説明

ナノ濾過膜の製造方法

【課題】フォトレジスト含有廃液からフォトレジストを効果的に分離するのに好適な、分画分子量が400〜800g/molのセラミック膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】限外ろ過膜層を有するセラミックフィルタに、更にナノろ過膜層を積層して形成するナノ濾過膜の製造方法であって、該積層して形成されるナノろ過膜は、ディップ法による製膜工程と乾燥工程と焼成工程からなる膜形成工程を複数回繰り返して形成され、複数回繰り返される焼成工程の焼成温度のうち、最初の焼成を450〜600℃で始め、後の焼成温度を先の焼成温度よりも低い温度とし、最終の焼成を300〜450℃で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ濾過膜の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品等を製造するには、基板上にフォトレジストの皮膜を形成し、パターンマスクを通して光等を照射し、次いで現像液により不要のフォトレジストを溶解して現像し、更にエッチング等の処理を行った後、基板上の不溶性のフォトレジスト膜を剥離する。また、基板の端(エッジ)には、端までレジストが塗布されており、この端部のレジストがカセット、装置内で剥がれてダストになるため、エッジリンスで端のレジスト除去を行う。
【0003】
フォトレジスト膜の剥離には、例えば、DMSO(ジメチルスルホキシド)、MEA(モノエタノールアミン)等で構成される剥離液を用い、エッジリンスには、例えば、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)等で構成されるシンナー液を用いる。
【0004】
該フォトレジスト膜の処理に用いた後の、剥離液やシンナー液からフォトレジストを除去して、各々剥離液やシンナー液として再利用することへの需要があり、フォトレジスト含有廃水の再生処理のための様々な技術が検討されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
フォトレジスト含有廃液の再生方法として、従来より現実に採用されている技術としては、蒸留塔に該フォトレジスト含有処理液を導き、蒸留により廃液を分離する方法があった。しかし、当該蒸留法では、蒸留塔内でレジストが固着する問題や、蒸留塔の設置面積が大きくなる等の問題があった。また、当該蒸留法では、蒸留工程で相変化(液体⇒気体⇒液体)を伴い、そのエネルギーコストが嵩むという問題もあった。
【0006】
前記の蒸留法に伴う各種問題を解決するために、分離膜を用いる技術への需要がある。しかし、有機膜は膜形成工程で接着材が使用されており、該接着成分がフォトレジスト膜の剥離液を構成するDMSOやMEAによって分解されてしまうため、有機膜を採用することはできないという問題があった。
【0007】
また、フォトレジスト含有廃液からフォトレジストを分離除去するためには、膜の分離性能が分子量標準物質としてポリエチレングリコール(PEG)を用いた分画分子量で800以下であることが好ましいが、現在実用化されている無機膜のうち、最も高い分離性能を備えるUF膜であっても、その分画分子量の下限は5000g/mol程度に留まり、フォトレジストを分離除去するための十分な分離性能が得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−213074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は前記問題を解決し、フォトレジスト含有廃液からフォトレジストを効果的に分離するのに好適な、分画分子量が400〜800g/molのナノ濾過膜の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた本発明のナノ濾過膜の製造方法は、限外ろ過膜層を有するセラミックフィルタに、更にナノろ過膜層を積層して形成するナノ濾過膜の製造方法であって、該積層して形成されるナノろ過膜は、ディップ法による製膜工程と乾燥工程と焼成工程からなる膜形成工程を複数回繰り返して形成され、複数回繰り返される焼成工程の焼成温度のうち、最初の焼成を450〜600℃で始め、後の焼成温度を先の焼成温度よりも低い温度とし、最終の焼成を300〜450℃で行うことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のナノ濾過膜の製造方法において、後のディップ法製膜の焼成温度を、先のディップ法製膜の焼成温度よりも、30〜100℃低い温度で行うことを特徴とするものである。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のナノ濾過膜の製造方法において、最初の焼成温度を450〜500℃とすることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載のナノ濾過膜の製造方法において、セラミックフィルタが、柱状形状をなすセラミックフィルタの内部で、前記柱状形状の両端面間を軸方向に貫通するように設けられた複数の流路のそれぞれの内壁に限外ろ過膜層を有するセラミックフィルタであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るナノ濾過膜の製造方法によれば、限外ろ過膜層を有するセラミックフィルタに、更にナノろ過膜層を積層して形成するナノ濾過膜の製造方法において、該積層して形成されるナノろ過膜は、ディップ法による製膜工程と乾燥工程と焼成工程からなる膜形成工程を複数回繰り返して形成され、複数回繰り返される焼成工程の焼成温度のうち、後の焼成温度を、先の焼成温度よりも低い温度で行う構成により、フォトレジスト含有廃液からフォトレジストを効果的に分離するのに好適な分画分子量(400〜800g/mol)の分離膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】DIP製膜に用いるディッピング装置の説明図である。
【図2】ディッピング装置にエレメントを収納した状態の説明図である。
【図3】各分子量標準物質の阻止率を測定して得られた分画曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
【0017】
本実施形態は、柱状形状のセラミックフィルタの内部に成膜されたUF膜上(細孔径5〜10nm)に、分画分子量600〜800のNF膜を形成することを目的として、DIP製膜を繰り返し行うものである。
【0018】
該UF膜は、MF膜上に形成されている。該MF膜は、モノリス形状の多孔質基材の各流路の内壁表面に形成されている。なお、全ての膜形成工程は、所定の粒径を有するコート液を付着させる成膜工程と、成膜後の乾燥工程と、乾燥後の焼成工程を基本工程とするものである。該コート液とは、製膜時に用いる液であり、UF膜およびNF膜用は、ゾル液を原料として2段階で作成する。なお、MF膜用はゾル液を原料とはせず、アルミナの粒子を調合して直接コート液を作成する。以下、本発明に用いるNF膜の形成工程を説明する。MF膜およびUF膜は、従来手法に従ってクロスフロー循環法で作成したものを用いる。
【0019】
<ディッピング装置>
図1には、DIP製膜に用いるディッピング装置を示している。該ディッピング装置は、図1に示すように、エレメント11eを収納する成膜チャンバー12と、成膜チャンバー12の上流側となる底部フランジ123bに接続されたフランジ接続配管21aと、フランジ接続配管21aに接続されたT分岐22と、T分岐22を介してしてフランジ接続配管21aに接続されるドレイン配管21d及び供給配管21bと、ドレイン配管21dに接続されたドレインバルブ(排液弁)13と、供給配管21bに接続された供給ポンプ14と、供給ポンプ14に接続されたタンク配管21cと、タンク配管21cに接続された供給タンク15とを備える。供給タンク15は、NF膜を形成するためのセラミックコート液(以下、単に「コート液」ともいう。)を収納するタンクである。供給ポンプ14により供給タンク15に収納されたコート液は、タンク配管21c、供給配管21b及びランジ接続配管21aを介して成膜チャンバー12に送液される。成膜チャンバー12は、図2に示すようにアクリル樹脂等の透明な材料で内部が見える構造になっており、垂直に立てられたエレメント11eの下部よりコート液が供給ポンプ14によって供給され、エレメント11eの上部から余剰なゾル液が出たら、供給ポンプ14による送液を止め、ドレインバルブ(排液弁)13を開け、成膜チャンバー12内のコート液を排出できるようになっている。
【0020】
成膜チャンバー12はエレメント11eを収納する円筒型の収納ケースであり、成膜チャンバー12の上部には円筒型の上部エレメント保持リング122aが、成膜チャンバー12の下部には円筒型の下部エレメント保持リング122bが設けられている。エレメント11eの釉薬部112aは、O−リング121aにより上部エレメント保持リング122aにより固定され、エレメント11eの釉薬部112bは、O−リング121bにより下部エレメント保持リング122bに固定される。
【0021】
<NF膜の製造方法>
以下に述べるNF膜の製造方法の一例として、チタニア膜を形成する方法を説明する。
【0022】
(イ)先ず、UF膜を表層に形成したレンコン形状(外径30mm,セル内径3mm×37セル,長さ65〜1000mm)のエレメント11eを用意する。そして、エレメント11eの外周を厚さ1〜10μmのフィルムテープ118でシールする。エレメント11eの外周から、コート液がUF膜を介して透過しないようにするためであるので、フィルムテープ118は、両側の釉薬部112a,112bにそれぞれ2〜3mm程度被る幅を選んで巻く。
【0023】
(ロ)本発明の実施の形態に係るNF膜の製造方法に用いるコート液は、先ず、セラミックゾル原液(以下、単に「ゾル原液」ともいう。)をイソプロピルアルコール(IPA)又はその水溶液で希釈して得る。ゾル原液は金属アルコキシド(例えば、チタンテトライソプロポキシド)とIPAの混合液を2〜10℃に保持しながら硝酸、又は塩酸、若しくは硫酸を添加し、更に保持温度を2〜10℃にし、予め硝酸、又は塩酸、若しくは硫酸と混合しておいた水と混合して得られる。なお、ゾル原液は、0.10質量%〜1.2質量%、好ましくは、0.2質量%〜0.5質量%のチタニア(TiO)を含むゾル液である。
【0024】
(ハ)そして、得られたゾル原液をIPAで希釈し、希釈後のコート液中のIPA濃度が70質量%以上、できれば75質量%以上となるように調整し、コート液を得る。具体的には、IPAを攪拌しながら、そこにゾル原液を少しずつ加えて、コート液を得る。コート液を得るために、約5分間程度攪拌する。希釈後のチタニア濃度は0.02〜0.2質量%が特に好ましい。濃度が0.02質量%以下の場合、膜が薄膜化しすぎるために目的の膜厚を得るまでの成膜回数が増え生産性が悪くなり、更に下地の影響を受けやすくなるために不均質となりクラック等の欠陥が発生しやすくなる。濃度が0.2質量%以上の場合、一度の成膜で得られる膜厚が大きくなり、クラックが発生しやすくなる。更に、IPAは水に比べて、乾燥速度が大きく、表面張力が小さいので、密で欠陥の少ない膜を得るのに非常に有効である。又、ここではセラミックゾルの成分としてチタニアを用いているが、チタニアの変わりにシリカ、ジルコニアの成分のゾルを用いることもできる。コート液には、PVA(ポリビニルアルコール)等バインダーは用いない。本発明におけるコート液の作製方法は、セラミックゾル原液を先に作製し、それをIPAで希釈するという2段プロセスであり、このようにゾル原液を作製後IPAで希釈してコート液を得ることにより、細孔径の小さいNF膜を作製することが可能となる。これに対し、セラミックゾル原液作製時に希釈溶媒として予めIPAを混合して所望の濃度のコート液を得る1段プロセスでは、凝集したゾル粒子が多くなり、粗大細孔の数が増えてしまうので好ましくない。攪拌終了後、2段プロセスで調合したコート液を例えばナイロン製で孔径10〜100μmの濾布で濾す。濾布は、直前に蒸留水で洗浄しておく。
【0025】
(ニ)次に2段プロセスで調合したコート液をディップ法によりエレメント11eの流路(セル)の内壁の表面上に付着させるために、エレメント11eを図1に示すディッピング装置の成膜チャンバー12内に立てて設置する。次に、エレメント11e下部よりコート液を500mL/minの送液速度で供給ポンプ14によって供給し、エレメント11e上部から余剰なゾル液が出たら、送液を止め、ドレインバルブ(排液弁)13を開け、径内のコート液を排出させた。コート液の排出速度を5〜10分で行う。10分以上の時間で排出を行うと膜厚が厚くなりすぎ、乾燥、焼成時にクラックが入り易くなる。排出させる時間は、セラミック膜の長さ、膜面積に関係なく、10分以内に行う。その後、成膜チャンバー12からエレメント11eを取り出し、手でエレメント11eを振るように動かし、余剰なゾル液を除去する。
【0026】
(ホ)コート液のコート後、エレメント11e内に残存するコート液を拭い取り、第1乾燥処理として、例えば、送風機等により流路(セル)内に風を膜表面上に沿うように接触させつつ送って乾燥させる。風の温度は、好ましくは、10〜58℃程度、より好ましくは、20〜30℃の室温である。又、湿度は70%以下が好ましい。10℃よりも低い温度の風を通過させると、流路(セル)表面に付着したチタニアゾルの乾燥が進展しないため、密な膜が得られず細孔径が大きい膜となってしまう。又、40℃よりも高い温度で温風を通過させると膜面にクラックが発生しやすく好ましくない。乾燥のための風が流路(セル)内を通過する速度は、1〜300m/秒、より好ましくは、50〜200m/秒で行うと良い。風が流路(セル)内を通過する速度が1m/秒以下だと密な膜が得られず細孔径が大きくなり、又、風が流路(セル)内を通過する速度が300m/秒以上だと膜面にクラックが発生しやすく、好ましくない。送風乾燥は、6〜20時間程度、好ましくは12〜18時間程度、行うと良い。以上のような条件で、流路(セル)内に風を膜表面上に沿うように接触させつつ送ることにより流路(セル)内側から、つまり膜の表面側から溶媒が蒸発する。このような送風を行うことにより乾燥させると、UF膜へNF膜が密に膜化する構造とすることができる。又、送風乾燥は均一乾燥が困難なレンコン形状には非常に有効である。膜表面から溶媒が乾燥することが膜の緻密化に重要と考えられるため、外周面をマスクすることにより、チタニアゾルの含まれる溶媒が外周面から蒸発することを防止でき、より良好な膜を形成することができる。
【0027】
(ヘ)送風による第1乾燥処理の後、乾燥機(恒温槽)を用いた第2乾燥処理を実施する。第2乾燥処理は、28〜75℃、湿度成り行き(湿度制御無し)に制御された乾燥機内で4〜12時間を行う。
【0028】
(ト)第2乾燥処理の終了後、外周に巻き付けたフィルムテープ118を取り外し、1〜50℃/h、好ましくは、8〜30℃/h、例えば25℃/hの速度で500℃の焼成温度まで昇温し、焼成温度を1時間保持した後、1〜50℃/h、好ましくは、8〜30℃/h、例えば25℃/hで冷却してNF膜を得る。
【0029】
前記(二)〜(ト)の工程で得られたNF膜は、分画分子量1000〜1500g/molの分離性能を有する。ここで、分画分子量とは、特定の分子量を持つ物質を90%以上阻止可能な細孔膜サイズを表わすものであり、例えば、分画分子量1000〜1500g/molの膜とは、分子量1000〜1500g/molのポリエチレングリコール(PEG)を90%以上阻止可能な細孔膜サイズを有する膜をいう。
【0030】
本実施形態では、該分画分子量1000〜1500g/molのNF膜の表面に更に、前記(二)〜(ヘ)の工程からなる膜形成処理を施し、その後の焼成温度を450℃に抑えて焼成を行った後、再び前記(二)〜(ヘ)の工程からなる膜形成処理を施し、その後の焼成温度を400℃に抑えて焼成を行うことにより、NF膜の分離性能を分画分子量400〜600にまで高めることを可能としている。
【0031】
焼成温度は、より高温にすることで、原料粒子同士がより強く結合して気孔率が小さくなる。即ち、所定の粒径を有するコート液を付着させる成膜工程と、成膜後の乾燥工程の条件を同一とする場合において、これに続く焼成工程の温度が500℃の場合と、400℃の場合を比較すると、500℃で焼成を行った方が、原料粒子同士がより強く結合して、膜の細孔径を小さくすることができる。
【0032】
UF膜上に重ねてNF膜を形成するにあたり、同じ焼成温度で繰り返し積層しても、同じコート液(粒子径)であり同じ製膜方法を繰り返すのなら、細孔径はさほど小さくはならず、膜厚が増える事でかえって抵抗が増し、透水量が低下してしまう問題が生じ、更には、熱履歴により、下地にクラックが入る恐れもある。
【0033】
これに対し、本実施形態では、では、成膜工程と乾燥工程と焼成工程からなるNF膜形成を複数回繰り返し、焼成工程における焼成温度を500℃から50℃程度ずつ段階的に下げていくことにより、前記の分離性能を実現可能とした。
【0034】
図3には、4種類の膜について、各分子量標準物質の阻止率を測定して得られた分画曲線を示している。(分子量標準物質としては、PEG200、PEG400、PEG600、PEG1000、PEG4000、PEG6000を用いている。それぞれの平均分子量は200、400、600、1000、3000、7500である)図3に示すように、基材(UF膜)の分画分子量は3000g/mol程度である。当該基材に成膜工程と乾燥工程と焼成工程からなるNF膜形成を一回のみ行い、焼成を500℃として形成した膜の分画分子量は1000g/molである。これに対し、本発明の方法により、成膜工程と乾燥工程と焼成工程からなるNF膜形成を2回繰り返し、焼成工程における焼成温度を、初回は500℃とし、2回目は450℃としてNF膜を形成した場合、膜の分画分子量を600g/molにまで向上させることができる。更に、成膜工程と乾燥工程と焼成工程からなるNF膜形成を3回繰り返し、焼成工程における焼成温度を初回は500℃とし、2回目は450℃とし、3回目は400℃としてNF膜を形成した場合、膜の分画分子量を400g/molにまで向上させることができる。
【符号の説明】
【0035】
11e…エレメント
12…成膜チャンバー
14…供給ポンプ
15…供給タンク
21a…フランジ接続配管
21a…ランジ接続配管
21b…供給配管
21c…タンク配管
21d…ドレイン配管
22…T分岐
112a,112b…釉薬部
118…フィルムテープ
121a…リング
121b…リング
122a…上部エレメント保持リング
122b…下部エレメント保持リング
123b…底部フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
限外ろ過膜層を有するセラミックフィルタに、更にナノろ過膜層を積層して形成するナノ濾過膜の製造方法であって、
該積層して形成されるナノろ過膜は、ディップ法による製膜工程と乾燥工程と焼成工程からなる膜形成工程を複数回繰り返して形成され、
複数回繰り返される焼成工程の焼成温度のうち、最初の焼成を450〜600℃で始め、後の焼成温度を先の焼成温度よりも低い温度とし、最終の焼成を300〜450℃で行うことを特徴とするナノ濾過膜の製造方法。
【請求項2】
後のディップ法製膜の焼成温度を、先のディップ法製膜の焼成温度よりも、30〜100℃低い温度で行うことを特徴とする請求項1記載のナノ濾過膜の製造方法。
【請求項3】
最初の焼成温度を450〜500℃とすることを特徴とする請求項2記載のナノ濾過膜の製造方法。
【請求項4】
セラミックフィルタが、柱状形状をなすセラミックフィルタの内部で、前記柱状形状の両端面間を軸方向に貫通するように設けられた複数の流路のそれぞれの内壁に限外ろ過膜層を有するセラミックフィルタであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のナノ濾過膜の製造方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−92876(P2011−92876A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250021(P2009−250021)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】