説明

ネットワーク分散環境の運用操作システム、ネットワーク分散環境の運用操作方法及びプログラム

【課題】多数ノードを有するネットワーク分散環境において、ノードを構成する要素に対して、共通要素をグルーピングして運用操作を施し、その結果をグループ全体のノードに及ぼすことにある。
【解決手段】 全ノードそれぞれを構成する要素から指定する要素をルート要素にし、同じ識別名の親要素を持ち、定義情報が同じ要素を子とする要素を共通ツリーにしてグルーピングし、前記要素に対する運用操作を共通ツリーの要素をもつノード全てに及ぼす運用操作端末装置を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素に施す運用操作に関し、特に、各ノードを構成する要素が同一定義情報を有するとき、該要素をルート要素にした共通ツリーをもつグループを構築し、該共通ツリーの要素の定義情報に施す運用操作を全ノードの同じ要素に対して施すことができるネットワーク分散環境の運用操作システム、ネットワーク分散環境の運用操作方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを構成するノードの要素の階層関係をツリー構造で表し、全体を把握し易くして管理することは通常に行われている。例えば特開平2001−256153号公報によれば、ネットワークデバイスが有する機能毎にツリービュー表示してネットワークデバイス機能の認識性を高め、また複数のデバイスを組み合わせて利用する場合、仮想的なネットワークデバイスにまとめて表現し、操作性を向上させている。
【0003】
更に、特開2000−122984号公報に示すように、クライアントの構成をn分岐ツリー構造で全構成を示す例がある。クライアントをルートエントリーにして、その下にデバイス、インタフェース、ソフトウェア、エイリアス、ソフトウェアコンフィグレーションなどがカテゴリとしてツリー分岐して全体構成を示し、ソフトウェアではアプリケーションソフトウェアの複数種別を更に分岐している。
【0004】
【特許文献1】特開2001−256153号公報(カラム番号0080−0087)
【特許文献2】特開2000−122984号公報(カラム番号0021、0022)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、運用操作者が運用操作端末よりGUIを用いた運用管理手段によって、ネットワーク分散環境のノードを構成する要素に対して運用操作を行なう場合、運用操作手段はノードの各構成要素を親子関係を基にツリー表示する。運用操作者は、該ツリー表示によって視覚的に各要素の配置や関係を確認して、要素に対する運用操作を行う。このツリー表示において、通常は親子関係に従って表示が行われるため、親子関係の最上位であるノードをルート要素にする。そのため、複数ノード間で分散している同一の要素に運用操作を施す場合、運用操作者は、それぞれのノード毎にツリー上から該当要素を検索し、設定値確認、設定値変更、要素に対する起動や停止の操作を行なうことなる。例えば3つのノードが分散している場合、運用操作手段は3回のツリー選択及び操作が必要になる。つまり、各ノードに対して、それぞれ独立した運用管理を行なう場合は、従来のノード毎のツリー表示で運用操作できるが、複数のノードに関連性する運用管理を行なう場合、それぞれの設定値を確認するのに、ノード毎にツリービューから該当要素を検索したり、操作しなければならない。この運用操作は非常に煩瑣な作業になる。
【0006】
会社組織などでは、サーバに多数のクライアントが接続されている。それらクライアントは同一のシステム構成を有することが多い。そこで、同一構成のクライアントをグループ指定して、該グループを共通ツリー表示して、要素に運用操作を施し、運用操作の結果をグループ全体のクライアントに及ぼすと、運用管理の操作性を著しく向上させることができる。
【0007】
この発明の目的は、ネットワーク分散環境のノードにおいて、運用操作対象の要素を全ノードに対する共通ツリーで表し、該ツリーに含まれる要素をグループにして、該要素に運用操作を施した結果をグループ全体のノードに及ぼすネットワーク分散環境の運用操作システム及びその装置及びその方法にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1のネットワーク分散環境の運用操作システムは、ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素に対して運用操作を施すネットワーク分散環境の運用操作システムであって、前記ノードの構成要素の内、ある要素をルート要素とし、当該ルート要素配下で、同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化し、当該共通ツリーの要素の定義情報に施す運用操作を前記グループ内の同じ定義情報を有する各要素に施すことを特徴とする。
【0009】
本発明の第2のネットワーク分散環境の運用操作システムは、ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素に対して運用操作を施すネットワーク分散環境の運用操作システムであって、前記ノードのそれぞれの構成要素が保持する定義情報を取得する定義情報取得手段と、ある要素をルート要素に指定し、当該ルート要素配下で同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化する要素ツリー構築手段と、前記共通ツリーで指定した要素の定義情報をグループ定義情報として表示する共通定義情報表示手段と、前記表示したグループ定義情報に運用操作を施す表示画面操作手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の第1のネットワーク分散環境の運用操作方法は、ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素の内、ある要素をルート要素とし、当該ルート要素配下で、同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化し、当該共通ツリーの要素の定義情報に施す運用操作を前記グループ内の同じ定義情報を有する各要素に施すことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2のネットワーク分散環境の運用操作方法は、ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素が保持する定義情報を取得する定義情報取得ステップと、ある要素をルート要素に指定し、当該ルート要素配下で同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化する要素ツリー構築ステップと、前記共通ツリーで指定した要素の定義情報をグループ定義情報として表示する共通定義情報表示ステップと、前記表示したグループ定義情報に運用操作を施す表示画面操作ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の第1のプログラムは、ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素の内、ある要素をルート要素とし、当該ルート要素配下で、同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化し、当該共通ツリーの要素の定義情報に施す運用操作を前記グループ内の同じ定義情報を有する各要素に施す処理を運用操作端末装置に行わせることを特徴とする。
【0013】
本発明の第2のプログラムは、ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素が保持する定義情報を取得する定義情報取得ステップと、ある要素をルート要素に指定し、当該ルート要素配下で同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化する要素ツリー構築ステップと、前記共通ツリーで指定した要素の定義情報をグループ定義情報として表示する共通定義情報表示ステップと、前記表示したグループ定義情報に運用操作を施す表示画面操作ステップと、を運用操作端末装置に行わせることを特徴とする。
〔作用〕 ネットワーク分散環境のノードをルート要素にしてツリービューを構成するのではなく、ノードを構成する要素を指定してルート要素とし、該要素と同じ定義情報を有する要素をノードから抽出して共通ツリー表示させてグループにして複数のノードに分散している同一の要素の関係を1つのツリービューにすることができる。これにより、運用操作者が特定の要素の設定値を参照して確認する、設定値を変更する、要素に運用操作を施す、ことが該ツリーの要素を選択して、定義情報や要素に1回の運用操作で実行できる。
【発明の効果】
【0014】
この発明の第一の効果は、ネットワーク分散環境におけるノードを構成する要素に対して運用管理の操作を行なう場合に、複数ノードに同一の定義情報を有する要素に対する運用操作が1回の実行で行なえることである。その理由は、指定する要素をルート要素にして、同一の定義情報を有する要素をツリービューに構成してグループ化し、該要素に対する運用操作をグループ内の該当する要素に及ぼすからである。
【0015】
更に、第二の効果は、複数のノードにある要素に対して、運用管理する場合に、対象のツリーの中から探すことが容易になることである。その理由は、対象要素をルート要素として選べるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。実施例であるネットワーク分散環境の運用操作システムの構成を示す図1を参照すると、運用操作システムは運用操作対象の複数のノード110、120、130と、ノード110、120,130に対して運用操作を行なう運用操作端末装置200と、を備える。なお、この実施例ではノードの台数は3つであるが、1以上の任意数でよい。また、ノード上の要素の数も任意であり、ノード上で要素数が異なってもよい。それぞれのノード110,120,130,における要素511、512、513、521、522、523、531、532、533は、その要素の振る舞いを定義した定義情報611、612、613、を定義情報ファイル610に、定義情報621、622、623、を定義情報ファイル620に、定義情報631、632、633、を定義情報ファイル630に、それぞれ登録して保持される。
【0017】
図2を参照すると、運用操作端末装置200は、各ノード110,120,130の要素の定義情報に運用操作を施す運用操作部400と、図示しない入出力装置に対する表示出力及び操作入力を受け渡すグラフィカルユーザインタフェース部300と、を含む。
【0018】
運用操作部400は、ノード110,120,130から要素の定義情報を取得する定義情報取得手段410と、定義情報に操作を施した結果をノード110,120,130に配布する定義情報配布手段420と、指定する要素を階層関係によって、ノードをルート要素にしたノード別の個別ツリー、あるいは指定要素をルート要素にして同一定義情報をもつ要素をグループ別の共通ツリーを構築して表示する要素ツリー構築手段430と、ノード個別ツリー、あるいは共通ツリーの要素の定義情報を検索表示する共通定義情報表示手段440と、グラフィカルユーザインタフェース部300からの運用操作によって、画面表示された定義情報に対して、参照、変更、操作、を施す表示画面操作手段450と、を備える。
【0019】
図1における定義情報611、612、613、621、622、623、631、632、633は、図3の定義情報に示すように、要素種別710と、識別名720と、親識別名730と、設定情報740と、操作情報760と、を有している。要素種別710はその要素の種別が登録される。この実施例では「ノード」、「業務システム」、「サービス」、「アプリケーション」、「リソース」などが相当する。識別名720は、その要素を一意に示す名称が登録される。同一種別の要素は同一の識別名720を有する。つまり同一の要素種別710及び識別名720を持つ要素は同一である。親識別名730はその要素の階層関係における親要素の親識別名が登録される。
ルート要素の場合は最上位であるので親要素がないため、「値なし」になる。
【0020】
設定情報740は、要素の動作設定の属性741、742、743と、それらの属性値751、752、753と、を有している。属性741に対する値が属性値751であり、属性742に対する値が属性値752であり、属性743に対する値が属性値753である。設定情報740はその要素の要素種別710が同一であれば同一の属性一覧を有する。ただし、属性値についてはそれぞれの要素で個別の値を有してもよい。例えば、運用操作者は、運用操作部400を通じて、対象要素の設定情報740の属性741及び属性値751を参照できる。また、更新するときは、運用操作部400を通して該当要素の属性値751を更新すればよい。操作情報760は、その要素の実行可能な運用操作を規定する操作761と、762と、763と、を有している。
【0021】
操作情報760は、その要素の要素種別710が同じであれば、同一の操作が施される。例えば、要素がアプリケーションプログラムであれば、該プログラムの起動、停止、削除が一斉に操作できる。
【0022】
要素ツリー構築手段430の機能について説明する。例えば、図4に示すようなノードNA140と、ノードNB150と、がある。ノードNA140上では要素種別710に当たる「業務システム」と、それの識別名720に当たる「業務システムSA」141と、それの子要素である「サービス」142と、「アプリケーション」143と、「リソース」144と、を含み、「サービス」142の子要素である「サービス1」1421と、「アプリケーション」143の子要素である「AP1」1431及び「AP2」1432と、「リソース」144の子要素である「リソース1」1441と、から構成される。
【0023】
ノードNB150上では、要素種別710に当たる「業務システム」と、それの識別名720である「業務システムSA」151と、「業務システムSA」151の子要素として「サービス」152及び「アプリケーション」153と、「リソース」154と、を含み、「サービス」152の子要素である「サービス1」1521及び「サービス2」1522と、「アプリケーション」153の子要素である「AP1」1531と、「リソース」154の子要素である「リソース1」1541及び「リソース2」1542と、を含む。「ノードNA」140及び「ノードNB」150をルート要素にして、親子関係の階層にしたがってツリー構築すると、図5に示すようなツリーが構成される。
【0024】
「業務システムSA」141及び151をルート要素に選択し、ツリー構築の結果を図6に示す。図6によれば、「業務システムSA」161は、ノードに依存しないルート要素となり、「業務システムSA」161の配下には、ノードNA140及びノードNB150の「業務システムSA」141及び「業務システムSA」151を構成する配下の要素を全て含む。要素種別である「サービス」141及び「サービス」152を例にすると、「ノードNA」140では「サービス1」1421が定義され、「ノードNB」150では「サービス1」1521及び「サービス2」1522が定義されている。よって、「業務システムSA」161配下の要素種別である「サービス」162としてはグルーピングされて「サービス1」1621及び「サービス2」1622が定義される。要素種別である「アプリケーション」163では、「AP1」1631及び「AP2」1632がグルーピングされて定義される。また、要素種別の「リソース」164についても、「リソース1」1641及び「リソース2」1642がグルーピングされて同様に定義される。
【0025】
このグルーピングは、定義情報取得手段410がノード110,120,130の要素の定義情報611、612、613、621、622、623、631、632、633を取得し、それぞれの定義情報の設定情報740及び操作情報760を同じ識別名を持つ親要素の配下にすることによってグルーピング化して設定情報、操作情報を画面表示する。
【0026】
更に、グルーピングはその要素の上位要素であるノード110、120、130をルート要素にした単一グループと、ノードの指定要素をルート要素にした共通グループと、がある。例えば、ノード110の単一グループは、ノード110上で定義されている設定情報740及び操作情報760を有する。また、共通グループは、複数のノードが存在するときのみ作成し、各ノードを構成する要素で同一の種別及び識別名を有し、同じ親要素を持つ要素に対して、共通に定義された設定情報740及び操作情報760を有する。ただし設定情報740の各属性741、742、743の属性値751、752、753に関しては、全てのノード内の構成要素で同一の値を持つ場合のみ、その属性の属性値として扱う。同一でない場合、属性値は値なしとする。例えば、図5で示すように、構成種別710の「サービス」142の子要素である「サービス1」1421は、「ノードNA」140及び「ノードNB」150上で定義されているため、「ノードNA」140のグループと「ノードNB」150のグループと共通グループを有することとなり、「サービス2」1522は「ノードNB」150上でしか定義されていないので、「ノードNB」150の単一グループになる。
【0027】
表示画面操作手段450による設定情報に対する運用操作について説明すると、定義情報の表示画面に対して、運用管理操作者が行なうべき運用操作をグラフィカルユーザインタフェース部300を介して、図示しない入出力装置を操作して処理を進める。設定情報740の参照を行なう場合は設定情報参照処理を行い、設定情報740の更新を行なう場合は設定情報更新処理を行い、操作情報760の実行を行なう場合は運用操作処理を行う。
【0028】
次に、この最良の形態の動作について図面を参照して説明する。運用操作を行うとき、任意の要素に対して、図8の「設定情報参照」、図9の「設定情報更新」、図10の「運用操作」の各フローチャートを実行する運用管理端末装置200の動作について、それぞれ説明する。なお、最初に説明する図7の「ツリー構築処理」は、運用管理端末装置200が画面上に複数ノードの要素に対して、運用操作する対象の要素をツリー表示を行なうための処理手順であり、全ての操作に先だって行なわれる。
【0029】
図7のフローチャートに示すツリー構築処理を説明する。運用操作端末装置200の定義情報取得手段410は、全ノード110、120、130上で定義されているシステムを構成する要素511、512、513、521、522、523、531、532、533に対する定義情報611、612、613、621、622、623、631、632、633を取得する(図7のステップS1)。要素ツリー構築手段430は、ルート要素の要素種別710を決定する。このとき、設定変更や操作実行の対象要素を選択する。この実施例では「業務システム」、「サービス」、「アプリケーション」、「リソース」の内からいずれか一つを選択する(ステップS2)。
【0030】
要素ツリー構築手段430は、ステップS2で選択した要素をルート要素としてそれぞれの定義情報611、612、613、621、622、623、631、632、633を参照し、識別名720及び親識別名730を元にツリー構築を行ない、ツリーを画面表示する。なお、ツリー構築のときにステップS2で選択したルート要素の親要素については考慮しない。
【0031】
例えば、図4のようなノードNA140上では、「業務システムSA」141は、子要素として「サービス」142及び「アプリケーション」143並びに「リソース」144をもつ。「サービス」142の子要素として「サービス1」1421と、「アプリケーション」143の子要素として「AP1」1431及び「AP2」1432と、「リソース」144の子要素として「リソース1」1441と、から構成される。
【0032】
ノードNB150上では、「業務システムSA」151は、子要素として「サービス」152及び「アプリケーション」153並びに「リソース」154をもつ。「サービス」141の子要素として「サービス1」1521及び「サービス2」1522と、「アプリケーション」153の子要素として「AP1」1531と、「リソース」154の子要素として「リソース1」1541及び「リソース2」1542と、から構成されている。
【0033】
図5にノード140,ノード150をルート要素にしてツリー構築した場合を示し、図6に「業務システムSA」をルート要素にしてツリー構築した場合を示す。
【0034】
図6において、「業務システムSA」161はノードに依存せず、ノードNA140,ノードNB150に共通の要素としてルート要素になり、「業務システムSA」161の配下には、「業務システムSA」141及び「業務システムSA」151の配下要素を共通に含む。「サービス」162を例にすると、ノードNA140では「サービス1」1421が定義され、ノードNB150では「サービス1」1521及び「サービス2」1522が定義されている。したがって、「業務システムSA」161配下の「サービス」162としては「サービス1」1621及び「サービス2」1622が定義される。「アプリケーション」163、「リソース」164についても同様に定義してツリー構築し、要素ツリー表示手段440によって、該ツリーが画面表示される(ステップS3)。
【0035】
更に、要素ツリー構築手段430は、定義情報611、612、613、621、622、623、631、632、633に対して、それぞれの定義情報の設定情報740及び操作情報760をグルーピングして画面表示を行なう。グルーピングは、その要素の上位要素であるノード110、120、130のグループ及び共通グループからなる。例えば、ノード110のグループはそれぞれのノード110上で定義されている設定情報740及び操作情報760を有することとなる。また、共通グループは、複数のノードが存在するときのみ作成し、ノード間で共通に定義された設定情報740及び操作情報760を有する。ただし、設定情報740の各属性741、742、743の属性値751、752、753に関しては、全てのノード内の要素で同一の属性値を持つ場合のみ、その属性の属性値として扱う。同一の属性値でない場合、属性値は値なしとする。例えば図4で示すように、構成種別710が「サービス」では、識別名720が「サービス1」1421,1521がノードNA140及びノードNB150上で定義されているため、ノードNA140のグループとノードNB150のグループとの共通グループを有することとなり、「サービス2」はノードNB上でしか定義さていないので、ノードNB150のグループのみとなる。要素ツリー表示手段440によって、ノード別あるいはグループ別の設定情報が画面表示される(ステップS4)。運用管理操作者が運用操作を選択する(ステップS5)。設定情報740の参照を選択する場合は設定情報参照処理を行い(ステップS10)、設定情報740の更新を選択する場合は設定情報更新処理を行い(ステップS20)、操作情報760の実行を選択する場合は運用操作処理を行う(ステップS30)。
【0036】
図8の設定情報参照処理(ステップS10)のフローチャートを参照すると、ツリー構築処理で画面表示したツリー表示から、設定情報を参照する要素を選択する(ステップS11)。選択した要素をグルーピングした全ての設定情報740及び操作情報760を表示する(ステップS12)。特定ノードの要素の属性を参照する場合は(ステップS13)、そのノードのグループの属性及び属性値を参照する(ステップS14)。全てのノードの共通要素の属性の参照を行なう場合は(ステップS13)、その共通グループの属性及び属性値を参照する(ステップS15)。
【0037】
図9の設定情報更新処理(ステップS20)のフローチャートを参照すると、設定情報参照処理で表示された設定情報から更新する要素を選択する(ステップS21)。選択した要素をグルーピングした全ての設定情報及び操作情報を表示する(ステップS22)。特定ノードの要素の属性の更新を行なう場合は(ステップS23)、そのノードグループの属性及び属性値を更新する(ステップS24)。全てのノードの共通要素の属性値を更新する場合は(ステップS23)、その共通グループの要素の設定情報の属性及び属性値を全て更新する(ステップS25)。
【0038】
図10の操作実行処理(ステップS30)のフローチャートを参照すると、設定情報参照処理で表示された設定情報から運用操作する対象要素を選択する(ステップS31)。選択された要素のグルーピングした全ての設定情報及び操作情報を表示する(ステップS32)。特定ノードの要素の操作の実行を行なう場合は(ステップS33)、そのノードグループの設定の実行要求を行なう(ステップS34)。全てのノードの共通要素に運用操作を行なう場合は(ステップS33)、その共通グループの運用操作の実行要求を行なう(ステップS35)。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明は、ネットワーク分散環境における複数ノードが共通に有する要素に対して、運用操作を施す運用操作端末装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施の形態を示す図である。
【図2】図1の運用操作端末装置の構成を示す図である。
【図3】図1のノードの要素を定義する定義情報を示す図である。
【図4】ノードの要素構成を例示する図である。
【図5】ノードをルート要素にしたツリー構成を示す図である。
【図6】選択した要素をルート要素にしたツリー構成を示す図である。
【図7】ネットワーク分散環境におけるノードを構成する要素をツリー表示するツリー構築処理のフローチャートである。
【図8】ツリー表示された要素に対する設定情報参照処理のフローチャートである。
【図9】ツリー表示された要素に対する設定情報更新処理のフローチャートである。
【図10】ツリー表示された要素に対する運用操作処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
110,120,130 ノード
200 運用操作端末装置
300 グラフィカルユーザインタフェース部
400 運用操作部
511,512,513,521,522,523,531,532,533 要素
611,612,613,621,622,623,631,632,633,700 定義情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素に対して運用操作を施すネットワーク分散環境の運用操作システムであって、
前記ノードの構成要素の内、ある要素をルート要素とし、当該ルート要素配下で、同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化し、当該共通ツリーの要素の定義情報に施す運用操作を前記グループ内の同じ定義情報を有する各要素に施すことを特徴とするネットワーク分散環境の運用操作システム。
【請求項2】
ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素に対して運用操作を施すネットワーク分散環境の運用操作システムであって、
前記ノードのそれぞれの構成要素が保持する定義情報を取得する定義情報取得手段と、
ある要素をルート要素に指定し、当該ルート要素配下で同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化する要素ツリー構築手段と、
前記共通ツリーで指定した要素の定義情報をグループ定義情報として表示する共通定義情報表示手段と、
前記表示したグループ定義情報に運用操作を施す表示画面操作手段と、
を備えたことを特徴とするネットワーク分散環境の運用操作システム。
【請求項3】
ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素の内、ある要素をルート要素とし、当該ルート要素配下で、同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化し、当該共通ツリーの要素の定義情報に施す運用操作を前記グループ内の同じ定義情報を有する各要素に施すことを特徴とするネットワーク分散環境の運用操作方法。
【請求項4】
ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素が保持する定義情報を取得する定義情報取得ステップと、
ある要素をルート要素に指定し、当該ルート要素配下で同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化する要素ツリー構築ステップと、
前記共通ツリーで指定した要素の定義情報をグループ定義情報として表示する共通定義情報表示ステップと、
前記表示したグループ定義情報に運用操作を施す表示画面操作ステップと、
を含むことを特徴とするネットワーク分散環境の運用操作方法。
【請求項5】
ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素の内、ある要素をルート要素とし、当該ルート要素配下で、同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化し、当該共通ツリーの要素の定義情報に施す運用操作を前記グループ内の同じ定義情報を有する各要素に施す処理を運用操作端末装置に行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
ネットワーク分散環境における各ノードの構成要素が保持する定義情報を取得する定義情報取得ステップと、
ある要素をルート要素に指定し、当該ルート要素配下で同じ識別名の親要素をもち、かつ同じ定義情報を有する要素を全てのノードから抽出し、抽出した要素を前記親要素の子要素とする共通ツリーでグループ化する要素ツリー構築ステップと、
前記共通ツリーで指定した要素の定義情報をグループ定義情報として表示する共通定義情報表示ステップと、
前記表示したグループ定義情報に運用操作を施す表示画面操作ステップと、
を運用操作端末装置に行わせることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−172537(P2007−172537A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372841(P2005−372841)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】