説明

ネットワークシステム、管理計算機および帯域管理方法

【課題】パケットトランスポートネットワークにおいて、少ない計算量で、ボトルネックの生じないパス経路を決定する。
【解決手段】複数のデータ転送装置および管理計算機を備えるネットワークシステムであって、前記各データ転送装置は、複数の通信IFを備え、前記管理計算機は、前記各通信IFの種別情報、パスの種別と前記パスの帯域使用量と前記通信IFの種別と前記パスに割り当てられる帯域幅とを対応付ける変換情報、および、前記各通信IFの残帯域情報を保持し、前記変換情報に含まれる複数の帯域幅の一つを選択し、前記残帯域情報及び前記選択された帯域幅に基づいて、前記各通信IFが使用可能か否かを判定し、使用可能でない前記通信IFを経由しない経路候補を特定し、前記IF種別情報、前記変換情報および前記残帯域情報に基づいて、前記経路候補が経由する通信IFが導通可能か否かを判定し、導通可能な経路候補を前記新たなパスに割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークの監視制御装置およびプログラムに関し、特に、様々なサービスおよびプロトコルに同一インフラ上で対応可能なパケットトランスポートネットワークの帯域管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のネットワークはプロトコル毎に物理的なネットワークを構成する。
【0003】
昨今、多様なサービスを行う次世代ネットワークへの移行に向けて、多種のクライアントプロトコルを収容する伝送ネットワークが必要となっている。
【0004】
多種のクライアントプロトコルを収容する方式として、フレームまたはパケットにラベルと呼ばれる識別子を付加して転送する、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)とよばれる方式が注目を浴びている。
【0005】
上記MPLS方式、回線エミュレーション技術およびOAM(Operations,Administration,Maintenance)技術を組み合わせることで、ノード間に複数のインタフェース種別(SDH(Synchronous Digital Hierarchy),Ethernet(登録商標、以下同様)等)を搭載可能とし、また、同一ファイバ上に複数種類のパス(VC(Virtual Container)パス、イーサネットパス)が収容可能となるパケットトランスポートネットワークを実現できる。
【0006】
ネットワークを運用する場合、ネットワーク監視制御装置において開通可能なパスの経路を探索する機能が求められる。
【0007】
従来の経路計算方法としては、経路上のリンクのコストを合計して、合計値が最小である経路または最大である経路を選択する経路計算方法がある。
【0008】
このような経路計算方法の代表例としては、ダイクストラ(Dijkstra)のアルゴリズムが使用されている。
【0009】
この経路計算方法によれば、例えば、リンクの物理的帯域をリンクのコストとして表し、経路上のリンクのコストの合計値を最大にする経路または最小にする経路を計算することによって、パケット通信のトラフィックをより多く収容することのできる経路が計算される。
【0010】
この経路計算方法の場合、経路上のリンクのコストの合計値のみを考慮しているため、1つのリンクのコストが極端に小さいまたは大きい場合、当該リンクがボトルネックとなってトラフィックが滞るなどの問題が発生する。
【0011】
これに対し、経路上のリンクのコストの合計値のみを考慮するのではなく、経路上の各リンクのコストの大小にも着目することで、問題を解決するダイクストラの改良方法も検討されている(特許文献1)。
【0012】
また、リンクおよび転送パケット等の条件も考慮した他の経路計算方法としては、以下の方法が検討されている。
【0013】
すなわち、この方法は、ネットワーク上のノードの接続状態を管理し、これらの情報を参照して、始点ノードから終点ノードに至る経路について、ダイクストラ法と同様の方法で複数経路候補の計算を行う。そして算出された経路候補に対して、所定の条件を用いて、利用可能な経路であるかを判定するためのコストチェックを行うことで経路探索を行う。
【0014】
ここで、コストチェックとは、各リンクの残余容量、遅延時間、伝送距離などをチェックすることであり、残余容量については、ユーザ要求の通信容量にヘッダ分の通信容量を加えた通信容量を算出し、残余容量との比較をおこなうことで、条件を満たせるか否かを判定している(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2001−244974号公報
【特許文献2】特開2008−301225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
パケットトランスポートネットワークにおける経路探索では、従来のネットワークと異なり、ノード間のリンク種別およびパス種別を考慮した帯域使用量を計算する必要がある。
【0017】
以下に、パケットトランスポートネットワークの帯域使用量計算を行う際に考慮する課題を説明する。
【0018】
パケットトランスポートネットワークでは、適用領域(コア網、中継網、アクセス網)、ネットワークのトポロジ、および既存ネットワークの置き換えの有無等によって、パケットトランスポートノード間で必要となるNNI(Network Node Interface)のリンク帯域およびインタフェース種別(SDH、Ethernet等)が異なる。例えば、NNIのリンク種別として、10Gbpsイーサネット、40Gbpsイーサネット、STM(Synchronous Transport Module)−16、およびSTM−64等が混在して存在することとなる。
【0019】
また、ユーザには、イーサネットパス、VCパス(VC−3,VC−4,…)など、使用用途および使用条件に合わせて、様々な種類のパスを提供する必要がある。
【0020】
収容されるパス種別に応じて、リンク種別ごとの使用可能帯域は異なる。これはイーサネットパスのバースト発生およびロングパケットによる遅延発生がVCパスの伝送に悪影響を及ぼさないように制御する方法がリンク種別ごとに異なるためである。
【0021】
帯域保証を前提としたパス経路計算では、当該パスがそのリンク上を通過できるか否かを現在の使用帯域に基づいてチェックする必要があるが、リンク種別およびパス種別毎に、それぞれ計算式が異なるため、大規模ネットワークの場合、計算量も膨大となり、経路計算に時間がかかるという問題がある。
【0022】
例えば、経路を全て計算して、各経路においてリンクのコストの最小値または最大値を計算し、その値に基づいて各経路を比較および選択する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、全ての経路を計算する必要があるため、計算量は、従来のダイクストラの方法に比べて非常に大きくなる。
【0023】
あるいは、特許文献2に記載された方法によれば、最初に経路候補を計算した後、それぞれの経路について、利用可能であるか否かのチェックを行うため、上記の方法と同様に計算量は大きくなる。
【0024】
パケットトランスポートネットワークにおいて、既存の経路探索方法を用いながら上記の課題を考慮したパス経路探索を実現可能とし、且つ、経路探索の計算量を減少させることが、本発明が解決しようとする課題である。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の代表的な一例を示せば、次の通りである。すなわち、相互に接続され、それぞれがデータを転送する複数のデータ転送装置と、前記複数のデータ転送装置の少なくとも一つに接続された管理計算機と、を備えるネットワークシステムであって、前記各データ転送装置は、各々が他の前記データ転送装置に接続される複数の通信インタフェースと、前記複数の通信インタフェースに接続され、前記複数の通信インタフェース間で転送されるデータの転送方向を切り替えるスイッチと、を備え、前記管理計算機は、前記データ転送装置の少なくとも一つに接続されるインタフェースと、前記インタフェースに接続される演算装置と、前記演算装置に接続される記憶装置と、を備え、前記各通信インタフェースの種別を示すインタフェース種別情報、前記ネットワークに開通するパスの種別と前記パスの帯域使用量と前記各種別の通信インタフェースにおいて前記パスに割り当てられるべき帯域幅とを対応付ける変換情報、および、前記各通信インタフェースにおいて前記パスに割り当て可能な帯域幅のうち、まだいずれの前記パスにも割り当てられていない残帯域幅を示す残帯域情報を保持し、始点および終点の指定を含む新たなパスの開通指示を入力されると、前記変換情報に含まれる複数の帯域幅のうち一つを選択し、前記残帯域情報に含まれる前記各通信インタフェースの残帯域幅と、前記選択された帯域幅とを比較することによって、前記各通信インタフェースが使用可能か否かを判定し、使用不可と判定された前記通信インタフェースを経由せずに前記指定された始点から前記指定された終点までデータを転送するデータ転送経路候補を特定し、前記インタフェース種別情報に基づいて、前記特定されたデータ転送経路候補が経由する各通信インタフェースの種別を特定し、前記変換情報に基づいて、前記特定された各通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき帯域幅を特定し、前記残帯域情報に含まれる前記特定されたデータ転送経路候補が経由する各通信インタフェースの残帯域幅と、前記特定された各通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき帯域幅とを比較することによって、当該通信インタフェースが導通可能か否かを判定し、前記特定されたデータ転送経路候補が、導通不可と判定された前記通信インタフェースを経由しない場合、前記特定されたデータ転送経路候補を前記新たなパスに割り当てることを指示する情報を、前記管理計算機に接続された少なくとも一つの前記データ転送装置に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施形態によれば、全てのリンクの種別ごとの数値計算を行わずに標準的なアルゴリズムを利用して高速に経路探索を行い、ユーザに迅速に経路候補を提示することができる。
【0027】
また、様々な制約を持つネットワークの帯域管理も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態のMPLSシステムの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態のMPLSノードの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の管理マネージャのハードウェアブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の管理マネージャの機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の管理マネージャのデータベース部が保有する装置トポロジテーブルの説明図である。
【図6】本発明の実施形態の管理マネージャのデータベース部が保有する装置テーブルの説明図である。
【図7】本発明の実施形態の管理マネージャのデータベース部が保有するパステーブルの説明図である。
【図8】本発明の実施形態の管理マネージャのデータベース部が保有するヘッダ変換レートテーブルの説明図である。
【図9】本発明の実施形態の管理マネージャが表示するパス開通画面の説明図である。
【図10】本発明の実施形態の管理マネージャが実行するパス開通処理のフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態の管理マネージャが実行するパス経路探索処理のフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態の管理マネージャが実行するトポロジ演算処理のフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態の管理マネージャが実行する経路探索処理のフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態の管理マネージャが実行する導通チェック処理のフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態が適用されるネットワーク構成例の説明図である。
【図16】本発明の実施形態の管理マネージャが実行するパス経路探索処理、トポロジ演算処理、経路探索処理および導通チェック処理の具体例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の最良の形態について、図面を参照しながら説明する。最初に、図1を参照して、MPLSノードのシステム構成例を説明する。図1は、本発明の実施形態のMPLSシステムの構成を示す説明図である。以下の説明において、MPLS方式を実装したノードをMPLSノードと呼ぶ。
【0030】
図1において、4台のMPLSノード100#1〜100#4が、パケットトランスポートネットワークを構成している。ここで#1〜#4は、4台のMPLSノード100の各々を識別するために付された枝番である。以下、全てのMPLSノードについて説明する場合、および、いずれのMPLSノードにも共通する説明をする場合、枝番を用いずにMPLSノード100と記載する。各MPLSノード100は、ノード間網21によって相互に接続される。
【0031】
各MPLSノード100および管理マネージャ1は、主回線とは別の管理情報転送用ネットワーク20によって接続されたMPLSノード100#1および100#3をゲートウェイとして論理的に接続される。管理マネージャ1は管理情報転送用ネットワーク20を通じて、遠隔にて各MPLSノード100の監視制御を行う。
【0032】
各MPLSノード100におけるノード間網21への接続口は、”Side01”、”Side02”、”Side03”、”Side04”と定義される。本実施形態では、各接続口が各方路の通信インタフェース101に対応する(図2参照)。
【0033】
本実施形態において、各MPLSノード100が、ノード間網21の接続口を最大4つ備えるが、これは一例に過ぎない。本発明は、2つ以上の接続口を備えるMPLSノードを用いて実施することができ、接続口の数の上限は制限されない。
【0034】
図1にネットワークの例を示しているが、本発明の実施にあたり、物理的なネットワークトポロジの形式は制限されない。例えば、リング状のトポロジ、線形トポロジ、ツリー型のトポロジ、またはメッシュトポロジのいずれが採用された場合においても本発明は実施可能である。また、管理情報転送用ネットワーク20のトポロジに関しても同様である。
【0035】
次に、図2を参照して各MPLSノード100の構成を説明する。図2は、本発明の実施形態のMPLSノード100の構成を示すブロック図である。図2において、MPLSノード100は、4つの通信インタフェース101、スイッチ部103および監視制御部104から構成されるデータ転送装置である。
【0036】
最初にMPLSノード100におけるパケット転送を説明する。
【0037】
具体的には、MPLSノード100間で通信されるパケットの流れについて説明する。MPLSノード100の通信インタフェース101は、隣接するMPLSノード100から転送されたパケットをスイッチ部103に転送する。スイッチ部103は、パス経路情報(後述)に従ってスイッチ処理を行い、いずれかの通信インタフェース101にパケットを転送する。通信インタフェース101は、スイッチ部103から転送されたパケットを、ノード間網21を通じて、隣接するMPLSノード100に転送する。
【0038】
なお、「パス」および「経路」の定義については後述する。
【0039】
次に、外部ネットワーク25からMPLSノード100へのパケット転送の流れについて説明する。外部ネットワーク25から転送されたパケットは、通信インタフェース101からスイッチ部103に転送される。スイッチ部103は、パス経路情報に従ってスイッチ処理を行い、いずれかの通信インタフェース101にパケットを転送する。通信インタフェース101は、スイッチ部103から転送されたパケットを、ノード間網21を通じて、隣接するMPLSノード100に転送する。
【0040】
次に、MPLSノード100から外部ネットワーク25へのパケット転送の流れについて説明する。MPLSノード100の通信インタフェース101は、隣接するMPLSノード100から転送されたパケットをスイッチ部103に転送する。スイッチ部103は、パス経路情報に従ってスイッチ処理を行い、いずれかの通信インタフェース101にパケットを転送する。通信インタフェース101は、スイッチ部103から転送されたパケットを、外部ネットワーク25に転送する。
【0041】
次に各部の詳細について説明する。
【0042】
各通信インタフェース1010は、ノード間網21、又は、パケットトランスポートネットワーク外のケーブルと接続される。
【0043】
ノード間網21と接続された通信インタフェース101は、ノード間網21を介して隣接したMPLSノード100とのパケットの送受信を行う。具体的には、通信インタフェース101は、隣接したMPLSノード100から受信したパケットを適正な信号に変換し、スイッチ部103に転送し、逆にスイッチ部103から受信したパケットを適正な信号に変換し、隣接したMPLSノード100に転送する。
【0044】
パケットトランスポートネットワーク外のケーブルと接続された通信インタフェース101は、パケットトランスポートネットワーク外のノードとのパケットの送受信を行う。この通信インタフェース101は、パケットトランスポートネットワーク外のノードから受信したパケットを適正な信号に変換し、スイッチ部103に転送する。逆にスイッチ部103から受信したパケットを適正な信号に変換し、パケットトランスポートネットワーク外のノードに転送する。
【0045】
図2において方路Side01およびSide03の通信インタフェース101は、外部ネットワーク25との接続に使用され、方路Side02およびSide04の通信インタフェース101は、隣接ノードとの接続に使用されているが、本発明の実施において各通信インタフェース101の接続先の種別は方路によって固定されず、自由に決定することができる。例えばSide01の通信インタフェース101を用いて、隣接ノードとの接続を行うことも可能である。ただし、そのためには、Side01の通信インタフェース101として、隣接ノードとの接続に適合した種別のものを実装する必要がある。
【0046】
隣接ノードと接続される通信インタフェース101は、複数のインタフェース種別を持ち、それぞれ、使用可能帯域が異なる。ここで、隣接ノードと接続される通信インタフェース101をNNI(Network Node Interface)と呼ぶ。外部ネットワーク25と接続される通信インタフェース101は、パス種別に対応した複数のインタフェース種別を持つ。ここで、外部ネットワーク25と接続される通信インタフェース101をUNI(User Network Interface)と呼ぶ。本実施形態に示すパケットトランスポートネットワークの特徴点は、NNIのリンク種別(すなわち通信インタフェース種別)およびパス種別に対応したUNIが複数種類混在する条件において、パス種別によらず、任意のNNIを経由して伝送可能であるという点である。そのため、NNIのリンク種別とパス種別に対応したUNIの組み合わせ毎に異なるヘッダ使用帯域を考慮する必要があり、このことが本発明の解決しようとする課題点に対応する。本発明は、各通信インタフェース101の種別が追加される場合にも、実施可能である。
【0047】
スイッチ部103は、受信したパケットに付与されているラベル及び入力ポートを参照し、MPLSノード100に設定されているパス経路情報に従って、通信インタフェース101へのパケット転送を行う。MPLSノード100およびスイッチ部103へのパス設定方法については、パス管理部48が行う処理として後述する。
【0048】
監視制御部104は、通信インタフェース101またはスイッチ部103において検出された警報およびイベント通知を収集し、その結果を管理マネージャ1へ通知する。また、監視制御部104は、管理マネージャ1からの制御に従ってスイッチ部103に対するパス経路情報の設定を行う。
【0049】
なお、図1のMPLSノード100#1およびMPLSノード100#3の監視制御部104は、管理情報転送用ネットワーク20を介して管理マネージャ1に接続されている。このため、これらのMPLSノード100の監視制御部104は、管理情報転送用ネットワーク20を介して管理マネージャ1と通信する。一方、図1のMPLSノード100#2およびMPLSノード100#4の監視制御部104は、ノード間網21、MPLSノード100#1またはMPLSノード100#3、および、管理情報転送用ネットワーク20を介して、管理マネージャ1と通信する。
【0050】
ここで、「パス」および「経路」の定義について説明する。本実施形態の「パス」は、ユーザに所望のサービスを提供するために設定されるパケットの通信路であり、その通信路の始点および終点(言い換えるとパケットトランスポートネットワークの入口および出口)に相当する二つのUNIのポートによって定義される。一方、本実施形態の「経路」は、パケットトランスポートネットワーク上で通信されるパケットが実際に経由するデータ転送経路であり、パケットが経由するMPLSノード100(より正確には、パケットが経由するNNI)によって定義される。一つのパスに割り当て可能な経路が複数存在する場合があり、その場合、それらのいずれか一つがパスに割り当てられる。本実施形態において「パス経路」とは、パスに割り当てられた経路を意味する。
【0051】
例えば、図1に示すネットワークにおいて、MPLSノード100#1の接続口“Side01”に接続されたユーザ端末(図示省略)が、MPLSノード100#4の接続口“Side03”に接続されたサーバ(図示省略)からサービスを受けようとする場合、それらの接続口の間でパケットを通信するパスが設定される。この場合、設定されたパスに割り当て可能な経路は二つ存在する。第1の経路は、MPLSノード100#1の接続口“Side03”およびMPLSノード100#4の接続口“Side01”を経由する。第2の経路は、MPLSノード100#1の接続口“Side04”、MPLSノード100#2の接続口“Side02”、MPLSノード100#2の接続口“Side03”、MPLSノード100#3の接続口“Side01”、MPLSノード100#3の接続口“Side02”およびMPLSノード100#4の接続口“Side04”を経由する。これらのうち一方が、設定されたパスに割り当てられ、ユーザ端末とサーバとの間のパケットの通信に使用される。
【0052】
なお、本実施形態の説明において、ノード間網21は、MPLSノード間接続またはリンクとも記載される。図1において、隣接するMPLSノード100間を接続する太い4本の実線が、それぞれ、リンクに相当する。また、以下の説明において、リンクの種別はその両端のNNIの種別と同義であり(図6参照等)、リンクの残帯域幅はその両端のNNIの残帯域幅と同義であり(図6等参照)、リンクが使用可能であることはその両端のNNIが使用可能であることと同義であり(図12等参照)、リンクが導通可能であることはその両端のNNIが導通可能であることと同義である(図14等参照)。
【0053】
次に、管理マネージャ1について説明する。管理マネージャ1は、PC(PERSONAL COMPUTER)またはWS(WORKSTATION)等の一般的な情報処理装置であり、パス22を管理するためのソフトウェアがインストールされ、ユーザによって起動される。
【0054】
図3を参照して、管理マネージャ1のハードウェア構成を説明する。ここで、図3は、本発明の実施形態の管理マネージャ1のハードウェアブロック図である。図3において、管理マネージャ1は、内部伝送路37で相互接続された中央演算処理装置(CPU)30、主記憶装置(メインメモリ)31、ネットワークカード(NIC:Network Interface Card)32、入出力部34、補助記憶装置33、入出力部34に接続された入力部35、および出力部36から構成される。
【0055】
図4を参照して、管理マネージャ1の構成を説明する。ここで、図4は、本発明の実施形態の管理マネージャ1の機能ブロック図である。図3と図4との対比から明らかなように、演算部42の機能45〜51は、主記憶装置31上のプログラムをCPU30が実行することによって実現される。
【0056】
図4において、管理マネージャ1は入力部40および出力部41を用いてユーザによって操作される。演算部42は、MPLSノード100の監視制御に必要な演算を行い、必要な情報をデータベース部43に保持する。演算部42は、MPLSノード100に命令を実行する際に、通信処理部44に通信命令を送信することによって、管理マネージャ1とMPLSノード100との間の通信を実現する。演算部42は、画面表示部45、使用帯域管理部46、パス経路探索演算部47およびパス管理部48によって構成される。
【0057】
画面表示部45は、ユーザがパス開通時に操作するパス開通画面G00(図9)を表示するものである。パス開通画面G00の詳細については図9を用いて後述する。
【0058】
使用帯域管理部46は、パス開通実行後にデータベース部43にMPLSノード100間で接続されるNNIの使用帯域を管理する。
【0059】
パス経路探索演算部47は、パス開通時に入力されたパス種別G02、パス帯域G03、始点ポートG04および終点ポートG05の値を用いて、開通可能なパス経路を探索する。
【0060】
パス経路探索演算部47は、トポロジ演算部49、経路探索処理部50および導通チェック処理部51によって構成される。
【0061】
パス管理部48は、パス経路探索演算部47による演算の結果に基づいて、パス経路に対応したラベルスイッチング情報(すなわち、入力IF情報、入力ラベル情報、出力インタフェース情報および出力ラベルからなるクロスコネクト情報)を生成し、通信処理部44を経由して、各MPLSノード100に対してラベルスイッチング情報を付加したパス開通命令を送信する。また、パス管理部48は、パス開通実行後にその新規開通したパスの情報をデータベース部43に更新する。
【0062】
トポロジ演算部49、経路探索処理部50および導通チェック処理部51は、それぞれトポロジ演算C00(図12)、経路探索処理D00(図13)および導通チェック処理E00(図14)を担当するもので、それぞれの処理については図12〜図14を用いて後述する。
【0063】
図5〜図8は管理マネージャ1のデータベース部43が保有するテーブルを示している。これらの図面を参照して、各テーブルの詳細を説明する。
【0064】
図5は、本発明の実施形態の管理マネージャ1のデータベース部43が保有する装置トポロジテーブルT00の説明図である。
【0065】
各MPLSノード100にて、通信インタフェース101の実装、装置内ケーブルの接続およびMPLSノード間網の接続等のハードウェア接続がおこなわれた後、ユーザは管理マネージャ1に対して、MPLSノード100の情報を装置トポロジテーブルT00として登録する。図5において、装置トポロジテーブルT00は、ノード名T01、IPアドレスT02、Side01側の接続先T03、Side02側の接続先T04、Side03側の接続先T05、Side04側の接続先T06を含む。
【0066】
装置トポロジテーブルT00の1行は一つのMPLSノード100に関する情報を含み、パケットトランスポートネットワークを構成するMPLSノード100の数に応じて行が増減する。
【0067】
ノード名T01は、各MPLSノード100を識別する情報である。例えば、図1に示すMPLSノード100#1〜#4に付された「A」〜「D」等がノード名T01として登録される。
【0068】
IPアドレスT02は、各MPLSノード100のIP(Internet Protocol)アドレスである。
【0069】
Side01側の接続先T03〜Side04側の接続先T06は、各接続口の接続先を示す情報、具体的には、各方路に対応する通信インタフェース101にノード間網21または外部ネットワーク25を介して接続された隣接ノードを識別する情報である。
【0070】
例えば、ノード名T01の値「A」に対応するSide01側の接続先T03として「外部」が登録されている。これは、MPLSノード100#1の方路Side01に対応する通信インタフェース101に外部ネットワーク25を介してパケットトランスポートネットワーク外のノードと接続されていることを示す。
【0071】
一方、ノード名T01の値「A」に対応するSide04側の接続先T06として「B」が登録され、ノード名T01の値「B」に対応するSide02側の接続先T04として「A」が登録されている。これらは、MPLSノード100#1の方路Side04に対応する通信インタフェース101と、MPLSノード100#2の方路Side02に対応する通信インタフェース101とが、ノード間網21を介して接続されていること、すなわち、MPLSノード100#1とMPLSノード100#2とが隣接ノードであることを示す。
【0072】
このように、装置トポロジテーブルT00に基づいてMPLSノード100の接続関係が特定される。
【0073】
図6は、本発明の実施形態の管理マネージャ1のデータベース部43が保有する装置テーブルT10の説明図である。
【0074】
ユーザは、管理マネージャ1に対してノード毎の通信インタフェース101の登録を行う際に、方路Side01、Side02、Side03およびSide04と、通信インタフェース101とを対応付ける情報を装置テーブルT10に追加する。また、管理マネージャ1は、パス開通処理後、装置テーブルT10の通信インタフェース101の帯域使用量を更新する。図6において、装置テーブルT10は、ノード名T11、方路T12、ポートT13、インタフェース種別T14、NNI使用帯域T15およびNNI使用可能上限値T16を含む。
【0075】
ノード名T11は、各MPLSノード100を識別する情報であり、装置トポロジテーブルT00のノード名T01に対応する。
【0076】
方路T12は、各MPLSノード100の通信インタフェース101の方路を示し、例えば図2に示すSide01〜Side04等が登録される。
【0077】
ポートT13は、ユーザに提供されるUNIのポート番号を識別する情報である。
【0078】
インタフェース種別T14は、各方路に対応する通信インタフェース101の種別を示す。具体的には、インタフェース種別T14として、各通信インタフェース101がUNIまたはNNIのいずれであるかを示す情報、および、それぞれの場合のインタフェースの種別(例えばSDHまたはイーサネット等)を示す情報等が登録される。
【0079】
NNI使用帯域T15は、各NNIにおいて既に割り当てられている帯域幅を示す。
【0080】
NNI使用可能上限値T16は、各NNIにおいて割り当て可能な帯域幅の上限値を示す。すなわち、各NNIにおいて、パスに割り当てられた帯域幅の合計値がNNI使用可能上限値T16の値を超えると、そのNNIにおいてボトルネックが発生する。図6には、NNIごとに帯域幅の上限値が登録される例を示すが、通常はNNIの種別によって帯域幅の上限値が定まるため、NNI使用可能上限値T16の代わりに、NNIの種別と帯域幅の上限値とを対応付ける情報がデータベース部43に保有されてもよい。
【0081】
なお、後述するように、NNI使用帯域T15およびNNI使用可能上限値T16は、新たなパスを開通するときに、そのパスに割り当てる経路を決定するために参照される。より詳細には、その経路に割り当てられるだけの帯域幅がNNIに残っているか否かが、NNI使用帯域T15およびNNI使用可能上限値T16に基づいて判定される。すなわち、NNI使用帯域T15およびNNI使用可能上限値T16は、NNI残帯域幅(すなわち上限値から既に割り当てられている帯域幅を減算した値)と等価な情報である。このため、NNI使用帯域T15およびNNI使用可能上限値T16の代わりに、NNI残帯域幅そのものを示す値が保持されてもよい。
【0082】
図7は、本発明の実施形態の管理マネージャ1のデータベース部43が保有するパステーブルT20の説明図である。
【0083】
管理マネージャ1は、パス開通を行う際に、パス情報をパステーブルT20に追加する。図7において、パステーブルT20は、パス名T21、パス経路T22、始点ポートT23、終点ポートT24、パス種別T25およびパス帯域T26を含む。
【0084】
パス名T21は、開通したパスを識別する情報である。
【0085】
パス経路T22は、開通したパスに割り当てられた経路を示す。具体的には、パス経路T22として、パス経路が経由するMPLSノードを識別する情報が登録される。
【0086】
始点ポートT23および終点ポートT24は、それぞれ、開通したパスの始点および終点を示す。
【0087】
パス種別T25は、開通したパスの種別(例えばイーサネット、VC−3またはVC−4等)を示す。
【0088】
パス帯域T26は、開通したパスが使用する帯域幅を示す。
【0089】
例えば、図7において、パス名T21の値「パス1」に対応するパス経路T22、始点ポートT23、終点ポートT24、パス種別T25およびパス帯域T26として、それぞれ「C→D」、「C−IF01」、「D−IF01」、「Ether」および「100」が登録されている。これは、「パス1」によって識別されるパスが、MPLSノード100#3の方路Side03に相当する通信インタフェース101のポートC−IF01と、MPLSノード100#4の方路Side02に相当する通信インタフェース101のポートD−IF01との間に開通したこと、このパスに、MPLSノード100#3とMPLSノード100#4とを接続するリンクを経由する経路(すなわちそのリンクの両端のNNIを経由する経路)が割り当てられたこと、および、ユーザがこのパスを100Mbpsのイーサネットパスとして使用することを示す。
【0090】
なお、図7の例では、パス経路が経由するNNIは明示されていない。しかし、パス経路T22、装置トポロジテーブルT00および装置テーブルT10を参照することによって、各パス経路が経由するNNIを特定することができる。
【0091】
図8は、本発明の実施形態の管理マネージャ1のデータベース部43が保有するヘッダ変換レートテーブルT30の説明図である。
【0092】
管理マネージャ1は、パス経路探索演算部47がパス経路探索を実行する際に使用するヘッダ変換レートをヘッダ変換レートテーブルT30に保持する。ヘッダ変換レートは、通信インタフェース101の種別およびパス種別に応じた値である。
【0093】
本実施形態では、開通したパスに、複数の種別の通信インタフェース101を含む経路が割り当てられる場合がある。このため、MPLSノード100において、ある種別の通信インタフェース101からスイッチ部103を介して別の種別の通信インタフェース101にパケットが転送される場合、そのパケットのフォーマットが変換され、必要に応じてヘッダ情報の追加等も行われる。このような変換によってパケットに含まれるデータ量が変動するため、各通信インタフェース101においてパス経路に割り当てるべき帯域幅は、開通するパスの種別と、各通信インタフェース101の種別と、の組み合わせに依存して決定される。ヘッダ変換レートテーブルT30には、このようなパスの種別と通信インタフェース101の種別との組み合わせと、割り当てられるべき帯域幅と、を対応付ける情報が保持される。
【0094】
具体的には、本実施形態では、VC−3、VC−4パスの場合は、開通に必要となる帯域幅が、イーサネットパスの場合は、パス帯域に加算する必要があるヘッダ分の帯域幅が保持される。
【0095】
図8において、ヘッダ変換レートテーブルT30は、縦軸の、MPLSノード間通信インタフェース101の種別T32、および横軸の、外部ネットワーク25と接続する通信インタフェース101に収容可能なパス種別T31によって構成される。
【0096】
例えば、図8では、パス種別T31としてVC−3、VC−4およびEthernetの3種が、インタフェース種別T32としてNNI−STM−16、NNI−STM−64およびNNI−Etherの3種が登録されている。そして、例えばVC−3およびNNI−STM−16に対応する値として「50」が、VC−3およびNNI−STM−64に対応する値として「55」が、VC−3およびNNI−Etherに対応する値として「60」が、それぞれ登録されている。これは、VC−3パスにNNI−STM−16の経路を割り当てる場合、その経路に50Mbpsの帯域幅を割り当てる必要があり、VC−3パスにNNI−STM−64の経路を割り当てる場合、その経路に55Mbpsの帯域幅を割り当てる必要があり、VC−3パスにNNI−Etherの経路を割り当てる場合、その経路に55Mbpsの帯域幅を割り当てる必要があることを示す。
【0097】
なお、図8には、パスの種別と通信インタフェース101の種別との組み合わせに対応付けられる帯域幅そのものを示す値が保持される例を示したが、割り当てられるべき帯域幅を特定できる情報を含む限り、どのような値が保持されてもよい。例えば、割り当てられるべき帯域幅そのものを示す値の代わりに、帯域幅の基準値と、それに乗じる比率(レート)と、を示す情報が保持されてもよいし、パス帯域G03(図9参照)として入力された値に乗じる比率を示す情報が保持されてもよい。
【0098】
MPLSノード間通信インタフェースの種別および外部ネットワーク25と接続する通信インタフェース101に収容可能なパス種別数に応じて、ヘッダ変換レートテーブルT30の行および列が増減する。ヘッダ変換レートテーブルT30には、パスを開通しようとするパケットトランスポートネットワークにおいて、開通される可能性がある全てのパス種別と、そのネットワーク上に存在する全ての通信インタフェース種別と、の全ての組み合わせに対応する帯域幅の情報が登録されている必要がある。
【0099】
図9は、本発明の実施形態の管理マネージャ1が表示するパス開通画面G00の説明図である。
【0100】
管理マネージャ1の画面表示部45は、パス開通画面G00を表示する。ユーザはパス名G01、パス種別G02、パス帯域G03、始点ポートG04および終点ポートG05を入力する。尚、パス帯域(すなわちパスが使用する帯域幅)は、パス種別によって固定的に決まる場合もあり、その場合、パス帯域G03は入力不要である。ユーザが開通ボタンG06を操作すると、管理マネージャ1はパス名G01、パス種別G02、パス帯域G03、始点ポートG04、終点ポートG05が正常に入力されていることを確認し、パス開通処理A00を実行する。パス開通処理A00は図10を用いて後述する。
【0101】
図10は、本発明の実施形態の管理マネージャ1が実行するパス開通処理A00のフローチャートである。
【0102】
パス開通画面G00においてユーザが入力したパス名、パス種別、パス帯域、始点ポート、終点ポートを用いて、管理マネージャ1がパス開通処理を開始する(A01)。
【0103】
管理マネージャ1のパス経路探索演算部47が、ステップA01において入力されたパス種別、パス帯域、始点ポート、終点ポート及びデータベース部43に保持される各テーブル情報を用いて、パス経路を決定する(A02)。ステップA02において実行されるパス経路探索処理B00の詳細処理は、後述にて図11を参照して説明する。
【0104】
次に、管理マネージャ1のパス管理部48は、パス経路探索演算部47によってパス経路が得られたか否かを判定する(A03)。パス経路が得られなかった場合、パス管理部はパス開通不可と判定して、処理を終了する(A07)。
【0105】
パス経路が得られた場合は、管理マネージャ1のパス管理部48が、ステップA02において得たパス経路を通信処理部44へ送信する。通信処理部44は、パス経路を各MPLSノード100へ通信する。各MPLSノード100の監視制御部104は、管理マネージャ1から送信されたパス経路に基づいて、各MPLSノード100が保持するパス経路情報(図示省略)を設定する(A04)。
【0106】
各MPLSノード100が保持するパス経路情報は、少なくとも、入力インタフェース、入力ラベル、出力インタフェースおよび出力ラベルを対応付ける情報を含む。各MPLSノード100のスイッチ部103は、通信インタフェース101からラベルを付与されたパケットを転送されると、ラベルの値をパス経路情報に従って変更し、当該パケットを、パス経路情報に従って定められる方路の通信インタフェース101に転送する。このように、スイッチ部103は、パス経路情報に従ってパケットに付与されたラベルの変更およびパケットの転送方向の切り替えを行う。このようなパス経路情報の設定およびそれに基づくパケットの転送は従来のMPLSノードと同様であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0107】
次に、管理マネージャ1のパス管理部48が、ステップA01において入力されたパス名G01、パス種別G02、パス帯域G03、始点ポートG04および終点ポートG05を、それぞれ、管理マネージャ1のデータベース部43が保有するパステーブルT20の新たな行のパス名T21、パス種別T25、パス帯域T26、始点ポートT23および終点ポートT24に追加する。さらに、パス管理部48は、パス経路探索処理B00によって得られたパス経路を、上記の新たな行のパス経路T22に追加する(A05)。
【0108】
次に、管理マネージャ1の使用帯域管理部46が、ステップA01において入力されたパス種別、パス帯域、装置テーブルT10のインタフェース種別T14、ヘッダ変換レートテーブルT30、および、パス経路探索処理によって得られたパス経路に基づいて、管理マネージャ1のデータベース部43が保有する装置テーブルT10のNNI使用帯域T15を更新する(A06)。
【0109】
即ち、使用帯域管理部46は、開通したパスの種別および割り当てられた経路上のNNIのインタフェース種別に対応するヘッダ変換レートテーブルT30の値を用いて、開通したパス経路上のNNIにおいて当該パス経路が使用する帯域(すなわち当該パス経路に割り当てられた帯域幅)を計算し、その値を、各NNIに対応するNNI使用帯域T15の値に加算する。
【0110】
管理マネージャ1は、以上の処理をもってパス開通処理A00を終了する(A07)。
【0111】
図11は、本発明の実施形態の管理マネージャ1が実行するパス経路探索処理B00のフローチャートである。パス経路探索処理B00は、パス開通処理A00のステップA02において実行される。
【0112】
パス開通処理のステップA01において入力されたパス種別、パス帯域、始点ポートおよび終点ポートを用いて、パス経路探索処理が開始される(B01)。
【0113】
最初に、パス経路探索演算部47が、パス種別及びヘッダ変換レートテーブルT30に基づいて、トポロジ演算処理C00にて用いる変換レートを決定する(B02)。具体的には、パス経路探索演算部47は、ヘッダ変換レートテーブルT30を参照して、これから開通しようとするパスの種別(すなわちユーザに入力されたパス種別G02)に対応する帯域幅のうち、まだ選択していないものを選択する。まだ選択していない帯域幅のいずれを選択してもよいが、本実施形態では、最も大きい値を選択する。
【0114】
例えば、図9に示すようにパス種別として「VC−3」が入力された場合、パス経路探索演算部47は、ヘッダ変換レートテーブルT30に登録されたVC−3に対応する帯域幅「50Mbps」、「55Mbps」および「60Mbps」のいずれかを選択する。ステップB02が初めて実行される場合、いずれの帯域幅もまだ選択されていないため、上記の三つの帯域幅のいずれを選択することもできるが、本実施形態では、最大の「60Mbps」が選択される。
【0115】
次に、管理マネージャ1のトポロジ演算部49が、変換レート、パス種別、パス帯域、装置トポロジテーブルT00、装置テーブルT10、およびパステーブルT20を入力として、使用可能なNNIのトポロジを決定する(B03)。ここで実行されるトポロジ演算処理C00の詳細処理は、後述にて図12を参照して説明する。
【0116】
次に、管理マネージャの経路探索処理部50が、トポロジ演算処理B03によって得られた、使用可能なNNIトポロジ、始点ポートおよび終点ポートを用いて、パス経路候補を決定する(B04)。ここで実行される経路探索処理D00の詳細処理は、後述にて図13を参照して説明する。
【0117】
次に、パス経路探索演算部47が、経路探索処理B04によってパス経路候補が得られるか否かを判定する(B05)。経路候補がある場合は、管理マネージャ1の導通チェック処理部51が、経路探索処理D00によって得られたパス経路候補と、ヘッダ変換レートテーブルT30と、に基づいて、パス経路候補の導通チェックを行う(B06)。そして、パス経路探索演算部47が、導通可能なパス経路候補が存在するか否かを判定し(B08)、存在する場合は、ステップB09を実行する。存在しない場合は、ステップB07を実行する。
【0118】
ステップB06において実行される導通チェック処理E00の詳細処理は、後述にて図14を参照して説明する。
【0119】
パス経路候補が存在しない場合、及び、導通可能なパス経路候補が存在しない場合は、ヘッダ変換レート条件が変更可能か否かを判定する(B07)。具体的には、ヘッダ変換レートテーブルT30に、まだ選択されていない帯域幅が残っている場合、変更可能であると判定される。変更可能の場合は、パス経路探索演算部47がB02を実行する。例えば、ステップB02において「60Mbps」が選択され、「50Mbps」および「55Mbps」がまだ選択されていない場合、ステップB07で変更可能であると判定され、次のステップB02において、まだ選択されていない最大の値「55Mbps」が選択される。一方、変更できない場合は、パス経路探索演算部47がB09を実行する。
【0120】
管理マネージャ1は、以上の処理をもってパス経路探索処理B00を終了する(B09)。
【0121】
図12は、本発明の実施形態の管理マネージャ1が実行するトポロジ演算処理C00のフローチャートである。
【0122】
管理マネージャ1のトポロジ演算部49が、パス種別、パス帯域、装置トポロジテーブルT00、装置テーブルT10、パステーブルT20を入力としてトポロジ演算処理を開始する(C01)。
【0123】
次に、管理マネージャ1のトポロジ演算部49が、ステップB02において決定された変換レートを用いてパス帯域を変換する(C02)。ステップB02において比率が決定された場合、その比率を基準となるパス帯域の値に乗じることによって、割り当てられるべき帯域幅が計算される。一方、図8に示すように、ステップB02において帯域幅そのものが決定された場合には、ここでは何も実行する必要がない。
【0124】
次に、管理マネージャ1のトポロジ演算部49が、装置トポロジテーブルT00に登録されたMPLSノード間接続数分、C04、C05およびC06の処理を繰り返す(C03)。図5および図1の例では、四つのMPLSノード間接続が登録されているため、それらの各々を対象としてステップC04〜C06が4回繰り返して実行される。
【0125】
まず、管理マネージャ1のトポロジ演算部49が、パス開通画面のパス種別G02の入力値、パステーブルT20のパス経路T22およびパス種別T25を参照して、MPLSノード間にイーサネットパスが存在するかを判定し、存在する場合は、そのMPLSノード間接続に対応するNNI使用可能上限値T16を所定の割合(たとえば上限値の95%など)で減少させる(C04)。これは、MPLSノード間接続がイーサネットパスに割り当てられている場合、そのパスにおいて通信されるデータのバースト性を考慮して、帯域の余裕を確保する必要があるためである。例えば上記のようにNNI使用可能上限値T16が95%に減少することは、実際に上限値が減少することを意味するのではなく、残りの5%の帯域が余裕として(すなわち他のパスに割り当てられないように)確保されたことを意味する。
【0126】
例えば、図7のパステーブルT20を参照すると、MPLSノード100#1とMPLSノード100#2との間のリンクが「パス2」および「パス3」に割り当てられているが、これらのパスの種別はそれぞれ「VC−3」および「VC−4」であり、イーサネットパスではない。このため、上記のリンクに対応するNNI使用可能上限値T16(すなわち、ノード名「A」および方路「Side04」に対応する上限値「2400」、並びに、ノード名「B」および方路「Side02」に対応する上限値「2400」)は減少しない。
【0127】
一方、MPLSノード100#3とMPLSノード100#4との間のリンクは「パス1」に割り当てられ、そのパスの種別はイーサネットパスである。このため、このリンクに対応するNNI使用可能上限値T16(すなわち、ノード名「C」および方路「Side02」に対応する上限値「9900」、並びに、ノード名「D」および方路「Side04」に対応する上限値「9900」)は95%に減少する。
【0128】
なお、NNI使用帯域T15およびNNI使用可能上限値T16の代わりに残帯域幅そのものが登録されている場合、ステップC04においてトポロジ演算部49は、その残帯域幅を減少させる。
【0129】
また、上記はNNI使用可能上限値T16が所定の割合だけ減少する例を示したが、所定の量だけ(例えば所定の帯域幅だけ)減少してもよい。
【0130】
次に、管理マネージャ1のトポロジ演算部49が、変換後のパス帯域と、NNI使用帯域と、NNI使用可能上限値と、に基づいて、MPLSノード間接続が使用可能か否かを判定する(C05)。
【0131】
ここで、MPLSノード間接続が使用可能である、とは、そのMPLSノード間接続を、これから開通しようとするパスに割り当てたとしても、そのMPLSノード間接続の帯域が不足しないこと、言い換えると、そのMPLSノード間接続に、パスに割り当てるに足る帯域が残っていることを意味する。使用可能なMPLSノード間接続のみからなる経路をパスに割り当てれば、そのパス経路においてボトルネックは発生しない。トポロジ演算部49は、各MPLSノード間接続に対応するNNI使用可能上限値T16の値からNNI使用帯域T15の値を減算することによって、各MPLSノード間接続の残帯域幅を算出する。この残帯域幅が変換後のパス帯域以上であれば、MPLSノード間接続が使用可能であると判定され、残帯域幅が変換後のパス帯域未満であればMPLSノード間接続が使用可能でないと判定される。
【0132】
ただし、各MPLSノード間接続が使用可能であるか否かを正確に判断するためには、各MPLSノード間接続のリンク種別を装置テーブルT01に基づいて特定し、その種別に対応する帯域幅をヘッダ変換レートテーブルT30に基づいて特定し、特定された帯域幅を各MPLSノード間接続の残帯域幅と比較する必要がある。しかし、上記の処理では、残帯域幅と比較される帯域幅は、各MPLSノード間接続のリンク種別と関わりなく一律に決定されたものである(ステップB02およびC02参照)。このように一律の帯域幅を使用して計算することによって、計算量の削減という本発明の効果が得られるが、その一方で、ステップC05において使用可能であると判定されたMPLSノード間接続が実際には使用可能でない場合があり、逆に、使用可能でないと判定されたMPLSノード間接続が実際には使用可能である場合もありうる。
【0133】
このため、ステップC05において使用可能であると判定されたMPLSノード間接続が本当に使用可能であるかを判定するために、後述する導通チェック処理E00が実行される。一方、ステップC05において使用可能でないと判定されたMPLSノード間接続は、次回のパス経路探索処理が実行されたときに(ステップB07参照)、使用可能であると判定される場合がある。
【0134】
管理マネージャ1のトポロジ演算部49が、C03の処理が終了するまで処理を繰り返すことで、パス経路探索処理B00における探索で用いられるNNIトポロジ情報を作成する(C06)。
【0135】
管理マネージャ1は、以上の処理をもってトポロジ演算処理C00を終了する(C07)。
【0136】
図13は、本発明の実施形態の管理マネージャ1が実行する経路探索処理D00のフローチャートである。
【0137】
管理マネージャ1の経路探索処理部50が、トポロジ演算処理C00が作成した使用可能なNNIのトポロジと、始点ポートと、終点ポートと、を入力として経路探索処理を開始する(D01)。
【0138】
管理マネージャ1の経路探索処理部50が、一般的な経路探索アルゴリズム(マルチルートセレクション法またはダイクストラ法等)を用いて、パス経路候補を決定する(D02)。
【0139】
具体的には、例えば、トポロジ演算処理C00によって使用可能と判定されたリンクのみを経由して(言い換えると使用できないと判定されたリンクを経由せずに)始点ポートから終点ポートまで到達する経路が存在する場合、その経路がパス経路候補として決定される。このような経路が複数存在する場合には、それらの複数の経路の全部または一部がパス経路候補として決定されてもよい。例えば、このような経路が多数存在する場合、それらのうちコストの合計値(例えばホップ数)が少ないものから順に所定の数の経路がパス経路候補として決定されてもよい。一方、このような経路が一つも存在しない場合、図11のステップB05においてパス経路候補がないと判定される。
【0140】
管理マネージャ1は、以上の処理をもって経路探索処理D00を終了する(D03)。
【0141】
図14は、本発明の実施形態の管理マネージャ1が実行する導通チェック処理E00のフローチャートである。
【0142】
管理マネージャ1の導通チェック処理部51が、パス帯域、パス経路候補、装置テーブルT10、ヘッダ変換レートテーブルT30を入力として、導通チェック処理を開始する(E01)。
【0143】
最初に、管理マネージャ1の導通チェック処理部51が、パス経路候補に対して、例えば、ホップ数(すなわち経由するMPLSノードの数)が少ないパス経路から順にステップE03〜E06を繰り返す(E02)。
【0144】
管理マネージャ1の導通チェック処理部51が、パス経路候補に含まれるMPLSノード間接続数分、ステップE04およびE05を繰り返す(E03)。
【0145】
管理マネージャ1の導通チェック処理部51が、装置テーブルT10、ヘッダ変換レートテーブルT30およびパス帯域を用いて、MPLSノード100間を接続するNNI(すなわちそれらのMPLSノード100を接続するリンクの両端のNNI)が実際に使用可能か否かを判定する(E04)。
【0146】
図12を参照して説明したように、ステップE04において判定の対象となるMPLSノード間接続は、既に、トポロジ演算処理C00において、使用可能であると判定されている。しかし、この判定は、各MPLSノード間接続の実際の種別を考慮せずに行われたものである。ステップE04では、判定の対象となるMPLSノード間接続が実際に使用可能であるか否かが、その実際の種別に基づいて判定される。以下の説明では、このように実際の種別に基づいて実際にMPLSノード間接続が使用可能であることを、導通可能であると記載する。
【0147】
具体的には、導通チェック処理部51は、ヘッダ変換レートテーブルT30を参照して、判定対象のMPLSノード間接続における実際のNNIの種別と、これから開通しようとするパスの種別と、の組み合わせに対応する帯域幅を取得する。このように取得された帯域幅は、判定対象のMPLSノード間接続において当該パスに実際に割り当てられるべき帯域である。次に、導通チェック処理部51は、装置テーブルT10を参照して、当該パスに割り当てられるべき帯域が当該MPLSノード間接続に残っているか否かを判定する。当該パスに割り当てられる帯域が残っていれば、当該MPLSノード間接続は導通可能であると判定される。
【0148】
管理マネージャ1の導通チェック処理部51が、パス経路候補に含まれる全てのMPLSノード間接続についてステップE03が終了するまで、ステップE03を繰り返す(E05)。一つのパス経路候補に含まれる全てのMPLSノード間接続においてNNIが使用可能である(言い換えると、パス経路候補が導通可能でないNNIを経由しない)と判定された場合、そのパス経路候補は導通可能である。
【0149】
管理マネージャ1の導通チェック処理部51は、いずれかのパス経路候補が導通可能であると判定されるか、または、全てのパス経路候補についてステップE02が終了するまでステップE02を繰り返し実行しても導通可能なパス経路候補が見つからない場合、ステップE02を終了する(E06)。
【0150】
管理マネージャ1は、以上の処理をもって導通チェック処理E00を終了する(E07)。
【0151】
導通チェック処理E00の結果、いずれかのパス経路候補が導通可能であると判定された場合、パス経路探索処理B00(図11)のステップB08において導通可能なパス経路候補があると判定され、導通可能なパス経路候補が見つからなかった場合、導通可能なパス経路候補がないと判定される。
【0152】
図15および図16を参照して、本発明の実施形態の具体例を説明する。
【0153】
図15は、本発明の実施形態が適用されるネットワーク構成例の説明図である。
【0154】
具体的には、図15は、図1〜図3に示した装置を用いて、10台のMPLSノード100(すなわちMPLSノード100#1〜#10)および15箇所のMPLSノード間接続21(すなわちMPLSノード間接続21#1〜#15)を含むネットワークを構成した例である。このような構成に基づいて、図5〜図8に示したものと同様のテーブルが管理マネージャ1によって作成および管理される。
【0155】
図9で示したパス開通画面G00を介して、パス名、パス種別、パス帯域、始点ポートおよび終点ポートが入力された結果、始点ポートとして図15に示すMPLSノードA(100#1)の方路Side02に対応する外部インタフェースが、終点ポートとして図15に示すMPLSノードJ(100#10)の方路Side03に対応する外部インタフェースが指定された場合を例として、以下に説明する。
【0156】
図16は、本発明の実施形態の管理マネージャ1が実行するパス経路探索処理B00、トポロジ演算処理C00、経路探索処理D00および導通チェック処理E00の具体例の説明図である。
【0157】
図16には、図15に示したネットワークにおけるパス開通の例を示す。すなわち、図16におけるネットワークのトポロジは図15に示したものと同一であるが、各MPLSノード間接続21#1〜#15の参照符号の図示は省略されている。
【0158】
管理マネージャ1のトポロジ演算部49が、ステップB02において決定されたヘッダ変換レートを用いてトポロジ演算処理C00を実行する。これによって、トポロジ演算結果200#1〜#7が得られたと仮定する。図16に表示された「○」は使用可能と判定されたトポロジ演算結果を、「×」は使用不可と判定されたトポロジ演算結果を示す。この時点におけるトポロジ演算結果200#1〜#7は、それぞれ、MPLSノード間接続21#8、#9、#7、#11、#12、#15および#13が使用不可であることを示す。
【0159】
管理マネージャ1の経路探索処理部50が、上記のNNIのトポロジ、図9のパス開通画面G00を介して入力された始点ポート、および終点ポートを用いて、経路探索処理D00を実行する。トポロジ演算結果200#1〜#7が使用不可である場合、使用不可のNNIを経由せずに始点ポートと終点ポートとを接続することができないため、経路探索結果として、パス経路候補なしと判定される。
【0160】
このため、管理マネージャ1のパス経路探索演算部47が、再度、ステップB02においてヘッダ変換レートを取得し、その値に基づいてトポロジ演算処理C00を実行する。今回のステップB02では、前回のステップB02において取得されたものより小さい帯域幅が取得されるため、前回のトポロジ演算処理C00において使用不可と判定されたNNIが、今回のトポロジ演算処理C00では使用可能と判定される可能性がある。
【0161】
図16の例では、2回目のトポロジ演算の結果、トポロジ演算結果200#1、#3、#4、#5および#7として「使用不可」が、トポロジ演算結果200#2および#6として「使用可能」が取得されたと仮定する。すなわち、この時点では、MPLSノード間接続21#8、#7、#11、#12および#13が依然として使用不可と判定されているが、MPLSノード間接続21#9および#15は使用可能と判定されている。
【0162】
管理マネージャ1の経路探索処理部50が、上記のNNIのトポロジ、図9のパス開通画面G00を介して入力された始点ポート、および終点ポートを用いて、経路探索処理D00を実行する。その経路探索結果として、太い破線で表示されたパス経路候補22#1、#2および#3が得られる。パス経路候補22#1は、MPLSノード間接続21#3、#6、#9および#14を経由する。パス経路候補22#2は、MPLSノード間接続21#1、#4、#9および#14を経由する。パス経路候補22#3は、MPLSノード間接続21#1、#2、#5、#10および#15を経由する。いずれのパス経路候補も、使用不可と判定されたMPLSノード間接続を経由しない。
【0163】
上記のようにパス経路候補が得られたため、管理マネージャ1のパス経路探索演算部47は、それらの三つのパス経路候補を用いて導通チェック処理E00を実行する。
【0164】
管理マネージャ1の導通チェック処理部51が、優先度の高いパス経路候補から導通チェック処理を開始する。ここで、優先度の例として、パス経路候補22#1、#2および#3の左の順から優先度が高いものとする。例えば、ホップ数が小さい経路ほど高い優先度が与えられてもよい。
【0165】
管理マネージャ1の導通チェック処理部51が、始点ポートからパス経路候補の経路順に導通チェックを行う。図16には、導通チェック結果201#1〜#10を表示する。図16に表示された「OK」は導通可能と判定された導通チェック結果を、「NG」は導通不可と判定された導通チェック結果を示す。導通チェック結果201#1〜#10は、それぞれ、MPLSノード間接続21#3、#6、#9、#1、#4、#9、#2、#5、#10および#15の導通チェック結果を示す。
【0166】
パス経路候補22#1の場合、導通チェック結果201#3が「NG」である。これは、トポロジ演算処理C00において計算に使用された帯域幅より、実際に当該リンクにおいて割り当てる必要がある帯域幅が大きかったために、MPLSノード間接続21#9における残帯域幅が不足したことを意味する。すなわち、パス経路候補22#1をパスに割り当てた場合、MPLSノード間接続21#9においてボトルネックが発生する。すなわち、この場合、パス経路候補22#1は導通不可である。
【0167】
パス経路候補22#2の場合、MPLSノード間接続21#9に対応する導通チェック結果201#6が「NG」である。このため、上記のパス経路候補22#1の場合と同様、パス経路候補22#2も導通不可である。
【0168】
パス経路候補22#3の場合、終点ポートまですべてのリンクが導通可能と判定される。これは、パス経路候補22#3においてボトルネックが発生しないことを意味する。この場合、導通可能な経路としてパス経路候補22#3が取得され(E06)、導通チェック処理が終了する(E07)。
【0169】
図16の例では、2回のトポロジ演算処理、2回の経路探索処理、および1回の導通チェック処理にて開通可能なパス経路が得られ、パス経路探索処理B00が終了する。2回目の経路探索処理でもパス経路候補が得られなかった場合は、さらに緩和された条件を用いて3回目以降のトポロジ演算処理および経路探索処理が行われる。1回目の導通チェック処理によって導通可能なパス経路候補が得られなかった場合も同様である。
【0170】
以上のように、本実施形態によれば、開通しようとするパスの種別が指定されると、まず、そのパスに割り当てられる経路として使用できる可能性が高い一つ以上の経路がパス経路候補として選択される(図11〜図13参照)。そして、各パス経路候補が実際に使用可能であるか否かが判定される(図14参照)。
【0171】
パス経路候補を選択するために、パケットトランスポートネットワーク内に存在する多数の(典型的には全ての)NNIの各々について、それが使用可能であるか否かが判定される(C05)。この判定は、各NNIにおける残帯域幅と、これから開通しようとするパスに割り当てられるべき帯域幅と、を比較することによって行われる。本実施形態では、この判定のために、各NNIの種別によらず、これから開通しようとするパスに割り当てられるべき帯域幅として一律の帯域幅(すなわちC02において変換された帯域幅)が取得され、これが残帯域幅と比較される。このため、この段階では、パスに割り当てられるべき帯域幅をNNIごとに計算する必要がない。
【0172】
その後、各パス経路候補が実際に使用可能であるか否かを判定するために、各パス経路候補が経由するNNIが導通可能であるか否かが判定される(E04)。この判定も、各NNIにおける残帯域幅と、これから開通しようとするパスに割り当てられるべき帯域幅と、を比較することによって行われる。ただし、この手順においては、割り当てられるべき帯域幅として、各NNIの種別に依存した値が取得され(図8参照)、これが残帯域幅と比較される。
【0173】
このように、本実施形態によれば、それぞれのNNIの種別に依存した帯域幅に基づく判定は、候補として絞り込まれたNNIについてのみ行われ、パケットトランスポートネットワーク内の全てのNNIについて行う必要はない。これによって、計算量を削減することができる。
【0174】
1回目に実行されるトポロジ演算処理C00のステップC05では、パスに割り当てられるべき帯域幅として、これから開通しようとするパスの種別と、パケットトランスポートネットワーク内に存在する全てのNNIの種別と、の全ての組み合わせに対応する全ての帯域幅のうち、最大のものが取得され(B02、C02)、その帯域幅が各NNIの残帯域幅と比較される。このことは、1回目のトポロジ演算処理C00において使用可能と判定されたNNIに基づいてパス経路候補が取得された場合(B04、D00)、そのパス経路候補は必ず導通可能と判定される(B06、E00)ことを意味する。このため、1回目のトポロジ演算処理C00において使用可能と判定されたNNIに基づいてパス経路候補が取得された場合には、導通チェック処理E00の実行を省略してもよい。
【0175】
1回目のトポロジ演算処理C00において使用可能と判定されたNNIに基づいてパス経路候補が取得できなかった場合、パスに割り当てられるべき帯域幅として、上記の組み合わせに対応する全ての帯域幅のうち、2番目に大きいもの(すなわち、まだ選択されていないもののうち最大のもの)が取得され(B02、C02)、その帯域幅が各NNIの残帯域幅と比較される(C05)。このことは、各NNIの残帯域幅に対して要求される条件が1回目より緩められることを意味する。このため、1回目では使用可能でないと判定されたNNIが、2回目では使用可能であると判定される場合がある。ただし、これによって使用可能と判定されたNNIは、導通チェック処理E00において導通可能でないと判定される場合がある。
【0176】
本実施形態では、上記のように、1回目のトポロジ演算処理C00のステップC05において最大の帯域幅が使用され、その後、トポロジ演算処理C00が繰り返されるたびに、使用される帯域幅の値は小さくなる。各NNIの残帯域幅に対して要求される条件が緩められるほど、ステップC05においてNNIが使用可能であると判定される可能性は高くなるが、ステップC05において使用可能であると判定されたNNIがステップE04において導通可能でないと判定される可能性も高くなる。
【0177】
上記のようなトポロジ演算処理C00の繰り返し回数と使用される帯域の値との関係は一例であり、上記以外の順で帯域幅が使用されてもよい。例えば、1回目のトポロジ演算処理C00のステップC05において最小の帯域幅が使用されてもよい。いずれの場合でも、それぞれのNNIの種別に依存した帯域幅に基づく判定は、候補として絞り込まれたNNIについてのみ行われるため、計算量の削減という本発明の効果を得ることができる。
【0178】
本実施形態のように、大きい帯域幅から順に残帯域幅と比較される場合、パケットトランスポートネットワークが空いている(例えば既に開通しているパスが少ない)ほど、導通可能なパス経路を発見するために必要なトポロジ演算処理C00の繰り返し回数は少なくなると見込まれる。
【0179】
装置トポロジテーブルT00、装置テーブルT10、パステーブルT20、およびヘッダ変換レートテーブルT30は、それぞれ、ノードによるネットワークトポロジを構成する情報、通信インタフェースと方路とを対応付ける情報および帯域使用量情報、パスを制御する情報、ならびに、リンク種別およびパス種別のような装置に依存するヘッダ変換レート情報を備えている限り、テーブル構成が図5〜図8に示したものと異なっていても本発明は実現可能である。
【0180】
パス開通画面例G00においては、パスを開通するのに必要な情報を入力する手段が備わっていれば、画面構成が図9に示したものと異なっていても本発明は実現可能である。
【0181】
パス開通処理A00においては、パス経路探索処理によってパス経路を決定し、その結果を用いてノードへのパス経路情報の設定および管理マネージャ1への情報の反映を実行する、という流れで処理が実行される限り、処理の順序が異なっていても本発明は実施可能である。
【0182】
本発明は、MPLS/MPLS−TP方式に限らず、複数のインタフェース種別及び複数種類のパスが混載収容され、インタフェース種別およびパス種別毎にヘッダ変換レートが異なるネットワークに適用可能である。
【0183】
上述した実施形態に拠れば、MPLSノード間のリンク種別および収容するパス種別を考慮したパケットトランスポートネットワークの帯域管理およびパス経路探索が実現される。これによって、少ない計算量で、ボトルネックの生じないパス経路を決定することができる。
【符号の説明】
【0184】
1 管理マネージャ
20 管理情報転送用ネットワーク
21 ノード間網
22 パス
25 外部ネットワーク
30 中央演算処理装置
31 主記憶装置
32 ネットワークカード
33 補助記憶装置
34 入出力部
35 入力部
36 出力部
37 コンピュータ内部伝送路
42 演算部
43 データベース部
44 通信処理部
45 画面表示部
46 使用帯域管理部
47 パス経路探索演算部
48 パス管理部
49 トポロジ演算部
50 経路探索処理部
51 導通チェック処理部
100 MPLSノード
101 通信インタフェース
103 スイッチ部
104 監視制御部
200 NNIの使用可能判定結果
201 導通チェック判定結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に接続され、それぞれがデータを転送する複数のデータ転送装置と、前記複数のデータ転送装置の少なくとも一つに接続された管理計算機と、を備えるネットワークシステムであって、
前記各データ転送装置は、各々が他の前記データ転送装置に接続される複数の通信インタフェースと、前記複数の通信インタフェースに接続され、前記複数の通信インタフェース間で転送されるデータの転送方向を切り替えるスイッチと、を備え、
前記管理計算機は、
前記データ転送装置の少なくとも一つに接続されるインタフェースと、前記インタフェースに接続される演算装置と、前記演算装置に接続される記憶装置と、を備え、
前記各通信インタフェースの種別を示すインタフェース種別情報、前記ネットワークに開通するパスの種別と前記パスの帯域使用量と前記各種別の通信インタフェースにおいて前記パスに割り当てられるべき帯域幅とを対応付ける変換情報、および、前記各通信インタフェースにおいて前記パスに割り当て可能な帯域幅のうち、まだいずれの前記パスにも割り当てられていない残帯域幅を示す残帯域情報を保持し、
始点および終点の指定を含む新たなパスの開通指示を入力されると、前記変換情報に含まれる複数の帯域幅のうち一つを選択し、
前記残帯域情報に含まれる前記各通信インタフェースの残帯域幅と、前記選択された帯域幅とを比較することによって、前記各通信インタフェースが使用可能か否かを判定し、
使用不可と判定された前記通信インタフェースを経由せずに前記指定された始点から前記指定された終点までデータを転送するデータ転送経路候補を特定し、
前記インタフェース種別情報に基づいて、前記特定されたデータ転送経路候補が経由する各通信インタフェースの種別を特定し、
前記変換情報に基づいて、前記特定された各通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき帯域幅を特定し、
前記残帯域情報に含まれる前記特定されたデータ転送経路候補が経由する各通信インタフェースの残帯域幅と、前記特定された各通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき帯域幅とを比較することによって、当該通信インタフェースが導通可能か否かを判定し、
前記特定されたデータ転送経路候補が、導通不可と判定された前記通信インタフェースを経由しない場合、前記特定されたデータ転送経路候補を前記新たなパスに割り当てることを指示する情報を、前記管理計算機に接続された少なくとも一つの前記データ転送装置に送信することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記新たなパスの開通指示は、前記新たなパスの種別及び帯域使用量を指定する情報をさらに含み、
前記管理計算機は、
前記変換情報に基づいて、複数の前記種別の通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき複数の帯域幅を特定し、前記特定された複数の帯域幅のうち一つを選択し、
前記残帯域情報に基づいて、前記各通信インタフェースの残帯域幅が前記選択された帯域幅より小さい場合、当該通信インタフェースが使用不可であると判定し、
前記残帯域情報に基づいて、前記特定されたデータ転送経路候補が経由する各通信インタフェースの残帯域幅が、前記特定された各通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき帯域幅より小さい場合、当該通信インタフェースが導通不可であると判定することを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記管理計算機は、前記使用不可と判定された通信インタフェースを経由せずに前記指定された始点から前記指定された終点までデータを転送するデータ転送経路候補を特定できない場合、前記特定された複数の帯域幅のうち、まだ選択されていないものを選択することを特徴とする請求項2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記管理計算機は、まだ選択されていない前記特定された複数の帯域幅のうち、最大のものを選択することを特徴とする請求項3に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記管理計算機は、前記通信インタフェースが所定の種別の前記パスに割り当てられている場合、当該通信インタフェースに対応する残帯域幅を所定の量または所定の割合だけ減少させた値を、前記帯域幅との比較に使用することを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記特定の種別のパスは、イーサネットパスであることを特徴とする請求項5に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
ネットワークシステムに接続された管理計算機であって、
前記ネットワークシステムは、相互に接続され、それぞれがデータを転送する複数のデータ転送装置を備え、
前記各データ転送装置は、各々が他の前記データ転送装置に接続される複数の通信インタフェースと、前記複数の通信インタフェースに接続され、前記複数の通信インタフェース間で転送されるデータの転送方向を切り替えるスイッチと、を備え、
前記管理計算機は、前記データ転送装置の少なくとも一つに接続されるインタフェースと、前記インタフェースに接続される演算装置と、前記演算装置に接続される記憶装置と、を備え、
前記記憶装置は、前記各通信インタフェースの種別を示すインタフェース種別情報、前記ネットワークに開通するパスの種別と前記パスの帯域使用量と前記各種別の通信インタフェースにおいて前記パスに割り当てられるべき帯域幅とを対応付ける変換情報、および、前記各通信インタフェースにおいて前記パスに割り当て可能な帯域幅のうち、まだいずれの前記パスにも割り当てられていない残帯域幅を示す残帯域情報を保持し、
前記演算装置は、
始点および終点の指定を含む新たなパスの開通指示を入力されると、前記変換情報に含まれる複数の帯域幅のうち一つを選択し、
前記残帯域情報に含まれる前記各通信インタフェースの残帯域幅と、前記選択された帯域幅とを比較することによって、前記各通信インタフェースが使用可能か否かを判定し、
使用不可と判定された前記通信インタフェースを経由せずに前記指定された始点から前記指定された終点までデータを転送するデータ転送経路候補を特定し、
前記インタフェース種別情報に基づいて、前記特定されたデータ転送経路候補が経由する各通信インタフェースの種別を特定し、
前記変換情報に基づいて、前記特定された各通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき帯域幅を特定し、
前記残帯域情報に含まれる前記特定されたデータ転送経路候補が経由する各通信インタフェースの残帯域幅と、前記特定された各通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき帯域幅とを比較することによって、当該通信インタフェースが導通可能か否かを判定し、
前記特定されたデータ転送経路候補が、導通不可と判定された前記通信インタフェースを経由しない場合、前記特定されたデータ転送経路候補を前記新たなパスに割り当てることを指示する情報を、前記管理計算機に接続された少なくとも一つの前記データ転送装置に送信することを特徴とする管理計算機。
【請求項8】
前記新たなパスの開通指示は、前記新たなパスの種別及び帯域使用量を指定する情報をさらに含み、
前記演算装置は、
前記変換情報に基づいて、複数の前記種別の通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき複数の帯域幅を特定し、前記特定された複数の帯域幅のうち一つを選択し、
前記残帯域情報に基づいて、前記各通信インタフェースの残帯域幅が前記選択された帯域幅より小さい場合、当該通信インタフェースが使用不可であると判定し、
前記残帯域情報に基づいて、前記特定されたデータ転送経路候補が経由する各通信インタフェースの残帯域幅が、前記特定された各通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき帯域幅より小さい場合、当該通信インタフェースが導通不可であると判定することを特徴とする請求項7に記載の管理計算機。
【請求項9】
前記演算装置は、前記使用不可と判定された通信インタフェースを経由せずに前記指定された始点から前記指定された終点までデータを転送するデータ転送経路候補を特定できない場合、前記特定された複数の帯域幅のうち、まだ選択されていないものを選択することを特徴とする請求項8に記載の管理計算機。
【請求項10】
前記演算装置は、まだ選択されていない前記特定された複数の帯域幅のうち、最大のものを選択することを特徴とする請求項9に記載の管理計算機。
【請求項11】
前記演算装置は、前記通信インタフェースが所定の種別の前記パスに割り当てられている場合、当該通信インタフェースに対応する残帯域幅を所定の量または所定の割合だけ減少させた値を、前記帯域幅との比較に使用することを特徴とする請求項7に記載の管理計算機。
【請求項12】
前記特定の種別のパスは、イーサネットパスであることを特徴とする請求項11に記載の管理計算機。
【請求項13】
相互に接続され、それぞれがデータを転送する複数のデータ転送装置と、前記複数のデータ転送装置の少なくとも一つに接続された管理計算機と、を備えるネットワークシステムにおいて実行される帯域管理方法であって、
前記各データ転送装置は、各々が他の前記データ転送装置に接続される複数の通信インタフェースと、前記複数の通信インタフェースに接続され、前記複数の通信インタフェース間で転送されるデータの転送方向を切り替えるスイッチと、を備え、
前記管理計算機は、
前記データ転送装置の少なくとも一つに接続されるインタフェースと、前記インタフェースに接続される演算装置と、前記演算装置に接続される記憶装置と、を備え、
前記各通信インタフェースの種別を示すインタフェース種別情報、前記ネットワークに開通するパスの種別と前記パスの帯域使用量と前記各種別の通信インタフェースにおいて前記パスに割り当てられるべき帯域幅とを対応付ける変換情報、および、前記各通信インタフェースにおいて前記パスに割り当て可能な帯域幅のうち、まだいずれの前記パスにも割り当てられていない残帯域幅を示す残帯域情報を保持し、
前記帯域管理方法は、
前記管理計算機が、始点および終点の指定を含む新たなパスの開通指示を入力されると、前記変換情報に含まれる複数の帯域幅のうち一つを選択する第1手順と、
前記管理計算機が、前記残帯域情報に含まれる前記各通信インタフェースの残帯域幅と、前記選択された帯域幅とを比較することによって、前記各通信インタフェースが使用可能か否かを判定する第2手順と、
前記管理計算機が、使用不可と判定された前記通信インタフェースを経由せずに前記指定された始点から前記指定された終点までデータを転送するデータ転送経路候補を特定する第3手順と、
前記管理計算機が、前記インタフェース種別情報に基づいて、前記特定されたデータ転送経路候補が経由する各通信インタフェースの種別を特定し、前記変換情報に基づいて、前記特定された各通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき帯域幅を特定し、前記残帯域情報に含まれる前記特定されたデータ転送経路候補が経由する各通信インタフェースの残帯域幅と、前記特定された各通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき帯域幅とを比較することによって、当該通信インタフェースが導通可能か否かを判定する第4手順と、
前記特定されたデータ転送経路候補が、導通不可と判定された前記通信インタフェースを経由しない場合、前記管理計算機が、前記特定されたデータ転送経路候補を前記新たなパスに割り当てることを指示する情報を、前記管理計算機に接続された少なくとも一つの前記データ転送装置に送信する第5手順と、を含むことを特徴とする帯域管理方法。
【請求項14】
前記新たなパスの開通指示は、前記新たなパスの種別及び帯域使用量を指定する情報をさらに含み、
前記第1手順は、前記管理計算機が、前記変換情報に基づいて、複数の前記種別の通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき複数の帯域幅を特定し、前記特定された複数の帯域幅のうち一つを選択する手順を含み、
前記第2手順は、前記管理計算機が、前記残帯域情報に基づいて、前記各通信インタフェースの残帯域幅が前記選択された帯域幅より小さい場合、当該通信インタフェースが使用不可であると判定する手順を含み、
前記第4手順は、前記管理計算機が、前記残帯域情報に基づいて、前記特定されたデータ転送経路候補が経由する各通信インタフェースの残帯域幅が、前記特定された各通信インタフェースにおいて前記新たなパスに割り当てられるべき帯域幅より小さい場合、当該通信インタフェースが導通不可であると判定する手順を含むことを特徴とする請求項13に記載の帯域管理方法。
【請求項15】
前記第3手順において、前記使用不可と判定された通信インタフェースを経由せずに前記指定された始点から前記指定された終点までデータを転送するデータ転送経路候補を特定できない場合、前記第4手順が再び実行され、
前記第4手順において、前記管理計算機は、前記特定された複数の帯域幅のうち、まだ選択されていないものを選択することを特徴とする請求項14に記載の帯域管理方法。
【請求項16】
前記第4手順において、前記管理計算機は、まだ選択されていない前記特定された複数の帯域幅のうち、最大のものを選択することを特徴とする請求項15に記載の帯域管理方法。
【請求項17】
前記第2手順および前記第4手順において、前記管理計算機は、前記通信インタフェースが所定の種別の前記パスに割り当てられている場合、当該通信インタフェースに対応する残帯域幅を所定の量または所定の割合だけ減少させた値を、前記帯域幅との比較に使用することを特徴とする請求項13に記載の帯域管理方法。
【請求項18】
前記特定の種別のパスは、イーサネットパスであることを特徴とする請求項17に記載の帯域管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−114546(P2012−114546A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259833(P2010−259833)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】