説明

ネットショッピングシステム及び方法

【課題】お店及びエンドユーザ双方の負担を軽減し、エンドユーザが商品を容易に購入できるネットショッピングを提供する。
【解決手段】ネットワークに接続可能な、携帯端末と、第1システムと、第2システムとを備えるシステムであって、
第1システムは、会員のメールアドレスを含む会員情報を管理し、
携帯端末は、商品コードを含むメールアドレスを内容とする二次元コードを読み取り、その内容である商品コードを含むメールアドレスを送信先メールアドレスとし、エンドユーザのメールアドレスを送信元メールアドレスとするメールを作成して送信し、
第2システムは、メールを受信し、受信したメールについて、送信先メールアドレスから商品コードを読み取り、読み取った商品コードで識別される商品を注文商品とし、送信元メールアドレスから第1システムを検索して会員を特定し、特定した会員を購入者とする、
ことを特徴とするネットショッピングシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットショッピングの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネットなどのコンピュータネットワークを利用してエンドユーザが商品を購入するネットショッピングとして、以下の(1)〜(4)が知られている。
【0003】
(1)エンドユーザ自身で注文内容を記載したメールを作成し、そのメールを送信することで、商品の注文処理を行う。
【0004】
(2)エンドユーザがEC(Electronic commerce:電子商取引)サイトに接続し、商品毎の注文フォームに必要事項を入力することで、商品の注文処理を行う。
【0005】
(3)エンドユーザが携帯端末で二次元コードを読み取り、読み取った商品のECサイト上の詳細ページに接続してから、ECサイト上で商品の注文処理を行う。
【0006】
(4)エンドユーザがECサイトに接続し、商品を選択することでショッピングカートに商品を登録し、注文フォームに必要事項を入力することで、商品の注文処理を行う。
【0007】
上記の(1)〜(4)の方法には、それぞれ以下のような問題点がある。
【0008】
まず、上記の(1)の方法では、エンドユーザ自身でメールの送信先、メール記載内容(宛先、商品の注文内容、購入者情報等)を作成する必要があったため、手間がかかる。また、お店側もエンドユーザのメール記載内容に統一性がないため、そこから注文内容を整理するのに、手間がかかる。
【0009】
次に、上記の(2)の方法では、エンドユーザが商品毎に注文フォームを入力する必要があるため、複数の商品を購入する際、何度も同様の処理を行う必要がある。また、お店側でも商品毎の注文フォームを用意する必要があるため、商品数が増える度に、注文フォームを設置する必要がある。
【0010】
次に、上記の(3)の方法では、エンドユーザが二次元コードを読み取っても、ECサイトへ誘致するだけで、商品購入は、ECサイト上で行う必要がある。
【0011】
最後に、上記の(4)の方法では、ショッピングカートを利用することにより、一種類の商品を購入するだけでも、いくつかのステップ(商品選択、カート表示、注文フォーム記入、入力内容確認、注文)を行う必要があり、手間がかかる。また、インターネットへの接続時間も長くなるため、常時接続環境で、通信速度もある程度確保しないと、快適に商品購入が行えない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は斯かる背景技術に鑑みてなされたもので、お店及びエンドユーザ双方の負担を軽減し、エンドユーザが商品を容易に購入できるネットショッピングを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明において上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、ネットワークに接続可能な、携帯端末と、第1システムと、第2システムとを備えるネットショッピングシステムであって、
第1システムは、会員のメールアドレスを含む会員情報を管理する手段を有し、
携帯端末は、商品コードを含むメールアドレスを内容とする二次元コードを読み取る手段と、読み取った二次元コードの内容である商品コードを含むメールアドレスを送信先メールアドレスとし、エンドユーザのメールアドレスを送信元メールアドレスとするメールを作成する手段と、メールを送信する手段とを有し、
第2システムは、メールを受信する手段と、受信したメールの送信先メールアドレスから商品コードを読み取り、読み取った商品コードで識別される商品を注文商品とする手段と、受信したメールの送信元メールアドレスから第1システムを検索して会員を特定し、特定した会員を購入者とする手段とを有する、
ことを特徴とするネットショッピングシステムとしたものである。
【0014】
また請求項2の発明では、ネットワークに接続可能な、携帯端末と、第1システムと、第2システムとを備えるネットショッピングシステムが行う方法であって、
第1システムが、会員のメールアドレスを含む会員情報を管理する工程と、
携帯端末が、商品コードを含むメールアドレスを内容とする二次元コードを読み取る工程と、
携帯端末が、読み取った二次元コードの内容である商品コードを含むメールアドレスを送信先メールアドレスとし、エンドユーザのメールアドレスを送信元メールアドレスとするメールを作成する工程と、
携帯端末が、メールを送信する工程と、
第2システムが、メールを受信する工程と、
第2システムが、受信したメールの送信先メールアドレスから商品コードを読み取り、読み取った商品コードで識別される商品を注文商品とする工程と、
第2システムが、受信したメールの送信元メールアドレスから第1システムを検索して会員を特定し、特定した会員を購入者とする工程と、
を含むことを特徴とするネットショッピング方法としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、携帯端末のネットワークへの接続はメール送信時だけで済み、その接続時間を大幅に減らすことが可能になるため、その携帯端末のネットワークへの接続通信負荷が小さくなり、接続料金を抑えることができるので、エンドユーザの負荷を軽減する。
【0016】
また本発明では、注文商品と、その購入者とが自動的に特定されるので、お店の負担も軽減する。
【0017】
また本発明では、商品に、その商品の商品コードを含むメールアドレスを内容とする二次元コードが印刷されていれば、その二次元コードを携帯端末で読み取ると、その商品を注文するメールが自動作成され、そのメールを送信するだけで、その商品を注文できるので、その商品をエンドユーザが容易に購入できる。
【0018】
また本発明では、商品カタログに、掲載商品の商品コードを含むメールアドレスを内容とする二次元コードが印刷されていたりすれば、その二次元コードを携帯端末で読み取ると、その掲載商品を注文するメールが自動作成され、そのメールを送信するだけで、その掲載商品を注文できるので、その掲載商品をエンドユーザが容易に購入できる。
【0019】
以上、本発明は、お店及びエンドユーザ双方の負担を軽減し、エンドユーザが商品を容
易に購入できるネットショッピングを提供するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の最良の一実施形態を説明する。
【0021】
1.構成
本実施形態では、図1に示すように、商品11には、この商品11の二次元コード12が印刷されている。また、図2に示すように、商品カタログ21には、各掲載商品22の二次元コード12が印刷されている。
【0022】
商品の二次元コードの内容は、この商品の商品コードを、@の前に含まれる文字列とし、商品注文メールを意味する特定のドメイン名を、@の後ろに含まれる文字列とするメールアドレスである。商品の二次元コードの内容例として、商品A1の二次元コードの内容であるメールアドレスを図3に示す。図3に示すメールアドレス「A060001@order.shop.com」において、「A060001」は、商品A1の商品コードであり、「order.shop.com」は、商品注文メールを意味する特定のドメイン名である。
【0023】
本実施形態に係るシステムは、図4に示すように、携帯端末と、第1システムと、第2システムとを備え、携帯端末は必要に応じて一時的にネットワークに接続され、第1システムと第2システムとは常時ネットワークに接続されるものである。
【0024】
ネットワークは、インターネットであっても良いし、専用回線であっても良い。
【0025】
第2システムは、送信先メールアドレスに従ってメールを振り分けるメールサーバとして動作するコンピュータシステムである。
【0026】
第1システムは、会員情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード等)を管理する機能を有するECサイトとして動作するコンピュータシステムである。第1システムに会員登録したエンドユーザのみ、商品の注文が行える。
【0027】
携帯端末は、二次元コードを読み取り可能な装置であって、エンドユーザが、第1システムに会員登録して、商品を注文するのに使用するものである。具体的には、例えば、携帯電話、PHS、PDA、ハンディターミナルなどを携帯端末として用いる。
【0028】
2.処理
ここで、エンドユーザが会員登録をして商品を購入するために行われる処理の流れの例を、以下のSTEP1〜10に従って説明する。
【0029】
STEP1;
エンドユーザは、商品購入のための事前作業として、携帯端末にて、第1システムに接続して、会員登録を行う。この会員登録は、会員情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード等)を第1システムに登録することにより行う。
【0030】
STEP2;
エンドユーザは、携帯端末にて、商品もしくは商品カタログに印刷されている二次元コードを読み取る。読み取る二次元コードの数は、複数であっても良い。
【0031】
STEP3;
携帯端末は、読み取った二次元コードの内容を画面に表示する。
【0032】
図5に、読み取った二次元コードの内容を表示する携帯端末の画面例を示す。図5の例では、携帯端末は、図2の商品カタログに掲載されている商品A1〜A3の二次元コードを読み取って、それぞれの二次元コード51〜53の内容を画面に表示している。
【0033】
STEP4;
エンドユーザは、携帯端末にて、この携帯端末の画面に表示されている二次元コードの内容の中から、注文しようと思う商品のものを選択する。
【0034】
STEP5;
携帯端末は、送信元メールアドレスに、エンドユーザのメールアドレスを自動挿入し、送信先メールアドレスに、選択された二次元コードの内容であるメールアドレスを自動挿入し、件名、本文、それぞれを空白のままにしたメールを新規に自動作成して、画面に表示する。
【0035】
図6に、図5の画面例で、商品A1の二次元コードの内容であるメールアドレス「A060001@order.shop.com」を選択した場合に、新規に自動作成されたメールを表示する画面の例を示す。図6の例では、送信元メールアドレス61に、エンドユーザのメールアドレスとして「user001@xxxxxx.ne.jp」が自動挿入され、送信先メールアドレス62に、図5の画面例で選択された「A060001@order.shop.com」が自動挿入され、件名63、本文64、それぞれが空白のままになっている。
【0036】
STEP6;
エンドユーザは、携帯端末にて、新規に自動作成されたメールの件名において、先頭から1文字目に支払方法コードを入力し、先頭から2文字目以降に購入数量を入力する。
【0037】
図7に支払方法コードの定義例を示す。図7の定義例では、Bは銀行振込であり、Dは代金引換郵便であり、Yは郵便振替であり、Sはコンビニ決済である。図8は、図6に示す新規に自動作成されたメールに、図7に示す定義例に従った支払方法コードと、購入数量とを入力したものを表示する携帯端末の画面例であって、件名63において、先頭から1文字目に支払方法が銀行振込であることを示す支払方法コード「B」が入力され、先頭から2文字目以降に購入数量が2個であることを示す「2」が入力されている。
【0038】
STEP7;
エンドユーザは、携帯端末にて、図8に示すような、送信元メールアドレス61に、エンドユーザのメールアドレスが自動挿入され、送信先メールアドレス62に、選択された二次元コードの内容であるメールアドレスが自動挿入され、件名63において、先頭から1文字目に支払方法コードが入力され、先頭から2文字目以降に購入数量が入力され、本文64が空白のままのメールを第2システムに送信する。
【0039】
STEP8;
第2システムは、メールを受信し、受信したメールの内容から、以下のような注文内容の解析を行う。
【0040】
すなわち、送信先メールアドレスの@の後ろに含まれる文字列から、商品注文メールを意味する特定のドメイン名を読み取ることにより、受信したメールが商品注文メールだと判断する。
【0041】
また、送信先メールアドレスの@の前に含まれる文字列から、商品コードを読み取るこ
とにより、読み取った商品コードで識別される商品が、注文商品であると判断する。
【0042】
また、件名の先頭から1文字目の文字列から、支払方法コードを読み取る。
【0043】
また、件名の先頭から2文字目以降の文字列から、購入数量を読み取る。
【0044】
また、送信元メールアドレスから第1システムの会員情報を検索して、購入者として、受信したメールを送信したエンドユーザを割り出す。
【0045】
STEP9;
第2システムは、受信したメールの送信元メールアドレス宛に、注文完了の自動応答メールを送信することで、商品の注文を完了させる。
【0046】
或いは、よりセキュリティを高めるために、第2システムは、受信したメールの送信元メールアドレス宛に、この受信したメールを送信したエンドユーザに注文内容の確認を促がす自動応答メールを送信し、このエンドユーザが注文内容を確認したという返信メールを、一定時間内に送信した場合のみ注文完了としても良い。
【0047】
STEP10;
第2システムは、注文があった商品を購入者宛に発送することを、お店の人に促がし、お店の人が、それを行う。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】二次元コードを印刷した商品例を示す図。
【図2】各商品の二次元コードを印刷した商品カタログ例を示す図。
【図3】商品の二次元コードの内容例を示す図。
【図4】本実施形態に係るシステムの構成例を示す図。
【図5】読み取った二次元コードの内容を表示する携帯端末の画面例を示す図。
【図6】新規に自動作成されたメールを表示する携帯端末の画面例を示す図。
【図7】支払方法コード定義例を示す図。
【図8】新規に自動作成されたメールに支払条件コードと購入数量とを入力したものを表示する携帯端末の画面例を示す図。
【符号の説明】
【0049】
11…商品
12…二次元コード
21…商品カタログ
22…掲載商品
23…写真
24…商品名
25…説明文
51…商品A1の二次元コードの内容
52…商品A2の二次元コードの内容
53…商品A3の二次元コードの内容
61…送信元メールアドレス
62…送信先メールアドレス
63…件名
64…本文

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続可能な、携帯端末と、第1システムと、第2システムとを備えるシステムであって、
第1システムは、会員のメールアドレスを含む会員情報を管理する手段を有し、
携帯端末は、商品コードを含むメールアドレスを内容とする二次元コードを読み取る手段と、読み取った二次元コードの内容である商品コードを含むメールアドレスを送信先メールアドレスとし、エンドユーザのメールアドレスを送信元メールアドレスとするメールを作成する手段と、メールを送信する手段とを有し、
第2システムは、メールを受信する手段と、受信したメールの送信先メールアドレスから商品コードを読み取り、読み取った商品コードで識別される商品を注文商品とする手段と、受信したメールの送信元メールアドレスから第1システムを検索して会員を特定し、特定した会員を購入者とする手段とを有する、
ことを特徴とするネットショッピングシステム。
【請求項2】
ネットワークに接続可能な、携帯端末と、第1システムと、第2システムとを備えるシステムが行う方法であって、
第1システムが、会員のメールアドレスを含む会員情報を管理する工程と、
携帯端末が、商品コードを含むメールアドレスを内容とする二次元コードを読み取る工程と、
携帯端末が、読み取った二次元コードの内容である商品コードを含むメールアドレスを送信先メールアドレスとし、エンドユーザのメールアドレスを送信元メールアドレスとするメールを作成する工程と、
携帯端末が、メールを送信する工程と、
第2システムが、メールを受信する工程と、
第2システムが、受信したメールの送信先メールアドレスから商品コードを読み取り、読み取った商品コードで識別される商品を注文商品とする工程と、
第2システムが、受信したメールの送信元メールアドレスから第1システムを検索して会員を特定し、特定した会員を購入者とする工程と、
を含むことを特徴とするネットショッピング方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate