説明

ノズル

【課題】外科洗浄ハンドピース用チップ(tip)ノズルを提供する。
【解決手段】チップノズル10は、概ね、アーチ状の洗浄ポート14と流体により連通する中央孔15有する本体12を含む。本体12の先端部16は円形の細長い、またはスプーン形鼻部18を含む。鼻部18の形状は、チップ10の外科創傷への挿入を助ける。ノズル10は、ハンドピースの開放シャフト上に適合する寸法および形状の孔15を有する適宜構造に成形プラスッチックまたはゴムから形成される。または従来金属加工技術によりかかるシャフト上に直接形成されてもよい。圧力流体がノズル10から発射されるときに、扇状散布パターンを形成する。ノズルは、白内障外科治療の洗浄/吸引のときに特に有益である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね、白内障外科の分野、特に水晶体除去に続く皮膜清浄(clean up)のためのハンドピースチップに関する。
【背景技術】
【0002】
最も簡単な用語としての人間の目は、角膜と呼ばれる透明な外部を介して光を伝達し、かつ水晶体によって網膜に結像することにより視界を提供する働きをする。結像の質は、目の寸法および形状、そして角膜および水晶体の透明性を含む多くのファクタに依存する。
【0003】
加齢および病気によって水晶体の透明性が低下する場合、網膜へ送られる光の減少により視界は劣化する。目の水晶体におけるこの劣化は医学的に白内障として知られる。この状態に許容される処置は水晶体の外科的除去、および人工眼内レンズ(IOL)による水晶体機能の置換である。
【0004】
合衆国において、白内障水晶体の多くは、水晶体乳化法と呼ばれる外科手術により除去される。この処置時に、薄い水晶体乳化カッティングチップが疾患水晶体へ挿入されかつ超音波振動をする。振動するカッティングチップは水晶体を液化または乳化して水晶体を目の外へ吸引する。疾患水晶体は、一旦除去されると、人工水晶体で置換される。
【0005】
US特許第6579270B2号(Sussman他)は、本体内に取付けた二つの同軸管およびチャンネルを有する外科ハンドピースおよびチップを開示する。第一管は吸引に使用され、第二管よりも直径が小さく、そのようにして第一管と第二管との間に環状通路を形成する。この環状通路は二つの電極間に形成されたポンピングチャンネルと連通する。ポンピングチャンネルは、少量の外科流体を沸騰することにより作動する。流体が沸騰するときに、流体は急速に膨張し、それにより環状通路からポンピングチャンネルの下流へ液体を推進する。環状ギャップの先端は第一および第二管の先端でノズルにより封鎖され、かつ複数の孔またはポートがノズル内に形成される。膨張する気体が環状ギャップ下へ推進されるときに、気体/液体の流れは制御されかつ管理された方法で先端孔から外へ付勢される。しかし、この特許に記載のものと異なる吸引および洗浄流パターンが、皮質清浄時または皮膜洗浄(washing or lavage)後等に望まれる場合がある。
【0006】
従って、水晶体除去に続く皮膜清浄に適した簡単な外科ハンドピースおよびチップに対するにニーズが存続している。
【0007】
【特許文献1】US特許第6579270B2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は外科洗浄ハンドピース用チップ(tip)ノズルを提供することにより従来技術を改善することを課題とする。このノズルは、圧力流体がノズルから発射されるときに扇状散布パターンを提供する。このノズルは特に白内障外科治療の洗浄/吸引(irrigation/aspiration)(”I/A”)部の時に有益である。
従って、本発明の課題は、外科ハンドピース用チップノズルを提供することにある。
本発明の他の課題は、扇状散布パターンを有するハンドピース用チップノズルを提供することにある。
本発明の他の課題は、水晶体除去外科処置のI/A部時に使用するのに適した外科ハンドピース用チップノズルを提供することにある。
本発明の利点および課題は、続く説明から更に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するための本発明によるチップノズルは、中央孔を有する本体、および前記中央孔と流体により連通する洗浄ポートを含み、前記洗浄ポートは略0.002から0.003インチ((約0.0051-0.0076cm)の範囲の幅を有し、かつ略120°から140°の範囲の円弧にわたって切断されている。
【0010】
好適形態において、前記本体はスプーン (scoop)形鼻部を更に含む。
【0011】
好適形態において、前記洗浄ポートは約135°の円弧にわたって切断されている。
【0012】
本発明による他の形態のチップノズルは、中央孔およびスプーン形鼻部を有する本体、ならびに前記中央孔と流体により連通する洗浄ポートを含み、前記洗浄ポートは略0.002から0.003インチ((約0.0051-0.0076cm)の範囲の幅を有し、かつ約135°の円弧にわたって切断されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明との使用に適したハンドピースは、テキサス州、フォートワース所在のAlcon Laboratories, Inc.から市販されているINFINITI(登録商標)、AQUALIASE(登録商標)を含む。このシステムは、US特許第6579270B2号 (Sussman他)の図23および24、7欄、33−45行に概ね記載されたチップを使用し、この特許の関連する記載は参考として本明細書に組み込まれる。この特許に記載されたように、チップ900は、選択により、内管967を包囲しかつその内管と同軸の外管965で構成されてよい。
【0014】
外管965の先端チップ902はフレア状またはベル形であって、ノズル905の外管965と内管967との間への挿入を可能にする。図23に最良に示されたように、ノズル905は孔94と連通する流体チャンネル907を含む。ノズル905は外管965と内管967との間の環状ギャップ969を封鎖する。環状ギャップ969へ流れる圧力流体は流体チャンネル907から孔904へ付勢される。
【0015】
図1および2から最良に理解されるように、本発明のチップノズル10は、概ね、アーチ状の洗浄ポート14と流体により連通する中央孔15を有する本体12を含む。本体12の先端部16は円形の細長い、またはスプーン(scoop)形鼻部18を含む。鼻部18の形状はチップ10の外科創傷への挿入を助ける。ノズル10は、I/Aハンドピース(図示せず)の開放シャフト上に適合する寸法および形状の孔15を有する適宜構造に成形プラスチックまたはゴムから形成されるか、または従来金属加工技術によりかかるシャフト上に直接形成されてよい。
【0016】
洗浄ポート14は、圧力流体が孔15から洗浄ポート14へ付勢されるときに、均一分布の扇状スプレイパターンを生成するような寸法および形状に形成される。好適には、洗浄ポート14は略0.002から0.003インチ(約0.0051-0.0076cm)の範囲の幅を有し、かつ略120から140°の範囲の円弧にわたって切断され、かつそのうち約135°が最適である。
上記説明は図解と解説を目的とする。当業者に明らかなように、変更および改良が本発明の範囲および精神から逸脱することなく上記発明に対して可能である。例えば、本発明は、性能向上のために超音波かつ/または回転カッティングチップに結合できることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のハンドピース用チップノズルの斜視図である。
【図2】本発明のハンドピース用チップノズルの平面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イ)中央孔を有する本体、および
ロ)前記中央孔と流体により連通する洗浄ポートを含み、
前記洗浄ポートは略0.002から0.003インチ((約0.0051-0.0076cm)の範囲の幅を有し、かつ略120から140°の範囲の円弧にわたって切断されている、チップノズル。
【請求項2】
前記本体はスプーン (scoop)形鼻部を更に含む、請求項1のノズル。
【請求項3】
前記洗浄ポートは約135°の円弧にわたって切断されている、請求項1のチップノズル。
【請求項4】
イ)中央孔およびスプーン形鼻部を有する本体、ならびに
ロ)前記中央孔と流体により連通する洗浄ポートを含み、
前記洗浄ポートは略0.002から0.003インチ((約0.0051-0.0076cm)の範囲の幅を有し、かつ約135°の円弧にわたって切断されている、チップノズル。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2007−61610(P2007−61610A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−229214(P2006−229214)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(500319044)アルコン,インコーポレイティド (87)
【Fターム(参考)】