説明

ネットワーク装置、ネットワークシステム、およびネットワーク装置の制御方法

【課題】接続先のクライアントコンピュータの切り換えを簡単に行う。
【解決手段】複数のPCを含むネットワークに接続され、USBデバイスがUSBポートに接続されるUSBデバイスサーバであって、前記USBデバイスとデバイス接続されている接続先が、前記複数のPCのうちのいずれであるかを示す接続先情報を記憶する接続先情報記憶部と、前記USBデバイスからの操作信号を受信し、前記接続先情報により接続先とされるPCに、前記受信した操作信号に応じた信号を送信する信号送信部と、操作者によるホットキーを受信したときに、前記接続先情報により接続先とされるPCに、前記接続を切断させる切断要求を発行し、前記複数のPCのうちの次の順位のPCに、デバイス接続させる接続要求を発行し、接続先が前記次の順位のPCに変更された内容に前記接続先情報を更新する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力デバイスと複数のクライアントコンピュータとの間を接続する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、TCP/IPのネットワークにおいて、USB(Universal Serial Bus)デバイスを複数のクライアントコンピュータから共有することのできるUSBデバイスサーバが知られている(特許文献1参照)。キーボード、マウス等の入力装置としてのUSBデバイス、すなわちUSB入力デバイスを、複数のクライアントコンピュータから共有する場合にも、USBデバイスサーバが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−317067号公報
【0004】
しかしながら、前記従来の技術では、USB入力デバイスと接続するクライアントコンピュータを切り換える場合に、操作者は、現在接続中のクライアントコンピュータでデバイスの取り外しの操作(ソフトウェアによる操作)を行い、その後、切換先のクライアントコンピュータでデバイスの接続の操作(ソフトウェアによる操作)を行う必要があり、切り換えの操作が煩雑であるという問題があった。このような問題は、入力デバイスとの間をUSBで接続する場合に限らず、USB以外のインタフェースにより接続されるデバイスサーバに共通した問題であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような問題を考慮し、本発明が解決しようとする課題は、接続先のクライアントコンピュータの切り換えを簡単に行うことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1] 複数のクライアントコンピュータを含むネットワークに接続されるネットワーク装置であり、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスが当該ネットワーク装置に設けられたインタフェースポートに接続されており、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続するネットワーク装置であって、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を記憶する接続先情報記憶部と、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに、前記受信した操作信号に応じた信号を送信する信号送信部と、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信する更新指令受信部と、
前記更新指令受信部により前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに、前記デバイス接続を切断させる切断要求を発行し、前記所定の更新指令に基づいて特定される前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータに、デバイス接続させる接続要求を発行し、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する制御部と
を備える、ネットワーク装置。
【0008】
適用例1に係るネットワーク装置では、操作者による所定の更新指令が更新指令受信部で受信されたときに、制御部により、接続先情報が表すクライアントコンピュータに、デバイス接続を切断させる切断要求が発行され、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに接続要求が発行され、前記接続先情報における入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータが、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新される。このために、操作者は所定の更新指令を発するだけで、現在の接続先であるクライアントコンピュータでデバイスの取り外しの操作が行なわれ、更新先のクライアントコンピュータでデバイスの接続の操作が行なわれる。したがって、適用例1に係るネットワーク装置は、接続先のクライアントコンピュータの更新を簡単に行うことができるという効果を奏する。
【0009】
[適用例2] 適用例1に記載のネットワーク装置であって、
前記入力デバイスとして、USBキーボードを少なくとも含む、ネットワーク装置。
【0010】
この構成によれば、USBキーボードを、複数のクライアントコンピュータから共有することができる。
【0011】
[適用例3] 適用例2に記載のネットワーク装置であって、
前記所定の更新指令は、前記USBキーボードから入力可能なホットキーである、ネットワーク装置。
【0012】
この構成によれば、操作者は、USBキーボードからホットキーを入力するだけで、接続先のクライアントコンピュータの更新を行うことができる。
【0013】
[適用例4] 適用例1ないし3のいずれかに記載のネットワーク装置であって、
前記制御部は、
前記接続要求として、前記接続先情報の更新による差分を少なくとも送る構成である、ネットワーク装置。
【0014】
この構成であれば、接続要求として、前記差分を送るだけで、更新先のクライアントコンピュータに対して接続先であることを認識させることができる。したがって、この構成によっても、接続先のクライアントコンピュータの更新を容易に行うことができる。
【0015】
[適用例5] 複数のクライアントコンピュータを含むネットワークに接続されるネットワーク装置であり、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスが当該ネットワーク装置に設けられたインタフェースポートに接続されており、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続するネットワーク装置であって、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに対して、前記入力デバイスをデバイス接続させるデバイス接続部と、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに1:1で対応した仮想的な複数の仮想デバイスと、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を記憶する接続先情報記憶部と、
前記複数の仮想デバイスの中から、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに対応する仮想デバイスを選択仮想デバイスとして選択する選択部と、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記操作信号に応じた信号を前記選択仮想デバイスを介して、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに送信する信号送信部と、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信する更新指令受信部と、
前記更新指令受信部により前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する制御部と
を備える、ネットワーク装置。
【0016】
適用例5に係るネットワーク装置では、操作者による所定の更新指令が更新指令受信部により受信されたときに、制御部により、接続先情報における入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータが、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新され、その接続先情報に基づいて仮想デバイスが切り換えられる。このために、操作者は クライアントコンピュータでデバイスの取り外しや接続の操作を行うことなく、入力デバイスの接続先を変更することができる。したがって、適用例5に係るネットワーク装置は、接続先のクライアントコンピュータの更新を簡単に行うことができるという効果を奏する。
【0017】
[適用例6] 複数のクライアントコンピュータを含むネットワークと、
前記ネットワークに接続されるとともに、デバイスを接続するためのインタフェースポートを備えるネットワーク装置と、
前記インタフェースポートに接続され、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスと
を備え、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを、前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続させるネットワークシステムであって、
前記ネットワーク装置は、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を記憶する接続先情報記憶部と、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに、前記受信した操作信号に応じた信号を送信する信号送信部と、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信する更新指令受信部と、
前記更新指令受信部により前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに、前記デバイス接続を切断させる切断要求を発行し、前記所定の更新指令に基づいて特定される前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータに、デバイス接続させる接続要求を発行し、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する制御部と
を備える、ネットワークシステム。
【0018】
[適用例7] 複数のクライアントコンピュータを含むネットワークと、
前記ネットワークに接続されるとともに、デバイスを接続するためのインタフェースポートを備えるネットワーク装置と、
前記インタフェースポートに接続され、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスと
を備え、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを、前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続させるネットワークシステムであって、
前記ネットワーク装置は、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに対して、前記入力デバイスをデバイス接続させるデバイス接続部と、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに1:1で対応した仮想的な複数の仮想デバイスと、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を記憶する接続先情報記憶部と、
前記複数の仮想デバイスの中から、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに対応する仮想デバイスを選択仮想デバイスとして選択する選択部と、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記操作信号に応じた信号を前記選択仮想デバイスを介して、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに送信する信号送信部と、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信する更新指令受信部と、
前記更新指令受信部により前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する制御部と
を備える、ネットワークシステム。
【0019】
[適用例8] 複数のクライアントコンピュータを含むネットワークに接続されるネットワーク装置であり、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスが前記ネットワーク装置に設けられたインタフェースポートに接続されており、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続するネットワーク装置
における制御方法であって、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を用意し、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに、前記受信した操作信号に応じた信号を送信し、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信し、
前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに、前記デバイス接続を切断させる切断要求を発行し、前記所定の更新指令に基づいて特定される前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータに、デバイス接続させる接続要求を発行し、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する、ネットワーク装置の制御方法。
【0020】
[適用例9] 複数のクライアントコンピュータを含むネットワークに接続されるネットワーク装置であり、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスが前記ネットワーク装置に設けられたインタフェースポートに接続されており、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続するネットワーク装置
における制御方法であって、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに対して、前記入力デバイスをデバイス接続させ、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに1:1で対応した仮想的な複数の仮想デバイスを用意し、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を用意し、
前記複数の仮想デバイスの中から、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに対応する仮想デバイスを選択仮想デバイスとして選択し、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記操作信号に応じた信号を前記選択仮想デバイスを介して、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに送信し、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信し、
前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する、ネットワーク装置の制御方法。
【0021】
適用例6に係るネットワークシステムおよび適用例8に係るネットワーク装置の制御方法は、適用例1に係るネットワーク装置と同様に、接続先のクライアントコンピュータの更新を簡単に行うことができる。適用例7に係るネットワークシステムおよび適用例9に係るネットワーク装置の制御方法は、適用例5に係るネットワーク装置と同様に、接続先のクライアントコンピュータの更新を簡単に行うことができる。
【0022】
本発明は、上述したネットワーク装置やネットワークシステム、およびネットワーク装置の制御方法としての構成のほか、前記ネットワーク装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとしても構成することができる。コンピュータプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体としては、例えば、磁気ディスクや光ディスク、メモリカード、ハードディスク等の種々の媒体を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施例としてのUSBデバイスサーバ60を備えるネットワークシステム1000の概略構成を示す説明図である。
【図2】USBデバイスサーバ60の内部構成を示す説明図である。
【図3】接続関係テーブルTBL1を示す説明図である。
【図4】第1のパーソナルコンピュータ10の内部構成を示す説明図である。
【図5】デバイスサーバ設定用アプリケーションプログラムにより表示されるダイアログボックスDBXの一例を示す説明図である。
【図6】USBデバイスサーバのCPUにより実行される接続先切換ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】切り換え後の接続関係テーブルTBL1を示す説明図である。
【図8】第2実施例のUSBデバイスサーバ360の内部構成を示す説明図である。
【図9】第3実施例のUSBデバイスサーバ460の内部構成を示す説明図である。
【図10】USBデバイスサーバのCPUにより実行される接続先切換ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
A.第1実施例:
A−1.ネットワークの全体構成:
図1は、本発明の第1実施例としてのUSBデバイスサーバを備えるネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。本実施例のネットワークシステム1000は、複数(図示では3台)のパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ)10、20、30と、これらPC10〜30を、LAN(Local Area Network)ケーブル40を介して接続する集線装置としてのハブ50とを備える。さらに、ハブ50には、LANケーブル42を介してUSBデバイスサーバ60が接続されている。ネットワークシステム1000では、イーサネット(登録商標)とTCP/IPを採用する通信ネットワーク100が構築される。各PC10〜30には、ディスプレイ12、22、32がそれぞれ接続され、さらに、図示しないキーボードやマウス等が必要に応じて接続される。前記USBデバイスサーバ60が、本発明の「ネットワーク装置」を構成する。
【0025】
USBデバイスサーバ60は、LANケーブル42が接続されるイーサネットポート(図示せず)の他に、複数(図示の例では2つ)のUSBポート61,62を有し、各USBポート61,62にUSBデバイスがそれぞれ接続される。ここでは、USBデバイスとして、USBキーボード70とUSBマウス80とが、USBケーブル64により接続される。なお、USBポートの数は、2より大きい他の数とすることもできる。かかる構成により、USBキーボード70とUSBマウス80とを、複数のPC10〜30から共有することができる。PC10〜30にUSBデバイスを直接接続する場合、USBケーブルの長さの制限の規制を受けるが、このネットワークシステム1000によれば、LANを介していることから、距離的に遠い位置からPC10〜30に対してUSBキーボード70とUSBマウス80とを接続することができる。
【0026】
A−2.PC10とUSBデバイスサーバ60の構成:
複数のPC10〜30のうちの第1のPC10が、USBキーボード70とUSBマウス80に対してデバイス接続された状態にあるとして、第1のPC10とUSBデバイスサーバ60の構成を、次に説明する。ここで、「デバイス接続」とは、PCのシステムから認識可能に接続されることをいう。
【0027】
・USBデバイスサーバ60
図2はUSBデバイスサーバ60の内部構成を示す説明図である。USBデバイスサーバ60は、プログラムを実行することにより種々の処理や制御を行うCPU(図示せず)110と、プログラムやデータ・情報を格納するメモリ150と、外部に接続される周辺機器との間でデータや情報のやりとりを行う入出力インタフェース部とを備えている。入出力インタフェース部としては、前述したUSBポート1(61)、USBポート2(62)およびUSBホストコントローラ164と、イーサネットポート172およびイーサネットコントローラ174とを備える。
【0028】
USBデバイスサーバ60には、種々のファームウェアやデバイスドライバが組み込まれている。これらファームウェアやデバイスドライバは、CPU110により実行される。ファームウェアやデバイスドライバで実行される各種処理を、図2では、CPU110の内部で実現される機能のブロックによって示した。
【0029】
図示するように、CPU110は、USBホストコントローラドライバ112、キーボードドライバ114、ホットキー入力判定モジュール116、仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118、カプセル化モジュール120、マウスドライバ122、仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール124、TCP/IPプロトコルスタック130、イーサネットコントローラドライバ132、および接続管理モジュール140を機能的に実現する。
【0030】
操作者によるキー入力がUSBキーボード70からあると、USBホストコントローラ164は、そのキー入力を受信し、前記キー入力を示すUSB信号相当のデータD1を、USBホストコントローラドライバ112を介して、キーボードドライバ114に送る。キーボードドライバ114は、前記USB信号相当のデータD1をキー入力のデータD2に変換し、仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118に送る。
【0031】
なお、キーボードドライバ114と仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118との間には、ホットキー入力判定モジュール116が設けられており、キーボードドライバ114から送られてくるキー入力のデータD2が、後述する所定のホットキーの入力であるか否かの判定がなされる。ホットキー入力判定モジュール116で、前記ホットキー以外のキー入力データであると判定された場合に、そのホットキー以外のキー入力データD2′は仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118に送られる。
【0032】
仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118は、USBデバイスサーバ60とデバイス接続された関係にあるPC(ここでは第1のPC10)の仮想的なキーボードとしての働きをするモジュールである。仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118は、ホットキー以外のキー入力データD2′に基づくキー入力データを生成し、その生成したキー入力データを、USB信号相当のデータD3としてカプセル化モジュール120に送る。カプセル化モジュール120は、USB信号相当のデータD3をIPパケットにカプセル化(USB over IP)し、そのカプセル化済のデータD4をTCP/IPプロトコルスタック130に送る。
【0033】
カプセル化モジュール120におけるカプセル化の際に、転送先を示すIPアドレスの設定が必要となるが、この転送先は、接続管理モジュール140から通知を受ける。USBデバイスサーバ60のメモリ150に接続関係テーブルTBL1が予め用意されており、接続管理モジュール140は、接続関係テーブルTBL1から、USBキーボード70とデバイス接続された関係にあるPCを検索し、その検索結果をカプセル化モジュール120に通知する。
【0034】
図3は、接続関係テーブルTBL1を示す説明図である。接続関係テーブルTBL1は、「USBデバイス」と「PC」と「状態」の3つの項目を備える表形式のデータであり、USBキーボード70に対する各PC10、20、30の接続状態が示され、USBマウス80に対する各PC10、20、30の接続状態が示されている。「状態」項目は、デバイス接続の状態にある場合には「接続」、デバイス接続の状態にない場合には「切断」と示される。接続管理モジュール140は、この構成の接続関係テーブルTBL1を検索することで、USBキーボード70とデバイス接続された関係にあるPCを求める。なお、この接続関係テーブルTBL1は特許請求の範囲で言う「接続先情報」に相当し、メモリ150は特許請求の範囲で言う「接続先情報記憶部」に相当する。
【0035】
図2に戻り、TCP/IPプロトコルスタック130は、カプセル化済のデータD4をTCP/IPパケットD5に変換し、イーサネットコントローラドライバ132に送る。イーサネットコントローラドライバ132は、TCP/IPパケットD5をイーサネットパケットD6に変換し、イーサネットコントローラ174に送る。
【0036】
イーサネットコントローラ174は、イーサネットパケットD6を、イーサネット信号S1とし、通信ネットワーク100に送信する。この結果、デバイス接続中の第1のPC10に対し、USBキーボード70からのキー入力(操作信号)を示すイーサネット信号S1が送信される。上記の接続管理モジュール140を除くUSBホストコントローラ164からキーボードドライバD2を経由したイーサネットコントローラ174までの各機能の構成が、特許請求の範囲で言う「信号送信部」に相当する。
【0037】
一方、USBマウス80からの入力は、USBポート2(62)、USBホストコントローラ164、USBホストコントローラドライバ112、マウスドライバ122、仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール124、カプセル化モジュール120、TCP/IPプロトコルスタック130、イーサネットコントローラドライバ132、イーサネットコントローラ174、イーサネットポート172を経由して、通信ネットワーク100に送信される。この結果、デバイス接続中の第1のPC10に対し、USBマウス80からの入力を示すイーサネット信号が送信される。
【0038】
・第1のPC10
図4は第1のPC10の内部構成を示す説明図である。第1のPC10は、プログラムを実行することにより種々の処理や制御を行うCPU(図示せず)210と、プログラムやデータ・情報を格納するメモリ250と、外部に接続される周辺機器との間でデータや情報のやりとりを行う入出力インタフェース部とを備える。入出力インタフェース部としては、図示するように、イーサネットポート260およびイーサネットコントローラ262を備える。
【0039】
第1のPC10には、アプリケーションプログラムやデバイスドライバ等がインストールされている。これらアプリケーションプログラムやデバイスドライバは、所定のオペレーティングシステム(図示せず)の下でCPU210により実行される。これらアプリケーションプログラムやデバイスドライバ、およびCPU210で実行される各種処理を、図4では、CPU210の内部で実現される機能のブロックによって示した。
【0040】
図示するように、CPU210は、イーサネットコントローラドライバ212、TCP/IPプロトコルスタック214、データ抽出モジュール216、仮想USBホストコントローラドライバ218、USBキーボードドライバ220、およびUSBマウスドライバ222を備える。
【0041】
USBデバイスサーバ60から通信ネットワーク100を介して第1のPC10に送られたイーサネット信号S1は、イーサネットポート260を介してイーサネットコントローラ262に入力する。イーサネットコントローラ262は、イーサネット信号S1をイーサネットパケットD7に変換し、CPU210により機能的に実現されるイーサネットコントローラドライバ212に送る。
【0042】
イーサネットコントローラドライバ212は、イーサネットパケットD7をTCP/IPパケットD8に変換し、TCP/IPプロトコルスタック214に送る。TCP/IPプロトコルスタック214は、TCP/IPパケットD8をカプセル化済のデータD9に復元し、データ抽出モジュール216に送る。データ抽出モジュール216は、カプセル化済のデータD9からUSB信号相当のデータD10を取り出して、仮想USBホストコントローラドライバ218に送る。仮想USBホストコントローラドライバ218は、OS(オペレーティングシステム)標準のUSBキーボードドライバ220に送る。
【0043】
以上の構成で、USBキーボード70からキー入力されたデータのうちの所定のホットキーを除いた一般データが、USBデバイスサーバ60から第1のPC10に対して送信される。これにより、操作者は、USBキーボード70を操作することで、通信ネットワーク100により遠くに離れた第1のPC10を動作させることができる。
【0044】
なお、USBマウス80からの入力を示すイーサネット信号S1は、イーサネットポート260、イーサネットコントローラ262、イーサネットコントローラドライバ212、TCP/IPプロトコルスタック214、データ抽出モジュール216を経由した後、仮想USBホストコントローラドライバ218で分別され、OS標準のUSBマウスドライバ222に送られる。この結果、USBキーボード70と同様に、操作者は、USBマウス80を操作することで、通信ネットワーク100により遠くに離れた第1のPC10を動作させることができる。
【0045】
A−3.接続先の切り換え:
USBキーボード70およびUSBマウス80のデバイス接続先は、図2の例示では第1のPC10であったが、他のPC20、30へ切り換えることができる。本実施例では、2通りの方法で接続先の切り換えが可能となっている。
【0046】
・第1の接続先切換方法:
第1の方法は、デバイス接続先である第1のPC10で下記に示すデバイスの取り外しの操作を行い、その後、切換先のPCでデバイス接続の操作を行うというものである。USBデバイスサーバ60を利用したい各PC10〜30では、デバイスサーバ設定用アプリケーションプログラム230を予めインストールしておく必要がある。操作者は、デバイスサーバ設定用アプリケーションプログラム230を用いることで、前記デバイスの取り外しの操作を行う。
【0047】
図5は、デバイスサーバ設定用アプリケーションプログラム230により表示されるダイアログボックスDBXの一例を示す説明図である。図示するように、ダイアログボックスDBXは、一覧表DLSTと、「接続する」の操作ボタンBT1と、「切断する」の操作ボタンBT2とを含む。一覧表DLSTは、USBデバイスサーバ60に接続される各USBデバイスが1行毎に示される。各行は、「名称」と「種類」と「状態」の項目により示される。「名前」項目はUSBデバイスの名称を、「種類」項目はUSBデバイスの種類を示す。「状態」項目は、USBデバイスが、一覧表DLSTを表示するPCとの間でデバイス接続の状態にあるか否かを示す。デバイス接続の状態にある場合には「接続」、デバイス接続の状態にない場合には「非接続」と示される。
【0048】
デバイスサーバ設定用アプリケーションプログラム230のインストールされた各PCのメモリ250には、USBデバイスサーバ60のメモリ150に記憶された接続関係テーブルTBL1と同一内容の接続関係テーブルTBL2が記憶される。デバイスサーバ設定用アプリケーションプログラム230は、この接続関係テーブルTBL2を用いて、前記一覧表DLSTの表示を行う。
【0049】
第1のPC10の操作者は、ディスプレイ12に表示された一覧表DLSTを見て、一覧表DLSTの中から所望のUSBデバイスが示される行を選択し、その後、「切断する」の操作ボタンBT2をマウスによりクリックすることで、前記選択された行に対応するUSBデバイスを、デバイス接続の状態から切断状態へ切り換えることが可能となる。これが、デバイスの取り外しの操作である。この操作を受けたデバイスサーバ設定用アプリケーションプログラム230は、デバイス取り外し指示をOSへ発行する。なお、デバイスサーバ設定用アプリケーションプログラム230は、OSへの発行と共に、USBデバイスサーバ60に対して切断コマンドを送信する。
【0050】
切断コマンドを受信したUSBデバイスサーバ60は、接続管理モジュール140を動作させて、メモリ150に記憶された接続関係テーブルTBL1における該当するUSBデバイスの「状態」項目を「切断」に書き換える。接続管理モジュール140は、接続関係テーブルTBL1を更新する毎に、更新前と更新後の差分をネットワーク接続されている全てのPC10〜30に対して送信する構成となっており、このため、この差分を受けた各PC側では、接続管理モジュール232により、メモリ250に記憶された接続関係テーブルTBL2を前記差分に基づいて更新する処理が行なわれる。この結果、PC側の接続関係テーブルTBL2を、USBデバイスサーバ60に記憶された接続関係テーブルTBL2と同期させることができる。なお、本実施例では、前述したように差分を送信する構成としたが、これに換えて、接続関係テーブルTBL1の全体を送信する構成としてもよい。また、接続関係テーブルTBL1を更新する毎に差分を送信する構成としたが、これに換えて、数秒〜十数秒程度の所定の間隔で繰り返し差分を送信する構成としてもよい。
【0051】
その後、操作者は、切換先のPC(ここでは、第2のPCとする)20を用いて接続操作を行う。詳しくは、第2のPC20で、デバイスサーバ設定用アプリケーションプログラム230を起動して一覧表DLSTの表示を行い、その一覧表DLSTから、USBキーボード70およびUSBマウス80を選択し「接続する」の操作ボタンBT1をクリックする操作を行う。この操作を受けた第2のPC20におけるデバイスサーバ設定用アプリケーションプログラム230は、USBデバイスサーバ60に対して接続コマンドを送信する。
【0052】
接続コマンドを受信したUSBデバイスサーバ60は、接続管理モジュール140を動作させて、メモリ150に記憶された接続関係テーブルTBL1の該当するUSBデバイスの「状態」項目を「接続」に書き換える。その後、前述したように、接続関係テーブルTBL1が更新される毎に差分がネットワーク接続されている全てのPC10〜30に送信され、各PCにおける接続関係テーブルTBL2は最新の状態に更新される。以上の構成により、USBキーボード70およびUSBマウス80のデバイス接続先は、第1のPC10から第2のPC20へ切り換わる。
【0053】
・第2の接続先切換方法:
第2の方法は、USBデバイスサーバ60に接続されたUSBキーボード70から所定のホットキーを入力するというものである。所定のホットキーは、例えば、[Print Screen]キーを押し、[Print Screen]キーを押し、[↓]キーを押すと言ったものである。USBキーボード70から前記所定のホットキーが入力されると、ホットキー入力判定モジュール116で、キー入力データが前記所定のホットキーであるか否かの判定がなされる。ホットキー入力判定モジュール116は、所定のホットキーであると判定した場合に、ホットキーの入力があった旨の通知Fを接続管理モジュール140へ送信する。
【0054】
図6は、USBデバイスサーバ60のCPU110により実行される接続先切換ルーチンを示すフローチャートである。接続先切換ルーチンは、接続管理モジュール140の一部を構成するもので、CPU110により所定時間毎に繰り返し実行される。図6に示すように、処理が開始されると、CPU110は、前述した所定のホットキーの入力があった旨の通知Fがあるか否かを判定する(ステップS110)。ここで、所定のホットキーの入力の通知Fがあると判定されると、CPU110は、接続関係テーブルTBL1を参照して、現在USBキーボード70およびUSBマウス80とデバイス接続の状態にあるPCを特定し、そのPCへ取り外しコマンドを送信する(ステップS120)。この取り外しコマンドが特許請求の範囲で言う「切断要求」に相当する。
【0055】
取り外しコマンドの送信を受けたPC、例えば第1のPC10は、接続管理モジュール232を機能的に動作させて、USBキーボード70およびUSBマウス80を取り外すデバイス取り外し指示を、当該PCのOSへ発行する。
【0056】
ステップS120の実行後、USBデバイスサーバ60のCPU110は、接続関係テーブルTBL1におけるデバイス接続の接続先を、現在接続されているPCから切換先のPCへ変更する処理を行う(ステップS130)。本実施例では、切換先のPCは、現在接続されているPCに対して順位(予め定めた順位であり、例えば接続順)が次のPC、すなわち、現在接続されているPCが第1のPC10である場合、第2のPC20とした。順位が最終のPC(第3のPC30)が現在接続されているPCである場合には、順位が最初のPC(第1のPC10)が接続先のPCとなる。ステップS130の実行前の接続関係テーブルTBL1が図3に示す状態である場合、ステップS130を実行することで、接続関係テーブルTBL1は図7に示す状態に切り換わる。すなわち、図7に示すように、「状態」項目の第1行目および第4行目の各内容が「切断」へ変更され、「状態」項目の第2行目および第5行目の各内容が「接続」へ変更される。
【0057】
ステップS130の実行後、「リターン」に抜けて、接続先切換ルーチンを一旦終了する。一方、ステップS110で、所定のホットキーの入力の通知Fがないと判定されると、CPU110は、「リターン」に抜けて、接続先切換ルーチンを一旦終了する。
【0058】
図2に示した接続管理モジュール140では、前述したように、接続関係テーブルTBL1を更新する毎に、更新前と更新後の差分をネットワーク接続されている全てのPC10〜30に対して送信し、各PC10〜30側の接続関係テーブルTBL2を、USBデバイスサーバ60側の接続関係テーブルTBL1と同期させる構成となっていることから、接続先切換ルーチンで接続関係テーブルTBL1の更新がなされた場合にも、各PC10〜30側の接続関係テーブルTBL2も同期が図られる。本実施例では、このように接続関係テーブルTBL1を更新し、更新による差分を各PC10〜30へ送ることが、特許請求の範囲で言う「接続要求」に相当する。以上の構成により、USBキーボード70およびUSBマウス80のデバイス接続先は、第1のPC10から第2のPC20へ切り換わる。
【0059】
前記構成の接続先切換ルーチンと、この接続先切換ルーチンを実行するCPU110が、特許請求の範囲で言う「制御部」に相当する。
【0060】
A−4.実施例効果:
以上で説明した第1実施例のUSBデバイスサーバ60を含むネットワークシステム1000では、USBデバイスサーバ60に接続されたUSBキーボード70から所定のホットキーが操作者により入力されたときに、USBデバイスサーバ60により、現在の接続先の第1のPC10に取り外しコマンドが送信され、接続先が変更された内容に接続関係テーブルTBL1が更新される。このために、操作者は所定の指令(ホットキー)を発するだけで、接続先である第1のPC10でデバイスの取り外しの操作が行なわれ、切換先のクライアントコンピュータでデバイスの接続の操作が行なわれる。したがって、USBデバイスサーバ60は、接続先のPCの切り換えを簡単に行うことができるという効果を奏する。特に本実施例では、USBデバイスサーバ60の手許にあるUSBキーボード70から、ホットキーという容易な操作で接続先の切り換えを実現できる。
【0061】
B.第2実施例:
本発明の第2実施例について、次に説明する。第1実施例では、USBキーボード70から所定のホットキーの入力があったことを、USBデバイスサーバ60に設けられたホットキー入力判定モジュール116により判定する構成としたが、これに換えて、第2実施例では、前記所定のホットキーの入力があったことを現在の接続先のPCで判定する構成とした。以下、第2実施例の構成を詳しく説明する。
【0062】
接続先のPCは、第1実施例と同じ構成を備え、さらに、所定のホットキーの入力判定用の常駐ソフトウェアがインストールされている。この常駐ソフトウェアによれば、USBキーボード70からUSBデバイスサーバ60を経由して送られてきたキー入力のデータの中にホットキーが含まれるか否かを判定し、含まれると判定されたときに、前記所定のホットキーの入力があった旨の通知パケットをTCP/IPプロトコルスタックを介してUSBデバイスサーバに送る処理を実行する。
【0063】
図8は、第2実施例のUSBデバイスサーバ360の内部構成を示す説明図である。USBデバイスサーバ360は、第1実施例のUSBデバイスサーバ60と比較して、i)キーボードドライバ114と仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118との間に設けられているホットキー入力判定モジュール116(図2参照)が省かれていること、ii)TCP/IPプロトコルスタック130の出力先にホットキー入力通知判定モジュール316が設けられていることが相違し、その他の構成は同一である。ホットキー入力通知判定モジュール316は、前述したホットキーの入力がある旨の通知パケットをTCP/IPプロトコルスタック130から受けた場合に、そのホットキーの入力があった旨の通知を接続管理モジュール140に送る。
【0064】
接続管理モジュール140は、第1実施例と同一のもので、先に説明した接続先切換ルーチン(図6)を実行する。なお、図8中、第1実施例と同一の構成部分には、第1実施例と同一の符号を付した。
【0065】
以上で説明した第2実施例のUSBデバイスサーバ360を含むネットワークシステムでは、USBキーボード70から所定のホットキーが操作者により入力されたときに、USBデバイスサーバ360により、接続先のPCに取り外しコマンドが送信され、接続先が変更された内容に接続関係テーブルTBL1が更新される。このために、第1実施例と同様に、接続先のPCの切り換えを簡単に行うことができるという効果を奏する。
【0066】
C.第3実施例:
本発明の第3実施例について、次に説明する。第1実施例では、仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118と仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール124とが、ネットワーク接続されている第1ないし第3のPC10、20、30の中から択一的に選択されたPCに対してデバイス接続される構成としていたが、これに換えて、第3実施例では、ネットワーク接続されている全てのPC10、20、30に対してデバイス接続される構成とした。
【0067】
さらに、第1実施例では、仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118および仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール124のそれぞれを、1つずつ設ける構成としたが、第3実施例では、仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュールおよび仮想マウスデバイスソフトウェアモジュールのそれぞれを、通信可能な複数のPCの台数分の数だけ設ける構成とした。すなわち、図9に示すように、USBデバイスサーバ460は、3つの仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118a、118b、118cと、3つの仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール124a、124b、124cとを備える。そして、第1ないし第3の仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118a、118b、118cは、第1ないし第3のPC10、20、30と1:1で対応している。第1ないし第3の仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール124a、124b、124cは、第1ないし第3のPC10、20、30と1:1で対応している。
【0068】
上記の構成により、第1の仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118aおよび第1の仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール124aは第1のPC10に認識され、第2の仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118bおよび第2の仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール124bは第2のPC20に認識され、第3の仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118cおよび第3の仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール124cは第3のPC30に認識されることになる。
【0069】
各仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118a〜118c、および各仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール124a〜124cには、接続管理モジュール440から選択指令信号が送られている。なお、接続管理モジュール440は、第1実施例と比べて、実行する処理内容が一部相違することから、第1実施例とは違った「440」という符号を付した。図9中、第1実施例と同一の構成部分には、第1実施例と同一の符号を付した。
【0070】
接続管理モジュール440は、接続関係テーブルTBL1の内容を参照し、「状態」の項目が「接続」となっているPCを検索し、そのPCに対応する仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118a、118b、118cに対して選択指令信号を送信する。同様に、接続管理モジュール440は、接続関係テーブルTBL1の内容を参照し、「状態」の項目が「接続」となっているPCを検索し、そのPCに対応する仮想マウスデバイスソフトウェアモジュールに対して選択指令信号を送信する。
【0071】
選択指令信号を受信した仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール(例えば118a)は、第1実施例における仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118と同一の処理を実行することで、USB信号相当のデータD3をカプセル化モジュール120に送信する。選択指令信号を受信していないモジュール(例えば118b、118c)は、処理を行うことなくUSB信号相当のデータD3を出力しない。仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール側についても同様である。
【0072】
図10は、USBデバイスサーバ460のCPU110により実行される接続先切換ルーチンを示すフローチャートである。接続先切換ルーチンは、接続管理モジュール440の一部を構成するもので、CPU110により所定時間毎に繰り返し実行される。図中のステップS310およびS330の処理は、第1実施例における接続先切換ルーチン(図6)におけるステップS110およびS130と同一である。第1実施例では、デバイス接続の状態にあるPCへ取り外しコマンドを送信する必要があったが、これに対して、本実施例では、前述したようにネットワーク接続されている全てのPCに対してデバイス接続する構成であることから、PCへの取り外しコマンドの送信は不要である。
【0073】
以上のように構成した第3実施例のUSBデバイスサーバ460では、接続関係テーブルTBL1で接続先のPCを定め、ホットキーが入力されたときには、接続関係テーブルTBL1で接続先と定められたPCに対応する仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール118a〜118cおよび各仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール124a〜124cをそれぞれ択一的に選択してデータの出力を行う。このために、操作者は PCでデバイスの取り外しや接続の操作を行うことなく、USBキーボード70およびUSBマウス80の接続先を変更することができる。このために、第1実施例と同様に、接続先のPCの切り換えを簡単に行うことができるという効果を奏する。
【0074】
D.変形例:
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができる。例えば、ソフトウェアによって実現した機能は、ハードウェアによって実現するものとしてもよい。また、そのほか、以下のような変形が可能である。
【0075】
・変形例1:
前記第1ないし第3実施例および各変形例では、USBキーボード70とUSBマウス80とを組として、この組の接続先を切り換える構成としたが、これに換えて、USBキーボード70の接続先だけを切り換える構成とすることもできる。また、USBマウス80の接続先だけを切り換える構成としてもよい。
【0076】
・変形例2:
前記第1ないし第3実施例および各変形例では、切り換えのための所定の更新指令をホットキーとしたが、これに換えて、キーボードに設けた切り換え用のスイッチとしてもよい。さらに、必ずしもキーボードに設ける必要はなく、USBマウス等の他のUSBデバイスに切り換え用のスイッチを設ける構成としてもよい。さらに、USBデバイスサーバに切り換え用のスイッチを設ける構成としてもよい。
【0077】
・変形例3:
前記第1ないし第3実施例および各変形例では、ホットキーを押したときに、現在接続されているPCに対して順位が次のPCに接続先を切り替える構成としたが、これに換えて、現在接続されているPCに対して順位が1つ前のPCに接続先を切り替える構成としてもよい。要はいずれのPCであってもよく、予め決められた規則によって特定されるものであればよい。また、ホットキーを、[Print Screen]、[Print Screen]、[↓]の各キーを順に押すものと、[Print Screen]、[Print Screen]、[↑]の各キーを順に押すものの2種類として、前者が操作された場合に次のPCに、後者が操作された場合に1つ前のPCに切り替える構成としてもよい。さらには、特定のホットキーが操作されたときには、現在接続されているコンピュータに対して再接続を行う構成としてもよい。すなわち、ホットキーからの更新指令に基づいて特定される動作すべきコンピュータを、現在接続中のコンピュータと同じコンピュータとして、同一のコンピュータへの再接続を行う構成としてもよい。
【0078】
・変形例4:
前記第1ないし第3実施例および各変形例では、USBデバイスサーバにUSB接続されるUSBデバイスの1つとして、USBマウスを備える構成としたが、このUSBマウスは、トラックパッド、トラックボール等の他のUSBポインティングデバイスに換えることができる。また、USBキーボードは、タッチパネル等の他のUSB入力デバイスに換えることができる。
【0079】
・変形例5:
前記第1ないし第3実施例および各変形例では、本発明のネットワーク装置をUSBデバイスサーバに適用しているが、これに換えて、USB以外のインタフェースポートを備えるデバイスサーバに適用する構成としてもよい。USB以外のインタフェースポートとして、例えば、IEEE1394(アイトリプルイーイチサンキューヨン)、SATA、PCI、PCI Express、Light peak等が該当する。さらに、デバイスサーバに限る必要もなく、複数のクライアントコンピュータを含むネットワークに接続するためのネットワークインタフェースと、入力デバイスを接続するためのインタフェースポートとを備えるネットワーク装置であれば、有線/無線ルータや、NAS、IP−STB等の他のネットワーク装置に本発明の構成を適用することもできる。
【0080】
・変形例6:
前記第1ないし第3実施例および各変形例では、前記実施例では、LANは、有線によって構築されたものであるが、これに換えて無線LANにて構成されたネットワークとすることもできる。無線LANの場合、図4において212は無線LANドライバ、262は無線LANコントローラ相当、60は無線LANフロントエンド部に換え、ハブ50は無線LANアクセスポイントに換えることで実現することができる。また、LANは、イーサネットとTCP/IPを採用する構成としたが、これに換えて他の規格を採用したネットワークとすることもできる。
【符号の説明】
【0081】
10、20、30…パーソナルコンピュータ(PC)
12、22、32…ディスプレイ
40、42…ケーブル
50…ハブ
60…USBデバイスサーバ
70…USBキーボード
80…USBマウス
100…通信ネットワーク
110…CPU
114…キーボードドライバ
116…ホットキー入力判定モジュール
118…仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール
118a、118b、118c…仮想キーボードデバイスソフトウェアモジュール
120…カプセル化モジュール
122…マウスドライバ
124…仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール
124a、124b、124c…仮想マウスデバイスソフトウェアモジュール
132…イーサネットコントローラドライバ
140…接続管理モジュール
150…メモリ
172…イーサネットポート
174…イーサネットコントローラ
210…CPU
212…イーサネットコントローラドライバ
216…データ抽出モジュール
230…デバイスサーバ設定用アプリケーションプログラム
232…接続管理モジュール
250…メモリ
260…イーサネットポート
262…イーサネットコントローラ
316…ホットキー入力通知判定モジュール
440…接続管理モジュール
1000…ネットワークシステム
TBL1…接続関係テーブル
DLST…一覧表
TBL2…接続関係テーブル
DBX…ダイアログボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアントコンピュータを含むネットワークに接続されるネットワーク装置であり、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスが当該ネットワーク装置に設けられたインタフェースポートに接続されており、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続するネットワーク装置であって、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を記憶する接続先情報記憶部と、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに、前記受信した操作信号に応じた信号を送信する信号送信部と、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信する更新指令受信部と、
前記更新指令受信部により前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに、前記デバイス接続を切断させる切断要求を発行し、前記所定の更新指令に基づいて特定される前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータに、デバイス接続させる接続要求を発行し、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する制御部と
を備える、ネットワーク装置。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク装置であって、
前記入力デバイスとして、USBキーボードを少なくとも含む、ネットワーク装置。
【請求項3】
請求項2に記載のネットワーク装置であって、
前記所定の更新指令は、前記USBキーボードから入力可能なホットキーである、ネットワーク装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のネットワーク装置であって、
前記制御部は、
前記接続要求として、前記接続先情報の更新による差分を少なくとも送る構成である、ネットワーク装置。
【請求項5】
複数のクライアントコンピュータを含むネットワークに接続されるネットワーク装置であり、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスが当該ネットワーク装置に設けられたインタフェースポートに接続されており、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続するネットワーク装置であって、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに対して、前記入力デバイスをデバイス接続させるデバイス接続部と、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに1:1で対応した仮想的な複数の仮想デバイスと、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を記憶する接続先情報記憶部と、
前記複数の仮想デバイスの中から、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに対応する仮想デバイスを選択仮想デバイスとして選択する選択部と、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記操作信号に応じた信号を前記選択仮想デバイスを介して、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに送信する信号送信部と、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信する更新指令受信部と、
前記更新指令受信部により前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する制御部と
を備える、ネットワーク装置。
【請求項6】
複数のクライアントコンピュータを含むネットワークと、
前記ネットワークに接続されるとともに、デバイスを接続するためのインタフェースポートを備えるネットワーク装置と、
前記インタフェースポートに接続され、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスと
を備え、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを、前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続させるネットワークシステムであって、
前記ネットワーク装置は、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を記憶する接続先情報記憶部と、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに、前記受信した操作信号に応じた信号を送信する信号送信部と、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信する更新指令受信部と、
前記更新指令受信部により前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに、前記デバイス接続を切断させる切断要求を発行し、前記所定の更新指令に基づいて特定される前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータに、デバイス接続させる接続要求を発行し、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する制御部と
を備える、ネットワークシステム。
【請求項7】
複数のクライアントコンピュータを含むネットワークと、
前記ネットワークに接続されるとともに、デバイスを接続するためのインタフェースポートを備えるネットワーク装置と、
前記インタフェースポートに接続され、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスと
を備え、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを、前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続させるネットワークシステムであって、
前記ネットワーク装置は、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに対して、前記入力デバイスをデバイス接続させるデバイス接続部と、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに1:1で対応した仮想的な複数の仮想デバイスと、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を記憶する接続先情報記憶部と、
前記複数の仮想デバイスの中から、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに対応する仮想デバイスを選択仮想デバイスとして選択する選択部と、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記操作信号に応じた信号を前記選択仮想デバイスを介して、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに送信する信号送信部と、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信する更新指令受信部と、
前記更新指令受信部により前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する制御部と
を備える、ネットワークシステム。
【請求項8】
複数のクライアントコンピュータを含むネットワークに接続されるネットワーク装置であり、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスが前記ネットワーク装置に設けられたインタフェースポートに接続されており、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続するネットワーク装置
における制御方法であって、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を用意し、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに、前記受信した操作信号に応じた信号を送信し、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信し、
前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに、前記デバイス接続を切断させる切断要求を発行し、前記所定の更新指令に基づいて特定される前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータに、デバイス接続させる接続要求を発行し、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する、ネットワーク装置の制御方法。
【請求項9】
複数のクライアントコンピュータを含むネットワークに接続されるネットワーク装置であり、操作者により操作され前記クライアントコンピュータを操作するための操作信号を出力する入力デバイスが前記ネットワーク装置に設けられたインタフェースポートに接続されており、前記複数のクライアントコンピュータのうち一部のクライアントコンピュータのみを前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続するネットワーク装置
における制御方法であって、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに対して、前記入力デバイスをデバイス接続させ、
前記複数のクライアントコンピュータのそれぞれに1:1で対応した仮想的な複数の仮想デバイスを用意し、
前記複数のクライアントコンピュータのうち、前記入力デバイスが出力した操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータとして前記入力デバイスとデバイス接続されるクライアントコンピュータを示す接続先情報を用意し、
前記複数の仮想デバイスの中から、前記接続先情報が示すクライアントコンピュータに対応する仮想デバイスを選択仮想デバイスとして選択し、
前記入力デバイスからの操作信号を受信し、前記操作信号に応じた信号を前記選択仮想デバイスを介して、前記接続先情報が表すクライアントコンピュータに送信し、
前記操作信号に応じて動作すべきクライアントコンピュータを更新するための操作者による所定の更新指令を受信し、
前記所定の更新指令を受信したときに、前記接続先情報における前記入力デバイスとデバイス接続するクライアントコンピュータを、前記所定の更新指令に基づいて特定されるクライアントコンピュータに更新する、ネットワーク装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−113565(P2012−113565A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262840(P2010−262840)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】