説明

ネットワーク端末システム、及び端末装置

【課題】
インターネット上で公開されるホームページまたは映像コンテンツ等を携帯などの端末で表示または再生しているときに、その内容を簡単に大画面のテレビ受信機に表示することができるネットワーク端末システムを提供する。
【解決手段】
表示装置と携帯端末とから構成されるネットワーク端末システムであって、携帯端末は、ネットワークから、第一のコンテンツを送信するサーバを示す情報と、第一のコンテンツを識別する情報と、を含む識別子を取得する第一の接続手段と、第一の接続手段が取得した識別子を表示端末に送信する送信手段と、を備え、表示装置は、識別子を受信する受信手段と、受信手段が受信した識別子が示すサーバから第一のコンテンツを取得する第二の接続手段と、第二の接続手段が取得したコンテンツを表示する第二の表示手段と、を備えることを特徴とするネットワーク端末システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク端末システム、及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2009−258963号公報(特許文献1)がある。この公報には、「ネットワーク接続したデジタルテレビ等の情報家電製品からのページ要求に応答して、HTML形式のWebページをレイアウト解析し、広告を含む画面
表示データを生成して送信するサーバー装置を構成する。画面表示データはテレビ等の画面の縦横比と関連付けられた2列の形式等に成形され、ユーザはリモコン等によりリンク情報を利用しうる。これにより、視認性、操作性に優れた画面表示手段を提供しうる。サーバー装置側でWebページ解析、レイアウト処理等を実施することにより、情報家電製品に特別な処理能力やハードウェア等を追加することなく、文書情報及び画像情報を含む画面を提供しうる。表示する画面に適宜広告を挿入し、広告配信の機会を創出しうる。」と記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−258963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、Webページを解析し画面表示のためのレイアウト処理を行なうサーバー装置により、レイアウト処理したWebページを情報家電に送信し表示する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の発明の場合、レイアウト処理するサーバーが必要であり、また同じコンテンツをレイアウト処理を行なったWebページとレイアウト処理を行なっていないWebページを異なる表示装置で同時に閲覧しようとした場合に、コンテンツの表示形式が異なる場合に閲覧および操作に戸惑う恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【発明の効果】
【0006】
インターネット上で公開されるホームページまたは映像コンテンツ等を携帯などの端末で表示または再生しているときに、その内容を簡単に大画面のテレビ受信機に表示することができる。
【0007】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1(a)】システム構成の一例を示すブロック図である。
【図1(b)】テレビ受信機の構成の一例を示すブロック図である。
【図1(c)】無線端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図2(a)】テレビ受信機のストレージ及びメモリの内部構成の例である。
【図2(b)】無線端末のストレージ及びメモリの内部構成の例である。
【図3】無線端末12の制御部14から、テレビ受信機1の制御部5に渡す位置情報のデータ形式の一例を示す図である。
【図4】無線端末12の表示領域104とWebコンテンツ103との位置関係を示す図である。
【図5】第一の実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
【図6】無線端末12のWebコンテンツ表示画面を示す図である。
【図7】テレビ受信機1に表示されるWebコンテンツ表示画面を示す図である。
【図8】第二の実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
【図9】無線端末12に表示されるWebコンテンツ画面表示の一例を示す図である。
【図10】無線端末12に表示されるWebコンテンツ画面をテレビ受信機1に表示したときの一例を示す図である。
【図11】変形例としてのテレビ受信機1のWebコンテンツ画面である。
【図12】第三の実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
【図13】無線端末12に表示されるWebコンテンツ画面表示の一例を示す図である。
【図14】第五の実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
【図15】無線端末12のWebコンテンツ表示画面の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
以下においては、番組配列情報(イベント情報)を含むデジタル放送波を受信し、受信した番組配列情報に基づいてデジタル放送の電子番組表(EPG)を表示するデジタル放送受信機能付きテレビ受信機および無線装置から構成されるネットワーク端末システムを例にして説明を行なう。
【0011】
日本国で運用されているBSデジタル放送、CSデジタル放送、および地上デジタルテレビジョン放送では、1つのトランスポンダ(周波数チャネル)に複数のトランスポートストリーム(以下、「TS」と略記する)を多重化して伝送している。
【0012】
TSは、社団法人電波産業会(ARIB)の標準規格に従ったデータ構造を有しており、コンテンツデータとしての要素信号(ES:Elementary Stream)に対して、イベント情報としての番組配列情報をヘッダとして付加した TSパケットで構成されている。
【0013】
番組配列情報のデータ構造は、ARIB標準規格であるARIB STD-B10「デジタル放送に使用する番組配列情報標準規格」に従ったものである。番組配列情報は、MPEG(Moving Picture Expert Group)−2システム規格で規定された伝送制御情報であるPSI(Program Specific Information:番組特定情報)と、EPGなどを構築するためのSI(Service Information:サービス情報)とで構成される。
【0014】
SIは、BIT(Broadcaster Information Table:放送局情報テーブル)、SDT(Service Description Table:サービス記述テーブル)、EIT(Event Information Table:イベント情報テーブル)およびTOT(Time Offset Table:時刻オフセットテーブル)の4つのテーブルで構成されている。
【0015】
BITは、ネットワーク内の放送局に関する情報を記載したものである。SDTは、TS情報部とサービス情報部に分かれており、TS情報部は、ネットワークを識別するためのネットワークIDと、TSを識別するためのTS ID(Identifier)とを含んでいる。
【0016】
ネットワークIDは、BSネットワーク、CS1ネットワークおよびCS2ネットワークには、それぞれ異なるネットワークIDが割り当てられている。また、地上デジタル放送の場合は、同じ地域では放送局ごとに異なる値のネットワークIDが割り当てられている。
【0017】
サービス情報部は、ネットワーク内で個々のサービス(チャンネル)を識別するための識別子であるサービスID(いわゆるチャンネル番号)を含んでいる。
【0018】
EITは、イベント(いわゆる番組)ごとの番組情報を記述したものであり、サービス情報部とイベント情報部に分かれている。サービス情報部は、ネットワーク内で個々のサービス(チャンネル)を識別するための識別子であるサービスID(いわゆるチャンネル番号)を含んでいる。
【0019】
イベント情報部は、イベントID、イベント開始時刻、イベント継続時間、イベントの名称(いわゆる番組タイトル)、イベントのジャンルなどを含んでいる。TOTは、現在時刻を記述したものである。
【0020】
なお、以上は日本国で運用されているデジタル放送について説明したが、各国で運用されているデジタル放送においても、上記の番組配列情報と同様の番組情報を伝送している。よって、以下に説明する本発明は、各国のデジタル放送について適用することが可能である。
【0021】
以下、本発明に係る第一の実施形態を説明する。
【0022】
[システム構成]
図1(a)は、第一の実施形態に係るネットワーク端末システムの一実施例を示すブロック構成図である。
【0023】
本実施例のネットワーク端末システムは、例えば、テレビ受信機1、無線端末12、無線ルーター10、外部ネットワーク11から構成される。図示の例は、情報通信端末としての携帯電話機等の移動体通信端末である無線端末12の利用者が、その無線端末12を持って家庭や店舗等で、テレビ受信機1でテレビ番組を視聴しているときの例である。
【0024】
無線ルーター10は、Wi−Fiなどの無線LAN機能を備え、通信回線を経由して外部ネットワーク11に接続できる。また、無線ルーター10は、テレビ受信機1、テレビ受信機19、無線端末12、外部ネットワーク11と接続されており、テレビ受信機1、テレビ受信機19または無線端末12は、インターネット網から情報を入手することができる。
【0025】
また、無線ルーター10は、テレビ受信機1またはテレビ受信機19とは、有線LANまたは無線LANで接続されており、無線端末12とは無線LANで接続されているものとする。ここで、Wi−Fiは、IEEE(米国電気電子学会)の規格「IEEE 802.11a/IEEE 802.11b」で策定された無線LAN(Local Area Network)の標準規格である。
以下、本発明に係る第一の実施形態を、図1から図7を用いて説明する。
【0026】
[テレビ受信機]
図1(b)は、テレビ受信機1の構成図である。
【0027】
テレビ受信機1は、アンテナ38に接続され、チューナ・復調部2、信号分離部3、制御部5、選局制御部6、入力手段4、ストレージ23、メモリ20、重畳部7、表示部18、通信I/F9、音声復号部39、映像復号部40、スピーカ41、音声出力部42、映像出力部43などを含む。、それぞれの処理部がバス120を介して接続される。
【0028】
また、テレビ受信機1は、アプリケーションプログラムをストレージ23に格納可能としており、制御部5がストレージ23から上記プログラムをメモリ20に展開し、制御部5が上記プログラムを実行することでさまざまな機能を実現することができる。
【0029】
以後の説明では説明を簡単にするため、制御部5が各アプリケーションプログラムを実行して実現する各種機能を、各種プログラム機能部が主体となって実現することとして説明する。
【0030】
なお、アプリケーションプログラムは、テレビ受信機1が出荷されるまでに予めストレージ23に格納されていても良いし、CD(Compact Disk)・DVD(Digital Versatile Disk)などの光学メディアや半導体メモリ等の媒体に格納されて図示しない媒体接続部を介してテレビ受信機1にインストールされても良い。
【0031】
また、通信I/F9及び無線ルーター10を介して外部ネットワーク11からダウンロードしてインストールすることも可能である。
【0032】
また、アプリケーションプログラムの各種機能は同様の機能を持つ処理部として、ハードウェアで実現することも可能である。ハードウェアとして実現する場合は、各処理部が主体となって各機能を実現する。
【0033】
入力手段4は、ユーザーからのテレビ受信機1に対する操作を受け付け、入力操作に関する制御情報を入力する入力手段であり、例えば、リモコン、キーボード、マウス等のポインティングデバイス等により実現される。
【0034】
制御部5は、ユーザーの操作要求を入力手段4を経由して受け取り、信号分離部3、選局制御部6、ストレージ23、重畳部7、通信I/F9、各種プログラム機能部の各ブロックを制御する。
【0035】
ストレージ23は、制御部5の指示により制御され、アプリケーションプログラムを保存することができる。また、アプリケーションプログラムで作成した各種情報を保存する。また、チューナ・復調部2や通信I/F9から受信した信号から映像音声ストリーム等のコンテンツを保存してもよい。
【0036】
メモリ20は、制御部5の指示により制御される。メモリ20に、ストレージ23に格納しているアプリケーションプログラムの機能部が展開される。
【0037】
チューナ・復調部2は、選局制御部6により、所望のサービスのチャンネルに同調することで、放送局より放送信号を受信し、受信した放送信号を復調してトランスポートストリームを取得する。
【0038】
選局制御部6は、入力手段4を経由してサービスを選局する指示を受け、指示に応じて選局するチャンネルを切り替えるようにチューナ・復調部2を制御する。また、選局制御部6は、各種プログラム機能部からの指示を受けとることができ、現在放送中のイベント(番組)を放送しているサービス(チャンネル番号)およびそのサービスが属する放送提示単位に切り替えるようにチューナ・復調部2を制御する。
【0039】
通信I/F9は、有線LANまたは無線LANにより、無線ルータ13に接続される。通信I/F9は無線ルータ13を介してテレビ受信機19や無線端末12と各種情報を送受信する。また、通信I/F9は、無線ルータ13を介して外部ネットワーク11と接続された装置とも各種情報を送受信可能である。例えば、外部ネットワーク11と接続されたサーバからIP放送や、ビデオオンデマンド、などの形態でコンテンツストリーム(映像音声ストリーム)を受信することも可能である。
【0040】
また、外部ネットワーク11と接続されたサーバから映像ストリームやアプリケーションプログラムをダウンロードすることも可能である。ダウンロードした情報は、例えば、ストレージ23に格納される。
【0041】
信号分離部3は、チューナ・復調部2で得たトランスポートストリームや、通信I/F9を介して得たコンテンツのストリームについて、映像データ、音声データ、字幕文データ、番組情報等、種類ごとに分離する。また番組情報(例えば、番組配列情報SI)を取得し、他の処理ブロックに送信する機能を有する。また、他の処理部からデータ送信要求があった場合には、指定されたデータを、要求元へデータを送信する。
【0042】
音声復号部39は、信号分離部3で分離した音声データを復号する。音声復号部39で復号された音声情報は、スピーカ41から出力される。音声復号部39で復号された音声情報は、音声出力部42から外部機器へ出力してもよい。
【0043】
映像復号部40は、信号分離部3で分離した映像データを復号する。映像復号部40で復号された映像情報は、重畳部7に送られる。
【0044】
重畳部7は、映像復号部40から送られた復号映像情報に各種プログラム機能部で作成されたEPG画像、OSD画像や、信号分離部3から分離された各種情報(字幕情報、字幕スーパー、データ放送データ等)から生成された画像等を重畳する。また、重畳部7は、後述するブラウザエンジン2101で作成されたブラウザ表示画面と映像信号とを合成またはそれぞれの選択切換を行う。重畳部7を経た映像情報は表示部18で表示される。
【0045】
表示部18は、例えばテレビやパソコンのディスプレイあるいは液晶パネル等によって構成され、放送・配信された映像や各種操作をするためのUI、Webブラウザ、ストレージ23に格納された画像等の表示を行なう。
【0046】
また、重畳部7を経た映像情報は、映像出力部43から外部機器へ出力してもよい。表示する画像、映像はアプリケーションプログラムで生成された画像でもよく、チューナ・復調部2を介して受信したコンテンツの画像、映像でもよく、通信I/F9を介して外部ネットワーク11上のサーバから受信した画像、映像でもよく、通信I/F9を介して無線端末12から受信した画像、映像でもよい。
【0047】
また、信号分離部3で所定の番組についてのトランスポートストリームを分離し、映像や音声を復号せずに出力するデジタルI/F44を設けてもよい。
【0048】
テレビ受信機19の各部の構成は、テレビ受信機1と同様のため、ここでは説明を省略する。また、本実施例ではテレビ受信機を使用する例を説明するが、表示部やスピーカを省略してレコーダを用い、外部接続されたテレビ受信機やディスプレイ、スピーカに同様の映像音声を提示させることで本実施例を実施することも可能である。
【0049】
[無線端末]
図1(c)は無線端末12の構成図である。
無線端末12は、例えば、通信I/F13、制御部14、表示部17、入力手段15、信号分離部21、チューナ・復調部22、ストレージ25、移動体通信I/F31、メモリ32、加速度センサ部33、地磁気センサ部34、GPS受信部35、ジャイロセンサ部36を有し、それぞれの処理部がバス121を介して接続される。
【0050】
また、無線端末12は、アプリケーションプログラムをストレージ25に格納しており、制御部14がストレージ25から上記プログラムをメモリ32に展開し、制御部14が上記プログラムを実行することで各種機能を実現することができる。以後の説明では説明を簡単にするため、制御部14が各アプリケーションプログラムを実行して実現する各種機能を、各種プログラム機能部が主体となって実現することとして説明する。
【0051】
なお、アプリケーションプログラムは、無線端末12が出荷されるまでに予めストレージ25に格納されていても良いし、CD(Compact Disk)・DVD(Digital Versatile Disk)などの光学メディアや半導体メモリ等の媒体に格納されて図示しない媒体接続部を介して無線端末12にインストールされても良い。
【0052】
また、通信I/F13及び無線ルーター10を介して外部ネットワーク11からダウンロードしてインストールしてもよい。若しくは移動体通信I/F31を介して基地局18を介して配信元からダウンロードしてインストールしてもよい。
【0053】
また、アプリケーションプログラムは、同様の機能を持つ処理部として、ハードウェアで実現することも可能である。ハードウェアとして実現する場合は、各処理部が主体となって各機能を実現する。
【0054】
通信I/F13は、無線ルーター10を介してテレビ受信機1の通信I/F9と各種情報の送受信を行う。また、通信I/F13は、無線ルーター10を介して外部ネットワーク11と接続され、外部ネットワーク11上のサーバ等と情報の送受信を行う。
【0055】
また、移動体通信I/F31は、基地局18を通して通信ネットワークに接続され、通信ネットワーク上のサーバと情報の送受信を行なうことができる。
【0056】
制御部14は、ユーザーの操作要求を入力手段15を経由して受け取り、信号分離部21、表示部17、通信I/F13、各種プログラム機能部を制御する。
【0057】
さらに、制御部14は、通信I/F13及び無線ルーター10を経由して外部ネットワーク11、または、移動体通信I/F31及び基地局18を経由して外部ネットワーク11からも番組情報を抽出し番組配列情報を取得でき、各種プログラム機能部に渡す機能も有する。
【0058】
本実施例では、信号分離部21でデジタル放送の番組情報を抽出し番組配列情報SIを取得する場合の例について説明するが、通信I/F13や移動体通信I/F31を介して外部ネットワーク11や配信元から番組配列情報SIを取得することも可能である。この場合は信号分離部21及びチューナ・復調部22を無線端末12の構成から省略することも可能である。
【0059】
ストレージ25は、制御部14の指示により制御され、アプリケーションプログラムを保存することができる。また、アプリケーションプログラムで作成した各種情報を保存する。また、チューナ・復調部22、通信I/F13、または移動体通信I/F31から受信した信号から映像音声ストリーム等のコンテンツを保存してもよい。
【0060】
メモリ32は、制御部14の指示により制御される。メモリ32に、ストレージ25に格納しているアプリケーションプログラムの機能部が展開される。
【0061】
表示部17は、ストレージ25に格納された画像や映像、放送・配信された映像、各種操作をするためのUIやWebブラウザ等を表示する。表示する画像、映像はアプリケーションプログラムで生成された画像でもよく、チューナ・復調部22を介して受信したコンテンツの画像、映像でもよく、通信I/F13を介して外部ネットワーク11上のサーバから受信した画像、映像でもよく、通信I/F13を介してテレビ受信機1から受信した画像、映像でもよく、移動体通信I/F31を介して通信ネットワーク上のサーバから配信された画像、映像でもよい。また、表示部17は、例えば下記のタッチパネル等と一体として構成されてもよい。
【0062】
入力手段15は、ユーザーからの無線端末12に対する操作を受け付け、入力操作に関する制御情報を入力する入力手段であり、例えば、物理的なボタンやタッチパネルなどを用いることができる。
【0063】
本実施例では、タッチパネルを使用した例について述べる。タッチパネルを使用することにより、Webコンテンツ上を直接タッチすることにより、任意の位置を指でタッチした状態で移動する操作(ドラッグ操作)を行うことによりWebコンテンツの画面を自由に移動することができる。また、リンク先情報のURL(Uniform Resource Locator)が指定されたアンカータグなどを指で1回叩く操作(タップ操作)を行うと、ブラウザ上で所望のWebコンテンツを閲覧することができる。
【0064】
チューナ・復調部22、信号分離部21は、それぞれテレビ受信機1のチューナ・復調部2、信号分離部3、と同等の働きを持つ。
【0065】
加速度センサ部33は、携帯端末15にかかる加速度を測定する。制御部14は、例えば加速度センサ部33により重力加速度を測定することによって、携帯端末15のどの部分が上方であるのかを知ることができ、表示部17に表示させる画面の上方を加速度センサ部33が測定した上方と合わせるように表示させることによって、ユーザによる携帯端末15の持ち方に合わせた画面を表示させることができる。
【0066】
地磁気センサ部34は、複数の磁気センサを利用するなどして地磁気を測定する。
【0067】
GPS受信部35は、GPS(Grobal Positioning System)を利用して複数の衛星から送信される信号を受信する。制御部14は、GPS受信部35が受信した信号を基に、携帯端末15の位置情報を計算することができる。
【0068】
ジャイロセンサ部36は、携帯端末15をユーザが動かした場合などに発生する携帯端末15の角速度を測定する。
【0069】
[ソフトウェア構成]
図2(a)は、図1(b)における、テレビ受信機1の構成のうちストレージ23とメモリ20を示している。図2(a)は、ストレージ23にブラウザプログラム2001を格納しており、制御部5がブラウザプログラム2001をメモリ20にブラウザエンジン2101として展開した状態を示している。ブラウザプログラム2001は、製品の出荷時点でストレージ23に格納しておいてもよく、通信I/F9を介してダウンロードしてもよい。
【0070】
ブラウザエンジン2101は、図2のようにHTMLパーサー2102、データベース生成部2103、レンダリング部2104、画像処理部2105の各機能ブロックから構成される。
【0071】
HTMLパーサー2102は、ネットワーク制御部、制御部5を介して取得したHTMLデータの論理的な構造を解析する。また、取得したHTMLデータを解釈し、テレビ受信機1で使用する内部データへ変換することができる。
【0072】
データベース生成部2103は、そのHTMLデータ構造に関するデータベースを生成する。
【0073】
レンダリング部2104は、データベースを元に、各タグで決められた表現形式の情報を含むレイアウト構造を生成し、このレイアウト構造を基に、大きさ、位置、画像を取り込んだデータの通りにブラウザ表示画面を生成する。また、レンダリング部2104は、無線端末12から送信される位置情報に基づき、表示部8に表示する映像等のサイズ、位置を制御する。
【0074】
画像処理部2105は、HTMLデータに画像タグで指定された画像ファイルの配置及び画像ファイル名などの画像ファイル情報に基づいて取得した画像ファイルをビットマップ形式等の画像データに変換する。
【0075】
図2(b)は、図1(c)における、無線端末12の構成のうちストレージ25とメモリ32を示している。図2(b)は、ストレージ25にブラウザプログラム3001を格納しており、制御部14がブラウザエンジン3101をメモリ32にブラウザエンジン3101として展開した状態を示している。ブラウザエンジン3101は、製品の出荷時点でストレージ25に格納しておいてもよく、通信I/F13または移動体通信I/F31を介してダウンロードしてもよい。
【0076】
ブラウザエンジン3101は、テレビ受信機1のブラウザエンジン2101と同様に、HTMLパーサー3102、データベース生成部3103、レンダリング部3104、画像処理部3105の各機能ブロックから構成される。HTMLパーサー2102、データベース生成部3103、画像処理部3105の説明は、ブラウザエンジン2101と同様のため、詳細の説明は省略する。
【0077】
レンダリング部3104は、データベースを元に、各タグで決められた表現形式の情報を含むレイアウト構造を生成し、このレイアウト構造を基に、大きさ、位置、画像を取り込んだデータの通りにブラウザ表示画面を生成する。また、レンダリング部3104は、表示部17が表示している画面の位置を取得して位置情報を作成し、テレビ受信機1のレンダリング部2104に送信する。
【0078】
[データ形式]
次に、図3を用いて本実施形態のネットワーク端末システムに関連するデータ形式について説明する。
【0079】
図3は、無線端末12のレンダリング部3104から、テレビ受信機1のレンダリング部2104に渡す位置情報のデータ形式の一例を示す図である。
また、図4は、無線端末12の表示領域104とWebコンテンツ103との位置関係を示す図である。
位置情報は、図3に示すように、座標101、102の形式で構成される。座標101、102は、図4に示すように、Webコンテンツの左上を基準座標(0,0)としたときの、無線端末12の表示領域104のそれぞれ左上、右下の座標を示す。
【0080】
次に、図1から図7を用い、入力手段15がユーザーからの操作を受け、無線端末12がブラウザを起動し、Webコンテンツをテレビ受信機1に表示する場合の例について説明する。
【0081】
[動作シーケンス]
図5は、第一の実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。図6は、無線端末12のWebコンテンツ表示画面の一例を示す図である。また、図7は、テレビ受信機1に表示されるWebコンテンツ表示画面の一例を示す図である。
【0082】
本実施例では、外部ネットワーク11からWebコンテンツ等の情報を入手する例について述べるが、通信I/F13、基地局18を通して通信ネットワークから情報を入手することもできる。
【0083】
制御部14は、入力手段15によりブラウザ起動の指令を受けると、ブラウザエンジン3101を起動する(S201)。ブラウザエンジン3101は、あらかじめホームページとして設定されたリソースのURLにアクセスを行う。
【0084】
次に、ブラウザエンジン3101は、HTTPに準拠したWebコンテンツ等のリソースを要求するリクエストメッセージを制御部14、通信I/F13、無線ルーター10を経由して、外部ネットワーク11からネットワーク上のURLにより特定されるサーバーに送信する。
【0085】
URLにより特定されるサーバーは、受け取ったリクエストメッセージに応じたレスポンスメッセージを作成して返信する。返信されたレスポンスメッセージは、外部ネットワーク11を経由してブラウザエンジン3101に入力される。レスポンスメッセージにはHTML文書が埋め込まれており、ブラウザエンジン3101のHTMLパーサー3102、データベース生成部3103、レンダリング部3104、画像処理部3105によりブラウザ表示画面を生成し、表示部17に表示する(S202)。
【0086】
次に、入力手段15がユーザーからの操作を受け、テレビ受信機1にWebコンテンツを表示する操作を行う場合について説明する。
【0087】
図6において、無線端末12の表示部17には、表示しているWebコンテンツと同じコンテンツをテレビ受信機1の表示部6に表示するための、「TV表示」ボタン105が表示されており、ユーザは「TV表示」ボタン105を指でタップ操作を行う(S203)。
【0088】
「TV表示」ボタン105のタップ操作を受け付けた入力手段15は、ブラウザエンジン3101から現在表示部17に表示しているWebコンテンツのURLを取得し、レンダリング部3104から図3に示す位置情報を取得し(S204)、通信I/F13、無線ルーター10、通信I/F9、制御部5を経由してブラウザエンジン2101に渡す(S205)。
【0089】
ブラウザエンジン2101は、上記したHTTPに準拠したWebコンテンツ等のリソースを要求するリクエストメッセージを制御部5、通信I/F9、無線ルーター10を経由して、外部ネットワーク11からネットワーク上のURLにより特定されるサーバーに送信する。
指定URLに対応するサーバーは、受け取ったリクエストメッセージに応じたレスポンスメッセージを作成して返信する。返信されたレスポンスメッセージは、外部ネットワーク11を経由してブラウザエンジン2101に入力される。レスポンスメッセージには、HTML文書が埋め込まれており、ブラウザエンジン2101のHTMLパーサー2102、データベース生成部2103、レンダリング部2104、画像処理部2105によりブラウザ表示画面を生成する。
【0090】
次に、テレビ受信機1の表示部8の表示領域106が、無線端末12の表示部17の表示領域104より大きい場合は(S206:YES)、無線端末12から受信した位置情報を基に、少なくとも無線端末12の表示領域104に相当する表示領域がテレビ受信機1の表示部9に表示されるようにレンダリング部2104が位置調整を行い(S207)、表示部17に図7に示すようにWebコンテンツが表示される(S208)。表示部17の表示領域情報は、上記位置情報からも算出できるが、位置情報に含めた独立したデータ形式としても良い。
【0091】
図7(a)は、Webコンテンツ領域の左上を基準にしたときのWebコンテンツ配置例である。この場合は、無線端末12の表示領域によってはすべて表示されない場合がある。図7(b)は、本実施例によるWebコンテンツ配置例である。この場合は、無線端末12の表示領域がすべて表示されるため、無線端末12とテレビ受信機1とのWeb画面の対応が付く利点がある。
【0092】
本実施例の変形例としては、無線端末無線端末12から受信した位置情報を基に、テレビ受信機1の表示部8に、無線端末12の表示領域104に相当する表示領域を枠線などで表示することもできる。また、別の変形例としては、テレビ受信機1のブラウザの起動の遅れを避けるために、無線端末12でWebコンテンツを起動した場合は、これに同期してバックグラウンドでテレビ受信機1のブラウザを立ち上げておくこともできる。
【0093】
このようにして、少なくとも無線端末12の表示部17に表示されたWebコンテンツの表示領域を含むWebコンテンツが、テレビ受信機1の表示部8にも表示することができる。また、無線端末12のタッチパネルで、指によるドラッグ操作等により表示領域を変更しても、所定時間毎もしくは所定のタイミングで位置情報を送信することで、少なくとも無線端末12の表示領域104がテレビ受信機1の表示領域106に表示されるようにできる。この場合、無線端末12の表示領域104がテレビ受信機1の表示領域106から外れるタイミングで、位置情報を更新しても良い。
【0094】
このように、従来は、テレビ放送視聴中に、携帯などの無線端末で閲覧している内容をテレビ受信機でも表示しようとした場合、ブラウザ画面を立ち上げて、閲覧しているホームページ等のURLを調べて、同じURLをテレビ受信機に設定する必要があり、また、無線端末とテレビ受信機の表示画面は、表示能力や表示特性が異なるために、表示領域や表示位置が異なり同じように扱うことが困難であったが、本実施例では、簡単に無線端末に表示されているWebコンテンツを画面が欠けることなくテレビ受信機に表示することができる。
【実施例2】
【0095】
以下、本発明に係る第二の実施形態を、図1、図2、図8、図9、図10および図11を用いて説明する。
なお、本実施形態では、第一の実施形態と比較し、異なるところを強調して説明する。
【0096】
[システム構成等]
本実施形態でのネットワーク端末システムは、第一の実施形態における図1と同様に、テレビ受信機1、無線端末12、無線ルーター10、外部ネットワーク11から構成される。ここで、テレビ受信機1、無線端末12の各部の構成については、第一の実施形態と同じため説明を省略する。
【0097】
[動作シーケンス]
図8は、第二の実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。図9は、本実施形態での無線端末12に表示されるWebコンテンツ画面表示の一例を示す図である。また、図10は、本実施形態での無線端末12に表示されるWebコンテンツ画面をテレビ受信機1に表示したときの一例を示す図である。
【0098】
制御部14は、入力手段15によりブラウザ起動の指令を受けると、ブラウザエンジン3101を起動し(S201)、ブラウザエンジン3101は、実施形態1と同様にブラウザ表示画面を生成し、表示部17に図9に示すようなWebコンテンツ画面を表示する(S202)。ここで、ブラウザエンジン3101は、無線端末12に表示されているWebコンテンツと同じコンテンツをテレビ受信機1に表示させるための「TV表示」ボタン105をWebコンテンツ画面に表示させる。
【0099】
次に、図9において入力手段15が「TV表示」ボタン105のタップ操作を受け付けた場合(S203)、実施形態1と同様にしてテレビ受信機1の表示部8に図10に示すようなWebコンテンツ画面を表示する(S204〜S206)。
【0100】
ここで、図9のアンカーテキスト107a、107bは、リンク先情報URLが付加されたアンカータグ<a>に囲われてリンクが設定されたテキストであり、入力手段15によりアンカーテキスト107a、107bが選択されることにより、このリンク先情報URLにより特定されるリンク先に遷移できる。アンカーテキスト107a、107bは通常、文字色が青色にされたり、アンダーラインを付加されるなどして選択可能であることが強調される。アンカーオブジェクト108a、108bも同様に、リンク先情報URLが付加されたアンカータグ<a>に囲われてリンクが設定されたオブジェクトであり、入力手段15によりアンカーテキスト107a、107bが選択されることにより、このリンク先情報URLにより特定されるリンク先に遷移できる。
【0101】
アンカーテキスト107aがタップ操作されると(S301)、ブラウザエンジン3101はアンカーテキスト107aのリンク先情報URLを取得し(S302)、通信I/F13、無線ルーター10、通信I/F9、制御部5を経由してブラウザエンジン2101に渡す(S303)。
【0102】
ブラウザエンジン2101は、HTTPに準拠したWebコンテンツ等のリソースを要求するリクエストメッセージを通信I/F9、無線ルーター10を経由して、外部ネットワーク11からネットワーク上のURLにより特定されるサーバーに送信する。
指定URLに対応するサーバーは、受け取ったリクエストメッセージに応じたレスポンスメッセージを作成して返信する。返信されたレスポンスメッセージは、外部ネットワーク11を経由してブラウザエンジン2101に入力される。レスポンスメッセージには、HTML文書が埋め込まれており、ブラウザエンジン2101のHTMLパーサー2102、データベース生成部2103、レンダリング部2104、画像処理部2105によりブラウザ表示画面を生成し、表示部9にリンク先のWebコンテンツを表示する(S304)。
【0103】
本実施例では、アンカーテキスト107aを用いて説明したが、アンカーテキスト107bやアンカーオブジェクト108aまたは108b等のリンク先情報でも同様である。
【0104】
また、図11は、変形例としてのテレビ受信機1のWebコンテンツ画面である。図9の無線端末12に表示されているWebコンテンツのアンカーテキスト108aまたは108bを指でタップ操作すると、無線端末12のWebコンテンツの表示を変えずに、テレビ受信機1側にはリンク先の画面遷移専用画面として、Webコンテンツ画面109のように表示することもできる。
【0105】
このように、簡単に無線端末に表示されているWebコンテンツのリンクタグから関連情報の画面をテレビ受信機に表示することができる。また、Webコンテンツによっては、リンク先の階層が深く、他の画面に遷移してからリンク元の画面に戻りたい場合に面倒なケースがあるが、テレビ受信機にリンク先の画面遷移画面を表示することにより、リンク元とリンク先の画面を同時に表示することができる。
【実施例3】
【0106】
以下、本発明に係る第三の実施形態を、図1、図2、図9、図10および図12を用いて説明する。
なお、本実施形態では、第二の実施形態と比較し、異なるところを強調して説明する。
【0107】
[システム構成等]
本実施形態でのネットワーク端末システムは、第一の実施形態における図1と同様に、テレビ受信機1、無線端末12、無線ルーター10、外部ネットワーク11から構成される。ここで、テレビ受信機1、無線端末12の各部の構成については、第一の実施形態と同じため説明を省略する。
【0108】
[動作シーケンス]
図12は、第三の実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
【0109】
本実施形態においては、第二の実施形態に対して、リンク先情報の代わりにアンカーテキストのテキスト文字列データを使用する。
【0110】
制御部14は、入力手段15によりブラウザ起動の指令を受けると、ブラウザエンジン3101を起動し(S201)、ブラウザエンジン3101は、実施形態1と同様にブラウザ表示画面を生成し、表示部17に図9に示すようなWebコンテンツ画面を表示する(S202)。ここで、ブラウザエンジン3101は、無線端末12に表示されているWebコンテンツと同じコンテンツをテレビ受信機1に表示させるための「TV表示」ボタン105をWebコンテンツ画面に表示させる。
【0111】
次に、図9において入力手段15が「TV表示」ボタン105のタップ操作を受け付けた場合(S203)、実施形態2と同様にしてテレビ受信機1の表示部8に図10に示すようなWebコンテンツ画面を表示する(S204〜S206)。
【0112】
アンカーテキスト107aが指でタップ操作されると(S401)、ブラウザエンジン3101はアンカーテキスト107aのテキスト情報を取得し、通信I/F13、無線ルーター10、通信I/F9、制御部5を経由してブラウザエンジン2101に渡す(S402)。
【0113】
ブラウザエンジン2101は、データベース生成部2103で入力されたテキスト情報と一致するアンカーテキストを探しリンク先情報を取得する(S403:YES)。また、同時にレンダリング部2104は、このアンカーテキストを他のアンカーテキストと区別するためにアンカーテキストが記載されたアンカータグの色などを一時的に他の色などに変更することもできる。
【0114】
次に、リンク先情報により、第二の実施形態と同様に外部ネットワーク11を経由してHTML文書を入手し、ブラウザエンジン2101のHTMLパーサー2102、データベース生成部2103、レンダリング部2104、画像処理部2105によりブラウザ表示画面を生成し、表示部9にリンク先のWebコンテンツを表示する(S404)。
【0115】
このように、本実施例では、無線端末12でアンカーテキストをタップ操作すると、その操作はテレビ受信機1のWebコンテンツのアンカーテキストを選択したように表現できる。
【0116】
一般にテレビ受信機は、メニューや番組表操作のために十字タイプのカーソル操作ボタンを使用しており、タッチパネルなどのポインターで表示領域を自由に選択できるようなポインター方式ではなく、アンカーテキストのみを選択するようなアンカーカーソル方式を採用しているケースが多いが、このような場合でも、無線端末のアンカーテキストをタッチパネルでタップ操作することにより、ポインター方式による選択が可能となる。
【0117】
また、ユーザーエージェント機能により、端末の機種やブラウザの種類を判別し、無線端末の表示能力に最適なWebコンテンツを提供できるようになってきている。このような場合は、無線端末側はフルブラウザのコンテンツではなく携帯用ブラウザに合わせたコンテンツが提供されるため、テレビ受信機と無線端末でブラウザの見え方やリンク先のURLが異なる場合がある。本実施例では、アンカーテキストと一致するアンカータグのリンク先情報にアクセスできるため、見え方が異なる場合や、リンク先のURLが異なるWebコンテンツでも無線端末に連携して操作することができる。
【実施例4】
【0118】
以下、本発明に係る第四の実施形態を、図1、図13を用いて説明する。
なお、本実施形態では、第二の実施形態と比較し、異なるところを強調して説明する。
【0119】
[システム構成等]
本実施形態でのネットワーク端末システムは、第一の実施形態における図1と同様に、テレビ受信機1、無線端末12、無線ルーター10、外部ネットワーク11から構成される。ここで、テレビ受信機1、無線端末12の各部の構成については、第一の実施形態と同じため説明を省略する。
【0120】
本実施形態において、メモリ20は、Webコンテンツの表示履歴を保存するための表示履歴保存する機能を有する。また、ブラウザエンジン2101は、メモリ20に保存された表示履歴の中からリンク先情報を呼び出す表示履歴読み出す機能も有する。
【0121】
多くのWebブラウザは、利用者が過去に閲覧した情報を保存し再利用する技術として、「お気に入り」機能と「履歴」機能を有するが、本実施形態での実施例については、ブラウザの「履歴」機能の一つとしてのツリー階層の「戻る」、「進む」を例に説明する。
【0122】
[画面表示例]
図13は、本実施形態での無線端末12に表示されるWebコンテンツ画面表示の一例を示す図である。
【0123】
制御部14は、入力手段15によりブラウザ起動の指令を受けると、ブラウザエンジン3101を起動し、ブラウザエンジン3101は、実施形態2と同様にブラウザ表示画面を生成し、表示部17に図13に示すようなWebコンテンツ画面を表示する。ここで、ブラウザエンジン3101は、無線端末12に表示されているWebコンテンツと同じコンテンツをテレビ受信機1に表示させるための「TV表示」ボタン105をWebコンテンツ画面に表示させる。
【0124】
次に、図13において入力手段15が「TV表示」ボタン105のタップ操作を受け付けた場合(S203)、実施形態2と同様にしてテレビ受信機1の表示部8にWebコンテンツ画面を表示する
ここで、アンカーテキスト107a、107bまたはアンカーオブジェクト108a、108bは、実施形態2と同様にリンク先情報URLが付加されたタグまたはオブジェクトであり、このリンク先情報URLによりリンク先に遷移できる。
「戻る」ボタン110は、前に立ち寄った又は前に見ていたWebページを1つのレベル分だけ上に移動するためのボタンである。また、「進む」ボタン111は、前に立ち寄った又は前に見ていたWebページを1つのレベル分だけ下に移動するためのボタンである。前に立ち寄った又は見ていたWebページは、それぞれのページのURLを表示履歴としてメモリ20に記憶されてツリー状に階層化されており、「戻る」ボタン110または「進む」ボタン111により、上下階層に移動できるようになっている。
【0125】
次に、あるWebページを表示している状態から、1つ下の階層に戻るときの動作について説明する。
【0126】
無線端末12のWebコンテンツ画面の「戻る」ボタン110がタップ操作された場合、ブラウザエンジン3101は、メモリ20に保存された表示履歴データから1つ下の階層のリンク先情報URLを読み出し、表示部17にリンク先のWebコンテンツ画面を表示する。さらに、ブラウザエンジン3101は、1つ下の階層のリンク先情報URLを通信I/F13、無線ルーター10、通信I/F9、制御部5を経由してブラウザエンジン2101に渡し、実施形態2と同様にテレビ受信機1の表示部8にリンク先のWebコンテンツ画面を表示する。
【0127】
本実施例では、「履歴」機能として、ブラウザのツリー階層の「戻る」、「進む」機能を例に説明したが、「履歴」機能の他の実施例としては、閲覧したページのURLや閲覧日などの情報を自動的に保存し、この情報をある一定の基準によってリスト表示するものがある。この場合は、リスト表示されたリンク先情報が表示履歴に相当する。
また、同様の機能として、閲覧したページに対して、ユーザー自身が再閲覧の有無を判断し、そのページ情報をお気に入り情報として保存し、その情報を階層的に表示する「お気に入り」機能がある。この場合は、階層的に表示されたリンク先情報が表示履歴に相当する。
【0128】
このように、本実施例では、簡単に無線端末に表示されているWebコンテンツの表示履歴または保存されたお好みのWebページまたはコンテンツをテレビ受信機に表示することができる。
【実施例5】
【0129】
以下、本発明に係る第五の実施形態を、図1、図2、図14および図15を用いて説明する。
なお、本実施形態では、第二の実施形態と比較し、異なるところを強調して説明する。
【0130】
[システム構成等]
本実施形態でのネットワーク端末システムは、第一の実施形態における図1と同様に、テレビ受信機1、無線端末12、無線ルーター10、外部ネットワーク11から構成される。ここで、テレビ受信機1、無線端末12の各部の構成については、第一の実施形態と同じため説明を省略する。
【0131】
[動作シーケンス]
図14は、第五の実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。図15は、無線端末12のWebコンテンツ表示画面の一実施例を示す図である。
【0132】
本実施形態において、第二の実施形態に対して、制御部14は、テレビ受信機1を操作するための操作コマンド等の操作情報を生成する機能を有する。
【0133】
制御部14は、入力手段15によりブラウザ起動の指令を受けると、ブラウザエンジン3101を起動し(S201)、ブラウザエンジン3101は、実施形態1と同様にブラウザ表示画面を生成し、表示部17に図15に示すようなWebコンテンツ画面を表示する(S202)。ここで、ブラウザエンジン3101は、無線端末12に表示されているWebコンテンツと同じコンテンツをテレビ受信機1に表示させるための「TV表示」ボタン105をWebコンテンツ画面に表示させる。
【0134】
次に、図15において、において入力手段15が「TV表示」ボタン105のタップ操作を受け付けた場合(S203)、実施形態2と同様にしてテレビ受信機1の表示部8に図10に示すようなWebコンテンツ画面を表示する(S204〜S206)。
【0135】
アンカーテキスト107aが指でタップ操作されると(S301)、実施形態2と同様に、ブラウザエンジン3101はアンカーテキスト107aのリンク先情報のURLを取得し(S302)、通信I/F13、無線ルーター10、通信I/F9、制御部5を経由してブラウザエンジン2101に渡す(S303)。
【0136】
ブラウザエンジン2101は、実施形態2と同様に、HTTPに準拠したWebコンテンツ等のリソースを要求するリクエストメッセージを制御部5、通信I/F9、無線ルーター10を経由して、外部ネットワーク11からネットワーク上のURLにより特定されるサーバーに送信する。
【0137】
指定URLに対応するサーバーは、受け取ったリクエストメッセージに応じたレスポンスメッセージを作成して返信する。返信されたレスポンスメッセージは、外部ネットワーク11を経由してブラウザエンジン2101に入力される。レスポンスメッセージには、HTML文書が埋め込まれており、ブラウザエンジン2101のHTMLパーサー2102、データベース生成部2103、レンダリング部2104、画像処理部2105によりブラウザ表示画面を生成し、表示部9にリンク先のWebコンテンツを表示する(S304)。
【0138】
リンク先に遷移した画面では、無線端末12の入力手段15による操作で、テレビ受信機1のWebコンテンツ表示画面を操作するために、上述したように、制御部14は、テレビ受信機1を操作するための操作コマンド等の操作情報を生成する機能を有する。
【0139】
次に、図15において、テレビ受信機1のWebコンテンツ表示画面を操作するために、無線端末12の表示部17に表示されたWebコンテンツ画面の「TV操作」ボタン112が指でタップ操作され(S501)、その後に無線端末12の表示部17でドラッグ、タップなどの操作が行われた場合(S502)、この操作はテレビ受信機1の表示部8の操作コマンド、例えばドラッグによる画面スクロールは「スクロール」または「ポインター」コマンド、タップ操作は「決定」コマンド等の操作コマンドに置き換えられ、この操作コマンドは、通信I/F13、無線ルーター10、通信I/F9を経由して制御部5に渡され(S503)、ブラウザエンジン2101を制御しテレビ受信機1のWebコンテンツを操作する(S504)。
【0140】
ここで、無線端末12の表示部17でテレビ受信機1のWebコンテンツ画面を操作するときは、誤操作を防止するなどの目的で無線端末12には「TV操作」ボタン112などの操作ボタンのみ表示を行い、Webコンテンツを表示しないようにしても良い。
【0141】
また、本実施例では、無線端末12またはテレビ受信機1に表示されたWebコンテンツの操作の選択手段として、無線端末12の表示部17の画面上のボタンを選択する方法について説明したが、変形例としてテレビ受信機1がリンク先情報URLによりリンク先に遷移した場合に、自動的にテレビ受信機1を操作制御できるようにしても良い。
【0142】
また、リンク先情報としては、オブジェクト、画像ファイル、動画ファイルなどのコンテンツのURLや、ストレージ23もしくはストレージ25に保存されたコンテンツのアドレス情報を含む。
【0143】
このように、リンク先情報URLによりリンク先に画面が遷移した場合に、テレビ画面のWebコンテンツを無線端末側で操作できるようになる。
【0144】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0145】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0146】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0147】
また、上記実施例では、表示部8を備えたTV1、TV2等を用いて実施例の説明を行ったが、表示部を外部に備えたレコーダ等によっても同様にして本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0148】
1 テレビ受信機1
2 チューナ・復調部
3 信号分離部
4 入力手段
5 制御部
6 選局制御部
7 重畳部
8 表示部
9 通信I/F
10 無線ルーター
11 外部ネットワーク
12 無線端末
13 通信I/F
14 制御部
15 入力手段
17 表示部
18 基地局
19 テレビ受信機2
20 メモリ
21 信号分離部
22 チューナ・復調部
23 ストレージ
25 ストレージ
31 移動体通信I/F
32 メモリ
33 加速度センサ部
34 地磁気センサ部
35 GPS受信部
36 ジャイロセンサ部
39 音声復号部
40 映像復号部
41 スピーカー
42 音声出力部
43 映像出力部
44 デジタルI/F
999 放送局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、携帯端末と、から構成されるネットワーク端末システムであって、
前記携帯端末は、
ネットワークから、第一のコンテンツを送信するサーバを示す情報と、前記第一のコンテンツを識別する情報と、を含む識別子を取得する第一の接続手段と、
前記第一の接続手段が取得した前記識別子を前記表示端末に送信する送信手段と、を備え、
前記表示装置は、
前記識別子を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記識別子が示すサーバから前記第一のコンテンツを取得する第二の接続手段と、
前記第二の接続手段が取得したコンテンツを表示する第二の表示手段と、
を備えることを特徴とするネットワーク端末システム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク端末システムであって、
前記携帯端末は、前記第一の接続手段が取得した前記第一のコンテンツを表示する第一の表示手段を有し、
前記送信手段は、前記第一の表示手段が表示するコンテンツの前記識別子を前記表示装置に送信すること、
を特徴とするネットワーク端末システム。
【請求項3】
請求項2に記載のネットワーク端末システムであって、
前記無線端末は、前記第一のコンテンツの一部分であって、前記第一の表示手段に表示されている部分の位置情報を取得する位置取得手段を有し、
前記送信手段は、前記識別子を送信する場合に、前記位置情報を前記表示装置に送信すること、
を特徴とするネットワーク端末システム。
【請求項4】
請求項3に記載のネットワーク端末システムであって、
前記第二の表示手段は、前記識別子が示すリソースから取得されたコンテンツを表示する場合に、前記位置情報が示す表示領域を、前記第二の表示装置の表示領域に含めて表示すること
を特徴とするネットワーク端末システム。
【請求項5】
請求項1に記載のネットワーク端末システムであって、
前記携帯端末は、
前記第一の通信手段が取得した前記第一のコンテンツを表示する第一の表示手段と、
前記第一のコンテンツに含まれる第二のコンテンツの識別子の選択を受け付ける入力手段と、を備え、
前記送信手段は、前記入力手段が選択を受け付けた前記第二のコンテンツの識別子を前記表示装置に送信すること、
を特徴とするネットワーク端末システム。
【請求項6】
請求項5に記載のネットワーク端末システムであって、
前記第一の表示手段は、前記第一のコンテンツに含まれる前記第二のコンテンツの識別子をアンカーテキストもしくはアンカーオブジェクトとして表示することを特徴とするネットワーク端末システム。
【請求項7】
請求項1に記載のネットワーク端末システムであって、
前記第一の接続手段は、ネットワークからコンテンツを取得し、
前記携帯端末は、
前記第一の接続手段が取得したコンテンツを表示する第一の表示手段と、
前記第一の表示手段で表示したコンテンツの識別子を表示履歴として記憶する表示履歴記憶手段と、を備え、
前記送信手段は、前記表示履歴に記憶された前記識別子を前記表示装置に送信すること、
を特徴とするネットワーク端末システム。
【請求項8】
請求項1に記載のネットワーク端末システムであって、
前記無線端末は、
前記第二の表示手段に表示された前記第一のコンテンツの操作を受け付ける入力手段を備え、
前記送信手段は、前記入力手段が操作を受け付けた場合に前記操作に基づいて作成された操作情報を前記表示装置に送信し、
前記表示装置は前記受信手段が受信した操作情報に基づいて前記第一のコンテンツを操作する制御手段を備える、
ことを特徴とするネットワーク端末システム。
【請求項9】
請求項8に記載のネットワーク端末システムであって、
前記無線端末は、第一の表示手段と、選択手段と、を備え、
前記第一の接続手段は、ネットワークからコンテンツを取得し、
前記第一の表示手段は、前記第一の接続手段が取得したコンテンツを表示し、
前記選択手段は、前記第一の表示手段または前記第二の表示手段に表示されたコンテンツのいずれかを操作するための選択手段を備えること、を特徴とする請求項8記載のネットワーク端末システム。
【請求項10】
請求項1から9の何れかに記載のネットワーク端末システムであって、
前記識別子とはURLであることを特徴とするネットワーク端末システム。
【請求項11】
ネットワーク端末システムに用いられる携帯端末であって、
ネットワークから、第一のコンテンツを送信するサーバを示す情報と、前記第一のコンテンツを識別する情報と、を含む識別子を取得する第一の接続手段と、
前記第一の接続手段が取得した前記識別子を、受信した前記識別子が示すサーバから前記第一のコンテンツを取得して第二の表示手段に表示する表示端末に、送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図1(c)】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−77116(P2013−77116A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216014(P2011−216014)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】