説明

ノック式筆記具

【課題】ノック式シャープペンシルよりもノックストロークが大きなノック式ボールペンにシャープペンシルと全長が同一の長さの蛇腹を装備した場合であっても、蛇腹がほぼ同じ圧縮率で、かつ圧縮距離がほぼ同じ長さとする。
【解決手段】軸筒1の後部に取り付けられたノックストローク部材6と、該ノックストローク部材6と軸筒1との間で、ノックストローク部材6の移動に追従して軸方向へ伸縮する外装用の蛇腹5と、レフィール15を前進移動させるノック部材14とを備え、ノック部材14のノック時にレフィール15系統のみを所定の距離だけ前進移動させる第1段ノックストロークL1と、この第1段ノックストロークL1だけ前進移動した後のレフィール15をさらに続けて筆記位置まで前進移動させる第2段ノックストロークL2でのレフィール15の前進移動時にのみノックストローク部材6をノック部材14のノック力で前進移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レフィールを備えたノック式筆記具に関し、特にレフィールのノックストローク部に蛇腹を備えたノック式筆記具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にノック式筆記具は、ノック式シャープペンシルとノック式ボールペンに大別され、両者のノックストロークを対比すると、ノック式シャープペンシルのノックストロークよりもノック式ボールペンのノックストロークが大きくなっている。
このようなノック式筆記具において、近年、デザイン性の向上を図るために該筆記具のノックストローク部に外装用に蛇腹を装備し、レフィールのノック操作時に前記蛇腹を軸方向に伸縮させる構造としたものが提供されている。
【0003】
なお、上記先行技術は当業者一般に知られた技術であって、文献公知発明に係るものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のノック式筆記具において、特にノック式シャープペンシルよりも大きなノックストロークを必要とするノック式ボールペンに外装用の蛇腹を装備した場合、1段ノック(1回のノック操作)のみでレフィールを筆記位置まで前進移動させる構造となっているため、前記蛇腹はレフィールのノックストロークに対応した長さのものとしなければならない。シャープペンシルとボールペンとの軸筒の全長が同一長さである条件下では、レフィール繰り出しに伴うノック操作時において、前記蛇腹の圧縮率をシャープペンシルの蛇腹圧縮率と同一にしようとすると、蛇腹の長さを短くせざるを得ないが、ノック操作解除時にはシャープペンシルとの圧縮率が異なってしまい外観上好ましくないという課題があった。
一方、シャープペンシルと全長が同一長さの蛇腹を用いると、ノック操作解除時には同一の圧縮率が確保されるが、ノック操作に伴う該蛇腹の圧縮時の圧縮率は大きいために、シャープペンシルノック操作時と対比すると圧縮距離が短くなりすぎ、外観上好ましくなかった。
また、蛇腹の圧縮率を大きくするということは、レフィールのノックおよびノック解除を繰り返す度に、軸方向の伸縮を繰り返すことにより、蛇腹が過度に圧縮されて早期に疲労する等の課題もあった。さらに、ノック解除により蛇腹が伸長する際、圧縮前の位置まで戻りきらないことがあり、蛇腹が捲れて該蛇腹の内周面が当接する部材の生地が露出してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ノック式シャープペンシルよりもノックストロークが大きなノック式ボールペンにシャープペンシルと全長が同一長さの蛇腹を装備した場合であっても、シャープペンシルの蛇腹とほぼ同じ圧縮率で、かつ圧縮距離がほぼ同じ長さで確保でき、それでいてレフィールを筆記位置までスムーズに繰り出すことができるノック式筆記具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るノック式筆記具は、軸筒と、該軸筒の後部に軸方向へ移動可能に取り付けられたノックストローク部材と、該ノックストローク部材と前記軸筒との間に介在され、前記ノックストローク部材の移動に追従して軸方向へ伸縮する外装用の蛇腹と、前記軸筒内に前後進移動可能に挿入されて後退方向に付勢されたレフィールと、該レフィールを後退付勢力に抗して前進移動させるノック部材とを備えたノック式筆記具において、前記ノック部材と前記ノックストローク部材とを間欠的に連動させ、前記ノック部材のノック時に前記レフィールの系統のみを所定の距離だけ前進移動させる第1段ノックストロークと、この第1段ノックストロークだけ前進移動した後のレフィールをさらに続けて筆記位置まで前進移動させる第2段ノックストロークとを設定し、前記第2段ノックストロークでのレフィールの前進移動時にのみ前記ノックストローク部材を前記ノック部材のノック力で前進移動させるように構成したものである。
【0007】
本発明に係るノック式筆記具において、前記ノックストローク部材の内部にはノック受け部材が軸方向移動可能に配置されて該ノック受け部材にノック部材が連結されており、ノック部材のノック操作でノック受け部材が前記第1段ノックストロークから第2段ノックストロークに移行前進する際に前記ノック受け部材が前記ノックストローク部材に係脱可能に係止して該ノックストローク部材を前進移動させるようになっているものである。
【0008】
本発明に係るノック式筆記具において、前記ノック受け部材とレフィールとの間には、ノック部材のノック時に前記ノック受け部材を介して前進移動し、レフィールを前進移動させて該レフィールを筆記位置でロックするロック機構が設けられているものである。
【0009】
本発明に係るノック式筆記具において、蛇腹の内周面が当接する部材には、蛇腹の圧縮・伸長に伴って該蛇腹を圧縮前の位置に戻すための空気溝が設けられているものである。
【0010】
本発明に係るノック式筆記具において、前記ノック部材は、線状部材を屈曲して形成されたクリップからなっているものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のノック式筆記具によれば、ノック部材のノック操作によるレフィール系統の第1段ノックストロークではノックストローク部材を前進させずに前記レフィール系統を繰出方向に前進移動させ、これに連続して前記レフィールを筆記位置まで前進移動させる第2段ノックストロークで前記ノックストローク部材を前進移動させるように構成したので、ノックストローク部材の前進移動で圧縮される蛇腹の全長は前記第2段ノックストローク分の長さでよく、このため、蛇腹の全長をシャープペンシルタイプの蛇腹と同一長さにできると共に、該蛇腹の過度圧縮を抑制して該蛇腹の早期疲労を防止できるという効果がある。すなわち、従来のノック式ボールペンに蛇腹を装備した場合、該蛇腹の長さをレフィールの大きなノックストロークに対応した長さにしなければならないが、本発明では、前記第1段ノックストロークではノックストローク部材が静止位置に保持されて蛇腹は圧縮されないので、ノック式ボールペンに比べてノックストロークが少ないノック式シャープペンシルに装備する蛇腹と同様の長さの蛇腹をノック式ボールペンに適用できるという効果がある。
【0012】
また、本発明のノック式筆記具によれば、前記ノックストローク部材の内部に配置されたノック受け部材にノック部材が連結されており、該ノック部材のノック操作で前記ノック受け部材が前記第1段ノックストロークから第2段ノックストロークに移行前進する際に前記ノック受け部材が前記ノックストローク部材に係脱可能に係止して該ノックストローク部材を前進移動させるので、前記第2段ノックストロークでのみノックストローク部材を確実かつスムーズに前進移動させることができるという効果がある。
【0013】
さらに、本発明のノック式筆記具によれば、蛇腹の内周面が当接する部材に設けられた空気溝によって、蛇腹が前記部材に張り付くのを防止でき、このため、蛇腹が捲れて該蛇腹の内周面が当接する部材の生地が露出してしまうようなことがないという効果がある。
【0014】
本発明のノック式筆記具によれば、線状部材を屈曲して形成されたクリップがノック部材となっているので、クリップとは別のノック部材を必要とせず、ノック式筆記具のデザイン性が向上するという効果がある。
【0015】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるノック式筆記具を示す断面図、図2は図1の外観図である。
【0016】
図1に示すノック式筆記具は、軸筒1と、該軸筒1の後部に軸方向へ移動可能に取り付けられたノックストローク部材6と、該ノックストローク部材6の前端と前記軸筒1の後端との間に介在され、前記ノックストローク部材6の移動に追従して軸方向へ伸縮する外装用の蛇腹5と、前記軸筒1内に前後進移動可能に挿入されて後退方向に付勢されたレフィール15と、該レフィール15を後退付勢力に抗して前進移動させるノック部材14とを備えたノック式ボールペンからなっている。そして、前記ノック部材14とノックストローク部材6とを間欠的に連動させ、前記ノック部材14のノック時にレフィール15の系統のみを所定の距離だけ前進移動させる第1段ノックストロークL1と、この第1段ノックストロークL1だけ前進移動した後のレフィール15をさらに続けて筆記位置まで前進移動させる第2段ノックストロークL2とを設定し、第2段ノックストロークL2でのレフィール15の前進移動時に前記ノックストローク部材6をノック部材14のノック力で前進移動させるようにした基本構造となっており、その詳細な構造を以下に説明する。
【0017】
まず、前記軸筒1は、前端に螺合等の手段で着脱可能に連結された先軸2と、同じく螺合等の手段で先軸2に着脱可能に連結された先具3とを備えており、その軸筒1の後部にはカム止め具4を介して蛇腹5とノックストローク部材6が取り付けられている。
【0018】
さらに詳述すると、前記カム止め具4は、前部大径筒部4Aと中間径筒部4Bと後部小径筒部4Cとが一体形成された段付き筒状体からなっており、前部大径筒部4Aが軸筒1の後部内面に嵌着固定されている。そして、前記カム止め具4の中間径筒部4Bの外側に蛇腹5とノックストローク部材6が軸方向へ移動可能に順次嵌挿されている。したがって、蛇腹5は、軸筒1の後端とノックストローク部材6の前端との間に介在されノックストローク部材6の軸方向移動に追従して伸縮するようになっている。
【0019】
また、前記カム止め具4内には、軸筒1内に挿入されたレフィール15を筆記位置でロックするロック機構としてカム機構7が組み込まれている。このカム機構7は、前記カム止め具4内に嵌着された筒状のカム本体8と、該カム本体8の内部に軸方向移動可能に配置された筒状の回転カム9と、該回転カム9に嵌挿されたノックカム10とからなり、前記カム本体8にはカム面8aが形成され、前記回転カム9には前記カム面8aに係合するカム突起9aが形成されている。かかるカム機構7は、後述するノック操作によるノックカム10の前進移動で回転カム9が前進しながら回転してカム突起9aがカム本体8のカム面8aの所定位置(カム山)に係合することにより、レフィールを筆記位置でロックする構造となっている。
【0020】
前記ノックカム10の後部には、筒状部11aを有するノック受け部材11の前記筒状部11aが嵌挿され、該ノック受け部材11はノックスプリング12によって後方に付勢されている。また、前記ノック受け部材11には、前記ノックストローク部材6の内面に形成された内段部からなる係止部6aに係脱可能に係止させるための係止突起11bが設けられており、この係止突起11bが前記ノックスプリング12の後端側のスプリング受けを兼ねている。
【0021】
一方、前記ノックストローク部材6は、軸筒1の後端に蛇腹5を介して同軸状に連結された後軸からなっており、その後端部には中心孔13aを有する尾冠13が着脱可能に嵌着されている。尾冠13の中心孔13aには、ノック部材を兼ねるクリップ14の基部が摺動可能に嵌挿されている。このクリップ14は、針金等の線状部材を折曲して形成されたもので、前部に湾曲クリップ部14aが形成され、後部がU字形状に折り返し形成され、その折り返し側の線状基部14bが前記尾冠13の中心孔13aに摺動可能に挿入されて前記ノック受け部材11に連結されている。
【0022】
ここで、ノック受け部材11は前述のようにノックスプリング12で後方に付勢されていることにより、その後方付勢力は、尾冠13を介してノックストローク部材(後軸)6にも及んでいる。このため、レフィール15が軸筒1内に退没したボールペン不使用時のノックストローク部材6は、前記ノックスプリング12の後方付勢力によって蛇腹5が伸びた後退位置に保持される。
【0023】
前記軸筒1内にはボールペンのレフィール15が軸方向移動可能に挿入され、該レフィール15はリターンスプリング16で後方に付勢されて前記回転カム9に連動するようになっている。すなわち、リターンスプリング16の後方付勢力によってレフィール15の後端が回転カム9の前端部に当接しているのである。
【0024】
以上において、カム止め具4の後端とノック受け部材11の係止突起11b前端との間は、レフィール15を筆記位置まで繰り出すためのノックストロークLとして設定されている。このノックストロークLにおいて、ノックストローク部材6の内段からなる係止部6aとノック受け部材11の係止突起11bとの間は、クリップ(ノック部材)14のノック操作によるノック力がノックストローク部材6および蛇腹5には及ばない第1段ノックストロークL1として設定され、また、前記係止部6aとカム止め具4の後端との間は、前記ノック力によってノックストローク部材6が前進する第2段ノックストロークL2として設定されている。
【0025】
次に動作について説明する。
まず、図3(A)に示すように、レフィール15が軸筒1内に退没した状態では、カム機構7の回転カム9とノックカム10およびノック受け部材11は、リターンスプリング16およびノックスプリング12の後方付勢力によって、それぞれが後退位置に保持されている。
【0026】
その状態において、クリップ14の後端をノックすると、該クリップ14に連結されたノック受け部材11の係止突起11bがノックストローク部材6の係止部6aに当接するまでの第1段ノックストロークL1では、前記ノック受け部材11とノックカム10と回転カム9およびレフィール15(これらを以下レフィール15系統という)が一体的に前進移動するが、ノックストローク部材6および蛇腹5は静止したままの状態に維持される。
【0027】
そして、クリップ14の後端ノックの継続操作により、前記ノック受け部材11の係止突起11bがノックストローク部材6の係止部6aに当接する(図3(B)参照)。該当接後のノック受け部材11は前進移動を継続して第2段ノックストロークL2に移行・前進する(図3(C)参照)。すなわち、第2段ノックストロークL2では、ノック受け部材11の係止突起11bがノックストローク部材6の係止部6bに係止した状態でノック受け部材11とノックカム10と回転カム9が一体的に前進移動を継続することにより、前記ノック受け部材11でノックストローク部材6が押されて前進し、蛇腹5が圧縮される。蛇腹5の圧縮位置ではレフィール16が筆記位置に突出してカム機構7でロック保持される。このとき、クリップ14の後端ノックを解除すると、ノックスプリング12の付勢力でノック受け部材11が後退移動することにより、該ノック受け部材11に追従してノックストローク部材6も後退移動すると共に蛇腹5も元の静止位置まで伸びる(図3(D)参照)。
【0028】
以上説明した実施の形態1によれば、クリップ14の後端ノックでレフィール15を筆記位置まで前進させるノックストロークLのうち、クリップ14の後端ノック初期のノックストロークを第1段ノックストロークL1として設定し、この第1段ノックストロークL1ではクリップ14のノック力がノックストローク部材6に伝達されずにレフィール15系統に伝達されて該レフィール15が前進させられるようにすると共に、前記第1段ノックストロークL1の前部に第2段ノックストロークL2を連続して設定し、この第2段ノックストロークL2でのレフィール15の前進移動時にのみクリップ14の後端ノック力がノックストローク部材6に伝達されて該ノックストローク部材6が前進移動するように構成したので、クリップ14の後端ノックによるレフィール15の繰り出し時におけるノックストローク部材6の移動距離および該ノックストローク部材6で圧縮される蛇腹5の圧縮率(圧縮距離)を小さくでき、このため、シャープペンシルと同一の蛇腹圧縮率を確保するために蛇腹5の全長を短くする必要がなく、該蛇腹5の過度圧縮を抑制できて該蛇腹5の早期疲労を防止できるという効果がある。
【0029】
したがって、前記第2段ノックストロークL2をシャープペンシルの芯繰出時のノックストロークと同じに設定することができ、その設定により、蛇腹5の全長をシャープペンシルの芯繰出時のノックストロークに合わせた寸法に短くできるものでありながら、第1段ノックストロークL1と第2段ノックストロークL2とによって、シャープペンシルよりも長いノックストロークを必要とするボールペンのノックストローク部材の軸方向移動をシャープペンシルのノックストローク距離とほぼ同一に確保することができるという効果がある。
【0030】
また、上記実施の形態1によるノック式ボールペンでは、軸筒1とノックストローク部材6を同一外径に形成すると共に、線状部材を折曲しただけで形成されたクリップ14をノック部材として適用し、該クリップ14後部の折り返し側の線状基部14bを尾冠13の中心孔13aに摺動可能に挿入してノック受け部材11に連結したので、全体がシンプルでデザイン性に優れたノック式ボールペンを得ることができるという効果がある。
【0031】
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2によるノック式筆記具の要部を示す断面図、図5は図4のA−A線に沿った断面図であり、図1〜図3と同一の構成要素には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態2では、蛇腹5の内周面が当接する部材となっているカム止め具4の外周面に、前記蛇腹5の圧縮・伸長に伴って該蛇腹5を圧縮前の位置に戻すための空気溝17を、カム止め具4の周方向に所定の間隔で設けたことを特徴とするものである。なお、本実施形態の空気溝17は周方向に一通であるが、この空気溝は螺子溝でも軸方向溝でも蛇腹の内周面との間に一定の空気流通経路が確保できるものであれば良い。
【0032】
このように、カム止め具4の外周面に凹凸部17,18を設けたことにより、該凹凸部17,18の凸部18にのみ蛇腹5の内周面が軸方向へ摺接可能に当接し、かつ、凹部17が蛇腹18の圧縮・伸長時における空気流路を形成するので、蛇腹5の内周面が当接する部材の一つである前記カム止め具4に蛇腹5が張り付くのを防止でき、このため、蛇腹が捲れて該蛇腹5の内周面が当接する部材の生地が露出してしまうようなことがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態1によるノック式筆記具を示す断面図である。
【図2】図1の外観図である。
【図3】動作説明図である。
【図4】本発明の実施の形態2によるノック式筆記具の要部を示す断面図である。
【図5】図4のA−A線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 軸筒
2 先軸
3 先具
4 カム止め具
4A 前部大径筒部
4B 中間径筒部
4C 後部小径筒部
5 蛇腹
6 ノックストローク部材
6a 係止部
6b 係止部
7 カム機構(ロック機構)
8 カム本体
8a カム面
9 回転カム
9a カム突起
10 ノックカム
11 ノック受け部材
11a 筒状部
11b 係止突起
12 ノックスプリング
13 尾冠
13a 中心孔
14 クリップ(ノック部材)
14a 湾曲クリップ部
14b 線状基部
15 レフィール
16 リターンスプリング
17 空気溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸筒と、該軸筒の後部に軸方向へ移動可能に取り付けられたノックストローク部材と、該ノックストローク部材と前記軸筒との間に介在され、前記ノックストローク部材の移動に追従して軸方向へ伸縮する外装用の蛇腹と、前記軸筒内に前後進移動可能に挿入されて後退方向に付勢されたレフィールと、該レフィールを後退付勢力に抗して前進移動させるノック部材とを備えたノック式筆記具において、
前記ノック部材と前記ノックストローク部材とを間欠的に連動させ、前記ノック部材のノック時に前記レフィールの系統のみを所定の距離だけ前進移動させる第1段ノックストロークと、この第1段ノックストロークだけ前進移動した後のレフィールをさらに続けて筆記位置まで前進移動させる第2段ノックストロークとを設定し、前記第2段ノックストロークでのレフィールの前進移動時にのみ前記ノックストローク部材を前記ノック部材のノック力で前進移動させるように構成したことを特徴とするノック式筆記具。
【請求項2】
前記ノックストローク部材の内部にはノック受け部材が軸方向移動可能に配置されて該ノック受け部材にノック部材が連結されており、ノック部材のノック操作でノック受け部材が前記第1段ノックストロークから第2段ノックストロークに移行前進する際に前記ノック受け部材が前記ノックストローク部材に係脱可能に係止して該ノックストローク部材を前進移動させるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のノック式筆記具。
【請求項3】
前記ノック受け部材とレフィールとの間には、ノック部材のノック時に前記ノック受け部材を介して前進移動し、レフィールを前進移動させて該レフィールを筆記位置でロックするロック機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のノック式筆記具。
【請求項4】
蛇腹の内周面が当接する部材には、蛇腹の圧縮・伸長に伴って該蛇腹を圧縮前の位置に戻すための空気溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のノック式筆記具。
【請求項5】
前記ノック部材は、線状部材を屈曲して形成されたクリップからなっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のノック式筆記具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate