説明

ネットワーク可視化方法およびネットワーク可視化装置

【課題】物理網におけるVNT間の資源の共有状態や、各VNTへの資源割り当て状況や、各VNTのネットワークの挙動を把握できるようにする。
【解決手段】ネットワーク可視化装置は、VNエージェントサーバからL1パス情報およびリンクトラヒック情報を受信し、またPN管理サーバから物理網トポロジ情報およびその資源属性変更情報を受信する。そして、ネットワーク可視化装置は、これらの情報に基づき、各VNTの論理リンクとトラヒック量を示すVNT表示画面と、各VNTの物理トポロジ、配分資源およびL1パスを示す配分資源表示画面と、物理網全体の物理トポロジ、各VNT間の共有資源および競合資源を示す物理網表示画面とを表示する。さらに共有資源に相当する物理リンクを、配分資源表示画面上でハイライト表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークの仮想網の可視化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワーク資源の有効利用を実現する技術としてネットワークの仮想化が提案されている。仮想化とは、物理的なインフラ網(物理網)上に、複数の論理的な仮想網(VNT、Virtual Network Topology)を収容するものである。このVNTは、例えば、音声系サービス、映像系サービス等、サービスごとに割り当てられる。この仮想化において、個別のVNTに対してはVNT制御技術(非特許文献1参照)により自律的に最適な制御を行いつつ、各VNTに対する配分リソース(資源)制御技術によって物理網全体の資源利用の効率化を図っている。なお、ここでの配分リソース制御とは、各VNTを構成する物理リンクへの割り当て帯域の制御等を示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Y.Koizumi,T.Miyamura,S.Arakawa, E.Oki,K.Shiomoto,and M.Murata, "Robust Virtual Network Topology Control based on Attractor Selection" ,ONDM 2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、各VNTは、動的な配分リソース制御や、VNT最適化制御等の複数のアルゴリズムによって時間的変動を伴って制御される。このため、各VNTのネットワークの挙動を把握することが困難である。具体的には、物理網における、複数のVNT間の資源(リソース)の共有状態や、各VNTへの資源割り当て状況や、各VNTのネットワークの挙動(どのようなL1(レイヤ1)パスが設定されているか)を把握することは困難である。特に、VNT数は最大1000個程度収容されることが想定されるが、このような多数のVNTの管理を行うことは今まで検討されていなかった。そこで、本発明は、前記した問題を解決し、物理網におけるVNT間の資源の共有状態や、各VNTへの資源割り当て状況や、各VNTのネットワークの挙動を把握する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決するため、本発明は、画面上に、物理網に収容されるVNT(Virtual Network Topology)の情報を表示するネットワーク可視化装置が、所定のVNTアルゴリズムによりVNTの制御を行うVN(Virtual Network)エージェントサーバから、VNTのL1(レイヤ1)パスを示すL1パス情報と、VNTの論理リンクごとに、当該論理リンクを流れるリンクトラヒック量を示すリンクトラヒック情報とを受信する。また、このネットワーク可視化装置は、物理網の情報取得および制御を行うPN(Photonic Network)管理装置から、物理網におけるノードである、IPルータおよび伝送装置の接続状態、ノード間を接続する物理リンク、物理リンクそれぞれの割り当て帯域、VNTそれぞれの物理トポロジおよび当該VNTの物理リンクへの割り当て帯域を示す物理網トポロジ情報を受信する。そして、ネットワーク可視化装置は、受信したL1パス情報、リンクトラヒック情報および物理網トポロジ情報を記憶部に記憶する。この後、ネットワーク可視化装置は、物理網トポロジ情報を参照して、物理網の物理トポロジと、物理トポロジにおける物理リンクごとに、当該物理リンクを用いるVNTの識別情報とを表示する物理網表示画面を表示する。また、物理網トポロジ情報におけるVNTそれぞれの物理トポロジおよび当該VNTの物理リンクへの割り当て帯域を示す資源属性情報と、L1パス情報と、リンクトラヒック情報とを参照して、VNTごとに、当該VNTを構成する論理リンクと、当該論理リンクの経由するIPルータと、当該論理リンクを流れるリンクトラヒック量とを表示するVNT表示画面を表示する。さらに、資源属性情報とL1パス情報とを参照して、VNTごとに、当該VNTの物理トポロジと、当該VNTのL1パスと、当該VNTの物理リンクへの割り当て帯域を示す配分資源表示画面を表示する。そして、ネットワーク可視化装置は、L1パス情報と、リンクトラヒック情報と、資源属性情報とを参照して、論理リンクのうち、当該論理リンクを構成するL1パスの割り当て帯域(トラヒック量)に対する、実際に流れているトラヒック量の割合が所定の閾値を超える論理リンクがあったとき、VNT表示画面上において当該論理リンクのアラーム表示を行う。また、ネットワーク可視化装置は、入力部により、VNT表示画面の論理リンクの選択入力を受け付けたとき、資源属性情報と、L1パス情報とを参照して、配分資源表示画面上において、選択された論理リンクの用いる物理リンクを識別表示する。
【0006】
このようにすることで、ネットワークの管理者は、物理網におけるVNTリソース(資源)の共有状態や、各VNTへの資源割り当て状況や、各VNTのネットワークの挙動(どのようなL1(レイヤ1)パスが設定されているか)を把握できる。また、VNTを構成する論理リンクが、物理網においてどの物理リンクを用いているかを把握できる。
【0007】
また、本発明は、ネットワーク可視化装置が、前記L1パス情報と、物理網トポロジ情報とを参照して、当該物理リンクを用いるVNTの数が所定の閾値を超える物理リンクがあるとき、物理表示画面上において、当該物理リンクを識別表示する。
【0008】
このようにすることで、ネットワーク管理者は、物理網のリンクのうち、所定の数を超えるVNTにより用いられているリンク、つまり、リソースが競合状態にあるリンクを把握できる。
【0009】
また、本発明は、ネットワーク可視化装置が、入力部経由で、表示対象とするVNTの選択入力を受け付けたとき、資源属性情報と、L1パス情報と、リンクトラヒック情報とを参照して、選択されたVNTを構成するL1パスを示す論理リンクと、この論理リンクの経由するIPルータと、この論理リンクに流れるリンクトラヒック量とを示すVNT表示画面を表示する。また、ネットワーク可視化装置は、資源属性情報と、L1パス情報とを参照して、選択されたVNTごとに、当該VNTの物理トポロジと、当該VNTのL1パスと、当該VNTの物理リンクへの割り当て帯域とを示す配分資源表示画面を表示する。
【0010】
このようにすることで、ネットワーク可視化装置は、画面上に表示するVNTに関する情報を絞りこむこができる。よって、各画面における視認性の向上と、ネットワーク可視化装置における各画面への表示処理の負荷軽減を図ることができる。
【0011】
また、本発明において、L1パス情報は、VNTアルゴリズムにより出力された、同じVNTに関する1以上のパターンのL1パス情報であり、ネットワーク可視化装置が、入力部経由で、さらに、表示対象とするVNTのL1パス情報のパターンの選択入力を受け付けたとき、以下の処理を行う。すなわち、ネットワーク可視化装置は、資源属性情報と、L1パス情報と、リンクトラヒック情報とを参照して、選択されたVNTについて、選択されたパターンのL1パス情報に示されるL1パスを示す論理リンクと、当該論理リンクの経由するIPルータと、当該論理リンクを流れるリンクトラヒック量とを示すVNT表示画面を表示する。また、ネットワーク可視化装置は、資源属性情報と、L1パス情報と、リンクトラヒック情報とを参照して、選択されたVNTの物理トポロジと、当該VNTの選択されたパターンのL1パスと、当該VNTの物理リンクそれぞれに割り当てられた帯域とを示す配分資源表示画面とを表示する。
【0012】
このようにすることで、ネットワーク可視化装置は、VNTアルゴリズムにより複数パターンのL1パスが出力された場合でも、そのパターンのL1パスに関する情報を画面上に表示できる。
【0013】
また、本発明において、L1パス情報と、リンクトラヒック情報と、物理網トポロジ情報とはそれぞれ、さらに、情報作成日時情報を含んでなり、ネットワーク可視化装置が、情報作成日時情報を参照して、VNT表示画面と配分資源表示画面とを時系列で、表示する。
【0014】
このようにすることで、ネットワーク可視化装置は、VNT表示画面および配分資源表示画面を時系列で表示することができる。
【0015】
また、本発明は、ネットワーク可視化装置が、物理網表示画面、VNT表示画面および配分資源表示画面の少なくともいずれかの画面上において、複数のノードに代えて、当該複数のノードをまとめた抽象ノードを示す画面を表示する。そして、ネットワーク可視化装置が、入力部経由で、物理網表示画面、VNT表示画面および配分資源表示画面のいずれかの画面上から抽象ノードの選択入力を受け付けたとき、物理網トポロジ情報を参照して、抽象ノードに相当する複数のノードを示す画面を表示する。
【0016】
このようにすることで、物理網やVNTに多数のノードが含まれる場合でも、各画面上における視認性を向上させることができる。また、ネットワーク可視化装置における各画面への表示処理の負荷軽減を図ることができる。
【0017】
また、本発明は、ネットワーク可視化装置が、物理網表示画面、VNT表示画面および配分資源表示画面の少なくともいずれかの画面上において、抽象ノード間を接続する複数の物理リンクまたは論理リンクに代えて、当該複数の物理リンクまたは論理リンクをまとめた抽象リンクを示す画面を表示する。そして、ネットワーク可視化装置が、入力部経由で、物理網表示画面、VNT表示画面および配分資源表示画面のいずれかの画面上から抽象リンクの選択入力を受け付けたとき、物理網トポロジ情報を参照して、抽象リンクに相当する複数の物理リンクまたは論理リンクを示す画面を表示する。
【0018】
このようにすることで、物理網やVNTに多数のリンクが含まれる場合でも、各画面上における視認性を向上させることができる。また、ネットワーク可視化装置における各画面への表示処理の負荷軽減を図ることができる。
【0019】
また、本発明は、ネットワーク可視化装置が、VNエージェントサーバから、同じVNTについて前回受信したL1パス情報との差分情報を受信する。そして、ネットワーク可視化装置が、VNT表示画面および配分資源表示画面を表示するとき、記憶部に記憶されたL1パス情報に、受信した差分情報を反映して画面表示を行う。
【0020】
このようにすることで、ネットワーク可視化装置がL1パス情報を受信するときのVNエージェントサーバとの間の通信負荷を低減できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ネットワーク管理者は、物理網におけるVNT間の資源の共有状態、各VNTへの資源割り当て状況、各VNTのネットワークの挙動等を把握しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態のシステムの構成例を示す図である。
【図2】図1のネットワーク可視化装置の表示画面例を示す図である。
【図3】図2のVNT表示画面および配分資源表示画面を説明する図である。
【図4】本実施の形態の表示画面のバリエーションを示す図である。
【図5】本実施の形態の表示画面に表示する情報のフィルタリングの受付画面例を示す図である。
【図6】本実施の形態の表示画面に表示する情報のフィルタリングの受付画面例を示す図である。
【図7】本実施の形態の表示画面におけるノードおよびリンクの抽象化による表示例を示す図である。
【図8】図1のネットワーク可視化装置がVNエージェントサーバからL1パス情報の差分情報を受信する場合の処理を概念的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<概要>
以下、本発明の実施の形態(以下、実施の形態という)について説明する。図1に示すようにシステムは、物理(物理インフラ)網、NMS(Network Management System)50、VNT(Virtual Network Topology)制御を行うVN(Virtual Network)エージェントサーバ30、物理網の情報取得や制御を行うPN(Photonic Network)管理サーバ40、ネットワーク可視化装置10および表示装置20を備える。なお、以下の説明において、資源とは、物理網のノード間を接続するリンクとそのリンクへの割り当て帯域(使用可能帯域)とを示すものとする。
【0024】
物理網は、複数のノード(例えば、光クロスコネクト等の伝送装置、IP(Internet Protocol)ルータ)と、このノード間を接続するリンク(例えば、光ファイバ)で構成され、この物理網上に複数のVNTが収容される。ここで、ネットワーク可視化装置10は、VNエージェントサーバ30経由で、各VNTに設定されたL1(レイヤ1)パス情報132、各L1パスのリンクトラヒック情報131(詳細は後記)を受信する。また、PN管理サーバ40経由で、物理網におけるノードの接続状態、ノード間を接続するリンクおよびリンクそれぞれの割り当て帯域、資源属性(VNTそれぞれの物理トポロジおよび各VNTのリンクへの割り当て帯域)を受信する。なお、各VNTの資源属性が変更された場合、PN管理サーバ40から資源属性変更情報を受信する。そして、ネットワーク可視化装置10は、これらの情報をもとに、表示装置20に、図2に例示するような画面を表示する。
【0025】
図2に例示するように、画面は、物理網表示画面、配分資源表示画面、VNT表示画面およびVNT選択画面を備える。物理網表示画面は、図1の物理網における各ノードの接続状態、各ノードを接続するリンク(物理リンク)を表示する画面である。この物理網表示画面には、各VNTの物理資源の共有情報も表示される。共有情報とは、例えば、物理リンクごとに、その物理リンクを使用するVNTと、各VNTへの割り当て帯域(使用可能帯域)とを示した情報である。この共有情報により、当該物理リンクについて、どのVNTにどの程度の帯域が割り当てられているかを確認できる。また、この物理網表示画面は、競合資源(割当VNT数が閾値を超過しているリンク)がアラーム表示される。このようにすることで、ネットワーク管理者は、物理網のリンクのうち、閾値を超えた数のVNTにより使用されているリンクを確認することができる。
【0026】
配分資源表示画面は、VNTごとに、そのVNTの配分資源(そのVNTの物理トポロジおよびそのVNTのリンクへの割り当て帯域)と、L1パスとを表示する画面である。このような画面によれば、ネットワーク管理者は、各VNTの配分資源およびL1パスを確認できる。
【0027】
VNT表示画面は、VNTごとに、そのVNTを構成する論理リンクとIPルータとを表示する画面である。また、このVNT表示画面には論理リンクを流れるトラヒック量も表示される(詳細は、図3を用いて後記)。さらに、VNT表示画面に表示される論理リンクのうち、リンク使用率(当該論理リンクを構成するL1パスの割り当て帯域(トラヒック量)に対し、実際に流れているトラヒック量の割合)が所定の閾値を超えている論理リンクがある場合、このVNT表示画面上にアラーム表示されるものとする。なお、このVNT表示画面における論理リンクは物理レイヤのL1パスに該当する。つまり、配分資源表示画面上に表示されるL1パスは、VNT表示画面上の論理リンクに一致する。また、各L1パスの割り当て帯域は、例えば、L1パス1本当たり1Gbps等、固定値が与えられており、この割り当て帯域の値は、物理網トポロジ情報133に格納されているものとする。
【0028】
VNT選択画面は、VNT表示画面や配分資源表示画面に表示するVNTの選択入力を受け付ける画面である。例えば、この画面上からVNT1およびVNT2が選択されると、ネットワーク可視化装置10は、選択されたVNTに関する情報を、VNT表示画面および配分資源表示画面に表示する。これにより、ネットワーク可視化装置は、多数のVNTの中から、管理者等の所望するVNTの情報を絞り込んで、表示装置20の画面上に表示させることができる。
【0029】
<構成>
図1に戻り、システムの構成を詳細に説明する。システムは、NMS50、VNエージェントサーバ30、PN管理サーバ40およびネットワーク可視化装置10を備える。
【0030】
NMS50は、物理網からリンクトラヒック(各リンクを流れるトラヒック量)を取得する。
【0031】
VNエージェントサーバ30は、ネットワーク可視化装置10から受信した各VNTへの配分資源と、NMS50から読み込んだリンクトラヒックの情報(リンクトラヒック情報131)とに基づき、VNT制御アルゴリズム(例えば、ゆらぎアルゴリズム31等)により各VNTのVNT制御(L1パスの設定等)を行う。そして、VNエージェントサーバ30は、VNT制御結果であるL1パス情報132と、リンクトラヒック情報131とをネットワーク可視化装置10へ送信する。ここで送信されたL1パス情報132と、リンクトラヒック情報131とは、ネットワーク可視化装置10が記憶部13に記憶する。
【0032】
PN管理サーバ40は、情報取得部42および動的リソース制御部41を備え、各VNTの資源属性が変更されたとき、その結果を資源属性変更情報としてネットワーク可視化装置10へ送信する。情報取得部42は、物理トポロジ(物理網におけるノードの接続状態、ノード間を接続するリンク)を取得し、この物理網トポロジを含む物理網トポロジ情報133をネットワーク可視化装置10へ送信する。また、動的リソース制御部41により決定された資源属性情報も送信する。さらに、動的リソース制御部41は、ネットワーク可視化装置10から物理網トポロジ情報133、資源属性情報、L1パス情報132、リンクトラヒック情報131を受信すると、これらの情報に基づき、各VNTに割り当てる帯域の制御を行う。また、その制御の結果、各VNTの資源属性が変更されたとき、情報取得部42は、その変更結果を示す資源属性変更情報をネットワーク可視化装置10へ送信する。ここで送信された物理網トポロジ情報133および資源属性変更情報は、ネットワーク可視化装置10が記憶部13に記憶する。
【0033】
次に、ネットワーク可視化装置10を説明する。ネットワーク可視化装置10は、L1パス情報132、リンクトラヒック情報131および物理網トポロジ情報133を用いて、表示装置20に物理網表示画面、配分資源表示画面、VNT表示画面およびVNT選択画面(図2参照)を表示する。なお、物理網トポロジ情報133は、物理網におけるノードの接続状態、ノード間を接続する物理リンクおよび物理リンクそれぞれに割り当てられた帯域を示す情報であり、各VNTの資源属性情報を含む。L1パス情報132は、サービス網(そのサービス網を構成するVNT)ごとに存在し、そのサービス網におけるL1パスの経由するノードを示す情報である。L1パス情報132の始終点情報は、VNTの論理リンク情報に該当する。リンクトラヒック情報131は、論理リンクごとに、その論理リンク上を流れるトラヒック量を示す情報である。
【0034】
ネットワーク可視化装置10は、入出力インタフェース部(入力部および出力部)11と、処理部12と、記憶部13と、通信インタフェース部(インタフェース部)14とを備えるコンピュータである。入出力インタフェース部11は、液晶モニタ等の表示装置20や、キーボード等の入力装置(図示省略)との入出力インタフェースである。処理部12は、記憶部13の各情報を参照して、表示装置20に画面を表示する。処理部12は、このネットワーク可視化装置10が備えるCPU(Central Processing Unit)によるプログラム実行処理や、専用回路等により実現される。記憶部13は、表示装置20への画面表示の際に参照する情報(リンクトラヒック情報131、L1パス情報132および物理網トポロジ情報133)を記憶する。この記憶部13は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成される。なお、ネットワーク可視化装置10をプログラム実行処理により実現する場合、記憶部13には、このネットワーク可視化装置10の機能を実現するためのプログラムが格納される。通信インタフェース部14は、VNエージェントサーバ30からのL1パス情報132や、リンクトラヒック情報131を受信したり、PN管理サーバ40からの資源属性変更情報を受信したりするインタフェースである。この通信インタフェース部14は、IP網等のネットワーク経由で外部装置との間で通信可能な通信インタフェースにより実現される。
【0035】
処理部12は、画面表示処理部121および情報更新部122を備える。この画面表示処理部121は、記憶部13のリンクトラヒック情報131、L1パス情報132および物理網トポロジ情報133を参照して、前記した物理網表示画面、配分資源表示画面、VNT表示画面およびVNT選択画面(図2参照)を表示装置20に表示する。
【0036】
<物理網表示画面>
物理網表示画面は、物理網における各ノード(IPルータ、伝送装置)の接続状態、各ノードを接続する物理リンクを示す画面である。画面表示処理部121は、物理網トポロジ情報133を参照して、この物理網表示画面を表示する。また、画面表示処理部121は、物理網トポロジ情報133における資源属性情報を参照して、物理網表示画面上に、各VNT間の物理資源の共有情報を表示する。ここで共有情報の表示対象となる物理リンクは、例えば、このネットワーク可視化装置10に接続される入力装置(図示省略)により選択されたものとする。また、この共有情報として、当該物理リンクについて、各VNTに割り当てられた帯域も併せて表示してもよい。例えば、図2の物理網表示画面上のリンク201は、「S1,S2」のVNTにより使用され、それぞれのVNTの割り当て帯域は、「1G(bps)」であることを示す。また、この物理網表示画面において、共有資源の表示対象として選択された物理リンクを配分資源表示画面でハイライト表示するようにしてもよい。このようにすることで、ネットワーク管理者等は、共有資源が、各VNTの物理トポロジにおけるどの物理リンクかを確認できる。
【0037】
また、画面表示処理部121は、物理網表示画面に、競合資源(VNTの割当数が閾値を超過してる物理リンク)をアラーム表示する。例えば、図2の物理網表示画面上のリンク202は、「S1,S2,S3,S4」のVNTにより使用される競合資源であり、各VNTに割り当てられた帯域は、それぞれ「1G,1G,1G,8G」であることを示す。このようにすることで、ネットワーク管理者は、閾値を超えた数のVNTにより使用されている物理リンクと、その物理リンクの割り当て帯域(使用可能帯域)を確認することができる。
【0038】
<配分資源表示画面>
配分資源表示画面(図3参照)は、VNTごとに、そのVNTの物理トポロジ、配分資源(各リンクへの割り当て帯域)およびL1パスとを表示する。例えば、図3に示す配分資源表示画面上には、当該VNTを構成するノードである、IPルータ1,2,3,4および伝送装置と、これらのノードを接続するリンク(物理リンク)と、各リンクへの割り当て帯域と、L1パスとが表示される。図1の画面表示処理部121は、物理網トポロジ情報133の資源属性情報およびL1パス情報132を参照して、この配分資源表示画面を表示する。
【0039】
<VNT表示画面>
VNT表示画面(図3参照)は、VNTごとに、そのVNTを構成する論理リンクと、IPルータおよび論理リンクを流れるリンクトラヒック量を示す画面である。図1の画面表示処理部121は、物理網トポロジ情報133の資源属性情報、L1パス情報132およびリンクトラヒック情報131を参照して、このVNT表示画面を表示する。図3に示すVNT表示画面上には、IPルータ1〜4と、IPルータ2−IPルータ1の論理リンクおよびその論理リンクのトラヒック量「0.8G」と、IPルータ1−IPルータ3の論理リンクおよびその論理リンクのトラヒック量「0.5G」と、IPルータ3−IPルータ4の論理リンクおよびその論理リンクのトラヒック量「1G」とを表示する。なお、図3に示すように、VNT表示画面上において、物理レイヤで設定されたL1パスは、IPルータ間を接続する論理リンクとして表示する。つまり、VNT表示画面はIPレイヤのトポロジなので、IPルータ間を経由する伝送装置の表示や、L1パスの経路情報は省かれる。また、画面表示処理部121は、VNT表示画面上の論理リンクが選択されると、配分資源表示画面上で、この論理リンクに該当するL1パスをハイライト表示する。このようにすることで、ネットワーク管理者は、VNT表示画面上に表示された論理リンクが、物理網において、どのリンク(およびノード)を使用しているかを確認できる。
【0040】
<VNT選択画面>
VNT選択画面(図2参照)は、VNT表示画面および配分資源表示画面に表示させるVNTのリストを示す画面である。図1の画面表示処理部121は、物理網トポロジ情報133の資源属性情報を参照して、このVNT選択画面を表示する。そして、画面表示処理部121は、このVNT選択画面から選択されたVNTに関する情報を、VNT表示画面および配分資源表示画面に表示する。
【0041】
また、情報更新部122は、VNエージェントサーバ30やPN管理サーバ40から受信した情報をもとに、記憶部13のリンクトラヒック情報131、L1パス情報132および物理網トポロジ情報133を更新する。例えば、情報更新部122は、通信インタフェース部14経由で、VNエージェントサーバ30からL1パス情報132やリンクトラヒック情報131を受信すると、これらの情報に基づき、ネットワーク可視化装置10の記憶部13のL1パス情報132やリンクトラヒック情報131を更新する。また、情報更新部122は、PN管理サーバ40から、資源属性変更情報を受信すると、この情報に基づき、物理網トポロジ情報133の資源属性情報を更新する。
【0042】
記憶部13は、前記したリンクトラヒック情報131、L1パス情報132および物理網トポロジ情報133を記憶する。これらの情報については、前記したとおりなので説明を省略する。
【0043】
通信インタフェース部14は、VNエージェントサーバ30へ、各VNTへの配分資源(物理トポロジおよび割り当て帯域)を送信し、この応答として、VNエージェントサーバ30からL1パス情報132や、リンクトラヒック情報131を受信する。また、通信インタフェース部14は、物理網トポロジ情報133、資源属性情報、L1パス情報132およびリンクトラヒック情報131を送信し、通信インタフェース部14は、このPN管理サーバ40から資源属性変更情報を受信する。
【0044】
以上説明したネットワーク可視化装置10によれば、物理網における各VNTの共有状態や、各VNTへの資源割り当て状況や、各VNTのネットワークの挙動(どのようなL1(レイヤ1)パスが設定されているか)を表示装置20の画面上に表示するので、ネットワーク管理者は各VNTの状況を把握しやすくなる。
【0045】
<フィルタリング>
前記した実施の形態では、画面表示処理部121は、VNT表示画面および配分資源表示画面に、図4(a)に示すように複数のVNTの情報を表示することとしたが、これに限定されない。例えば、図4(b)に示すように単一のVNTについて、VNT表示画面および配分資源表示画面を時系列で並べ、VNTの物理トポロジ、割り当て帯域、L1パスおよびそのL1パスのトラヒック量が時系列でどのように変更されていったかを表示するようにしてもよい。この場合、ネットワーク可視化装置10は、L1パス情報132、リンクトラヒック情報131および資源属性変更情報は、それぞれその日時情報(情報の作成日時または受信日時)とともに記憶部13の蓄積される。そして、画面表示処理部121は、これらの情報の日時情報に基づき、各日時のVNT表示画面および配分資源表示画面を作成し、時系列で表示するようにする。この場合、画面上に表示するのは1つのVNTに関する情報でもよいし、複数のVNTに関する情報であってもよい。
【0046】
さらに、ネットワーク可視化装置10は、VNエージェントサーバ30から、同じVNTに関し、複数パターンのL1パス情報132やリンクトラヒック情報131を受信する場合もある。このような場合、ネットワーク可視化装置10の画面表示処理部121は、受信した複数パターンのL1パス情報132やリンクトラヒック情報131を、VNT表示画面および配分資源表示画面に表示してもよい(図4(c)に示す「単一VNTの複数挙動の表示」参照)。
【0047】
このようなフィルタリング処理に関する指示は、例えば、図5に示すようなVNT選択画面から入力してもよい。図5(a)は、VNT選択画面の初期状態を示す。初期状態において、このVNT選択画面は、表示対象となるVNTの識別情報の選択入力を受け付けるチェックボックスと、そのVNTに関し、どのパターンのL1パス情報132およびリンクトラヒック情報131を表示するかの選択入力を受け付けるチェックボックスとを含む。また、このVNT選択画面は、どの時点における、VNT群の情報に関する選択入力を受け付けるのかの切り替えの入力も受け付けるようにしてもよい。例えば、図5(a)に示すように時系列の情報切り替えを「T=0,1,…,N」等の日時を示すタブで受け付けるようにしてもよい。
【0048】
また、画面表示処理部121は、VNT選択画面において、図5(b)に例示するように、各VNTのチェックボックスのうち最上位項目のチェックがされると、それを当該VNTのID=0のパターンの選択と等しいと解釈し、画面上のID=0のチェックボックスに自動でチェックを入れるようにしてもよい。
【0049】
さらに、画面表示処理部121は、各VNTのL1パス情報132およびリンクトラヒック情報131のパターンIDのチェックボックスを、VNTの識別情報よりも下位の階層の情報とし、図5(c)に例示するように、このIDのチェックボックスの階層の情報について、画面上に表示させないようにする(閉じる)ようにしてもよい。
【0050】
また、画面表示処理部121は、VNT選択画面の入力内容について、いくつかのパターンをテンプレートとして登録しておく。そして、VNT選択画面上でテンプレートの選択入力がされると、画面表示処理部121は、選択されたテンプレートへの登録内容に従い、自動入力を行うようにしてもよい。例えば、図6(a)に示すようにテンプレートボタンAが選択されると、画面表示処理部121は、複数VNTテンプレートを呼び出す。そして、画面表示処理部121は、複数のVNT(例えば、VNT1〜VNT3)のID=0のL1パス情報132およびリンクトラヒック情報131を表示するチェックボックスを自動で選択する。
【0051】
また、図6(b)に示すように、テンプレートボタンBが選択されると、画面表示処理部121は、時系列テンプレートを呼び出し、あるVNT(例えば、VNT1)について所定範囲の日時のタブを自動で選択する。さらに、図6(c)に示すように、テンプレートボタンCが選択されると、画面表示処理部121は、単一VNTの複数挙動テンプレートを呼び出し、あるVNT(例えば、VNT1)について所定パターン数のL1パス情報132およびリンクトラヒック情報131を自動で選択する。
【0052】
なお、それぞれのテンプレートへの情報登録は、ネットワーク管理者等が入力装置経由で手動で入力するようにしてもよいし、予め設定しておいたデフォルト値で行ってもよい。手動で入力する場合、例えば、図6(a)に示す複数VNTテンプレートへの登録であれば、VNTの表示範囲(例えば、VNT1〜VNT3)を指定してボタンクリックする。また、図6(b)に示す複数VNTテンプレートへの登録であれば、VNT識別情報と時系列の表示範囲を指定してボタンクリックをする。さらに、図6(c)に示す単一VNTの複数挙動テンプレートへの登録であれば、VNT識別情報と、候補VNTの表示範囲(つまり、当該VNTについて、最大何パターンのL1パス情報132およびリンクトラヒック情報131を表示するか)とを指定してボタンクリックする。画面表示処理部121は、このような操作により、テンプレートへの情報登録の入力を受け付ける。
【0053】
このように、画面表示処理部121が画面表示する内容のフィルタリングについて、予めテンプレートとして登録しておくことで、このネットワーク管理者等は、簡単な操作で所望する内容の画面表示を行うことができる。
【0054】
<ノードおよびリンクの抽象化>
さらに、ネットワーク可視化装置10の画面表示処理部121は、図7(a)に例示するように、複数のノード群を所定の単位でクラスタリングし、その1つのクラスタを1つの抽象ノードとして画面表示するようにしてもよい(図7(a)のクラスタ1〜クラスタ3参照)。ここでのクラスタリングの単位は、例えば、同じドメインのノード群でもよいし、物理網のノードが階梯構成になっていれば、同じ階梯のノード群であってもよい。このようにすることで、物理網を構成するノード数が膨大な数であった場合でも、表示装置20に画面表示したときの視認性を向上させることができる。なお、抽象ノードにまとめれらたノード数の多さに応じて、画面上に表示する抽象ノードの大きさを大きくするようにしてもよい。このようにすることで、抽象ノードそれぞれについて、どの程度の数のノードが抽象化されたかを、ネットワーク管理者等が、直感的に把握しやすくなる。また、画面表示処理部121が各画面上に表示処理を行うときの処理負荷を低減できる。なお、この抽象ノード(例えば、クラスタ2)について、入出力インタフェース部11経由で、画面上から選択入力を受け付けたとき、画面表示処理部121は、物理網トポロジ情報133を参照して、この抽象ノードに相当する複数のノード群を画面上に表示するようにしてもよい。このようにすることで、ネットワーク管理者は、抽象ノードを構成するノード群を確認できる。
【0055】
また、このような抽象化は、抽象ノード間を接続する物理リンク(またはVNT表示画面の論理リンク(L1パス))についても、実行してよい。このとき、抽象リンクそれぞれについて、まとめられたリンク数の多さに応じて、画面表示される抽象リンクの太さを変えたり(図7(b)参照)、色を変えたりしてもよい。このようにすることで、抽象リンクそれぞれについて、どれぐらいの本数のリンクが抽象化されたかを、ネットワーク管理者等が、直感的に把握しやすくなる。
【0056】
<差分情報による画面表示>
また、ネットワーク可視化装置10は、VNエージェントサーバ30から、記憶部13に記憶されたL1パス情報132との差分情報を受信するようにしてもよい。この場合、画面表示処理部121が、VNT表示画面および配分資源表示画面を表示するときに参照するL1パス情報132として、記憶部13に記憶されたL1パス情報132と、このL1パス情報132との差分情報とを用いる。例えば、図8に示すように、ネットワーク可視化装置10は、VNT1について、T=0の時点のL1パス情報132の全情報を受信した後、T=1の時点のL1パス情報132については、T=0の時点のL1パス情報132との差分情報を受信する。そして、画面表示処理部121が、VNT表示画面および配分資源表示画面上にL1パスを描画するときには、このT=0の情報(L1パス情報132)に、T=1の差分情報を反映してVNTを描画する。つまり、画面表示処理部121は、VNT表示画面および配分資源表示画面のT=i+1の時点のL1パスを表示するとき、T=iの時点のL1パス情報132に、T=iとの差分情報を反映する。このようにすることで、ネットワーク可視化装置10が、VNエージェントサーバ30からL1パス情報132を受信するときの通信負荷を低減できる。このような方法は、各VNTのL1パスがあまり変化しないときに、特に効果的である。
【0057】
なお、L1パス情報132のみならず、物理網トポロジ情報133についても、PN管理サーバ40から差分情報を受信し、この差分情報を用いて物理網表示画面および配分資源表示画面を表示するようにしてもよい。このとき、記憶部13は、T=iおよびT=i+1における物理網のノードやリンクのメモリーオブジェクトを、それぞれ独立に保持するのではなく、T=i+1のノードやリンクのメモリーオブジェクトについては、T=iのオブジェクトの参照(アドレス)情報を用いる。このようにすることで、ネットワーク可視化装置10の記憶部13のメモリ情報量を低減できる。このような方法は、大規模な物理網について、時系列での画面表示をするときに、特に効果的である。
【符号の説明】
【0058】
10 ネットワーク可視化装置
11 入出力インタフェース部
12 処理部
13 記憶部
14 通信インタフェース部
20 表示装置
30 VNエージェントサーバ
31 ゆらぎアルゴリズム
40 PN管理サーバ
41 動的リソース制御部
42 情報取得部
50 NMS
121 画面表示処理部
122 情報更新部
131 リンクトラヒック情報
132 L1パス情報
133 物理網トポロジ情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に、物理網に収容されるVNT(Virtual Network Topology)の情報を表示するネットワーク可視化装置が、
所定のVNTアルゴリズムにより前記VNTの制御を行うVN(Virtual Network)エージェントサーバから、前記VNTのL1(レイヤ1)パスを示すL1パス情報と、前記VNTの論理リンクごとに、当該論理リンクを流れるリンクトラヒック量を示すリンクトラヒック情報とを受信するステップと、
前記物理網の情報取得および制御を行うPN(Photonic Network)管理装置から、前記物理網におけるノードである、前記IPルータおよび伝送装置の接続状態、前記ノード間を接続する物理リンク、前記物理リンクそれぞれの割り当て帯域、前記VNTそれぞれの物理トポロジおよび当該VNTの物理リンクへの割り当て帯域を示す物理網トポロジ情報を受信するステップと、
前記受信したL1パス情報、リンクトラヒック情報および物理網トポロジ情報を記憶部に記憶するステップと、
前記物理網トポロジ情報を参照して、前記物理網の物理トポロジと、前記物理トポロジにおける物理リンクごとに、当該物理リンクを用いる前記VNTの識別情報とを表示する物理網表示画面を表示するステップと、
前記物理網トポロジ情報における前記VNTそれぞれの物理トポロジおよび当該VNTの物理リンクへの割り当て帯域を示す資源属性情報と、前記L1パス情報と、前記リンクトラヒック情報とを参照して、前記VNTごとに、当該VNTを構成する論理リンクと、当該論理リンクの経由するIPルータと、当該論理リンクを流れるリンクトラヒック量とを表示するVNT表示画面を表示するステップと、
前記資源属性情報と前記L1パス情報とを参照して、前記VNTごとに、当該VNTの物理トポロジと、当該VNTのL1パスと、当該VNTの物理リンクへの割り当て帯域とを示す配分資源表示画面を表示するステップと、
前記L1パス情報と、前記リンクトラヒック情報と、前記資源属性情報とを参照して、前記論理リンクのうち、当該論理リンクを構成するL1パスの割り当て帯域に対する、実際に流れているトラヒック量の割合が所定の閾値を超える論理リンクがあったとき、前記VNT表示画面上において当該論理リンクのアラーム表示を行うステップと、
入力部により、前記VNT表示画面の論理リンクの選択入力を受け付けたとき、前記資源属性情報と、前記L1パス情報とを参照して、前記配分資源表示画面上において、前記選択された論理リンクの用いる物理リンクを識別表示するステップとを実行することを特徴とするネットワーク可視化方法。
【請求項2】
前記ネットワーク可視化装置が、
前記L1パス情報と、前記物理網トポロジ情報とを参照して、当該物理リンクを用いる前記VNTの数が所定の閾値を超える物理リンクがあるとき、前記物理表示画面上において、当該物理リンクを識別表示することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク可視化方法。
【請求項3】
前記ネットワーク可視化装置が、
前記入力部経由で、
表示対象とする前記VNTの選択入力を受け付けたとき、
前記資源属性情報と、前記L1パス情報と、前記リンクトラヒック情報とを参照して、前記選択されたVNTを構成する論理リンクと、当該論理リンクの経由するIPルータと、当該論理リンクを流れるリンクトラヒック量とを表示する前記VNT表示画面を表示し、
前記資源属性情報と、前記L1パス情報とを参照して、前記選択されたVNTごとに、当該VNTの物理トポロジと、当該VNTのL1パスと、当該VNTの物理リンクへの割り当て帯域とを示す前記配分資源表示画面を表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のネットワーク可視化方法。
【請求項4】
前記L1パス情報は、
前記VNTアルゴリズムにより出力された、同じ前記VNTに関する1以上のパターンのL1パス情報であり、
前記ネットワーク可視化装置が、
前記入力部経由で、さらに、表示対象とする前記VNTのL1パス情報のパターンの選択入力を受け付けたとき、
前記資源属性情報と、前記L1パス情報と、前記リンクトラヒック情報とを参照して、前記選択されたVNTについて、前記選択されたパターンのL1パス情報に示されるL1パスを示す論理リンクと、当該論理リンクの経由するIPルータと、当該論理リンクを流れるリンクトラヒック量とを示す前記VNT表示画面を表示し、
前記資源属性情報と、前記L1パス情報と、前記リンクトラヒック情報とを参照して、前記選択されたVNTの物理トポロジと、当該VNTの前記選択されたパターンのL1パスと、当該VNTの物理リンクそれぞれに割り当てられた帯域とを示す前記配分資源表示画面とを表示することを特徴とする請求項3に記載のネットワーク可視化方法。
【請求項5】
前記L1パス情報と、前記リンクトラヒック情報と、前記物理網トポロジ情報とはそれぞれ、さらに、情報作成日時情報を含んでなり、
前記ネットワーク可視化装置が、
前記情報作成日時情報を参照して、前記VNT表示画面と前記配分資源表示画面とを時系列で、表示することを特徴とする請求項3に記載のネットワーク可視化方法。
【請求項6】
前記ネットワーク可視化装置が、
前記物理網表示画面、前記VNT表示画面および前記配分資源表示画面の少なくともいずれかの画面上において、複数の前記ノードに代えて、当該複数の前記ノードをまとめた抽象ノードを示す画面を表示し、
前記入力部経由で、前記物理網表示画面、前記VNT表示画面および前記配分資源表示画面のいずれかの画面上から前記抽象ノードの選択入力を受け付けたとき、
前記物理網トポロジ情報を参照して、前記抽象ノードに相当する複数の前記ノードを示す画面を表示することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のネットワーク可視化方法。
【請求項7】
前記ネットワーク可視化装置が、
前記物理網表示画面、前記VNT表示画面および前記配分資源表示画面の少なくともいずれかの画面上において、前記抽象ノード間を接続する複数の物理リンクまたは論理リンクに代えて、当該複数の物理リンクまたは論理リンクをまとめた抽象リンクを示す画面を表示し、
前記入力部経由で、前記物理網表示画面、前記VNT表示画面および前記配分資源表示画面のいずれかの画面上から前記抽象リンクの選択入力を受け付けたとき、
前記物理網トポロジ情報を参照して、前記抽象リンクに相当する複数の物理リンクまたは論理リンクを示す画面を表示することを特徴とする請求項6に記載のネットワーク可視化方法。
【請求項8】
前記ネットワーク可視化装置が、
前記VNエージェントサーバから、同じVNTについて前回受信した前記L1パス情報との差分情報を受信し、
前記VNT表示画面および前記配分資源表示画面を表示するとき、前記記憶部に記憶されたL1パス情報に、前記受信した差分情報を反映して画面表示を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のネットワーク可視化方法。
【請求項9】
画面上に、物理網に収容されるVNT(Virtual Network Topology)の情報を表示するネットワーク可視化装置であって、
所定のVNTアルゴリズムにより前記VNTの制御を行うVN(Virtual Network)エージェントサーバから、前記VNTのL1(レイヤ1)パスを示すL1パス情報と、前記VNTの論理リンクごとに、当該論理リンクを流れるリンクトラヒック量を示すリンクトラヒック情報とを受信し、前記物理網の情報取得および制御を行うPN(Photonic Network)管理装置から、前記物理網におけるノードである、前記IPルータおよび伝送装置の接続状態、前記ノード間を接続する物理リンク、前記物理リンクそれぞれの割り当て帯域、前記VNTそれぞれの物理トポロジおよび当該VNTの物理リンクへの割り当て帯域を示す物理網トポロジ情報を受信するインタフェース部と、
前記受信したL1パス情報、リンクトラヒック情報および物理網トポロジ情報を記憶する記憶部と、
前記物理網トポロジ情報を参照して、前記物理網の物理トポロジと、前記物理トポロジにおける物理リンクごとに、当該物理リンクを用いる前記VNTの識別情報とを表示する物理網表示画面を表示し、
前記物理網トポロジ情報における前記VNTそれぞれの物理トポロジおよび当該VNTの物理リンクへの割り当て帯域を示す資源属性情報と、前記L1パス情報と、前記リンクトラヒック情報とを参照して、前記VNTごとに、当該VNTを構成する論理リンクと、当該論理リンクの経由するIPルータと、当該論理リンクを流れるリンクトラヒック量とを表示するVNT表示画面を表示し、
前記資源属性情報と前記L1パス情報とを参照して、前記VNTごとに、当該VNTの物理トポロジと、当該VNTのL1パスと、当該VNTの物理リンクへの割り当て帯域とを示す配分資源表示画面を表示する画面表示処理部とを備え、
前記画面表示処理部は、
前記L1パス情報と、前記リンクトラヒック情報と、前記資源属性情報とを参照して、前記論理リンクのうち、当該論理リンクを構成するL1パスの割り当て帯域に対する、実際に流れているトラヒック量の割合が所定の閾値を超える論理リンクがあったとき、前記VNT表示画面上において当該論理リンクのアラーム表示を行い、
入力部により、前記VNT表示画面の論理リンクの選択入力を受け付けたとき、前記資源属性情報と、前記L1パス情報とを参照して、前記配分資源表示画面上において、前記選択された論理リンクの用いる物理リンクを識別表示することを特徴とするネットワーク可視化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−209871(P2012−209871A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75661(P2011−75661)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省、「管理型自己組織化技術に基づく多様なサービスを収容する光ネットワーク制御技術の研究開発」委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】