説明

ノズル配列構造

回路基板が水平方向に貫通する電気めっきプラントにおける噴出ノズルとして特に使用されるノズル配列構造が開示されている。該ノズル配列構造は例えば回路基板のようなワークピースを処理するために使用される流体を供給するための少なくとも一つのポートと、好ましくは処理流体を分配するための細長い穴状の液体放出ポート(8)とを備えた長手ハウジング(2)からなる。流体ダクト(5)は該流体供給ポートから該流体放出ポート(8)まで処理流体を供給するために該ハウジング(2)の内側に具現化されている。流体放出ポート(8)において処理流体ができるだけ一定の流速を保持するために、(a)処理流体用の液体ダクト(5)の通路の断面は流体供給ポートから該ハウジングの長手方向において徐々に減少している、及び/又は(b)貯蔵空間部が流体が流体放出ポート(8)から放出される地点の上流側に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピースを処理流体で処理する際に適用されるか、又は処理流体を用いた対応する処理浴のフラッディング(Fluten)において適用されるノズルの配置構造に関する。より詳細には、本発明は、例えば、プリント基板の湿式化学処理のための連続系において適用され得るフローノズルの配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上述のようなノズル配列構造は、広く知られている。したがって、例えばそのようなノズル配列構造はプリント基板を最も迅速に、かつ最も均質に通過する処理を達成する目的にて、該プリント基板の湿式化学処理のための連続系において使用される。周知の様式においてこの目的のために、そのような種々のノズル配列構造は、プリント基板が通過する水平面の上方及び/又は下方であり、かつプリント基板の流れの方向に対して斜めに配置され、該プリント基板の表面に沿って処理流体の一定かつ均一な交換を達成するために、対応する処理流体が該ノズルからプリント基板の表面に噴霧されるか、又は該プリント基板から吸引される。
【0003】
欧州特許出願公開第1187515A2号明細書において、種々の異なるノズル配列構造がこれに関連して提唱されている。ここでは、種々のノズル形を備えたほぼ円形のチューブが使用されている。したがって、これらのノズル配列構造は、例えば、斜めに配置されるスロットノズル、列において互いに平行に配置される円形ノズル、又は互いに平行に配置されるとともに軸方向に延びる多数のスロットノズルを有する。
【0004】
独国特許出願公開第3708529A1号明細書はスロットノズルの使用を提唱しており、対応するノズルの変更可能なスロット幅により流量及び対応する媒体の噴霧圧が調整可能となる。
独国特許出願公開第3528575A1号明細書において、水平に通過するプリント基板におけるボアホールの洗浄、活性及び/又はメタライゼーションのために、これらが通過する水平面の下方にあり、かつ流れの方向と垂直であるノズルが使用されており、一定の波形の形状の流体処理手段から通過する各プリント基板の下側に送達される。ノズルは、ノズルハウジングの頂部に配置され、該ノズルハウジングは入口ノズルを備えたプレチャンバからなり、それにより、プレチャンバはシャドーマスクによりノズルの内側領域の上部から分離されている。シャドーマスクを利用することにより、流体処理手段のノズルに対する流量分配が達成される。実際の(スロット)ノズルの上流側にあるノズルの内側領域が、流体処理手段の流れの均一な構築のためのプレチャンバとして供される。
【0005】
欧州特許第0280078B1号明細書は、ワークピース、特にプリント基板の、対応する処理流体による洗浄又は化学処理のためのノズルの配置構造を開示している。ノズル配列構造は、下側の吸気ボックスとハウジングボックスとからなり、それにより、下側の吸気ボックスを介して、処理流体がハウジングボックスのフロアのボアホールを介して該ハウジングの内側に流通される。次に、ハウジングボックスは中央隔壁を有し、該中央隔壁に配置される二つのせん孔レベル及び細長い穴と組み合わせられて、処理流体が両方の細長い穴を流れるとともにこれらを介して、二つの、均一な正弦サージ波プロファイルを形成することを可能にし、それらは、ワークピース、特にプリント基板のボアホールを通過し、ベンチュリ効果により、集中物質移動が確実となる。
【0006】
公知のフローノズルの配置構造において、入口の流速は、該入口にて最大流量が通過することから、最大となる。入口からの距離が増大するにつれて、個々のノズル開口部の各々を介して処理流体の一部のみが排出されることから、流速は低下する。既存の静圧とは別に、これにより、ノズル開口部における滞留圧(Standruck)及び不均一な流速を生ずる。更なる結果として、放出される処理流体の流量が不均一となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、ノズル配列構造の長手方向における非常に均一な流速及び流量を達成可能である処理流体を放出するためのノズル配列構造を提供することにある。更に、上述のタイプの系において、使用されるべき空間を最小限とするために、ノズル断面の高度の小型化を望ましくは達成することにある。これとは別に、構成部品の数及び生産コストを低く留めるべきである。加えて、噴霧又はフローの幾何学的構造及び噴霧方向は好ましくは、全ての放出開口部にて同一とすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、請求項1に記載の特徴を備えたノズルの配置構造、又は請求項5に記載の特徴を備えたノズルの配置構造により本発明に従って達成される。従属請求項の各々は本発明の好ましい、かつ有利な実施形態を定義する。
【0009】
本発明に従うノズルの配置構造は細長いハウジングを有し、該ハウジングは処理流体の供給のために少なくとも一つの流体供給開口部を備え、かつ処理されるべきワークピース上に処理流体を放出するために該ハウジングに形成された少なくとも一つの流体送達開口部を備える。ハウジングにおいて、流体供給開口部から少なくとも一つの流体送達開口部まで処理流体を供給するために流体チャネルが形成されている。一つの送達開口部の最小単位は細長い穴(schlitzfoermig)であるか、又は等間隔にて互いに前後に配置された一列の円形ボアホールとしてデザインされたものである。
【0010】
本発明の第一の実施形態によると、流体チャネルの断面(Querschnitt)はハウジングの長手方向に沿って流体供給開口部から減少しており、それにより、長手方向において、かつ一つの流体送達開口部の最小単位に沿って、流体チャネルの断面における連続的な減少が提供され得る。最大流量が通過する流体供給開口部又は流体の入口からの距離に対して、流体チャネルのフロー部の断面をこのように採用することにより、ノズル配列構造の全長に沿った、従って、少なくとも一つの流体送達開口部に沿った流速の平衡化が達成され得る。
【0011】
長手方向に同一断面を備えるハウジングに長手挿入部が設けられ、該挿入部の断面は流体供給開口部から長手方向に減少し、即ち、流体チャネルの断面に従って減少する。該挿入部は好ましくは、全ての流体送達開口部が同一の長さの送達チャネルを有するように流体送達開口部に関して配置されている。
【0012】
しかしながら、流体供給開口部からハウジングの長手方向における一つ以上の地点においてハウジングの壁部の厚みを増大させることも可能である。
例えば、ノズル配列構造の内側の挿入部はまた、多数の独立したセクション又はセグメントからなる。これらは、ディスプレーサ又は有孔体であり得る。この様式において、例えば、必要となる長さに依存して、ノズル配列構造当たり、異なる断面を備えた状態、又は異なる内径を備えたディスクに対して60のパーツ(Stueck)が一列に配置されている。個々に独立したセクションは接着されるか、溶接されるか、タイロッド又は補剛材とともに保持され得る。流体の流通する断面は、ここでは、流体導入部にある最初のセグメントからノズル配列構造の端部まで、セクションからセクションへと順次一定に減少している。例えば、仮にセクションの一つが送達開口部を有する場合、該セクションにおける貯蔵チャンバは円筒形であり、円錐形ではない。これにより、非常に低い製品コストにて段差状の流体チャネルが得られる。
【0013】
本発明の第二の実施形態に従って、流体チャネルはハウジングの長手方向に互いに独立した長さの異なる数個の分配開口部を介して連通される。これらの分配開口部の長さがハウジングの長手方向における流体供給開口部から始まり漸増的に変更される場合、ノズル又は流体送達開口部にて、ノズル配列構造の全長にわたって処理流体の流速の同様な平衡化が達成され得る。異なる長さのボアホール又は分配開口部は流速の平衡化をもたらす異なる流れの抵抗を生ずる。
【0014】
上述の分配開口部は全て同一の直径を有している。しかしながら、同様に、分配開口部を異なる直径にデザインすることも考えられる。直径の変更に対する決定的な要因は、流体チャネルにおける異なる流速及びそれに関連した異なる全体的な圧力条件である。
【0015】
従って、更なる変更例に従って、分配開口部は流体送達にて異なる直径を有し、かつ同一の直径を備えた皿穴を設けることが提案されている。仮に皿穴の直径が同一に選択される場合、流量及び送達速度の更なる平衡化が起こる。
【0016】
上述の分配開口部は対応するボアホールの形態にて上述の型の挿入部に構築され得る。該挿入部はハウジング内において好ましくはU字型の補剛材に補助されて保持される。
流れる流体の動的応力により、ジェットは、流体送達開口部においては開口チャネルの角度にて到達されないが、処理流体の流れの方向から斜めに送達される。送達チャネルの長さを増大させるとこの影響は低減される。これは同様に感受性の強い処理製品において不均一な処理結果を招くことになる。
【0017】
従って、少なくとも一つの流体送達開口部と流体チャネルとの間に貯蔵チャンバが設けられる場合、特に有利である。この場合、該貯蔵チャンバは例えば上述の挿入部に対応するミリング又は凹部の形態であり、圧力を更に分配し、かつ動的応力を低減するように供される。好ましい実施形態において、分配開口部は、送達される流体ジェットが流体送達開口部に配置された壁部に対して反発するように配置される。次いで、ジェットは斜めに偏向され、ミリングされた挿入部の壁部に対して反発し、処理製品又はワークピースに対して流れる前に、流体送達開口部により再び偏向される。
【0018】
流体送達開口部又は処理流体の入口は、ハウジングの長手方向側部上に配置され得る。しかしながら、無論、この流体送達開口部をハウジングの中央部に配置することも考えられる。
【0019】
流体送達開口部は、好ましくは、ハウジングの長手方向に間隔をあけて配置された数個の細長い穴の形態であり、該細長い穴は全て同一の寸法を有することもできるし、異なる寸法とすることもできる。仮に流体送達開口部が互いに対してオフセットに配置された数個の列からなる細長い穴の形態にてデザインされ、各々がハウジングの長手方向に流れる場合、特に有利である。しかしながら、オフセット状の列からなる細長い穴に代えて、ボアホールの列を使用することもできる。いずれの場合においても、処理製品に対する均一な流れが起こる。
【0020】
流体送達開口部及び処理製品からの距離を常に同一にすることもまた重要である。これは構築時、又は処理流体の噴射圧力下においてノズル配列構造が曲げられることを回避する。高温、又は製造工程による変形(例えば、溶接時に起こる変形)も又回避されるべきである。この必要とされる安定性は、ノズル配列構造上に、又はノズル配列構造内に長手方向に金属製の補剛材を配置することにより達成される。
【0021】
更なる実施形態によれば、本発明に従うノズル配列構造は、好ましくは、流体チャネルの両横方向に連続的に減少する断面を備えており、それにより、ハウジングの一方の側部であり、かつ該ハウジング上に、液密性の蓋又はカバーを配置することができ、該蓋又はカバーはハウジングとともに流体送達開口部を画定する。この実施形態によれば、流体送達開口部は特にノズル配列構造の長手方向に間隔をおいて配置されるとともにノズルの長手方向に対して斜めに、即ちノズル配列構造の幅方向において走行する複数の細長い穴からなり、それにより、流体送達開口部はノズル配列構造において両横方向に配置される。従って、各細長い穴、又は連結チャネルは一方の端部にてハウジングの流体チャネルと連通するとともに他方の端部にて、二つの流体送達開口部の各々へ流れる。
【0022】
この実施形態は、処理流体又は処理媒体を含む処理浴の全体的に均等なフラッディングに特に適している。例えば、空気中からの酸素のような環境から吸収されるべく物質の危険性が存在する工程において、処理流体の表面積を増大するジェット又は渦をできるだけ形成することなくフラッディングを実施する必要がある。この目的は、上述の実施形態に従うノズル配列構造により達成され、ノズル配列構造の有効長さ全体にわたる、均一かつゆっくりとした流速により達成される。
【0023】
与えられた最後の実施形態は、上述の実施形態の特徴を組み合わせたものである。無論、最後の実施形態はまた、貯蔵チャンバの作製に関する上述の特徴を備えることなく、又は分配開口部を使用することなく構築することもできる。
【0024】
本発明のノズル配列構造は、プリント基板の水平スループットを伴う湿式化学系におけるフローノズルとして使用するのに特に適している。しかしながら、無論、本発明は好ましい適用範囲に限定されるものではない。それは、例えば、ワークピースの洗浄又は化学処理に対して処理流体のノズル配列からのワークピースへのフローが必要であるいかなる場合においても、又はこの種の処理流体を用いた処理浴の最も均一なフラッディングが可能である必要のある如何なる場合においても使用され得る。従って、本発明は、処理流体の最も均一な放出が必要とされる如何なる場合においても使用可能であると最も定義づけられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、好ましい実施形態に基づいて、添付された図面を参照して以下において詳細に説明される。
【0026】
プリント基板の水平スループットを備えた亜鉛めっき系のためのフローノズルとして特に適した図1に示されたノズル配列構造は、本質的には平行6面体形状のハウジング2からなる。ハウジング2の後面に、ハウジングの流体供給開口部に連結された連結スリーブ1が処理流体の供給部として配置されている。処理されるべきワークピース、または処理製品と相対向して配置されたハウジング2の側面には、流体処理のための送達開口部8を形成する互いにオフセット状態である細長い穴の列若しくはボアホール列が、配置されている。図示された実施形態において、細長い穴又はボアホールからなる送達開口部8は全て、同一の寸法、即ち同一の長さ、及び同一の幅若しくは直径を備えている。しかしながら、予め定義された噴霧又はフロー状態を生成するために異なる寸法を選択することもできる。
【0027】
ハウジング2の内側には、好ましくはプラスチックから形成された楔型の挿入部3がU字型の補剛材4に沿って配置されており、該補剛材4は、例えば特殊な鉄鋼、チタン、ニオブ等のような使用される化学物質に対する耐性を備えた金属から形成されるとともに該挿入部3を安定化させている。
【0028】
以下により詳細に記載されているように、挿入部3の目的は、流体チャネルにおける流速の平衡化を保つとともにノズル配列構造の全長にわたって処理流体を均等に分配することにある。
【0029】
特に図1から明らかなように、挿入部3は長手方向に円錐状に延びており、それにより連結スリーブ1に結合して配置された側の端部において、最も厚みが薄くなるとともに相対向する端部においては厚みが最も大きくなる。挿入部3と補剛材4との間には、処理流体用の流体チャネル5として供される中空の空間が存在する。連結スリーブ1に連結される端部では、この流体チャネル5のフローの断面が最大となり、相対向する端部に向かって連続的に減少し、該相対向する端部ではフローの断面が最小となっている。
【0030】
ノズル配列構造は、処理製品と相対向する表面であって、かつ全長に沿って、好ましくは、貫通孔の形状である均等に離間した送達開口部8を備えており、該貫通孔は図示された実施形態においては全て同一の直径を備えている。図示されたボアホールの位置において、細長い穴状の送達開口部もまた使用され得る。
【0031】
再び図1に示されるように、これらの送達開口部8の長さはノズル配列構造の全長にわたって同一である。処理流体は、連結スリーブ1を介して矢印の方向に流体チャネル5内へ、そして送達開口部8の長手方向に、流通する。
【0032】
楔型の挿入部3を備えることにより流体チャネル5の全ての点における流速は同一となり、全ての送達開口部8は同一の寸法を有しているので、非常に均一な噴霧状況を得ることができる。
【0033】
図2に従って、楔型挿入部はノズル配列構造の頂部に配置されている。送達開口部8はハウジング2に、そして同じく挿入部3内に存在している。これにより異なる長さの送達チャネルが得られるが、送達開口部は同一の直径を備えている。異なる長さの送達チャネルは噴霧状況の更なる平衡化のために使用され得る。流体の入口からのより大きな距離におけるより長いボアホールにおいては、端部に向かって増大したフロー抵抗性が存在し、フロー状態の更なる平衡化を提供する。
【0034】
図3に従って、挿入部3にミリング又は凹部が存在し、該挿入部3の長手方向には分配開口部7が互いに間隔をおいて形成されている。挿入部3におけるミリング又は凹部は、該挿入部3の分配開口部7とハウジング2に形成された細長い穴状の送達開口部8(この図面では示されていない)との間に、圧力を更に分配するために供される処理流体のための貯蔵チャンバ6を形成する。各分配開口部7から放出される流体ジェットは、最初はハウジングの壁に対して噴射され、そこから挿入部3の壁部に対して斜め下向きに方向転換され、更なる方向の変化に続いて、細長い穴状の送達開口部8から処理製品10に向かって出現する。この偏向は移動する流体の動的応力を緩和することを意図している。
【0035】
図7は、図3に示されるC−C’の断面を示し、ノズル配列構造の更なる詳細を示す。
分配開口部7は楔型挿入部3のために異なる長さを有する。長さにおけるこの差異が問題となる場合、流れの状態を調整するために詳細図D(図3に示される)に従って異なる長さの皿穴9をボアホールに設けることもできる。
【0036】
供給開口部から貯蔵チャンバ6と連通するノズル配列構造の相対向する端部まで流体チャネル5を連続的に減少させることと、送達開口部8(即ち、細長い穴の列)からの送達の上流側にて流体の流れを複数回偏向することと、を組み合わせることにより、同一の流量が各細長い穴から同一の放出速度にて出現することを確実にすることができる。
【0037】
図5に示されるように、補剛材4は挿入部3の全長に沿って本質的には延びている。補剛材の外端において、挿入部3の厚みは補剛材の壁厚により増大される。これは、ノズル配列構造のハウジング2の内側における流体チャネル5での密封シールを保証する(同様に図3を参照)。挿入部3はまた、その頂部側に沿って同じ量だけ厚みを増し、それにより、図7から明らかなように、U字型の補剛材4が確実に配置されることになる。しかしながら、U字型の補剛材をハウジング2の外側に配置することもまた可能である。この目的のために、挿入部3における更なる厚みを設ける必要がなくなる。補剛材は例えばネジにてハウジングに固定され得る。しかしながら、該ネジは流体チャネル5を貫通すべきではない。
【0038】
図3乃至7に示される実施形態において、出口開口部8における処理流体の均一な流速は二つの手段(Massnahmen)により基本的には達成される。第一に、斜めに延びる挿入部3が存在することにより、処理流体のためのスループットの断面は、ノズル配列構造の内側、即ち、流体チャネル5内にて連結スリーブ1から該ノズル配列構造の端部まで連続的に減少する。第二に、分配開口部7は処理流体を処理製品まで直接輸送しない。代わりに、この例示的な細長い穴の列において、該処理流体は方向を2回変更し、その後においてのみ流体送達開口部8を介して送達される。
【0039】
分配開口部7における流体抵抗はその長さの増大につれて連続的に増大する。これが流体の分配に影響を与えないようにするために、図2、3及び5に示されるように挿入部3の傾きを好ましくは幾分平坦となるように選択され、それにより、間隙はノズル配列構造の端部に依然として存在する。図3に示す実施例において、端部における間隙の高さは約4mmである。
【0040】
二つの手段(斜め又はテーパ状の挿入部、及び更なる貯蔵チャンバにおける流体の偏向)の組み合わせは最良の結果を生ずる。その理由は、流体チャネル5の断面の減少のみでは、不十分な圧力平衡を引き起こす可能性があり、かつジェットが斜めに出現するからである。この組み合わせを用いると、送達開口部8が好ましくは全て同一の幅又は直径を備えているので、単位時間当たり同一の流量が全ての送達開口部から流れることになる。
【0041】
図6は貯蔵チャンバ6を備えたノズル配列構造の更なる例を示す。ここでは二つの挿入部3、3’が存在する。既に述べたように、挿入部3は、楔型であり、かつノズル配列構造の底部に適合される。ノズル配列構造の頂部にある挿入部3’は全長に沿って同一の断面を備える。挿入部3’には分配ボアホール7が存在する。これらは全て同一の長さを有する。従って、楔型の流体チャネルは図2、3及び5に示されるように、端部にて一層急になっている。
【0042】
にもかかわらず、上述の二つの手段のうちの一方のみを採用することにより、特殊な応用においては、処理流体の送達開口部8への十分に均一な流速を達成することが可能であろう。
【0043】
無論、図面に示された実施形態の種々の修正は本発明の基本的な概念を逸脱することなく想定される範囲内である。従って、例えば、連結スリーブ1はノズル配列構造のハウジング2の中央に移動させることができ、それにより処理流体の供給は中央で起こる。この変形例により、ハウジング2内において流体チャネル5のスループットの断面は、中央連結スリーブ1からハウジングの両端部まで、即ち、両方の横方向に減少し、それに対応して、中央連結スリーブ1から二つの端部までの挿入部3の厚みは幅が増大し、それにより、該挿入部3の分配開口部7の長さもまた両横方向に増大する。
【0044】
更に、図示された実施形態において、流体チャネル5の連続的に減少するスループットの断面は、挿入部3の増大する幅のみを介して達成される。無論、ハウジング2の長手方向に沿って、流体チャネル5の幾つかの側面を徐々に広くすることも考えられ得る。この頂部においては、更なる圧力分配のための貯蔵チャンバ6をなしで済ませることも可能であろう。
【0045】
流速の均一化を改善するために、細長い穴状の送達開口部8はまた、異なる幅を有することも可能であり、それにより、特にハウジング2の長手方向における幅は入口スリーブ1から減少する。これは一般的には、処理製品における結果の変動を引き起こす可能性のある、異なる体積の流れを引き起こす。
【0046】
図示された実施形態にも関わらず、分配開口部7は異なる直径を備えるようにデザインすることもでき、それにより、連続的に増加する流れの抵抗を作出するために分配開口部7の直径における連続的な減少は、ノズル配列構造の端部に向かって全圧力が最大となることから、考えられ得る。
【0047】
流体チャネル5に近い分配開口部7の側部において、該開口部7にはより直径の大きい皿穴9が設けられている(図3を参照)。ハウジング2の長手方向における連続的に増大する流れの抵抗を作出するためにこれらの皿穴部は異なる深さを有し、特に、ハウジング2の長手方向において連続的に増大する深さを有する。
【0048】
図面に示された補剛材4をなしで済ますことも可能である。挿入部3及びハウジング2を単一のピースとして構築することも考えられる。最終的に、図示された実施形態において、多数の送達開口部8が実際にはハウジング2の長手方向において所定の間隙にて提供され、特に、該開口部は互いにオフセットに配置された細長い穴からなる二つの列に均等に離間されかつ配置されており、それにより、基本的には、ノズル配列構造の適切かつ満足のゆく実施可能性が、特に簡単な長手方向の送達開口部8、例えばハウジング2の長手方向に延びる細長い穴状の送達開口部8を伴って保証される。
【0049】
図8乃至10は本発明の実施形態に従う更なるノズル配列構造を示しており、図8はノズル配列構造の部分的な断面における側面図であり、図9はノズル配列構造の部分的な断面における上面図であり、かつ図10は図8に示される交差線C−Cに沿ったノズル配列構造の断面図である。
【0050】
図8乃至10に示されるノズル配列構造は、処理流体を用いた処理浴の均一なフラッディングに特に適した実施形態に関する。空気からの酸素のような環境から吸収される物質の危険性が存在するある種の工程において、フラッディングは、処理流体の表面積を増大するジェット又は渦流をできる限り形成することなく実施される必要がある。図8乃至10に示されるノズル配列構造は、ノズル配列構造の有効な長さ全体にわたる均一かつゆっくりとした流速により、これを達成する。
【0051】
既に記載された実施形態と同様に、図8乃至10に示されるノズル配列構造は連結スリーブ1と細長い基本的には平行6面体であるハウジング2からなり、該ハウジング2には挿入部3が適合され、該挿入部3はノズル配列構造又はハウジング2の長手方向において連続的に減少する断面を備えた流体チャネル5を画定する。この連結において、特に図9から明らかなように、挿入部3は流体チャネル5の断面が両横方向に減少し、それにより、該流体チャネル5の断面は連結スリーブ1からノズル配列構造の端部まで連続的かつ均一に低減し、それにより、流体チャネル5そのものにおいては、処理流体のほぼ同一の流速が常に存在する。
【0052】
ハウジング2の一方の側部において、液密性の蓋又はカバー11が、溶接又は接着のような適切な接合方向によりハウジング上に配置される。図8及び9から明らかなように、その下面において、カバー11はノズル配列構造の長手方向に斜めに延びる多数の細長い穴又は連結チャネルを有し、該チャネルは特に、ノズル配列構造の有効な長さ全体にわたり均等に離間されている。蓋11におけるこれらの細長い穴はハウジング2とともに処理流体用の流体送達開口部8を形成する。
【0053】
図10に示されるように、この実施形態において、ノズル配列構造の連結スリーブ1を介して蓋11に形成された細長い穴を介する流体チャネル5からの処理流体は、ノズル配列構造またはハウジング2において両横方向に設けられた流体送達開口部8にて送達される。
【0054】
無論、図8乃至10に示されるノズル配列構造はまた図1乃至7を用いる既に記載されたノズル配列構造の特徴と組み合わせることもできる。
本発明に従うノズル配列構造の記載は、全ての実施形態において、ノズル配列構造から処理製品までの処理流体の輸送に関する。ノズル配列構造は、処理製品からノズル配列構造までの処理流体の吸引の目的においても同様に機能する。処理時において、分解産物が生ずるか又は固定物質が適用される場合、電解質輸送のこの形態が特に有利である。処理流体をノズル配列構造へ吸引することにより、分解産物又は固形物質が取り込まれ、従って固形物質をできるだけ早く除去する再生ユニット又はフィルタに到達する。従って、この物質による処理結果の妨害が実質的には排除される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図4に示される交差線B−B’に沿った部分的な断面における簡単な形態の、本発明に従うノズル配列構造の側面図を示す。
【図2】図4に示される交差線B−B’に沿った部分的な断面における図1の別の実施形態としての本発明に従うノズル配列構造の側面図を示す。
【図3】図4に示される交差線B−B’に沿った部分的な断面における圧力分配のための更なる貯蔵チャンバを備えた本発明における好ましい実施形態のノズル配列構造の側面図を示す。
【図4】図3に示される交差線A−A’に沿った部分的な断面における図3に示されるノズル配列構造の上面図を示す。
【図5】図3及び4に示された挿入部並びに該挿入部をノズル配列構造中に保持するための補剛部の側面図を示す。
【図6】図4に示される交差線B−B’に沿った部分的な断面における図3又は図4に対する代替的なデザインである本発明に従うノズル配列構造の側面図を示す。
【図7】図3に示される交差線C−C’に沿った図3のノズル配列構造の断面図を示す。
【図8】部分的な断面の形態である本発明に従う更なる実施形態のノズル配列構造の側面図を示す。
【図9】部分的な断面における図8に示されるノズル配列構造の上面図を示す。
【図10】図8に示される交差線C−Cに沿った図8及び図9からのノズル配列構造の断面図を示す。
【符号の説明】
【0056】
1…連結スリーブ、2…ハウジング、3…挿入部、4…補剛部、5…流体チャネル、6…貯蔵チャンバ、7…分配開口部(分配ボアホール)、8…流体送達開口部、9…皿穴、10…処理製品、11…蓋。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手ハウジング(2)を備えた処理流体を放出するためのノズル配列構造において、
前記ノズル配列構造は、処理流体を供給するための少なくとも一つの流体供給開口部と処理流体を放出するために前記ハウジング(2)に形成された少なくとも一つの流体送達開口部(8)と有し、それにより、前記ハウジング(2)内において、前記流体供給開口部から前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)まで処理流体を供給するための流体チャネル(5)が形成され、
前記流体チャネル(5)の断面は前記流体供給開口部から前記ハウジング(2)の長手方向に減少していることを特徴とするノズル配列構造。
【請求項2】
前記流体チャネル(5)の断面は前記流体供給開口部から前記ハウジング(2)の長手方向に連続的に減少していることを特徴とする請求項1に記載のノズル配列構造。
【請求項3】
複数の送達開口部が互いに間隔を置いて形成された長手挿入部(3)が前記ハウジング(2)内に配置され、それにより前記送達開口部が前記ハウジング(2)の流体送達開口部(8)に適合するように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズル配列構造。
【請求項4】
前記流体チャネル(5)の断面は、前記流体供給開口部から前記ハウジング(2)の長手方向において複数の側部から減少していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項5】
長手ハウジング(2)を備えた処理流体を放出するためのノズル配列構造において、
前記ノズル配列構造は、処理流体を供給するための少なくとも一つの流体供給開口部と処理流体を放出するために前記ハウジング(2)に形成された少なくとも一つの流体送達開口部(8)とを有し、それにより、前記ハウジング(2)内において、前記流体供給開口部から前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)まで処理流体を供給するための流体チャネル(5)が形成され、
前記流体チャネル(5)は、前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)まで分配開口部(7)を介して該流体チャネル(5)から処理流体を供給するために、前記ハウジング(2)の長手方向に間隔を置いて配置された複数の分配開口部(7)を介して、前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)と連通していることを特徴とするノズル配列構造。
【請求項6】
前記分配開口部(7)の全てが同一の直径を有することを特徴とする請求項5に記載のノズル配列構造。
【請求項7】
前記分配開口部(7)の長さは、前記流体供給開口部から前記ハウジング(2)の長手方向に増大することを特徴とする請求項5又は6に記載のノズル配列構造。
【請求項8】
前記ハウジング(2)の長手方向における流体供給開口部の分配開口部(7)の長さは同一であることを特徴とする請求項5又は6に記載のノズル配列構造。
【請求項9】
前記分配開口部(7)は異なる直径を有することを特徴とする請求項5に記載のノズル配列構造。
【請求項10】
前記分配開口部(7)の直径は前記ハウジング(2)の長手方向において前記流体供給開口部から減少していることを特徴とする請求項9に記載のノズル配列構造。
【請求項11】
前記分配開口部(7)は前記流体チャネル(5)に向かって向きが変えられたそれらの側部上に皿穴(9)を備えていることを特徴とする請求項5乃至10のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項12】
前記分配開口部(7)の前記皿穴(9)は異なる深さを有することを特徴とする請求項11に記載のノズル配列構造。
【請求項13】
前記分配開口部(7)の前記皿穴(9)の深さは前記ハウジング(2)の長手方向において前記流体供給開口部から増大していることを特徴とする請求項12に記載のノズル配列構造。
【請求項14】
前記ハウジング(2)において、円錐状の長手挿入部(3)及び長手方向に間隔を置いて配置され、かつ同一の長さのを有する複数の分配開口部(7)を備えた更なる長手挿入部(3’)が配置され、それにより、前記流体チャネル(5)から前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)まで分配開口部(7)を介して処理流体を供給するために、該流体チャネル(5)が該分配開口部(7)を介して前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)と連通することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項15】
前記ハウジング(2)において、複数の分配開口部(7)が間隔を置いて形成された長手挿入部(3)が配置され、それにより、前記流体チャネル(5)から前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)まで分配開口部(7)を介して処理流体を供給するために、該流体チャネル(5)が該分配開口部(7)を介して前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)と連通することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項16】
前記長手挿入部(3)及び前記更なる長手挿入部(3’)のうちの少なくとも一方は補剛材(4)により前記ハウジング(2)内に保持されていることを特徴とする請求項14又は15に記載のノズル配列構造。
【請求項17】
前記ハウジング(2)は本質的に平行6面体の形状を有し、かつ前記補剛材(4)は本質的にU字型であることを特徴とする請求項16に記載のノズル配列構造。
【請求項18】
前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)の直前の上流側であって、かつ前記少なくとも一つの流体開口部(8)と前記流体チャネル(5)との間に貯蔵チャンバ(6)が圧力分配のために形成されていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項19】
前記貯蔵チャンバ(6)は、前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)に向かって曲げられている前記分配開口部(7)の側部上において、前記長手挿入部(3)又は前記更なる長手挿入部(3’)に凹部の形態にて設けられていることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項20】
全ての分配開口部(7)は、前記処理流体が、少なくとも2回方向を変更した後のみに前記貯蔵チャンバを介して前記流体送達開口部(8)から流出するように、前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)に対して空間的にオフセットの状態にて配置されることを特徴とする請求項19に記載のノズル配列構造。
【請求項21】
前記少なくとも一つの流体供給開口部は前記ハウジング(2)の長手端部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項22】
前記少なくとも一つの流体供給開口部は前記ハウジング(2)の中間部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項23】
前記ハウジング(2)は該ハウジング(2)の長手方向に間隔を置いて配置された複数の流体送達開口部(8)を有することを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項24】
前記流体送達開口部(8)は細長い穴状であるか又は円形であることを特徴とする請求項23に記載のノズル配列構造。
【請求項25】
前記流体送達開口部(8)は同一の寸法を有することを特徴とする請求項23又は24に記載のノズル配列構造。
【請求項26】
前記流体送達開口部(8)は前記ハウジング(2)の全長にわたって前記流体供給開口部から減少した幅を有するか、又は前記ハウジング(2)の全長にわたって減少した直径を有することを特徴とする請求項23又は24に記載のノズル配列構造。
【請求項27】
前記細長い穴状の流体送達開口部(8)は前記ハウジング(2)内において互いにオフセット状態にある複数の列に形成されることを特徴とする請求項23乃至26のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項28】
前記ハウジング(2)において、該ハウジング(2)の幅方向に延びる複数の連結チャネルが該ハウジング(2)の長手方向に沿って間隔を置いて形成され、該連結チャネルはその一方の端部が該ハウジング(2)の流体チャネル(5)と連通するとともに他方が前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)と連通することを特徴とする請求項1乃至27のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項29】
前記連結チャネルは、前記ハウジング(2)に配置される蓋(11)に形成されることを特徴とする請求項28に記載のノズル配列構造。
【請求項30】
前記蓋(11)は前記ハウジング(2)に液密シール状態にて配置されることを特徴とする請求項29に記載のノズル配列構造。
【請求項31】
前記連結チャネルは前記ハウジング(2)の長手方向において均等に離間されて配置されることを特徴とする請求項28乃至30のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項32】
前記連結チャネルは前記ハウジング(2)の全長にわたって本質的に分配されていることを特徴とする請求項28乃至31のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項33】
前記各連結チャネルは、前記ハウジング(2)の長手方向を横断する方向に直線状に走行することを特徴とする請求項28乃至32のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項34】
前記各連結チャネルは前記ハウジング(2)のいずれかの側部にある前記流体送達開口部(8)の一つに開口していることを特徴とする請求項28乃至33のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手ハウジング(2)を備えた処理流体を放出するためのノズル配列構造において、
前記ノズル配列構造は、処理流体を供給するための少なくとも一つの流体供給開口部と処理流体を放出するために前記ハウジング(2)に形成された少なくとも一つの流体送達開口部(8)と有し、それにより、前記ハウジング(2)内において、前記流体供給開口部から前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)まで処理流体を供給するための流体チャネル(5)が形成され、前記流体チャネル(5)の断面は前記流体供給開口部から前記ハウジング(2)の長手方向に減少しており、
前記ハウジング(2)はプラスチックから形成され、前記ノズル配列構造において、又は前記ノズル配列構造内において、金属から形成されるとともに該ノズル配列構造の長手方向に延びる補剛材(4)が設けられ、かつ
前記ノズル配列構造において、長手方向に互いに離間された複数の分配開口部(7)が形成された長手挿入部(3,3’)が配置されており、それにより、前記長手挿入部(3,3’)により画定される流体チャネル(5)が、該流体チャネル(5)から前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)まで該分配開口部(7)を介して処理流体を供給するために、前記分配開口部(7)を介して前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)に連通することを特徴とするノズル配列構造。
【請求項2】
前記流体チャネル(5)の断面は前記流体供給開口部から前記ハウジング(2)の長手方向に連続的に減少していることを特徴とする請求項1に記載のノズル配列構造。
【請求項3】
前記挿入部(3,3’)の分配開口部(7)は前記ハウジング(2)の流体送達開口部(8)に適合するように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズル配列構造。
【請求項4】
前記流体チャネル(5)の断面は、前記流体供給開口部から前記ハウジング(2)の長手方向において複数の側部から減少していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項5】
前記分配開口部(7)の全てが同一の直径を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項6】
前記分配開口部(7)の長さは、前記流体供給開口部から前記ハウジング(2)の長手方向に増大することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項7】
前記ハウジング(2)の長手方向における流体供給開口部の分配開口部(7)の長さは同一であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項8】
前記分配開口部(7)は異なる直径を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項9】
前記分配開口部(7)の直径は前記ハウジング(2)の長手方向において前記流体供給開口部から減少していることを特徴とする請求項8に記載のノズル配列構造。
【請求項10】
前記分配開口部(7)は前記流体チャネル(5)に向かって向きが変えられたそれらの側部上に皿穴(9)を備えていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項11】
前記分配開口部(7)の前記皿穴(9)は異なる深さを有することを特徴とする請求項10に記載のノズル配列構造。
【請求項12】
前記分配開口部(7)の前記皿穴(9)の深さは前記ハウジング(2)の長手方向において前記流体供給開口部から増大していることを特徴とする請求項11に記載のノズル配列構造。
【請求項13】
前記ハウジング(2)は本質的に平行6面体の形状を有し、かつ前記補剛材(4)は本質的にU字型であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項14】
前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)の直前の上流側であって、かつ前記少なくとも一つの流体開口部(8)と前記流体チャネル(5)との間に貯蔵チャンバ(6)が圧力分配のために形成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項15】
前記貯蔵チャンバ(6)は、前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)に向かって曲げられている前記分配開口部(7)の側部上において、前記長手挿入部(3,3’)に凹部の形態にて設けられていることを特徴とする請求項14に記載のノズル配列構造。
【請求項16】
全ての分配開口部(7)は、前記処理流体が、少なくとも2回方向を変更した後のみに前記貯蔵チャンバを介して前記流体送達開口部(8)から流出するように、前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)に対して空間的にオフセットの状態にて配置されることを特徴とする請求項15に記載のノズル配列構造。
【請求項17】
前記少なくとも一つの流体供給開口部は前記ハウジング(2)の長手端部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項18】
前記少なくとも一つの流体供給開口部は前記ハウジング(2)の中間部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項19】
前記ハウジング(2)は該ハウジング(2)の長手方向に互いに離間した複数の流体送達開口部(8)を有することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項20】
前記流体送達開口部(8)は細長い穴状であるか又は円形であることを特徴とする請求項19に記載のノズル配列構造。
【請求項21】
前記流体送達開口部(8)は同一の寸法を有することを特徴とする請求項19又は20に記載のノズル配列構造。
【請求項22】
前記流体送達開口部(8)は前記ハウジング(2)の全長にわたって前記流体供給開口部から減少した幅を有するか、又は前記ハウジング(2)の全長にわたって減少した直径を有することを特徴とする請求項19又は20に記載のノズル配列構造。
【請求項23】
前記細長い穴状の流体送達開口部(8)は前記ハウジング(2)内において互いにオフセット状態にある複数の列に形成されることを特徴とする請求項19乃至22のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項24】
前記ハウジング(2)において、該ハウジング(2)の幅方向に延びるとともに互いに対して離間された複数の連結チャネルが該ハウジング(2)の長手方向に沿って形成され、該連結チャネルはその一方の端部が該ハウジング(2)の流体チャネル(5)と連通するとともに他方が前記少なくとも一つの流体送達開口部(8)と連通することを特徴とする請求項1乃至23のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項25】
前記連結チャネルは、前記ハウジング(2)に配置されるカバー(11)に形成されることを特徴とする請求項24に記載のノズル配列構造。
【請求項26】
前記カバー(11)は前記ハウジング(2)に液密シール状態にて配置されることを特徴とする請求項25に記載のノズル配列構造
【請求項27】
前記連結チャネルは前記ハウジング(2)の長手方向において均等に離間されて配置されることを特徴とする請求項24乃至26のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項28】
前記連結チャネルは前記ハウジング(2)の全長にわたって本質的に分配されていることを特徴とする請求項24乃至27のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項29】
前記各連結チャネルは、前記ハウジング(2)の長手方向を横断する方向に直線状に延びていることを特徴とする請求項24乃至28のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項30】
前記各連結チャネルは前記ハウジング(2)のいずれかの側部にある前記流体送達開口部(8)の一つに開口していることを特徴とする請求項24乃至29のいずれか一項に記載のノズル配列構造。
【請求項31】
請求項1乃至30のいずれか一項に記載のノズル配列構造は長手挿入部(3)を更に含み、前記長手挿入部(3)は長手方向に円錐形であり、かつ前記ハウジング(2)に配置されるとともに、前記分配開口部(7)を有する長手挿入部(3’)とともに流体チャネル(5)を画定することを特徴とするノズル配列構造。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−507929(P2006−507929A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−556217(P2004−556217)
【出願日】平成15年11月28日(2003.11.28)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013421
【国際公開番号】WO2004/050256
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(503037583)アトテック・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (55)
【氏名又は名称原語表記】ATOTECH DEUTSCHLAND GMBH
【Fターム(参考)】