端部が第2の連結ピン236を介して接続される第2のリンク部材237と、第2のリンク部材237の他端部が第3の連結ピン238を介して接続される第1の頂点部、第2の固定ピン239を用いてスライダ226に支持される第2の頂点部、及び引き出しロッド222の基側に設けられ保持部材225から外部に突出した第4の連結ピン240が第2の頂点部に向けて移動可能に掛止される第3の頂点部を備え、第2のリンク部材237を介して第1のリンク部材235の回動により第2の固定ピン239を支点に回動する三角形状の第3のリンク部材242とを有している。
【0077】
このような構成とすることで、駆動ロッド227がシリンダ228に引き込まれることに伴って第1のリンク部材235が第1の固定ピン232を支点に回動し、第2のリンク部材237を介して第3のリンク部材242を第2の固定ピン239を支点に回動させることができる。その結果、引き出しロッド222に取付けられた第4の連結ピン240が長孔241内を第2の頂点部に向けて移動するのに伴って、引き出しロッド222が保持部材225から押し出される。
【0078】
図21に示すように、第1のロック手段230は、スライダ226の内側部に基部が連結ピン243を介して回動可能に取付けられ、摺動ガイド部材224の内側部の上下方向中間部に形成された第1の切欠き224に掛止する第1の鉤部245を先側に備えた第1のロック部材246と、両端が第1のロック部材246及びスライダ226にそれぞれ固定され、第1のロック部材246をスライダ226に向けて付勢する第1のバネ247と、スライダ226に摺動可能に設けられて、基部が第3のリンク部材242に立設された第1の当接板249に押圧されて先部が第1のロック部材246を押圧して第1の切欠き224への第1のロック部材246の掛止を解く第1の押圧ピン248とを有する。
【0079】
このような構成とすることで、引き出しロッド222の非突出時には、第1のロック部材246を第1のバネ247によりスライダ226に向けて付勢することができ、第1のロック部材246をスライダ226に当接させて、第1のロック部材246の第1の鉤部245を摺動ガイド部材224の第1の切欠き244に掛止することができ、スライダ226を摺動ガイド部材224に固定することができる。また、引き出しロッド222の突出終了時には、第3のリンク部材242の回動により、当接板249を介して第1の押圧ピン248の基部を押圧することができ、第1のロック部材246を回動することができる。その結果、第1のロック部材246の第1の鉤部245を摺動ガイド部材224の第1の切欠き244から離脱させることができ、スライダ226の摺動ガイド部材224に対する固定を解除することができる。
【0080】
図22、図23、図24に示すように、第2のロック手段231は、スライダ226の外側部に基部が連結ピン250を介して回動可能に取付けられ、摺動ガイド部材224の左右方向の外側部の下部に形成された第2の切欠き251に掛止する第2の鉤部252を先側に備えた第2のロック部材253と、両端が第2のロック部材253及びスライダ226にそれぞれ固定され、スライダ226が最下部にある位置で、第2のロック部材253の第2の鉤部252を第2の切欠き251に嵌入保持する第2のバネ254と、第3のリンク部材242に固着されて、第2の切欠き251に装着された第2のロック部材253を解除するロック解除部255とを有している。ここで、ロック解除部255は、第2の固定ピン239と第4の連結ピン240を結ぶ線分に平行な第3のリンク部材242の辺の中間部にスライダ226に側に突出して設けられた取付け部材258と、取付け部材258の先部に第4の連結ピン240側に向けて突出して設けられた押圧部材259とを備えている。なお、図24のaには、図22の第2のリンク部材237が存在する。
【0081】
このような構成とすることで、引き出しロッド222の非突出時には、ロック解除部255の押圧ピン259が、第2のロック部材253の中間部に設けられた受圧部材260を押圧して回動させ、第2のロック部材253をスライダ226から離脱させることにより第2の鉤部252とスライダ226との間に隙間を形成することができる。また、引き出しロッド222が突出を開始すると(第3のリンク部材242が回動を開始すると)、ロック解除部255の取付け部材258が第3のリンク部材242と共に回動することにより、押圧ピン259が第2のロック部材253の受圧部材260から離脱しようとするので、第2のロック部材253が第2のバネ254によりスライダ226に向けて付勢される。そして、引き出しロッド222の突出が完了して、シリンダ228によってスライダ226が摺動ガイド部材224の下側への移動が終了した時点では、第2のロック部材253がスライダ226に当接し、第2の鉤部252が第2の切欠き251に掛止される。その結果、スライダ226が摺動ガイド部材224に固定される。
【0082】
一方、スライダ226が最下位置まで押し下げられた時点で、シリンダ228内に駆動ロッド227を引き込むと、スライダ226は摺動ガイド部材224に固定されているので、リンク機構229が作動して押し出された引き出しロッド222が保持部材225内に引き込まれる。このとき、第3のリンク部材242と共にロック解除部255の取付け部材258が回動して、押圧ピン259が第2のロック部材253の受圧部材260に当接して押圧する。このため、第2のロック部材253が第2のバネ254を引伸ばしながらスライダ226から離脱する。そして、引き出しロッド222の保持部材225内への引き込みが完了した時点では、第2のロック部材253の第2の鉤部252が第2の切欠き251から外れて、スライダ226の摺動ガイド部材224に対する固定が解除される。その結果、駆動ロッド227のシリンダ228内への引き込みに伴って、スライダ226は摺動ガイド部材224の上側へ向けて移動する。
【0083】
続いて、図25(A)〜(F)に基づいて、本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置10を使用して、筒状部材13〜18と共にドレーン材12を打設する際の方法について説明する。なお、図25(A)〜(F)には、筒状部材13〜15のみを示している。
図25(A)に示すように、移動車両20をドレーン材12の打設場所に移動し、移動車両20に搭載された枠体21内の打設待機場所に立設された筒状部材13と、保持場所に立設された筒状部材14〜18にドレーン材供給手段11から送り出されるドレーン材12を挿通する。このとき、筒状部材14〜18の上方及び下方にそれぞれ配置された上部ローラ32〜36及び下部ローラ38〜42にドレーン材12を掛け渡す。また、補助ローラ191を取付けた昇降台車186の高さ位置を調整し、筒状部材13に挿通するドレーン材12を補助ローラ191に掛け渡すと共に、筒状部材13の上端部に装着された吊金具114を昇降台車186に取付けられた固定アーム256、257で把持する。
【0084】
図25(B)に示すように、打込み引抜き手段23の保持チャック134で筒状部材13を把持して、保持チャック134を下方に移動する。これにより、筒状部材13はドレーン材12と共に地盤19に打込まれる。なお、筒状部材13の下方への移動に伴って(打設に伴って)、ドレーン材12はドレーン材供給手段11から順次供給される。そして、筒状部材13の上端が打込み停止高さ位置に到達すると、筒状部材13の打込みを停止する。
【0085】
図25(C)に示すように、筒状部材13の上端が打込み停止高さ位置に到達すると、筒状部材13に挿通するドレーン材12を補助ローラ191から外し、筒状部材13の上端部の吊金具114に対する固定アーム256、257の把持を解放して、昇降台車186を上昇させる。次いで、筒状部材14の下方に配置された下部ローラ38の回転軸37を傾動して下部ローラ38を退避させて、下部ローラ38からドレーン材12を取外す。また、筒状部材14の前側の上下に配置された第1、第2のストッパ部材54、61をそれぞれ備えた第1、第2のストッパ機構55、62を操作し、第1、第2のストッパ部材54、61を回動させると共に下降させて、筒状部材14の前側の上下にそれぞれ配置された第1、第2のストッパ部材54、61を取除く。更に、筒状部材13の上端部に装着された吊金具114を取外す。
【0086】
図25(D)に示すように、保持場所に立設された筒状部材14の上端部に装着された吊金具114の掛止孔122に電動チェーンブロック22のフック部121を掛止して筒状部材14を吊り上げ、打設待機場所の上方(筒状部材13の上方)に横移動する。
【0087】
図25(E)に示すように、電動チェーンブロック22で吊り上げた筒状部材14を下降させ、筒状部材14の下端部に設けられた突出金具99の突出部102を、筒状部材13の上端部内側に固定された連結金具95の中央の貫通孔98に嵌入して、筒状部材13に筒状部材14を接続固定する。次いで、筒状部材14の後側の上下に配置されていた第1、第2のストッパ部材54、61をそれぞれ備えた第1、第2のストッパ機構55、62を操作し、第1、第2のストッパ部材54、61を回動させると共に下降させて、筒状部材14の後側の上下にそれぞれ配置されていた第1、第2のストッパ部材54、61を取除く
【0088】
図25(F)に示すように、補助ローラ191を取付けた昇降台車186の高さ位置を調整し、筒状部材14に挿通するドレーン材12を補助ローラ191に掛け渡すと共に、筒状部材14の上端部に装着された吊金具114を昇降台車186に取付けられた固定アーム256、257で把持する。また、筒状部材14の上方に配置されていた上部ローラ32の回転軸31を傾動して上部ローラ32を退避させ、上部ローラ32からドレーン材12を取外す。次いで、打込み引抜き手段23の保持チャック134を下方に移動して筒状部材13の地盤19への打込みを再開し、筒状部材13と筒状部材14の接続部が打込み引抜き手段23を通過すると、保持チャック134は筒状部材14を把持して筒状部材14を地盤19に打込む。なお、筒状部材14の下方への移動に伴って、ドレーン材12はドレーン材供給手段11から順次供給される。
【0089】
そして、図25(B)〜図25(F)を繰り返すことにより、筒状部材14〜18を順次地盤19に打込むことができる。なお、筒状部材18を地盤19に打込む場合、昇降台車186から補助ローラ191を取外してユニット枠25に取付け、筒状部材18に挿通するドレーン材12をユニット枠25に取付けた補助ローラ191に掛け渡して、打設を行う。
【0090】
次に、図26(A)〜(G)に基づいて、本発明の一実施の形態に係るドレーン材の打設装置10を使用して、筒状部材18〜13の引抜く際の方法について説明する。なお、図26(A)〜(F)には、筒状部材18〜16のみを示している。
図26(A)に示すように、筒状部材18の地盤19への打込みが完了すると、打込み引抜き手段23の保持チャック134で筒状部材18を把持して、保持チャック134を上方に移動する。これにより、筒状部材18を地盤19から引抜くことができる。なお、筒状部材18を挿通しているドレーン材12は地盤19内に固定されているので、筒状部材18のみが移動する。
【0091】
図26(B)に示すように、筒状部材18の地盤19からの引抜きを開始して、筒状部材18と筒状部材17の接続部が打込み引抜き手段23を通過すると、保持チャック134は筒状部材17を把持して筒状部材17を地盤19から引抜く。そして、筒状部材18の上端が引抜き停止高さ位置に到達すると、筒状部材17の引抜きを停止する。そして、ユニット枠25に取付けた補助ローラ191からドレーン材12を外した後、補助ローラ191をユニット枠25から取外し、電動チェーンブロック22で吊り下げて、筒状部材18と筒状部材17の接続部近傍に向けて予め移動させておいた昇降台車186に向けて下降させる。次いで、筒状部材18と筒状部材17の連結を解除する。
【0092】
図26(C)に示すように、電動チェーンブロック22を筒状部材18の上方に横移動する。そして、電動チェーンブロック22のフック部121を筒状部材18の上端部に装着した吊金具114の掛止孔122に掛止して筒状部材18を吊り上げて筒状部材17の上方に移動し、更に保持場所に向けて横移動する。また、筒状部材17の上端部には、吊金具114を装着する。
【0093】
図26(D)に示すように、電動チェーンブロック22で吊り上げた筒状部材18が保持場所まで横移動すると、筒状部材18を下降させて、載置部材57、58上に載置する。また、第1、第2のストッパ機構55、62を操作し、第1、第2のストッパ部材54、61を上昇させると共に回動させて、筒状部材18の前側の上下にそれぞれ配置する。
次いで、ドレーン材位置調整部223の引き出しロッド222を収納位置から突出させて筒状部材18の下部から飛び出たドレーン材12に上から掛止し、ドレーン材12の押し下げ位置まで移動しさせて、筒状部材18の下部から飛び出しているドレーン材12を下方に引き出す。
そして、退避していた下部ローラ42の回転軸37を傾動して下部ローラ42を筒状部材18の下方に配置して、筒状部材18の下端から排出するドレーン材12を下部ローラ42に掛け渡す。また、補助ローラ191を昇降台車186に取付け、筒状部材17を挿通するドレーン材12を補助ローラ191に掛け渡すと共に、筒状部材17の上端部に装着した吊金具114を昇降台車186に取付けられた固定アーム256、257で把持する。
【0094】
図26(E)に示すように、筒状部材17の地盤19からの引抜きを再開し、筒状部材17と筒状部材16の接続部が打込み引抜き手段23を通過すると、保持チャック134は筒状部材16を把持して筒状部材16を地盤19から引抜く。
図26(F)に示すように、筒状部材17の上端が引抜き停止高さ位置に到達すると、筒状部材16の地盤19からの引抜きを停止する。
【0095】
図26(G)に示すように、筒状部材16の地盤19からの引抜きを停止した後、退避していた上部ローラ35の回転軸31を傾動して上部ローラ35を枠体21内に配置し、筒状部材17を挿通するドレーン材12を上部ローラ35に掛け渡す。そして、筒状部材17が載置部材57、58上に載置された際に、筒状部材17の後側の上下にそれぞれ配置されるように、対応する場所にある第1、第2のストッパ機構55、62を操作して、第1、第2のストッパ部材54、61を配置する。
そして、図26(B)〜図26(G)を繰り返すことにより、筒状部材17〜14を順次地盤19から引抜いて、枠体21内の保持場所に立てた状態で並列に保持することができる。なお、地盤19から引抜かれた筒状部材13は、打設待機場所に保持される。
【0096】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
【符号の説明】
【0097】
10:ドレーン材の打設装置、11:ドレーン材供給手段、12:ドレーン材、13〜18:筒状部材、19:地盤、20:移動車両、21:枠体、22:電動チェーンブロック、23:打込み引抜き手段、25〜30:ユニット枠、31:回転軸、32〜36:上部ローラ、37:回転軸、38〜42:下部ローラ、43:ドレーン材通過路、44〜49:ドレーン材通過管、50、51:支持部材、52:流体圧シリンダ、53:駆動ロッド、54:第1のストッパ部材、55:第1のストッパ機構、56:上ストッパ部材、57、58:載置部材、59:流体圧シリンダ、60:駆動ロッド、61:第2のストッパ部材、62:第2のストッパ機構、63:下ストッパ部材、64:キャタピラ部、65:ボディ部、66:支持部材、67:水平軸、68:ドラム、69:アウトリガー、70:ブレース、71〜76:トラフワイヤ、77:後部側部材、78:柱部材、79:上水平棒材、80:抜け防止金具、81:V字金具、82:上水平軸、83:軸受部材、84:上回動機構、85:水平材、86:シリンダ、87:駆動ロッド、88:ピン部材、89:連結部材、90:後部側部材、91:下水平棒材、92:V字金具、93:下水平軸、94:パイプ部、95:連結金具、96、97:固定金材、98:貫通孔、99:突出金具、100、101:差込み金材、101a:孔、102:突出部、103、104:平面部、105、106:横溝、107、108:横溝、109:固定ピン、110、111横貫通孔、112、113:パイプ貫通孔、114:吊金具、115:ロックピン、116:横溝、117:内側固定部材、118:円弧部材、119:外側固定部材、120:回動部材、121:フック部、122:掛止孔、123:水平突起、124〜127:ストッパ部、128:水平棒材、129:ガイドレール、130:移動部、131:チェーン巻取り巻戻し機構、132:チェーン、133:手元盤、134:保持チャック、135〜138:平坦部、139、140:取付け部材、141〜144:平坦部、145:ベース部材、146、147:取付け具、148、149:切込み部、150:曲面部、151:第1のガイド部材、152:補強板部材、153:連結部、154:ピン、155:操作用バルブ、156、157:位置決め部材、158:操作用バルブ、160〜162:平坦部、162a:接続部、163:平坦部、163a:接続部、164:取付け部材、165、166:平坦部、167:下ベース部材、168、169:取付け具、170、171:切込み部、172:曲面部、173:第2のガイド部材、174:補強板部材、175:連結部、176:ピン、177:操作用バルブ、178、179:位置決め部材、180:操作用バルブ、181、182:レール部材、184、185:水平部材、186:昇降台車、187:駆動機構、187a:回転駆動源、188:ガイド車輪、190:水平取付け材、191:補助ローラ、191a:回転軸、191b:抜け防止金具、191c:V字金具、191d:上水平軸、191e:軸受部材、192、192a、193、193a:突出部、194:水平連結材、195:滑車、196:カウンタウエイト、197:ガイド車輪、198:第1のスプロケット、199:第3のスプロケット、200:第2のスプロケット、201:第4のスプロケット、202:リンクチェーン、203:フック部材、204:解除手段、205:張力調整手段、206:チェーンカバー、207:第1の導出ローラ、208:引出しローラ、209:第2の導出ローラ、210:第1の水平ガイド材、211:第2の水平ガイド材、213:連結部材、214:取付け部材、215:雄ねじ部材、215a:ナット部材、216:取付け部、217:ピン部材、218:掛止鉤、219:取付け軸、220:レバー部材、221:ストッパ材、222:引き出しロッド、222a:ロッド駆動部、223:ドレーン材位置調整部、224:摺動ガイド部材、225:保持部材、226:スライダ、227:駆動ロッド、228:シリンダ、229:リンク機構、230:第1のロック手段、231:第2のロック手段、232:第1の固定ピン、233:接続部材、234:第1の連結ピン、235:第1のリンク部材、236:第2の連結ピン、237:第2のリンク部材、238:第3の連結ピン、239:第2の固定ピン、240:第4の連結ピン、241:長孔、242:第3のリンク部材、243:連結ピン、244:第1の切欠き、245:第1の鉤部、246:第1のロック部材、247:第1のバネ、248:第1の押圧ピン、249:当接板、250:連結ピン、251:第2の切欠き、252:第2の鉤部、253:第2のロック部材、254:第2のバネ、255:ロック解除部、256、257:固定アーム、258:取付け部材、259:押圧部材、260:受圧部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のドレーン材の打設場所を移動可能な移動車両と、該移動車両に搭載され、先端に抜け止めとなるアンカーが取付けられてドレーン材供給手段から送り出される前記ドレーン材が挿通され、軸方向に連結可能な打設前の複数本の筒状部材を立てた状態で並列に保持する保持場所を備えた枠体と、前記保持場所で前記筒状部材を該筒状部材の上端部に取付けられた吊具材を介して吊り上げて前記枠体内の該保持場所より前方の打設待機場所まで、また該打設待機場所にある該筒状部材を前記吊具材を介して吊り上げて該保持場所まで横移動する搬送手段と、前記打設待機場所にある前記筒状部材を把持して打ち込み、かつ打ち込まれた該筒状部材を把持して引き抜く打込み引抜き手段とを備えるドレーン材の打設装置であって、
前記枠体には、前記筒状部材の長さに応じて、上下方向に積み重ねられる複数のユニット枠が設けられ、最上段及び最下段の前記ユニット枠には、前記保持場所にある前記筒状部材の上方及び下方の位置に、前記ドレーン材が掛け渡される水平状態から該ドレーン材が外れる退避状態に回転軸が傾動する片持ち支持された上部ローラ及び下部ローラがそれぞれ設けられ、
前記保持場所にある前記筒状部材の上側の左右両側には、長手方向を前後方向に向けて該筒状部材の左右方向への倒れを防止する対となる支持部材が、前記保持場所にある前記筒状部材の下側には、長手方向を前後方向に向け隙間を有して配置され、該筒状部材を載置する左右対となる載置部材がそれぞれ設けられ、
対となる前記支持部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く前記筒状部材の前後方向の倒れを防止する第1のストッパ部材と、該第1のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて該第1のストッパ部材の片側を昇降し、前記支持部材の一方に直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第1の昇降手段と、前記第1のストッパ部材を水平状態から前記一方の支持部材に沿わせて垂直状態に導く第1のガイド部材とを有する第1のストッパ機構を前記筒状部材の上側又は中間部に設け、
対となる前記載置部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く前記筒状部材の前後方向の倒れを防止する第2のストッパ部材と、該第2のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて該第2のストッパ部材の片側を昇降し、前記載置部材の一方に、直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第2の昇降手段と、前記第2のストッパ部材を水平状態から前記一方の載置部材に沿わせて垂直状態に導く第2のガイド部材とを有する第2のストッパ機構を前記筒状部材の下側に設けたことを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項2】
請求項1記載のドレーン材の打設装置において、対となる前記支持部材は最上段の前記ユニット枠に、対となる前記載置部材は最下段の前記ユニット枠にそれぞれ設けられていることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のドレーン材の打設装置において、前記各筒状部材の上端部には、中央に貫通孔が形成された連結金具が設けられ、前記各筒状部材の下端部には前記貫通孔に嵌入し、前記ドレーン材が挿通する孔が設けられた突出部が設けられ、しかも、前記突出部を前記貫通孔に嵌入して上下の前記筒状部材を連結した位置には、前記連結金具及び前記突出部を掛止する固定ピンが固定されていることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項4】
請求項3記載のドレーン材の打設装置において、前記各筒状部材の上端部には、前記ドレーン材が挿通する空間を有し、前記連結金具の前記固定ピンの固定位置にロックピンを取付けて固定される前記吊具材が装着でき、前記搬送手段は、前記吊具材に掛止される昇降可能なフック部を有していることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1記載のドレーン材の打設装置において、前記枠体内には、立設された対となるレール部材と、該レール部材にガイド車輪を介して昇降可能に取付けられ、前記筒状部材の上端部に装着された前記吊具材を、設けられた固定アームで支持し、昇降する昇降台車と、該昇降台車を移動させる駆動機構とが設けられ、更に、前記昇降台車に突出して配置された取付け材には、前記打設待機場所にあって前記吊具材を装着した前記筒状部材の上方に配置され、該筒状部材内に挿通される前記ドレーン材が掛け渡されて、該ドレーン材の位置決めを行う補助ローラが片持ち支持でしかも、該補助ローラの回転軸が水平位置から下回りで垂直位置まで回動可能に設けられていることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項6】
請求項5記載のドレーン材の打設装置において、前記昇降台車の上部には、最上段の前記ユニット枠に設けられた折り返しガイド車に掛け渡されたワイヤ又はチェーンの一端が固定され、該ワイヤ又はチェーンの他端にはカウンタウエイトが取付けられていることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1記載のドレーン材の打設装置において、最下段の前記ユニット枠には、前記打込み引抜き手段で引き抜き、前記搬送手段を用いて前記保持場所に移動し立てて配置した前記筒状部材の下部から飛び出た前記ドレーン材に上から掛止して引き出す引き出しロッドと、該引き出しロッドを収納位置から前記ドレーン材の押し下げ位置まで駆動するロッド駆動部とを有するドレーン材位置調整手段が設けられていることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項8】
請求項7記載のドレーン材の打設装置において、前記ロッド駆動部は、最下段の前記ユニット枠の左側部又は右側部に設けられ、前側傾斜すると共に、上端が前記下部ローラより上方に、下端が該下部ローラより下方にそれぞれ位置する摺動ガイド部材と、該摺動ガイド部材の長手方向に沿って摺動可能に取付けられ、前記引き出しロッドを左右方向に進退可能に保持する保持部材を備えたスライダと、前記摺動ガイド部材の上側に基部が回動可能に取付けられたシリンダと、該シリンダの駆動ロッドの先部と接続し、該駆動ロッドを前記シリンダに引き込みながら、前記摺動ガイド部材の中間位置に第1のロック手段によって固定されている前記スライダに設けられた前記引き出しロッドを前記筒状部材の下部から飛び出た前記ドレーン材に上から掛止する位置に突出させるリンク機構と、該リンク機構と連携して動作し、前記引き出しロッドの突出が終了した時点で前記第1のロック手段が解除した前記スライダを、前記シリンダからの前記駆動ロッドの押し出しによる前記スライダの前記摺動ガイド部材の下側への移動が終了した時点で、前記摺動ガイド部材の下側に固定する第2のロック手段とを有していることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項9】
請求項8記載のドレーン材の打設装置において、前記リンク機構は、中間部が第1の固定ピンを介して前記摺動ガイド部材に支持され、一端部が前記駆動ロッドに第1の連結ピンを介して接続されて、前記駆動ロッドの進退に伴って前記第1の固定ピンを支点に回動する第1のリンク部材と、
該第1のリンク部材の他端部と、一端部が第2の連結ピンを介して接続される第2のリンク部材と、
該第2のリンク部材の他端部が第3の連結ピンを介して接続される第1の頂点部、第2の固定ピンを用いて前記スライダに支持される第2の頂点部、及び前記引き出しロッドの基側に設けられ前記保持部材から外部に突出した第4の連結ピンが前記第2の頂点部に向けて移動可能に掛止される第3の頂点部を備え、前記第2のリンク部材を介して前記第1のリンク部材の回動により前記第2の固定ピンを支点に回動する三角形状の第3のリンク部材とを有し、
前記駆動ロッドが前記シリンダに引き込まれることに伴って前記第1のリンク部材が前記第1の固定ピンを支点に回動し、前記第2のリンク部材を介して前記第3のリンク部材を前記第2の固定ピンを支点に回動させて前記引き出しロッドを押し出すことを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項10】
請求項9記載のドレーン材の打設装置において、前記第1のロック手段は、前記スライダの内側部に基部が回動可能に取付けられ、前記摺動ガイド部材の内側部の上下方向中間部に形成された第1の切欠きに掛止する第1の鉤部を先側に備えた第1のロック部材と、両端が前記第1のロック部材及び前記スライダにそれぞれ固定され、前記第1のロック部材を前記スライダに向けて付勢する第1のバネと、前記スライダに摺動可能に設けられて、基部が前記第3のリンク部材に押圧されて先部が前記第1のロック部材を押圧して前記第1の切欠きへの前記第1のロック部材の掛止を解く第1の押圧ピンとを有することを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項11】
請求項10記載のドレーン材の打設装置において、前記第2のロック手段は、前記スライダの外側部に基部が回動可能に取付けられ、前記摺動ガイド部材の左右方向の外側部の下部に形成された第2の切欠きに掛止する第2の鉤部を先側に備えた第2のロック部材と、両端が前記第2のロック部材及び前記スライダにそれぞれ固定され、前記スライダが最下部にある位置で、前記第2のロック部材の第2の鉤部を前記第2の切欠きに嵌入保持する第2のバネと、前記第3のリンク部材に固着されて、前記第2の切欠きに装着された前記第2のロック部材を解除するロック解除部とを有し、前記シリンダによって最下位置まで押し下げられた前記スライダの引き上げ時に、前記ロック解除部によって前記第2の切欠きに掛止した前記第2のロック部材の解除を行うことを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項1】
帯状のドレーン材の打設場所を移動可能な移動車両と、該移動車両に搭載され、先端に抜け止めとなるアンカーが取付けられてドレーン材供給手段から送り出される前記ドレーン材が挿通され、軸方向に連結可能な打設前の複数本の筒状部材を立てた状態で並列に保持する保持場所を備えた枠体と、前記保持場所で前記筒状部材を該筒状部材の上端部に取付けられた吊具材を介して吊り上げて前記枠体内の該保持場所より前方の打設待機場所まで、また該打設待機場所にある該筒状部材を前記吊具材を介して吊り上げて該保持場所まで横移動する搬送手段と、前記打設待機場所にある前記筒状部材を把持して打ち込み、かつ打ち込まれた該筒状部材を把持して引き抜く打込み引抜き手段とを備えるドレーン材の打設装置であって、
前記枠体には、前記筒状部材の長さに応じて、上下方向に積み重ねられる複数のユニット枠が設けられ、最上段及び最下段の前記ユニット枠には、前記保持場所にある前記筒状部材の上方及び下方の位置に、前記ドレーン材が掛け渡される水平状態から該ドレーン材が外れる退避状態に回転軸が傾動する片持ち支持された上部ローラ及び下部ローラがそれぞれ設けられ、
前記保持場所にある前記筒状部材の上側の左右両側には、長手方向を前後方向に向けて該筒状部材の左右方向への倒れを防止する対となる支持部材が、前記保持場所にある前記筒状部材の下側には、長手方向を前後方向に向け隙間を有して配置され、該筒状部材を載置する左右対となる載置部材がそれぞれ設けられ、
対となる前記支持部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く前記筒状部材の前後方向の倒れを防止する第1のストッパ部材と、該第1のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて該第1のストッパ部材の片側を昇降し、前記支持部材の一方に直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第1の昇降手段と、前記第1のストッパ部材を水平状態から前記一方の支持部材に沿わせて垂直状態に導く第1のガイド部材とを有する第1のストッパ機構を前記筒状部材の上側又は中間部に設け、
対となる前記載置部材の間に水平状態で跨がり、最後部を除く前記筒状部材の前後方向の倒れを防止する第2のストッパ部材と、該第2のストッパ部材の片側にピンを介して回動可能に連結されて該第2のストッパ部材の片側を昇降し、前記載置部材の一方に、直接又は補助部材を介して立設状態で取付けられた第2の昇降手段と、前記第2のストッパ部材を水平状態から前記一方の載置部材に沿わせて垂直状態に導く第2のガイド部材とを有する第2のストッパ機構を前記筒状部材の下側に設けたことを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項2】
請求項1記載のドレーン材の打設装置において、対となる前記支持部材は最上段の前記ユニット枠に、対となる前記載置部材は最下段の前記ユニット枠にそれぞれ設けられていることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のドレーン材の打設装置において、前記各筒状部材の上端部には、中央に貫通孔が形成された連結金具が設けられ、前記各筒状部材の下端部には前記貫通孔に嵌入し、前記ドレーン材が挿通する孔が設けられた突出部が設けられ、しかも、前記突出部を前記貫通孔に嵌入して上下の前記筒状部材を連結した位置には、前記連結金具及び前記突出部を掛止する固定ピンが固定されていることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項4】
請求項3記載のドレーン材の打設装置において、前記各筒状部材の上端部には、前記ドレーン材が挿通する空間を有し、前記連結金具の前記固定ピンの固定位置にロックピンを取付けて固定される前記吊具材が装着でき、前記搬送手段は、前記吊具材に掛止される昇降可能なフック部を有していることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1記載のドレーン材の打設装置において、前記枠体内には、立設された対となるレール部材と、該レール部材にガイド車輪を介して昇降可能に取付けられ、前記筒状部材の上端部に装着された前記吊具材を、設けられた固定アームで支持し、昇降する昇降台車と、該昇降台車を移動させる駆動機構とが設けられ、更に、前記昇降台車に突出して配置された取付け材には、前記打設待機場所にあって前記吊具材を装着した前記筒状部材の上方に配置され、該筒状部材内に挿通される前記ドレーン材が掛け渡されて、該ドレーン材の位置決めを行う補助ローラが片持ち支持でしかも、該補助ローラの回転軸が水平位置から下回りで垂直位置まで回動可能に設けられていることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項6】
請求項5記載のドレーン材の打設装置において、前記昇降台車の上部には、最上段の前記ユニット枠に設けられた折り返しガイド車に掛け渡されたワイヤ又はチェーンの一端が固定され、該ワイヤ又はチェーンの他端にはカウンタウエイトが取付けられていることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1記載のドレーン材の打設装置において、最下段の前記ユニット枠には、前記打込み引抜き手段で引き抜き、前記搬送手段を用いて前記保持場所に移動し立てて配置した前記筒状部材の下部から飛び出た前記ドレーン材に上から掛止して引き出す引き出しロッドと、該引き出しロッドを収納位置から前記ドレーン材の押し下げ位置まで駆動するロッド駆動部とを有するドレーン材位置調整手段が設けられていることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項8】
請求項7記載のドレーン材の打設装置において、前記ロッド駆動部は、最下段の前記ユニット枠の左側部又は右側部に設けられ、前側傾斜すると共に、上端が前記下部ローラより上方に、下端が該下部ローラより下方にそれぞれ位置する摺動ガイド部材と、該摺動ガイド部材の長手方向に沿って摺動可能に取付けられ、前記引き出しロッドを左右方向に進退可能に保持する保持部材を備えたスライダと、前記摺動ガイド部材の上側に基部が回動可能に取付けられたシリンダと、該シリンダの駆動ロッドの先部と接続し、該駆動ロッドを前記シリンダに引き込みながら、前記摺動ガイド部材の中間位置に第1のロック手段によって固定されている前記スライダに設けられた前記引き出しロッドを前記筒状部材の下部から飛び出た前記ドレーン材に上から掛止する位置に突出させるリンク機構と、該リンク機構と連携して動作し、前記引き出しロッドの突出が終了した時点で前記第1のロック手段が解除した前記スライダを、前記シリンダからの前記駆動ロッドの押し出しによる前記スライダの前記摺動ガイド部材の下側への移動が終了した時点で、前記摺動ガイド部材の下側に固定する第2のロック手段とを有していることを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項9】
請求項8記載のドレーン材の打設装置において、前記リンク機構は、中間部が第1の固定ピンを介して前記摺動ガイド部材に支持され、一端部が前記駆動ロッドに第1の連結ピンを介して接続されて、前記駆動ロッドの進退に伴って前記第1の固定ピンを支点に回動する第1のリンク部材と、
該第1のリンク部材の他端部と、一端部が第2の連結ピンを介して接続される第2のリンク部材と、
該第2のリンク部材の他端部が第3の連結ピンを介して接続される第1の頂点部、第2の固定ピンを用いて前記スライダに支持される第2の頂点部、及び前記引き出しロッドの基側に設けられ前記保持部材から外部に突出した第4の連結ピンが前記第2の頂点部に向けて移動可能に掛止される第3の頂点部を備え、前記第2のリンク部材を介して前記第1のリンク部材の回動により前記第2の固定ピンを支点に回動する三角形状の第3のリンク部材とを有し、
前記駆動ロッドが前記シリンダに引き込まれることに伴って前記第1のリンク部材が前記第1の固定ピンを支点に回動し、前記第2のリンク部材を介して前記第3のリンク部材を前記第2の固定ピンを支点に回動させて前記引き出しロッドを押し出すことを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項10】
請求項9記載のドレーン材の打設装置において、前記第1のロック手段は、前記スライダの内側部に基部が回動可能に取付けられ、前記摺動ガイド部材の内側部の上下方向中間部に形成された第1の切欠きに掛止する第1の鉤部を先側に備えた第1のロック部材と、両端が前記第1のロック部材及び前記スライダにそれぞれ固定され、前記第1のロック部材を前記スライダに向けて付勢する第1のバネと、前記スライダに摺動可能に設けられて、基部が前記第3のリンク部材に押圧されて先部が前記第1のロック部材を押圧して前記第1の切欠きへの前記第1のロック部材の掛止を解く第1の押圧ピンとを有することを特徴とするドレーン材の打設装置。
【請求項11】
請求項10記載のドレーン材の打設装置において、前記第2のロック手段は、前記スライダの外側部に基部が回動可能に取付けられ、前記摺動ガイド部材の左右方向の外側部の下部に形成された第2の切欠きに掛止する第2の鉤部を先側に備えた第2のロック部材と、両端が前記第2のロック部材及び前記スライダにそれぞれ固定され、前記スライダが最下部にある位置で、前記第2のロック部材の第2の鉤部を前記第2の切欠きに嵌入保持する第2のバネと、前記第3のリンク部材に固着されて、前記第2の切欠きに装着された前記第2のロック部材を解除するロック解除部とを有し、前記シリンダによって最下位置まで押し下げられた前記スライダの引き上げ時に、前記ロック解除部によって前記第2の切欠きに掛止した前記第2のロック部材の解除を行うことを特徴とするドレーン材の打設装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2012−102483(P2012−102483A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250073(P2010−250073)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(508262892)ドレーン基礎工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(508262892)ドレーン基礎工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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