説明

ヌクレオチド修飾微小管の合成方法および保存方法

【課題】ビオチン−アビジン結合に依存しない方法で、ヌクレオチド(DNAやRNA)を修飾した微小管を合成する方法と、それに伴う保存、再合成方法を提供する。
【解決手段】重合後に安定化させた微小管と、スクシイミドとマレイミドを有する化学架橋剤と、3'末端又は5'末端をチオール化したヌクレオチドとを反応させて、微小管−化学架橋剤−ヌクレオチドの複合体を合成する、ヌクレオチド修飾微小管の合成方法、該ヌクレオチド修飾微小管を脱重合させて得たヌクレオチド修飾チューブリンを急速凍結して保存する保存方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは微小管の合成に関し、特に、ビオチン−アビジン結合に依存しない方法でヌクレオチド(DNAやRNA)を修飾した微小管を合成する方法と、それに伴う保存、再合成の手法に関する。
【背景技術】
【0002】
真核細胞では、細胞骨格であるアクチンフィラメントや微小管が発達し、それらをレールとしてその上を細胞内小器官や輸送小胞などのカーゴ分子が、キネシンやダイニンなどのモータータンパク質によって輸送されている。そして、キネシンと微小管の相互作用に代表される分子輸送機構は、生体外においても再構築することができ、基板上に固定化したキネシン上で微小管を滑走運動させるgliding assayの系も広く知られている。
【0003】
この優れた生体機能を人工的な分子輸送系に工学応用する試みとして、滑走運動する微小管表面を生化学的に修飾することで機能化を図った例が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。この試みでは、滑走運動する微小管表面の一部をビオチン化し、表面をストレプトアビジン修飾したマイクロビーズ等のカーゴ分子とビオチン−アビジン結合させることによって、カーゴ分子を微小管に荷積みして輸送することに成功している。しかしながら、ビオチン−アビジン結合は、生物システムにおける相互作用では最も高いアフィニティを有するものの一つであることが広く知られており、一旦カーゴ分子を微小管に荷積みすると、荷降ろしすることは本質的に不可能であるという問題があった。
【0004】
これに対し、滑走運動する微小管表面の一部をビオチン化し、末端をストレプトアビジン修飾した一本鎖DNAとビオチン−アビジン結合させることによって、一本鎖DNAを修飾した微小管を作製し、相補となる塩基配列を有するDNAとのハイブリダイゼーションによって荷積みを行い、制限酵素の添加によるDNA切断によって荷降ろしを行う系が開示されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0005】
しかしながら、ビオチン化されたサイトのみにしか一本鎖DNAを結合させることができない上、アビジンやストレプトアビジンは分子量が大きい(60〜67kDa)分子であるため、微小管に対する一本鎖DNAの修飾割合(ラベル率)を自由に設定することができないという問題点がある。そのため、ある一定以上のラベル率では、微小管の滑走運動を妨げてしまう点も懸念される。
【非特許文献1】H. Hess, et al., "Light-controlled Molecular Shuttles Made from Motor Proteins Carrying Cargo on Engineered Surfaces," Nano Letters, vol.1, no.5, pp.235-239, 2001.
【特許文献1】特開2006−204241号公報
【特許文献2】特開2006−271323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者等は、本件特許出願に先立って、ビオチン−アビジン結合だけでなく、化学架橋剤の使用も視野に入れたDNA修飾微小管を作製し、ハイブリダイゼーションのみでカーゴ分子の選択的かつ自律的な荷積みと荷降ろし機構を実現する系を提案している(未公開の特願2005−307880)。しかし、この提案ではDNA修飾微小管の具体的な合成方法については触れられていない。
【0007】
そこで、本発明では、一般的に使用されるビオチン−アビジン結合に依存しない方法でヌクレオチドを修飾した微小管を合成する方法と、それに伴う保存、再合成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を実現するために、本発明では、(a)重合後、安定化させた微小管と、(b)スクシイミドおよびマレイミドを有する化学架橋剤と、(c)3'末端又は5'末端をチオール化したヌクレオチドと、を反応させて微小管−化学架橋剤−ヌクレオチド複合体を合成する。
【0009】
反応の一例として、まず、微小管のアミノ基に、前記化学架橋剤のスクシイミドを反応させて微小管−化学架橋剤の複合体を合成し、この複合体のマレイミドに、前記末端をチオール化したヌクレオチドを反応させることで、微小管−化学架橋剤−ヌクレオチドの複合体(ヌクレオチド修飾微小管)を合成する。
【0010】
前記化学架橋剤としては、MBS(m-Maleimidobenzoyl-N-hydroxysuccinimide ester)、Sulfo-MBS、SMPB(Succinimidyl 4-[p-maleimidophenyl]butyrate)、Sulfo-SMPB、GMBS(N-[γ-maleimidobutyryloxy]succinimide ester)、Sulfo-GMBS、EMCS(N-[ε-maleimidocaproyloxy]succinimide ester)、Sulfo-EMCSのいずれかを用いるのが望ましい。これらの化学架橋剤は、アビジンやストレプトアビジンと比べて分子量が2桁も小さく、280〜460Da程度なので、微小管に対する一本鎖DNAの修飾割合(ラベル率)の設定範囲が広がる。
【0011】
前記ヌクレオチドには、たとえば、一本鎖部分を有するデオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)を使用する。
【0012】
このように合成されたヌクレオチド修飾微小管を保存するには、ヌクレオチド修飾微小管溶液を冷却し、またはヌクレオチド修飾微小管溶液に脱重合剤を加えることで、ヌクレオチド修飾チューブリンを生成し、これを急速凍結した状態で保存する。
【0013】
保存されたヌクレオチド修飾微小管を再合成するには、急速凍結させたヌクレオチド修飾チューブリンの溶解液と、グアノシン三リン酸(GTP)と、マグネシウムイオンとを混合し、この混合溶液を温めることで、ヌクレオチド修飾チューブリンを再重合させて、ヌクレオチド修飾微小管を再合成する。
【0014】
良好な例として、前記混合溶液に、ヌクレオチドを修飾していない野生型チューブリンや、前記ヌクレオチド修飾チューブリンとは異なる塩基配列を有するヌクレオチドを修飾したチューブリンを添加して再重合させてもよい。
【0015】
また、ヌクレオチド修飾チューブリンを急速凍結する前に、ヌクレオチド修飾チューブリンの重合と、ヌクレオチド修飾微小管の脱重合とを複数回繰り返してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、一般的に使用されるビオチン−アビジン結合に依存しない方法で、ヌクレオチドを修飾した微小管を合成することができ、微小管に対するヌクレオチドのラベル率を自由に設定することが可能となる。
【0017】
また、合成したヌクレチド修飾微小管を保存し、再合成することができるので、高密度で多種類の一本鎖ヌクレオチドを修飾した微小管を再度合成することも可能となり、微小管のパターニングにおける配向性を高めることもできる。
【0018】
このようなヌクレオチド修飾微小管は、分子伝送・分子輸送における効率性や多機能性を高める。また、特定のDNAやRNAをセンシングする能力の高い遺伝子診断を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の良好な実施の形態を説明する。以下の実施例では、化学架橋剤としてSulfo-GMBSを用い、ヌクレオチドとして5'末端をチオール化した一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)を利用する。
【実施例1】
【0020】
本発明の一実施形態としてのヌクレオチド修飾微小管の合成方法は、以下のとおりである。
(微小管の調製)
ブタ脳などから抽出・精製したα-,β-チューブリン溶液(40〜60μM)に、1mM GTP、1mM MgSO4を加えて混合し、37℃で30分間インキュベートする。その後、80μM タキソールを加えて重合した微小管を安定化させ、室温にて静置する。
(微小管−化学架橋剤の複合体の合成)
上記手順にて調製した微小管溶液に、例えば脱水DMSO(dimethyl sulphoxide)にて濃度調整した2.5mM Sulfo-GMBS(22324、PIERCE社製)を加えて混合し、遮光した状態で室温にて30分間インキュベートする。この間、図1に示すように、微小管のアミノ基とSulfo-GMBSのスクシイミドが化学反応する。
【0021】
続いて、超遠心分離機によって、この混合溶液を遠心分離(30krpm、25℃、10分)し、そのペレット成分を緩衝溶液A(50mM PIPES-KOH pH7.0、4mM MgCl2、20μM タキソール)にてリンスした後、緩衝溶液Aにて懸濁する。これにより、微小管−化学架橋剤の複合体溶液が得られる。
(微小管−化学架橋剤−ヌクレオチドの複合体の合成)
上記手順にて調製した微小管−化学架橋剤の複合体溶液と、同程度の濃度の5'末端をチオール化した ssDNAとを混合し、遮光した状態で室温にて90分間インキュベートする。この間、図2に示すように、微小管にラベルされたSulfo-GMBSのマレイミドとssDNAのチオールが化学反応する。なお、ssDNAの鎖長や塩基配列は任意のものでよく、3'末端がチオール化されたものでもよい。また、チオール化されていない他方の末端には、TAMRAやFITCなどの蛍光色素を付けておくと、ヌクレオチドが微小管にラベルされた結果を、蛍光顕微鏡で視覚的に確認できるので便利である。チオールや蛍光色素で末端修飾したssDNAは、SIGMA社やOPERON社などの受託合成会社から容易に入手できるが、ジスルフィド結合を防ぐための保護基を付けた状態で納入されることが多く、本合成手順を踏む前に、各社が推奨する方法で保護基を外す必要がある。また、納入されたssDNA濃度が薄い場合には、凍結乾燥手順を経て濃縮することが必要となる。
【0022】
続いて、インキュベートした複合体溶液に、緩衝溶液Aにて濃度調整した50mM Tris-HCl pH 7.0を加え、緩衝溶液Aにて濃度調整した10mM βメルカプトエタノールを加え、遮光した状態で室温にて20分間インキュベートする。
【0023】
そして、超遠心分離機によって、この複合体溶液を遠心分離(30krpm、25℃、10分)し、そのペレット成分を緩衝溶液Aにてリンスした後、緩衝溶液Aにて懸濁する。これにより、微小管−化学架橋剤−ヌクレオチドの複合体溶液が得られる。
(合成したヌクレオチド修飾微小管の評価)
ヌクレオチドが微小管にラベルされた結果は、ヌクレオチドの一方の末端に、蛍光色素を標識していれば、蛍光顕微鏡観察を行うことによって視覚的に確認することができる。例えば、5'末端をチオール化し、3'末端を蛍光色素TAMRAにて標識した10塩基の一本鎖部分を有するssDNAを微小管にラベルした結果を、TAMRAの蛍光を通すフィルタ(WIG)を通じて蛍光顕微鏡観察すると、図3(a)に示すように、繊維状の微小管が確認できる。一方、TAMRAの蛍光を通さないフィルタ(NIBA)を通じて蛍光顕微鏡観察しても、図3(b)に示すように、何も映らない。これらのことから、ヌクレオチドが微小管にラベルされていることが視覚的に分かる。
【0024】
また、微小管やヌクレオチド、化学架橋剤に対する吸光度測定や、濃度測定等の実験結果から、微小管とヌクレオチドの濃度比率を算出し、微小管に対するヌクレオチドのラベル率を定量化することも可能である。上記の例では、ラベル率が0.61となり、チューブリンヘテロダイマー2分子につき、最低1本はヌクレオチドが結合されている計算となり、かなり高密度にヌクレオチドがラベルされていることが分かる。なお、ラベル率は、重合して安定化させた微小管に反応させるSulfo-GMBSやヌクレオチドの濃度を調整することで自由に設定することができる。
【0025】
そして、スライドガラス上にキネシンやダイニンなどのモータータンパク質を吸着させ、その上をヌクレオチド修飾した微小管を滑走運動させるgliding assayを行うことで、ヌクレオチド修飾微小管の滑走運動速度を評価することができる。
【0026】
図4は、ヌクレオチドをラベルしていない野生型の微小管(Wild type MTs)と、上記のように高密度にヌクレオチドをラベルした微小管(ssDNA-labeled MTs)のgliding assayを行った結果を示すグラフである。この測定では、モータータンパク質として、ラット由来のキネシン発現プラスミドを大腸菌にて発現・精製したリコンビナント型キネシンrk430を使用している。高密度にヌクレオチドをラベルした微小管(ssDNA-labeled MTs)の滑走運動速度は、ヌクレオチドをラベルしていない野生型の微小管(Wild type MTs)に比べて約半減してしまうものの、滑らかに滑走運動することが可能である。ヌクレオチドのラベル率を落とすと、微小管の滑走運動速度は、野生型の速度に近づく。
【0027】
なお、モータータンパク質をダイニン(例えばHFB380)に代えてもヌクレオチド修飾微小管を滑走運動させることは可能であり、キネシンの数倍の速度でヌクレオチド修飾微小管を滑走させることができる。この場合、高密度にヌクレオチドをラベルした微小管であっても、その滑走運動速度は、1.0μm/secをゆうに超える。
【実施例2】
【0028】
次に、合成したヌクレオチド修飾微小管の保存と再合成について説明する。
(ヌクレオチド修飾微小管の脱重合と保存)
上記手順にて調製した微小管−化学架橋剤−ヌクレオチドの複合体溶液を、超遠心分離機によって遠心分離し(30krpm、25℃、10分)、そのペレット成分を氷冷した緩衝溶液B(80mM PIPES-KOH pH 6.8、1mM MgCl2、1mM EGTA)で懸濁し、4℃で30分間インキュベートする。または、コルセミドなどの脱重合剤を加えることで、ヌクレオチド修飾微小管を脱重合させてもよい。
【0029】
続いて、超遠心分離機によって遠心分離し(80krpm、2℃、10分)、その上清成分を回収する。この際に、必要に応じて分注してもよい。回収溶液(ヌクレオチド修飾チューブリン)を液体窒素にて急速凍結させ、液体窒素庫にて保存する。なお、ヌクレオチド修飾チューブリンを急速凍結する前に、下記に示す手順にてヌクレオチド修飾チューブリンを重合させ、重合したヌクレオチド修飾微小管を脱重合させる手順を数回繰り返すことで、活性を有するヌクレオチド修飾チューブリンの純度を高めてから保存してもよい。
(ヌクレオチド修飾微小管の再合成)
上記手順で保存したヌクレオチド修飾チューブリン溶液を溶解し、緩衝溶液B、1mM GTP、1mM MgSO4を加えて混合し、37℃で30分間インキュベートする。この際に、必要に応じてグリセロールを追加して重合能を上げてもよい。また、ヌクレオチドを修飾していない野生型チューブリンを適度に配合すると、微小管に対するヌクレオチドのラベル率を自由に変更することができる。そして、ヌクレオチド修飾チューブリンとは異なる塩基配列を有するヌクレオチドを修飾したチューブリンも適度に配合すると、複数種類の塩基配列を有するヌクレオチドを修飾した微小管を合成することができる。
【0030】
その後、80μM タキソールを加えて重合した微小管を安定化させ、超遠心分離機によって遠心分離し(30krpm、25℃、10分)、そのペレット成分を緩衝溶液Aで懸濁する。これにより、ヌクレオチド修飾微小管を再合成した溶液が得られる。
【0031】
以上、特定の実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。たとえば、上記の実施例では、化学架橋剤としてSulfo-GMBSを使用する例を示したが、MBS(22311、PIERCE社製)、Sulfo-MBS(22312、PIERCE社製)、SMPB(22416、PIERCE社製)、Sulfo-SMPB(22317、PIERCE社製)、GMBS(22309、PIERCE社製)、EMCS(22308、PIERCE社製)、Sulfo-EMCS(22307、PIERCE社製)なども使用することができる。
【0032】
また、上記の実施例では、ヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用する例を示したが、リボ核酸(RNA)を使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】微小管−化学架橋剤の複合体の合成工程を示す図である。
【図2】微小管−化学架橋剤−ヌクレオチドの複合体の合成工程を示す図である。
【図3】TAMRAの蛍光を通すフィルタと、通さないフィルタを用いたときの蛍光顕微鏡観察写真である。
【図4】本発明の実施例によるDNA修飾微小管と、野生型の微小官とのgliding assay結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合後に安定化させた微小管と、スクシイミドおよびマレイミドを有する化学架橋剤と、3'末端又は5'末端をチオール化したヌクレオチドとを反応させて微小管−化学架橋剤−ヌクレオチド複合体を合成することを特徴とする、ヌクレオチド修飾微小管の合成方法。
【請求項2】
前記安定化させた微小管のアミノ基と、前記化学架橋剤のスクシイミドとを反応させて微小管−化学架橋剤の複合体を合成し、
前記微小管−化学架橋剤の複合体のマレイミドと前記ヌクレオチドを反応させて前記微小管−化学架橋剤−ヌクレオチド複合体を合成する
ことを特徴とする請求項1に記載のヌクレオチド修飾微小管の合成方法。
【請求項3】
前記化学架橋剤は、
MBS(m-Maleimidobenzoyl-N-hydroxysuccinimide ester)、Sulfo-MBS、
SMPB(Succinimidyl 4-[p-maleimidophenyl]butyrate)、Sulfo-SMPB、
GMBS(N-[γ-maleimidobutyryloxy]succinimide ester)、Sulfo-GMBS、
EMCS(N-[ε-maleimidocaproyloxy]succinimide ester)、Sulfo-EMCS、
から選択されることを特徴とする請求項1に記載のヌクレオチド修飾微小管の合成方法。
【請求項4】
前記ヌクレオチドは、一本鎖部分を有するデオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)であることを特徴とする請求項1に記載のヌクレオチド修飾微小管の合成方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の微小管−化学架橋剤−ヌクレオチド複合体の溶液を冷却、または前記複合体の溶液に脱重合剤を加えることによって、ヌクレオチド修飾微小管を脱重合させてヌクレオチド修飾チューブリンとし、
前記ヌクレオチド修飾チューブリンを急速凍結して保存する
ことを特徴とするヌクレオチド修飾微小管の保存方法。
【請求項6】
前記急速凍結を行う前に、前記ヌクレオチド修飾チューブリンの重合と、前記ヌクレオチド修飾微小管の脱重合とを複数回繰り返す、
工程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のヌクレオチド修飾微小管の保存方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の急速凍結されたヌクレオチド修飾チューブリンの溶解液に、グアノシン三リン酸(GTP)とマグネシウムイオンを混合して混合溶液とし、
前記混合溶液を加温して、前記ヌクレオチド修飾チューブリンを再重合させて前記ヌクレオチド修飾微小管を再合成する
ことを特徴とするヌクレオチド修飾微小管の再合成方法。
【請求項8】
前記混合溶液に、ヌクレオチドを修飾していない野生型チューブリンを添加する工程、
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のヌクレオチド修飾微小管の再合成方法。
【請求項9】
前記混合溶液に、前記急速凍結したヌクレオチド修飾チューブリンとは異なる塩基配列を有するヌクレオチドを修飾したチューブリンを添加する工程、
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のヌクレオチド修飾微小管の再合成方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−206480(P2008−206480A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47933(P2007−47933)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】