説明

ノンフライインスタント調理用乾燥ヌードルの製造方法

本発明は、ノンフライインスタント調理用乾燥ヌードルの製造方法であって、
a)油、小麦粉、水、並びに塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びポリリン酸ナトリウムを含む濃縮物の混合物を調製するステップと、b)前記混合物を大気圧より高い圧力で反応させるステップと、c)小麦粉、水、鹹水溶液及び前記反応混合物の一部、を含む生地混合物を調製するステップと、d)前記生地混合物を、練り、ローラーで延ばしてシートにし、切断して細片にし、蒸気処理によって処理するステップと、e)前記生地混合物を空気乾燥するステップとを含む方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ノンフライインスタント調理用又は浸漬用乾燥ヌードルの製造方法に関する。
【0002】
ノンフライ乾燥インスタント調理用ヌードルの調製は既に知られている。米国特許第4,098,906号は、生ヌードルの表面を食用油の水性エマルジョンで被覆すること、前記被覆したヌードルを蒸気で加熱すること、前記蒸気処理したヌードルを乾燥することを含む、ノンフライ乾燥インスタントヌードルの調製方法に関する。この方法で得られたヌードルの問題は、調理後又は湯に浸漬後に消費者に得られた味が本当に揚げたヌードルの味のようではないことである。
【0003】
従って、方法発明の目的は、得られたノンフライヌードルが、全く揚げることなく調製したにも拘らず、消費者にとって揚げた味を本当に有する方法を開発することである。
【0004】
本発明は、ノンフライインスタント調理用又は浸漬用乾燥ヌードルの製造方法であって、
a)油、小麦粉、水、並びに塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びポリリン酸ナトリウムを含む濃縮物、の混合物を調製するステップと、
b)前記混合物を大気圧より高い圧力で反応させるステップと、
c)小麦粉、水、鹹水溶液及び前記反応混合物の一部、を含む生地混合物を調製するステップと、
d)前記生地混合物を、練り、ローラーで延ばしてシートにし、切断して細片にし、蒸気処理によって処理するステップと、
e)前記生地混合物を空気乾燥するステップと
を含む方法に関する。
【0005】
本発明の特殊性は、中華鍋又は任意のその他の反応装置で予備反応させることである。この香味反応段階の間、溶液中で少なくとも60倍以上濃縮された成分を小麦粉と共に油中で揚げた。この濃縮物は、上記のようなヌードル製造で使用される普通の成分を含有する。油/小麦粉/濃縮物の重量比は、1/1/1から3/2/10の間である。最も好ましくは、この比は3/2/4である。
【0006】
この予備反応ステップで使用した油は、任意の食用油であることができる。最も好ましくはこの油は、パーム油若しくはパームオレインの単独、又は組合せである。
【0007】
予備反応の条件は重大ではない。しかし、この反応は大気圧より高い圧力で実施されるのが好ましい。好ましい実施形態によれば、圧力は2から6バールの間である。反応の継続時間は通常10から90分間である。系内の圧力が高ければ高い程、反応時間は短い。予備反応の温度は100℃より高い。この温度は110から150℃の間である。好ましくは、この温度は125から140℃の間である。
【0008】
この予備反応後、小麦粉、水、鹹水溶液及びその他の添加物を含む慣用の生地混合物にこの濃縮香味剤の小部分を加える。使用される濃縮香味剤の量は通常0.5から5%の間(小麦粉ベース)である。使用される量は好ましくは約1%である。この説明で示したパーセントは全て重量%である。鹹水溶液は、1重量%の塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びポリリン酸ナトリウムを含有する水溶液である。生地混合物中の鹹水溶液の量は、10から25部の間である。
【0009】
本発明に従って使用される小麦粉は重大ではない。使用される小麦粉は通常の薄力粉であることが好ましい。
【0010】
その他の添加物を生地混合物に加えることができる。これらの添加物は、タピオカ及び馬鈴薯澱粉、少量の油、並びに炭酸カリウム、塩化ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及び食用ゴムからなる群より選ばれた他の一般的な添加物、である。
【0011】
油の量は、最終組成物の0から5%の間である。タピオカ及び馬鈴薯澱粉の量は、0から20%である。これらの成分は単独で又は組み合わせて使用できる。
【0012】
乾燥ステップは、熱風炉において、又はインピンジメント乾燥によって実施できる。乾燥温度は、使用した乾燥のタイプに依存する。熱風炉乾燥の場合、この温度は70℃以上のように、低くて良い。インピンジメント乾燥の場合、この使用される温度は200℃以下に到達して良い。
【0013】
また、乾燥に使用される空気の速度に関し、これも乾燥のタイプに依存する。熱風炉乾燥では、より低速度、例えば2〜10m/sを使用できる。一方、インピンジメント乾燥の場合、20から60m/sのように、より高速度を使用できる。
【0014】
乾燥時間に関し、これも乾燥の仕方に依存する。熱風炉乾燥の場合、30から60分間である。インピンジメント乾燥の場合、それはより速く、1から5分間である。
【0015】
ヌードルの最終含水率は12%未満である。好ましい実施形態では、含水率は5%未満である。
【0016】
本発明は更に、本発明によって得られた製品、即ち、0から3%の間の量の油を含有するノンフライインスタント調理用乾燥ヌードルであって、前記油が生地中にあり、含水率が5%未満であり、更なる小麦粉、馬鈴薯及びタピオカ澱粉、並びに少量の香料を含み、前記香料が油、小麦粉、並びに塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びポリリン酸ナトリウムを含む濃縮鹹水の反応生成物、であるヌードルに関する。
【0017】
次いで、消費者はノンフライヌードルをすぐに使用できる。消費者は、調理するか、湯に浸漬することによって調製できる。浸漬は70から100℃の間の温度で実施される。浸漬温度は90から100℃の間であることが好ましい。味は揚げたヌードル製品に本当に近い。
【0018】
以下の実施例は本発明を更に説明する。
【0019】
[実施例1]
乾燥小麦粉20部、パーム油30部、水32部及び濃縮鹹水12部を一緒に混合し、3バールの圧力で1時間反応させる。
【0020】
3%の予備反応させた香料(小麦粉ベース)を生地混合中の生地に加えた。次いで生地を通常のヌードル加工で加工する。蒸気処理後のヌードルをインピンジメント乾燥機中150℃で5分間乾燥する。
【0021】
このヌードルは、予備反応させた香料を含まず慣用の乾燥機で乾燥したヌードルと比較して、良好な揚げた味を有する。
【0022】
[実施例2]
乾燥小麦粉20部、パーム油25部、水25部及び濃縮鹹水15部を一緒に混合し、6バールの圧力で30分間反応させる。
【0023】
2%の予備反応させた香料(小麦粉ベース)、2%の油及び5%の澱粉を生地混合中の生地に加える。次いで生地を通常のヌードル加工手順で加工する。蒸気処理したヌードルをインピンジメント乾燥機中180℃で2分間乾燥する。
【0024】
このヌードルは、揚げたヌードルのように、良好な揚げた味、外観及び質感を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノンフライインスタント調理用乾燥ヌードルの製造方法であって、
a)油、小麦粉、水、並びに塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びポリリン酸ナトリウムを含む濃縮物、の混合物を調製するステップと、
b)前記混合物を大気圧より高い圧力で反応させるステップと、
c)小麦粉、水、鹹水溶液及び前記反応混合物の一部、を含む生地混合物を調製するステップと、
d)前記生地混合物を、練り、ローラーで延ばしてシートにし、切断して細片にし、蒸気処理によって処理するステップと、
e)前記生地混合物を空気乾燥するステップと
を含む方法。
【請求項2】
使用した油が、パーム油又はパームオレインのような任意の食用油である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合物を2から6バールの間の圧力で反応させる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記混合物を10から90分間反応させる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記反応混合物の0.5から5%を前記生地混合物に加える、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
他の添加物が前記生地混合物に加えられ、前記添加物が、タピオカ及び馬鈴薯澱粉、少量の油、並びに炭酸カリウム、塩化ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及び食用ゴムからなる群より選ばれた他の一般的な添加物、である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
油の量が0から5%の間である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
タピオカ及び馬鈴薯澱粉の量が0から20%の間である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
乾燥が熱風炉内又はインピンジメント乾燥によって実施される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
乾燥が70から200℃の間の温度で実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
乾燥が2から60m/sの間の風速で実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
乾燥が1から5分間のインピンジメント乾燥によって実施される、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
乾燥が熱風炉内において30から60分間で実施される、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
最終的なヌードルの含水率が12%未満である、請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
0から3%の間の量の油を含有するノンフライインスタント調理用乾燥ヌードルであって、前記油が生地中にあり、含水率が5%未満であり、更なる小麦粉、馬鈴薯及びタピオカ澱粉、並びに少量の香料を含み、前記香料が油、小麦粉、並びに塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びポリリン酸ナトリウムを含む濃縮物の反応生成物、であるヌードル。

【公表番号】特表2008−524996(P2008−524996A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547191(P2007−547191)
【出願日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014665
【国際公開番号】WO2006/066609
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】