説明

ニア・ネット・シェイプのチタン体の低コストの製造法

【課題】 高エネルギー源などの溶接トーチでもってSFFF 製造プロセスを使用してTi合金構造体を製造する方法であって、供給原料としてTiスポンジと合金形成元素から製造された供給原料ワイアーを使用するか、あるいは、溶融物中にTi合金をイン・サイチュで形成することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン(Ti)、チタン合金、又はチタンコンポジット材料物質(チタン複合材料物質)から成る成形体(成形品)又は成形構成部品の製造技術に関する。特に、本発明は、Ti-6Al-4V (Ti-6-4) 合金から成る成形体又は成形構成部品の製造技術用途に関し、本発明はそうした用途(他の用途も包含されるが)に関連して記載されよう。
【背景技術】
【0002】
チタン部品(チタン構成部品)は、軽量であり、優れた機械的性状を持ち、且つ腐食に抵抗性であることから、軍需用途及び民生用途において重要性が増大していることが見出されている。しかしながら、インベストメント鋳造法やラム・グラファイト鋳造法などの従来の製造方法は、ニア・ネット・シェイプ(near net shape: NNS)の構造体(仕上げ加工が極小化された構造体)の製造には高コストなものとなる。これは材料物質のコスト、機材のコスト、労働コストを含めたプロセスにかかるコストなどを含めた因子の組合せたものによる。加えて、鋳造物はしばしば部品の機械的な性質を傷つける欠陥や空隙を有している。ラピッド製造プロセス〔自由形状造形法(又は立体造形技術, solid free form fabrication: SFFF)としても知られている〕とは、レーザを使用してチタンを溶融する手法で、そのプロセスで、道具を使用して機械加工することを必要とすることなく三次元のニア・ネット・シェイプ(仕上げ加工の殆ど必要ない形状物)を堆積(積層)製造することができる。しかしながら、レーザSFFFプロセスの資本のためのコスト及び操作のためのコストは、インベストメント鋳造法やラム・グラファイト鋳造法のいずれよりも実質的に高い部品コストをもたらしている。
【0003】
SFFFプロセスでPTAトーチを使用すると、インベストメント鋳造法やラム・グラファイト鋳造法などの典型的なTi合金製造法よりも低コストで三次元的な形状部品又は成形された部品を生産することができる。PTA-SFFFプロセスでは、利用可能である別の手法に比較してTi合金製部品のコストを低減させることができるが、依然従来技術のPTA-SFFFプロセスは比較的高価なチタン合金ワイヤー(線材)あるいは粉末供給原料を使用することが必要である。かくして、さらにコストを下げるためには、広範囲の用途でTi合金を使用できるようにすることが望まれよう。
【0004】
【特許文献1】米国特許第2,785,285号明細書
【特許文献2】米国特許第6,680,456号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
PTA-SFFFプロセスで産生されるニア・ネット・シェイプの部品(構成部品)のコストについて分析すると、一つの最も大きなコストの因子としては粉末又はワイヤーであってよいチタン供給原料のコストであることが示された。購入することが可能な最も低価格のTiの形態のものは、一次産品のスポンジ形態のものである。しかし、市販されて入手できるTiスポンジは、合金形成元素を何ら含有していないもので、それゆえ高い強度を持った合金を製造するためのSFFFプロセスで有利に使用することができるものでない。かくして、典型的には予め合金とされている粉末又は予め合金とされている溶接ワイヤーのいずれかがSFFFプロセスの供給用原料として使用されている。しかしながら、合金とされている粉末のコストは溶接ワイヤーのコストより高いものであり、それでより低コストでのSFFFプロセスのためには一般的にそのワイヤーを使用することが好ましい。
【0006】
純Tiワイヤー(CP Ti)のコストは、合金とされているTiワイヤーより低いものであり、コスト低減の一つの手法は一緒に使用する供給原料としての合金形成元素と共にCP Tiワイヤーを利用し、合金を産生せしめるというものである。事実、所望される合金形成元素の粉末を含有しているTi溶接ワイヤーを製造することを記述するかなりの先行技術というものが存在する。例えば、米国特許第2,785,285号明細書(特許文献1)では、所望される合金形成物粉末でもってチタンの円周方向が密閉状態の長いシース状物を充填することについての記載がある。別の従来技術の特許文献では、圧密化された合金形成物粉末を充填したTiチューブを記載している。しかし、引用される例のすべてにおいては、予め形成されておいたシースを使用することが必要である。これはコストのかかるプロセスである。そしてこれらのプロセスはSFFFプロセスで使用されると合金化されたTiの形態の物を生産することができるが、材料物質のコストのため経済的な利点は何ら無い。米国特許第6,680,456号明細書(特許文献2)には、Tiを含む金属をPTA SFFFで製造するための従来製造されてきたワイヤー供給原料の使用について記載がある。しかしながら、本特許の方法も、原材料のコストが高いという問題を抱えている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、比較的廉価なチタン供給原料を使用するSFFFプロセスで従来使用されている高価なレーザの代わりに溶接トーチなどの高エネルギーのプラズマビームを使用して、該チタン供給原料と合金形成成分物質とを、原料のコストをかなりの程度低減するように配合して行うものである。特には、一つの態様では、本発明は、合金化されたワイヤーより価格が低いものである純チタンワイヤー(CP Ti)を使用するものであり、SFFFプロセスにおいてイン・サイチュ(in-situ)で該CP Tiと粉末化されている合金形成成分物質とを組み合わせ、そして溶接トーチ又はその他の高パワーエネルギービームでの溶融化の下で、該CP Tiと粉末状の合金形成成分物質とを配合するものである。別の具体的な態様では、本発明は、合金形成元素と混合せしめられているチタンスポンジ材料物質を使用し、そしてワイヤーを形成するものであり、該形成されたワイヤーは、プラズマ溶接トーチ又はその他の高パワーエネルギービームと組み合わせてSFFFプロセスで使用されて、ニア・ネット・シェイプ成形されたチタン部品(チタン構成部品)を製造することができるものである。
【0008】
本発明の更なる利点を有する具体例並びに本発明の更なる優れた点については、以下の明細書の詳細な説明及び添付図面の記載より明らかとなるであろう。ここで、図面中、同様の番号で、同様の部品を指し示してある。
図1は、本発明に従ったPTA-SFFFプラズマ・トランスファー・アーク(plasma transferred arc: PTA)システム(装置)の、一部断面で示してある斜視図を示す。
図2は、未だ合金化されていないTi粒子と合金形成元素の粉末とが混合する様子を示すフロー概略図を示す。
図3は、未だ合金化されていないTi粒子と合金形成元素の粉末及びセラミック粉末とが混合する様子を示すフロー概略図を示す。
図4は、一連のn個までのローラーと任意のものである環状の絞りダイ(reducing die)を通すことにより、粉末の混合物をワイヤー形状のものに加工する工程を示す概略図である。
図5は、本発明を実施するのに使用されることのできる市販のプラズマ・トランスファー・アーク型自由形状造形(solid free form fabrication: SFFF)製造装置を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
最も一般的に使用されているTi合金は、Ti-6Al-4V (Ti-6-4)である。理由は、非常に優れた機械的な特性を有しているからである。結果としてそれは、軍需用途及び民生用途の双方の大部分で使用されている。しかしながら、Ti及びその合金類は、高価であり、機械加工するにはコストもかかる。2004年中程におけるTiの価格に基づいての、現在のところ使用されているPTA-SFFFプロセス及びその他の従来の製造プロセスに関し、そして本発明に従っての比較的低コストの供給原料物質を使用することに関し、ニア・ネット・シェイプのTi-6-4部品を製造するにかかる代表的なコストとしては、下記表1に示すとおりである。ベースラインであるPTA-SFFF製造法に関しては、金属源として市販のTi-6-4溶接ワイヤーを使用した。
【0010】
【表1】

【0011】
表1中、
1 全部機械加工処理して得た部品のコストは、典型的には、$100-125/lb(約$220-276/kg)である(1 lb=0.4536 kg)。
2 いくつかのユニットにおけるオーバースプレイは、しばしば、80%にものぼり、粉末のリサイクルで、許容される材料物質が得られることは未だ示されてはいない。これにより価格が$129/lb(約$284/kg)から$413/lb(約$910/kg)まで上昇することとなる。
3 PTA並びにレーザ加工で20%化粧処理することを含む。
4 PTA SFFF = プラズマトランスファーアーク自由形状造形法(plasma transferred arc solid free form fabrication)。
5 $4.00/lb(約$8.82/kg)のCP Tiスポンジに基づく。
【0012】
純Ti粉末と予め合金化されたAl-Vの粉末とを配合してニア・ネット・シェイプのTi-6-4部品をレーザSFFFプロセスでもって、イン・サイチュで形成せしめることはこれまでに具体的に示されている。しかしながら、レーザパワー源を使用した手法でレーザSFFFにより生産された部品のコストは比較的高いものとなる。上記表1で見たように、本発明に従ってPTA-SFFFプロセスでもって比較的低コストの化学的に純粋な(chemically pure: CP) Tiワイヤー並びに予め合金化されているAl-V粉末を使用すると、ニア・ネット・シェイプのTi-6-4部品(構成部品)を顕著に低コストで製造することが可能となる。
【0013】
図1〜5を参照してみると、本発明では、比較的低コストのチタン供給原料を使用したPTA-SFFFプラズマ・トランスファー・アーク・システム10を使用している。本発明の一つの態様では、該チタン供給原料としては、プラズマ・トランスファー・アーク溶接トーチ18から出てくる合金形成粉末16の溶融物と配合するためのワイヤーフィーダー14から供給される純チタンワイヤー(CP Ti) 12が挙げられる。粉末状の合金形成成分物質は、フィーダー20からプラズマトーチに適用される。ワイヤー供給原料及び合金形成成分物質は一緒にされて当該溶融物中でイン・サイチュでチタン合金を形成し、そこでそれらを標的たる基体22の表面24の上に析出(堆積又は積層)せしめることができる。
【0014】
また、図5を参照してみると、本発明に従った三次元構造体を製造するための装置が示されている。当該装置は、図1のプラズマ・トランスファー・アーク・システム10を組み込んでいる密閉型の堆積ステーション64を支える土台部60とフレーム部62を備えている。ベローズ68は、フレーム62の上の堆積ステーション64が動くようにしている。
【0015】
プラズマトーチのヘッドの位置は、多軸CNCコントローラー(多軸CNC制御装置)又は多軸ロボットコントローラーなどの多軸運動コントローラー(図示されていない)によってコントロールされている。該トーチのヘッドの運動は、標的たる基体22の表面24の上に該金属合金の三次元構造体を堆積(積層)するようにコントロールされている。また、標的たる基体も、さらに堆積化がコントロールされるように回転されたり、傾斜せしめられたりしてよい。
【0016】
図2〜4を参照してみると、別の具体的な態様では、本発明は、低価格のTiスポンジとAl-V粉末との混合物であるPTA用の新規で廉価である供給原料ワイヤー(線材)を使用してのPTA SFFFプロセスを用いることにより、現在使用されている従来型の製造プロセスを凌駕する大きなコスト低減化を果たすものである。該Al-V粉末は、二種の合金形成元素の予め合金化されたものの粉末あるいは二種の合金形成元素の粉末の混合物のいずれのものであってもよい。図2及び3を参照してみると、低コストの供給原料ワイヤーは、図2及び3に示されているように、せん断ミキサー32の中の混合ステージ30のところで、まず一次のTiスポンジ材料物質と、Al及びVの粉末、あるいは、予め合金化されたAl-Vの粉末とを、一緒にして混合することにより生産される。当該Tiスポンジ材料物質の延性は十分におおきなものであるので、せん断ミキサーの中を流れていき、該合金形成粉末と混合することになる。
【0017】
AlとVの粉末又は予め合金化されたAl-Vの粉末は混合され、ミキサー32中で好ましくは約5 mmをこえない粒径にまで粉砕せしめられる。もし所望されるなら、一種又はそれ以上のセラミック粒子を、図3に図示されているように、混合ステージ30のところで該ワイヤー中に入れてもよい。
【0018】
また、図4を参照してみると、混合された粉末は次に一連のローラー42a, 42b . . . 42nを備えている引き伸ばしステージ34に供給される。該ローラーのところで、チタンスポンジ(これはかなり延性がある)及び合金形成用の粉末を、細長い形態のもの(細線体)46を製造するに十分な力を加えて一緒に絞り出す。こうして、多段階の絞り処理を加えて、PTA-SFFFシステム用ワイヤー供給原料として使用するに十分な強さのものとする。ローラー42a, 42b . . . 42nの各セット(3個、4個又はもっと多くのローラーが一つのセットをなすことができる)は、ワイヤーの直径が典型的には約0.025''〜約0.125''(約0.63mm〜約3.18mm)の目的の直径にまで絞るように段々とより小さな直径となるように、そして次第により一緒に近接するように配置されている。開示部分のローラーのセットのところでは、ローラーの間に空間がある結果、ワイヤーの表面はいくらか非対称となっている。しかしながら、この非対称性は該ワイヤーが順次狭くなっていくローラーを通っていくにつれて低減せしめられる。もちろん、ワイヤーの非対称性も各ステージのローラーの数を増加せしめることにより減らすことができる。最終製品のワイヤーは、ワイヤーフィーダーを通ってPTA-SFFF用溶融物プールへ供給することができるに十分な程度その寸法が一定であり且つ強度があるものである。そして該溶融物プールのところでは、該チタンスポンジ及びAl-V粉末が合金となり、Ti-6A-4V又はその他の選ばれた合金を産生する。また、該ワイヤーはワイヤーをダイを通して引っ張る力に対して十分な強度になるまでローラーでもって加工処理した後、任意の環状の絞りダイ50を通すことができる。
【0019】
Ti合金のワイヤーを混合処理及びロール処理により形成せしめることができる。その理由は、純Tiスポンジはもともと高い延性があるからである。該Tiスポンジは延性があるので、一連の絞り領域をもつロールを通して絞り出すと、そのTi中で必然的に「自己結合」する結果となり、合金形成元素粉末やセラミック粉末を捕獲することとなる。次に供給原料ワイヤーをPTAプロセスにより溶融すると、チタン及び補足された粉末が固化する前に合金を形成する。かくして、次に得られたワイヤーはPTA-SFFFプロセスにおける供給原料ワイヤーとして使用され、ニア・ネット・シェイプの部品を構築する、すなわち、図1のようにして製造される。
【0020】
本発明は、何ら制限を加えるものでない次なる実施例よりさらに明らかなものとなるであろう。
【実施例1】
【0021】
0.080''(約2.03mm)の直径のCP Tiワイヤーを、図1に概略が示されているPTA-SFFF装置のPTAトーチの中に供給する。同時に、予め合金にされているAl-Vの粉末をPTAトーチの中に供給する。Ti、Al、及びVは、プラズマにより生成された溶融物プールの中で即座に合金化することになる。予め混合されているTi-6-4の組成物は、Ti-6-4と同等の組成を持っているが、それは鋳造製品よりは非常に低いコストのものである三次元の形状のものにされる。PTA-SFFFで形成された材料物質の微細構造(ミクロ構造)は、鋳造による製品よりも微細なものであり、同時に欠陥がないものである。そのPTA-SFFFで形成された製品の微細構造は、鋳造による製品よりも一般的には優れた特性を生み出している。
【実施例2】
【0022】
予め合金とされているAl-Vの粉末を、図2に示されているようなTiスポンジと混合する。本混合物を、図4に示すような、ローラーのそれぞれのセットの間の絞り領域を有している一連の4個のロールミルを通して処理し、連続したワイヤーを形成する。この形成されたコンポジットワイヤー(複合体ワイヤー)を図5に示されているようなPTA-SFFF装置に供給し、Ti-6-4の微細構造、組成及び特性を持っているが非常に低価格のTi-6-4の三次元形状のものを生産する。
【実施例3】
【0023】
図3に示されているように、チタンスポンジを元素のバナジウム及びアルミニウムの粉末と混合し、Ti-6Al-4V合金並びにTiB2粉末を製造した。ここでTiB2粉末は、Ti-6Al-4V合金の10容量%である。図4に示されているように、混合物は連続しているローラー圧密機を通過せしめられ、ワイヤーとされ、得られたワイヤーはPTAシステムに供給せしめられる。図5に示されているように、PTA-SFFF装置を使用しネット・シェイプ中でTi-6Al-4V/10容量%TiB2から成るサーメット合金を生成せしめる。
【0024】
ナノ粒子のサイズのセラミック粉末を使用し、分散強化型チタン合金を生産することができる。あるいは、より多くの量のセラミック粉末を使用し、弾道装甲などのような機能を果たすための非常に硬度のある材料物質を生成せしめることができる。比較的低い濃度で、例えば、1/4〜2容量%という濃度で、ナノ粒子を使用すると、形成された構成部品の延性に悪影響を与えないようにして非常に優れた耐磨耗性のあるチタンを生成することができる。比較的高い強度が、B, TiCやB4Cなどの粒子を添加することで得ることができる。
【0025】
本発明は、改変されていてもよい。例えば、合金形成元素は、異なる比率で添加されていてよい。また、例えば、Mo, B, Fe, SnなどのAlやV以外の合金形成元素あるいはAlやVに加えてそうした合金形成元素をチタンスポンジの中に取り入れたり、あるいは、CP Tiワイヤーと合金を形成し、実質的に、いかなるチタン合金も得ることができる。TiB2, TiN, TiC, B4C, Y2O3などのセラミック粒子はチタン粉末又はチタン合金の粉末と配合せしめられて、プラズマエネルギー源により溶融されてサーメットを与える。PTA以外のパワー源を使用して、CPワイヤー又は形成されたコンポジットチタン供給原料ワイヤーを溶融することもできる。例としては、例えば、MIG溶接機、TIG溶接機、E-ビーム溶接機、チタンの酸化も炭化も何ら起こさないようなフレーム・トーチなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に従ったPTA-SFFFプラズマ・トランスファー・アーク(plasma transferred arc: PTA)システム(装置)の、一部断面で示してある斜視図を示す。
【図2】未だ合金化されていないTi粒子と合金形成元素の粉末とが混合する様子を示すフロー概略図を示す。
【図3】未だ合金化されていないTi粒子と合金形成元素の粉末及びセラミック粉末とが混合する様子を示すフロー概略図を示す。
【図4】一連のn番目までのローラーと任意のものである円形の絞りダイ(reducing die)を通すことにより、粉末の混合物をワイヤー形状のものに加工する工程を示す概略図である。
【図5】本発明を実施するのに使用されることのできる市販のプラズマ・トランスファー・アーク型自由形状造形(solid free form fabrication: SFFF)製造装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高エネルギー源でもってSFFF製造プロセスを使用してTi合金構造体を製造する方法であって、供給原料としてTiスポンジ及び合金形成元素から製造された供給用原料ワイヤーを使用することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法で製造された生成物。
【請求項3】
該高エネルギー源がプラズマ・トランスファー・アーク・システムであることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
該高エネルギー源がTIG型溶接トーチであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
該高エネルギー源がMIG型溶接トーチであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
該高エネルギー源がE-ビーム型溶接トーチであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
該合金構造体がTi-6Al-4Vを含有しているものであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
該合金構造体がTi-6Al-4Vを含有しているものであることを特徴とする請求項2に記載の生成物。
【請求項9】
該合金形成元素が粉末化されている合金形成元素で、予め合金とされているAl-Vを含有しているものであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
Tiと選択された合金形成元素とのワイヤーを製造する方法であって、CP Tiスポンジ材料物質と当該合金形成元素との混合物を一連のローラーを通過させて、該混合物を圧密化せしめ、そしてワイヤー形態のものを製造することを特徴とする製造方法。
【請求項11】
該合金形成元素がAl及びVの粉末を包含しているものであることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
該合金形成元素が予め合金とされているAl-Vの粉末を含有しているものであることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
該粉末が約5 mmをこえない粒子サイズを有するものであることを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項14】
該粉末が約5 mmをこえない粒子サイズを有するものであることを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項15】
チタン合金の製造方法であって、セラミック粒子、チタン及び選択された合金形成元素を混合し、得られた混合物を圧密化ローラーを通してワイヤーを形成し、該ワイヤーをSFFFに供給して、セラミック粒子がその中に分散しているチタン合金を製造することを特徴とする製造方法。
【請求項16】
該セラミック粒子がナノサイズのものであることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
該セラミック粒子が該混合物の1/4〜2容量%を占めているものであることを特徴とする請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
該セラミック粒子が該混合物の5〜30容量%を占めているものであることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項19】
該セラミック粒子が該混合物の約10容量%を占めているものであることを特徴とする請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
該セラミック粒子がTiB2, TiN, TiC, B4C 及び Y2O3からなる群から選択された物質を含有しているものであることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項21】
該セラミック粒子が該チタン合金と相互作用して、強度又は耐磨耗性を高めるものであることを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項22】
該セラミック粒子がB4Cを含有しているものであることを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
該セラミック粒子がTiC及びBを含有しているものであることを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
【請求項24】
供給原料物質が溶融してしまう高エネルギー源でもってSFFF製造プロセスを使用してTi 合金構造体を製造する方法であって、Ti供給原料ワイヤーと粉末化されている合金形成元素とを一緒にして、Ti合金を溶融物中イン・サイチュで形成することを特徴とする製造方法。
【請求項25】
請求項24に記載の製造方法で製造された生成物。
【請求項26】
該高エネルギー源がプラズマ・トランスファー・アーク・システムであることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項27】
該高エネルギー源がTIG型溶接トーチであることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項28】
該高エネルギー源がMIG型溶接トーチであることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項29】
該高エネルギー源がE-ビーム型溶接トーチであることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項30】
該合金構造体がTi-6Al-4Vを含有しているものであることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項31】
該合金構造体がTi-6Al-4Vを含有しているものであることを特徴とする請求項25に記載の生成物。
【請求項32】
該合金形成元素が粉末化されている合金形成元素で、予め合金とされているAl-Vを含有しているものであることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項33】
該合金形成元素が粉末化されている合金形成元素で、AlとVを含有しているものであることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項34】
該粉末化されている合金形成元素が約5 mmをこえない粒子サイズを有するものであることを特徴とする請求項32に記載の製造方法。
【請求項35】
該粉末化されている合金形成元素が約5 mmをこえない粒子サイズを有するものであることを特徴とする請求項33に記載の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2008−528813(P2008−528813A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555126(P2007−555126)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/003340
【国際公開番号】WO2007/084144
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(501365022)マテリアルズ アンド エレクトロケミカル リサーチ コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】