説明

ナメクジ捕獲器とその製造方法

【課題】犬や猫等のペットが食しても安全で、しかも低価格なナメクジ捕獲器が求められていた。
【解決手段】ナメクジ24の進入可能な大きさの入口を有する容器22と、この容器22内に収納される香持餌23とから成り、香持餌23はナメクジ24が嗜好する植物を乾燥させるとともに粉砕して形成されたものである。これにより、所期の目的を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ナメクジを捕獲するナメクジ捕獲器とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
以下、従来のナメクジ捕獲器1について説明する。従来のナメクジ捕獲器1は図11に示すように、凹部2を有する容器3と、この容器3内に載置された香持餌4と、前記容器3の上方に被せられた蓋5とで構成されていた。この香持餌4は、ナメクジの嗜好する匂いを発散させてナメクジを誘引するものである。この香持餌4はナメクジにとっての毒物を含んでおり、そのためこの毒物を食したナメクジは動けなくなり捕獲される訳である。
従って、このナメクジ捕獲器1を野菜畑等ナメクジの通路に載置しておけば、ナメクジは香持餌4の発する匂いに誘われて、凹部2を形成する入口2aから入り香持餌4を食する。ここで、香持餌4にはナメクジにとっての毒物が含まれているので、この毒物を舐めたナメクジは動けなくなり捕獲されることになる。
ところが、このようなナメクジ捕獲器1では、ナメクジ捕獲器1の設置場所によっては犬や猫等のペットが誤って食することがあった。そこで、図12に示すように、犬や猫等のペットに害が及ばないようナメクジの嗜好する植物等で作られた香持餌6が収納されたナメクジ捕獲器7が考案された。このナメクジ捕獲器7は、箱型の容器8と、この容器8の一方に連結されるとともに、ナメクジの入口9aを有するナメクジの誘導路9と、この誘導路9に連結されるとともに容器8の内部へ突出した水平路10と、この水平路10の先端にさらに連結された誘い落し11と、容器8の他方に設けられた餌台12と、この餌台12内に収納された香持餌6と、餌台12の誘い落し11側に設けられた通気孔12aと、誘い落し11の下方に設けられた溜池14と、この溜池14に満たされた水15と、容器8の上方を封止する蓋16とで構成されていた。
餌台12内に収納された香持餌6の発する匂いは、通気孔12aを介して容器8内を通過し、誘導路9及び入口9aを介して外部へ流出する。この入口9aから流出した匂いに誘われたナメクジ17は、入口9aから誘導路9を上り、水平路10を通過し更に誘い落し11へ達する。誘い落し11へ達したナメクジ17は更に進む。ところがこの誘い落し11は途中で切断されているので、結局溜池14へ落下することになる。このようにして、ナメクジ17は捕獲される。このナメクジ捕獲器7で使用する香持餌6は、犬や猫等のペットが例え食したとしても安全な植物等で作られている。従って、犬や猫等が誤って食したとしても安全なものである。
【先行技術文献】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
【特許文献1】 実開平3−74282号公報
【特許文献2】 特開2002−27888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来のナメクジ捕獲器においては、以下のような課題があった。即ち、図11に示すナメクジ捕獲器1においては、香持餌4が犬や猫等が誤って食する可能性を有していた。また、図12に示すナメクジ捕獲器7においては、容器8、入口9aを有する誘導路9、水平路10、誘い落し11、餌台12、香持餌6、溜池14、蓋16等々と大変複雑な構成となっており、その結果どうしても高価なものとなっていた。
そこで本発明は、このような問題点を解決したもので、例え、犬や猫等のペットが食したとしても安全で、しかも低価格のナメクジ捕獲器を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明のナメクジ捕獲器は、ナメクジの進入可能な大きさの入口を有する容器と、この容器内に収納される香持餌とから成り、前記香持餌は前記ナメクジが嗜好する植物を乾燥させるとともに粉砕して形成されたものである。これにより、所期の目的を達成することができる。
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、香持餌は植物で形成されているので、例え、犬や猫等のペットが誤って食したとしても無害であり安全である。また、その構成は、容器と、この容器に収納された香持餌のみで完結する簡易な構成であり、結果として低価格のナメクジ捕獲器を実現することができるものである。
また、香持餌は乾燥されているので、長期間の保存に対しても品質が劣化することは少なく長持ちするものである。更に、香持餌は乾燥させた植物を粉末状にしたものであるので、この粉末がナメクジの体表面に付着し、ナメクジは動けなくなる。従って、捕獲したナメクジが逃げ出すことはない。
更にまた、植物として野菜を用い、その野菜の表面や芯を構成する一般的に廃材と言われるものでも使用することができる。従って、低価格の香持餌の製造が可能であるとともに、このような廃材を用いることにより更なる低価格の香持餌を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるナメクジ捕獲器の斜視図
【図2】 同、実施の形態2におけるナメクジ捕獲器の斜視図
【図3】 同、実施の形態3におけるナメクジ捕獲器の組立斜視図
【図4】 同、ナメクジ捕獲器の状態斜視図 (a)は同、第1の状態におけるナメクジ捕獲器の状態斜視図 (b)は同、第2の状態におけるナメクジ捕獲器の状態斜視図
【図5】 同、実施の形態4におけるナメクジ捕獲器の要部展開図 (a)は同、第1の状態におけるナメクジ捕獲器の要部展開図 (b)は同、第2の状態におけるナメクジ捕獲器の要部展開図 (c)は同、第3の状態におけるナメクジ捕獲器の要部展開図
【図6】 同、実施の形態5におけるナメクジ捕獲器の斜視図
【図7】 同、実施の形態6におけるナメクジ捕獲器の斜視図
【図8】 同、実施の形態7におけるナメクジ捕獲器の製造方法のフローチャート
【図9】 同、実施の形態8におけるナメクジ捕獲器の設置説明図
【図10】 同、実施の形態9におけるナメクジ捕獲器の設置説明図
【図11】 従来の第1の例を示すナメクジ捕獲器の側面図
【図12】 同、第2の例を示すナメクジ捕獲器の断面図
【発明を実施するための形態】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1におけるナメクジ捕獲器21の斜視図である。このナメクジ捕獲器21は、上方が開口22aした直方体の容器22内に香持餌23が収納されたものである。本実施の形態における容器22は、縦寸法12cm、横寸法17cm、高さ寸法3cmの発砲スチロールで形成されている。なお、容器22の大きさや材質はこれに限ることはなく、異なるものであっても良い。本実施の形態においては、スーパーマーケット等で食品を収納する容器で代用しており、低価格の容器22を実現している。容器22の開口22aはナメクジ24の入口にもなっている。
香持餌23は、乾燥した植物の粉末であり、本実施の形態では、ナメクジ24が嗜好する香持餌23としてナメクジが嗜好するキャベツの乾燥粉末を用いている。香持餌23としては、この他に白菜、なす等ナメクジ24が好むとともに人畜にとって無害な植物であれば何であっても良い。香持餌23の粉末は直径0.2mm〜1.0mm程度のものを用いている。
また、一般に食用としては廃棄されるキャベツの外側を形成する葉や、キャベツの芯等を使用することもできる。従って、このような材質を用いることにより更なる低価格の香持餌23を得ることができる。また、廃棄する野菜を活用することになるので、ゴミの排出も減り、地球環境に優しい製品となる。
以上のように構成されたナメクジ捕獲器21をナメクジ24の通り道に載置しておく。すると、香持餌23の匂いに誘引されたナメクジ24が開口22a(ナメクジの入口)から容器22の中へ侵入する。そうして香持餌23を食する。香持餌23を食しているうちに粉末状の香持餌23がナメクジ24のねばねばした体表面に付着する。そうすると、ナメクジ24aは動けなくなり捕獲される。捕獲されたナメクジ24aは遂には死ぬことになる。
以上説明したように、本実施の形態におけるナメクジ捕獲器21の香持餌23は、植物で形成されているので、例え、犬や猫等のペットが誤って食したとしても無害であり安全である。また、その構成は、容器22と、この容器22に収納された香持餌23のみの簡易な構成となり、その結果として低価格のナメクジ捕獲器21を実現することができる。
また、香持餌23は乾燥されているので、長期間の保存にも品質が劣化することはなく長持ちするものである。更に、香持餌23は乾燥させたキャベツを粉末状にしたものであるので、この粉末がナメクジ24の体表面に付着し、ナメクジ24は動けなくなる。従って、捕獲したナメクジ24が逃げ出すことはない。
更にまた、一般的に廃材と言われる野菜(植物)の表面や芯を使用することができ、低価格の香持餌23が製造可能であるとともに、このような廃材を用いることにより地球環境に優しいものであるとともに更なる低価格の香持餌を提供することができる。
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2におけるナメクジ捕獲器25(実施の形態1におけるナメクジ捕獲器21該当)の斜視図である。実施の形態2において、実施の形態1と同じ物については同符号を付し、説明を簡略化している。また、実施の形態1と同様の効果を奏する構成についても、その効果は特に断らない限り簡略化している。なお、これは以降の実施の形態に関しても同様である。
図2において、26は、上方が開口するとともに直方体形状をした容器であり、この容器26内には香持餌23が収納されている。27は、容器26に被せられる蓋である。この蓋27の側面27aには、ナメクジ24が進入する孔27bが形成されている。蓋27の側面27aの高さ寸法27cは、容器26の側面26aを形成する高さ寸法26cより大きくしている。これは、蓋27を容器26に被せたときに、孔27bが露出してナメクジ24の進入を可能にするためである。
本実施の形態を構成する蓋27の材質は、透明である必要はないが、透明にしておけば外から容易にナメクジ24の確認を行うことができる。また、本実施の形態におけるナメクジ捕獲器25は、蓋27を有しているので、雨等が入って内部が湿ることはなく、香持餌23を高品質に保つことができる。
(実施の形態3)
図3は、実施の形態3におけるナメクジ捕獲器31(実施の形態1におけるナメクジ捕獲器21に該当)の組立斜視図である。
図3において、32は円筒形をするとともに上方が開口した直径10cmの容器であり、この容器32内に香持餌23が収納されている。32aは、容器32の側面32bに設けられた孔(ナメクジの入口)であり、この孔32aを介してナメクジ24が進入するものである。この孔32aは約5mmの直径を有しており、等間隔に8個(複数個)設けられている。
33は、容器32に嵌合する円筒形の蓋である。33aは、蓋33の側面33bに設けられた孔(ナメクジの入口)であり、この孔33aを介してナメクジ24が進入するものである。この孔33aも約5mmの直径を有しており、等間隔に8個(複数個)設けられている。
以上のように構成された蓋33を矢印34a方向に垂下させて容器32に嵌合させる。このとき、図4(a)に示すように、容器32に形成された孔32aと、蓋33に形成された孔33aとが丁度一致すると、孔32aと孔33aとが重なって、ナメクジ捕獲器31の外部と内部とが貫通することになる。従って、この貫通した孔32a,33aを通って、ナメクジ24が容器32内へ入り香持餌23を食することができる。
次に、図4(b)に示すように、蓋33を矢印34b方向へ回転させることにより、容器32に形成された孔32aは蓋33を形成する側面33bによって封鎖される。また、蓋33に形成された孔33aも容器32を形成する側面32bによって封鎖される。このことにより、孔32aと孔33aとは夫々封鎖されるので、ナメクジ捕獲器31の外部と内部とが遮断される。従って、容器32内は外部と遮断され、香持餌23は湿気等から保護される。
以上説明したように、本実施の形態におけるナメクジ捕獲器31は、ナメクジ24の進入する孔32a、33aの封鎖・解放が自在にできるものである。この構成により、使用時には孔32a、33aを開口し、保管時等においては孔32aと孔33aを封鎖することができる。従って、保管等において香持餌23の外部への流出や、香持餌23の湿気等からの保護をすることができる。
(実施の形態4)
図5は、実施の形態4におけるナメクジ捕獲器41(実施の形態3におけるナメクジ捕獲器31に該当)の要部展開図である。このナメクジ捕獲器41は、容器42(図示せず)と蓋43(図示せず)に形成されるとともにナメクジが進入する入口となる孔44、45の数を実質的に調整することができるものである。このナメクジ捕獲器41の外形は、ナメクジ捕獲器31に示すように円筒形である。実施の形態3に比べてナメクジ24が進入する孔44,45の配置が異なる。
即ち、図5に示すように、容器42の側面42aに形成された孔44(44a、44b,44c,44d,44e)は、側面42aの(図面における)横方向の半分以下の場所に限定されて、等間隔に5個(複数個)設けられている。同様に、蓋43の側面43aに形成された孔45(45a、45b,45c,45d,45e)も、側面43aの(図面における)横方向の半分以下の場所に限定されて、孔44と同じピッチで等間隔に5個(複数個)設けられている。
図5(a)は、第1の状態におけるナメクジ捕獲器41の要部(側面42a、43a)展開図である。この第1の状態においては、容器42に形成された孔44と、蓋43に形成された孔45が全て対応していない状態である。この状態においては、ナメクジ24の入口となる孔44,45が全て側面43a、42aで封鎖されることになるので、ナメクジ捕獲器41の外部と内部とは遮断された状態となる。
この状態から、図5(b)に示すように、蓋43を矢印46a方向に回転させると、容器42に形成された孔44と、蓋43に形成された孔45が部分的に対応した状態が形成される。即ち、図5(b)に示す状態では、容器42に形成された孔44のうち孔44c、44d、44eが、蓋43に形成された孔45のうち孔45a、45b、45cと夫々対応した位置にある。即ち、この状態ではナメクジ捕獲器41において、内部と外部とが連通する孔は3個となる。このように、蓋43を矢印46aの方向へ回転させる回転角によって、内部と外部とを連通する孔の数が、0個又は1個から5個まで任意に調整することができる。
図5(c)は、容器42に形成された孔44a、44b、44c、44d、44eと、蓋43に形成された孔45a、45b、45c、45d,45eとが夫々対応している。即ち、この状態ではナメクジ捕獲器41において、内部と外部とが連通する孔44,45は全て対応することになる。
このように、本実施の形態においては、ナメクジ24が進入する孔(入口)の数を適宜調整することができる。従って、天候(湿度)の状態やナメクジ24の通り道の広狭等に応じて、最適な入口の数に調整することができる。
(実施の形態5)
図6は、実施の形態5におけるナメクジ捕獲器51の斜視図である。図6において、52は網で形成された袋であり、この袋52内には、ナメクジ24が好む香持餌53が収納されている。この香持餌53は、実施の形態1で説明した香持餌23と成分は同じであるが、その大きさにおいて異なる。即ち、袋52の網目からこぼれない大きさにしている。本実施の形態では、1cm〜10cm程度の乾燥野菜の小片を用いている。この香持餌53は、実施の形態1と同様にキャベツを用いているがナメクジ24が好むものなら他の植物であっても良い。
袋52は、11cm×13cmの寸法を有するとともに、柔軟性を有したナイロンで形成されている。この袋52を形成する網目(ナメクジの入口でもある)は、ナメクジ24が容易に進入できるとともに、香持餌53が流出しない大きさの網目の袋であれば良く、本実施の形態では、約3mm四方の網目のものを用いている。
袋52は、13cm×22cmの網を半分に折って、香持餌53を挿入した後、縁を糸54で係止して形成している。55は、保管等に便利なように袋52に装着された輪である。
以上のように構成されたナメクジ捕獲器51をナメクジ24の通り道に載置しておく。ナメクジ24は、香持餌53の匂いに誘引されてナメクジ捕獲器51に集まってくる。ナメクジ捕獲器51に集まってきたナメクジ24は網目(ナメクジの入口)をくぐり香持餌53を食する。このようにして、多くのナメクジ24が袋52内に入る。ナメクジ24がたくさん入った状態で、ナメクジ24をナメクジ捕獲器51ごと捕獲して廃棄する。
以上、説明したように、本実施の形態におけるナメクジ捕獲器51は、柔軟性を有する袋52を用いているので、狭いところ(台所の隙間等)にも設置することができる。即ち、設置場所の自由度が大きいものである。また、保管場所においても曲げて狭いところへ挿入しておくことができる。要するに、設置においても保管においても場所の自由度が大きいという特徴を有している。なお、実施の形態1で説明した粉末とした香持餌23とは異なるので、ナメクジ24の体に香持餌53が付着してナメクジ24が動けなくなるということはない。
(実施の形態6)
図7は、実施の形態6におけるナメクジ捕獲器61の斜視図である。このナメクジ捕獲器61は、実施の形態5で説明したナメクジ捕獲器51を5個(複数個)連結部62で連結したものである。従って、この連結部62で適宜切断することにより、任意の大きさのナメクジ捕獲器61を実現することができる。なお、ナメクジ捕獲器61として、実施の形態5で用いた袋52の5個分の大きさを有する袋63を用意し、この袋63に香持餌53を挿入し、その後、連結部62を形成しても良い。
即ち、野菜畑のような広い場所では、大きなナメクジ捕獲器61として使用することにより、能率良くナメクジ24を捕獲することができる。また、家庭内のような狭い場所では、小さなナメクジ捕獲器61(又はナメクジ捕獲器51)として使用することができるので、大きな場所を占有することなくナメクジ24を捕獲することができる。
(実施の形態7)
図8は、実施の形態7におけるナメクジ捕獲器の製造方法のフローチャートである。先ず、図8においてステップ71では、ナメクジ24の嗜好する植物を用いる。本実施の形態では、植物として野菜(キャベツ、白菜、なす等)77を用いている。この野菜77は、人間が食する所謂良品である必要はなく、食用としては廃棄されるようなものや、規格外野菜であっても良い。
次に、ステップ72では、この野菜77を乾燥させ易いように小片(1cm以上)77aに分割する。そして、ステップ73においては、この分割された野菜77の小片77aを天日で乾燥させる。天日で乾燥させるのは、匂いを強くするためと、クリーンなエネルギーを使うことによる地球環境に優しい製品を実現するためである。もちろん、他のエネルギーを用いても良い。この場合、低温減圧で乾燥させればエネルギーは少なくて良い。
ここまでは、ナメクジ捕獲器21,25,31,41、51、61共通の製造方法である。先ず、ナメクジ捕獲器21,25,31,41の製造方法について説明する。
ステップ73で乾燥された小片77aは、ステップ74で粉末77bにされる。この粉末77bの直径は、0.2mm〜1.0mm程度にすることが好ましい。この大きさにすることにより、効率良くナメクジ24の体に付着して、ナメクジ24の動きを停止させることができる。即ち、ナメクジ24が逃げ出しを防止することができる。
このように粉砕された野菜77の粉末77bは香持餌23となり、実施の形態1〜4に説明したナメクジ捕獲器21,25、31,41の香持餌23となる。この香持餌23はステップ75において、容器22(26、32、42を含む)へ収納される。
次に、ナメクジ捕獲器51,61の製造方法について説明する。ステップ73において、乾燥された野菜の小片77aはそのまま香持餌53となる。従って、ステップ73からステップ76に移行する。ステップ76では、香持餌53は直接網状の袋52(又は袋63)内に収納してナメクジ捕獲器51,61が製造される。
なお、ナメクジ捕獲器21,25、31,41の香持餌23の代わりに香持餌53を使用することもできる。
(実施の形態8)
図9は、実施の形態8におけるナメクジ捕獲器の設置説明図である。図9は、ナメクジ捕獲器21,25,31,41をナメクジ24が寄りついて害を与える花壇81の近傍であって、ナメクジ24の通り道に設置したものである。このように設置して、大切な花壇81の花をナメクジ24の害から守ることができる。
また図示していないが、屋内であって、ナメクジ24の出没するところ、例えば台所等に設置することもできる。この場合、室内であることがら長時間の設置においても湿気で香持餌23が劣化することは少ない。
(実施の形態9)
図10は、実施の形態9におけるナメクジ捕獲器の設置説明図である。図10は、ナメクジ捕獲器51,61をナメクジ24が寄りついて害を与える野菜畑82の野菜77の近傍であって、ナメクジ24の通り道に設置する。このように設置することにより、大切な野菜77をナメクジ24の害から守ることができる。この場合、ナメクジ捕獲器61を用いれば、野菜77の間隔に応じて、適宜その長さを調整することができる。
また図示していないが、屋内であって、ナメクジ24の出没するところ、例えば台所等に設置することもできる。この場合、室内であることがら長時間の設置においても湿気で香持餌53が劣化することは少ない。
【産業上の利用可能性】
本発明にかかるナメクジ捕獲器は、例え、犬や猫等のペットが誤って食したとしても安全で、しかも低価格に実現することができる。従って、ナメクジを捕獲するナメクジ捕獲器として有用である。
【符号の説明】
21 ナメクジ捕獲器
22 容器
22a 開口(入口)
23 香持餌
24 ナメクジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナメクジの進入可能な大きさの入口を有する容器と、この容器内に収納される香持餌とから成り、前記香持餌は前記ナメクジが嗜好する植物を乾燥させるとともに粉砕して形成されたナメクジ捕獲器。
【請求項2】
容器には蓋が被せられた請求項1に記載のナメクジ捕獲器。
【請求項3】
ナメクジの進入可能な大きさの網目を有する袋と、この袋内に収納されるとともに前記網目より大形の香持餌とから成り、前記香持餌は前記ナメクジが嗜好する植物の小片を乾燥して形成されたナメクジ捕獲器。
【請求項4】
ナメクジが嗜好する植物を小片に分割する第1の工程と、この第1の工程の後で前記小片に分割された植物を乾燥させて乾燥物にする第2の工程と、この第2の工程の後で前記乾燥物を粉砕して粉砕物にする第3の工程と、この第3の工程の後で前記粉砕物をナメクジの進入可能な大きさの入口を有する容器に収納する第4の工程とを有するナメクジ捕獲器の製造方法。
【請求項5】
ナメクジが嗜好する植物を小片に分割する第1の工程と、この第1の工程の後で前記小片に分割された前記植物を乾燥させて乾燥物にする第2の工程と、この第2の工程の後で前記乾燥物を網目を有する袋に収納する第3の工程とを有するナメクジ捕獲器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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