説明

ナノファイバ製造装置

【課題】ナノファイバ製造装置におけるメンテナンス費用の削減。
【解決手段】ナノファイバの原料となる原料液200を空間210中に噴射する噴射手段110と、空間210を飛行中の原料液200を静電爆発させて製造されたナノファイバを収集する収集手段120とを備えるナノファイバ製造装置100であって、原料液が飛行する空間210を室内に有し、安全ガスを室内に保持可能で、隔壁102で形成される第一作業室101と、第一作業室101に接続され、噴射手段110を収容可能で、隔壁102で形成される第二作業室104と、第一作業室101と第二作業室104との間を開閉可能とする第一可動隔壁106と、第二作業室104と室外との間を開閉可能とする第一扉体108とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電爆発によりナノファイバを製造し、そのナノファイバを収集するナノファイバ製造装置に関し、特に、防爆対策が施されたナノファイバ製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子物質などから成り、サブミクロンスケールの直径を有する糸状(繊維状)物質(ナノファイバ)を製造する方法として、エレクトロスピニング(電荷誘導紡糸)法が知られている。
【0003】
このエレクトロスピニング法とは、溶媒中に高分子物質などを分散または溶解させた原料液を空間中に噴射(吐出)させるとともに、原料液に電荷を付与して帯電させ、空間を飛行中の原料液を静電爆発させることにより、ナノファイバを得る方法である。
【0004】
より具体的には、空間を飛行中の原料液の粒から溶媒が蒸発するに伴い原料液の体積は減少していくが、原料液に付与された電荷は維持されるため、結果として原料液の粒の電荷密度が上昇する。そして、溶媒は、継続して蒸発するため、原料液の粒の電荷密度がさらに高まり、原料液の粒の中に発生する反発方向のクーロン力が原料液の表面張力より勝った時点で高分子溶液が爆発的に線状に延伸される現象(静電爆発)が生じる。この静電爆発が、空間において次々とねずみ算式に発生することで、直径がサブミクロンの高分子から成るナノファイバが製造される。
【0005】
以上のように静電爆発によりナノファイバを製造するためには、原料液の溶媒を蒸発させる必要があるが、製造目的であるナノファイバの種類によっては、引火性を備えていたり、毒性を備えていたりする溶媒を使用しなければならない場合がある。
【0006】
そこで、少なくとも溶媒が蒸発する空間、すなわち、静電爆発が生じる空間を隔壁で閉鎖し、隔壁で形成された室内に大気から酸素を除去したような安全ガスなどを導入し、隔壁の内部を低酸素状態とすることで、溶媒の引火や爆発を防止している。また、毒性のある溶媒が室外に漏れ出さないようにして安全性の向上を図っている。
【0007】
ところで、前記ナノファイバ製造技術と近似する技術として、吹き付け塗装が挙示できる。当該吹き付け塗装は、塗料の希釈用に有機溶剤を使用しており、塗料を吹き付ける際に有機溶剤が空気中に拡散するため、塗装ブースと称される隔壁で囲われた空間に吹き付け用のノズルと塗装対象物品とを収容することで、有機溶剤の拡散を制限し、さらに塗装ブース内に窒素ガスを供給することで防爆対策を施しており(特許文献1参照)、当該対策方法はナノファイバを製造する場合と同様である。
【特許文献1】特開平2−273566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、ナノファイバの製造終了後のナノファイバ製造装置の内部雰囲気や塗装ブースの内部雰囲気は、蒸発した溶媒が安全ガスと混ざり合った状態である。従って、内部をメンテナンスする場合においても、ナノファイバ製造装置や塗装ブースをいきなり大気開放することは、溶媒を大気中に拡散させることになり安全上、環境上好ましくない。そこで、ナノファイバ製造装置や塗装ブース内部に残留している溶媒と安全ガスとを外部の所定の場所にパージした後、ナノファイバ製造装置や塗装ブースを大気開放する必要がある。
【0009】
ナノファイバ製造装置は相当な大きさがあるため、装置内部の雰囲気を完全にパージしようとすると相当な時間を要することになる。さらに、装置内部が完全にパージされたか否かを確認することは困難であるため、時間をかけて十分にパージし、安全性を確保する必要がある。
【0010】
ただし、このパージに必要な時間は、ナノファイバの製造は休止しており、無駄な時間であり、この無駄な時間は無駄なコストとなる。
【0011】
さらに、メンテナンス後、操業を開始する前には、ナノファイバ製造装置内に充満している大気を再び安全ガスでパージしなければならず、当該時間とパージに必要な安全ガスも無駄なコストとなる。
【0012】
本願発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、メンテナンス時におけるコストの増加を抑制することのできるナノファイバ製造装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本願発明に係るナノファイバ製造装置は、ナノファイバの原料となる原料液を空間中に噴射する噴射手段と、前記空間を飛行中の原料液を静電爆発させて製造されたナノファイバを収集する収集手段とを備えるナノファイバ製造装置であって、前記原料液が飛行する空間を室内に有し、安全ガスを室内に保持可能で、隔壁で形成される第一作業室と、前記第一作業室に接続され、前記噴射手段または前記収集手段の一方を収容可能で、隔壁で形成される第二作業室と、第一作業室と第二作業室との間を開閉可能とする第一可動隔壁と、第二作業室と室外との間を開閉可能とする第一扉体とを備えることを特徴とする。
【0014】
これにより、噴射手段または収集手段を第二作業室に収容することで第一作業室内に保持される安全ガスを維持したまま、第二作業室に収容された噴射手段または収集手段に室外からアクセスしメンテナンスすることが可能となる。ひいては、第一作業室をパージする必要が無くなり、パージに必要な時間を節約し得て、メンテナンスコストの低下に寄与することが可能となる。
【0015】
さらに、前記第一作業室に接続され、前記第二作業室に収容されない他方を収容可能で、隔壁で形成される第三作業室と、前記第一作業室と前記第三作業室との間を開閉可能とする第二可動隔壁と、第三作業室と室外との間を開閉可能とする第二扉体とを備えてもかまわない。
【0016】
これにより、第一作業室を閉鎖状態としながら、噴射手段と収集手段の両方をメンテナンスすることが可能となる。
【0017】
また、第一作業室と、第二作業室または第三作業室との間で前記噴射手段を移動可能とする移動手段を備えることが好ましい。
【0018】
移動手段を備えることで、噴射手段を容易に第二作業室または第三作業室に収容することができ、さらに、ナノファイバ製造にあたっては、収集手段と噴射手段との距離を変更することが可能となる。
【0019】
一方、上記目的を達成するために、本願発明に係るナノファイバ製造装置のメンテナンス方法は、ナノファイバの原料となる原料液を空間中に噴射する噴射手段と、前記空間を飛行中の原料液を静電爆発させて製造されたナノファイバを収集する収集手段とを備えるナノファイバ製造装置であって、前記原料液が飛行する空間を室内に有し、安全ガスを室内に保持可能で、隔壁で形成される第一作業室と、前記第一作業室に接続され、前記噴射手段または前記収集手段の一方を収容可能で、前記隔壁で形成される第二作業室と、第一作業室と第二作業室との間を開閉可能とする第一可動隔壁と、第二作業室と室外との間を開閉可能とする第一扉体とを備えるナノファイバ製造装置のメンテナンス方法であって、前記第二作業室に前記噴射手段または前記収集手段の一方のいずれかを収容する収容ステップと、第一作業室と第二作業室とを第一可動隔壁で閉状態とする閉塞ステップと、第二作業室の室内雰囲気をパージするパージステップと、第一扉体を開け第二作業室を開放する開放ステップとを含むことを特徴とする。
【0020】
当該発明の作用効果は、上記と同様である。
【発明の効果】
【0021】
本願発明を採用すれば、安全ガスや蒸発した溶媒の雰囲気内にある噴射手段や収集手段に対し迅速かつ容易にアクセスし、メンテナンスを施すことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明にかかるナノファイバ製造装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかるナノファイバ製造装置を概略的に示す斜視図である。
【0024】
図2は、ナノファイバ製造装置を模式的に示す側面図である。
同図に示すように、ナノファイバ製造装置100は、噴射手段110と、収集手段120と、隔壁102と、移動手段109と、ガス供給源103と、排気装置105とを備えている。なお、製造されているナノファイバ、または、その原料液には明確に区別できないためいずれにも200の符号を付すこととする。
【0025】
噴射手段110は、ナノファイバを製造するための原料液を噴射(流出)する装置であり、電源に接続されまたは接地されて所定の電位に維持されるものとなっている。また、噴射手段110は、原料液を貯蔵するタンク(図示せず)とパイプで接続されており、所定の圧力で原料液が供給されるようになっている。
【0026】
図3は、噴射手段の具体例を示す図である。
同図に示すように、噴射手段110は、原料液200をナノファイバ製造空間に噴射するための装置であり、ロータリーシリンダ114と、整流フィン115と、ファン116と、スライド取付部117とを備えている。なお、同図では、原料液200を示す矢印は1本しか記載されていないが、実際にはロータリーシリンダ114の周壁全体から多数の原料液200が噴射されている。
【0027】
ロータリーシリンダ114は、周壁に多数個の噴射孔112が設けられ、先端が封鎖された導電材料からなる円筒形のシリンダであり、回転可能であると共に、電源により所定の電位が付与される、または、接地状態が維持されるものである。また、ロータリーシリンダ114の基端部に原料液200供給用のパイプが接続され、ロータリーシリンダ114内部に原料液200が供給されるものとなっている。
【0028】
整流フィン115は、ロータリーシリンダ114から径方向外向きに噴射された原料液200の飛行方向を軸方向に変更できるように(同図中矢印参照)、ファン116から送られる風の流れを、整流するフィンであり、ロータリーシリンダ114の基端部にロータリーシリンダ114を取り囲むように配置されている。
【0029】
ファン116は、ロータリーシリンダ114から噴射される原料液200の飛行方向を変更するための風を発生させるものである。
【0030】
スライド取付部117は、移動手段109と係合して噴射手段110を所定の位置に配置するための部材である。
【0031】
図1、図2に示す、収集手段120は、静電爆発により製造されたナノファイバ200を収集するための装置であり、収集電極121と、収集シート122とを備えている。
【0032】
収集電極121は、噴射手段110と所定の電位差が生じるように電源150により電位が付与される金属製の電極である。この収集電極121は、収集シート122に対し噴射手段110の反対側に、噴射手段110と対向して配置されている。また、収集電極121は、噴射手段110から噴射され生成した帯電状態のナノファイバ200を電気的に吸引し、収集シート122上にナノファイバ200を堆積させる機能を担っている。本実施の形態の場合、収集電極121は、直径が50cm〜数mの円筒形状となっており、収集電極121の外周面に沿って配置される収集シート122の移動と同期して回転することができるものとなっている。
【0033】
収集シート122は、空間中で製造されたナノファイバ200が堆積する対象となる部材であり、堆積したナノファイバ200と容易に分離可能な材質で構成された薄く柔軟性のある長尺のシートである。収集シート122は、ロール状に巻き付けられた状態で供給ロール162供給され、ナノファイバ200が堆積する部分をゆっくりと移動するものとなっている。そして、不織布のような状態で収集シート122上に堆積したナノファイバ200とともに再び巻き取りロール163にロール状に巻き付けられるようになっている。収集シート122が巻き付けられた供給用のロールとナノファイバ200と共に巻き取られたロールとは、隔壁102外空間に配置されるものとなっている。
【0034】
隔壁102は、通気性のない部材であり、ナノファイバ製造装置100のほぼ全体を覆う第一作業室101と、これに接続される第二作業室104とを形成する部材である。隔壁102は、例えば樹脂製のパネルを組み立てて箱状としたものや、柔軟性があり通気性のほぼないシートを金属製の枠体に張り渡したものが挙示できる。なお、ナノファイバ製造装置100が載置される床を隔壁102として用いてもよい。また、図1は、内部構造を示すために、第一作業室101の天井や手前側壁部、第二作業室104の手前側壁部にある隔壁102を取り去り、フレームだけを残した状態で示している。
【0035】
第一作業室101は、原料液が飛行中にナノファイバに変化する原料液飛行空間210を内部に備える部屋であり、隔壁102に囲われて形成されて室外と室内とを異なる雰囲気で維持できるものとなっている。従って、第一作業室101は、ガス供給源103から安全ガスが導入されることにより、外部空間よりも低酸素状態が維持できる部屋であり、隔壁102とみなされる床面及び隔壁102で囲われて形成される部屋である。第一作業室101は、噴射手段110と収集手段120とが内部に収容され、静電爆発によりナノファイバ200が製造されるナノファイバ製造空間を内部に含んでいる。
【0036】
第二作業室104は、第一作業室101を形成する隔壁102の一面に接続されており、第一作業室101と同様隔壁102により形成されている。また、第二作業室104は、噴射手段110のみを収容できる程度の大きさに形成されており、第一作業室101に比べて小さな部屋となっている。また、第二作業室104は、第一扉体108を備えており、第一扉体108を開放すれば、作業者などが第二作業室104内部にアクセスできるものとなっている。本実施の形態の場合、第一扉体108は、第二作業室104の天井部分の隔壁102と側壁部分の隔壁102とが一体となった扉であり、第二作業室104を大きく開放することができるものとなっている。
【0037】
また、第一作業室101と第二作業室104との間には、噴射手段110の通過を可能とする第一可動隔壁106が設けられている。この第一可動隔壁106は、第一作業室101内部側の隔壁102に沿って上下昇降可能であり、第一可動隔壁106が上端に達した状態では、第一作業室101と第二作業室104とが隔絶した状態となる。また、第一可動隔壁106が下端に達したときは、第一作業室101と第二作業室104との間で、前記噴射手段110が移動可能となる。なお、第一可動隔壁106が下端に達した状態では、第一作業室101内の雰囲気と第二作業室104内の雰囲気とは自在に流通可能であるが、第一作業室101と第二作業室104との室内は、室外と隔絶状態が維持される。
【0038】
移動手段109は、第一作業室101と第二作業室104との間で噴射手段110を移動させることができる装置であり、スライド取付部117と係合するレール191と、噴射手段110を移動させる駆動装置192とを備えている。
【0039】
レール191は、第一作業室101と第二作業室104とに渡って設けられるが、第一可動隔壁106が通過する部分は分断されている。
【0040】
ガス供給源103は、第一作業室101や第二作業室104に安全ガスを供給する装置である。ガス供給源103は、安全ガスを第一作業室101に供給するか第二作業室104を切り換えバルブ113で切り換え可能である。また、第一作業室101と第二作業室104に同時に供給することも可能である。さらに、ガス供給源103は、安全ガスを供給するばかりでなく、空気を圧送することも可能である。
【0041】
ガス供給源103が供給する安全ガスとしては、空気から酸素を樹脂膜(中空糸膜)によりある程度除去した低酸素濃度ガスや、過熱水蒸気を挙示することができる。
【0042】
ここで、低酸素濃度とは、空気の酸素濃度よりも低い濃度を意味する。より具体的には蒸発した溶剤が爆発することのない臨界酸素濃度以下である。なお、本記載は酸素の含有がほとんどない高純度なガスなどの使用を除外するものではなく、液体や気体等の状態でボンベに封印された高純度な窒素やドライアイスから供給される二酸化炭素なども利用可能である。
【0043】
排気装置105は、第一作業室101や第二作業室104内に存在する雰囲気(低酸素濃度ガスや蒸発した溶剤)を排気することができる装置である。排気装置105は、第一作業室101内の雰囲気を排気するか、第二作業室104内の雰囲気を排気するかを選択可能であり、また、第一作業室101と第二作業室104との室内雰囲気を同時に排気することも可能である。また、排気量についても第一作業室101と第二作業室104とに対し個々に設定可能である。また、排気装置105は、排気される雰囲気中に含まれる溶剤などを回収することができる回収装置を備えている。
【0044】
上記ガス供給源103のガス供給量と排気装置105のガス排気量とのバランスにより第一作業室101内を陽圧に維持することが可能となっている。なお、陽圧とは隔壁の外空間の圧力より内空間の圧力が高い状態を意味する。
【0045】
電源150は、接地されている噴射手段110との間で、2KV以上、200KV以下の範囲の電圧を発生させることができる装置である。
【0046】
ナノファイバを製造するための原料液としては、エポキシ系樹脂や、ポリイミド系樹脂、LCP(液晶ポリマー)樹脂などに、有機溶媒を溶解、混合するものが例示できる。
【0047】
さらに、他の溶質として例示できる物質は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ナイロン、アラミド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等である。また、上記1種を用いてもよく、また、複数の種類を所定の比率で混合して用いてもよい。
【0048】
また、原料液に無機質固体材料を添加してもかまわない。無機質固体材料により得られるナノファイバの特性を変えることが可能である。無機質固体材料としては、金属、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、珪化物、弗化物、硫化物等を例示することができる。さらに、無機質固体材料の具体例としては、Al23、SiO2、TiO2、Li2O、Na2O、MgO、CaO、SrO、BaO、B23、P25、SnO2、ZrO2、K2O、Cs2O、ZnO、Sb23、As23、CeO2、V25、Cr23、MnO、Fe23、CoO、NiO、Y23、Lu23、Yb23、HfO2、Nb25等を挙示できる。また、上記1種を用いてもよく、また、複数の種類を所定の比率で混合して用いてもよい。
【0049】
原料液に使用できる溶媒としては、原料液が空間を飛行中に蒸発(揮発)するものが好ましい。具体的には、アセトニトリル、トルエン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールなどのアルコール、アセトンなどが例示できる。さらには、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、水等を例示することができる。また、上記1種を用いてもよく、また、複数の種類を所定の比率で混合して用いてもよい。
【0050】
原料液の中の溶媒の占める割合は、60%位から98%位が好適で、使用するファイバの材料、溶媒の種類、生成するファイバの径等で決定を行う。
【0051】
次に、ナノファイバ200の製造方法の概略を説明する。
まず、第一作業室101内に安全ガスを供給する。一方、排気装置105により、第一作業室101内の雰囲気を吸引する。以上不活性ガスが供給されつつ、雰囲気が吸引され、第一作業室101内は、所定の圧力、所定の酸素濃度で平衡状態となり、防爆状態となる。
【0052】
次に、噴射手段110および収集手段120の各部に所定の電圧を印加する。
次に、噴射手段110から原料液を噴射する。噴射された原料液200は、飛行中に溶媒が蒸発し、静電爆発が繰り返されることでナノファイバ200が製造される。そして、製造されたナノファイバ200は、収集電極121に吸引され、供給ロール162から供給される収集シート122上にナノファイバ200が堆積する。ナノファイバ200が堆積する収集シート122は、一定の移動速度で移動しており、これに伴い円筒形の収集電極121も回転している。以上のようにして収集シート122の上に堆積した不織布状のナノファイバ200は、収集シート122と共に移動し、巻き取りロール163に巻き取られる。
【0053】
以上のように不織布を製造すれば、低酸素雰囲気中でナノファイバが製造されるため、ナノファイバ製造用の原料液の溶媒に引火性のある溶剤を使用していたとしても、収集電極121等からの放電等による爆発を防止することが可能となる。
【0054】
次に、ナノファイバ製造装置のメンテナンス方法を説明する。
ナノファイバ製造装置100の中で、特に頻繁(例えば半日に1回)にメンテナンスが必要な装置は、噴射手段110である。これは、ロータリーシリンダ114の噴射孔112が詰まり、所望の量の原料液200が噴射できなくなって、ナノファイバの生産能力が低下するためである。従って、ロータリーシリンダ114を噴射手段110から取り外し交換するメンテナンスが頻繁に行われる。
【0055】
図4は、ナノファイバ製造装置のメンテナンス作業工程を示すフローチャートと、作業状態と対応したナノファイバ製造装置の状態を示す側面図である。
【0056】
まず、第一可動隔壁106が開かれる(S101)。次に、噴射手段110を第二作業室104に向かって移動させる(S104)。噴射手段110の移動は駆動装置192によって実行される。噴射手段110が第二作業室104の所定の位置にまで移動され、第二作業室104に噴射手段110を収容する(S107:収容ステップ)。次に、第一作業室101と第二作業室104との間を第一可動隔壁106で閉じる(S110:閉塞ステップ)。これにより、閉状態の第二作業室104に噴射手段110が収容されると共に、第一作業室101と第二作業室104とが隔絶される。次に、排気装置105で第二作業室104の室内雰囲気を排気しつつ、第二作業室104内に空気を導入し、第二作業室104の室内雰囲気をパージする(S113:パージステップ)。ここで、室内雰囲気を空気でパージするのは、安全ガスで第二作業室104をパージすると、メンテナンスのために第二作業室104内で呼吸をした作業者が、酸素欠乏症になるのを回避するためである。
【0057】
一方、第一作業室101は、室内雰囲気の排気量と安全ガスの導入量が抑えられた状態で維持されている。これは、安全ガスの消費量を抑えつつ、第一作業室101を室外よりも正圧とし、空気の流入を抑えるためである。
【0058】
第二作業室104内の雰囲気が空気に十分入れ替われば、第一扉体108を開け第二作業室を開放する(S116:開放ステップ)。
【0059】
以上により、第一作業室101内の原料液飛行空間210の低酸素状態を維持したまま、噴射手段110に容易にアクセスできるようになるため、容易に噴射手段110のメンテナンスを行うことができる。特に、第一扉体108が第二作業室104に対し大きく開くため、噴射手段110を移動手段109に取り付けた状態でも噴射手段の全てについてメンテナンスを行うことが可能である。また、移動手段109は、噴射手段110を引き出せば移動手段109と噴射手段110とを引き離すことができる分離機構を備えており、噴射手段110を移動手段109から取り外し、新しい噴射手段110などを取り付けることで、噴射手段110の交換を容易に行うことが可能となっている。
【0060】
また、容積の小さな第二作業室104のみパージするだけで良いため、ナノファイバ製造装置100全体をパージする時間に比べ、格段に時間の短縮を図ることができ、メンテナンスに費やす時間を削減することが可能となる。
【0061】
図5は、メンテナンス作業終了後、ナノファイバ製造状態に至るまでの工程を示すフローチャートである。
【0062】
まず、メンテナンスが完了した噴射手段110を第二作業室104にセットし、第一扉体108を閉ざす(S201)。次に、第二作業室104の空気を安全ガスでパージする(S204)。このパージ作業により、空気が第二作業室104から第一作業室101に急激に流入し、第一作業室101の酸素濃度が爆発可能範囲に入るのを防止することができる。
【0063】
次に、第一可動隔壁106を開き(S207)、噴射手段110を第一作業室101に向かって移動させる(S210)。ここで、移動手段109は、噴射手段110の停止位置を任意に設定できるものとなっている。これにより、ナノファイバの製造条件に基づき収集手段120と噴射手段110との間の距離を変更することが可能となっている。また、収集手段120と噴射手段110との間の距離を長くする必要がある場合は、第一可動隔壁106を開状態とし、噴射手段110の一部や全部を第二作業室104内に配置した状態でナノファイバの製造を行うことも可能である。
【0064】
以上の方法によれば、第一作業室101内の低酸素状態を維持したまま、再びナノファイバの製造を開始することが可能となる。また、この方法を採用することにより、第二作業室104の雰囲気のみを大気から低酸素状態にするだけでナノファイバ製造状態に移行することができ、メンテナンスからナノファイバの製造に至る時間を格段に短縮することが可能となる。
【0065】
また、上記ナノファイバ製造装置を用い、上記方法を採用すれば、蒸発した溶剤を室外に出すことなく、容易に噴射手段110のメンテナンスができるため、人体に対する影響や環境に対する影響を可及的に低く抑えることが可能となる。
【0066】
(実施の形態2)
図6は、本願発明に係るナノファイバ製造装置の別実施の形態を概略的に示す側面図である。
【0067】
同図に示すナノファイバ製造装置100は、上記実施の形態1と共通する部分を備えており、共通の構成については同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0068】
同図に示すように、ナノファイバ製造装置100は、噴射手段110と、収集手段120と、隔壁102と、移動手段109と、ガス供給源103と、排気装置105とを備えており、当該構成については上記実施の形態1と共通する。
【0069】
収集手段120は、収集電極121と収集シート122とを備えており、供給ロール162、巻き取りロール163と共に後述の第三作業室203に収容されている。
【0070】
収集電極121は、一面に膨出面を備えた金属製の部材であり、静止状態で取り付けられている。
【0071】
隔壁102は、第一作業室101と、これに接続される第二作業室104、及び、第三作業室203を形成している。
【0072】
第三作業室203は、第一作業室101を形成する隔壁102の第二作業室104とは反対側に接続されており、第一作業室101と同様隔壁102により形成されている。また、第三作業室203は、収集手段120を収容できる程度の大きさに形成されている。また、第三作業室203は、上下方向にスライドして稼動する第二扉体208を備えており、第二扉体208を開放すれば、第三作業室203内部に作業者などがアクセスでき、収集手段120全体を取り出すことができるものとなっている。
【0073】
また、第一作業室101と第三作業室203との間には、第二可動隔壁206が設けられている。この第二可動隔壁206は、第一作業室101と第三作業室203との境界部分に配置され、上下昇降可能であり、第一可動隔壁106が下端に達した状態では、第一作業室101と第三作業室203とが隔絶した状態となる。また、第二可動隔壁206が上端に達したときは、製造されたナノファイバ200を収集手段120が収集することを阻害することはない。なお、第二可動隔壁206が上端に達した状態では、第一作業室101内の雰囲気と第三作業室203内の雰囲気とは自在に流通可能であるが、第一作業室101と第二作業室104と第三作業室203とで形成される室内は、室外と隔絶状態が維持される。
【0074】
第一作業室101、第二作業室104、第三作業室203にはそれぞれガス供給源103と排気装置105とが接続されている。また、ガス供給源103は、第一作業室101、第二作業室104、第三作業室203のいずれの室内に安全ガスを供給するかを選択可能であり、安全ガスを供給するか空気を供給するかも選択可能である。排気装置105は、第一作業室101、第二作業室104、第三作業室203のいずれの室内の雰囲気を排気するかを選択可能である。
【0075】
上記ナノファイバ製造装置100に関し、収集手段120のメンテナンスは次のようにして行われる。
【0076】
図7は、ナノファイバ製造装置のメンテナンス作業工程を示すフローチャートと、作業状態と対応したナノファイバ製造装置の状態を示す側面図である。
【0077】
まず、第二可動隔壁206が閉ざされる(S301)。これにより、第一作業室101と第三作業室203とが隔絶される。
【0078】
次に、排気装置105で第三作業室203の室内雰囲気を排気しつつ、第三作業室203に空気を導入し、第三作業室203の室内雰囲気をパージする(S304:パージステップ)。第三作業室203内の雰囲気が空気に十分入れ替われば、第二扉体208を開け第三作業室203を開放する(S307:開放ステップ)。
【0079】
以上の方法によれば、第一作業室101内の原料液飛行空間210の低酸素状態を維持したまま、作業者は収集手段120に容易にアクセスできるようになるため、収集シート122の交換など、収集手段120のメンテナンスを容易に行うことができる。また、第二扉体208を開くことにより第三作業室203を大きく開放することができるため、収集手段120を容易に第三作業室203から取り出すことも可能である。
【0080】
また、本実施の形態によれば、第一作業室101を低酸素状態に維持したまま、噴射手段110もメンテナンスすることができるため、噴射手段110と収集手段120とに対し同時にメンテナンスを行えばさらにメンテナンスに要する時間を短縮することが可能となる。
【0081】
図8は、メンテナンス作業終了後、ナノファイバの製造状態に至るまでの工程を示すフローチャートである。
【0082】
収集手段120のメンテナンスが完了すると、第二扉体208を閉ざす(S401)。次に、第三作業室203の空気を安全ガスでパージする(S404)。このパージ作業により、空気が第三作業室203から第一作業室101に急激に流入し、第一作業室101の酸素濃度が爆発可能範囲に入るのを防止することができる。
【0083】
次に、第二可動隔壁206を開く(S407)。これにより、ナノファイバの製造状態となる。
【0084】
以上の方法によれば、第一作業室101内の低酸素状態を維持したまま、再びナノファイバの製造を開始することが可能となり、メンテナンスからナノファイバの製造に至る時間を短縮することが可能となる。
【0085】
なお、上記実施の形態で説明した噴射手段110は一例であり、噴射手段110の形状、構造は他のものでもかまわない。例えば、一本のノズルから原料液が噴射される噴射手段110や、原料液を噴射するノズルを複数本配列した噴射手段でもかまわない。また、ノズルを2流体ノズルとし、一方のノズルから安全ガスを吹き出すものとしてもかまわない。
【0086】
また、収集手段120の形状も、特に限定されるものではなく、ベルトを無端状に回転させ、堆積したナノファイバをこそげ取るようなものでも、収集電極121となる導電体のプレートに直接ナノファイバを堆積させ、当該プレートを順次交換していくものでもかまわない。
【0087】
また、ナノファイバ製造装置100の電位関係も任意であり、収集電極121に直接電位を付与するばかりでなく、収集電極121の近傍に補助電極を配置し、収集電極121は接地状態として、前記補助電極に電位を与えることで収集電極121に誘導電荷を発生させるものなど、電源との接続関係や、接地状態、補助電極などのあらゆる態様がナノファイバ製造装置100に含まれている。本実施の形態においては、収集電極に負の高電圧を印加し、噴射手段側を接地しているが、これに限定するものではなく、収集電極を接地し、噴射手段側に高電圧を印加してもよい。つまり、前記噴射手段の噴射孔から流出する原料液に電荷が帯電するような電圧の印加を構成すればよい。また、他の方法としては、噴射手段にバンデグラフ起電機のような電荷発生手段を接続して、前記噴射孔から流出する原料液が帯電するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、ナノファイバ製造装置や、製造されたナノファイバを用いて紡糸する装置、製造されたナノファイバを用いて不織布を製造する装置などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明にかかるナノファイバ製造装置を概略的に示す斜視図である。
【図2】ナノファイバ製造装置を模式的に示す側面図である。
【図3】噴射手段の具体例を示す斜視図である。
【図4】ナノファイバ製造装置のメンテナンス作業工程を示すフローチャートと、作業状態と対応したナノファイバ製造装置の状態を示す側面図である。
【図5】メンテナンス作業終了後、ナノファイバ製造状態に至るまでの工程を示すフローチャートである。
【図6】本願発明に係るナノファイバ製造装置の別実施の形態を概略的に示す側面図である。
【図7】ナノファイバ製造装置のメンテナンス作業工程を示すフローチャートと、作業状態と対応したナノファイバ製造装置の状態を示す側面図である。
【図8】メンテナンス作業終了後、ナノファイバの製造状態に至るまでの工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
100 ナノファイバ製造装置
101 第一作業室
102 隔壁
103 ガス供給源
104 第二作業室
105 排気装置
106 第一可動隔壁
108 第一扉体
109 移動手段
110 噴射手段
112 噴射孔
113 切り換えバルブ
114 ロータリーシリンダ
115 整流フィン
116 ファン
117 スライド取付部
120 収集手段
121 収集電極
122 収集シート
150 電源
162 供給ロール
163 巻き取りロール
191 レール
192 駆動装置
200 ナノファイバ、原料液
203 第三作業室
206 第二可動隔壁
208 第二扉体
210 原料液飛行空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノファイバの原料となる原料液を空間中に噴射する噴射手段と、前記空間を飛行中の原料液を静電爆発させて製造されたナノファイバを収集する収集手段とを備えるナノファイバ製造装置であって、
前記原料液が飛行する空間を室内に有し、安全ガスを室内に保持可能で、隔壁で形成される第一作業室と、
前記第一作業室に接続され、前記噴射手段または前記収集手段の一方を収容可能で、隔壁で形成される第二作業室と、
第一作業室と第二作業室との間を開閉可能とする第一可動隔壁と、
第二作業室と室外との間を開閉可能とする第一扉体と
を備えるナノファイバ製造装置。
【請求項2】
さらに、
前記第一作業室に接続され、前記第二作業室に収容されない他方を収容可能で、隔壁で形成される第三作業室と、
前記第一作業室と前記第三作業室との間を開閉可能とする第二可動隔壁と、
第三作業室と室外との間を開閉可能とする第二扉体と
を備える
請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項3】
第一作業室と、第二作業室または第三作業室との間で前記噴射手段を移動可能とする移動手段を備える請求項1または請求項2に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項4】
ナノファイバの原料となる原料液を空間中に噴射する噴射手段と、前記空間を飛行中の原料液を静電爆発させて製造されたナノファイバを収集する収集手段とを備えるナノファイバ製造装置であって、前記原料液が飛行する空間を室内に有し、安全ガスを室内に保持可能で、隔壁で形成される第一作業室と、前記第一作業室に接続され、前記噴射手段または前記収集手段の一方を収容可能で、前記隔壁で形成される第二作業室と、第一作業室と第二作業室との間を開閉可能とする第一可動隔壁と、第二作業室と室外との間を開閉可能とする第一扉体とを備えるナノファイバ製造装置のメンテナンス方法であって、
前記第二作業室に前記噴射手段または前記収集手段の一方のいずれかを収容する収容ステップと、
第一作業室と第二作業室とを第一可動隔壁で閉状態とする閉塞ステップと、
第二作業室の室内雰囲気をパージするパージステップと、
第一扉体を開け第二作業室を開放する開放ステップと
を含むナノファイバ製造装置のメンテナンス方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−114586(P2009−114586A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288844(P2007−288844)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「革新的部材産業創出プログラム/新産業創造高度部材基盤技術開発/先端機能発現型新構造繊維部材基盤技術の開発」にかかる委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】