説明

ネットワーク機器およびネットワーク機器設定方法

【課題】ネットワーク機器にIPアドレスを備えさせることなく、容易にネットワーク機器を設定することのできる装置および方法を提供する。
【解決手段】第1の端末が接続されたネットワークに接続する第1のネットワークインタフェースと、第2の端末が接続されたネットワークに接続する第2のネットワークインタフェースと、第1のネットワークインタフェースから受信した通信を処理する第1のパケット受信処理部と、第2のネットワークインタフェースから受信した通信を処理する第2のパケット受信処理部と、第2の端末の持つアドレス情報が保存される端末情報保存領域とを備え、第1のパケット受信処理部は、第1の端末から第2の端末への通信を受信し、第2の端末のアドレス情報が端末情報保存領域に登録されているかを判断し、登録されていると判断した場合、当該通信に含まれる特定の情報の検出を試み、検出されれば、所定の処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータネットワークにおけるネットワーク機器およびこの設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータネットワーク(以下、単にネットワークと称す)の発達に伴い、各種ネットワーク機器が急速に普及してきている。以下では、本発明について、ネットワーク機器の1つであるネットワークブリッジ(以下、単にブリッジと称す)を例に説明する。
【0003】
上述したネットワークの発達に伴う、ネットワークの大規模化や複雑化に対応するため、ブリッジは単に通信のブリッジ装置としてだけではなく、トラフィック管理やファイアウォールなど様々な機能が付加された高機能なものが普及してきている。一般にこのようなブリッジは、インテリジェントスイッチと呼ばれ、今日のネットワークにおいて欠かすことのできない存在となっている。なお、上記したブリッジは、例えば、非特許文献1にて公開されている。
【非特許文献1】プラネックスコミュニケーションズ株式会社のHP「インテリジェントスイッチ」(URLアドレス:http://www.planex.co.jp/product/intelli_layer/index.shtml) 既述の通り、今日のブリッジには多くの機能が備えられている。当然、これらの機能を正常に働かせるため、ユーザは何らかの手段により、ブリッジに設定を施す必要がある。ブリッジに限らず、ネットワーク機器の設定手段として、かつてはネットワーク機器に備えられたシリアルなどのインタフェースとPCとを直接接続し設定することもあったが、今日ではHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を用いてネットワークに接続されたコンピュータ(PC)のWebから設定する手段や、PCに特殊ユーティリティをインストールして、これを用いてネットワーク経由にて設定する手段を採用することが一般的となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記した既存の設定手段は次のような点で不都合があった。まず、シリアル等のインタフェースによる設定は、ネットワーク機器自身にインタフェースを搭載する必要があり、機器の小型化やコスト面で不利になることが多い。一方、HTTPや特殊ユーティリティによる設定は、ネットワーク機器が元々備えるネットワークインタフェースを介して設定するため、小型化やコスト的に見て比較的有利なものの、次のような問題がある。まず、前者のWebによる設定は、ブリッジにIPアドレスが必要となり、ユーザにとってはこの初期設定が煩わしい作業となる。また、後者の特殊ツールによる設定は、IPアドレスの設定が不要になる場合もあるが、このようなツールは特殊な通信方式を採用することが多く、PCやその他通信経路上に存在するファイアウォール等により、通信が遮断されることが少なくない。この場合、ユーザ自身が、各種機器に通信を許可するよう設定する必要がある。これも、前者と同様、ユーザにとっては煩わしい作業となるだけでなく、特に初心者ユーザにとっては、困難な作業となる。
【0005】
上記した問題に鑑み、本発明は、ネットワーク機器にIPアドレスを備えさせることなく、容易にネットワーク機器を設定することのできる装置および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の局面に係るネットワーク機器は、少なくとも2つのネットワークインタフェースを備え、それぞれのネットワークインタフェース間の通信を制御するネットワーク機器であって、第1の端末が接続された第1のネットワークに接続する第1のネットワークインタフェースと、第2の端末が接続された第2のネットワークに接続する第2のネットワークインタフェースと、第1のネットワークインタフェースから受信した通信を処理する第1のパケット受信処理部と、第2のネットワークインタフェースから受信した通信を処理する第2のパケット受信処理部と、第2の端末の持つアドレス情報が保存される端末情報保存領域とを備える。第1のパケット受信処理部は、第1の端末から第2の端末への通信を受信し、第2の端末のアドレス情報が端末情報保存領域に登録されているかを判断し、登録されていると判断した場合、当該通信に含まれる特定の情報の検出を試み、検出されれば、所定の処理を実行し、第2のパケット受信処理部は、第2の端末から第1の端末への通信を受信し、第2の端末のアドレス情報が端末情報保存領域に登録されているかを判断し、登録されていないと判断した場合、第2の端末のアドレス情報を端末情報保存領域に登録する。
【0007】
上記したネットワーク機器は、第1の端末から第2の端末に送信されたパケットのうち、任意の情報を含むパケットを検出した場合のみ反応することができる。この際、第1の端末及び第2の端末だけでなく、ネットワーク機器に対してさえも、予めユーザは何ら設定する必要はない。単に、第1の端末から第2の端末に向けて通信を開始すればよいだけである。そうすることで、ネットワーク機器は所定の処理を実行することができる。
【0008】
好ましくは、ネットワーク機器は、さらに、ネットワーク機器の設定情報を少なくとも含むWeb情報を、第1の端末に対して提供するHTTP処理部を備える。所定の処理は、第1の端末に対してWeb情報を送信するよう、第1のパケット受信処理部がHTTP処理部に指示し、HTTP処理部が、第1のパケット受信処理部より受けた、Web情報送信指示に反応して、第1の端末に対してWeb情報を送信する。
【0009】
上記したネットワーク機器は、第1の端末から第2の端末に送信されたパケットのうち、任意の情報を含むパケットを検出すると、第1の端末に対し、自身であるネットワーク機器を設定することのできるWeb情報を送信することができる。これにより、ユーザは単に第1の端末から第2の端末に向けて通信を開始するだけで、ネットワーク機器を設定することのできるWeb画面を開くことができる。
【0010】
好ましくは、ネットワーク機器は、さらに、第2のネットワークに接続されている少なくとも1台の第2の端末のリンク状態を監視するリンク監視部を備える。リンク監視部は、第2のネットワークに接続されている第2の端末のリンク状態を監視し、当該リンクが接続状態から切断状態に遷移したことを検知すると、第2の端末のアドレス情報を端末情報保存領域から削除する。
【0011】
第2の端末の使用を中断するなど、何らかの事由により第2の端末がネットワーク機器から切断された場合であっても、端末情報保存領域の内容が正常に保持される。
【0012】
好ましくは、当該通信に含まれる特定の情報は、ネットワークトランスポート層におけるポート番号および/またはHTTP通信におけるURLである。
【0013】
上記したネットワーク機器は、ネットワークトランスポート層のポート番号およびHTTP通信におけるURLのうち、特定の情報をトリガとして第1の端末に対して自身であるネットワーク機器を設定することのできるWeb情報を送信することができる。ポート番号およびURLは、通常、第1の端末上にて起動しているWebブラウザを操作するだけで指定できることから、ユーザにとって使いやすい設定方法である。
【0014】
本発明に係るネットワーク機器を設定する方法は、第1の端末が接続された第1のネットワークに接続する第1のネットワークインタフェースと、第2の端末が接続された第2のネットワークに接続する第2のネットワークインタフェースと、第1のネットワークインタフェースから受信した通信を処理する第1のパケット受信処理部と、第2のネットワークインタフェースから受信した通信を処理する第2のパケット受信処理部と、第2の端末の持つIPアドレスおよびMACアドレス情報のうち少なくとも1つが登録される端末情報保存領域と、ネットワーク機器の設定情報を少なくとも含むWeb情報を、第1の端末に対して提供するHTTP処理部と、第2のネットワークに接続されている少なくとも1台の第2の端末のリンク状態を監視するリンク監視部と、を備え、第1のパケット受信処理部は、第1の端末から第2の端末への通信を受信し、第2の端末のIPアドレスおよびMACアドレスが端末情報保存領域に登録されているかを判断し、登録されていると判断した場合、当該通信に含まれる特定の情報の検出を試み、検出されれば、第1の端末に対して当該ネットワーク機器の設定情報を少なくとも含むWeb情報を送信するようHTTP処理部に指示し、HTTP処理部は、第1のパケット受信処理部より受けた、Web情報送信指示に反応して、第1の端末に対してWeb情報を送信し、第2のパケット受信処理部は、第2の端末から第1の端末への通信を受信し、第2の端末IPアドレスおよびMACアドレスが端末情報保存領域に登録されているかを判断し、登録されていなければ、第2の端末のIPアドレスおよびMACアドレスを端末情報保存領域に登録し、リンク監視部は、第2のネットワークに接続されている第2の端末のリンク状態を監視し、当該リンクが接続状態から切断状態に遷移したことを検知すると、第2の端末のIPアドレスおよびMACアドレスを端末情報保存領域から削除する。
【0015】
上記したネットワーク機器を設定する方法は、第1の端末及び第2の端末だけでなく、ネットワーク機器に対してさえもIPアドレスを予め設定する必要が無いため、ユーザが容易にネットワーク機器を設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照し説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明に係るネットワーク環境図である。本発明に係るネットワーク機器であるブリッジ101は、LANなどのネットワークを介してPC105A、PC105BおよびWWWサーバ103と接続されている。以下では、PC105AおよびPC105Bを総称する場合、単にPC105と記載する。
【0018】
図2は、ブリッジ101のハードウェア構成図である。ブリッジ101は、ROM203に保存され、実行時にRAM205に展開されたファームウェア等のプログラムを実行するCPU201、第1のネットワークと接続する第1のネットワークインタフェース209および第2のネットワークと接続する第2のネットワークインタフェース207を備える。なお、ブリッジは複数のネットワークインタフェースを備えるものが一般的であるため、本発明に係るブリッジ101の備えるネットワークインタフェースの数は、図示した数の2に限定されるものではなく、より多くの数を備えていても良い。なお、RAM205は、プログラムの作業領域だけでなく、後述する端末情報保存領域の記憶領域としても利用される。
【0019】
図3は、本発明に係るブリッジ101の機能ブロック図である。ブリッジ101は、第1のパケット受信処理部301とHTTP処理部303と第2のパケット受信処理部305とリンク監視部307と端末情報保存領域309とを含む。
【0020】
端末情報保存領域309には、第2のネットワークインタフェース207に接続されているWWWサーバ103のIPアドレスおよびMACアドレスが格納される。
【0021】
第1のパケット受信処理部301は、第1のネットワークインタフェース209からのパケットを受信し、当該受信したパケットの宛先IPアドレスおよびMACアドレスが端末情報保存領域309に登録されているかどうかを参照・判断し、この結果に基づいてHTTP処理部303に所定の指示(後述)を出す、もしくは、当該受信したパケットに対し何も手を加えずに第2のネットワークインタフェース207に送信する。
【0022】
HTTP処理部303は、第1のパケット受信処理部301からの指示に従い、ブリッジ101を設定するためのWebページを第1のネットワークインタフェース209に送信する。
【0023】
第2のパケット受信処理部305は、第2のネットワークインタフェース207を介してWWWサーバ103からのパケットを受信し、端末情報保存領域309を参照および更新し、受信した当該パケットを第1のネットワークインタフェース209に送信する。
なお、図3における第1のネットワークインタフェース209及び第2のネットワークインタフェース207は、図2を用いて説明したこれら物理インタフェースを動作させる為のTCP/IPプロトコルなどのソフトウェアプログラムを含む。
【0024】
リンク監視部307は、第2のネットワークインタフェース207を常に監視し、特に、接続されているWWWサーバ103のリンク状態における接続から切断への遷移を検知し、端末情報保存領域309を更新する。
【0025】
以下では、HTTP処理部303を除く各処理部について、フローチャートを使用し個々の動作を説明する。
【0026】
図4は、第1のパケット受信処理部301の機能をコンピュータプログラムで実現する際の、プログラムの制御構造を示すフローチャートである。以下で説明するコンピュータプログラムは、何れも図2に示すROM203に記憶されており、CPU201によって実行されることにより、各機能ブロックの機能を実現する。
【0027】
ステップ401において、第1のパケット受信処理部301は、第1のネットワークインタフェース209からパケットを受信したかどうかを判定する。受信していればステップ403へ制御が進み、それ以外であればステップ401に戻る。
【0028】
ステップ403おいて、当該受信したパケットの送信先IPアドレス/MACアドレスが端末情報保存領域309に登録されているかどうかを判定する。登録されていればステップ405に制御が進み、それ以外であればステップ409に進む。
【0029】
ステップ405において、当該受信したパケットが特殊ポートを使用するTCP通信であるかどうかを判定する。具体的には、受信したパケットがTCP(8000番ポート)に対する通信であるかを判定する。特殊ポートへのTCP通信であれば、制御がステップ411に進み、それ以外であればステップ409に進む。
【0030】
ステップ411において、第1のパケット受信処理部301は、当該受信したパケットがTCP接続確立パケットであるかを判定する。TCP接続確立パケットであれば、制御がステップ413に進み、それ以外であればステップ407に進む。
【0031】
ステップ413において、第1のパケット受信処理部301は、第1のネットワークインタフェース209に対して、ブリッジ101とPC105とのTCP接続を確立するよう指示する。
【0032】
ステップ407において、第1のパケット受信処理部301は、HTTP処理部303に対し、ブリッジ101を設定するためのWebデータをPC105に送信するよう指示する。
【0033】
ステップ409において、第1のパケット受信処理部301は、当該受信したパケットに対して何も手を加えず、第2のネットワークインタフェース207に送信する。
【0034】
図5は、第2のパケット受信処理部305の機能をコンピュータプログラムで実現する際の、プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【0035】
ステップ501において、第2のパケット受信処理部305は、第2のネットワークインタフェース207からパケットを受信したかどうかを判定する。受信していれば制御がステップ503へ進み、それ以外であればステップ501に戻る。
【0036】
ステップ503において、第2のパケット受信処理部305は、当該受信したパケットの送信元IP/MACアドレスが端末情報保存領域309に登録されているかどうかを判定する。登録されていれば、制御がステップ507に進み、それ以外であればステップ505に進む。
【0037】
ステップ505において、第2のパケット受信処理部305は、当該受信したパケットの送信元IP/MACアドレスを端末情報保存領域309に登録する。
【0038】
ステップ507において、第2のパケット受信処理部305は、当該受信したパケットに対して何も手を加えず、第1のネットワークインタフェース209に送信する。
【0039】
図6は、リンク監視部307の機能をコンピュータプログラムで実現する際の、プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【0040】
ステップ601において、リンク監視部307は、第2のネットワークインタフェース207がリンク状態、即ちWWWサーバ103が接続されているかどうかを判定する。接続されていれば、制御がステップ603に進み、それ以外であればステップ601に戻る。
【0041】
ステップ603において、リンク監視部307は、当該リンク状態にあるWWWサーバ103切断されたかどうかを判定する。切断されていれば、制御がステップ605に進み、それ以外であればステップ601に戻る。
【0042】
ステップ605において、リンク監視部307は、端末情報保存領域309に登録されているWWWサーバ103のIP/MACアドレス情報を削除し、制御がステップ601に戻る。
<動作>
以下では、上述した各処理部により構成されるブリッジ101全体の動作に関して、PC105がWWWサーバ103のWebページを開く場合と、ブリッジ101を設定するためのWebページを開く場合とに分けて説明する。なお、図3を参照して、最初は第2のネットワークインタフェース207にはWWWサーバ103が接続されておらず、端末情報保存領域309には何の情報も登録されていないものとする。
【0043】
図3を参照して、ブリッジ101が動作し始めると、リンク監視部307が起動し、第2のネットワークインタフェース207と、第2のネットワークインタフェース207に接続される機器とのリンク状態の監視を開始する。
【0044】
WWWサーバ103が第2のネットワークインタフェース207に接続されたものとする。この場合、リンク監視部307は第2のネットワークインタフェース207とWWWサーバ103とのリンクの確立を検知するが、それ以上は何も行なわない。以後リンク監視部307は、第2のネットワークインタフェース207とWWWサーバ103とのリンクが切断されたか否か、即ちリンクが失われたか否かについて監視する。
【0045】
リンクが切断されたとき、リンク監視部307は、端末情報保存領域309を参照し、WWWサーバ103のIPアドレス/MACアドレスが登録されていれば、登録されている情報を削除する。
―WWWサーバ103のWebページを開く場合―
図7は、図3に示す、第1のネットワークインタフェース209に接続されたPC105が、第2のネットワークインタフェース207に接続されたWWWサーバ103のWebページを、ブリッジ101を介して開く際のシーケンス図である。
【0046】
図7を参照して、先ず、矢印701は、PC105からWWWサーバ103へ、ARP(Address Resolution Protocol)リクエストを送信することを示している。最初、PC105は、パケットの送信先のIPアドレスを知っているが、そのIPアドレスに対応するMACアドレスを知らない。このARPリクエストは、PC105が、相手方のMACアドレスを知るためにLAN上にブロードキャストするものである。
【0047】
図3を参照して、PC105から送信されたARPリクエストのパケットは、第1のネットワークインタフェース209を介して、第1のパケット受信処理部301で受信される。この時点で、端末情報保存領域309には、WWWサーバ103のIPアドレス/MACアドレスは記憶されていない。したがって、第1のパケット受信処理部301は、このARPリクエストのパケットを第2のネットワークインタフェース207に与える。第2のネットワークインタフェース207はこのARPリクエストのパケットをWWWサーバ103に送信する。このARPリクエストがWWWサーバ103のIPアドレスに関するものであれば、WWWサーバ103は自己のMACアドレスをARP応答としてPC105に返信する。ARPリクエストが自己のIPアドレスに関するものでなければWWWサーバ103は何も返信しない。以下の説明では、ARPリクエストがWWWサーバ103のIPアドレスに関するものであるものとする。
【0048】
図7を参照して、矢印703は、WWWサーバ103が、PC105へ、WWWサーバ103のMACアドレスを含むARP応答を返すことを示している。
【0049】
図3を参照して、ARP応答は先ず、WWWサーバ103から第2のネットワークインタフェース207を介して、第2のパケット受信処理部305に到達する。第2のパケット受信処理部305は端末情報保存領域309を参照して、ARP応答のパケットの送信元であるWWWサーバ103のIPアドレス/MACアドレスが端末情報保存領域309に登録されているかどうかを確認する。現状では、端末情報保存領域309に何も登録されていないので、第2のパケット受信処理部305は、受信したパケットの送信元IPアドレスとMACアドレスとを端末情報保存領域309に登録し、当該受信したパケットを第1のネットワークインタフェース209に与える。第1のネットワークインタフェース209はこのパケットをLAN上に送出する。この結果、ARP応答はPC105に到達する。以上のシーケンスにより、PC105はWWWサーバ103のMACアドレスを知ることができる。
【0050】
図7を参照して、矢印705は、PC105がWWWサーバ103とポート番号を80番としてTCP接続をするためのパケット通信を行なうことを示している。これは、即ち、HTTPポートでTCP接続を開始することを意味する。このときにPC105から送信されるパケットに対して、ブリッジ101は何の処理も行なわず、第1のネットワークインタフェース209、第1のパケット受信処理部301、及び第2のネットワークインタフェース207を経由して、パケットをWWWサーバ103に送信する。
【0051】
図7を参照して、矢印707は、WWWサーバ103が矢印705で受信したTCP接続のためのパケットに対して、TCP接続に対する応答をPC105にパケット送信することを示している。このときにWWWサーバ103から送信されるパケットに対して、ブリッジ101は何の処理も行なわず、第2のネットワークインタフェース207、第2のパケット受信処理部305、及び第1のネットワークインタフェース209を経由して、パケットをPC105に送信する。
【0052】
矢印709は、PC105がWWWサーバ103からTCP接続に対する応答を受信し、WWWサーバ103にTCP応答確認のためのパケットを送信することを示す。ブリッジ101はこのパケットに対し何の処理も行なわず、WWWサーバ103に送信する。
【0053】
このようなネゴシエーションの結果、PC105とWWWサーバ103とのTCP接続が確立される。
【0054】
図7を参照して、矢印711は、PC105がWWWサーバ103にHTTPリクエストのためのパケットを送信することを示している。
【0055】
図7を参照して、ブリッジ101はこのHTTPリクエストに対しても何ら処理を行なわず、この結果このパケットはWWWサーバ103に到達する。
【0056】
図7を参照して、矢印713は、WWWサーバ103が、受信したHTTPリクエストに対し、PC105にHTTP応答のためのパケットを送信することを示す。
【0057】
図7を参照して、ブリッジ101はこのHTTP応答に対して何の処理も行なわず、第2のネットワークインタフェース207、第2のパケット受信処理部305、及び第1のネットワークインタフェース209を経由して、パケットをPC105に送信する。
―ブリッジ101のWebページを開く場合―
図8は、図3に示す、第1のネットワークインタフェース209に接続されたPC105が、ブリッジ101のWebページを開く際のシーケンス図である。
【0058】
図8を参照してARPリクエスト701およびARP応答703は、図7に示すステップと同じなので同じ番号を付し説明を省略する。
【0059】
図8を参照して、矢印805は、PC105がWWWサーバ103に対してポート番号を8000番としてTCP接続をするためのパケット通信を行なうことを示している。即ち、PC105は宛先IPアドレスをWWWサーバ103のIPアドレスに設定してTCP接続を開始する。この時のポート番号は、従来のHTTP通信で用いられる80番ではなく、特殊ポート番号である8000番を用いる。図4にて示したように、特殊ポート(8000番)へのTCP接続確立パケットは、第1のパケット受信処理部301が第1のネットワークインタフェース209に指示して、ブリッジ101とPC105間におけるTCP接続を確立させる(矢印805、807、809)。
【0060】
図8を参照して、矢印811は、PC105からWWWサーバ103のIPアドレスに対してHTTPリクエストの送信を示している。この時のポート番号は、矢印805と同様に8000番であり、当該リクエストを受信したブリッジ101における、第1のパケット受信処理部301は、当該TCP接続(8000番)を第1のネットワークインタフェース209より受信し、送信先IP/MACアドレスが端末情報保存領域309に登録されているかどうかを判定する。この時点において、端末情報保存領域309には、WWWサーバ103のIP/MACアドレスが既に登録(矢印703)されており、さらに8000番ポートへのTCP接続であることから、第1のパケット受信処理部301は、HTTP処理部303に、ブリッジ101を設定するためのWebデータを、PC105に対して送信するよう指示を出す(図4におけるステップ407)。
【0061】
図8を参照して、矢印813は、ブリッジ101からPC105に対するWebデータの送信を示している。なお、この動作は図4のステップ407にて指示を受けた、HTTP処理部303が行っている。この時の送信元IPアドレス/MACアドレスは、WWWサーバ103のIPアドレス/MACアドレスを送信元アドレスに設定して、ブリッジ101がPC105にHTTP応答をしている。
<実施例1の効果>
上述した実施例1に係るブリッジ101によれば、PC105のユーザは、予めブリッジ101のIPアドレスなどのネットワーク情報を手に入れ、さらに、これに合わせてPC105を設定することなく、ブリッジ101のWebページを開き、設定等を行うことができる。また、上記した構成から明らかな通り、ブリッジ101自身にIPアドレスを設定する必要はなく、既存のネットワークにブリッジ101を接続するだけで、上記した機能を利用することができる。
【実施例2】
【0062】
本実施例では、PC105からWWWサーバ103およびブリッジ101への通信を判別するためのキー情報として、実施例1で用いたポート番号ではなく、WebページのURLを利用する。即ち、特定のURLに対するHTTP通信のみ、ブリッジ101が自らPC105に対して応答することで、PC105に対してブリッジ101のWebデータを送信する。
【0063】
図9を参照して、本実施例にかかるブリッジ101の動作を概観する。ブリッジ101は、PC105AおよびWWWサーバ103の間に位置し、それぞれに対してLANなどのネットワーク回線を通じて接続されている。本実施例によれば、PC105AがWWWサーバ103のWebページを開く際、矢印901に示すURLを指定する事により開くことができ、一方、PC105Aがブリッジ101のWebページを開く際は、矢印903に示すURLを指定することにより開くことができる。矢印901と903の差は、http://192.168.0.1:80/以降のパスのみである。即ち、ブリッジ101は、TCP(80番ポート)に対するHTTP通信のうち、特定のURLのみに反応して、該通信をWWWサーバ103へは転送せず、自らこの通信に対して応答する。
【0064】
図10は、本実施例に係るブリッジ101の機能ブロック図である。以下で、各機能部について説明するが、実施例1と同じ機能部については同じ番号を付し説明を省略する。
【0065】
図10を参照して、第1のパケット受信処理部1001は、第1のネットワークインタフェース209を介してPC105からのパケットを受信し、当該受信したパケットを第1のHTTPパケット転送部1003に送信するか、HTTP処理部303に指示してブリッジ101のWebデータをPC105に送信するかを判定する。
【0066】
図10を参照して、第1のHTTPパケット転送部1003は、ブリッジ101とWWWサーバ103とのTCPの接続(80番ポート)を確立し、PC105から受信したHTTPパケットをブリッジ101が送信元となるよう生成し、このパケットを第2のネットワークインタフェース207を経由してWWWサーバ103へ送信する。
【0067】
図10を参照して、第2のパケット受信処理部1005は、第2のネットワークインタフェース207から受信したパケットを、端末情報保存領域309および送信元ポート番号の情報を元に、第1のネットワークインタフェース209に送信するか、第2のHTTPパケット転送部1007に送信するかを判定する。
【0068】
図10を参照して、第2のHTTPパケット転送部1007は、第2のパケット受信処理部1005より受信したパケットのデータ部を新たに生成したHTTPパケットにコピーして第1のネットワークインタフェース209に送信する。
【0069】
図11は、第1のパケット受信処理部1001の機能をコンピュータプログラムで実現する際の、プログラムの制御構造を示すフローチャートである。なお、実施例1と同じステップについては、同じ番号を付し説明を省略する。
【0070】
ステップ1101において、第1のパケット受信処理部1001は、第1のネットワークインタフェース209を介して受信したPC105からのパケットが、TCP(80番ポート)、即ちHTTPパケットであるかを判定する。HTTPパケットであれば、処理がステップ1103に進み、それ以外であればステップ409に進む。
【0071】
ステップ1103において、第1のパケット受信処理部1001は、PC105より受信した当該HTTPパケットのURLのパスがbr_index.html、即ちブリッジ101のWebページを指定するパスであるかどうかを判定する。当該パスがbr_index.htmlであれば、処理が407に進み、それ以外の場合はステップ1105に進む。
【0072】
ステップ1105において、第1のパケット受信処理部1001は、第1のHTTPパケット転送部1003にブリッジ101とWWWサーバ103との間のTCP接続(80番ポート)、即ちHTTP接続の確立を指示する。このステップから明らかなように、ブリッジ101が自身のWebページを指定したURL以外のHTTPパケットを受信した場合、ブリッジ101は、当該HTTPパケットをWWWサーバ103にはそのまま転送せず、一旦、ブリッジ101とWWWサーバ103との間でHTTP接続を確立する。
【0073】
図12は、第1のHTTPパケット転送部1003の機能をコンピュータプログラムで実現する際の、プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【0074】
ステップ1201において、第1のHTTPパケット転送部1003は、第1のパケット受信処理部1001からパケットを受信したかどうかを判断する。パケットを受信していれば、処理がステップ1203に進み、それ以外の場合は1201に戻る。なお、第1のパケット受信処理部1001の処理から明らかなように、ここで受信するパケットは、WWWサーバ103に送信すべきPC105からのHTTPパケットである。
【0075】
ステップ1203において、第1のHTTPパケット転送部1003は、自身のブリッジ101とWWWサーバ103との間にTCP接続(80番ポート)が確立されているかどうかを判定する。確立されていれば、処理がステップ1207に進み、それ以外の場合は、ステップ1205に進む。
【0076】
ステップ1205において、ブリッジ101は、第2のネットワークインタフェース207に指示して自身とWWWサーバ103との間にTCP接続(80番ポート)を確立する。この時、送信元IP/MACアドレスとして、当該受信したパケットの送信元アドレス、即ちPC105のアドレスを用いる。その後、処理がステップ1207に進む。
【0077】
ステップ1207において、第1のHTTPパケット転送部1003は、当該受信したパケットのデータ(HTTPコマンドなど)がセットされたHTTPパケットを生成する。
【0078】
ステップ1209において、第1のHTTPパケット転送部1003は、当該確立済みのTCP接続(80番ポート)を用いて、当該生成されたHTTPパケットを第2のネットワークインタフェース207に送信する。
【0079】
上述した第1のHTTPパケット転送部1003の処理により、PC105からWWWサーバ103へ送信されたHTTPパケットは、ブリッジ101が一旦受信し、ブリッジ101が送信元となってWWWサーバ103に送信される。
【0080】
図13は、第2のHTTPパケット受信処理部1005の機能をコンピュータプログラムで実現する際の、プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【0081】
ステップ1301において、第2のHTTPパケット受信処理部1005は、第2のネットワークインタフェース207からパケットを受信したかどうかを判定する。受信していれば、処理がステップ1303に進み、それ以外の場合は、ステップ1301に戻る。
【0082】
ステップ1303において、第2のHTTPパケット受信処理部1005は、当該受信したパケットがHTTPパケット、即ち送信元ポート番号が80であるかどうかを判定する。HTTPパケットであれば、処理がステップ1307に進み、それ以外の場合は、1305に進む。
【0083】
ステップ1305において、第2のHTTPパケット受信処理部1005は、当該受信したパケットをそのまま第1のネットワークインタフェース209に送信する。
【0084】
ステップ1307において、第2のHTTPパケット受信処理部1005は、当該受信したパケットを第2のHTTPパケット転送部1007に送信する。
<動作>
以下では、本実施例における上述した各処理部により構成されるブリッジ101全体の動作に関して、PC105がWWWサーバ103のWebページを開く場合と、ブリッジ101を設定するためのWebページを開く場合とに分けて説明する。なお、実施例1と同じ処理については、説明を簡略および省略する。
【0085】
図10を参照して、第2のネットワークインタフェース207にはWWWサーバ103が接続されており、端末情報保存領域309には、実施例1に示すステップ701および703によりWWWサーバ103のIP/MACアドレスが既に登録されているものとする。
―WWWサーバ103のWebページを開く場合―
図14を参照して、矢印1401、1403および1405は、PC105からWWWサーバ103へのTCP接続(80番ポート)である。図11および図12の説明にて示した通り、本実施例に係るブリッジ101は、WWWサーバ103に対する全てのTCP接続(80番ポート)について、ブリッジ101自らがWWWサーバ103との間で接続を確立し、中継するよう構成されている。なお、ステップ1401からステップ1405の処理を以て、ブリッジ101とPC105のTCP接続(80番ポート)が確立される。この処理の詳細は実施例1と同じであるため、説明を省略する。
【0086】
矢印1407において、ブリッジ101はPC105からURLのパスがindex.htmlであるHTTPリクエストを受信する。この時、図10における第1のパケット受信処理部1001は、URLのパスがbr_index.htmlでないことを確認(図11のステップ1103)し、当該受信したリクエスト(パケット)を第1のHTTPパケット転送部1003に送信する(図11のステップ1105)。
【0087】
1409において、ブリッジ101は、WWWサーバ103との間においてTCP接続(80番ポート)が確立されていなければ、これを確立(図12のステップ1205)し、WWWサーバ103に送信すべきHTTPリクエスト(パケット)を生成する(図12のステップ1207)。ステップ1207の説明にて既述の通り、ここで生成されるHTTPパケットは、矢印1407にて受信したHTTPリクエストのデータがそのままコピーされているHTTPリクエストのパケットである。
【0088】
矢印1411において、ブリッジ101は、当該生成したHTTPリクエスト(パケット)を第2のネットワークインタフェース207に送信する(図12のステップ1209)。
【0089】
矢印1413において、ブリッジ101はWWWサーバ103からのHTTP応答を受信する。当該HTTP応答は、図10における第2のネットワークインタフェース207を介して第2のパケット受信処理部1005に到達する。第2のパケット受信処理部1005は、当該受信したパケットがHTTPパケットであり、且つパケットの送信元IP/MACアドレスが端末情報保存領域309に登録されているので、当該受信したパケットを第2のHTTPパケット転送部1007に送信する。
【0090】
1415において、ブリッジ101は、先に受信したHTTPリクエスト1407に対する応答として、当該受信したHTTP応答1413のデータがコピーされた、HTTP応答パケットを新たに生成する。
【0091】
矢印1417において、ブリッジ101は、当該生成されたHTTPパケットをPC105に送信する。
【0092】
上記から明らかな通り、ブリッジ101は、PC105とWWWサーバ103との間に、別々のTCP接続(セッション)を持っている。1409および1415において、受信したパケットのデータがコピーされたHTTPパケットを新たに生成するのは、それぞれのセッションにおいて、TCP通信におけるシーケンス番号の整合性を維持するためである。
【0093】
以上の動作により、PC105はWWWサーバ103のWebページを開くことができる。
―ブリッジ101のWebページ開く場合―
図15を参照して、ステップ1501および1503以外は、既に説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
【0094】
矢印1501において、ブリッジ101はPC105からURLのパスがbr_index.htmlであるHTTPリクエストを受信する。この時、図10における第1のパケット受信処理部1001は、URLのパスがbr_index.htmlであることを確認(図11のステップ1103)し、HTTP処理部303に対し、ブリッジ101のWebデータを送信するよう指示する(図11のステップ407)。
【0095】
ステップ1503において、ブリッジ101は、当該受信したHTTPリクエストに対する応答、即ちブリッジ101のWebデータをPC105に送信する。
<実施例2の効果>
実施例2に係るブリッジ101によれば、実施例1での効果に加え、URLを通信判別のキーとして用いることで、ポート番号より自由度の高い実装が可能となる。なぜなら、ポート番号は、ネットワーク通信においてユニークな存在でなければならず、また、他の端末がどのポート番号を使用しているかの情報を得るのは困難だからである。さらに、特殊なポート番号による通信は、PC105に備えるソフトウェアや、その他ネットワーク上に存在するファイアウォール等によって遮断される可能性が高いが、URLにはこのような制限はなく、より汎用性の高い設定手段といえる。
【0096】
上記した2つの実施形態では、何れもブリッジを例として説明したが、同様の仕組みはブリッジ以外にも適用可能であり、名称により本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、実施例1に示すポート番号および実施例2に示すURLは、何れも例示であり任意のもので良い。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】ブリッジのネットワーク環境図
【図2】ブリッジのハードウェア構成図
【図3】実施例1に係るブリッジの機能ブロック図
【図4】実施例1に係る第1のパケット受信処理部のフローチャート
【図5】実施例1に係る第2のパケット受信処理部のフローチャート
【図6】実施例1に係るリンク監視部のフローチャート
【図7】実施例1に係るWWWサーバのWeb画面を開く際のシーケンス
【図8】実施例1に係るブリッジのWeb画面を開く際のシーケンス
【図9】実施例2に係る動作簡略図
【図10】実施例2に係るブリッジの機能ブロック図
【図11】実施例2に係る第1のパケット受信処理部のフローチャート
【図12】実施例2に係る第1のHTTPパケット転送部のフローチャート
【図13】実施例2に係る第2のHTTPパケット受信処理部のフローチャート
【図14】実施例2に係るWWWサーバのWeb画面を開く際のシーケンス
【図15】実施例2に係るブリッジのWeb画面を開く際のシーケンス
【符号の説明】
【0098】
207 第2のネットワークインタフェース
209 第1のネットワークインタフェース
301 第1のパケット受信処理部
303 HTTP処理部
305 第2のパケット受信処理部
307 リンク監視部
309 端末情報保存領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのネットワークインタフェースを備え、それぞれのネットワークインタフェース間の通信を制御するネットワーク機器であって、
第1の端末が接続された第1のネットワークに接続する第1のネットワークインタフェースと、
第2の端末が接続された第2のネットワークに接続する第2のネットワークインタフェースと、
前記第1のネットワークインタフェースから受信した通信を処理する第1のパケット受信処理部と、
前記第2のネットワークインタフェースから受信した通信を処理する第2のパケット受信処理部と、
前記第2の端末の持つアドレス情報が保存される端末情報保存領域と、を備え、
A)前記第1のパケット受信処理部は、前記第1の端末から前記第2の端末への通信を受信し、前記第2の端末の前記アドレス情報が前記端末情報保存領域に登録されているかを判断し、登録されていると判断した場合、当該通信に含まれる特定の情報の検出を試み、検出されれば、所定の処理を実行し、
B)前記第2のパケット受信処理部は、前記第2の端末から前記第1の端末への通信を受信し、前記第2の端末のアドレス情報が前記端末情報保存領域に登録されているかを判断し、登録されていないと判断した場合、前記第2の端末のアドレス情報を前記端末情報保存領域に登録する
ことを特徴とするネットワーク機器。
【請求項2】
前記ネットワーク機器は、さらに、
前記ネットワーク機器の設定情報を少なくとも含むWeb情報を、前記第1の端末に対して提供するHTTP処理部を備え、
前記所定の処理は、
A)前記第1の端末に対してWeb情報を送信するよう、前記第1のパケット受信処理部が前記HTTP処理部に指示し、
B)前記HTTP処理部が、前記第1のパケット受信処理部より受けた、Web情報送信指示に反応して、前記第1の端末に対してWeb情報を送信する
ことを特徴とする請求項1記載のネットワーク機器。
【請求項3】
前記ネットワーク機器は、さらに、
前記第2のネットワークに接続されている少なくとも1台の第2の端末のリンク状態を監視するリンク監視部を備え、
前記リンク監視部は、前記第2のネットワークに接続されている前記第2の端末のリンク状態を監視し、当該リンクが接続状態から切断状態に遷移したことを検知すると、前記第2の端末のアドレス情報を前記端末情報保存領域から削除する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のネットワーク機器。
【請求項4】
前記当該通信に含まれる特定の情報は、ネットワークトランスポート層におけるポート番号および/またはHTTP通信におけるURLであることを特徴とする、請求項1乃至3記載のネットワーク機器。
【請求項5】
第1の端末が接続された第1のネットワークに接続する第1のネットワークインタフェースと、
第2の端末が接続された第2のネットワークに接続する第2のネットワークインタフェースと、
前記第1のネットワークインタフェースから受信した通信を処理する第1のパケット受信処理部と、
前記第2のネットワークインタフェースから受信した通信を処理する第2のパケット受信処理部と、
前記第2の端末の持つIPアドレスおよびMACアドレス情報のうち少なくとも1つが登録される端末情報保存領域と、
前記ネットワーク機器の設定情報を少なくとも含むWeb情報を、前記第1の端末に対して提供するHTTP処理部と、
前記第2のネットワークに接続されている少なくとも1台の第2の端末のリンク状態を監視するリンク監視部と、を備え、それぞれのネットワークインタフェース間の通信を制御するネットワーク機器を設定する方法であって、
A)前記第1のパケット受信処理部は、前記第1の端末から前記第2の端末への通信を受信し、前記第2の端末のIPアドレスおよびMACアドレスが前記端末情報保存領域に登録されているかを判断し、登録されていると判断した場合、当該通信に含まれる特定の情報の検出を試み、検出されれば、前記第1の端末に対して当該ネットワーク機器の設定情報を少なくとも含むWeb情報を送信するよう前記HTTP処理部に指示し、
B)前記HTTP処理部は、前記第1のパケット受信処理部より受けた、Web情報送信指示に反応して、前記第1の端末に対してWeb情報を送信し、
C)前記第2のパケット受信処理部は、前記第2の端末から前記第1の端末への通信を受信し、前記第2の端末IPアドレスおよびMACアドレスが前記端末情報保存領域に登録されているかを判断し、登録されていなければ、前記第2の端末のIPアドレスおよびMACアドレスを前記端末情報保存領域に登録し、
D)前記リンク監視部は、前記第2のネットワークに接続されている前記第2の端末のリンク状態を監視し、当該リンクが接続状態から切断状態に遷移したことを検知すると、前記第2の端末のIPアドレスおよびMACアドレスを前記端末情報保存領域から削除する
ステップを少なくとも含むネットワーク機器設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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