ナノシリコンカーバイドコーティングを用いる炭素材料の界面強化方法
【課題】 本発明は、ナノシリコンカーバイドコーティングを用いる炭素材料の界面を強化するための方法を提供する。
【解決手段】 本発明の方法は、Si−C共有結合を形成するための方法であり、前記方法が:(a)シリコンナノ粒子と炭素材料を混合してシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;及び(b)前記シリコン−炭素材料混合物を、高周波誘導加熱処理するステップを含む。本方法で製造された炭素材料−アルミニウム複合体は、軽量かつ高動的強度を有し、従って、現在使用されている自動車及びアルミニウムホイールに適用可能なものである。さらに、前記複合体は航空機、宇宙船、船などの高強度が求められる材料として使用することができる。
【解決手段】 本発明の方法は、Si−C共有結合を形成するための方法であり、前記方法が:(a)シリコンナノ粒子と炭素材料を混合してシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;及び(b)前記シリコン−炭素材料混合物を、高周波誘導加熱処理するステップを含む。本方法で製造された炭素材料−アルミニウム複合体は、軽量かつ高動的強度を有し、従って、現在使用されている自動車及びアルミニウムホイールに適用可能なものである。さらに、前記複合体は航空機、宇宙船、船などの高強度が求められる材料として使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノシリコンカーバイドコーティングを用いる炭素材料の界面強化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムは種々の目的で日常生活において使用されている。例えばキッチンで使用されるホイルから使い捨て食器、窓、自動車、航空機、宇宙船などである。アルミニウムは、軽量(鉄の約1/3程度)であり、かつ他の金属と合金を作ることで高強力を持つ。また、アルミニウムは化学的に安定である。というのは化学的に安定な酸化膜が表面に存在し、それにより湿気や酸素による腐食などを防止するからである。さらに、アルミニウムは、自動車、航空機などの部品材料として使われてきた。というのは通常の鉄よりも軽いという特性により燃料効率を改善するからである。しかしながら、かかるアルミニウムの張力は鉄に比べて約40%程度である。従って、アルミニウムを構造材料としての使用は、構造アルミニウムパイプ又はパネルの厚みを非常に増加させ、過剰な材料費用が必要となるという問題を生じる。
【0003】
ところで、カーボンナノチューブはこれまで、その特徴的構造によって高い機械的特性を有することが知られている。多層カーボンナノチューブ及びカーボンファイバはそれぞれ、63GPa(http://en.wikipedia.org/wiki/Carbon nanotube)及び3.5GPa(Toray industries)の張力を有する。
【0004】
かかるカーボンナノチューブを用いて、高張力のカーボンナノチューブ/アルミニウム複合体を製造する方法が示唆されている。該製造方法には次の方法が含まれる:アルミニウム又はアルミニウム合金粉末をカーボンナノチューブと混合し加圧加熱する、粉末冶金学的方法;半溶融アルミニウム合金を連続的に攪拌し、既定量のカーボンナノチューブを添加する、半溶融攪拌固体化方法;及び溶融アルミニウム合金を多孔性プレフォームに加圧含浸させて、カーボンナノチューブと共に加圧複合体化する方法などである。
【0005】
しかし、これらの製造方法を用いる場合、カーボンナノチューブをアルミニウム金属に均一に分散させることは非常に困難である。というのはアルミニウムとカーボンナノチューブとの非常に大きな比重差のためである。さらに、溶融/キャスト方法を用いて均一分散を得ようとする場合、炭素材料が分解してアルミニウムと炭素間に共有結合を形成するという問題が生じる。該問題を解決するために、これまで種々の製造方法が実施されている。例えば、カーボンナノチューブを用いてナノ粒子を形成し該サイズを調節する方法(韓国特許出願No10−2010−0010573)、炭素材料をアルミニウムに被包する方法などである。
【0006】
従って、本発明は上記問題点を解決したものである。本発明においては特にカーボンナノチューブなどの炭素材料が、ボールミル及び高周波誘導加熱処理を用いてナノシリコンカーバイドでコーティングされる。さらに、溶融/キャスト工程の際にインペラ攪拌方法を用いて、アルミニウム内に炭素材料を均一に分散させ、アルミニウムと炭素材料との間に共有結合を生成することを防止する。これにより、従来のアルミニウムに比べて機械的性質を大きく改善する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、ナノシリコンカーバイドコーティングを用いる炭素材料の界面強化方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる課題は、炭素材料を用いるアルミニウムの機械的強度を強化する方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる課題は、強化された機械的強度を持つ炭素材料が被包されるアルミニウム複合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために本発明は、Si−C共有結合を形成する方法を提供する。該方法は、(a)シリコンナノ粒子を炭素材料と混合することでシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;及び(b)前記シリコン−炭素材料混合物に高周波誘導による加熱処理を行うステップを含む。
【0011】
本発明のひとつの側面において、本発明は、炭素材料の界面を強化させる方法を提供する。該方法は、(a)シリコンナノ粒子を炭素材料と混合することでシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;及び(b)前記シリコン−炭素材料混合物に高周波誘導による加熱処理を行うステップを含む。
【0012】
本発明の他の側面において、本発明は炭素材料をアルミニウムに被包する方法を提供する。該方法は、(a)シリコンナノ粒子を炭素材料と混合することでシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;(b)前記シリコン−炭素材料混合物に高周波誘導による加熱処理を行いSi−C共有結合を生成するステップ;及び(c)前記Si−C共有結合を形成した炭素材料とアルミニウムとを混合し、その後ボールミルするステップを含む。前記方法はさらに、前記炭素材料と混合されたアルミニウム混合物にアルミニウムを追加し、その後溶融させて前記アルミニウムの機械的強度を強化するステップを含む。
【0013】
本発明において、炭素材料は、グラファイト、グラファイトファイバ、カーボンファイバ、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブを含む群から選択されることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。現在利用可能な炭素材料は、直径が0.4nm〜16μmであり、長さが10nm〜10cmである。特に、最近の報告データによれば(Science282、2462(2001))、カーボンナノチューブは最小直径が0.4nmでカーボンファイバ(市販品)は最大直径が16μm(Taiwan Carbon Technology Co.)である。本発明で使用される炭素材料としての多層カーボンナノチューブは、10〜20nmの直径、及び10〜20μmの長さを持つ。しかし本発明は上記の炭素材料のサイズに限定されるものではない。
【0014】
本発明において、シリコンナノ粒子は、シリコン粉末サイズを調節するためにボールミルにより調製できる。ここで、前記シリコン粉末と前記炭素材料の混合比率は1〜50重量%である。シリコン粉末及び炭素材料をボールと共にステンレススチール製容器に導入し、その後不活性ガス雰囲気下でボールミルされる。ボールミルは100〜5000rpmで、1〜10時間実施され得る。しかし、本発明の方法は上記のrpm及び時間に限定されるものではない。
【0015】
本発明においては、シリコン粒子サイズの調節のための方法の大部分をボールを用いるミリングステップで行い、さらにカーボンナノチューブを用いるミリングステップとを含む(韓国特許出願10−2009−0009366)。図2には本発明のメカニズムが模式的に示される。図2aに示されるように、本発明を実施するために、ボールミルの際のボールによる粉末化ステップを先行しなければならない。ボールによる粉末粒子の粉末化ステップが進行するにつれ、前記粒子は、一般的に、お互いに付着し始めてそれ以上は粉末化しにくくなる。この理由でボールミルによるミリングでは粒子サイズに限界が存在する。一方、カーボンナノチューブを用いると、この粒子がお互いに付着することを防止することができる。さらにカーボンナノチューブが粒子をミリングする。図2bで示される概念図は、カーボンナノチューブがミクロサイズの粒子をナノサイズの粒子へミリングするメカニズムを説明する。
【0016】
本発明において、「混合」とは、ボールミルでの混合を意味し、シリコン−炭素材料混合物がミリングされて炭素材料の調節されたサイズを持つシリコン粒子の均一混合物となる。シリコン粉末及び炭素材料との混合比率は10〜80重量%である。シリコン粒子と炭素材料がボールと共にステンレス製容器に導入され、不活性雰囲気ガス中でボールミルされる。ボールミリングは、100〜5000rpmで、1分〜2時間の間行われる。しかし本発明はかかるrpm及び時間に限定されるものではない。
【0017】
本発明において、シリコン/炭素材料混合物中でSi−C共有結合を形成するために高周波誘導炉で加熱処理を行う。シリコン/炭素材料混合物は、グラファイト製坩堝に導入され、真空下で高周波誘導加熱処理される。加熱処理は900〜1500℃で1分〜1時間実施され得る。しかし本発明による方法は、加熱処理におけるかかる温度、時間に限定されるものではない。
【0018】
本発明において、アルミニウム粉末中でSi−C共有結合を持つ炭素材料を被包するために、ボールミリングを100〜500rpmで1分から1時間実施してよい。しかし本発明による方法は、かかるボールミリングのrpm及び時間に限定されるものではない。
【0019】
本発明において、追加のアルミニウムがさらに炭素材料を含むアルミニウム混合物(アルミニウム中に被包された)に添加され、500℃〜700℃で1〜3時間溶融され、その後インペラで攪拌されてよい。攪拌は100〜500rpmで10分〜2時間、真空下で実施され得る。
【0020】
本発明において、高周波は100Hz〜400kHz、特に6〜7kHzの範囲であり得る。
【0021】
又本発明は、上記説明した方法で製造される、アルミニウムの機械的強度が強化された炭素材料−アルミニウム複合体を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明により製造される炭素材料−アルミニウム複合体は軽量で、かつ高い動的強度を有し、従って現在使用されている自動車及びアルミニウムホイールに適用可能なものである。さらに、前記複合体は航空機、宇宙船、船などの高強度が求められる材料として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明による、炭素材料の界面をシリコンカーバイドコーティングを用いて強化し、アルミニウムの機械的特性を改良する方法のフローチャートを示す。
【図2】図2は、本発明による、カーボンナノチューブを用いてナノ粒子を製造するそれぞれのステップにおけるメカニズムを説明する概念図である。
【図3】図3は、本発明の実施態様における、シリコン粒子とカーボンナノチューブを10時間ボールミルした際の状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】図4は、本発明の実施態様における、調節されたサイズを持つシリコン粉末とカーボンナノチューブとを1時間ボールミリングした際の状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図5】図5は、本発明の実施態様における、シリコン−カーボンナノチューブ混合物を高周波誘導加熱により1300℃で1時間加熱した際の状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図6】図6は、本発明の実施態様における、シリコン−カーボンナノチューブ混合物を高周波誘導加熱により1300℃で1時間加熱した際の状態を示すX線回折分析結果である。
【図7】図7は、本発明の実施態様における、本発明の実施態様における、シリコン−カーボンナノチューブ混合物を高周波誘導加熱により1300℃で1時間加熱した際の状態を示す熱重量分析結果である。
【図8】図8は、本発明の実施態様における、強化された界面(Si−C共有結合形成された)を持つ炭素材料とアルミニウムとを6時間ボールミリングした状態を示す光学写真である。
【図9】図9は、本発明の実施態様における、界面が強化された炭素材料を用いてアルミニウムの改良された機械的特性についての試験サンプルの光学写真である。
【図10】図10は、本発明の実施態様における、カーボンナノチューブの分布を説明する共焦点ラマン分析結果を示す。
【図11】図11は、本発明の実施態様における、界面が強化された炭素材料/アルミニウム複合体の機械的特性を示すグラフである。
【図12】図12は、本発明の実施態様における、界面が強化された炭素材料/アルミニウム複合体の機械的特性測定の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下本発明の構成及び技術的特徴をより詳細に実施例を参照して説明する。しかし以下の実施例は説明を目的とするものであり、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。本発明において参照される資料の内容は参照されて本明細書の一部となる。
【実施例1】
【0025】
(カーボンナノチューブを用いるシリコン粒子の製造)
シリコン粉末のサイズをボールミルを用いて調節するために、カーボンナノチューブとして、多層のカーボンナノチューブであって、厚さ10〜20nm、及び長さ10から20μm(Hanwa Nanotech、CM95)のものを使用した。シリコン粉末はAldrichから購入した。シリコン粉末及びカーボンナノチューブをSKD11製のステンレスボールミル容器(Taemyong Science)に導入し、アルミニウムの酸化を防止するために不活性ガス(アルゴン)でパージした。カーボンナノチューブは30重量%用いた。ボールミリングとして、ミリングを300rpmで10時間実施した。ここで、ミリングに使用したボールはジルコニアボール(Daehan、DH.ML1032)で、直径5mmであった。
【0026】
図3は、カーボンナノチューブを用いて製造されたシリコンナノ粒子の電子顕微鏡写真である(JEOL、JSM7000F)。ここで10時間ミリング後、100,000x倍で観察した。
【実施例2】
【0027】
(カーボンナノチューブで均一に混合されたシリコンナノ粉末の製造)
実施例1から得られたシリコンナノ粉末及びカーボンナノチューブをボールミル容器に導入した。比率は、3:5、6:5、12:5及び20:5であった。酸化を防止するために不活性ガス(アルゴン)でパージした。ボールミリングは、230rpmで1時間実施された。図4は、6:5比率で1時間ミリングした後の10,000x倍で観察された電子顕微鏡写真である。シリコンナノ粉末及びカーボンナノチューブが均一に混合されていることが分かる。
【実施例3】
【0028】
(高周波誘導加熱処理によるSi−C共有結合とコーティングの導入)
実施例2で混合された試験サンプルのそれぞれをグラファイト坩堝(Dongbang Carbon)に導入し、高周波誘導炉(Eltek)を通じて真空下で1300℃で1時間、加熱処理を行った。図5aは、シリコンナノ粒子及びカーボンナノチューブの3:5比率での混合物の加熱処理後の100,000x倍で観察された電子顕微鏡写真である。図5b、5c及び5dは、ぞれぞれ、比率6:5、12:5及び20:5での、シリコンナノ粒子及びカーボンナノチューブ混合物の加熱処理後の100,000x倍で観察された電子顕微鏡写真である。シリコンナノ粒子がカーボンナノチューブの表面を均一にコーティングしていることが分かる。
【0029】
図6は、Si−C共有結合の分析を示す。これはX線回折装置(Bruker AXS/D8 Focus(2.2kW)、CuKα、1.54Å)により得られた。全ての比率(3:5、6:5、12:5及び20:5)において、Si−Cの共有結合により得られるSiCが形成されたことが分かる。
【0030】
図7に示されるように、酸化的雰囲気で熱処理がRT〜800℃まで実施された。酸化温度を熱重量分析(TGA)で測定した。図7aに、それぞれの比率での測定後のTGA温度/重量のグラフを示した。RAWCNTは上で使用した多層のカーボンナノチューブである(Hanwha Nanotech、CM95)。図7bは、TGA温度/微分重量のグラフを示し、図7aのグラフを微分したものである。このグラフで、最高ピークは酸化温度を示し、酸化反応が最も活発に起こっていることを示す。
【0031】
図7cは濃度による、図7bでの酸化温度測定から得られたグラフである。RAWCNTは、Si−C共有結合及びコーティング導入の対象となっていないものであり、酸化温度が635℃であった。3:5、6:5、12:5及び20:5のシリコンナノ粒子及びカーボンナノチューブにおいては、酸化温度はそれぞれ、679℃、699℃、697℃及び708℃であった。これらの結果から、Si−C共有結合及びコーティングの導入により炭素材料の界面が強化されたということが分かる。
【実施例4】
【0032】
(炭素材料のアルミニウムによる被包)
上で製造したカーボンナノチューブ(6:5)(Si−C共有結合及びコーティング)及びアルミニウム粉末をボールミル容器に導入し、不活性ガス(アルゴン)でパージしてアルミニウムの酸化を防止した。ボールミリングを230rpmで6時間実施した(韓国特許出願No10−2007−0135267)。ここで、Si−C共有結合及びコーティングを持つカーボンナノチューブの濃度は5重量%であった。図8は、ボールミリング後にデジタルカメラ(ニコンクールピクス−3700)で得た写真である。カーボンナノチューブがアルミニウムに被包されていることが分かる。
【実施例5】
【0033】
(アルミニウム被包カーボンナノチューブへのアルミニウム添加、溶融、固体化)
実施例4で製造された、5重量%のカーボンナノチューブを含むアルミニウムに被包されたカーボンナノチューブを溶融し、ALDC12アルミニウムインゴッド(Woosin metal Co ltd KSD 23321)にキャストし、インペラ攪拌した。これにより1重量%のカーボンナノチューブを含むアルミニウムインゴッドが得られた。インペラはグラファイト製であり、攪拌は500rpmで真空下650℃〜700℃で20分間実施した。
【0034】
図9は、実施例4で得たアルミニウム被包物を示し、図9bはALDCインゴッドを示す。図9cは、インペラ攪拌で製造した1重量%カーボンナノチューブ−アルミニウムインゴッドを示す。
【0035】
カーボンナノチューブの分布を調べるために共焦点ラマンを測定した。図10aは光学写真を示し、図10bは、その光学写真に対応するカーボンナノチューブのラマンピークの結果をマップしたものを示す。図10bの分析結果から、カーボンナノチューブが均一に分散していることが分かる。
【0036】
機械的特性を測定するために、試験片をダイキャストで作成し、UTM装置を用いて張力試験を行った。
【0037】
図11は、RAW(ALDC12)及び1重量%カーボンナノチューブ−アルミニウムの試験結果を示すグラフである。図12は、試験結果の値を示す。RAW試験片は張力235MPa、降伏強度167MPa、ヤング率61GPa及び伸び率1.62%を示した。1重量%カーボンナノチューブ−アルミニウムでは、張力277MPa、降伏強度185MPa、ヤング率69GPa及び伸び率1.76%であった。Si−C共有結合及びコーティングによるカーボンナノチューブ界面強化により機械的特性が増加した。例えばRAWに比べて、張力が18%、降伏強度が11%、ヤング率が13%及び伸び率が9%増加した。
【0038】
本発明の好ましい実施態様についての記載は説明目的のためであり、当業者であれば、添付された特許請求の範囲で開示された本発明の範囲及び本質から離れることなく種々の変法・変更実施態様を理解するであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノシリコンカーバイドコーティングを用いる炭素材料の界面強化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムは種々の目的で日常生活において使用されている。例えばキッチンで使用されるホイルから使い捨て食器、窓、自動車、航空機、宇宙船などである。アルミニウムは、軽量(鉄の約1/3程度)であり、かつ他の金属と合金を作ることで高強力を持つ。また、アルミニウムは化学的に安定である。というのは化学的に安定な酸化膜が表面に存在し、それにより湿気や酸素による腐食などを防止するからである。さらに、アルミニウムは、自動車、航空機などの部品材料として使われてきた。というのは通常の鉄よりも軽いという特性により燃料効率を改善するからである。しかしながら、かかるアルミニウムの張力は鉄に比べて約40%程度である。従って、アルミニウムを構造材料としての使用は、構造アルミニウムパイプ又はパネルの厚みを非常に増加させ、過剰な材料費用が必要となるという問題を生じる。
【0003】
ところで、カーボンナノチューブはこれまで、その特徴的構造によって高い機械的特性を有することが知られている。多層カーボンナノチューブ及びカーボンファイバはそれぞれ、63GPa(http://en.wikipedia.org/wiki/Carbon nanotube)及び3.5GPa(Toray industries)の張力を有する。
【0004】
かかるカーボンナノチューブを用いて、高張力のカーボンナノチューブ/アルミニウム複合体を製造する方法が示唆されている。該製造方法には次の方法が含まれる:アルミニウム又はアルミニウム合金粉末をカーボンナノチューブと混合し加圧加熱する、粉末冶金学的方法;半溶融アルミニウム合金を連続的に攪拌し、既定量のカーボンナノチューブを添加する、半溶融攪拌固体化方法;及び溶融アルミニウム合金を多孔性プレフォームに加圧含浸させて、カーボンナノチューブと共に加圧複合体化する方法などである。
【0005】
しかし、これらの製造方法を用いる場合、カーボンナノチューブをアルミニウム金属に均一に分散させることは非常に困難である。というのはアルミニウムとカーボンナノチューブとの非常に大きな比重差のためである。さらに、溶融/キャスト方法を用いて均一分散を得ようとする場合、炭素材料が分解してアルミニウムと炭素間に共有結合を形成するという問題が生じる。該問題を解決するために、これまで種々の製造方法が実施されている。例えば、カーボンナノチューブを用いてナノ粒子を形成し該サイズを調節する方法(韓国特許出願No10−2010−0010573)、炭素材料をアルミニウムに被包する方法などである。
【0006】
従って、本発明は上記問題点を解決したものである。本発明においては特にカーボンナノチューブなどの炭素材料が、ボールミル及び高周波誘導加熱処理を用いてナノシリコンカーバイドでコーティングされる。さらに、溶融/キャスト工程の際にインペラ攪拌方法を用いて、アルミニウム内に炭素材料を均一に分散させ、アルミニウムと炭素材料との間に共有結合を生成することを防止する。これにより、従来のアルミニウムに比べて機械的性質を大きく改善する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、ナノシリコンカーバイドコーティングを用いる炭素材料の界面強化方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる課題は、炭素材料を用いるアルミニウムの機械的強度を強化する方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる課題は、強化された機械的強度を持つ炭素材料が被包されるアルミニウム複合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために本発明は、Si−C共有結合を形成する方法を提供する。該方法は、(a)シリコンナノ粒子を炭素材料と混合することでシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;及び(b)前記シリコン−炭素材料混合物に高周波誘導による加熱処理を行うステップを含む。
【0011】
本発明のひとつの側面において、本発明は、炭素材料の界面を強化させる方法を提供する。該方法は、(a)シリコンナノ粒子を炭素材料と混合することでシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;及び(b)前記シリコン−炭素材料混合物に高周波誘導による加熱処理を行うステップを含む。
【0012】
本発明の他の側面において、本発明は炭素材料をアルミニウムに被包する方法を提供する。該方法は、(a)シリコンナノ粒子を炭素材料と混合することでシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;(b)前記シリコン−炭素材料混合物に高周波誘導による加熱処理を行いSi−C共有結合を生成するステップ;及び(c)前記Si−C共有結合を形成した炭素材料とアルミニウムとを混合し、その後ボールミルするステップを含む。前記方法はさらに、前記炭素材料と混合されたアルミニウム混合物にアルミニウムを追加し、その後溶融させて前記アルミニウムの機械的強度を強化するステップを含む。
【0013】
本発明において、炭素材料は、グラファイト、グラファイトファイバ、カーボンファイバ、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブを含む群から選択されることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。現在利用可能な炭素材料は、直径が0.4nm〜16μmであり、長さが10nm〜10cmである。特に、最近の報告データによれば(Science282、2462(2001))、カーボンナノチューブは最小直径が0.4nmでカーボンファイバ(市販品)は最大直径が16μm(Taiwan Carbon Technology Co.)である。本発明で使用される炭素材料としての多層カーボンナノチューブは、10〜20nmの直径、及び10〜20μmの長さを持つ。しかし本発明は上記の炭素材料のサイズに限定されるものではない。
【0014】
本発明において、シリコンナノ粒子は、シリコン粉末サイズを調節するためにボールミルにより調製できる。ここで、前記シリコン粉末と前記炭素材料の混合比率は1〜50重量%である。シリコン粉末及び炭素材料をボールと共にステンレススチール製容器に導入し、その後不活性ガス雰囲気下でボールミルされる。ボールミルは100〜5000rpmで、1〜10時間実施され得る。しかし、本発明の方法は上記のrpm及び時間に限定されるものではない。
【0015】
本発明においては、シリコン粒子サイズの調節のための方法の大部分をボールを用いるミリングステップで行い、さらにカーボンナノチューブを用いるミリングステップとを含む(韓国特許出願10−2009−0009366)。図2には本発明のメカニズムが模式的に示される。図2aに示されるように、本発明を実施するために、ボールミルの際のボールによる粉末化ステップを先行しなければならない。ボールによる粉末粒子の粉末化ステップが進行するにつれ、前記粒子は、一般的に、お互いに付着し始めてそれ以上は粉末化しにくくなる。この理由でボールミルによるミリングでは粒子サイズに限界が存在する。一方、カーボンナノチューブを用いると、この粒子がお互いに付着することを防止することができる。さらにカーボンナノチューブが粒子をミリングする。図2bで示される概念図は、カーボンナノチューブがミクロサイズの粒子をナノサイズの粒子へミリングするメカニズムを説明する。
【0016】
本発明において、「混合」とは、ボールミルでの混合を意味し、シリコン−炭素材料混合物がミリングされて炭素材料の調節されたサイズを持つシリコン粒子の均一混合物となる。シリコン粉末及び炭素材料との混合比率は10〜80重量%である。シリコン粒子と炭素材料がボールと共にステンレス製容器に導入され、不活性雰囲気ガス中でボールミルされる。ボールミリングは、100〜5000rpmで、1分〜2時間の間行われる。しかし本発明はかかるrpm及び時間に限定されるものではない。
【0017】
本発明において、シリコン/炭素材料混合物中でSi−C共有結合を形成するために高周波誘導炉で加熱処理を行う。シリコン/炭素材料混合物は、グラファイト製坩堝に導入され、真空下で高周波誘導加熱処理される。加熱処理は900〜1500℃で1分〜1時間実施され得る。しかし本発明による方法は、加熱処理におけるかかる温度、時間に限定されるものではない。
【0018】
本発明において、アルミニウム粉末中でSi−C共有結合を持つ炭素材料を被包するために、ボールミリングを100〜500rpmで1分から1時間実施してよい。しかし本発明による方法は、かかるボールミリングのrpm及び時間に限定されるものではない。
【0019】
本発明において、追加のアルミニウムがさらに炭素材料を含むアルミニウム混合物(アルミニウム中に被包された)に添加され、500℃〜700℃で1〜3時間溶融され、その後インペラで攪拌されてよい。攪拌は100〜500rpmで10分〜2時間、真空下で実施され得る。
【0020】
本発明において、高周波は100Hz〜400kHz、特に6〜7kHzの範囲であり得る。
【0021】
又本発明は、上記説明した方法で製造される、アルミニウムの機械的強度が強化された炭素材料−アルミニウム複合体を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明により製造される炭素材料−アルミニウム複合体は軽量で、かつ高い動的強度を有し、従って現在使用されている自動車及びアルミニウムホイールに適用可能なものである。さらに、前記複合体は航空機、宇宙船、船などの高強度が求められる材料として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明による、炭素材料の界面をシリコンカーバイドコーティングを用いて強化し、アルミニウムの機械的特性を改良する方法のフローチャートを示す。
【図2】図2は、本発明による、カーボンナノチューブを用いてナノ粒子を製造するそれぞれのステップにおけるメカニズムを説明する概念図である。
【図3】図3は、本発明の実施態様における、シリコン粒子とカーボンナノチューブを10時間ボールミルした際の状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】図4は、本発明の実施態様における、調節されたサイズを持つシリコン粉末とカーボンナノチューブとを1時間ボールミリングした際の状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図5】図5は、本発明の実施態様における、シリコン−カーボンナノチューブ混合物を高周波誘導加熱により1300℃で1時間加熱した際の状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図6】図6は、本発明の実施態様における、シリコン−カーボンナノチューブ混合物を高周波誘導加熱により1300℃で1時間加熱した際の状態を示すX線回折分析結果である。
【図7】図7は、本発明の実施態様における、本発明の実施態様における、シリコン−カーボンナノチューブ混合物を高周波誘導加熱により1300℃で1時間加熱した際の状態を示す熱重量分析結果である。
【図8】図8は、本発明の実施態様における、強化された界面(Si−C共有結合形成された)を持つ炭素材料とアルミニウムとを6時間ボールミリングした状態を示す光学写真である。
【図9】図9は、本発明の実施態様における、界面が強化された炭素材料を用いてアルミニウムの改良された機械的特性についての試験サンプルの光学写真である。
【図10】図10は、本発明の実施態様における、カーボンナノチューブの分布を説明する共焦点ラマン分析結果を示す。
【図11】図11は、本発明の実施態様における、界面が強化された炭素材料/アルミニウム複合体の機械的特性を示すグラフである。
【図12】図12は、本発明の実施態様における、界面が強化された炭素材料/アルミニウム複合体の機械的特性測定の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下本発明の構成及び技術的特徴をより詳細に実施例を参照して説明する。しかし以下の実施例は説明を目的とするものであり、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。本発明において参照される資料の内容は参照されて本明細書の一部となる。
【実施例1】
【0025】
(カーボンナノチューブを用いるシリコン粒子の製造)
シリコン粉末のサイズをボールミルを用いて調節するために、カーボンナノチューブとして、多層のカーボンナノチューブであって、厚さ10〜20nm、及び長さ10から20μm(Hanwa Nanotech、CM95)のものを使用した。シリコン粉末はAldrichから購入した。シリコン粉末及びカーボンナノチューブをSKD11製のステンレスボールミル容器(Taemyong Science)に導入し、アルミニウムの酸化を防止するために不活性ガス(アルゴン)でパージした。カーボンナノチューブは30重量%用いた。ボールミリングとして、ミリングを300rpmで10時間実施した。ここで、ミリングに使用したボールはジルコニアボール(Daehan、DH.ML1032)で、直径5mmであった。
【0026】
図3は、カーボンナノチューブを用いて製造されたシリコンナノ粒子の電子顕微鏡写真である(JEOL、JSM7000F)。ここで10時間ミリング後、100,000x倍で観察した。
【実施例2】
【0027】
(カーボンナノチューブで均一に混合されたシリコンナノ粉末の製造)
実施例1から得られたシリコンナノ粉末及びカーボンナノチューブをボールミル容器に導入した。比率は、3:5、6:5、12:5及び20:5であった。酸化を防止するために不活性ガス(アルゴン)でパージした。ボールミリングは、230rpmで1時間実施された。図4は、6:5比率で1時間ミリングした後の10,000x倍で観察された電子顕微鏡写真である。シリコンナノ粉末及びカーボンナノチューブが均一に混合されていることが分かる。
【実施例3】
【0028】
(高周波誘導加熱処理によるSi−C共有結合とコーティングの導入)
実施例2で混合された試験サンプルのそれぞれをグラファイト坩堝(Dongbang Carbon)に導入し、高周波誘導炉(Eltek)を通じて真空下で1300℃で1時間、加熱処理を行った。図5aは、シリコンナノ粒子及びカーボンナノチューブの3:5比率での混合物の加熱処理後の100,000x倍で観察された電子顕微鏡写真である。図5b、5c及び5dは、ぞれぞれ、比率6:5、12:5及び20:5での、シリコンナノ粒子及びカーボンナノチューブ混合物の加熱処理後の100,000x倍で観察された電子顕微鏡写真である。シリコンナノ粒子がカーボンナノチューブの表面を均一にコーティングしていることが分かる。
【0029】
図6は、Si−C共有結合の分析を示す。これはX線回折装置(Bruker AXS/D8 Focus(2.2kW)、CuKα、1.54Å)により得られた。全ての比率(3:5、6:5、12:5及び20:5)において、Si−Cの共有結合により得られるSiCが形成されたことが分かる。
【0030】
図7に示されるように、酸化的雰囲気で熱処理がRT〜800℃まで実施された。酸化温度を熱重量分析(TGA)で測定した。図7aに、それぞれの比率での測定後のTGA温度/重量のグラフを示した。RAWCNTは上で使用した多層のカーボンナノチューブである(Hanwha Nanotech、CM95)。図7bは、TGA温度/微分重量のグラフを示し、図7aのグラフを微分したものである。このグラフで、最高ピークは酸化温度を示し、酸化反応が最も活発に起こっていることを示す。
【0031】
図7cは濃度による、図7bでの酸化温度測定から得られたグラフである。RAWCNTは、Si−C共有結合及びコーティング導入の対象となっていないものであり、酸化温度が635℃であった。3:5、6:5、12:5及び20:5のシリコンナノ粒子及びカーボンナノチューブにおいては、酸化温度はそれぞれ、679℃、699℃、697℃及び708℃であった。これらの結果から、Si−C共有結合及びコーティングの導入により炭素材料の界面が強化されたということが分かる。
【実施例4】
【0032】
(炭素材料のアルミニウムによる被包)
上で製造したカーボンナノチューブ(6:5)(Si−C共有結合及びコーティング)及びアルミニウム粉末をボールミル容器に導入し、不活性ガス(アルゴン)でパージしてアルミニウムの酸化を防止した。ボールミリングを230rpmで6時間実施した(韓国特許出願No10−2007−0135267)。ここで、Si−C共有結合及びコーティングを持つカーボンナノチューブの濃度は5重量%であった。図8は、ボールミリング後にデジタルカメラ(ニコンクールピクス−3700)で得た写真である。カーボンナノチューブがアルミニウムに被包されていることが分かる。
【実施例5】
【0033】
(アルミニウム被包カーボンナノチューブへのアルミニウム添加、溶融、固体化)
実施例4で製造された、5重量%のカーボンナノチューブを含むアルミニウムに被包されたカーボンナノチューブを溶融し、ALDC12アルミニウムインゴッド(Woosin metal Co ltd KSD 23321)にキャストし、インペラ攪拌した。これにより1重量%のカーボンナノチューブを含むアルミニウムインゴッドが得られた。インペラはグラファイト製であり、攪拌は500rpmで真空下650℃〜700℃で20分間実施した。
【0034】
図9は、実施例4で得たアルミニウム被包物を示し、図9bはALDCインゴッドを示す。図9cは、インペラ攪拌で製造した1重量%カーボンナノチューブ−アルミニウムインゴッドを示す。
【0035】
カーボンナノチューブの分布を調べるために共焦点ラマンを測定した。図10aは光学写真を示し、図10bは、その光学写真に対応するカーボンナノチューブのラマンピークの結果をマップしたものを示す。図10bの分析結果から、カーボンナノチューブが均一に分散していることが分かる。
【0036】
機械的特性を測定するために、試験片をダイキャストで作成し、UTM装置を用いて張力試験を行った。
【0037】
図11は、RAW(ALDC12)及び1重量%カーボンナノチューブ−アルミニウムの試験結果を示すグラフである。図12は、試験結果の値を示す。RAW試験片は張力235MPa、降伏強度167MPa、ヤング率61GPa及び伸び率1.62%を示した。1重量%カーボンナノチューブ−アルミニウムでは、張力277MPa、降伏強度185MPa、ヤング率69GPa及び伸び率1.76%であった。Si−C共有結合及びコーティングによるカーボンナノチューブ界面強化により機械的特性が増加した。例えばRAWに比べて、張力が18%、降伏強度が11%、ヤング率が13%及び伸び率が9%増加した。
【0038】
本発明の好ましい実施態様についての記載は説明目的のためであり、当業者であれば、添付された特許請求の範囲で開示された本発明の範囲及び本質から離れることなく種々の変法・変更実施態様を理解するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si−C共有結合を形成するための方法であり、前記方法が:
(a)シリコンナノ粒子と炭素材料を混合してシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;及び
(b)前記シリコン−炭素材料混合物を、高周波誘導加熱処理するステップを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、前記炭素材料が、グラファイト、グラファイトファイバ、カーボンファイバ、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブを含む群から選択される少なくともひとつである、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であり、前記炭素材料が、直径0.4nm〜16μm、長さ10nm〜10cmである、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法で、前記シリコンナノ粒子がボールミルで調製される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であり、前記シリコン−炭素材料混合物がボールミルで混合される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であり、前記高周波が100Hz〜400kHzである、方法。
【請求項7】
炭素材料の界面を強化させる方法であり、前記方法が:
(a)シリコンナノ粒子と炭素材料を混合してシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;及び
(b)前記シリコン−炭素材料混合物を、高周波誘導加熱処理するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であり、前記炭素材料が、グラファイト、グラファイトファイバ、カーボンファイバ、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブを含む群から選択される少なくともひとつである、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であり、前記炭素材料が、直径0.4nm〜16μm、長さ10nm〜10cmである、方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法で、前記シリコンナノ粒子がボールミルで製造される、方法。
【請求項11】
請求項7に記載の方法で、前記シリコンナノ粒子がボールミルで製造される、方法。
【請求項12】
請求項7に記載の方法であり、前記高周波が100Hz〜400kHzである、方法。
【請求項13】
アルミニウムに炭素材料を被包する方法であり、前記方法が:
(a)シリコンナノ粒子と炭素材料を混合してシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;
(b)前記シリコン−炭素材料混合物を、高周波誘導加熱処理してSi−C共有結合を形成するステップ;及び
(c)前記Si−C共有結合を持って形成された前記炭素材料とアルミニウムを混合し、さらにボールミリングするステップを含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であり、前記炭素材料が、グラファイト、グラファイトファイバ、カーボンファイバ、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブを含む群から選択される少なくともひとつである、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であり、前記炭素材料が、直径0.4nm〜16μm、長さ10nm〜10cmである、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法で、前記シリコンナノ粒子がボールミルで製造される、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法であり、前記シリコン−炭素材料混合物が、ボールミルで混合される、方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法であり、前記高周波が100Hz〜400kHzである、方法。
【請求項19】
アルミニウムの機械的強度を強化する方法であり、前記方法が:
(a)シリコンナノ粒子と炭素材料を混合してシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;
(b)前記シリコン−炭素材料混合物を、高周波誘導加熱処理してSi−C共有結合を形成するステップ;
(c)前記Si−C共有結合を持って形成された炭素材料とアルミニウムとを混合してアルミニウム中に前記炭素材料を被包し、その後ボールミリングするステップ;及び
(d)前記炭素材料を混合したアルミニウムにさらにアルミニウムを添加し、どの後溶融するステップを含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であり、前記炭素材料が、グラファイト、グラファイトファイバ、カーボンファイバ、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブを含む群から選択される少なくともひとつである、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であり、前記炭素材料が、直径0.4nm〜16μm、長さ10nm〜10cmである、方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法で、前記シリコンナノ粒子がボールミルで製造される、方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法であり、前記シリコン−炭素材料混合物がボールミリングで混合される、方法。
【請求項24】
請求項19に記載の方法であり、前記Si−C共有結合を持って形成された炭素材料が高周波誘導加熱により形成される、方法。
【請求項25】
請求項19に記載の方法であり、前記炭素材料と混合された前記アルミニウムが、ボールミリングで被包体に形成される、方法。
【請求項26】
請求項19に記載の方法であり、前記高周波が100Hz〜400kHzである、方法。
【請求項27】
炭素材料−アルミニウム複合体であり、アルミニウムの機械的強度が請求項19に記載の方法により強化された、炭素材料−アルミニウム複合体。
【請求項1】
Si−C共有結合を形成するための方法であり、前記方法が:
(a)シリコンナノ粒子と炭素材料を混合してシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;及び
(b)前記シリコン−炭素材料混合物を、高周波誘導加熱処理するステップを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、前記炭素材料が、グラファイト、グラファイトファイバ、カーボンファイバ、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブを含む群から選択される少なくともひとつである、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であり、前記炭素材料が、直径0.4nm〜16μm、長さ10nm〜10cmである、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法で、前記シリコンナノ粒子がボールミルで調製される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であり、前記シリコン−炭素材料混合物がボールミルで混合される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であり、前記高周波が100Hz〜400kHzである、方法。
【請求項7】
炭素材料の界面を強化させる方法であり、前記方法が:
(a)シリコンナノ粒子と炭素材料を混合してシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;及び
(b)前記シリコン−炭素材料混合物を、高周波誘導加熱処理するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であり、前記炭素材料が、グラファイト、グラファイトファイバ、カーボンファイバ、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブを含む群から選択される少なくともひとつである、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であり、前記炭素材料が、直径0.4nm〜16μm、長さ10nm〜10cmである、方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法で、前記シリコンナノ粒子がボールミルで製造される、方法。
【請求項11】
請求項7に記載の方法で、前記シリコンナノ粒子がボールミルで製造される、方法。
【請求項12】
請求項7に記載の方法であり、前記高周波が100Hz〜400kHzである、方法。
【請求項13】
アルミニウムに炭素材料を被包する方法であり、前記方法が:
(a)シリコンナノ粒子と炭素材料を混合してシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;
(b)前記シリコン−炭素材料混合物を、高周波誘導加熱処理してSi−C共有結合を形成するステップ;及び
(c)前記Si−C共有結合を持って形成された前記炭素材料とアルミニウムを混合し、さらにボールミリングするステップを含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であり、前記炭素材料が、グラファイト、グラファイトファイバ、カーボンファイバ、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブを含む群から選択される少なくともひとつである、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であり、前記炭素材料が、直径0.4nm〜16μm、長さ10nm〜10cmである、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法で、前記シリコンナノ粒子がボールミルで製造される、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法であり、前記シリコン−炭素材料混合物が、ボールミルで混合される、方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法であり、前記高周波が100Hz〜400kHzである、方法。
【請求項19】
アルミニウムの機械的強度を強化する方法であり、前記方法が:
(a)シリコンナノ粒子と炭素材料を混合してシリコン−炭素材料混合物を製造するステップ;
(b)前記シリコン−炭素材料混合物を、高周波誘導加熱処理してSi−C共有結合を形成するステップ;
(c)前記Si−C共有結合を持って形成された炭素材料とアルミニウムとを混合してアルミニウム中に前記炭素材料を被包し、その後ボールミリングするステップ;及び
(d)前記炭素材料を混合したアルミニウムにさらにアルミニウムを添加し、どの後溶融するステップを含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であり、前記炭素材料が、グラファイト、グラファイトファイバ、カーボンファイバ、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブを含む群から選択される少なくともひとつである、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であり、前記炭素材料が、直径0.4nm〜16μm、長さ10nm〜10cmである、方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法で、前記シリコンナノ粒子がボールミルで製造される、方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法であり、前記シリコン−炭素材料混合物がボールミリングで混合される、方法。
【請求項24】
請求項19に記載の方法であり、前記Si−C共有結合を持って形成された炭素材料が高周波誘導加熱により形成される、方法。
【請求項25】
請求項19に記載の方法であり、前記炭素材料と混合された前記アルミニウムが、ボールミリングで被包体に形成される、方法。
【請求項26】
請求項19に記載の方法であり、前記高周波が100Hz〜400kHzである、方法。
【請求項27】
炭素材料−アルミニウム複合体であり、アルミニウムの機械的強度が請求項19に記載の方法により強化された、炭素材料−アルミニウム複合体。
【図1】
【図2】
【図6】
【図7】
【図11】
【図12】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図6】
【図7】
【図11】
【図12】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−171861(P2012−171861A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162867(P2011−162867)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(511181337)リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション オブ ソンギュングァン ユニヴァーシティ (1)
【氏名又は名称原語表記】RESEARCH & BUSINESS FOUNDATION OF SUNGKYUNKWAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】Sungkyunkwan Univ.300,Cheoncheon−dong,Jangan−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,446−746 Korea
【出願人】(511181348)デユ スマート アルミニウム カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】DAYOU SMART ALUMINIUM CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】23−7 Hwajeong−dong Seo−gu Gwangju,Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(511181337)リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション オブ ソンギュングァン ユニヴァーシティ (1)
【氏名又は名称原語表記】RESEARCH & BUSINESS FOUNDATION OF SUNGKYUNKWAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】Sungkyunkwan Univ.300,Cheoncheon−dong,Jangan−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,446−746 Korea
【出願人】(511181348)デユ スマート アルミニウム カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】DAYOU SMART ALUMINIUM CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】23−7 Hwajeong−dong Seo−gu Gwangju,Korea
【Fターム(参考)】
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