説明

ヌクレオシドの位置的修飾によるオリゴヌクレオチドCpG誘導性免疫刺激の調節

【課題】免疫応答を調節する方法の提供。
【解決手段】CpG含有オリゴヌクレオチドの位置的修飾(positional modification)が、その免疫刺激能力影響を与える。特に、オリゴヌクレオチドの3’アルキル化またはアルコキシル化、あるいは、CpGジヌクレオチドの5’または3’側の特定の位置への、荷電していないヌクレオシド間結合(uncharged internucleoside linkage)の導入が、再現性があり、かつ予想できる形で、その免疫刺激効果を増強するかまたは低減する。
【効果】アンチセンス用途においては免疫刺激効果の減少を、ならびに、免疫治療用途においては免疫刺激効果の増大を、両方とも可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への参照
本出願は、2001年1月26日に提出された、出願番号第60/178,562号の米国仮出願に対する優先権を主張しており、この結果、その全内容は参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、アンチセンス法における、および、免疫刺激剤としての、オリゴヌクレオチドの治療的な使用に関する。
【背景技術】
【0003】
オリゴヌクレオチドは、PCRの診断的プローブ法から遺伝子発現のアンチセンス的な阻害に至る、多様な技術に使用されており、近代的な分子生物学において必要不可欠な道具となった。オリゴヌクレオチドのこの広範な使用は、オリゴヌクレオチド合成のための迅速、安価かつ効率的な方法に対する要求を増大させるに至った。
【0004】
アンチセンス用途および診断用途のためのオリゴヌクレオチドの合成は、現在、定法にしたがって達成することができる。例えば、Methods in Molecular Biology, Vol 20: Protocols for Oligonucleotides and Analogs pp. 165-189 (S. Agrawal, Ed., Humana Press, 1993); Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, pp. 87-108 (F. Eckstein, Ed., 1991); および Uhlmann and Peyman, supra. Agrawal and Iyer, Curr. Op. in Biotech. 6: 12 (1995); および Antisense Research and Applications (Crooke and Lebleu, Eds., CRC Press, Boca Raton, 1993)を参照。初期の合成アプローチは、ホスホジエステルおよびホスホトリエステル化学を含む。Khorana et al., J. Molec. Biol. 72: 209 (1972)は、オリゴヌクレオチド合成のためのホスホジエステル化学を開示している。Reese, Tetrahedron Lett. 34: 3143-3179 (1978)は、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの合成のためのホスホトリエステル化学を開示している。これらの初期のアプローチは、合成のためのより効率的なホスホルアミダイトおよびH−ホスホネートアプローチに、大きく道を譲った。Beaucage and Caruthers, Tetrahedron Lett. 22: 1859-1862 (1981)は、ポリヌクレオチドの合成におけるデオキシヌクレオシドホスホルアミダイトの使用を開示している。Agrawal and Zamecnik、米国特許第5,149,798号(1992)は、H−ホスホネートアプローチによる最適化されたオリゴヌクレオチドの合成を開示している。
【0005】
これら両方の近代的アプローチは、多様な修飾されたヌクレオチド間結合を有するオリゴヌクレオチドを合成するために使用された。Agrawal and Goodchild, Tetrahedron Lett. 28: 3539-3542 (1987)は、ホスホルアミダイト化学を使用したオリゴヌクレオチドメチルホスホネートの合成を教示している。Connolly et al., Biochemistry 23: 3443 (1984)は、ホスホルアミダイト化学を使用したオリゴヌクレオチドホスホロチオエートの合成を開示している。Jager et al., Biochemistry 27: 7237 (1988)は、ホスホルアミダイト化学を使用したオリゴヌクレオチドホスホルアミデートの合成を開示している。Agrawal et al., Proc. Antl. Acad. Sci. USA 85: 7079-7083 (1988)は、H−ホスホネート化学を使用したオリゴヌクレオチドホスホルアミデートおよびホスホロチオエートの合成を開示している。
【0006】
より最近になって、いくつかの研究者が、疾患の治療的処置に対するアンチセンスアプローチの有効性を証明した。Crooke, Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 8: vii-viiiは、ヒトサイトメガロウイルス誘導性網膜炎の処置のためのホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが販売承認を得たことを開示している。残念ながら、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの使用は、当初予想していたより複雑になった。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドにより惹起されたある種の効果は、予想したアンチセンスメカニズムでは説明できなかった。例えば、McIntyre et al., Antisense Res. Dev. 3: 309-322 (1993)は、「センス」ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが特異的な免疫刺激を起こすことを教示している。この副作用および他の副作用により、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの姿は複雑になった。
【0007】
一方、ホスホジエステルおよびホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが免疫刺激を誘導できるという観察は、この副作用を治療の道具として発展させることへの関心を創出した。これらの努力は、ジヌクレオチドCpGを含むホスホロチオエートオリゴヌクレオチドに集中した。Kuramoto et al., Jpn. J. Cancer Res. 83: 1128-1131 (1992)は、CpGジヌクレオチドを含むパリンドロームを含有するホスホジエステルオリゴヌクレオチドが、インターフェロンアルファおよびガンマの合成を誘導し、そして、ナチュラルキラー活性を増強できることを教示している。Krieg et al., Nature 371: 546-549 (1995)は、ホスホロチオエートCpG含有オリゴヌクレオチドが免疫刺激性であることを開示している。Liang et al., J. Clin. Invest. 98: 1119-1129 (1996)は、このようなオリゴヌクレオチドが、ヒトB細胞を活性化することを開示している。Moldoveanu et al., Vaccine 16: 1216-124 (1998)は、CpG含有ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが、インフルエンザウイルスに対する免疫応答を増強することを教示している。McCluskie and Davis, The Journal of Immunology 161: 4463-4466 (1998)は、CpG含有オリゴヌクレオチドが強力なアジュバントとして作用し、B型肝炎表面抗原に対する免疫応答を増強することを教示している。
【0008】
これらの報告は、CgG含有オリゴヌクレオチドによって惹起される免疫応答を調節できることに対する要求があることを明らかにしている。理想的には、このような調節は、アンチセンス用途において免疫刺激効果を減少させ、ならびに、免疫療法用途において免疫刺激効果を増大させることを含むべきである。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドにより惹起される免疫応答を調節する方法を提供する。本発明の方法は、アンチセンス用途においては免疫刺激効果の減少を、ならびに、免疫療法用途においては免疫刺激効果の増強を、両方とも可能にする。したがって、本発明はさらに、このようなオリゴヌクレオチドを作製および使用するための用途および方法のいずれにとっても最適なレベルの免疫刺激効果を有するオリゴヌクレオチドを提供する。
【0010】
当該発明者は、驚くべきことに、CpG含有オリゴヌクレオチドの位置的修飾(positional modification)が、その免疫刺激能力に劇的な影響を与えることを発見した。特に、オリゴヌクレオチドの3’アルキル化またはアルコキシル化、あるいは、CpGジヌクレオチドの5’または3’側の特定の位置への、荷電していないヌクレオシド間結合(uncharged internucleoside linkage)の導入が、再現性があり、かつ予想できる形で、その免疫刺激効果を増強するかまたは低減する。
【0011】
第1の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を低減する方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドの5’および/または3’側の近傍の位置に、3’置換ヌクレオシドを導入することを含む。好ましい態様において、この方法は、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間に2’−5’結合を創出することを含む。
【0012】
第2の側面において、本発明は、低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドの5’および/または3’側の近傍の位置に、3’置換ヌクレオシドを含むものを提供する。好ましい態様において、本発明のこの側面のCpG含有オリゴヌクレオチドは、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間の2’−5’結合を含む。
【0013】
第3の側面において、本発明は、哺乳類での遺伝子発現においてアンチセンス特異的な低減を得る方法を提供し、該方法は、哺乳類に低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドを投与することを含み、ここで、該オリゴヌクレオチドは、CpGジヌクレオチドの5’および/または3’側の近傍の位置に、3’置換ヌクレオシドを含む。好ましい態様において、本発明のこの側面に使用されるCpG含有オリゴヌクレオチドは、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間に2’−5’結合を含む。
【0014】
第4の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を低減する方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、荷電していないヌクレオシド間結合を導入することを含む。
第5の側面において、本発明は、低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、荷電していないヌクレオシド間結合を含むものを提供する。
【0015】
第6の側面において、本発明は、哺乳類においてアンチセンス特異的な遺伝子発現の低減を得る方法を提供し、該方法は、哺乳類に低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドを投与することを含み、ここで、該オリゴヌクレオチドは、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、荷電していないヌクレオシド間結合を含む。
第7の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を低減する方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を導入することを含む。
【0016】
第8の側面において、本発明は、低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を含むものを提供する。
第9の側面において、本発明は、哺乳類においてアンチセンス特異的な遺伝子発現の低減を得る方法を提供し、該方法は、哺乳類に低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドを投与することを含み、ここで、該オリゴヌクレオチドは、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を含む。
【0017】
第10の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を増大させる方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、3’置換ヌクレオシドを導入することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。好ましい態様において、この方法は、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間に2’−5’結合を創出することを含む。
【0018】
第11の側面において、本発明は、増大した免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、3’置換ヌクレオシドを含むものを提供する。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。好ましい態様において、本発明のこの側面のCpG含有オリゴヌクレオチドは、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間に2’−5’結合を含む。
【0019】
第12の側面において、本発明は、哺乳類に免疫応答を誘導する方法を提供し、該方法は、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に3’置換ヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドを、哺乳類に投与することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。好ましい態様において、本発明のこの側面に使用されるCpG含有オリゴヌクレオチドは、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間に2’−5’結合を含む。
【0020】
第13の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を増大させる方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、荷電されていないヌクレオシド間結合を導入することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。
【0021】
第14の側面において、本発明は、増大した免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、荷電されていないヌクレオシド間結合を含むものを提供する。
【0022】
第15の側面において、本発明は、哺乳類に免疫応答を誘導する方法を提供し、該方法は、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に荷電されていないヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを、哺乳類に投与することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。
【0023】
第16の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を増大させる方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を導入することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。
【0024】
第17の側面において、本発明は、増大した免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を含むものを提供する。
【0025】
第18の側面において、本発明は、哺乳類に免疫応答を誘導する方法を提供し、該方法は、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に2’−5’ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを、哺乳類に投与することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】オリゴヌクレオチドなし(C)、リポ多糖類(LPS)、または種々の無置換または2’もしくは3’置換オリゴヌクレオチドの存在下におけるマウス脾臓細胞の増殖アッセイの結果を示した図である。
【図2】オリゴヌクレオチドを投与されていないか、または、種々の無置換または2’もしくは3’置換オリゴヌクレオチドを投与したマウスにおける脾臓肥大を示した図である。
【図3】マウス脾臓細胞の増殖アッセイの結果、および、オリゴヌクレオチドを投与していないか(C)、または、種々の無置換またはメチルホスホネート置換オリゴヌクレオチドを投与したマウスにおける脾臓肥大を示した図である。下線を付したヌクレオシドは、3’位にメチルホスホネート結合を有する。
【0027】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、アンチセンス法における、および、免疫刺激剤としての、オリゴヌクレオチドの治療的な使用に関する。本明細書中に引用した特許および出版物は、当該分野における知識レベルを反映しており、参照によりその全体をこの明細書に組込む。本明細書中に引用した任意の参照の任意の教示と本明細書との間に対立がある場合、本発明の目的のためには、後者が優先されるべきである。
【0028】
本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドにより惹起される免疫応答を調節する方法を提供する。本発明の方法は、アンチセンス用途においては免疫刺激効果の減少を、ならびに、免疫療法用途においては免疫刺激効果の増強を、両方とも可能にする。したがって、本発明はさらに、このようなオリゴヌクレオチドを作製および使用するための用途および方法のいずれにとっても最適なレベルの免疫刺激効果を有するオリゴヌクレオチドを提供する。
【0029】
当該発明者は、驚くべきことに、CpG含有オリゴヌクレオチドの位置的修飾が、その免疫刺激能力に劇的な影響を与えることを発見した。特に、オリゴヌクレオチドの3’アルキル化またはアルコキシル化、あるいは、CpGジヌクレオチドの特定の5’または3’位への、荷電していないヌクレオシド間結合の導入が、再現性があり、かつ予想できる形で、その免疫刺激効果を増強するかまたは低減する。
【0030】
本発明の最初の9つの側面に使用する場合、「相補的」という用語は、ゲノム領域、遺伝子またはそのRNA転写物に、生理学的な条件下でハイブリダイズする能力を有することを意味する。このようなハイブリダイゼーションは、通常、相補鎖間の、好ましくはワトソン−クリック型またはフーグスティン型塩基対を形成する、塩基特異的水素結合の結果であるが、他の様式の水素結合、ならびに、塩基スタッキングもまた、ハイブリダイゼーションをもたらすことができる。実際的な問題として、このようなハイブリダイゼーションは、特異的な遺伝子発現の阻害の観察から推測することができる。
【0031】
本発明の最初の9つの側面に使用する場合、「アンチセンス活性」という用語は、オリゴヌクレオチドが、細胞または動物内に導入されたときに、それが相補的である遺伝子の発現の減少を惹起するものを意味する。
【0032】
第1の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を低減する方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドの5’および/または3’側の近傍の位置に、3’置換ヌクレオシドを導入することを含む。好ましい態様において、この方法は、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間に2’−5’結合を創出することを含む。
【0033】
本発明のこの側面の方法は、CpGジヌクレオチドの組込み直後のサイクルにおける合成過程に、適切な3’置換モノマーシントンを単に使用することにより、よく知られた任意の合成技術を用いて、都合よく行うことができる。好ましいモノマーは、ホスホルアミダイト、ホスホトリエステルおよびH−ホスホネートを含む。したがって、本発明の目的において、「オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、3’置換ヌクレオシドを導入すること」とは、単に、3’置換ヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドを、このような位置に合成することを意味する。3’置換ヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドの合成は、最近、Kumar and Takaku, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 9: 2515-2520 (1999)に記載された。
【0034】
第2の側面において、本発明は、低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドの5’および/または3’側の近傍の位置に、3’置換ヌクレオシドを含むものを提供する。好ましい態様において、本発明のこの側面のCpG含有オリゴヌクレオチドは、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間の2’−5’結合を含む。
【0035】
好ましくは、このようなオリゴヌクレオチドは、約12〜約50のヌクレオチド、最も好ましくは、約12〜約35のヌクレオチドを有するだろう。本発明のこの側面の好ましいオリゴヌクレオチドは、遺伝子または遺伝子転写物に相補的である。より好ましくは、このようなオリゴヌクレオチドはアンチセンス活性を有する。いくつかの好ましい態様では、オリゴヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチド中に存在する各CpGジヌクレオチドにつき1個のみの3’置換ヌクレオシドを有する。いくつかの好ましい態様では、オリゴヌクレオチドは、1個のみの3’置換ヌクレオシドを有する。
【0036】
第3の側面において、本発明は、哺乳類での遺伝子発現においてアンチセンス特異的な低減を得る方法を提供し、該方法は、哺乳類に低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドを投与することを含み、ここで、該オリゴヌクレオチドは、CpGジヌクレオチドの5’および/または3’側の近傍の位置に、3’置換ヌクレオシドを含む。好ましい態様において、本発明のこの側面に使用されるCpG含有オリゴヌクレオチドは、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間に2’−5’結合を含む。
【0037】
本発明のこの側面の方法では、好ましくは、オリゴヌクレオチドの投与は非経口投与、経口投与、舌下投与、経皮投与、局所投与、鼻内投与または直腸内投与であるべきである。治療組成物の投与は、公知の手順を使用し、疾患の症状または代用の指標を減少させるために効果的な用量および期間で行うことができる。全身的に投与する場合、治療組成物は、好ましくは、オリゴヌクレオチドの血液レベルが約0.01マイクロモーラー〜約10マイクロモーラーに達する十分な用量で投与される。局所的な投与においては、これより大幅に低い濃度が有効かも知れず、そして、大幅に高い濃度が耐容されるかもしれない。好ましくは、オリゴヌクレオチドの総用量は、患者1日当たりオリゴヌクレオチド約0.1mgから、1日体重1kg当たりオリゴヌクレオチド約200mgまでの範囲だろう。
【0038】
単一の処置エピソードとして、1つの個体に、治療的に有効な量の1種または2種以上の本発明の治療組成物を、同時にまたは順次投与することが望ましいかもしれない。好ましい態様においては、問題の組成物を投与した後、補体の活性化、有糸分裂誘起(mitogenesis)およびトロビン血餅形成の抑制(inhibition of thrombin clot formation)からなる群から選択される生物学的効果について1種または2種以上の測定が行なわれる。
本発明のこの側面の方法は、疾患または遺伝子発現の動物モデルに有用であり、そしてさらに、ヒトまたは動物の疾患の治療的処置に有用である。
【0039】
第4の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を低減する方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、荷電していないヌクレオシド間結合を導入することを含む。
【0040】
本発明の第4、第5および第6の側面に関しては、好ましい荷電していないヌクレオシド間結合は、ホスホルアミデート結合、カルバメート結合、ペプチド結合、アルキルホスホネート結合、特にメチルホスホネート結合を含むがこれに限定されず、そしてさらに、リン酸塩の架橋していない酸素原子が、ハロゲン(好ましくはCl、BrまたはF)、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を有する下級アルキル基、2〜6個の炭素原子を有するアリールまたはアリル基、および、アミノ基から選択される化学的部分に共有結合しているか、または、それにより置換されている結合を含み、ここで、このようなアルキル、アリールまたはアリル基は、無置換であってもよく、または、例えばハロゲノ基、水酸基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボアルコキシ(carbalkoxyl)基、またはアミノ基によって置換されていてもよい。
【0041】
本発明のこの側面の方法は、CpGジヌクレオチドの組込み直後のサイクルにおける合成過程に、適切なP置換モノマーシントンを単に使用することにより、よく知られた任意の合成技術を用いて、都合よく行うことができる。好ましいモノマーは、ホスファイト、ホスホトリエステルおよびH−ホスファイトを含む。したがって、本発明の目的において、「オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、荷電していないヌクレオシド間結合を導入すること」とは、単に、荷電していないヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドを、このような位置に合成すること、即ち、CpGのCの5’位が荷電されていない結合を形成することを意味する。荷電されていないヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドの合成は、当該分野によく知られている。
【0042】
第5の側面において、本発明は、低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、荷電されていないヌクレオシド間結合を含むものを提供する。好ましくは、このようなオリゴヌクレオチドは、約12〜約50のヌクレオチド、最も好ましくは、約12〜約35のヌクレオチドを有するだろう。本発明のこの側面の好ましいオリゴヌクレオチドは、遺伝子または遺伝子転写物に相補的である。より好ましくは、このようなオリゴヌクレオチドはアンチセンス活性を有する。いくつかの好ましい態様では、オリゴヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチド中に存在する各CpGジヌクレオチドにつき1個のみの荷電されていないヌクレオシド間結合を有する。いくつかの好ましい態様では、オリゴヌクレオチドは、1個のみの荷電されていないヌクレオシド間結合を有する。
【0043】
第6の側面において、本発明は、哺乳類においてアンチセンス特異的な遺伝子発現の低減を得る方法を提供し、該方法は、哺乳類に低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドを投与することを含み、ここで、該オリゴヌクレオチドは、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、荷電していないヌクレオシド間結合を含む。
【0044】
本発明のこの側面の方法では、好ましくは、オリゴヌクレオチドの投与は非経口投与、経口投与、舌下投与、経皮投与、局所投与、鼻内投与または直腸内投与であるべきである。治療組成物の投与は、公知の手順を使用し、疾患の症状または代用の指標を減少させるために効果的な用量および期間で行うことができる。全身的に投与する場合、治療組成物は、好ましくは、オリゴヌクレオチドの血液レベルが約0.01マイクロモーラー〜約10マイクロモーラーに達する十分な用量で投与される。局所的な投与においては、これより大幅に低い濃度が有効かも知れず、そして、大幅に高い濃度が耐容されるかもしれない。好ましくは、オリゴヌクレオチドの総用量は、患者1日当たりオリゴヌクレオチド約0.1mgから、1日体重1kg当たりオリゴヌクレオチド約200mgまでの範囲だろう。
【0045】
単一の処置エピソードとして、1つの個体に、治療的に有効な量の1種または2種以上の本発明の治療組成物を、同時にまたは順次投与することが望ましいかもしれない。好ましい態様においては、問題の組成物を投与した後、補体の活性化、有糸分裂誘起およびトロビン血餅形成の抑制からなる群から選択される生物学的効果について1種または2種以上の測定が行なわれる。
本発明のこの側面の方法は、疾患または遺伝子発現の動物モデルに有用であり、そしてさらに、ヒトまたは動物の疾患の治療的処置に有用である。
【0046】
第7の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を低減する方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を導入することを含む。
【0047】
本発明のこの側面の方法は、CpGジヌクレオチドの組込み直後のサイクルにおける合成過程に、適切な3’保護モノマーシントンを単に使用することにより、よく知られた任意の合成技術を用いて、都合よく行うことができる。好ましいモノマーは、ホスホルアミダイト、ホスホトリエステルおよびH−ホスホネートを含む。したがって、本発明の目的において、「オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を導入すること」とは、単に、荷電していないヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドを、このような位置に合成すること、即ち、CpGのCの5’位が2’−5’結合を形成することを意味する。2’−5’ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドの合成は、当該分野によく知られている。
【0048】
第8の側面において、本発明は、低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を含むものを提供する。好ましくは、このようなオリゴヌクレオチドは、約12〜約50のヌクレオチド、最も好ましくは、約12〜約35のヌクレオチドを有するだろう。本発明のこの側面の好ましいオリゴヌクレオチドは、遺伝子または遺伝子転写物に相補的である。より好ましくは、このようなオリゴヌクレオチドはアンチセンス活性を有する。いくつかの好ましい態様では、オリゴヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチド中に存在する各CpGジヌクレオチドにつき1個のみの2’−5’ヌクレオシド間結合を有する。いくつかの好ましい態様では、オリゴヌクレオチドは、1個のみの2’−5’ヌクレオシド間結合を有する。
【0049】
第9の側面において、本発明は、哺乳類においてアンチセンス特異的な遺伝子発現の低減を得る方法を提供し、該方法は、哺乳類に低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドを投与することを含み、ここで、該オリゴヌクレオチドは、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を含む。
【0050】
本発明のこの側面の方法では、好ましくは、オリゴヌクレオチドの投与は非経口投与、経口投与、舌下投与、経皮投与、局所投与、鼻内投与または直腸内投与であるべきである。治療組成物の投与は、公知の手順を使用し、疾患の症状または代用の指標を減少させるために効果的な用量および期間で行うことができる。全身的に投与する場合、治療組成物は、好ましくは、オリゴヌクレオチドの血液レベルが約0.01マイクロモーラー〜約10マイクロモーラーに達する十分な用量で投与される。局所的な投与においては、これより大幅に低い濃度が有効かも知れず、そして、大幅に高い濃度が耐容されるかもしれない。好ましくは、オリゴヌクレオチドの総用量は、患者1日当たりオリゴヌクレオチド約0.1mgから、1日体重1kg当たりオリゴヌクレオチド約200mgまでの範囲だろう。
【0051】
単一の処置エピソードとして、1つの個体に、治療的に有効な量の1種または2種以上の本発明の治療組成物を、同時にまたは順次投与することが望ましいかもしれない。好ましい態様においては、問題の組成物を投与した後、補体の活性化、有糸分裂誘起およびトロビン血餅形成の抑制からなる群から選択される生物学的効果について1種または2種以上の測定が行なわれる。
本発明のこの側面の方法は、疾患または遺伝子発現の動物モデルに有用であり、そしてさらに、ヒトまたは動物の疾患の治療的処置に有用である。
【0052】
第10の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を増大させる方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、3’置換ヌクレオシドを導入することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。好ましい態様において、この方法は、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間に2’−5’結合を創出することを含む。
【0053】
本発明の第10の側面に関しては、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、遺伝子または遺伝子転写物と正確に相補的であり、そして、それが正確に相補的な遺伝子または遺伝子転写物の発現を減少させることができるオリゴヌクレオチドである。
【0054】
本発明のこの側面の方法は、CpGジヌクレオチドの組込み直後のサイクルにおける合成過程に、適切な3’置換モノマーシントンを単に使用することにより、よく知られた任意の合成技術を用いて、都合よく行うことができる。好ましいモノマーは、ホスホルアミダイト、ホスホトリエステルおよびH−ホスホネートを含む。したがって、本発明の目的において、「オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、3’置換ヌクレオシドを導入すること」とは、単に、3’置換ヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドを、このような位置に合成することを意味する。
【0055】
第11の側面において、本発明は、増大した免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、3’置換ヌクレオシドを含むものを提供する。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。好ましい態様において、本発明のこの側面のCpG含有オリゴヌクレオチドは、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間に2’−5’結合を含む。
【0056】
本発明の第14の側面の好ましいオリゴヌクレオチドは、長さが約6〜約50ヌクレオチドであり、安定性、生物学的利用性、または、その他の臨床的に関係する特徴を改善するために、修飾されたヌクレオチド間結合または修飾された糖をさらに含んでもよい。
【0057】
第12の側面において、本発明は、哺乳類に免疫応答を誘導する方法を提供し、該方法は、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に3’置換ヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドを、哺乳類に投与することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。好ましい態様において、本発明のこの側面に使用されるCpG含有オリゴヌクレオチドは、3’置換ヌクレオシドの2’位と、3’置換ヌクレオシドであってもなくてもよいもう1つのヌクレオシドの5’位との間に2’−5’結合を含む。
【0058】
本発明のこの側面の方法では、好ましくは、オリゴヌクレオチドの投与は非経口投与、経口投与、舌下投与、経皮投与、局所投与、鼻内投与または直腸内投与であるべきである。治療組成物の投与は、公知の手順を使用し、疾患の症状または代用の指標を減少させるために効果的な用量および期間で行うことができる。全身的に投与する場合、治療組成物は、好ましくは、オリゴヌクレオチドの血液レベルが約0.01マイクロモーラー〜約10マイクロモーラーに達する十分な用量で投与される。局所的な投与においては、これより大幅に低い濃度が有効かも知れず、そして、大幅に高い濃度が耐容されるかもしれない。好ましくは、オリゴヌクレオチドの総用量は、患者1日当たりオリゴヌクレオチド約0.1mgから、1日体重1kg当たりオリゴヌクレオチド約200mgまでの範囲だろう。単一の処置エピソードとして、1つの個体に、治療的に有効な量の1種または2種以上の本発明の治療組成物を、同時にまたは順次投与することが望ましいかもしれない。好ましい態様においては、問題の組成物を投与した後、補体の活性化、有糸分裂誘起およびトロビン血餅形成の抑制からなる群から選択される生物学的効果について1種または2種以上の測定が行なわれる。
【0059】
ある好ましい態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、免疫応答の特異性または大きさを増大させるために、ワクチンおよび/またはアジュバントとの組合せにおいて投与される。オリゴヌクレオチドまたはワクチンか、あるいはその両方は、随意的に、キーホールリンペットヘモシアニン、コレラ毒素Bサブユニットなどの免疫原性タンパク質、または、任意のその他の免疫原生担体タンパク質と結合されていてもよい。フロイント完全アジュバントを含むがこれに限定されない、任意の多くのアジュバントを使用してもよい。この側面に関して、「との組合わせにおいて」とは、同一患者における同一疾患の処置の間において、を意味し、同時投与ならびに数日までの時間的に間隔をあけた順序を含む任意の順序で、オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはアジュバントを投与することを含む。
【0060】
このような組合せ処置はまた、オリゴヌクレオチド、およびワクチン/またはワクチン単独、およびアジュバント/またはアジュバント単独の1回より多い投与を含んでもよい。オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはアジュバントの投与は、同一のまたは異なる経路によってなされてもよい。
本発明のこの側面の方法は、免疫系のモデル研究に有用であり、そしてさらに、ヒトまたは動物の疾患の治療的処置に有用である。
【0061】
第13の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を増大させる方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、荷電されていないヌクレオシド間結合を導入することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。
【0062】
本発明の第13、第14および第15の側面に関しては、好ましい荷電していないヌクレオシド間結合は、ホスホルアミデート結合、カルバメート結合、ペプチド結合、アルキルホスホネート結合、特にメチルホスホネート結合を含むがこれに限定されず、そしてさらに、リン酸塩の架橋していない酸素原子が、ハロゲン(好ましくはCl、BrまたはF)、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を有する下級アルキル基、2〜6個の炭素原子を有するアリールまたはアリル基、および、アミノ基から選択される化学的部分に共有結合しているか、または、それにより置換されている結合を含み、ここで、このようなアルキル、アリールまたはアリル基は、無置換であってもよく、または、例えばハロゲノ基、水酸基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボアルコキシ基、またはアミノ基によって置換されていてもよい。
【0063】
本発明のこの側面の方法は、CpGジヌクレオチドの組込み直後のサイクルにおける合成過程に、適切なP置換モノマーシントンを単に使用することにより、よく知られた任意の合成技術を用いて、都合よく行うことができる。好ましいモノマーは、ホスファイト、ホスホトリエステルおよびH−ホスファイトを含む。したがって、本発明の目的において、「オリゴヌクレオチド中の位置に、荷電していないヌクレオシド間結合を導入すること」とは、単に、荷電していないヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドを、このような位置に合成すること、即ち、CpGのCから数えて、荷電していないヌクレオシド間結合が、そのヌクレオシドの3’結合であることを意味する。荷電されていないヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドの合成は、当該分野によく知られている。
【0064】
第14の側面において、本発明は、増大した免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、荷電されていないヌクレオシド間結合を含むものを提供する。
【0065】
本発明のこの側面の好ましいオリゴヌクレオチドは、遺伝子または遺伝子転写物に相補的である。より好ましくは、このようなオリゴヌクレオチドはアンチセンス活性を有する。いくつかの好ましい態様では、オリゴヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチド中に存在する各CpGジヌクレオチドにつき1個のみの荷電されていないヌクレオシド間結合を有する。いくつかの好ましい態様では、オリゴヌクレオチドは、1個のみの荷電されていないヌクレオシド間結合を有する。
本発明の第14の側面の好ましいオリゴヌクレオチドは、長さが約6〜約50ヌクレオチドであり、安定性、生物学的利用性、または、その他の臨床的に関係する特徴を改善するために、修飾されたヌクレオチド間結合または修飾された糖をさらに含んでもよい。
【0066】
第15の側面において、本発明は、哺乳類に免疫応答を誘導する方法を提供し、該方法は、哺乳類に、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、荷電されていないヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを投与することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。
【0067】
本発明のこの側面の方法では、好ましくは、オリゴヌクレオチドの投与は非経口投与、経口投与、舌下投与、経皮投与、局所投与、鼻内投与または直腸内投与であるべきである。治療組成物の投与は、公知の手順を使用し、疾患の症状または代用の指標を減少させるために効果的な用量および期間で行うことができる。全身的に投与する場合、治療組成物は、好ましくは、オリゴヌクレオチドの血液レベルが約0.01マイクロモーラー〜約10マイクロモーラーに達する十分な用量で投与される。局所的な投与においては、これより大幅に低い濃度が有効かも知れず、そして、大幅に高い濃度が耐容されるかもしれない。好ましくは、オリゴヌクレオチドの総用量は、患者1日当たりオリゴヌクレオチド約0.1mgから、1日体重1kg当たりオリゴヌクレオチド約200mgまでの範囲だろう。単一の処置エピソードとして、1つの個体に、治療的に有効な量の1種または2種以上の本発明の治療組成物を、同時にまたは順次投与することが望ましいかもしれない。好ましい態様においては、問題の組成物を投与した後、補体の活性化、有糸分裂誘起およびトロビン血餅形成の抑制からなる群から選択される生物学的効果について1種または2種以上の測定が行なわれる。
【0068】
ある好ましい態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、免疫応答の特異性または大きさを増大させるために、ワクチンおよび/またはアジュバントとの組合せにおいて投与される。オリゴヌクレオチドまたはワクチンか、あるいはその両方は、随意的に、キーホールリンペットヘモシアニン、コレラ毒素Bサブユニットなどの免疫原性タンパク質、または、任意のその他の免疫原生担体タンパク質と結合されていてもよい。フロイント完全アジュバントを含むがこれに限定されない、任意の多くのアジュバントを使用してもよい。この側面に関して、「との組合わせにおいて」とは、同一患者における同一疾患の処置の間において、を意味し、同時投与ならびに数日までの時間的に間隔をあけた順序を含む任意の順序で、オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはアジュバントを投与することを含む。このような組合せ処置はまた、オリゴヌクレオチド、およびワクチン/またはワクチン単独、およびアジュバント/またはアジュバント単独の1回より多い投与を含んでもよい。オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはアジュバントの投与は、同一のまたは異なる経路によってなされてもよい。
【0069】
第16の側面において、本発明は、CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を増大させる方法を提供する。本発明のこの側面の方法は、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を導入することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。
【0070】
本発明のこの側面の方法は、CpGジヌクレオチドの組込み直後のサイクルにおける合成過程に、適切な3’保護モノマーシントンを単に使用することにより、よく知られた任意の合成技術を用いて、都合よく行うことができる。好ましいモノマーは、ホスホルアミダイト、ホスホトリエステルおよびH−ホスホネートを含む。したがって、本発明の目的において、「オリゴヌクレオチド中の位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を導入すること」とは、単に、2’−5’ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドを、このような位置に合成すること、即ち、CpGのCから数えて、荷電していないヌクレオシド間結合が、そのヌクレオシドの3’結合であることを意味する。2’−5’ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドの合成は、当該分野によく知られている。
【0071】
第17の側面において、本発明は、増大した免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を含むものを提供する。
【0072】
本発明の第17の側面の好ましいオリゴヌクレオチドは、長さが約6〜約50ヌクレオチドであり、安定性、生物学的利用性、または、その他の臨床的に関係する特徴を改善するために、修飾されたヌクレオチド間結合または修飾された糖をさらに含んでもよい。
【0073】
第18の側面において、本発明は、哺乳類に免疫応答を誘導する方法を提供し、該方法は、哺乳類に、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に、2’−5’ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを投与することを含む。ある好ましい態様では、該オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。
【0074】
本発明のこの側面の方法では、好ましくは、オリゴヌクレオチドの投与は非経口投与、経口投与、舌下投与、経皮投与、局所投与、鼻内投与または直腸内投与であるべきである。治療組成物の投与は、公知の手順を使用し、疾患の症状または代用の指標を減少させるために効果的な用量および期間で行うことができる。全身的に投与する場合、治療組成物は、好ましくは、オリゴヌクレオチドの血液レベルが約0.01マイクロモーラー〜約10マイクロモーラーに達する十分な用量で投与される。局所的な投与においては、これより大幅に低い濃度が有効かも知れず、そして、大幅に高い濃度が耐容されるかもしれない。好ましくは、オリゴヌクレオチドの総用量は、患者1日当たりオリゴヌクレオチド約0.1mgから、1日体重1kg当たりオリゴヌクレオチド約200mgまでの範囲だろう。単一の処置エピソードとして、1つの個体に、治療的に有効な量の1種または2種以上の本発明の治療組成物を、同時にまたは順次投与することが望ましいかもしれない。好ましい態様においては、問題の組成物を投与した後、補体の活性化、有糸分裂誘起およびトロビン血餅形成の抑制からなる群から選択される生物学的効果について1種または2種以上の測定が行なわれる。
【0075】
ある好ましい態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、免疫応答の特異性または大きさを増大させるために、ワクチンおよび/またはアジュバントとの組合せにおいて投与される。オリゴヌクレオチドまたはワクチンか、あるいはその両方は、随意的に、キーホールリンペットヘモシアニン、コレラ毒素Bサブユニットなどの免疫原性タンパク質、または、任意のその他の免疫原生担体タンパク質と結合されていてもよい。フロイント完全アジュバントを含むがこれに限定されない、任意の多くのアジュバントを使用してもよい。この側面に関して、「との組合わせにおいて」とは、同一患者における同一疾患の処置の間において、を意味し、同時投与ならびに数日までの時間的に間隔をあけた順序を含む任意の順序で、オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはアジュバントを投与することを含む。このような組合せ処置はまた、オリゴヌクレオチド、およびワクチン/またはワクチン単独、およびアジュバント/またはアジュバント単独の1回より多い投与を含んでもよい。オリゴヌクレオチドおよび/またはワクチンおよび/またはアジュバントの投与は、同一のまたは異なる経路によってなされてもよい。
【0076】
本発明の全ての側面に関して、「オリゴヌクレオチド」という用語は、2個または3個以上のデオキシリボヌクレオチドのポリマー、または、2’−ハロ−ヌクレオシド、2’または3’置換、2’または3’−O−置換リボヌクレオシド、デアザヌクレオシドまたはそれらの任意の組合せを含む、任意の修飾されたヌクレオシドを含む。このようなモノマーは、公知の任意の多様なヌクレオシド間結合により互いに結合されていてもよい。ある好ましい態様においては、これらのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、ホスホロチオエートまたはホスホルアミデート結合、任意の前記のものの2’−5’結合、または、それらの組合せでもよい。オリゴヌクレオチドという用語はまた、化学的に修飾された塩基または糖を有し、および/または、親油基、挿入剤、ジアミンおよびアダマンタンを含むがこれらに限定されない追加の置換基を有するこのようなポリマーを包含する。
【0077】
オリゴヌクレオチドという用語はまた、PNA、LNAおよび、五炭糖でない(例えば六炭糖の)主鎖または主鎖部分を含むオリゴヌクレオチドを包含する。本発明に関して、「3’−O−置換」という用語は、五炭糖部分の3’位の、ハロゲン(好ましくはCl、BrまたはF)、または、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を含む−O−下級アルキル基、または、2〜6個の炭素原子を有する−O−アリールまたはアリル基(ここで、このようなアルキル、アリールまたはアリル基は、無置換であってもよく、または例えば、ハロゲノ基、水酸基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボアルコキシル基またはアミノ基によって置換されていてもよい)による置換を意味し、あるいは、このような3’置換は、水酸基(リボヌクレオシドを生成するための)、アミノ基またはハロゲノ基であってもよい。
【0078】
本発明の全ての側面に関して、「CpG」または「CpGジヌクレオチド」という用語は、ジヌクレオチド5’−シチジン−グアニジン−3’を意味し、ここでpはヌクレオチド間結合であり、そして、ジヌクレオチドの糖主鎖は、リボース、デオキシリボース、または3’置換リボース、またはそれらの組合せであってもよい。本発明の最初の3つの側面の好ましい態様において、pはホスホジエステル、ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホトリエステル、立体特異性(RpまたはSp)ホスホロチオエートまたはアルキルホスホネート、および、上記のものの任意の2’−5’共有結合から選択される。ホスホジエステルでない、ホスホロチオエートでない態様は、免疫刺激効果をさらに低減するだろう。本発明の最後の3つの側面の好ましい態様において、pはホスホジエステル、ホスホロチオエートおよびホスホルジチオエートから選択される。
【0079】
以下の例は本発明のある好ましい態様をさらに説明することを意図しており、本発明の範囲を限定することは意図していない。
【0080】
例1
部位特異的3’−O−メチルリボヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドの調製
オリゴヌクレオチドを、自動化DNA合成装置(Expedite 8909, PE Biosystems, MA)で固相(1μモルスケール)ホスホルアミダイト化学を用いて合成した。3’−O−メチルリボヌクレオシドホスホロチオエートのセグメントを、3’−O−メチル−2’−シアノエチルリボヌクレオシドホスホルアミダイト(ChemGenes, MA)を用いて、オリゴヌクレオチド内に組込んだ。オリゴヌクレオチドを、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−ジオキシドを用いて硫化した。オリゴヌクレオチドを予備逆相HPLCで精製し、CGE(PE Nelson Turbochrom softwareを介してデータを処理)およびMALDI−TOF質量分析(Bruker Profelx III質量分析計)で特徴化した。
【0081】
例2
in vitroでの免疫刺激効果の調節:3’置換
本研究においてオリゴヌクレオチドの免疫刺激活性を評価するために、我々は、例1に記載のとおりに、マウス脾臓細胞増殖アッセイを用いた。表1に示したオリゴをこれらの研究に使用した。
【表1】

【0082】
我々は、単一のCpGジヌクレオチドを含むPS−オリゴヌクレオチド(オリゴ1)、および、修飾されたヌクレオシドにより、1または2個のデオキシヌクレオシドの置換を特定部位で行なったオリゴ2〜5を使用した。
オリゴ2〜5における3’−O−メチルリボヌクレオシドによる置換は、同時に2’−5’ヌクレオシド間結合の組込みをもたらした。介在するヌクレオシドなしのCpGの5’置換(オリゴ2)は、免疫刺激活性を減少させた。驚くべきことに、介在するヌクレオシドなしのCpGの3’置換(オリゴ5)もまた、免疫刺激活性を減少させた。加えて、CpGの3’における3’−O−メチルリボヌクレオシド置換を伴うオリゴ3および4は、免疫刺激活性を増大させた(指数はそれぞれ4.6±0.43および5.7±0.87)。
【0083】
例3
in vivoでの免疫刺激効果の調節:メチルホスホネート置換
in vitroの結果のin vivoモデルでの適用性を試験するために、選択したオリゴヌクレオチドをマウスに投与し、免疫刺激活性のレベルの指標として脾腫の度合いを測定した。5mg/kgの単一用量をBalb/cマウス(雌、4〜6週齢、Harlan Spraque Dawley Inc)に腹腔内投与した。マウスを投与の72時間後に屠殺し、脾臓を採取し重量を測定した。陽性対照であるオリゴ1は、PBSのみを受けた陰性対照マウスに比べ、脾臓重量の74%の増加をもたらした。
【0084】
メチルホスホネートヌクレオチド間結合を含むオリゴヌクレオチドを図3に示す。オリゴヌクレオチドを、CpGジヌクレオチドから5’側に3または4ヌクレオチド、またはCpGジヌクレオチドから3’側に2または3ヌクレオチドにメチルホスホネート結合を有するように調製した。図3に示すとおり、全てのこれらのオリゴヌクレオチドは、マウス脾臓細胞増殖アッセイおよび脾臓肥大アッセイの両方で、オリゴ1よりもより免疫刺激的であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を低減する方法であって、該オリゴヌクレオチド中のCpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、3’置換ヌクレオシドを導入することを含む、前記方法。
【請求項2】
遺伝子または遺伝子転写物に相補的なオリゴヌクレオチドを作製するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス活性を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
オリゴヌクレオチド中に存在する各CpGジヌクレオチドにつき1個のみの3’置換ヌクレオシドがオリゴヌクレオチド中に導入されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
オリゴヌクレオチド中に1個のみの3’置換ヌクレオシドが導入されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドがCpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に、3’置換ヌクレオシドを含む、前記オリゴヌクレオチド。
【請求項7】
オリゴヌクレオチドが約12〜約50ヌクレオチドの長さである、請求項6に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
オリゴヌクレオチドが約17〜約35ヌクレオチドの長さである、請求項7に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
オリゴヌクレオチドが遺伝子または遺伝子転写物と相補的である、請求項6に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項10】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス活性を有する、請求項9に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項11】
オリゴヌクレオチドが、該オリゴヌクレオチドに存在する各CpGジヌクレオチドにつき1個のみの3’置換ヌクレオシドを有する、請求項6に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項12】
オリゴヌクレオチドが1個のみの3’置換ヌクレオシドを有する、請求項6に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項13】
哺乳類においてアンチセンス特異的な遺伝子発現の低減を得る方法であって、該方法が、低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドを哺乳類に投与することを含み、ここで、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に3’置換ヌクレオシドを含む、前記方法。
【請求項14】
オリゴヌクレオチドが、該オリゴヌクレオチドに存在する各CpGジヌクレオチドにつき1個のみの3’置換ヌクレオシドを有する、請求項13に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項15】
オリゴヌクレオチドが1個のみの3’置換ヌクレオシドを有する、請求項13に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項16】
CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を増大させる方法であって、該方法が、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に3’置換ヌクレオシドを導入することを含む、前記方法。
【請求項17】
オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドではない、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
増大した免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に3’置換ヌクレオシドを含む、前記オリゴヌクレオチド。
【請求項19】
オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドではない、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
オリゴヌクレオチドが約6〜約50ヌクレオチドの長さである、請求項18に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
オリゴヌクレオチドが、安定性を改善するために修飾されたヌクレオチド間結合または修飾された糖をさらに含む、請求項18に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
哺乳類に免疫応答を誘導する方法であって、該方法が、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に3’置換ヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドを、哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【請求項23】
オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドではない、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を増大させる方法であって、該方法が、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に荷電されていないヌクレオシド間結合を導入することを含む、前記方法。
【請求項25】
荷電されていないヌクレオシド間結合がアルキルホスホネートである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
アルキルホスホネートがメチルホスホネートである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドではない、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
増大した免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に荷電されていないヌクレオシド間結合を含む、前記オリゴヌクレオチド。
【請求項29】
荷電されていないヌクレオシド間結合がアルキルホスホネートである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
アルキルホスホネートがメチルホスホネートである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドではない、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
オリゴヌクレオチドが約6〜約50ヌクレオチドの長さである、請求項28に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項33】
オリゴヌクレオチドが、安定性を改善するために、修飾されたヌクレオチド間結合または修飾された糖をさらに含む、請求項28に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項34】
哺乳類に免疫応答を誘導する方法であって、該方法が、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に荷電されていないヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを、哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【請求項35】
荷電されていないヌクレオシド間結合がアルキルホスホネートである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
アルキルホスホネートがメチルホスホネートである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドではない、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を低減する方法であって、該方法が、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に2’−5’ヌクレオシド間結合を導入することを含む、前記方法。
【請求項39】
遺伝子または遺伝子転写物に相補的なオリゴヌクレオチドを作製するために使用される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス活性を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
オリゴヌクレオチドに存在する各CpGジヌクレオチドにつき1個のみの3’置換ヌクレオシドが、オリゴヌクレオチド中に導入されている、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
オリゴヌクレオチド中に1個のみの2’−5’ヌクレオシド間結合が導入されている、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドがCpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に2’−5’ヌクレオシド間結合を含む、前記オリゴヌクレオチド。
【請求項44】
オリゴヌクレオチドが約12〜約50ヌクレオチドの長さである、請求項43に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項45】
オリゴヌクレオチドが約17〜約35ヌクレオチドの長さである、請求項44に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項46】
オリゴヌクレオチドが遺伝子または遺伝子転写物と相補的である、請求項43に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項47】
オリゴヌクレオチドがアンチセンス活性を有する、請求項46に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項48】
オリゴヌクレオチドが、該オリゴヌクレオチドに存在する各CpGジヌクレオチドにつき1個のみの2’−5’ヌクレオシド間結合を有する、請求項43に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項49】
オリゴヌクレオチドが1個のみの3’置換ヌクレオシドを有する、請求項43に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項50】
哺乳類においてアンチセンス特異的な遺伝子発現の低減を得る方法であって、該方法が、低減された免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドを哺乳類に投与することを含み、ここで、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドの5’側の近傍の位置に2’−5’ヌクレオシド間結合を含む、前記方法。
【請求項51】
オリゴヌクレオチドが、該オリゴヌクレオチドに存在する各CpGジヌクレオチドにつき1個のみの2’−5’ヌクレオシド間結合を有する、請求項50に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項52】
オリゴヌクレオチドが1個のみの2’−5’ヌクレオシド間結合を有する、請求項50に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項53】
CpG含有オリゴヌクレオチドの免疫刺激効果を増大させる方法であって、該方法が、オリゴヌクレオチド中の、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に2’−5’ヌクレオシド間結合を導入することを含む、前記方法。
【請求項54】
2’−5’ヌクレオシド間結合がアルキルホスホネートである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
増大した免疫刺激効果を有するCpG含有オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に2’−5’ヌクレオシド間結合を含む、前記オリゴヌクレオチド。
【請求項56】
オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドではない、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
オリゴヌクレオチドが約6〜約50ヌクレオチドの長さである、請求項55に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項58】
オリゴヌクレオチドが、安定性を改善するために、修飾されたヌクレオチド間結合または修飾された糖をさらに含む、請求項55に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項59】
哺乳類に免疫応答を誘導する方法であって、該方法が、CpGジヌクレオチドに対して5’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して5’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側の2つのヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側3番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側5番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側6番目のヌクレオシド、CpGジヌクレオチドに対して3’側4番目のヌクレオシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置に2’−5’ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを、哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【請求項60】
オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドではない、請求項59に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−292829(P2009−292829A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180403(P2009−180403)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【分割の表示】特願2001−554399(P2001−554399)の分割
【原出願日】平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願人】(398032717)イデラ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】Idera Pharmaceuticals, Inc.
【Fターム(参考)】