説明

ナセルおよびその組立方法

ガスタービンエンジン用のナセル(200)を組み立てる方法であって、エンジンが、入口端部(201)と、排気端部(209)と、入口端部から排気端部までエンジンを通って延在する軸(x)とを備える方法が提供される。該方法は、エンジンの少なくとも一部分を覆う大きさのカウル(204)を用意するステップと、カウルが、入口端部および排気端部の少なくとも1つに向かって軸に沿って摺動可能になるように、カウルをエンジンに結合するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、一般にナセルに関し、より詳細には、ナセルおよびそれを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの既知のガスタービンエンジンアセンブリは、エンジンを格納するナセルを備える。少なくとも一部の既知のナセルは、エンジン整備を可能にするために支持ロッドを用いて支えて開くことができるヒンジ止め部分を有するカウルを備える。しかし、カウル部分は、支えによって開いているときかなりの突風を受ける可能性があり、カウル部分および支持ロッドは、カウルが開位置にあるときに突風に耐えるように、大き目の寸法にする必要がある。しかし、カウル部分が大きくなり、また開いておくための構成部品が大きくなると、エンジンアセンブリの全体重量が増加し、それによって、エンジンの燃料効率が低下し、エンジンの運用に関するコストが増加する。
【0003】
したがって、カウルを開いたままでカウルへの風荷重を減少することができるナセルにより、カウル、および関連する開いておくための構成部品の全体重量を軽減することが容易になり、それにより、燃料消費量が減少することによってエンジン効率が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】仏国特許第2901245号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、ガスタービンエンジン用のナセルを組み立てる方法であって、エンジンが、入口端部と、排気端部と、入口端部から排気端部までエンジンを通って延在する軸とを備える方法が提供される。該方法は、エンジンの少なくとも一部分を覆う大きさのカウルを用意するステップと、カウルが、入口端部および排気端部の少なくとも1つに向かって軸に沿って摺動可能になるように、カウルをエンジンに結合するステップとを含む。
【0006】
別の態様では、エンジンを格納するナセルであって、エンジンが、入口端部と、排気端部と、入口端部から排気端部までエンジンを通って延在する軸とを備える、ナセルが提供される。ナセルは、エンジンの少なくとも一部分を覆う大きさのカウルを備え、カウルは、入口端部および排気端部の少なくとも1つに向かって軸に沿って摺動可能になるようにエンジンに結合されるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】航空機の概略図である。
【図2】図1に示す航空機に使用するガスタービンエンジンアセンブリの透視図である。
【図3】図2に示すエンジンアセンブリを図1に示す航空機の胴体に結合するのに使用する搭載アセンブリの分解組立図である。
【図4】図3に示す搭載アセンブリに使用する連結機構の拡大側面図である。
【図5】図3に示す搭載アセンブリに使用する案内機構の拡大透視図である。
【図6】図3に示す搭載アセンブリに使用する軌道機構の拡大側面図である。
【図7】図2に示すエンジンアセンブリを図1に示す航空機の翼に結合するのに使用するパイロンの拡大透視図である。
【図8】図7に示すパイロンに結合された図2に示すエンジンアセンブリの一部分の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細説明は、限定するものとしてではなく、例示として、ナセルおよびその組立方法を示す。その説明は、当業者が本開示を製作し使用することを可能にし、本開示を実施する最良の形態であると現時点で思われるものを含めて、本開示のいくつかの実施形態を記述する。本開示は、本明細書では、好ましい実施形態、すなわちナセルおよびその組立方法に当て嵌めて説明される。しかし、本開示は、広範囲のシステム、ならびに様々な生産者および/または需要者の用途におけるカウルに対して広く適用されることが意図されている。
【0009】
図1は、胴体102および1対の翼104を備える航空機100の概略図である。一実施形態では、航空機100は、1対の胴体パイロン110を介して胴体102に結合された1対のエンジンアセンブリ108を備える。別の実施形態では、エンジンアセンブリ108は、1対の翼パイロン112を介して翼104から懸架され得る。胴体パイロン110および翼パイロン112は、あらゆる適切な結合機構(たとえばボルト式機構)を用いて、それぞれ胴体102および翼104に結合することができる。
【0010】
図2は、エンジンアセンブリ108の透視図である。例示的な実施形態では、エンジンアセンブリ108は、ガスタービンエンジンの周りに結合されたほぼ円形のナセル200を備える。ナセル200は、インレット202、ファンカウル204、移動カウル206(以後「トランスカウル」と呼称する)を備える。インレット202はエンジンの入口端部201を取り囲み、移動カウル206はエンジンの排気端部209を取り囲み、軸Xが、エンジンの入口端部201からエンジンの排気端部209までエンジンの中心を通って延在する。インレット202は、ファンカウル204の直径Dより大きい直径Dを有し、ファンカウル204の直径Dは、トランスカウル206の直径Dより大きい。ファンカウル204は、ファンカウル204の第1の端部210がインレット202に当接し、ファンカウル204の第2の端部212がトランスカウル206の一部分に重なり合うように、エンジンの一部分を覆う。あるいは、インレット202、ファンカウル204、および/またはトランスカウル206は、ナセル200が本明細書記載のように機能することができる任意の適切な態様で、任意の適切な直径を有することができ、また互いに配置することができる。本明細書で使用される用語「ファンカウル」は、エンジンの任意の部分を覆うのに用いるカウルを指し、ファンを覆うのに用いるカウルに限定されない。
【0011】
図3は、ファンカウル204を胴体パイロン110(図1に示す)に結合する例示的な搭載アセンブリ242の分解組立図である。例示的な実施形態では、ファンカウル204は、第1の半割部214と、第2の半割部216とを備える。第1の半割部214は、内面218および外面220を備え、第2の半割部216は、内面222および外面224を備える。ロッキングアセンブリ226が、第1の結合箇所228で、第1の半割部214を第2の半割部216に結合し、搭載アセンブリ242が、第2の結合箇所230で、第1の半割部214を第2の半割部216に結合する。搭載アセンブリ242は、案内機構500を介して軌道機構600内に摺動可能に結合される連結機構400を備える。
【0012】
ロッキングアセンブリ226は、第1のラッチ232、第2のラッチ234、および限界ストッパ236を備える。第1のラッチ232および第2のラッチ234は、第1の半割部の外面220および/または第2の半割部の外面224上に露出し、それにより、第1のラッチ232および/または第2のラッチ234は、第1の半割部214が第2の半割部216に結合されているとき、ユーザによって開放可能である。例示的な実施形態では、限界ストッパ236は、第1の半割部の内面218に結合された第1の端部238と、第2の半割部の内面222に結合された第2の端部240とを備える延伸可能なロッド(たとえば伸縮ロッド)であり、それによって、限界ストッパ236は、第1の結合箇所228にさし渡される。あるいは、限界ストッパ236は、ロッキングアセンブリ226を本明細書記載のように機能させることができる適切ないかなるストッパ機構でもよい。
【0013】
図4は、連結機構400の拡大側面図である。連結機構400は、第1の連結部材402と、第2の連結部材404と、速度制御デバイス406と、第1の搭載ブラケット460と、第2の搭載ブラケット462と、第3の搭載ブラケット464と、第4の搭載ブラケット466とを備える。
【0014】
第1の連結部材402は、第1の駆動アーム408と、第1の案内アーム410と、第2の案内アーム412と、第1の支持アーム414とを備える。第1の案内アーム410は、第1の支持アーム414と共に形成され、第1の支持アームから実質的に垂直に、第1の案内スロット418を形成する第1の端部416まで延出する。第2の案内アーム412は、第1の支持アーム414と共に形成され、第1の支持アームから実質的に垂直に、第2の案内スロット422を形成する第2の端部420まで延出する。第1の駆動アーム408は、第1の支持アーム414と共に形成され、第1の支持アームから実質的に垂直に、第1の案内アーム410と第2の案内アーム412との間に延出し、第1の駆動アーム408は第1のラック歯車424を形成する。第1の連結部材402は、第1の締結具468(たとえばボルト)を介して第1の搭載ブラケット460に、第2の締結具470(たとえばボルト)を介して第2の搭載ブラケット462に結合されている。一実施形態では、第1の締結具468および第2の締結具470はまた、第1の搭載ブラケット460および第2の搭載ブラケット462それぞれを、ファンカウルの第1の半割部214(図3に示す)に結合する。あるいは、搭載ブラケット460、462は、搭載アセンブリ242を本明細書記載のように機能させることができる任意の適切な締結具を使用してファンカウルの第1の半割部214に結合することができる。
【0015】
第2の連結部材404は、第2の駆動アーム426と、第3の案内アーム428と、第4の案内アーム430と、第2の支持アーム432とを備える。第3の案内アーム428は、第2の支持アーム432と共に形成され、第2の支持アームから実質的に垂直に、第3の案内スロット436を形成する第3の端部434まで延出する。第4の案内アーム430は、第2の支持アーム432と共に形成され、第2の支持アームから実質的に垂直に、第4の案内スロット440を形成する第4の端部438まで延出する。第2の駆動アーム426は、第2の支持アーム432と共に形成され、第2の支持アームから実質的に垂直に、第3の案内アーム428と第4の案内アーム430との間に延出し、第2の駆動アーム426は第2のラック歯車442を形成する。第2の連結部材404は、第3の締結具472(たとえばボルト)を介して第3の搭載ブラケット464に、第4の締結具474(たとえばボルト)を介して第4の搭載ブラケット466に結合されている。一実施形態では、第3の締結具472および第4の締結具474はまた、第3の搭載ブラケット464および第4の搭載ブラケット466それぞれを、ファンカウルの第2の半割部216(図3に示す)に結合する。あるいは、搭載ブラケット464、466は、搭載アセンブリ242を本明細書記載のように機能させることができる任意の適切な締結具を使用してファンカウルの第2の半割部216に結合することができる。
【0016】
速度制御デバイス406は、スリーブ444および駆動歯車446を備える。スリーブ444は、第1の開口端450と、第2の開口端452と、第1の側面454と、第2の側面456とを形成する外壁448を有する。駆動歯車446は、スリーブ444内の中心に、外壁448を貫通して延在するシャフト458の周りを回転するように取り付けられている。一実施形態では、シャフト458は、駆動歯車446に対して抗回転力を加えて(たとえば駆動歯車446との摩擦係合を介して)、駆動歯車446の回転速度の制御を容易にする。他の実施形態では、駆動歯車446は、速度制御デバイス406を本明細書記載のように機能させることができる適切な任意の装着機構を用いてスリーブ444内に取り付けることができる。第1の駆動アーム408は、第1の開口端450からスリーブ444を貫通し第2の開口端452を貫通して延在し、第2の駆動アーム426は、第2の開口端452からスリーブ444を貫通し第1の開口端450を貫通して延在する。第1の側面454および第2の側面456は、第1の駆動アーム408および第2の駆動アーム426の整合を容易にし、それにより、第1のラック歯車424および第2のラック歯車442が、駆動歯車446との駆動係合を維持する。一実施形態では、限界ストッパ236および/または駆動歯車446を動力駆動して(たとえばモータによって)、本明細書記載の、第1の半割部214および/または第2の半割部216の相対的移動を容易にすることができる。他の実施形態では、エンジンアセンブリ108は、航空機100上の任意の場所に配置され、かつ/または航空機100から離れて配置された任意の適切な駆動機構(たとえば油圧式デバイス、空気式デバイス、電気油圧式デバイス、電気空気式デバイス、線型モータ機構など)を使用して、本明細書記載の、ファンカウル204の調節を容易にすることができる。
【0017】
図5は、例示的な案内機構500の拡大透視図である。例示的な実施形態では、案内機構500は、第1の案内部502と、第2の案内部504と、第3の案内部506と、第4の案内部508とを備える。第1の案内部502は、第1の基部510と、第1の頭部512と、第1の基部510と第1の頭部512との間に延在する第1の首部514とを備える。第2の案内部504は、第2の基部516と、第2の頭部518と、第2の基部516と第2の頭部518との間に延在する第2の首部520とを備える。第3の案内部506は、第3の基部522と、第3の頭部524と、第3の基部522と第3の頭部524との間に延在する第3の首部526とを備える。第4の案内部508は、第4の基部528と、第4の頭部530と、第4の基部528と第4の頭部530との間に延在する第4の首部532とを備える。あるいは、案内機構500は、本明細書記載のように搭載アセンブリ242を機能させることができる任意の適切な形状を有する任意の数の案内部を備えてもよい。
【0018】
図6は、例示的な軌道機構600の拡大側面図である。例示的な実施形態では、軌道機構600は、第1の軌道部602と、第2の軌道部604と、第3の軌道部606と、第4の軌道部608とを備える。第1の軌道部602は、第1のスリット612を有する第1のチャネル610を形成し、第2の軌道部604は、第2のスリット616を有する第2のチャネル614を形成する。第3の軌道部606は、第3のスリット620を有する第3のチャネル618を形成し、第4の軌道部608は、第4のスリット624を有する第4のチャネル622を形成する。各軌道部602、604、606、608は、軌道機構600を胴体パイロン110へ容易に結合できるようにするために、複数の締結具孔626を備える。第1のスリット612は、第1の後方端部630を形成する第1の後方部分628と、第1の前方端部634を形成する第1の前方部分632と、第1の後方部分628と第1の前方部分632との間に延在する第1の湾曲部636とを有する。第2のスリット616は、第2の後方端部640を形成する第2の後方部分638と、第2の前方端部644を形成する第2の前方部分642と、第2の後方部分638と第2の前方部分642との間に延在する第2の湾曲部646とを有する。第3のスリット620は、第3の後方端部650を形成する第3の後方部分648と、第3の前方端部654を形成する第3の前方部分652と、第3の後方部分648と第3の前方部分652との間に延在する第3の湾曲部656とを有する。第4のスリット624は、第4の後方端部660を形成する第4の後方部分658と、第4の前方端部664を形成する第4の前方部分662と、第4の後方部分658と第4の前方部分662との間に延在する第4の湾曲部666とを有する。例示的な実施形態では、軌道機構600は、第1の前方部分632が第2の前方部分642に整列し、第3の前方部分652が第4の前方部分662に整列するように配向されている。あるいは、軌道機構600は、本明細書記載のように搭載アセンブリ242を機能させることができる任意の向きを有してもよい。
【0019】
作動中、第1の軌道部602は、第1の案内部502を介して第1の連結部材402に結合され、第1の頭部512が第1のチャネル610内に配置され、第1の首部514が第1のスリット612および第1の案内スロット418を貫通して延在し、第1の基部510が第1の連結部材402とファンカウル204との間に配置される。第2の軌道部604は、第2の案内部504を介して第1の連結部材402に結合され、第2の頭部518が第2のチャネル614内に配置され、第2の首部520が第2のスリット616および第2の案内スロット422を貫通して延在し、第2の基部516が第1の連結部材402とファンカウル204との間に配置される。第3の軌道部606は、第3の案内部506を介して第2の連結部材404に結合され、第3の頭部524が第3のチャネル618内に配置され、第3の首部526が第3のスリット620および第3の案内スロット436を貫通して延在し、第3の基部522が第2の連結部材404とファンカウル204との間に配置される。第4の軌道部608は、第4の案内部508を介して第2の連結部材404に結合され、第4の頭部530が第4のチャネル622内に配置され、第4の首部532が第4のスリット624および第4の案内スロット440を貫通して延在し、第4の基部528が第2の連結部材404とファンカウル204との間に配置される。第1の頭部512、第2の頭部518、第3の頭部524、および第4の頭部530が、第1のチャネル610、第2のチャネル614、第3のチャネル618、および第4のチャネル622内にそれぞれ配置された状態で、締結具孔626を通って延在し胴体パイロン110に係合する任意の適切な締結具(たとえばボルト)を使用して、軌道機構600を胴体パイロン110に結合することによって、ナセル200が胴体102に搭載される。ファンカウル204が閉じているとき(すなわち、ファンカウルの第1の半割部214とファンカウルの第2の半割部216とが第1のラッチ232および/または第2のラッチ234を介して一体に締結されているとき)、第1の案内部502は第1の後方端部630に隣接して着座し、第2の案内部504は第2の後方端部640に隣接して着座し、第3の案内部506は第3の後方端部650に隣接して着座し、第4の案内部508は第4の後方端部660に隣接して着座する。
【0020】
ファンカウル204を開けるために、ユーザは第1のラッチ232および/または第2のラッチ234を開放することができる。第1のラッチ232および/または第2のラッチ234が開放されると、ファンカウルの第2の半割部216に分離方向SD(図3に示す)の力を加えることができて(たとえばユーザによって掛けられる人力、重力、および/または航空機100上または航空機100から離れて配置されたモータによって掛けられる力)、ファンカウルの第2の半割部216を軸Xから離すように容易に移動できるようになる。ファンカウルの第2の半割部216が軸Xから離れるように移動するにつれて、第2の駆動アーム426が、第2のラック歯車442を介して駆動歯車446を回転させ、その結果、駆動歯車446の回転が、第1のラック歯車424を介してファンカウルの第1の半割部214を軸Xから離れるように動かす。一実施形態では、シャフト458は、ファンカウルの第2の半割部216およびファンカウルの第1の半割部214が所定の速度で軸Xから離れるように移動する(すなわち互いに離れるように移動する)ように、駆動歯車446の回転を制御する(すなわち遅くする)。
【0021】
ファンカウルの第2の半割部216およびファンカウルの第1の半割部214が軸Xから離れるように移動するにつれて、第1の案内部502、第2の案内部504、第3の案内部506、および第4の案内部508が、第1のチャネル610、第2のチャネル614、第3のチャネル618、および第4のチャネル622それぞれに沿って移動する。具体的には、第1の案内部502、第2の案内部504、第3の案内部506、および第4の案内部508は、同時に以下のように移動する。すなわち、第1の案内部502は、第1の後方端部630から第1の後方部分628に沿い、第1の湾曲部636を部分的に過ぎて移動し、第2の案内部504は、第2の後方端部640から第2の後方部分638に沿い、第2の湾曲部646を部分的に過ぎて移動し、第3の案内部506は、第3の後方端部650から第3の後方部分648に沿い、第3の湾曲部656を部分的に過ぎて移動し、第4の案内部508は、第4の後方端部660から第4の後方部分658に沿い、第4の湾曲部666を部分的に過ぎて移動し、その結果、ファンカウルの第1の半割部214およびファンカウルの第2の半割部216は、軸Xから離れる方へ、限界ストッパ236によって制御される所定の最大分離距離に向かって動く。
【0022】
ファンカウルの半割部214およびファンカウルの半割部216が、互いに離れるようにある距離だけ移動すると、ファンカウルの第1の半割部214およびファンカウルの第2の半割部216は、インレット202上を入口端部210に向かって移動し始める。具体的には、第1の案内部502、第2の案内部504、第3の案内部506、および第4の案内部508が、同時に以下のように移動する。すなわち、第1の案内部502は、第1の湾曲部636を完全に通過し、第1の前方部分632に沿い、第1の前方端部634に係合するまで移動し、第2の案内部504は、第2の湾曲部646を完全に通過し、第2の前方部分642に沿い、第2の前方端部644に係合するまで移動し、第3の案内部506は、第3の湾曲部656を完全に通過し、第3の前方部分652に沿い、第3の前方端部654に係合するまで移動し、第4の案内部508は、第4の湾曲部666を完全に通過し、第4の前方部分662に沿い、第4の前方端部664に係合するまで移動する。第1の案内部502、第2の案内部504、第3の案内部506、および/または第4の案内部508が、第1の前方端部634、第2の前方端部644、第3の前方端部654、および第4の前方端部664それぞれに係合すると、ファンカウルの第1の半割部214およびファンカウルの第2の半割部216が、入口端部201に向かう移動を止め、ファンカウル204は開位置に留まり、それによって、エンジンの一部分がユーザにとってアクセス可能(たとえばエンジンを整備するため)になる。
【0023】
ファンカウル204を閉じるために、ファンカウルの第1の半割部214および/またはファンカウルの第2の半割部216のいずれかに、軸方向AD(図3に示す)の力を加えることができ(たとえば、ユーザによって加えられる人力および/または航空機100上または航空機100から離れて配置されたモータによって加えられる力)、それによって、ファンカウルの第1の半割部214およびファンカウルの第2の半割部216が、排気端部209の方へ移動する。具体的には、第1の案内部502、第2の案内部504、第3の案内部506、および第4の案内部508は、同時に以下のように移動する。すなわち、第1の案内部502は、第1のチャネル610に沿って、第1の前方端部634から第1の後方端部630に向かって移動し、第2の案内部504は、第2のチャネル614に沿って、第2の前方端部644から第2の後方端部640に向かって移動し、第3の案内部506は、第3のチャネル618に沿って、第3の前方端部654から第3の後方端部650に向かって移動し、第4の案内部508は、第4のチャネル622に沿って、第4の前方端部664から第4の後方端部660に向かって移動する。第1の案内部502、第2の案内部504、第3の案内部506、および第4の案内部508が、第1の後方端部630、第2の後方端部640、第3の後方端部650、および第4の後方端部660それぞれに隣接すると、ファンカウルの第1の半割部214およびファンカウルの第2の半割部216が、第1の結合箇所228および第2の結合箇所230で互いに係合する(すなわちファンカウル204が閉じる)。ファンカウル204が閉じると、ユーザは、第1のラッチ232および/または第2のラッチ234を閉じて、ファンカウルの第1の半割部214をファンカウルの第2の半割部216に締結し、それによって、ファンカウル204越しのエンジンへのアクセスを容易に制約することができる。
【0024】
一実施形態では、航空機100上および/または航空機100から離れて配置されたシステム制御装置が、本明細書記載のファンカウル204の調節を容易に行えるようにすることができる。例示的な実施形態では、システム制御装置は、本明細書記載の機能を実行することができるマイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、および任意の他の回路またはプロセッサを有する、コンピュータシステムなどの、任意のプロセッサベースまたはマイクロプロセッサベースのシステムを備えてもよい。本明細書で使用される用語「プロセッサ」は、当技術分野でプロセッサと呼ばれる集積回路のみに限定されず、コンピュータ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ、特定用途向け集積回路、および他のあらゆるプログラム可能な回路を広く指す。さらに、システム制御装置は、たとえば、2Mビットの読取り専用メモリ(ROM)および64Kビットのランダムアクセスメモリ(RAM)を有する32ビットのマイクロプロセッサなど、ROMおよび/またはRAMを備えるマイクロプロセッサでもよい。例示的な実施形態では、システム制御装置は、航空機100上に配置され(たとえば機内搭載コンピュータ)、ならびに/または航空機100から離れて配置されたメモリ、複数のセンサ、および/もしくは様々な他のデバイス(たとえばファンカウルの第1の半割部214およびファンカウルの第2の半割部216を相対的に動かすモータ)と交信して(すなわち、それらから信号を受け取り、かつ/またはそれらに信号を送信して)、本明細書記載のファンカウル204の調節を容易にする。
【0025】
図7は、例示的な翼パイロン112の拡大透視図である。例示的な実施形態では、翼パイロン112は、ノーズフェアリング702と、第1の側板704と、第2の側板706とを備える。第1の側板704は第1の軌道アセンブリ708を備え、第2の側板706は第2の軌道アセンブリ710を備える。第1の軌道アセンブリ708と第2の軌道アセンブリ710は、実質的に同じであり、軌道アセンブリ708、710に本明細書記載の働きをさせることができる、翼パイロン112の任意の適切な部分と一体に形成し、かつ/またはそこに結合する(たとえばボルト結合する)ことができる。第1の軌道アセンブリ708は、エンジンアセンブリ108が翼パイロン112に結合されたとき軸Xに実質的に平行に延在するファンカウル軌道712を備える。ファンカウル軌道712は、前方端部718から後方端部720まで延在するT字形スロット716を備える。他の実施形態では、スロット716は、ファンカウル軌道712に本明細書記載の働きをさせることができる任意の適切な形状を有してもよい。第1のブラケット722、第2のブラケット724、第3のブラケット726がスロット716内に配置され、それに沿って摺動可能である。例示的な実施形態では、ブラケット722、724、726は、それらをスロット716内に容易に保持できるようにT字形をしている。あるいは、ブラケット722、724、726は、翼パイロン112に本明細書記載の働きをさせることができる任意の適切な形状を有してもよい。第1の切欠き728、第2の切欠き730、および第3の切欠き732が、スロット716内に形成され、それによって、第1のブラケット722、第2のブラケット724、および第3のブラケット726それぞれをスロット716から容易に取り外せる。
【0026】
図8は、翼パイロン112に結合された例示的なファンカウル204およびトランスカウル206の透視図である。例示的な実施形態では、上方カバープレート834および下方カバープレート836が、翼パイロン112に取外し可能に結合されて(たとえば複数のボルト838を介して)、切欠き728、730、732(図7に示す)を実質的に覆うことによって、ブラケット722、724、726をスロット716内に容易に保持できる。カバープレート834、836は、ブラケット722、724、726がスロット716に沿って容易に摺動することができるように、互いに離隔配置されている。
【0027】
例示的な実施形態では、ファンカウル204は、第1の縁部840と、第2の縁部842と、第1の縁部840から第2の縁部842まで延在する弧状本体844とを備え、第1の縁部840および第2の縁部842は互いに離隔している。第1の縁部840は、第1の軌道アセンブリ708を介して翼パイロン112の第1の側板704に結合され、第2の縁部842は、第2の軌道アセンブリ710(図7に示す)を介して翼パイロン112の第2の側板706(図7に示す)に結合される。例示的な実施形態では、第1の縁部840は、第2の縁部842が第2の側板706に結合されるのと同じ態様で第1の側板704に結合される。第1の縁部840の第1の側板704への結合に関し、第1のブラケット722、第2のブラケット724、および第3のブラケット726が、第1の縁部840に近接してファンカウル204に結合され、その結果、ファンカウル204は、スロット716に沿って軸方向ADに排気端部209(図2に示す)に向かって摺動可能になる。一実施形態では、トランスカウル206もまた、排気端部209に向かって摺動可能であり、ファンカウル204とトランスカウル206とは独立して、相対的に、かつ/または翼パイロン112に対して摺動可能である。別の実施形態では、ファンカウル204とトランスカウル206とは、ファンカウルの第2の端部212で複数のタブ846を介して一体に結合され、その結果、ファンカウル204はトランスカウル206と一体で移動可能である。例示的な実施形態では、ノーズフェアリング702と、インレット202(図2に示す)と、第1の縁部840と、第2の縁部842との間に画成される開口を容易に塞ぐために、エプロン848が、第1の縁部840と第2の縁部842との間に、ノーズフェアリング702からファンカウルの第1の縁部210に揃う位置まで延在する。
【0028】
例示的な実施形態では、第1の軌道アセンブリ708の空気抵抗を容易に低減するために、第1の軌道フェアリング(図示せず)が、ファンカウル204と第1の側板704との間に結合され、第1の軌道アセンブリ708を覆って配置される。一実施形態では、第1の軌道フェアリングは、任意の適切な締結具(たとえば複数のボルト)を使用してファンカウル204に締結され、翼パイロン112とは摺動係合され、それによって、第1の軌道フェアリングは、ファンカウル204と共に翼パイロン112に対して摺動可能になる。あるいは、第1の軌道フェアリングは、任意の適切な締結具(たとえば複数のボルト)を使用して翼パイロン112に締結され、ファンカウル204とは摺動係合され、それによって、ファンカウル204は、第1の軌道フェアリングに対して摺動可能になる。第2の軌道フェアリング(図示せず)が、ファンカウル204と第2の側板706との間に結合され、第1の軌道フェアリングが第1の軌道アセンブリ708を覆って配置されたのと同じ態様で、第2の軌道アセンブリ710を覆って配置される。
【0029】
運用では、ファンカウル204に力(たとえば、上記のようにユーザによって加えられる人力、および/または動力デバイスによって加えられる力)を加えて、ファンカウル204を、軸方向ADに排気端部209に向けてトランスカウル206上へ移動させることができ、それによって、ファンカウル204は、ブラケット722、724、726を介してスロット716の後方端部720に向かって摺動する。別の実施形態では、ファンカウル204が、タブ846を介してトランスカウル206に結合されているとき、力をトランスカウル206に加えて、トランスカウル206を排気端部209に向かって移動させることができ、その結果、トランスカウル206は、ファンカウル204を、スロット716に沿って排気端部209の方へ引っ張る。ファンカウル204をスロット716から取り外すために、ユーザは、カバープレート834、836を翼パイロン112から取り外し、第1のブラケット722、第2のブラケット724、および第3のブラケット726が、第1の切欠き728、第2の切欠き730、および第3の切欠き732それぞれと位置が合うように、ファンカウル204を摺動させることができる。第1のブラケット722、第2のブラケット724、および第3のブラケット726が、第1の切欠き728、第2の切欠き730、および第3の切欠き732それぞれと位置が合うと、ユーザは、第1の切欠き728を通して第1のブラケット722を、第2の切欠き730を通して第2のブラケット724を、第3の切欠き732を通して第3のブラケット726を引き抜いて、ファンカウル204をスロット716から取り外すことができる。
【0030】
当業者には理解されるであろうように、また、前述の詳細説明に基づき、本発明の上記の実施形態は、コンピュータプログラム、あるいは、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、または任意のそれらの組合せもしくは部分的組合せを含む工学的技法を用いて実施することができ、その場合1つの技術上の効果は、カウルの調節が容易になることである。その結果生まれる、コンピュータ可読のコード手段を有するプログラムは、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体内に収録し用意することができ、それによって、本発明の説明された実施形態によるコンピュータプログラム製品、すなわち製造品が製作される。コンピュータ可読媒体は、それらに限定されないが、たとえば、固定(ハード)ディスク装置、ディスケット、光ディスク、磁気テープ、読取り専用メモリ(ROM)などの半導体メモリ、および/あるいはインターネットまたは他の通信ネットワークもしくはリンクなどの任意の発信/受信媒体でもよい。コンピュータコードを収蔵する製品は、1つの媒体から直接コードを実行することにより、1つの媒体から別の媒体へコードをコピーすることにより、かつ/またはネットワーク上でコードを伝送することによって、製作し、かつ/または使用することができる。
【0031】
本明細書記載のナセルは、カウルが開位置にあるとき、カウルへの風荷重を容易に軽減できるように調節することができる。本明細書記載のナセルはさらに、重量を軽減してエンジンアセンブリの全体重量を容易に軽減し、エンジンの燃料消費量を低減することによってエンジン効率を容易に向上させるカウルを提供することができる。
【0032】
ナセルおよびその組立方法の例示的な実施形態が、上記に詳細に説明されている。ナセルは、本明細書に記載された特定の実施形態には限定されることはなく、ナセルの構成要素は、本明細書記載の他の構成要素から、独立に個々に使用することができる。たとえば、本明細書記載のカウルは、他の生産者および/または需要者用途を有することがあり、本明細書記載のガスタービンエンジン用のナセルでの実施に限定されない。むしろ、本カウルは、多くの他の産業に関して実施し、使用することができる。
【0033】
本発明は、様々な特定の実施形態に関して説明されてきたが、本発明は、特許請求の範囲の主旨および範囲内で変更して実施することができることを当業者は理解するであろう。
【符号の説明】
【0034】
100 航空機
102 胴体
104 翼
108 エンジンアセンブリ
110 胴体パイロン
112 翼パイロン
200 ナセル
201 入口端部
202 インレット
204 ファンカウル
206 トランスカウル
209 排気端部
210 第1の端部
212 第2の端部
214 第1の半割部
216 第2の半割部
218 第1の半割部の内面
220 第1の半割部の外面
222 第2の半割部の内面
224 第2の半割部の外面
226 ロッキングアセンブリ
228 第1の結合箇所
230 第2の結合箇所
232 第1のラッチ
234 第2のラッチ
236 限界ストッパ
238 限界ストッパの第1の端部
240 限界ストッパの第2の端部
242 搭載アセンブリ
400 連結機構
402 第1の連結部材
404 第2の連結部材
406 速度制御デバイス
408 第1の駆動アーム
410 第1の案内アーム
412 第2の案内アーム
414 第1の支持アーム
416 第1の端部
418 第1の案内スロット
420 第2の端部
422 第2の案内スロット
424 第1のラック歯車
426 第2の駆動アーム
428 第3の案内アーム
430 第4の案内アーム
432 第2の支持アーム
434 第3の端部
436 第3の案内スロット
438 第4の端部
440 第4の案内スロット
442 第2のラック歯車
444 スリーブ
446 駆動歯車
448 外壁
450 第1の開口端
452 第2の開口端
454 第1の側面
456 第2の側面
458 シャフト
460 第1の搭載ブラケット
462 第2の搭載ブラケット
464 第3の搭載ブラケット
466 第4の搭載ブラケット
468 第1の締結具
470 第2の締結具
472 第3の締結具
474 第4の締結具
500 案内機構
502 第1の案内部
504 第2の案内部
506 第3の案内部
508 第4の案内部
510 第1の基部
512 第1の頭部
514 第1の首部
516 第2の基部
518 第2の頭部
520 第2の首部
522 第3の基部
524 第3の頭部
526 第3の首部
528 第4の基部
530 第4の頭部
532 第4の首部
600 軌道機構
602 第1の軌道部
604 第2の軌道部
606 第3の軌道部
608 第4の軌道部
610 第1のチャネル
612 第1のスリット
614 第2のチャネル
616 第2のスリット
618 第3のチャネル
620 第3のスリット
622 第4のチャネル
624 第4のスリット
626 締結具孔
628 第1の後方部分
630 第1の後方端部
632 第1の前方部分
634 第1の前方端部
636 第1の湾曲部
638 第2の後方部分
640 第2の後方端部
642 第2の前方部分
644 第2の前方端部
646 第2の湾曲部
648 第3の後方部分
650 第3の後方端部
652 第3の前方部分
654 第3の前方端部
656 第3の湾曲部
658 第4の後方部分
660 第4の後方端部
662 第4の前方部分
664 第4の前方端部
666 第4の湾曲部
702 ノーズフェアリング
704 第1の側板
706 第2の側板
708 第1の軌道アセンブリ
710 第2の軌道アセンブリ
712 ファンカウル軌道
716 T字形スロット
718 前方端部
720 後方端部
722 第1のブラケット
724 第2のブラケット
726 第3のブラケット
728 第1の切欠き
730 第2の切欠き
732 第3の切欠き
834 上方カバープレート
836 下方カバープレート
838 ボルト
840 第1の縁部
842 第2の縁部
844 弧状本体
846 タブ
848 エプロン
AD 排気端部に向かう軸方向
インレットの直径
ファンカウルの直径
トランスカウルの直径
SD 分離方向
X 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン用のナセルを組み立てる方法であって、前記エンジンが、入口端部と、排気端部と、前記入口端部から前記排気端部まで前記エンジンを通って延在する軸とを備える、方法において、
前記エンジンの少なくとも一部分を覆う大きさのカウルを用意するステップと、
前記カウルが、前記入口端部および前記排気端部の少なくとも1つに向かって、前記軸に沿って摺動可能になるように、前記カウルを前記エンジンに結合するステップと
を含む方法。
【請求項2】
軌道を用意するステップと、
前記カウルが前記軌道に沿って摺動可能になるように、前記カウルを前記軌道に結合するステップと
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記エンジンの少なくとも一部分を覆う大きさのカウルを用意するステップが、第1の半割部および第2の半割部を備える環状カウルを用意するステップを含み、前記カウルを前記エンジンに結合するステップが、前記第1の半割部を前記第2の半割部に前記エンジンの周りで結合するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1の半割部を前記第2の半割部に前記エンジンの周りで結合するステップが、少なくとも1つのラッチを使用して前記第1の半割部を前記第2の半割部に結合するステップを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第1の半割部を前記第2の半割部に前記エンジンの周りで結合するステップが、限界ストッパを前記第1の半割部と前記第2の半割部との間に結合するステップを含み、前記限界ストッパが、前記第1の半割部と前記第2の半割部とが互いに離隔可能である距離を制御するように構成されている、請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記第1の半割部を前記第2の半割部に前記エンジンの周りで結合するステップが、
搭載アセンブリを用意するステップと、
前記搭載アセンブリを前記第1の半割部と前記第2の半割部との間に結合するステップであって、前記搭載アセンブリが、前記第1の半割部と前記第2の半割部とを前記軸から離れるように案内するように構成されている、ステップと
を含む、請求項3記載の方法。
【請求項7】
搭載アセンブリを用意するステップが、前記第1の半割部と前記第2の半割部とが相対的に移動可能である速度を制御するように構成された速度制御デバイスを備える搭載アセンブリを用意するステップを含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記エンジンの少なくとも一部分を覆う大きさのカウルを用意するステップが、弧状カウルを用意するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記エンジンの少なくとも一部分を覆う大きさのカウルを用意するステップが、ファンカウルおよびトランスカウルを用意するステップを含み、前記カウルを前記エンジンに結合するステップが、前記ファンカウルが前記トランスカウルに重なるように前記ファンカウルおよび前記トランスカウルを前記エンジンに結合するステップを含み、前記ファンカウルが前記トランスカウル上を前記排気端部に向かって摺動可能である、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ファンカウルおよび前記トランスカウルを前記エンジンに結合するステップが、前記ファンカウルおよび前記トランスカウルが一体で移動可能であるように前記ファンカウルを前記トランスカウルに結合するステップを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
エンジンを格納するナセルであり、前記エンジンが、入口端部と、排気端部と、前記入口端部から前記排気端部まで前記エンジンを通って延在する軸とを備える、ナセルであって、前記エンジンの少なくとも一部分を覆う大きさのカウルを備え、前記カウルが、前記入口端部および前記排気端部の少なくとも1つに向かって前記軸に沿って摺動可能になるように前記エンジンに結合されるように構成されている、ナセル。
【請求項12】
軌道をさらに備え、前記カウルが前記軌道に沿って摺動可能であるように前記カウルが前記軌道に結合されている、請求項11記載のナセル。
【請求項13】
前記カウルが環状であり、前記カウルが、前記エンジンの周りに一体に結合されている第1の半割部および第2の半割部を備える、請求項11記載のナセル。
【請求項14】
前記第1の半割部を前記第2の半割部に結合するように構成された少なくとも1つのラッチをさらに備える、請求項13記載のナセル。
【請求項15】
前記第1の半割部と前記第2の半割部との間に結合された限界ストッパをさらに備え、前記限界ストッパが、前記第1の半割部と前記第2の半割部とが互いに離隔可能である距離を制御するように構成されている、請求項13記載のナセル。
【請求項16】
前記第1の半割部と前記第2の半割部との間に結合された搭載アセンブリであって、前記第1の半割部と前記第2の半割部とを前記軸から離れるように案内するように構成されている搭載アセンブリをさらに備える、請求項13記載のナセル。
【請求項17】
前記搭載アセンブリが、前記第1の半割部と前記第2の半割部とが相対的に移動可能である速度を制御するように構成された速度制御デバイスを備える、請求項16記載のナセル。
【請求項18】
前記カウルが弧状である、請求項11記載のナセル。
【請求項19】
前記カウルが、ファンカウルおよびトランスカウルを備え、前記ファンカウルおよび前記トランスカウルが、前記ファンカウルが前記トランスカウルに重なるように前記エンジンに結合されるように構成され、前記ファンカウルが前記トランスカウル上を前記排気端部に向かって摺動可能である、請求項11記載のナセル。
【請求項20】
前記ファンカウルおよび前記トランスカウルが一体で移動可能であるように、前記ファンカウルが前記トランスカウルに結合されている、請求項19記載のナセル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2012−510021(P2012−510021A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537471(P2011−537471)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/061118
【国際公開番号】WO2010/062494
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(310022132)エムアールエイ・システムズ・インコーポレイテッド (11)