説明

ノード装置、通信システム、及び故障切替方法

【課題】少ない容量の予備通信路を用い、かつ、通信路の切り替えを行う装置の消費電力等を増大させることなく、複数の現用通信路の故障時に通信途絶を防止する。
【解決手段】ノード装置において、大粒度切替機能部と、小粒度切替機能部と、前記大粒度切替機能部と前記小粒度切替機能部との間で高次通信路の帯域を削減するフィルタ機能部と、前記小粒度切替機能部に接続される迂回高次通信路との間の多重・分離機能部と、制御機能部と、を備え、前記制御機能部が、前記ノード装置及び前記他のノード装置との間の通信路の故障を検出した際に、前記フィルタ機能部が、当該故障した通信路に対応する単数あるいは複数の高次通信路の信号の帯域を削減し、前記小粒度切替機能部が、当該帯域の削減された信号を前記迂回高次通信路に接続することにより通信路切替を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拠点間の通信路によりトラフィックを転送する通信網の故障復旧技術に関連するものであり、特に、少ない予備(迂回)通信路の容量で、装置規模の増大を回避しながら、現用通信路の通信途絶を防止し、通信網の高信頼化を実現するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大規模な通信ネットワークのバックボーンである基幹通信網は、ノード装置を光ファイバなどで接続して構成される。基幹通信網は、当該ノード装置とクライアント装置との間のインターフェースであるUNI(User Network Interface)によりクライアント信号を受信し、クライント装置の様々な信号種別のトラフィックをクライアントが指定したサービス品質(サービスクラス)で、複数拠点間で転送する機能を提供する。また、場合によっては、基幹通信網の入り口で、複数クライアントの信号を、波長多重、時分割多重、可変長非同期のパケット信号の統計多重などの様々な多重方式を用いて、より大容量な高次の通信路に多重し転送する機能を提供する。このような基幹通信網で転送されるトラフィックは増加し続け、数T〜数百Tbps(例えば、単一のWDMシステムで100Gbps×80波の80Tbps)にも達すると予想されている。
【0003】
近年、基幹通信網のトラフィックを効率的に転送するため、WDM(Wavelength Division Multiplexing)にて波長多重された波長を光クロスコネクトなどで切り替えて通信を行う光回線交換、ITU-T勧告G.709[非特許文献1]で規定されるTDM(Time Division Multiplexing)回線交換、IETF、及びITU-Tで規定されるMPLS-TP(Multi-Protocol Label Switching Transport Profile)[非特許文献2]等のパケットベースの回線交換、等の複数のテクノロジをノード装置に実装し、多重、交換を行う技術が検討されている[非特許文献3]。
【0004】
即ち、処理の規模が転送帯域に比例しない光クロスコネクト等の方法で大容量のトラフィックを大容量の回線交換で処理することによりノード負荷・消費電力を抑えつつ、小粒度のトラフィックを、時分割多重、またはパケット多重により高効率に大容量回線に多重して、効率的に基幹通信網を構築している。
【0005】
さて、上述した基幹通信網等の通信網においては一般に、通信網内で冗長な予備リソースを割り当てることにより、信頼性の向上を実現している。しかし、転送されるトラフィックに必要な信頼性の度合いは様々であるため、全てのトラフィックに対して一律に予備リソースを割り当ててしまうと過剰なリソースを提供することになり非効率である。そこで、複数のトラフィックに対し、その信頼性の度合い(クラス、優先度等)を考慮し、必要に応じて故障復旧のためのリソースを提供し、想定サービスに対して過剰な転送リソースの提供を排除することで、省リソースに通信網の高信頼性を実現することが求められる。
【0006】
特に、現在の基幹通信網のクライアントが基幹通信網を利用して、拠点間で転送させるトラフィックはEthernet等のパケット/フレーム単位でデータを送信するパケットデータによるトラフィックが主流となっており、その転送要求品質も多様化している。例えば、その中には最低帯域保証のような転送帯域を部分的に保証する(その他の部分は保証されないことをクライアントが許容している)サービスクラスもある。このようなサービスクラスのクライアントに対しては、通信網に故障が発生した最低保証帯域以上の予備リソースを割当てる必要がある場合もあれば必要性が無い場合もある。クライアントの転送要求の多様化に従い、基幹通信網の高信頼化技術もこれまで以上に多くのサービスメニューを用意する必要が生じている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】ITU-T Recommendation G.709
【非特許文献2】IETF RFC5921
【非特許文献3】M. Fukutoku, et. al, OFC/NFOEC 2011, NMC5 (2011).
【非特許文献4】IETF RFC3630
【非特許文献5】IETF RFC3476
【非特許文献6】IETF RFC3209
【非特許文献7】IETF RFC3213
【非特許文献8】ITU-T Recommendation G.7041
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した基幹通信網における従来の故障復旧技術には以下で説明する課題がある。
【0009】
故障復旧においては、故障した現用通信路を予備通信路(迂回通信路とも呼ぶ)に切り替えることにより、現用通信路での通信の途絶を防止している。基幹通信網における代表的な故障復旧技術として、光クロスコネクト等の切替装置により、現用通信路の故障時に予備通信路に切り替えるプロテクション方式がある。例えば、1:1プロテクション等の予備通信路を1つの現用通信路が占有するプロテクション、及び1:NプロテクションやM:Nプロテクション等の予備共用プロテクションなどがある。
【0010】
このうち、予備共用プロテクションは、予備通信路を複数の現用通信路で共用する方式であり、省リソースで高信頼化を実現する故障復旧方式として位置づけられる。しかしながら、この方式を光パス網(波長パス網)など通信路のリソースが物理リソースと対応する網で構成すると、予備帯域を同時に複数のクライアントが共有できなくなるという問題がある。
【0011】
この理由は、光パス網のリソースは、波長等の物理リソースと固定的に結びついて管理されているため、物理リソースを複数に分解できないからである。このため、同じ予備通信路を共用する複数の現用通信路に故障が発生した場合、そのうち一つの現用通信路が占有する形でしか予備リソースを使用することができず、一度には単一の現用通信路しか復旧できず、それ以外の通信路の通信が途絶する課題があった。
【0012】
図1に、通信路を切り替える方式の第1の従来例として、上記の予備共用プロテクションに相当する例を示す。
【0013】
図1に示す第1の従来例では、大容量通信路を大粒度切替装置1、2で切り替えて故障復旧を行う。ここで、大容量通信路とは、通信網における通信路の最大帯域の通信路であり、大粒度切替装置とは、通信網における通信路の最大帯域の粒度(大容量通信路の粒度)以上の粒度で切り替えを行う装置である。大粒度切替装置は、例えば、大容量通信路が波長パスの場合は、光クロスコネクト装置が該当する。なお、小容量通信路とは、大容量通信路の容量未満の通信路である。
【0014】
大粒度切替装置は、大容量通信路の帯域と同帯域の粒度でしか通信路を切り替えできないため、故障時用の迂回通信路を複数の現用通信路で共用した場合、複数の現用通信路が同時故障となると、一つの現用通信路しか迂回通信路を利用することができない。すなわち、図1(a)に示す通常状態から、図1(b)に示すように2本の現用通信路に故障が発生した場合、1本分の現用通信路のみを迂回通信路に切り替えることができる。
【0015】
なお、実運用上、故障した複数の現用通信路の優先順位がはっきりしている場合など、このような動作が適する場合もあるが、より一般的な場合である複数の現用通信路を対等に処理したい場合には、適さない方法である。
【0016】
複数の現用通信路にて故障が発生した場合でも通信の途絶を防止するためには、迂回通信路の帯域を複数の現用通信路で共用するための仕組みが必要である。そのような仕組みの従来例を、通信路を切り替える方式の第2の従来例として図2に示す。
【0017】
第2の従来例では、大容量通信路を、小粒度切替装置3、4で切り替えて故障復旧を行う。ここで、小粒度切替装置とは、通信網における通信路に収容可能なトラフィックの最大帯域の粒度(大容量通信路の粒度)未満の粒度で切り替えを行う機能を備えた装置であり、例えば、ATMやMPLS-TPのような、全てフレーム/パケット単位で処理を行う装置が該当する。
【0018】
小粒度切替装置を利用した場合は、複数の現用通信路にて故障が発生した際に、現用通信路の通信の帯域を絞り込むことにより、迂回通信路の帯域を複数の現用通信路で共用することができる。すなわち、図2(a)に示す通常状態から、図2(b)に示すように2本の現用通信路に故障が発生した場合、帯域を絞り込むことにより、2本分の現用通信路を迂回通信路に切り替えることができる。
【0019】
なお、複数のレイヤ(階梯)からなるマルチレイヤの通信網では、小粒度切替装置と大粒度切替装置の双方を備え、どちらでも通信路を切り替えることを可能とする構成も考えられる。この場合、大粒度切替装置を利用して通信路を切り替えるか、もしくは、小粒度切替装置を利用して通信路を切り替えるかのいずれかであり、大粒度切替装置を利用して通信路を切り替える場合は図1に示した第1の従来例と同様であり、小粒度切替装置を利用して通信路を切り替える場合は図2に示した第2の従来例と同様である。
【0020】
上記のように、図2に示した第2の従来例では、迂回通信路の帯域を複数の現用通信路で共用でき、通信の途絶を防止できるという利点がある。
【0021】
しかし、現在の技術では、第2の従来例のように通信路の切り替えを、全てフレーム単位で処理を行う小粒度切替装置で行う場合、回線帯域の増加に比例して装置の処理量が大きくなり、大容量の場合は消費電力や装置規模が増大するという問題がある。これにより、特に近年のトラフィック増加のスピードに対応するためのスケーラビリティに問題が生じる。
【0022】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、予備通信路への切り替えを行うことにより現用通信路の通信の故障復旧を行う通信網において、少ない容量の予備通信路を用い、かつ、通信路の切り替えを行う装置の消費電力や設備量を増大させることなく、複数の現用通信路の故障時に通信途絶を防止することを可能とした技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の課題を解決するために、本発明は、クライアント装置と低次通信路を介して接続されるとともに、当該低次通信路を収容する高次通信路を介して他のノード装置と接続されるノード装置であって、
大粒度の通信路切替機能を備えた大粒度切替機能部と、
小粒度の通信路切替機能を備えた小粒度切替機能部と、
前記大粒度切替機能部と前記小粒度切替機能部との間で高次通信路の帯域を削減するフィルタ機能部と、
前記小粒度切替機能部に接続される迂回高次通信路へ信号を送信する際の信号多重処理、及び迂回高次通信路から当該小粒度切替機能部が信号を受信する際の信号分離処理を行う多重・分離機能部と、
故障検出機能、前記大粒度切替機能部及び前記小粒度切替機能部に対する切替命令機能、及び前記フィルタ機能部に対するフィルタ動作設定機能を含む制御機能部と、を備え、
前記制御機能部が、前記ノード装置及び前記他のノード装置との間の通信路の故障を検出した際に、前記フィルタ機能部が、当該故障した通信路に対応する単数あるいは複数の高次通信路の信号の帯域を削減し、前記小粒度切替機能部が、当該帯域の削減された信号を前記迂回高次通信路に接続することにより通信路切替を行うことを特徴とするノード装置として構成される。
【0024】
前記制御機能部は、通信路の優先度を識別する機能を備え、通信路の故障を検出した際に、当該通信路の優先度に応じて、前記フィル多機能部で削減する帯域値を変更するように構成してもよい。
【0025】
また、前記制御機能部は、通信路の故障状態、もしくは故障を検出した高次通信路の優先度を識別する機能を備え、前記通信路の故障状態、もしくは前記優先度に応じて、前記大粒度切替機能部による通信路切替と、前記小粒度切替機能部による通信路切替のうちのいずれを実施するかを決定するように構成してもよい。
【0026】
また、前記制御機能部は、通信路の故障を検出した際に、当該通信路の故障状態に応じて、前記フィル多機能部で削減する帯域値を変更するように構成してもよい。
【0027】
また、前記ノード装置において、前記大粒度切替機能部の数は複数であり、当該複数の大粒度切替機能部により、前記小粒度切替機能部を共有するように構成してもよい。
【0028】
また、例えば、前記大粒度切替機能部を光クロスコネクト装置により構成するとともに、前記小粒度切替機能部をTDMクロスコネクト装置により構成する、もしくは、前記小粒度切替機能部及び前記フィルタ機能部をパケットスイッチにより構成するようにしてもよい。
【0029】
また、本発明は、上述したノード装置を光ファイバにより接続した通信システムとして構成することもできる。
【0030】
更に、本発明は、クライアント装置と低次通信路を介して接続されるとともに、当該低次通信路を収容する高次通信路を介して他のノード装置と接続されるノード装置が実行する故障切替方法であって、
前記ノード装置は、大粒度の通信路切替機能を備えた大粒度切替機能部と、小粒度の通信路切替機能を備えた小粒度切替機能部と、前記大粒度切替機能部と前記小粒度切替機能部との間で高次通信路の帯域を削減するフィルタ機能部と、を含み、前記故障切替方法は、
通信路の故障を検出した際に、当該通信路の故障状態、もしくは故障を検出した通信路に対応する高次通信路の優先度を判別するステップと、
前記通信路の故障状態、もしくは前記優先度に応じて、前記大粒度切替機能部による通信路切替と、前記小粒度切替機能部による通信路切替のうちのいずれを実施するかを決定するステップと、
前記小粒度切替機能部による通信路切替を行う場合に、前記フィルタ機能部が、当該故障した通信路に対応する単数あるいは複数の高次通信路の信号の帯域を削減し、前記小粒度切替機能部が、当該帯域の削減された信号を迂回高次通信路に接続することにより通信路切替を行うステップとを備えたことを特徴とする故障切替方法として構成してもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、予備通信路への切り替えを行うことにより現用通信路の通信の故障復旧を行う通信網において、少ない容量の予備通信路を用い、かつ、通信路の切り替えを行う装置の消費電力や設備量を増大させることなく、複数の現用通信路の故障時に通信途絶を防止することを可能とした技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】通信路を切り替える方式の第1の従来例を説明するための図である。
【図2】通信路を切り替える方式の第2の従来例を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る通信システムの概要を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る通信システムの概要を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る通信システムの原理構成図である。
【図6】第1の実施の形態に係る通信システムの構成図(通常状態)である。
【図7】第1の実施の形態に係る通信システムの構成図(故障切替状態)である。
【図8】制御機能部が記憶する情報の例を示す図である。
【図9】高優先波長パスが故障した場合における切替手順を示すフローチャートである。
【図10】低優先波長パスが故障した場合における切替手順を示すフローチャートである。
【図11】制御機能部が保持するテーブルの例を示す図である。
【図12】制御機能部が保持するテーブルの例を示す図である。
【図13】故障状態遷移の例を示す図である。
【図14】制御機能部が保持するテーブルの例を示す図である。
【図15】制御機能部が保持するテーブルの例を示す図である。
【図16】第4の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
【図17】第5の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
【図18】第6の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
【図19A】第6の実施の形態において、故障の無い正常状態を示す図である。
【図19B】第6の実施の形態において、故障時の状態を示す図である。
【図20】第7の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0034】
(実施の形態の概要)
<システム概要>
図3は、本発明の実施の形態に係る通信システムの概要を説明するための図である。図3に示すように、本発明の実施の形態に係る通信システムは、ノード装置50及びノード装置60が通信網70に接続されて構成されている。
【0035】
各ノード装置は、小粒度切替装置(52、62)と大粒度切替装置(51、61)の双方を備える。図3に示すように、大容量通信路は、大粒度切替装置(51、61)を通して通信網70に接続され、通常状態(図3(a))では、大容量通信路が小粒度切替装置(52、62)を通過しない。そして、故障が発生した場合(図3(b))にのみ、小粒度切替装置(52、62)にトラフィックを経由させ、小粒度切替装置(52、62)を小さい帯域で使用するように構成されている。通信路が故障状態となる時間は、通常状態である時間よりも大幅に短いため、本発明の技術によれば、小粒度切替装置(52、62)を使用する時間を大幅に抑え消費電力を抑えることができる。
【0036】
また、図4に示すように、小粒度切替装置を使用する時間が短いことを利用して、通信網内の複数の大容量通信路グループ(すなわち、複数の大粒度切替装置51、61)が小粒度切替装置52、62をシェアする構成を採用することもできる。これにより、通信網全体で必要となる小粒度切替装置の規模を削減することができる。
【0037】
一方、故障状態のときにのみにトラフィックを小粒度切替装置に通過させ、小粒度切替装置と多重・分離機能により帯域を共有することで、複数の現用通信路に迂回通信路の帯域を配分し、複数の現用通信路で同時に迂回通信路を使用することができるようになる。
【0038】
<ノード装置の原理構成>
図5に、本発明の実施の形態に係る通信システムの原理構成図を示す。図5では、通信網30(転送網と呼んでもよい)に接続された対向する2つのノード装置10、20が示されている。また、一例として、図5では、故障状態を示している。
【0039】
2つのノード装置10、20は同じ機能を有するため、以下の機能構成の説明では、ノード装置10を中心にして説明する。
【0040】
図5に示すように、本発明の実施の形態に係るノード装置10は、大粒度切替機能部11、小粒度切替機能部12、帯域フィルタ機能部13、多重・分離機能部14、及び制御機能部15を有する。以下のそれぞれの機能部の機能を説明する。なお、以下で説明する機能は、基本的に他の実施の形態における対応する機能部も有する機能である。
【0041】
大粒度切替機能部11は、高次通信路に接続され、高次通信路を大容量の切替単位で切り替える機能を備える。この機能としては、例えば、大容量通信路に適した回線交換方式を採用する切替機能が適用される。
【0042】
ここで、高次通信路とは通信網の物理IFの最大帯域と同じ粒度の通信路である。本実施の形態では、例えば、通信網としてOTN網(ITU-T Recommendation G. 709)を想定しており、その場合、物理IFとしては、OTU(Optical-channel Transport Unit)IFが該当する。もちろん、本発明を適用できる通信網はOTN網に限られるわけではない。
【0043】
小粒度切替機能部12は、低次通信路を小容量の切替単位で切り替える機能を備える。小粒度切替機能部12は、帯域フィルタ機能部13に接続されるとともに、多重・分離機能部14を介して高次通信路(迂回用高次通信路)に接続される。上記切り替える機能として、例えば、小容量の通信路切替に適したパケット交換方式を採用する切替機能が適用される。
【0044】
ここで、低次通信路とは高次通信路に多重(1:1の場合も含む)もしくはマッピング可能な通信路のことである。
【0045】
帯域フィルタ機能部13は、大粒度切替機能部11と小粒度切替機能部12との間に備えられ、大粒度切替機能部11から小粒度切替機能部12へ接続される低次通信路のトラフィックの一部を制御機能部15の指定した方法で選択し、制御機能部15の指定した帯域までトラフィックをフィルタする機能を備える。制御機能部15が指定する帯域としては、例えば、最低保証帯域の帯域値などがある。
【0046】
多重・分離機能部14は、複数の低次通信路のトラフィックを高次通信路へ多重する機能、及び、高次通信路に多重されている低次通信路を分離する機能を備える。
【0047】
制御機能部15は、大粒度切替機能部11、小粒度切替機能部12の切替装置への入力点、出力点を指定して切替命令を与える機能を備える。ここで、入力点/出力点は、切替制御の単位となる、入力/出力IFの波長、タイムスロット、Ethernetフレームで利用されるVLAN IDなどの物理/論理ラベルや、ファイバポート等である。また、制御機能部15は、帯域フィルタ機能部13に対し、フィルタするトラフィックの決定方法、及びフィルタ後の帯域を指定する機能を備える。
【0048】
制御機能部15は、また、通過する低次通信路と接続される高次通信路の故障検出機能または他の通信路の割込み検出機能を備え、通信路毎に故障状態を把握する機能を備える。ここで、他の通信路の割込みとは他の通信路が、それまでリソースを利用していた通信路のリソースを奪って使用することを意味する。制御機能部15は、更に、故障検出もしくは通信路割込みをトリガとして、大粒度切替機能部11の切替状態、小粒度切替機能部12の切替状態、および帯域フィルタ機能部13のトラフィックの決定方法とフィルタ後の帯域値の変更命令を送出する機能を備える。また、隣接するノードと制御リンクを通じて制御情報を交換する機能も備える。
【0049】
更に、ノード装置10は、低次通信路と高次通信路の2種の通信路用のIFを備える。通信網への接続元となるクライアント装置側には低次通信路用のIF、転送網の内部用には高次通信路のIFを備える。低次通信路は小粒度切替機能部12の通信路切替単位、高次通信路は大粒度切替機能部11の通信路切替単位とすることができ、各切替機能部の接続状態を設定することで、ノード間に通信路を動的に生成することができる。
【0050】
また、ノード装置10は、大粒度切替機能部11の接続部(ポート、IF等)が、小粒度切替機能部12へ接続されているのか、または直接高次通信路に接続されているのかを、接続部(ポート、IF等)毎に接続状態を記憶管理する機能を備える。この機能は、例えば、制御機能部15に備えられる。
【0051】
本実施の形態に係るノード装置10では、故障や通信路割込みが検出されておらず、迂回通信路等への切り替えをしていない通常状態では、大容量の通信路が大粒度切替機能部11を通過する形で通信路を設定する。このようにして、通常時は、小粒度切替機能部12に大容量通信路に対する負荷がかからないようにする。一方、故障や通信路割込みを検出した場合は、影響を受けた複数の通信路を削減し、多重した上で、小粒度切替機能部12により迂回高次通信路に接続させる。このようにして、帯域の小さくなる迂回通信路利用時は、帯域削減機能、多重機能等と連携しやすい小粒度切替機能部12が活用される。
【0052】
<故障発生時の通信路切替処理手順例>
次に、故障発生時における、現用通信路から迂回通信路への通信路切替処理の概要例を説明する。なお、以下で説明する各ステップの具体例については、後述する第1の実施の形態で詳細に説明される。
【0053】
ここでの切替後の通信路として使用される迂回通信路はオペレータによるCLI(Command Line Interface)入力(制御機能部がCLIを備える場合)により、もしくは制御機能部15がIETF RFC3630[非特許文献4]で規定されるOSPF-TE(Open Shortest Path First)等のプロトコルにより収集したネットワークリソース情報を参照し決定しDijkstra法などの経路探索アルゴリズムにより事前に設定する。または、故障発生後に同様な方法で制御機能部15が故障パスと重ならない経路を探索して計算してもよい。なお、本発明において経路探索方法は特定の方法に限られるものではなく、本発明は経路計算手法には依存しない。ここでCLIとは、テキストベースでコマンドを入力して、オペレータの操作機能を提供するヒューマンインターフェースのことである。CLI入力とは、オペレータがCLIで期待された命令(コマンド)をキーボード等により入力することを意味する。
【0054】
ステップ100)制御機能部15が高次通信路もしくは低次通信路の故障を検出する。高次通信路の故障の場合は収容されている低次通信路が特定される。また、ここでの低次通信路の故障とは、高次通信路にマッピング(収容)された部分での故障等、本実施の形態に係る切り替えにより救済できる部分の故障である。また、高次通信路の故障とは、高次通信路を収容しているリンク(光ファイバ)の故障を含む。
【0055】
ステップ200)制御機能部15(25)は、故障している通信路を迂回ルートに切り替えるための切替設定を算出し(もしくは事前に設定された値を用いることもできる)、迂回通信路の始点、及び終点における大粒度切替機能部11、21、及び小粒度切替機能部12、22に対して迂回ルートへ切り替えるための切替命令を送信する。また、同時に小粒度切替機能部12、22を経由する通信路数と迂回ルート用の高次通信路の帯域を基に、帯域フィルタ機能部13(23)においてそれぞれの通信路の帯域を決定するための方法を指定し、それぞれの通信路についてフィルタ後の帯域を決定し、帯域フィルタ機能部13(23)に通知する。また、小粒度切替機能部12(22)を経由する通信路数と迂回ルート用の高次通信路の帯域を基に多重・分離機能部14(24)の多重・分離設定、高次通信路に多重されるそれぞれの低次通信路の識別情報が決定され、多重・分離機能部14(24)に通知される。さらに低次通信路に設定された識別情報と低次通信路の対応付け情報は制御リンクを通して受信側ノード装置20の制御機能部25に伝えられる。
【0056】
ステップ300)制御機能部15(25)からの切替命令を受信した大粒度切替機能部11(21)、および小粒度切替機能部12(22)は切替命令に従って切替設定を行う。
【0057】
ステップ400)制御機能部15(25)からの帯域フィルタ設定命令を受信した帯域フィルタ機能部13(23)はその内容に従いフィルタ設定を行う。
【0058】
ステップ500)制御機能部15(25)からの多重・分離設定命令を受信した多重・分離機能部14(24)はその情報に従い、送信側では低次通信路から高次通信路への多重設定と、受信側では高次通信路から低次通信路への分離設定を行う。なお多重する際は、ラベル、タイムスロット/波長等のリソース情報により高次通信路に多重されるそれぞれの低次通信路の識別情報が付与される。
【0059】
分離側では、受信した、低次通信路に設定された識別情報と低次通信路の対応付け情報をもとに高次通信路に収容した通信路を分離し低次通信路として出力する。
【0060】
以上に述べたノード構成を利用して上記手順の処理を行うことで、低装置規模かつ信頼性を担保することが可能な通信路の故障切替機能が実現される。なお、上記手順におけるステップ300〜ステップ500の順序は一例であり、これに限られるわけではなく、順序を変えてもよい。
【0061】
(第1の実施の形態)
次に、本発明に係る技術のより具体的な一例である第1の実施の形態について説明する。
【0062】
図6、図7に、第1の実施の形態に係る通信システムを示す。当該通信システムは、通信網300に接続された対向する2つのノード装置100、200を備える。図6は、故障切替を実施していない通常状態を示し、図7は、故障切替を実施した後の状態を示している。
【0063】
図6に示すように、切り替えが発生していない状態では、大容量トラフィックに対して効率の悪い小粒度切替機能部(本実施の形態ではODUクロスコネクト装置)は適用しない。図7に示すように、故障や通信路割り込み(これらを総称して"故障"と呼ぶこととしてもよい)により切り替えが必要な場合は、帯域をフィルタし、小粒度切替機能部を切り替え後の通信に適用する。以下、第1の実施の形態のノード装置の各機能を説明するが、2つのノード装置は同じ機能を有するため、ノード装置100を中心にして説明する。
【0064】
図6、7に示すように、第1の実施の形態に係るノード装置100は、大粒度切替機能部としての光クロスコネクト装置101、小粒度切替機能部としてのODUクロスコネクト装置102、帯域フィルタ機能部103、多重・分離機能部104、及び制御機能部105を有する。
【0065】
大粒度切替機能部としての光クロスコネクト装置101は、通信路の一形態である波長パス(前述した高次通信路に対応する)の切り替えを、電気処理を利用しないで行う装置である。また、大粒度切替機能部として、光クロスコネクト装置101に代えて、ファイバクロスコネクト装置を用いてもよい。ファイバクロスコネクト装置とは、入力のファイバポートと出力のファイバポートとを切り替える装置のことである。
【0066】
小粒度切替機能部としてのODUクロスコネクト装置102は、ODU(Optical Data Unit)パスの切替機能を持った装置であり、ITU-T G.709で規定されるODUコネクションを切り替える機能を備えた装置である。なお、ODUクロスコネクト装置と同義であるODU-SWを用いてもよい。ODU-SWは、G.709で規定されるODU信号を切り替える機能を備える装置である。
【0067】
帯域フィルタ機能部103は、トラフィックのポリシング機能を備えた帯域フィルタ回路である。ここで、ポリシング機能とは規定値以上の帯域の流入を監視し、トラフィックのクラス分けや廃棄を行う機能である。帯域フィルタ回路は、例えばLSIやFPGAなどの処理回路に実装する。
【0068】
多重・分離機能部104は、ODUパスのOTU(Optical Transfer Unit)への多重、OTUパスに多重されているODUパスの分離を実現する装置である。
【0069】
本実施の形態での制御機能部105は、計算機に制御ソフトウェアもしくはファームウェアをインストールすることにより実現する。また、本実施の形態では、制御リンクとしてイーサネットケーブルを使用する。
【0070】
また、光クロスコネクト装置101の通信網300側には、クライアント信号の信号フォーマットを受信するIF(Interface)であるTributary IFが実装される。例えば、クロスコネクトのポートと光ファイバコネクタ、Tributary IFの構成となる。
【0071】
Tributary IFとしては、ODUクロスコネクト装置102(小粒度切替機能部)へと接続されるものと、ODUクロスコネクト装置102を介さずに、直接Trunk IF (ノード装置100が備える基幹網側の長距離IF)に接続され、当該Trunk IFを介して高次パス(高次通信路)である波長パス(波長パスの信号としてOTUを利用する。)に接続されるものがある。制御機能部105は、各Tributary IFがこのどちらに属するかの情報、また、各Tributary IFの信号フォーマットおよびビットレートの情報をメモリ等の記憶手段に記憶している。制御機能部105が記憶する情報の例を図8に示す。
【0072】
ここでIFの信号フォーマットとはIFが送信する信号の通信規格の種別を意味する。例えばEthernet IFならばEthernet信号である。なお、大粒度切替機能部と小粒度切替機能部が同一装置にて実現される場合、大粒度切替機能部と小粒度切替機能部は、バス接続することが可能であり、その場合、図8の表に示した標準の信号フォーマット以外の独自のフォーマットも用いることができる。
本例では、本実施の形態のノード装置に接続されるクライアント装置のIF速度が100Gbpsであり、本実施の形態のノード装置の備えるTributary IFおよびTrunk IFの速度も100Gbpsであるとする。
【0073】
また、本実施の形態における低次通信路である低次パスは、本実施の形態のノード装置100に接続されているクライアント装置のIF(CL-IFと記述)を起点とし、対向のクライアント装置のIFを終点とする。低次パスを始点から終点まで通過する際、クライアント装置から送信され、ノード装置100で受信されたトラフィックに対して以下のような処理が行われる。
【0074】
クライアント装置から送信された信号は、ノード装置100内の光クロスコネクト装置101(大粒度切替機能部)のポートと接続されるように配置されたTributary IFで受信する。受信されたクライアント信号はIFに備えられるGFP(Generic Framing Procedure)[非特許文献8]、 (Generic Mapping Procedure)[非特許文献1]等の信号マッピング機能によりODU信号に変換される。ODU信号はTrunk IFにて高次パスのOTUのフォーマットに変換され、Trunk IFにより対向ノード装置200のTrunk IFまで伝送される。このような処理を行うTrunk IFには、ODUフレームの多重分離を行う多重分離機能、及び信号フォーマットを変換する機能であるOTNフレーマ回路を備えている。
ここで、低次パスのODUのフォーマットとは例えばODU 0〜4, ODU flexなどITU-T G.709で規定されるフォーマットであり、高次パスのOTUのフォーマットとは例えばOTU1〜4などのITU-T G.709で定められるフォーマットである。なお、光デバイスのみで処理可能な場合、電気処理によるフォーマット変換無しに、論理的な階梯定義上の変換が実施可能な場合もある。ここでは高次通信路である高次パスとは、低次パスを収容できる通信路であることを意味する。
【0075】
対向装置200で受信されたトラフィックはTrunk IFでODU信号に変換され、Tributary IFでさらにクライアントIFの信号フォーマットに変換され、終点のクライアント装置まで送信される。
【0076】
前述したように、光クロスコネクト装置101(大粒度切替機能部)に接続されているTributary IFは、ODUクロスコネクト装置102(小粒度切替機能部)を介さずに高次パスに接続されるIFと、ODUクロスコネクト装置102(小粒度切替機能部)へと接続されるIFがある。パス開通時または、故障が発生していない通常の状態では、制御機能部105がTributary IFの配置箇所を識別し、低次パスが、ODUクロスコネクト装置102(小粒度切替機能部)を介さず直接高次パスへつながるTrunk IFへ接続されているTributary IFに対して接続されるよう光クロスコネクト装置101(大粒度切替機能部)の接続状態を設定する。ここで、Tributary IFの配置箇所を識別するとは光クロスコネクト装置101のポートとTributary IFとの接続状態(どのポートと、どのTributary IFが接続されているか)を判別することを意味する。
【0077】
また、制御機能部105は低次通信路(低次パス)とそれに対応する高次通信路(高次パス)を最初に設定する際、各通信路(パス)のクラス情報を識別し、記憶する。
【0078】
上記のような状態で、切り替えが必要な故障が発生した場合、図7に示すように、故障したパスが高優先波長パスである場合は、故障したパスの全てについて光クロスコネクト装置101、201により切り替えを行うことで現用パスと同じ容量をもった迂回パスに対する切り替えを行う。
【0079】
故障したパスが低優先波長パスである場合は、故障したパスの一部もしくは全てについて、光クロスコネクト装置101、201(小粒度切替機能部)と、ODUクロスコネクト装置102、202(小粒度切替機能部)それぞれの接続設定を変えることにより、ODUクロスコネクト装置102、202(小粒度切替機能部)から接続されている高次パスの帯域(ODUの場合、タイムスロット(G.709標準の用語ではTributary Slot))を、故障した複数の低優先パスに分割して割当て、迂回パスである当該高次パスへの切り替えを行う。ノード装置200側でも同様である。ODUクロスコネクト装置102、202は、TDMクロスコネクト装置の一種である。
【0080】
以下、高優先波長パスが故障した場合、及び低優先波長パスが故障した場合のそれぞれの場合についての動作をフローチャートを参照して説明する。なお、本実施の形態では、高次通信路が波長パスであり、波長パスが故障した場合とは、ノード装置間における波長パスの故障を検出した場合の他、ノード装置間において、波長パスが収容する低次パスの故障を検出した場合を含む。例えば、高(低)優先の低次パス(クライアントパス)を収容する波長パスを高(低)優先波長パスとしてよい。また、波長パスのレベルで高(低)優先を定めてもよい。
【0081】
図9は、高優先波長パスが故障した場合における切替手順を示すフローチャートである。
【0082】
始点ノード100における制御機能部105にて故障を検出し、検出したパスが高優先波長パスであるか低優先波長パスであるか判別される(ステップ1)。つまり、故障したパス(故障した低次パスもしくは故障した高次パス、又は、故障した低次パスを収容する高次パス)の優先度が判別される。ここでは、波長パスが故障し、それが高優先波長パスであると判別され、光クロスコネクト装置101での迂回パスへの切り替えを行うと決定し、切り替えのための接続状態を決定する(ステップ2)。
【0083】
制御機能部105は、故障した高優先波長パスに接続されていたクライアントIFが迂回用の波長パスに接続されるように光クロスコネクト装置101の接続状態を変更する命令を、光クロスコネクト装置101に送信する(ステップ3)。
【0084】
光クロスコネクト装置101は命令に従って接続状態を変更し、光クロスコネクト装置101を通過するパスが切替えられる(ステップ4)。すなわち、クライアントIFの接続されるTributary IFを迂回波長パスに接続されるTributary IFに変更する。この動作をそれぞれの故障パスについて行う。
【0085】
また、始点ノード装置100で検出した故障や、切り替えのための設定情報は、制御機能部105が制御リンクを通じて対向のノード装置200の制御機能部205に制御メッセージにより通知する(ステップ21)。このときの制御プロトコルには、GMPLS(IETF RFC3476[非特許文献5])プロトコル群(RSVP-TE(RFC3209[非特許文献6])、CR-LDP(RFC3213[非特許文献7])、OSPF-TE(RFC3630)など)を用いる。
【0086】
対向のノード装置200においても同様に光クロスコネクト装置201の接続状態を変更し、クライアントIFの接続されるTributary IFを迂回波長パスに接続されるTributary IFに変更する(ステップ23、24)。
【0087】
図10は、低優先波長パスが故障した場合における切替手順を示すフローチャートである。なお、図10のフローチャートで順不同と記載した手順における処理の順番は任意であり、図10では手順の一例が示されている。
【0088】
始点ノード100の制御機能部105にて故障を検出し、検出したパスが高優先波長パスであるか低優先波長パスであるか判別される(ステップ31)ここでは、故障したパスが低優先波長パスであると判別されたものとする。
【0089】
制御機能部105は、ODUクロスコネクト装置102と多重・分離機能部104に接続される波長パスに、故障した低優先波長パスに収容されるパスが迂回されるように、ODUクロスコネクト装置102および光クロスコネクト装置101への接続命令のための設定情報を算出する(ステップ32、35)。
【0090】
また、同時に故障した低優先波長パスの数と、それぞれの低優先波長パスに収容される低次パス(ここでは故障パスとも呼ぶ)の帯域をチェックし、迂回経路となる高次通信路(波長パス)の帯域の分割量と分割後の帯域の故障パスへの割当量を決定し、それぞれの故障パスの迂回経路上での帯域を決定する。(故障前の低次パスである現用パスの帯域より少なくなる。)(ステップ32)
この際、それぞれの故障パスに割り当てられる帯域は、予めパス開通時に定められた各クライアントパスの最低帯域保証量を、あらかじめパス開通時に定められたクライアントパスの優先度順に割り当てる。また、決定された各故障パスの迂回経路上での帯域にしたがって、帯域フィルタ機能部103の動作の基準となる、各パスの帯域フィルタ量が決定され(ステップ34)、さらに、各故障パスの帯域と高次通信路のIFとなるTrunk IFの帯域に基づいて、多重・分離回路での多重方法を決定する(ステップ31)。
【0091】
例えば、3本の低優先クライアントパスが故障し(もしくは、これらを収容する3本の低優先波長パスが故障し)、それぞれのクライアントパス属性情報が以下の通りであるとする。
・ クライアントパス1
> 最大利用帯域100Gbps、最低必要帯域40Gbps、優先度高
・ クライアントパス2
> 最大利用帯域100Gbps、最低必要帯域40Gbps、優先度高
・ クライアントパス3
> 最大利用帯域100Gbps、最低必要帯域30Gbps、優先度低
この場合、これら3つのクライアントパスで、迂回経路となる高次パス帯域100Gbps分の帯域を分割して利用する。はじめに、優先度高であるクライアントパス1、クライアントパス2に、最低必要帯域の40Gbpsを割り当てる。クライアントパス3に対しては、クライアントパス1、クライアントパス2の帯域を割り当てた後、高次パスに残っている帯域が、クライアントパス3の必要帯域30Gbpsを上限として割り当てられる。(この説明のケース場合は20 Gbpsが割り当てられる。)ここでは、フィルタ量は最低保証帯域を超える帯域とした。フィルタ量は、最低保証帯域を超える帯域の一部のみとしても良い。
【0092】
パスの優先度毎にどちらの切り替えを行うかは、例えば、制御機能部105が図11に示すテーブルを保持することにより管理することができる。例えば、制御機能部105は、ある波長パスの故障を検出したときに、当該波長パスに収容されているパスの優先度情報を参照し、その情報が"1"であるとすると、図11のテーブルにより、高優先の切替方式で切り替えを行うと決定する。
【0093】
また、低優先切替時の帯域決定方法は、前述したように、制御機能部105が故障低次パス本数と迂回経路となる高次パス帯域を考慮して決定する方法の他に、事前に優先度に応じて絶対値もしくは現用通信路帯域に対する割合を決定しておく方法をとることも可能である。この場合は、例えば図12に示すテーブルを制御機能部105が保持する。この場合、例えば、制御機能部105は、ある波長パスの故障を検出したときに、当該波長パスに収容されているパスの優先度情報を参照し、その情報が例えば"N"であるとすると、図12のテーブルにより、低優先の切替方式で切り替えを行うと判断し、更に、現用パスの帯域の20パーセントの帯域で迂回路での通信を行うと決定する。
【0094】
図10に戻り、以上に記載した制御機能部105の決定事項(大粒度切替機能部、および小粒度切替機能部の設定方法、フィルタ設定、多重・分離器設定)が、光クロスコネクト装置101及びODUクロスコネクト装置102、帯域フィルタ機能部103、多重・分離機能部104に通知される(ステップ37)。
また、上記の情報は、制御リンクを通じて対向のノード装置200の制御機能部205にも通知され、装置内への命令が送信される(ステップ51、52)。このときの制御プロトコルには、GMPLSプロトコル群(RSVP-TE、CR-LDP、OSPF-TE)やOTNのオーバーヘッド情報(主信号以外の管理情報を定義した信号領域)等を用いる。
【0095】
始点ノード装置100、終点ノード装置200は、故障した高優先波長パスに接続されていたクライアントIFが迂回用の波長パスに接続されるように光クロスコネクト装置の接続状態を変更する(ステップ38、53)。また、帯域フィルタ機能部103、203は指定したパスを指定された帯域にフィルタまたはシェイピングするように帯域を変更する(ステップ39、54)。ODUクロスコネクト装置102、202は指定されたパスが指定されたポート(Tributary slot)に接続されるように接続状態を変更する(ステップ40、55)。多重・分離機能部104、204は、受信ODUクロスコネクトから接続されるODUパス信号をTrunk IFを通して高次パスに多重するとともに、高次パスである波長パスからTrunk IFを通じて受信する信号について、信号に付与された低次パスの識別子情報(ODUのTributary スロット番号、パケットもしくはフレームに記されたシーケンス番号など)を参照し、多重されている通信路を分離し、ODUクロスコネクト装置104、204に接続させる(ステップ41、56)。
【0096】
(第2の実施の形態)
波長パスは一般に複数リンクが接続されて構成されており、波長パスの故障が発生する場合、複数のリンクが故障している場合がある。そこで、本実施の形態では、第1の実施の形態で説明した低優先波長パスの切り替えを、通信網300で2箇所以上のリンクが連続して故障する多重故障が発生した場合の、一つ目の故障以降の2つ目の故障に対する故障の切り替えに適用する。
【0097】
制御機能部105(205)は、単一故障か多重故障かを把握する機能を備えており、図13に示すように、二段階以上の故障状態遷移を管理し、各故障状態の場合に、第1の実施の形態におけるどちらの切替方式を適用するか予め設定している。その場合の設定情報(制御機能部105が保持する)の例を図14に示す。
【0098】
図14に示すとおり、故障状態が一段階(単一故障)の場合は、第1の実施の形態の高優先波長パスに対する処理を行い、故障状態が2段階以上の場合は、第1の実施の形態の低優先波長パスに対する処理を行う。
【0099】
また、事前に故障状態に応じて絶対値もしくは現用通信路帯域に対する割合を決定しておく方法をとることも可能である。
【0100】
この場合は、制御機能部105(205)が、例えば図15に示すテーブルを保持し、当該テーブルを参照することにより、故障状態に応じた切替方式を決定する。この場合、例えば、制御機能部105は、ある波長パスの故障を検出したときに、当該故障の故障状態を把握する。そして、故障状態が例えば"N"であるとすると、図15のテーブルにより、低優先の切替方式で切り替えを行うと判断し、更に、現用パスの帯域の20パーセントの帯域で迂回路での通信を行うと決定する。
【0101】
高次通信路(高次パス)に多重故障が発生している場合は、単一故障発生時に比べより通信網のリソースが不足する。本実施の形態によれば、このような状態となった場合に、第1の実施の形態の低優先波長パスに対する切替処理を行い、低次パス間で帯域を分割して使用することで、一定のリソースの範囲でより多くの低次通信路に対して接続性を確保することができ、通信網のサバイバビリティを向上させることができる。
【0102】
(第3の実施の形態)
第1、第2の実施の形態に記載の切替動作は、通信路の故障をトリガとするものであるが、ノード装置100、200が高優先通信路の割込み機能(例えば、RSVP-TEで規定されるプリエンプション機能)を備え、高優先通信路の割込み機能により、第1、第2の実施の形態に記載の切替動作を実施することができる。ここで、高優先通信路の割込み機能とは、高優先通信路が低優先通信路を奪って利用する機能を意味する。すなわち、高優先波長パスの割込み機能をトリガとした場合は、第1、第2の実施の形態における故障発生を割込み発生として動作させることになる。なお、本発明の実施の形態では、割込みを受けた場合、故障の場合と同じ動作を行うので、「故障」を「割込み」を含む意味に解釈してよい。
【0103】
(第4の実施の形態)
第1〜第3の実施の形態に係るノード装置である始点ノード100、終点ノード200間に光クロスコネクト装置110、210を配置し、通信システムを構成するようにしてもよい。この場合の構成例を第4の実施の形態として図16に示す。
【0104】
ここでの光クロスコネクト装置110、210とは具体的にはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等やWSS(Wavelength selective switch)などの光スイッチと、AWG(Arrayed Waveguide Grating)、波長インターリーバ、光カプラ、WSS(WSSはクロスコネクト機能としてだけでなく、多重・分離機能にも使用することができる)等の波長多重・分離器を接続して構成したノード装置である。図16の構成では、光スイッチ、波長多重・分離器のそれぞれにWSSが使用されている。
【0105】
この構成では、ODUクロスコネクト装置102、202に接続される波長パス、及びODUクロスコネクト装置102、202と接続のない波長パスの何れについても同一の光ファイバに多重することができる。これにより少ない光ファイバで発明の技術を用いた通信網を構成し、より効率的に大規模なネットワークを構築でき、大規模なネットワークにおいても発明の取り組む課題をより効率的に解決することができる。
【0106】
なお、本実施の形態では光クロスコネクト機能と、波長多重機能の一体化したWSS等の光スイッチングデバイスを適用することもできる。また、クライアントIFに接続される光SW(光クロスコネクト装置101、201)についてもWSSを用いることができる。また、WSSの代わりにMEMSやPLC(Planer Lightwave Circuit)-SWベースのマトリクス-SWのような光SWとAWGを組み合せた構成を採用しても良い。
【0107】
(第5の実施の形態)
第1〜第4の実施の形態におけるノード装置のODUクロスコネクト装置102、202をMPLS-TPスイッチ等のパケットSW(111、211)で代替してノード装置を構成してもよい。この場合の構成例を図17に示す。
【0108】
また、パケットSWを利用する場合は、フィルタ機能をパケットSWのベストエフォート式のパケット多重機能を活用して、小粒度切替機能部に加え、フィルタ機能部を実現し、フィルタ機能部と小粒度切替機能部の両方をパケットSW111、211で同時に実現することができる。ここで、パケットSW111、211のベストエフォート式のパケット多重機能とは、多重される通信路が、多重された後に必ずしも多重される前の帯域を確保する保証の無い、IPパケットやEthernetパケットを利用した多重方式である。パケットSW111、211のベストエフォート式のパケット多重機能を多重・分離機能部として用いた具体的な動作は、第1〜第4の実施の形態の多重・分離機能部の動作の場合と同様である。
【0109】
(第6の実施の形態)
本実施の形態では、図18に示すように、第1〜第5の実施の形態におけるノード装置をリング状、もしくはメッシュ状に光ファイバにより接続して、大粒度切替機能と、小粒度切替機能を、通信路の故障状況に応じて使い分けて切り替えて利用し、一定の設備資源の範囲で故障耐性の強い通信システムを構築している。
【0110】
ここで状況に応じての具体的な例として、故障の無い状態では、大粒度切替機能を利用して設定した通信路で通信を行い、故障が発生した状態では、小粒度通信路機能を利用して通信を行う。リング状またはメッシュ状に接続する場合も、各ノード装置については、図5、図16、図17等の構成と同様の装置構成をとることができる。
【0111】
図19A、19Bに、本発明の実施の形態に係るノード装置を4ノード(ノード#1〜ノード#4)、光ファイバでリング状に接続した構成例を示す。図19A、19Bでは各ノード装置の構成の図示を簡略化し、ノード装置の機能部のうち、小粒度切替機能部と大粒度切替機能部を除き省略している。図19Aは故障の無い状態を示し、図19Bは故障時の状態を示している。
【0112】
故障の無い状態(図19A)では、通信路A,B,Cがノード#1、ノード#3、ノード#4の大粒度切替機能部により構成されている。また、ノード間では通信路A,B,Cが同一の光ファイバに多重されている。なお、この状態では、通信路A,B,Cは小粒度切替機能部を通過していない。
【0113】
ノード#1とノード#3を接続する光ファイバ故障が発生した場合は、通信路A,B,Cが通信断となる。通信断が発生して故障が検出されると、第1〜第5の実施の形態に示した方法により迂回経路に切り替えが行われ、図19Bに示すような状態になる。通信路A,B,Cは、帯域を削減されノード#1、ノード#4の小粒度切替機能部を通過する。また、小粒度切替機能部の前/後において、高次通信路(WDMの場合は光ファイバ)に多重もしくは高次通信路から分離される。ノード#2では、それぞれの通信路は多重され高次通信路となっているため、大粒度切替機能部を通過する。
【0114】
(第7の実施の形態)
本発明の実施の形態に係るノード装置を、例えば第6の実施の形態の通信網にて使用する場合、図20に示したように、異なる光ファイバに接続される大粒度切替機能部(例えばWSS等)間で、小粒度切替機能部を共有する構成を採用してもよい。すなわち、この場合、ノード装置500は、複数の大粒度切替機能部501(例えばWSS等)を備え、これら複数の大粒度切替機能部501が、1つの小粒度切替機能部502を共有する。ノード装置600についても同様である。
【0115】
ファイバ断等の故障を想定すると、異なる光ファイバに収容される波長パスは、同時に故障する確率が低いため、同時に故障する確率が低い波長パス(この場合、異なる光ファイバに収容される波長パス)間で、小粒度切替機能部を効果的に共有することができる。これによって、小粒度切替機能部の消費電力や帯域に対する必要規模が大きい場合、効率的に小粒度切替機能部を共有し、帯域が増加した場合でも通信網の装置規模を削減することができる。
【0116】
例えば、大粒度切替機能部501をWSSで、小粒度切替機能部502をパケットファブリック(パケットスイッチングを実現する回路)で構成した場合、WSSを通過する波長パスが故障した際に迂回ルートの一部として使用することになるパケットファブリックを共有することができる。
【0117】
(実施の形態のまとめ、効果)
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、現用通信路の優先度や故障状態に応じて、通信路帯域、及び通信路を適用する際の通信路制御粒度(切替対象となる通信路の帯域粒度)、転送技術(波長、TDM、パケット等)を変更するノード装置が提供される。
【0118】
実際の通信網では、現用通信路が故障している確率は、予備通信路である迂回通信路が故障している確率より小さい。このため、本発明の実施の形態では、複数の回線で帯域を同一時間帯に共用する機能等、回線帯域に比例して規模が増大し、大容量通信路に対しては不向きなパケット交換式の装置などを利用する時間を、迂回経路利用時に限ることで、通信網全体としては統計的に、帯域量に依存して規模が増大する装置の必要量を削減することが可能になる。一方で、回線を共用して、少ない通信網の容量においても、より多くの回線の継続性を担保する、ロバストな回線サービスを提供することが可能となる。
【0119】
すなわち、本発明の実施の形態で説明した技術によれば、基幹通信網において、少ない予備通信路で通信網の高信頼化を実現する冗長化機能が実現できる。
【0120】
大容量通信に適した光クロスコネクト等の例えば芯線単位又は波長単位でパスを切り替える大粒度切替装置と、小容量通信に適した、例えばフレーム単位で収容パスを切り替える小粒度切替装置、帯域フィルタ機能、多重・分離機能を効果的に配備(故障状態の時のみ、帯域を削減して小粒度切替装置を使用可能な構成、)することで、予備通信路を共用する現用通信路が同時に故障した場合にも、予備リソースをシェアして通信を継続させ、転送帯域の全断のリスクを低減することができる。
また、上記のような切替動作を、大容量回線に対して装置規模増大の原因となる小粒度切替装置を部分的のみに配備し、小粒度の切り替えが不要の場合は、大粒度切替装置にて処理することができる。本発明の実施の形態では、現用通信路が使われている状態であるか、迂回通信路が使われている状態であるか切替状態を識別し、切替時に帯域を削減する機能を備えるため、切替経路の帯域が通常時より小さくできるという特徴がある。このため、故障がなく現用通信路が使用されている通常時は、効率の良い大粒度切替機能を利用し、帯域の小さくなる切替時には小粒度切替機能を提供することができる。これにより、少ない予備通信路で通信網の高信頼化を実現する冗長化機能が実現できる。また、大きな粒度で処理が必要な場合は、大容量トラフィックの処理に適した光クロスコネクト等の大粒度切替装置を利用することができるため、増大するトラフィックに対して従来技術に比べて拡張性が担保できる。
【0121】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0122】
1、2、51、61 大粒度切替装置
3、4、52、62 小粒度切替装置
10、20、50、60、100、200、500、600 ノード装置
11、21、501、601 大粒度切替機能部
12、22、502、602 小粒度切替機能部
13、23、503、603 帯域フィルタ機能部
14、24、504、604 多重・分離機能部
15、25 制御機能部
101、201 光クロスコネクト装置
102、202 ODUクロスコネクト装置
103、203 帯域フィルタ機能部
104、204 多重・分離機能部
105、205 制御機能部
110、210 光クロスコネクト装置
111、211 パケットSW
30、70、300 通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント装置と低次通信路を介して接続されるとともに、当該低次通信路を収容する高次通信路を介して他のノード装置と接続されるノード装置であって、
大粒度の通信路切替機能を備えた大粒度切替機能部と、
小粒度の通信路切替機能を備えた小粒度切替機能部と、
前記大粒度切替機能部と前記小粒度切替機能部との間で高次通信路の帯域を削減するフィルタ機能部と、
前記小粒度切替機能部に接続される迂回高次通信路へ信号を送信する際の信号多重処理、及び迂回高次通信路から当該小粒度切替機能部が信号を受信する際の信号分離処理を行う多重・分離機能部と、
故障検出機能、前記大粒度切替機能部及び前記小粒度切替機能部に対する切替命令機能、及び前記フィルタ機能部に対するフィルタ動作設定機能を含む制御機能部と、を備え、
前記制御機能部が、前記ノード装置及び前記他のノード装置との間の通信路の故障を検出した際に、前記フィルタ機能部が、当該故障した通信路に対応する単数あるいは複数の高次通信路の信号の帯域を削減し、前記小粒度切替機能部が、当該帯域の削減された信号を前記迂回高次通信路に接続することにより通信路切替を行う
ことを特徴とするノード装置。
【請求項2】
前記制御機能部は、通信路の優先度を識別する機能を備え、通信路の故障を検出した際に、当該通信路の優先度に応じて、前記フィル多機能部で削減する帯域値を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
【請求項3】
前記制御機能部は、通信路の故障状態、もしくは故障を検出した高次通信路の優先度を識別する機能を備え、前記通信路の故障状態、もしくは前記優先度に応じて、前記大粒度切替機能部による通信路切替と、前記小粒度切替機能部による通信路切替のうちのいずれを実施するかを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
【請求項4】
前記制御機能部は、通信路の故障を検出した際に、当該通信路の故障状態に応じて、前記フィル多機能部で削減する帯域値を変更する
ことを特徴とする請求項3に記載のノード装置。
【請求項5】
前記大粒度切替機能部の数は複数であり、当該複数の大粒度切替機能部により、前記小粒度切替機能部を共有する
ことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のノード装置。
【請求項6】
前記大粒度切替機能部を光クロスコネクト装置により構成するとともに、
前記小粒度切替機能部をTDMクロスコネクト装置により構成する、もしくは、前記小粒度切替機能部及び前記フィルタ機能部をパケットスイッチにより構成する
ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載のノード装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載のノード装置を光ファイバにより接続した通信システム。
【請求項8】
クライアント装置と低次通信路を介して接続されるとともに、当該低次通信路を収容する高次通信路を介して他のノード装置と接続されるノード装置が実行する故障切替方法であって、
前記ノード装置は、大粒度の通信路切替機能を備えた大粒度切替機能部と、小粒度の通信路切替機能を備えた小粒度切替機能部と、前記大粒度切替機能部と前記小粒度切替機能部との間で高次通信路の帯域を削減するフィルタ機能部と、を含み、前記故障切替方法は、
通信路の故障を検出した際に、当該通信路の故障状態、もしくは故障を検出した通信路に対応する高次通信路の優先度を判別するステップと、
前記通信路の故障状態、もしくは前記優先度に応じて、前記大粒度切替機能部による通信路切替と、前記小粒度切替機能部による通信路切替のうちのいずれを実施するかを決定するステップと、
前記小粒度切替機能部による通信路切替を行う場合に、前記フィルタ機能部が、当該故障した通信路に対応する単数あるいは複数の高次通信路の信号の帯域を削減し、前記小粒度切替機能部が、当該帯域の削減された信号を迂回高次通信路に接続することにより通信路切替を行うステップと
を備えたことを特徴とする故障切替方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−26803(P2013−26803A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159357(P2011−159357)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
2.イーサネット
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】